JP2017200998A - 粘着シート - Google Patents

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裕行 椿
和寛 北山
Kazuhiro Kitayama
和寛 北山
貴文 樋田
Takafumi Hida
貴文 樋田
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Abstract

【課題】常態においては良好な粘着性を有し、被着体から剥離する際の剥離性に優れ、かつ、優れた難燃性を有する粘着シートの提供。【解決手段】外部刺激により粘着力が低下する面Aを有する粘着剤層10を備える、粘着シート100であって、該外部刺激を与える前の該面Aの23℃におけるSUS304BAに対する粘着力XA1が、10N/20mm以上であり、該外部刺激を与えることにより、該面Aの23℃におけるSUS304BAに対する粘着力XA2が、8N/20mm未満となり、UL94垂直燃焼試験に準じた試験においてV−0相当の難燃性を有する粘着シート100。【選択図】図1

Description

本発明は、粘着シートに関する。
従来から、住宅等の建造物、車両、航空機、船舶等に適用される材料(例えば、内壁材等)には、火災時の延焼防止のため、難燃性や不燃性が求められている。また、小型化が進む電子機器においては、機器内部にこもる熱の影響が大きくなる傾向にあり、該電子機器を構成する材料においても、難燃性や不燃性が求められている。このような事情のもと、上記材料の貼着に用いられる粘着シートにも、優れた難燃性が求められている。
一方、内壁材の貼着に用いられる粘着シートは、常態においては十分な粘着力を有し、内壁材張り替え時等、内壁材を剥離する必要のある場面においては、被着体へのダメージおよび糊残りなく、容易に剥離し得ることが好ましい。また、電子機器に用いられる粘着シートは、製造工程での不具合に応じて、適度な再剥離性(リワーク性)を有することが求められることがある。
特開2014−167092号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、常態においては良好な粘着性を有し、被着体から剥離する際の剥離性に優れ、かつ、優れた難燃性を有する粘着シートを提供することにある。
本発明の粘着シートは、外部刺激により粘着力が低下する面Aを有する粘着剤層を備える、粘着シートであって、該外部刺激を与える前の該面Aの23℃におけるSUS304BAに対する粘着力XA1が、10N/20mm以上であり、該外部刺激を与えることにより、該面Aの23℃におけるSUS304BAに対する粘着力XA2が、10N/20mm未満となり、UL94垂直燃焼試験に準じた試験においてV−0相当の難燃性を有する。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層が、第1の粘着剤層と第2の粘着剤層とから構成され、
該第1の粘着剤層が、外部刺激により粘着力が低下する上記面Aを有し、FAR25.853に準じた試験において、燃焼時間が12秒以下であり、燃焼距離が200mm以下であり、ドリップ時間が5秒以内である。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層が、難燃剤を含む。
1つの実施形態においては、上記第1の粘着剤層および第2の粘着剤層が、難燃剤を含む。
1つの実施形態においては、上記外部刺激を与えた後の上記面Aの23℃におけるSUS304BAに対する粘着力XA2が、該外部刺激を与える前の該面Aの23℃におけるSUS304BAに対する粘着力XA1に対して、90%以下である。
1つの実施形態においては、上記外部刺激が、加熱、冷却または活性エネルギー線照射である。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層が、熱膨張性微小球を含む。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層が、アクリル系粘着剤を含む。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層が、活性エネルギー線硬化性モノマー組成物を硬化した層である。
1つの実施形態においては、上記第1の粘着剤層が、熱膨張性微小球を含む。
1つの実施形態においては、上記第1の粘着剤層が、アクリル系粘着剤を含む。
1つの実施形態においては、上記第1の粘着剤層が、活性エネルギー線硬化性モノマー組成物を硬化した層である。
1つの実施形態においては、上記難燃剤が、金属水酸化物である。
本発明によれば、常態においては良好な粘着性を有し、被着体から剥離する際の剥離性に優れ、かつ、優れた難燃性を有する粘着シートを提供することができる。
本発明の1つの実施形態による粘着シートの概略断面図である。 本発明の別の実施形態による粘着シートの概略断面図である。
A.粘着シートの概要
図1は、本発明の1つの実施形態による粘着シートの概略断面図である。この粘着シート100は、粘着剤層10を備える。粘着剤層10は、外部刺激により粘着力が低下する面Aを有する。実用的には、粘着剤層10は、難燃剤および粘着剤を含み得る。本発明の粘着シートは、両面粘着シートとして用いられ得る。
本発明の粘着シートは、外部刺激により粘着力が低下する面Aを有する粘着剤層から構成されることにより、常態においては良好な粘着性を有しながらも、加熱等の外部刺激を与えることにより、被着体から、容易かつ糊残りなく、剥離させることができる。本発明の粘着シートは、このように優れた再剥離性を示し、かつ、難燃性にも優れる。また、本発明の粘着シートは、火炎に曝された際にも、火炎に曝された部分の周辺において、被着体から剥離し難いという特長を有する。本発明の粘着シートを用いれば、例えば、内壁に壁紙を貼着する際、壁紙に特段の難燃処理(例えば、金属層の形成)を要せずとも、内壁の耐火性を向上させることができ、凹凸面、角部等への壁紙の貼着が容易となる。
上記外部刺激としては、例えば、加熱、冷却または活性エネルギー線照射が挙げられる。活性エネルギー線としては、例えば、紫外線等が挙げられる。なお、上記外部刺激は、所定面の粘着力を90%以下(好ましくは80%以下、より好ましくは70%)にまで低下させ得る刺激(例えば、加熱、冷却または活性エネルギー線照射)と定義することもできる。これらの外部刺激により粘着力が低下する粘着剤層の詳細は後述する。
図2は、本発明の別の実施形態による粘着シートの概略断面図である。この粘着シート200は、粘着剤層が2層構成であり、粘着剤層として第1の粘着剤層11と第2の粘着剤層12とを備える。第1の粘着剤層11および第2の粘着剤層12は、難燃剤を含み得る。第1の粘着剤層11は、外部刺激により粘着力が低下する面Aを有する。このように、粘着剤層を2層構成とすれば、粘着シートの一方の面のみ(図2においては面Aのみ)が所望の剥離性を示すことになる。このような粘着シートを用いれば、剥離時、当該面A側の被着体に粘着シートを残存させずに、他方の面(図2おいては面Aとは反対側の面B)に貼着した被着体と粘着シートとを一体に剥離することができる。例えば、内壁に、該粘着シートを介して、壁紙を貼着した場合においては、粘着シート付の壁紙を内壁から確実に剥離することが可能となり、内壁に粘着シートが残存することを防止することができる。このような粘着シートの使用は、壁紙を貼り替える際の作業性向上に寄与し得る。また、粘着剤層を2層構成とすれば、被着体に応じて、各面の粘着性を調整することが容易となる。
本発明の粘着シートは、粘着剤層(または、第1の粘着剤層および第2の粘着剤層)のみから構成されていてもよく、粘着剤層の他に任意の適切な層(図示せず)をさらに備えていてもよい。粘着剤層以外の層としては、例えば、支持体として機能し得る基材層、上記粘着シートに弾性を付与しうる弾性層等が挙げられる。基材層および弾性層は、第1の粘着剤層と第2の粘着剤層との間に配置することが好ましい。また、基材層および弾性層は、難燃性であることが好ましい。また、本発明の粘着シートは、粘着剤層上に剥離可能に配置されるセパレーターと組み合わせて提供され得る。該セパレーターは、粘着シートが使用に供されるまでの間、粘着剤層を保護する。
外部刺激を与える前の上記面Aの23℃におけるSUS304BA板に対する粘着力XA1は、10N/20mm以上であり、好ましくは10N/20mm〜50N/20mmであり、より好ましくは12N/20mm〜50N/20mmである。このような範囲であれば、難燃性が求められる用途において、適切な粘着性を有する粘着シートを得ることができる。本明細書において粘着力とは、JIS Z 0237:2000に準じた方法(貼り合わせ条件:2kgローラー1往復、剥離速度:300mm/min、剥離角度180°)により測定した粘着力をいう。
外部刺激を与える前の上記面Aとは反対側の面Bの23℃におけるSUS304BA板に対する粘着力XB1は、好ましくは10N/20mm以上であり、より好ましくは10N/20mm〜50N/20mmであり、さらに好ましくは12N/20mm〜50N/20mmである。このような範囲であれば、難燃性が求められる用途において、適切な粘着性を有する粘着シートを得ることができる。なお、外部刺激を与える前において、面Aの粘着力XA1と面Bの粘着力XB1とは同じであってもよく、異なっていてもよい。
本発明の粘着シートにおいては、外部刺激を与えることにより、該面Aの23℃におけるSUS304BA板に対する粘着力XA2は、10N/20mm未満となり、好ましくは9N/20mm以下となり、より好ましくは8N/20mm以下となる。このような範囲であれば、剥離を要する場面において、容易に剥離可能な粘着シートを得ることができる。外部刺激を与えた後の該面Aの23℃におけるSUS304BA板に対する粘着力XA2の下限は、好ましくは0.1N/20mm以上であり、より好ましくは0.5N/20mm以上となり、さらに好ましくは1.0N/20mm以上である。このような範囲であれば、剥離を要する場面において、作業性の良好な粘着シートを得ることができる。外部刺激を与えた後、面Aの粘着力XA2と、面Bの粘着力XB2は同じであってもよく、異なっていてもよい。1つの実施形態においては、粘着剤層が1層構成の場合、外部刺激を与えた後、面Aの粘着力XA2と、面Bの粘着力XB2は同じとなる。1つの実施形態においては、粘着剤層が2層構成の場合、外部刺激を与えた後、面Aの粘着力XA2の低下は、面Bの粘着力XB2の変化よりも大きくなる。
上記外部刺激を与えた後の上記面Aの23℃におけるSUS304BAに対する粘着力XA2は、該外部刺激を与える前の上記面Aの23℃におけるSUS304BAに対する粘着力XA1に対して、好ましくは90%以下であり、より好ましくは80%以下であり、さらに好ましくは70%以下である。
本発明の粘着シートは、UL94垂直燃焼試験に準じた試験においてV−0相当の難燃性を有する。当該燃焼試験方法の詳細は後述する。
1つの実施形態においては、本発明の粘着シートは、FAR25.853に準じた試験において、燃焼時間が12秒以下(好ましくは10秒以下、より好ましくは5秒以下)であり、燃焼距離が200mm以下(好ましくは150mm以下、より好ましくは100mm以下)であり、ドリップ時間が5秒以内(好ましくは3秒以内、より好ましくは1秒以内)である。当該燃焼試験方法の詳細は後述する。
本発明の粘着シートの厚さは、好ましくは20μm〜1000μmであり、より好ましくは30μm〜500μmである。
上記粘着剤層の厚みは、好ましくは20μm〜1000μmであり、より好ましくは30μm〜500μmである。上記第1の粘着剤層および第2の粘着剤層の厚みは、好ましくは10μmn〜500μmであり、より好ましくは15μm〜250μmであり、さらに好ましくは20μm〜150μmである。第1の粘着剤層の厚みと第2の粘着剤層の厚みとは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
B.粘着剤層
B−1.外部刺激により粘着力が低下する面Aを有する粘着剤層
B−1項では、「外部刺激により粘着力が低下する面Aを有する粘着剤層」を説明する。粘着剤層が1層構成の場合、該粘着剤層が「外部刺激により粘着力が低下する面Aを有する粘着剤層」に相当する。また、粘着剤層が2層構成の場合、上記第1の粘着剤層が「外部刺激により粘着力が低下する面Aを有する粘着剤層」に相当する。
外部刺激により粘着力が低下する面Aを有する粘着剤層としては、外部刺激である加熱により粘着力が低下する粘着剤層(例えば、熱膨張性微小球を含む粘着剤層、加熱硬化する粘着剤層)、外部刺激である冷却により粘着力が低下する粘着剤層、外部刺激である活性エネルギー線照射により粘着力が低下する粘着剤層(例えば、紫外線硬化する粘着剤層)等が挙げられる。
B−1−1.加熱により粘着力が低下する粘着剤層
1つの実施形態においては、上記粘着剤層は、加熱により粘着力が低下または消失する。このような粘着剤層としては、例えば、熱膨張性微小球を含む粘着剤層、加熱硬化し得る粘着剤層等が挙げられる。
B−1−1−1.熱膨張性微小球を含む粘着剤層
上記熱膨張性微小球を含む粘着剤層は、粘着剤Aと熱膨張性微小球と難燃剤(B−3項で詳述する)とを含む。該粘着剤層は、加熱されることにより熱膨張性微小球が膨張または発泡し、その結果、粘着面に凹凸が生じて粘着力が低下または消失する。熱膨張性微小球を含む粘着剤層においては、熱膨張性微小球が膨張または発泡し得る温度での加熱が、上記外部刺激に相当する。
(粘着剤A)
上記熱膨張性微小球を含む粘着剤層に含まれる粘着剤Aとしては、加熱時に熱膨張性微小球の膨張または発泡を拘束しないものが好ましい。該粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系粘着剤等が挙げられる。なかでも好ましくは、アクリル系粘着剤である。なお、上記粘着剤は、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記アクリル系粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種または2種以上をモノマー成分として用いた(メタ)アクリル系ポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)をベースポリマーとするアクリル系粘着剤等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基としては、好ましくはC1〜20の直鎖状、分枝鎖状、または環状のアルキル基、さらに好ましくはC1〜10の直鎖状、分枝鎖状、または環状のアルキル基、特に好ましくはメチル基、エチル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、およびオクチル基が挙げられる。上記(メタ)アクリル系ポリマーは、1種の(メタ)アクリル酸アルキルエステルのみを用いて得られる単独重合体であってもよく、2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いて得られる共重合体であってもよい。なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリルとメタクリルの双方を含む意味である。
上記(メタ)アクリル系ポリマーは、凝集力、耐熱性、架橋性等の改質を目的として、必要に応じて、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他のモノマー成分に対応する構成単位を含んでいてもよい。このようなモノマー成分として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イコタン酸等の酸無水物モノマー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(N−置換)アミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;N−メチルイタコンイミド等のイタコンイミド系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドン等のビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノアクリレートモノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール等のグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等の複素環、ハロゲン原子、ケイ素原子等を有するアクリル酸エステル系モノマー;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等の多官能モノマー;イソプレン、ブタジエン、イソブチレン等のオレフィン系モノマー;ビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー等が挙げられる。これらのモノマー成分は、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
1つの実施形態においては、上記(メタ)アクリル系ポリマーは、カルボキシル基含有モノマーに対応する構成単位を実質的に含まない。このような(メタ)アクリル系ポリマーから構成される粘着剤は、被着体が金属等である場合に特に有用であり、該粘着剤を用いれば、被着体の腐食を防止することができる。「カルボキシル基含有モノマー」とは、1分子中にカルボキシル基(無水物の形態であり得る。)を1つ以上有するモノマーであって、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。また、「実質的に含まない」とは、不可避的に混入する場合を除いて能動的に配合はしないことをいい、具体的には、(メタ)アクリル系ポリマー中、カルボキシル基含有モノマー由来の構成単位の含有割合が、0.1重量%以下(好ましくは0.05重量%未満、さらに好ましくは0.01重量%未満)であることを意味する。
上記(メタ)アクリル系ポリマー中、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位の含有割合は、好ましくは60重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上であり、さらに好ましくは80重量%〜99重量%である。
上記(メタ)アクリル系ポリマーは、上記モノマーの1種または2種以上を重合することによって得られる。重合は、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等の何れの方式でも行われ得る。
1つの実施形態においては、粘着剤層は、活性エネルギー線硬化性モノマー組成物を硬化した層である。活性エネルギー線硬化性モノマー組成物は、例えば、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび上記他のモノマー成分(特に、多官能モノマー等の架橋性モノマー)を含む。活性エネルギー線硬化性モノマー組成物を硬化した層は、活性エネルギー線(例えば、紫外線)を照射することにより該活性エネルギー線硬化性モノマー組成物を硬化して、形成される層であり、粘着剤A(好ましくは、アクリル系粘着剤)として、活性エネルギー線硬化性モノマー組成物の硬化物(ベースポリマー)を含む。
上記粘着剤A(および、活性エネルギー線硬化性モノマー組成物)は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含み得る。該添加剤としては、例えば、架橋剤、粘着付与剤、可塑剤(例えば、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸エステル系可塑剤)、顔料、染料、充填剤、老化防止剤、導電材、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、剥離調整剤、軟化剤、界面活性剤、酸化防止剤等が挙げられる。
(熱膨張性微小球)
上記熱膨張性微小球としては、加熱により膨張または発泡し得る微小球である限りにおいて、任意の適切な熱膨張性微小球を用いることができる。上記熱膨張性微小球としては、例えば、加熱により容易に膨張する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微小球が用いられ得る。このような熱膨張性微小球は、任意の適切な方法、例えば、コアセルベーション法、界面重合法等により製造できる。
加熱により容易に膨張する物質としては、例えば、プロパン、プロピレン、ブテン、ノルマルブタン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル、メタンのハロゲン化物、テトラアルキルシラン等の低沸点液体;熱分解によりガス化するアゾジカルボンアミド;等が挙げられる。
上記殻を構成する物質としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリル等のニトリルモノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等のカルボン酸モノマー;塩化ビニリデン;酢酸ビニル;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレンモノマー;アクリルアミド、置換アクリルアミド、メタクリルアミド、置換メタクリルアミド等のアミドモノマー;等から構成されるポリマーが挙げられる。これらのモノマーから構成されるポリマーは、ホモポリマーであってもよく、コポリマーであってもよい。該コポリマーとしては、例えば、塩化ビニリデン‐メタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル−メタクリロニトリル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−メタクリロニトリル−イタコン酸共重合体等が挙げられる。
上記熱膨張性微小球として、無機系発泡剤または有機系発泡剤を用いてもよい。無機系発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水酸化ホウ素ナトリウム、各種アジド類等が挙げられる。また、有機系発泡剤としては、例えば、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン等の塩フッ化アルカン系化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ系化合物;パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3´−ジスルホニルヒドラジド、4,4´−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)等のヒドラジン系化合物;p−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4´−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)等のセミカルバジド系化合物;5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾール等のトリアゾール系化合物;N,N´−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N´−ジメチル−N,N´−ジニトロソテレフタルアミド;等のN−ニトロソ系化合物などが挙げられる。
上記熱膨張性微小球は市販品を用いてもよい。市販品の熱膨張性微小球の具体例としては、松本油脂製薬社製の商品名「マツモトマイクロスフェアー」(グレード:F−30、F−30D、F−36D、F−36LV、F−50、F−50D、F−65、F−65D、FN−100SS、FN−100SSD、FN−180SS、FN−180SSD、F−190D、F−260D、F−2800D)、日本フィライト社製の商品名「エクスパンセル」(グレード:053−40、031−40、920−40、909−80、930−120)、呉羽化学工業社製「ダイフォーム」(グレード:H750、H850、H1100、S2320D、S2640D、M330、M430、M520)、積水化学工業社製「アドバンセル」(グレード:EML101、EMH204、EHM301、EHM302、EHM303、EM304、EHM401、EM403、EM501)等が挙げられる。
上記熱膨張性微小球の加熱前の粒子径は、好ましくは0.5μm〜80μmであり、より好ましくは5μm〜45μmであり、さらに好ましくは10μm〜20μmであり、特に好ましくは10μm〜15μmである。上記熱膨張性微小球の加熱前の粒子サイズを平均粒子径で言えば、好ましくは6μm〜45μmであり、より好ましくは13μm〜35μmである。粒子サイズが、このような範囲の熱膨張性微小球は分散性に優れる。なお、上記の粒子径と平均粒子径はレーザー散乱法における粒度分布測定法によって求められる値である。
上記熱膨張性微小球は、体積膨張率が好ましくは5倍以上、より好ましくは7倍以上、さらに好ましくは10倍以上となるまで破裂しない適度な強度を有することが好ましい。このような熱膨張性微小球を用いる場合、加熱処理により粘着力を効率よく低下させることができる。
上記粘着剤層における熱膨張性微小球の含有割合は、所望とする粘着力の低下性等に応じて適切に設定し得る。熱膨張性微小球の含有割合は、粘着剤Aを形成するベースポリマー100重量部に対して、例えば1重量部〜150重量部、好ましくは5重量部〜130重量部、さらに好ましくは10重量部〜100重量部である。
B−1−1−2.加熱硬化し得る粘着剤層
上記の加熱硬化し得る粘着剤層は、加熱硬化し得る粘着剤Bと難燃剤(B−3項で詳述する)とを含む。該粘着剤Bとしては、例えば、ベースポリマーと熱硬化性樹脂(モノマー、オリゴマー)とを含む熱硬化型粘着剤、または、熱硬化性樹脂をベースポリマーとして含む熱硬化型粘着剤から形成され得る。粘着剤Bに用いられる熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、アミノ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂等が挙げられる。また、上記熱硬化性樹脂と組み合わせて用いられるベースポリマーとしては、(メタ)アクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー等が挙げられる。
B−1−1−3.加熱により粘着力が低下するその他の粘着剤層
加熱により粘着力が低下する粘着剤層としては、上記で説明した粘着剤層以外にも、本発明の効果が得られる限りにおいて、任意の適切な粘着剤層が用いられ得る。加熱により粘着力が低下するその他の粘着剤層としては、例えば、感圧性粘着剤Cと側鎖結晶性ポリマーと難燃剤(B−3項で詳述する)とを含む粘着剤層が挙げられる。このような粘着剤層の詳細は、例えば、特開2015−097195号公報に記載されており、当該記載は本明細書に参考として援用される。
B−1−2.活性エネルギー線照射により粘着力が低下する粘着剤層
1つの実施形態においては、上記粘着剤層は、活性エネルギー線照射により硬化して、粘着力が低下または消失する。活性エネルギー線照射により粘着力が低下する粘着剤層は、活性エネルギー線を照射することにより硬化する活性エネルギー線硬化型粘着剤Dと難燃剤(B−3項で詳述する)とを含み得る。活性エネルギー線としては、例えば、ガンマ線、紫外線、可視光線、赤外線(熱線)、ラジオ波、アルファ線、ベータ線、電子線、プラズマ流、電離線、粒子線等が挙げられる。
上記活性エネルギー線硬化型粘着剤Dとしては、例えば、ベースポリマーと活性エネルギー線硬化性モノマーおよび/またはオリゴマーとを含む活性エネルギー線硬化型粘着剤(以下、「添加型活性エネルギー線硬化型粘着剤」ともいう)、重合性炭素−炭素二重結合を有するポリマーをベースポリマーとして含む活性エネルギー線硬化型粘着剤(以下、「ベースポリマー型活性エネルギー線硬化型粘着剤」ともいう)等が挙げられる。
上記添加型活性エネルギー線硬化型粘着剤に含まれるベースポリマーとしては、粘着性を発揮し得るかぎり、任意の適切なポリマーが採用され得る。ベースポリマーの具体例としては、(メタ)アクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー等が挙げられる。好ましくは、ベースポリマーは(メタ)アクリル系ポリマーである。(メタ)アクリル系ポリマーとしては、例えば、上記で説明したポリマーが挙げられる。
上記添加型活性エネルギー線硬化型粘着剤に含まれる(メタ)アクリル系ポリマーは、重合性炭素−炭素二重結合を有していてもよい。重合性炭素−炭素二重結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーとしては、上記ベースポリマー型活性エネルギー線硬化型粘着剤のベースポリマーとして使用され得る(メタ)アクリル系ポリマーが用いられ得る。該ポリマーについては、後述する。
上記活性エネルギー線硬化性モノマーまたはオリゴマーとしては、重合性炭素−炭素二重結合等の活性エネルギー線照射により架橋する官能基を有するモノマーまたはオリゴマーが採用され得る。該官能基を有するモノマーまたはオリゴマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物、エステルアクリレートオリゴマー、2−プロペニル−3−ブテニルシアヌレート、イソシアヌレート、イソシアヌレート化合物等が挙げられる。なかでも、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の重合性炭素−炭素二重結合を一分子中に平均6個以上含有するモノマーまたはオリゴマーが好ましい。活性エネルギー線硬化性モノマーまたはオリゴマーは、1種のみ用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、活性エネルギー線硬化性モノマーまたはオリゴマーの粘度は、特に制限されるものではない。
上記添加型活性エネルギー線硬化型粘着剤における上記活性エネルギー線硬化性モノマーおよびオリゴマーの合計配合量は、ベースポリマー100重量部に対し、好ましくは1重量部〜150重量部、さらに好ましくは1重量部〜100重量部、特に好ましくは5重量部〜50重量部、最も好ましくは10重量部〜40重量部である。該配合量が上記範囲内であれば、硬化により粘着力が十分に低下する。
一方、上記ベースポリマー型活性エネルギー線硬化型粘着剤においては、ベースポリマー自身が活性エネルギー線照射により架橋する性質を有するので、上記活性エネルギー線硬化性モノマーまたはオリゴマーの添加は、必ずしも必要とされず、任意である。低分子量である該モノマーまたはオリゴマーを含まない該粘着剤においては、これらの低分子成分が経時的に移動することがないので、安定した構造の粘着剤層を形成することができる。
上記ベースポリマー型活性エネルギー線硬化型粘着剤のベースポリマーである重合性炭素−炭素二重結合を有するポリマーとしては、重合性炭素−炭素二重結合を側鎖中、主鎖中、または主鎖末端に有するポリマーが用いられ得る。このようなポリマーとしては、上記添加型活性エネルギー線硬化型粘着剤においてベースポリマーとして用いられ得る(メタ)アクリル系ポリマーを基本骨格とし、重合性炭素−炭素二重結合が該基本骨格に導入されたポリマーが好ましい。分子設計の容易さを考慮すると、重合性炭素−炭素二重結合は、好ましくは上記(メタ)アクリル系ポリマーの側鎖に導入される。
上記重合性炭素−炭素二重結合を有するポリマー1分子あたりの重合性炭素−炭素二重結合の数は、好ましくは平均6個以上である。1分子あたりの重合性炭素−炭素二重結合の数が、平均6個以上であれば、活性エネルギー線の照射により、粘着剤が十分に硬化し、粘着力が低下する。
上記重合性炭素−炭素二重結合を有するポリマーの重量平均分子量は、好ましくは500,000以上、さらに好ましくは800,000〜3,000,000程度である。重量平均分子量が500,000未満であると、十分な凝集力が得られなくなり、被着体を汚染するおそれがある。
上記ベースポリマー型活性エネルギー線硬化型粘着剤は、必要に応じて、活性エネルギー線硬化性モノマーおよび/またはオリゴマーを含み得る。該活性エネルギー線硬化性モノマーおよびオリゴマーとしては、上記添加型活性エネルギー線硬化型粘着剤において用いられる活性エネルギー線硬化性モノマーおよびオリゴマーが好ましく例示され得る。
上記ベースポリマー型活性エネルギー線硬化型粘着剤における上記活性エネルギー線硬化性モノマーおよびオリゴマーの合計配合量は、ベースポリマー100重量部に対し、好ましくは1重量部〜150重量部、さらに好ましくは1重量部〜100重量部、特に好ましくは1重量部〜50重量部、最も好ましくは5重量部〜40重量部である。
上記添加型およびベースポリマー型活性エネルギー線硬化型粘着剤は、必要に応じて、光重合開始剤をさらに含み得る。
上記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイソプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のべンゾインアルキルエーテル類;ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン類の芳香族ケトン類;ベンジルジメチルケタール等の芳香族ケタール類;ポリビニルベンゾフェノン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン類等が挙げられる。
上記光重合開始剤の配合量は、粘着剤に含まれるベースポリマー100重量部に対して、例えば0.1重量部〜20重量部、好ましくは0.5重量部〜10重量部である。
B−1−3.冷却により粘着力が低下する粘着剤層
1つの実施形態においては、上記粘着剤層は、冷却により粘着力が低下または消失する。該粘着剤層は、冷却により粘着力が低下する粘着剤Eと難燃剤(B−3項で詳述する)とを含み得る。粘着剤Eとしては、例えば、天然ゴム系粘着剤、シス−イソプレンラバー、スチレン−イソプレンラバー、ブダジエンラバー、ニトリルゴム系粘着剤、クロロプレンゴム系粘着剤、クロロスルホン化ポリエチレン系粘着剤、多硫化ゴム系粘着剤、ブチルゴム系粘着剤等が挙げられる。粘着剤Eは、アルキルフェノール−ホルムアルデヒド系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド系樹脂等の粘着付与剤を含んでいてもよい。
また、粘着剤Eとして、側鎖結晶性ポリマーを用いてもよい。側鎖結晶性ポリマーを単独で、もしくは、側鎖結晶性ポリマーが主成分となるように用いることにより、冷却により粘着力が低下する粘着剤層を形成することができる。側鎖結晶性ポリマーとしては、例えば、C18以上(好ましくは、C18〜22)の直鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、C6以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、極性モノマーとをモノマー成分として得られたポリマーが挙げられる。極性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有エチレン不飽和単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するエチレン不飽和単量体等が挙げられる。
B−2.第2の粘着剤層
上記第2の粘着剤層は、任意の適切な粘着剤と難燃剤(B−3項で詳述する)とを含む。
第2の粘着剤層に含まれる粘着剤としては、例えば、上記粘着剤Aが挙げられる。1つの実施形態においては、第1の粘着剤層および第2の粘着剤層は、アクリル系粘着剤を含む。第1の粘着剤層および第2の粘着剤層が共にアクリル系粘着剤から構成されていれば、層間密着性に優れる2層構成の粘着剤層を得ることができる。なお、第1の粘着剤層に含まれるアクリル系粘着剤と、第2の粘着剤層に含まれるアクリル系粘着剤とは、同じ組成であってもよく、異なる組成であってもよい。
B−3.難燃剤
上記のとおり、粘着剤層は難燃剤を含む。粘着剤層が2層構成の場合、第1の粘着剤層および第2の粘着剤層ともに難燃剤を含むことが好ましい。
上記難燃剤としては、任意の適切な難燃剤が用いられる。上記難燃剤としては、例えば、金属水酸化物、水和金属化合物、金属炭酸塩、メタホウ酸バリウム、酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、錫化合物、カーボンブラック、層状ケイ酸塩等が挙げられる。なかでも好ましくは、金属水酸化物または水和金属化合物であり、より好ましくは金属水酸化物である。
上記金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、水酸化鉄、水酸化銅、水酸化バリウム等が挙げられる。なかでも好ましくは、水酸化アルミニウムまたは水酸化カルシウムであり、より好ましくは水酸化アルミニウムである。これらの金属水酸化物を用いれば、より優れた難燃性を有する粘着シートを得ることができる。
上記水和金属化合物としては、例えば、ベーマイト、酸化ジルコニウム水和物、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、ドウソナイト、ホウ酸亜鉛等が挙げられる。
上記難燃剤の平均粒径は、好ましくは0.1μm〜100μmであり、より好ましくは0.5μm〜70μmであり、さらに好ましくは1μm〜50μmである。このような範囲であれば、粘着性および難燃性のバランスに優れた粘着剤層を形成することができる。なお、難燃剤の平均粒径は、レーザー散乱法における粒度分布測定法によって求められる体積基準の値(D50値)である。
1つの実施形態においては、粒径分布が異なる2種以上の難燃剤が用いられる。このような実施形態によれば、粘着性および難燃性がともに優れる粘着剤層を容易に得ることができる。1つの実施形態においては、平均粒径が0.1μm〜30μm(好ましくは0.5μm〜20μm、より好ましくは1μm〜10μm)の難燃剤(例えば、金属水酸化物)と、平均粒径が35μm〜100μm(好ましくは40μm〜70μm、より好ましくは40μm〜60μm)の難燃剤(例えば、金属水酸化物)とが、併用される。
各粘着剤層に含まれる難燃剤の含有割合は、該難燃剤を含む粘着剤層を構成するベースポリマー100重量部に対して、好ましくは30重量部〜500重量部であり、より好ましくは50重量部〜450重量部であり、さらに好ましくは80重量部〜400重量部であり、特に好ましくは100重量部〜300重量部である。このような範囲であれば、粘着性および難燃性のバランスに優れた粘着剤層を形成することができる。粒径分布が異なる2種の難燃剤を用いる場合、大粒径難燃剤と小粒径難燃剤との含有割合の比(大粒径/小粒径;重量基準)は、好ましくは0.5〜2であり、より好ましくは0.65〜1.5であり、さらに好ましくは0.8〜1.2であり、特に好ましくは0.95〜1.05である。
C.粘着シートの製造方法
本発明の粘着シートは、任意の適切な方法により製造することができる。本発明の粘着シートは、例えば、任意の適切な基体上に、粘着剤層形成用組成物を塗工し、粘着剤層を形成して、得ることができる。上記基体は、粘着剤層形成後に剥離されてもよく、粘着シートのセパレーターとしてそのまま用いられてもよい。
粘着剤層形成用組成物は、上記粘着剤(または、活性エネルギー線硬化性モノマー組成物)と上記難燃剤とを含む。熱膨張性微小球を含む粘着剤層を形成する場合、該粘着剤層の形成に用いられる粘着剤形成用組成物は、熱膨張性微小球をさらに含む。また、粘着剤Aを含む組成物により粘着剤塗工層を形成した後、該粘着剤塗工層に熱膨張性微小球を振りかけた後、ラミネーター等を用いて、該熱膨張性微小球を該塗工層中に埋め込んで、熱膨張性微小球を含む粘着剤層を形成してもよい。なお、粘着剤層形成用組成物は、必要に応じて上記添加剤および/または任意の適切な溶剤を含んでいてもよい。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層形成用組成物は、分散剤を含み得る。分散剤を含んでいれば、難燃剤の凝集を防止することができ、本発明の効果が顕著となる。分散剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルアリル)エーテルまたはポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、リン酸トリエステル、或いはその誘導体などがある。中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、リン酸ジエステル等のリン酸エステル等が挙げられる。分散剤の含有割合は、粘着剤を構成するベースポリマー100重量部に対して、好ましくは0.001重量部〜10重量部である。
上記基体としては、例えば、樹脂シート、不織布、紙、金属箔、織布、ゴムシート、発泡シート、これらの積層体(特に、樹脂シートを含む積層体)等が挙げられる。樹脂シートを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、フッ素系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等が挙げられる。
上記粘着剤層形成用組成物の塗工方法としては、任意の適切な塗工方法が採用され得る。例えば、塗布した後に乾燥して各層を形成することができる。また、必要に応じて、粘着剤層形成用組成物に硬化処理を施すこともある。塗布方法としては、例えば、マルチコーター、ダイコーター、グラビアコーター、アプリケーター等を用いた塗布方法が挙げられる。乾燥方法としては、例えば、自然乾燥、加熱乾燥等が挙げられる。加熱乾燥する場合の加熱温度は、乾燥対象となる物質の特性に応じて、任意の適切な温度に設定され得る。硬化処理としては、加熱、活性エネルギー線照射(例えば、UV照射)等が挙げられる。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層が第1の粘着剤層と第2の粘着剤層とから構成され、かつ、第1の粘着剤層および第2の粘着剤層が活性エネルギー線硬化性モノマー組成物を硬化した層である場合、第1の基体上に第1の粘着剤層形成用組成物を塗布して塗布層(第1の粘着剤層の前駆層)を形成し、第2の基体上に第2の粘着剤層形成用組成物を塗布して塗布層(第2の粘着剤層の前駆層)を形成し、これらの塗布層を貼り合せた後、これらの塗布層(第1の粘着剤層形成用組成物および第2の粘着剤層形成用組成物)を硬化して、粘着シートが得られる。塗布層を貼り合せた後に、第1および第2の粘着剤層形成用組成物を硬化させることにより、第1の粘着剤層と第2の粘着剤層との密着性に優れる粘着シートを得ることができる。
第1の粘着剤層と第2の粘着剤層との間には、混合層が形成されていてもよい。混合層は、第1の粘着剤層の成分と第2の粘着剤層の成分とが混合して形成される。例えば、上記のように、塗布層を貼り合せた後に、第1および第2の粘着剤層形成用組成物を硬化させることにより、混合層が形成される。なお、混合層が形成される場合、第1の粘着剤層と第2の粘着剤層との界面が判別できないこともあるが、粘着シートの両面において、特性(例えば、外部刺激に対する粘着力変化)および/または組成(熱膨張性微小球の有無あるいは存在量)に相違があれば、該粘着シートは2層構成の粘着シートと理解される。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例における評価方法は以下のとおりである。なお、実施例において、特に明記しない限り、「部」および「%」は重量基準である。
(1)常態粘着力
(実施例1における評価方法)
幅20mm×長さ75mmの粘着シートを評価用サンプルとした。粘着シートからセパレーターを剥離し、第2の粘着剤層側に、感圧テープ(日東電工社製、商品名「NO.31D」)を裏打ちし、第1の粘着剤層を被着体としてのSUS304BA板に貼着した(2kgローラー1往復)。被着体に貼着した評価用サンプルを23℃の環境下で30分放置した。その後、引張試験機を用いて180°剥離方向に、引張速度300mm/分にて、粘着シートを剥離することにより、第1の粘着剤層のSUS304BA板に対する常態粘着力(単位:N/20mm)を測定した。
同様にして、第2の粘着剤層のSUS304BA板に対する常態粘着力(単位:N/20mm)を測定した。
(実施例2〜4、比較例1〜比較例4における評価方法)
幅20mm×長さ75mmの粘着シートを評価用サンプルとした。粘着シートからセパレーターを剥離し、粘着シートの一方の面に感圧テープ(日東電工社製、商品名「NO.31D」)を裏打ちし、粘着シートの他方の面を被着体としてのSUS304BA板に貼着した(2kgローラー1往復)。被着体に貼着した評価用サンプルを23℃の環境下で30分放置した。その後、引張試験機を用いて180°剥離方向に、引張速度300mm/分にて、粘着シートを剥離することによりSUS304BA板に対する常態粘着力(単位:N/20mm)を測定した。同様の方法により、粘着シートの両面の常態粘着力を測定した。
(2)粘着力(端末剥がれ)
(実施例1における評価方法)
幅10mm×長さ50mmの粘着シートからセパレーターを剥離した後、第2の粘着剤層側を市販の壁紙(フリース壁紙(不織布))に貼着し、第1の粘着剤層側に、粘着シートの長手方向が20mmはみ出すようにして、SUS304BA板の一方の面を貼着し、はみ出した粘着シート20mmを折り返しSUS304BA板の他方の面側に貼着した。50℃×24時間後、粘着シートがSUS304BA板の他方の面において剥離しているか否かを確認し、剥離していた場合、SUS304BA板から剥離部分の粘着シートの端部までの高さを浮き距離とした。なお、「50℃×24時間」では、第1の粘着剤層の粘着力は低下しない。
(実施例2〜4、比較例1〜比較例4における評価方法)
幅10mm×50mmの粘着シートからセパレーターを剥離した後、粘着シートの一方の面を市販の壁紙に貼着し、粘着シートの他方の面に、粘着シートの長手方向が10mmはみ出すようにして、SUS304BA板の一方の面に貼着し、はみ出した粘着シート10mmを折り返しSUS304BA板の他方の面側に貼着した。50℃×24時間後、粘着シートがSUS304BA板の他方の面において剥離しているか否かを確認し、剥離していた場合、SUS304BA板から剥離部分の粘着シートの端部までの高さを浮き距離とした。
(3)剥離性1(外部刺激付与後の粘着力)
幅20mm×長さ75mmの粘着シートを評価用サンプルとした。該粘着シートに、外部刺激としての熱(125℃×30秒間)を与えた。その後、粘着シートからセパレーターを剥離し、粘着シートの一方の面に感圧テープ(日東電工社製、商品名「NO.31D」)を裏打ちし、粘着シートの他方の面を被着体としてのSUS304BA板に貼着した(2kgローラー1往復)。被着体に貼着した評価用サンプルを23℃の環境下で30分放置した。その後、引張試験機を用いて180°剥離方向に、引張速度300mm/分にて、粘着シートを剥離することによりSUS304BA板に対する外部刺激付与後の粘着力(単位:N/20mm)を測定した。
なお、実施例1については、第1の粘着剤層について、上記外部刺激付与後の粘着力を測定した。
(4)剥離性2(被着体解体性)
(実施例1における評価方法)
幅50mm×長さ100mmの粘着シートからセパレーターを剥離した後、第1の粘着剤層側をSUS304BA板に貼着し、第2の粘着剤層側に市販の壁紙(フリース壁紙(不織布))を貼着した。40℃×24時間後、ホットプレートを用いて外部刺激としての熱(130℃×1分間)を与えた。その後、SUS304BA板から市販の壁紙を剥離し、SUS304BA板への糊残り(表1中、糊残り無しを〇、有りを×とする)、剥離する際の負荷(表1中、大小を記載する)および破壊形態を評価した。
なお、破壊形態については、表1中、市販の壁紙と粘着シートとが積層体として一体に剥離できた場合をA、粘着シートの両側で被着体が剥離した場合(すなわち、SUS304BA板から、粘着シートと市販の壁紙とが別々に剥離した場合)をB、それ以外の形態で剥離した場合をCとする。
(実施例2〜4、比較例1における評価方法)
幅50mm×長さ100mmの粘着シートからセパレーターを剥離した後、粘着シートの一方の面をSUS304BA板に貼着し、粘着シートの他方の面に市販の壁紙(フリース壁紙(不織布))を貼着した。40℃×24時間後、ホットプレートを用いて外部刺激としての熱(130℃×1分間)を与えた。その後、SUS304BA板から市販の壁紙を剥離し、SUS304BA板への糊残り、剥離する際の負荷および剥離モードを評価した。表1中の評価基準は上記のとおりである。
(比較例2〜4における評価方法)
幅50mm×長さ100mmの粘着シートからセパレーターを剥離した後、粘着シートの一方の面をSUS304BA板に貼着し、粘着シートの他方の面に市販の壁紙を貼着した。その後、SUS304BA板から市販の壁紙を剥離し、SUS304BA板への糊残り、剥離する際の負荷および剥離モードを評価した。表1中の評価基準は上記のとおりである。
(5)難燃性(UL94)
ASTM D3801記載のUL94(20mm垂直燃焼試験)に準じて評価を行った。
幅12.7mm×長さ127mmの粘着シートからセパレーターを剥離した後、該粘着シートの長さ方向の一方端をクランプで固定してつり下げた。大気中で、該粘着シートの他方端に、プロパンガスバーナーの火炎(高さ:20mm)を、10秒間接炎させた。10秒間の接炎を2回行い、この合計燃焼時間を1サンプルの燃焼時間とした。
同試験を5本のサンプルについて行い、総燃焼時間を測定した。
また、クランプまでの燃焼の有無と、滴下物による綿着火(ドリップ)の有無と、各サンプルの燃焼時間および赤熱時間(グローイング時間)の合計とを確認した。
なお、1サンプルの燃焼時間が10秒以下であり、5本のサンプルの総燃焼時間が50秒以下であり、1サンプルの燃焼時間およびグローイング時間の合計が30秒以下であり、クランプまでの燃焼がなく、滴下物による綿着火がない場合、当該粘着シートは、UL94垂直燃焼試験に準じた試験においてV−0相当の難燃性を有すると判断される。粘着シートが全て燃え尽きた場合は、表1中、「焼失」と記載する。
(6)難燃性(FAR25.853)
FAR 25.853記載の垂直燃焼試験に準じて評価を行った。
75mm×長さ305mmの粘着シートからセパレーターを剥離した後、該粘着シートの長さ方向の一方端をクランプで固定してつり下げた。大気中で、該粘着シートの他方端に、プロパンガスバーナーの火炎(高さ:39mm)の上部19mmの炎を12秒間接炎させた。接炎終了後、粘着シートの燃焼が継続する時間(燃焼時間)と、FAR25.853標準テストで定義される粘着シートが燃焼した高さ(燃焼距離)と、粘着シートが床に落ち燃焼し続けた時間(ドリップ時間)とを評価した。燃焼時間が15秒以下で、燃焼距離が200mm以下で、ドリップ時間が5秒以内であった時FAR 25.853相当の難燃性であると判断される。
[製造例1]シロップ(I)の調製
2−メトキシエチルアクリレート(東亜合成社製、商品名「アクリックスC1」)11.5重量部と、2−エチルヘキシルアクリレート80重量部と、N−ビニルピロリドン7重量部と、ヒドロキシエチルアクリルアミド1.5重量部と、開始剤(BASF社製、商品名「イルガキュア184」)0.05重量部と、開始剤(BASF社製、商品名「イルガキュア651」)0.05重量部とを混合して、シロップ(I)を調製した。
[製造例2]シロップ(II)の調製
2−エチルヘキシルアクリレート40.5重量部と、イソステアリルアクリレート40.5重量部と、N−ビニルピロリドン18重量部と、4−ヒドロキシブチルアクリレート1重量部と、開始剤(BASF社製、商品名「イルガキュア184」)0.05重量部と、開始剤(BASF社製、商品名「イルガキュア651」)0.05重量部とを混合して、シロップ(II)を調製した。
[実施例1]
(紫外線硬化性モノマー組成物(I)の調製)
上記シロップ(I)42重量部と、2−メトキシエチルアクリレート(東亜合成社製、商品名「アクリックスC1」)2.1重量部と、2−エチルヘキシルアクリレート14.9重量部と、N−ビニルピロリドン1.3重量部と、ヒドロキシエチルアクリルアミド0.3重量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、商品名「KAYARAD DPHA」)0.003重量部と、界面活性剤(第一工業製薬社製、商品名「プライサーフA212E」)0.9重量部とを混合して、紫外線硬化性モノマー組成物(I)を調製した。
(第1の粘着剤層形成用組成物Aの調製)
上記紫外線硬化性モノマー組成物(I)100重量部と、難燃剤(水酸化アルミニウム、昭和電工社製、商品名「ハイジライドH42」、平均粒径:1μm)125重量部と、難燃剤(水酸化アルミニウム、昭和電工社製、商品名「ハイジライドH10」、平均粒径:55μm)125重量部と、熱膨張性微小球(松本油脂製薬社製、商品名「マツモトマイクロスフェアーF−50」、発泡温度:130℃、平均粒径:約14μm)20重量部とを混合して、第1の粘着剤層形成用組成物Aを調製した。
(紫外線硬化性モノマー組成物(II)の調製)
上記シロップ(II)42重量部と、2−エチルヘキシルアクリレート18.1重量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、商品名「KAYARAD DPHA」)0.012重量部と、界面活性剤(第一工業製薬社製、商品名「プライサーフA212E」)0.9重量部とを混合して、紫外線硬化性モノマー組成物(II)を調製した。
(第2の粘着剤層形成用組成物Bの調製)
紫外線硬化性モノマー組成物(II)100重量部と、難燃剤(水酸化アルミニウム、昭和電工社製、商品名「ハイジライドH42」、平均粒径:1μm)125重量部と、難燃剤(水酸化アルミニウム、昭和電工社製、商品名「ハイジライドH10」、平均粒径:55μm)125重量部とを混合して、第2の粘着剤層形成用組成物Bを調製した。
(粘着シートの作製)
PETセパレーター上に、第1の粘着剤層形成用組成物Aを塗布して第1の塗布層を形成した。
別のPETセパレーター上に、第2の粘着剤層形成用組成物Bを塗布して第2の塗布層を形成した。
第1の塗布層と第2の塗布層とが接するようにして、上記セパレーターを積層し、PETセパレーター/第1の塗布層/第2の塗布層/別のPETセパレーターから構成される積層体を得た。なお、PETセパレーターとしては、三菱ポリエステルフィルム社製の商品名「MRF」を用いた。
該積層体の両面からPETセパレーター越しに、第1の塗布層および第2の塗布層に紫外線(5mW/cm×3分)を照射して、該塗布層を硬化させて、第1の粘着剤層(厚み:100μm)と第2の粘着剤層(厚み:100μm)とを有する粘着シートを得た。なお、紫外線の発生源としては、東芝社製の商品名「ブラックライト」を用い、紫外線の照度は、トプコン社製のUVチェッカー(商品名「UVR−T1」、最大感度350nで測定)を用いた。
得られた粘着シートを上記評価(1)〜(6)に供した。結果を表1に示す。
なお、第2の粘着剤層の常態粘着力は、25.6N/20mmであった。
[実施例2]
実施例1で調製した第1の粘着剤層形成用組成物Aを用いて、1層構成の粘着剤層を形成した。具体的には、PETセパレーター上に、実施例1で調製した第1の粘着剤層形成用組成物Aを塗布して塗布層を形成し、該塗布層に紫外線(5mW/cm×3分)を照射して該塗布層を硬化させ、粘着剤層(厚み:200μm)を有する粘着シートを得た。得られた粘着シートを上記評価(1)〜(6)に供した。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1と同様にして、紫外線硬化性モノマー組成物(II)を調製した。
紫外線硬化性モノマー組成物(II)100重量部と、難燃剤(水酸化アルミニウム、日本軽金属社製、商品名「B103」、平均粒径:7μm)250部と、熱膨張性微小球(松本油脂製薬社製、商品名「マツモトマイクロスフェアーF−48D」、発泡温度:110℃、平均粒径:約13μm)10重量部とを混合して、粘着剤層形成用組成物Cを調製した。
この粘着剤層形成用組成物Cを用いて、1層構成の粘着剤層を形成した。具体的には、PETセパレーター上に、上記粘着剤層形成用組成物Cを塗布して塗布層を形成し、該塗布層に紫外線(5mW/cm×3分)を照射して該塗布層を硬化させ、粘着剤層(厚み:100μm)を有する粘着シートを得た。得られた粘着シートを上記評価(1)〜(6)に供した。結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1と同様にして、紫外線硬化性モノマー組成物(II)を調製した。
紫外線硬化性モノマー組成物(II)100重量部と、難燃剤(水酸化アルミニウム、日本軽金属社製、商品名「B103」、平均粒径:7μm)250部と、熱膨張性微小球(松本油脂製薬社製、商品名「マツモトマイクロスフェアーF−48D」、発泡温度:110℃、平均粒径:約13μm)20重量部とを混合して、粘着剤層形成用組成物Dを調製した。
粘着剤層形成用組成物Dを用いて、1層構成の粘着剤層を形成した。具体的にはPETセパレーター上に、粘着剤層形成用組成物Dを塗布して塗布層を形成し、該塗布層に紫外線(5mW/cm×3分)を照射して該塗布層を硬化させ、粘着剤層(厚み:100μm)を有する粘着シートを得た。得られた粘着シートを上記評価(1)〜(6)に供した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で調製した紫外線硬化性モノマー組成物(I)100重量部と、熱膨張性微小球(松本油脂製薬社製、商品名「マツモトマイクロスフェアーF−50」、発泡温度:130℃、平均粒径:約14μm)20重量部とを混合して、粘着剤層形成用組成物eを調製した。
第1の粘着剤層形成用組成物Aに代えて、この粘着剤層形成用組成物eを用いたこと以外は、実施例2と同様にして粘着シートを得た。得られた粘着シートを上記評価(1)〜(6)に供した。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1で調製した第2の粘着剤層形成用組成物Bを、片面に剥離処理が施されているポリエチレンテレフタレート製の剥離ライナー(三菱化学ポリエステルフィルム社製、商品名「ダイアホイルMRF38」)の剥離処理面に、塗布して組成物層を設けた。この組成物層の上に、上記と同様の剥離ライナーを剥離処理面が組成物層側となるように積層した。次に、照度約5mW/cm2の紫外線を、積層体の両面から3分間照射し、組成物層を硬化させて、厚み94μmの粘着剤層を形成し、剥離ライナー/粘着剤層/剥離ライナーの構成を有する積層体を得た。同様にして積層体をもう1つ作製した。次いで、2つの積層体のそれぞれについて粘着剤層の片面の剥離ライナーを剥離し、粘着剤層の表面と、ポリエチレンテレフタレートフィルム(基材)(商品名「ルミラーS10#12」、東レ株式会社製、厚み12μm)とを貼り合わせて、剥離ライナー/粘着剤層(厚み94μm)/基材(厚み12μm)/粘着剤層(厚み94μm)/剥離ライナーの構成を有する基材付き両面粘着シートを作製した。得られた粘着シートを上記評価(1)〜(6)に供した。結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1で調製した第2の粘着剤層形成用組成物Bを、片面に剥離処理が施されているポリエチレンテレフタレート製の剥離ライナー(三菱化学ポリエステルフィルム社製、商品名「ダイアホイルMRF38」)の剥離処理面に、上記組成物を塗布して組成物層を設け、この組成物層の上に、上記と同様の剥離ライナーを剥離処理面が組成物層側となるように積層した。次に、照度約5mW/cmの紫外線を、積層体の両面から3分間照射し、組成物層を硬化させて、厚み200μmの粘着剤層を形成し、剥離ライナー/粘着剤層/剥離ライナーの構成を有する積層体を得た。得られた粘着シートを上記評価(1)〜(6)に供した。結果を表1に示す。
Figure 2017200998
10 粘着剤層
11 第1の粘着剤層
12 第2の粘着剤層
100、200 粘着シート

Claims (13)

  1. 外部刺激により粘着力が低下する面Aを有する粘着剤層を備える、粘着シートであって、
    該外部刺激を与える前の該面Aの23℃におけるSUS304BAに対する粘着力XA1が、10N/20mm以上であり、
    該外部刺激を与えることにより、該面Aの23℃におけるSUS304BAに対する粘着力XA2が、10N/20mm未満となり、
    UL94垂直燃焼試験に準じた試験においてV−0相当の難燃性を有する、
    粘着シート。
  2. 前記粘着剤層が、第1の粘着剤層と第2の粘着剤層とから構成され、
    該第1の粘着剤層が、外部刺激により粘着力が低下する前記面Aを有し、
    FAR25.853に準じた試験において、燃焼時間が12秒以下であり、燃焼距離が200mm以下であり、ドリップ時間が5秒以内である、
    請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記粘着剤層が、難燃剤を含む、請求項1に記載の粘着シート。
  4. 前記第1の粘着剤層および第2の粘着剤層が、難燃剤を含む、請求項2に記載の粘着シート。
  5. 前記外部刺激を与えた後の前記面Aの23℃におけるSUS304BAに対する粘着力XA2が、該外部刺激を与える前の該面Aの23℃におけるSUS304BAに対する粘着力XA1に対して、90%以下である、
    請求項1から4のいずれかに記載の粘着シート。
  6. 前記外部刺激が、加熱、冷却または活性エネルギー線照射である、請求項1から5のいずれかに記載の粘着シート。
  7. 前記粘着剤層が、熱膨張性微小球を含む、請求項1に記載の粘着シート。
  8. 前記粘着剤層が、アクリル系粘着剤を含む、請求項7に記載の粘着シート。
  9. 前記粘着剤層が、活性エネルギー線硬化性モノマー組成物を硬化した層である、請求項7または8に記載の粘着シート。
  10. 前記第1の粘着剤層が、熱膨張性微小球を含む、請求項2に記載の粘着シート。
  11. 前記第1の粘着剤層が、アクリル系粘着剤を含む、請求項10に記載の粘着シート。
  12. 前記第1の粘着剤層が、活性エネルギー線硬化性モノマー組成物を硬化した層である、請求項10または11に記載の粘着シート。
  13. 前記難燃剤が、金属水酸化物である、請求項1から12のいずれかに記載の粘着シート。


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