JP2017203054A - スクリーン印刷用導電性インキ、配線および電子装置 - Google Patents

スクリーン印刷用導電性インキ、配線および電子装置 Download PDF

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安雄 下邊
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Abstract

【課題】メッシュ跡が残りづらく、形状安定性に優れるスクリーン印刷用導電性インキを提供すること。
【解決手段】本発明のスクリーン印刷用導電性インキは、(A)導電性粒子と、(B)分散媒と、を含むものであり、当該スクリーン印刷用導電性インキの、せん断速度10〔1/s〕で測定した25℃における粘度が、100Pa・s以上800Pa・s以下であり、当該スクリーン印刷用導電性インキの、25℃での、せん断速度10〔1/s〕における粘度η10に対するせん断速度1〔1/s〕における粘度η1の比(η1/η10)であるチキソ指数が、1.05以上2.00以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、スクリーン印刷用導電性インキ、配線および電子装置に関する。
これまで配線を形成するための導電性樹脂組成物に関して様々な検討がなされている。たとえば、膜厚均一性の観点から、高粘度の導電性ポリマーを添加することが行われている。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術がある。同文献によれば、導電性樹脂組成物の粘度は100Pa・s以上であり、かつ、チクソトロピー指数は2.7以上であった(特許文献1の実施例11、表2等)。一方で、導電性樹脂組成物のチクソトロピー指数が1.0のときは、粘度は10Pa・sであると記載されている(特許文献1の実施例15、表2等)
特開2015−117365号公報
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記文献に記載の導電性組成物においては、印刷性とメッシュ跡残りの抑制の両立の点で改善の余地を有していることが判明した。
本発明者が、導電性インキに関して粘度とチキソ性の関係について検討したところ、粘度を高くするとチキソ性も高くなり、反対に、粘度を低くするとチキソ性も低くなる傾向にあることが判明した。さらに検討した結果、このような導電性インキをスクリーン印刷に利用した場合、高粘度かつ高チキソ性のときには、メッシュ跡が配線に残ってしまうことがあった。一方で、低粘度かつ低チキソ性のときには、メッシュ跡は残らないものの、配線幅のバラツキにより印刷性が低下してしまうことがあった。
このような知見に基づいて、鋭意検討した結果、高粘度かつ低チキソ性の導電性インキを用いることにより、上述のメッシュ跡残りを抑制しつつ、印刷性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
(A)導電性粒子と、
(B)分散媒と、を含む、スクリーン印刷用導電性インキであって、
当該スクリーン印刷用導電性インキの、せん断速度10〔1/s〕で測定した25℃における粘度が、100Pa・s以上800Pa・s以下であり、
当該スクリーン印刷用導電性インキの、25℃での、せん断速度10〔1/s〕における粘度η10に対するせん断速度1〔1/s〕における粘度η1の比(η1/η10)であるチキソ指数が、1.05以上2.00以下である、スクリーン印刷用導電性インキが提供される。
また、本発明によれば、上記スクリーン印刷用導電性インキの焼結体からなる、配線が提供される。
また、本発明によれば、上記配線を備える、電子装置が提供される。
本発明によれば、メッシュ跡残りが抑制されており、形状安定性に優れたスクリーン印刷用導電性インキ、それを用いた配線および電子装置を提供することができる。
実施例1の導電性インキにより配線を描いた際の様子を示す写真である。 実施例1の導電性インキにより配線を描いた際の様子を示す写真である。 比較例2の導電性インキよりも粘度が低く、チキソ指数の大きい導電性インキにより配線を描いた際の様子を示す写真である。 比較例1の導電性インキよりも粘度が低く、チキソ指数の大きい導電性インキにより配線を描いた際の様子を示す写真である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態に係るスクリーン印刷用導電性インキについて説明する。
本実施形態のスクリーン印刷用導電性インキは、(A)導電性粒子と、(B)分散媒と、を含むものである。当該スクリーン印刷用導電性インキの、せん断速度10〔1/s〕で測定した25℃における粘度は、100Pa・s以上800Pa・s以下であり、かつ、当該スクリーン印刷用導電性インキの、25℃において、せん断速度10〔1/s〕における粘度η10に対するせん断速度1〔1/s〕における粘度η1の比(η1/η10)であるチキソ指数は、1.05以上2.00以下とすることができる。
本発明者が、導電性インキに関して粘度とチキソ性の関係について検討したところ、粘度を高くするとチキソ性も高くなり、反対に、粘度を低くするとチキソ性も低くなる傾向にあることが判明した。
さらに検討した結果、高粘度かつ高チキソ性の導電性インキをスクリーン印刷に利用した場合には、メッシュ跡が配線に残ってしまうことがあった。一方で、低粘度かつ低チキソ性の導電性インキをスクリーン印刷に利用した場合には、メッシュ跡は残らないものの、配線幅のバラツキにより印刷性が低下してしまうことがあった。
これまでの導電性インキに対して、さらに検討を深めた結果、導電性インキの(A)導電性粒子や(B)分散媒を最適に選択することにより、高粘度かつ低チキソ性の導電性インキを実現できることが判明した。
さらに、せん断速度10〔1/s〕で測定した25℃における粘度を指標とし、せん断速度10〔1/s〕における粘度η10に対するせん断速度1〔1/s〕における粘度η1の比(η1/η10)であるチキソ指数をチキソ性の指標とすることにより、高粘度かつ低チキソ性を評価できることが分かった。
以上のような知見に基づいて、粘度η10を100Pa・s以上、かつ、チキソ指数(η1/η10)を2.00以下とすることにより、前述の高粘度かつ低チキソ性の導電性インキを実現することができ、上述のメッシュ跡残りを抑制しつつ、印刷性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本実施形態において、25℃におけるせん断速度1〔1/s〕における粘度η1、25℃におけるせん断速度10〔1/s〕における粘度η10は、レオメーターを用いて測定される粘度とすることができる。
本実施形態において、せん断速度10〔1/s〕で測定した25℃における粘度η10の下限値は、例えば、100Pa・s以上であり、好ましくは200Pa・s以上であり、より好ましくは300Pa・s以上である。これにより、導電性インキの印刷性を向上させることができる。一方、上記せん断速度10〔1/s〕で測定した25℃における粘度η10の上限値は、800Pa・s以下であり、好ましくは700Pa・s以下であり、より好ましくは600Pa・s以下である。これにより、高粘度と低チキソ性のバランスを図ることができる。また、上記η10を上記数値範囲とすることにより、印刷後の配線形状を保ちやすくなる。
なお、本実施形態において、スクリーン印刷用導電性インキの粘度は、たとえば、レオメーター(Thermo SCIENTIFIC社製粘度・粘弾性装置「HAAKE MARS」)を用いて測定することができる。
なお、後述する導電性インキのチキソ指数については、この装置を用い、以下のようにして測定することができる。
まず、導電性インキの試料を25℃の測定部にセットして、せん断速度を0.1〔1/s〕から100.0〔1/s〕まで10分間かけて連続的に変化させて粘度変化を測定した後に、導電性インキの試料入れ替えることなく、せん断速度を100.0〔1/s〕から0.1〔1/s〕まで10分間かけて連続的に変化させて、再度、せん断速度を0.1〔1/s〕から100.0〔1/s〕まで10分間かけて連続的に変化させて粘度変化を測定する。2回目の測定値をチキソ指数として採用する。
また、具体的な条件としては、以下のものを採用することができる。
測定温度:25℃
プレートタイプ:パラレルプレート
プレート径:20mm
ギャップ:0.05mm
ギャップ体積:0.02ml
本実施形態において、25℃における、せん断速度10〔1/s〕における粘度η10に対するせん断速度1〔1/s〕における粘度η1の比(η1/η10)であるチキソ指数の下限値は、例えば、1.05以上であり、好ましくは1.10以上であり、より好ましくは1.15以上である。一方、上記チキソ指数の上限値は、例えば、2.00以下であり、好ましくは1.90以下であり、より好ましくは1.80以下である。これにより、スクリーン印刷に適用した際に、メッシュ跡を抑制することができる。
また、本実施形態において、せん断速度1〔1/s〕で測定した25℃における粘度η1の下限値は、たとえば105Pa・s以上であり、好ましくは200Pa・s以上であり、より好ましくは300Pa・s以上である。上記せん断速度1〔1/s〕で測定した25℃における粘度η1の上限値は、たとえば800Pa・s以下であり、好ましくは700Pa・s以下であり、より好ましくは600Pa・s以下である。
本実施形態では、たとえば導電性インキ中に含まれる(A)導電性粒子や(B)分散媒等の各成分の種類や配合量等を適切に選択することにより、上記25℃における粘度η10およびチキソ指数を制御することが可能である。これらの中でも、たとえば、(A)導電性粒子の粒径分布や(B)分散媒として高分子量ポリエステル、ポリメチルメタクリレート等のポリマー、アクリルモノマー、エポキシモノマー等のモノマー、有機溶媒を採用すること等が、上記25℃における粘度η10およびチキソ指数とするための要素として挙げられる
以下、本実施形態のスクリーン印刷用導電性インキの成分について説明する。
なお、スクリーン印刷用導電性インキを導電性インキと呼称することもある。
((A)導電性粒子)
本実施形態において、(A)導電性粒子は、導電性を有する素材により構成され粒子であればよく、例えば、金属粒子であってもよい。当該金属粒子としては、例えば、金属材料からなる金属粉でもよいが、樹脂で構成されたコア粒子に金属が被覆した金属被覆樹脂粒子であってもよい。
(A)導電性粒子の形状は、たとえば、球状またはフレーク状等を挙げることができる。本実施形態においては、(A)導電性粒子がフレーク状粒子を含むことがより好ましい。これにより、導電性インキとしてのコストを低減させつつ、高い導電性を発現させることもできる。また、(A)導電性粒子として、球状粒子とフレーク状粒子とを含んでいてもよい。
本実施形態においては、(A)導電性粒子が、たとえば球状粒子およびフレーク状粒子を合わせて(A)導電性粒子全体の90質量%以上100質量%以下含むことができ、95質量%以上含むことがより好ましい。これにより、適度な導電性を発現することができる。
(A)導電性粒子は、たとえばAg(銀)、Au(金)、およびCu(銅)からなる群から選択される一種または二種以上の金属を含むことができる。これにより、導電性インキから形成される配線等の導電性を効果的に向上させることが可能となる。(A)導電性粒子は、上記材料の他にも、たとえば低コスト化等の目的で銀、金、および銅以外の金属成分を含むことが可能である。
本実施形態において、(A)導電性粒子としては、例えば、銀粒子を用いることができる。本実施形態における銀粒子は、例えば、銀粉やシリコーン樹脂粒子に銀が被覆された銀被覆樹脂粒子を含むことができる。銀粉は、銀が被覆された粒子ではなく、銀からなる金属粒子である。銀被覆樹脂粒子は、たとえば、シリコーン樹脂等の樹脂で構成された樹脂粒子の表面に銀層が被覆された金属粒子である。
(A)導電性粒子は、たとえば炭素を含有してもよい。これにより(A)導電性粒子に対して、炭素に由来する種々の性能を付与することができる。ここで、(A)導電性粒子が炭素を含有するときは、(A)導電性粒子の内部に炭素成分から構成されるポリマー等を含有する場合や、(A)導電性粒子の表面に物理的または化学的に炭素成分が吸着されている場合を含む。
(A)導電性粒子が炭素を含有する場合の一例として、(A)導電性粒子に炭素を含む滑剤を付着させる態様が挙げられる。このような滑剤としては、たとえば高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸アミド、および高級脂肪酸エステルが挙げられる。滑剤の含有量は、(A)導電性粒子全体に対してたとえば0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。これにより、導電性インキとしての導電性を高い水準で保ちつつ、(A)導電性粒子の流動性を向上させることができる。
本実施形態において、(A)導電性粒子の、体積基準の粒度分布における50%累積時の粒径D50の下限値は、例えば、3μm以上であり、好ましくは3.5μm以上であり、より好ましくは4μm以上である。(A)導電性粒子の体積基準の粒度分布における50%累積時の粒径D50をこの数値以上とすることにより、導電性の向上を図ることができる。
一方、(A)導電性粒子の、体積基準の粒度分布における50%累積時の粒径D50の上限値は、例えば、15μm以下であり、好ましくは12μm以下であり、より好ましくは9μm以下である。(A)導電性粒子の体積基準の粒度分布における50%累積時の粒径D50をこの数値以下とすることにより、導電性インキのスクリーン通過性向上を図ることができる。
(A)導電性粒子の粒径は、たとえばシスメックス株式会社製フロー式粒子像分析装置FPIA(登録商標)−3000を用い、粒子画像計測を行うことで決定することができる。より具体的には、上記装置を用い、体積基準のメジアン径を計測することで(A)導電性粒子の粒径を決定することができる。この粒径の決定方法は、D50の他、以下に示す、D95、D98についても同様の条件を採用することができる。このような条件を採用することで、たとえば粒径の大きい粒子が存在した場合に、その影響を敏感に検知することができ、また、本実施形態の(A)導電性粒子のように狭い粒度分布の粒子であっても精度高く測定を行うことができる。
また、(A)導電性粒子の体積基準の粒度分布における95%累積時の粒径D95の下限値は、例えば、5μm以上であり、好ましくは8μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。(A)導電性粒子の体積基準の粒度分布における95%累積時の粒径D95をこの数値以上とすることにより、導電性の向上を図ることができる。
また、(A)導電性粒子の体積基準の粒度分布における95%累積時の粒径D95の上限値は、30μm以下であり、好ましくは25μm以下であり、より好ましくは20μm以下である。(A)導電性粒子の体積基準の粒度分布における95%累積時の粒径D95をこの数値以下とすることにより、スクリーン印刷工程においても、良好なスクリーン通過性を達成することができる。
また、(A)導電性粒子の体積基準の粒度分布における98%累積時の粒径D98の下限値は、例えば、7μm以上であり、好ましくは9μm以上であり、より好ましくは11μm以上である。(A)導電性粒子の体積基準の粒度分布における98%累積時の粒径D98をこの数値以上とすることにより、導電性の向上を図ることができる。
また、(A)導電性粒子の体積基準の粒度分布における98%累積時の粒径D98の上限値は、例えば、35μm以下であり、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは25μm以下である。(A)導電性粒子の体積基準の粒度分布における98%累積時の粒径D98をこの数値以下とすることにより、スクリーン印刷工程においても、(A)導電性粒子が過度に除去されないインキを達成することができる。
上記(A)導電性粒子の一例として、次のような粒度分布を有する、鱗片状の導電性粒子を用いることができる。
上記(A)導電性粒子の粒径分布のピーク値は、例えば、3μm以上8μm以下としてもよく、4μm以上7μm以下としてもよく、5μm以上6μm以下としてもよい。
上記(A)導電性粒子において、粒径分布のピーク値と最大粒径の差は、例えば、5μm以上11μm以下としてもよく、6μm以上10μm以下としてもよく、7μm以上9μm以下としてもよい。一方で、上記(A)導電性粒子において、粒径分布のピーク値と最小粒径との差は、例えば、0.1μm以上4μm以下としてもよく、0.2μm以上3μm以下としてもよく、0.5μm以上2μm以下としてもよい。
また、上記(A)導電性粒子において、粒径分布のピーク値と最大粒径の差は、粒径分布のピーク値と最小粒径との差よりも小さくすることができる。このように粒径分布が、最大粒径側に偏在していてもよい。
また、上記(A)導電性粒子において、25%累積時の粒径D25は、例えば、0.5μm以上6μm以下としてもよく、1μm以上5μm以下としてもよく、1.5μm以上4μm以下としてもよい。
また、上記(A)導電性粒子の他の例として、次のような粒度分布を有する、鱗片状の導電性粒子を用いることができる。
上記(A)導電性粒子の粒径分布の標準偏差は、例えば、1μm以上5μm以下としてもよく、1.5μm以上4μm以下としてもよく、2μm以上3.5μm以下としてもよい。
上記(A)導電性粒子の均等係数(D60/D10)は、0.5以上4以下としてもよく、0.7以上3以下としてもよく、1以上2以下としてもよい。
上記(A)導電性粒子の粒径分布のピーク値は、例えば、0.5μm以上5μm以下としてもよく、1μm以上4μm以下としてもよく、1.5μm以上3.5μm以下としてもよい。
上記(A)導電性粒子において、粒径分布のピーク値と最大粒径の差は、例えば、5μm以上11μm以下としてもよく、6μm以上10μm以下としてもよく、7μm以上9μm以下としてもよい。一方で、上記(A)導電性粒子において、粒径分布のピーク値と最小粒径との差は、例えば、7μm以上14μm以下としてもよく、8μm以上13μm以下としてもよく、9μm以上12μm以下としてもよい。
また、粒径分布が釣り鐘型を有していてもよい。
上記(A)導電性粒子の粒径分布のピーク値における半値幅は、例えば、4μm以上10μm以下としてもよく、5μm以上9μm以下としてもよく、6μm以上8μm以下としてもよい。
また、本実施形態において、(A)導電性粒子のD98とD95との差を計算したときに、このD98−D95((A)導電性粒子の体積基準の粒度分布における98%累積時の粒径D98と、(A)導電性粒子の体積基準の粒度分布における95%累積時の粒径D95の差)の値は、3μm以下であることが好ましく、2.5μm以下であることがより好ましく、2μm以下であることがさらに好ましい。(A)導電性粒子のD98とD95との差について、このような値に設定することにより、(A)導電性粒子の粒径のばらつきを十分に抑制することができ、導電性と印刷性のバランスをより効果的に向上させることが可能となる。上記D98−D95の下限値は、特に限定されないが、例えば、0μm以上としてもよい。
(A)導電性粒子の含有量の下限値は、たとえば導電性インキ全体に対して40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが最も好ましい。これにより、得られる配線等の導電性の向上に寄与することが可能となる。(A)導電性粒子の含有量の上限値は、たとえば導電性インキ全体に対して95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることが好ましい。これにより、導電性インキの塗布作業性や、得られる配線等の機械強度等の向上に寄与することができる。
また、(A)導電性粒子の比重は、たとえば2以上であってもよく、3以上であってもよく、4以上であってもよい。(A)導電性粒子の比重は、たとえば11以下であってもよく、10以下であってもよく、8以下であってもよい。本実施形態の(A)導電性粒子の比重は、金属被覆樹脂粒子と金属粉との混合物の比重であってもよい。
上記銀被覆樹脂粒子は、たとえば、メチルクロロシラン、トリメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のオルガノクロロシランを重合させることにより得られるオルガノポリシロキサンにより構成される粒子(シリコーン樹脂粒子)を銀で被覆したものであり、また、このオルガノポリシロキサンをさらに三次元架橋した構造を基本骨格としたシリコーン樹脂により構成されるシリコーン樹脂粒子の表面を銀で被覆したものも包含する。
また、本実施形態の(A)導電性粒子は、このように、銀被覆樹脂粒子を含むことにより、銀粒子全体としての比重を低下させることができ、組成物中における沈降等を抑止することができる。そのため、導電性インキの印刷物における均一性を向上させることができる。
本実施形態において、銀被覆樹脂粒子の比重の下限値は、特に限定されないが、例えば、1.2以上でもよく、1.5以上でもよく、2.0以上でもよい。上記銀被覆樹脂粒子の比重の上限値はたとえば11以下であってもよく、10以下であってもよく、8以下であってもよい。これにより、得られるペースト状接着剤組成物の均一性を高めることができる。
本実施形態において、銀被覆樹脂粒子の平均粒径(D50)の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.5μm以上でもよく、1.5μm以上でもよく、2.0μm以上でもよい。一方、銀被覆樹脂粒子の平均粒径(D50)の上限値は、特に限定されないが、例えば、16μm以下でもよく、12μm以下でもよく、8μm以下でもよい。
((B)分散媒)
本実施形態の導電性インキは、(A)導電性粒子を分散させる(B)分散媒を含む。
この(B)分散媒は、(A)導電性粒子を分散させることができる材料の中から公知のものを採用すればよい。具体的に、本実施形態の(B)分散媒としては、高分子成分、単量体、有機溶媒を用いることができるが、印刷物についての適度な形状を保持させる観点から、本実施形態の導電性インキは、(B)分散媒として高分子成分を含むことが好ましい。
この高分子成分としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を含有することが可能である。
これらのうち、本実施形態の(B)分散媒として用いられる高分子成分としては熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。上記熱可塑性樹脂としては、とくに限定されないが、例えば、高分子量ポリエステル、高分子量(メタ)アクリル樹脂から選択される一種または二種以上を含むことができる。
(B)分散媒として用いられる高分子成分の重量平均分子量の下限値は、例えば、12000以上であることが好ましく、15000以上であることがより好ましく、18000以上であることがさらに好ましい。これにより、導電性インキから配線等を得た際に形状を安定化させやすくなる。また、高分子成分の重量平均分子量の上限値は、例えば、40000以下であることが好ましく、30000以下であることがより好ましい。これにより、導電性インキについて適度な粘度とチキソ性などのレオロジー特性を発現しやすくすることが可能となる。(B)分散媒は、上記の熱可塑性樹脂の作用効果を阻害しない範囲で、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の硬化性樹脂を含有することも可能である。
本実施形態にかかる(B)分散媒は、単量体を含むことができる。
この単量体としては、たとえば(メタ)アクリルモノマーを用いることができ、具体的には、以下の式(1)に示される化合物を用いることができる。
上記式(1)中、R11は水素またはメチル基であり、R12は炭素数1〜20の一価の有機基である。R12は、酸素原子、窒素原子、およびリン原子のうちの一種または二種以上を含んでいてもよい。上記式(1)により表される化合物は、とくに限定されないが、たとえばエチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、イソアミルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリルアクリレート、n−ラウリルメタクリレート、n−トリデシルメタクリレート、n−ステアリルアクリレート、n−ステアリルメタクリレート、イソステアリルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、ブトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングルコールアクリレート、2−エチルヘキシルジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノールエチレンオキシド変性アクリレート、フェニルフェノールエチレンオキシド変性アクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート四級化物、グリシジルメタクリレート、およびネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステルから選択される一種または二種以上を含むことができる。
また、本実施形態に係る導電性インキは、たとえば(B)分散媒として、有機溶媒を含むことができる。これにより、導電性インキの流動性を向上させ、作業性の向上に寄与することができる。
有機溶媒は、とくに限定されないが、たとえばエチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、メチルメトキシブタノール、α−ターピネオール、β−ターピネオール、へキシレングリコール、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、イゾパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールもしくはグリセリン等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン)、2−オクタノン、イソホロン(3、5、5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン)もしくはジイソブチルケトン(2、6−ジメチル−4−ヘプタノン)等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、アセトキシエタン、酪酸メチル、ヘキサン酸メチル、オクタン酸メチル、デカン酸メチル、メチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1,2−ジアセトキシエタン、ε−カプロラクトン、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジルもしくはリン酸トリペンチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、エトキシエチルエーテル、1,2−ビス(2−ジエトキシ)エタンもしくは1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン等のエーテル類;酢酸2−(2ブトキシエトキシ)エタン等のエステルエーテル類;2−(2−メトキシエトキシ)エタノール等のエーテルアルコール類、トルエン、キシレン、n−パラフィン、イソパラフィン、ドデシルベンゼン、テレピン油、ケロシンもしくは軽油等の炭化水素類;アセトニトリルもしくはプロピオニトリル等のニトリル類;アセトアミドもしくはN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;低分子量の揮発性シリコンオイル、または揮発性有機変成シリコンオイル等のシリコンオイル類から選択される一種または二種以上を含むことができる。
有機溶媒の25℃蒸気圧の下限値は、例えば、0.4Pa以上であることが好ましく、0.6Pa以上であることがより好ましい。一方で、有機溶媒の25℃蒸気圧の上限値は、例えば、2.0Pa以下であることが好ましく、1.5Pa以下であることがより好ましい。有機溶媒の25℃蒸気圧を上記範囲内とすることにより、適切な乾燥速度が得られ、塗布性と乾燥速度の適切なバランスが得られる。
導電性インキ中における(B)分散媒の含有量の下限値は、たとえば導電性インキ全体に対して5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。これにより、導電性インキについての作業性の向上に寄与することが可能となる。一方で、導電性インキ中における(B)分散媒の含有量の上限値は、たとえば導電性インキ全体に対して50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましい。これにより、導電性インキから得られる配線等の導電性の向上に寄与することができる。
また、本実施形態の導電性インキは、上記成分以外にも、必要に応じて酸化防止剤、シリカ、アルミナ等の無機充填材、シリコーン樹脂やブタジエンゴム等の他のエラストマー、カップリング剤、消泡剤、レベリング剤等の成分を添加することもできる。これらの成分の含有量は、導電性インキを適用する用途に合わせて適宜設定することができる。
本実施形態の導電性インキは、配線形成用のスクリーン印刷用導電性インキとして利用することができる。このような導電性インキは、スクリーン印刷法により基板等に塗布される。本実施形態の導電性インキは、印刷性や形状保持性に優れるため、スクリーン印刷することにより、基板上に所望の形状を有する配線を形成することができる。つまり、本実施形態の導電性インキを使用することにより、膜厚均一性に優れており、配線幅も均一な配線を形成することができる。ここで、スクリーン印刷法におけるメッシュは適宜選択できるが、本実施形態に係る導電性インキに含まれる(A)導電性粒子が過度に除去されないだけのメッシュを採用することが好ましい。
本実施形態の導電性インキを塗布してなる塗布膜の膜厚は、各種の用途に応じて適当な厚みとすることができる。一例として、太陽電池等の電子装置に用いる場合には、上記塗布膜の膜厚の下限値は、例えば、1μm以上としてもよく、2μm以上としてもよく、5μm以上としてもよい。また、上記塗布膜の膜厚の上限値としては、特に限定されないが、例えば、2mm以下としてもよく、1mm以下としてもよく、0.7mm以下としてもよい。
本実施形態の導電性インキは、スクリーン印刷用導電性インキであり、様々な用途に利用できる。導電性インキの焼結体からなる配線や、この配線を備える電子装置に使用される。このような用途は、実施形態の一例であり、これ以外の用途であっても、導電性インキの組成を調整しつつ、適用を行うことができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
次に、本発明の実施例について説明する。
(導電性インキの調製)
各実施例および各比較例について、導電性インキを調製した。この調製は、表1に示す配合に従い各成分を均一に混合することにより行った。なお、表1に示す成分の詳細は以下のとおりである。また、表1中における各成分の配合割合は、導電性インキ全体に対する各成分の配合割合(質量%)を示している。
((A)導電性粒子)
銀粉1:フレーク状銀粉(AgC−238、福田金属箔粉工業社製)
銀粉2:フレーク状銀粉(AgC−270、福田金属箔粉工業社製)
銀粉3:球状銀粉(FA−S6、DOWAエレクトロニクス社製)
銀粉4:球状銀粉(AG−2−1C、DOWAエレクトロニクス社製)
((B)分散媒)
高分子量ポリエステル1:ポリエステル系樹脂(ユニチカ(株)製「エリーテルUE−3210)
高分子量ポリエステル3:ポリエステル系樹脂(日本合成化学(株)製「TP−249」)
PMMA:ポリメチルメタクリレート(住友化学(株)社製「スミペックス LG2」)
エポキシ樹脂1:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「SB−403S」)
エポキシ樹脂2:メタ・パラ−クレジルグリシジルエーテル(阪本薬品工業(株)製「m、p−CGE」)
硬化剤1:ビスフェノールF(DIC(株)製「DIC−BPF」、水酸基当量100)
硬化剤2:2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業(株)製「キュアゾール2P4MHZ」)
硬化剤3:ジシアンジアミド(ADEKA(株)製「EH−3636AS」)
アクリルモノマー:エチルヘキシルメタアクリレート(共栄社化学(株)社製「EH」)
有機溶媒1:ε−カプロラクトン
上記表1には、各実施例および比較例で用いた(A)導電性粒子について、(A)導電性粒子全体としての、「D50」、「D95」、「D98」、「金属粒子のD98と金属粒子のD95の差(D98−D95)」を示している。
ここで、(A)導電性粒子の「D50」、「D95」、「D98」は、シスメックス株式会社製フロー式粒子像分析装置FPIA(登録商標)−3000を用い、粒子画像計測を行うことで決定した。より具体的には、上記装置を用い、体積基準のメジアン径を計測することで(A)導電性粒子の粒径を決定した。
以下のとおり、導電性インキの特性の測定方法および評価項目を示す。
(粘度・チキソ指数の測定方法)
得られた導電性インキの粘度をレオメーター(Thermo SCIENTIFIC社製粘度・粘弾性装置「HAAKE MARS」)を用いて評価した。導電性インキの試料を25℃の測定部にセットして、下記のせん断速度測定条件を用いて、せん断速度を0.1〔1/s〕から100.0〔1/s〕まで10分間かけて連続的に変化させて粘度変化を測定した後に、導電性インキの試料入れ替えることなく、せん断速度を100.0〔1/s〕から0.1〔1/s〕まで10分間かけて連続的に変化させて、再度、せん断速度を0.1〔1/s〕から100.0〔1/s〕まで10分間かけて連続的に変化させて粘度変化を測定した。この測定において、2回目の測定値をチキソ指数として採用した。
・せん断速度条件
測定温度:25℃
プレートタイプ:パラレルプレート
プレート径:20mm
ギャップ:0.05mm
ギャップ体積:0.02ml
(印刷性)
メッシュサイズ:640、線径:φ16μm、乳剤厚:10μm、紗バイアス角:22.5°、ライン幅/スペース幅:50μm/50μm、の印刷版と、セリアコーポレーション製:SSA−PC250Eの印刷機と、を使用した。
まず、印刷版の底と基材(膜厚400μmのPETフィルム)の表面とのクリアランスを1.0mmに設定した。そして、得られた導電性インクを印刷版の印刷部分に充填した後、へらでなじませ、印刷機のスキージで印刷版を押さえつけながら、スキージスピード:100mm/s、スキージ印圧:15kg、スキージ角度:75°の条件でスキージを移動させた。これにより、印刷版の開口部に流入した導電性インキが押し出され、印刷版を離れて基材に転写される。なお、スキージの移動に合わせて、印刷版と基材は線接触しながら連続的に版離れすることになる。
このようにスキージ印刷法にて、所定のL/Sを有する細線パターンを印刷した。印刷物を、100℃30分で乾燥させた。その後、細線パターンの配線を観察し、設計通りの幅で形成されているか判断した。
(メッシュ跡有無)
メッシュサイズ:325、線径:φ16μm、乳剤厚:10μm、紗バイアス角:22.5°、ライン幅/スペース幅:200μm/200μm、の印刷版と、セリアコーポレーション製:SSA−PC250Eの印刷機と、を使用した。
まず、印刷版の底と基材(膜厚400μmのPETフィルム)の表面とのクリアランスを1.0mmに設定した。そして、得られた導電性インクを印刷版の印刷部分に充填した後、へらでなじませ、印刷機のスキージで印刷版を押さえつけながら、スキージスピード:100mm/s、スキージ印圧:15kg、スキージ角度:75°の条件でスキージを移動させた。これにより、印刷版の開口部に流入した導電性インキが押し出され、印刷版を離れて基材に転写される。なお、スキージの移動に合わせて、印刷版と基材は線接触しながら連続的に版離れすることになる。
このようにスキージ印刷法にて、所定のL/Sを有する太線パターンを印刷した。印刷物を、100℃、30分で乾燥させた。その後、太線パターンの配線を観察し、メッシュ跡の有無を確認した。
(形状安定性)
上記印刷性の評価と同様の印刷条件にて、細線パターンの印刷物を得た。得られた細線パターンの印刷直後のL/S幅を測定した。その後、得られた細線パターンを、100℃、30分で乾燥し、乾燥後のL/S幅を測定した。
印刷した直後のL/S幅と、100℃、30分で乾燥後のL/S幅との変化が、±30%未満を良好(○)とした。
実施例1〜7の導電性インキは、印刷性が良好であり、メッシュ跡残りがなく、形状安定性にも優れていることが分かった。一方、比較例1の導電性インキは、せん断速度1〔1/s〕で測定した25℃における粘度η1が小さいため、印刷性および形状安定性が低下していることが分かった。比較例2の導電性インキは、チキソ指数が大きいため、印刷性が低下しており、メッシュ跡残りが発生することが分かった。また、比較例3の導電性インキは、比較例1と比べてせん断速度1〔1/s〕で測定した25℃における粘度η1が大きいが、反対にチキソ指数が大きくなるため、メッシュ跡残りが発生することが分かった。
なお、実施例の導電性インキは粘度とチキソ指数のバランスに優れるものである。図1は実施例1の導電性インキを用いて比較的太い配線を描いたものを示した写真であるが、この場合において、その表面にメッシュの跡が残らないことが見て取れる。
一方、図2は、実施例1の導電性インキを用いて細い配線を描いたものを示した写真である。実施例の導電性インキを用いた場合は、得た配線の形状が安定するため、隣接する配線同士が触れ合うことなく、図2のような細い配線を描くことができる。
これに対し、図3に示されるように、チキソ指数が大きい比較例2の導電性インキでは、メッシュ跡が残ってしまうことが分かった。また、図4に示されるように、粘度が低い比較例1の導電性インキでは、形状が安定せず、隣接する配線と触れ合ってしまうことが分かった。また、比較例1および比較例3から、従来の導電性インキにおいては、粘度とチキソ指数の間にはトレードオフの関係があることが分かった。

Claims (9)

  1. (A)導電性粒子と、
    (B)分散媒と、を含む、スクリーン印刷用導電性インキであって、
    当該スクリーン印刷用導電性インキの、せん断速度10〔1/s〕で測定した25℃における粘度が、100Pa・s以上800Pa・s以下であり、
    当該スクリーン印刷用導電性インキの、25℃での、せん断速度10〔1/s〕における粘度η10に対するせん断速度1〔1/s〕における粘度η1の比(η1/η10)であるチキソ指数が、1.05以上2.00以下である、スクリーン印刷用導電性インキ。
  2. 請求項1に記載のスクリーン印刷用導電性インキであって、
    前記(A)導電性粒子の体積基準の粒度分布における50%累積時の粒径D50が、3μm以上15μm以下であり、
    前記(A)導電性粒子の体積基準の粒度分布における95%累積時の粒径D95が、5μm以上30μm以下である、スクリーン印刷用導電性インキ。
  3. 請求項1または2に記載のスクリーン印刷用導電性インキであって、
    前記(A)導電性粒子の体積基準の粒度分布における98%累積時の粒径D98と、前記(A)導電性粒子の体積基準の粒度分布における95%累積時の粒径D95の差D98−D95が、3μm以下である、スクリーン印刷用導電性インキ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のスクリーン印刷用導電性インキであって、
    前記(B)分散媒が、高分子成分を含む、スクリーン印刷用導電性インキ。
  5. 請求項4に記載のスクリーン印刷用導電性インキであって、
    前記高分子成分が、熱可塑性樹脂を含む、スクリーン印刷用導電性インキ。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のスクリーン印刷用導電性インキであって、
    前記(B)分散媒が有機溶媒を含む、スクリーン印刷用導電性インキ。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のスクリーン印刷用導電性インキであって、
    配線形成用である、スクリーン印刷用導電性インキ。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のスクリーン印刷用導電性インキの焼結体からなる、配線。
  9. 請求項8に記載の配線を備える、電子装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023095671A1 (ja) * 2021-11-25 2023-06-01 ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社 導電性インク組成物及び導電膜
EP4362128A1 (en) * 2022-10-31 2024-05-01 Ricoh Company, Ltd. Liquid composition, method for producing liquid composition, electrode, electrode production apparatus, and method for producing electrode

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