JP2017206006A - 樹脂成形品、カメラ用交換レンズおよび樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

樹脂成形品、カメラ用交換レンズおよび樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 塗装を行なわなくても、フィラー浮きや外観ムラの無い良好な外観を有する成形品を得る。
【解決手段】 フィラーを含む樹脂成形品において、表面に凹凸形状が形成されており、前記凹凸形状は、算術平均粗さが0.8μm以上10μm以下であり、前記凹凸形状の山頂点の算術平均曲率が400[1/mm]以上900[1/mm]以下であることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、樹脂成形品に関するものであり、例えば、カメラ鏡筒をはじめとするカメラ等の光学機器に使用されるフィラー入り樹脂成形品に関するものである。
カメラ鏡筒等のカメラ用外観部品においては、小型・軽量化の要求により、金属部品の多くが樹脂成形品へ代わっており、強度を付与するために、ガラスフィラーをはじめとするフィラーを含有する成形材料が用いられている。これらの樹脂成形品は、射出成形工程後に有機溶剤などの塗料を吹き付ける塗装工程によって意図する良好な外観を得ている。
しかしながら、ガラスフィラーをはじめとするフィラーを含有した樹脂の成形に用いる金型の表面は、塗装の下地として塗装外観に影響しない程度に磨かれているのが一般的であり、フィラーが樹脂成形品の表面に浮き出ることがある。また、射出成形において樹脂の充填が遅れる部位、即ち金型の凹み部分やウェルドの部分は、樹脂の流れが乱れるためフィラーの向きがばらばらになり、繊維の一部が樹脂成形品の表面から突き出ることがある。このようにフィラーが表面に出ている成形品に塗装を施すと、塗膜表面からフィラーが付き出て「フィラー浮き」となり、外観不良を発生することがある。
そこで、例えば、以下のような方法が外観不良の改善策として提案されている。
特許文献1では、塗装前の成形品面のシボ面の算術平均粗さRa1が0.5〜10μm、最大高さRy1が1〜100μmとなるように型加工と射出成形を行っている。そして前記シボが転写された樹脂成形品の表面に、算術平均粗さRa2が2μm以下、最大高さRy2が10μm以下の表面粗さとなる塗膜を設けることで、フィラーが表面に露出してしまう等の外観不良が改善できるとしている。前記Ra1が小さ過ぎると平滑面に近い表面状態となるため、フィラーの突出の発生が防げず、最大高さRy1が100μmよりも大きいとシボが深過ぎて、一度の塗装で良好な外観を得られないと共に、離型不良が生じることが開示されている。
特開2001−323089号公報
しかしながら、前記特許文献1のように、シボ及び塗膜の粗さや高さを限定してフィラー浮きに伴う外観不良を改善したとしても、塗装工程は必須となっており、塗装工程に寄る外観ムラなどの課題までは解決できない。また、塗装工程は部品製造コストにおいて大きな部分を占めており、生産コストの低減化を図ることは難しい。
本出願に係わる発明は、カメラ鏡筒をはじめとするカメラ等の光学機器に使用される樹脂成形品において、塗装を行なわなくても、生産コストを低減しつつ、良好な外観面を有する樹脂成形品を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係わる樹脂成形品は、表面に凹凸形状が形成されており、前記凹凸形状は、算術平均粗さが0.8μm以上10μm以下であり、前記凹凸形状の山頂点の算術平均曲率が400[1/mm]以上900[1/mm]以下であることを特徴とする。
また、本発明に係わる樹脂成形品は、表面に凹凸形状が形成されており、前記凹凸形状は、算術平均粗さSaが0.8μm以上10μmであり、二乗平均平方根傾斜Sdqが0.3以上0.65以下であることを特徴とする。
また、本発明に係わる樹脂成形品は、表面に凹凸形状が形成されており、前記凹凸形状は、算術平均粗さが0.8μm以上10μm以下であり、前記凹凸形状の山頂点の算術平均曲率が400[1/mm]以上900[1/mm]以下であり、二乗平均平方根傾斜Sdqが0.3以上0.65以下であることを特徴とする。
また、本発明に係るカメラ用交換レンズは、上記のいずれかの樹脂成形品を含むことを特徴とする。
また、本発明に係わる樹脂成形品の製造方法は、樹脂成形品を成形するための金型に、樹脂を注入し前記樹脂成形品を製造することを特徴とする。
本発明の樹脂成形品によれば、算術平均粗さが0.8μm以上10.0μm以下であることで、成形品表面の凸部から凹部までの深さが確保され、フィラーが視認しにくくなる。また、山頂点の算術平均曲率が400[1/mm]以上900[1/mm]以下であることで、光沢性が増し、僅かに露出したフィラーが更に視認しにくくなる上に、樹脂成形品の凹凸形状の山部が幅広の緩やかな形状となるために樹脂が入り込みやすくなる。よって、より均一に金型の形状が転写されることから外観のムラも目立たなくなる。
従って、塗装を行なわなくても、フィラー浮きや外観ムラの目立たない良好な外観を有する成形品を得ることができる。
本発明の第一の実施形態に係わる樹脂成形品の一例の概略図である。 樹脂成形品の外観面の表面凹凸形状の断面図である。 算術平均粗さを説明するための表面凹凸形状の断面図である。 山頂点の算術平均曲率を説明するための表面凹凸形状の断面図である。 マシニングセンタの構成を示す図である。 射出成形方法を説明する図である。 本発明の第二の実施形態に係わる樹脂成形品の一例の概略図である。 熱可塑性樹脂成形品の外観面の表面凹凸形状の断面図である。 算術平均粗さを説明するための表面凹凸形状の断面図である。 粗さ曲線に関する二乗平均平方根傾斜を説明するための表面凹凸形状の断面図である。
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態に係わる樹脂成形品の一例であって、カメラの交換レンズの鏡筒に用いた際の概略図を示している。また、図2は図1に示す樹脂成形品1の外観面2の表面凹凸形状の一部の断面図を示している。樹脂成形品は、フィラーを含む樹脂によって形成されている。図1、図2において、1は樹脂成形品、2は樹脂成形品の外観面、3は強化用繊維(フィラー)、4は外観面の表面に形成された凹凸形状(凹凸形状4をリップル5と称する場合がある)である。6は凹凸形状の凸部である山部、7は凹凸形状の凹部である谷部を示す。ここで谷部7とは、山部6の根元部分(谷底の部分)を結んだ面S(山部6を除去した状態の面)から10μm内側までの部分Tであると定義する。そして、図2に示すように、樹脂成形品1の外観面2には、凹凸形状4が形成され、凹凸形状4は山部6と谷部7を有している。これにより、フィラー3が山部6に入りこむことを抑制し、谷部7にとどまらせることができる。つまり、山部6に存在するフィラー3の、山部6の樹脂組成物に対する割合は、谷部7に存在するフィラー3の谷部7の樹脂組成物に対する割合に比べて、非常に少ない。具体的には、山部6に存在するフィラー3の割合は、谷部7に存在するフィラー3の割合の10%に満たない。また、山部6の根元部分(谷底の部分)を結んだ面Sとほぼ平行となるような方向でフィラー3は分布している。本明細書においては、強化用繊維等、成形品を強化する等の目的で熱可塑性樹脂に入れる物質をフィラーと称することにする。
凹凸形状4は、二次元で評価した算術平均粗さSaが0.8μm以上10μm以下、山頂点の算術平均曲率Spcが400[1/mm]以上900[1/mm]以下となる形状を有している。これによって、塗装を行なわなくても、良好な外観を有する樹脂成形品1を得ることができる。
ここで、算術平均粗さSaについて説明する。図3は、算術平均粗さSaを説明するための、ある成形品断面における表面の凹凸形状を示している。また、下記式1は算術平均粗さSaの算出式である。算術平均粗さSaとは、直線上で評価した算術平均粗さRaを面に拡張したパラメーターであり、単位はここではμmとする。式1において、Zは十分な広さを持つ測定領域において求められる高さ成分の平均面8を0とした時のx、y座標における高さ成分を意味し、Aは測定領域の面積を示している。本発明においては、表面粗さの観点から測定領域は1000μm×1000μmとする。算術平均粗さSaは、図3において、平均面8より凸方向の高さ成分9と平均面より凹方向の高さ成分10の絶対値の平均を求めたものである。即ち、樹脂成形品表面の凹凸形状における高さ成分を面全体の平均として評価したものであり、数値が大きいほど面の凹凸の高さ成分が大きいことを意味する。
Figure 2017206006
算術平均粗さSaが0.8μmよりも小さいと、樹脂成形品表面の凹凸形状の高さは極めて小さく、フィラー3は凹凸形状の凸部から非常に近いところに存在することになる。一般的に、本発明に係わるフィラー入り樹脂成形品1に用いられるフィラー3の直径は数μm〜数十μmであり、算術平均粗さSaが小さいと、視認されやすくなる。即ち、外観不良となりやすい。
一方、算術平均粗さSaが10.0μmを超えると、凹凸形状が深過ぎて成形品離型時に離型不良を引き起こし、凹凸形状がゆがんだり、成形品表面に擦れによる白化模様が発生したりするなど、良好な外観面を有する成形品の取得そのものが困難になることがある。また、必要な抜き勾配が大きくなり、成形品形状に寸法制限が入ったり、複雑で寸法精度が要求される場合はこれらを満足できなくなる。
前述のような理由から、算術平均粗さSaが大きいほど、フィラー3を視認しにくくなる傾向があるが、凹凸形状に10.0μmを超える高さ成分を持たせることはできず、0.8μm以上10.0μm以下の範囲であることが望ましいことを見出した。
しかしながら、これだけでは良好な外観面を有する樹脂成形品1は得られないことがわかった。
つまり、成形品表面に近い谷部に存在するフィラー3は、成形品表面と平行方向に配向を持つ傾向にあるが、完全に平行状態にあるわけではなく、樹脂流動が乱された際には、配向状態がばらばらになることがある。このような場合、フィラー3は成形品表面へ部分的に突き出し、視認されてしまうことがある。そこで、成形品表面の凹凸形状の山頂点の算術平均曲率Spcが400[1/mm]以上900[1/mm]以下である必要があることがわかった。山頂点とは、リップル5の山頂点のことを指している。
山頂点の算術平均曲率Spcとは、表面の山頂点の主曲率の平均を表す。図4は、山頂点の算術平均曲率Spcを説明するための表面凹凸形状の断面図である。本発明においては、測定領域は1000μm×1000μmとする。また、式2は、山頂点の算術平均曲率Spcの算出式である。式2において、zはx、y座標における高さ方向成分を意味し、nは山頂点の数を示している。従って、山頂点の算術平均曲率Spcは、図4に示す表面凹凸形状の山頂点の近似円11の半径の逆数の平均値を表している。この数値が小さいと山の頂点に丸みがあり、幅の広い形状となっていることを示し、大きいと尖って幅が狭い形状をしていることを示している。
Figure 2017206006
山頂点の算術平均曲率Spcが900[1/mm]よりも大きくなると、表面凹凸形状の凸部が鋭角で、幅の狭い形状になる。これによって、成形品表面に当たった光が拡散反射を起こしやすくなり、成形品を見ている人間の目に返ってくる光量が減る。従って、成形品面の光沢性が失われたように見える。成形品面の光沢性が失われると、成形品面における色ムラや転写ムラ、樹脂の流動模様、フィラーが表面に露出してしまう(以下フィラー浮きと称する)などの外観不良が視認しやすくなる。また、表面凹凸形状の凸部が鋭角で幅が狭くなった形状では、成形時の圧力の伝達状況によっては樹脂の流入状態に差が出て、転写状態にばらつきが発生し、凸形状にばらつきが発生しやすくなる。結果として、凸部での光の反射状態が変わり、成形品面における外観ムラが視認しやすくなってしまう。
一方、山頂点の算術平均曲率Spcが400[1/mm]よりも小さいと、表面凹凸形状での光の反射が激しくなり、目視による外観状態が著しく変わってしまうため、これより小さくすることはできない。
算術平均粗さSaおよび山頂点の算術平均曲率Spcは、国際規格ISO 25178表面性状(面粗さ測定)で定められた値を用いる。本明細書における算術平均粗さSaおよび山頂点の算術平均曲率Spcは、キーエンスVK−X160で1000μm×1000μmの任意の範囲の評価エリアを測定して得られた値とする。具体的には、まず、2cm×2cmの任意の範囲のエリアを決める。そして、その任意の範囲のエリア内の少なくとも20か所における1000μm×1000μmの評価エリアを測定し、得られた値の平均値とする。
以上のように、算術平均粗さSaが0.8μm以上10.0μm以下にあることで、成形品表面の凸部から凹部までの深さが確保され、フィラー3が視認しにくくなる。また、山頂点の算術平均曲率Spcが400[1/mm]以上900[1/mm]以下にあることで、光沢性が増し、僅かに露出したフィラーが更に視認しにくくなる。さらに、樹脂成形品を金型の形状を転写して成形する場合、樹脂成形品の山部として転写される金型の凹凸形状の谷部が幅広の緩やかな形状となるために樹脂が入り込みやすくなり、より均一な転写が可能になり、転写ムラによる外観ムラも抑制される。
従って、塗装を行なわなくても、フィラー浮きや外観ムラの無い良好な外観を有する成形品を得ることができる。
(樹脂成形品の製造方法)
次に本発明の樹脂成形品の製造方法について説明する。
本発明の樹脂成形品は、金型のキャビティに樹脂を注入してキャビティに形成された凹凸形状を樹脂に転写して製造される。金型のキャビティの形状を樹脂に転写する方法は、一般的な成形方法(例えば射出成形方法)を用いることができる。
一例として金型のキャビティの表面には、樹脂に転写させると本発明の樹脂成形品の凹凸形状となる凹凸形状を形成しておく必要がある。まず、転写させると算術平均粗さSaが0.8μm以上10.0μm以下、算術平均曲率Spcが400[1/mm]以上900[1/mm]以下となる形状をCADを用いてモデリングする。ここでモデリングされる形状に、繰り返しパターンを付加する。繰り返しパターンはCADによるモデリングで付加する以外にも、モデリングでは繰り返しパターンを付加せず、加工条件によって付加することも可能である。また、繰り返しパターンは60μm以下のピッチのリップルにすることが好ましい。このようにすると、リップルの間隔が狭くなり、外観の光沢性がより均質になり、安定してフィラー浮きや外観ムラの無い良好な外観を有する成形品を得ることができる。また、CADを用いてモデリングすると、同じ凹凸形状を有した金型キャビティを複製することができ、再現性や量産性の向上が可能になる。そしてモデリングした形状から、そのモデリングした形状を加工するためのNCデータをCAMを使用して作成する。そして、作成したNCデータを加工装置に入力し、金型のキャビティの表面を加工する。
図5は金型のキャビティの表面を加工する機械の一例であるマシニングセンタの構成を示す図である。マシニングセンタは直線軸X、直線軸Y、直線軸Zの3軸で構成されている。54は工具を取り付け回転させることで切削加工を行う主軸、55は切削工具、56は被加工物である金型である。57はNCデータであり、切削加工で使用するX軸の移動量、Y軸の移動量、Z軸の移動量、主軸の回転数、X軸の送り速度、Y軸の送り速度、Z軸の移動速度、などの指令が記載されている。主軸54がNCデータ57に記載された回転数数、各軸の送り速度、送り量で移動、回転することで被加工物である金型56を切削工具55を使用して切削加工する。これによりマシニングセンタの主軸54に取り付けられた切削工具55を用いて、主軸54を回転させながら被加工物である金型56に対して相対的に移動を行うことにより、任意の三次元形状を加工することができる。切削工具55はどのような工具を用いてもよいが、例えば、工具先端が円弧形状をしたボールエンドミルを用いることができる。
このように加工された金型のキャビティに樹脂を注入してキャビティに形成された凹凸形状を樹脂に転写して本発明の樹脂成形品を製造する。金型のキャビティに樹脂を転写する方法は、一般的な成形方法(例えば射出成形方法)を用いることができる。図6は、射出成形方法について説明する図である。射出成形には射出成形機12が用いられ、射出成形機12は加熱ヒーター13、加熱シリンダー14、スクリュー15、ホッパー16が射出部となっている。射出成形機12には、図示しないプラテンに前記加工方法にてキャビティの表面が加工された成形用金型17が取り付けられている。そして、ホッパー16に供給された樹脂ペレット18が射出部で加熱、溶融されて、金型17に射出充填され、金型キャビティ面が転写される。
使用される樹脂としては、フィラーが入った熱可塑性樹脂であれば制限が無い。特に、ポリカーボネートPCは耐環境性、剛性、強度および成形性のいずれも良好であるため、好適に使用することができる。
また、フィラー3としては、無機系又は有機系のフィラーのいずれも使用することができる。例えばガラスフィラーを用いることができる。また、低収縮性と低異方性の観点から直径数〜数十μm、長さ数十〜数百μmのフィラーを混在させて使用することが多い。つまり直径が1μm以上90μm以下であり、長さが10μm以上900μm以下のフィラーを混在させて使用することが多いが、いずれも好適に使用することができる。
強フィラーが入った熱可塑性樹脂における、熱可塑性樹脂とフィラーの割合は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、フィラー5重量部以上40重量部相当以下であることが好ましい。
(第二の実施形態)
図7は、本発明の第二の実施形態に係わる樹脂成形品の一例であって、カメラの交換レンズの鏡筒に用いた際の概略図を示している。また、図8は図7に示す樹脂成形品の外観面の表面の凹凸形状の一部の断面図を示している。図7、図8において、図1、図2と同じ機能を有する部分には同じ符号を付し詳細な説明を省略し、第一の実施形態と異なる部分について主に説明する。
第二の実施形態における凹凸形状4は、算術平均粗さSaが0.8μm以上10μm以下であり、さらに二乗平均傾斜Sdqが0.3以上0.65以下となる形状を有している。これによって、塗装を行なわなかった場合においてもフィラー浮きが発生せず、JISZ8741で規定される60°光沢度が11以上60未満の光沢を備える良好な外観を有する樹脂成形品1を得ることができる。
第一の実施形態で説明したように、算術平均粗さSaが0.8μmより小さい場合、成形品表面の凹凸形状の高さ成分は極めて小さくなり、谷部7付近に点在するフィラー3は相対的に凹凸形状の凸部から浅いところに存在することになる。一般的に、本発明に係わるフィラー入り熱可塑性樹脂成形品1に用いられるフィラー3の直径は数μm以上数十μm以下であり、算術平均粗さSaが小さいと、フィラー3が視認しやすくなる。即ち、フィラー浮きとよばれる外観不良となりやすい。
一方、算術平均粗さSaが10.0μmを超えると、凹凸形状が深過ぎて成形品離型時に離型不良を引き起こし、凹凸形状がゆがんだり、成形品表面に擦れによる白化模様が発生したりするなど、良好な外観面を有する成形品の取得そのものが困難になることがある。また、成形品に必要な抜き勾配が大きくなり、成形品形状に寸法制限が入る場合や複雑で寸法精度が要求される場合はこれらを満足できなくなる。
前述のような理由から、算術平均粗さSaが大きいほど、フィラー3を視認しにくくなる傾向があるが、凹凸形状に10.0μmを超える高さ成分を持たせることはできず、0.8μm以上10.0μm以下の範囲であることが望ましい。
さらに、第二の実施形態では、二乗平均傾斜Sdqが0.3以上0.65以下となる形状を有している。これによって、塗装を行なわなくても光沢を高めることができる。
光沢を高めるためには、成形品を見ている人間の目に返ってくる光量を増加させる必要がある。そこで、表面凹凸形状の二乗平均平方根傾斜Sdqを適切な範囲になるように設計する。それによって、表面凹凸形状上に存在する微細な凹凸を適切な範囲となるように増減することで、拡散反射を低減して光量を増加させることが可能となる。この二乗平均平方根傾斜Sdqは、粗さ曲線上の二乗平均平方根傾斜Rdqを面に拡張したパラメータであり、ISO25178に規定されている。
二乗平均平方根傾斜Sdqとは、表面に存在する傾斜の平均を表す。図9は、二乗平均平方根傾斜Sdqを説明するための表面凹凸形状の断面図である。また、式3は、二乗平均平方根傾斜Sdqの算出式である。ここで、zはx、y方向における高さ成分を意味し、Aは測定領域の面積であり、これは基準長さ211(図10参照)をx、y方向に拡大したものである。二乗平均平方根傾斜Sdqは、図10に示す表面凹凸形状のx、y方向の局所傾斜212の二乗平方根を求めることで、表面に存在する傾斜の平均を表している。この数値が小さい場合、表面に傾きの小さい傾斜が多数存在する形状となっていることを示し、数値が大きい場合、表面に傾きの大きい傾斜が多数存在する形状となっていることを示している。
Figure 2017206006
二乗平均平方根傾斜Sdqが0.65より大きい場合、表面凹凸形状に傾きが大きい傾斜が多数存在する形状になる。これによって、成形品表面に当たった光が拡散反射を起こしやすくなり、成形品を見ている人間の目に返ってくる光量が減る。従って、成形品面の光沢性が失われたように見え、60°光沢度が11以上60未満という光沢を備えた成形品を得ることができない。
一方、二乗平均平方根傾斜Sdqが0.3を下回る場合、表面凹凸形状での光の反射が増し、60°光沢度が60以上となるため、鏡面のような外観状態となる。そのような外観では、目視による外観状態が著しく変わってしまうため、これ以上小さくすることはできない。
以上のように、算術平均粗さSaが0.8μm以上10.0μm以下にあることで、成形品表面の凸部から凹部までの深さが確保される。これにより、フィラー3が視認しにくくなり、かつ、二乗平均平方根傾斜Sdqが0.3以上0.65以下にあることで、60°光沢度が11以上60未満となり、必要な光沢を得られる。
従って、塗装を行なわなくても、フィラー浮きが視認できないレベルまで抑えられ、光沢性の良好な外観を有する成形品を得ることができる。
なお、この二乗平均平方根傾斜Sdqに関しては、塗膜を有する成形品には前記関係性は成り立たず、塗膜を有しない成形品表面にのみ前記関係性が適用される。これは、塗膜を有する場合と有しない場合では、外観面の最表面材質の差異により、光沢の発生原理が異なるためである。
以上、第二の実施形態について述べたが、もちろん、第一の実施形態および第二の実施形態の両方を満たす形状であるとより好ましい。つまり、凹凸形状は、算術平均粗さが0.8μm以上10μm以下であり、前記凹凸形状の山頂点の算術平均曲率が400[1/mm]以上900[1/mm]以下であり、二乗平均平方根傾斜Sdqが0.3以上0.65以下であるとより好ましい。
次に本発明の実施例について説明する。
(実施例1、2、3)
以下、実施例1、2、3では、第一の実施形態で説明した樹脂成形品(カメラの交換レンズの鏡筒)を製造し、外観評価を行なった。
<金型キャビティ表面の加工方法>
算術平均粗さSa、山部頂点の算術平均曲率Spcが異なる凹凸形状になるように複数のデザインを作成した。作成したデザインを加工するためのNCデータをそれぞれ作成し、作製したNCデータをマシニングセンタに入力し、金型のキャビティの表面に凹凸形状をボールエンドミル工具を用いて加工した。
それぞれ加工したキャビティを有する金型を用いて、それぞれ射出成形を行ない、それぞれのキャビティに加工した凹凸形状を成形品に転写させてカメラの交換レンズの鏡筒を取得した。樹脂材料は、ガラスフィラーを約30%含有するポリカーボネートPC(三菱エンジニアリングプラスチックス(株),ユーピロン)を用いた。成形機は、J180ELIII射出成形機(日本製鋼所(株))を用い、前記金型キャビティ表面に加工した凹凸形状が十分に転写できるように成形条件を設定した。
<評価項目と評価方法>
射出成形によって得られた樹脂成形品の凹凸形状の評価をレーザー顕微鏡(キーエンス(株),VK−X160)にて行った。倍率400倍で表面形状を測定し、測定画像において1000μm×1000μmの評価エリアを含む任意の範囲を定め、表面形状を測定した。具体的には、算術平均粗さSa、山頂点の算術平均曲率Spc、リップル形状のピッチの3つ指標の評価を行い、表面凹凸形状が樹脂成形品の外観に及ぼす影響について検討した。
なお、樹脂成形品の外観評価は目視にて行い、外観ムラや極度の光沢性変化、フィラー浮きや白化等が視認できない物を良好な外観◎、外観不良ではないが、やや劣るものを○、外観不良を×として判断した。
<実験結果>
表1はリップル形状のピッチが20μmとなるようにデザインした凹凸形状を加工したキャビティによって得られた樹脂成形品における算術平均粗さSa、山頂点の算術平均曲率Spcと外観を目視評価した結果である。実施例1−1から1−9においては良好な外観面を有することが確認できた。従って、算術平均粗さSaが0.8μm以上10.0μm以下、山頂点の算術平均曲率Spcが400[1/mm]以上900[1/mm]以下の範囲の表面凹凸形状によって、外観ムラやフィラー浮き等のない良好な外観面が得られることが分かった。
一方、比較例1から6においては外観不良となった。
比較例1,2では、山頂点の算術平均曲率Spcが400[1/mm]未満となり、表面凹凸形状での光の反射が激しくなり、目視による外観状態が著しく変わってしまうため、外観不良となった。
比較例3、4では、凹凸形状が深過ぎて離型不良や、凹凸形状のゆがみが見られるものがあり、また、必要な抜き勾配が大きくなり、成形品形状に寸法制限が入ったり、複雑で寸法精度が要求される場合はこれらを満足できなくなる等の観点からもNGとなった。
表2、表3は、それぞれ、リップル形状のピッチが60μm、100μmとなるようにデザインした凹凸形状を加工したキャビティによって得られた樹脂成形品における外観を評価した結果である。リップル形状のピッチが60μmとなるようにデザインされた樹脂成形品では、ピッチが20μmの時と有意差のない良好な外観であった。しかし、ピッチが100μmとなるようにデザインされた樹脂成形品ではピッチ間が広がることで、1つのリップルの外観への影響が大きくなり、リップルにおける光沢のばらつきによる外観ムラがうっすら確認された。
Figure 2017206006
Figure 2017206006
Figure 2017206006
(実施例4、5、6)
以下、実施例4、5、6では、第二の実施形態で説明した樹脂成形品(カメラ用交換レンズの鏡筒)を製造し、外観評価を行なった。
<金型キャビティ表面の加工方法>
算術平均粗さSa、二乗平均平方根傾斜Sdqが異なる凹凸形状になるように複数のデザインを作成した。作成したデザインを加工するためのNCデータをそれぞれ作成し、作製したNCデータをマシニングセンタに入力し、金型のキャビティの表面に凹凸形状をボールエンドミル工具を用いて加工した。
それぞれ加工したキャビティを有する金型を用いて、それぞれ射出成形を行ない、それぞれのキャビティに加工した凹凸形状を成形品に転写させてカメラの交換レンズの鏡筒を取得した。樹脂材料は、ガラスフィラーを約30%含有するポリカーボネートPC(三菱エンジニアリングプラスチックス(株),ユーピロン)を用いた。成形機は、J180ELIII射出成形機(日本製鋼所(株))を用い、前記金型キャビティ表面に加工した凹凸形状が十分に転写できるように成形条件を設定した。
<評価項目と評価方法>
射出成形によって得られた樹脂成形品の凹凸形状の評価をレーザー顕微鏡(キーエンス(株),VK−X160)にて行った。倍率400倍で表面形状を測定し、測定画像において1000μm×1000μmの任意の範囲を評価エリアと定め、表面形状を測定した。具体的には、算術平均粗さSa、二乗平均平方根傾斜Sdq、リップル形状のピッチの3つ指標の評価を行い、表面凹凸形状が樹脂成形品の外観に及ぼす影響について検討した。
なお、樹脂成形品の外観評価は目視にて行い、外観ムラや極度の光沢性変化、フィラー浮きや白化等が視認できない物を良好な外観◎、外観不良ではないが、やや劣るものを○、外観不良を×として判断した。
<実験結果>
表4に、リップル形状のピッチが20μmとなるようにデザインした凹凸形状を加工したキャビティによって得られた樹脂成形品における算術平均粗さSa、二乗平均平方根傾斜Sdqを示す。また、それぞれの樹脂成形品のフィラー浮き、光沢、その他の外観不良を目視評価した結果を示す。実施例4−1から4−9においてはフィラー浮きがなく、光沢が良好な外観面を有することが確認できた。従って、算術平均粗さSaが0.8μm以上10.0μm以下、二乗平均平方根傾斜Sdqが0.3以上0.65以下の範囲の表面凹凸形状によって、必要な光沢を有し、フィラー浮きのない良好な外観面が得られることが分かった。
一方、比較例5から9においては外観不良となった。
比較例5,6では、二乗平均平方根傾斜Sdqが0.3未満となり、表面凹凸形状での光の反射が激しくなり、目視による外観状態が著しく変わることに加え、必要以上の光沢を有してしまうためNGとなった。
比較例7,9では、二乗平均平方根傾斜Sdqが0.65超となり、表面凹凸形状で光が拡散反射を起こしやすくなり、光沢性が著しく失われ、成形品面における必要な光沢を備えていないためNGとなった。
比較例7,8では、凹凸形状が深過ぎて離型不良や、凹凸形状のゆがみが見られるものがあり、また、必要な抜き勾配が大きくなり、成形品形状に寸法制限が入ったり、複雑で寸法精度が要求される場合はこれらを満足できなくなる等の観点からもNGとなった。
表5、表6に、それぞれ、リップル形状のピッチが60μm、100μmとなるようにデザインした凹凸形状を加工したキャビティによって得られた樹脂成形品における算術平均粗さSa、二乗平均平方根傾斜Sdqを示す。また、それぞれの樹脂成形品のフィラー浮き、光沢、その他の外観不良を目視評価した結果を示す。リップル形状のピッチが60μmとなるようにデザインされた樹脂成形品ではピッチが20μmの時と有意差のない良好な外観であった。ピッチが100μmとなるようにデザインされた樹脂成形品では、ピッチ間が広がることで、1つのリップルの外観への影響が大きくなり、リップルにおける光沢のばらつきによる外観ムラがうっすら確認された。
Figure 2017206006
Figure 2017206006
Figure 2017206006
(実施例7、8)
以下、実施例7、8では、第一、第二の実施形態で説明した樹脂成形品(カメラ用交換レンズの鏡筒)を製造し、ガラス浮きや外観ムラに関する外観評価に加えて、成形品の凹凸形状に起因する光の干渉による虹色外観の評価を行なった。虹色外観とは、成形品の凹凸形状によって発生する光路長差や光の反射状態、即ち、正反射と乱反射(拡散反射)の割合などにより、成形品面が虹色に見える外観不良である。
<金型キャビティ表面の加工方法>
算術平均粗さSa、山部頂点の算術平均曲率Spc、二乗平均平方根傾斜Sdqが異なる凹凸形状になるように複数のデザインを作成した。作成したデザインを加工するためのNCデータをそれぞれ作成し、作製したNCデータをマシニングセンタに入力し、金型のキャビティの表面に凹凸形状をボールエンドミル工具を用いて加工した。
それぞれ加工したキャビティを有する金型を用いて、射出成形を行ない、キャビティに加工した凹凸形状を成形品に転写させてカメラの交換レンズの鏡筒を取得した。樹脂材料は、ガラスフィラーを約30%含有するポリカーボネートPC(三菱エンジニアリングプラスチックス(株),ユーピロン)を用いた。成形機は、J180ELIII射出成形機(日本製鋼所(株))を用い、前記金型キャビティ表面に加工した凹凸形状が十分に転写できるように成形条件を設定した。
<評価項目と評価方法>
射出成形によって得られた樹脂成形品の凹凸形状の評価をレーザー顕微鏡(キーエンス(株),VK−X160)にて行った。倍率400倍で表面形状を測定し、測定画像において1000μm×1000μmの任意の範囲を評価エリアと定め、表面形状を測定した。具体的には、算術平均粗さSa、山頂点の算術平均曲率Spc、二乗平均平方根傾斜Sdqの評価を行い、表面凹凸形状が樹脂成形品の外観に及ぼす影響について検討した。
なお、樹脂成形品の外観評価は目視にて行い、虹色外観とガラス浮きや外観ムラなどを含むその他の外観ムラについてそれぞれ評価した。外観不良が一切見えない良好な外観を◎、外観不良レベルではないが、やや劣るものを○、いずれかの外観不良が視認できるものを不良外観×として判断した。
<実験結果>
表7、表8は実施例1や実施例2で明らかになったように、ガラス浮きが発生しにくい算術平均粗さSaの範囲において、拡散反射が起こりにくくなり、虹目模様が視認しやすくなるとされる下限値側の外観評価結果である。即ち0.8〜1.2μmにおいて、山頂点の算術平均曲率Spcと二乗平均平方根傾斜Sdqをそれぞれ変えた形状においての外観評価結果である。実施例7−1から7−3においてはいずれの外観不良も視認できない良好な外観となった。また、実施例7−4においては、虹色外観においてのみやや劣化が見られたが、不良レベルではなかった。同様に、実施例8−1から8−3においてはいずれの外観不良も視認できない良好な外観となった。また、実施例8−4においては、虹色外観においてのみやや劣化が見られたが、不良レベルではなかった。従って、山頂点の算術平均曲率Spcが450[1/mm]以上900[1/mm]以下においては、虹目模様を含むいずれの外観不良も視認できず、より好ましい外観面が取得できることが分かった。また、二乗平均平方根傾斜Sdqが0.4以上0.65以下の範囲の表面凹凸形状においても、虹目模様を含むいずれの外観不良も視認できず、より好ましい外観面が取得できることが分かった。
一方、比較例10では山頂点の算術平均曲率Spcが380[1/mm]以下となり、また、比較例11においては二乗平均平方根傾斜Sdqが0.3以下となり、拡散反射が起こりにくくなった。結果として成形品を見ている人間の目に返ってくる光量が増大し、目視による外観が著しく変わると共に、虹目模様が強く見えるようになり、外観不良として認識できるようになったと考えられる。
Figure 2017206006
Figure 2017206006
1 樹脂成形品
2 外観面
3 強化用繊維
4 凹凸形状
5 リップル
6 山部
7 谷部
8 成形品表面凹凸形状の平均面
9 平均面より凸方向の高さ成分
10 平均面より凹方向の高さ成分
11 表面凹凸形状の山頂点の近似円
12 射出成形機
13 加熱ヒーター
14 加熱シリンダー
15 スクリュー
16 ホッパー
17 成形用金型
18 樹脂ペレット

Claims (11)

  1. 熱可塑性樹脂を含む樹脂成形品であって、
    前記熱可塑性樹脂の表面に凹凸形状が形成されており、
    前記凹凸形状は、
    算術平均粗さが0.8μm以上10μm以下であり、
    前記凹凸形状の山頂点の算術平均曲率が400[1/mm]以上900[1/mm]以下であることを特徴とする樹脂成形品。
  2. 熱可塑性樹脂を含む樹脂成形品であって、
    前記熱可塑性樹脂の表面に凹凸形状が形成されており、前記凹凸形状は、算術平均粗さSaが0.8μm以上10μmであり、二乗平均平方根傾斜Sdqが0.3以上0.65以下であることを特徴とする樹脂成形品。
  3. 熱可塑性樹脂を含む樹脂成形品であって、
    前記熱可塑性樹脂の表面に凹凸形状が形成されており、前記凹凸形状は、算術平均粗さが0.8μm以上10μm以下であり、前記凹凸形状の山頂点の算術平均曲率が400[1/mm]以上900[1/mm]以下であり、二乗平均平方根傾斜Sdqが0.3以上0.65以下であることを特徴とする樹脂成形品。
  4. 前記山頂点の算術平均曲率が450[1/mm]以上900[1/mm]以下であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の樹脂成形品。
  5. 前記二乗平均平方根傾斜Sdqが0.4以上0.65以下であることを特徴とする請求項2または3の樹脂成形品。
  6. 前記凹凸形状は、繰り返しパターンを有していることを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項に記載の樹脂成形品。
  7. 前記凹凸形状は、60μm以下のピッチのリップルを有していることを特徴とする請求項1乃至6いずれか一項に記載の樹脂成形品。
  8. 無機系あるいは有機系のフィラーを含むことを特徴とする請求項1乃至7いずれか一項に記載の樹脂成形品。
  9. 直径が1μm以上90μm以下であり、長さが10μm以上900μm以下であるフィラーを含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか一項に記載の樹脂成形品。
  10. 請求項1乃至9いずれか一項に記載の樹脂成形品を含むことを特徴とするカメラ用交換レンズ。
  11. 請求項1乃至9いずれか一項記載の樹脂成形品を成形するための金型に、樹脂を注入し前記樹脂成形品を製造することを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
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