JP2017206666A - 発光性分子集合体とその発光方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、発光効率が高く多色発光が可能な発光性分子集合体を提供することである。また、その発光方法を提供することである。【解決手段】本発明の発光性分子集合体は、単一又は複数種の化合物を含有し、物理的励起により複数の発光極大波長を有する発光を示す発光性分子集合体であって、前記複数の発光極大波長を有する発光のうち、最も短波長側の発光極大波長よりも長波長側にある少なくとも一つの発光極大波長を有する発光は、三重項励起状態を経由する輻射遷移に由来し、その発光の半減寿命が、温度25℃で1ms以下であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は発光性分子集合体とその発光方法に関し、より詳しくは、発光効率が高く多色発光が可能な発光性分子集合体とその発光方法に関する。
従来、発光性の有機材料に電界を印加したり光を照射する等の物理的励起による、一重項励起状態からの蛍光発光が知られていた。しかしながら、プリンストン大より、三重項励起状態からのリン光発光を用いる有機EL素子の報告がされて以来、蛍光発光を利用する発光素子に比べ原理的に約4倍の発光効率が実現可能であることから、リン光発光材料の開発を初めとし、発光素子の層構成や電極の研究開発が行われている。
これらの検討の中で、三重項励起状態と一重項励起状態とから、同時発光させる例が知られている。蛍光とリン光発を同時発光させることにより、異なる波長の光が発光することになり、多色発光が可能になる。
例えば、特許文献1では、三重項励起状態からの無輻射失活を抑制することで、蛍光発光とリン光発光を同時発光可能にした重原子を含まない有機化合物が報告されている。また、特許文献2では、トリアジン骨格からなる化合物を用いて無輻射失活を抑制することにより、三重項励起状態からの発光を可能にした有機化合物が報告されている。
さらに、禁制遷移である一重項励起状態から三重項励起状態への遷移を促進させる重原子効果を利用した例として、特許文献3では、一分子中に蛍光発光部位とリン光発光部位の両方を持ち、両部位が非共役性の連結基で連結され、蛍光およびリン光を同時発光する有機化合物が報告されている。
しかしながら、リン光寿命は、数百ms〜数sと長いため、発光材料として用いる際には外部の消光材に消光されやすく、発光効率が低下するという問題があった。蛍光とリン光を同時に発光させる上記した技術は、三重項励起状態からの無輻射失活の抑制が主であり、そのため、これらの技術を用いた場合には、高効率で発光させる観点からは十分ではなかった。
また、重原子を含む材料開発に関しては、高価な重金属を用いるだけでなく、多色発光させるためには、中心金属と配位子の遷移双極子モーメントの制御を行わなければならず、設計の難易度が高いという問題があった。
特開2015−164989号公報 特開2006−076901号公報 特開2007−269710号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、発光効率が高く多色発光が可能な発光性分子集合体を提供することである。また、その発光方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、特定の発光性分子集合体が、光励起により複数の発光極大波長を有する発光を示し、前記複数の発光極大波長を有する発光のうち、長波長側にある少なくとも一つの発光極大波長を有する発光が、三重項励起状態を経由する輻射遷移に由来し、その発光の半減寿命が、常温において、従来とは異なり1ms以下と短いことを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.単一又は複数種の化合物を含有し、物理的励起により複数の発光極大波長を有する発光を示す発光性分子集合体であって、前記複数の発光極大波長を有する発光のうち、最も短波長側の発光極大波長よりも長波長側にある少なくとも一つの発光極大波長を有する発光は、三重項励起状態を経由する輻射遷移に由来し、その発光の半減寿命が、温度25℃で1ms以下であることを特徴とする発光性分子集合体。
2.前記単一又は複数種の化合物が、炭素原子、窒素原子、酸素原子及び水素原子からなる群から選択される原子によって構成されることを特徴とする第1項に記載の発光性分子集合体。
3.前記単一又は複数種の化合物の少なくとも1種が、最高被占分子軌道を有する部位と最低空分子軌道を有する部位とが分離している構造を有する化合物であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の発光性分子集合体。
4.前記単一又は複数種の化合物の少なくとも1種が、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の発光性分子集合体。
Figure 2017206666
一般式(1)
(式中、B及びBは、各々独立に、窒素原子又はCHを表す。R、R及びRは、各々独立に、水素原子、ベンゼン環、ピリジン環又はジベンゾフラン環を表す。ただし、R及びRが、ともに水素原子であることはない。R及びRは、各々独立に、水素原子又はベンゼン環を表す。nは0〜3までの整数を表す。)
5.第1項から第4項までのいずれか一項に記載の発光性分子集合体を発光させる発光性分子集合体の発光方法であって、前記発光性分子集合体を前記物理的励起により発光させ、さらに励起光を照射することにより、前記物理的励起による発光とは異なる発光スペクトルを有する光を発光させることを特徴とする発光性分子集合体の発光方法。
6.第1項から第4項までのいずれか一項に記載の発光性分子集合体を発光させる発光性分子集合体の発光方法であって、前記発光性分子集合体を前記物理的励起により発光させ、さらに加熱することにより、前記物理的励起による発光とは異なる発光スペクトルを有する光を発光させることを特徴とする発光性分子集合体の発光方法。
本発明の上記手段により、発光効率が高く多色発光が可能な発光性分子集合体を提供することができる。また、その発光方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
蒸着直後の単膜に物理的励起することで三重項励起状態からの輻射遷移が観測される機構としては、膜中の分子の物理的モロフォロジ―の変化による新たなS状態が発現するからと考えられる。
例えば、熱活性型遅延蛍光(Thermally Activated Delayed Fluorescence:以下、適宜「TADF」と略記する。)を利用した蛍光発光材料の場合、エネルギー準位の近い三重項励起子から一重項励起子への逆項間交差が生じ、一重項励起状態から一つ発光極大波長を有する発光が観測される。これに対し本発明に係る発光性分子集合体からの発光は、前記三重項励起子が、新たに生成されたより低いエネルギー準位を有する一重項励起状態(新たなS状態)に項間交差し、この一重項励起状態から輻射遷移するため、つまり、TADFとは異なり、より低いSエネルギー準位に遷移し、さらにその準位から、基底状態に遷移するため、発光の半減寿命が短いものと推定される。
外部刺激を印加した後の単膜に対しHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で不純物観測を実施した際に外部刺激前の材料と変化が無かったことから材料の化学的変性はないことが示唆されている。また、外部刺激印加による物理的モロフォロジ―変化は微小であることが考えられ、屈折率測定においても印加前後で変化は観測されなかった。
ただ、三重項励起状態を経由した輻射遷移は酸素クエンチされること、遅延成分の発光寿命が数十nsと短いこと、外部刺激印加により材料劣化といった変性がないことから、分子の物理的モロフォロジ―変化による新たなS準位形成によるものと推定される。
有機EL素子の一例の断面図 照明装置の一例の概略図 照明装置の一例の断面図 化合物例1を含有する発光性分子集合体試料の光励起発光スペクトルの例 化合物例1を含有する発光性分子集合体試料1の発光減衰特性を示す例 化合物例2を含有する発光性分子集合体試料の光励起発光スペクトルの例 化合物例3を含有する発光性分子集合体試料の光励起発光スペクトルの例 化合物例4を含有する発光性分子集合体試料の光励起発光スペクトルの例 化合物例1を含有する発光性分子集合体試料の光励起発光スペクトルの経時変化の例 化合物例1を含有する発光性分子集合体試料の光照射後の光励起発光スペクトルの変化の例 化合物例1を含有する発光性分子集合体試料の加熱後の光励起発光スペクトルの変化の例 化合物例1を含有する発光性分子集合体試料の電界励起発光スペクトルの変化の例
本発明の発光性分子集合体は、単一又は複数種の化合物を含有し、物理的励起により複数の発光極大波長を有する発光を示す発光性分子集合体であって、前記複数の発光極大波長を有する発光のうち、最も短波長側の発光極大波長よりも長波長側にある少なくとも一つの発光極大波長を有する発光は、三重項励起状態を経由する輻射遷移に由来し、その発光の半減寿命が、温度25℃で1ms以下であることを特徴とする。この特徴は、各請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記単一又は複数種の化合物が、炭素原子、窒素原子、酸素原子及び水素原子からなる群から選択される原子によって構成されることが好ましい。
また、前記単一又は複数種の化合物の少なくとも1種が、最高被占分子軌道を有する部位と最低空分子軌道を有する部位とが分離している構造を有している方が遷移双極子モーメントが大きくなることで、発光において効率がよいと考えられるため好ましい。
さらに、本発明においては、前記単一又は複数種の化合物の少なくとも1種が、前記一般式(1)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。これにより、これにより、遷移双極子モーメントを大きくする効果が得られる。
また、本発明の発光性分子集合体の発光方法としては、前記発光性分子集合体を前記物理的励起により発光させ、さらに励起光を照射することにより、前記物理的励起による発光とは異なる発光スペクトルを有する光を発光させることが好ましい。また、前記発光性分子集合体を前記物理的励起により発光させ、さらに加熱することにより、前記物理的励起による発光とは異なる発光スペクトルを有する光を発光させる発光方法が好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《発光性分子集合体の概要》
本発明の発光性分子集合体は、単一又は複数種の化合物を含有し、物理的励起により複数の発光極大波長を有する発光を示す発光性分子集合体であって、前記複数の発光極大波長を有する発光のうち、最も短波長側の発光極大波長よりも長波長側にある少なくとも一つの発光極大波長を有する発光は、三重項励起状態を経由する輻射遷移に由来し、その発光の半減寿命が、温度25℃で1ms以下であることを特徴とする。
このような構成とすることで、一重項励起状態からの蛍光発光と、三重項励起状態を介した発光とを同時に発光させることができ、三重項励起子を用い、かつその半減寿命が短いため消光し難く高発光効率の発光が可能となり、また、複数の波長の光を発光させることで多色発光が可能になる。
従来の技術では、外部刺激(欠陥の導入・外部環境)で波長を変化させるにあたり、1つの発光極大波長のシフトで調整しており、複数の発光極大を発現させることで多色発光を実現しているわけではなかった。
さらに、このような化合物は光や熱といった外部刺激をあたえることにより、材料自体の分解や化学反応を起こすことなく、経時的に発光波長を変化させることができる。これは、今までに見られない新規な現象である。
なお、本発明において、三重項励起状態を経由する輻射遷移とは、温度25℃において、発光性分子集合体に封止をし、酸素の影響のない状態で発光スペクトルを観察したとき発光極大波長を有する発光が観察されるが、酸素が存在する雰囲気、例えば空気中ではその発光が見られなくなる発光をいう。
〔発光極大波長〕
本発明において発光極大波長とは、発光スペクトルにおいて、発光強度(発光ピーク強度)が極大となるときの波長をいう。
発光スペクトルの測定は公知の方法で行うことができる。例えば、蛍光光度計(HITACHI F−7000形分光蛍光光度計)を用い測定することができる。
〔物理的励起〕
本発明の発光性分子集合体は物理的励起により複数の発光極大波長を有する発光を示す。ここで物理的励起とは、発光性分子集合体のエネルギー準位を基底状態から励起状態に励起する物理的刺激をいい、具体的には、光励起、熱励起及び電界励起などが挙げられる。光励起する場合は、発光性分子集合体が有する吸収帯の範囲の波長の光を照射することで、励起状態を作り、照射波長の長波長側に輻射遷移による発光スペクトルを観察することができる。このような照射光の波長は、紫外領域の光が好ましく、例えば、290nmや365nmの波長の光を照射することができる。
また、2つの電極によって電界を印加して発光性分子集合体を励起・発光させることもできる。
〔外部刺激による発光スペクトルの変化〕
本発明の発光性分子集合体は、例えば作製直後の単膜に光や電界といった物理刺激を印加することで三重項励起状態からの発光が観測され、さらに光や熱といった外部刺激を与えることにより経時的に発光波長を変化させることができる。
すなわち、発光性分子集合体を前記物理的励起により発光させ、さらに励起光を照射することにより、前記物理的励起による発光とは異なる発光スペクトルを有する光を発光させることが好ましい態様である。また、発光性分子集合体を前記物理的励起により発光させ、さらに加熱することにより、前記物理的励起による発光とは異なる発光スペクトルを有する光を発光させることも好ましい態様である。
外部刺激としては、光、熱及び電界等が挙げられるが、光、熱であることが好ましい。物理的励起と外部刺激は同じであっても、異なっていても良く、例えば光励起させた後、さらに光を照射し続けたり、あるいは加熱して、発光スペクトルを変化させることができる。
具体的には後述する実施例で示したように、化合物例1の封止済み薄膜を作製後、290nmの光を照射し続けた場合、長波長側の発光が増強されて、発光スペクトルを照射1分から60分にかけて、図9で示したように、経時的に発光スペクトルを変化させることができる。
光や熱といった外部刺激により、材料自体の分解や化学反応を起こすことなく、経時的に発光波長を変化させることができるのは以下のように推定している。
外部刺激によって発光強度が変化する理由としては、印加したエネルギーにより分子の微細構造が経時により変化することで、落ち込む安定なエネルギー準位が変化することに加え、より安定な分子配列へと変化していくためであると考えられる。また、外部刺激の形態によって分子の微細構造が異なることで、発現する発光スペクトルに差異が生じるものと考えられる。
外部刺激を印加した後の単膜に対しHPLCで不純物観測を実施した際に外部刺激前の材料と変化が無かった。また、屈折率測定においても印加前後で変化は観測されなかった。
ただ、三重項励起状態を経由した輻射遷移は酸素クエンチされること、遅延成分の発光寿命が数十nsと短いこと、外部刺激印加により材料劣化といった変性がないことから、分子の物理的モロフォロジ―変化による新たなS準位形成によるものと推定される。
〔最高被占分子軌道を有する部位と最低空分子軌道を有する部位〕
このような発光性分子集合体を構成する化合物としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、水素原子、硫黄原子、リン原子及びケイ素原子からなる群から選択される原子により構成されることが好ましい。より好ましくは、発光性分子集合体が炭素原子、窒素原子、酸素原子及び水素原子からなる群から選択される原子によって構成されることである。
さらに、発光性分子集合体を構成する化合物の少なくとも1種が、分子軌道計算により得られる最高被占分子軌道(HOMO)を有する部位と最低空分子軌道(LUMO)を有する部位とが分離していることが遷移双極子モーメントが大きくなることが期待され、発光において効率がよいと考えられるため好ましい。
これらHOMO及びLUMOの電子分布状態については、分子軌道計算により得られる構造最適化した際の電子密度分布から求めることができる。
本発明における発光性分子集合体を構成する化合物の分子軌道計算による構造最適化及び電子密度分布の算出は、計算手法として、汎関数としてB3LYP、基底関数として6−31G(d)を用いた分子軌道計算用ソフトウェアを用いて算出することができ、ソフトウェアに特に限定はなく、いずれを用いても同様に求めることができる。
本発明においては、分子軌道計算用ソフトウェアとして、米国Gaussian社製のGaussian09(Revision C.01,M.J.Frisch,et al,Gaussian,Inc.,2010.)を用いることができる。
また、「HOMOとLUMOが分離している」とは、上記分子計算により算出されたHOMO軌道分布及びLUMO軌道分布の中心部位が離れており、より好ましくはHOMO軌道の分布とLUMO軌道の分布がほぼ重なっていないことを意味する。
一般に分子の電子軌道において、HOMOは電子供与性部位に、LUMOは電子吸引性部位に分布することが知られており、分子内に電子供与性と電子吸引性の骨格を導入することによって、HOMOとLUMOが存在する位置を遠ざけることが可能である。
ここで、電子供与性部位及び電子吸引性部位の「部位」とは、置換基又は原子群のことを指す。
電子供与性部位の例としては、例えば、アリールアミン類、(アザ)カルバゾール、フェノキサジン、アクリジン、フェノチアジン及びピロール類等の環が挙げられる。
電子吸引性部位の例としては、例えば、含窒素芳香族複素環、シアノ基又はスルホニル基、ジベンゾフラン環等の電子吸引性基によって置換された芳香族環等が挙げられる。
例えば、電子供与性部位として(アザ)カルバゾール環を有し、ジベンゾフラン環が電子吸引性部位として機能し、さらに、これらの母核とともに、1,3−ジフェニルベンゼン骨格を有する化合物が特に好ましい。このような構成とすることが、遷移双極子モーメントが大きくなることが期待され、発光において効率がよいと考えられるため好ましい。
〔一般式(1)で表される構造を有する化合物〕
このような、発光性分子集合体を構成する化合物としては、以下に示される一般式(1)で表される構造を有する化合物を挙げることができる。
Figure 2017206666
式中、B及びBは、各々独立に、窒素原子又はCHを表す。R、R及びRは、各々独立に、水素原子、ベンゼン環、ピリジン環又はジベンゾフラン環を表す。ただし、R及びRが、ともに水素原子であることはない。R及びRは、各々独立に、水素原子又はベンゼン環を表す。nは0〜3までの整数を表す。
、R又はRの少なくとも一つはジベンゾフラン環を表すことが好ましい。
一般式(1)で表される構造を有する化合物としては、例えば、以下の化合物を挙げることができる。
Figure 2017206666
〔合成方法〕
これらの化合物は公知の方法で合成することができる。例示の化合物は公知の反応を組み合わせて合成することができる。具体例として、以下に例示化合物2の合成法の概略を示すが、これに限定されるものではない。
Figure 2017206666
《用途》
本発明の発光性分子集合体は、発光性分子集合体を含有する発光性薄膜として用いることが好ましい。発光材料、センサー、プロセス変化として適用することができる。
発光材料としては、例えば、三重項励起子が用いられることから、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子など電界励起による発光素子に適用する場合、高効率発光が可能である。また、一分子・一層で白色発光が可能な発光材料や、外部刺激で発光色が変わる照明装置などに応用することができる。
センサーとしては、光励起により発光スペクトルの変化が観測できるため、光の漏れを感知したり、装置の稼働時間をモニタリングすること等に適用可能である。また、外部刺激が熱によっても発光スペクトルの変化が起きるので、温度センサーとしても使用することができる。
プロセス変化への適用例としては、単膜、もしくは単膜を用いた発光素子を作製する際に、外部刺激を与えることで変調可能であったり、膜が安定準位に落ち着くと推測されるので、外部刺激トリートメントを行うことで素子寿命や高効率化への適用が可能である。
本発明の発光性分子集合体を発光性薄膜として用いる場合、他の蛍光発光材料やリン光発光材料などの発光性材料や、他の材料を、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。
《有機エレクトロルミネッセンス素子》
代表的な応用例である有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)について述べる。本発明に係る有機EL素子は、少なくとも一対の電極間に一つ又は複数の有機機能層を備えている。本発明における有機機能層とは、有機化合物を含有する層をいう。例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層(青色発光層、緑色発光層、赤色発光層を含む)電子輸送層、電子注入層を挙げることができる。
本発明に係る有機EL素子は、種々の構成を採り得る。図1に有機EL素子の一例の断面図を示す。なお図1は、説明のため縦横比は正確ではない。
図1に示すとおり、本発明に係る有機EL素子10は、基板13上に設けられており、基板13側から順に、第一電極(透明電極)21、有機材料等を用いて構成された有機機能層23、及び第二電極(対向電極)25aをこの順に積層して構成されている。第一電極21(下地層21aと電極層21bからなる。)の端部には、取り出し電極16が設けられている。第一電極21と外部電源(図示略)とは、取り出し電極16を介して、電気的に接続される。有機EL素子10は、発生させた光(発光光Lg)を、少なくとも基板13側から取り出すように構成されている。
また、有機EL素子10の層構造が限定されることはなく、一般的な層構造であって良い。ここでは、第一電極1がアノード(すなわち陽極)として機能し、第二電極25aがカソード(すなわち陰極)として機能することとする。この場合、例えば、有機機能層23は、アノードである第一電極21側から順に正孔注入層23a/正孔輸送層23b/発光層23c/電子輸送層23d/電子注入層23eを積層した構成が例示されるが、このうち、少なくとも有機材料を用いて構成された発光層23cを有することが必須である。正孔注入層23a及び正孔輸送層23bは、正孔輸送注入層として設けられても良い。電子輸送層23d及び電子注入層23eは、電子輸送注入層として設けられても良い。
また、有機機能層23は、これらの層の他にも正孔阻止層や電子阻止層等が、必要に応じて必要箇所に積層されていても良い。本発明の発光性分子集合体は発光層23cに含有させることが好ましい。複数の発光層を、非発光性の中間層を介して積層させた構造としても良い。中間層は、正孔阻止層、電子阻止層として機能しても良い。さらに、カソードである第二電極25aも、必要に応じた積層構造であっても良い。このような構成において、第一電極21と第二電極25aとで有機機能層23が挟持された部分のみが、有機EL素子10における発光領域となる。
また、以上のような層構成においては、第一電極21の低抵抗化を図ることを目的として、第一電極21の電極層21bに接して補助電極15が設けられていても良い。
以上のような構成の有機EL素子10は、有機材料等を用いて構成された有機機能層23の劣化を防止することを目的として、基板13上において封止材17で封止されている。この封止材17は、接着剤19を介して基板13側に固定されている。ただし、第一電極21(取り出し電極16)及び第二電極25aの端子部分は、基板13上において有機機能層23によって互いに絶縁性を保った状態で封止材17から露出させた状態で設けられている。
なお、有機EL素子を構成する各層に用いられている材料は、公知のものを用いることができる。
《照明装置》
本発明の有機EL素子を具備した、本発明の照明装置の一態様について説明する。本発明の有機EL素子の非発光面をガラスケースで覆い、厚さ300μmのガラス基板を封止用基板として用いて、周囲にシール材として、エポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を適用し、これを陰極上に重ねて透明支持基板と密着させ、ガラス基板側からUV光を照射して、硬化させて、封止し、図2、図3に示すような照明装置を形成することができる。
図2は、照明装置の一例の概略図を示し、本発明に係る有機EL素子101はガラスカバー102で覆われている(なお、ガラスカバーでの封止作業は、有機EL素子101を大気に接触させることなく窒素雰囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の高純度窒素ガスの雰囲気下)で行う。)。図3は照明装置の一例の断面図である。図中、符号105は陰極、符号106は有機層、符号107は透明電極付きガラス基板を示す。なお、ガラスカバー102内には窒素ガス108が充填され、捕水剤109が設けられている。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
〔実施例1〕
(化合物例1を用いた、三重項励起状態を経由する輻射遷移であることの確認と発光寿命の測定)
〈発光性分子集合体試料1〜3の作製〉
真空熱蒸着装置を用い、真空度1×10−4Paまで減圧した後、化合物例1の入った抵抗加熱ボートに通電、加熱し、3cm四方の石英基板上に、蒸着速度0.6〜1.0Å/sで30nmの厚さに成膜した後、窒素雰囲気下で厚さ300μmのガラス基板からなる封止材とエポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を用いた封止有りの発光性分子集合体試料1及びガラス基板とエポキシ系光硬化型接着剤を有しない封止無しの発光性分子集合体試料2を作製した。
〈評価〉
波長290nmの励起光を用い、照射直後の発光スペクトルを測定し、封止の有無で、空気雰囲気下、酸素の影響を観測した結果を図4に示す。図4は化合物例1を含有する発光性分子集合体試料の光励起発光スペクトルの例である。封止をしない発光性分子集合体試料2に関しては、蛍光のみが観測されるのに対し、封止した発光性分子集合体試料1に関してはより長波長の420nm付近と540nm付近に発光が観測されることが分かる。さらに、未封止の発光性分子集合体試料2を窒素雰囲気下で発光性分子集合体試料1と同じ材料を用いて再封止して発光性分子集合体試料3を作製して同様な評価をした結果、長波長の発光が発現することも確認できることから、360nm付近の最も短波長の発光極大波長より長波長側の発光である、390nm以降に発光極大波長を有する発光は、三重項励起状態を経由した輻射遷移であることが分かる。
図5は化合物例1を含有する発光性分子集合体試料1(封止有り)の発光減衰特性を示す例である。540nm付近に発光極大波長を有する発光の半減寿命を測定したところ三重項励起状態を経由する輻射遷移であるにもかかわらず、半減寿命が15.1nsと短いことが分かる。発光の半減寿命の測定は、ストリークカメラC4334(浜松ホトニクス社製)を用いて、サンプルをレーザー光で励起させながら測定した。なお、半減寿命は、発光強度(カウント)が、通電開始初期値から1/2まで減衰するまでの時間を求めることにより行った。
〔実施例2〕
(化合物例2〜4を用いた、三重項励起状態を経由する輻射遷移であることの確認)
〈発光性分子集合体試料4〜9の作製〉
化合物例1を用いた封止の有無の試料作製と同条件で化合物例2,3、及び4についても封止の有無の単膜を作製した。
発光性分子集合体試料4:化合物例2、封止有り
発光性分子集合体試料5:化合物例2、封止無し
発光性分子集合体試料6:化合物例3、封止有り
発光性分子集合体試料7:化合物例3、封止無し
発光性分子集合体試料8:化合物例4、封止有り
発光性分子集合体試料9:化合物例4、封止無し
〈評価〉
実施例1と同様に封止の有無の発光性分子集合体試料の発光スペクトル評価を実施した。その結果を図6〜8に示す。
図6〜8から、化合物例2〜4においても、360nm付近の最も短波長の発光極大波長より長波長側の390nm以降に発光極大波長を有する発光は三重項励起状態を経由した発光であることが分かる。
〔実施例3〕
(外部刺激として光照射による波形変化と性能向上)
発光性分子集合体試料1を用い、290nmの光照射で発光させた後、さらに290nmで光励起で外部刺激を与え続けて発光スペクトルを観察したところ、図9で示したように経時で長波長の発光の誘起が観測された。図10は作製した直後の発光性分子集合体試料1の単膜と外部刺激として60分光照射した後の単膜の発光スペクトルである。この光物性を確認したところ、外部刺激を印加することで長波長の輻射速度を13.2倍に向上させることで半減寿命が15.1nsから14.1nsと短くなり、全体の絶対量子収率(PLQE)が18.0%から22.5%に向上できることが分かった。光励起と発光スペクトルの測定はHITACHI F−7000形分光蛍光光度計を用いて行った。
〈絶対量子収率(PLQE)の測定〉
PL量子収率の測定は、絶対量子収率測定装置C9920−02(浜松ホトニクス社製)を用いた。発光の半減寿命は、ストリークカメラC4334(浜松ホトニクス社製)を用いて、試料をレーザー光で励起させながら測定した。
また、輻射速度定数(k)と無射速度定数(knr)は以下のようにして求めた。
PLQE=k・τ
τ=1/(k+knr
また、540nmにピークトップを有するPLQEは全波長の発光積分強度と540nmにピークトップを有する発光積分強度から算出した。
この結果を表1に示す。
Figure 2017206666
以上のことから、三重項励起状態を経由した発光をより多く用いることで発光性能が向上されること、加えて、三重項励起状態を経由した発光の半減寿命が14〜15nsと極めて短いことが明らかとなった。
遷移金属錯体が高効率なリン光発光材料として期待されるケースでは、発光メカニズムとしては、MLCT(Metal−to−Ligand Charge Transfer)であると言われている。その際、中心金属の重原子効果が配位子に対しても効率的に働き、項間交差(一重項励起状態から三重項励起状態への遷移、S→T:約100%)が速やかに起こり、その後、同様に重原子効果によりTからSへの輻射速度定数が大きくなるためである。それにより絶対量子収率(PLQE=k/(knr+k);ここで、knr(無輻射速度定数)はTからSへ熱的に失活する速度定数である。)が増大する。本発明では重原子を用いなくても絶対量子収率の増大が達成できる。この増大は、有機エレクトロニクスデバイスにした際の発光効率の増大につながる。
〔実施例4〕
(外部刺激として熱による波形変化)
実施例3で用いた発光性分子集合体試料1の60分光照射した後の単膜に対し160度30分の加熱を行うことで発光色を変化することを観測した。図11は化合物例1を含有する発光性分子集合体試料の加熱後の光励起発光スペクトルの例である。このときの絶対量子収率を実施例3と同様にして測定したところ、表2に示すように、全体の絶対量子収率(PLQE)も向上する結果となった。本結果より、熱という外部刺激によって、新たな分子配列を形成することで発現波長が変化していると推定され、温度センサーなどの用途にも応用可能であると考えられる。
Figure 2017206666
〔実施例5〕
(光照射後の不純物測定)
実施例3と同条件で光照射を行いHPLCで純度測定を行うことで、外部刺激による単膜の劣化度を観測した。結果として、不純物由来の新たな発光極大は観測されず、光照射によって化合物が壊れていないことが分かった。
〔実施例6〕
(電界励起発光スペクトル観測用の有機EL素子作製)
電界励起発光スペクトル観測用の有機EL素子6−1を作製し、照明装置に組み込んで評価を行った。有機EL素子の構成は、以下に示すように、ガラス基板/ITO/HIL/HTL/EBL/EML/HBL/ETL/EIL/Alとした。
〈有機EL素子6−1の作製〉
(陽極の形成)
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウム・スズ酸化物)を100nm成膜した基板(NHテクノグラス社製NA45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
(正孔注入層(HIL)の形成)
ITO表面をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。この上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSSと略記、Bayer製、Baytron P Al 4083)を純水で希釈した溶液をスリットコート法により成膜した後、140℃にて1時間乾燥し、層厚40nmの正孔注入層を設けた。
この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方モリブデン製抵抗加熱ボートに酸化モリブデンを200mg入れ、別のモリブデン抵抗加熱ボートに化合物EB−1を200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートに化合物例1を200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートに化合物HB−1を200mg入れ、さらに別のモリブデン製抵抗加熱ボートに化合物ET−1を200mg入れ、真空蒸着装置に取り付けた。
(正孔輸送層(HTL)の形成)
次いで真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、酸化モリブデンの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で、透明支持基板に蒸着し1.0nmの正孔輸送層を設けた。
(電子阻止層(EBL)の形成)
更に化合物EB−1の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で、前記正孔輸送層上に蒸着し、10nmの電子阻止層を設けた。
(発光層の形成:EML)
更に化合物例1の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で、前記電子阻止層上に蒸着し60nmの発光層を設けた。
(正孔阻止層(HBL)の形成)
更に化合物HB−1の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で、前記発光層上に蒸着し10nmの正孔阻止層を設けた。
(電子輸送層(ETL)の形成)
更に化合物ET−1の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で、前記正孔阻止層上に蒸着し30nmの電子輸送層を設けた。
(電子注入層(EIL)及び陰極の形成)
引き続き、電子注入層としてフッ化カリウム2nmを蒸着し、更にアルミニウム100nmを蒸着して陰極を形成し、有機EL素子6−1を作製した。
用いた化合物の構造を以下に示す。
Figure 2017206666
〔有機EL素子6−1の評価〕
得られた有機EL素子6−1を評価するに際しては、作製後の有機EL素子の非発光面をガラスケースで覆い、厚さ300μmのガラス基板を封止用基板として用いて、周囲にシール材としてエポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を適用し、これを上記陰極上に重ねて前記透明支持基板と密着させ、ガラス基板側からUV光を照射して硬化させて封止し、図2及び図3に示すような照明装置を作製して評価した。このようにして作製した照明装置を用いて有機EL素子6−1について650μAで電界励起し波形変化を観測した。得られた電界励起発光スペクトル(分光放射輝度)を図12に示す。分光放射輝度の測定は分光輝度計を内蔵した電界印可装置を用いて行った。
電界励起を10分間続けたところ、光励起同様380nm近くの蛍光発光部が減少しながら三重項励起状態を経由した2波目3波目の発光強度が向上していることが分かる。
また、本測定において振動構造が観測できエレクトロマーでないこともわかる。
10 有機EL素子
13 基板
15 補助電極
16 取り出し電極
17 封止材
21 第一電極(透明電極)、
21a 下地層
21b 電極層
23 有機機能層
23a 正孔注入層
23b 正孔輸送層
23c 発光層
23d 電子輸送層
23e 電子注入層
25a 第二電極(対向電極)
101 有機EL素子
102 ガラスカバー
105 陰極
106 有機EL層
107 透明電極尽きガラス基板
108 窒素ガス
109 捕水剤
Lg 発光光

Claims (6)

  1. 単一又は複数種の化合物を含有し、物理的励起により複数の発光極大波長を有する発光を示す発光性分子集合体であって、前記複数の発光極大波長を有する発光のうち、最も短波長側の発光極大波長よりも長波長側にある少なくとも一つの発光極大波長を有する発光は、三重項励起状態を経由する輻射遷移に由来し、その発光の半減寿命が、温度25℃で1ms以下であることを特徴とする発光性分子集合体。
  2. 前記単一又は複数種の化合物が、炭素原子、窒素原子、酸素原子及び水素原子からなる群から選択される原子によって構成されることを特徴とする請求項1に記載の発光性分子集合体。
  3. 前記単一又は複数種の化合物の少なくとも1種が、最高被占分子軌道を有する部位と最低空分子軌道を有する部位とが分離している構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光性分子集合体。
  4. 前記単一又は複数種の化合物の少なくとも1種が、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の発光性分子集合体。
    Figure 2017206666
    (式中、B及びBは、各々独立に、窒素原子又はCHを表す。R、R及びRは、各々独立に、水素原子、ベンゼン環、ピリジン環又はジベンゾフラン環を表す。ただし、R及びRが、ともに水素原子であることはない。R及びRは、各々独立に、水素原子又はベンゼン環を表す。nは0〜3までの整数を表す。)
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の発光性分子集合体を発光させる発光性分子集合体の発光方法であって、前記発光性分子集合体を前記物理的励起により発光させ、さらに励起光を照射することにより、前記物理的励起による発光とは異なる発光スペクトルを有する光を発光させることを特徴とする発光性分子集合体の発光方法。
  6. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の発光性分子集合体を発光させる発光性分子集合体の発光方法であって、前記発光性分子集合体を前記物理的励起により発光させ、さらに加熱することにより、前記物理的励起による発光とは異なる発光スペクトルを有する光を発光させることを特徴とする発光性分子集合体の発光方法。
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