JP2017206756A - 硬質皮膜及び金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた耐摩耗性を有する硬質皮膜及び当該硬質皮膜が成形面上に形成された金型を提供する。【解決手段】硬質皮膜12は、少なくともタングステン、元素M及び炭素の各元素を含有する硬質皮膜である。硬質皮膜12において、元素Mは、周期律表の4a族に属する元素、周期律表の5a族に属する元素、周期律表の6a族に属する元素であってタングステンを除いた元素、アルミニウム、珪素及びホウ素からなる群より選択される少なくとも一種類の元素である。硬質皮膜12におけるタングステンと元素Mの合計の原子比は、0.2以上0.8以下である。【選択図】図2
Description
本発明は、硬質皮膜及び当該硬質皮膜が成形面上に形成された金型に関する。
近年、金属板のプレス成形などに使用される金型は、高張力(ハイテン)鋼板などの強度アップした金属板のプレス成形や熱間プレス(ホットスタンプ)などの新しく開発された加工方法に使用されることから、従来に比べてより負荷が高い状態で使用されている。このため、現状では、プレス成形による金型の損耗が著しく加速されている状況にある。
このような状況に対応するため、金属板をプレス成形する金型の成形面上において硬質な金属材料からなる皮膜を耐摩耗層として形成することにより、プレス成形時に生じる金型の摩耗を防ぐことが提案されている。例えば、下記特許文献1には、物理蒸着(Physical Vapor Deposition;PVD)法によってクロム系の硬質皮膜を金型の成形面上に形成することが提案されている。
上記特許文献1において提案されるように、クロム系の硬質皮膜が成形面上に形成された金型では、プレス成形時の金型の摩耗をある程度防ぐことができるが、その効果は十分ではなかった。このため、近年のように高負荷な状況で実施されるプレス成形に対応可能な金型を提供するため、金型の成形面に形成される硬質皮膜の耐摩耗性を一層向上させる必要があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れた耐摩耗性を有する硬質皮膜及び当該硬質皮膜が成形面上に形成された金型を提供することである。
本発明の一局面に係る硬質皮膜は、少なくともタングステン(以下、化学記号である「W」でも記す。他元素も同様。)、元素M及びCの各元素を含有する硬質皮膜である。上記硬質皮膜において、元素Mは、周期律表の4a族に属する元素、周期律表の5a族に属する元素、周期律表の6a族に属する元素であってWを除いた元素、Al、Si及びBからなる群より選択される少なくとも一種類の元素である。前記硬質皮膜におけるWと元素Mの合計の原子比は、0.2以上0.8以下である。
本発明者らは、炭化タングステン(WC)皮膜や炭窒化タングステン(WCN)皮膜など、WCをベースとする皮膜の耐摩耗性を改善するための方策について、鋭意検討を行った。その結果、本発明者らは、WCをベースとする皮膜に特定の元素Mを添加し、且つ皮膜におけるWと元素Mの合計の添加量を特定の範囲に調整することにより、皮膜の耐摩耗性が著しく向上することを見出し、本発明に想到した。
上記硬質皮膜は、W及びCの元素に加えて、元素M(周期律表の4a族、5a族及び6a族(Wを除く)に属する元素、Al、Si並びにBからなる群より選択される少なくとも一種類の元素)が添加されたものであり、且つWと元素Mの合計の原子比が0.2以上0.8以下の範囲に調整されている。
本発明者らによる鋭意検討の結果、皮膜中におけるWと元素Mの合計の原子比が0.2以上に調整されることにより、皮膜の耐摩耗性が著しく向上することが明らかとなった。また当該合計の原子比が0.8を超えると、皮膜中における元素MとWの添加量が多くなり過ぎるためCの添加量が少なくなり、凝着性が低下するため、耐摩耗性が低下することも明らかとなった。上記硬質皮膜では、当該合計の原子比が0.2以上0.8以下の適切な範囲を満たすようにW及び元素Mの各元素を添加することにより、皮膜の耐摩耗性を改善することができる。また耐摩耗性をより向上させる観点から、当該合計の原子比が0.3以上0.7以下の範囲に調整されることが好ましく、0.4以上0.5以下の範囲に調整されることがより好ましい。
上記硬質皮膜は、組成式が(W1−αMα)aCbNcXd(a+b+c+d=1)である単層膜であってもよい。元素Xは、Fe、Ni、Co及びCuからなる群より選択される少なくとも一種類の元素である。上記組成式において、「1−α」はWの原子比を示し、「α」は元素Mの原子比を示し、「a」はWと元素Mの合計の原子比を示し、「b」はCの原子比を示し、「c」はNの原子比を示し、「d」は元素Xの原子比を示している。
この構成によれば、上記硬質皮膜を単層膜によって構成することで、一種類のターゲットのみを蒸発させることによって成膜が可能となり、成膜プロセスをより簡易化することができる。
上記硬質皮膜において、元素Mの原子比αが0.05≦α≦0.8の範囲を満たしていてもよい。
本発明者らの検討によると、原子比αが0.05以上の範囲を満たすように元素Mを添加することにより皮膜の耐摩耗性が大きく向上し、一方で原子比αが0.8を超えると、元素Mの添加量が過剰になるため、耐摩耗性が低下する。このため、元素Mは、0.05≦α≦0.8の範囲を満たすように添加されることが好ましく、0.1≦α≦0.5の範囲を満たすように添加されることがより好ましい。
上記硬質皮膜は、組成式が(W1−αMα)aCbNcXd(a+b+c+d=1,0.2≦a≦0.8)であり、且つ、互いに異なる成分組成を有する第1の皮膜層及び第2の皮膜層が交互積層された多層膜であってもよい。元素Xは、Fe、Ni、Co及びCuからなる群より選択される少なくとも一種類の元素である。好ましくは、前記第1の皮膜層は、Wの原子比1−αが元素Mの原子比αよりも大きい皮膜層であり、前記第2の皮膜層は、元素Mの原子比αがWの原子比1−αよりも大きい皮膜層である。より好ましくは、前記第1の皮膜層におけるWの原子比1−αが1であり、且つ、前記第2の皮膜層における元素Mの原子比αが1である。なお、上記組成式における「1−α」、「α」、「a」、「b」、「c」及び「d」は、上記単層膜の場合と同様に各元素の原子比を示している。
この構成によれば、第1の皮膜層と第2の皮膜層とが交互積層された膜構造とした場合でも、各皮膜層においてWと元素Mの合計の原子比aを0.2≦a≦0.8の範囲に調整することで、上記単層膜と同様に耐摩耗性向上の効果が得られる。また積層構造による皮膜の硬度向上の効果も得られ、耐摩耗性を一層改善することができる。しかも、皮膜にクラックが生じた場合でも、第1の皮膜層と第2の皮膜層との界面において当該クラックの伝播を抑制することができるため、皮膜の耐久性も向上する。
また第1の皮膜層におけるWの原子比が1であり、第2の皮膜層における元素Mの原子比が1である場合には、Wターゲットと元素Mのターゲットを2種類準備し、これらをそれぞれ蒸発させることにより成膜が可能である。このため、製造コストが高いWと元素Mの合金ターゲットを準備する必要がなく、低コスト化を図ることができる。
上記硬質皮膜において、Cの原子比bが0.2≦b≦0.8の範囲を満たしていてもよい。
本発明者らの検討によると、原子比bが0.2未満又は0.8を超える範囲でCが添加される場合に比べて、原子比bが0.2≦b≦0.8の範囲を満たすようにCが添加された場合、耐摩耗性が向上する。このため、Cの原子比bは、0.2≦b≦0.8の範囲を満たすことが好ましく、0.3≦b≦0.7の範囲を満たすことがより好ましく、0.5≦b≦0.6の範囲を満たすことがさらに好ましい。
上記硬質皮膜において、Nの原子比cが0≦c≦0.2の範囲を満たしていてもよい。
Nは、皮膜中において主に元素Mと結合することにより窒化物を形成し、それによって皮膜の耐摩耗性を向上させる効果を有する。しかし、一方で原子比cが0.2を超える範囲でNが添加されると、Nの添加量が過剰になり、耐凝着性が低下する。このため、Nの原子比cは、0≦c≦0.2の範囲を満たすことが好ましく、0≦c≦0.1の範囲を満たすことがより好ましい。なお、Nは、本発明の硬質皮膜において必須の添加元素ではなく、添加されなくてもよい(c=0)。
上記硬質皮膜において、元素Xの原子比dが0≦d≦0.1の範囲を満たしていてもよい。
上述の通り、元素Xは、Fe、Ni、Co及びCuのうちいずれかの元素であり、これらの金属元素を添加することにより皮膜の靱性が改善され、耐摩耗性が向上する。このような効果を得るため、元素Xは、原子比dが0≦d≦0.1の範囲を満たすように添加されることが好ましく、0≦d≦0.05の範囲を満たすように添加されることがより好ましい。なお、元素Xは、Nと同様に本発明の硬質皮膜において必須の添加元素ではなく、添加されなくてもよい(d=0)。
上記硬質皮膜において、元素Mは、V、Ti、Ta及びCrからなる群より選択される少なくとも一種類の元素であってもよい。この場合、Nの原子比cが0であることが好ましい。
上述の通り、元素Mは、周期律表の4a族、5a族及び6a族(Wを除く)に属する元素、Al、Si及びBのうちから選択される元素であるが、耐摩耗性向上の観点から、特にV、Ti、Ta及びCrが好ましく、Vが特に好ましい。またこれらの金属元素は、炭化物を形成することにより最も硬度特性が向上するものである。このため、皮膜中におけるCの添加量を多くして金属炭化物の量を多くするため、Nを添加しない(c=0)ことが好ましい。
本発明の他局面に係る金型は、被成形部材を成形するための成形面が形成された金型である。前記成形面には、上記硬質皮膜が形成されている。
上記金型では、成形面において耐摩耗性に優れた上記硬質皮膜が形成されている。このため、上記金型によれば、高張力鋼板のプレス成形や熱間プレスなどの高負荷な状況で使用された場合でも、被成形部材との接触による金型の摩耗を効果的に抑制することができる。
上記金型は、Al又はZnを含む前記被成形部材を成形する金型であってもよい。
上記硬質皮膜は、摺動時における耐摩耗性に優れると共に、炭化物がベースの皮膜であるため、軟質金属に対する耐凝着性にも優れる。このため、AlやZnなどの軟質金属を含む被成形部材を成形する際に、金型への軟質金属の凝着を抑制することができる。特に、熱間成形においては軟質金属と金型との接触により凝着がより起こり易いことから、上記硬質皮膜を金型の成形面上に形成することが好ましい。
本発明によれば、優れた耐摩耗性を有する硬質皮膜及び当該硬質皮膜が成形面上に形成された金型を提供することができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。
(実施形態1)
[金型]
まず、本発明の実施形態1に係る金型1の構造について、図1を参照して説明する。金型1は、例えば熱間プレスにより被成形部材である金属板10を所望の形状にプレス成形するためのものであって、上金型(第1 金型)1Aと、下金型(第2金型)1Bと、を備える。
[金型]
まず、本発明の実施形態1に係る金型1の構造について、図1を参照して説明する。金型1は、例えば熱間プレスにより被成形部材である金属板10を所望の形状にプレス成形するためのものであって、上金型(第1 金型)1Aと、下金型(第2金型)1Bと、を備える。
金属板10は、例えばハイテン鋼板などの金属製薄板であり、板本体10Bと、その両主面10C,10Dに形成された金属層10Aと、を有する。金属層10Aは、例えばめっきなどの手法により形成された所定の厚みを有する層であり、AlやZnなどの軟質金属を含む。より具体的には、金属層10Aは、Al若しくはZnなどの単体の軟質金属からなり、又は、Al−Si、Zn−Al、Zn−Mg若しくはZn−FeなどのAl若しくはZnを含む合金金属からなるものである。また金属板10は、本実施形態のように金属層10Aが板本体10Bの両主面10C,10Dにめっき形成されたものに限られず、Alなどの軟質金属からなる板本体10Bのみにより構成されるものでもよい。
図1に示すように、上金型1A及び下金型1Bは、上下方向に互いに離間して配置されている。上金型1A及び下金型1Bには、金属板10を所望の形状に成形するための上側成形面4及び下側成形面5がそれぞれ形成されており、上金型1A及び下金型1Bは、これらの成形面4,5が上下方向に互いに対向するように配置されている。
上金型1Aの下部には、下金型1Bに向かって下向きに出っ張った形状の凸部6が略中央に形成されており、下金型1Bの上部には、上金型1Aと反対向きに凹む凹部7が略中央に形成されている。また凸部6及び凹部7は、互いに嵌合可能な形状及び大きさに形成されている。このため、図1に示すように、上側成形面4は水平方向の略中央において下向きに張り出した段差状に形成されており、下側成形面5は水平方向の略中央において下向きに凹む段差状に形成されている。
上金型1A及び下金型1Bは、不図示の駆動部からの駆動力によって互いに接近する方向又は離れる方向に相対移動が可能に構成されている。当該駆動部は、例えば油圧式又は電動式の往復移動可能なピストンにより構成されている。本実施形態では、下金型1Bが水平面上に固定され、且つ上金型1Aが当該駆動部によって下金型1Bに接近するように又は離れるように移動可能となっている。
上記構成の金型1によれば、概略以下のようにして金属板10をプレス成形することができる。まず、不図示の電気炉内における加熱や通電加熱によって軟化状態とされた金属板10が、下側成形面5上において凹部7の開口部を覆うように配置される。この状態で駆動部を作動させることにより、上金型1Aが下金型1Bに向かって下降する。これにより、凸部6によって金属板10の上側主面(下側成形面5に配置される下面主面と反対側の主面)が押圧される。そして、当該凸部6の先端が凹部7の底面近傍に達するまで(下死点に達するまで)上金型1Aを押し込むことにより、金属板10を凹部7の溝形状に沿ったハット形状に曲げ加工することができる。なお、金型1は、上述のような熱間成形だけでなく、冷間加工に適用することも可能である。
上記のような手順で金属板10をプレス成形する場合、上側成形面4及び下側成形面5は、金属板10の表面との激しい摺動によって摩耗が進行する。特に、本実施形態のように、強度が高いハイテン鋼板を金属板10として使用する場合や、加熱軟化状態の金属板10をプレス成形する熱間成形を行う場合には、プレス時に金型1に加わる負荷が大きく、上側成形面4及び下側成形面5の摩耗が顕著になる。このような問題に対して、本実施形態に係る金型1では、金属板10との摺動に起因する摩耗の進行を抑制するための耐摩耗層として、耐摩耗性に優れた硬質皮膜12が上側成形面4及び下側成形面5上にそれぞれコーティングされている。以下、この硬質皮膜12の成分組成について詳細に説明する。
[硬質皮膜]
図2に示すように、硬質皮膜12は、上側成形面4及び下側成形面5上において薄く且つ均一にコーティングされている。硬質皮膜12の厚みTは、例えば5μm程度である。硬質皮膜12は、例えばイオンプレーティング法やスパッタリング法などのPVD法によって形成されており、特に緻密で高硬度な皮膜を形成可能であることからアークイオンプレーティング(Arc Ion Plating;AIP)法によって形成されていることが好ましい。しかし、硬質皮膜12の成膜手法はこれに限られず、例えば化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition;CVD)法などが用いられてもよい。硬質皮膜12の成膜プロセスについては、後に詳述する。
図2に示すように、硬質皮膜12は、上側成形面4及び下側成形面5上において薄く且つ均一にコーティングされている。硬質皮膜12の厚みTは、例えば5μm程度である。硬質皮膜12は、例えばイオンプレーティング法やスパッタリング法などのPVD法によって形成されており、特に緻密で高硬度な皮膜を形成可能であることからアークイオンプレーティング(Arc Ion Plating;AIP)法によって形成されていることが好ましい。しかし、硬質皮膜12の成膜手法はこれに限られず、例えば化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition;CVD)法などが用いられてもよい。硬質皮膜12の成膜プロセスについては、後に詳述する。
硬質皮膜12は、少なくともW、元素M及びCの各元素を含有するものであって、組成式が(W1−αMα)aCbNcXd(a+b+c+d=1)である単層膜からなる。元素Mは、周期律表の4a族に属する元素(Ti、Zr、Hfなど)、周期律表の5a族に属する元素(V、Nb、Taなど)、周期律表の6a族に属する元素(Mo、Crなど(但し、Wは除く))、Al、Si及びBからなる群より選択される少なくとも一種類の元素であり、当該群より選択される一種類の元素であってもよいし、複数種の元素であってもよい。また元素Xは、Fe、Ni、Co及びCuからなる群より選択される少なくとも一種類の元素であり、当該群より選択される一種類の元素であってもよいし、複数種の元素であってもよい。
上記組成式において、「1−α」は元素Mに対するWの原子比を示し、「α」はWに対する元素Mの原子比を示し、「a」は皮膜全体におけるWと元素Mの合計の原子比を示し、「b」は皮膜全体におけるCの原子比を示し、「c」は皮膜全体におけるNの原子比を示し、「d」は皮膜全体における元素Xの原子比を示している。
これらの原子比は、硬質皮膜12についてエネルギー分散型X線分光法(Energy Dispersive X−ray Spectroscopy;EDX)を用いて皮膜中の各元素を検出することにより測定可能である。具体的には、硬質皮膜12の表面に電子線を照射し、それにより発生する各元素固有の特性X線を検出することにより、皮膜中における各元素の存在を確認すると共に、それらの元素の定量分析によって各原子比を測定することができる。
本実施形態に係る硬質皮膜12は、WCをベースとする皮膜に特定の元素Mが添加され、且つ皮膜中におけるWと元素Mの合計の原子比aが0.2≦a≦0.8の範囲に調整されている点に主に特徴を有している。本発明者らが原子比aと皮膜の耐摩耗性との関係について詳細に検討した結果、原子比aが0.2以上の範囲に調整されることにより、皮膜の耐摩耗性が著しく向上することが分かった。このため、硬質皮膜12においては、原子比aが0.2≦aの範囲を満たすように調整されている。一方、原子比aが0.8を超えると、Wと元素Mの添加量が多くなり過ぎるため、皮膜中におけるCの添加量が相対的に少なくなり、皮膜の耐摩耗性が低下することも明らかとなった。このため、硬質皮膜12においては、原子比aがa≦0.8の範囲を満たすように調整されている。また皮膜の耐摩耗性を一層向上させるため、原子比aは0.3≦a≦0.7の範囲を満たすことがより好ましく、0.4≦a≦0.5の範囲を満たすことがさらに好ましい。
硬質皮膜12において、元素Mの原子比αは、0.05≦α≦0.8の範囲を満たすように調整されている。この時、Wの原子比1−αは、0.2≦1−α≦0.95の範囲となる。本発明者らが原子比αと皮膜の耐摩耗性との関係について詳細に検討したところ、原子比αが0.05≦αの範囲を満たすように元素Mを添加することにより皮膜の耐摩耗性が向上し、一方で原子比αが0.8を超えるまで元素Mを添加すると、元素Mの添加量が過剰になるため、皮膜の耐摩耗性が悪化する。このため、元素Mは、原子比αが0.05≦α≦0.8の範囲を満たすように添加されることが好ましく、0.1≦α≦0.5の範囲を満たすように添加されることがより好ましい。
硬質皮膜12において、Cの原子比bは、0.2≦b≦0.8の範囲を満たすように調整されている。原子比bを上記範囲に調整することにより、上記範囲外である場合に比べて皮膜の耐摩耗性が向上する。また耐摩耗性を一層向上させる観点から、Cの原子比bは、0.3≦b≦0.7の範囲を満たすことがより好ましく、0.5≦b≦0.6の範囲を満たすことがさらに好ましい。
Nは、皮膜中において主に元素Mと結合することにより窒化物を形成し、これによって皮膜の耐摩耗性を一層向上させる元素である。しかし、皮膜中におけるNの添加量が過剰になると、プレス成形時において金属板10の材料が金型1に凝着する量が多くなる。このため、硬質皮膜12においては、原子比cが0≦c≦0.2の範囲を満たすようにNが添加されており、0≦c≦0.1の範囲を満たすことがより好ましい。
ここで、元素Mとして、V、Ti、Ta及びCrからなる群より選択される少なくとも一種類の元素が採用される場合には、Nが添加されないことが好ましい(c=0)。これらの金属元素は、元素Mとして採用され得る他の元素に比べて耐摩耗性向上の効果が特に優れるものであるが、当該効果はCと結合して金属炭素物を形成することにより発揮される。よって、皮膜中にNが添加されると、上記金属炭化物の量が少なくなるため、耐摩耗性向上の効果も小さくなる。よって、V、Ti、Ta又はCrの金属元素を元素Mとして皮膜に添加する場合には、金属炭化物の量を多くするため、Nを添加しないことが好ましい。
元素X(Fe、Ni、Co、Cu)は、皮膜の靱性を向上させるための金属元素であり、これを添加することにより硬質皮膜12の耐摩耗性が一層向上する。しかし、皮膜中における元素Xの添加量が過剰になると、Wや元素Mの添加量が相対的に少なくなり、耐摩耗性に劣る。このため、硬質皮膜12においては、原子比dが0≦d≦0.1の範囲を満たすように元素Xが添加されており、0≦d≦0.05の範囲を満たすように元素Xが添加されることがより好ましい。
[硬質皮膜の成膜]
次に、硬質皮膜12の成膜プロセスについて詳細に説明する。図3は、硬質皮膜12の成膜に 使用される成膜装置2の構成を示している。まず、成膜装置2の構成について、図3を参照して説明する。
次に、硬質皮膜12の成膜プロセスについて詳細に説明する。図3は、硬質皮膜12の成膜に 使用される成膜装置2の構成を示している。まず、成膜装置2の構成について、図3を参照して説明する。
成膜装置2は、チャンバー21と、複数(2つ)のアーク電源22及びスパッタ電源23と、ステージ24と、バイアス電源25と、複数(4つ)のヒータ26と、放電用直流電源27と、フィラメント加熱用交流電源28と、を有する。チャンバー21には、真空排気するためのガス排気口21Aと、チャンバー21内にガスを供給するためのガス供給口21Bと、が設けられている。アーク電源22の負(−)バイアス側がアーク蒸発源(ターゲット)22Aに接続され、スパッタ電源23の負バイアス側がスパッタ蒸発源(ターゲット)23Aに接続される。またアーク電源22及びスパッタ電源23の正(+)バイアス側は、チャンバー21に接続されている。ステージ24は、回転可能に構成され、被成膜物である金型1を支持するための支持面を有する。バイアス電源25は、ステージ24を通して被成膜物に負バイアスを印加する。
次に、金型1の表面上への硬質皮膜12の成膜プロセスについて説明する。本実施形態では、AIP法により硬質皮膜12を成膜する場合を一例として説明する。
まず、金型1がチャンバー21内に導入され、図3に示すようにステージ24上にセットされる。一方、W及び元素Mを所定の比率(元素Mの割合が5〜80%)で混合した合金ターゲットが準備され、アーク蒸発源22Aとしてアーク電源22の負バイアス側に接続される。この時、元素Xが添加された硬質皮膜12を成膜する場合には、W及び元素Mに加えて、元素X(Fe、Ni、Co、Cu)を所定の比率で混合した合金ターゲットが用いられる。
次に、チャンバー21内の空気をガス排気口21Aから排気することにより、チャンバー21内が所定の圧力まで減圧される。次に、ガス供給口21BからArガスがチャンバー21内に導入され、ヒータ26により金型1が所定の温度まで加熱される。そして、金型1の表面がArイオンにより所定時間エッチングされ、これによって金型1の表面に形成された酸化皮膜などが成膜前に予め除去される(クリーニング)。
次に、メタン(CH4)などの炭化水素ガスとArガスとの混合ガスがガス供給口21Bからチャンバー21内に導入され、これによりチャンバー21内の圧力が所定の成膜圧力に調整される。そして、アーク電源22からアーク蒸発源22Aに所定のアーク電流を流してアーク放電を開始すると共に、バイアス電源25により金型1に所定の負バイアスを印加しつつステージ24を所定の回転速度で回転させる。これにより、蒸発したW及び元素M、並びにメタンの分解により生成したCが金型1の表面上に堆積し、硬質皮膜12が成膜される。
上記成膜プロセスでは、成膜後の硬質皮膜12において、Wと元素Mの合計の原子比aが0.2≦a≦0.8の範囲を満たし且つ元素Xの原子比dが0≦d≦0.1の範囲を満たすようにアーク電流値が調整され、Cの原子比bが0.2≦b≦0.8の範囲を満たすようにメタンガスの流量が調整される。また成膜時間は、硬質皮膜12が所望の膜厚Tに達するように適宜調整される。
またNが添加された硬質皮膜12を成膜する場合には、メタンガスなどの炭素源となるガスに加えて、窒素(N2)などの窒素源となるガスをさらに含む混合ガスがチャンバー21内に導入される。そして、窒素の分解により生成したNが硬質皮膜12中に取り込まれることにより、含窒素皮膜を成膜することができる。この時、成膜後の硬質皮膜12において、Nの原子比cが0≦c≦0.2の範囲を満たすように窒素ガスの流量が調整される。また元素MとしてBを含有する硬質皮膜12を成膜する場合には、ターゲット中にBを含有させてもよいがこれに限られず、フッ化ホウ素(BF3)などのホウ素源となるガスがチャンバー21内に導入されてもよい。
上記のようにして金型1上への硬質皮膜12の成膜を行い、その膜厚が所望の値に到達すると、アーク電源22からアーク蒸発源22Aへの電流の供給が停止される。その後、チャンバー21内が大気開放され、成膜後の金型1がチャンバー21外に取り出される。以上のようなプロセスにより、金型1上に硬質皮膜12が成膜される。
またスパッタリング法を用いる場合も、基本的に上記と同様の手順で硬質皮膜12を成膜することができる。まず、合金ターゲットをスパッタ電源23の負バイアス側に接続し、当該スパッタ電源23から合金ターゲットに所定の電力を投入して蒸発させることにより、上述のAIP法の場合と同様に硬質皮膜12を成膜することができる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る硬質皮膜15について、図4を参照して説明する。実施形態2に係る硬質皮膜15は、上記実施形態1の場合と同様に、W、元素M及びCの各元素を含有し、且つWと元素Mの合計の原子比aが0.2≦a≦0.8の範囲に調整されたものであるが、上記実施形態1に係る硬質皮膜12が膜全体に亘って成分組成が均一な単層膜であるのに対して、互いに異なる成分組成を有する第1の皮膜層13及び第2の皮膜層14が交互積層された多層膜である点で上記実施形態1と異なっている。以下、上記実施形態1と異なる点についてのみ詳細に説明する。
次に、本発明の実施形態2に係る硬質皮膜15について、図4を参照して説明する。実施形態2に係る硬質皮膜15は、上記実施形態1の場合と同様に、W、元素M及びCの各元素を含有し、且つWと元素Mの合計の原子比aが0.2≦a≦0.8の範囲に調整されたものであるが、上記実施形態1に係る硬質皮膜12が膜全体に亘って成分組成が均一な単層膜であるのに対して、互いに異なる成分組成を有する第1の皮膜層13及び第2の皮膜層14が交互積層された多層膜である点で上記実施形態1と異なっている。以下、上記実施形態1と異なる点についてのみ詳細に説明する。
第1の皮膜層13及び第2の皮膜層14は、いずれも組成式が(W1−αMα)aCbNcXd(a+b+c+d=1)となっている。この組成式において、各元素の原子比を表す記号(α、a、b、c、d)は上記実施形態1と同様であり、原子比a、b、c、dの範囲も上記実施形態1と同様である。即ち、第1の皮膜層13及び第2の皮膜層14のいずれにおいても、Wと元素Mの合計の原子比aが0.2≦a≦0.8の範囲に調整されている。また元素M及び元素Xの種類も上記実施形態1と同様であり、元素MとしてV、Ti、Ta及びCrからなる群より選択される少なくとも一種類の元素を採用することが、耐摩耗性向上の観点から好ましい。また実施形態2では、第1の皮膜層13及び第2の皮膜層14のそれぞれにおいてαの範囲が0≦α≦1となっている。
第1の皮膜層13は、Wの原子比1−αが元素Mの原子比αよりも大きい皮膜層であり、第2の皮膜層14は、元素Mの原子比αがWの原子比1−αよりも大きい皮膜層となっている。最も好ましい形態としては、第1の皮膜層13におけるWの原子比1−αが1であり(α=0)、第2の皮膜層14における元素Mの原子比αが1である。またWは、第2の皮膜層14よりも第1の皮膜層13に多く含まれ、元素Mは、第1の皮膜層13よりも第2の皮膜層14に多く含まれる。
このように実施形態2に係る硬質皮膜15は、Wがリッチな第1の皮膜層13と、元素Mがリッチな第2の皮膜層14と、が交互に積層された膜構造となっている。このような膜構造においても、第1の皮膜層13及び第2の皮膜層14の各々においてWと元素Mの合計の原子比aが0.2≦a≦0.8の範囲に調整されることにより、耐摩耗性を改善することができる。
第1の皮膜層13及び第2の皮膜層14の各厚みT1,T2は、100nm以下であり、好ましくは20nm以下であり、より好ましくは10nm以下である。厚みT1,T2が大きくなり過ぎると(100nmを超えると)、積層膜としての硬度向上の効果を得ることが困難になるため、上述の通り100nmを上限値とすることが好ましい。また本実施形態では、第1の皮膜層13の厚みT1と第2の皮膜層14の厚みT2は同じであるがこれに限られず、各厚みT1,T2が互いに異なっていてもよい。即ち、第1の皮膜層13が第2の皮膜層14より厚くてもよいし、第2の皮膜層14が第1の皮膜層13より厚くてもよい。また1層の第1の皮膜層13及び1層の第2の皮膜層14からなる積層単位の数は特に限定されず、皮膜全体の厚みと第1の皮膜層13及び第2の皮膜層14の各厚みT1,T2とを考慮して適宜設定される。
また本実施形態に係る硬質皮膜15は、皮膜全体が第1の皮膜層13と第2の皮膜層14との交互積層によって構成されているが、これに限定されない。例えば、皮膜の大半の部分が第1の皮膜層13及び第2の皮膜層14の交互積層からなり、且つ残りの一部分が第1の皮膜層13及び第2の皮膜層14と成分組成が異なる第3の皮膜層からなる形態でもよい。このような膜形態でも、大半の部分が第1の皮膜層13及び第2の皮膜層14の交互積層となっていることから、図4の硬質皮膜15と同様に耐摩耗性向上の効果を得ることができる。
また本実施形態に係る硬質皮膜15は、上記実施形態1に係る硬質皮膜12と同様にAIP法に例示されるPVD法により成膜することができるが、交互積層膜を形成するため、第1の皮膜層13及び第2の皮膜層14の各々を成膜するための2種類のターゲットが用いられる。具体的には、Wターゲットが第1の皮膜層13を形成するための第1のターゲットとして準備され、元素Mのターゲットが第2の皮膜層14を形成するための第2のターゲットとして準備される。そして、これらのターゲットが、アーク電源22又はスパッタ電源23の負バイアス側にそれぞれ接続される。
そして、上記実施形態1と同様に、成膜装置2(図3)のチャンバー21内に所定の成膜ガス(Ar−CH4混合ガス、Ar−CH4−N2混合ガスなど)が導入され、この状態で2種類のターゲットを蒸発させると共にステージ24を所定の回転速度で回転させる。これにより、ステージ24にセットされた金型1が第1のターゲット及び第2のターゲットの前を順に通過し、第1の皮膜層13及び第2の皮膜層14が交互に積層されることにより硬質皮膜15が成膜される。
また第1のターゲットとして、WCターゲットが用いられてもよいし、元素M(例えばV)が添加されたW(又はWC)ターゲットが用いられてもよいし、元素X(例えばCo)が添加されたW(又はWC)ターゲットが用いられてもよい。また第2のターゲットとして、Wと元素Mの合金ターゲットが用いられてもよいし、Wと元素Mと元素Xの合金ターゲットが用いられてもよい。
(その他実施形態)
次に、本発明のその他実施形態について説明する。
次に、本発明のその他実施形態について説明する。
本発明の金型は、上記実施形態1で説明した曲げ型に限定されず、抜き型、絞り型又は圧縮型などの様々なプレス用金型に適用することができる。またプレス用金型にも限定されず、熱間鍛造金型、冷間鍛造金型、鋳造用金型又はダイカスト用金型などにも適用することが可能である。
上記実施形態1において、元素Mの原子比αが0.05≦α≦0.8の範囲外であってもよいし、Cの原子比bが0.2≦b≦0.8の範囲外であってもよいし、Nの原子比cが0≦c≦0.2の範囲外であってもよいし、元素Xの原子比dが0≦d≦0.1の範囲外であってもよい。また上記実施形態2の第1の皮膜層13及び第2の皮膜層14の各々において、元素Mの原子比αが0.05≦α≦0.8の範囲外であってもよいし、Cの原子比bが0.2≦b≦0.8の範囲外であってもよいし、Nの原子比cが0≦c≦0.2の範囲外であってもよいし、元素Xの原子比dが0≦d≦0.1の範囲外であってもよい。
上記実施形態1,2において、硬質皮膜12,15が金型1の成形面4,5上に直接形成される場合に限定されず、硬質皮膜12,15と金型1との間に下地層が形成されてもよい。この下地層としては、例えばTiAlN、CrN又はTiNからなる層を形成することが可能であり、これにより金型1と硬質皮膜12,15との密着性を一層向上させることができる。
硬質皮膜の耐摩耗性について本発明の効果を確認するため、以下の実験を行った。
(実施例1)
[硬質皮膜の成膜]
はじめに、図3に示す成膜装置2を用いて、下記の表1,2のNo.1〜34に示す成分組成を有する硬質皮膜を以下の手順により成膜した。まず、硬質皮膜の成膜対象である基材として、JIS規格SKD11(ロックウェル硬さHRC60)のボール(直径10mm)と、硬さ測定用の超硬合金試験片(JIS−P種、12×12×4.7mm、片面鏡面試験)と、を準備した。そして、この基材をチャンバー21内に導入し、ステージ24にセットした。また、Wと元素Mと元素Xを表1,2のNo.1〜34に示す割合で混合したターゲットを準備し、これをアーク電源22の負バイアス側に接続した。
[硬質皮膜の成膜]
はじめに、図3に示す成膜装置2を用いて、下記の表1,2のNo.1〜34に示す成分組成を有する硬質皮膜を以下の手順により成膜した。まず、硬質皮膜の成膜対象である基材として、JIS規格SKD11(ロックウェル硬さHRC60)のボール(直径10mm)と、硬さ測定用の超硬合金試験片(JIS−P種、12×12×4.7mm、片面鏡面試験)と、を準備した。そして、この基材をチャンバー21内に導入し、ステージ24にセットした。また、Wと元素Mと元素Xを表1,2のNo.1〜34に示す割合で混合したターゲットを準備し、これをアーク電源22の負バイアス側に接続した。
次に、チャンバー21内を1×10−3Pa程度まで減圧した。次に、チャンバー21内にArガスを導入し、ヒータ26により基材を450℃まで加熱した後、Arイオンにより基材の表面を5分間エッチングした(クリーニング)。
次に、チャンバー21内にAr−CH4混合ガス又はAr−CH4−N2混合ガスを成膜ガスとして導入し、チャンバー21内の圧力を2.7Paに調整した。そして、アーク電源22よりアーク蒸発源22Aに150Aのアーク電流を流してアーク放電を開始すると共に、バイアス電源25により基材に50Vの負バイアスを印加し、基材上への硬質皮膜の成膜を行った。硬質皮膜の厚みを約5μmとなるように調整した。
[硬質皮膜の評価方法]
成膜後の硬質皮膜の成分組成は、超硬合金試験片に形成した硬質皮膜に対してEDXによる組成測定を行うことにより分析した。また摺動試験は、成膜後のSKD製ボールと合金化溶融亜鉛めっき(GA)鋼板(亜鉛めっき鋼板)とを摺動させ、ボールにおける鋼板との接触部分に形成された摩耗部分の面積(mm2)を測定することにより行った。摺動試験の条件としては、垂直荷重を5N、摺動速度を0.1m/s、摺動幅を30mm(往復動)とし、摺動距離が600mとなった後のボールの摩耗面積(mm2)を測定した。これらの試験結果を下記の表1,2に示す。なお、摩耗面積は1.5mm2以下を合格とした。
成膜後の硬質皮膜の成分組成は、超硬合金試験片に形成した硬質皮膜に対してEDXによる組成測定を行うことにより分析した。また摺動試験は、成膜後のSKD製ボールと合金化溶融亜鉛めっき(GA)鋼板(亜鉛めっき鋼板)とを摺動させ、ボールにおける鋼板との接触部分に形成された摩耗部分の面積(mm2)を測定することにより行った。摺動試験の条件としては、垂直荷重を5N、摺動速度を0.1m/s、摺動幅を30mm(往復動)とし、摺動距離が600mとなった後のボールの摩耗面積(mm2)を測定した。これらの試験結果を下記の表1,2に示す。なお、摩耗面積は1.5mm2以下を合格とした。
[考察]
上記の表1,2のNo.1〜12から明らかなように、原子比aが0.2≦a≦0.8の範囲外である皮膜及びCrC、TiAlNの皮膜に比べて、原子比aが0.2≦a≦0.8の範囲内に調整された皮膜(No.7〜11)では、摩耗量(mm2)が小さくなり、耐摩耗性の改善が認められた。またNo.13〜15に示される通り、Nを添加することによりさらに摩耗量の低下が見られた。またNo.16〜20に示される通り、元素Mの原子比αが0.8以下の場合(No.16〜19)、原子比αが0.8を超える場合に比べて摩耗量が低下した。またNo.21〜27に示される通り、元素MとしてTi、Cr、Ta及びMoを選択した場合、他の元素を選択した場合に比べて摩耗量が低下した。またNo.28〜33に示される通り、元素Xの原子比dが0.1以下である場合(No.28,29,31〜33)、原子比dが0.1を超える場合に比べて摩耗量が低下した。
上記の表1,2のNo.1〜12から明らかなように、原子比aが0.2≦a≦0.8の範囲外である皮膜及びCrC、TiAlNの皮膜に比べて、原子比aが0.2≦a≦0.8の範囲内に調整された皮膜(No.7〜11)では、摩耗量(mm2)が小さくなり、耐摩耗性の改善が認められた。またNo.13〜15に示される通り、Nを添加することによりさらに摩耗量の低下が見られた。またNo.16〜20に示される通り、元素Mの原子比αが0.8以下の場合(No.16〜19)、原子比αが0.8を超える場合に比べて摩耗量が低下した。またNo.21〜27に示される通り、元素MとしてTi、Cr、Ta及びMoを選択した場合、他の元素を選択した場合に比べて摩耗量が低下した。またNo.28〜33に示される通り、元素Xの原子比dが0.1以下である場合(No.28,29,31〜33)、原子比dが0.1を超える場合に比べて摩耗量が低下した。
(実施例2)
次に、下記の表3のNo.1〜13に示す成分組成を有する硬質皮膜を成膜した。表3のNo.1〜13に示す第1の皮膜層の成分組成を有するWターゲット、WV合金ターゲット又はWVCo合金ターゲットを準備した。またNo.1〜13に示す第2の皮膜層の成分組成を有するVターゲット、WV合金ターゲット、WVCo合金ターゲット、TiWターゲット、Tiターゲット、Taターゲット、Alターゲット又はMoターゲットを準備した。なお、表3のNo.1における「W0.4C0.6」の表記は、Wの原子比が0.4であり、Cの原子比が0.6であることを示しており、No.2〜13についても同様である。
次に、下記の表3のNo.1〜13に示す成分組成を有する硬質皮膜を成膜した。表3のNo.1〜13に示す第1の皮膜層の成分組成を有するWターゲット、WV合金ターゲット又はWVCo合金ターゲットを準備した。またNo.1〜13に示す第2の皮膜層の成分組成を有するVターゲット、WV合金ターゲット、WVCo合金ターゲット、TiWターゲット、Tiターゲット、Taターゲット、Alターゲット又はMoターゲットを準備した。なお、表3のNo.1における「W0.4C0.6」の表記は、Wの原子比が0.4であり、Cの原子比が0.6であることを示しており、No.2〜13についても同様である。
上記の2種類のターゲットをアーク電源22又はスパッタ電源23の負バイアス側にそれぞれ接続した。そして、上記実施例1と同様に、チャンバー21内にAr−CH4混合ガスを成膜ガスとして導入し、この状態で各ターゲットを蒸発させることにより、第1の皮膜層及び第2の皮膜層が交互積層された硬質皮膜を成膜した。第1の皮膜層及び第2の皮膜層の1層当たりの各厚みは、蒸発源の成膜レート(アーク電流又はスパッタ電力)と基材の回転数により調節した。その他の成膜条件及び皮膜の評価方法は実施例1と同様とした。試験結果を下記の表3に示す。
上記の表3から明らかなように、交互積層膜からなる硬質皮膜においても、第1の皮膜層及び第2の皮膜層のそれぞれにおいてWと元素Mの合計の原子比を0.2〜0.8の範囲に調整することにより、上記表1の比較例に比べて耐摩耗性が改善された。
(実施例3)
上記表1〜3に示す成分組成の硬質皮膜を曲げ用金型(R10、JIS−SKD61)に成膜した。また板材(ブランク)として、合金化溶融亜鉛めっき(GA)鋼板(亜鉛めっき鋼板)を準備した。そして、成膜後の金型を用いて加熱した上記亜鉛めっき鋼板に対して曲げ加工を行い、加工後の金型の表面における亜鉛の凝着状態を確認した。成形条件及び凝着性の評価基準は以下の通りとした。上記表1〜3に試験結果を示す。
上記表1〜3に示す成分組成の硬質皮膜を曲げ用金型(R10、JIS−SKD61)に成膜した。また板材(ブランク)として、合金化溶融亜鉛めっき(GA)鋼板(亜鉛めっき鋼板)を準備した。そして、成膜後の金型を用いて加熱した上記亜鉛めっき鋼板に対して曲げ加工を行い、加工後の金型の表面における亜鉛の凝着状態を確認した。成形条件及び凝着性の評価基準は以下の通りとした。上記表1〜3に試験結果を示す。
[成形条件]
板材(ブランク):合金化溶融亜鉛めっき(GA)鋼板(引張強度590MPa、板厚1.4mm)
金型:JIS規格SKD61材の金型に上記表1〜3に示す硬質皮膜をコーティングしたもの
押し付け荷重:1t
板材の加熱温度:760℃
[凝着性の評価基準]
金型における板材との接触面において亜鉛が凝着している面積の割合(%)を算出し、以下の0〜5段階で評価した。
板材(ブランク):合金化溶融亜鉛めっき(GA)鋼板(引張強度590MPa、板厚1.4mm)
金型:JIS規格SKD61材の金型に上記表1〜3に示す硬質皮膜をコーティングしたもの
押し付け荷重:1t
板材の加熱温度:760℃
[凝着性の評価基準]
金型における板材との接触面において亜鉛が凝着している面積の割合(%)を算出し、以下の0〜5段階で評価した。
5:60%を超える
4:30%を超え且つ60%以下
3:20%を超え且つ30%以下
2:10%を超え且つ20%以下
1:0%を超え且つ10%以下
0:ほとんど凝着なし
上記表1〜3から明らかなように、Wと元素Mの合計の原子比aが0.2〜0.8の範囲に調整された皮膜では、原子比aが当該範囲外の皮膜及びCrC及びTiAlNの皮膜に比べて、耐凝着性が著しく改善され、耐摩耗性に優れることが分かった。また表1のNo.13〜15に示される通り、Nの原子比cを0.2以下に調整することにより(No.13,14)、0.2を超える皮膜(No.15)に比べて、耐凝着性が向上することが分かった。
4:30%を超え且つ60%以下
3:20%を超え且つ30%以下
2:10%を超え且つ20%以下
1:0%を超え且つ10%以下
0:ほとんど凝着なし
上記表1〜3から明らかなように、Wと元素Mの合計の原子比aが0.2〜0.8の範囲に調整された皮膜では、原子比aが当該範囲外の皮膜及びCrC及びTiAlNの皮膜に比べて、耐凝着性が著しく改善され、耐摩耗性に優れることが分かった。また表1のNo.13〜15に示される通り、Nの原子比cを0.2以下に調整することにより(No.13,14)、0.2を超える皮膜(No.15)に比べて、耐凝着性が向上することが分かった。
今回開示された実施形態及び実施例は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 金型
1A 上金型
1B 下金型
4 上側成形面
5 下側成形面
10 金属板(被成形部材)
12,15 硬質皮膜
13 第1の皮膜層
14 第2の皮膜層
1A 上金型
1B 下金型
4 上側成形面
5 下側成形面
10 金属板(被成形部材)
12,15 硬質皮膜
13 第1の皮膜層
14 第2の皮膜層
Claims (11)
- 少なくともW、元素M及びCの各元素を含有する硬質皮膜であって、
元素Mは、周期律表の4a族に属する元素、周期律表の5a族に属する元素、周期律表の6a族に属する元素であってWを除いた元素、Al、Si及びBからなる群より選択される少なくとも一種類の元素であり、
前記硬質皮膜におけるWと元素Mの合計の原子比が0.2以上0.8以下であることを特徴とする、硬質皮膜。 - 組成式が(W1−αMα)aCbNcXd(a+b+c+d=1、0.2≦a≦0.8)である単層膜であり、
元素Xは、Fe、Ni、Co及びCuからなる群より選択される少なくとも一種類の元素であることを特徴とする、請求項1に記載の硬質皮膜。 - 元素Mの原子比αが0.05≦α≦0.8の範囲を満たすことを特徴とする、請求項2に記載の硬質皮膜。
- 組成式が(W1−αMα)aCbNcXd(a+b+c+d=1、0.2≦a≦0.8)であり、且つ、互いに異なる成分組成を有する第1の皮膜層及び第2の皮膜層が交互積層された多層膜であり、
元素Xは、Fe、Ni、Co及びCuからなる群より選択される少なくとも一種類の元素であることを特徴とする、請求項1に記載の硬質皮膜。 - 前記第1の皮膜層におけるWの原子比1−αが1であり、
前記第2の皮膜層における元素Mの原子比αが1であることを特徴とする、請求項4に記載の硬質皮膜。 - Cの原子比bが0.2≦b≦0.8の範囲を満たすことを特徴とする、請求項2〜5の何れか1項に記載の硬質皮膜。
- Nの原子比cが0≦c≦0.2の範囲を満たすことを特徴とする、請求項2〜6の何れか1項に記載の硬質皮膜。
- 元素Xの原子比dが0≦d≦0.1の範囲を満たすことを特徴とする、請求項2〜7の何れか1項に記載の硬質皮膜。
- 元素Mは、V、Ti、Ta及びCrからなる群より選択される少なくとも一種類の元素であり、
Nの原子比cが0であることを特徴とする、請求項2〜8の何れか1項に記載の硬質皮膜。 - 被成形部材を成形するための成形面が形成された金型であって、
前記成形面において請求項1〜9の何れか1項に記載の硬質皮膜が形成されていることを特徴とする、金型。 - Al又はZnを含む前記被成形部材を成形することを特徴とする、請求項10に記載の金型。
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