JP2017198492A - 光学スケール、エンコーダーおよびロボット - Google Patents

光学スケール、エンコーダーおよびロボット Download PDF

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紘斗 冨岡
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大己 ▲徳▼島
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Abstract

【課題】検出精度を向上させることができる光学スケールおよびエンコーダーを提供すること、また、かかるエンコーダーを備えるロボットを提供すること。
【解決手段】偏光特性を有する偏光部と、前記偏光部の中心軸まわりの周方向に沿って設けられ、反射率または透過率の異なる2つの領域に前記周方向で二分されている第1トラックと、前記中心軸まわりの周方向に沿って設けられ、前記中心軸に対して互いに反対側に配置されている2つの領域の反射率または透過率が互いに異なる第2トラックと、を備えることを特徴とする光学スケール。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学スケール、エンコーダーおよびロボットに関するものである。
エンコーダーの一種として光学式のロータリーエンコーダーが一般に知られている(例えば特許文献1参照)。ロータリーエンコーダーは、例えば、回動可能な関節部を有するロボットアームを備えるロボットに用いられ、関節部の回転角度、回転位置、回転数、回転速度等の回動状態を検出する。
例えば、特許文献1に係るエンコーダーユニットは、光学スケールと、光学センサーパッケージと、を有する。そして、光学スケールは、中心を基準として回転する偏光子と、この偏光子の外周を取り囲むように、偏光子の中心を基準点として面内の180°毎に分けて配置された遮光パターンおよび透光パターンと、を有する。また、光学センサーパッケージは、偏光子の中心を介して180°対称の位置で偏光子に対向する2つの光学センサーと、この2つの光学センサーよりも外側で遮光パターンからの光を検出する光学センサーと、を有する。
国際公開第2013/065737号
特許文献1に係るエンコーダーユニットにおいて、偏光子からの光を検出する2つの光学センサーの検出結果だけでは、偏光子が180°回転した状態とそうでない状態とを判別することができない。そのため、特許文献1に係るエンコーダーユニットでは、外側の光学センサーが遮光パターンからの光を検出しているか否かによって、偏光子が180°回転した状態とそうでない状態とを判別している。
しかし、特許文献1に係るエンコーダーユニットでは、遮光パターンと透光パターンとの境界部において、外側の光学センサーの検出強度が不安定となるため、偏光子が180°回転した状態とそうでない状態とを誤って判別してしまう場合がある。
本発明の目的は、検出精度を向上させることができる光学スケールおよびエンコーダーを提供すること、また、かかるエンコーダーを備えるロボットを提供することにある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の光学スケールは、偏光特性を有する偏光部と、
前記偏光部の中心軸まわりの周方向に沿って設けられ、反射率または透過率が異なる2つの領域に前記周方向において二分されている第1トラックと、
前記周方向に沿って設けられ、反射率または透過率が互いに異なる2つの領域が配置されている第2トラックと、を備えることを特徴とする。
このような光学スケールによれば、第1トラックおよび第2トラックのそれぞれからの光(反射光または透過光)を検出し、その検出結果を用いることで、偏光部が180°回動した状態とそうでない状態とを高精度に判別することができる。よって、検出精度を向上させることができる光学スケールを提供することができる。なお、本明細書において、「回動」とは、ある軸まわりに一方向またはその反対方向を含めた双方向に動くことであり、また、ある軸まわりに回転することを含むものである。
本発明の光学スケールでは、前記偏光部は、複数の金属線を有することが好ましい。
これにより、特定方向の偏光光を高効率で反射可能な偏光部を実現することができる。
本発明の光学スケールでは、前記中心軸に沿った方向から見たとき、前記第1トラックが有する前記2つの領域間にある2つの境界部を結ぶ線分またはその延長線は、前記第2トラックが有する前記2つの領域の双方を通ることが好ましい。
これにより、1つの発光素子から第1トラックおよび第2トラックの双方に向けて光を出射することができる。
本発明の光学スケールでは、前記第1トラックと前記中心軸との間の距離は、前記第2トラックと前記中心軸との間の距離と異なることが好ましい。
これにより、第1トラックからの光と、第2トラックからの光とを容易に区別して検出することができる。
本発明のエンコーダーは、本発明の光学スケールと、
前記光学スケールに向けて光を出射する光出射部と、
前記偏光部、前記第1トラックおよび前記第2トラックのそれぞれからの前記光の強度に応じた信号を出力する光検出部と、
前記信号を用いて、前記光学スケールの回動状態を判断する判断部と、を備えることを特徴とする。
このようなエンコーダーによれば、偏光部が180°回動した状態とそうでない状態とを高精度に判別することができる。よって、検出精度を向上させることができるエンコーダーを提供することができる。
本発明のエンコーダーでは、前記光出射部は、前記第1トラックおよび前記第2トラックの双方に光を照射する発光素子を有することが好ましい。
これにより、光出射部に用いる発光素子の数を少なくすることができる。そのため、エンコーダーの小型化および低コスト化を図ることができる。
本発明のエンコーダーでは、前記光出射部は、面発光レーザーを有することが好ましい。
これにより、光出射部の小型化を図りつつ、直線偏光した光を出射する光出射部を実現することができる。
本発明のエンコーダーでは、前記光検出部は、前記偏光部からの前記光を受光する第1受光素子と、前記第1トラックからの前記光を受光する第2受光素子と、前記第2トラックからの前記光を受光する第3受光素子と、を有することが好ましい。
これにより、偏光部、第1トラックおよび第2トラックからの光を容易に区別して検出することができる。また、第1〜第3受光素子の配置の自由度が高く、エンコーダーの設計の自由度を高めることができる。
本発明のエンコーダーでは、前記光検出部は、前記偏光部からの前記光を受光する第1受光素子と、前記第1トラックおよび前記第2トラックからの前記光を受光する第2受光素子と、を有することが好ましい。
これにより、光検出部に用いる受光素子の数を少なくすることができる。そのため、エンコーダーの小型化および低コスト化を図ることができる。
本発明のエンコーダーでは、前記光出射部および前記光検出部は、前記光学スケールに対して同じ側に配置されていることが好ましい。
これにより、反射型のエンコーダーを実現することができる。
本発明のロボットは、本発明のエンコーダーを備えることを特徴とする。
このようなロボットによれば、優れた検出精度を有するエンコーダーを備えるため、例えば、このエンコーダーの検出結果を用いて、高精度な動作制御を行うことができる。
本発明の第1実施形態に係るエンコーダーを説明する模式図である。 図1に示すエンコーダーが備える光学スケールを説明する平面図である。 図1に示すエンコーダーが備える光出射部の構成例を示す平面図である。 図3中のA−A線断面図である。 図1に示すエンコーダーが備える光出射部および光検出部を説明する平面図である。 図1に示すエンコーダーが備える光出射部および光検出部を説明する模式的断面図である。 図1に示すエンコーダーの光学スケールの回転角度と光検出部の出力(電流値)との関係を示すグラフである。 図1に示すエンコーダーが備える光出射部および光検出部の変形例を説明する平面図である。 図8に示す光出射部および光検出部を説明する模式的断面図である。 本発明の第2実施形態に係るエンコーダーを示す平面図である。 図10に示すエンコーダーの光学スケールの回転角度と光検出部の出力(電流値)との関係を示すグラフである。 図10に示す光学スケールの変形例を説明する平面図である。 本発明の第3実施形態に係るエンコーダーを示す平面図である。 図13に示すエンコーダーが備える光出射部および光検出部を説明する平面図である。 図13に示すエンコーダーが備える光出射部および光検出部を説明する模式的断面図である。 図13に示すエンコーダーの光学スケールの回転角度と光検出部の出力(電流値)との関係を示すグラフである。 図13に示すエンコーダーが備える光出射部および光検出部の変形例を説明する平面図である。 本発明の第4実施形態に係るエンコーダーを示す平面図である。 図18に示すエンコーダーが備える光出射部および光検出部を説明する平面図である。 図18に示すエンコーダーが備える光出射部および光検出部を説明する模式的断面図である。 図18に示すエンコーダーが備える光出射部および光検出部の変形例を説明する平面図である。 本発明のロボットの一例を示す側面図である。
以下、本発明の光学スケール、エンコーダーおよびロボットを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
(エンコーダー)
図1は、本発明の第1実施形態に係るエンコーダーを説明する模式図である。
図1に示すエンコーダー1は、反射型の光学式のロータリーエンコーダーである。このエンコーダー1は、回動軸J1まわりに回動する光学スケール2と、光学スケール2に対向して固定設置されるセンサーユニット3と、センサーユニット3に電気的に接続されている演算部6と、を備えている。
光学スケール2は、基板21と、基板21の一方の面上に設けられている偏光部22、第1トラック23および第2トラック24と、を有する。また、センサーユニット3は、基板31と、基板31の光学スケール2側の面に設けられている発光素子32および受光素子33、34、35と、を有する。ここで、発光素子32は、光出射部11を構成し、受光素子33、34、35は、光検出部12を構成している。
このエンコーダー1では、発光素子32が光学スケール2の偏光部22、第1トラック23および第2トラック24のそれぞれに光を照射する。そして、受光素子33が偏光部22からの反射光、受光素子34が第1トラック23からの反射光、受光素子35が第2トラック24から反射光をそれぞれ受光する。演算部6は、受光素子33、34、35からの信号(電流値)に基づいて、光学スケール2の回動状態を判断する。
ここで、受光素子33からの信号は、A相信号である。受光素子34からの信号は、受光素子33からの信号を180°回動した状態と判別(区別)するための180°回動判別用信号である。受光素子35からの信号は、受光素子34からの信号と併用して受光素子33からの信号を180°回動した状態と判別するための180°回動判別用信号である。なお、図示しないが、センサーユニット3は、A相信号とは45°位相のずれたB相信号を出力する受光素子を有する。そして、演算部6は、A相信号およびB相信号を用いて、回動角度180°範囲内での光学スケール2の回動位置を判断する。
以下、エンコーダー1の各部について詳述する。
(光学スケール)
図2は、図1に示すエンコーダーが備える光学スケールを説明する平面図である。
図2に示すように、光学スケール2は、円板状をなし、その中央部には、厚さ方向に貫通している孔211が設けられている。この光学スケール2は、回動軸J1まわりに回動する部材(図示せず)に取り付けられる。前述したように、光学スケール2は、基板21と、基板21の一方の面上に設けられている偏光部22、第1トラック23および第2トラック24と、を有する。
[基板]
基板21は、発光素子32からの光に対する透過性を有する。基板21の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ガラス材料、樹脂材料等が挙げられる。なお、偏光部22、第1トラック23および第2トラック24を一体で構成する場合、基板21は、省略することが可能である。
このような基板21の一方の面上には、基板21の中心側から外周側に向けて、偏光部22、第1トラック23および第2トラック24がこの順に並んで配置されている。
[偏光部]
偏光部22は、選択的にP偏光の光を透過し、S偏光の光を反射する偏光特性を有する。この偏光部22は、例えば、発光素子32からの光に対する反射性を有する複数のワイヤーを互いに間隔を隔てて平行に並べて構成されている偏光パターンを有する。
この偏光パターンの構成材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、金(Au)、鉄(Fe)、白金(Pt)またはこれらの合金等の金属材料が挙げられる。すなわち、偏光部22が直線状に延びている複数の金属線を有する。このような偏光部22は、例えば、公知の成膜方法を用いて形成してもよいし、シート状または板状の部材をエッチング等により加工して形成してもよい。
[第1トラック]
第1トラック23は、回動軸J1を中心とする円に沿って設けられ、回動軸J1に沿った方向から見たとき(以下、「平面視」とも言う)、回動軸J1を通る線分L1により二分される2つの領域231、232で構成されている。すなわち、第1トラック23の周方向における360°の全範囲のうち、180°の範囲に領域231が設けられ、残りの180°の範囲に領域232が設けられている。
この2つの領域231、232は、互いに反射率が異なる。具体的には、2つの領域231、232のうち、一方の領域231は、発光素子32からの光に対する反射性を有し、他方の領域232は、発光素子32からの光に対する透過性を有する。したがって、発光素子32からの光に対する領域231の反射率は、発光素子32からの光に対する領域232の反射率よりも高い。
ここで、領域231には、発光素子32からの光に対する反射性を有する薄膜が設けられ、一方、領域232には、当該薄膜が設けられていない。領域231に設けられる薄膜の構成材料としては、例えば、前述した偏光部22の偏光パターンと同様の金属材料が挙げられる。
このような領域231の薄膜は、例えば、公知の成膜方法を用いて形成することができ、また、前述した偏光部22の偏光パターンと一括して形成することもできる。なお、領域232には、領域231に設けられている薄膜よりも発光素子32からの光に対する反射率が低い薄膜を設けてもよい。また、図示では、領域232に偏光部22の偏光パターンが形成されているが、領域232にある偏光パターンは、省略してもよい。
[第2トラック]
第2トラック24は、回動軸J1を中心とする円に沿って設けられ、平面視で線分L1と重なる2つの領域241、242で構成されている。すなわち、第2トラック24の周方向における範囲のうち、前述した第1トラック23の2つの領域231、232の間にある2つの境界部のうちの一方の境界部に対応する周方向位置を含む範囲に領域241が設けられ、他方の境界部に対応する周方向位置を含む残りの範囲に領域242が設けられている。本実施形態では、第2トラック24の周方向における領域241の長さが領域242の長さよりも短い。また、領域241は、第1トラック23の2つの領域231、232の間にある2つの境界部のうちの一方の境界部付近に局所的に設けられている。
この2つの領域241、242は、互いに反射率が異なる。具体的には、2つの領域241、242のうち、一方の領域241は、発光素子32からの光に対する反射性を有し、他方の領域242は、発光素子32からの光に対する透過性を有する。したがって、発光素子32からの光に対する領域241の反射率は、発光素子32からの光に対する領域242の反射率よりも高い。
ここで、領域241には、発光素子32からの光に対する反射性を有する薄膜が設けられ、一方、領域242には、当該薄膜が設けられていない。領域241に設けられる薄膜の構成材料としては、例えば、前述した偏光部22の偏光パターンと同様の金属材料が挙げられる。
このような領域241の薄膜は、例えば、公知の成膜方法を用いて形成することができ、また、前述した偏光部22の偏光パターンおよび第1トラック23の領域231の薄膜のうちの少なくとも一方と一括して形成することもできる。なお、領域242には、領域241に設けられている薄膜よりも発光素子32からの光に対する反射率が低い薄膜を設けてもよい。
以上のような光学スケール2は、前述したように、偏光部22と、第1トラック23と、第2トラック24と、を有する。そして、偏光部22は、偏光特性を有する。第1トラック23は、偏光部22の中心軸である回動軸J1まわりの周方向に沿って設けられ、反射率または透過率の異なる2つの領域231、232に周方向において二分されている。第2トラック24は、回動軸J1まわりの周方向に沿って設けられ、回動軸J1に対して互いに反対側に配置されている2つの領域241、242の反射率または透過率が互いに異なる。
このような光学スケール2によれば、後に詳述するように、第1トラック23および第2トラック24のそれぞれからの光LL(本実施形態では反射光)を検出し、その検出結果を用いることで、偏光部22が180°回転した状態とそうでない状態とを高精度に判別することができる。よって、検出精度を向上させることができる光学スケール2を提供することができる。
また、偏光部22が複数の金属線を有することにより、特定方向の偏光光を高効率で反射可能な偏光部22を実現することができる。
さらに、中心軸である回動軸J1に沿った方向から見たとき、第1トラック23が有する2つの領域231、232間にある2つの境界部を結ぶ線分またはその延長線である線分L1は、第2トラック24が有する2つの領域241、242の双方を通る。これにより、1つの発光素子32から第1トラック23および第2トラック24の双方に向けて光LLを出射することができる。
また、第1トラック23が第2トラック24に対して回動軸J1側にある。したがって、第1トラック23と中心軸である回動軸J1との間の距離は、第2トラック24と回動軸J1との間の距離と異なる。これにより、センサーユニット3が第1トラック23からの光LLと、第2トラック24からの光LLとを容易に区別して検出することができる。
(センサーユニット)
図3は、図1に示すエンコーダーが備える光出射部の構成例を示す平面図である。図4は、図3中のA−A線断面図である。図5は、図1に示すエンコーダーが備える光出射部および光検出部を説明する平面図である。図6は、図1に示すエンコーダーが備える光出射部および光検出部を説明する模式的断面図である。
センサーユニット3は、回動軸J1まわりに回動しない部材(図示せず)に取り付けられる。前述したように、センサーユニット3は、基板31と、基板31の光学スケール2側の面に設けられている発光素子32および受光素子33、34、35と、を有する。
[基板]
基板31は、回動軸J1まわりに回動しない部材(図示せず)に取り付けられる。基板31は、例えば、配線基板であり、発光素子32および受光素子33、34、35を支持するとともに、これらと電気的に接続されている。そして、基板31は、演算部6に図示しない配線を介して電気的に接続されている。
[発光素子]
発光素子32は、例えば、面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)である。この発光素子32は、所望方向に直線偏光した光を安定して出力する構成を有するものが好ましい。以下、好ましい発光素子32の一例を説明する。
図3および図4に示す発光素子32は、基板41と、第1ミラー層42と、活性層43と、第2ミラー層44と、電流狭窄層49と、コンタクト層45と、第1領域46と、第2領域50と、樹脂層47と、第1電極48と、第2電極51と、パッド52と、引き出し配線53と、を有する。ここで、第1ミラー層42、活性層43、第2ミラー層44、電流狭窄層49、コンタクト層45、第1領域46および第2領域50は、積層体40を構成している。そして、積層体40は、樹脂層47によって囲まれている。
基板41は、例えば、n型(第1導電型)のGaAs基板である。
第1ミラー層42は、基板41上に設けられている。第1ミラー層42は、例えば、シリコンがドープされたn型のAl0.12Ga0.88As層である高屈折率層と、シリコンがドープされたn型のAl0.9Ga0.1As層である低屈折率層とを交互に積層して構成されている。
活性層43は、第1ミラー層42上に設けられている。活性層43は、例えば、i型のIn0.06Ga0.94As層とi型のAl0.3Ga0.7As層とから構成される量子井戸構造を3層重ねた多重量子井戸(MQW)構造を有している。
第2ミラー層44は、活性層43上に設けられている。第2ミラー層44は、例えば、炭素がドープされたp型のAl0.12Ga0.88As層である高屈折率層と、炭素がドープされたp型のAl0.9Ga0.1As層である低屈折率層とを交互に積層して構成されている。
第2ミラー層44、活性層43および第1ミラー層42は、垂直共振器型のpinダイオードを構成している。第1電極48と第2電極51との間にpinダイオードの順方向の電圧を印加すると、活性層43において電子と正孔との再結合が起こり、発光が生じる。活性層43で発生した光は、第1ミラー層42と第2ミラー層44との間を往復し(多重反射し)、その際に誘導放出が起こって、強度が増幅される。そして、光利得が光損失を上回ると、レーザー発振が起こり、コンタクト層45を介して外部へレーザー光が出射される。
電流狭窄層49は、活性層43と第2ミラー層44との間に設けられている。なお、電流狭窄層49は、第1ミラー層42または第2ミラー層44の内部に設けてもよい。電流狭窄層49は、開口部491が形成された絶縁層である。この電流狭窄層49は、第1電極48と第2電極51との間を流れる電流が活性層43の面に沿った方向に広がることを防ぐ機能を有する。
コンタクト層45は、第2ミラー層44上に設けられている。コンタクト層45は、例えば、炭素がドープされたp型のGaAs層である。
第1領域46は、第1ミラー層42が有する凸部の側方に設けられている。第1領域46は、例えば、第1ミラー層42が有する低屈折率層(例えばAl0.9Ga0.1As層)と連続する層が酸化された酸化層と、第1ミラー層42が有する高屈折率層(例えばAl0.12Ga0.88As層)と連続する層と、が交互に積層されて構成されている。
第2領域50は、第2ミラー層44の側方に設けられている。第2領域50は、例えば、第2ミラー層44が有する低屈折率層(例えばAl0.9Ga0.1As層)と連続する層が酸化された酸化層と、第2ミラー層44が有する高屈折率層(例えばAl0.12Ga0.88As層)と連続する層と、が交互に積層されて構成されている。
以上のような第1ミラー層42、活性層43、第2ミラー層44、電流狭窄層49、コンタクト層45、第1領域46および第2領域50で構成されている積層体40は、平面視において、Y軸方向における積層体40の長さが、X軸方向における積層体40の長さよりも長い。図示では、積層体40は、平面視において、Y軸方向およびX軸方向の双方に対して対称な形状をなしている。
積層体40は、図3に示すように、平面視において、第1歪付与部40aと、第2歪付与部40bと、共振部40cと、を有する。
第1歪付与部40aおよび第2歪付与部40bは、平面視において、共振部40cを挟んでY軸方向に対向している。そして、第1歪付与部40aおよび第2歪付与部40bは、共振部40cと一体的に構成されている。
第1歪付与部40aおよび第2歪付与部40bは、活性層43に歪みを付与して、活性層43にて発生する光を偏光させる。ここで、「光を偏光させる」とは、光の電場の振動方向を一定にすることを言う。
共振部40cは、第1歪付与部40aと第2歪付与部40bとの間に設けられている。X軸方向における共振部40cの長さは、X軸方向における第1歪付与部40aの長さまたはX軸方向における第2歪付与部40bの長さよりも大きい。共振部40cの平面形状は、例えば、円である。共振部40cは、活性層43で発生した光を共振させる。
樹脂層47は、積層体40の少なくとも側面に設けられている。樹脂層47は、第1歪付与部40aおよび第2歪付与部40bを完全に覆っていてもよいし、第1歪付与部40aおよび第2歪付与部40bの一部を覆っていてもよい。樹脂層47の材質は、例えば、ポリイミドである。
第1電極48は、第1ミラー層42上に設けられている。第1電極48は、第1ミラー層42とオーミックコンタクトしている。第1電極48は、第1ミラー層42と電気的に接続されている。第1電極48は、例えば、第1ミラー層42側から、Cr層、AuGe層、Ni層、Au層をこの順で積層して構成されている。第1電極48は、活性層43に電流を注入するための一方の電極である。なお、第1電極48は、基板41の下面に設けられていてもよい。
第2電極51は、コンタクト層45上および樹脂層47上に設けられている。第2電極51は、コンタクト層45とオーミックコンタクトしている。第2電極51は、コンタクト層45を介して、第2ミラー層44と電気的に接続されている。第2電極51は、例えば、コンタクト層45側から、Cr層、Pt層、Ti層、Pt層、Au層をこの順で積層して構成されている。第2電極51は、活性層43に電流を注入するための他方の電極である。
第2電極51は、パッド52と電気的に接続されている。第2電極51は、引き出し配線53を介して、パッド52と電気的に接続されている。パッド52は、樹脂層47上に設けられている。パッド52および引き出し配線53の材質は、例えば、第2電極51の材質と同じである。
以上説明したような発光素子32によれば、平面視において、Y軸方向における積層体40の長さが、X軸方向における積層体40の長さよりも大きく、かつ、平面視において、Y軸方向における樹脂層47の長さが、X軸方向における樹脂層47の長さよりも長い。そのため、第1、第2歪付与部40a、40bおよび樹脂層47の双方によって活性層43に応力を付与して、出射されるレーザー光の偏光方向を安定させることができる。したがって、例えば、樹脂層47(または第1、第2歪付与部40a、40b)のみで活性層43に応力を付与した場合と比べて、レーザー光の偏光方向を、より安定させることができる。
なお、発光素子32は、AlGaAs系の半導体材料を用いた場合に限定されず、例えば、発振波長に応じて、例えば、GaInP系、ZnSSe系、InGaN系、AlGaN系、InGaAs系、GaInNAs系、GaAsSb系の半導体材料を用いてもよい。
このような発光素子32は、図5中の矢印Eで示す方向に直線偏光された光を出射する機能を有する。そして、発光素子32は、図6に示すように、光学スケール2の偏光部22、第1トラック23および第2トラック24のそれぞれに光LLを照射する。ここで、光LLは、発光素子32の光軸a1を中心として放射角度θをもって拡がりながら発光素子32から出射される。
(受光素子)
受光素子33(第1受光素子)は、発光素子32に対して回動軸J1側に配置され、受光素子34、35(第2、第3受光素子)は、発光素子32に対して回動軸J1とは反対側に配置されている。また、受光素子34は、受光素子35よりも発光素子32側に配置されている。受光素子33、34、35は、それぞれ、例えば、フォトダイオードである。そして、受光素子33は、偏光部22で反射した光LLの強度に応じた電流を検出信号として出力する機能を有する。受光素子34は、第1トラック23で反射した光LLの強度に応じた電流を検出信号として出力する機能を有する。受光素子35は、第2トラック24で反射した光LLの強度に応じた電流を検出信号として出力する機能を有する。
(演算部)
図1に示す演算部6は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびSRAM(Static Random Access Memory)を含んで構成され、受光素子33、34、35からの信号を用いて、光学スケール2の回動状態を判断する機能を有する。この回動状態としては、例えば、回動位置、回動角度、回動速度、回動方向等が挙げられる。
以上、エンコーダー1の構成を説明した。以下、エンコーダー1の作用を説明する。
図7は、図1に示すエンコーダーの光学スケールの回転角度と光検出部の出力(電流値)との関係を示すグラフである。
前述したように、発光素子32が出射する光LLは、一方向に直線偏光されている。そして、光LLが照射される偏光部22は、選択的にP偏光の光を透過し、S偏光の光を反射する偏光特性を有する。
このような偏光部22により、偏光部22に照射された光LLは、光学スケール2の回動角度に応じて、偏光部22での反射率が変化する。そして、受光素子33からの信号(A相アブソリュート信号)の電流値(PD電流値)は、光学スケール2の回動角度(回転角度)に応じて、図7に示すように、正弦波に沿って変化する。ここで、光学スケール2の回動角度の範囲が0〜2πであり、受光素子33からの信号の電流値は、0〜πの範囲とπ〜2πの範囲とが互いに同じ波形となる。そのため、受光素子33からの信号のみでは、光学スケール2の回動角度が0〜πであるときとπ〜2πであるときの区別ができない。
そこで、受光素子34からの信号を用いて、光学スケール2の回動角度が0〜πであるときとπ〜2πであるときとの判断を行う。前述したように、第1トラック23の周方向における360°の範囲のうち、180°の範囲に領域231が設けられ、残りの180°の範囲に領域232が設けられており、光LLに対する領域231の反射率が領域232よりも高い。
このような領域231、232により、第1トラック23に照射された光LLは、光学スケール2の回動角度に応じて、第1トラック23の反射率が二値的に変化する。そして、図7に示すように、受光素子34からの信号(180°回転判別信号(1トラック目))の電流値(PD電流値)は、光学スケール2の回動角度(回転角度)に応じて、二値的に変化する。ここで、受光素子34からの信号の電流値は、0〜πの範囲とπ〜2πの範囲とで互いに異なる値となる。したがって、受光素子34からの信号を用いることで、光学スケール2の回動角度が0〜πであるときとπ〜2πであるときとの判別を行うことができる。
しかし、第1トラック23の領域231と領域232との境界部では、受光素子33からの信号の電流値が不安定となり、例えば、光学スケール2の回転角度が図7中のAであるのかBであるのかを誤って判別するおそれがある。
そこで、受光素子35からの信号を用いて、受光素子33からの信号が第1トラック23の領域231と領域232との間にある2つの境界部のうちのいずれの境界部に基づくものであるのかの判断を行う。前述したように、第2トラック24の周方向における範囲のうち、前述した第1トラック23の2つの領域231、232の間にある2つの境界部のうちの一方の境界部に対応する周方向位置を含む範囲に領域241が設けられ、他方の境界部に対応する周方向位置を含む残りの範囲に領域242が設けられており、光LLに対する領域241の反射率が領域242よりも高い。
このような領域241、242により、第2トラック24に照射された光LLは、光学スケール2の回動角度に応じて、第2トラック24の反射率が二値的に変化する。そして、受光素子35からの信号(180°回転判別信号(2トラック目))の電流値(PD電流値)は、図7に示すように、光学スケール2の回動角度(回転角度)に応じて、二値的に変化する。ここで、受光素子35からの信号の電流値は、光学スケール2の回転角度が図7中のAである場合とBである場合とで異なる値となる。したがって、受光素子34からの信号に受光素子35からの信号を併用することで、光学スケール2の回動角度が0〜πであるときとπ〜2πであるときとの判別をより確実に行うことができる。
以上のようなエンコーダー1は、前述したように、光学スケール2と、発光素子32で構成されている光出射部11と、受光素子33、34、35で構成されている光検出部12と、判断部である演算部6と、を備える。そして、光出射部11は、光学スケール2に向けて光LLを出射する。光検出部12は、偏光部22、第1トラック23および第2トラック24のそれぞれからの光LLの強度に応じた信号を出力する。演算部6は、光検出部12からの信号を用いて、光学スケール2の回動状態を判断する。
このようなエンコーダー1によれば、偏光部22が180°回転した状態とそうでない状態とを高精度に判別することができる。よって、検出精度を向上させることができるエンコーダー1を提供することができる。
また、光出射部11は、第1トラック23および第2トラック24の双方に一括して光LLを照射する発光素子32を有する。これにより、光出射部11に用いる発光素子の数を少なくすることができる。そのため、エンコーダー1の小型化および低コスト化を図ることができる。
さらに、光出射部11が、面発光レーザーである発光素子32を有することにより、光出射部11の小型化を図りつつ、直線偏光した光LLを出射する光出射部11を実現することができる。
また、光検出部12は、偏光部22からの光LLを受光する第1受光素子である受光素子33と、第1トラック23からの光LLを受光する第2受光素子である受光素子34と、第2トラック24からの光LLを受光する第3受光素子である受光素子35と、を有する。これにより、偏光部22、第1トラック23および第2トラック24からの光LLを容易に区別して検出することができる。また、受光素子33、34、35の配置の自由度が高く、エンコーダー1の設計の自由度を高めることができる。
本実施形態では、光出射部11および光検出部12は、光学スケール2に対して同じ側に配置されている。これにより、反射型のエンコーダー1を実現することができる。なお、光学スケール2は光検出部12を光学スケール2に対して光出射部11とは反対側に配置することで、透過型のエンコーダーを実現することができる。この場合、第1トラック23の2つの領域231、232の光LLに対する透過率が互いに異なり、かつ、第2トラック24の2つの領域241、242の光LLに対する透過率が互いに異なっていればよい。
(変形例)
前述した実施形態では、発光素子32が直線偏光した光LLを出射する場合を説明したが、発光素子32として発光ダイオードを用いることもできる。この場合、例えば、以下のような構成を有する。
図8は、図1に示すエンコーダーが備える光出射部および光検出部の変形例を説明する平面図である。図9は、図8に示す光出射部および光検出部を説明する模式的断面図である。
発光素子32が発光ダイオードである場合、図8および図9に示すように、受光素子33の受光面側に偏光素子36を設ければよい。この偏光素子36は、光学スケール2の回動に対して非回転となるように固定配置され、特定方向の偏光成分のみを透過させる。このように、受光素子33と偏光部22との間に偏光素子36を設けることにより、光LLが無偏光であっても、前述した実施形態と同様、受光素子33からの信号の電流値は、光学スケール2の回動角度に応じて、正弦波に沿って変化する。なお、偏光素子36を発光素子32と偏光部22との間に設けてもよい。
<第2実施形態>
図10は、本発明の第2実施形態に係るエンコーダーを示す平面図である。図11は、図10に示すエンコーダーの光学スケールの回転角度と光検出部の出力(電流値)との関係を示すグラフである。
以下、第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、図10において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
本実施形態は、第2トラックの構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図10に示すエンコーダー1Aが備える光学スケール2Aは、反射率の異なる2つの領域241A、242Aで構成されている第2トラック24Aを有する。ここで、第2トラック24Aの周方向における全範囲のうち、180°の範囲に領域241Aが設けられ、残りの180°の範囲に領域242Aが設けられている。また、領域241Aは、第1トラック23の領域231側に配置され、領域242Aは、第1トラック23の領域232側に配置されている。また、第2トラック24Aの2つの領域241A、242A間の境界部は、第1トラック23の2つの領域231、232間の境界部に対して周方向にずれている。
このような領域241A、242Aにより、受光素子35からの信号(2トラック目)の電流値(PD電流値)は、光学スケール2Aの回動角度(回転角度)に応じて、図11に示すように、二値的に変化する。ここで、受光素子35からの信号の電流値は、光学スケール2Aの回転角度が図11中のAである場合とBである場合とで異なる値となる。したがって、受光素子34からの信号に受光素子35からの信号を併用することで、光学スケール2Aの回動角度が0〜πであるときとπ〜2πであるときとの判別をより確実に行うことができる。
以上説明したような第2実施形態によっても、検出精度を向上させることができる。
(変形例)
図12は、図10に示す光学スケールの変形例を説明する平面図である。
図12に示すエンコーダー1Bが備える光学スケール2Bは、反射率の異なる2つの領域241B、242Bで構成されている第2トラック24Bを有する。ここで、第2トラック24Bの周方向における全範囲のうち、180°の範囲に領域241Bが設けられ、残りの180°の範囲に領域242Bが設けられている。また、領域241Bは、第1トラック23の領域232側に配置され、領域242Bは、第1トラック23の領域231側に配置されている。また、第2トラック24Bの2つの領域241B、242B間の境界部は、第1トラック23の2つの領域231、232間の境界部に対して周方向にずれている。
このような領域241B、242Bによっても、受光素子34からの信号に受光素子35からの信号を併用することで、光学スケール2Bの回動角度が0〜πであるときとπ〜2πであるときとの判別をより確実に行うことができる。なお、受光素子35からの信号の電流値は、図11に示す波形と同じ波形となるが、図11に示す場合と位相が180°ずれる。
<第3実施形態>
図13は、本発明の第3実施形態に係るエンコーダーを示す平面図である。図14は、図13に示すエンコーダーが備える光出射部および光検出部を説明する平面図である。図15は、図13に示すエンコーダーが備える光出射部および光検出部を説明する模式的断面図である。図16は、図13に示すエンコーダーの光学スケールの回転角度と光検出部の出力(電流値)との関係を示すグラフである。
以下、第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、図13〜図15において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
本実施形態は、光出射部および光検出部の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図13に示すエンコーダー1Cが備えるセンサーユニット3Cは、光出射部11Cおよび光検出部12Cを備える。光出射部11Cは、2つの発光素子37、38で構成され、これに対応して、光検出部12Cは、2つの受光素子33C、34Cで構成されている。
図14に示すように、受光素子33Cは、平面視において、環状の受光面を有し、その内側に発光素子37が配置されている。同様に、受光素子34Cは、平面視において、環状の受光面を有し、その内側に発光素子38が配置されている。
発光素子37は、例えば、面発光レーザーであり、図14中の矢印E1で示す方向に直線偏光された光を出射する機能を有する。また、発光素子37は、図15に示すように、光軸a2を中心として拡がりながら偏光部22に向けて光を出射する。受光素子33Cは、例えば、フォトダイオードであり、発光素子37から出射されて偏光部22で反射した光を受ける。
一方、発光素子38は、例えば、面発光レーザーまたは発光ダイオードであり、出射する光は偏光されていてもいなくてもよい。また、発光素子38は、光軸a3を中心として拡がりながら第1トラック23および第2トラック24の双方に向けて光を出射する。受光素子34Cは、例えば、フォトダイオードであり、発光素子38から出射されて第1トラック23および第2トラック24で反射した光を一括して受ける。
受光素子33Cからの信号(A相アブソリュート信号)の電流値(PD電流値)は、前述した第1実施形態の受光素子33からの信号と同様、光学スケール2の回動角度(回転角度)に応じて、図16に示すように、正弦波に沿って変化する。
一方、受光素子34Cは、第1トラック23および第2トラック24の双方からの光を受ける。そのため、受光素子34Cからの信号(180°回転判別信号(1トラック目+2トラック目))の電流値(PD電流値)は、光学スケール2の回動角度(回転角度)に応じて、段階的に変化する。ここで、受光素子34Cからの信号の電流値は、光学スケール2の回転角度が図16中のAである場合とBである場合とで異なる値となる。したがって、受光素子34Cからの信号を用いることで、光学スケール2の回動角度が0〜πであるときとπ〜2πであるときとの判別をより確実に行うことができる。
以上のようなエンコーダー1Cにおいて、光検出部12Cは、偏光部22からの光を受光する第1受光素子である受光素子33Cと、第1トラック23および第2トラック24からの光を一括して受光する第2受光素子である受光素子34Cと、を有する。これにより、光検出部12Cに用いる受光素子の数を少なくすることができる。そのため、エンコーダー1Cの小型化および低コスト化を図ることができる。
以上説明したような第3実施形態によっても、検出精度を向上させることができる。
(変形例)
前述した実施形態では、発光素子37が直線偏光した光を出射する場合を説明したが、発光素子37として発光ダイオードを用いることもできる。この場合、例えば、以下のような構成を有する。
図17は、図13に示すエンコーダーが備える光出射部および光検出部の変形例を説明する平面図である。
発光素子37が発光ダイオードである場合、図17に示すように、受光素子33Cの受光面側に偏光素子36を設ければよい。この偏光素子36は、光学スケール2の回動に対して非回転となるように固定配置され、特定方向の偏光成分のみを透過させる。このように、受光素子33Cと偏光部22との間に偏光素子36を設けることにより、発光素子37が出射する光が無偏光であっても、受光素子33Cからの信号の電流値は、前述した実施形態と同様に変化する。なお、偏光素子36を発光素子37と偏光部22との間に設けてもよい。
<第4実施形態>
図18は、本発明の第4実施形態に係るエンコーダーを示す平面図である。図19は、図18に示すエンコーダーが備える光出射部および光検出部を説明する平面図である。図20は、図18に示すエンコーダーが備える光出射部および光検出部を説明する模式的断面図である。
以下、第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、図18〜図20において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
本実施形態は、光検出部の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図18に示すエンコーダー1Dが備えるセンサーユニット3Dは、光検出部12Dを備える。光検出部12Dは、2つの受光素子33、34Dで構成されている。
受光素子34Dは、図19に示すように、発光素子32に対して受光素子33とは反対側に配置されている。そして、受光素子34Dは、例えば、フォトダイオードであり、発光素子32から出射されて第1トラック23および第2トラック24で反射した光を一括して受ける。
受光素子34Dからの信号の電流値は、前述した第3実施形態の受光素子34Cからの信号の電流値と同様の波形となる。
以上説明したような第4実施形態によっても、検出精度を向上させることができる。
(変形例)
前述した実施形態では、発光素子32が直線偏光した光を出射する場合を説明したが、発光素子32として発光ダイオードを用いることもできる。この場合、例えば、以下のような構成を有する。
図21は、図18に示すエンコーダーが備える光出射部および光検出部の変形例を説明する平面図である。
発光素子32が発光ダイオードである場合、図21に示すように、発光素子32の発光面側に偏光素子36を設ければよい。
以上説明したようなエンコーダー1〜1Dは、それぞれ、回動する機構を有する各種機器に搭載することができる。
(ロボット)
図22は、本発明のロボットの一例を示す側面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図22中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図22中の基台側を「基端」、その反対側(ハンド側)を「先端」と言う。また、図22の上下方向を「鉛直方向」とし、左右方向を「水平方向」とする。
図22に示すロボット100は、いわゆる水平多関節ロボット(スカラロボット)であり、例えば、精密機器等を製造する製造工程等で用いられ、精密機器や部品等の把持や搬送等を行うことができる。
図22に示すように、ロボット100は、基台110と、第1アーム120と、第2アーム130と、作業ヘッド140と、エンドエフェクター150と、配線引き回し部160と、を有している。以下、ロボット100の各部を順次簡単に説明する。
基台110は、例えば、図示しない床面にボルト等によって固定されている。基台110の上端部には、第1アーム120が連結している。第1アーム120は、基台110に対して鉛直方向に沿う第1軸である回動軸J1まわりに回動可能となっている。
基台110内には、第1アーム120を回動させる駆動力を発生させる第1モーター111と、第1モーター111の駆動力を減速する第1減速機112とが設置されている。第1減速機112の入力軸は、第1モーター111の回転軸に連結され、第1減速機112の出力軸は、第1アーム120に連結されている。そのため、第1モーター111が駆動し、その駆動力が第1減速機112を介して第1アーム120に伝達されると、第1アーム120が基台110に対して回動軸J1まわりに水平面内で回動する。
また、基台110および第1アーム120には、基台110に対する第1アーム120の回動状態を検出する第1エンコーダーであるエンコーダー1が設けられている。具体的には、例えば、前述した光学スケール2が第1減速機112の出力軸または第1アーム120に取り付けられ、センサーユニット3が基台110またはこれに固定された部材に取り付けられている。なお、エンコーダー1に代えて、前述したエンコーダー1A〜1Dを設けてもよい。
第1アーム120の先端部には、第2アーム130が連結している。第2アーム130は、第1アーム120に対して鉛直方向に沿う第2軸J2まわりに回動可能となっている。図示しないが、第2アーム130内には、第2アーム130を回動させる駆動力を発生させる第2モーターと、第2モーターの駆動力を減速する第2減速機とが設置されている。そして、第2モーターの駆動力が第2減速機を介して第2アーム130に伝達されることにより、第2アーム130が第1アーム120に対して第2軸J2まわりに水平面内で回動する。また、図示しないが、第2モーターには、第1アーム120に対する第2アーム130の回動状態を検出する第2エンコーダーが設けられている。
第2アーム130の先端部には、作業ヘッド140が配置されている。作業ヘッド140は、第2アーム130の先端部に同軸的に配置されたスプラインナットおよびボールネジナット(ともに図示せず)に挿通されたスプラインシャフト141を有している。スプラインシャフト141は、第2アーム130に対して、その軸まわりに回転可能であり、かつ、上下方向に移動(昇降)可能となっている。
図示しないが、第2アーム130内には、回転モーターおよび昇降モーターが配置されている。回転モーターの駆動力は、図示しない駆動力伝達機構によってスプラインナットに伝達され、スプラインナットが正逆回転すると、スプラインシャフト141が鉛直方向に沿う軸J3まわりに正逆回転する。また、図示しないが、回転モーターには、第2アーム130に対するスプラインシャフト141の回動状態を検出する第3エンコーダーが設けられている。
一方、昇降モーターの駆動力は、図示しない駆動力伝達機構によってボールネジナットに伝達され、ボールネジナットが正逆回転すると、スプラインシャフト141が上下に移動する。昇降モーターには、第2アーム130に対するスプラインシャフト141の移動量を検出する第4エンコーダーが設けられている。
スプラインシャフト141の先端部(下端部)には、エンドエフェクター150が連結されている。エンドエフェクター150としては、特に限定されず、例えば、被搬送物を把持するもの、被加工物を加工するもの等が挙げられる。
第2アーム130内に配置された各電子部品(例えば、第2モーター、回転モーター、昇降モーター、第2〜第4エンコーダー等)に接続される複数の配線は、第2アーム130と基台110とを連結する管状の配線引き回し部160内を通って基台110内まで引き回されている。さらに、かかる複数の配線は、基台110内でまとめられることによって、第1モーター111およびエンコーダー1に接続される配線とともに、基台110の外部に設置され、ロボット100を統括制御する図示しない制御装置まで引き回される。
以上説明したようなロボット100は、優れた検出精度を有するエンコーダー1を備えるため、例えば、このエンコーダー1の検出結果を用いて、高精度な動作制御を行うことができる。
以上、本発明の光学スケール、エンコーダーおよびロボットを図示の好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、エンコーダーの設置箇所は、基台と第1アームとの関節部に限定されず、相対的に回動する任意の2つのアームの関節部であってもよい。また、エンコーダーの設置箇所は、ロボットが有する関節部に限定されない。
また、前述した実施形態では、ロボットアームの数は、1つであったが、ロボットアームの数は、これに限定されず、例えば、2つ以上でもよい。すなわち、本発明のロボットは、例えば、双腕ロボット等の複数腕ロボットであってもよい。
また、前述した実施形態では、ロボットが有するアームの数は、2つであったが、アームの数は、これに限定されず、例えば、1つまたは3つ以上でもよい。
また、前述した実施形態では、本発明のロボットの設置箇所は、床面に限定されず、例えば、天井面や側壁面等でもよい。また、本発明のロボットは、建物等の構造物に固定設置されるものに限定されず、例えば、脚部を有する脚式歩行(走行)ロボットであってもよい。
また、前述した実施形態では、本発明のロボットの一例として、水平多関節ロボットを例に説明したが、本発明のロボットは、相対的に回動する2つの部材を有すれば、垂直多関節ロボット等の他の形式のロボットであってもよい。
また、本発明の光学スケール、エンコーダーは、回転部を有する産業用プリンター、民生用プリンターにも用いることができる。
また、前述した実施形態では、光出射部および光検出部が光学スケールの半径方向に沿って並んで配置されている場合を例に説明したが、これに限定されず、光出射部および光検出部が光学スケールの周方向にずれて配置されていてもよい。
1…エンコーダー、1A…エンコーダー、1B…エンコーダー、1C…エンコーダー、1D…エンコーダー、2…光学スケール、2A…光学スケール、2B…光学スケール、3…センサーユニット、3C…センサーユニット、3D…センサーユニット、6…演算部(判断部)、11…光出射部、11C…光出射部、12…光検出部、12C…光検出部、12D…光検出部、21…基板、22…偏光部、23…第1トラック、24…第2トラック、24A…第2トラック、24B…第2トラック、31…基板、32…発光素子、33…受光素子(第1受光素子)、33C…受光素子(第1受光素子)、34…受光素子(第2受光素子)、34C…受光素子(第2受光素子)、34D…受光素子(第2受光素子)、35…受光素子(第3受光素子)、36…偏光素子、37…発光素子(第1発光素子)、38…発光素子(第2発光素子)、40…積層体、40a…第1歪付与部、40b…第2歪付与部、40c…共振部、41…基板、42…第1ミラー層、43…活性層、44…第2ミラー層、45…コンタクト層、46…第1領域、47…樹脂層、48…第1電極、49…電流狭窄層、50…第2領域、51…第2電極、52…パッド、53…引き出し配線、100…ロボット、110…基台、111…第1モーター、112…第1減速機、120…第1アーム、130…第2アーム、140…作業ヘッド、141…スプラインシャフト、150…エンドエフェクター、160…配線引き回し部、211…孔、231…領域、232…領域、241…領域、241A…領域、241B…領域、242…領域、242A…領域、242B…領域、491…開口部、E…矢印、E1…矢印、J1…回動軸、J2…第2軸、J3…軸、L1…線分、LL…光、a1…光軸、a2…光軸、a3…光軸、θ…放射角度

Claims (11)

  1. 偏光特性を有する偏光部と、
    前記偏光部の中心軸まわりの周方向に沿って設けられ、反射率または透過率が異なる2つの領域に前記周方向において二分されている第1トラックと、
    前記周方向に沿って設けられ、反射率または透過率が互いに異なる2つの領域が配置されている第2トラックと、を備えることを特徴とする光学スケール。
  2. 前記偏光部は、複数の金属線を有する請求項1に記載の光学スケール。
  3. 前記中心軸に沿った方向から見たとき、前記第1トラックが有する前記2つの領域間にある2つの境界部を結ぶ線分またはその延長線は、前記第2トラックが有する前記2つの領域の双方を通る請求項1または2に記載の光学スケール。
  4. 前記第1トラックと前記中心軸との間の距離は、前記第2トラックと前記中心軸との間の距離と異なる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学スケール。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学スケールと、
    前記光学スケールに向けて光を出射する光出射部と、
    前記偏光部、前記第1トラックおよび前記第2トラックのそれぞれからの前記光の強度に応じた信号を出力する光検出部と、
    前記信号を用いて、前記光学スケールの回動状態を判断する判断部と、を備えることを特徴とするエンコーダー。
  6. 前記光出射部は、前記第1トラックおよび前記第2トラックの双方に光を照射する発光素子を有する請求項5に記載のエンコーダー。
  7. 前記光出射部は、面発光レーザーを有する請求項5または6に記載のエンコーダー。
  8. 前記光検出部は、前記偏光部からの前記光を受光する第1受光素子と、前記第1トラックからの前記光を受光する第2受光素子と、前記第2トラックからの前記光を受光する第3受光素子と、を有する請求項5ないし7のいずれか1項に記載のエンコーダー。
  9. 前記光検出部は、前記偏光部からの前記光を受光する第1受光素子と、前記第1トラックおよび前記第2トラックからの前記光を受光する第2受光素子と、を有する請求項5ないし7のいずれか1項に記載のエンコーダー。
  10. 前記光出射部および前記光検出部は、前記光学スケールに対して同じ側に配置されている請求項5ないし9のいずれか1項に記載のエンコーダー。
  11. 請求項5ないし10のいずれか1項に記載のエンコーダーを備えることを特徴とするロボット。
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