JP2017200969A - 新規固体担持オレフィン重合触媒及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、共重合性や活性が高く、かつ取扱い容易でプロセス製造向きの、粒子状のオレフィン(共)重合体を得るためのオレフィン(共)重合体製造用の新規な触媒及びそれを用いたオレフィン(共)重合体の製造方法を提供することにある。
[1]M1Rc 3で示される化合物及びB(ORb)nRc 3−nで示される化合物(ここで、M1は、アルミニウム又はホウ素を表し、Rb及びRcは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、nは1〜3の整数を表す)を接触させた固体担体(1)、並びに、
OR8、CO2R8、CO2M’、C(O)N(R8)2、C(O)R8、SR8、SO3R8、P(O)(OR8)2−y(R9)y、P(OR9)3−x(R9)x、NHR8、N(R8)2、Si(OR8)3−x(R8)x、OSi(OR8)3−x(R8)x、SO3M’、PO3M’2、PO3M”、P(O)(OR9)2M’及びエポキシ含有基(ここで、R8は、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R9は、炭素数1〜10の炭化水素基を表し、M’は、アルカリ金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はホスホニウムを表し、M”はアルカリ土類金属を表し、xは0〜3の整数を表し、yは0〜2の整数を表す)からなる群より選択される反応性基Raを有し、周期表9族、10族又は11族に属する遷移金属Mを含む遷移金属化合物を含有する金属触媒成分(2)を含有する、オレフィン重合触媒である。
[2]前記金属触媒成分(2)が、下記一般式(A)又は(B):
[式中、Zは、水素であり、mはZの価数を表し、E1は、リン、砒素又はアンチモンであり、X1は、酸素又は硫黄であり、R2及びR3は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基又は基−Q−Raを含有し、ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基(ここで、Qは、ヘテロ原子を含有してもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Raは、先に定義されたとおりである)であるか、又はR2及びR3は、互いに結合してE1とともに環を形成していてもよく、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、又は基−Q−Raであり、R7は、ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基であり、ただし、R2、R3、R4、R5及びR6のうちの少なくとも1つは基−Q−Raを含む置換基である]
で示される化合物と、周期表9族、10族又は11族に属する遷移金属Mを含む遷移金属化合物(C)とを含有する、前記[1]記載のオレフィン重合触媒である。
[3]前記金属触媒成分(2)が、下記一般式(D):
で示される金属錯体を含む、前記[2]記載のオレフィン重合触媒である。
[4]前記一般式(D)中、Mが、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト又はロジウムである、前記[3]記載のオレフィン重合触媒である。
[5]前記固体担体(1)が、無機酸化物又はポリマー担体である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のオレフィン重合触媒である。
[6]Raが、OR8、CO2R8、C(O)N(R8)2、C(O)R8、SR8、P(R9)2、NHR8、N(R8)2又はSi(OR8)3−x(R8)x(ここで、R8は、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、R9は、炭素数1〜10の炭化水素基である)である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載のオレフィン重合触媒である。
[7]固体担体(1)をM1Rc 3及びB(ORb)nRc 3−nで処理する工程、及び、該処理された固体担体(1)を、金属触媒成分(2)で処理する工程を含む、前記[1]〜[6]のいずれかに記載のオレフィン重合触媒の製造方法である。
[8]固体担体(1)をM1Rc 3及びB(ORb)nRc 3−nで処理する工程、該処理された固体担体(1)を、一般式(A)又は(B)で示される化合物を接触させて混合物を調製する工程、及び、得られた該混合物に前記遷移金属化合物(C)を接触させる工程を含む、前記[1]〜[6]のいずれかに記載のオレフィン重合触媒の製造方法である。
[9]固体担体(1)をM1Rc 3で処理した後、更にB(ORb)nRc 3−nで処理する工程を含む、前記[7]又は[8]記載のオレフィン重合触媒の製造方法である。
[10]更に、前記[7]〜[9]のいずれか記載の方法で得られたオレフィン重合触媒を、α−オレフィンで予備重合する工程を含む、オレフィン予備重合触媒の製造方法である。
[11]前記予備重合がルイス塩基の存在下で行われる、前記[10]記載のオレフィン予備重合触媒の製造方法である。
[12]前記α−オレフィンがエチレン又はプロピレンである、前記[10]又は[11]記載のオレフィン予備重合触媒の製造方法である。
[13]前記[1]〜[6]のいずれかに記載のオレフィン重合触媒又は前記[7]〜[12]のいずれか記載の方法により得られるオレフィン重合触媒若しくはオレフィン予備重合触媒の存在下、オレフィンを単独重合又は共重合する工程を含む、オレフィン重合体の製造方法である。
[14]前記[1]〜[6]のいずれかに記載のオレフィン重合触媒又は前記[7]〜[12]のいずれか記載の方法により得られるオレフィン重合触媒若しくはオレフィン予備重合触媒の存在下、オレフィンと(メタ)アクリル酸エステルを共重合する工程を含む、α−オレフィン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造方法である。
本発明のオレフィン重合触媒は、モノマーをα−オレフィン(a)とした単独重合又は共重合や、α−オレフィン(a)と(メタ)アクリル酸エステル(b)との共重合の際に好適に使用される。
(共)重合に用いられるモノマーである成分(a)は、一般式:CH2=CHR11で表されるα−オレフィンである。ここで、R11は、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基であり、分岐、環及び/又は不飽和結合を有していてもよい。R11の炭素数が20より大きいと、十分な重合活性が発現しない傾向がある。このため、好ましい(a)成分としては、R11が水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であるα−オレフィンが挙げられる。更に好ましい(a)成分としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキセン、スチレンが挙げられる。重合に際しては、一種類の(a)成分を単独で使用してもよいし、複数種の(a)成分を併用してもよい。
共重合に用いられるモノマーである成分(b)は、一般式:CH2=C(R12)CO2(R13)で表される(メタ)アクリル酸エステルである。ここで、R12は、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、分岐、環、及び/又は不飽和結合を有していてもよい。R13は、炭素数1〜30の炭化水素基であり、分岐、環、及び/又は不飽和結合を有していてもよい。更に、R13内の任意の位置にヘテロ原子を含有していてもよい。R12の炭素数が11以上であると、十分な重合活性が発現しない傾向がある。好ましい(b)成分としては、R12が水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基である(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。より好ましい(b)成分としては、R12がメチル基であるメタクリル酸エステル又はR12が水素原子であるアクリル酸エステルが挙げられる。また、R13の炭素数が30を超えると、重合活性が低下する傾向がある。R13は、好ましくは炭素数1〜12であり、更に好ましくは炭素数1〜8である。また、R13内に含まれていてもよいヘテロ原子としては、酸素、硫黄、セレン、リン、窒素、ケイ素、フッ素、ホウ素等が挙げられる。これらのヘテロ原子のうち、酸素、ケイ素、フッ素が好ましく、酸素が更に好ましい。また、R13は、ヘテロ原子を含まないものも好ましく使用することができる。
固体担体は、無機又は有機の化合物からなり、通常5μm以上、好ましくは10μm以上であって、通常5mm以下、好ましくは2mm以下の粒径を有する。使用可能な担体としては、本発明の主旨をそこなわない限りにおいて、任意の担体を用いることができる。一般に、無機酸化物、ポリマー担体を好適に使用することができる。無機酸化物としては、具体的には、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2等の金属酸化物、SiO2−Al2O3、SiO2−V2O5、SiO2−TiO2、SiO2−MgO、SiO2−Cr2O3等の混合酸化物、無機ケイ酸塩又はこれらの混合物が挙げられる。ポリマー担体としては、ポリエチレン担体、ポリプロピレン担体、ポリスチレン担体、ポリアクリル酸担体、ポリメタクリル酸担体、ポリアクリル酸エステル担体、ポリエステル担体、ポリアミド担体、ポリイミド担体等が使用可能である。これらの担体については、上記範囲の粒径を有するものであれば、粒径分布、細孔容積、比表面積等に特に制限はなく、任意のものが使用可能である。
本発明の重合触媒は、前記固体担体にM1Rc 3及びB1(ORb)nRc 3−nを接触させた固体担体(1)を含有する。ここで、M1は、アルミニウム又はホウ素を表し、Rb及びRcは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、nは、1〜3の整数を表す。金属M1は、アルミニウムであることが好ましい。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基が挙げられ、これらのアリール基は、芳香環上に置換基を有していてもよく、存在しうる置換基の例としては、アルキル基、アリール基、融合アリール基、フェニルシクロヘキシル基、フェニルブテニル基、トリル基、キシリル基、p−エチルフェニル基等である。これらの中で、好ましい置換基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、フェニル基である。これらは例示であり、これらに限定されない。
M1Rc 3及びB(ORb)nRc 3−nを接触させた固体担体(1)は、固体担体表面の官能基が接触させた前記化合物との化学反応により別の官能基に置換されていたり、接触させた前記化合物が固体担体表面に物理吸着していたりする等、様々な状態になっていることが考えられる。このため、M1Rc 3及びB(ORb)nRc 3−nを接触させた後の固体担体(1)の構造を一義に特定することは難しい。しかし、特定の理論に束縛されるものではないが、固体担体表面がこのような様々な状態をとっていることにより、反応性基Raを有する金属触媒成分(2)が固体担体(1)上に担持可能となると考えられる。M1Rc 3又はB(ORb)nRc 3−nを接触させない場合には、固体担体(1)の表面の官能基が、金属触媒成分(2)を担持させるに十分な性質を有しておらず、金属触媒成分(2)の担持ができないか、不十分となる。
金属触媒成分(2)は、周期表9族、10族又は11族に属する遷移金属Mを含む遷移金属化合物(C)と、反応性基Raとを有する。金属触媒成分(2)は、遷移金属Mを含む遷移金属化合物(C)と反応性基Raを有する化合物とを含んでいてもよく、遷移金属Mを含みかつ反応性基Raを有する化合物を含んでいてもよく、それらの混合物であってもよい。
金属触媒成分(2)において、遷移金属Mは、周期律表の9族、10族又は11族に属する金属元素であるが、好ましくは、10族のニッケル、パラジウム、白金、9族のコバルト、ロジウム、11族の銅であり、更に好ましくは、10族のニッケル、パラジウム又は白金であり、最も好ましくは10族のニッケル又はパラジウムである。
遷移金属化合物(C)については、後述する一般式(A)、(B)等で示される化合物と反応して、重合能を有する錯体を形成可能なものが使用される。これらは、プリカーサー、前駆体とも呼ばれることがある。
例えば、ニッケルを含む遷移金属化合物(C)としては、Ni(COD)2(COD:1,5−シクロオクタジエン)、ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル(II)、一般式(CH2CR17CH2)2Ni、Ni(CH2SiR17 3)2L1又はNiR17 2L1 2で表される錯体等を使用することができる。ここでR17は、水素原子、ハロゲン原子、ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、OR8、又はCO2R8であり、L1はニッケルに配位したリガンドであり、R8は水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基である。
また、9族、10族又は11族の遷移金属Mを含む遷移金属化合物(C)については、一般式:MR17 pL1 q(ここで、Mは、周期表9族、10族又は11族の遷移金属であり、R17及びL1は、先に定義した通りであり、p及びqは、0以上の整数であり、遷移金属錯体の18電子則を満たすように選択される)を使用することができる。
金属触媒成分(2)には、OR8、CO2R8、CO2M’、C(O)N(R8)2、C(O)R8、SR8、SO3R8、P(O)(OR8)2−y(R9)y、P(OR9)3−x(R9)x、NHR8、N(R8)2、Si(OR8)3−x(R8)x、OSi(OR8)3−x(R8)x、SO3M’、PO3M’2、PO3M”、P(O)(OR9)2M’及びエポキシ含有基からなる群より選択される、反応性基Raが含まれる。ここで、R8は、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R9は、炭素数1〜10の炭化水素基を表し、M’は、アルカリ金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はホスホニウムを表し、M”はアルカリ土類金属を表し、xは0〜3の整数を表し、yは0〜2の整数を表す。これらのうち、配位子及び錯体合成を考慮すると、Raは、OR8、CO2R8、C(O)N(R8)2、C(O)R8、SR8、P(R9)2、NHR8、N(R8)2又はSi(OR8)3−x(R8)xであることが好ましい。
[式中、Zは、水素であり、mはZの価数を表し、E1は、リン、砒素又はアンチモンであり、X1は、酸素又は硫黄であり、R2及びR3は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基又は基−Q−Raを含有し、ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基(ここで、Qは、ヘテロ原子を含有してもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Raは、先に定義したとおりである)であるか、又はR2及びR3は、互いに結合してE1とともに環を形成していてもよく、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、又は基−Q−Raであり、R7は、ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基であり、ただし、R2、R3、R4、R5及びR6のうちの少なくとも1つは基−Q−Raを含む置換基である]
で示される化合物と、周期表9族、10族又は11族に属する遷移金属Mを含む遷移金属化合物(C)とを含有することが好ましい。
すなわち、酸素含有基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基等のアリーロキシ基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、アセトキシ基、エチルカルボキシレート基、t−ブチルカルボキシレート基、フェニルカルボキシレート基等のカルボキシレート基等を挙げることができる。
窒素含有基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のジアルキルアミノ基等を挙げることができる。
硫黄含有基としては、チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオ−n−プロポキシ基、チオイソプロポキシ基、チオ−n−ブトキシ基、チオ−t−ブトキシ基、チオフェノキシ基等のチオアルコキシ基、p−メチルチオフェノキシ基、p−メトキシチオフェノキシ基等のチオアリーロキシ基等を挙げることができる。
リン含有置換基としては、ジメチルホスフィノ基、ジエチルホスフィノ基、ジ−n−プロピルホスフィノ基、シクロヘキシルホスフィノ基等のジアルキルホスフィノ基等を挙げることができる。
セレン含有基としては、メチルセレニル基、エチルセレニル基、n−プロピルセレニル基、n−ブチルセレニル基、t−ブチルセレニル基、フェニルセレニル基等のセレニル基を挙げることができる。
これらの中で、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基等のアリーロキシ基や、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のジアルキルアミノ基や、チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオ−n−プロポキシ基、チオイソプロポキシ基、チオ−n−ブトキシ基、チオ−t−ブトキシ基、チオフェノキシ基等のチオアルコキシ基、p−メチルチオフェノキシ基、p−メトキシチオフェノキシ基等のチオアリーロキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基等のアリーロキシ基が更に好ましい。
好ましいR2及びR3の具体的な例示として、2,6−ジメトキシフェニル基、2,4,6−トリメトキシフェニル基、4−メチル−2,6−ジメトキシフェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジメトキシフェニル基、1,3−ジメトキシ−2−ナフチル基、2,6−ジエトキシフェニル基、2,4,6−トリエトキシフェニル基、4−メチル−2,6−ジエトキシフェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジエトキシフェニル基、1,3−ジエトキシ−2−ナフチル基、2,6−ジイソプロポキシフェニル基、2,4,6−トリイソプロポキシフェニル基、4−メチル−2,6−ジイソプロポキシフェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジイソプロポキシフェニル基、1,3−ジイソプロポキシ−2−ナフチル基、2,6−ジフェノキシフェニル基、2,4,6−トリフェノキシフェニル基、4−メチル−2,6−ジフェノキシフェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジフェノキシフェニル基、1,3−ジフェノキシ−2−ナフチル基、2,6−ジ(メトキシメチル)フェニル基、2,4,6−トリ(メトキシメチル)フェニル基、4−メチル−2,6−ジ(メトキシメチル)フェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジ(メトキシメチル)フェニル基、1,3−ジ(メトキシメチル)−2−ナフチル基、2,6−ジ(エトキシメチル)フェニル基、2,4,6−トリ(エトキシメチル)フェニル基、4−メチル−2,6−ジ(エトキシメチル)フェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジ(エトキシメチル)フェニル基、1,3−ジ(エトキシメチル)−2−ナフチル基、2,6−ジ(イソプロポキシメチル)フェニル基、2,4,6−トリ(イソプロポキシメチル)フェニル基、4−メチル−2,6−ジ(イソプロポキシメチル)フェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジ(イソプロポキシメチル)フェニル基、1,3−ジ(イソプロポキシメチル)−2−ナフチル基、2,6−ジ(フェノキシメチル)フェニル基、2,4,6−トリ(フェノキシメチル)フェニル基、4−メチル−2,6−ジ(フェノキシメチル)フェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジ(フェノキシメチル)フェニル基、1,3−ジ(フェノキシメチル)−2−ナフチル基等を挙げることができる。
これらのうち、R4、R5及びR6として好ましいものは、水素原子、フッ素原子、クロロ原子、ブロモ原子のハロゲン原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、トリフルオロメチル基等のパーフルオロアルキル基、ペンタフルオロフェニル基等のパーフルオロアリール基、トリメチルシリル基等のトリアルキルシリル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリーロキシ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。特に好ましいものとしては、水素原子、フッ素原子、メチル基、フェニル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロフェニル基、トリメチルシリル基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
これらのうち、好ましいR7として、t−ブチル基、フェニル基、1−アンスラセニル基、2−アンスラセニル基、9−アンスラセニル基、4−t−ブチルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基、9−フルオレニル基、シクロヘキシル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリフェニルシリル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、カルバゾール基が挙げられる。更に、特に好ましいものは、t−ブチル基、9−アンスラセニル基、トリメチルシリル基、ペンタフルオロフェニル基、カルバゾール基が挙げられる。
ヘテロ原子として挙げられるものとして、酸素原子、硫黄原子、窒素原子が挙げられ、酸素原子を含有してもよい炭化水素基として−CH2−O−CH2−、−CH2−(O−CH2)2−、−CH2−(O−CH2)3−、−CH2−O−CH2CH2−、−CH2−(O−CH2CH2)2−、−CH2−O−CH2CH2CH2−、−CH2CH2−O−CH2−、−CH2CH2−O−CH2CH2−、−CH2CH2−O−CH2CH2CH2−が挙げられる。
また、硫黄原子を含有してもよい炭化水素基として−CH2−S−CH2CH2−、−CH2−(S−CH2CH2)2−、−CH2CH2−S−CH2CH2−、−CH2−S−CH2CH2CH2−が挙げられる。
また、窒素原子を含有してもよい炭化水素基として−CH2−N(CH3)−CH2CH2−、−CH2−(N(CH3)−CH2CH2)2−、−CH2CH2−N(CH3)−CH2CH2−、−CH2−N(CH3)−CH2CH2CH2−が挙げられる。
窒素含有基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等を挙げることができる。
硫黄含有基としては、チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオ−n−プロポキシ基、チオイソプロポキシ基、チオ−n−ブトキシ基、チオ−t−ブトキシ基、チオフェノキシ基、p−メチルチオフェノキシ基、p−メトキシチオフェノキシ基等を挙げることができる。
リン含有基としては、ジメチルホスフィノ基、ジエチルホスフィノ基、ジ−n−プロピルホスフィノ基、シクロヘキシルホスフィノ基等を挙げることができる。
セレン含有基としては、メチルセレニル基、エチルセレニル基、n−プロピルセレニル基、n−ブチルセレニル基、t−ブチルセレニル基、フェニルセレニル基等を挙げることができる。
金属触媒成分(2)には、反応性基と遷移金属元素を共に有する成分として、下記一般式(D):
で示される金属錯体が含まれることが好ましい。一般式(D)で示される金属錯体は、例えば、一般式(A)又は(B)で表される化合物と遷移金属Mを含む遷移金属化合物(C)との接触により得ることができる。
R1の具体的な例としては、ヒドリド基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェニル基、p−メチルフェニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。
本発明の重合用触媒は、上記の固体担体(1)と金属触媒成分(2)を含む。中でも、金属触媒成分(2)に固体担体(1)を接触させて得られる重合触媒が好ましい。また、金属触媒成分(2)を構成する反応性基Raを有する配位性化合物と固体担体(1)とを接触させた混合物に、金属触媒成分(2)を構成する遷移金属化合物(C)を接触させて得られる重合触媒が好ましく、前記反応性基Raを有する化合物として、一般式(A)又は(B)で表される化合物と固体担体(1)とを接触させることがより好ましい。
即ち、本発明の一態様は、固体担体(1)をM1Rc 3及びB(ORb)nRc 3−nで処理する工程、及び、該処理された固体担体(1)を、金属触媒成分(2)で処理する工程を含む、オレフィン重合触媒の製造方法に関する。また別の一態様では、本発明は、固体担体(1)をM1Rc 3及びB(ORb)nRc 3−nで処理する工程、該処理された固体担体(1)を、一般式(A)又は(B)で示される化合物を接触させて混合物を調製する工程、及び、得られた該混合物に前記遷移金属化合物(C)を接触させる工程を含む、オレフィン重合触媒の製造方法に関する。更に別の一態様では、本発明は、固体担体(1)をM1Rc 3で処理した後、更にB(ORb)nRc 3−nで処理する工程を含む、オレフィン重合触媒の製造方法に関する。
(1)反応性基Raを有する配位性化合物と遷移金属化合物(C)とを接触させたのち、M1Rc 3及びB(ORb)nRc 3−nを接触させた固体担体(1)と接触させてもよいし、
(2)M1Rc 3及びB(ORb)nRc 3−nを接触させた固体担体(1)と反応性基Raを有する配位性化合物とを接触させたのち、遷移金属化合物(C)を接触させてもよいし、
(3)反応性基Raを有する配位性化合物と遷移金属化合物(C)とを接触させたのち、M1Rc 3及びB(ORb)nRc 3−nと固体担体とを同時に接触させてもよいし、
(4)反応性基Raを有する配位性化合物と遷移金属化合物(C)とを接触させて一般式(D)で表される金属錯体を単離した後、M1Rc 3及びB(ORb)nRc 3−nと接触させてもよい。
なお、上記反応性基Raを有する配位性化合物の一例として、一般式(A)又は(B)で表される化合物が挙げられる。
触媒各成分の使用比に特に制限はないが、固体担体として、ケイ酸塩を除くイオン交換性層状化合物、又は無機ケイ酸塩を用いる場合は、固体担体1gあたり、遷移金属化合物が0.0001〜10mmol、好ましくは0.001〜5mmolであり、M1Rc 3又はB(ORb)nRc 3−nが0.001〜10,000mmol、好ましくは0.01〜100mmolとなるように設定することにより、重合活性等の点で好適な結果が得られる。また、遷移金属化合物(C)中の遷移金属MとM1Rc 3又はB(ORb)nRc 3−n中のホウ素及びアルミニウム比がモル比で1:0.1〜100、好ましくは、1:0.5〜50となるように制御することが、同様に重合活性等の点で好ましい。ルイス塩基の量としては、触媒成分中の遷移金属Mに対して、0.0001当量〜1000当量、好ましくは0.1当量〜100当量、更に好ましくは0.3当量〜30当量である。
また、得られた触媒をα−オレフィンで予備重合して得られるオレフィン予備重合触媒を経て、オレフィン重合体を製造してもよい。すなわち、得られた触媒が、α−オレフィンで予備的に重合されることでオレフィン予備重合触媒が得られる。該予備重合触媒は、必要に応じて洗浄してもよい。この予備重合は窒素等の不活性ガス中、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒中で行ってもよい。また用いるα−オレフィンは分子量が小さいものが好ましく、具体的には、エチレン、プロピレンが好ましい。更に、オレフィン重合触媒を予備重合する際、後述するルイス塩基を含有させて、ルイス塩基の存在下にα−オレフィンで予備的に重合してもよい。得られた予備重合触媒は、必要に応じて洗浄してオレフィン重合体の製造に供することができる。
即ち、更に別の本発明の一態様では、更に、前記方法で得られたオレフィン重合触媒を、α−オレフィンで予備重合する工程を含む、オレフィン予備重合触媒の製造方法に関する。また別の一態様では、本発明は、前記予備重合がルイス塩基の存在下で行われる、オレフィン予備重合触媒の製造方法に関する。更に別の一態様では、本発明は、α−オレフィンがエチレン又はプロピレンである、オレフィン予備重合触媒の製造方法に関する。
反応後、遷移金属化合物(C)を構成している成分であって、遷移金属化合物(C)の遷移金属以外の成分は、一般式(A)で表される成分のZを除いた部分や一般式(B)で表される成分によって置換されて、一般式(D)で表される金属錯体が生成する。
この置換反応は、定量的に進行するほうが好ましいが、場合によっては完全に進行しなくてもよい。反応終了後、一般式(D)で表される金属錯体以外に、出発物質由来の他の成分が共存するが、重合反応又は共重合反応を行う際に、これらの他の成分は、除去してもよいし、除去しなくてもよい。一般的には、これらの他の成分は、除去した方が、高活性が得られるので好ましい。
本発明の触媒を用いての重合反応は、その重合形式に特に制限はない。媒体中で少なくとも一部の生成重合体がスラリーとなるスラリー重合、液化したモノマー自身を媒体とするバルク重合、気化したモノマー中で行う気相重合、又は、高温高圧で液化したモノマーに生成重合体の少なくとも一部が溶解する高圧イオン重合等が好ましく用いられる。また、バッチ重合、セミバッチ重合、連続重合のいずれの形式でもよい。また、リビング重合であってもよいし、連鎖移動を併発しながら重合を行ってもよい。更に、いわゆるchain transfer agent(CSA)を併用し、chain shuttlingや、coordinative chain transfer polymerization(CCTP)を行ってもよい。
重合反応は、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素溶媒や液化α−オレフィン等の液体、また、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、安息香酸メチル、アセトン、メチルエチルケトン、ホルムアミド、アセトニトリル、メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等のような極性溶媒の存在下あるいは非存在下に行ってもよい。また、ここで記載した液体化合物の混合物を溶媒として使用してもよい。更に、イオン液体も溶媒として使用可能である。なお、高い重合活性や高い分子量を得る観点からは、上述の炭化水素溶媒やイオン液体がより好ましい。
変性ルイス酸の調製条件、例えば接触圧力及び時間に特に制限はなく、加圧から減圧下、1秒〜24時間で変性ルイス酸を得ることが出来る。接触は窒素等の不活性ガス中で行ってもよいし、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒中で行ってもよい。これらの溶媒は、水や硫黄化合物等の被毒物質を除去する操作を施したものを使用するのが好ましい。接触温度は、−20℃ないし使用する溶媒の沸点の間で行い、特には、室温から使用する溶媒の沸点の間で行うのが好ましい。
具体的なルイス酸として、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−ペンチルアルミニウム、トリn−オクチルアルミニウム、トリn−デシルアルミニウムが挙げられる。
共重合体の組成の制御に関しては、複数のモノマーを反応器に供給し、その供給比率を変えることによって制御する方法を一般に用いることができる。その他、触媒の構造の違いによるモノマー反応性比の違いを利用して共重合組成を制御する方法や、モノマー反応性比の重合温度依存性を利用して共重合組成を制御する方法が挙げられる。
(1)重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn及び分子量分布Mw/Mn:
以下のGPC測定により求めた。
はじめに、試料(約20mg)をポリマーラボラトリー社製高温GPC用前処理装置PL−SP260VS用のバイアル瓶に採取し、安定剤としてBHTを含有するo−ジクロロベンゼン(BHT濃度=0.5g/L)を加え、ポリマー濃度が0.1wt%になるように調整した。ポリマーを上記高温GPC用前処理装置PL−SP260VS中で135℃に加熱して溶解させ、グラスフィルターにて濾過して試料を調製した。なお、GPC測定において、グラスフィルターに捕捉されたポリマーはなかった。次に、カラムとして、東ソー社製TSKgel GMH−HT(30cm×4本)及びRI検出器を装着したウォーターズ社製GPCV2000を使用してGPC測定を行った。測定条件としては、試料溶液注入量:約520μL、カラム温度:135℃、溶媒:o−ジクロロベンゼン、流量:1.0mL/分を採用した。分子量の算出は以下のように行った。すなわち、標準試料として市販の単分散のポリスチレンを使用し、該ポリスチレン標準試料及びエチレン系重合体の粘度式から、保持時間と分子量に関する校正曲線を作成し、該校正曲線に基づいて分子量の算出を行った。なお、粘度式としては、[η]=K×Mαを使用し、ポリスチレンに対しては、K=1.38E−4、α=0.70を使用し、エチレン系重合体に対しては、K=4.77E−4、α=0.70を使用した。
熱プレスによってシートにしたサンプルをIR測定することでコモノマー含量([RA])を求めた。その際、エチレン/アクリル酸エステル共重合体は1,740〜1,690cm−1/730〜720cm−1の面積比を、以下の式を用いて換算した値である。
[RA]=1.3503(面積比)−0.2208
(3)ポリマー嵩密度(BD)の測定:JIS K 7365に準拠して測定した。
合成例1:2−ビス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスファニル−4−(3−ブタノン−1−イル)−6−ペンタフルオロフェニルフェノール配位子(B−195)の合成
[1]1,3−ジメトキシ−2−ヨードベンゼン(2)の合成
脱水テトラヒドロフラン(500mL)に1,3−ジメトキシベンゼン(50g,0.36mol)を溶解させた。ここに、窒素雰囲気下でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(166mL,2.5M,0.42mol)を0℃で徐々に加えた。ここで得られた溶液に、脱水テトラヒドロフラン(200mL)に溶解させたヨウ素(96.5g,0.38mol)の溶液を0℃で40分間かけて滴下した。得られた溶液を室温で終夜攪拌した。終了後、メタノール(80mL)を滴下し、得られた混合物を減圧下に濃縮し、水(200mL)を加えた後、酢酸エチル(250mL)で3回抽出した。抽出液をチオ硫酸ナトリウム水及び飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮したところ、1,3−ジメトキシ−2−ヨードベンゼン(2)が黄色の固体として得られた(63g,66%収率)。
化合物(2)(19.4g,73.5mmol)を脱水テトラヒドロフラン(50mL)に溶解させ、イソプロピルマグネシウムクロライドのテトラヒドロフラン溶液(36.8mL,2.0M,73.6mmol)を−30℃で徐々に添加し、得られた混合物を15℃で1時間攪拌した。次に、その混合物を−78℃に冷却し、そこに三塩化リン(5.0g,36.4mmol)をゆっくり添加した。徐々に15℃まで昇温し、15℃で1時間攪拌した後、溶媒を真空除去した。得られたビス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィンクロリド(3)を含む反応中間体に脱水テトラヒドロフラン(150mL)を添加し、次の反応に使用した。
4−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン(150g,0.91mol)のアセトン(1L)/水(1L)混合溶液に臭化ナトリウム(231g,2.25mol)とオキソン(登録商標)(一過硫酸塩化合物)(843g,1.37mol)をアルゴン雰囲気下0℃で添加した後、その混合物を14時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ別物を酢酸エチルで洗浄した(500mL×3)。ろ液と洗浄液を減圧濃縮し、得られた濃縮物を酢酸エチルで抽出した(800mL×3)。その抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水した後ろ過し、ろ液を濃縮することで目的化合物(B−195_5)を得た(250g,0.78mol,86%収率)。
化合物(B−195_5)(430g,1.34mol)とエチレングリコール(415g,6.69mol)との混合溶液にオルトギ酸トリメチル(709g,6.68mol)とp−トルエンスルホン酸(43g,0.20mol)をアルゴン雰囲気下15℃で添加し、混合物を14時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水(500mL)を添加し、酢酸エチルで抽出を行った(1L×3)。抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した後、ろ液を濃縮することで粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)することで、白色固体として目的化合物(B−195_6)を得た(420g,1.15mol,86%収率)。
水素化ナトリウム(54.4g,1.36mol,ミネラルオイル40wt%)の脱水テトラヒドロフラン(500mL)懸濁液に化合物(B−195_6)(246g,0.67mol)をアルゴン雰囲気0℃で添加した後、混合物を1時間撹拌した。クロロメチルメチルエーテル(112g,1.39mol)をアルゴン雰囲気下0℃で添加した後、混合物を4時間撹拌した。混合物に氷水(500mL)を添加した後、酢酸エチルで抽出した(500mL×3)。得られた抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過した後、ろ液を濃縮することで粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)することで、無色透明液体の目的化合物(B−195_7)を得た(250g,0.61mol,90%収率)。
化合物(B−195_7)(30.2g,73.6mmol)の脱水テトラヒドロフラン(75mL)溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(29.4mL,2.5M,73.5mmol)を滴下し、混合物を1時間撹拌した。−78℃に冷やした反応混合物に、[2]で得られた化合物(3)の溶液(73.5mmol)を滴下し、徐々に15℃まで昇温した後、14時間撹拌した。反応混合物に氷水(100mL)を添加した後、塩化メチレンで抽出した(150mL×3)。抽出液を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水した。脱水抽出液を濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)することで目的化合物(B−195_8)を無色透明液体として得た(15.0g,23.6mmol,32%収率)。
化合物(B−195_8)(8.0g,12.6mmol)の脱水テトラヒドロフラン(40mL)溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(5.0mL,2.5M,12.5mmol)を滴下した後、その混合物を−78℃で1時間撹拌した。−78℃の反応混合物に、ヘキサフルオロベンゼン(7.7g,41.4mmol)を滴下し、徐々に15℃まで昇温した後、14時間撹拌した。その反応混合物に氷水(50mL)を添加した後、塩化メチレンで抽出した(75mL×3)。抽出液を飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水した。脱水抽出液を濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)することで目的化合物(B−195_9)を無色の液体として得た(4.0g,5.5mmol,44%収率)。
化合物(B−195_9)(4.0g,5.5mmol)の酢酸エチル(20mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃で、塩化水素の酢酸エチル溶液(4M,40mL)を加えた。その混合物を徐々に25℃まで昇温し、1時間攪拌を行った。その反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水(50mL)を添加し、酢酸エチルで抽出した(60mL×2)。抽出液を飽和塩化ナトリウム水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水した。脱水した抽出液を減圧下で濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)することで目的化合物(B−195)を白色粉末として得た(1.3g,2.1mmol,38%収率)。
1HNMR(C6D6,δ,ppm):7.72(dd,J=14.0,2.0Hz,1H),7.73(s,1H),6.99(t,J=8.4Hz,2H),6.89(s,1H),6.20(dd,J=8.4,2.4Hz,4H),3.17(s,12H),2.73(t,J=7.6Hz,2H),2.16(t,J=7.6Hz,2H),1.55(s,3H);31PNMR(C6D6,δ,ppm):−58.4(s).
[1]2−メチル−2−(2−(3−ブロモ−4−(メトキシメトキシ)−5−(2,6−ジメトキシフェニル)(2,6−ジフェノキシフェニル)ホスファニルフェニル)エチル)−1,3−ジオキサラン(B−203_11A)の合成
(1−1)1,3−ジメトキシ−2−ヨードベンゼン(13.2g,50.0mmol)を脱水テトラヒドロフラン(60mL)に溶解させ、イソプロピルマグネシウムクロライドのテトラヒドロフラン溶液(25.0mL,2.0M,50.0mmol)を−30℃で徐々に添加し、得られた混合物を15℃で1時間攪拌した。次に、その混合物を−78℃に冷却し、そこに三塩化リン(8.40g,61.2mmol)を添加し、更に1時間撹拌した。その後、溶媒と過剰の三塩化リンを真空除去した後、残渣に脱水テトラヒドロフラン(80mL)を添加し、次の反応に使用した。
(1−2)1,3−ジフェノキシベンゼン(13.1g,49.9mmol)の脱水テトラヒドロフラン(40mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(20.0mL,2.50M,50.0mmol)を滴下した後、徐々に15℃まで昇温して2時間撹拌した。その混合溶液を、(1−1)で得たテトラヒドロフラン溶液に−78℃で滴下した後、徐々に15℃まで昇温して1時間撹拌した。
(1−3)2−メチル−2−(2−(3,5−ジブロモ−4−(メトキシメトキシ)フェニル)エチル)−1,3−ジオキサラン(B−195_7)(20.5g,50.0mmol)の脱水テトラヒドロフラン(50mL)溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(20.0mL,2.50M,50.0mmol)を滴下した後、更に1時間撹拌した。その混合物を、(1−2)で得られた混合物の溶液に−78℃で滴下した後、徐々に15℃まで昇温して16時間撹拌した。その反応混合物に氷水(300mL)を添加した後、有機溶媒を減圧下で留去し、酢酸エチルで抽出した(150mL×3)。抽出液を飽和食塩水(300mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。その後、ろ液を濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=20/1)することで目的化合物(B−203_11A)を白色固体として得た(13.8g,18.2mmol,36%収率)。
化合物(B−203_11A)(13.8g,18.2mmol)の脱水テトラヒドロフラン(50mL)溶液にアルゴン雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(7.3mL,2.5M,18.3mmol)を滴下した後、その混合物を−78℃で1時間撹拌した。そこにヘキサフルオロベンゼン(12.5g,67.2mmol)を滴下した後、徐々に15℃まで昇温して16時間撹拌した。その反応混合物に氷水(100mL)を添加した後、有機溶媒を減圧下で留去した。その残渣を酢酸エチルで抽出した(150mL×3)。抽出液を飽和食塩水(150mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル=20/1)することで目的化合物(B−203_12A)を白色固体として得た(9.50g,11.2mmol,62%収率)。
化合物(B−203_12A)(0.403g,0.486mmol)の酢酸エチル(8mL)溶液にアルゴン雰囲気下0℃で、塩化水素の酢酸エチル溶液(4M,15mL)に滴下した。その混合物を徐々に25℃まで昇温し、1時間攪拌した後、有機溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水(30mL)を添加し、その後酢酸エチルで抽出した(30mL×2)。その抽出液を飽和塩化ナトリウム水(30mL)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。そのろ液を減圧下で濃縮したところ、目的化合物(B−203)を白色粉末として得た(0.36g,0.474mmol,98%収率)。
1HNMR(CDCl3,δ,ppm):7.68(s,1H),7.64(dd,J=13.2,2.0Hz,1H),6.99−6.94(m,4H),6.90(t,J=8.4Hz,1H),6.80−6.71(m,8H),6.50(dd,J=8.0,2.8Hz,2H),6.09(dd,J=8.0,2.8Hz,2H),3.17(s,6H),2.53(t,J=7.6Hz,2H),1.98(t,J=7.6Hz,2H),1.53(s,3H);31PNMR(CDCl3,δ,ppm):−59.2(s).
固体担体1の調製:シリカ1.03g(グレースGrace948)を採取し、これにトルエン4mLを添加した。その後、撹拌しながらAliBu3のトルエン溶液(0.4M、5.0mL、2.0mmol)を室温で加え、1時間反応させた。得られた混合物に、B(OEt)3のトルエン溶液(0.245M、8.2mL、2.0mmol)を撹拌しながら室温で加え、70℃で1時間撹拌した。シリカを含むトルエン溶液を、トルエン20mLで3回洗浄した後に減圧乾燥し、固体担体1を1.10g得た。
重合触媒1の調製:固体担体にB−195(0.20mmol)のトルエン溶液(5.0mL)を加え、室温で30分間撹拌した。そこにNi(COD)2(55.0mg、0.20mmol)のトルエン溶液5.0mLを添加し、60℃で1時間撹拌した。トルエン20mLで3回、ヘキサン20mLで2回洗浄した後に減圧乾燥し、重合触媒1を1.20g得た。
固体担体2の調製:シリカ1.01g(グレースGrace948)を採取し、これにトルエン4mLを添加した。その後、撹拌しながらAliBu3のトルエン溶液(0.4M、5.0mL、2.0mmol)を室温で加え、1時間反応させた。得られた混合物に、B(OEt)3のトルエン溶液(0.410M、4.9mL、2.0mmol)を撹拌しながら室温で加え、1時間撹拌した。シリカを含むトルエン溶液は、トルエン20mLで3回洗浄した後に減圧乾燥し、固体担体2を1.10g得た。
重合触媒2の調製:固体担体2(1.10g)にB−195(0.20mmol)のトルエン溶液(5.0mL)を加え、室温で30分間撹拌した。そこにNi(COD)2(55.0mg、0.20mmol)のトルエン溶液5.0mLを添加し、60℃で1時間撹拌した。トルエン20mLで3回、ヘキサン20mLで2回洗浄した後に減圧乾燥し、重合触媒2を1.18g得た。
重合触媒3の調製:B(OEt)3のトルエン溶液(0.410M、4.0mL、2.0mmol)とB−195(0.20mmol)のトルエン溶液(5.0mL)とを混合し、室温で30分間撹拌した。得られた溶液と固体担体1(1.12g)とを混合し室温で30分撹拌した後、Ni(COD)2(55.0mg、0.20mmol)のトルエン溶液5.0mLを添加し、室温で30分撹拌した。トルエン20mLで3回、ヘキサン20mLで2回洗浄した後に減圧乾燥し、重合触媒3を1.18g得た。
重合触媒4の調製:固体担体2(1.11g)にB−195(0.20mmol)のトルエン溶液(5.0mL)を加え、室温で30分間撹拌した。得られた混合物にNi(COD)2(55.0mg、0.20mmol)のトルエン溶液5.0mLを添加し、60℃で1時間撹拌した。トルエン20mLで3回、ヘキサン20mLで2回洗浄した後に減圧乾燥し、重合触媒4を1.19g得た。
予備重合触媒4の調製:内容積2Lの誘導撹拌式オートクレーブに、乾燥ヘキサン(200mL)、トリn−オクチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.1M、1mL、0.1mmol)、n−ブチルアクリレート(nBA)(0.2mmol)を導入した。40℃に加温した後、エチレン(0.1MPa)を導入して、重合触媒4(1.0g)を添加した。エチレンの圧が0になる度にエチレンを0.1MPa導入し、合計4回繰り返した。この操作により重合触媒1gあたりポリエチレンを6.63g含む予備重合触媒4が得られた。
固体担体3の調製:シリカ1.02g(グレースGrace948)を採取し、これにトルエン4mLを添加した。その後、撹拌しながらAlEt3のトルエン溶液(0.4M、5.0mL、2.0mmol)を室温で加え、1時間反応させた。その混合物に、B(OEt)3のトルエン溶液(0.245M、8.2mL、2.0mmol)を撹拌しながら室温で加え、1時間撹拌した。シリカを含むトルエン溶液を、トルエン20mLで3回洗浄した後に減圧乾燥し、固体担体3を1.09g得た。
重合触媒5の調製:固体担体3(1.09g)にB−203(0.20mmol)のトルエン溶液(8.0mL)を加え、室温で30分間撹拌した。得られた混合物にNi(COD)2(55.0mg、0.20mmol)のトルエン溶液5.0mLを添加し、60℃で1時間撹拌した。トルエン20mLで3回、ヘキサン20mLで2回洗浄した後に減圧乾燥し、重合触媒5を1.12g得た。
重合触媒1〜5を用いるエチレン・アクリル酸エステルの共重合及びエチレンのホモ重合
[実施例1〜5]
内容積2Lの誘導攪拌式オートクレーブに、乾燥ヘキサン(0.6L)及びコノモノマーとして所定量のアクリル酸エステルを導入した。攪拌しながらオートクレーブを90℃に昇温した後、エチレンをオートクレーブに3.0MPa供給した。調整終了後、重合触媒のヘキサンスラリーを供給し、共重合を開始させた。1時間重合させた後、未反応ガスを除去した後、オートクレーブを開放し、濾過、溶媒洗浄、加熱乾燥を行い、共重合体を得た。
比較例1では、AliBu3に代えてAliBu2(OEt)を用い、トリエトキシホウ素を用いなかったこと以外は重合触媒1と同様にして、重合触媒6を得た。比較例2では、トリエトキシホウ素に代えてトリイソプロポキシアルミニウムを用いたこと以外は重合触媒1と同様にして、重合触媒7を得た。実施例1と同様にエチレン・アクリル酸エステル共重合を実施した。比較例1では触媒量を260mg、比較例2では触媒量を130mgとした。
[実施例6及び7]
内容積2Lの誘導攪拌式オートクレーブに、乾燥ヘキサン(1L)、トリn−オクチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.01mL、1mL)を導入した。攪拌しながらオートクレーブを70℃に昇温した後、エチレンをオートクレーブに3.0MPa供給した。調整終了後、重合触媒のヘキサンスラリーを供給し、重合を開始させた。1時間重合させた後、未反応ガスを除去した後、オートクレーブを開放し、濾過、溶媒洗浄、加熱乾燥を行い、重合体を得た。
活性は、重合に用いた重合触媒1gあたり、重合時間1時間あたりの重合体収量(g)を表す。嵩密度(BD)は、体積既知の容器に最もゆるやかな状態で紛体を入れた場合の見掛け密度である。得られた重合体に関するGPC測定結果についても、表7に記載した。
比較例3では、ホウ素化合物を用いなかったこと以外は重合触媒2と同様にして重合触媒を調製し、実施例6と同様にしてエチレンホモ重合を実施した。触媒量は表7に示す通りの量を用いた。
Claims (14)
- M1Rc 3で示される化合物及びB(ORb)nRc 3−nで示される化合物(ここで、M1は、アルミニウム又はホウ素を表し、Rb及びRcは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、nは1〜3の整数を表す)を接触させた固体担体(1)、並びに、
OR8、CO2R8、CO2M’、C(O)N(R8)2、C(O)R8、SR8、SO3R8、P(O)(OR8)2−y(R9)y、P(OR9)3−x(R9)x、NHR8、N(R8)2、Si(OR8)3−x(R8)x、OSi(OR8)3−x(R8)x、SO3M’、PO3M’2、PO3M”、P(O)(OR9)2M’及びエポキシ含有基(ここで、R8は、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R9は、炭素数1〜10の炭化水素基を表し、M’は、アルカリ金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はホスホニウムを表し、M”はアルカリ土類金属を表し、xは0〜3の整数を表し、yは0〜2の整数を表す)からなる群より選択される反応性基Raを有し、周期表9族、10族又は11族に属する遷移金属Mを含む遷移金属化合物を含有する金属触媒成分(2)を含有する、オレフィン重合触媒。 - 前記金属触媒成分(2)が、下記一般式(A)又は(B):
[式中、Zは、水素であり、mはZの価数を表し、E1は、リン、砒素又はアンチモンであり、X1は、酸素又は硫黄であり、R2及びR3は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基又は基−Q−Raを含有し、ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基(ここで、Qは、ヘテロ原子を含有してもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基を表し、Raは、請求項1に定義されたとおりである)であるか、又はR2及びR3は、互いに結合してE1とともに環を形成していてもよく、R4、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、又は基−Q−Raであり、R7は、ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基であり、ただし、R2、R3、R4、R5及びR6のうちの少なくとも1つは基−Q−Raを含む置換基である]
で示される化合物と、周期表9族、10族又は11族に属する遷移金属Mを含む遷移金属化合物(C)とを含有する、請求項1に記載のオレフィン重合触媒。 - 前記一般式(D)中、Mが、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト又はロジウムである、請求項3に記載のオレフィン重合触媒。
- 前記固体担体(1)が、無機酸化物又はポリマー担体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のオレフィン重合触媒。
- Raが、OR8、CO2R8、C(O)N(R8)2、C(O)R8、SR8、P(R9)2、NHR8、N(R8)2又はSi(OR8)3−x(R8)x(ここで、R8は、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、R9は、炭素数1〜10の炭化水素基である)である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のオレフィン重合触媒。
- 固体担体(1)をM1Rc 3及びB(ORb)nRc 3−nで処理する工程、及び、該処理された固体担体(1)を、金属触媒成分(2)で処理する工程を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のオレフィン重合触媒の製造方法。
- 固体担体(1)をM1Rc 3及びB(ORb)nRc 3−nで処理する工程、該処理された固体担体(1)を、一般式(A)又は(B)で示される化合物を接触させて混合物を調製する工程、及び、得られた該混合物に前記遷移金属化合物(C)を接触させる工程を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のオレフィン重合触媒の製造方法。
- 固体担体(1)をM1Rc 3で処理した後、更にB(ORb)nRc 3−nで処理する工程を含む、請求項7又は8記載のオレフィン重合触媒の製造方法。
- 更に、請求項7〜9のいずれか1項記載の方法で得られたオレフィン重合触媒を、α−オレフィンで予備重合する工程を含む、オレフィン予備重合触媒の製造方法。
- 前記予備重合がルイス塩基の存在下で行われる、請求項10に記載のオレフィン予備重合触媒の製造方法。
- 前記α−オレフィンがエチレン又はプロピレンである、請求項10又は11に記載のオレフィン予備重合触媒の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のオレフィン重合触媒又は請求項7〜12のいずれか1項記載の方法により得られるオレフィン重合触媒若しくはオレフィン予備重合触媒の存在下、オレフィンを単独重合又は共重合する工程を含む、オレフィン重合体の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のオレフィン重合触媒又は請求項7〜12のいずれか1項記載の方法により得られるオレフィン重合触媒若しくはオレフィン予備重合触媒の存在下、オレフィンと(メタ)アクリル酸エステルを共重合する工程を含む、α−オレフィン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造方法。
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