以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明を行う。
(第1の実施例)
図1から図7は、本発明の第1の実施例及び変形例に係るものである。
医療用システム101は、図1に示すように、被検者の体腔内に挿入可能であるとともに、当該体腔内の生体組織等の被写体を撮像して撮像信号を出力するように構成された内視鏡2と、内視鏡2の内部に挿通配置されたライトガイド(不図示)を介して当該被写体の観察に用いられる照明光を供給するように構成された光源装置3と、内視鏡2から出力される撮像信号に応じた映像信号等を生成して出力するように構成されたプロセッサ4と、プロセッサ4から出力される映像信号に応じた観察画像等を表示するように構成された表示装置5と、還流用配管部材6と、還流装置7と、を有している。図1は、実施例に係る配管接続構造が適用される医療用システムの要部の構成を示す図である。
内視鏡2は、被検者の体腔内に挿入可能な細長形状に形成された挿入部21と、挿入部21の基端側に設けられた操作部22と、を有している。また、内視鏡2は、操作部22から延設されたユニバーサルケーブル28を介し、光源装置3及びプロセッサ4のそれぞれに対して着脱可能な構成を具備している。
具体的には、内視鏡2は、例えば、図1に示すように、ユニバーサルケーブル28の端部のユニバーサルコネクタ29を介し、光源装置3に対して着脱可能に構成されている。また、内視鏡2は、例えば、図1に示すように、ユニバーサルコネクタ29から延設された信号ケーブル29Bの端部のコネクタ29Cを介し、プロセッサ4に対して着脱可能に構成されている。
内視鏡2は、挿入部21の基端部23Bにおいて、還流用配管部材6の一端側に設けられたコネクタ61を着脱可能な構成を具備している。また、内視鏡2は、還流用配管部材6の他端側に設けられたコネクタ62を介し、還流装置7に対して着脱可能に構成されている。
挿入部21の先端部23Aには、先端部23Aの前方に存在する被写体に対し、内視鏡2のライトガイドを経て出射された照明光を照射するためのレンズ等を具備して構成された照明窓(不図示)が設けられている。また、挿入部21の先端部23Aには、照明窓からの照明光により照明された被写体の光学像を得るためのレンズ等を具備する観察窓(不図示)が設けられている。また、挿入部21の先端部23Aには、観察窓により得られた被写体の光学像を撮像することにより撮像信号を生成するとともに、内視鏡2に内蔵された信号線(不図示)を介し、当該生成した撮像信号をプロセッサ4へ出力するように構成されたCCD等のイメージセンサ(不図示)が設けられている。
挿入部21の基端部23Bには、細長の処置具を挿入可能な開口として形成された処置具挿入口24Aが設けられている。また、挿入部21の内部には、処置具挿入口24Aから挿入された処置具を挿通可能な管路として形成された鉗子チャンネル24が設けられている。また、挿入部21の先端部23Aには、鉗子チャンネル24の内部に挿通された処置具を先端部23Aの前方へ突出させることが可能な開口として形成された処置具突出口24Bが設けられている。
挿入部21の内部には、還流装置7から還流用配管部材6を介して供給される気体を流通可能な管路として形成された送気管路25が設けられている。また、挿入部21の先端部23Aには、送気管路25の内部に流通する気体を先端部23Aの前方へ吐出するための開口として形成された送気口25Bが設けられている。
挿入部21の先端部23Aには、先端部23Aの周辺に存在する気体を還流装置7により吸引するための開口として形成された吸気口26Bが設けられている。また、挿入部21の内部には、吸気口26Bから吸引された気体を流通可能な管路として形成された吸気管路26が設けられている。
操作部22は、術者等のユーザが把持して操作することが可能な形状を具備して構成されている。また、操作部22には、ユーザの入力操作に応じた指示をプロセッサ4に対して行うことが可能な1つ以上のスイッチを具備して構成されたスコープスイッチ22Aが設けられている。
光源装置3は、例えば、白色光源を具備し、当該白色光源から発せられる白色光を照明光として供給することができるように構成されている。
プロセッサ4は、コネクタ29Cが接続されている際に、内視鏡2の撮像素子を駆動させるための駆動信号を生成して出力するように構成されている。また、プロセッサ4は、コネクタ29Cが接続されている際に、内視鏡2の撮像素子から出力される撮像信号に対してノイズ除去、ホワイトバランス及びガンマ補正等の信号処理を施すことにより映像信号を生成し、当該生成した映像信号を表示装置5へ出力するように構成されている。
還流用配管部材6のコネクタ61及び62の間には、樹脂等の可撓性を有する材料により形成された送気チューブ63が設けられている。また、還流用配管部材6のコネクタ61及び62の間には、樹脂等の可撓性を有する材料により形成された吸気チューブ64が設けられている。
すなわち、還流用配管部材6は、挿入部21の基端部23Bに接続されるコネクタ61と、還流装置7に接続されるコネクタ62と、還流装置7から供給される気体を送気管路25へ流通させるための送気チューブ63と、吸気管路26を介して吸引される気体を還流装置7へ流通させるための吸気チューブ64と、を有して構成されている。また、送気チューブ63は、被検体の体腔外において、コネクタ61を介して送気管路25に接続されるように構成されている。また、吸気チューブ64は、被検体の体腔外において、コネクタ61を介して吸気管路26に接続されるように構成されている。
還流装置7は、コネクタ62に対して着脱可能に構成されている。また、還流装置7は、被検者の体腔外に配置され、当該被検者の体腔内外で気体を還流させるための吸気機能及び送気機能を具備する装置として構成されている。具体的には、還流装置7は、例えば、図1に示すように、ポンプ装置71と、気液分離器72と、エアフィルタ73と、制御部74と、を有して構成されている。
ポンプ装置71は、制御部74の制御に応じ、先端部23Aの周辺に存在する気体を吸気口26Bから吸気管路26及び吸気チューブ64を介して吸引するための動作(以降、吸気動作とも称する)を行うとともに、送気チューブ63を介して当該吸引した気体を送気管路25へ供給するための動作(以降、送気動作とも称する)を行うように構成されている。
気液分離器72は、ポンプ装置71の吸気動作に応じて吸気チューブ64から還流装置7に流入する気体中に含まれる液体を除去するとともに、当該液体が除去された気体をエアフィルタ73へ流出させるように構成されている。
エアフィルタ73は、気液分離器72から流入する気体をろ過してポンプ装置71へ流出させるように構成されている。
すなわち、以上に述べた構成によれば、ポンプ装置71の吸気動作に応じて吸気口26Bから吸引された気体が気液分離器72及びエアフィルタ73を経て浄化されるとともに、当該浄化された気体がポンプ装置71の送気動作に応じて送気管路25へ供給される。
制御部74は、所定の単位時間毎に内視鏡2に供給する気体の量と、当該所定の単位時間毎に内視鏡2から吸引する気体の量と、を同じまたは略同じにするための制御をポンプ装置71に対して行うように構成されている。換言すると、制御部74は、所定の単位時間毎に所定量だけ内視鏡2に気体を供給するような送気動作を行わせるための制御、及び、当該所定の単位時間毎に当該所定量だけ内視鏡2から気体を吸引するような吸気動作を行わせるための制御をポンプ装置71に対して行うように構成されている。なお、制御部74は、送気動作及び吸気動作を交互に行わせるための制御をポンプ装置71に対して行うように構成されていてもよく、または、送気動作及び吸気動作を同時に行わせるための制御をポンプ装置71に対して行うように構成されていてもよい。
すなわち、還流装置7から被検者の体腔内へ供給される気体の流路は、当該被検者の体腔内に配置される挿入部21に設けられた送気管路25と、当該被検者の体腔外に配置される還流用配管部材6に設けられた送気チューブ63と、を具備して形成されている。また、被検者の体腔内から還流装置7へ吸引される気体の流路は、当該被検者の体腔内に配置される挿入部21に設けられた吸気管路26と、当該被検者の体腔外に配置される還流用配管部材6に設けられた吸気チューブ64と、を具備して形成されている。
次に、本実施例に係る内視鏡2と還流用配管部材6との接続構造の具体例について説明する。なお、本実施例においては、基端部23Bとコネクタ61との接続部分における接続構造を例に挙げて説明する。
基端部23Bには、図2に示すように、送気管路25をコネクタ61に接続するための中空筒状の送気用接続口25Aと、吸気管路26をコネクタ61に接続するための中空筒状の吸気用接続口26Aと、が形成されている。図2は、第1の実施例に係る配管接続構造の具体例を説明するための図である。
送気用接続口25Aは、例えば、吸気用接続口26Aの近傍において、基端部23Bの表面に対して垂直な方向に突出長L1だけ突出して形成されている。
吸気用接続口26Aは、例えば、送気用接続口25Aの近傍において、基端部23Bの表面に対して垂直な方向に突出長L2(>L1)だけ突出して形成されている。すなわち、吸気用接続口26Aは、基端部23Bからの突出長が送気用接続口25Aよりも長くなるように形成されている。
コネクタ61の内部には、図2に示すように、還流装置7から供給される気体が還流用配管部材6を通過する際の出口側の端部において送気チューブ63に連通するように形成された管路である連通路63Aと、還流装置7により吸引される気体が還流用配管部材6を通過する際の入口側の端部において吸気チューブ64に連通するように形成された管路である連通路64Aと、が設けられている。すなわち、コネクタ61の内部には、送気管路25と送気チューブ63とを連通させて接続するための管路である連通路63Aと、吸気管路26と吸気チューブ64とを連通させて接続するための管路である連通路64Aと、が設けられている。
連通路63Aの内部におけるコネクタ61の外部に隣接する箇所には、例えば、図2及び図3に例示するような、ゴム等の弾性材料により形成された弁部材65が設けられている。図3は、第1の実施例に係る配管接続構造の具体例を説明するための図である。
弁部材65は、例えば、送気用接続口25Aの外側面に密着するように弾性変形することにより、送気用接続口25Aを嵌め込むことが可能な構造を具備して形成されている。また、弁部材65は、例えば、図2に示すように、送気用接続口25Aが嵌め込まれていない場合に、すなわち、送気管路25と送気チューブ63との接続が解除されている場合に、連通路63Aを閉塞するような構造を具備して形成されている。また、弁部材65は、例えば、図3に示すように、送気用接続口25Aが嵌め込まれている場合に、すなわち、送気管路25と送気チューブ63との接続が維持されている場合に、連通路63Aを開放するような構造を具備して形成されている。
連通路64Aは、吸気用接続口26Aを嵌め込み可能な形状を具備して形成されている。また、連通路64Aは、例えば、図2に示すように、吸気用接続口26Aが嵌め込まれていない場合に、還流用配管部材6の外部に連通するような構造を具備して形成されている。また、連通路64Aは、例えば、図3に示すように、吸気用接続口26Aが嵌め込まれている場合に、吸気管路26を吸気チューブ64に連通させるような構造を具備して形成されている。
すなわち、以上に述べたような接続構造によれば、送気管路25と送気チューブ63との接続が、吸気管路26と吸気チューブ64との接続よりも常に先に解除される。また、以上に述べた接続構造によれば、送気管路25と送気チューブ63との接続が解除されている場合に、還流装置7から被検者の体腔内へ供給される気体の流路が遮断される。
続いて、本実施例の作用について説明する。
ユーザは、例えば、医療用システム101を使用する前の準備期間において、基端部23Bとコネクタ61とを接続するための作業を行うとともに、還流装置7とコネクタ62とを接続するための作業を行う。
そして、前述のようなユーザの作業に伴い、内視鏡2の挿入部21が挿入される被検者の体腔内と、当該被験者の体腔外と、の間で気体を還流させるための流路が形成される。また、前述のようなユーザの作業に伴い、例えば、図3に示すように、送気用接続口25Aが弁部材65に嵌め込まれ、かつ、吸気用接続口26Aが連通路64Aに嵌め込まれることにより、コネクタ61と基端部23Bとが正常な接続状態で接続される。
ここで、例えば、被験者の体腔内に存在する患部の処置が行われている最中において、当該被験者の体腔外の還流用配管部材6に対して余分な力が加えられた場合に、コネクタ61と基端部23Bとが正常でない接続状態で接続され続けてしまうような状況が生じ得る。
これに対し、本実施例によれば、コネクタ61と基端部23Bとの接続部分における正常でない接続状態の発生を鑑み、突出長L1が突出長L2よりも小さくなるように送気用接続口25A及び26Aを形成することにより、弁部材65に嵌め込まれた送気用接続口25Aが連通路64Aに嵌め込まれた吸気用接続口26Aよりも常に先にコネクタ61から外れるようにしている(図4参照)。また、本実施例によれば、コネクタ61と基端部23Bとの接続部分における正常でない接続状態の発生を鑑み、送気用接続口25Aがコネクタ61から外れた際に、還流装置7から供給される気体の流路が弁部材65により遮断されるようにしている(図4参照)。図4は、第1の実施例に係る配管接続構造の具体例を説明するための図である。
そのため、本実施例によれば、コネクタ61と基端部23Bとの接続状態が正常な接続状態から正常でない接続状態へ変化した場合であっても、送気チューブ63を介して供給される気体を送気管路25へ流通させないようにすることができる。従って、本実施例によれば、体腔内外で流体を還流させつつ体腔内の患部の処置を行う際に、体腔外の空気が当該流体の代わりに体腔内へ供給され続けてしまうことを防止することができる。
なお、本実施例においては、弁部材65の代わりに、例えば、図5及び図6に示すような弁部材66を設けてコネクタ61を構成してもよい。このような本実施例の変形例に係る構成等について、以下に説明する。図5及び図6は、第1の実施例の変形例に係る配管接続構造の具体例を説明するための図である。なお、以降においては、簡単のため、既述の構成等に関する具体的な説明を適宜省略するものとする。
弁部材66は、送気用接続口25Aを嵌め込むことが可能な構造を具備して形成されている。また、弁部材66には、例えば、図5及び図6に示すように、連通路63Aの外部から送気チューブ63側の方向に開く一方で、送気チューブ63から連通路63A側の方向には開かないように形成された蓋体LMが設けられている。
すなわち、弁部材66は、例えば、図5に示すように、送気用接続口25Aが嵌め込まれていない場合に、蓋体LMを開かないように維持することにより、連通路63Aを閉塞するような構造を具備して形成されている。また、弁部材66は、例えば、図6に示すように、送気用接続口25Aが嵌め込まれている場合に、蓋体LMを開くことにより、連通路63Aを開放するような構造を具備して形成されている。
続いて、本変形例の作用について説明する。
ユーザは、例えば、医療用システム101を使用する前の準備期間において、基端部23Bとコネクタ61とを接続するための作業を行うとともに、還流装置7とコネクタ62とを接続するための作業を行う。
そして、前述のようなユーザの作業に伴い、内視鏡2の挿入部21が挿入される被検者の体腔内と、当該被験者の体腔外と、の間で気体を還流させるための流路が形成される。また、前述のようなユーザの作業に伴い、例えば、図6に示すように、送気用接続口25Aが弁部材66に嵌め込まれ、かつ、吸気用接続口26Aが連通路64Aに嵌め込まれることにより、コネクタ61と基端部23Bとが正常な接続状態で接続される。
ここで、例えば、被験者の体腔内に存在する患部の処置が行われている最中において、当該被験者の体腔外の還流用配管部材6に対して余分な力が加えられた場合に、コネクタ61と基端部23Bとが正常でない接続状態で接続され続けてしまうような状況が生じ得る。
これに対し、本変形例によれば、コネクタ61と基端部23Bとの接続部分における正常でない接続状態の発生を鑑み、突出長L1が突出長L2よりも小さくなるように送気用接続口25A及び26Aを形成することにより、弁部材66に嵌め込まれた送気用接続口25Aが連通路64Aに嵌め込まれた吸気用接続口26Aよりも常に先にコネクタ61から外れるようにしている(図7参照)。また、本変形例によれば、コネクタ61と基端部23Bとの接続部分における正常でない接続状態の発生を鑑み、送気用接続口25Aがコネクタ61から外れた際に、還流装置7から供給される気体の流路が弁部材66の蓋体LMにより遮断されるようにしている(図7参照)。図7は、第1の実施例の変形例に係る配管接続構造の具体例を説明するための図である。
そのため、本変形例によれば、コネクタ61と基端部23Bとの接続状態が正常な接続状態から正常でない接続状態へ変化した場合であっても、送気チューブ63を介して供給される気体を送気管路25へ流通させないようにすることができる。従って、本変形例によれば、体腔内外で流体を還流させつつ体腔内の患部の処置を行う際に、体腔外の空気が当該流体の代わりに体腔内へ供給され続けてしまうことを防止することができる。
なお、本実施例及び本変形例によれば、例えば、連通路63Aの内部に弁部材65または弁部材66が設けられていない場合であっても、前述したものと略同様の作用効果を得ることができる。
また、本実施例及び本変形例に係る接続構造によれば、例えば、基端部23Bの構造とコネクタ61の構造とを入れ替えた場合であっても、前述したものと略同様の作用効果を得ることができる。
(第2の実施例)
図8から図16は、本発明の第2の実施例及び変形例に係るものである。
なお、本実施例においては、第1の実施例と同様の構成等を有する部分に関する詳細な説明を省略するとともに、第1の実施例と異なる構成等を有する部分である、内視鏡2と還流用配管部材6との接続部分における接続構造に関して主に説明を行う。また、本実施例においては、内視鏡2の基端部23Bと、第1の実施例のコネクタ61の代わりに還流用配管部材6に設けられたコネクタ61Aと、の接続部分における接続構造を例に挙げて説明する。
本実施例の内視鏡2の基端部23Bには、図8に示すように、送気管路25をコネクタ61Aに接続するための中空筒状の送気用接続口25Cと、吸気管路26をコネクタ61Aに接続するための中空筒状の吸気用接続口26Cと、が形成されている。図8は、第2の実施例に係る配管接続構造の具体例を説明するための図である。
送気用接続口25Cは、例えば、吸気用接続口26Cの近傍において、基端部23Bの表面に対して垂直な方向に突出して形成されている。
吸気用接続口26Cは、例えば、送気用接続口25Cの近傍において、基端部23Bの表面に対して垂直な方向に突出して形成されている。また、吸気用接続口26Cの突出方向側の端部には、リング部材LB(後述)を引掛けた状態で中継管82(後述)の先端部を固定することが可能なフランジ部FLAが形成されている。
コネクタ61Aの内部には、図8に示すように、還流装置7から供給される気体が還流用配管部材6を通過する際の出口側の端部において送気チューブ63に連通するように形成された管路である連通路63Bと、還流装置7により吸引される気体が還流用配管部材6を通過する際の入口側の端部において吸気チューブ64に連通するように形成された管路である連通路64Bと、が設けられている。すなわち、コネクタ61Aの内部には、送気管路25と送気チューブ63とを連通させて接続するための管路である連通路63Bと、吸気管路26と吸気チューブ64とを連通させて接続するための管路である連通路64Bと、が設けられている。
連通路63Bは、送気用接続口25Cを嵌め込み可能な形状を具備して形成されている。また、連通路63Bは、例えば、図8に示すように、送気用接続口25Cが嵌め込まれていない場合に、還流用配管部材6の外部に連通するような構造を具備して形成されている。また、連通路63Bは、例えば、図9に示すように、送気用接続口25Cが嵌め込まれている場合に、送気管路25を送気チューブ63に連通させるような構造を具備して形成されている。図9は、第2の実施例に係る配管接続構造の具体例を説明するための図である。
連通路64Bにおけるコネクタ61の外部に隣接する部分には、開口部81が形成されている。
開口部81には、連通路64Bの中心軸に対して平行な方向に伸縮可能な蛇腹形状の管体として形成された中継管82が設けられている。また、開口部81は、吸気用接続口26Cと、収縮された状態の中継管82と、をそれぞれ内部に収容可能な形状を具備して形成されている。
中継管82は、連通路64Bを介して吸気チューブ64に連通する管体として形成されている。また、中継管82は、送気管路25と送気チューブ63との接続が解除された後に、吸気管路26と吸気チューブ64との接続を維持することができるように形成されている。また、中継管82の基端部は、開口部81の内部の所定の位置に固定されている。また、中継管82の先端部には、吸気用接続口26Cのフランジ部FLAに引掛けることが可能なOリング等により形成されたリング部材LBが設けられている。
すなわち、中継管82は、先端部に設けられたリング部材LBが吸気用接続口26Cのフランジ部FLAに引掛けられている状態において、連通路64Bの中心軸に対して平行な方向に伸長してコネクタ61の外部に露出するような構造を具備して形成されている。また、中継管82は、先端部に設けられたリング部材LBが吸気用接続口26Cのフランジ部FLAに引掛けられている状態において、連通路64Bを吸気管路26に連通させることができるような構造を具備して形成されている。また、中継管82は、コネクタ61Aにおける連通路64Bに連通する箇所に設けられているとともに、吸引管路26と吸気チューブ64との間において連通路64Bの中心軸に平行な方向に伸縮することができるように形成されている。
続いて、本実施例の作用について説明する。
ユーザは、例えば、医療用システム101を使用する前の準備期間において、基端部23Bとコネクタ61Aとを接続するための作業を行うとともに、還流装置7とコネクタ62とを接続するための作業を行う。
そして、前述のようなユーザの作業に伴い、内視鏡2の挿入部21が挿入される被検者の体腔内と、当該被験者の体腔外と、の間で気体を還流させるための流路が形成される。また、前述のようなユーザの作業に伴い、例えば、図9に示すように、送気用接続口25Cが連通路63Bに嵌め込まれ、吸気用接続口26Cが開口部81の内部に配置され、かつ、中継管82のリング部材LBが吸気用接続口26Cのフランジ部FLAに引掛けられることにより、コネクタ61Aと基端部23Bとが正常な接続状態で接続される。
ここで、例えば、被験者の体腔内に存在する患部の処置が行われている最中において、当該被験者の体腔外の還流用配管部材6に対して余分な力が加えられた場合に、コネクタ61Aと基端部23Bとが正常でない接続状態で接続され続けてしまうような状況が生じ得る。
これに対し、本実施例によれば、コネクタ61Aと基端部23Bとの接続部分における正常でない接続状態の発生を鑑み、送気用接続口25Cがコネクタ61Aから外れた際に、リング部材LBがフランジ部FLAに引っ掛かった状態で中継管82が伸長することにより、連通路64Bと吸気管路26との間の連通状態が維持されるようにしている(図10参照)。図10は、第2の実施例に係る配管接続構造の具体例を説明するための図である。
そのため、本実施例によれば、コネクタ61Aと基端部23Bとの接続状態が正常な接続状態から正常でない接続状態へ変化した場合であっても、コネクタ61Aの周辺の空気を吸引させないようにすることができる。従って、本実施例によれば、体腔内外で流体を還流させつつ体腔内の患部の処置を行う際に、体腔外の空気が当該流体の代わりに体腔内へ供給され続けてしまうことを防止することができる。
なお、本実施例によれば、内視鏡2と還流用配管部材6との接続部分が、図8のような接続構造とは異なる他の接続構造を具備していてもよい。具体的には、本実施例によれば、内視鏡2と還流用配管部材6との接続部分が、例えば、図11に示すような接続構造を具備していてもよい。このような本実施例の第1の変形例に係る構成等について、以下に説明する。なお、本変形例においては、送気用接続口25Cの代わりに送気用接続口25Dが基端部23Bに設けられ、吸気用接続口26Cの代わりに吸気用接続口26Dが基端部23Bに設けられ、かつ、コネクタ61Aの代わりにコネクタ61Bが還流用配管部材6に設けられている場合を例に挙げて説明する。図11は、第2の実施例の第1の変形例に係る配管接続構造の具体例を説明するための図である。
送気用接続口25Dは、例えば、吸気用接続口26Dの近傍において、基端部23Bの表面に対して垂直な方向に突出して形成されている。
吸気用接続口26Dは、例えば、送気用接続口25Dの近傍において、中継管84(後述)の先端部を収容可能な形状を具備する開口として形成されている。
コネクタ61Bの内部には、図11に示すように、還流装置7から供給される気体が還流用配管部材6を通過する際の出口側の端部において送気チューブ63に連通するように形成された管路である連通路63Cと、還流装置7により吸引される気体が還流用配管部材6を通過する際の入口側の端部において吸気チューブ64に連通するように形成された管路である連通路64Cと、が設けられている。すなわち、コネクタ61Bの内部には、送気管路25と送気チューブ63とを連通させて接続するための管路である連通路63Cと、吸気管路26と吸気チューブ64とを連通させて接続するための管路である連通路64Cと、が設けられている。
連通路63Cは、送気用接続口25Dを嵌め込み可能な形状を具備して形成されている。また、連通路63Cは、例えば、図11に示すように、送気用接続口25Dが嵌め込まれていない場合に、還流用配管部材6の外部に連通するような構造を具備して形成されている。また、連通路63Cは、例えば、図12に示すように、送気用接続口25Dが嵌め込まれている場合に、送気管路25を送気チューブ63に連通させるような構造を具備して形成されている。図12は、第2の実施例の第1の変形例に係る配管接続構造の具体例を説明するための図である。
コネクタ61Bの内部における連通路64Cに隣接する部分には、中継管84の先端部以外の部分と、コイルばね85と、がそれぞれ収容されるように形成された空洞部83が設けられている。
空洞部83は、例えば、図11に示すように、コネクタ61Bの内部において互いに対向する位置に設けられた面SAと面SBとの間に挟まれた空間として形成されている。
中継管84は、連通路64Cの中心軸に対して平行な方向に変位可能な管体として形成されている。また、中継管84は、空洞部83を介して連通路64Cに連通するように形成されている。また、中継管84は、送気管路25と送気チューブ63との接続が解除された後に、吸気管路26と吸気チューブ64との接続を維持することができるように形成されている。
中継管84の基端部には、コネクタ61Bの外部へ露出される中継管84の長さに相当する露出長を規定するためのフランジ部FLBが形成されている。また、中継管84の先端部には、リング部材LCを取り付け可能な形状を具備する溝部CSが形成されている。また、中継管84の先端部の先端面SCは、磁性材料により形成されている。
すなわち、中継管84は、溝部CSに取り付けられたリング部材LCが吸気用接続口26Dの内周面に接触している状態において、連通路64Cを吸気管路26に連通させることができるような構造を具備して形成されている。また、中継管84は、コネクタ61Bにおける連通路64Cに連通する箇所に設けられているとともに、吸引管路26と吸気チューブ64との間において連通路64Cの中心軸に平行な方向に変位することができるように形成されている。
コイルばね85は、フランジ部FLBと面SBとの間を接続するように形成されている。また、コイルばね85は、例えば、連通路64Cの中心軸に対して平行な方向の外力の印加に応じて伸長及び収縮するとともに、中継管84を連通路64Cに対して突出させる方向へ付勢する付勢力を発生するように形成されている。また、コイルばね85は、連通路64Cの中心軸に対して平行な方向の外力が印加されていない状態において、中継管84のフランジ部FLBを空洞部83の内部の所定の位置に配置させるように形成されている。
すなわち、本変形例の構成によれば、例えば、コネクタ61Bに外力が加えられていない場合には、フランジ部FLBが空洞部83の内部の所定の位置に配置されるとともに、中継管84の溝部CSを含む先端部がコネクタ61Bの外部に露出される。また、以上に述べたような構成によれば、例えば、中継管84の溝部CSに取り付けられたリング部材LCが吸気用接続口26Dの内周面に接触している状態において、基端部23Bから離れる方向の外力がコネクタ61Bに加えられることにより、フランジ部FLBと面SAとが当接した場合には、コネクタ61Bの外部への中継管84の露出長が最長となる(図13参照)。図13は、第2の実施例の第1の変形例に係る配管接続構造の具体例を説明するための図である。
続いて、本変形例の作用について説明する。
ユーザは、例えば、医療用システム101を使用する前の準備期間において、基端部23Bとコネクタ61Bとを接続するための作業を行うとともに、還流装置7とコネクタ62とを接続するための作業を行う。
そして、前述のようなユーザの作業に伴い、内視鏡2の挿入部21が挿入される被検者の体腔内と、当該被験者の体腔外と、の間で気体を還流させるための流路が形成される。また、前述のようなユーザの作業に伴い、例えば、図12に示すように、送気用接続口25Dが連通路63Cに嵌め込まれ、かつ、中継管84の先端部に取り付けられたリング部材LCが吸気用接続口26Dの内周面に接触するように、中継管84が吸気用接続口26Dの内部に配置されることにより、コネクタ61Bと基端部23Bとが正常な接続状態で接続される。また、コネクタ61Bと基端部23Bとが正常な接続状態で接続されている場合には、コネクタ61Bの外部への中継管84の露出長が最短になる。
ここで、例えば、被験者の体腔内に存在する患部の処置が行われている最中において、当該被験者の体腔外の還流用配管部材6に対して余分な力が加えられた場合に、コネクタ61Bと基端部23Bとが正常でない接続状態で接続され続けてしまうような状況が生じ得る。
これに対し、本変形例によれば、コネクタ61Bと基端部23Bとの接続部分における正常でない接続状態の発生を鑑み、送気用接続口25Dがコネクタ61Bから外れた際に、中継管84の先端部に取付けられたリング部材LCが吸気用接続口26Dの内周面に接触し続けることにより、連通路64Bと吸気管路26との間の連通状態が維持されるようにしている(図13参照)。
そのため、本変形例によれば、コネクタ61Bと基端部23Bとの接続状態が正常な接続状態から正常でない接続状態へ変化した場合であっても、コネクタ61Bの周辺の空気を吸引させないようにすることができる。従って、本変形例によれば、体腔内外で流体を還流させつつ体腔内の患部の処置を行う際に、体腔外の空気が当該流体の代わりに体腔内へ供給され続けてしまうことを防止することができる。
一方、本実施例によれば、内視鏡2と還流用配管部材6との接続部分が、例えば、図14に示すような接続構造を具備していてもよい。このような本実施例の第2の変形例に係る構成等について、以下に説明する。なお、本変形例においては、送気用接続口25Cの代わりに送気用接続口25Dが基端部23Bに設けられ、吸気用接続口26Cの代わりに吸気用接続口26Eが基端部23Bに設けられ、かつ、コネクタ61Aの代わりにコネクタ61Cが還流用配管部材6に設けられている場合を例に挙げて説明する。図14は、第2の実施例の第2の変形例に係る配管接続構造の具体例を説明するための図である。
吸気用接続口26Eは、例えば、送気用接続口25Dの近傍において、中継管84の先端部を収容可能な形状を具備する開口として形成されている。また、吸気用接続口26Eの内部には、中継管84の先端部の先端面SCを吸着させることが可能なリング状の磁石MGが設けられている。
コネクタ61Cは、図14に示すように、前述のコネクタ61Bからコイルばね85を取り除いたものと略同様の構造を具備して形成されている。すなわち、コネクタ61Cの中継管84の先端部には、リング部材LCを取り付け可能な形状を具備する溝部CSが設けられている。また、コネクタ61Cのリング部材LCは、吸気用接続口26Eの内周面と接触することができる。
そのため、本変形例の構成によれば、フランジ部FLBと面SBとが当接した場合に、中継管84の溝部CSを含む先端部のみがコネクタ61Cの外部に露出されるため、コネクタ61Cの外部への中継管84の露出長が最短になる(図14及び図15参照)。また、以上に述べたような構成によれば、フランジ部FLBと面SAとが当接した場合に、コネクタ61Cの外部への中継管84の露出長が最長となる(図16参照)。図15及び図16は、第2の実施例の第2の変形例に係る配管接続構造の具体例を説明するための図である。
続いて、本変形例の作用について説明する。
ユーザは、例えば、医療用システム101を使用する前の準備期間において、基端部23Bとコネクタ61Cとを接続するための作業を行うとともに、還流装置7とコネクタ62とを接続するための作業を行う。
そして、前述のようなユーザの作業に伴い、内視鏡2の挿入部21が挿入される被検者の体腔内と、当該被験者の体腔外と、の間で気体を還流させるための流路が形成される。また、前述のようなユーザの作業に伴い、例えば、図15に示すように、送気用接続口25Dが連通路63Cに嵌め込まれ、中継管84の先端部に取り付けられたリング部材LCが吸気用接続口26Eの内周面に接触するように、中継管84が吸気用接続口26Eの内部に配置され、かつ、中継管84の先端部の先端面SCが吸気用接続口26Eの磁石MGに吸着されることにより、コネクタ61Cと基端部23Bとが正常な接続状態で接続される。
ここで、例えば、被験者の体腔内に存在する患部の処置が行われている最中において、当該被験者の体腔外の還流用配管部材6に対して余分な力が加えられた場合に、コネクタ61Cと基端部23Bとが正常でない接続状態で接続され続けてしまうような状況が生じ得る。
これに対し、本変形例によれば、コネクタ61Cと基端部23Bとの接続部分における正常でない接続状態の発生を鑑み、送気用接続口25Dがコネクタ61Cから外れた際に、溝部CSに取り付けられたリング部材LCが吸気用接続口26Eの内周面に接触し続けるとともに、先端面SCが磁石MGに吸着され続けることにより、連通路64Bと吸気管路26との間の連通状態が維持されるようにしている(図16参照)。
そのため、本変形例によれば、コネクタ61Cと基端部23Bとの接続状態が正常な接続状態から正常でない接続状態へ変化した場合であっても、コネクタ61Cの周辺の空気を吸引させないようにすることができる。従って、本変形例によれば、体腔内外で流体を還流させつつ体腔内の患部の処置を行う際に、体腔外の空気が当該流体の代わりに体腔内へ供給され続けてしまうことを防止することができる。
なお、本実施例及び本変形例に係る接続構造によれば、例えば、基端部23Bの構造とコネクタ61A〜61Cのいずれかの構造とを入れ替えた場合であっても、前述したものと略同様の作用効果を得ることができる。
(第3の実施例)
図17から図22は、本発明の第3の実施例及び変形例に係るものである。
なお、本実施例においては、第1及び第2の実施例のうちの少なくともいずれか一方と同様の構成等を有する部分に関する詳細な説明を省略するとともに、第1及び第2の実施例のいずれともと異なる構成等を有する部分である、内視鏡2と還流用配管部材6との接続部分における接続構造に関して主に説明を行う。また、本実施例においては、内視鏡2の基端部23Bと、第1の実施例のコネクタ61の代わりに還流用配管部材6に設けられたコネクタ61Dと、の接続部分における接続構造を例に挙げて説明する。
本実施例の内視鏡2の基端部23Bには、図17に示すように、第1の実施例と同様の送気用接続口25A及び26Aが形成されている。図17は、第3の実施例に係る配管接続構造の具体例を説明するための図である。
コネクタ61Dの内部には、図17に示すように、第1の実施例と同様の連通路63A及び64Aが設けられている。
連通路63Aの内部におけるコネクタ61の外部に隣接する箇所には、図17に示すように、第1の実施例と同様の弁部材65が設けられている。
一方、本実施例のコネクタ61Dには、連通路63Aが弁部材65により閉塞されている場合に、送気管路25と送気チューブ63との接続が解除されていることを報知することができるように形成された報知部が設けられている。
コネクタ61Dの内部には、弁部材65の配設箇所よりも送気チューブ63側に位置する箇所である、連通路63Aの途中の所定の箇所から分岐してコネクタ61Dの外部へ連通する管路である分岐路91が設けられている。
分岐路91の内部には、図17及び図18に示すように、連通路63Aを介して分岐路91へ流入する気体の量に応じて振動することにより可聴音を発することができるように形成された振動体92が設けられている。図18は、図17のXVIII−XVIII線断面図である。
すなわち、本実施例のコネクタ61Dの報知部は、分岐路91及び振動体92を有して構成されている。
続いて、本実施例の作用について説明する。
ユーザは、例えば、医療用システム101を使用する前の準備期間において、基端部23Bとコネクタ61Dとを接続するための作業を行うとともに、還流装置7とコネクタ62とを接続するための作業を行う。
そして、前述のようなユーザの作業に伴い、内視鏡2の挿入部21が挿入される被検者の体腔内と、当該被験者の体腔外と、の間で気体を還流させるための流路が形成される。また、前述のようなユーザの作業に伴い、例えば、図19に示すように、送気用接続口25Aが弁部材65に嵌め込まれ、かつ、吸気用接続口26Aが連通路64Aに嵌め込まれることにより、コネクタ61Dと基端部23Bとが正常な接続状態で接続される。また、このような正常な接続状態においては、連通路63Aから送気用接続口25Aへ気体が流入する一方で、連通路63Aから分岐路91へは気体が略流入しないため、振動体92の振動による可聴音が発生しない。図19は、第3の実施例に係る配管接続構造の具体例を説明するための図である。
ここで、例えば、被験者の体腔内に存在する患部の処置が行われている最中において、当該被験者の体腔外の還流用配管部材6に対して余分な力が加えられた場合に、コネクタ61Dと基端部23Bとが正常でない接続状態で接続され続けてしまうような状況が生じ得る。
これに対し、本実施例によれば、コネクタ61Dと基端部23Bとの接続部分における正常でない接続状態の発生を鑑み、突出長L1が突出長L2よりも小さくなるように送気用接続口25A及び26Aを形成することにより、弁部材65に嵌め込まれた送気用接続口25Aが連通路64Aに嵌め込まれた吸気用接続口26Aよりも常に先にコネクタ61Dから外れるようにしている(図20参照)。また、本実施例によれば、コネクタ61Dと基端部23Bとの接続部分における正常でない接続状態の発生を鑑み、送気用接続口25Aがコネクタ61Dから外れた際に、分岐路91に流入した気体に応じて振動体92が振動することにより可聴音が発せられるようにしている。図20は、第3の実施例に係る配管接続構造の具体例を説明するための図である。
そのため、本実施例によれば、コネクタ61Dと基端部23Bとの接続状態が正常な接続状態から正常でない接続状態へ変化した場合であっても、送気チューブ63を介して供給される気体を送気管路25へ流通させないようにしつつ、当該正常でない接続状態の発生をユーザに対して報知することができる。従って、本実施例によれば、体腔内外で流体を還流させつつ体腔内の患部の処置を行う際に、体腔外の空気が当該流体の代わりに体腔内へ供給され続けてしまうことを防止することができる。
なお、本実施例においては、振動体92の代わりに、例えば、図21に示すような蓋部材93を設けてコネクタ61Dの報知部を構成してもよい。このような本実施例の変形例に係る構成等について、以下に説明する。図21は、第3の実施例の変形例に係る配管接続構造の具体例を説明するための図である。
蓋部材93は、例えば、コネクタ61Dの表面上に設けられた軸部材AXを支点として回動することにより、分岐路91を開放するまたは閉塞することが可能な蓋体LNを具備して形成されている。
蓋体LNは、分岐路91の内部からコネクタ61Dの外部側の方向に開く一方で、コネクタ61Dの外部から分岐路91の内部側の方向には開かないように形成されている。また、蓋体LNは、軸部材AXに沿って巻回されているばね(不図示)等の弾性機構により、軸部材AXを支点としてコネクタ61Dの表面側へ回動するように付勢されている。また、蓋体LNの内部には、分岐路91が開放されているか否かを検知するとともに、分岐路91が開放されている場合に可聴音を発するセンサSEが設けられている。なお、センサSEは、例えば、蓋体LNがコネクタ61Dの表面上に接触しているか否かを検知可能な接触センサを具備して構成されていればよい。
すなわち、蓋部材93は、連通路63Aを介して分岐路91へ流入する気体の量に応じて回動する蓋体LNにより分岐路91を開放または閉塞するように形成されているとともに、分岐路91が開放されている場合にセンサSEから可聴音を発するように形成されている。そのため、例えば、連通路63Aから分岐路91へ流入する気体の量が少ない場合には、蓋体LNに加えられている付勢力に抗して蓋体LNを回動させるための圧力が生じないため、分岐路91がコネクタ61Dの外部に連通せず、蓋部材93のセンサSEから可聴音が発せられない。一方、例えば、連通路63Aから分岐路91へ流入する気体の量が多い場合には、蓋体LNに加えられている付勢力に抗して蓋体LNを回動させるための圧力が生じるため、分岐路91がコネクタ61Dの外部に連通し、蓋部材93のセンサSEから可聴音が発せられる。
続いて、本変形例の作用について説明する。
ユーザは、例えば、医療用システム101を使用する前の準備期間において、基端部23Bとコネクタ61Dとを接続するための作業を行うとともに、還流装置7とコネクタ62とを接続するための作業を行う。
そして、前述のようなユーザの作業に伴い、内視鏡2の挿入部21が挿入される被検者の体腔内と、当該被験者の体腔外と、の間で気体を還流させるための流路が形成される。また、前述のようなユーザの作業に伴い、例えば、図22に示すように、送気用接続口25Aが弁部材65に嵌め込まれ、かつ、吸気用接続口26Aが連通路64Aに嵌め込まれることにより、コネクタ61Dと基端部23Bとが正常な接続状態で接続される。また、このような正常な接続状態においては、連通路63Aから送気用接続口25Aへ気体が流入する一方で、連通路63Aから分岐路91へは気体が略流入しないため、分岐路91が蓋部材93により閉塞される。図22は、第3の実施例の変形例に係る配管接続構造の具体例を説明するための図である。
ここで、例えば、被験者の体腔内に存在する患部の処置が行われている最中において、当該被験者の体腔外の還流用配管部材6に対して余分な力が加えられた場合に、コネクタ61Dと基端部23Bとが正常でない接続状態で接続され続けてしまうような状況が生じ得る。
これに対し、本変形例によれば、コネクタ61Dと基端部23Bとの接続部分における正常でない接続状態の発生を鑑み、突出長L1が突出長L2よりも小さくなるように送気用接続口25A及び26Aを形成することにより、弁部材65に嵌め込まれた送気用接続口25Aが連通路64Aに嵌め込まれた吸気用接続口26Aよりも常に先にコネクタ61Dから外れるようにしている(図23参照)。また、本変形例によれば、コネクタ61Dと基端部23Bとの接続部分における正常でない接続状態の発生を鑑み、送気用接続口25Aがコネクタ61Dから外れ、かつ、分岐路91がコネクタ61Dの外部に連通した際に、蓋部材93のセンサSEから可聴音が発せられるようにしている(図23参照)。図23は、第3の実施例の変形例に係る配管接続構造の具体例を説明するための図である。
そのため、本変形例によれば、コネクタ61Dと基端部23Bとの接続状態が正常な接続状態から正常でない接続状態へ変化した場合であっても、送気チューブ63を介して供給される気体を送気管路25へ流通させないようにしつつ、当該正常でない接続状態の発生をユーザに対して報知することができる。従って、本実施例によれば、体腔内外で流体を還流させつつ体腔内の患部の処置を行う際に、体腔外の空気が当該流体の代わりに体腔内へ供給され続けてしまうことを防止することができる。
なお、本実施例及び本変形例に係る接続構造によれば、例えば、基端部23Bの構造とコネクタ61Dの構造とを入れ替えた場合であっても、前述したものと略同様の作用効果を得ることができる。
一方、以上の各実施例及び各変形例において説明した接続構造は、内視鏡2と還流用配管部材6との接続部分に対して適用されるものに限らず、還流用配管部材6と還流装置7との接続部分に適用されてもよい。
また、以上の各実施例及び各変形例は、還流装置7等の構成を必要に応じて変形することにより、被検者の体腔内外で生理食塩水等の液体を還流させる場合に対しても略同様に適用される。すなわち、以上の各実施例及び各変形例は、被検者の体腔内外で気体または液体である流体を還流させる場合に適用可能である。
本発明は、上述した各実施例及び各変形例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更や応用が可能であることは勿論である。