JP2017202962A - 光変換用セラミックス複合材料、その製造方法、およびそれを備えた発光装置 - Google Patents

光変換用セラミックス複合材料、その製造方法、およびそれを備えた発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 白色発光ダイオード等の発光装置の光変換部材として、耐熱性、耐久性等に優れ、光源の光と蛍光の割合の調節が容易で、放射光の色ムラやバラツキを少なくでき、更に、高い外部量子効率を有する光変換用セラミックス複合材料を提供する。【解決手段】 Ln3(Al1−xGax)5O12:Ce(LnはY、Lu、GdおよびTbから選択される少なくとも一種の元素であり、Ceは賦活元素であり、xは0≦x<1である)を含む蛍光相と、LaAlyOz(yは11≦y≦16.2であり、zは18≦z≦25.8である)を含む透光相とから構成される光変換用セラミックス複合材料であって、前記光変換用セラミックス複合材料の総量に対して、酸化物換算で1.5質量%以下のBaおよび/またはSrを含むことを特徴とする光変換用セラミックス複合材料、その製造方法、およびそれを備えた発光装置を提供する。【選択図】 図3

Description

本発明は、ディスプレイ、照明、およびバックライト光源等に利用できる発光ダイオード等の発光装置に用いられる光変換用セラミック複合材料、その製造方法、およびそれを備えた発光装置に関する。
近年、青色発光素子を発光源とする白色発光装置の開発研究が盛んに行われている。特に青色発光ダイオード素子を用いた白色発光ダイオードは軽量で、水銀を使用せず、長寿命であることから、今後、需要が急速に拡大することが予測されている。なお、発光素子として発光ダイオード素子を用いた発光装置を発光ダイオードという。青色発光ダイオード素子の青色光を白色光に変換する方法として最も一般的に行われている方法は、青色と補色関係にある黄色を混色することにより擬似的に白色を得るものである。例えば特許文献1に記載されているように、青色を発光するダイオード素子の全面に、青色光の一部を吸収して黄色光を発する蛍光体を含有するコーティング層を設け、その先に光源の青色光と蛍光体からの黄色光を混色するモールド層等を設けることで、白色発光ダイオードを構成することができる。蛍光体としてはセリウムで賦活されたYAG(YAl12)(以下、YAG:Ceと記す。)粉末等が用いられる。
しかし、特許文献1に代表される、現在一般的に用いられている白色発光ダイオードの構造では、蛍光体粉末をエポキシ等の樹脂と混合し塗布するため、蛍光体粉末と樹脂との混合状態の均一性確保、および塗布膜の厚みの安定化等の制御が難しく、白色発光ダイオードの色ムラ・バラツキが生じやすいことが指摘されている。また、蛍光体粉末を塗布するためにも、光源の一部の青色光を光変換せずに塗布膜を透過させるためにも必要となる、透光性がある樹脂は、耐熱性に劣るため、発光素子からの熱による変性で透過率の低下を起こしやすい。そのため、現在求められている白色発光ダイオードの高出力化へのネックとなっている。
そこで、白色発光ダイオード等の光デバイスの光変換部材として、樹脂を使用せずに構成された、蛍光相を有する無機系の光変換材料の研究、またその材料を光変換部材として使用した光デバイスの研究が行われている。
例えば、特許文献2には、一般式M(Al1−vGa12:Ce(式中、Mは、Lu、Y、Gd、及びTbから選ばれる少なくとも1種であり、vは、0≦v≦0.8を満たす。)で表わされる、セリウム(Ce)で付活されたアルミン酸塩蛍光体粉末をガラス材料と混合し、ガラス材料を溶融させることによって、ガラス材料中に蛍光体粉末を分散させて製造して得られる光変換部材が開示されている。
また、特許文献3には、焼結によって得られる、Ceを含有するYAGからなる蛍光体相と、Al等の透光性セラミックスからなるマトリックス相とを有するセラミックス複合体が開示されている。
また、特許文献4には、蛍光相と透光相とから構成される光変換用セラミックス複合材料であり、蛍光相が、LnAl12:Ce(LnはY、LuおよびTbから選択される少なくとも一種の元素であり、Ceは賦活元素である)からなり、透光相が、LaAl1118と、任意成分としてのα−AlまたはLaAlOとからなることを特徴とする光変換用セラミックス複合材料が開示されている。
特開2000−208815号公報 特開2008−041796号公報 特開2012−062459号公報 WO2015/141711
しかしながら、特許文献2に記載された光変換部材は、マトリックスがガラスであるので、耐熱性、耐久性は改善されるものの、マトリックスのガラスに蛍光体粉末を均一に分散させることが困難で、放射する光に、色ムラや、放射角度によるバラツキが生じやすい課題を持つ。
また、特許文献3、4に記載されたセラミックス複合体は、マトリックス(透光相)がセラミックスであり、透光相に蛍光体粉末が分散した構造ではないので、耐熱性、耐久性等の問題も、蛍光体粉末の分散性の問題もないものの、光学特性の向上には更なる改良が必要である。
そこで本発明は、白色発光ダイオード等の光デバイスの光変換部材として、耐熱性、耐久性等に優れ、光源の光と蛍光の割合の調節が容易で、放射光の色ムラやバラツキを少なくでき、更に、高い外部量子効率を有する光変換用セラミックス複合材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、Ln(Al1−xGa12:Ce(LnはY、Lu、GdおよびTbから選択される少なくとも一種の元素であり、Ceは賦活元素であり、xは0≦x<1である)を含む蛍光相と、LaAl1118を含む透光相とから構成される光変換用セラミックス複合材料であって、特定のアルカリ土類金属元素を特定の割合で含む光変換用セラミックス複合材料が、高い外部量子効率を有することを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、Ln(Al1−xGa12:Ce(LnはY、Lu、GdおよびTbから選択される少なくとも一種の元素であり、Ceは賦活元素であり、xは0≦x<1である)を含む蛍光相と、LaAl(yは11≦y≦16.2であり、zは18≦z≦25.8である)を含む透光相とから構成される光変換用セラミックス複合材料であって、前記光変換用セラミックス複合材料の総量に対して、酸化物換算で1.5質量%以下のBaおよび/またはSrを含むことを特徴とする光変換用セラミックス複合材料に関する。
また、前記光変換用セラミックス複合材料は、前記光変換用セラミックス複合材料の総量に対するBaの含有量が、酸化物換算で0.4質量%以上1.1質量%以下であることが好ましい。
また、前記光変換用セラミックス複合材料は、前記光変換用セラミックス複合材料の総量に対するSrの含有量が、酸化物換算で0.3質量%以上0.7質量%以下であることが好ましい。
また、前記光変換用セラミックス複合材料は、前記透光相に含まれるLaAl(yは11≦y≦16.2であり、zは18≦z≦25.8である)が、Baおよび/またはSrを含むことが好ましい。
また、前記光変換用セラミックス複合材料は、前記透光相に含まれるLaAl(yは11≦y≦16.2であり、zは18≦z≦25.8である)における、La、BaおよびSrの総和に対する、BaおよびSrの総和の原子比率が、0.01以上0.33以下であることが好ましい。
また、前記光変換用セラミックス複合材料は、前記透光相に含まれるLaAl(yは11≦y≦16.2であり、zは18≦z≦25.8である)における、LaおよびBaの総和に対するBaの原子比率が、0.01以上0.3以下であることが好ましい。
また、前記光変換用セラミックス複合材料は、前記透光相に含まれるLaAl(yは11≦y≦16.2であり、zは18≦z≦25.8である)における、LaおよびSrの総和に対するSrの原子比率が、0.05以上0.15以下であることが好ましい。
さらに、本発明は、発光素子と前記光変換用セラミックス複合材料とを備える発光装置に関する。
また、前記発光素子は、発光ダイオード素子またはレーザーダイオード素子であることが好ましい。
さらに、本発明は、Al源化合物と、Ln源化合物(LnはY、Lu、GdおよびTbから選択される少なくとも一種の元素である。)と、Ce源化合物と、Ba源化合物および/またはSr源化合物とを含む混合粉末を仮焼する仮焼工程と、前記仮焼工程で得られた仮焼粉末100質量%に対して、酸化物換算で1〜50質量%のLa源化合物を添加したLa含有混合粉末を焼成する焼成工程とを備えることを特徴とする前記光変換用セラミックス複合材料の製造方法に関する。
また、前記光変換用セラミックス複合材料の製造方法は、前記焼成工程後に、不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中、1100〜1600℃で熱処理する熱処理工程を備えることが好ましい。
また、前記光変換用セラミックス複合材料の製造方法は、前記La含有混合粉末が、プレス成形法、シート成形法、および押し出し成形法から選択される少なくとも一種の成形法により成形された後に焼成されることが好ましい。
本発明によれば、光や熱によって劣化する樹脂等を用いることなく、無機結晶質物で発光ダイオード等の光デバイスの光変換部の透光相を構成できるため、光デバイスの長寿命化を図ることができることに加えて、前記光変換部に使用される従来のセラミックス複合体と比べて、外部量子効率が高い光変換用セラミックス複合材料を提供することができる。また、本発明の光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として発光装置を構成することで、光束が大きい効率的な発光装置を提供することができる。
図1は、実施例4および比較例1の光変換用セラミックス複合材料を、それぞれ、ピーク波長455nmの発光を有する青色発光ダイオードと組み合わせて構成した発光装置の発光スペクトルを示す図である。 図2は、実施例8および比較例1の光変換用セラミックス複合材料を、それぞれ、ピーク波長455nmの発光を有する青色発光ダイオードと組み合わせて構成した発光装置の発光スペクトルを示す図である。 図3は、実施例20の光変換用セラミックス複合材料の反射電子像である。 図4は、実施例22の光変換用セラミックス複合材料の反射電子像である。
以下、本発明について詳しく説明する。
(光変換用セラミックス複合材料)
本発明の光変換用セラミックス複合材料は、Ln(Al1−xGa12:Ce(LnはY、Lu、GdおよびTbから選択される少なくとも一種の元素であり、Ceは賦活元素であり、xは0≦x<1である)を含む蛍光相と、LaAl(yは11≦y≦16.2であり、zは18≦z≦25.8である(以下、LaAlと略記することがある))を含む透光相とから構成される光変換用セラミックス複合材料であって、前記光変換用セラミックス複合材料の総量に対して、酸化物換算で1.5質量%以下のBaおよび/またはSrを含むことを特徴とする光変換用セラミックス複合材料である。
本発明の光変換用セラミックス複合材料は、受光した光を異なる波長の光に変換して発する、つまり蛍光性を有する蛍光相と、受光した光を、異なる波長の光には変換せず、そのまま透光させる透光相とから構成される。前記蛍光相と前記透光相の割合を調節することで、蛍光相によって変換される光と、変換されずに透光相を透過する光の割合を調節でき、本発明の光変換用セラミックス複合材料を光変換部として使用した光デバイスが発する光の色度を調節することができる。前記蛍光相と前記透光相との割合を調節することで、蛍光相によって変換される光と、変換されずに透光相を透過する光の割合を調節できるからである。ただし、蛍光相の割合は、10〜90質量%であることが好ましい。この範囲の割合であれば、光変換用セラミックス複合材料の光変換効率を高く保つことができるし、光デバイスの光変換部に適用する際の、光変換用セラミックス複合材料の厚みが小さくなりすぎて取り扱いが困難になることがないからである。同じ観点から、蛍光相の割合は、20〜85質量%であることがより好ましく、30〜80質量%であることがさらに好ましく、40〜80質量%であることが特に好ましい。また、本発明の光変換用セラミックス複合材料は、前記蛍光相および前記透光相のみから構成されることが好ましい。
また、本発明の光変換用セラミックス複合材料は、任意の形状に加工することができるが、板状体であることが好ましい。板状体は、容易に成形加工できる形状であり、所望の色度の発光が得られるように厚みを調整して、発光デバイスに載置するだけで、光源の光を変換して発光する発光デバイスを構成することが可能だからである。
本発明の光変換用セラミックス複合材料を構成する蛍光相は、受光した光を、異なる波長の光に変換する結晶からなる相であり、Ln(Al1−xGa12:Ce(LnはY、Lu、GdおよびTbから選択される少なくとも一種の元素であり、Ceは賦活元素であり、xは0≦x<1である)を含む。Lnは、Y、Lu、GdおよびTbから選択される一種の元素でも、これらの複数の元素でも良い。また、蛍光相に含まれる各結晶は、連続した一つの相であっても、複数の結晶粒子からなっていても良い。
前記Ln(Al1−xGa12:Ce(LnはY、Lu、GdおよびTbから選択される少なくとも一種の元素であり、Ceは賦活元素であり、xは0≦x<1である)は、Laを含有することがある。Laは、透光相に含まれるLaAl1118の構成元素であるが、微量のLaが、蛍光相に含まれるLn(Al1−xGa12:Ce(LnはY、Lu、GdおよびTbから選択される少なくとも一種の元素であり、Ceは賦活元素であり、0≦x<1である)に固溶することがある。
本発明の光変換用セラミックス複合材料を構成する透光相は、受光した光を、異なる波長の光に変換せず、そのままの波長で透過させる結晶からなる相であり、LaAl1118を含む。透光相に含まれる各結晶は、連続した一つの相であっても、複数の結晶粒子からなっていても良い。
前記透光相に含まれるLaAl(yは11≦y≦16.2であり、zは18≦z≦25.8である)としては、化学式LaAl1118で表される六方晶系のランタンアルミ酸化物と、それに加えて、LaAl1118の類似化合物である、LaAl24.439.6、La0.9Al11.7619、La1.4Al22.636、La0.827Al11.919.09、La0.9Al11.9518.9、La0.85Al11.518.5、La0.85Al11.5518.6、La0.85Al11.618.675で表される六方晶系のランタンアルミ酸化物が挙げられる。LaAlとしては、LaAl1118が好ましいが、LaAl1118の類似化合物でもLaAl1118と同様の効果が得られるので、前記透光相に含まれるLaAlとしては、前記LaAl1118の類似化合物であっても良い。前記透光相は、実質的にLaAlのみからなることが好ましいが、本発明の光変換用セラミックス複合材料の外部量子効率に影響を与えない程度にLaAl以外の成分を含んでも良い。
本発明の光変換用セラミックス複合材料は、Baおよび/またはSrを含み、その含有量は、前記光変換用セラミックス複合材料の総量に対して、酸化物換算で1.5質量%以下である。前記光変換用セラミックス複合材料の総量に対して酸化物換算で1.5質量%以下のBaおよび/またはSrが含まれれば、内部量子効率、外部量子効率、および発光装置を構成したときの光束が大きくなる。また、Baおよび/またはSrの含有量は、前記光変換用セラミックス複合材料の総量に対して、酸化物換算で0.1質量%以上であることが好ましい。前記光変換用セラミックス複合材料の総量に対して酸化物換算で0.1質量%以上のBaおよび/またはSrが含まれれば、内部量子効率、外部量子効率、および発光装置を構成したときの光束がさらに大きくなる。前記光変換用セラミックス複合材料の総量に対するBaおよび/またはSrの含有量は、酸化物換算で0.2質量%以上1.2質量%以下であることがさらに好ましい。前記光変換用セラミックス複合材料の総量に対するBaの含有量は、酸化物換算で0.4質量%以上1.1質量%以下であることが特に好ましく、前記光変換用セラミックス複合材料の総量に対するSrの含有量は、酸化物換算で0.3質量%以上0.7質量%以下であることが特に好ましい。前記光変換用セラミックス複合材料の総量に対するBaおよび/またはSrの含有量がこの範囲であれば、内部量子効率、外部量子効率、および発光装置を構成したときの光束が特に大きくなる。ここで、Baの酸化物換算とはBaO換算のことを、Srの酸化物換算とはSrO換算のことをいう。
本発明の光変換用セラミックス複合材料は、その透光相に含まれるLaAlが、Baおよび/またはSrを含むことが好ましく、前記透光相に含まれるLaAlにおける、La、BaおよびSrの総和に対する、BaおよびSrの総和の原子比率が、0.01以上0.33以下であることがさらに好ましい。前記透光相に含まれるLaAlにおける、La、BaおよびSrの総和に対する、BaおよびSrの総和の原子比率がこの範囲であれば、内部量子効率、外部量子効率、および発光装置を構成したときの光束がさらに大きくなる。本発明の光変換用セラミックス複合材料においては、LaAlが、BaまたはSrのいずれか一方を含まないこともあり、その場合、LaAlに含まれない一方の前記アルカリ土類金属元素の含有量も、La、BaおよびSrの総和に対する原子比率も0となる。前記透光相に含まれるLaAlにおける、LaおよびBaの総和に対するBaの原子比率は、0.01以上0.3以下であることが特に好ましい。前記透光相に含まれるLaAlにおける、LaおよびBaの総和に対するBaの原子比率がこの範囲であれば、蛍光強度が大きくなり、内部量子効率、外部量子効率、および発光装置を構成したときの光束が特に大きくなる。また、前記透光相に含まれるLaAlにおける、LaおよびSrの総和に対するSrの原子比率は、0.05以上0.15以下であることが特に好ましい。前記透光相に含まれるLaAlにおける、LaおよびSrの総和に対するSrの原子比率がこの範囲であれば、内部量子効率、外部量子効率、および発光装置を構成したときの光束が特に大きくなる。本発明において、前記透光相に含まれるLaAlにおける、Laと、Baおよび/またはSrとの総和に対する、Baおよび/またはSrの原子比率は、電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA)に付帯する波長分散型X線分光器(Wavelength Dispersive X−ray Spectrometer(WDS))により測定される。
前述の通り、本発明の光変換用セラミックス複合材料は、その透光相に含まれるLaAlが、Baおよび/またはSrを含むことにより、より蛍光特性が向上するので、透光相に含まれるLaAlが、Baおよび/またはSrを含むことが好ましい。そしてさらに、蛍光相に含まれるLn(Al1−xGa12:Ceが、Baおよび/またはSrを実質的に含まないことが好ましい。ここで、Ln(Al1−xGa12:CeがBaおよび/またはSrを実質的に含まないとは、EPMAに付帯するWDSによる原子比率の測定によっては、Ln(Al1−xGa12:CeからBaおよび/またはSrが検出されないことをいう。
本発明の光変換用セラミックス複合材料においては、Baおよび/またはSrは、Ln(Al1−xGa12:Ceよりも、LaAlに含まれやすい。後述するように、BaおよびSrのイオン半径と、LaおよびLn(LnはY、Lu、GdおよびTbから選択される少なくとも一種の元素)のイオン半径との関係から、Baおよび/またはSrが優先的にLaの一部を置換することが主要因と考えられる。したがって、Baおよび/またはSrは、LaAlに対する割合が同じならば、Ln(Al1−xGa12:Ceを構成するLnの種類に拠らず、ほぼ同じ割合でLaAlに含まれることになると考えられ、その結果として、Lnの種類に拠らず、同様のBaおよび/またはSr含有量にて、本願発明の効果である蛍光特性改善に効果が発現すると推定できる。
本発明に係るLaAlは、Lnおよび/またはCeを含有することがある。LnおよびCeは、蛍光相に含まれるLn(Al1−xGa12:Ceの構成元素の一つであるが、微量のLnおよび/またはCeが、LaAlに固溶することがある。
また、本発明の光変換用セラミックス複合材料は、蛍光相として含まれるLn(Al1−xGa12:Ce、透光相として含まれるLaAl以外の成分を、蛍光特性に影響を与えない範囲で含有することがある。これらの成分としては、Al、LaAlO、LnAlO、LnAl1118、CeAlO、CeAl1118、および(Ln、Ce)AlOなどが挙げられる。
本発明の光変換用セラミックス複合材料を構成する蛍光相および透光相に含まれる結晶が結晶粒子である場合、蛍光相および透光相に含まれる結晶粒子の平均粒子径は、いずれも1μm以上3.5μm以下が好ましく、1.5μm以上3.5μm以下がより好ましい。これら結晶粒子の平均粒子径が1μm以上の場合には、内部量子効率、外部量子効率、および発光装置を構成したときの光束が大きくなるので好ましい。また、これら結晶粒子の平均粒子径が3.5μm以下ならば、比較的低い焼成温度、比較的短い焼成時間で、製造できるので好ましい。蛍光相および透光相に含まれる結晶粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)写真から、画像解析ソフトを用い、粒子の円相当径(Heywood径)を測定し、平均値を算出して求めることができる。
本発明に係る光変換用セラミックス複合材料は、波長420〜500nmにピークを有する光(励起光)を吸収することによって、540〜580nmに主波長を有する蛍光を効率よく発することができる。これにより、黄緑〜黄色蛍光を効率良く得ることができる。励起光が、波長400〜419nm、もしくは501〜530nmでも、効率が低下するものの、本発明に係る光変換用セラミックス複合材料は、蛍光を発することができる。さらに励起光が、波長300〜360nmの近紫外光でも、本発明に係る光変換用セラミックス複合材料は、蛍光を発することができる。
(光変換用セラミックス複合材料の製造方法)
本発明に係る光変換用セラミックス複合材料は、原料粉末を、所望する成分比率の光変換用セラミックス複合材料が得られる割合で混合して、得られた混合粉末を成形し、焼成することにより製造することができる。
好ましい製造方法として、La源以外の原料粉末を混合し、得られた混合粉末を仮焼して、所定量のBaおよび/またはSrを含むLn(Al1−xGa12:Ceと、α−Alとから構成される仮焼粉末を予め調製した後、仮焼粉末に、本発明に係る光変換用セラミックス複合材料の組成になるようにLa源を添加して混合し、得られたLa含有混合粉末を成形して、焼成する方法を採用することができる。この方法であれば、短い焼成時間でも、本発明に係る光変換用セラミックス複合材料を製造することができる。
原料粉末は、本発明に係る光変換用セラミックス複合材料を構成する金属元素の酸化物であることが好ましいが、混合時に酸化物でなくても良く、焼成過程などで、容易に酸化物に変化する炭酸塩などの化合物でも良い。
原料粉末の混合方法については特別の制限はなく、それ自体公知の方法、例えば、乾式混合する方法、原料各成分と実質的に反応しない不活性溶媒中で湿式混合した後に溶媒を除去する方法などを採用することができる。湿式混合する方法を用いる際の媒体としては、メタノール、エタノールのようなアルコールが一般に使用される。混合装置としては、V型混合機、ロッキングミキサー、ボールミル、振動ミル、媒体撹拌ミルなどが好適に使用される。仮焼粉末を予め調製する場合の、La源以外の原料粉末の混合方法としても、同様の方法が好適に使用される。
仮焼粉末を予め調製する場合、仮焼の際の雰囲気は、特に制限はないが、大気雰囲気、不活性雰囲気、または真空雰囲気であることが好ましく、仮焼の際の温度は、Ln(Al1−xGa12:Ceとα−Alとから構成される粉末が生成する温度であり、焼結が進みすぎない温度であることが好ましい。仮焼の際の温度は、具体的には1350〜1550℃であることが好ましい。前記条件での熱処理が可能であれば、仮焼に使用される加熱炉については、特別の制限はない。例えば、高周波誘導加熱方式または抵抗加熱方式によるバッチ式電気炉、ロータリーキルン、流動化焼成炉、プッシャ−式電気炉などを使用することができる。
仮焼粉末を予め調製する場合、仮焼粉末は、原料粉末の粒度分布や仮焼条件にもよるが、凝集または焼結していることがあるので、必要に応じて粉砕を行う。粉砕方法については特別の制限はなく、それ自体公知の方法、例えば、乾式粉砕、仮焼粉末各成分と実質的に反応しない不活性溶媒中で湿式粉砕した後に溶媒を除去する方法などを採用することができる。湿式粉砕する方法を用いる際の媒体としては、メタノール、エタノールのようなアルコールが一般に使用される。粉砕装置としては、ロールクラッシャー、ボールミル、ビーズミル、スタンプミルなどが好適に使用される。
仮焼粉末を予め調製する場合、仮焼粉末、あるいは仮焼粉末を粉砕して得られた粉末に、本発明に係る光変換用セラミックス複合材料の成分(最終生成物の成分)になるように、原料粉末のLa源を追加添加して、これらの粉末を混合し、La含有混合粉末を調製する。この場合の混合方法も、前述の原料粉末の混合方法と同様である。
原料粉末を混合して得られた混合粉末、あるいは、La源以外の原料粉末から調製した仮焼粉末にLa源を追加添加し混合して得られた混合粉末の成形方法は、特に制限されないが、プレス成形法や、シート成形法、押し出し成形法等が好適である。板状体の光変換用セラミックス複合材料を得る場合は、シート成形法の一種であるドクターブレード法を採用することが好ましく、より緻密な光変換用セラミックス複合材料を得るためには、シート成形後に、プレス成形法の一種である温間等方圧プレスなどの成形法を採用することが好ましい。
以上の方法により成形して得られた成形体の焼成方法は、前記のいずれの混合粉末からなる成形体の場合も同じであり、次の通りである。成形体の焼成の際の雰囲気は、特に制限はないが、大気雰囲気、不活性雰囲気、または真空雰囲気であることが好ましい。焼成の際の温度は、本発明に係る光変換用セラミックス複合材料の構成相が形成される温度であれば特に制限はないが、1600〜1750℃であることが好ましい。前記条件での熱処理が可能であれば、焼成に使用される加熱炉については、特別の制限はない。例えば、高周波誘導加熱方式または抵抗加熱方式によるバッチ式電気炉、ロータリーキルン、流動化焼成炉、プッシャ−式電気炉などを使用することができる。あるいは、成形と焼成を同時に行うホットプレス法を採用することもできる。
前記の方法により焼成して得られた光変換用セラミックス複合材料を、不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中で熱処理しても良い。前記の方法により焼成して得られた光変換用セラミックス複合材料を、不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中、1100〜1600℃の温度範囲で熱処理することで、光変換用セラミックス複合材料の内部量子効率、外部量子効率、および発光装置を構成したときの光束をさらに向上させることができる。
(光変換用セラミックス複合材料の結晶相の同定方法)
本発明に係る光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定は、CuKα線を用いたリガク社製X線回折装置(Ultima IV Protectus)、および同装置に付帯する統合粉末X線解析ソフトウェアPDXLを用いて行う。X線回折データを、前記X線回折装置により得て、PDXLにより、結晶相を同定する。
(光変換用セラミックス複合材料の組成分析方法)
本発明に係る光変換用セラミックス複合材料の組成分析は、波長分散型蛍光X線分析装置(XRF分析装置、リガク製 ZSX Primus)を用いて行う。予めICP分析により各構成元素の金属元素含有量を定量した試料(本発明に係る光変換用セラミックス複合材料)を標準試料とし、XRF分析による同試料の半定量分析結果と、ICP分析による同試料の定量分析結果とから検量線を作成する。本発明に係る光変換用セラミックス複合材料についてXRF分析を行い、得られる半定量分析結果と前記検量線とから、前記光変換用セラミックス複合材料を構成する金属元素の含有量を定量する。本発明においては、光変換用セラミックス複合材料を構成する金属元素を、該金属酸化物の酸化物換算値(質量%)として求める。具体的には、AlはAlと、YはYと、LuはLuと、TbはTbと、GdはGdと、LaはLaと、CeはCeOと、BaはBaOと、SrはSrOとした場合の含有量(質量%)とする。
(光変換用セラミックス複合材料の微細組織観察、および各相に含まれる結晶の組成分析方法)
本発明の光変換用セラミックス複合材料の微細組織観察は、本発明の光変換用セラミックス複合材料の反射電子像を、電子線プローブマイクロアナライザー(EPMA:日本電子製JXA−8530F)を用いて撮影して行う。次いで、前記反射電子像と同視野の各構成元素の元素マッピング図を、同装置に付帯するWDS(Wavelength Dispersive Spectroscopy)装置により得て、得られた反射電子像と元素マッピング図とを対比して、光変換用セラミックス複合材料を構成する各相に含まれる結晶(粒子または連続相)と、アルカリ土類金属元素(Baおよび/またはSr)の分布を確認する。さらに、各相に含まれる結晶(粒子または連続相)について、WDSにより元素分析を行い、各結晶(粒子または連続相)を構成する金属元素の原子比率を算出する。以上のEPMAおよびWDSによる測定は、Ptコーティングを施した試料について、加速電圧15kV、照射電流3.0×10−7Aの条件にて行う。LaAl1118における、Laと、Baおよび/またはSrとの総和に対する、Baおよび/またはSrの原子比率は、このようにして算出する各結晶(粒子または連続相)を構成する金属元素の原子比率より求める。
(光変換用セラミックス複合材料の蛍光特性の評価方法)
光変換用セラミックス複合材料の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率、および最大蛍光強度は、大塚電子製QE−1100に積分球を組み合わせた固体量子効率測定装置により測定、算出することができる。光変換用セラミックス複合材料の一部をφ16×0.2mmの円板状に加工後、積分球内にセットして、固体量子効率測定装置を用いて、励起波長460nmにおける励起光スペクトルと蛍光スペクトルとを測定し、同時に吸収率、内部量子効率、および外部量子効率を測定する。内部量子効率は、下記の式(1)により算出される。
内部量子効率(%)=(蛍光光量子/吸収光量子)×100 (1)
また、外部量子効率は、下記の式(2)により算出される。
外部量子効率(%)=吸収率(%)×内部量子効率(%)/100 (2)
本発明においては、BaおよびSrのいずれも含まない光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の、各実施例に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度の相対値を、各実施例に係る光変換用セラミックス複合材料の相対蛍光強度として算出する。LnがYである実施例については、比較例1に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の相対値を、また、LnがY、Gdである実施例については、比較例6に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の相対値を、また、LnがLuである実施例については、比較例7に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の相対値を、また、LnがLu、Tbである実施例については、比較例8に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の相対値を、また、LnがTbである実施例については、比較例13に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の相対値を相対蛍光強度とする。さらに、LnがLuであり、Alの一部をGaで置換した蛍光相((Lu0.99Ce0.01(Al0.95Ga0.0512)の実施例については、比較例14に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の相対値を相対蛍光強度とする。
以下では、具体的例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。
(実施例1)
α−Al粉末(純度99.99%)55.83g、Y粉末(純度99.9%)42.18g、CeO粉末(純度99.9%)1.99g、およびBaCO粉末(純度99.9%)0.30gを秤量し、これらの原料粉末を、エタノール中、ボールミルによって24時間湿式混合した後、エバポレーターを用いてエタノールを脱媒し、仮焼に供する混合粉末を調製した。得られた、仮焼に供する混合粉末をAlるつぼに入れて、バッチ式電気炉に仕込み、大気雰囲気中1500℃で3時間保持して仮焼し、微量のBaOを含むYAl12:Ce、およびAlからなる仮焼粉末を得た。仮焼粉末が、YAl12:Ceおよびα−AlからなることはX線回折分析によって確認した。
次に、得られた仮焼粉末に、仮焼粉末100質量%に対して6.73質量%のLa粉末(純度99.9%)を添加し、これらの粉末をエタノール中、ボールミルによって90時間湿式混合した後、エバポレーターを用いてエタノールを脱媒して、混合粉末を調製した。得られた混合粉末100質量部に対して、ポリビニルブチラール等のバインダ樹脂15.75質量部、フタル酸ジブチル等の可塑剤2.25質量部、分散剤4質量部、トルエン等の有機溶剤135質量部を添加して、混合スラリーを作製した。得られた混合スラリーをドクターブレードのスラリー収容槽に収容し、スラリー収容槽下方の隙間の高さを調節できる可変式ブレードを調節して、スラリー収容槽下方より混合スラリーをシート状に流出させた。流出させた混合スラリーを、真空吸盤にて搬送台に固定されたPETフィルム上に、厚みが50μm程度となるように塗工し、乾燥し、グリーンシートを作製した。得られたグリーンシートを、焼成後の厚みが220〜230μmとなるよう6枚積層し、温度85℃、圧力20MPaの温間等方圧プレスにより圧着して、積層体を作製した。加熱により積層体から剥離できる発泡剥離シート上に積層体を固定し、所定の形状となるように切断した。切断した積層体を乾燥機にて加熱し、発泡剥離シートから分離させた。得られた積層体を、バッチ式電気炉を用いて、大気雰囲気下、1700℃で6時間保持して、焼成した。以上のようにして、実施例1に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。BaCO以外の原料組成から求められる、実施例1に係る光変換用セラミックス複合材料の組成式は、0.76((Y0.97Ce0.03Al12)・0.24(LaAl1118)である。
得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定を、(光変換用セラミックス複合材料の結晶相の同定方法)にて説明した方法で行った。また、実施例1に係る光変換用セラミックス複合材料の蛍光特性を、(光変換用セラミックス複合材料の蛍光特性の評価方法)にて説明した方法により測定した。励起光の波長は460nmとして蛍光特性評価を行った。得られた発光スペクトルから主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率、および最大蛍光強度を算出した。後述の比較例1に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の、実施例1に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度の相対値を相対蛍光強度として算出した。
また、実施例1に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、次のようにして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。予め、ピーク波長455nmの発光を有する半導体発光素子を積分球内で発光させて、スペクトラ・コープ社製全光束測定システムにより全放射束を測定した。次いで、前記半導体発光素子上にシリコーン樹脂を用いて光変換部材を接合して作製した白色発光ダイオードを積分球内で発光させて、前記全光束測定システムにより全光束を測定した。規格化光束(変換効率)は、下記の式(3)に従い算出した規格化光束を変換効率とした。
変換効率(規格化光束)=(光変換部材を搭載した際の全光束(lm))/(光変換部材を搭載しない場合の全放射束(mW)) (3)
実施例1に係る光変換用セラミックス複合材料は、YAl12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。また、表1に、前記の、光変換用セラミックス複合材料の組成分析方法にて説明した方法で測定した、実施例1に係る光変換用セラミックス複合材料中の酸化物換算した場合のBa含有量(BaO換算した場合の含有量)と、前記の、光変換用セラミックス複合材料の微細組織観察、および各相に含まれる結晶の組成分析方法にて説明した方法で測定した、LaAl1118におけるBa/(La+Ba)(原子比率)と、同光変換用セラミックス複合材料を、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、同光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。実施例1に係る光変換用セラミックス複合材料の主波長は562nmで、外部量子効率は89.8%、相対蛍光強度は103%と、いずれの蛍光特性の値も、後述する、Baを含有しない比較例1、および、Ba含有量が酸化物(BaO)換算で1.5質量%超の比較例2および3に比べて高い値を示した。また、実施例1に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)も0.335と、比較例1および2に比べて高い値を示した。
(実施例2〜6)
La以外の原料混合粉末100gに添加するBaCO量を表1のとおりとした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2〜6係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定を行い、YAl12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および最大蛍光強度を測定した。後述する比較例1に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の、実施例2〜6に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度の相対値を相対蛍光強度として算出した。
また、実施例2〜6に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表1に、実施例2〜6に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、実施例2〜6に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。光変換用セラミックス複合材料が、実施例2〜6のように、BaO換算で1.5質量%以下のBaを含むと、BaもSrも含まない光変換用セラミックス複合材料や、1.5質量%超のBaまたはSrを含む光変換用セラミックス複合材料と比較して、外部量子効率も相対蛍光強度も大きくなり、その光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)も大きくなった。また、光変換用セラミックス複合材料のBaの含有量が、BaO換算で0.4質量%以上1.1質量%以下の範囲では、外部量子効率、相対蛍光強度、および、光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)が特に大きくなった。
図1に、実施例4、及び、比較例1の光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの発光スペクトルを示す。比較例1に比べ、実施例4の蛍光波長域(500〜750nm)でのスペクトル強度が大きくなっており、実施例4に係る光変換用セラミックス複合材料の光変換効率が高くなっていることが分かる。
(実施例7〜12)
La以外の原料混合粉末100gに添加する添加剤をSrCOとし、SrCO添加量を表1のとおりとした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例7〜12に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定を行い、光変換用セラミックス複合材料が、YAl12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および最大蛍光強度を測定した。後述する比較例1に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の、実施例7〜12に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度の相対値を相対蛍光強度として算出した。
また、実施例7〜12に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表1に、実施例7〜12に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、実施例7〜12に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。光変換用セラミックス複合材料が、実施例7〜12のように、SrO換算で1.5質量%以下のSrを含むと、SrもBaも含まない光変換用セラミックス複合材料や、1.5質量%超のSrまたはBaを含む光変換用セラミックス複合材料と比較して、外部量子効率が大きくなり、その光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)も大きくなった。また、光変換用セラミックス複合材料のSrの含有量が、SrO換算で0.3質量%以上0.7質量%以下の範囲では、外部量子効率、相対蛍光強度、および、光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)が特に大きくなった。
図2に、実施例8、及び、比較例1の光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの発光スペクトルを示す。比較例1に比べ、実施例8の蛍光波長域(500〜750nm)でのスペクトル強度が大きくなっており、実施例8に係る光変換用セラミックス複合材料の光変換効率が高くなっていることが分かる。
(比較例1)
La以外の原料混合粉末100gに、BaCOを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定を行い、光変換用セラミックス複合材料が、YAl12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および最大蛍光強度を測定した。
また、比較例1に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表1に、比較例1に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、比較例1に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。比較例1に係る光変換用セラミックス複合材料を、460nmの波長の光で励起した場合の、比較例1に係る光変換用セラミックス複合材料の主波長は562nmで、外部量子効率は88.0%であった。前述した実施例1〜12、後述する比較例2〜5の光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度は、比較例1に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の相対値で表している。また、比較例1に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)は0.328であった。
(比較例2、3)
La以外の原料混合粉末100gに添加するBaCO量を表1のとおりとした以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2、3に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定行い、光変換用セラミックス複合材料が、YAl12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および最大蛍光強度を測定した。比較例1に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の、比較例2、3に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度の相対値を相対蛍光強度として算出した。
また、比較例2、3に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表1に、比較例2、3に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、比較例2、3に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。光変換用セラミックス複合材料が、比較例2、3のように、BaO換算で1.5質量%超のBaを含むと、外部量子効率、相対蛍光強度、および、その光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)は、本発明に係る光変換用セラミックス複合材料だけでなく、BaもSrも含まない光変換用セラミックス複合材料と比べても小さくなった。
(比較例4、5)
La以外の原料混合粉末100gに添加するSrCO量を表1のとおりとした以外は、実施例7と同様の方法で、比較例4、5に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定行い、光変換用セラミックス複合材料が、YAl12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および最大蛍光強度を測定した。比較例1に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の、比較例4、5に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度の相対値を相対蛍光強度として算出した。
また、比較例4、5に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表1に、比較例4、5に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、比較例4、5に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。光変換用セラミックス複合材料のSrの含有量が、比較例4、5のように、SrO換算で1.5質量%超であると、外部量子効率、相対蛍光強度、および、その光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)は、本発明に係る光変換用セラミックス複合材料(実施例7〜12)だけでなく、SrもBaも含まない光変換用セラミックス複合材料(比較例1)と比べても小さくなった。
(実施例13)
α−Al粉末(純度99.99%)55.36g、Y粉末(純度99.9%)40.53g、Gd粉末(純度99.9%)3.46g、CeO粉末(純度99.9%0.66g、およびBaCO(純度99.9%)0.5gを秤量し、原料としたこと以外は実施例1と同様の方法で、(Y、Gd)Al12:CeおよびAlからなる仮焼粉末を得た。仮焼粉末が、(Y、Gd)Al12:Ceおよびα−Alからなることは、実施例1と同様にX線回折分析によって確認した。得られた仮焼粉末に、実施例1と同様に、仮焼粉末100質量%に対して6.67質量%のLa粉末(純度99.9%)を添加し、混合し、成形し、焼成して、実施例13に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定を行い、(Y、Gd)Al12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。BaCO以外の原料組成から求められる、実施例13に係る光変換用セラミックス複合材料の組成式は、0.76((Y0.94Gd0.05Ce0.01Al12)・0.24(LaAl1118)である。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率、および最大蛍光強度を測定した。後述する比較例6に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の、実施例13に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度の相対値を相対蛍光強度として算出した。
また、実施例13に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表2に、実施例13に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率、および相対蛍光強度と、実施例13に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。460nmの波長の光で励起した場合の、実施例13に係る光変換用セラミックス複合材料の主波長は564nmで、外部量子効率は89.0%、相対蛍光強度は103%と、BaOを含有しない後述する比較例6に比べて高い値を示した。また、実施例13に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)は0.332と、比較例6に比べて高い値を示した。
(実施例14、15)
La以外の原料混合粉末100gに添加するBaCO量を表2のとおりとした以外は、実施例13と同様の方法で、実施例14、15に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定行い、光変換用セラミックス複合材料が、(Y、Gd)Al12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率、および最大蛍光強度を測定した。後述する比較例6に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の、実施例14、15に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度の相対値を相対蛍光強度として算出した。
また、実施例14、15に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表2に、実施例14、15に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、実施例14、15に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。光変換用セラミックス複合材料が、実施例14、15のように、BaO換算で1.5質量%以下のBaを含むと、BaもSrも含まない光変換用セラミックス複合材料と比較して、外部量子効率も相対蛍光強度も大きくなり、光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)も大きくなった。
(実施例16)
La以外の原料混合粉末100gに添加する添加剤をSrCOとし、SrCO添加量を表2のとおりとした以外は、実施例13と同様の方法で、実施例16に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定を行い、光変換用セラミックス複合材料が、(Y、Gd)Al12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および最大蛍光強度を測定した。後述する比較例6に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の、実施例16に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度の相対値を相対蛍光強度として算出した。
また、実施例16に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表2に、実施例16に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率、および相対蛍光強度と、実施例16に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。光変換用セラミックス複合材料が、実施例16のように、SrO1.5質量%以下のSrを含むと、SrもBaも含まない変換用セラミックス複合材料と比較して、外部量子効率も相対蛍光強度も大きくなり、その光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)も大きくなった。
(比較例6)
La以外の原料混合粉末100gに、BaCOを添加しなかったこと以外は、実施例13と同様の方法で、比較例6に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定を行い、光変換用セラミックス複合材料が、(Y、Gd)Al12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率、および最大蛍光強度を測定した。
また、比較例6に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表2に、比較例6に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率、および相対蛍光強度と、比較例6に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。比較例6に係る光変換用セラミックス複合材料を、460nmの波長の光で励起した場合の、比較例6に係る光変換用セラミックス複合材料の主波長は563nmで、外部量子効率は87.2%であった。前述した実実施例13〜16の光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度は、比較例6に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の相対値で表している。また、比較例6に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)は0.325であった。
(実施例17、18)
α−Al粉末(純度99.99%)42.18g、Lu粉末(純度99.9%)57.32g、CeO粉末(純度99.9%)0.50g、およびBaCO(純度99.9%)1.0g、又は、SrCO(純度99.9%)1.0gを秤量し、原料としたこと以外は実施例1と同様の方法で、LuAl12:CeおよびAlからなる仮焼粉末を得た。仮焼粉末が、LuAl12:Ceおよびα−Alからなることは、実施例1と同様にX線回折分析によって確認した。得られた仮焼粉末に、実施例1と同様に、仮焼粉末100質量%に対して5.08質量%のLa粉末(純度99.9%)を添加し、混合し、成形し、焼成して、実施例17、18に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定を行い、LuAl12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。BaCO、SrCO以外の原料組成から求められる、実施例17、18に係る光変換用セラミックス複合材料の組成式は、0.76((Lu0.99Ce0.01Al12)・0.24(LaAl1118)である。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、内部量子効率、外部量子効率および最大蛍光強度を測定した。後述の比較例7に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の、実施例17、18に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度の相対値を相対蛍光強度として算出した。
また、実施例17、18に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表3に、実施例17、18に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、実施例17、18に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。光変換用セラミックス複合材料が、実施例17、18のように、BaO換算1.50質量%以下のBaを含む、あるいはSrO換算で1.5質量%以下のSrを含むと、後述するBaもSrも含まない光変換用セラミックス複合材料と比較して、外部量子効率も相対蛍光強度も大きくなり、その光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)も大きくなった。
(比較例7)
La以外の原料混合粉末100gに、BaCOを添加しなかったこと以外は、実施例17と同様の方法で、比較例7に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定を行い、光変換用セラミックス複合材料が、LuAl12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および最大蛍光強度を測定した。
また、比較例7に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表3に、比較例7に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、比較例7に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。比較例7に係る光変換用セラミックス複合材料を、460nmの波長の光で励起した場合の、比較例7に係る光変換用セラミックス複合材料の主波長は544nmで、外部量子効率は80.1%であった。実施例17、18の光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度は、比較例7に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の相対値で表している。また、比較例7に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)は0.299であった。
(実施例19)
α−Al粉末(純度99.99%)42.94g、Lu粉末(純度99.9%)28.88g、Tb粉末(純度99.9%)27.68g、CeO粉末(純度99.9%)0.51g、およびBaCO(純度99.9%)0.3gを秤量し、原料としたこと以外は実施例1と同様の方法で、(Lu、Tb)Al12:CeおよびAlからなる仮焼粉末を得た。仮焼粉末が、(Lu、Tb)Al12:Ceおよびα−Alからなることは、実施例1と同様にX線回折分析によって確認した。得られた仮焼粉末に、実施例1と同様に、仮焼粉末100質量%に対して5.17質量%のLa粉末(純度99.9%)を添加し、混合し、成形し、焼成して、実施例19に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定を行い、(Lu、Tb)Al12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。BaCO以外の原料組成から求められる、実施例19に係る光変換用セラミックス複合材料の組成式は、0.76((Lu0.49Tb0.50Ce0.01Al12)・0.24(LaAl1118)である。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、内部量子効率、外部量子効率および最大蛍光強度を測定した。後述の比較例8に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の、実施例19に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度の相対値を相対蛍光強度として算出した。
また、実施例19に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表4に、実施例19に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、実施例19に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。光変換用セラミックス複合材料が、実施例19のように、BaO換算で1.5質量%以下のBaを含むと、後述する、BaもSrも含まない光変換用セラミックス複合材料や、1.5質量%超のBaを含む光変換用セラミックス複合材料と比較して、外部量子効率も相対蛍光強度も大きくなり、その光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)も大きくなった。
(実施例20〜23)
La以外の原料混合粉末100gに添加するBaCO量を表5のとおりとした以外は、実施例19と同様の方法で、実施例20〜23に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定を行い、(Lu、Tb)Al12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および最大蛍光強度を測定した。後述の比較例8に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の、実施例20〜23に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度の相対値を相対蛍光強度として算出した。
また、実施例20〜23に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表4に、実施例20〜23に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、実施例20〜23に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。光変換用セラミックス複合材料が、実施例20〜23のように、BaO換算で1.5質量%以下のBaを含むと、後述する、BaもSrも含まない光変換用セラミックス複合材料や、1.5質量%超のBaを含む光変換用セラミックス複合材料と比較して、外部量子効率も相対蛍光強度も大きくなり、その光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)も大きくなった。また、光変換用セラミックス複合材料のBaの含有量が、BaO換算で0.4質量%以上1.1質量%以下の範囲では、外部量子効率、相対蛍光強度、および、光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)が特に大きくなった。
実施例20、22の光変換用セラミックス複合材料の表面を走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製 JXA−8530F)にて撮影した反射電子像SEM写真を図3、図4に示す。また、図3、図4に示す粒子((a)〜(d))のWDS分析を行い、各粒子の組成分析を行った。結果を表5に示す。
図3の粒子(a)は、表5に示す組成分析結果から、蛍光相に含まれる(Lu、Tb)Al12:Ce粒子であり、粒子(b)は、表5に示す組成分析結果から、透光相に含まれるLaAl1118粒子であることが分かった。粒子(b)、すなわち透光相に含まれるLaAl1118粒子中でのみBaが検出され、粒子(a)、すなわち蛍光相に含まれる(Lu、Tb)Al12:Ce粒子中からBaは検出されなかった。同様に、図4の粒子(c)は、表5に示す組成分析結果から、蛍光相である(Lu、Tb)Al12:Ce粒子であり、粒子(d)は、表5に示す組成分析結果から、透光相であるLaAl1118粒子であることが分かる。粒子(d)でのみ、Baが検出されており、添加されたBa元素は、蛍光相である(Lu、Tb)Al12:Ce粒子中には存在せず、透光相であるLaAl1118粒子中に存在していることが分かる。また、添加したBaCOの量に伴い、透光相であるLaAl1118粒子で検出されるBa量が増加していることが分かる。
上述したように、本発明に係る光変換用セラミックス複合材料において、Baは、蛍光相に含まれる(Lu、Tb)Al12:Ce粒子中には実質的には存在せず、透光相に含まれるLaAl1118粒子中に存在している。これは、Baのイオン半径(1.36Å)がLaのそれ(1.045Å)と近い値であり、LaAl1118結晶のLaサイトの一部を置換しているためと考えられる。また、Srのイオン半径(1.13Å)もLaのそれと近い値にあることから、同様の結果となる。一方、蛍光相に含まれるLn(Al1−xGa12:Ceを構成するLn(Y、Lu、Gd、Tb)のイオン半径は、Laのそれよりも小さく、BaまたはSrによる置換は起き難いので、その結果、BaまたはSrは、透光相に含まれるLaAl1118粒子中に存在するものと考えられる。
(実施例24〜28)
La以外の原料混合粉末100gに添加する添加剤をSrCOとし、SrCO添加量を表4のとおりとした以外は、実施例19と同様の方法で、実施例24〜28に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定行い、光変換用セラミックス複合材料が、(Lu、Tb)Al12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および最大蛍光強度を測定した。後述の比較例8に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の、実施例24〜28に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度の相対値を相対蛍光強度として算出した。
また、実施例24〜28に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表4に、実施例24〜28に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、実施例24〜28に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。光変換用セラミックス複合材料が、実施例24〜28のように、SrO換算で1.5質量%以下のSrを含むと、後述する、SrもBaも含まない光変換用セラミックス複合材料や、1.5質量%超のSrを含む光変換用セラミックス複合材料と比較して、外部量子効率も相対蛍光強度も大きくなり、実施例24〜28に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)も大きくなった。また、光変換用セラミックス複合材料のSrの含有量が、SrO換算で0.3質量%以上0.7質量%以下の範囲では、外部量子効率、相対蛍光強度、および、光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)が特に大きくなった。
(実施例29)
La以外の原料混合粉末100gに添加する添加剤をBaCOとSrCOとし、添加量を表4のとおりとした以外は、実施例19と同様の方法で、実施例29に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定行い、光変換用セラミックス複合材料が、(Lu、Tb)Al12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および最大蛍光強度を測定した。後述の比較例8に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の、実施例29に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度の相対値を相対蛍光強度として算出した。
また、実施例29に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表4に、実施例29に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、実施例29に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。光変換用セラミックス複合材料が、実施例29のように、BaOおよびSrO換算で、1.5質量%以下のBaおよびSrを含むと、後述する、BaもSrも含まない光変換用セラミックス複合材料や、1.5質量%超のBaまたはSrを含む光変換用セラミックス複合材料と比較して、外部量子効率も相対蛍光強度も大きくなり、実施例29に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)も大きくなった。
(比較例8)
La以外の原料混合粉末100gに、BaCOを添加しなかったこと以外は、実施例19と同様の方法で、比較例8に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定を行い、光変換用セラミックス複合材料が、(Lu、Tb)Al12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および最大蛍光強度を測定した。
また、比較例8に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表4に、比較例8に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、比較例8に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。比較例8に係る光変換用セラミックス複合材料を、460nmの波長の光で励起した場合の、比較例8に係る光変換用セラミックス複合材料の主波長は564nmで、外部量子効率は79.4%であった。実施例19〜29の光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度は、比較例8に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の相対値で表している。また、比較例8に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)は0.258であった。
(比較例9、10)
La以外の原料混合粉末100gに添加するBaCO量を表4のとおりとした以外は、実施例19と同様の方法で、比較例9、10に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定を行い、光変換用セラミックス複合材料が、(Lu、Tb)Al12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および最大蛍光強度を測定した。比較例8に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の、比較例9、10に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度の相対値を相対蛍光強度として算出した。
また、比較例9、10に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表4に、比較例9、10に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、比較例9、10に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。光変換用セラミックス複合材料が、比較例9、10のように、BaO換算で1.5質量%超のBaを含むと、外部量子効率、相対蛍光強度、および、その光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)は、本発明に係る光変換用セラミックス複合材料だけでなく、BaもSrを含まない光変換用セラミックス複合材料(比較例8)と比べても小さくなった。
(比較例11、12)
La以外の原料混合粉末100gに添加するSrCO量を表5のとおりとした以外は、実施例24と同様の方法で、比較例11、12に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定を行い、光変換用セラミックス複合材料が、(Lu、Tb)Al12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および最大蛍光強度を測定した。比較例8に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の、比較例11、12に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度の相対値を相対蛍光強度として算出した。
また、比較例11、12に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表4に、比較例11、12に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、比較例11、12に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。光変換用セラミックス複合材料が、比較例11、12のように、SrO換算で1.5質量%超のSrを含むと、外部量子効率、相対蛍光強度、および、その光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)は、本発明に係る光変換用セラミックス複合材料だけでなく、BaもSrも含まない光変換用セラミックス複合材料(比較例8)と比べても小さくなった。
(実施例30、31)
α−Al粉末(純度99.99%)43.70g、Tb粉末(純度99.9%)55.78g、CeO粉末(純度99.9%)0.52g、およびBaCO(純度99.9%)1.0g、又は、SrCO(純度99.9%)1.0gを秤量し、原料としたこと以外は実施例1と同様の方法で、TbAl12:CeおよびAlからなる仮焼粉末を得た。仮焼粉末が、TbAl12:Ceおよびα−Alからなることは、実施例1と同様にX線回折分析によって確認した。得られた仮焼粉末に、実施例1と同様に、仮焼粉末100質量%に対して5.27質量%のLa粉末(純度99.9%)を添加し、混合し、成形し、焼成して、実施例30、31に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定を行い、TbAl12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。BaCO、SrCO以外の原料組成から求められる、実施例30、31に係る光変換用セラミックス複合材料の組成式は、0.76(Tb0.99Ce0.01Al12・0.24(LaAl1118)である。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および最大蛍光強度を測定した。後述する比較例13に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の、実施例30、31に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度の相対値を相対蛍光強度として算出した。
また、実施例30、31に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表6に、実施例30、31に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、実施例30、31に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。光変換用セラミックス複合材料が、実施例30、31のように、BaO換算で1.5質量%以下のBaおよびSrを含むと、BaもSrも含まない光変換用セラミックス複合材料と比較して、外部量子効率も相対蛍光強度も大きくなり、実施例30、31に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)も大きくなった。
(比較例13)
La以外の原料混合粉末100gに、BaCOを添加しなかったこと以外は、実施例30と同様の方法で、比較例13に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定を行い、光変換用セラミックス複合材料が、TbAl12:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および最大蛍光強度を測定した。
また、比較例13に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表6に、比較例13に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、比較例13に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。比較例13に係る光変換用セラミックス複合材料を、460nmの波長の光で励起した場合の、比較例13に係る光変換用セラミックス複合材料の主波長は575nmで、外部量子効率は78.2%であった。前述した実施例30、31の光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度は、比較例13に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の相対値で表している。また、比較例13に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)は0.240であった。
(実施例32、33)
α−Al粉末(純度99.99%)39.38g、Ga粉末(純度99.99%)3.81g、Lu粉末(純度99.9%)56.32g、CeO粉末(純度99.9%)0.49g、およびBaCO(純度99.9%)1.0g、又は、SrCO(純度99.9%)1.0gを秤量し、原料としたこと以外は実施例1と同様の方法で、Lu(Al0.95Ga0.0512:CeおよびAlからなる仮焼粉末を得た。仮焼粉末が、Lu(Al0.95Ga0.0512:Ceおよびα−Alからなることは、実施例1と同様にX線回折分析によって確認した。得られた仮焼粉末に、実施例1と同様に、仮焼粉末100質量%に対して4.75質量%のLa粉末(純度99.9%)を添加し、混合し、成形し、焼成して、実施例32、33に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定を行い、Lu(Al0.95Ga0.0512:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。BaCO、SrCO以外の原料組成から求められる、実施例32、33に係る光変換用セラミックス複合材料の組成式は、0.76((Lu0.99Ce0.01(Al0.95Ga0.0512)・0.24(LaAl1118)である。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および最大蛍光強度を測定した。後述する比較例14に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の、実施例32、33に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度の相対値を相対蛍光強度として算出した。
また、実施例32、33に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表7に、実施例32、33に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、実施例32、33に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。光変換用セラミックス複合材料が、実施例32、33のように、BaO換算で1.5質量%以下のBaを含む、あるいは、SrO換算で1.5質量%以下のSrを含むと、外部量子効率も相対蛍光強度も大きくなり、実施例32、33に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)も大きくなった。
(比較例14)
La以外の原料混合粉末100gに、BaCOを添加しなかったこと以外は、実施例32と同様の方法で、比較例14に係る光変換用セラミックス複合材料を得た。実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料を構成する結晶相の同定を行い、光変換用セラミックス複合材料が、Lu(Al0.95Ga0.0512:Ce、LaAl1118から構成されていることを確認した。また、実施例1と同様の方法で、得られた光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および最大蛍光強度を測定した。
また、比較例14に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いて、実施例1と同様にして白色発光ダイオードを作製し、その規格化光束(φv/Bφe)を測定した。
表7に、比較例14に係る光変換用セラミックス複合材料の、460nmの波長の光で励起した場合の、蛍光の主波長、吸収率、内部量子効率、外部量子効率および相対蛍光強度と、比較例14に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として用いた白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)を示す。比較例14に係る光変換用セラミックス複合材料を、460nmの波長の光で励起した場合の、比較例14に係る光変換用セラミックス複合材料の主波長は546nmで、外部量子効率は82.8%であった。前述した実施例32、33の光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度は、比較例14に係る光変換用セラミックス複合材料の最大蛍光強度を100%とした場合の相対値で表している。また、比較例14に係る光変換用セラミックス複合材料を光変換部材として適用した白色発光ダイオードの規格化光束(φv/Bφe)は0.299であった。

Claims (12)

  1. Ln(Al1−xGa12:Ce(LnはY、Lu、GdおよびTbから選択される少なくとも一種の元素であり、Ceは賦活元素であり、xは0≦x<1である)を含む蛍光相と、LaAl(yは11≦y≦16.2であり、zは18≦z≦25.8である)を含む透光相とから構成される光変換用セラミックス複合材料であって、
    前記光変換用セラミックス複合材料の総量に対して、酸化物換算で1.5質量%以下のBaおよび/またはSrを含むことを特徴とする光変換用セラミックス複合材料。
  2. 前記光変換用セラミックス複合材料の総量に対するBaの含有量が、酸化物換算で0.4質量%以上1.1質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の光変換用セラミックス複合材料。
  3. 前記光変換用セラミックス複合材料の総量に対するSrの含有量が、酸化物換算で0.3質量%以上0.7質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の光変換用セラミックス複合材料。
  4. 前記透光相に含まれるLaAl(yは11≦y≦16.2であり、zは18≦z≦25.8である)が、Baおよび/またはSrを含むことを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載の光変換用セラミックス複合材料。
  5. 前記透光相に含まれるLaAl(yは11≦y≦16.2であり、zは18≦z≦25.8である)における、La、BaおよびSrの総和に対する、BaおよびSrの原子比率が、0.01以上0.33以下であることを特徴とする請求項4記載の光変換用セラミックス複合材料。
  6. 前記透光相に含まれるLaAl(yは11≦y≦16.2であり、zは18≦z≦25.8である)における、LaおよびBaの総和に対するBaの原子比率が、0.01以上0.3以下であることを特徴とする請求項4または5記載の光変換用セラミックス複合材料。
  7. 前記透光相に含まれるLaAl(yは11≦y≦16.2であり、zは18≦z≦25.8である)における、LaおよびSrの総和に対するSrの原子比率が、0.05以上0.15以下であることを特徴とする請求項4または5記載の光変換用セラミックス複合材料。
  8. 発光素子と、請求項1〜7いずれか一項に記載の光変換用セラミックス複合材料とを備えることを特徴とする発光装置。
  9. 前記発光素子が、発光ダイオード素子またはレーザーダイオード素子であることを特徴とする請求項8記載の発光装置。
  10. Al源化合物と、Ln源化合物(LnはY、Lu、GdおよびTbから選択される少なくとも一種の元素である。)と、Ce源化合物と、Ba源化合物および/またはSr源化合物とを含む混合粉末を仮焼する仮焼工程と、
    前記仮焼工程で得られた仮焼粉末100質量%に対して、酸化物換算で1〜50質量%のLa源化合物を添加したLa含有混合粉末を焼成する焼成工程とを備えることを特徴とする請求項1〜7いずれか一項に記載の光変換用セラミックス複合材料の製造方法。
  11. 前記焼成工程後に、不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中、1100〜1600℃で熱処理する熱処理工程を備えることを特徴とする請求項10記載の光変換用セラミックス複合材料の製造方法。
  12. 前記La含有混合粉末は、プレス成形法、シート成形法、および押し出し成形法から選択される少なくとも一種の成形法により成形された後に焼成されることを特徴とする請求項10または11記載の光変換用セラミックス複合材料の製造方法。
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