JP2017197448A - 排尿障害治療用配合剤 - Google Patents

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慎乃介 鮫島
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Abstract

【課題】口喝などの副作用を改善しつつも、抗コリン系頻尿治療薬の排尿障害治療効果を増強可能な排尿障害治療用配合剤を提供する。
【解決手段】それぞれ単剤では効果を示さない配合用量のGIRKチャンネル阻害薬と抗コリン系頻尿治療薬の配合からなることとした。また、GIRKチャンネル阻害薬の配合用量が1日当たり10〜200mgであり、抗コリン系頻尿治療薬の配合用量が1日当たり0.01〜6mgであることや、GIRKチャンネル阻害薬が、チペピジン、ノスカピン、デキストロメトルファン、クロペラスチンおよびペントキシベリンから選ばれる1種または2種以上の配合からなること等にも特徴を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、排尿障害治療用配合剤に関するものである。更に詳細には、本発明は、Gタンパク質活性化カリウムチャンネル(G protein-activated potassium channel)阻害薬と抗コリン系頻尿治療薬とを配合した副作用の少ない排尿障害治療用配合剤に関するものである。
排尿障害は、排尿行為に関する異常を意味し、生体内の排尿機構が正常に作用しなくなると、例えば、頻尿、尿意切迫感、尿失禁等の排尿障害が発症することがある。この排尿障害は、QOL(Quality of life)を著しく低下させる泌尿器領域の疾患である。排尿障害の発症原因としては、例えば、膀胱、尿道、脳血管、又は神経等の障害が考えられるが、詳細なメカニズムは未解明な部分が多く残っている。従来の排尿障害に対する治療としては、抗コリン系頻尿治療薬、抗ムスカリン作用薬、カルシウム拮抗薬などが用いられているが、抗コリン剤が最も広く採用されている(例えば、非特許文献1)。
しかしながら、いずれの薬剤もその効力あるいは副作用に関して必ずしも充分であるとは言えない。例えば、オキシブチニンやトルテロジン等の抗コリン系頻尿治療薬は、膀胱平滑筋に対する抑制作用は認められても、消化管、心筋、唾液腺ならびに瞳孔筋などの、コリン作働性の他臓器に対する作用も大きく、使用には難点がある。そこで、従来の頻尿治療薬による頻尿改善効果を増強し、尿道抵抗を改善する排尿障害治療薬の開発が求められている。同時に、特に抗コリン系頻尿治療薬の副作用のうちでも、唾液分泌抑制作用に基づいて生じる口喝は、患者のQOLを著しく低下させることから、かかる副作用を改善することができる排尿障害治療薬の開発も強く求められている。
一方、本発明者らは、中枢性鎮咳薬の研究過程で、中枢性鎮咳薬が共通して脳ニューロンにおけるGタンパク質共役型内向き整流性K+(GIRK)チャンネル活性化電流を抑制するという興味ある知見を見いだしている(例えば、非特許文献2、3、4)。GIRKチャンネルは、神経興奮の制御に重要で、中枢神経系に広く分布している。このようなGIRKチャンネルを抑制する中枢性鎮咳薬のような薬物は、脳梗塞モデル動物の排尿障害の症状を鎮咳用量域で改善することが明らかにされている(非特許文献5)。
さらに、特許文献1には、クエン酸ペントキシベリンやヒベンズ酸チペピジン等のモルフィナン骨格を有しない非麻薬性の咳嗽反射抑制物質が頻尿・尿失禁抑制作用を有することが開示されている。しかし、頻尿・尿失禁予防・治療薬としては、オキシブチニンやトルテロジン等の抗コリン系頻尿治療薬は開示されていない。
特許文献2には、咳中枢に作用する非麻薬性中枢性鎮咳薬の一種であって、弱い抗コリン作用を有することが知られているクロペラスチンが、尿道抵抗の上昇、尿流率の低下および膀胱容量の減少の改善効果が認められることが開示されている。また、クロペラスチンの薬効が、GIRKチャンネル活性化電流を抑制し、グリシン受容体活性化電流およびNMDA受容体活性化電流を抑制しない作用に基づくことが開示されている。さらに、特許文献2には、クロペラスチンと同等の作用を併せ持つ化合物として、ペントキシベリンが例示されている。ただし、クロペラスチン等の化合物と抗コリン系頻尿治療薬との併用については示唆さえもされていない。
また、非特許文献6には特許文献2と同様の開示がされている。したがって、非特許文献7にも、クロペラスチン等の化合物と抗コリン系頻尿治療薬との併用については、記載はもとより、示唆さえもされていない。
特開2000−264849号公報 特開2007−204366号公報
Chapple et al., Eur Urol. 2005 Sep;48(3):464-70. Yakugaku Zasshi 130(5) 699-705 (2010) Kuwano, K., et al., Jpn J Pharmacol., 88(Suppl. 1) 112 (2000) Takahama, K., et al., Handbook of experimental Pharmacology Vol. 187, eds by Chung K. F., Woodicombe J., Springer-Verlag, Berlin, 2009, pp. 219-240. Yamamoto, G., et al., Can. J. Physiol. Pharmacol., 87, 893-899 (2009). 薬学雑誌、乙号131(4), 523-532, 2011
そこで、本発明者らは、GIRKチャンネル阻害活性を有する中枢性鎮咳薬についての長期にわたる研究より得られた知見に基づいて、かかる中枢性鎮咳薬を、排尿障害治療薬として使用されている抗コリン系頻尿治療薬と併用すれば、抗コリン系頻尿治療薬の排尿障害治療効果を増強し、さらには抗コリン系頻尿治療薬が有する唾液分泌抑制作用に基づいて生じる口喝などの副作用をも改善できるのではないかとの仮説のもとに、本研究を実施した。
その結果、本発明者らは、GIRKチャンネル阻害活性を有する中枢性鎮咳薬を、排尿障害治療薬として使用されている抗コリン系頻尿治療薬と配合することにより、抗コリン系頻尿治療薬の排尿障害治療効果を増強するとともに、さらには抗コリン系頻尿治療薬が有する唾液分泌抑制作用に基づいて生じる口喝などの副作用を改善することができることを見いだして、本発明を完成した。
そこで、本発明の目的は、GIRKチャンネル阻害活性を有する中枢性鎮咳薬として使用されているGIRKチャンネル阻害薬と、排尿障害治療薬として使用されている抗コリン系頻尿治療薬とを配合した排尿障害治療用配合剤を提供することである。
また本発明の別の目的は、GIRKチャンネル阻害活性を有する中枢性鎮咳薬として使用されているGIRKチャンネル阻害薬と、排尿障害治療薬として使用されている抗コリン系頻尿治療薬とを併用することにより排尿障害を治療することからなる排尿障害治療用配合剤の使用方法を提供することである。
なお、本明細書において使用される用語「配合」とは、GIRKチャンネル阻害薬と抗コリン系頻尿治療薬とが単剤として配合されている場合と、それぞれの単剤を別個に服用する場合を意味している。従って、本発明の排尿障害治療用配合剤は、GIRKチャンネル阻害薬と抗コリン系頻尿治療薬とを一緒に配合した単剤として投与することも、またはGIRKチャンネル阻害薬と抗コリン系頻尿治療薬とを単剤として別々に投与することもできる。
また本明細書に使用される用語「併用」も、用語「配合」と同様に、GIRKチャンネル阻害薬と抗コリン系頻尿治療薬とを配合した単剤として投与する場合と、それぞれの単剤を別個に投与する場合を意味している。従って、本発明の排尿障害治療用配合剤は、GIRKチャンネル阻害薬と抗コリン系頻尿治療薬とを一緒に配合した単剤として投与することも、またはGIRKチャンネル阻害薬と抗コリン系頻尿治療薬とを単剤として別々に投与することもできる。
上記目的を達成するために、本発明は、それぞれ単剤では効果を示さない用量(以下、便宜的に「配合用量」ともいう)のGIRKチャンネル阻害薬と抗コリン系頻尿治療薬を配合した排尿障害治療用配合剤を提供する。
本発明は、その好ましい態様として、GIRKチャンネル阻害薬が、例えば、チペピジン、ノスカピン、デキストロメトルファン、クロペラスチン、ペントキシベリンなどから選ばれる1種または2種以上の非麻薬性鎮咳薬からなる排尿障害治療用配合剤を提供する。
一方、本発明はまた、その好ましい態様として、抗コリン系頻尿治療薬が、例えば、オキシブチニン、トルテロジンなどから選ばれる1種または2種以上の抗コリン薬からなる排尿障害治療用配合剤を提供する。
さらに、本発明は、その好ましい態様として、GIRKチャンネル阻害薬の配合用量が、一般的には、1日当たり10〜200mg、好ましくは1日当たり20〜150mgであり、また抗コリン系頻尿治療薬の配合用量は、一般的には、1日当たり0.01mg〜6mg、好ましくは1日当たり0.05mg〜2mgである排尿障害治療用配合剤を提供する。
本発明は、その別の形態として、単剤では効果を示さない用量のGIRKチャンネル阻害薬と、単剤では効果を示さない用量の排尿障害治療薬を併用することにより排尿障害を改善することからなる排尿障害治療用配合剤の使用方法を提供する。
本発明に係る排尿障害治療用配合剤は、従来から投与されている抗コリン系頻尿治療薬に非麻薬性鎮咳薬であるGIRKチャンネル阻害薬を併用して投与することにより、抗コリン系頻尿治療薬の効果を増強すると共に、抗コリン系頻尿治療薬が有する副作用、特にその唾液分泌抑制作用による口喝を改善できるという大きな利点を有している。
さらに、本発明に係る排尿障害治療用配合剤は、配合する抗コリン系頻尿治療薬とGIRKチャンネル阻害薬とがそれぞれ単剤では効果を示さない用量を投与することにより、抗コリン系頻尿治療薬の効果を増強すると共に、抗コリン系頻尿治療薬が有する副作用、特に口喝を改善できるという大きな利点を有している。
図1は、クロペラスチン(GIRKチャンネル阻害薬)とオキシブチニン(抗コリン系頻尿治療薬)の併用によるマウス自然排尿における排尿回数を示した説明図である。(実施例1) 図2は、ペントキシベリン(GIRKチャンネル阻害薬)とトルテロジン(抗コリン系頻尿治療薬)の併用によるラット麻酔下シストメトリー(排尿反射)への影響を示した説明図である。(実施例2) 図3は、抗コリン薬とGIRKチャンネル阻害薬(ペントキシベリン)の併用による最大膀胱内圧を示す説明図である。(実施例3) 図4は、抗コリン薬とGIRKチャンネル阻害薬(ペントキシベリン)の併用による唾液分泌量を示す説明図である。(実施例3) 図5は、(Pre値 /Post値比をコントロール群と比較−単剤群と併用群の比較1)(実施例4) 図6は、(Pre値 /Post値比をコントロール群と比較−単剤群と併用群の比較2)(実施例4) 図7は、(Pre値 /Post値比をコントロール群Pre値に乗じて算出−単剤加算と併用群の比較1)(実施例5) 図8は、(Pre値 /Post値比をコントロール群Pre値に乗じて算出−単剤加算と併用群の比較2)(実施例5)
本発明に係る排尿障害治療用配合剤は、それぞれ単剤では効果を示さない配合用量のGIRKチャンネル阻害薬と抗コリン系頻尿治療薬を配合した排尿障害治療薬である。ただし、本発明の排尿障害治療用配合剤は、それぞれ配合用量のGIRKチャンネル阻害薬と抗コリン系頻尿治療薬とを配合した単剤として投与することも、それぞれを別々に投与することもできる。なお、付言すれば、GIRKチャンネル阻害薬は、抗コリン系頻尿治療薬の目的とする効果を発揮させつつ副作用である口喝を抑制する補助的な薬剤と解することもできる。
本発明に使用できるGIRKチャンネル阻害薬としては、例えば、チペピジン、ノスカピン、デキストロメトルファン、クロペラスチン、ペントキシベリンなどが挙げられ、これらから1種または2種以上を選んで配合することができる。
一方、本発明に使用できる抗コリン系頻尿治療薬としては、例えば、オキシブチニン、トルテロジン、フェソテロジン、イミダフェナシンなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を選んで配合することができる。
本発明の排尿障害治療用配合剤において配合されるGIRKチャンネル阻害薬の配合用量は、一般的には、1日当たり10〜200mg、好ましくは1日当たり20〜150mgであり、また抗コリン系頻尿治療薬の配合用量は、一般的には、1日当たり0.01〜6mg、好ましくは1日当たり0.05〜2mgである。
本発明の排尿障害治療用配合剤は、散剤,細粒剤,顆粒剤,錠剤,カプセル剤等の固形剤、またはシロップ剤,懸濁剤,乳剤,注射剤等の液剤のいずれの製剤であってもよい。本発明の排尿障害治療用配合剤は、製剤の形態に応じて、例えば、混和、混練、造粒、打錠、コーティング、滅菌処理、乳化などの慣用の方法で製造することができる。本発明の排尿障害治療用配合剤におけるGIRKチャンネル阻害薬と抗コリン系頻尿治療薬との配合薬の配合割合は、製剤の形態によって相違するが、製剤全体に対して、一般的には、約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜50重量%、さらに好ましくは約0.5〜20重量%程度であるのがよい。
本発明の排尿障害治療用配合薬は、通常、薬理学的に許容され得る担体、例えば、デンプン、乳糖、白糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等の賦形剤、デンプン、アラビヤゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン等の結合剤、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムタルク等の滑沢剤、カルボキシメチルセルロースカルシウム、タルク等の崩壊剤、注射用水、生理食塩水、プロピレングリコール水等の希釈剤、また必要に応じて安定剤、保存剤、着色剤、香料、溶解助剤、乳化剤、緩衝剤、等張化剤等の添加剤などと常法により混合して製剤化することができる。このようにして製剤化した本発明の排尿障害治療用配合剤は、経口的または非経口的に投与することができる。
〔実施例1〕
(マウス自然排尿測定)
実施例1では、GIRKチャンネル阻害薬としてクロペラスチン(5.0 mg/kg)と抗コリン系頻尿治療薬としてオキシブチニン(5.0 mg/kg)とを併用したときのマウス自然排尿における排尿回数(図1)への影響を測定した。
実験方法としては、代謝ケージの下に天秤を置いた装置にマウスを入れ、排尿回数を算出した。測定は午前に開始し、当日の午前9時30分に薬物を皮下投与した。まず、生理食塩水を投与し、排尿活動の測定を行い(対照実験)、その翌日に同じ動物に被験薬を投与し、排尿活動を測定した。
測定の結果、クロペラスチンとオキシブチニンの併用により、マウス自然排尿において排尿回数が相乗的に減少するのが確認された。
〔実施例2〕
(ラット麻酔下シストメトリー)
実施例2では、GIRKチャンネル阻害薬としてペントキシベリンと抗コリン系頻尿治療薬としてトルテロジンとを併用したときのラット排尿反射に対する影響を測定した(図2)。
本実施例でのラット排尿反射実験は、ペントキシベリン(2.5 mg/kg)とトルテロジン(0.03 mg/kg)を麻酔下のラットに併用投与することによって実施した。なお、投与量は、いずれも単剤では効果を示さない用量である。
本実施例では、排尿反射に対する影響として、最大膀胱内圧、排尿時間、尿流率、尿道抵抗ならびに膀胱コンプライアンスを示した。その結果は図2に示すとおりである。
本実施例において、最大膀胱内圧、排尿時間、尿流率、尿道抵抗ならびに膀胱コンプライアンスはそれぞれ次の通り測定した。それぞれ薬剤投与の前後で3回排尿反射を記録し、それぞれのパラメーターの平均の変化率を求めた。最大膀胱内圧は排尿反射中のピーク圧、排尿時間は排尿を開始してから終了までの時間、尿流率は排尿量を排尿時間で割ったもの、尿道抵抗は最大膀胱内圧を尿流率で割ったもの、および膀胱コンプライアンスは排尿潜時を排尿閾値圧で割ったものである。
測定の結果、ペントキシベリン(GIRKチャンネル阻害薬)とトルテロジン(抗コリン系頻尿治療薬)との併用により、最大膀胱圧力および尿道抵抗の減少、および膀胱コンプライアンスの上昇が確認された。なお、尿道抵抗の結果から、本発明の排尿障害治療用配合剤は、過活動膀胱だけでなく、排出障害(前立腺肥大)にも効果を示す可能性を示している。
〔実施例3〕
実施例3は、抗コリン薬(トルテロジン(Tol)0.03 mg/kg、フェソテロジン(Fes) 0.005 mg/kg、イミダフェナシン(Imi) 0.001 mg/kg、オキシブチニン(Oxy) 0.03 mg/kg)とGIRKチャンネル阻害薬(ペントキシベリン2.5 mg/kg)の併用による併用増強効果を示す実験である。
本実施例3ではまた、ピロカルピン(3mg/kg)を大腿静脈内に投与することで唾液を分泌させ、ピロカルピンを投与すると同時に、逆側の大腿静脈内に生理食塩水、オキシブチニン(Oxy) 0.03 mg/kg、オキシブチニン0.1 mg/kg、オキシブチニン0.1 mg/kg及びペントキシベリン2.5 mg/kgの併用薬を投与することで、ピロカルピンを投与してから10分間の唾液の分泌量の変化を測定した。
本実験の結果、図3及び図4に示すように、抗コリン薬とGIRKチャンネル阻害薬(ペントキシベリン)の併用による薬効面での併用増強効果が示されたが、副作用については増強されていないことが示唆されたことにより、薬効/副作用のマージンが大きくなる可能性が示された。
〔実施例4〕
本実施例では、併用に用いた用量(ペントキシベリン(2.5 mg/kg)と各抗コリン薬(トルテロジン0.03 mg/kg、フェソテロジン0.005 mg/kg、イミダフェナシン0.001 mg/kg))の各抗コリン薬群、ペントキシベリン群、その併用群ならびにコントロール群について、パラメーターとして排尿量、膀胱容量、残尿量、排尿潜時、排尿閾値圧、最大膀胱内圧、排尿時間、尿流率、尿道抵抗、膀胱コンプライアンスを測定し、各単剤群ならびに併用群の各パラルーターの変化量を示すPre値 /Post値比をコントロール群のPre値と比較した。なお、投与量は、いずれも単剤では効果を示さない用量である。
その結果、本実施例で使用したすべての抗コリン薬とペントキシベリンを併用すると、最大膀胱内圧を減少させた。また、トルテロジン併用時には有意に尿道抵抗値を減少させ、他の薬剤でも減少傾向にある。さらに、有意差はないものの膀胱コンプライアンス等に増加傾向が見られる(図5、図6)。以上により、単独では効果を示さない容量でも抗コリン薬とペントキシペリンとの併用により、排尿障害が改善されることを示した。
〔実施例5〕
本実施例では、実施例4と同様にして、各抗コリン薬群、ペントキシベリン群ならびにコントロール群について、パラメーターとして排尿量、膀胱容量、残尿量、排尿潜時、排尿閾値圧、最大膀胱内圧、排尿時間、尿流率、尿道抵抗ならびに膀胱コンプライアンスを測定した。なお、図7、図8中、「Antimuscarinics/Pent」は、ペントキシベリン群のpre値/post値比と抗コリン薬のpre値/post値比を加算した値にコントロール群のpre値を乗じて算出し、また「Co-ad」は、抗コリン薬及びペントキシベリン併用群のpre値/post値比にコントロール群のpre値を乗じて算出した。なお、「Antimuscarinics/Pent」では、個体別のペントキシベリン群のpre値/post値比に、抗コリン薬の平均値を加算することで、ばらつき算出及び統計処理を行った。本統計処理により、有意差が付いたパラメーターについては、相加効果ではなく、相乗効果による優位性ということを統計的に示している。
その結果、図7、図8からも分かるように、排尿量、膀胱容量、排尿潜時、膀胱コンプライアンスについて、併用投与時に有意に増加することが示された。また、尿道抵抗が併用投与時に有意に減少することが示された。従って、併用投与による相乗効果により、単剤では効果を示さない容量であっても、排尿障害の改善効果があることが示された。
本発明に係る排尿障害治療用配合剤は、それぞれ単剤では効果を示さない配合用量のGIRKチャンネル阻害薬と抗コリン系頻尿治療薬を配合することにより、抗コリン系頻尿治療薬の頻尿治療効果を相乗的に増強すると共に、患者のQOLを著しく低下させる副作用、特に口喝を改善する効果を有していて、頻尿治療に多大な貢献を及ぼすことができる。

Claims (10)

  1. それぞれ単剤では効果を示さない配合用量のGIRKチャンネル阻害薬と抗コリン系頻尿治療薬の配合からなることを特徴とする排尿障害治療用配合剤。
  2. 請求項1に記載の排尿障害治療用配合剤であって、GIRKチャンネル阻害薬の配合用量が1日当たり10〜200mgであり、抗コリン系頻尿治療薬の配合用量が1日当たり0.01〜6mgであることを特徴とする排尿障害治療用配合剤。
  3. 請求項1または2に記載の排尿障害治療用配合剤であって、GIRKチャンネル阻害薬の配合用量が1日当たり20〜150mgであり、抗コリン系頻尿治療薬の配合用量が1日当たり0.05〜2mgであることを特徴とする排尿障害治療用配合剤。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の排尿障害治療用配合剤であって、GIRKチャンネル阻害薬が、チペピジン、ノスカピン、デキストロメトルファン、クロペラスチンおよびペントキシベリンから選ばれる1種または2種以上の配合からなることを特徴とする排尿障害治療用配合剤。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の排尿障害治療用配合剤であって、抗コリン系頻尿治療薬が、オキシブチニン、トルテロジン、フェソテロジン、イミダフェナシンから選ばれる1種または2種以上の配合からなることを特徴とする排尿障害治療用配合剤。
  6. それぞれ単剤では効果を示さない用量のGIRKチャンネル阻害薬と排尿障害治療薬を併用して使用することにより排尿障害を改善することを特徴とする排尿障害治療用配合剤の使用方法。
  7. 請求項6に記載の排尿障害治療用配合剤の使用方法であって、GIRKチャンネル阻害薬の配合用量が1日当たり10〜200mgであり、抗コリン系頻尿治療薬の配合用量が1日当たり0.01〜6mgであることを特徴とする排尿障害治療用配合剤の使用方法。
  8. 請求項6または7に記載の排尿障害治療用配合剤の使用方法であって、GIRKチャンネル阻害薬の配合用量が1日当たり20〜150mgであり、抗コリン系頻尿治療薬の配合用量が1日当たり0.05〜2mgであることを特徴とする排尿障害治療用配合剤の使用方法。
  9. 請求項6乃至8のいずれか1項に記載の排尿障害治療用配合剤の使用方法であって、GIRKチャンネル阻害薬が、チペピジン、ノスカピン、デキストロメトルファン、クロペラスチンおよびペントキシベリンから選ばれる1種または2種以上の配合からなることを特徴とする排尿障害治療用配合剤の使用方法。
  10. 請求項6乃至9のいずれか1項に記載の排尿障害治療用配合剤の使用方法であって、抗コリン系頻尿治療薬が、オキシブチニン、トルテロジン、フェソテロジン、イミダフェナシンから選ばれる1種または2種以上の配合からなることを特徴とする排尿障害治療用配合剤の使用方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022074567A1 (en) * 2020-10-06 2022-04-14 Novartis Ag Pharmaceutical compositions comprising naphthyridinone derivatives and their use in the treatment of arrhythmia

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