JP2017206606A - マクロモノマー共重合体及びそれを用いた成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクリル系共重合体を加工成形する際の成形不良の発生が低減され、かつ良好な透明性・光学特性および耐熱性を得ることができる、アクリル樹脂組成物を提案する。【解決手段】ガラス転移温度が115℃〜165℃である(メタ)アクリル系マクロモノマー(A) 50〜90wt%と、ガラス転移温度が0℃〜−60℃である(メタ)アクリル酸エステル(B)10〜50wt%とを共重合するポリマーの製造方法により、アクリル樹脂組成物及び当該アクリル樹脂組成物からなる成形体を提供する。【選択図】 なし

Description

本発明は、イソボルニル(メタ)アクリレート樹脂組成物、(メタ)アクリレート樹脂組成物、ブチルアクリレート樹脂組成物、耐熱性樹脂、成形体に関する。
アクリル系樹脂はその優れた透明性、加工性、表面硬度、耐光性等により、光メディア、自動車部品、建築部材等に広く使用されている。しかしながら、アクリル系樹脂は、自動車ヘッドランプなどの用途において、耐熱性が低く不十分である。
非特許文献1では、(メタ)アクリル酸メチルと(メタ)アクリル酸イソボルニルをランダム共重合することで、ガラス転移温度を向上させている。しかしながら、非特許文献1において、樹脂成形温度が高いため加工性が十分に高いとはいえない。また、非特許文献2では、(メタ)アクリル酸イソボルニルとアクリル酸ブチルをランダム共重合することでフィルムを作製している。非特許文献2において、熱分解温度が200℃付近から始まるため耐熱性が十分に高いとはいえない。このため、アクリル系共重合体には、耐熱性と加工成形性の両立に問題があった。
Macromolecules 1995, 28, 6488-6493. Optical Materials 2014, 36, 804-808.
本発明の目的は、アクリル系共重合体を加工成形する際の成形不良の発生が低減され、かつ良好な光学特性および耐熱性を得ることができる、アクリル樹脂組成物を提案することである。
[1]ガラス転移温度が115〜165℃である(メタ)アクリル系マクロモノマー(A) 50〜90wt%と、ガラス転移温度が0℃〜−60℃である(メタ)アクリル酸エステル(B)10〜50wt%とを共重合するポリマーの製造方法。
[2]前記(メタ)アクリル系マクロモノマー(A)が、下記の構造式を有するマクロモノマーである[1]に記載のポリマーの製造方法。
[3]前記共重合の際に、さらにガラス転移温度が100℃以上である(メタ)アクリル酸エステル(C)を0〜45wt%共重合する[1]又は[2]に記載のポリマーの製造方法。
[4]前記共重合が、溶液重合法による[1]〜[3]のいずれかに記載のポリマーの製造方法。
[5]前記溶液重合法において、用いる溶媒がトルエン又はジメチルアセトアミドである[4]に記載のポリマーの製造方法。
[6]前記マクロモノマー(A)は、標準物質としてポリメチルメタクリレートを使用した検量線を用いたGPCによる測定で数平均分子量(Mn)が10000〜30000である[1]〜[5]のいずれかに記載のポリマーの製造方法。
[7][1]〜[4]のいずれかに記載のポリマーを成型して得られる樹脂成形体。
本発明のマクロモノマー共重合体は、耐熱アクリル樹脂の成形不良の発生が低減され、かつ良好な(光学特性および)耐熱性を得ることができることから、電気電子・OA機器、電気電子・OA機器筐体、光メディア、自動車部品、自動車内装材、建築部材、自動車ヘッドランプ、シートなどに好適である。
<(メタ)アクリル系マクロモノマー(A)>
(メタ)アクリル系マクロモノマー(A)の数平均分子量(Mn)は10000〜30000であり、より好ましくは15000〜28000であり、最も好ましくは18000〜26000である。数平均分子量が10000以上であると、成形体のビカット軟化温度が優れ、30000以下であると成形不良が改善する傾向にある。
マクロモノマー(A)は、イソボルニル(メタ)アクリレート単位(a1)とメチルメタクリレート単位(a2)を含むことができる。また、マクロモノマー(A)の熱分解を抑制するという観点からアクリレート(a3)を含んでも良く、例えばエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリレート;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、プロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリシジルアクリレート等のアクリレートを挙げることができる。これらのうち、共重合性に優れることから、好ましくはメタクリレートである。これらの単量体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
イソボルニル(メタ)アクリレート単位(a1)およびメチルメタクリレート単位(a2)、他の単量体(a3)の合計100wt%に対して、他の単量体(a3)は5wt%以下が好ましい。他の単量体(a3)は5wt%以下であると、得られる成形体の耐熱分解性が優れる傾向にある。
マクロモノマー(A)を製造する方法として、公知の懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合などを挙げることができる。回収方法が容易なことから、懸濁重合が好ましい。
<イソボルニル(メタ)アクリレート単位(a1)>
イソボルニル(メタ)アクリレート単位(a1)は、本発明のアクリル樹脂組成物に含有される成分である。
アクリル樹脂組成物中のマクロモノマー(A)に含まれるイソボルニル(メタ)アクリレート単位(a1)は、イソボルニル(メタ)アクリレート単位(a1)およびメチルメタクリレート単位(a2)の合計100wt%中、10wt%以上であり、好ましくは30wt%以上であり、より好ましくは70wt%以上である。イソボルニル(メタ)アクリレート単位(a1)が70wt%以上であると、得られる成形体のビカット軟化温度、光学特性が優れる傾向にある。
<メチルメタクリレート単位(a2)>
メチルメタクリレート単位(a2)は、本発明のアクリル樹脂組成物に含有される成分である。
アクリル樹脂組成物中のマクロモノマー(A)に含まれるメチルメタクリレート単位(a2)は、イソボルニル(メタ)アクリレート単位(a1)およびメチルメタクリレート単位(a2)の合計100wt%中、90wt%以下であり、好ましくは70wt%以下であり、より好ましくは30wt%以下である。メチルメタクリレート単位(a2)が30wt%以下であると、得られる成形体のビカット軟化温度、光学特性が優れる傾向にある。
<アクリル酸エステル(B)>
本発明のアクリル酸エステル(B)は、本発明のアクリル樹脂組成物に含有される成分である。
アクリル酸エステル(B)は、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃〜−60℃のアクリレートである。例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、プロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリシジルアクリレート等のアクリレートを挙げることができる。これらのうち、共重合性に優れることから、好ましくはブチルアクリレートである。
アクリル樹脂組成物に含まれるアクリル酸エステル(B)は、マクロモノマー(A)およびアクリル酸エステル(B)の合計100wt%に対し、アクリル酸エステル(B)が10〜50wt%である。より好ましくは10〜45wt%である。アクリル酸エステル(B)が50wt%以上であると、耐熱性が低下する傾向にあり、10wt%以下であると成形性が低下したり、反応液の粘度が上昇し重合が進行しないといった傾向がある。
<(メタ)アクリル酸エステル(C)>
(メタ)アクリル酸エステル(C)は、アクリル樹脂組成物に含有され、マクロモノマー(A)以外のメタアクリレート成分である。
(メタ)アクリル酸エステル(C)は、ホモポリマーのガラス転移温度が100度以上のメタアクリレートである。例えば、メチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート、等のメタクリレートを挙げることができる。これらのうち、成形性と透明性に優れることから、好ましくはメチルメタクリレートである。
アクリル樹脂組成物に含まれる(メタ)アクリル酸エステル(C)は、マクロモノマー(A)およびアクリル酸エステル(B)および(メタ)アクリル酸エステル(C)-の合計100wt%に対し、(メタ)アクリル酸エステル(C)が0〜45wt%である。より好ましく0〜40wt%である。(メタ)アクリル酸エステル(C)が45wt%以上であると、成形性が低下し、45wt%以下であると成形体の耐熱性が改善する傾向にある。
<マクロモノマー共重合体>
マクロモノマー共重合体は、マクロモノマー(A)およびアクリル酸エステル(B)および(メタ)アクリル酸エステル(C)の共重合体であり、アクリル樹脂組成物である。
<アクリル樹脂組成物>
本発明のアクリル樹脂組成物は、耐熱性を有するマクロモノマー共重合体である。本発明においては、ガラス転移温度が115〜165℃であるマクロモノマーとガラス転移温度が0〜−60℃であるアクリル酸エステルを共重合することにより、アクリル樹脂組成物の加工成形性を向上することができる。
<成形体>
本発明の成形体を得る方法としては、前記アクリル樹脂組成物を小型成形、熱プレス、射出成形、押出成形、圧縮成形等の方法で成形して得られる。これらの中では、所望の形状に成形できることから、小型成形、熱プレス、射出成形、押出成形が好ましい。
以下に本発明を実施例により説明する。成形体の評価を以下の方法で行った。
(a)加工成形性の評価
小型成形機(井元製作所製、型番:IMC−18D7)で20mm×10mm×厚さ2mmの成形体を作製した際の成形温度と得られた成形片の形状で次のように判定した。
○:220℃以下の成形温度で、樹脂が金型に完全に充填された形状の成形片が得られる
×:220℃を超える成形温度でなければ、樹脂が金型に完全に充填された形状の成形片が得られない
(b)透明性の程度の評価
小型成形機で作製した20mm×10mm×厚さ2mmの成形体をカラー印刷物の上に置き、判読の程度と色調の変化の有無で次のように判定した。
○:印字を判読でき、色調の変化が無い
△:印字を判読できるが、色調に変化が有る
×:白化し、印字を判読できない
(c)軟化温度(VICAT)測定
JIS K7206−A50(ISO 306)に準拠し、20mm×10mm×厚さ2mmの成形体の軟化温度を測定した。
○:VICAT軟化温度が105℃以上である
△:VICAT軟化温度が100℃以上105℃未満である
×:VICAT軟化温度が100℃未満である
(製造例1)アニオン系高分子化合物水溶液(X1)の合成
攪拌機を備えた重合装置に、メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム58 質量部、メタクリル酸カリウム水溶液(メタクリル酸カリウム分30質量%)31質量部、メタクリル酸メチル11質量部からなる単量体混合物と、脱イオン水900質量部とを加えて攪拌溶解させた。その後、窒素雰囲気下で混合物を攪拌しながら60℃まで昇温し、6時間攪拌しつつ60℃で保持させてアニオン系高分子化合物水溶液を得た。この際、温度が50℃に到達した後、重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1質量部を添加し、更に別に計量したメタクリル酸メチル11質量部を75分間かけて、上記の反応系に連続的に滴下し、アニオン系高分子化合物水溶液(X1)を得た。
(製造例2)アニオン系高分子化合物水溶液(X2)の合成
攪拌機を備えた重合装置に、メタクリル酸カリウム水溶液(メタクリル酸カリウム分30質量%)100質量部、メタクリル酸メチル70質量部からなる単量体混合物とを加えて攪拌し、重合ピーク発現後冷却してアニオン系高分子化合物水溶液(X2)を得た。
(製造例3)マクロモノマー(A)の合成
撹拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器内に、アクリエステルIBX(三菱レイヨン(株)製メタクリル酸イソボルニル、商品名)とアクリエステルM(三菱レイヨン(株)製メタクリル酸メチル、商品名)の合計100質量部及び脱イオン水145質量部、分散安定所剤として硫酸ナトリウム(NaSO)0.1質量部、重合開始剤としてパーオクタO(日油(株)製、商品名)0.4質量部、コバルト錯体12ppmを加え撹拌溶解させた。次いで、アニオン系高分子化合物水溶液(X1)0.48質量部、アニオン系高分子化合物水溶液(X2)0.04質量部を投入し、重合装置内を十分に窒素置換し、水性分散液を80℃に昇温してから3時間保持した後に90℃に昇温して1時間保持した。その後、反応液を40℃に冷却して、マクロモノマー(A)の水性懸濁液を得た。この水性懸濁液を濾過布で濾過し、濾過物を脱イオン水で洗浄し、80℃で18時間乾燥して、マクロモノマー(A)を得た。
(製造例4)マクロモノマー共重合体(A−1)の合成
撹拌機及び冷却管を備えた重合装置中に、製造例1で製造したマクロモノマー(A)、アクリル酸ブチル(三菱化学(株)製)、アクリエステルM(三菱レイヨン(株)製、メチルメタクリレート、商品名)、モノマー濃度が50重量%となるように溶媒としてトルエンを加え45℃に昇温し30分間撹拌して、均一な溶液とした。次に、反応液を室温に冷却し、重合装置内を十分に窒素置換した。重合開始剤としてAIBN(和光純薬(株)製、2,2−アゾビス−2−メチルプロピオニトリル、商品名)1500ppmを加え、反応液を80℃に昇温してから6時間保持した。その後、反応液を室温に冷却し、重合体(A−1)のシラップを得た。このシラップをメタノールで再沈殿し、濾過布で濾過し、濾過物をメタノールで洗浄し、80℃で18時間乾燥して、マクロモノマー共重合体(A−1)を得た。
(製造例5)ランダム共重合体(A−2)の合成
撹拌機及び冷却管を備えた重合装置中に、アクリエステルIBX(三菱レイヨン(株)製メタクリル酸イソボルニル、商品名)及びアクリエステルM(三菱レイヨン(株)製メタクリル酸メチル、商品名)、連鎖移動剤として1−オクタンチオール(東京化成工業(株)製)1000ppm、モノマー濃度が50wt%となるように溶媒としてトルエンを加えた。AIBN(和光純薬(株)製、2,2−アゾビス−2−メチルプロピオニトリル、商品名)1500ppmを加え、反応液を80℃に昇温してから6時間保持した。その後、反応液を室温に冷却し、重合体(A−1)のシラップを得た。このシラップをメタノールで再沈殿し、濾過布で濾過し、濾過物をメタノールで洗浄し、80℃で18時間乾燥して、ランダム共重合体(A−2)を得た。
(製造例6)ランダム共重合体(A−3)の合成
共重合体成分にアクリル酸ブチル(三菱化学(株)製)を追加した以外は製造例3と同様の操作を行いランダム重合体(A−3)を得た。
(実施例1)
表1に示すモノマー組成で製造例3の操作を行い、マクロモノマー(A)を作製した。作製したマクロモノマー(A)の添加量を56wt%、アクリル酸ブチルの添加量を44wt%とし、製造例4と同様の操作を行い、小型成形機(井元製作所製、型番:IMC−18D7)を使用し、マクロモノマー共重合体(A−1)を得た。
上記重合体(A−1)を成形温度220℃、混練速度50rpm、混練時間1分間で成形し、20mm×10mm×厚さ2mmの成形体を得た。評価結果を表1に示す。イソボルニルメタクリレートの熱分解温度以下である220℃で成形可能であり、成形体の透明性も良好で、ビカット軟化点も115.0℃と高く耐熱性を有していた。
(実施例2〜6)
モノマー組成を変更したこと以外は製造例3と同様にしてマクロモノマー(A)を作製し、マクロモノマー(A)とアクリル酸ブチル、メタクリル酸メチルの添加量を変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表1に示す。いずれも、イソボルニルメタクリレートの熱分解温度以下である220℃で成形可能であり、成形体の透明性も良好であった。
(比較例1)
アクリエステルIBXを30wt%、アクリエステルMを70wt%添加し、製造例5と同様の操作を行い、ランダム共重合体(A−2)を得た。上記ランダム共重合体(A−2)を実施例1と同様に成形体を得た。評価結果を表2に示す。共重合体のガラス転移温度は135度、成形体のビカット軟化温度も108.4度と良好な耐熱性を示したものの、樹脂流動性が低く、ポリイソボルニルメタクリレートの熱分解温度である250℃を成形温度として要した。
(比較例2)
アクリエステルIBXを39wt%、アクリエステルMを17wt%、アクリル酸ブチルを44wt%添加し、製造例6と同様の操作を行い、ランダム共重合体(A−3)を得た。上記ランダム共重合体(A−3)を実施例1と同様に成形体を得た。評価結果を表2に示す。この成形体は、高Tg成分と低Tg成分が平均化し、ガラス転移温度の低下が起こり、耐熱性が失われた。
(比較例3)
製造例1でコバルト錯体を添加せず、アクリエステルIBXの添加量を100wt%とした以外は製造例3と同様の操作を行い、ポリイソボルニル(メタ)アクリレートを得た。評価結果を表2に示す。この成形体は、ポリイソボルニル(メタ)アクリレートの熱分解温度である250℃以上の成形温度を要した。さらに、樹脂が固いため金型通りの完全な成形片を得られなかった。
(比較例4)
モノマー組成を変更した以外は製造例1と同様にしてマクロモノマー(A)を作製し、マクロモノマー(A)とアクリル酸ブチル、メタクリル酸メチルの添加量を変更した以外は実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3に示す。この成形体は、耐熱成分であるマクロモノマー(A)が115〜165℃のガラス転移温度を持たないため、ビカット軟化温度が91.2℃となり耐熱性が低下した。
(比較例5)
製造例1と同様にしてマクロモノマー(A)を作製した。マクロモノマー(A)の添加量を45wt%、アクリル酸ブチルの添加量を55wt%として実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3に示す。この成形体は、アクリル酸エステル(B)が10〜50wt%の範囲を超え、耐熱成分であるマクロモノマー(A)とアクリル酸エステル(B)の相分離構造が変化したことにより、ビカット軟化温度が52.2℃まで低下した。
(比較例6)
モノマー組成を変更した以外は製造例1と同様にしてマクロモノマー(A)を作製し、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3に示す。この成形体は、マクロモノマー(A)の数平均分子量(Mn)が10000〜30000の範囲から外れており、マクロモノマー共重合体のモルフォロジーが変化したと考えられる。低Tgであるポリブチルアクリレート相が、マクロモノマー(A)相と相溶したためにビカット軟化温度が39.2℃まで低下した。
(比較例7)
製造例1と同様にしてマクロモノマー(A)を作製した。作製したマクロモノマー(A)の添加量を98wt%、アクリル酸ブチルの添加量を2wt%として実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3に示す。反応溶液の粘度が非常に高く、重合が進行しなかった。
(比較例8)
製造例1と同様にしてマクロモノマー(A)を作製した。作製したマクロモノマー(A)の添加量を55wt%、アクリル酸ブチルの添加量を3wt%、メタクリル酸メチルの添加量を47wt%とし、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3に示す。この成形体は、アクリル酸エステル(B)が10〜50wt%の範囲を下回り、樹脂流動性が低下した。そのため、ポリイソボルニル(メタ)アクリレートの熱分解温度である250℃を成形温度として要した。
(比較例9)
モノマー組成を変更した以外は製造例1と同様にしてマクロモノマー(A)を作製し、実施例1と同様の操作を行った。評価結果を表3に示す。この成形体は、マクロモノマー(A)のガラス転移温度が115℃〜165℃の範囲を超えており、樹脂の流動性が低く、ポリイソボルニルメタクリレートの熱分解温度である250℃を成形温度として要した。

Claims (7)

  1. ガラス転移温度が115℃〜165℃である(メタ)アクリル系マクロモノマー(A) 50〜90wt%と、ガラス転移温度が0℃〜−60℃である(メタ)アクリル酸エステル(B)10〜50wt%とを共重合するポリマーの製造方法。
  2. 前記(メタ)アクリル系マクロモノマー(A)が、下記の構造式を有するマクロモノマーである請求項1に記載のポリマーの製造方法。
  3. 前記共重合の際に、さらにガラス転移温度が100℃以上である(メタ)アクリル酸エステル(C)を0〜45wt%共重合する請求項1又は2に記載のポリマーの製造方法。
  4. 前記共重合が、溶液重合法による請求項1〜3のいずれかに記載のポリマーの製造方法。
  5. 前記溶液重合法において、用いる溶媒がトルエン又はジメチルアセトアミドである請求項4に記載のポリマーの製造方法。
  6. 前記マクロモノマー(A)は、標準物質としてポリメチルメタクリレートを使用した検量線を用いたGPCによる測定で数平均分子量(Mn)が10000〜30000である請求項1〜5のいずれかに記載のポリマーの製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリマーを成型して得られる樹脂成形体。
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