JP2017196628A - 異形金属線の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い歩留りを維持しつつ所望の断面形状を精度よく達成することが可能な異形金属線の製造方法を提供する。【解決手段】異形金属線の製造方法は、金属からなる原料線材を準備する工程と、原料線材を圧延して、長手方向に垂直な断面形状が原料線材に非相似である圧延線材30を得る工程と、圧延線材30を引抜き加工して、異形断面を有する異形金属線を得る工程と、を備える。原料線材を圧延して圧延線材30を得る工程は、長手方向に垂直な断面の外周において、第1の曲率半径を有する第1加工領域121Aと、第2の曲率半径を有する第2加工領域121Bと、第1の曲率半径および第2の曲率半径よりも小さい第3の曲率半径を有し、第1加工領域121Aと第2加工領域121Bとをつなぐコーナー加工領域121Cとを含むロール120により圧延が実施される工程を含む。【選択図】図6

Description

本発明は、異形金属線の製造方法に関するものである。
長手方向に垂直な断面の外周が円形以外の形状である、すなわち長手方向に垂直な断面の外周において曲率半径の異なる複数の領域を含む異形断面を有する異形金属線が知られている。異形金属線は、たとえばばねの製造に用いることができる。具体的には、ばねの製造では、たとえば長手方向に垂直な断面が台形状の鋼製の金属線(鋼線)が準備され、互いに平行な二辺のうち短辺側が内側、長辺側が外側となるように当該鋼線がらせん状に加工されることにより、ばねが製造される。上述のような長手方向に垂直な断面が台形状の鋼線の製造方法としては、台形の各辺に対応する4つのロールを用いた圧延により、所望の断面形状を得る方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2013−111619号公報
圧延によって所望の異形断面を精度よく得ることは容易ではない。異形断面を精度よく得るためには、圧延後の金属線を引抜き加工する方法が考えられる。しかし、単に圧延後に引抜き加工を実施した場合、引抜き工程において焼付きが発生し、異形金属線の歩留りが低下するという問題が生じる場合がある。そこで、高い歩留りを維持しつつ所望の断面形状を精度よく達成することが可能な異形金属線の製造方法を提供することを目的の1つとする。
本発明に従った異形金属線の製造方法は、金属からなり、長手方向に垂直な断面の外周において曲率半径の異なる複数の領域を含む異形断面を有する異形金属線の製造方法である。この異形金属線の製造方法は、上記金属からなる原料線材を準備する工程と、原料線材を圧延して、長手方向に垂直な断面形状が原料線材に非相似である圧延線材を得る工程と、圧延線材を引抜き加工して、上記異形断面を有する異形金属線を得る工程と、を備える。原料線材を圧延して圧延線材を得る工程は、長手方向に垂直な断面の外周において、第1の曲率半径を有する第1加工領域と、第2の曲率半径を有する第2加工領域と、第1の曲率半径および第2の曲率半径よりも小さい第3の曲率半径を有し、第1加工領域と第2加工領域とをつなぐコーナー加工領域とを含むロールにより圧延が実施される工程を含む。
上記異形金属線の製造方法によれば、高い歩留りを維持しつつ所望の断面形状を精度よく達成することができる。
実施の形態1における異形金属線の製造方法の概略を示すフローチャートである。 原料線材の長手方向に垂直な断面を示す概略断面図である。 実施の形態1における第1圧延工程を説明するための概略斜視図である。 実施の形態1における第1圧延工程を説明するための概略断面図である。 実施の形態1における第2圧延工程を説明するための概略斜視図である。 実施の形態1における第2圧延工程を説明するための概略断面図である。 実施の形態1における第1引抜き工程を説明するための概略断面図である。 図7の線分VIII−VIIIに沿う断面を示す概略断面図ある。 図7の線分IX−IXに沿う断面を示す概略断面図ある。 実施の形態1における第2引抜き工程を説明するための概略断面図である。 図10の線分XI−XIに沿う断面を示す概略断面図ある。 図10の線分XII−XIIに沿う断面を示す概略断面図ある。 実施の形態1における第3引抜き工程を説明するための概略断面図である。 図13の線分XIV−XIVに沿う断面を示す概略断面図ある。 図13の線分XV−XVに沿う断面を示す概略断面図ある。 実施の形態2における異形金属線の製造方法の概略を示すフローチャートである。 実施の形態2における第2圧延工程を説明するための概略断面図である。 実施の形態2における第2引抜き工程を説明するための概略断面図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施態様を列記して説明する。本願の異形金属線の製造方法は、金属からなり、長手方向に垂直な断面の外周において曲率半径の異なる複数の領域を含む異形断面を有する異形金属線の製造方法である。この異形金属線の製造方法は、上記金属からなる原料線材を準備する工程と、原料線材を圧延して、長手方向に垂直な断面形状が原料線材に非相似である圧延線材を得る工程と、圧延線材を引抜き加工して、上記異形断面を有する異形金属線を得る工程と、を備える。原料線材を圧延して圧延線材を得る工程は、長手方向に垂直な断面の外周において、第1の曲率半径を有する第1加工領域と、第2の曲率半径を有する第2加工領域と、第1の曲率半径および第2の曲率半径よりも小さい第3の曲率半径を有し、第1加工領域と第2加工領域とをつなぐコーナー加工領域とを含むロールにより圧延が実施される工程を含む。
本願の異形金属線の製造方法においては、原料線材が圧延されて圧延線材を作製した後、当該圧延線材を引抜き加工することで異形金属線が製造される。そのため、圧延のみにより断面形状が調整される場合に比べて所望の断面形状を精度よく達成することができる。特に、圧延のみにより断面形状を調整する場合、曲率半径が小さいコーナー領域の形状の精度を向上させることは困難である。圧延後に引抜きを実施することにより、曲率半径の小さいコーナー領域の形状を精度よく調整することができる。
また、本発明者の検討によれば、圧延線材が引抜き加工される際に焼付きが発生する主な原因の一つは以下のようなものである。一般に、原料線材の圧延では、金属線の長手方向に垂直な断面の外周において曲率半径の大きい2つの領域を繋ぐコーナー領域(当該2つの領域よりも曲率半径が小さい領域)を加工する場合、曲率半径の大きい当該2つの領域にそれぞれ対応する加工面を有する2つのロールが用いられ、コーナー領域には圧延においてロールが直接接触しない領域が含まれる。このような領域は、ロールによる直接的な加工を受けた領域に比べて加工精度が劣る領域となる。そして、圧延線材が引抜き加工される際には、上記加工精度が劣る領域の存在に起因して、ダイスの入口付近において圧延線材の長手方向に垂直な断面の外周の一部のみがダイスの加工面に接触する状態となる。その結果、引抜き加工において焼付きが発生する。
これに対し、本願の異形金属線の製造方法では、圧延線材を得る工程が、コーナー加工領域を含むロールにより圧延が実施される工程を含む。つまり、圧延線材のコーナー領域は、ロールのコーナー加工領域により直接的に加工された状態となる。そのため、ダイスの入口付近において上述のような不均一な接触状態が発生することが抑制される。その結果、引抜き加工において焼付きが発生することが抑制され、高い歩留りが確保される。
このように、本願の異形金属線の製造方法によれば、高い歩留りを維持しつつ所望の断面形状を精度よく達成することができる。なお、本願において断面の外周が直線である領域は、曲率半径が無限大である領域として取り扱う。
上記異形金属線の製造方法において、圧延線材を引抜き加工して異形金属線を得る工程は、長手方向に垂直な断面の形状が入口側と出口側とで非相似である非相似ダイスにより引抜き加工が実施される工程を含んでいてもよい。このようにすることにより、所望の断面形状を有する異形金属線を得ることが容易となる。
上記異形金属線の製造方法において、圧延線材を引抜き加工して異形金属線を得る工程は、長手方向に垂直な断面の形状が入口側と出口側とで相似である相似ダイスにより引抜き加工が実施される工程を含んでいてもよい。このようにすることにより、圧延線材を引抜き加工して異形金属線を得る工程において、線材の断面を相似縮小することができる。
上記異形金属線の製造方法において、原料線材の長手方向に垂直な断面の断面積に対する、原料線材の長手方向に垂直な断面の断面積と異形金属線の長手方向に垂直な断面の断面積との差の割合である減面率は、15%以上85%以下であってもよい。異形金属線の製造においては、長手方向に垂直な断面が異形断面であることに起因して、断面の場所によって加工度が異なる。上記減面率を15%以上とすることにより、加工度が小さい領域において加工硬化による強度上昇が不足し、引抜き工程において断線する等の不具合の発生を抑制することができる。また、上記減面率を85%以下とすることにより、加工度が大きい領域において加工度が限界を超えて、引抜き工程において断線する等の不具合の発生を抑制することができる。
上記異形金属線の製造方法において、異形金属線の長手方向に垂直な断面の外周は、第4の曲率半径を有する第1外周領域と、第5の曲率半径を有する第2外周領域と、第4の曲率半径および第5の曲率半径よりも小さい第6の曲率半径を有し、第1外周領域と第2外周領域とをつなぐコーナー領域と、を含んでいてもよい。第6の曲率半径は、0.1mm以上3.5mm以下であってもよい。異形金属線の長手方向に垂直な断面の外周における曲率半径が小さい場合、所望の形状を精度よく達成することが難しくなる。本願の異形金属線の製造方法は、曲率半径が3.5mm以下の場合であっても高い歩留りを維持しつつ所望の断面形状を精度よく達成することができる。そのため、上記第6の曲率半径は3.5mm以下であってもよい。一方、曲率半径が0.1mm未満の場合、十分な歩留りを確保しつつ所望の断面形状を精度よく達成することが困難となるおそれがある。そのため、上記第6の曲率半径は0.1mm以上とすることが好ましい。所望の断面形状を精度よく達成する観点から、第6の曲率半径は0.2mm以上であることがより好ましい。
上記異形金属線の製造方法において、上記金属は鋼であってもよい。本願の異形金属線の製造方法は、特に鋼からなる異形金属線(鋼線)の製造に好適である。
上記異形金属線の製造方法において、原料線材の長手方向に垂直な断面は円形であってもよい。入手が容易な円形断面を有する線材を原料線材として採用することにより、異形金属線の製造コストを抑制することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
次に、本発明にかかる異形金属線の製造方法の実施の形態を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
実施の形態1では、異形金属線の製造方法の一例として、鋼からなる異形金属線(異形鋼線)の製造方法について説明する。図1を参照して、本実施の形態における異形金属線の製造方法では、まず工程(S10)として原料線材準備工程が実施される。この工程(S10)では、図2を参照して、長手方向に垂直な断面の外周11が円形である原料線材10が準備される。原料線材10としては、たとえば硬引き線、オイルテンパー線などを採用することができる。硬引き線は、たとえばパテンティングが実施された線材を引抜き加工して準備することができる。オイルテンパー線は、たとえばパテンティングが実施された線材を引抜き加工した後、焼入処理および焼戻処理を実施して準備することができる。上記硬引き線およびオイルテンパー線は、パテンティングを実施することなく準備されてもよい。原料線材10を構成する材料としては、たとえばJIS G3502(ピアノ線材)に記載の成分組成を有するもの、JIS G3506(硬鋼線材)に記載の成分組成を有するもの、JIS G3560(ばね用オイルテンパー線)に記載の成分組成を有するもの、JIS G3561(弁ばね用オイルテンパー線)に記載の成分組成を有するもの、などを採用することができる。
次に、工程(S20)として第1圧延工程が実施される。この工程(S20)では、工程(S10)において準備された原料線材10が圧延される。本実施の形態における工程(S20)では、原料線材10が冷間圧延される。その結果、原料線材10が径方向に押しつぶされ、第1圧延線材20が得られる。
図3は、工程(S20)を実施するための圧延装置の構造の概略を示す斜視図である。図4は、工程(S20)を実施するための圧延装置の長手方向に垂直な断面を示す図である。図3および図4を参照して、工程(S20)を実施するための圧延装置は、一対のロール110を備えている。ロール110は、円筒状の形状を有している。ロール110の側面が、加工面111である。ロール110は、円筒面形状を有する加工面11の中心軸(一対の底面112の中心を通る中心軸)である回転軸110C周りに回転可能となっている。一対のロール110は、加工面111が互いに対向するように、間隔をおいて、かつ回転軸110Cが平行となるように配置されている。
工程(S20)では、工程(S10)において準備された原料線材10が長手方向に沿って進行し、一対のロール110の間の領域へと進入する。これにより、原料線材10は、長手方向に垂直な断面において径方向に圧縮される。その結果、長手方向に垂直な断面の外周21が、互いに平行な直線状である一対の平坦部21Aと、断面の重心から離れる側に突出する曲線状(円弧状)の形状を有し、一対の平坦部21Aをつなぐ突出部21Bとを含む、第1圧延線材20が得られる。
次に、工程(S30)として第2圧延工程が実施される。この工程(S30)では、工程(S20)において得られた第1圧延線材20がさらに圧延されることにより、長手方向に垂直な断面において長方形状の形状を有する第2圧延線材30が得られる。
図5は、工程(S30)を実施するための圧延装置の構造の概略を示す斜視図である。図6は、工程(S30)を実施するための圧延装置の長手方向に垂直な断面を示す図である。図5および図6を参照して、工程(S30)を実施するための圧延装置は、一対のロール120を備えている。ロール120は、円筒状の形状において、外周面に凹部が形成された形状を有している。ロール120には、円筒面形状を有する外周面の中心軸(一対の底面122の中心を通る中心軸)を含み、軸方向に貫通するように貫通孔が形成されている。ロール120は、当該中心軸である回転軸120C周りに回転可能となっている。
外周面に形成された凹部の底面である第1加工領域としての短辺加工領域121Aは、円筒面状の形状を有している。長手方向に垂直な断面において、短辺加工領域121Aは直線状の形状を有している。すなわち、長手方向に垂直な断面において、短辺加工領域121Aの曲率半径(第1の曲率半径)は無限大である。
外周面に形成された凹部の一対の側面である第2加工領域としての長辺加工領域121Bは、円環状の平面形状を有している。長手方向に垂直な断面において、長辺加工領域121Bは直線状の形状を有している。すなわち、長手方向に垂直な断面において、長辺加工領域121Bの曲率半径(第2の曲率半径)は無限大である。一対の長辺加工領域121Bは、互いに対向するように平行に配置される。一対の長辺加工領域121Bは、それぞれ短辺加工領域121Aの一対の端部に接続される。長手方向に垂直な断面において、短辺加工領域121Aに沿った直線と一対の長辺加工領域121Bに沿った直線とは交差(直交)する。
外周面に形成された凹部の底面である短辺加工領域121Aと側面である一対の長辺加工領域121Bとをつなぐように、一対のコーナー加工領域121Cが形成されている。長手方向に垂直な断面において、コーナー加工領域121Cは円弧状の形状を有している。すなわち、長手方向に垂直な断面において、コーナー加工領域121Cの曲率半径(第3の曲率半径)は、第1の曲率半径および第2の曲率半径よりも小さい。一対のロール120は、短辺加工領域121Aが互いに対向するように、間隔をおいて、かつ回転軸120Cが平行となるように配置されている。短辺加工領域121A、長辺加工領域121Bおよびコーナー加工領域121Cは、ロール120の加工面121を構成する。
工程(S30)では、工程(S20)において得られた第1圧延線材20が長手方向に沿って進行し、一対のロール120の加工面121により取り囲まれる領域へと進入する。これにより、第1圧延線材20は塑性加工を受け、長手方向に垂直な断面の形状が長方形状である第2圧延線材30が得られる。第2圧延線材30は、長手方向に垂直な断面の外周31が、互いに平行な短辺31Aと、互い平行な長辺31Bと、短辺31Aと長辺31Bとをつなぐコーナー31Cとを含む長方形状の形状を有する。上記工程(S20)および(S30)は、原料線材10を圧延して圧延線材(第2圧延線材)を得る工程を構成する。上記工程(S20)および(S30)において原料線材10が圧延され、長手方向に垂直な断面形状が原料線材10に非相似である第2圧延線材30が得られる。
次に、工程(S40)として第1引抜き工程が実施される。この工程(S40)では、工程(S30)において得られた第2圧延線材30が引抜き加工されることにより第1引抜き線材40が得られる。
図7は、工程(S40)を実施するための引抜き装置の長手方向αに沿った断面を示す図である。図7を参照して、工程(S40)を実施するための引抜き装置は、ダイス140を備えている。ダイス140には、長手方向αに沿ってダイス140を貫通する貫通孔が形成されている。この貫通孔を取り囲む壁面が加工面141である。工程(S30)において得られた第2圧延線材30が長手方向に沿って進行してダイス140の貫通孔へと進入し、入口148に到達すると、第2圧延線材30の外周面31がダイス140の加工面141に接触する。これにより、第2圧延線材30は加工され、長手方向に垂直な断面の形状が長手方向αに垂直な断面における加工面141の形状に対応する形状となるように塑性変形する。そして、第2圧延線材30がダイス140の出口149に到達するとダイス140の加工面141による加工が完了し、第1引抜き線材40が得られる。
図8は、入口148における長手方向αに垂直な断面に対応する図である。また、図9は、出口149における長手方向αに垂直な断面に対応する図である。図8を参照して、ダイス140の入口148では、長手方向αに垂直な断面において、加工面141は、第2圧延線材30の長手方向に垂直な断面における形状に対応する形状を有している。すなわち、入口148において、加工面141は、互いに平行な一対の短辺加工領域141Aと、互いに平行な一対の長辺加工領域141Bとを含む長方形状の形状を有する。短辺加工領域141Aと長辺加工領域141Bとは、コーナー加工領域141Cにより接続される。短辺加工領域141A、長辺加工領域141Bおよびコーナー加工領域141Cが、それぞれ第2圧延線材30の短辺31A、長辺31Bおよびコーナー31Cに対応する(それぞれ第2圧延線材30の短辺31A、長辺31Bおよびコーナー31Cと同一の)形状を有する。
図9を参照して、ダイス140の出口149では、長手方向αに垂直な断面において、加工面141は、所望の第1引抜き線材40の長手方向に垂直な断面における形状に対応する形状を有している。具体的には、出口149において、加工面141は、入口148における形状を相似縮小した形状を有している。つまり、出口149においては、短辺加工領域141Aおよび長辺加工領域141Bの長さは入口148における長さに対して同一の割合で短くなっている。長手方向αに垂直な断面における加工面141の形状は、出口149に近づくにしたがって出口149における形状に近づく。工程(S40)では、長手方向に垂直な断面の形状が入口148側と出口149側とで相似である相似ダイスにより引抜き加工が実施される。工程(S40)が実施されることにより、長手方向に垂直な断面において第2圧延線材30が相似縮小された形状を有する第1引抜き線材40が得られる。つまり、長手方向に垂直な断面において、第1引抜き線材40の外周面41の短辺41Aおよび長辺41Bは、第2圧延線材30の外周面31の短辺31Aおよび長辺31Bの長さに対して同一の割合で短くなっている。また、第1引抜き線材40の外周面41のコーナー41Cの曲率半径は、第2圧延線材30の外周面31のコーナー31Cの曲率半径に対して上記割合と同一の割合で小さくなっている。
次に、工程(S50)として第2引抜き工程が実施される。この工程(S50)では、工程(S40)において得られた第1引抜き線材40が引抜き加工されることにより第2引抜き線材50が得られる。
図10は、工程(S50)を実施するための引抜き装置の長手方向αに沿った断面を示す図である。図10を参照して、工程(S50)を実施するための引抜き装置は、ダイス150を備えている。ダイス150には、長手方向αに沿ってダイス150を貫通する貫通孔が形成されている。この貫通孔を取り囲む壁面が加工面151である。工程(S40)において得られた第1引抜き線材40が長手方向に沿って進行してダイス150の貫通孔へと進入し、入口158に到達すると、第1引抜き線材40の外周面41がダイス150の加工面151に接触する。これにより、第1引抜き線材40は加工され、長手方向に垂直な断面の形状が長手方向αに垂直な断面における加工面151の形状に対応する形状となるように塑性変形する。そして、第1引抜き線材40がダイス150の出口159に到達するとダイス150の加工面151による加工が完了し、第2引抜き線材50が得られる。
図11は、入口158における長手方向αに垂直な断面に対応する図である。また、図12は、出口159における長手方向αに垂直な断面に対応する図である。図11を参照して、ダイス150の入口158では、長手方向αに垂直な断面において、加工面151は、第1引抜き線材40の長手方向に垂直な断面における形状に対応する形状を有している。すなわち、入口158において、加工面151は、互いに平行な一対の短辺加工領域151Aと、互いに平行な一対の長辺加工領域151Bとを含む長方形状の形状を有する。短辺加工領域151Aと長辺加工領域151Bとは、コーナー加工領域151Cにより接続される。短辺加工領域151A、長辺加工領域151Bおよびコーナー加工領域151Cが、それぞれ第1引抜き線材40の短辺41A、長辺41Bおよびコーナー41Cに対応する(それぞれ第1引抜き線材40の短辺41A、長辺41Bおよびコーナー41Cと同一の)形状を有する。
図12を参照して、ダイス150の出口159では、長手方向αに垂直な断面において、加工面151は、所望の第2引抜き線材50の長手方向に垂直な断面における形状に対応する形状を有している。長手方向αに垂直な断面の出口159における形状は、入口158における形状とは非相似となっている。具体的には、出口159においては、加工面151は台形状(等脚台形状)の形状を有している。長手方向αに垂直な断面において、加工面151は、上底加工領域151Dと、下底加工領域151Eと、一対の脚加工領域151Fとを含んでいる。下底加工領域151Eと脚加工領域151Fとは、コーナー加工領域151Gによりつながれている。長手方向αに垂直な断面において、下底加工領域151Eおよび脚加工領域151Fは、直線状の(曲率半径が無限大である)形状を有している。長手方向αに垂直な断面において、コーナー加工領域151Gは円弧状の形状を有している。長手方向αに垂直な断面において、上底加工領域151Dは、コーナー加工領域151Gよりも曲率半径が大きい円弧状の形状を有している。
長手方向αに垂直な断面における加工面151の形状は、出口159に近づくにしたがって出口159における形状に近づく。工程(S50)では、長手方向に垂直な断面の形状が入口158側と出口159側とで非相似である非相似ダイスにより引抜き加工が実施される。工程(S50)が実施されることにより、長手方向に垂直な断面において、外周面51が上底51Dと、下底51Aと、一対の脚51Bとを含む第2引抜き線材50が得られる。下底51Aと脚51Bとは、コーナー51Cによりつながれる。
次に、工程(S60)として第3引抜き工程が実施される。この工程(S60)では、工程(S50)において得られた第2引抜き線材50が引抜き加工されることにより完成品である異形金属線(異形鋼線)としての第3引抜き線材60が得られる。
図13は、工程(S60)を実施するための引抜き装置の長手方向αに沿った断面を示す図である。図13を参照して、工程(S60)を実施するための引抜き装置は、ダイス160を備えている。ダイス160には、長手方向αに沿ってダイス160を貫通する貫通孔が形成されている。この貫通孔を取り囲む壁面が加工面161である。工程(S50)において得られた第2引抜き線材50が長手方向に沿って進行してダイス160の貫通孔へと進入し、入口168に到達すると、第2引抜き線材50の外周面51がダイス160の加工面161に接触する。これにより、第2引抜き線材50は加工され、長手方向に垂直な断面の形状が長手方向αに垂直な断面における加工面161の形状に対応する形状となるように塑性変形する。そして、第2引抜き線材50がダイス160の出口169に到達するとダイス160の加工面161による加工が完了し、完成品である異形金属線(異形鋼線)としての第3引抜き線材60が得られる。
図14は、入口168における長手方向αに垂直な断面に対応する図である。また、図15は、出口169における長手方向αに垂直な断面に対応する図である。図14を参照して、ダイス160の入口168では、長手方向αに垂直な断面において、加工面161は、第2引抜き線材50の長手方向に垂直な断面における形状に対応する形状を有している。すなわち、入口168において、加工面161は、台形状(等脚台形状)の形状を有している。長手方向αに垂直な断面において、加工面161は、上底加工領域161Dと、下底加工領域161Aと、一対の脚加工領域161Bとを含んでいる。下底加工領域161Aと脚加工領域161Bとは、コーナー加工領域161Cによりつながれている。長手方向αに垂直な断面において、下底加工領域161Aおよび脚加工領域161Bは、直線状の(曲率半径が無限大である)形状を有している。長手方向αに垂直な断面において、コーナー加工領域161Cは円弧状の形状を有している。長手方向αに垂直な断面において、上底加工領域161Dは、コーナー加工領域161Cよりも曲率半径が大きい円弧状の形状を有している。上底加工領域161D、下底加工領域161A、脚加工領域161Bおよびコーナー加工領域161Cが、それぞれ第2引抜き線材50の上底51D、下底51A、脚51Bおよびコーナー51Cに対応する(上底51D、下底51A、脚51Bおよびコーナー51Cと同一の)形状を有する。
図15を参照して、ダイス160の出口169では、長手方向αに垂直な断面において、加工面161は、所望の第3引抜き線材60(完成品である異形金属線)の長手方向に垂直な断面における形状に対応する形状を有している。具体的には、出口169において、加工面161は、入口168における形状を相似縮小した形状を有している。つまり、出口169においては、上底加工領域161D、下底加工領域161Aおよび脚加工領域161Bの長さは、入口168における長さに対して同一の割合で短くなっている。長手方向αに垂直な断面における加工面161の形状は、出口169に近づくにしたがって出口169における形状に近づく。工程(S60)では、長手方向に垂直な断面の形状が入口168側と出口169側とで相似である相似ダイスにより引抜き加工が実施される。
工程(S60)が実施されることにより、長手方向に垂直な断面において第2引抜き線材50が相似縮小された形状を有する第3引抜き線材60が得られる。つまり、長手方向に垂直な断面において、第3引抜き線材60の上底61D、下底61Aおよび脚61Bの長さは、第2引抜き線材50の上底51D、下底51Aおよび脚51Bの長さに対して同一の割合で短くなっている。また、第3引抜き線材60の外周面61のコーナー61Cの曲率半径は、第2引抜き線材50の外周面51のコーナー51Cの曲率半径に対して上記割合と同一の割合で小さくなっている。
以上の手順により、完成品である異形金属線(異形鋼線)としての第3引抜き線材60が得られる。第3引抜き線材60は、長手方向に垂直な断面の外周61において曲率半径の異なる複数の領域を含む異形断面を有する。異形金属線である第3引抜き線材60の長手方向に垂直な断面の外周61は、第4の曲率半径(無限大の曲率半径)を有する第1外周領域としての下底61Aと、第5の曲率半径(無限大の曲率半径)を有する第2外周領域としての脚61Bと、第4の曲率半径および第5の曲率半径よりも小さい第6の曲率半径を有し、下底61Aと脚61Bとをつなぐコーナー領域としてのコーナー61Cとを含む。このような台形状の断面形状を有する第3引抜き線材60は、たとえば上底61Dが内側、下底61Aが外側となるようにらせん状に加工することでばねを得るためのばね用鋼線として用いることができる。
ここで、本実施の形態の異形金属線の製造方法においては、原料線材10が圧延されて第2圧延線材30を作製した後、第2圧延線材30を引抜き加工することで異形金属線(異形鋼線)としての第3引抜き線材60が製造される。そのため、圧延のみにより断面形状が調整される場合に比べて所望の断面形状を精度よく達成することができる。
また、本実施の形態の異形金属線の製造方法では、原料線材10から第2圧延線材30を得る工程が、一対のコーナー加工領域121Cを含むロール120により圧延が実施される第2圧延工程(S30)を含む。工程(S30)において、第2圧延線材30のコーナー31Cは、ロール120のコーナー加工領域121Cにより直接的に加工された状態となる。そのため、工程(S40)として実施される第1引抜き工程において、ダイス140の入口148付近での不均一な接触状態の発生が抑制される。その結果、工程(S40)の引抜き加工において焼付きが発生することが抑制され、高い歩留りが確保される。このように、本実施の形態の異形金属線の製造方法によれば、高い歩留りを維持しつつ所望の断面形状を精度よく達成することができる。
本実施の形態の異形金属線の製造方法において、原料線材10の長手方向に垂直な断面の断面積Sに対する、原料線材10の長手方向に垂直な断面の断面積Sと異形金属線である第3引抜き線材60の長手方向に垂直な断面の断面積Sとの差(S−S)の割合である減面率(S−S)/Sは、15%以上85%以下であることが好ましい。上記減面率を15%以上とすることにより、加工度が小さい領域において加工硬化による強度上昇が不足し、引抜き工程(S40)〜(S60)において断線する等の不具合の発生を抑制することができる。また、上記減面率を85%以下とすることにより、加工度が大きい領域において加工度が限界を超えて、引抜き工程(S40)〜(S60)において断線する等の不具合の発生を抑制することができる。
また、本実施の形態の異形金属線の製造方法において、完成品である異形金属線(異形鋼線)としての第3引抜き線材60の長手方向に垂直な断面の外周61のうち、コーナー61Cの曲率半径(第6の曲率半径)は、0.1mm以上3.5mm以下、より好ましくは0.2mm以上3.5mm以下とすることができる。本実施の形態の異形金属線の製造方法によれば、長手方向に垂直な断面の外周61にこのような曲率半径のコーナー61Cを有する異形鋼線(第3引抜き線材60)を高い歩留りを維持しつつ、精度よく製造することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の異形金属線の製造方法の他の実施の形態である実施の形態2について説明する。実施の形態2における異形金属線の製造方法は、基本的には実施の形態1の場合と同様に実施され、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態2においては、圧延を実施するためのロールおよび引抜きを実施するためのダイスの形状を変更することで、第1引抜き工程が省略される点において、実施の形態1の場合とは異なっている。
図16を参照して、本実施の形態においては、工程(S10)および(S20)が実施の形態1の場合と同様に実施された後、工程(S30)として第2圧延工程が実施される。
図17は、実施の形態2における工程(S30)を実施するための圧延装置の長手方向に垂直な断面を示す図である。図17を参照して、工程(S30)を実施するための圧延装置は、第1ロール130と第2ロール135とを備えている。第1ロール130および第2ロール135は、円筒状の形状において、外周面に凹部が形成された形状を有している。第1ロール130および第2ロール135には、一対の底面の中心を通る中心軸を含み、軸方向に貫通するように貫通孔が形成されている。第1ロール130および第2ロール135は、それぞれ当該中心軸である回転軸130Cおよび回転軸135C周りに回転可能となっている。
第1ロール130の外周面に形成された凹部の底面である第1加工領域としての下底加工領域131Gは、円筒面状の形状を有している。長手方向に垂直な断面において、下底加工領域131Gは直線状の形状を有している。すなわち、長手方向に垂直な断面において、下底加工領域131Gの曲率半径(第1の曲率半径)は無限大である。
第1ロール130の外周面に形成された凹部の側壁である第2加工領域としての下側脚加工領域131Eは、環状の円錐面形状を有している。長手方向に垂直な断面において、下側脚加工領域131Eは直線状の形状を有している。すなわち、長手方向に垂直な断面において、下側脚加工領域131Eの曲率半径(第2の曲率半径)は無限大である。長手方向に垂直な断面において、一対の下側脚加工領域131Eは、互いに対向するように、下底加工領域131Gから離れるにしたがって互いに近づくように配置される。一対の下側脚加工領域131Eは、それぞれ下底加工領域131Gの一対の端部に接続される。長手方向に垂直な断面において、下底加工領域131Gに沿った直線と一対の下側脚加工領域131Eに沿った直線とは鋭角を形成するように交差する。
下底加工領域131Gと下側脚加工領域131Eとをつなぐように、一対のコーナー加工領域131Hが形成されている。長手方向に垂直な断面において、コーナー加工領域131Hは円弧状の形状を有している。すなわち、長手方向に垂直な断面において、コーナー加工領域131Hの曲率半径(第3の曲率半径)は、第1の曲率半径および第2の曲率半径よりも小さい。下底加工領域131G、下側脚加工領域131Eおよびコーナー加工領域131Hは、第1ロール130の加工面131を構成する。
第2ロール135の外周面に形成された凹部の底面である第1加工領域としての上底加工領域136Dは、トロイダル面状の形状を有している。長手方向に垂直な断面において、上底加工領域136Dは円弧状の形状を有している。長手方向に垂直な断面において、上底加工領域136Dは所定の曲率半径を有している。
第2ロール135の外周面に形成された凹部の側壁である第2加工領域としての上側脚加工領域136Eは、環状の円錐面形状を有している。長手方向に垂直な断面において、上側脚加工領域136Eは直線状の形状を有している。すなわち、長手方向に垂直な断面において、上側脚加工領域136Eの曲率半径は無限大である。長手方向に垂直な断面において、一対の上側脚加工領域136Eは、互いに対向するように、上底加工領域136Dから離れるにしたがって互いに離れるように配置される。一対の上側脚加工領域136Eは、それぞれ上底加工領域136Dの一対の端部に接続される。長手方向に垂直な断面において、上底加工領域136Dに沿った直線と一対の上側脚加工領域136Eに沿った直線とは鈍角を形成するように交差する。
上底加工領域136Dと上側脚加工領域136Eとをつなぐように、一対のコーナー加工領域136Fが形成されている。長手方向に垂直な断面において、コーナー加工領域136Fは円弧状の形状を有している。長手方向に垂直な断面において、コーナー加工領域136Fの曲率半径は、上底加工領域136Dの曲率半径および上側脚加工領域136Eの曲率半径よりも小さい。上底加工領域136D、上側脚加工領域136Eおよびコーナー加工領域136Fは、第2ロール135の加工面136を構成する。
第1ロール130と第2ロール135とは、下底加工領域131Gと上底加工領域136Dとが互いに対向するように、間隔をおいて、かつ回転軸130Cと回転軸135Cとが平行となるように配置されている。
実施の形態2の工程(S30)では、工程(S20)において得られた第1圧延線材20が長手方向に沿って進行し、第1ロール130の加工面131と第2ロール135の加工面136とにより取り囲まれる領域へと進入する。これにより、第1圧延線材20は塑性加工を受け、長手方向に垂直な断面の形状が台形状である第2圧延線材30が得られる。実施の形態2における第2圧延線材30は、長手方向に垂直な断面の外周31が、上底31Dと、下底31Gと、一対の脚31Eと、上底31Dと脚31Eとをつなぐコーナー31Fと、下底31Gと脚31Eとをつなぐコーナー31Hとを含む台形形状を有する。
次に、工程(S50)として第2引抜き工程が実施される。この工程(S50)では、本実施の形態の工程(S30)において得られた第2圧延線材30が引抜き加工されることにより、実施の形態1の場合と同様の形状を有する第2引抜き線材50が得られる。
実施の形態2の工程(S50)では、基本的には実施の形態1の工程(S50)の場合と同様の構造を有する引抜き装置が用いられ、同様に引抜き加工が実施される。しかし、実施の形態2の引抜き装置に含まれるダイス170は、入口における加工面171の形状において実施の形態1のダイス150とは異なっている。
図18は、ダイス170の入口における長手方向αに垂直な断面に対応する図である。図18を参照して、ダイス170の入口では、長手方向αに垂直な断面において、加工面171は、実施の形態2の第2圧延線材30の長手方向に垂直な断面における形状に対応する形状を有している。すなわち、入口において、加工面171は、上底加工領域171Dと、下底加工領域171Gと、一対の脚加工領域171Eと、上底加工領域171Dと脚加工領域171Eとをつなぐコーナー加工領域171Fと、下底加工領域171Gと脚加工領域171Eとをつなぐコーナー加工領域171Hとを含む台形形状を有する。上底加工領域171D、下底加工領域171G、脚加工領域171E、コーナー加工領域171Fおよびコーナー加工領域171Hが、それぞれ第2圧延線材30の上底31D、下底31G、脚31E、コーナー31Fおよびコーナー31Hに対応する(それぞれ第2圧延線材30の上底31D、下底31G、脚31E、コーナー31Fおよびコーナー31Hと同一の)形状を有する。一方、ダイス170の出口での長手方向αに垂直な断面における加工面171の形状は、実施の形態1におけるダイス150の加工面151と同形状である。
長手方向αに垂直な断面における加工面171の形状は、出口に近づくにしたがって出口における形状(実施の形態1におけるダイス150の出口159における加工面151と同じ形状)に近づく。工程(S50)では、長手方向に垂直な断面の形状が入口側と出口側とで非相似である非相似ダイスにより引抜き加工が実施される。工程(S50)が実施されることにより、実施の形態1の場合と同様の形状を有する第2引抜き線材50が得られる。その後、実施の形態1の場合と同様に工程(S60)が実施されて、完成品である異形金属線(異形鋼線)としての第3引抜き線材60が得られる。
本実施の形態においては、工程(S30)として実施される第2圧延工程において第1圧延線材20が、実施の形態1の場合に比べて完成品である異形金属線(異形鋼線)としての第3引抜き線材60により近い断面形状を有する第2圧延線材30へと加工される。そのため、実施の形態1における第1引抜き工程(S40)を省略することが可能となる。
なお、上記実施の形態において、工程(S20)〜(S30)の圧延加工および工程(S40)〜(S60)の引き抜き加工は、意図的な加熱を実施しない状態で、すなわち冷間加工として実施される。上記圧延加工および引抜き加工の一部または全部は、たとえば再結晶温度未満の温度域への加熱を実施した状態で、すなわち温間加工として実施されてもよい。
また、上記実施の形態においては、異形金属線が鋼からなる場合について説明したが、異形金属線を構成する金属はこれに限られず、鋼以外の金属であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本願の異形金属線の製造方法は、断面形状の精度向上が求められる異形金属線の製造に、特に有利に適用され得る。
10 原料線材
11 外周
20 第1圧延線材
21 外周
21A 平坦部
21B 突出部
30 第2圧延線材
31 外周(外周面)
31A 短辺
31B 長辺
31C コーナー
31D 上底
31E 脚
31F コーナー
40 第1引抜き線材
41 外周面
50 第2引抜き線材
51 外周面
60 第3引抜き線材
61 外周面
110 ロール
110C 回転軸
111 加工面
120 ロール
120C 回転軸
121 加工面
121A 短辺加工領域
121B 長辺加工領域
121C コーナー加工領域
130 第1ロール
130C 回転軸
131 加工面
131E 下側脚加工領域
131G 下底加工領域
131H コーナー加工領域
135 第2ロール
135C 回転軸
136 加工面
136D 上底加工領域
136E 上側脚加工領域
136F コーナー加工領域
140 ダイス
141 加工面
141A 短辺加工領域
141B 長辺加工領域
141C コーナー加工領域
148 入口
149 出口
150 ダイス
151 加工面
151A 短辺加工領域
151B 長辺加工領域
151C コーナー加工領域
151D 上底加工領域
151E 下底加工領域
151F 脚加工領域
158 入口
159 出口
160 ダイス
161 加工面
161A 下底加工領域
161B 脚加工領域
161C コーナー加工領域
161D 上底加工領域
168 入口
169 出口
170 ダイス
171 加工面
171D 上底加工領域
171E 脚加工領域
171F コーナー加工領域
171G 下底加工領域
171H コーナー加工領域

Claims (7)

  1. 金属からなり、長手方向に垂直な断面の外周において曲率半径の異なる複数の領域を含む異形断面を有する異形金属線の製造方法であって、
    前記金属からなる原料線材を準備する工程と、
    前記原料線材を圧延して、長手方向に垂直な断面形状が前記原料線材に非相似である圧延線材を得る工程と、
    前記圧延線材を引抜き加工して、前記異形断面を有する前記異形金属線を得る工程と、を備え、
    前記原料線材を圧延して前記圧延線材を得る工程は、長手方向に垂直な断面の外周において、第1の曲率半径を有する第1加工領域と、第2の曲率半径を有する第2加工領域と、前記第1の曲率半径および前記第2の曲率半径よりも小さい第3の曲率半径を有し、前記第1加工領域と前記第2加工領域とをつなぐコーナー加工領域とを含むロールにより圧延が実施される工程を含む、異形金属線の製造方法。
  2. 前記圧延線材を引抜き加工して前記異形金属線を得る工程は、長手方向に垂直な断面の形状が入口側と出口側とで非相似である非相似ダイスにより引抜き加工が実施される工程を含む、請求項1に記載の異形金属線の製造方法。
  3. 前記圧延線材を引抜き加工して前記異形金属線を得る工程は、長手方向に垂直な断面の形状が入口側と出口側とで相似である相似ダイスにより引抜き加工が実施される工程を含む、請求項1または2に記載の異形金属線の製造方法。
  4. 前記原料線材の長手方向に垂直な断面の断面積に対する、前記原料線材の長手方向に垂直な断面の断面積と前記異形金属線の長手方向に垂直な断面の断面積との差の割合である減面率は、15%以上85%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の異形金属線の製造方法。
  5. 前記異形金属線の長手方向に垂直な断面の外周は、
    第4の曲率半径を有する第1外周領域と、
    第5の曲率半径を有する第2外周領域と、
    前記第4の曲率半径および前記第5の曲率半径よりも小さい第6の曲率半径を有し、前記第1外周領域と前記第2外周領域とをつなぐコーナー領域と、を含み、
    前記第6の曲率半径は0.1mm以上3.5mm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の異形金属線の製造方法。
  6. 前記金属は鋼である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の異形金属線の製造方法。
  7. 前記原料線材の長手方向に垂直な断面は円形である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の異形金属線の製造方法。
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