JP2017204448A - 車両用灯具 - Google Patents

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Toshiya Abe
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Abstract

【課題】光学的特性と構造的特性とを両立させることができる。
【解決手段】この発明は、半導体型光源2と、ヒートシンク5と、ブラケット9と、可動シェード6と、ソレノイド7と、リンク部材8と、を備える。可動シェード6は、軸受部分61と主遮蔽部分62とに分割されている。軸受部分61は、回転軸64を介してブラケット9に回転可能に取り付けられている。主遮蔽部分62には、付加反射面623が設けられている。この結果、この発明は、軸受部分61には構造的特性が良い材料を使用することができ、主遮蔽部分62には光学的特性が良い材料を使用することができる。これにより、この発明は、光学的特性と構造的特性とを両立させることができる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、配光を切り替えることができる車両用灯具に関するものである。
この種の車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用灯具について説明する。
従来の車両用灯具は、投影レンズと、光源と、リフレクタと、シェード機構と、を備えるものである。シェード機構は、ホルダに回転軸を介して回転可能に支持されている可動シェードと、ソレノイドと、ソレノイドと可動シェードとに連結されているロッド部材と、から構成されている。リフレクタには、オーバーヘッドサイン用反射面が設けられている。可動シェードには、オーバーヘッドサイン用受光面が設けられている。
従来の車両用灯具は、可動シェードが遮蔽位置にある時、カットオフラインを有するすれ違いビーム用配光パターンを形成する。また、光源からの光がオーバーヘッドサイン用反射面で反射され、その反射光がオーバーヘッドサイン用受光面で反射され、その反射光が投影レンズを透過して、すれ違いビーム用配光パターンの上方にオーバーヘッドサイン配光パターンを形成する。ソレノイドを駆動させると、可動シェードが遮蔽位置から遮蔽緩和位置に移動して、走行用ビーム配光パターンが形成される。
特開2007−294203号公報
ところが、従来の車両用灯具は、可動シェードがダイキャスト鋳造品であって、オーバーヘッドサイン用受光面が設けられている部分と、可動シェードがホルダに回転軸を介して回転可能に支持されている部分のカム板と、が一体構造をなしている。このために、従来の車両用灯具は、オーバーヘッドサイン用受光面における反射などの光学的特性と、カム板における耐摩耗性などの構造的特性と、を両立させることが難しかった。
この発明が解決しようとする課題は、付加反射面における反射などの光学的特性と、取付部分における耐摩耗性などの構造的特性と、を両立させることができる車両用灯具を提供することにある。
この発明は、光源と、光源が取り付けられているヒートシンクと、取付部材と、取付部材に支持部材を介して移動可能に取り付けられている可動シェードと、を備え、可動シェードが、取付部材に移動可能に取付けられている取付部分と、光源からの光を遮蔽する遮蔽部分と、に分割されていて、遮蔽部分が、取付部分に対して、正反射率が高い、ことを特徴とする。
この発明は、遮蔽部分には、光源からの光を反射させて付加配光パターンを形成する付加反射面が設けられている。
この発明は、取付部分が、支持部材に対して、硬度が低い材料から構成されている。
この発明は、取付部分と支持部材とが、異なった材料から構成されていて、遮蔽部分と支持部材とが、同種もしくは同系統の材料から構成されている。
この発明は、取付部分には、潤滑剤が塗布されている。
この発明は、取付部分および遮蔽部分が、板部材から構成されていて、取付部分の板厚が、遮蔽部分の板厚よりも厚い。
この発明の車両用灯具は、可動シェードが、取付部材に移動可能に取り付けられている取付部分と、光源からの光を遮蔽し、かつ、光源からの光を反射させて付加配光パターンを形成する付加反射面が設けられている遮蔽部分と、に分割されている。この結果、この発明の車両用灯具は、遮蔽部分には遮光や反射などの光学的特性の機能に適した材料を選定し、一方、取付部分には耐摩耗性などの構造的特性の機能に適した材料を選定することができる。これにより、この発明の車両用灯具は、遮蔽部分や付加反射面における遮蔽や反射などの光学的特性と、取付部分における耐摩耗性などの構造的特性と、を両立させることができる。
図1は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態を示すランプユニットの正面図である。 図2は、ランプユニットを示す概略縦断面図(概略垂直断面図)である。 図3は、ブラケット、可動シェード、ソレノイド、リンク部材などから構成されている切替機構モジュールを示す正面斜め上から見た斜視図である。 図4は、切替機構モジュールを示す正面斜め上から見た分解斜視図である。 図5は、可動シェードを示す正面斜め上から見た分解斜視図である。 図6は、可動シェードの固定部分(加締付部分)を示す一部拡大縦断面図(一部拡大垂直断面図)である。 図7は、スクリーンに照射された配光パターンを示す説明図である。
以下、この発明にかかる車両用灯具の実施形態(実施例)の1例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。図2の概略縦断面図において、断面の箇所が各部品によって異なっている。また、図2において、投影レンズのハッチングを省略してある。この明細書において、前、後、上、下、左、右とは、この発明にかかる車両用灯具を車両に装備した際の前、後、上、下、左、右である。図1〜図6において、符号「F」は「前」、「B」は「後」、「U」は上、「D」は「下」、「L」は「左」、「R」は「右」である。図7において、符号「VU−VD」は、スクリーンの上下垂直線を示す。符号「HL−HR」は、スクリーンの左右水平線を示す。
(実施形態の構成の説明)
以下、この実施形態における車両用灯具の構成について説明する。この例は、たとえば、自動車用前照灯のヘッドランプについて説明する。
(車両用灯具1の説明)
図1、図2において、符号1は、この実施形態における車両用灯具である。車両用灯具1は、車両の前部の左右両側にそれぞれ搭載されている。車両用灯具1は、図1、図2に示すように、ランプハウジング(図示せず)と、ランプレンズ(図示せず)と、光源としての半導体型光源2と、リフレクタ3と、投影レンズ4と、ヒートシンク5と、取付部材としてのブラケット9と、ホルダ10と、光学制御部材としての可動シェード6と、駆動機構としてのソレノイド7と、駆動力伝達部材としてのリンク部材8と、ファン100と、を備えるものである。
ランプハウジングおよびランプレンズ(たとえば、素通しのアウターレンズなど)は、灯室(図示せず)を画成する。半導体型光源2、リフレクタ3、投影レンズ4、ヒートシンク5、可動シェード6、ソレノイド7、リンク部材8、ブラケット9、ホルダ10およびファン100は、プロジェクタタイプのランプユニットを構成する。ランプユニット(2、3、4、5、6、7、8、9、10、100)は、灯室内に配置されていて、かつ、上下方向用光軸調整機構(図示せず)および左右方向用光軸調整機構(図示せず)を介してランプハウジングに取り付けられている。
なお、灯室内には、ランプユニット以外のランプユニット、たとえば、クリアランスランプユニット、ターンシグナルランプユニット、デイタイムランニングランプユニット、ベンディングランプユニットなどが配置される場合がある。また、灯室内には、インナーパネル(図示せず)やインナーハウジング(図示せず)やインナーレンズ(図示せず)などが配置される場合がある。
(半導体型光源2の説明)
半導体型光源2は、たとえば、LED、OELまたはOLED(有機EL)などの自発光半導体型光源である。半導体型光源2は、図2に示すように、光(図示せず)を放射する半導体発光素子からなる発光部20と回路基板とを有する。発光部20は、長手方向が光軸Zに対して左右方向に交差(この例では、直交もしくはほぼ直交)する長方形形状の発光面を有する。発光部20の発光面は、この例では、上向きである。
半導体型光源2は、ヒートシンク5に取り付けられている。ヒートシンク5には、光源コネクタ(図示せず)が取り付けられている。半導体型光源2は、光源コネクタと電気的に接続されている。これにより、半導体型光源2には、点灯回路(図示せず)からの電流が供給される。
(リフレクタ3の説明)
リフレクタ3は、たとえば、樹脂部材などの耐熱性が高くかつ光不透過性の材料からなる。リフレクタ3は、ヒートシンク5にスクリューなど(図示せず)により取り付けられている。
リフレクタ3は、図2に示すように、前側部分および下側部分が開口し、かつ、後側部分および上側部分および左右両側部分が閉塞した中空形状をなす。リフレクタ3の閉塞部分の凹内面には、楕円を基調(回転楕円面を基本)とした自由曲面または回転楕円面からなる反射面(収束型反射面)30が設けられている。反射面30は、半導体型光源2の発光部20の中心もしくはその近傍に位置する第1焦点F1と、第2焦点(第2焦線)F2と、光軸と、を有する。反射面30は、半導体型光源2の上向きの発光部20の発光面からの光を反射光(図示せず)として投影レンズ4側に反射させるものである。反射面30には、アルミなどの金属が蒸着されている。
リフレクタ3の閉塞部分の前端部の凹内面には、付加反射面31が設けられている。付加反射面31は、半導体型光源2からの光を反射光として可動シェード6の付加反射面623側に反射させて、付加配光パターンを形成するものである。付加配光パターンは、この例では、図7(A)に示すオーバーヘッドサイン配光パターンOSPである。付加反射面31は、半導体型光源2からの光であって、反射面30よりも前側に放射される光(通常配光パターンに寄与しない光)を、オーバーヘッドサイン配光パターンOSPとして有効利用するものである。
(投影レンズ4の説明)
投影レンズ4は、無色透明あるいは光透過性の材料、たとえば、PC材、PMMA材、PCO材などの樹脂製のレンズからなるものである。すなわち、半導体型光源2の発光部20から放射される光は、高い熱を持たないので、投影レンズ4として樹脂製のレンズを使用することができる。投影レンズ4は、ホルダ10およびブラケット9を介してヒートシンク5にスクリューなど(図示せず)により取り付けられている。
投影レンズ4は、図1、図2に示すように、焦点(焦線、レンズ焦点、レンズ焦線、物空間側の焦点面であるメリジオナル像面)F3および光軸Zを有する。投影レンズ4の焦点F3は、反射面30の第2焦点F2もしくはその近傍に位置する。
投影レンズ4は、非球面を基本とする投影レンズである。投影レンズ4は、後面の入射面40と、前面の出射面41と、から構成されている。入射面40は、リフレクタ3と対向する。入射面40は、平面もしくは非球面のほぼ平面(リフレクタ3に対して凸面あるいは凹面)をなす。出射面41は、非球面の凸面をなす。
投影レンズ4は、半導体型光源2の発光部20からの光であって、リフレクタ3の反射面30からの反射光および可動シェード6の付加反射面623からの反射光を、外部すなわち車両の前方に照射する。すなわち、投影レンズ4は、図7(A)に示すロービーム配光パターンLP、図7(B)に示すハイビーム配光パターンHP、図7(A)に示すオーバーヘッドサイン配光パターンOSPを車両の前方に照射する。
(ファン100の説明)
ファン100は、ヒートシンク5にスクリューなど(図示せず)により取り付けられている。ファン100は、空気を半導体型光源2側およびソレノイド7側に強制的に送り、半導体型光源2およびソレノイド7において発生する熱を外部に放出(排出)させるものである。
(ヒートシンク5の説明)
ヒートシンク5は、たとえば、金属製ダイカスト(アルミダイカスト)などの熱伝導率が高い材料からなる。ヒートシンク5は、図2に示すように、上板部50と、前板部51と、複数枚のフィン部52と、から構成されている。
上板部50は、水平もしくはほぼ水平をなしている。上板部50の上面には、半導体型光源2およびリフレクタ3がスクリューなど(図示せず)により取り付けられている。
前板部51は、上板部50の前端に一体に設けられている。前板部51は、垂直もしくはほぼ垂直をなしている。前板部51の前面には、ブラケット9およびホルダ10がスクリューなど(図示せず)により取り付けられていて、かつ、投影レンズ4がブラケット9およびホルダ10を介して取り付けられている。
前板部51の前面の左右両端部分には、取付ボス部および位置決めピン部がそれぞれ一体に設けられている。前板部51の前面のうち、上側であって、左側の取付ボス部および位置決めピン部より右側の箇所には、脱落防止部55が前側に突出して一体に設けられている。脱落防止部55は、この例では、嵌合穴56を有する凸部である。
フィン部52は、上板部50の下面と前板部51の後面とに一体に設けられている。フィン部52は、垂直もしくはほぼ垂直をなしている。フィン部52の下部には、ファン100が取り付けられている。ファン100は、ヒートシンク5の前後左右から外側に突出していない。すなわち、ファン100は、ヒートシンク5の前後左右の範囲内に収められている。
(ホルダ10の説明)
ホルダ10は、たとえば、樹脂部材からなる。ホルダ10は、図1、図2に示すように、保持部11と、取付部12と、から構成されている。保持部11は、円筒形状をなす。保持部11には、投影レンズ4が保持されている。取付部12は、フランジ形状をなし、保持部11の外側に一体に設けられている。取付部12には、スクリューが挿通する透孔13が設けられている。
(ブラケット9の概要の説明)
ブラケット9は、この例では、金属製の部材からなる。ブラケット9には、可動シェード6、ソレノイド7およびリンク部材8がそれぞれ取り付けられている。この可動シェード6、ソレノイド7、リンク部材8およびブラケット9は、切替機構モジュールを構成する。
ブラケット9は、図1〜図4に示すように、板形状をなす。ブラケット9は、左右両端部分の折曲部分90を介して、前側に突出する中間取付部分91と、後側に突出する左右両端部分の端取付部分92と、を有する。端取付部分92には、スクリューが挿通する透孔920と、位置決め孔921とがそれぞれ設けられている。
(ヒートシンク5とブラケット9とホルダ10との取付工程の説明)
ヒートシンク5の位置決めピン部がブラケット9の位置決め孔921中に挿通されている。これにより、ヒートシンク5とブラケット9との相対位置が決められる。ヒートシンク5の取付ボス部の前端面には、ブラケット9の端取付部分92の後面が当接されている。ブラケット9の端取付部分92の前面には、ホルダ10の取付部12の後面が当接されている。これにより、ブラケット9の端取付部分92は、ヒートシンク5の取付ボス部とホルダ10の取付部12との間において挟み込まれている。
スクリューは、ホルダ10の透孔13中およびブラケット9の透孔920中に挿通されていて、かつ、ヒートシンク5の取付ボス部にねじ込まれている。これにより、ヒートシンク5とブラケット9とホルダ10とは、一体に取り付けられて、一体構造となる。このとき、図2に示すように、ヒートシンク5の前板部51の前面とブラケット9の中間取付部分91の後面との間には、空間、この例では通気空間Sが形成される。ヒートシンク5の前板部51に一体に設けられている脱落防止部55は、通気空間S中に配置されている。
(ブラケット9の詳細な説明)
ブラケット9の端取付部分92の上縁部には、L形の固定凸部922が一体に設けられている。固定凸部922は、端取付部分92に対して前側に折り曲げられていて、かつ、上側に折り曲げられている。
ブラケット9の中間取付部分91の上縁部の左右両側には、規制部910が一体に設けられている。規制部910は、中間取付部分91に対して後側に折り曲げられている。規制部910は、可動シェード6の左右両端部613が当たることにより、可動シェード6の左右方向の動きを規制するものである。規制部910の上縁と折曲部分90の上縁とには、凹部がそれぞれ設けられている。
右側の規制部910には、スプリング止め用の止部911が一体に設けられている。止部911は、右側の規制部910に対して左側に折り曲げられている。止部911の上縁には、止め用の凹部が設けられている。
ブラケット9の中間取付部分91の上縁部のうち左側には、リンク部材8の取付支点としてのピン部94が一体に設けられている。ピン部94は、中間取付部分91に対して後側に突出していて、ヒートシンク5の脱落防止部55の嵌合穴56中に嵌合されている。ピン部94は、通気空間S中に配置されている。
ブラケット9の中間取付部分91の上縁部と下縁部とには、加締用の透孔95が設けられている。透孔95は、横長の四角形をなす。透孔95は、中間取付部分91の上縁部に2個設けられていて、中間取付部分91の下縁部に1個設けられている。下の1個の透孔95は、上の2個の透孔95の中間もしくはほぼ中間に位置する。
ブラケット9の中間取付部分91のうち、ピン部94および3個の透孔95が設けられている箇所以外の箇所には、連通用の開口部96と、貫通孔97と、挿通孔98と、がそれぞれ設けられている。
開口部96は、横長の四角形をなしていて、中間取付部分91の中央部分であって、上の2個の透孔95と下の1個の透孔95との間に設けられている。貫通孔97は、縦長の四角形をなしていて、中間取付部分91の左側であって、ピン部94側に設けられている。挿通孔98は、縦長の四角形をなしていて、中間取付部分91の右側に設けられている。
(可動シェード6の説明)
可動シェード6は、半導体型光源2からの光を所定の配光に光学制御する。すなわち、可動シェード6は、ロービーム配光パターンLPとハイビーム配光パターンHPとに切り替えるものである。
可動シェード6は、光不透過部材、この例では3枚の金属板から構成されている。可動シェード6は、第1シェードの軸受部分61と、第2シェードの主遮蔽部分62と、第3シェードの補助遮蔽部分63と、から構成されている。すなわち、可動シェード6は、取付部材としてのブラケット9に移動可能(この例では回転可能)に取り付けられている取付部分としての軸受部分61と、半導体型光源2からの光を遮蔽する遮蔽部分としての主遮蔽部分62および補助遮蔽部分63と、に分割されている。
(軸受部分61の説明)
軸受部分61は、横長の四角形状の中央部610と、上縁が中央部610の上縁から延長していて、かつ、下縁が中央部610の下縁から傾斜している三角形状の左右両端部613と、からなる。左右両端部613は、中央部610に対して後側に直角もしくはほぼ直角に折り曲げられていて軸受部を形成する。軸受部としての左右両端部613の傾斜縁には、第1ストッパ611と第2ストッパ612とがそれぞれ設けられている。左右両端部613の中央には、軸受用の円形の透孔614が設けられている。
中央部610の上縁の左右両端には、固定部615がそれぞれ一体に設けられている。左右の固定部615は、中央部610に対して上側に突出して設けられている。固定部615には、加締用の円筒形状の凸部616がバーリング加工などにより一体に設けられている。中央部610の中間部には、連結部617が一体に設けられている。連結部617は、中央部610に対して後側に直角もしくはほぼ直角に折り曲げられて設けられている。中央部610の中間部には、連結部617を折り曲げて設けたことにより、窓部600が形成されている。連結部617には、連結用の円形の透孔618が設けられている。中央部610の上縁部であって、右側の端部には、スプリング止め用の小円形の透孔619が設けられている。
軸受部分61の前面は、付加配光パターンとしてのオーバーヘッドサイン配光パターンOSPの形成には十分に寄与しない。このために、軸受部分61の前面は、半導体型光源2からの光であって、リフレクタ3の付加反射面31からの反射光を、拡散反射や乱反射させあるいは吸収して、投影レンズ4側への反射を抑制する反射抑制領域とする。軸受部分61の前面は、暗い色(明度が低い色)、特に、黒色が好ましい。
(主遮蔽部分62の説明)
主遮蔽部分62は、横長の四角形をなす。主遮蔽部分62の上縁には、エッジ620が設けられている。エッジ620は、ロービーム配光パターンLPのカットオフラインCLを形成する。主遮蔽部分62の前面には、付加反射面623が設けられている。付加反射面623は、半導体型光源2からの光であって、リフレクタ3の付加反射面31からの反射光を投影レンズ4側に反射させて、付加配光パターンとしてのオーバーヘッドサイン配光パターンOSPを形成するものである。主遮蔽部分62の前面の付加反射面623は、正反射率が軸受部分61の前面の反射抑制領域の正反射率よりも高い反射領域とする。
付加反射面623は、リフレクタ3の付加反射面31からの反射光を、オーバーヘッドサイン配光パターンOSPとして、投影レンズ4側に有効に反射させるためには、ロービーム配光パターンLPのカットオフラインCLを形成するエッジ620の近くの領域もしくはエッジ620を含む領域に設けることが好ましい。すなわち、付加反射面623は、エッジ620を有する主遮蔽部分62の前面に設けることが好ましい。主遮蔽部分62の付加反射面623は、リフレクタ3の付加反射面31と共に、半導体型光源2からの光を有効利用するものである。
主遮蔽部分62の上縁部には、光量制御部621が設けられている。光量制御部621は、オーバーヘッドサイン配光パターンOSPのうち所定の一部分Pの光量(照度、光度)を他の部分の光量よりも下げる。光量制御部621は、切欠、透孔、凹部、凸部、あるいは、正反射率が他の部分よりも低い表面処理が施された面などからなる。主遮蔽部分62の固定部としての左右両端部には、加締用の円形の透孔622がそれぞれ設けられている。
(補助遮蔽部分63の説明)
補助遮蔽部分63は、横長の四角形状の中央部630と、中央部630の左右両端部に一体に設けられている左右の傾斜部631と、左右の傾斜部631の端部に一体に設けられている固定部632と、から構成されている。左右の傾斜部631は、中央部630に対して前側にかつ左右両側に末広がりに傾斜するように折り曲げられて設けられている。左右の固定部632は、左右の傾斜部631に対して前側にかつ左右両側に末広がりに傾斜するように折り曲げられて設けられている。左右の固定部632には、加締用の円形の透孔633がそれぞれ設けられている。
補助遮蔽部分63の上縁には、エッジ634が設けられている。エッジ634は、主遮蔽部分62のエッジ620と共に、ロービーム配光パターンLPのカットオフラインCLを形成し、かつ、ロービーム配光パターンLPのカットオフラインCL付近において発生する分光を緩和する。
(可動シェード6の材料の説明)
可動シェード6の主遮蔽部分62の前面には、付加反射面623が設けられている。付加反射面623の正反射率は、軸受部分61の前面の正反射率よりも高い。すなわち、主遮蔽部分62の材料は、軸受部分61の材料に対して、正反射率が高い材料である。たとえば、主遮蔽部分62は、ステンレス鋼を材料とし、軸受部分61は、防錆処理が施されている鋼板を材料とする。ここで、ステンレス鋼の正反射率は、鋼板の正反射率よりも高い。
なお、主遮蔽部分62の材料と軸受部分61の材料とが同種もしくは同系統の材料の場合においては、主遮蔽部分62の前面の付加反射面623は、軸受部分61の前面に対して、正反射率よりも高い表面処理が施されている。たとえば、主遮蔽部分62の前面の付加反射面623は、アルミメッキなどの表面処理が施されていて、軸受部分61の前面は、亜鉛メッキ、リン酸塩処理面などの表面処理が施されている。
軸受部分61は、支持部材としての回転軸64に対して、硬度が低い材料から構成されている。また、軸受部分61と回転軸64とは、異なった材料から構成されている。さらに、主遮蔽部分62と回転軸64とは、同種もしくは同系統の材料から構成されている。たとえば、軸受部分61は、鋼板を材料とし、主遮蔽部分62および回転軸64は、ステンレス鋼を材料とする。鋼板の硬度は、ステンレス鋼の硬度よりも低い。
ここで、鋼板の軸受部分61は、潤滑剤が塗布されている。特に、鋼板の軸受部分61のうち少なくとも透孔614の内周面に潤滑剤を塗布する。
補助遮蔽部分63の材料は、軸受部分61の材料と同種もしくは同系統の材料とする。なお、補助遮蔽部分63の材料は、特に限定しない。また、補助遮蔽部分63の正反射率は、軸受部分61の前面の正反射率と同一もしくはほぼ同一の正反射率とする。なお、補助遮蔽部分63の前面の正反射率は、特に限定しない。さらに、軸受部分61の後面、主遮蔽部分62の後面および補助遮蔽部分63の後面の正反射率は、軸受部分61の前面の正反射率と同一もしくはほぼ同一の正反射率とする。なお、軸受部分61の後面、主遮蔽部分62の後面および補助遮蔽部分63の後面の正反射率は、特に限定しない。
(可動シェード6の板厚の説明)
軸受部分61、主遮蔽部分62、補助遮蔽部分63は、それぞれ板部材から構成されている。図6に示すように、軸受部分61の板厚T1は、主遮蔽部分62の板厚T2、補助遮蔽部分63の板厚T3よりも厚い。軸受部分61の板厚T1は、主遮蔽部分62の板厚T2と補助遮蔽部分63の板厚T3との和と同等もしくはほぼ同等である。すなわち、T1≧T2+T3である。
軸受部分61の板厚T1は、この例では、約0.6mmである。これは、円筒形状の凸部616が、バーリング加工などにより、形成され、かつ、加締などにより加圧変形する程度の板厚である。しかも、所定の剛性を有し、板厚T2、T3が軸受部分61の板厚T1よりも薄い主遮蔽部分62および補助遮蔽部分63を確実に保持することができる板厚である。
主遮蔽部分62の板厚T2は、この例では、約0.4mmである。これは、エッジ620により、明確なカットオフラインCLを形成することができ、かつ、軽量化に貢献することができる板厚である。
補助遮蔽部分63の板厚T3は、この例では、約0.2mmである。これは、補助遮蔽部分63のエッジ634と主遮蔽部分62のエッジ620と共に、ロービーム配光パターンLPのカットオフラインCL付近における分光色を緩和することができ、かつ、軽量化に貢献することができる板厚である。
(可動シェード6の組立の説明)
軸受部分61の凸部616は、主遮蔽部分62の透孔622中および補助遮蔽部分63の透孔633中に挿入され、補助遮蔽部分63の透孔633の縁に加締め付けられている。これにより、軸受部分61の固定部615と主遮蔽部分62の固定部としての左右両端部と補助遮蔽部分63の固定部632とは、一体に固定され、その結果、可動シェード6が構成されている。
そして、軸受部分61は、主遮蔽部分62に対して前側に位置し、かつ、軸受部分61の固定部615を除いた大部分は、主遮蔽部分62に対して下側に位置する。主遮蔽部分62は、補助遮蔽部分63に対して前側に位置する。主遮蔽部分62のエッジ620と補助遮蔽部分63のエッジ634との間には、ロービーム配光パターンLPのカットオフラインCL付近における分光色を有効に緩和するための隙間が設けられている。
(可動シェード6とブラケット9との取付工程の説明)
可動シェード6の左右両端部613は、ブラケット9の左右の規制部910の間に挟み込まれている。これにより、可動シェード6は、ブラケット9に対して左右方向の動きが制止されている。このとき、可動シェード6の第1ストッパ611と第2ストッパ612とは、ブラケット9の中間取付部分91の上縁において、前後に跨った状態で位置する。
可動シェード6の左右両端部613の透孔614中には、回転軸64が回転可能に挿通されている。回転軸64の左右両端部は、ブラケット9の規制部910および折曲部分90の凹部に嵌合されている。この状態において、ブラケット9の固定凸部922が、折り曲げられもしくは加締め付けられている。これにより、回転軸64は、左右方向に水平もしくはほぼ水平にブラケット9に固定されている。この結果、可動シェード6は、回転軸64を介して、ブラケット9に第1位置と第2位置との間を、回転軸64の中心軸O1を中心として回転切替可能に取り付けられている。
第1位置は、図2に示すように、可動シェード6の第1ストッパ611がブラケット9の中間取付部分91の前面に当接している状態の位置である。このとき、可動シェード6の主遮蔽部分62のエッジ620は、リフレクタ3の反射面30の第1焦点F1あるいは投影レンズ4の焦点F3、もしくは、その近傍に位置している。ここで、第1焦点F1および第2焦点F2は、可動シェード6の主遮蔽部分62と補助遮蔽部分63との間に位置する。
第2位置は、図2において、可動シェード6が回転軸64の中心軸O1を中心として時計方向に回転して、可動シェード6の第2ストッパ612がブラケット9の中間取付部分91の後面に当接している状態の位置である。このとき、可動シェード6の主遮蔽部分62のエッジ620は、リフレクタ3の反射面30の第1焦点F1あるいは投影レンズ4の焦点F3から、後側で斜め下側に位置している。
回転軸64には、コイルスプリング65が外側から嵌合されている。回転軸64の外周面とコイルスプリング65のコイル部の内周面との間には、隙間が空いている。コイルスプリング65の一方のアーム部は、可動シェード6の透孔619中に嵌合されていて、透孔619の縁に止められている。コイルスプリング65の他方のアーム部は、ブラケット9の止部911の凹部に嵌合されていて、凹部の縁に止められている。これにより、可動シェード6は、図2に示すように、コイルスプリング65の弾性力により、常時回転軸64の中心軸O1を中心として反時計方向に付勢されていて第1位置に位置する。
(ソレノイド7の説明)
ソレノイド7は、駆動部の駆動力により第1位置に位置する可動シェード6を第2位置に切り替えて、配光を、ロービーム配光パターンLPからハイビーム配光パターンHPに切り替える。
ソレノイド7は、ケース(ヨークケース)70と、コイル71と、駆動部としてのプランジャ(出力軸)72と、コネクタ73と、カバー74と、を有する。ケース70は、前面と後面とが開口されていて、その他の面(上面、下面、左面、右面)が板により閉塞されている。
ケース70の上面の板の後端面と下面の板の後端面とには、加締用の凸部75が設けられている。凸部75は、横長の四角柱形をなす。凸部75は、上面の板に2個設けられていて、下面の板に1個設けられている。下の1個の凸部75は、上の2個の凸部75の中間もしくはほぼ中間に位置する。凸部75は、ブラケット9の透孔95に対応して設けられている。この結果、ケース70の後面開口部は、ブラケット9の開口部96と同様に、ソレノイド7のケース70のうち、ブラケット9のピン部94および3個の凸部75が設けられている箇所以外の箇所に設けられている。
ケース70中には、コイル71が収納されている。このとき、コイル71の軸(プランジャ72の中心軸O2)は、左右方向に水平もしくはほぼ水平である。コイル71中にプランジャ72の一端部分が進退(出没)可能に収納されている。プランジャ72の他端部分は、ケース70の左面の板から進退可能に突出している。プランジャ72の他端には、環状の溝が設けられている。
ケース70の右面の板の後側には、コネクタ73が取り付けられている。コネクタ73とコイル71とは、電気的に接続されている。ケース70の前面開口部の縁には、カバー74が前面開口部を覆った状態で取り付けられている。
(ソレノイド7とブラケット9との取付工程の説明)
ソレノイド7の凸部75は、ブラケット9の透孔95中に前側から後側に挿入されている。凸部75は、図示しない加締付工具により、透孔95の縁に加締め付けられている。この結果、ソレノイド7は、ブラケット9に取り付けられている。ここで、ソレノイド7の重心(ほぼプランジャ72の中心軸O2上に位置する)よりも上側の加締取付箇所(凸部75、透孔95の縁)が2箇所であり、ソレノイド7の重心よりも下側の加締取付箇所が1箇所である。このために、上側の加締取付箇所の加締荷重が、下側の加締取付箇所の加締荷重より大である。
このとき、プランジャ72の中心軸O2は、回転軸64の中心軸O1に対して平行もしくはほぼ平行である。この結果、プランジャ72は、左右方向に水平もしくはほぼ水平に進退する。また、ソレノイド7のケース70の後面開口部とブラケット9の開口部96とが相互に連通する。これにより、ソレノイド7のコイル71とブラケット9とヒートシンク5との間の通気空間Sとは、後面開口部および開口部96を介して連通する。
(リンク部材8の説明)
リンク部材8は、ソレノイド7のプランジャ72の駆動力を可動シェード6に伝達するものである。リンク部材8は、弾性を有するねじりコイルばね(トーションコイルバネ)からなる。すなわち、リンク部材8は、線材、この例では、直径がD1の寸法である断面円形のばね鋼材から構成されている。リンク部材8は、中央部分のコイル部80と、一端部分の一方の連結部81と、他端部分の他方の連結部82と、を有する。
コイル部80は、ブラケット9のピン部94に嵌合されていて、かつ、ヒートシンク5の脱落防止部55により、ピン部94から脱落するのを防止されている。コイル部80は、ソレノイド7のプランジャ72の駆動力を可動シェード6に、一方の連結部81側から他方の連結部82側に伝達する際の支点となる。コイル部80は、ピン部94および脱落防止部55と共に、通気空間S中に配置されている。
一方の連結部81は、コイル部80から下側に伸ばされかつ前側に折り曲げられている。一方の連結部81は、ブラケット9の貫通孔97中を貫通して、ソレノイド7のプランジャ72の環状溝に嵌合されていて、プランジャ72に連結されている。プランジャ72は、コイルスプリング65の弾性力により、常時前進方向この例では左側方向に付勢されている。
他方の連結部82は、コイル部80から右側にやや斜め上側に伸ばされている。他方の連結部82は、可動シェード6の連結部の透孔中に嵌合されていて、可動シェード6に連結されている。
これにより、切替機構モジュールが構成されている。切替機構モジュールは、ホルダ10を介して、ヒートシンク5にスクリューなどにより固定される。
(実施形態の作用の説明)
この実施形態における車両用灯具1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
常態すなわちソレノイド7のコイル71に通電していない状態の時は、図3に示すように、コイルスプリング65の弾性力により、ソレノイド7のプランジャ72が前進した状態にある。一方、図2に示すように、コイルスプリング65の弾性力により、可動シェード6が回転軸64の中心軸O1を中心として反時計方向に付勢されていて、第1ストッパ611がブラケット9の前面に当接していて、可動シェード6が第1位置に位置する。
この状態の時に、半導体型光源2の発光部20を点灯発光させる。すると、発光部20の上向きの発光面から放射された光の大部分は、リフレクタ3の反射面30で反射され、反射光として、投影レンズ4側に進む。ここで、反射光の一部が第1位置に位置する可動シェード6の主遮蔽部分62および補助遮蔽部分63により遮蔽される。第1位置に位置する可動シェード6により遮蔽されなかった反射光が投影レンズ4側に進む。
投影レンズ4側に進んだ反射光は、投影レンズ4の入射面40から投影レンズ4中に入射して、投影レンズ4の出射面41からロービーム配光パターンLPとして、外部すなわち車両の前方に照射される。主遮蔽部分62のエッジ620により、ロービーム配光パターンLPにはカットオフラインCLが形成される。
また、半導体型光源2からの光の一部分は、リフレクタ3の付加反射面31で可動シェード6の付加反射面623側に反射される。その反射光は、付加反射面623で投影レンズ4側に反射される。その反射光は、投影レンズ4の入射面40から投影レンズ4中に入射して、投影レンズ4の出射面41からオーバーヘッドサイン配光パターンOSPとして、外部すなわち車両の前方に照射される。このオーバーヘッドサイン配光パターンOSPは、ロービーム配光パターンLPのカットオフラインCLよりも上方に照射される。
このオーバーヘッドサイン配光パターンOSPの所定の位置には、可動シェード6の主遮蔽部分62の光量制御部621により、光量が他の部分の光量よりも低い一部分Pが形成されている。
半導体型光源2の発光部20を点灯発光させている状態において、ソレノイド7のコイル71に通電する。すると、ソレノイド7のプランジャ72は、コイルスプリング65の弾性力に抗して、前進状態(伸長状態)から中心軸O2に沿って後退する。プランジャ72の後退の駆動力が、リンク部材8の一方の連結部81、コイル部80、他方の連結部82を介して、可動シェード6の軸受部分61に伝達される。
すると、可動シェード6がコイルスプリング65の弾性力に抗して、回転軸64の中心軸O1を中心として時計方向に回転する。第2ストッパ612がブラケット9の後面に当接して、可動シェード6が第1位置から第2位置に切り替わって位置する。これにより、可動シェード6の主遮蔽部分62および補助遮蔽部分63により遮蔽されていた反射光の大部分は、可動シェード6から投影レンズ4側に進む。
投影レンズ4側に進んだ反射光は、投影レンズ4の入射面40から投影レンズ4中に入射して、投影レンズ4の出射面41からハイビーム配光パターンHPとして、外部すなわち車両の前方に照射される。すなわち、配光パターンがロービーム配光パターンLPからハイビーム配光パターンHPに切り替えられて光学制御される。なお、可動シェード6の付加反射面623からの反射光は、投影レンズ4を透過して、ハイビーム配光パターンHP中に照射される。
ソレノイド7のコイル71への通電を遮断する。すると、ソレノイド7のプランジャ72は、コイルスプリング65の弾性力により、後退状態(縮短状態)から中心軸O2に沿って前進する。プランジャ72の前進の駆動力が、リンク部材8の一方の連結部81、コイル部80、他方の連結部82を介して、可動シェード6の軸受部分61に伝達される。
すると、可動シェード6がコイルスプリング65の弾性力により、回転軸64の中心軸O1を中心として反時計方向に回転する。第1ストッパ611がブラケット9の前面に当接して、可動シェード6が第2位置から第1位置に切り替わって位置する。これにより、ハイビーム配光パターンHPからロービーム配光パターンLPおよびオーバーヘッドサイン配光パターンOSPに切り替えられて光学制御される。
半導体型光源2の発光部20が点灯発光されている状態において、ファン100は、駆動されている。ファン100から強制的に送られてきた空気の大部分は、ヒートシンク5のフィン部52間の空間を下側から上側に通って上板部50の下面に達して半導体型光源2の発光部20において発生する熱を外部に放出する。また、強制送風された空気の一部分は、ヒートシンク5とブラケット9との間の通気空間Sを下側から上側に通って、ソレノイド7のコイル71において発生する熱を、ソレノイド7のケース70の開口部およびブラケット9の開口部96を経て、外部に放出する。
(実施形態の効果の説明)
この実施形態における車両用灯具1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
この実施形態における車両用灯具1は、可動シェード6が、ブラケット9に回転軸64を介して回転可能に取り付けられている軸受部分61と、半導体型光源2からの光を遮蔽し、かつ、半導体型光源2からの光を反射させてオーバーヘッドサイン配光パターンOSPを形成する付加反射面623が設けられている主遮蔽部分62と、に分割されている。この結果、この実施形態における車両用灯具1は、主遮蔽部分62には遮光や反射などの光学的特性の機能に適した材料を選定し、一方、軸受部分61には耐摩耗性などの構造的特性の機能に適した材料を選定することができる。これにより、この実施形態における車両用灯具1は、主遮蔽部分62や付加反射面623における遮蔽や反射などの光学的特性と、軸受部分61における耐摩耗性などの構造的特性と、を両立させることができる。
この実施形態における車両用灯具1は、軸受部分61と主遮蔽部分62とが分割されているので、軸受部分61側の反射抑制領域と主遮蔽部分62側の反射領域とを、容易に分けることができる。これにより、この実施形態における車両用灯具1は、可動シェード6の設計の自由度が増す。
この実施形態における車両用灯具1は、主遮蔽部分62が軸受部分61に対して正反射率が高い材料から構成されている。このために、この実施形態における車両用灯具1は、主遮蔽部分62の付加反射面623における反射などの光学的特性が向上される。一方、この実施形態における車両用灯具1は、軸受部分61が主遮蔽部分62に対して正反射率が低い材料から構成されている。このために、この実施形態における車両用灯具1は、軸受部分61の前面を、正反射率を抑制した反射抑制領域とするができる。
ここで、軸受部分61の前面の色が暗い色ではない場合には、軸受部分61の中央部610に形成されている窓部600が投影レンズ4を通して暗く見えて目障りとなる場合がある。そこで、この実施形態における車両用灯具1は、軸受部分61の前面を暗い色特に黒色とすることにより、窓部600が投影レンズ4を通しても見え難くなり、窓部600が見えることによる目障りを抑制することができる。
この実施形態における車両用灯具1は、軸受部分61が回転軸64に対して硬度が低い材料から構成されている。このために、この実施形態における車両用灯具1は、軸受部分61における耐摩耗性などの構造的特性が向上される。ここで、軸受部分61の硬度と回転軸64の硬度とが同一もしくはほぼ同一の場合には、軸受部分61の透孔614の内周面と回転軸64の外周面とが同等もしくはほぼ同等に摩耗する。しかも、軸受部分61の材料と回転軸64の材料とが同一であれば、軸受部分61の透孔614の内周面と回転軸64の外周面とが凝着する場合がある。この場合においては、可動シェード6の切替作動の信頼性が低下する。
この実施形態における車両用灯具1は、軸受部分61が回転軸64に対して硬度が低い材料から構成されているので、軸受部分61が回転軸64に対して摩耗し易い。そこで、この実施形態における車両用灯具1は、軸受部分61のうち少なくとも透孔614の内周面に潤滑剤を塗布することにより、軸受部分61の透孔614の内周面の摩耗の進行を抑制することができる。この結果、可動シェード6の切替作動の信頼性を向上させかつ維持させることができる。
この実施形態における車両用灯具1は、軸受部分61と回転軸64とが異なった材料から構成されていて、かつ、主遮蔽部分62と回転軸64とが同種もしくは同系統の材料から構成されている。たとえば、軸受部分61は、鋼板を材料とし、主遮蔽部分62および回転軸64は、ステンレス鋼を材料とする。このために、この実施形態における車両用灯具1は、付加反射面623における反射などの光学的特性と、軸受部分61における耐摩耗性などの構造的特性と、を両立させることができる。
この実施形態における車両用灯具1は、軸受部分61に潤滑剤を塗布するものであるから、軸受部分61における耐摩耗性などの構造的特性が向上される。特に、軸受部分61を回転軸64のステンレス鋼に対して硬度が低い鋼板を使用しても、軸受部分61における耐摩耗性などの構造的特性が向上される。特に、鋼板は、成型性や加工性が良いので、高精度の遮蔽や反射などの光学的特性を得ることができる。
この実施形態における車両用灯具1は、軸受部分61の板厚T1が主遮蔽部分62の板厚T2、補助遮蔽部分63の板厚T3よりも厚い。このために、この実施形態における車両用灯具1は、板厚T1が厚い軸受部分61の凸部616により、軸受部分61の固定部615と主遮蔽部分62の固定部としての左右両端部と補助遮蔽部分63の固定部632とを確固に一体に固定することができる。また、この実施形態における車両用灯具1は、板厚T1が厚い軸受部分61により、板厚T2、T3が軸受部分61の板厚T1よりも薄い主遮蔽部分62および補助遮蔽部分63を確実に保持することができる。これにより、この実施形態における車両用灯具1は、配光切替を高精度に行うことができる。特に、回転軸64から遠い部品である主遮蔽部分62および補助遮蔽部分63が薄い板から構成されているので、可動シェード6に作用する回転負荷(慣性モーメント)を小さくすることができ、その分、可動シェード6の切替を高速でかつ高精度に行うことができる。
この実施形態における車両用灯具1は、主遮蔽部分62および回転軸64の材料としてステンレス鋼を使用し、一方、軸受部分61として、安価な鋼板を使用する。このために、この実施形態における車両用灯具1は、製造コストを安くすることができ、しかも、光学的特性と構造的特性とを両立させることができる。
(実施形態以外の例の説明)
なお、この実施形態においては、光源として半導体型光源2を使用するものである。ところが、この発明においては、光源として、半導体型光源2以外の光源、たとえば、放電灯光源、ハロゲンランプ光源、白熱灯光源などであっても良い。
また、この実施形態においては、軸受部分61と主遮蔽部分62と補助遮蔽部分63との3枚の板から構成されている可動シェード6を使用するものである。ところが、この発明においては、2枚の板、あるいは、4枚以上の板、から構成されている可動シェードを使用しても良い。
さらに、この実施形態においては、可動シェード6が回転軸64を介して回転可能に構成されているものである。ところが、この発明においては、可動シェードがスライドガイドなどを介してスライド可能に構成されているものであっても良い。
さらにまた、この実施形態においては、配光の光学制御として、ロービーム配光パターンLPとハイビーム配光パターンHPとの切替である。ところが、この発明においては、ロービーム配光パターンLPとハイビーム配光パターンHPとの切替以外であっても良い。たとえば、配光の形状、照射方向、光量などを切り替えるものであっても良い。
さらにまた、この実施形態においては、リフレクタ3の付加反射面31および可動シェード6の付加反射面623により、付加配光パターンとしてのオーバーヘッドサイン配光パターンOSPを形成するものである。ところが、この発明においては、付加配光パターンとして、オーバーヘッドサイン配光パターンOSP以外の配光パターンであっても良い。たとえば、ロービーム配光パターンLPやハイビーム配光パターンHPの主配光パターンの手前側を左右両側に広く照明する配光パターンなどであっても良い。
さらにまた、この実施形態においては、楕円を基調とした反射面30を有するリフレクタ3と投影レンズ4とから構成されているプロジェクタタイプの車両用灯具について説明するものである。ところが、この発明においては、プロジェクタタイプの車両用灯具以外の車両用灯具、たとえば、レンズ直射タイプの車両用灯具や反射タイプの車両用灯具などであっても良い。
1 車両用灯具
2 半導体型光源(光源)
20 発光部
3 リフレクタ
30 反射面
31 付加反射面
4 投影レンズ
40 入射面
41 出射面
5 ヒートシンク
50 上板部
51 前板部
52 フィン部
55 脱落防止部
56 嵌合穴
6 可動シェード(光学制御部材)
61 軸受部分
610 中央部
611 第1ストッパ
612 第2ストッパ
613 左右両端部
614 透孔
615 固定部
616 凸部
617 連結部
618 透孔
619 透孔
600 窓部
62 主遮蔽部分
620 エッジ
621 光量制御部
622 透孔
623 付加反射面
63 補助遮蔽部分
630 中央部
631 傾斜部
632 固定部
633 透孔
634 エッジ
64 回転軸(支持部材)
65 コイルスプリング
7 ソレノイド(駆動機構)
70 ケース
71 コイル
72 プランジャ(駆動部)
73 コネクタ
74 カバー
75 凸部
8 リンク部材(駆動力伝達部材)
80 コイル部
81 一方の連結部
82 他方の連結部
9 ブラケット(取付部材)
90 折曲部分
91 中間取付部分
910 規制部
911 止部
92 端取付部分
920 透孔
921 位置決め孔
922 固定凸部
94 ピン部
95 透孔
96 開口部
97 貫通孔
98 挿通孔
10 ホルダ
11 保持部
12 取付部
13 透孔
100 ファン
B 後
CL カットオフライン
D 下
F 前
F1 第1焦点
F2 第2焦点
F3 焦点
HL−HR 水平左右線
HP ハイビーム配光パターン
L 左
LP ロービーム配光パターン
OSP オーバーヘッドサイン配光パターン
O1 回転軸の中心軸
O2 プランジャの中心軸
P 一部分
R 右
S 通気空間
U 上
VU−VD 垂直上下線
Z 光軸

Claims (6)

  1. 光源と、
    前記光源が取り付けられているヒートシンクと、
    取付部材と、
    前記取付部材に支持部材を介して移動可能に取り付けられている可動シェードと、
    を備え、
    前記可動シェードは、前記取付部材に取り付けられている取付部分と、前記光源からの光を遮蔽する遮蔽部分と、に分割されていて、
    前記遮蔽部分は、前記取付部分に対して、正反射率が高い、
    ことを特徴とする車両用灯具。
  2. 前記遮蔽部分には、前記光源からの光を反射させて付加配光パターンを形成する付加反射面が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
  3. 前記取付部分は、前記支持部材に対して、硬度が低い材料から構成されている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
  4. 前記取付部分と前記支持部材とは、異なった材料から構成されていて、
    前記遮蔽部分と前記支持部材とは、同種もしくは同系統の材料から構成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用灯具。
  5. 前記取付部分には、潤滑剤が塗布されている、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用灯具。
  6. 前記取付部分および前記遮蔽部分は、板部材から構成されていて、
    前記取付部分の板厚は、前記遮蔽部分の板厚よりも厚い、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用灯具。

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