JP2017196850A - バリア性積層フィルムおよび食品用包装体 - Google Patents

バリア性積層フィルムおよび食品用包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】優れたバリア性能を有しながら、印刷特性、特に水性インクに対する印刷特性にも優れるバリア性積層フィルムを提供すること。【解決手段】本発明のバリア性積層フィルム100は、基材フィルム層101と、無機物層102と、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103と、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104と、がこの順番に積層されてなる。そして、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103が界面活性剤を実質的に含まず、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104が界面活性剤を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、バリア性積層フィルムおよび食品用包装体に関する。
バリア性フィルムとして、基材フィルム層の表面に無機物層とポリ塩化ビニリデン系樹脂層とを設けた積層フィルムが知られている。
このような積層フィルムに関する技術としては、例えば、特許文献1(特開平08−39718号公報)に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、高分子フィルム基材(A)の少なくとも片面に、無機材料の蒸着膜(B)が形成され、さらに、該蒸着膜(B)の上に、ポリ塩化ビニリデンの塗膜(C)が積層されていることを特徴とする複合蒸着フィルムが記載されている。
特許文献1には、このような複合蒸着フィルムはガスバリア性および耐屈曲疲労性が優れると記載されている。
特開平08−39718号公報
本発明者らの検討によれば、基材フィルム層の表面に無機物層とポリ塩化ビニリデン系樹脂層とを設けた積層フィルムにおいて、酸素バリア性や水蒸気バリア性等のバリア性能が優れるものは印刷特性に劣ることが明らかになった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、優れたバリア性能を有しながら、印刷特性、特に水性インクに対する印刷特性にも優れるバリア性積層フィルムを提供するものである。
本発明によれば、以下に示すバリア性積層フィルムが提供される。
[1]
基材フィルム層と、無機物層と、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層と、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層と、がこの順番に積層されたバリア性積層フィルムであって、
上記第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層が界面活性剤を実質的に含まず、
上記第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層が界面活性剤を含むバリア性積層フィルム。
[2]
上記[1]に記載のバリア性積層フィルムにおいて、
上記第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層中の上記界面活性剤の含有量が、上記第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層全体に対し、0.2質量%以上8.0質量%以下であるバリア性積層フィルム。
[3]
上記[1]または[2]に記載のバリア性積層フィルムにおいて、
上記第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層に含まれる上記界面活性剤がスルホン酸系界面活性剤を含むバリア性積層フィルム。
[4]
上記[1]乃至[3]いずれか一つに記載のバリア性積層フィルムにおいて、
40℃、90%RHの条件下で測定される水蒸気透過度が1.0g/(m・24h)以下であるバリア性積層フィルム。
[5]
上記[1]乃至[4]いずれか一つに記載のバリア性積層フィルムにおいて、
上記第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の厚みをXとし、上記第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の厚みをXとしたとき、X/Xが0.003以上50以下であるバリア性積層フィルム。
[6]
上記[1]乃至[5]いずれか一つに記載のバリア性積層フィルムにおいて、
前記第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の厚み(X)と前記第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の厚み(X)との合計の厚みが10μm以下であるバリア性積層フィルム。
[7]
上記[1]乃至[6]いずれか一つに記載のバリア性積層フィルムにおいて、
23℃、50%RHの環境下での上記第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層側の表面の表面固有抵抗値が1.0×1014Ω/□以下であるバリア性積層フィルム。
[8]
上記[1]乃至[7]いずれか一つに記載のバリア性積層フィルムにおいて、
残留有機溶媒量が5.0ppm以下であるバリア性積層フィルム。
[9]
上記[1]乃至[8]いずれか一つに記載のバリア性積層フィルムにおいて、
上記無機物層が、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、およびアルミニウムからなる群から選択される一種または二種以上の無機物を含むバリア性積層フィルム。
[10]
上記[1]乃至[9]いずれか一つに記載のバリア性積層フィルムにおいて、
上記第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層がシランカップリング剤、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、およびアルキッド系樹脂からなる群から選択される一種または二種以上の接着剤を含むバリア性積層フィルム。
[11]
上記[1]乃至[10]いずれか一つに記載のバリア性積層フィルムにおいて、
上記基材フィルム層が熱可塑性樹脂を含むバリア性積層フィルム。
[12]
水性インク印刷用である上記[1]乃至[11]いずれか一つに記載のバリア性積層フィルム。
[13]
上記[1]乃至[12]いずれか一つに記載のバリア性積層フィルムを備える、食品用包装体。
本発明によれば、優れたバリア性能を有しながら、印刷特性、特に水性インクに対する印刷特性にも優れるバリア性積層フィルムを得ることができる。
本発明に係る実施形態のバリア性積層フィルムの構造の一例を模式的に示した断面図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。文中の数字の間にある「〜」は特に断りがなければ、以上から以下を表す。
[バリア性積層フィルム]
図1は、本発明に係る実施形態のバリア性積層フィルム100の構造の一例を模式的に示した断面図である。
バリア性積層フィルム100は、基材フィルム層101と、無機物層102と、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103と、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104と、がこの順番に積層されてなる。
そして、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103が界面活性剤を実質的に含まず、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104が界面活性剤を含む。
ここで、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103が界面活性剤を実質的に含まないとは、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103中に構成成分として界面活性剤を積極的に添加していないという意味で、本発明の効果を損なわない範囲で少量含まれることは排除されない。
本発明者らの検討によれば、基材フィルム層の表面に無機物層とポリ塩化ビニリデン系樹脂層とを設けた積層フィルムにおいて、酸素バリア性や水蒸気バリア性等のバリア性能が優れるものは印刷特性、特に水を主な溶媒とする水性インクに対する印刷特性に劣ることが明らかになった。また、このような積層フィルムは残留有機溶媒量が多く、さらに帯電防止性能にも劣ることが明らかになった。
本発明者らは、優れたバリア性能を維持しながら印刷特性を向上させるために、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の厚みを調整することや、使用するポリ塩化ビニリデン系樹脂の種類を変更すること等を検討した。
しかし、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の厚みを調整することや、使用するポリ塩化ビニリデン系樹脂の種類を変更することだけでは上記特性のバランスを向上させることができないことが明らかとなった。
そこで、本発明者らはさらに鋭意検討した結果、ポリ塩化ビニリデン系樹脂層を上記した2層構造とすることにより、バリア性能、印刷特性、低残留有機溶媒量、帯電防止性能等の性能バランスに優れた積層フィルムが得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本実施形態によれば、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103と、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104とをこの順番で無機物層102上に形成することにより、優れたバリア性能を有しながら、残留有機溶媒量が少なく、さらに印刷特性および帯電防止性能に優れたバリア性積層フィルム100を実現できる。
バリア性積層フィルム100において、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103の厚みをXとし、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104の厚みをXとしたとき、X/Xが好ましくは0.003以上50以下であり、より好ましくは0.01以上10以下である。X/Xが上記範囲内とすることにより、バリア性能、残留有機溶媒量、印刷特性および帯電防止性能等の性能バランスがより一層良好となる。
また、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の厚み(X)と第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の厚み(X)との合計の厚み(X+X)は、好ましくは10μm以下、より好ましくは0.2μm以上5μm以下である。バリア性積層フィルム100はバリア性能に優れるため、合計の厚み(X+X)を上記上限値以下と薄くすることが可能である。また、合計の厚み(X+X)を上記範囲内とすると、バリア性、透明性、印刷特性、残留有機溶媒量、帯電防止性能、密着性、取扱い性等のバランスにより優れるため好ましい。
バリア性積層フィルム100は、水蒸気バリア性に優れ、包装用フィルムや封止用フィルムとして好適に用いることができる。具体的には、バリア性積層フィルム100において、40℃、90%RHの条件下で測定される水蒸気透過度は、好ましくは1.0g/(m・24h)以下、より好ましくは0.8g/(m・24h)以下、さらに好ましくは0.5g/(m・24h)以下である。
このような水蒸気透過係数は、例えば、無機物層102、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103および第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104の厚みを調整することにより達成できる。
また、バリア性積層フィルム100は、酸素バリア性に優れ、包装用フィルムや封止用フィルムとして好適に用いることができる。具体的には、バリア性積層フィルム100において、JIS K7126−2:2006に準拠し、温度20℃、湿度90%RHの条件で測定される酸素透過度は、好ましくは5.0ml/(m・day・MPa)以下であり、より好ましくは2.0ml/(m・day・MPa)以下である。
このような酸素透過度は、例えば、無機物層102、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103および第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104の厚みを調整することにより達成できる。
バリア性積層フィルム100において、温度23℃、湿度50%RHの環境下での第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104側の表面の表面固有抵抗値が、好ましくは1.0×1014Ω/□以下であり、より好ましくは1.0×1012Ω/□以下である。
本発明者らは、上記表面固有抵抗値を上記上限値以下とすることにより、バリア性積層フィルム100の印刷特性をより一層向上させることができることを新たに知見した。
すなわち、上記表面固有抵抗値を上記上限値以下とすることにより、得られるバリア性積層フィルム100の印刷特性をより一層向上させることができる。これにより、印刷特性により一層優れた包装用フィルムや封止用フィルムを実現できる。
なお、上記表面固有抵抗値は、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104の表面について測定したときの値である。
また、上記表面固有抵抗値を上記上限値以下とすることにより、ホコリ等が付着することを防止できる。これにより、食品や医薬品等の包装用フィルムとしてバリア性積層フィルム100を好適に用いることができる。
なお、上記表面固有抵抗値は、例えば、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104の厚みを調整することにより制御することが可能である。また、本実施形態のバリア性積層フィルム100は、表面に帯電防止層を別途設けたり、帯電防止剤を添加したりしなくとも、上記表面固有抵抗値を実現することができる。
バリア性積層フィルム100は、残留有機溶媒量が少なく、包装用フィルムや封止用フィルムとして優れている。具体的には、バリア性積層フィルム100中の残留有機溶媒量は、好ましくは5.0ppm以下であり、より好ましくは3.0ppm以下であり、さらに好ましくは1.0ppm以下、特に好ましくは0.5ppm以下である。
上記残留有機溶媒量は、例えば、次のように測定することができる。まず、バリア性積層フィルム100から5cm×5cmのサンプルを3枚作製する。作製したサンプル3枚を20mLのバイアル瓶に入れ、密栓する。次いで、ヘッドスペースサンプラーを用いて90℃、30分間加熱する。次いで、加熱後のバイアル瓶中の空間ガス1mLについて、ガスクロマトグラフィーおよび水素炎イオン化型検出器を用いて分析し、空間ガス中の有機溶媒量を定量する。この有機溶媒量がバリア性積層フィルム100中の残留有機溶媒量である。
なお、上記残留有機溶媒量は、例えば、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103の厚みを調整することにより制御することが可能である。
以下、バリア性積層フィルム100を構成する各部材について説明する。
(基材フィルム層)
本実施形態の基材フィルム層101は、好ましくは熱可塑性樹脂を含むものであり、より好ましくは熱可塑性樹脂により形成されたシート状またはフィルム状の基材により構成される。上記熱可塑性樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ(1−ブテン)等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等のポリアミド;ポリ塩化ビニル;ポリイミド;エチレン・酢酸ビニル共重合体;ポリアクリロニトリル;ポリカーボネート;ポリスチレン;アイオノマー;等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
これらの中でも、延伸性、透明性が良好な点から、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましい。
また、熱可塑性樹脂により形成されたフィルム状の基材は、無延伸フィルムであっても、延伸フィルムであってもよい。
また、基材フィルム層101の片面または両面に、無機物層102との接着性を改良するために、例えば、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、プライマーコート処理等の表面活性化処理を行っておいてもよい。
基材フィルム層101の厚さは、好ましくは1μm以上200μm以下、より好ましくは5μm以上150μm以下である。
(無機物層)
本実施形態の無機物層102を構成する無機物は、例えば、バリア性を有する薄膜を形成できる金属、金属酸化物等が挙げられる。
無機物層102を構成する無機物としては、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の周期表2A族元素;チタン、ジルコニウム、ルテニウム、ハフニウム、タンタル等の周期表遷移元素;亜鉛等の周期表2B族元素;アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム等の周期表3A族元素;ケイ素、ゲルマニウム、錫等の周期表4A族元素;セレン、テルル等の周期表6A族元素等の単体または酸化物等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
なお、本実施形態では、周期表の族名は旧CAS式で示している。
さらに、上記無機物の中でも、バリア性、コスト等のバランスに優れていることから、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、およびアルミニウムからなる群から選択される一種または二種以上の無機物を含むことが好ましい。
なお、酸化ケイ素には、二酸化ケイ素の他、一酸化ケイ素、亜酸化ケイ素が含有されていてもよい。
無機物層102は上記無機物により形成されている。無機物層102は単層の無機物層から構成されていてもよいし、複数の無機物層から構成されていてもよい。また、無機物層102が複数の無機物層から構成されている場合には同一種類の無機物層から構成されていてもよいし、異なった種類の無機物層から構成されていてもよい。
無機物層102の厚さは、バリア性、密着性、取扱い性等のバランスの観点から、好ましくは1nm以上500nm以下、より好ましくは2nm以上300nm以下、さらに好ましくは5nm以上150nm以下である。
本実施形態において、無機物層102の厚さは、透過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡による観察画像により求めることができる。
無機物層102の形成方法は特に限定されず、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法(CVD法)等の真空プロセスや、ゾルゲルプロセス等により基材フィルム層101の片面または両面に無機物層102を形成することができる。
(第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層)
本実施形態のバリア性積層フィルム100において、無機物層102の保護やバリア性の向上等の観点から、無機物層102上に第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103が設けられている。
第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103は界面活性剤を実質的に含まない層であり、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を有機溶媒に溶解してなるポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液により形成することができる。
また、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103はポリ塩化ビニリデン系樹脂を主成分として含む層であり、1層のポリ塩化ビニリデン系樹脂層により構成されていてもよいし、2層以上のポリ塩化ビニリデン系樹脂層により構成されていてもよい。このとき、2層以上のポリ塩化ビニリデン系樹脂層はそれぞれ同じ種類のポリ塩化ビニリデン系樹脂層であってもよいし、異なる種類のポリ塩化ビニリデン系樹脂層であってもよい。
ここで、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を主成分として含むとは、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103がポリ塩化ビニリデン系樹脂を50質量%以上含むことを意味する。第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103はポリ塩化ビニリデン系樹脂を好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上含む。
第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103のポリ塩化ビニリデン系樹脂の含有量が上記範囲内であると、バリア性がより一層優れることになるため好ましい。
本実施形態のポリ塩化ビニリデン系樹脂は、構成単位として、塩化ビニリデンモノマーを主に含有するものであれば特に限定されず、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)であってもよいし、塩化ビニリデンと、塩化ビニリデンと共重合可能な単量体との共重合体であってもよい。
上記共重合体としては、塩化ビニリデンの含有割合が60質量%以上100質量%未満であり、塩化ビニリデンと共重合可能な単量体の含有割合が0質量%を超えて40質量%以下である共重合体を例示することができる。
塩化ビニリデンと共重合可能な単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステルまたはシクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシブチル等の(メタ)アクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステルのような(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等のカルボキシル基を有するエチレン系α、β−不飽和カルボン酸およびその塩;(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の不飽和アミド化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有単量体;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等のアクリル酸または(メタ)アクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル;ポリオキシエチレンモノアクリレート、ポリオキシエチレンモノメタアクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、アリルアルコール等の水酸基含有単量体;スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、ブタジエン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、イタコン酸アルキルエステル、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のその他の重合性不飽和単量体等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103に使用するポリ塩化ビニリデン系樹脂は、従来公知の方法で製造することもできるが、種々の市販品を用いることもできる。市販品としては、旭化成社製のサランレジンシリーズ等を好ましく使用することができる。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂を溶解させる有機溶媒としては、使用するポリ塩化ビニリデン系樹脂の種類に応じて適宜選択されるため特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;これらの混合溶媒;等が挙げられる。これらの有機溶媒は一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でもテトラヒドロフランとトルエンとの混合溶媒、メチルエチルケトンとトルエンとの混合溶媒およびテトラヒドロフランとトルエンとメチルエチルケトンとの混合溶媒が好ましい。
第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103の形成方法としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液により形成されたポリ塩化ビニリデン系樹脂フィルムを無機物層102上に積層させることにより第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103を形成する方法、ポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液を無機物層102上に塗布し、乾燥させることにより第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103を形成する方法等が挙げられる。これらの中でも、バリア性、密着性、生産性等の観点から、ポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液を無機物層102上に塗布し、乾燥させることにより第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103を形成する方法が好ましい。
第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103の塗布量は、バリア性、透明性、残留有機溶媒量、密着性、取扱い性等のバランスの観点から、好ましくは0.05g/m以上2.0g/m以下、より好ましくは0.1g/m以上1.0g/m以下、特に好ましくは0.1g/m以上0.5g/m以下である。
第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103は、無機物層102との接着性を向上させる観点から、さらに接着剤を含んでいてもよい。特に無機物層102として、酸化ケイ素により形成された層を用いる場合、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103と無機物層102との接着性が劣るため、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103はさらに接着剤を含むことが好ましい。
上記接着剤としては、シランカップリング剤;ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキッド系樹脂等の接着性樹脂;からなる群から選択される一種または二種以上を用いることが好ましい。
上記シランカップリング剤としては特に限定されないが、例えば、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン等のハロゲン含有シランカップリング剤;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤;2−アミノエチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−[N−(2−アミノエチル)アミノ]エチルトリメトキシシラン、3−[N−(2−アミノエチル)アミノ]プロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−[N−(2−アミノエチル)アミノ]プロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基含有シランカップリング剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基含有シランカップリング剤;2−メタクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、2−メタクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、2−アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基含有シランカップリング剤等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103に用いられる接着剤の配合量は、上記接着剤がシランカップリング剤の場合、ポリ塩化ビニリデン系樹脂とシランカップリング剤との合計を100質量%としたとき、好ましくは0.5質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以上5.0質量%以下である。
第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103に用いられる接着剤の配合量は、上記接着剤が接着性樹脂の場合、ポリ塩化ビニリデン系樹脂と接着性樹脂との合計を100質量%としたとき、好ましくは3質量%以上40質量%以下であり、より好ましくは3質量%以上20質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以上10質量%以下である。
接着剤の配合量が上記範囲内であると、接着性とバリア性の性能バランスに特に優れているため好ましい。
なお、ポリ塩化ビニリデン系樹脂とともに接着剤を有機溶媒に溶解して得られるポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液を用いることにより、接着剤を含む第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103を形成することができる。
第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103の厚みは、バリア性、透明性、残留有機溶媒量、密着性、取扱い性等のバランスの観点から、好ましくは0.02μm以上1.3μm以下、より好ましくは0.05μm以上0.7μm以下、さらに好ましくは0.07μm以上0.3μm以下である。
(第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層)
本実施形態のバリア性積層フィルム100において、優れたバリア性能を維持しながら、残留有機溶媒量を低下させつつ、さらに帯電防止性能や印刷特性を向上させる観点から、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103上に第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104が設けられている。
第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104は界面活性剤を含む層であり、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子および界面活性剤を含むラテックスにより形成されたものである。
また、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104はポリ塩化ビニリデン系樹脂を主成分として含む層であり、1層のポリ塩化ビニリデン系樹脂層により構成されていてもよいし、2層以上のポリ塩化ビニリデン系樹脂層により構成されていてもよい。このとき、2層以上のポリ塩化ビニリデン系樹脂層はそれぞれ同じ種類のポリ塩化ビニリデン系樹脂層であってもよいし、異なる種類のポリ塩化ビニリデン系樹脂層であってもよい。
ここで、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を主成分として含むとは、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104がポリ塩化ビニリデン系樹脂を50質量%以上含むことを意味する。第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104はポリ塩化ビニリデン系樹脂を好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上含む。
第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104のポリ塩化ビニリデン系樹脂の含有量が上記範囲内であると、バリア性能、残留有機溶媒量、印刷特性および帯電防止性能等の性能バランスがより一層良好となる。
本実施形態のバリア性積層フィルム100において、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104中の界面活性剤の含有量は、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104全体に対し、好ましくは0.2質量%以上8.0質量%以下、より好ましくは0.3質量%以上6.0質量%以下、さらに好ましくは0.4質量%以上4.0質量%以下である。第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104中の界面活性剤の含有量が上記範囲内であると、帯電防止性能や印刷特性の性能バランスがより一層優れる。
また、本実施形態のバリア性積層フィルム100において、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104に含まれる界面活性剤は特に限定されず、一般的に乳化重合で用いられる界面活性剤を用いることができる。例えば、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド等のアルキルアンモニウム塩または4級アンモニウム塩等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ジアンモニウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸カルシウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩;脂肪酸ナトリウム、オレイン酸カリウム等の脂肪族カルボン酸塩;ポリオキシアルキレン単位含有硫酸エステル塩(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸アンモニウム等のポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩等);ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム等のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩;ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、モノアルキルスルホコハク酸ジナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールエーテル硫酸塩;スルホン酸塩または硫酸エステル基と重合性の炭素−炭素(不飽和)二重結合とを分子中に有する反界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル化合物、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル化合物、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル等のポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル化合物等のポリオキシアルキレン単位含有エーテル化合物;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート等のポリオキシアルキレンアルキルエステル化合物;ポリオキシエチレンアルキルアミン等のポリオキシアルキレンアルキルアミン化合物;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等のソルビタン化合物等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
これらの界面活性剤は一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104に含まれる界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤から選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシアルキレン単位含有硫酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールエーテル硫酸塩、スルホン酸塩または硫酸エステル基と重合性の炭素−炭素(不飽和)二重結合とを分子中に有する反界面活性剤等のスルホン酸系界面活性剤を含むことがより好ましく、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、およびポリオキシアルキレン単位含有硫酸エステル塩から選択される一種または二種以上を含むことがより好ましい。
第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104に使用するポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子および界面活性剤を含むラテックスは、従来公知の乳化重合で製造することができる。
第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104の形成方法としては、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子および界面活性剤を含むラテックスにより形成されたポリ塩化ビニリデン系樹脂フィルムを第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103上に積層させることにより第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104を形成する方法、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子および界面活性剤を含むラテックスを第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103上に塗布し、乾燥させることにより第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104を形成する方法等が挙げられる。これらの中でも、バリア性、密着性、生産性の観点から、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子および界面活性剤を含むラテックスを第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103上に塗布し、乾燥させることにより第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104を形成する方法が好ましい。
第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104の塗布量は、バリア性、透明性、印刷特性、残留有機溶媒量、帯電防止性能、密着性、取扱い性等のバランスの観点から、好ましくは0.2g/m以上5.0g/m以下、より好ましくは0.5g/m以上3.0g/m以下、さらに好ましくは0.8g/m以上3.0g/m以下である。
第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104の厚みは、バリア性、透明性、印刷特性、残留有機溶媒量、帯電防止性能、密着性、取扱い性等のバランスの観点から、好ましくは0.1μm以上3.5μm以下、より好ましくは0.2μm以上2.0μm以下である。
また、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103および第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104の合計塗布量は、バリア性、透明性、印刷特性、残留有機溶媒量、帯電防止性能、密着性、取扱い性等のバランスの観点から、好ましくは0.25g/m以上7.0g/m以下、より好ましくは0.5g/m以上3.0g/m以下、特に好ましくは1.0g/m以上3.0g/m以下である。
(熱融着層)
本実施形態のバリア性積層フィルム100は、ヒートシール性を付与するために、少なくとも片面に熱融着層を設けてもよい。
上記熱融着層としては、熱融着層として公知のものが使用できる。例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、オクテン−1等のα−オレフィンの単独重合体若しくは共重合体、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレンランダム共重合体、低結晶性あるいは非晶性のエチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・ブテン−1ランダム共重合体、プロピレン・ブテン−1ランダム共重合体等から選択される一種または二種以上のポリオレフィンを含む樹脂組成物により形成される層、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)を含む樹脂組成物により形成される層、EVAおよびポリオレフィンを含む樹脂組成物により形成される層等が挙げられる。
(その他の層)
本実施形態のバリア性積層フィルム100には、例えば、滑性層、帯電防止層等の種々のコーティング層やラミネート層をさらに設けてもよい。
(用途)
本実施形態のバリア性積層フィルム100は、例えば、印刷特性、バリア性能、低残留有機溶媒量、帯電防止性能が要求される、食品、医薬品、日常雑貨等を包装するための包装用フィルム;真空断熱用フィルム;エレクトロルミネセンス素子、太陽電池等を封止するための封止用フィルム;等として好適に使用することができる。
また、本実施形態のバリア性積層フィルム100は食品用包装体を構成するバリア性フィルムとして好適に用いることもできる。本実施形態に係る食品用包装体は、例えば、内容物(飲食物)を充填することを目的として使用される本実施形態のバリア性積層フィルム100により構成されたバリア性包装袋自体または当該袋に内容物(飲食物)を充填したものである。また、本実施形態に係る食品用包装体は用途に応じその一部にバリア性積層フィルム100を使用してもよいし、バリア性包装袋全体にバリア性積層フィルム100を使用してもよい。
[バリア性積層フィルムの製造方法]
本実施形態に係るバリア性積層フィルム100の製造方法は、基材フィルム層101と、無機物層102と、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103と、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104と、がこの順番に積層されてなるバリア性積層フィルム100の製造方法であり、以下の工程を含んでいる。
(1)無機物層102上に、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を有機溶媒に溶解してなり、かつ、界面活性剤を実質的に含まないポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液を塗布し、乾燥することにより第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103を形成する工程
(2)第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103上に、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子および界面活性剤を含むラテックスを塗布し、乾燥することにより第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層104を形成する工程
上記(1)および(2)の工程において、ポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液を無機物層102上に塗布する方法や、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子および界面活性剤を含むラテックスを第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層103上に塗布する方法としては、特に限定されず、通常の方法を用いることができる。例えば、エアーナイフコーター、キスロールコーター、メタリングバーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、ディップコーター、ダイコーター等の公知の塗工機を用いて塗工する方法が挙げられる。
上記(1)および(2)の工程において、塗布後の乾燥方法としては特に限定されず、通常の方法を用いることができる。例えば、アーチドライヤー、ストレートバスドライヤー、タワードライヤー、ドラムドライヤー、フローティングドライヤー等の公知の乾燥機を用いて乾燥する方法が挙げられる。
乾燥温度は、好ましくは50℃以上200℃以下、より好ましくは70℃以上150℃以下、さらに好ましくは90℃以上130℃以下であり、乾燥時間は、好ましくは5秒間以上10分間以下、より好ましくは5秒間以上3分間以下、さらに好ましくは5秒間以上1分間以下である。
乾燥後、必要によりオーブン等によって熱処理を行うことが好ましい。例えば、上記乾燥後のフィルムを好ましくは35℃以上60℃以下、より好ましくは40℃以上50℃以下のオーブン中で、好ましくは5時間以上70時間以下、より好ましくは10時間以上50時間以下程度熱処理する。このような熱処理によりポリ塩化ビニリデン系樹脂の結晶化が促進され、バリア性積層フィルム100のバリア性能をより一層向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本実施形態を、実施例・比較例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
実施例および比較例における各評価は以下の方法で行った。
(1)水蒸気透過度の測定
厚さ50μmのLLDPEフィルム(三井化学東セロ社製、商品名:T.U.XFCS)に接着剤(三井化学社製、タケラックA−310(商品名)/タケネートA−3(商品名)=12/1(重量比))を3.0g/m塗布した。次いで、実施例・比較例で得られたバリア性積層フィルムの基材フィルム層とは反対側の表面とLLDPEフィルムの接着剤塗布面が接するようにして、バリア性積層フィルムとLLDPEフィルムとを積層し、積層体を得た。
次いで得られた積層体を用いて、内表面積が0.01mになるように製袋し、得られた袋内に内容物として塩化カルシウムを10g入れ、袋の入り口をヒートシールした。
次いで得られた袋を温度40℃、湿度90%RHの環境下に72時間保管した。
保管前後の塩化カルシウムの重量を測定し、その差から水蒸気透過度(g/(m・24h))を算出した。
(2)酸素透過度の測定
酸素透過度はJIS K7126−2:2006に準拠して測定した。
厚さ50μmのLLDPEフィルム(三井化学東セロ社製、商品名:T.U.XFCS)に接着剤(三井化学社製、タケラックA−310(商品名)/タケネートA−3(商品名)=12/1(重量比))を3.0g/m塗布した。次いで、実施例・比較例で得られたバリア性積層フィルムの基材フィルム層とは反対側の表面とLLDPEフィルムの接着剤塗布面が接するようにして、バリア性積層フィルムとLLDPEフィルムとを積層し、積層体を得た。
次いで、酸素透過率測定機(MOCON社製:OXTRAN2/21)を使用して、得られた積層体の酸素透過度(ml/(m・day・MPa))を温度20℃、湿度90%RHの条件で測定した。
(3)印刷特性の測定
得られたバリア性積層フィルムの印刷特性は以下の方法により評価した。
評価用のインクとして、溶剤系インク(商品名:リオアルファ(東洋インキ社製))及び水系インク(商品名:アクワエコール(東洋インキ社製))を用いた。インクは黒、赤、黄、青、白(下地部分)を使用し、溶剤系インクおよび水系インクともにザーンカップ#3で17秒となるように調整した。さらにカラーチャート版により、得られたバリア性積層フィルムの基材フィルム層とは反対側の表面にカラーチャート印刷を行った。
次いで、0〜100%のグラデーションカーブにおけるカラーチャートのマゼンタとブラックの5〜25%部におけるドット抜けをピーク・スケール・ルーペ(拡大倍率:10倍)を用いて観察した。バリア性積層フィルムの印刷特性は、以下の基準で評価した。
(評価基準)
〇:ドットの抜けがほとんどなく実用上支障が生じない程度
△:ドットの抜けが少しあり、実用上支障が生じる可能性が低い程度
×:ドットの抜けがあり、実用上支障が生じる可能性が高い程度
××:ドットの抜けが多数あり、実用上支障が生じる程度
「実用上支障が生じる」とは、肉眼で視認した場合、色彩や文字等の少なくとも一部を認識できない等の状況になることが明らかに想定される状態にあることをいう。
(4)表面固有抵抗値の測定
表面固有抵抗値は、アドバンテスト社製のR8340(デジタル超高抵抗/微小電流計)およびR12704(レジステビティ・チャンバ)を用いて、得られたバリア性積層フィルムの基材フィルム層とは反対側の表面を23℃、50%RHの環境下で測定した。
(5)残留有機溶媒量の測定
得られたバリア性積層フィルムの残留有機溶媒量は、以下の手順で測定した。まず、バリア性積層フィルムから5cm×5cmのサンプルを3枚作製した。作製したサンプル3枚を20mLのバイアル瓶に入れ、密栓した。次いで、ヘッドスペースサンプラー(アジレント社製のG1888)を用いて90℃、30分間加熱した。次いで、加熱後のバイアル瓶中の空間ガス1mLについて、水素炎イオン化型検出器付きガスクロマトグラフィー(アジレント社製のHP6890)を用いて分析し、空間ガス中の有機溶媒量を定量した。この有機溶媒量をバリア性積層フィルム中の残留有機溶媒量とした。
残留有機溶媒量は以下の基準で評価した。
◎:残留有機溶媒量が0.5ppm以下
〇:残留有機溶媒量が0.5ppm超5ppm以下
×:残留有機溶媒量が5ppm超過
(6)バリア性積層フィルムの外観評価
バリア性積層フィルムの外観は以下の基準で目視により評価した。
〇:着色や表面にブツが観察されない
×:着色や表面にブツが観察される
<実施例1>
基材フィルムとして、12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ社製、商品名:エンブレットPET12)を用いた。この基材フィルムのコロナ処理面に、高周波誘導加熱方式により、アルミニウムを加熱蒸発させ、さらに酸素を導入し、基材フィルム上に厚みが10nmになるように酸化アルミニウムを蒸着し、酸化アルミニウム蒸着フィルムを得た。
得られた酸化アルミニウム蒸着フィルムの酸化アルミニウム層上に、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層を順次形成することによりバリア性積層フィルムを得た。
ここで、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の形成方法は以下のとおりである。まず、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(旭化成社製、商品名:サランレジンF216)をトルエンとメチルエチルケトンの混合有機溶媒(重量比:トルエン/メチルエチルケトン=1/2)に溶解させ、ポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液(固形分5質量%)を調製した。
次いで、このポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液を、乾燥後の塗工量が0.2g/m(乾燥後の厚み:0.12μm)になるように酸化アルミニウム層上にアプリケーターで塗工し、乾燥させて溶媒を除去することにより第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層を形成した。
つづいて、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子およびスルホン酸系界面活性剤(2質量%)を含むラテックスを、乾燥後の塗工量が1.0g/m(乾燥後の厚み:0.62μm)になるように第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層上にアプリケーターで塗工し、乾燥させて溶媒を除去することにより第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層を形成した。第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層中の界面活性剤の含有量は2質量%であった。
得られたバリア性積層フィルムの評価結果を表1に示す。
ここで、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子および界面活性剤を含むラテックスは以下の方法により調製する。水に分散したポリ塩化ビニリデン系樹脂(固形分50質量%)に、水に溶解させたラウリル硫酸ナトリウム(固形分50質量%)を所定量混合し、次いで、ホバートミキサーで撹拌して混合する。
また、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層中の界面活性剤の含有量はIRおよびHPLC(イオン対クロマトグラフィー)を併用する等の方法により測定することができる。上記測定方法は例えば、論文「IR法とクロマト法によるポリマー中の添加剤の分析法」(株式会社アクトリサーチ 高山森 著)に記載されている。
<実施例2>
酸化アルミニウム蒸着フィルムの代わりに以下の酸化ケイ素蒸着フィルムを用いたことと、ポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液にシランカップリング剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、KBM−403)を4質量%(ポリ塩化ビニリデン系樹脂とシランカップリング剤との合計を100質量%)配合した以外は実施例1と同様にしてバリア性積層フィルムを得た。得られたバリア性積層フィルムの評価結果を表1に示す。
上記酸化ケイ素蒸着フィルムは以下の手順で作製した。まず、基材フィルムとして、12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ社製、商品名:エンブレットPET12)を用いた。この基材フィルムのコロナ処理面に、高周波誘導加熱方式により、SiOを加熱蒸発させ、さらに酸素を導入し、基材上に厚みが10nmになるようにSiOxを蒸着し、酸化ケイ素蒸着フィルムを得た。
<実施例3>
第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の塗工量を0.1g/m(乾燥後の厚み0.06μm)とし、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂の塗工量を1.8g/m(乾燥後の厚み1.1μm)とする以外は実施例1と同様にしてバリア性積層フィルムを得た。得られたバリア性積層フィルムの評価結果を表1に示す。
<比較例1>
第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層および第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層を形成しない以外は実施例1と同様にしてバリア性積層フィルムを得た。得られたバリア性積層フィルムの評価結果を表1に示す。
<比較例2>
第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層および第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層を形成しない以外は実施例2と同様にしてバリア性積層フィルムを得た。得られたバリア性積層フィルムの評価結果を表1に示す。
<比較例3>
第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層を形成せず、かつ、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の塗工量を0.2g/m(乾燥後の厚み:0.12μm)とした以外は実施例1と同様にしてバリア性積層フィルムを得た。得られたバリア性積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(比較例4)
第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層を形成せず、かつ、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の塗工量を1.0g/m(乾燥後の厚み:0.62μm)とした以外は実施例1と同様にしてバリア性積層フィルムを得た。得られたバリア性積層フィルムの評価結果を表1に示す。
Figure 2017196850
Figure 2017196850
実施例1〜3のバリア性積層フィルムはバリア性能、印刷特性、低残留有機溶媒量、帯電防止性能の性能バランスに優れていた。
これに対し、比較例1〜4で得られたバリア性積層フィルムはバリア性能、印刷特性、低残留有機溶媒量、帯電防止性能の性能バランスに劣っていた。
100 バリア性積層フィルム
101 基材フィルム層
102 無機物層
103 第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層
104 第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層

Claims (13)

  1. 基材フィルム層と、無機物層と、第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層と、第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層と、がこの順番に積層されたバリア性積層フィルムであって、
    前記第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層が界面活性剤を実質的に含まず、
    前記第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層が界面活性剤を含むバリア性積層フィルム。
  2. 請求項1に記載のバリア性積層フィルムにおいて、
    前記第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層中の前記界面活性剤の含有量が、前記第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層全体に対し、0.2質量%以上8.0質量%以下であるバリア性積層フィルム。
  3. 請求項1または2に記載のバリア性積層フィルムにおいて、
    前記第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層に含まれる前記界面活性剤がスルホン酸系界面活性剤を含むバリア性積層フィルム。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載のバリア性積層フィルムにおいて、
    40℃、90%RHの条件下で測定される水蒸気透過度が1.0g/(m・24h)以下であるバリア性積層フィルム。
  5. 請求項1乃至4いずれか一項に記載のバリア性積層フィルムにおいて、
    前記第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の厚みをXとし、前記第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の厚みをXとしたとき、X/Xが0.003以上50以下であるバリア性積層フィルム。
  6. 請求項1乃至5いずれか一項に記載のバリア性積層フィルムにおいて、
    前記第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の厚み(X)と前記第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の厚み(X)との合計の厚みが10μm以下であるバリア性積層フィルム。
  7. 請求項1乃至6いずれか一項に記載のバリア性積層フィルムにおいて、
    23℃、50%RHの環境下での前記第二ポリ塩化ビニリデン系樹脂層側の表面の表面固有抵抗値が1.0×1014Ω/□以下であるバリア性積層フィルム。
  8. 請求項1乃至7いずれか一項に記載のバリア性積層フィルムにおいて、
    残留有機溶媒量が5.0ppm以下であるバリア性積層フィルム。
  9. 請求項1乃至8いずれか一項に記載のバリア性積層フィルムにおいて、
    前記無機物層が、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、およびアルミニウムからなる群から選択される一種または二種以上の無機物を含むバリア性積層フィルム。
  10. 請求項1乃至9いずれか一項に記載のバリア性積層フィルムにおいて、
    前記第一ポリ塩化ビニリデン系樹脂層がシランカップリング剤、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、およびアルキッド系樹脂からなる群から選択される一種または二種以上の接着剤を含むバリア性積層フィルム。
  11. 請求項1乃至10いずれか一項に記載のバリア性積層フィルムにおいて、
    前記基材フィルム層が熱可塑性樹脂を含むバリア性積層フィルム。
  12. 水性インク印刷用である請求項1乃至11いずれか一項に記載のバリア性積層フィルム。
  13. 請求項1乃至12いずれか一項に記載のバリア性積層フィルムを備える、食品用包装体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH09136373A (ja) * 1995-11-16 1997-05-27 Toppan Printing Co Ltd 積層包装材料
JP2007176087A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Daicel Value Coating Ltd 積層フィルム

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