JP2017206492A - オキサアジリジン化合物およびその製造方法 - Google Patents

オキサアジリジン化合物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】抗真菌活性及び細胞毒性を示し、新たな抗真菌剤または抗がん剤として期待されるオキサアジリジン化合物およびその製造方法を提供。【解決手段】式1:[Xは単結合、−C(H)(R6)−又は−C(H)(R7)−C(H)(R8)−;R1〜R8は、夫々独立して、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示す。]で表される化合物またはその塩。【選択図】なし

Description

本発明は、オキサアジリジン化合物およびその製造方法に関する。
近年、高齢者の増加、高度医療の進展、末期癌患者の免疫不全等、真菌による感染症が増加している。これら感染症は重篤な結果をもたらし致死に至る事も多い。既存の抗真菌薬はその種類も少なく、毒性も高い事から、今までの薬剤と異なる新たな抗真菌剤の母核が望まれている。また抗真菌薬の使用により耐性菌の出現が増加し新たな薬剤の開発が切に望まれている。またキャンディン系抗真菌剤は毒性は低いが、その分子量が大きく、血清との反応性が問題になっている。アゾール系抗真菌薬はその毒性から高濃度の投与が難しいという問題を抱えている。そのため、低分子で血清との反応性が低い、毒性の低い、有効な化合物が強く望まれている。
従来、微生物代謝産物からの医薬品シード化合物の探索は、陸上の分離源を中心に採集され微生物分離に供されてきた。現在までに発見された微生物代謝産物はペニシリンやアドリアマイシンをはじめとして、数多くの抗生物質や抗がん剤が発見され、感染症や癌などの治療薬として利用されてきた。しかし、長期間の継続的探索の結果、陸域から得られる微生物代謝産物は殆ど全て既知化合物となり、新規薬剤の候補となる二次代謝産物の取得は極めて困難となった。このため、天然物創薬企業による新規薬剤開発は急速に縮小した。この状況を打開するため、ケミカルライブラリー(天然物および合成化合物)を用いたスクリーニングが世界的な規模で行われてきた。しかし、結果は予想に反し、ケミカルライブラリーからは、有望な新規薬剤候補化合物が得られなかった。これらの状況から新たな薬剤候補化合物を得る事は極めて困難な状況となった。
新規薬剤候補化合物の探索における上述の現状に鑑み、海洋性の微生物資源が注目されている。海洋性の微生物資源はこれまでに殆ど利用されておらず、新規の二次代謝産物発見の大きな可能性を有している。
最近、鹿児島県・奄美群島の加計呂麻島周辺の海底砂中から採取した微生物から発見された、下式:
で表される新たな化合物は、「カケロマイシン」と名付けられた。この「カケロマイシン」は、抗真菌活性、特に、カンジダ症の病原体に対して強い抗菌活性を示し、既存の抗真菌剤とは異なる新たな作用で抗菌している可能性が高く、今後のさらなる研究開発が期待される(特許文献1)。また、この「カケロマイシン」は、HepG2肝臓がん細胞、PANC−1すい臓がん細胞に対して細胞毒性を示すことから、抗がん剤として開発が期待される。
従って、カケロマイシンの部分骨格である双環状オキサアジリジン環を有する化合物もまた、抗真菌活性及び細胞毒性を示すことが期待できる。
国際公開第2015/030197号パンフレット
本発明の目的は、抗真菌活性及び細胞毒性を示し、新たな抗真菌剤または抗がん剤として期待されるオキサアジリジン化合物およびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下式1で表されるオキサアジリジン化合物が抗真菌活性及び細胞毒性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]式1:
[式中、
Xは、単結合、−C(H)(R)−または−C(H)(R)−C(H)(R)−を示し;
〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示す。]
で表される化合物(本明細書中、「化合物1」と略記する場合がある)またはその塩;
[2]式4:
[式中、
Xは、単結合、−C(H)(R)−または−C(H)(R)−C(H)(R)−を示し;
〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示す。]
で表される化合物(本明細書中、「化合物4」と略記する場合がある)またはその塩を酸化反応に供する工程を包含する、式1:
[式中、XおよびR〜Rは上記で定義した通りである。]
で表される化合物またはその塩の製造方法;
[3]式3:
[式中、XおよびR〜Rは[2]で定義した通りである。]
で表される化合物(本明細書中、「化合物3」と略記する場合がある)またはその塩を脱保護反応に供して式4で表される化合物またはその塩を製造する工程をさらに包含する、[2]記載の製造方法;
[4]式2:
[式中、X、R〜RおよびR〜Rは[2]で定義した通りである。]
で表される化合物(本明細書中、「化合物2」と略記する場合がある)またはその塩を、(A)Rが、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基である場合、式:R−M[式中、Mは、MgX(Xは、ハロゲン原子を示す。)、LiまたはCuを示す。]で表されるカルバニオン反応剤と反応させて、あるいは(B)Rが、水素原子である場合、ヒドリド反応剤と反応させて、式3で表される化合物またはその塩を製造する工程をさらに包含する、[3]記載の製造方法。
本発明によれば、抗真菌活性及び細胞毒性を示し、新たな抗真菌剤または抗がん剤として期待されるオキサアジリジン化合物およびその製造方法が提供される。
以下、本明細書中の構造式で用いられる各基の定義について詳述する。
Xは、単結合、−C(H)(R)−または−C(H)(R)−C(H)(R)−を示す。
〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示す。
「置換されていてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、例えば、C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、C2−20アルキニル基、C3−20シクロアルキル基、C3−20シクロアルケニル基、C6−20アリール基、C7−20アラルキル基が挙げられる。
「C1−20アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルが挙げられる。
「C2−20アルケニル基」としては、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニルが挙げられる。
「C2−20アルキニル基」としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、4−メチル−2−ペンチニルが挙げられる。「C2−20アルキニル基」は、好ましくは「C2−6アルキニル基」である。
「C3−20シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、アダマンチルが挙げられる。「C3−20シクロアルキル基」は、好ましくは「C3−10シクロアルキル基」である。
「C3−20シクロアルケニル基」としては、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニルが挙げられる。
「C6−20アリール基」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリルが挙げられる。「C6−20アリール基」は、好ましくは「C6−14アリール基」である。
「C7−20アラルキル基」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル、フェニルプロピルが挙げられる。
「置換されていてもよい複素環基」の「複素環基」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子をそれぞれ含有する、(i)芳香族複素環基、(ii)非芳香族複素環基および(iii)7ないし10員複素架橋環基が挙げられる。
「芳香族複素環基」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫
黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環基が挙げられる。
該「芳香族複素環基」の好適な例としては、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニルなどの5ないし6員単環式芳香族複素環基;
ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジニル、チエノピリジニル、フロピリジニル、ピロロピリジニル、ピラゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イミダゾピラジニル、イミダゾピリミジニル、チエノピリミジニル、フロピリミジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、ピラゾロトリアジニル、ナフト[2,3−b]チエニル、フェノキサチイニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニルなどの8ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)芳香族複素環基が挙げられる。
「非芳香族複素環基」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環基が挙げられる。
該「非芳香族複素環基」の好適な例としては、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロイソチアゾリル、テトラヒドロオキサゾリル、テトラヒドロイソオキサゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリダジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アゼパニル、ジアゼパニル、アゼピニル、オキセパニル、アゾカニル、ジアゾカニルなどの3ないし8員単環式非芳香族複素環基;
ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、ジヒドロナフト[2,3−b]チエニル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリル、4H−キノリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジニル、テトラヒドロベンゾアゼピニル、テトラヒドロキノキサリニル、テトラヒドロフェナントリジニル、ヘキサヒドロフェノチアジニル、ヘキサヒドロフェノキサジニル、テトラヒドロフタラジニル、テトラヒドロナフチリジニル、テトラヒドロキナゾリニル、テトラヒドロシンノリニル、テトラヒドロカルバゾリル、テトラヒドロ−β−カルボリニル、テトラヒドロアクリジニル、テトラヒドロフェナジニル、テトラヒドロチオキサンテニル、オクタヒドロイソキノリルなどの9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環基が挙げられる。
「7ないし10員複素架橋環基」の好適な例としては、キヌクリジニル、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルが挙げられる。
「置換されていてもよい炭化水素基」および「置換されていてもよい複素環基」の「置
換基」としては、例えば、以下が挙げられる。
(1)ハロゲン原子、
(2)ニトロ基、
(3)シアノ基、
(4)オキソ基、
(5)ヒドロキシ基、
(6)置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(7)置換されていてもよいC6−14アリールオキシ基、
(8)置換されていてもよいC7−16アラルキルオキシ基、
(9)置換されていてもよい芳香族複素環−オキシ基、
(10)置換されていてもよい非芳香族複素環−オキシ基、
(11)置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニルオキシ基、
(12)置換されていてもよいC6−14アリール−カルボニルオキシ基、
(13)置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニルオキシ基、
(14)置換されていてもよいモノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ基、
(15)置換されていてもよいC6−14アリール−カルバモイルオキシ基、
(16)置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環−カルボニルオキシ基、
(17)置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環−カルボニルオキシ基、
(18)置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニルオキシ基、
(19)置換されていてもよいC6−14アリールスルホニルオキシ基、
(20)置換されていてもよいC1−6アルキルチオ基、
(21)置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基、
(22)置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環基、
(23)ホルミル基、
(24)カルボキシ基、
(25)置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、
(26)置換されていてもよいC6−14アリール−カルボニル基、
(27)置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環−カルボニル基、
(28)置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環−カルボニル基、
(29)置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基、
(30)置換されていてもよいC6−14アリールオキシ−カルボニル基、
(31)置換されていてもよいC7−16アラルキルオキシ−カルボニル基、
(32)カルバモイル基、
(33)チオカルバモイル基、
(34)置換されていてもよいモノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基、
(35)置換されていてもよいC6−14アリール−カルバモイル基、
(36)置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環−カルバモイル基、
(37)置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環−カルバモイル基、
(38)置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基、
(39)置換されていてもよいC6−14アリールスルホニル基、
(40)置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環−スルホニル基、
(41)置換されていてもよいC1−6アルキルスルフィニル基、
(42)置換されていてもよいC6−14アリールスルフィニル基、
(43)置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環−スルフィニル基、
(44)アミノ基、
(45)置換されていてもよいモノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基、
(46)置換されていてもよいモノ−またはジ−C6−14アリールアミノ基、
(47)置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環−アミノ基、
(48)置換されていてもよいC7−16アラルキルアミノ基、
(49)ホルミルアミノ基、
(50)置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニルアミノ基、
(51)置換されていてもよい(C1−6アルキル)(C1−6アルキル−カルボニル)アミノ基、
(52)置換されていてもよいC6−14アリール−カルボニルアミノ基、
(53)置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニルアミノ基、
(54)置換されていてもよいC7−16アラルキルオキシ−カルボニルアミノ基、
(55)置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニルアミノ基、
(56)置換されていてもよいC6−14アリールスルホニルアミノ基、
(57)置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(58)置換されていてもよいC2−6アルケニル基、
(59)置換されていてもよいC2−6アルキニル基、
(60)置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、
(61)置換されていてもよいC3−10シクロアルケニル基、及び
(62)置換されていてもよいC6−14アリール基。
「置換されていてもよい炭化水素基」および「置換されていてもよい複素環基」における上記「置換基」の数は、例えば、1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
Xが−C(H)(R)−である場合、Rは、好ましくは、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり、より好ましくは、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり、特に好ましくは、水素原子または置換されていてもよいC6−14アリール基である。
Xが−C(H)(R)−C(H)(R)−である場合、Rは、好ましくは、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり、より好ましくは、置換されていてもよいC2−6アルキニル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり、特に好ましくは、置換されていてもよいC6−14アリール基であり、Rは、好ましくは、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり、より好ましくは、置換されていてもよいC2−6アルキニル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり、特に好ましくは、置換されていてもよいC6−14アリール基である。
Xは、好ましくは、−C(H)(R)−(Rは、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基である。)であり、より好ましくは、−C(H)(R)−(Rは、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基または置換されていてもよいC6−14アリール基である。)であり、特に好ましくは、−C(H)(R)−(Rは、水素原子または置換されていてもよいC6−14アリール基である。)である。
は、好ましくは、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり、より好ましくは、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり、特に好ましくは、水素原子または置換されていてもよいC6−14アリール基である。
は、好ましくは、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり、より好ましくは、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり、特に好ましくは、水素原子または置換されていてもよいC6−14アリール基である。
は、好ましくは、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり、より好ましくは、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり、特に好ましくは、水素原子または置換されていてもよいC6−14アリール基である。
は、好ましくは、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり、より好ましくは、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり、特に好ましくは、水素原子または置換されていてもよいC6−14アリール基である。
は、好ましくは、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)であり、より好ましくは、置換されていてもよいC2−6アルキニル基または置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)であり、特に好ましくは、置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)である。
化合物1の好適な例としては、以下の化合物が挙げられる。
[化合物1−1]
Xが、−C(H)(R)−(Rは、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基である。)であり;
が、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり;
が、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり;
が、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり;
が、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり;
が、水素原子、、置換されていてもよいC2−6アルキニル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基または置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)である;
化合物1。
[化合物1−2]
Xが、−C(H)(R)−(Rは、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基または置換されていてもよいC6−14アリール基である。)であり;
が、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基または置換されていて
もよいC6−14アリール基であり;
が、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり;
が、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり;
が、水素原子、置換されていてもよいC2−6アルキニル基または置換されていてもよいC6−14アリール基であり;
が、置換されていてもよいC2−6アルキニル基または置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)である;
化合物1。
[化合物1−3]
Xが、−C(H)(R)−(Rは、水素原子または置換されていてもよいC6−14アリール基である。)であり;
が、水素原子または置換されていてもよいC6−14アリール基であり;
が、水素原子または置換されていてもよいC6−14アリール基であり;
が、水素原子または置換されていてもよいC6−14アリール基であり;
が、水素原子または置換されていてもよいC6−14アリール基であり;
が、置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)である;
化合物1。
本発明のオキサアジリジン化合物の製造方法について以下に説明する。
以下に、本発明のオキサアジリジン化合物の製造方法の全体スキームを示す。
[式中、各記号は上記で定義した通りである。]
本発明のオキサアジリジン化合物1またはその塩の製造方法は、化合物4またはその塩を酸化反応に供する工程(工程3)を包含することを特徴とする。
本発明のオキサアジリジン化合物1またはその塩の製造方法は、化合物3またはその塩を脱保護反応に供して化合物4またはその塩を製造する工程(工程2)をさらに包含していてもよい。
本発明のオキサアジリジン化合物1またはその塩の製造方法は、化合物2またはその塩を、カルバニオン反応剤またはヒドリド反応剤と反応させて、化合物3またはその塩を製造する工程(工程1)をさらに包含していてもよい。
(工程1:N−Boc−アミノケトン(3)の製造)
N−Boc−アミノケトン(3)は、N−Boc−ラクタム(2)と、(A)Rが、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基である場合、カルバニオン反応剤との処理、あるいは(B)Rが、水素原子である場合、ヒドリド反応剤との処理により合成することができる。カルバニオン反応剤としては、式:R−M[式中、Mは、MgX(Xは、ハロゲン原子を示す。)、LiまたはCuを示す。]で表されるカルバニオン反応剤、すなわち、Grignard試薬などの有機マグネシウム化合物
、有機リチウム化合物、有機銅化合物等が挙げられるが、特にGrignard試薬などの有機マグネシウム化合物が好ましい。ヒドリド反応剤としては、水素化ジイソブチルアルミニウム、NaBH、LiAlH等が挙げられるが、特に水素化ジイソブチルアルミニウムが好ましい。カルバニオン反応剤は、N−Boc−ラクタム(2)に対して通常1〜3モル等量、好ましくは1〜1.5モル等量用いることができる。ヒドリド反応剤は、N−Boc−ラクタム(2)に対して通常0.5〜3モル等量、好ましくは1〜1.5モル等量用いることができる。反応温度は、通常−78℃〜30℃、好ましくは−78℃〜0℃の範囲であり、反応時間は、試薬の種類、反応温度などによって異なるが、通常0.5〜48時間、好ましくは0.5〜3時間である。反応溶媒としては、THF、ジエチルエーテル、ヘキサン、トルエン、あるいはそれらの混合溶媒等を用いることができるが、特にTHF溶媒が好ましい。
なお、N−Boc−ラクタム(2)は、市販品にて入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
(工程2:環状イミン(4)の製造)
環状イミン(4)は、N−Boc−アミノケトン(3)のアミノ基のBoc保護基を脱保護することにより合成することができる。脱保護剤としては、トリフルオロ酢酸、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を、N−Boc−アミノケトン(3)に対して通常1〜50モル等量、好ましくは1〜10モル等量用いることができるが、特にトリフルオロ酢酸が好ましい。反応温度は、通常0〜50℃、好ましくは20〜30℃の範囲であり、反応時間は、試薬の種類、反応温度などによって異なるが、通常1〜24時間、好ましくは1〜3時間である。反応溶媒としては、THF、酢酸エチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、あるいはそれらの混合溶媒等を用いることができるが、特にジクロロメタン、ジクロロエタンが好ましい。
(工程3:双環状オキサアジリジン(1)の製造)
双環状オキサアジリジン(1)は、環状イミン(4)の酸化反応により合成することができる。酸化剤としては、m−クロロ過安息香酸、過酢酸等を、環状イミン(4)に対して通常1〜5モル等量、好ましくは1〜2モル等量用いることができるが、特にm−クロロ過安息香酸が好ましい。反応温度は、通常0〜50℃、好ましくは10〜30℃の範囲であり、反応時間は、試薬の種類、反応温度などによって異なるが、通常0.5〜12時間、好ましくは1〜2時間である。反応溶媒としては、THF、酢酸エチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トルエン、エタノール、メタノール、アセトニトリルあるいはそれらの混合溶媒等を用いることができるが、特にTHF、メタノール、ジクロロメタンが好ましい。
本発明の双環状オキサアジリジンおよびその合成中間体は、塩であってもよい。このような塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、または酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げられる。これらの塩のなかでも、薬学的に許容される塩が好ましい。
本発明の双環状オキサアジリジンおよびその塩は、広範な真菌に対して強い抗真菌活性を有し、新たな抗真菌剤として期待される。また、該双環状オキサアジリジンおよびその塩は、癌細胞に対して細胞毒性を示し、新たな抗がん剤として期待される。従って、該双環状オキサアジリジンおよびその塩は、医薬、農薬等の有効成分として使用され得る。
抗真菌剤の標的となる真菌としては、例えば、カンジダ属(例:Candida albicansCandida parapsilosisCandida tropicalisCandida kruseiCandida glabrataCandida quilliermondiiCandida lusitaniae等)、アスペルギルス属(例:Aspergillus fumi
gatusAspergillus flavusAspergillus nigerAspergillus terreus等)、トリコフ
ィトン属(例:Trichophyton rubrumTrichophyton mentagrophytesTrichophyton tonsuransMicrosporumcanisMicrosporum gypseumTrichophyton verrucosum等)等の真菌が挙げられるがこれらに限定されない。また、真菌症としては、特に限定されず、深部皮膚真菌症、深在性真菌症、菌腫、または真菌血症が挙げられる。
抗真菌剤を農薬として使用する場合の対象作物は特に限定されるものではないが、例えば、穀類(例えば、イネ、オオムギ、コムギ、ライムギ、オートムギ、トウモロコシ、高粱等)、豆類(大豆、小豆、そら豆、えんどう豆、落花生等)、果樹・果実類(リンゴ、柑橘類、梨、ブドウ、桃、梅、桜桃、クルミ、アーモンド、バナナ、イチゴ等)、野菜類(キャベツ、トマト、ほうれん草、ブロッコリー、レタス、タマネギ、ネギ、ピーマン等)、根菜類(ニンジン、馬鈴薯、サツマイモ、大根、蓮根、かぶ等)、加工用作物類(綿、麻、コウゾ、ミツマタ、菜種、ビート、ホップ、サトウキビ、テンサイ、オリーブ、ゴム、コーヒー、タバコ、茶等)、瓜類(カボチャ、キュウリ、スイカ、メロン等)、牧草類(オーチャードグラス、ソルガム、チモシー、クローバー、アルファルファ等)、芝類(高麗芝、ベントグラス等)、香料等用作物類(ラベンダー、ローズマリー、タイム、パセリ、胡椒、しょうが等)、花卉類(キク、バラ、蘭等)等の植物が挙げられる。抗真菌剤は、その有効量を対象作物および/または対象作物の種子に処理することにより、該作物における上述したような真菌と関連する病害を防除するために用いることができる。
該農薬は、以下のような形態で使用することができ、通常、製剤分野で慣用される補助剤と一緒に使用される。本発明の双環状オキサアジリジンおよびその塩は、公知の方法で、例えば乳剤原液、噴霧可能なペースト、噴霧または希釈可能な溶液、希釈乳剤、水和剤、水溶剤、粉剤、粒剤、フロアブル剤、ドライフロアブル剤、燻煙剤、燻蒸剤、そして例えばポリマー物質によるカプセル剤に製剤される。
添加剤および担体としては、固形剤を目的とする場合は、大豆粉、小麦粉等の植物性粉末、珪藻土、燐灰石、石膏、タルク、ベントナイト、クレイ等の鉱物性微粉末、安息香酸ソーダ、尿素、芒硝等の有機および無機化合物が使用される。
液体の剤型を目的とする場合は、植物油、鉱物油、ケロシン、キシレンおよびトルエンのような芳香族炭化水素、ホルムアミド、ジメチルホルムアミドのようなアミド類、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類、メチルイソブチルケトンおよびアセトンのようなケトン類、トリクロルエチレン、水等を溶剤として使用する。これらの製剤において、均一なかつ安定な形態を取るために必要ならば界面活性剤を添加することもできる。このようにして得られた水和剤、乳剤、水溶液、フロアブル剤、ドライフロアブル剤は水で所定の濃度に希釈して懸濁液あるいは乳濁液として、粉剤、粒剤はそのまま、土壌または植物に散布する方法で使用される。
本発明の双環状オキサアジリジンおよびその塩を含む農薬中の有効成分含有量および施用量は、剤型や、施用の対象とする真菌の種類、対象作物等に応じて広範囲に変えることができる。
一方、抗真菌剤を医薬として使用する場合、治療対象、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル等)に対して経口または非経口(例えば、静注、筋注、皮下投与、直腸投与、経皮投与)のいずれかの投与経路で投与することができる。
抗真菌剤を経皮的に投与する場合、上記有効成分の他、油性基剤、乳化剤および乳化安定剤、溶解補助剤、粉末成分、高分子成分、粘着性改良剤、被膜形成剤、pH調整剤、抗
酸化剤、防腐剤、保存剤、保型剤、保湿剤、皮膚保護剤、清涼化剤、香料、着色剤、キレート剤、潤沢剤、血行促進剤、収斂剤、組織修復促進剤、制汗剤、植物抽出成分、動物抽出成分、抗炎症剤、鎮痒剤等を必要に応じて配合することができる。これらの添加物はいずれも、一般に製剤に用いられるものが使用できる。
抗真菌剤は、有効成分以外の上記成分等を医薬製剤分野で慣用されている方法により、クリーム剤、液剤、ローション剤、乳剤、チンキ剤、軟膏剤、水性ゲル剤、油性ゲル剤、エアゾール剤、パウダー剤、シャンプー、石鹸、または爪塗布用エナメル剤等の外用薬として製剤化して使用することができる。
抗真菌剤を経口的に投与する場合、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤、細粒剤、トローチ剤等の経口投与に適した剤形に調製することができる。これらの製剤は経口剤のために通常用いられている賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、界面活性化剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤等の添加剤を用いて常法により製造することができる。
抗がん剤の標的となる細胞は、例えば、HepG2細胞(肝臓がん細胞)、PANC1細胞(すい臓がん細胞)等の癌細胞が挙げられるがこれらに限定されない。また、癌としては、特に限定されず、脳腫瘍、皮膚がん、白血病、食道癌、胃癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、直腸癌、骨肉腫等が挙げられる。
本発明は、更に以下の実施例によって詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
H NMRスペクトルは、核磁気共鳴装置(Varian製、400MR)で測定し、全δ値をppmで示した。マススペクトルは、HPLC−Chip/QTOF質量分析システム(アジレントテクノロジー社)で測定し、m/z値を示した。
実施例1
(工程1)
N−Boc−ラクタム2a−1(300mg、1.50mmol)をTHF(3mL)に溶解し、フェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液(1mol/L溶液、1.5mL、1.50mmol)を0℃で加え、0℃で1時間撹拌した。水(1.0mL)を加えた後、無水硫酸ナトリウムを加え反応系内の水を除去し、コットンを用いてろ過した。得られたろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサンおよび酢酸エチル)により精製し、N−Boc−アミノケトン3a−1(313mg、1.13mmol)を無色の液体として得た(収率75%)。
MS: m/z 278 ([M+1], C16H23NO3)
(工程2)
N−Boc−アミノケトン3a−1(50mg、0.18mmol)をジクロロエタン(3mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液をロータリーエバポレーターで濃縮し、環状イミン4a−1(26mg、0.16mmol)を無色の液体として得た(収率90%)。
MS: m/z 160 ([M+1], C11H13N)
(工程3)
環状イミン4a−1(10mg、0.06mmol)をTHF(3mL)に溶解し、m−クロロ過安息香酸(11mg)を加え、室温で3時間撹拌し、反応液をロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサンおよび酢酸エチル)により精製し、双環状オキサアジリジン1a−1(3mg、0.018mmol)を黄色の液体として得た(収率30%)。
1H NMR: δ 1.80-2.26 (m, 4H), 2.32-2.76 (m, 2H), 2.90-3.28 (m, 2H), 7.10-7.50 (m, 5H); MS: m/z 176 ([M+1], C11H13NO)
本発明によれば、抗真菌活性及び細胞毒性を示し、新たな抗真菌剤及び抗がん剤として期待されるオキサアジリジン化合物およびその製造方法が提供される。

Claims (4)

  1. 式1:

    [式中、
    Xは、単結合、−C(H)(R)−または−C(H)(R)−C(H)(R)−を示し;
    〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示す。]
    で表される化合物またはその塩。
  2. 式4:

    [式中、
    Xは、単結合、−C(H)(R)−または−C(H)(R)−C(H)(R)−を示し;
    〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示す。]
    で表される化合物またはその塩を酸化反応に供する工程を包含する、式1:

    [式中、XおよびR〜Rは上記で定義した通りである。]
    で表される化合物またはその塩の製造方法。
  3. 式3:

    [式中、XおよびR〜Rは請求項2で定義した通りである。]
    で表される化合物またはその塩を脱保護反応に供して式4で表される化合物またはその塩を製造する工程をさらに包含する、請求項2記載の製造方法。
  4. 式2:

    [式中、X、R〜RおよびR〜Rは請求項2で定義した通りである。]
    で表される化合物またはその塩を、(A)Rが、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基である場合、式:R−M[式中、Mは、MgX(Xは、ハロゲン原子を示す。)、LiまたはCuを示す。]で表されるカルバニオン反応剤と反応させて、あるいは(B)Rが、水素原子である場合、ヒドリド反応剤と反応させて、式3で表される化合物またはその塩を製造する工程をさらに包含する、請求項3記載の製造方法。
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