JP6205818B2 - 波長変換部材及びそれを用いた発光装置 - Google Patents

波長変換部材及びそれを用いた発光装置 Download PDF

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Description

本発明は、波長変換部材とその製造方法、及び、波長変換部材と半導体発光素子とを組み合わせた発光装置とに関するものである。特に、橙色の発光色を有する窒化物蛍光体粉末を含有する波長変換部材とその製造方法、並びに前記橙色の発光色を有する波長変換部材と紫外から青色の発光色を有する半導体発光素子とを組み合わせた発光装置に関するものである。
近年、発光装置として、GaN等の青色発光ダイオードと波長変換部材とを組み合わせた白色LEDが広く使用されるようになっている。波長変換部材としては、蛍光体粒子が一般的であり、蛍光体粒子を樹脂に分散させたものが用いられている。しかし、樹脂に蛍光体粒子を分散させた波長変換部材は、樹脂の耐熱性などの問題から、耐久性が十分でないなどの問題がある。
一方、特許文献1のように波長変換部材として、ガラス中に蛍光体粉末を分散させた波長変換部材の開発も行われている。さらには、特許文献2に示すように、波長変換部材として多結晶セラミックスを使用する試みも行われている。
前記、ガラス中に蛍光体粉末を分散させた波長変換部材や、多結晶セラミックスの蛍光体材料は、Ceを賦活剤としたアルミニウム・ガーネット系蛍光体(YAG:Ce蛍光体)であり、青色発光ダイオードの青色とYAG:Ce蛍光体の黄色の発光色とを組み合わせた疑似白色発光装置の開発に関するものである。
一方、疑似白色LED以外の発光装置として、特許文献3に示されているように、車両用標識灯として、半導体発光素子を光源に使用するという試みもなされており、波長変換部材としては、橙色から赤色の発光色を有する波長変換部材も必要とされている。
特開2003−258308号公報 特開2010−27704号公報 特開2009−96883号公報
橙色から赤色の発光色を有する波長変換部材として、ガラスに蛍光体粉末を分散させた光変換部材が考えられるが、実用に値する高輝度な波長変換部材が求められているにもかかわらず、ガラスと蛍光粉末との界面の影響もあり、蛍光強度は十分ではなく、さらなる改良が求められている。
本発明は、590〜610nmの蛍光ピーク波長を有する波長変換部材について、従来よりも高効率な波長変換部材を提供すること、及び、波長変換部材と半導体発光素子とを組み合わせた従来よりも高効率な発光装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、特定の酸窒化物蛍光体粉末をガラスに分散させた波長変換部材が、300nm〜500nmの波長の光により励起されることで、ピーク波長が590nmから610nmの広い波長域で蛍光を発し、その際の変換効率が大きいことを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、ガラス中に酸窒化物蛍光体粉末が分散された波長変換部材であって、
前記酸窒化物蛍光体粉末は、組成式:
Cax1Eux2Si12−(y+z)Al(y+z)16−z
(ただし、式中、x1、x2、y、zは、0<x1≦3.40、0.05≦x2≦0.20、3.5<y≦7.0、0≦z≦1.0)で表される理論量に対して1.1〜11.5質量%過剰の酸素を含有する酸窒化物蛍光体粉末であることを特徴とする波長変換部材に関する。
好ましくは、前記x1、x2、y、zは、0<x1≦3.40、0.05≦x2≦0.20、4.0≦y≦6.5、0≦z≦1.0である。
また、好ましくは、前記酸窒化物蛍光体粉末の、前記組成式の理論量よりも過剰の酸素含有量が1.1〜4.0質量%である。
また、本発明の波長変換部材は、300nm〜500nmの光を、ピーク波長が590nm〜610nmの光に変換することを特徴とする。
本発明は、組成式:
Cax1Eux2Si12−(y+z)Al(y+z)16−z
(ただし、式中、x1、x2、y、zは、0<x1≦3.40、0.05≦x2≦0.20、3.5<y≦7.0、0≦z≦1.0)で表される理論量に対して1.1〜11.5質量%過剰の酸素を含有する酸窒化物蛍光体粉末とガラス粉末とを混合し、500〜900℃で加熱することを特徴とする前記波長変換部材の製造方法に関する。
本発明の波長変換部材の製造方法において、前記加熱温度が前記ガラスの軟化点+50〜軟化点+300℃であることが好ましい。
また、本発明は、300nm〜500nmの波長の光を発光する半導体発光素子と前記波長変換部材とから構成されている発光装置に関する。
本発明によれば、ガラス中に酸窒化物蛍光体粉末が分散された波長変換部材であって、
前記酸窒化物蛍光体粉末として、組成式:
Cax1Eux2Si12−(y+z)Al(y+z)16−z
(ただし、式中、x1、x2、y、zは、0<x1≦3.40、0.05≦x2≦0.20、3.5<y≦7.0、0≦z≦1.0)で表される理論量に対して1.1〜11.5質量%過剰の酸素を含有する酸窒化物蛍光体粉末を用いることにより、300nm〜500nmの波長の光により励起されることで、ピーク波長が590nmから610nmの広い波長域で蛍光を発し、その際の変換効率が大きい波長変換部材が提供される。
図1は実施例1の透過発光スペクトルを示す図である。
以下、本発明について詳しく説明する。本発明の光変換部材は、ガラス中に酸窒化物蛍光体粉末が分散された波長変換部材であって、前記酸窒化物蛍光体粉末は、組成式:
Cax1Eux2Si12−(y+z)Al(y+z)16−z
(ただし、式中、x1、x2、y、zは、0<x1≦3.40、0.05≦x2≦0.20、3.5<y≦7.0、0≦z≦1.0)で表される理論量に対して1.1〜11.5質量%過剰の酸素を含有する酸窒化物蛍光体粉末であることを特徴とする波長変換部材であり、この光変換部材は、300nm〜500nmの光を、ピーク波長が590nm〜610nmの光に変換することができる。
本発明の波長変換部材は酸窒化物蛍光体粉末として、α型サイアロン蛍光体、特にCa含有α型サイアロンを含む。α型サイアロン、特に、Ca含有α型サイアロンとは、α型窒化ケイ素のSi−N結合の一部がAl−N結合およびAl−O結合に置換され、Caイオンが格子内に侵入固溶して電気的中性が保たれた固溶体である。
本発明の波長変換部材に含まれるα型サイアロン蛍光体は、前記Caイオンに加えてEuイオンが格子内に侵入固溶することで、Ca含有α型サイアロンが賦活されて、300nm〜500nmの光によって励起され、前記一般式で表される黄色から橙色の蛍光を発する蛍光体となる。
一般的な希土類元素を賦活させたα型サイアロン蛍光体は、MeSi12−(m+n)Al(m+n)16−n(Meは、Ca、Mg、Y、又はLaとCeを除くランタニド金属の一種若しくは二種以上)で表され、金属Meは、(Si,Al)(N,O)の4式量を含むα型サイアロンの大きな単位胞3個当たり最低1個から、単位胞1個当たり最高1個まで固溶する。固溶限界は、一般に、金属元素Meが二価のとき、前述の一般式において、0.6<m<3.0、且つ、0≦n<1.5であり、金属Meが三価のとき、0.9<m<4.5、且つ、0≦n<1.5である。この範囲以外ではα型サイアロン単相とはならない。したがって、今までのα型サイアロン蛍光体の検討は、前述の組成範囲内に限られていた。また、α型サイアロン蛍光体では、前記組成式において、m値が大きくなるほど、n値が小さくなるほど、発光波長は長波長化し橙色となることが知られている。
一方、α型サイアロンを軸受部材等のセラミックス部材として使用する試みもなされており、その中で、n値が小さくなる、つまり、酸素濃度が減少した場合には難焼結性となり、内部に空隙を含まない焼結体が得られにくくなることが知られている。そこで、一般的には、焼結助剤等を混合することで緻密質の焼結体を得ようとする試みがなされている。
発明者は、前述の一般的にα型サイアロン単相が得られる組成範囲外についても鋭意検討した結果、前述のα型サイアロン単相が得られる組成範囲の蛍光体に比べ、本願発明のように、従来、α型サイアロン単相が得られない組成領域において、変換効率が飛躍的に向上すること、また、前記組成領域のように低酸素組成領域においても、酸窒化物蛍光体粉末とガラスとの親和性がよく、界面での光の損失が少ない、高効率の波長変換部材を得る製造方法を見出すに至った。
次に、本発明の波長変換部材とその製造方法、及び、波長変換部材と半導体発光素子とを組み合わせた発光装置について具体的に説明する。
本発明の波長変換部材の製造に使用される酸窒化物蛍光体粉末は、組成式:
Cax1Eux2Si12−(y+z)Al(y+z)16−z
において、
0<x1≦3.40、0.05≦x2≦0.20、3.5<y≦7.0、0≦z≦1.0、で表される組成に対して過剰の酸素を含有するように、ケイ素源となる物質と、アルミニウム源となる物質と、カルシウム源となる物質と、ユーロピウム源となる物質とを混合し、焼成して得られる、前記組成式の理論量(理論酸素量)よりも1.1〜11.5質量%過剰の酸素を含有する酸窒化物蛍光体粉末である。
また、本発明の波長変換部材は、前記酸窒化物蛍光体粉末をガラスに分散させた光変換部材であり、酸窒化物蛍光体粉末とガラス粉末とを混合し、500〜900℃で加熱し、ガラス中に酸窒化物蛍光体粉末を分散させることにより得られる。
前記x1及びx2はサイアロンへのCaイオンおよびEuイオンの侵入固溶量を示す値で、x2が0.05より小さく、または0.20より大きくなると、また、x1が3.40より大きくなると、変換効率が小さくなる。
前記yはサイアロンへ金属元素が固溶する際に電気的中性を保つために決められる値で、前記酸窒化物蛍光体粉末では、y=2x1+3x2で表される。式中のx1の係数2はCa含有α型サイアロン蛍光体に固溶するCaイオンの価数から、式中x2の係数3はCa含有α型サイアロン蛍光体に固溶するEuイオンの価数から与えられる数値である。また、本発明の波長変換部材では、α型サイアロンと窒化アルミニウムを含むことから、前記yは、窒化アルミニウムの生成量に関連した値である。つまり、α型サイアロン単相が得られる組成領域を超えるy値となる場合には、窒化アルミニウムやその他のアルミニウム含有酸窒化物が生成することになる。
本発明においては、前記y及びzの範囲は、3.5<y≦7.0、0≦z≦1.0である。yおよびzがこの範囲の組成である場合、変換効率の高い波長変換部材が提供される。
前記yが7.0より大きくなると生成する窒化アルミニウム結晶相の量が大きく成り過ぎ、変換効率が小さくなる。また、前記yが3.5より小さくなると、変換効率が小さくなるとともに、発光ピーク波長が590nmより小さくなる。さらに、前記zはα型サイアロンへの酸素の置換固溶量に関する値である。zが1より大きくなると、発光ピーク波長が590nmより小さくなる。さらに、1≦y<2.3、0≦z<1.5、または、2.3≦y≦3.5、0≦z<1.0の範囲では、変換効率が小さくなる。また、0≦y<1.0、0≦z<1.5の範囲ではβ型サイアロンが生成し、変換効率が低くなる。
また、本発明においては、前記y及びzの範囲は、4.0≦y≦6.5、0≦z≦1.0であることが好ましい。yおよびzがこの範囲の組成である場合、変換効率がより大きい高効率な波長変換部材が提供される。
本発明に係る酸窒化物蛍光体は、CuKα線を用いたX線回折(XRD)装置により結晶相を同定すると、三方晶に分類されるα型サイアロン結晶相単独、又は、α型サイアロン結晶相と六方晶に分類される窒化アルミニウム結晶相とからなり、これらの結晶相以外に、酸窒化アルミニウム結晶相(Al2.813.560.44)結晶相を含む場合もある。窒化アルミニウム結晶相および酸窒化アルミニウム結晶相が多くなりすぎると、変換効率が小さくなる。酸窒化物蛍光体に含まれる窒化アルミニウム結晶相の含有量としては、0質量%より大きく15質量%より小さいことが好ましい。この範囲で窒化アルミニウム結晶相を含んだ場合には、変換効率が大きくなる。
XRD測定における結晶相の同定は、X線パターン解析ソフトを用いて行うことができる。解析ソフトとしては、リガク社製PDXL等が挙げられる。尚、酸窒化物蛍光体のXRD測定および格子定数の精密化、リートベルト法による結晶相の定量化は、リガク社製X線回折装置(Ultima IV Protectus)および解析ソフト(PDXL)を用いて行った。
本発明の波長変換部材は、公知の発光ダイオード等の発光源と組み合わせられて、発光装置として各種表示装置に用いることができる。
特に、励起光のピーク波長が300〜500nmの範囲にある発光源は、本発明の波長変換部材に好適である。紫外領域では、波長変換部材の発光効率が高く、良好な性能の発光素子を構成することが可能である。また、青色の光源でも発光効率は高く、本発明の波長変換部材の橙色の蛍光により、車両用標識灯等の各種表示装置として用いることができる。
発光装置の透過発光特性は、積分球を用いた光学測定システムを使用することで評価することができる。具体的には、ピーク波長455nmの発光色を有する半導体発光素子上にシリコーン樹脂を用いて、波長変換部材を接合し、スペクトラ・コープ社製全光束測定システムにより測定できる。変換効率は、下記の式に従い算出した規格化光束を変換効率とした。
次に、本発明の波長変換部材の製造方法について具体的に説明する。本発明の波長変換部材は、組成式:
Cax1Eux2Si12−(y+z)Al(y+z)16−z
(ただし、式中、x1、x2、y、zは、0<x1≦3.40、0.05≦x2≦0.20、3.5<y≦7.0、0≦z≦1.0)で表される理論量に対して1.1〜11.5質量%過剰の酸素を含有する酸窒化物蛍光体粉末とガラス粉末とを混合し、500〜900℃で加熱して得られる。上記組成式となるように各原料を混合する場合、原料の窒化珪素は酸素を含まない原料であるとして、混合割合いを決定する。
原料のケイ素源となる物質は、ケイ素の窒化物、酸窒化物、酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質から選択される。ケイ素源となる物質としては、結晶質窒化ケイ素、又は、非晶質窒化ケイ素が好ましい。結晶質窒化ケイ素、又は、非晶質窒化ケイ素を用いた場合には、酸窒化物蛍光体の変換効率が大きくなり好ましい。特に、結晶質窒化ケイ素を用いる場合には、比表面積が9m/g以上30m/g以下の結晶質窒化ケイ素が、より好ましい。非晶質窒化ケイ素を用いる場合には、比表面積が600m/g以上800m/g以下であることが、より好ましい。結晶質窒化ケイ素の比表面積が9m/g以上30m/g以下、非晶質窒化ケイ素の比表面積が600m/g以上800m/g以下である場合には、変換効率がより大きくなる。
結晶質窒化ケイ素、非晶質窒化ケイ素の比表面積は、島津社製フローソーブ2300型比表面積測定装置(窒素ガス吸着法によるBET法)で測定した。
原料のユーロピウム源となる物質は、ユーロピウムの窒化物、酸窒化物、酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質から選択される。前記組成式でz=0となるように原料を調整する場合には、窒化ユーロピウムを使用することが好ましく。z>0となるように原料を調整する場合には、酸化ユーロピウム単独、又は、窒化ユーロピウムとの併用とすることが好ましい。
原料のカルシウム源となる物質は、カルシウムの窒化物、酸窒化物、酸化物または熱分解により酸化物となる前駆体物質から選択される。前記組成式でz=0となるように原料を調整する場合には、窒化カルシウムを使用することが好ましく。z>0となるように原料を調整する場合には、炭酸カルシウム単独、又は、窒化カルシウムと併用することが好ましい。
原料のアルミニウム源となる物質としては、酸化アルミニウム、金属アルミニウム、窒化アルミニウムが挙げられ、これらの粉末の夫々を単独で使用しても良く、併用しても良い。
酸窒化物蛍光体の焼成においては、焼結を促進し、より低温でα型サイアロン結晶相を生成させることを目的に、焼結助剤となるLi含有化合物を添加することが好ましい。用いるLi含有化合物としては、酸化リチウム、炭酸リチウム、金属リチウム、窒化リチウムが挙げられ、これらの粉末の夫々を単独で使用しても良く、併用しても良い。また、Li含有化合物の添加量は、酸窒化物焼成物1molに対して、Li元素として0.01〜0.5molが適当である。
ケイ素源となる物質と、ユーロピウム源となる物質と、カルシウム源となる物質と、アルミニウム源となる物質とを混合する方法については、特に制約は無く、それ自体公知の方法、例えば、乾式混合する方法、原料各成分と実質的に反応しない不活性溶媒中で湿式混合した後に溶媒を除去する方法などを採用することができる。混合装置としては、V型混合機、ロッキングミキサー、ボールミル、振動ミル、媒体攪拌ミルなどが好適に使用される。
ケイ素源となる物質と、ユーロピウム源となる物質と、カルシウム源となる物質と、アルミニウム源となる物質との混合物を、不活性ガス雰囲気中、1500〜2000℃の温度範囲で焼成することで、酸窒化物焼成物を得ることができる。1500℃より低いとα型サイアロンの生成に長時間の加熱を要し、実用的ではない。2000℃より高いと窒化ケイ素およびα型サイアロンが昇華分解し遊離のシリコンが生成するため、好ましくない。不活性ガス雰囲気中、1500〜2000℃の範囲の焼成が可能であれば、焼成に使用される加熱炉については、特に制約は無い。例えば、高周波誘導加熱方式または抵抗加熱方式によるバッチ式電気炉、ロータリーキルン、流動化焼成炉、プッシャ−式電気炉などを使用することができる。混合物を充填するるつぼには、BN製の坩堝、窒化ケイ素製の坩堝、黒鉛製の坩堝、炭化珪素製の坩堝を用いることができる。
酸窒化物焼成物は、解砕、分級を行うことにより、粒度分布がシャープな酸窒化物蛍光体粉末とすることができる。解砕の方法としては、特に限定されるものではないが、ロールクラッシャー、ボールミル、ビーズミル、スタンプミル等の解砕方法を用いることができる。また、分級の方法としては、特に限定されるものではないが、篩分級機、サイクロン分級機、乾式気流分級機等の分級装置を用いることができる。分級を行うことにより、粒子径(D50)の制御が可能となる。粒子径が20μm以下とした場合には、光の散乱が大きくなりやすく、変換効率が小さくなる。粒子径を20μm以上とした場合には、光の散乱が抑制可能となり、変換効率がより大きくなるため好ましい。
酸窒化物蛍光体粉末のD50は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定した粒度分布曲線における50%径である。
酸窒化物蛍光体粉末は、ケイ素源となる物質と、アルミニウム源となる物質と、カルシウム源となる物質と、ユーロピウム源となる物質とを混合し、焼成することにより、前記組成式の理論酸素量よりも過剰の酸素含有量が1.1〜11.5質量%となる。理論酸素量よりも過剰の酸素は、原料中の酸素または雰囲気中の酸素から供給される。例えば、市販の窒化珪素粉末を酸素を含まない原料であるとして、z=0となるように秤量、混合した場合でも、実際は市販の窒化珪素粉末はある程度の酸素を含有するため得られる酸窒化物蛍光体粉末は、0.5〜1.0質量%程度の酸素を含有する。これは、原料に含まれる微量の不純物酸素や、酸窒化物蛍光体粉末の表面に存在する酸素を含んだ非晶質相に起因するものである。本発明の酸素量は、前記した原料起因の不純物酸素や、前記非晶質相に含まれる酸素も含んだ酸素濃度である。
酸窒化物蛍光体粉末の前記組成式の理論酸素量よりも多い酸素量が、1.1質量%より少ない場合は、ガラスとの親和性が悪くなる。親和性が悪くなると、300〜500nmの光により励起され、波長変換された光、つまり590nm〜610nmの光が、界面に存在する空隙により散乱され、光の取り出しが著しく悪くなる。そのため、変換効率が著しく小さくなる。また、11.5質量%より多い場合は、酸素含有量が多くなり、組成式から大きく酸素と窒素の含有量が変化するため蛍光体結晶中の電荷補償が大きく崩れ、変換効率が小さくなる。
酸窒化物蛍光体粉末において、前記組成式の理論酸素量よりも過剰の酸素量を1.1〜11.5質量%に調整する具体的方法として、原料中に含まれる不純物酸素濃度を調整する方法がある。例えば、主原料となる結晶質窒化ケイ素、非晶質窒化ケイ素の酸素濃度を調整することで可能である。結晶質窒化ケイ素、非晶質窒化ケイ素は、不純物酸素として1.0質量%以下の不純物酸素を有している。不純物酸素は、窒化ケイ素粒子内に存在する酸素や、粒子表面に存在する酸素がある。不純物酸素を少なくする方法としては、硝酸、フッ酸等の酸を用いて、窒化ケイ素粉末を洗浄処理することにより、行うことができる。また、不純物酸素を多くする方法としては、大気中、又は、窒化ケイ素粉末を酸素含有雰囲気中で熱処理することで可能となる。結晶質窒化ケイ素、非晶質窒化ケイ素に含まれる酸素濃度は、5.0質量%以下が好ましい。酸素濃度が5.0質量%以上となると、前記組成式からの組成のズレが大きくなりすぎ、好ましくない。
原料となる結晶性窒化ケイ素、非晶質窒化ケイ素の比表面積が大きくなるほど、含まれる不純物酸素の濃度は高くなりやすい。さらに、原料となる結晶性窒化ケイ素、又は、非晶質窒化ケイ素の比表面積が大きい場合には、原料である結晶性窒化ケイ素、非晶質窒化ケイ素に含まれる酸素濃度より多くの酸素が、酸窒化物蛍光体粉末中に含まれている。これは、原料である結晶性窒化ケイ素、非晶質窒化ケイ素の比表面積が大きくなることで、表面に吸着している酸素が、酸窒化物蛍光体粉末の製造工程で混入しやすいためである。従って、酸窒化物蛍光体粉末の酸素濃度を調整する場合、原料となる結晶性窒化ケイ素、非晶質窒化ケイ素の比表面積を適切に制御する必要がある。本願発明では、比表面積が9m/g以上30m/g以下の結晶質窒化ケイ素を用いることが好ましく、さらには、比表面積が600m/g以上800m/g以下である非晶質窒化ケイ素を用いることがより好ましい。
酸素量を調整する別の方法として、大気中、又は、酸素含有雰囲気で熱処理をする酸化工程を設けてもよい。この場合には、酸窒化物蛍光体粉末表面に存在する非晶質相の厚みが増加し、酸窒化物蛍光体粉末の酸素量が増大する。熱処理の条件としては、これに限定されるわけではないが、800℃〜1200℃の温度範囲が好ましい。800℃より低い場合には、酸素濃度の増加が見られないか、若しくは、極僅かとなるため好ましくない。一方、1200℃以上となると、急激に酸窒化物蛍光体粉末の酸化が進行し、酸素濃度を制御することが困難となるため好ましくない。熱処理を行う場合の最高温度での保持時間は、特に高い変換効率を得るには、0.5時間以上10時間以下であることが好ましい。
本発明に係る酸窒化物蛍光体粉末の酸素含有量を調整する方法としては、前記の通り、原料の酸素量を調整する方法と、熱処理工程を設ける方法とがあり、これらを併用してもよい。したがって、原料において酸素量を十分に確保している場合は、熱処理工程を設ける必要はなく、原料において酸素量が少ない場合は、熱処理工程の条件を調整することで、必要な過剰酸素を含有する酸窒化物蛍光体粉末を得る事が出来る。
酸窒化物蛍光体粉末の前記組成式の理論酸素量よりも多い酸素量は、1.1〜4.0質量%であることが、より好ましい。前述したように、理論酸素量よりも多い酸素量が、1.1質量%より少ない場合は、光の取り出し効率が悪くなる。また、酸素含有量が4質量%より多くなると、組成式から酸素と窒素の含有量が大きく変化するため蛍光体結晶中の電荷補償が崩れ、変換効率が小さくなるため、好ましくない。
酸窒化物蛍光体粉末の蛍光体粉末表面には、非晶質相が存在してもよい。非晶質相は、結晶に比べて表面エネルギーが高いため、ガラスとの親和性も向上し、蛍光体とガラスとの間に空隙が生じるのを防ぎ、薄い良好な界面層を形成するのに役立つ。この非晶質相の厚みは、1nmより大きく10nmより小さいことが好ましい。界面に空隙が生じると、300〜500nmの光により励起され、波長変換された光、つまり590nm〜610nmの光が、界面に存在する空隙により散乱され、光の取り出しが悪くなる。そのため、変換効率が小さくなる。非晶質相の厚みが10nm以上である場合には、形成されるガラス粉末との界面層の厚みが厚くなり、300〜500nmの光が酸窒化物蛍光体粉末まで到達しにくい、もしくは界面層によって光が吸収されてしまい、変換効率が小さくなるため、好ましくない。
前記非晶質相の厚みを調整する方法としては、前述したように、酸窒化物蛍光体粉末を大気中、若しくは、酸素含有雰囲気中で熱処理する方法や、ケイ素源となる原料の酸素含有量を調整することで可能である。具体的には、非晶質窒化ケイ素を使用することで、得られる酸窒化物蛍光体粉末の非晶質相の厚みを厚くすることができる。また、結晶質窒化ケイ素を使用する場合には、酸素含有量の大きい結晶性窒化ケイ素を使用する、又は、比表面積が大きな結晶性窒化ケイ素を用いることにより、得られる酸窒化物蛍光体粉末の非晶質相の厚みを厚くすることができる。
また、酸窒化物蛍光体粉末の酸素量は、1.4質量%から5.0質量%とすることが好ましい。酸素含有量が1.4質量%から5.0質量%とした場合には、変換効率が大きくなり好ましい。5.0質量%より大きい場合には、発光ピーク波長が590nm以下となりやすく、変換効率が小さくなる。酸窒化物蛍光体の酸素量は、前記組成式のzを制御することで調整することができる。具体的には、所定の酸素濃度となるように、酸素を含む原料を使用することで可能となる。組成式のzを制御し、酸窒化物蛍光体粉末の酸素量を5質量%以上とした場合には、発光ピーク波長が590nm以下となりやすくなるとともに、変換効率が小さくなる。さらに、前述したように、組成式の理論酸素量よりも酸素を増加させる方法もあり、具体的には、原料中に含まれる不純物酸素濃度を調整する方法や、大気中、又は、酸素含有雰囲気で熱処理をする酸化工程を設ける方法もある。
酸窒化物蛍光体粉末、結晶質窒化ケイ素、及び、非晶質窒化ケイ素の酸素含有量はLECO社製酸素窒素同時分析装置で測定することができる。また、酸窒化物蛍光体粉末の表面非晶質相の厚みの測定は、日本電子社製走査型透過電子顕微鏡JEM−2100F型Cs補正STEM(以下STEMと記す)により行うことができる。
本発明の波長変換部材は、例えば、酸窒化物蛍光体粉末とガラス粉末とを混合し、プレス成型法や、シート成型法、押し出し成型法等の予備成型方法によって予備成型し、加熱することによって得られる。
本発明の波長変換部材の厚みとしては、100μm以上300μm以下が好ましい。波長変換部材の厚みが100μmより小さい場合には、加工工程で割れ、欠けなどが発生し、好ましくない。一方、300μmより大きくなる場合には、変換効率が小さくなり好ましくない。
本発明の波長変換部材におけるガラス粉末の含有量は10〜90体積%、特に30〜60体積%であることが好ましい。ガラス粉末の含有量が少なすぎると、緻密性が失われ、好ましくない。ガラス粉末の含有量が多すぎると、相対的に酸窒化物蛍光体粉末の含有量が少なくなり、所望の色の蛍光を得るために、波長変換部材の厚みを厚くしなければならなくなるので、実用的でなくなる。
本発明の波長変換部材における加熱温度は、前記ガラスの軟化点+50〜軟化点+300℃、特に+50〜+200℃であることが好ましい。加熱温度が高すぎる、または、900℃を超えると、酸窒化物蛍光体粉末とガラス粉末との薄い良好な接合界面を形成しにくくなる、または、波長変換部材の変換効率が低くなり、好ましくない。
以下では、具体的例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。
(実施例1)
比表面積が782m/g、酸素濃度が1.28質量%の非晶質窒化ケイ素と窒化ユーロピウム、窒化アルミニウム、窒化カルシウムを、表1の酸窒化物の設計組成となるように窒素パージされたグローブボックス内で秤量し、乾式の振動ミルを用いて混合して、混合粉末を得た。尚、窒化珪素原料の酸素含有量は0質量%とし、各原料の純度は100%として、原料量を算出した。得られた混合粉末を窒化ケイ素製のるつぼに入れて、黒鉛抵抗加熱式の電気炉に仕込み、電気炉内に窒素を流通させながら、常圧を保った状態で、1725℃まで昇温した後、1725℃で12時間保持して、酸窒化物蛍光体粉末を得た。
また、得られた酸窒化物蛍光体粉末の酸素含有量は2.47質量%であり、組成式から計算される酸素含有量である0質量%に対する、酸素含有量の増加は2.47質量%であった。酸素含有量は、LECO社製酸素窒素同時分析装置で測定した。
得られた酸窒化物蛍光体粉末に、酸窒化物蛍光体粉末:ガラス粉末=60:40体積%比率となるように50ZnO−30B−20SiOガラス(軟化点650℃)を添加し、出発原料とした。この出発原料100重量部に対して、ポリビニルブチラール等のバインダ樹脂14.4重量部、フタル酸ジブチル等の可塑剤1.6重量部、分散剤2重量部、沈降防止剤10重量部、トルエン等の有機溶剤100重量部を添加し、混合スラリーとした。その後、この混合スラリーを用いてドクターブレード法によるシート成形を行い、得られたシートを150μm厚みとなるよう、積層化、および温間等方圧プレスにより圧着し、所定の形状となるように生切断した後、大気雰囲気下で一体加熱した。焼成条件は、軟化点+150℃である800℃で4時間保持した。得られた波長変換部材を、本発明の波長変換部材とした。
また、得られた酸窒化物蛍光体粉末とガラス粉末とからなる波長変換部材のXRD測定を行った。波長変換部材は、α型サイアロン結晶相と窒化アルミニウム結晶相、ZnSiO等に代表されるZnとSiとの化合物の結晶相、Zn(BO等に代表されるZnとBとの化合物の結晶相から構成されていた。
さらに、得られた波長変換部材の透過発光特性を評価するために、ピーク波長455nmの発光色を有する半導体発光素子上にシリコーン樹脂を用いて、波長変換部材を接合した。測定は、スペクトラ・コープ社製全光束測定システムにより測定した。得られた発光スペクトルからピーク波長と全光束を求め、変換効率を算出した。実施例1に係る波長変換部材の発光特性を表1に示す。
(実施例2〜17)
酸窒化物蛍光体粉末が表1の設計組成になるように、実施例2〜17に係る原料粉末を秤量し混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で酸窒化物蛍光体粉末を得た。尚、窒化珪素原料の酸素含有量は0質量%とし、各原料の純度は100%として、原料量を算出した。得られた酸窒化物蛍光体粉末の酸素含有量を測定した。また、得られた酸窒化物蛍光体粉末を用いて、実施例1と同様の方法にて、酸窒化物蛍光体粉末とガラスとからなる波長変換部材を作製し、透過発光特性を評価した。その結果を、表1に記載した。
(実施例18〜22)
ガラス粉末の組成を50SiO−30TiO−20KO(軟化点550℃)とし、加熱温度を600℃とした以外は、実施例1と同様の方法で酸窒化物蛍光体粉末を得た。尚、窒化珪素原料の酸素含有量は0質量%とし、各原料の純度は100%として、原料量を算出した。得られた酸窒化物蛍光体粉末の酸素含有量を測定した。また、得られた酸窒化物蛍光体粉末を用いて、実施例1と同様の方法にて、酸窒化物蛍光体粉末とガラスとからなる波長変換部材を作製し、透過発光特性を評価した。その結果を、表1に記載した。
(実施例23〜27)
ガラス粉末の組成を50SiO−20Al−20B−10KO(軟化点600℃)とし、加熱温度を800℃とした以外は、実施例1と同様の方法で酸窒化物蛍光体粉末を得た。尚、窒化珪素原料の酸素含有量は0質量%とし、各原料の純度は100%として、原料量を算出した。得られた酸窒化物蛍光体粉末の酸素含有量を測定した。また、得られた酸窒化物蛍光体粉末を用いて、実施例1と同様の方法にて、酸窒化物蛍光体粉末とガラスとからなる波長変換部材を作製し、透過発光特性を評価した。その結果を、表1に記載した。
(実施例28〜32)
ガラス粉末の組成を50SiO−30B−20Al(軟化点750℃)とし、加熱温度を850℃とした以外は、実施例1と同様の方法で酸窒化物蛍光体粉末を得た。尚、窒化珪素原料の酸素含有量は0質量%とし、各原料の純度は100%として、原料量を算出した。得られた酸窒化物蛍光体粉末の酸素含有量を測定した。また、得られた酸窒化物蛍光体粉末を用いて、実施例1と同様の方法にて、酸窒化物蛍光体粉末とガラスとからなる波長変換部材を作製し、透過発光特性を評価した。その結果を、表1に記載した。
(比較例1〜13)
酸窒化物蛍光体粉末が表1の設計組成になるように、比較例1〜13に係る原料粉末を秤量し混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で酸窒化物蛍光体粉末を得た。尚、窒化珪素原料の酸素含有量は0質量%とし、各原料の純度は100%として、原料量を算出した。得られた酸窒化物蛍光体粉末の酸素含有量を実施例1と同様の方法で測定した。その結果を、表1に記載した。また、得られた酸窒化物蛍光体粉末を用いて、実施例1と同様の方法にて、酸窒化物蛍光体粉末とガラスとからなる波長変換部材を作製し、透過発光特性を評価した。その結果を、表1に記載した。
表1より、実施例1〜10のように、前記組成式において、0<x1≦3.40、0.05≦x2≦0.20、4.0≦y≦6.5、0≦z≦1.0の範囲であり、かつ酸窒化物蛍光体粉末の、前記組成式の理論酸素量よりも過剰の酸素含有量が1.1〜4質量%である酸窒化物蛍光体粉末を用いて作製した波長変換部材が、特に大きな変換効率を有していることが分かる。
表1より、実施例18〜22、実施例23〜27、実施例28〜32を比較すると、ガラスの組成を変えても本発明の波長変換部材は大きな変換効率を有していることが分かる。

Claims (7)

  1. ガラス中に酸窒化物蛍光体粉末が分散された波長変換部材であって、
    前記酸窒化物蛍光体粉末は、
    組成式:
    Cax1Eux2Si12−(y+z)Al(y+z)16−z
    (ただし、式中、x1、x2、y、zは、0<x1≦3.40、0.05≦x2≦0.20、3.5<y≦7.0、0≦z≦1)で表される理論量に対して1.1〜11.5質量%過剰の酸素を含有する酸窒化物蛍光体粉末であることを特徴とする波長変換部材。
  2. 前記x1、x2、y、zは、0<x1≦3.40、0.05≦x2≦0.20、4.0≦y≦6.5、0≦z≦1である請求項1記載の波長変換部材。
  3. 前記酸窒化物蛍光体粉末の、前記組成式の理論量よりも過剰の酸素含有量が1.1〜4質量%であることを特徴とする請求項1または2記載の波長変換部材。
  4. 300nm〜500nmの光を、ピーク波長が590nm〜610nmの光に変換することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長変換部材。
  5. 組成式:
    Cax1Eux2Si12−(y+z)Al(y+z)16−z
    (ただし、式中、x1、x2、y、zは、0<x1≦3.40、0.05≦x2≦0.20、3.5<y≦7.0、0≦z≦1)で表される理論量に対して1.1〜11.5質量%過剰の酸素を含有する酸窒化物蛍光体粉末とガラス粉末とを混合し、500〜900℃で加熱することを特徴とする請求項1記載の波長変換部材の製造方法。
  6. 前記加熱温度が前記ガラスの軟化点+50〜軟化点+300℃であることを特徴とする請求項5記載の波長変換部材の製造方法。
  7. 300nm〜500nmの波長の光を発光する半導体発光素子と請求項1〜4のいずれか一項に記載の波長変換部材とから構成されている発光装置。
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