以下、本発明の移植機の一実施の形態の苗移植機について説明する。
本実施の形態では、本発明の移植機の一実施の形態の苗移植機について、図面を用いて説明する。
図1に、本実施の形態の苗移植機1の概略の左側面図を示し、図2に概略の平面図を示す。
野菜などの苗を移植する苗移植機1は、図1、図2に示すように、走行車輪としての左右一対の前輪2R、2L(従動輪)および後輪3R、3L(駆動輪)を備えた走行車体15と、走行車体15の前部に配置されたエンジン12およびミッションケース(主伝動ケースとも呼ぶ)4と、走行車体15の後部に配置された、苗22(図3(a)参照)を圃場に植え付けるべく植付具11を上下揺動させる苗植付装置300と、その苗22を収容したトレイ20(図3(a)参照)を供給するトレイ供給装置100と、そのトレイ供給装置100のトレイ20の育苗ポット21(図3(a)参照)の内部に取出部材260の先端を突入させて苗22を取りだして植付具11へ供給する取出装置200と、苗22の植付深さを一定に保つためのセンサ板710を含む植付深さ調整機構(図示省略)と、鎮圧輪13、操縦ハンドル8、及び操縦ハンドル8の中央部に配置された操作部600等を備えて構成されている。
また、操縦ハンドル8の左側のハンドルグリップ8Lの近傍には、エンジン12からの駆動力の伝動を入り切りする主クラッチ(図示省略)を入切操作するための主クラッチレバー80が設けられ、右側のハンドルグリップ8Rの近傍には、走行車体15を昇降させるための油圧昇降シリンダ10を作動させる昇降操作レバー81が設けられている。
また、主クラッチレバー80には、主クラッチレバー80の操作位置を検知する接触型の主クラッチ入切検知センサ810(図6参照)が設けられている。
また、操縦ハンドル8の左側のハンドルグリップ8Lの下方には、左走行クラッチレバー90Lが設けられ、右側のハンドルグリップ8Rの下方には、右走行クラッチレバー90Rが設けられている。左走行クラッチレバー90Lは、左側駆動輪として左側後輪3Lへの駆動力の伝動を入り切りする左走行クラッチ(図示省略)を入切操作するためのレバーであり、右走行クラッチレバー90Rは、右側駆動輪として右側後輪3Rへの駆動力の伝動を入り切りする右走行クラッチ(図示省略)を入切操作するためのレバーである。
また、左走行クラッチレバー90Lには、左走行クラッチレバー90Lの操作位置を検知する接触型の左走行クラッチ入切検知センサ91L(図6参照)が設けられており、右走行クラッチレバー90Rには、右走行クラッチレバー90Rの操作位置を検知する接触型の右走行クラッチ入切検知センサ91R(図6参照)が設けられている。
本実施の形態の左右一対の後輪3L、3Rは、本発明の左右一対の走行装置の一例にあたる。
また、トレイ供給装置100は、図3に示す様に、トレイ20の底部を支持する前下がりに傾斜したトレイ搬送路111を有する苗置台110と、トレイ20をトレイ搬送路111に沿って縦方向に間欠的に送るトレイ縦送り装置120と、を備えている。
ここで、図3(a)は、トレイ供給装置100の斜視図であり、図3(b)は、図3(a)のX部の拡大斜視図である。
なお、トレイ20は、図3(a)に示す様に、複数の育苗ポット21を縦横に連設したもので、プラスチックで形成されていて、可撓性を保持する構成になっている。各育苗ポット21は表面側で連結し、裏面は各育苗ポット21の底部21cが独立して突き出した形態となっている。
また、トレイ供給装置100は、図2、図3(a)に示す通り、トレイ搬送路111上の所定位置にトレイ20が存在しないことを検知するためのトレイ検知部1100が設けられている。
また、トレイ供給装置100は、トレイ搬送路111の上流側に予備トレイ供給機構900を備えている。予備トレイ供給機構900は、(1)トレイ20とは別に予備トレイ20Aを載せる予備トレイ載置板910と、(2)予備トレイ載置板910上に載置された予備トレイ20Aをその場所に待機させることが出来ると共に、必要に応じてトレイ搬送路111上に移動させることが可能な左右一対のストッパ用ソレノイド950L、950Rと、を有している。
なお、トレイ検知部1100、予備トレイ供給機構900については、図3(a)〜図5を用いて更に後述する。
本実施の形態の苗22は、本発明の移植物の一例にあたり、本実施の形態の予備トレイ20Aは、本発明の予備のトレイの一例にあたる。また、本実施の形態の取出装置200と苗植付装置300とを包括する構成要素は、本発明の植付装置の一例にあたる。
また、苗移植機1は、トレイ搬送路111を有する苗置台110を左右方向に往復移動させるトレイ搬送路移動装置170(図2参照)を走行車体15の後部に備えている。
トレイ搬送路移動装置170は、図2に示す様に、(1)トレイ搬送路111の裏面側に設けられ、植付作業中の移動については苗移植機1のエンジン12側からの駆動力を得て、また、植付作業停止中の移動についてはステッピングモータ175(図2参照)からの駆動力を得て、苗置台110を左右横方向に往復移動させるリードカム軸171(図2、図3(a)参照)と、(2)リードカム軸171より上方に設けられ、苗置台110の左右方向への移動を案内する案内レール155と、(3)案内レール155を左右両側で保持する左右両側壁部172L、172Rを有している。
なお、リードカム軸171は、右ネジ用と左ネジ用の螺旋状の溝(図示省略)が外周面において交差する様に形成されており、トレイ搬送路111の裏面に固定されたスライダ(図示省略)の突起部が当該溝に沿ってスライド移動可能に噛み合っている。そのため、リードカム軸171が一方向に間欠的に回動すると、苗置台110が間欠的に一方向にスライド移動し、リードカム軸171に形成された螺旋状の一方の溝(例えば、右ネジ用の溝)の端部で折り返して、他方の溝(例えば、左ネジ用の溝)に入ることで、苗置台110のスライド移動方向が自動的に反転する。
この動作を繰り返すことにより、苗置台110は、図2に示す様に、トレイ搬送路移動装置170の左側壁部172Lと、苗置台伝動ケース178との間で、往復移動を繰り返す構成である。苗置台伝動ケース178は、エンジン12側からの駆動力をリードカム軸171及び後述する縦送り回動軸151にチェーンベルト(図示省略)で伝動する伝動機構を収納したケースである。
また、トレイ搬送路移動装置170は、エンジン12側からの駆動力と、ステッピングモータ175からの駆動力との何れの駆動力をリードカム軸171に伝動させるかを切り換えるための油圧駆動式の駆動源切替クラッチ176を苗置台伝動ケース178内に有している。
また、駆動源切替クラッチ176には、駆動源切換ソレノイド177及び昇圧ソレノイド(図示省略)を介して作動油が供給されており、駆動源切換ソレノイド177によってエンジン12側からの駆動力の入切を行うクラッチ(図示省略)、又はステッピングモータ175からの駆動力の入切を行うクラッチ(図示省略)のどちらかに作動油を供給する油路、あるいはどちらにも供給しない油路に切り換えることができる。
本実施の形態のトレイ搬送路移動装置170は、本発明の往復移動装置の一例にあたる。
また、苗置台伝動ケース178には、トレイ供給装置100の苗置台110が、作業開始位置に位置したことを検知する位置検知センサ1200が配置されている。本実施の形態では、苗置台110の作業開示位置は、左右往復移動範囲の最右端位置、即ち、苗置台110が苗置台伝動ケース178に最接近した位置である。
また、本実施の形態では、苗置台110が作業開始位置に位置するとき、取出部材260は、トレイ20の左右横方向における一列分の育苗ポット21の最左端の苗22から順次取り出す。
なお、本実施の形態では、位置検知センサ1200は、アクチュエータ1201が苗置台110の外壁面により押されることで内蔵スイッチがONするリミットスイッチとして構成したが、これに限らず例えば、非接触タイプの位置検知センサであっても良い。
本実施の形態の位置検知センサ1200は、本発明の位置検知部材の一例にあたる。
上述したことから明らかな様に、本実施の形態の苗移植機1のトレイ供給装置100の送り動作には、(1)トレイ20の横方向一列分の育苗ポット21の苗22が、取出部材260により順次取り出されるべく、苗置台110が、間欠的に左右横方向に送られる横送り動作と、(2)横方向一列分の全ての育苗ポット21の苗22の取り出しが完了した後、苗置台110上のトレイ20が、トレイ送りロッド121により育苗ポット21の横方向一列分について下方向に送られる縦送り動作がある。
なお、横送り動作では、エンジン12側からの駆動力を用いる場合と、ステッピングモータ175からの駆動力を用いる場合がある。
トレイ送りロッド121による縦送りは、トレイ20の裏面側の隣接する育苗ポット21間の溝部にトレイ送りロッド121の先端部が係合した状態となり、この状態でトレイ送りロッド121が側面視で略四角形の軌跡A(図7参照)を描いて回動することにより、トレイ20がトレイ搬送路111に沿って斜め下方に間欠的に縦送りされることで実行される。
また、本実施の形態では、植付作業中においては、エンジン12側からの駆動力を得て、トレイ搬送路移動装置170を作動させることにより、苗置台110を左右横方向へ間欠的に移動させ、その移動方向が反転する毎に、苗置台110のトレイ搬送路111上に載置されているトレイ20が、トレイ縦送り装置120により、育苗ポット21の横方向一列分について縦方向に送られる構成である。
これに対して、植付作業停止中において苗置台110を作業開始位置に移動させる場合は、ステッピングモータ175からの駆動力を得て、苗置台110を左右横方向に往復移動させるが、その移動方向が反転しても、トレイ縦送り装置120は停止しており、トレイ20の縦送りは行われない構成である。
なお、トレイ供給装置100のトレイ縦送り装置120の構成については、図7を用いて後述する。
次に、トレイ検知部1100について、図3(a)を用いて説明する。
トレイ検知部1100は、(1)図3(a)に示す様にトレイ搬送路111の下流部の略中央部に設けられた開口部1101から、湾曲部1110aが突き出し可能に常時上向きに付勢された検知アーム1110と、(2)検知アーム1110の湾曲部下端縁部1110bによりスイッチ部(図示省略)が押されることでONする、トレイ搬送路111の裏面に固定されたトレイ検知リミットスイッチ1120(図6参照)とを有している。
また、側面視で円弧状に湾曲した検知アーム1110の上端部は、開口部1101の上端を横断する様に設けられたアーム回動軸1111により回動可能に支持されており、バネ部材(図示省略)により、その湾曲部1110aが開口部1101から突き出す方向に常時付勢されているので、トレイ20が存在しない場合は、検知アーム1110は左側面視(図3(a)の矢印G方向を参照)で時計回りに回動するが、検知アーム1110の湾曲部下端縁部1110b側が開口部1101の下端縁部に当たるので、それ以上は開口部1101から飛び出すことが出来ない構成である。
これにより、トレイ搬送路111の開口部1101にトレイ20が存在する場合、検知アーム1110の湾曲部1110aがトレイ20の育苗ポット21の底部21cに当接することで、バネ部材による付勢力に対抗して、検知アーム1110がアーム回動軸1111を中心に左側面視で反時計回りに回動するので、湾曲部下端縁部1110bがスイッチ部(図示省略)を押し、トレイ検知リミットスイッチ1120(図6参照)がONする。
また、トレイ搬送路111の開口部1101にトレイ20が存在する場合でも、検知アーム1110の湾曲部1110aが、トレイ20の上下隣接する育苗ポット21の底部21cと底部21cの間に位置するときは、検知アーム1110がアーム回動軸1111を中心に左側面視で時計回りに回動するので、湾曲部下端縁部1110bがスイッチ部(図示省略)を押さず、トレイ検知リミットスイッチ1120(図6参照)がOFFする。
また、本実施の形態では、トレイ20がトレイ搬送路111上に載置されて植付作業が行われている場合において、苗置台110が左右横方向へ間欠的に移動しているときは、検知アーム1110の湾曲部1110aがトレイ20の育苗ポット21の底部21cに常時当接することで、トレイ検知リミットスイッチ1120(図6参照)が一定期間ONしており、トレイ20が育苗ポット21の横方向一列分について縦送りされる短い期間だけ、検知アーム1110の湾曲部1110aがトレイ20の隣接する育苗ポット21の底部21cと底部21cの間に位置することで、トレイ検知リミットスイッチ1120(図6参照)が短期間OFFする構成である。
これにより、トレイ検知リミットスイッチ1120がONとOFFを繰り返すことで、トレイ20が開口部1101上に存在していることが検知定出来て、OFFが一定以上継続することで、トレイ20が開口部1101上に存在していないことが検知出来る。
また、本実施の形態では、育苗ポット21の縦配列方向の最後列から2列目21L(図3(a)参照)の育苗ポット21が、トレイ送りロッド121の縦送りで、取出部材260(図2参照)による苗22の取出位置に移動したときに、育苗ポット21の縦配列方向の最後列が、検知アーム1110の湾曲部1110a上を通過し、トレイ検知リミットスイッチ1120がONからOFFになり、その後OFF状態を一定以上継続することで、トレイ20が開口部1101上に存在していないことを検知出来る様に、トレイ検知部1100が構成されている。
なお、本実施の形態のトレイ検知部1100は、本発明のトレイ検知部の一例にあたる。
次に、予備トレイ供給機構900について、図4〜図5を用いて説明する。
図4は、トレイ供給装置100の平面図であり、トレイ搬送路111上にはトレイ20が載置されており、予備トレイ載置板910上には予備トレイ20Aが載置されている状態を示している。
図5は、トレイ搬送路111の上流側に設けられた予備トレイ供給機構900を説明するための右側面模式図である。
予備トレイ供給機構900は、上述した通り、予備トレイ載置板910と、左右一対のストッパ用ソレノイド950L、950Rとを有している。
また、予備トレイ載置板910は、図4、図5に示す様に、トレイ搬送路111の上流側に着脱自在に設けられており、予備トレイ20Aを載置することが出来る。また、トレイ搬送路111の上流側の左右両端に固定された左右一対のストッパ用ソレノイド950L、950Rは、左右一対のストッパピン951L、951Rを、当該ストッパピンの軸方向にスライド移動可能に配置している。
作業者は、左右一対のストッパピン951L、951Rが突き出した状態において、それぞれの先端部951La、951Raが、予備トレイ20Aの育苗ポット21の縦配列方向の最前列とその隣の列の間の裏面側の隙間に位置する様に、予備トレイ20Aを予備トレイ載置板910上に載置する。
これにより、予備トレイ20Aは、自重で傾斜面を滑り落ちることなく、その場所で待機している。
予備トレイ20Aが待機状態にあるときに、制御部800(図6参照)からの指令により左右一対のストッパ用ソレノイド950L、950Rが作動して、ストッパピン951L、951Rが引っ込むと、予備トレイ20Aは、自重によりトレイ搬送路111上に移動する構成である。
なお、本実施の形態の予備トレイ載置板910は、本発明の予備トレイ載置部の一例にあたり、本実施の形態の左右一対のストッパ用ソレノイド950L、950Rは、本発明の予備トレイ移動装置の一例にあたる。
ここで、再び、図1、図2に戻り、苗移植機1のその他の構成について更に説明する。
図1、図2に示す通り、エンジン12から出力される回転動力は、ミッションケース4により分岐され、左右一対の走行伝動ケース9を介して左右一対の後輪3に伝動されるとともに、ミッションケース4の後側に設けられた植付伝動装置18にも伝動される構成である。
即ち、本実施の形態の苗移植機1では、育苗ポット21から苗22を取り出して圃場の畝部に植付けるべく、ミッションケース4からの動力が植付伝動装置18に伝動されて、チェーンベルト202を介して取出装置200に伝動されるとともに、その植付伝動装置18に取り付けられた苗植付装置駆動機構400と、苗植付装置300を介して植付具11に伝達される。
また、本実施の形態の苗移植機1の植付動作は、苗植付装置駆動機構400により間欠的に行える構成である。
尚、苗植付装置300、及び苗植付装置駆動機構400の詳細な構成については、図8〜図9を用いて、後述する。
また、ミッションケース4の後端の左右方向に配置された左右フレーム16の後部には、右寄りの位置に延びる主フレーム17を設けている。該主フレーム17の後端部には左右端側から後方に延びた操縦ハンドル8を設け、この操縦ハンドル8が主フレーム17および左右フレーム16を介してミッションケース4に支持された構成となっている。
これにより、作業者は、走行車体15の後方を歩きながら操縦ハンドル8で走行車体15の操向操作を行うことが出来る。
即ち、本実施の形態の苗移植機1は、左右一対の前輪2、2及び左右一対の後輪3、3によって畝Uを跨いだ状態で走行車体15を進行させながら、トレイ20に収容されている苗22を畝Uの上面に自動的に植え付けることが出来る構成である。
また、走行部には、走行車体15に対し左右一対の後輪3、3を上下動させて、走行車体15の姿勢及び車高を制御する機体制御機構500が設けられている。
機体制御機構500には、左右一対の後輪3の走行伝動ケース9と走行車体15との間において、後輪3の上げ下げによって走行車体15を昇降する油圧昇降シリンダ10と、走行車体15を左右傾斜させる水平用油圧シリンダ14とが設けられており、この油圧昇降シリンダ10を伸縮作動させると、左右一対の後輪3が同方向に同量だけ走行車体15に対し上下動し、走行車体15が昇降する。
また、油圧昇降シリンダ10は、ミッションケース4の上部に取り付けられた油圧切替バルブ部40(図1参照)に固着して設けられ、ミッションケース4に取り付けられた油圧ポンプからの油圧を切り替える油圧切替バルブ部40に備えられた昇降操作バルブ(図示省略)を操作することにより作動する構成である。
尚、昇降操作バルブには、昇降操作レバー81(図1、図2参照)がケーブルを介して連結されている。
また、ミッションケース4の右側には振り子式の左右傾斜センサ41が設けられており、この左右傾斜センサ41の検出により油圧切替バルブ部40に備えられた水平操作バルブ(図示省略)を介して水平用油圧シリンダ14を作動させ、左側の後輪3Lのみを上下動させて、畝Uの谷部の凹凸に関係なく走行車体15を左右水平に維持すべく構成されている。
次に、主として図6を用いて、予備トレイ20Aの自動供給の動作を含む、苗移植機1の動作説明を行う。
図6は、本実施の形態の苗移植機1の制御部800の入出力を示す制御ブロック図である。
ここでは、(1)植付作業開始前の場面と、(2)直進走行植付作業中の場面と、(3)旋回の場面と、に分けて説明する。
なお、本実施の形態では、トレイ20及び予備トレイ20Aの育苗ポット21の左右横方向の列が、縦方向に偶数配列されているものとする。
また、苗置台110は、前回の作業終了時において、平面視で右端の位置である「作業開始位置」を基準として、左右横方向の往復移動の往路の途中で停止しているものとする。
(1)「植付作業開始前」の場面:
作業者は、エンジン12を始動し、苗移植機1を圃場まで走行移動させて、作業を開始する畝のスタート位置で走行を停止させる。このとき、主クラッチレバー80は切り位置に操作されている。
作業者は、植付作業を開始するために、苗置台110のトレイ搬送路111上にトレイ20を載置し、更に、予備トレイ載置板910上に予備トレイ20Aを載置する。
なお、左右一対のストッパ用ソレノイド950L、950Rは、制御部800からの作動指令が無いので、左右一対のストッパピン951L、951Rが突き出した状態を保持している。
従って、作業者は、左右一対のストッパピン951L、951Rの先端部951La、951Raが、予備トレイ20Aの育苗ポット21の縦配列方向の最前列とその隣の列の間の裏面側の隙間に位置する様に、予備トレイ20Aを載置することで、予備トレイ20Aは自重による下流側への移動が阻止されてその位置で待機している。
次に、作業者は、主クラッチレバー80が「切り」位置にあることを確認して、操作部600上の植付入切ボタン620をONする。
なお、植付入切ボタン620は、植付作業の入り切りを指示するボタンである。
これにより、制御部800は、主クラッチ入切検知センサ810からの「切り」状態の検知信号と、植付入切ボタン620からのON信号との信号をAND条件の下で受け付けるので、各部に対して、次の様な指令を出力する。
即ち、制御部800は、トレイ検知リミットスイッチ1120からどの様な検知信号が入力されているかに関わらず、駆動源切替ソレノイド177に所定信号を出力して駆動源切替クラッチ176を切り換えることにより、エンジン12側からの駆動力の伝達経路を切断すると共にステッピングモータ175からの駆動力の伝達経路を接続する。そして、制御部800は、ステッピングモータ175に対して駆動用の制御パルス信号を出力する。
これにより、苗置台110は、ステッピングモータ175からの駆動力によりリードカム軸171が一方向に連続的に回動することで、往路の途中から左端まで連続移動し、その後、左側壁部172L(図2参照)で折り返して、右端の「作業開始位置」に向けて連続移動する。そして、苗置台110が「作業開始位置」に到達すると、位置検知センサ1200からの検知信号が制御部800に出力されて、制御部800はステッピングモータ175の駆動を停止させる。
なお、苗置台110が、前回の作業終了時において、左右横方向の往復移動の復路の途中で停止している場合は、ステッピングモータ175の駆動開始により、直ちに「作業開始位置」に向けて移動を開始する点が、上記の場合と異なるが、その他は同じ動作である。
その結果、苗置台110は、短時間で「作業開始位置」に正確に停止する。
その後、作業者は、昇降操作レバー81(図2参照)を「下降」位置に操作し走行車体15の車高を下げ、左手で主クラッチレバー80を「切り」位置から「入り」位置に操作することにより、制御部800は、主クラッチ入切検知センサ810から「入り」状態の検知信号を受け付ける。
これにより、制御部800は、駆動源切替ソレノイド177に所定信号を出力し、駆動源切替クラッチ176を切り換えて、ステッピングモータ175からの駆動力の伝達経路を切断すると共にエンジン12側からの駆動力の伝達経路を接続する。また、それと同時に、制御部800は、ソレノイド470に対してON信号を間欠的に出力し、植付クラッチ420を所望のタイミングで入切させる。ここで、ソレノイド470に出力するON信号は、例えば、パルス状の信号であり、短時間の通電を実現させる信号である。
その結果、苗移植機1は、エンジン12からの駆動力により、畝に沿って直進走行を開始すると共に、苗22の植付作業を所望の株間により開始する。
なお、株間の設定については更に後述する。
ここで、仮に、エンジン12側からの駆動力により、苗置台110を「作業開始位置」に移動させる構成とした場合の問題点について説明する。
即ち、エンジン12側からの駆動力を利用する場合、上述した通り、苗置台伝動ケース178内において、エンジン12側からの駆動力をチェーンベルト(図示省略)等の伝動機構を介してリードカム軸171に伝達する構成となる。従って、苗置台110を「作業開始位置」で停止させるために、位置検知センサ1200の検知結果から自動的に主クラッチ又は植付クラッチ420を切る様に構成した場合でも、この様な伝動機構における噛み合わせ部の遊びや慣性力により、直ぐには停止しないので、苗置台110は、「作業開始位置」から左方向にずれた位置で停止してしまうことがある。
そのため、取出部材260の先端がトレイ20の育苗ポット21の内部に適切に突入せずに、育苗ポット21の壁面に接触して、苗22を傷つけたり、取出部材260の先端が変形する等の問題が生じる。
これに対して、本実施の形態で説明した様に、駆動源切替クラッチ176の切替により、ステッピングモータ175の駆動軸(図示省略)をリードカム軸171と直結する構成としたことにより、伝動過程での遊びが無くなり、且つ、ステッピングモータが駆動パルスに同期して回動することにより、リードカム軸171が直ちに停止する。
この構成により、苗置台110を「作業開始位置」で、ずれることなく停止させることが出来る。
また、この構成により、エンジン12側からの駆動力を利用する場合は、苗置台110が左右横方向に間欠的に移動するので、「作業開始位置」への移動時間が長くなるのに対して、ステッピングモータ175からの駆動力を利用する場合は、苗置台110が連続的に移動出来るので、「作業開始位置」への移動時間が短くなる。また、ステッピングモータ175の駆動パルスを高速回転用に切り換えることで更に短時間で「作業開始位置」に移動させることが出来る。
(2)「直進走行植付作業中」の場面:
制御部800は、直進走行植付作業中に、トレイ検知リミットスイッチ1120がトレイ20の不存在を検知すると、左側ストッパ用ソレノイド950L及び右側ストッパ用ソレノイド950Rを作動させるための信号を一定時間出力することで、左右一対のストッパピン951L、951Rを一定時間引っ込ませて、予備トレイ載置板910上で待機している予備トレイ20Aを、自重によりトレイ搬送路111上に移動させる。
なお、上記一定時間は、予備トレイ20Aが自重で下方に移動して、その後端部が、左右一対のストッパピン951L、951Rの位置を通過し終えると見込まれる予め定めた時間である。
これにより、予備トレイ20Aは、その先端部がトレイ20の後端部に当たり、移動を停止する。
このとき、取出部材260は、トレイ20の育苗ポット21の最後列から2列目21L(図3(a)参照)の育苗ポット21から苗を取り出す作業をしており、且つ、予備トレイ20Aが切れ目無く供給されているので、引き続き植付作業を続けることが出来る。
なお、作業者は、直進走行作業中は、両手を左右のハンドルグリップ8L、8Rから離すことが可能であり、次の予備トレイ20Aを予備トレイ載置板910上に載置する。
(3)「旋回」の場面:
ここでは、制御部800は、苗移植機1の旋回動作の開始を検知する直前に、トレイ検知リミットスイッチ1120によりトレイ20の不存在を検知していたとする。
直進走行で植付作業を続け、畝の端まで来ると、作業者は、苗移植機1を隣の畝に移動させるために旋回操作を開始する。
即ち、例えば、右旋回する場合、作業者は、まず、昇降操作レバー81(図2参照)を「上昇」位置に操作し走行車体15の車高を上げる。そして、左右のハンドルグリップ8L、8Rを握って走行車体15の後部を押し下げて前輪2L、2Rを上方に浮かせると共に、旋回方向の、即ち右側のハンドルグリップ8Rに設けられた右走行クラッチレバー90Rを「切り」位置に操作すると共に、旋回方向と反対側の、即ち左側のハンドルグリップ8Lに設けられた左走行クラッチレバー90Lの「入り」状態を維持することにより、左側の後輪3Lが回動し、且つ右側の後輪3Rが回動を停止することで、右旋回操作を開始する。
このとき制御部800は、左走行クラッチレバー90Lが「入り」位置にあり、且つ右走行クラッチレバー90Rが「切り」位置にあることを、第1所定時間以上、継続して検知することにより、苗移植機1が旋回動作を開始したと判定し、植付作業を中断させるために、それまでソレノイド470に対して間欠的に出力していたON信号の出力を停止し、植付クラッチ420を「切り」状態にする。これにより、植付作業が中断され、苗置台110の左右横方向への移動は停止される。
更にこのとき制御部800は、上述した通り、トレイ検知リミットスイッチ1120がトレイ20の不存在を検知しているので、上記項目(2)の場面と同様に、左側ストッパ用ソレノイド950L及び右側ストッパ用ソレノイド950Rを作動させ、予備トレイ載置板910上で待機している予備トレイ20Aを、自重によりトレイ搬送路111上に移動させる。
また、このときの苗置台110の停止位置は、トレイ20が縦送りされて、その最後列の育苗ポット21の底部21cが、検知アーム1110の湾曲部1110a上を通過した直後に植付作業が中断されているので、苗置台110は「作業開始位置」で停止しているはずである。
しかしながら、実際には、既に説明した通り、エンジン12側からの駆動力により苗置台110が左右横方向に移動している場合、伝動機構における噛み合わせ部の遊びや慣性力により、直ぐには停止しないので、苗置台110は、「作業開始位置」から左方向にずれた位置で停止してしまう。
そこで、制御部800は、苗置台110が「作業開始位置」から少しずれた位置で停止しているので、これを「作業開始位置」にピッタリ停止させるために、苗移植機1が旋回している間に、各部を次の様に制御する。
即ち、制御部800は、駆動源切替ソレノイド177に所定信号を出力して駆動源切替クラッチ176を切り換えることにより、エンジン12側からの駆動力の伝達経路を切断すると共にステッピングモータ175からの駆動力の伝達経路を接続する。そして、制御部800は、ステッピングモータ175に対して駆動用の制御パルス信号を出力し、リードカム軸171を一方向に連続的に回動させることにより、苗置台110を1回往復移動させ、位置検知センサ1200からの検知信号を利用して、ステッピングモータ175の駆動を停止させる。
これにより、旋回が開始されると、自動で植付作業が中断され、また、旋回中において、予備トレイ20Aが自動補給されると共に、苗置台110を「作業開始位置」に正確に停止させることが出来る。
次に、作業者は、右旋回操作を終了させるために、右走行クラッチレバー90Rを「切り」位置から「入り」位置に戻すと共に、昇降操作レバー81(図2参照)を「下降」位置に操作し走行車体15の車高を下げる。
制御部800は、左走行クラッチレバー90Lが「入り」位置にあり、且つ右走行クラッチレバー90Rが「入り」位置にあることを、第2所定時間以上、継続して検知することにより、苗移植機1が旋回動作を終了し直進走行を開始したと判定し、植付作業を再開させるために、ソレノイド470に対してON信号を間欠的に出力し、植付クラッチ420を間欠的に入り切りさせる。
これにより、左右一対の何れか一方の走行クラッチが切り状態になると、植付クラッチ420を自動で切り状態にすることにより、旋回中に苗22の植付が行われることがなく、圃場に移植されずに落下する苗22の発生が防止され、手作業で苗22を植え直す作業が回避される。
また、左右一対の走行クラッチが両方とも入り状態になると植付クラッチ420を自動で入り状態にすることにより、旋回後直進走行を開始すると自動的に苗22の植付が再開されるので、作業者が植付クラッチ420を入り操作する必要がなく、作業能率が向上すると共に、苗22の植付開始が遅れたり早過ぎたりすることが防止され、植付精度が向上する。
なお、上述した第1所定時間と第2所定時間は、同じであっても良いし、異なっていても良い。
次に、株間、即ち苗の植付間隔の設定について説明する。
本実施の形態の苗移植機1は、上記の構成に加えて、更に、次の構成を備えている。
即ち、操作部600(図1参照)は、植付具11により植え付けられる苗22の植付間隔を設定する植付間隔設定部(図示省略)を備え、制御部800(図6参照)は、植付間隔設定部により設定された植付間隔、及び予め記憶されている基本植付間隔を少なくとも記憶する不揮発性のメモリ部801(図6参照)を備えている。
また、制御部800は、植付間隔設定部により設定された植付間隔、又は基本植付間隔で植付作業が実行され、その後、その植付間隔が変更されたと判定した場合、その植付間隔が変更される前の植付間隔と、その植付間隔が変更されるまでに植え付けた苗22の数とを関連付けて所定の設定値としてそれぞれ区別可能にメモリ部801に記録する構成である。
また、操作部600は、メモリ部801に記録された植付間隔、基本植付間隔、及び所定の設定値の中から、所望のデータを選択する選択部(図示省略)を備えている。
なお、制御部800は、上記植付間隔の値に基づいて植付クラッチ420(図9参照)の入り切り間隔を制御することで、上記植付間隔の植え付けを実現する。
次に、本実施の形態の苗移植機1における、苗22の植付間隔の設定の動作について説明する。
作業者は、苗移植機1を圃場の所定の畝に移動させ、植付間隔設定部により所望の値(例えば、30cm)を設定することで、制御部800がこの植付間隔をメモリ部801に記録する。
なお、作業者は、上記の様に、植付間隔設定部により任意の値を設定することも出来るし、メモリ部801に予め記録されている基本植付間隔のデータを読み出して、その値をそのまま設定することも出来る。また、メモリ部801に予め記録されている基本植付間隔のデータを読み出し、その基本植付間隔のデータを、植付間隔設定部により所望の値に変更して、その変更した値を植付間隔として設定することも出来る。
そして、作業者は、苗移植機1を直進走行させながら、上記の設定された植付間隔(例えば、30cm)で苗22を植え付ける直進走行植付作業を、畝の端(1株目)から開始する。
この植付作業中に、圃場等の条件に応じて、作業者は苗22の植付間隔を植付間隔設定部により変更する(例えば、35cm)。制御部800は、植付間隔が変更されたと判定すると、その変更前の植付間隔(例えば、30cm)と、その植付間隔が変更されるまでに植え付けた苗22の数(例えば、1株目〜10株目の10株)とを関連付けて設定値1(例えば、植付間隔30cm−植付株数10株)として、メモリ部801に記録する。
一方、制御部800は、苗移植機1に対して、例えば、11株目からその畝の最後(例えば、100株目)まで、変更後の植付間隔(例えば、35cm)で苗22を植え付ける作業をした後、作業者が旋回動作を開始すると、上述した通り、制御部800は植付動作を中断し、変更後の植付間隔(例えば、35cm)と、変更後の植付間隔で旋回開始までに植え付けた苗22の数(例えば、11株目〜100株目の90株)とを関連付けて設定値2(例えば、植付間隔35cm−植付株数90株)として、メモリ部801に記録する。
次に、制御部800は、旋回動作中において、前の畝での植付作業中にメモリ部801に記録された全ての設定値1、設定値2の内容を、操作部600上の表示部(図示省略)に表示させる。
作業者は、その表示部の表示を見て、所望の設定値を選択部により選択する。ここでは、設定値1が最初に選択され、その後に設定値2が選択されたとする。
制御部800は、上述した通り、左右の走行クラッチ入切検知センサ91L、91Rの検知結果から旋回動作が完了したと判定すると、先ず最初に選択された設定値1(例えば、植付間隔30cm−植付株数10株)に従って植付作業が開始される。このとき、表示部には、設定値1が表示されている。
また、10株目まで植付作業が完了したと制御部800が判定すると、制御部800は2番目に設定された設定値2(例えば、植付間隔35cm−植付株数90株)に従って植付作業を続ける。このとき、表示部には、設定値2が表示される。
以降も同様に、植付作業を続ける。
これにより、変則的な植付間隔での苗22の植付作業が、植付間隔の変更の度に中断されることなく容易に行えて、作業能率が向上する。
なお、上記実施の形態では、次の畝における苗22の植付間隔の設定について、作業者が、選択部により設定値を選択する場合について説明したが、これに限らず例えば、制御部800は、次の畝における苗22の植付間隔が、前の畝における苗22の植付間隔と同じになる様に、自動で切り換える構成としても良い。例えば、上記実施の形態の例では、最初の畝における苗22の植付間隔が、1株目から10株目までは、設定値1(植付間隔30cm−植付株数10株)で植え付けて、その後、11株目から100株目までは、設定値2(植付間隔35cm−植付株数90株)で植え付けていることが、メモリ部801に記録されている。その場合、制御部800は、旋回して次の畝における植付作業は、メモリ部801から設定値2を読み出して、1株目から10株目までを、設定値2で植え付けて、その後、設定値1を読み出して、11株目から100株目までを、設定値1で植え付ける。これにより、最初の畝と、次の畝とにおいて、全く同じ植付間隔を再現することが出来る。同様の制御を繰り替えることで、更に次の畝も同様に植付間隔を再現することが出来る。
ただし、苗の植付を行う畝が、前の作業畝と同一の作業ができるものであるかどうかの判断については、作業者が経験則や現状の目視などに基づいて行う必要があるので、記録した植付作業情報を使用するか否かは、各畝ごとに作業者が決定するものとする。
また、本実施の形態の苗移植機1は、苗22の植付間隔の設定についての上記の構成に加えて、植付具11により植え付けられる苗22の植付間隔をダイヤル式つまみを回すことにより設定する可変ダイヤルスイッチ(図示省略)を、操作部600に備えている。
作業者が、植付作業を開始するとき、即ち、上述した植付間隔設定部により最初に植付間隔を設定したときに、制御部800がメモリ部801の異常の有無を判定し、異常有りと判定すれば、表示部に「E」表示を行うと共に、可変ダイヤルスイッチからの設定を受け付ける。
なお、表示部に「E」表示が無い場合は、作業者が、可変ダイヤルスイッチにより植付間隔を設定しようとしても、制御部800はその操作を受け付けない。
メモリ部801に異常有りと判定された場合、制御部800は、ダイヤル式つまみの回動に応じて変化する可変ダイヤルスイッチの抵抗値により決まる植付間隔の値に基づいて、植付クラッチ420(図9参照)の入り切り間隔を制御する。
この可変ダイヤルスイッチにより、例えば、メモリ部801において、何らかの理由で、作業者により任意に設定されて記録されていた植付間隔のデータ等が利用出来ない場合でも、作業者が、可変ダイヤルスイッチを操作することで、所望の植付間隔を設定することが出来るので作業能率が向上する。
次に、本実施の形態の苗移植機1が、上記の可変ダイヤルスイッチに代えて、調整ダイヤルスイッチ(図示省略)を操作部600に備えた構成について説明する。
ここで、調整ダイヤルスイッチは、操作部600上に左右方向に回動可能に設けられた平面視で円形のつまみであり、そのつまみが、「中立」位置に設定されているときに、そのつまみの表面の外周部に付された「印」が、そのつまみの表面の上端縁部に位置する様に構成されている。
更に、そのつまみが配置された操作部600面上において、平面視で、当該つまみの中央部の上方に「中立」の文字が表示されており、「中立」の文字の左右の一方側に「長め」の文字が、また、他方側に「短め」の文字が表示されている。
調整ダイヤルスイッチの役割は、次の通りである。
即ち、例えば、圃場面が傾斜している場合には、植付間隔に影響を及ぼすので、調整ダイヤルスイッチのつまみを右回り、又は左回りに調整することで、この様な圃場の影響を加味することが出来、設定された植付間隔を正確に実現することが出来るものである。
より具体的には次の通りである。
苗移植機1は、駆動輪である後輪3L(3R)のギヤ歯の回転数により走行距離が予め算出されているため、ギヤ歯の回転数を検出することで走行距離を求めることが出来る。
例えば、ギヤ歯の回転数に対応した回転信号(パルス信号)は、通常の平らな圃場において1cm走行する毎にP回検出されるという固有の対応関係を有するものとする。
しかし、圃場の状態により車輪が空転した場合等は、上記固有の対応関係を利用してギヤ歯の回転信号から算定される走行距離と、実際の走行距離との間には誤差が生じる。
一方、制御部800は、上記固有の対応関係を利用してギヤ歯の回転信号から算定される走行距離と、設定された植付間隔のデータとに基づいて、結果として、設定された植付の間隔毎に苗22の植付が出来る様に、植付クラッチ420の入り切りのタイミングを制御している。
従って、上述した様に、算定される走行距離と実際の走行距離との間に誤差が生じると、設定された植付間隔と、実際に植え付けられた苗22の植付間隔との間にも誤差が生じる。
そこで、調整ダイヤルスイッチを設けて、上記の「回転信号をP回検出すると1cm走行する」という固有の対応関係を調整するための係数kを変更可能に設定出来る構成とした。
即ち、調整後の固有の対応関係は、「回転信号をP回検出すると1×k(cm)走行する」となる。
例えば、傾斜面の圃場を登りながら植え付ける場合は、自重で車輪が空転するので、調整ダイヤルスイッチを「短め」の方向に回して、k=0.7と設定する。
これにより、調整後の固有の対応関係は「回転信号をP回検出すると0.7(cm)走行する」となる。
また、例えば、傾斜面の圃場を下りながら植え付ける場合は、自重で車輪が滑るので、調整ダイヤルスイッチを「長め」の方向に回して、k=1.3と設定する。
これにより、調整後の固有の対応関係は「回転信号をP回検出すると1.3(cm)走行する」となる。
なお、調整ダイヤルスイッチが「中立」に設定されている場合は、k=1である。
上記構成により、調整ダイヤルスイッチのつまみを右回り、又は左回りに調整することで、この様な圃場の影響を加味することが出来、設定された植付間隔を正確に実現することが出来、苗の植付精度が向上する。
なお、本実施の形態の苗移植機1は、センサ板710(図1参照)の作動により、畝を検知する畝検知センサ(図示省略)が設けられているが、この畝検知センサが故障した場合でも、畝検知センサの信号を強制的にON・OFF出来るスイッチ(図示省略)を設ける構成としても良い。これにより、畝検知センサが故障した場合でも、植付作業を開始することが出来る。
ここで、上述した通り、図7を用いて、トレイ供給装置100のトレイ縦送り装置120について更に説明する。
図7は、トレイ供給装置100のトレイ縦送り装置120の構成を示す概略側面図である。
トレイ縦送り装置120は、トレイ20の裏面側から、当該裏面側に突き出した育苗ポット21同士の間に入り、下方に移動することでトレイ20を育苗ポット21の横一列分だけ送り、その後、育苗ポット21同士の間から抜け出して、育苗ポット21の横一列分だけ上方に移動する構成のトレイ送りロッド121を有している。トレイ送りロッド121は、中央部121aがトレイ搬送路111の下部に設けられた退避溝111aに出入り可能に構成され、両端部121bは直角に折り曲げられて、トレイ搬送路111の両サイドより外側に位置しており、トレイ20がトレイ搬送路111上を移動する際に、邪魔にならない構成である。
更に、トレイ供給装置100は、退避溝111aの下流側であってトレイ搬送路111の両サイドの端面部において、トレイ送りロッド121の動きを規制するための左右一対のロッドガイドプレート112を備えている。このロッドガイドプレート112の上端縁部には、トレイ送りロッド121の中央部121aの両端で下流側に突き出した突起部121abが進入可能な切り欠き部112aが形成されている(図3(b)参照)。
即ち、この切り欠き部112aは、トレイ送りロッド121の中央部121aが、下方に移動した後、育苗ポット21同士の間から抜け出すまでの間において、一時的にトレイ送りロッド121の中央部121aの両端の突起部121abを保持して、育苗ポット21に入れられている苗22の重みでトレイ20が下方へずれ動くことを規制する構成である。
また、トレイ搬送路111は、リードカム軸171と、トレイ搬送路111の内側上部に設けられた左右移動を案内する案内レール155により支持されている。これにより、案内レール155はリードカム軸171と離れた位置でトレイ搬送路111を支えるため、左右方向への移動時にがたつきが少ない。
トレイ搬送路111と押え枠25との間に挟み込むようにしてトレイ20を苗載台110の上方から差し込むと、トレイ20の裏面側の溝部にトレイ送りロッド121の先端部が係合した状態となり、この状態でトレイ送りロッド121が側面視で略四角形の軌跡A(図7参照)を描いて回動することにより、トレイ20がトレイ搬送路111に沿って斜め下方に間欠的に縦送りされる構成である。
なお、取出装置200は、苗置台110の下端部に対向する位置に配置されており、取出部材260の先端が軌跡K(図7参照)を描く様に作動して、横方向に移動する育苗ポット21から、順次、苗22を取り出して植付具11に供給する構成である。
次に、再び、図3(a)、図3(b)、図7を参照しながら、トレイ供給装置100のトレイ送りロッド121を間欠的に駆動させる機構を中心に更に説明する。
図7に示す通り、トレイ縦送り装置120は、(1)上述したトレイ送りロッド121と、(2)トレイ送りロッド121の両端部121bの上側先端部121b1が固定され、片方が内側に湾曲した湾曲縁部131aを有する突起状カム131が下部に形成された送りロッドアーム130と、(3)根元部141が、苗置台110の側板110aに回動自在に支持され、先端部142で送りロッドアーム130を回動自在に支持する、下端縁部に第1凹部143a、第2凸部143b、第3凹部143cが側面視で滑らかに連続して形成された送りアーム140と、(4)苗移植機1の動力原から得た駆動力により矢印E方向に回動する縦送り回動軸151を取出装置200側から見て、縦送り回動軸151の中央位置と右端位置の2箇所にそれぞれ固定され、先端部に牽制ローラ152を回動自在に有する縦送り駆動アーム150と、を備える。
また、送りアーム140の先端部142と、苗置台110の側板110aの下部110a1との間には、送りアーム140に常に下向きに引っ張る力が印加される様に、送りアーム引っ張りバネ160が取り付けられている。また、送りアーム140の根元部141には、送りロッドアーム130の上端部に取り付けられたピン132に一方端が取り付けられた送りロッドアーム引っ張りバネ161の他方端を保持するバネ取付ロッド163が固定されている。
次に、図3(a)、図3(b)、図7を参照しながら、トレイ送りロッド121の間欠的な動作について説明する。
なお、トレイ送りロッド121の間欠的な動作の説明では、左、及び右の用語は、苗移植機1を正面視したときに、左手側を左と称し、右手側を右と称した。
リードカム軸171の回動により、苗置台110が右方向すなわち矢印F方向(図3(a)参照)に向けて移動しているとする。その時、縦送り回動軸151は矢印E方向に回動している(図7参照)。
その間において、取出装置200は、右端の育苗ポット21から順次、苗22を取り出して植付具11に苗22を供給しており、その後、苗置台110が最右端に移動した時点で、最左端の育苗ポット21の苗22が取出装置200により取り出される。これにより、育苗ポット21の横一列分の全ての苗22が取り出されたことになる。
この時、縦送り回動軸151と共に矢印E方向に回動している、縦送り回動軸151の右端に固定されている縦送り駆動アーム150の先端部に回動自在に取り付けられている牽制ローラ152が、送りアーム140の第1凹部143aとの接触を開始した後、少し遅れて送りロッドアーム130の湾曲縁部131aとの接触を開始する構成であるので、トレイ送りロッド121は、送りアーム140の時計回りの回動に伴い一旦上昇移動した後、先端部142の軸中心で反時計回りに回動を開始する。
即ち、トレイ送りロッド121が、矢印121a0(図3(b),図7参照)の方向に一旦上昇移動することにより、それまで切り欠き部112aに保持されていたトレイ送りロッド121の突起部121abが、切り欠き部112aから抜け出すと共に、それまで育苗ポット21の裏側の隙間21aで待機していたトレイ送りロッド121の中央部121aも、その隙間21aの範囲内で矢印121a0の方向に上昇移動する。その後、送りロッドアーム130が、先端部142の軸中心で反時計回りに回動を開始することにより、トレイ送りロッド121の中央部121aは、矢印121a1(図7参照)の方向に移動する。尚、切り欠き部112aの切り欠き深さは、トレイ送りロッド121の中央部121aが隙間21aの範囲内で移動できる程度に設定されている。
その後、更に、牽制ローラ152が回動を続けると、牽制ローラ152が送りロッドアーム130の湾曲縁部131aとの接触を続けているため、トレイ送りロッド121の中央部121aは退避溝111aに位置した状態を維持している。この時、同時に牽制ローラ152が送りアーム140の第1凹部143aから第2凸部143bに向けて移動するので、送りアーム140は更に時計回りに回動し、トレイ送りロッド121の中央部121aは、結果的に、退避溝111aに位置した状態を維持しつつ、矢印121a2(図7参照)の方向に移動する。
その後、更に、牽制ローラ152が回動を続けると、牽制ローラ152が送りロッドアーム130の湾曲縁部131aと非接触状態となると同時に、送りロッドアーム引っ張りバネ161の復元力により送りロッドアーム130が先端部142の軸中心で時計回りに瞬時に回動することで、トレイ送りロッド121の中央部121aは、隙間21aから育苗ポット21の一列分だけ上側に位置する隙間21bに向けて、矢印121a3に示す様に移動する。
その後、更に、牽制ローラ152が回動を続けると、牽制ローラ152は、送りアーム140の第3凹部143cと接触しながら移動するので、送りアーム引っ張りバネ160の復元力により送りアーム140が下方に引っ張られて、トレイ送りロッド121の中央部121aは、結果的に、隙間21bに位置した状態を維持しつつ、矢印121a4(図7参照)の方向に移動するとともに、トレイ送りロッド121の中央部121aの突起部121abが切り欠き部112aに保持される。
そして、矢印121a4(図7参照)の方向に移動したトレイ送りロッド121の中央部121aは、育苗ポット21の裏側の育苗ポット同士の隙間に位置した状態を維持しており、苗置台110が、矢印G方向、即ち左方向に移動を開始すると、取出装置200は、左端の育苗ポット21から順次、苗22を取り出して植付具11に苗22を供給し、その後、苗置台110が最左端に移動した時点で、最右端の育苗ポット21の苗22が取出装置200により取り出される。これにより、育苗ポット21の横一列分の全ての苗22が取り出されたことになる。
また、この間は、トレイ送りロッド121の中央部121aの突起部121abが切り欠き部112aに保持されているので、育苗ポット21に入れられている苗22の重みでトレイ20が下方へずれ動くことを防止出来る。
尚、育苗ポット21の横一列分の全ての苗22が取り出されると、上記と異なり、縦送り回動軸151の中央位置に固定されている縦送り駆動アーム150の先端部に回動自在に取り付けられている牽制ローラ152が、送りロッドアーム130の湾曲縁部131aと、送りアーム140の第1凹部143aとの接触を開始する。
上記の動作を繰り返すことにより、トレイ20は、右方向又は左方向に移動されるとともに、育苗ポット21の一列分だけ間欠的に縦送りされる。
これにより、コンパクトな構造のトレイ縦送り装置120が得られる。また、案内レール155と、リードカム軸171の簡単な構造でトレイ搬送路111を左右移動可能に支持出来る。
また、トレイ送りロッド121の中央部121aは、トレイ搬送路111の平面部111bに配置されているので、トレイ20が内側に撓むことがないので、育苗ポット21の裏側において、一定幅の隙間21a、21bを確保出来るため、トレイ送りロッド121が隙間21a、21bに確実に入ることが出来る。
また、トレイ搬送路111の平面部111bの下流側に曲面部111cが設けられているので、トレイ20はその曲面にそって撓む。そのため、トレイ送り時に、トレイ送りロッド121が、矢印121a2の方向に移動している時でも、その撓みが抵抗となって、トレイ20が下流側にずれることが防止される。
次に、図8、図9を用いて、上述した苗植付装置300、及び苗植付装置駆動機構400について更に説明する。
図8は、苗植付装置300と苗植付装置駆動機構400の左側面図である。また、図9は、苗植付装置駆動機構400の概略左側面図である。
苗植付装置300は、図8に示す通り、苗22を圃場に植付ける植付具11と、植付具11を上下方向に揺動させるための互いに平行に配置された上アーム311と下アーム312を有する揺動リンク機構310と、下アーム312に第1連結軸321を介して回動自在に取り付けられ、揺動リンク機構310を上下動させる上下動アーム320を備えている。第1連結軸321は上下動アーム320に固定されている。
尚、上下動アーム320を回動させるための上下動アーム駆動軸440は、苗植付装置駆動機構400から突き出して設けられており、その先端部に上下動アーム320が固定されている。
更に苗植付装置300は、図8に示す通り、下アーム312に第2連結軸341を介して回動可能に取り付けられるとともに植付具11を開閉させる開閉アーム340と、第1連結軸321に固定されるとともに、第2連結軸341を中心として開閉アーム340の先端部に第3連結軸343を介して回動自在に取り付けられた開閉ローラ342の外周縁部に当接しながら回動することにより、開閉アーム340を前後方向に揺動させる開閉カム322と、一端部351が開閉アーム340の先端部の第3連結軸343に連結され、他端部352が植付具11の開閉機構11a側に連結された開閉用連結ケーブル350と、を備えている。
ここで、上述した揺動リンク機構310について更に説明する。
即ち、揺動リンク機構310は、図8に示す通り、苗植付装置駆動機構400を収納したケーシング401の前側上端部401aに、上端が上前軸313aに回動自在に支持され、下端が下前軸314aを介して回動自在に連結支持板315に連結された前揺動アーム316aと、苗植付装置駆動機構400を収納したケーシング401の後側上端部401bに、上端が上後軸313bに回動自在に支持され、下端が下後軸314bを介して回動自在に連結支持板315に連結された後揺動アーム316bとを備え、連結支持板315に設けられた上軸316に、上述した上アーム311の前端部が回動自在に連結され、且つ、連結支持板315の下後軸314bに、上述した下アーム312の前端部が回動自在に連結されているとともに、上アーム311及び下アーム312のそれぞれの後端部が、植付具11の支持板317に設けた回動上軸317aと回動下軸317bに回動自在に連結されている。
上記構成により、苗植付装置駆動機構400において上下動アーム駆動軸440に回転駆動力が伝動されると、上下動アーム駆動軸440に固定されている上下動アーム320が矢印A1の方向に回動することにより、下アーム312及び上アーム311が上下に揺動を繰り返すとともに前後への揺動も行われて、植付具11による苗22の植付動作が、畝Uに対して所定の間隔で自動的に行われる。
また、この植付動作の際、第1連結軸321が固定されている上下動アーム320が、矢印A1の方向に回動すると、第1連結軸321に固定されている開閉カム322が開閉ローラ342の外周縁部に当接しながら回動するので、開閉アーム340が第2連結軸341を中心にして前方向(反時計方向)に揺動(回動)する。その動作にともなって、開閉用連結ケーブル350の一端部351が前方向に引っ張られるので、開閉機構11aが植付具11を開くべく動作する。
また、開閉アーム340が第2連結軸341を中心にして後方向(時計方向)に揺動(回動)すると、開閉機構11aに設けられた植付具11を常に閉じる方向に付勢する付勢ばね(図示省略)の作用により、開閉用連結ケーブル350の一端部351が後方向に引っ張られるので、開閉機構11aが植付具11を閉じるべく動作する。
上記構成により、上下動アーム320の駆動が1軸のため構造がシンプルであるとともに、上下動アーム320、開閉アーム340、及び開閉カム322をコンパクトに構成でき、植付作動を円滑に行える。
次に、平面視で苗植付装置300より右側に配置(図2参照)された苗植付装置駆動機構400における上下動アーム駆動軸440への伝動の入り切りを行うクラッチ機構について、主として図9を用いて更に説明する。
苗植付装置駆動機構400は、図9に示す通り、植付伝動装置18から出力される植付作業の駆動力を植付クラッチ420に伝動するための第1ギア410と、第1ギア410からの駆動力を受けて上下動アーム駆動軸440への伝動を「入り」状態にするか「切り」状態にするかを切り替える植付クラッチ420と、植付クラッチ420が「入り」状態のときに駆動力が伝動される、植付クラッチ420の伝動軸421に対して固定されている伝動ギア421aから駆動力を受ける第2ギア430と、第2ギア430と同軸に固定された小径ギア430aと噛み合って上下動アーム駆動軸440に駆動力を伝動するための、上下動アーム駆動軸440に固定された第3ギア450とを、それぞれ回動可能に配置している。ここで、植付クラッチ420の伝動軸421は、植付クラッチ420が「切り」状態のときは、回動せずに停止しており、第2ギア430への駆動力の伝動は行わない。
尚、本実施の形態の植付クラッチ420として、従来の定位置停止クラッチを使用しても良い。
また、苗植付装置駆動機構400は、図9に示す通り、植付クラッチ420の伝動下流側に設けられ上下動アーム駆動軸440に固定されるとともに、植付クラッチ420を「入り」状態から「切り」状態に強制的に切り替えるために円形状の外周縁部の一部に形成された凹部441aを有する間欠用カム441と、一端部460aが植付クラッチ420から離れるか又は当接するかによって、当該植付クラッチ420におけるクラッチの入り状態と切り状態の切り替えを行わせる、回動支点461にて回動自在に支持された側面視で略「へ」の字形状の第1アーム460とを備えている。
また、苗植付装置駆動機構400は、図9に示す通り、引っ張りばね480の引っ張り力に対抗して第1アーム460の他端部460bを可動プレート472を介して矢印B1の方向に吸引することで、回動支点461を中心として第1アーム460の一端部460aを矢印C1方向に回動させて、植付クラッチ420を「切り」状態から「入り」状態へ切り替える動作を行わせるソレノイド470を備え、ソレノイド470の吸引力が植付クラッチ420の「入り」状態への切り替え動作に有効に作用すべく、ソレノイド470の取り付け位置の調節可能な取り付け調整用長孔471aが設けられているとともに、ケーシング401の下方位置に固定されたソレノイド固定板471と、第1アーム460の回動支点461に一端部462aが固定され、第1アーム460の動作と連動して他端部462bが間欠用カム441の外周縁部に当接する第2アーム462と、を備えている。
また、上述した引っ張りばね480は、第1アーム460を植付クラッチ420が「切り」状態となる方向に、且つ、第2アーム462の他端部462bを間欠用カム441の外周縁部に押し付ける方向に付勢するためのばねである。
以上の構成によれば、植付クラッチ420の伝動下流側に設けられた間欠用カム441を使用して、植付クラッチ420を「入り」状態から「切り」状態に出来、簡単な構成の間欠植付機構が実現出来る。
また、第1アーム460と第2アーム462とが、回動支点461を中心として一体回動する構成とし、且つ、その回動支点461を植付クラッチ420の伝動軸421よりも間欠用カム441側に配置したことにより、第1アーム460と第2アーム462とが合理的で且つコンパクトに構成出来る。
また、重量物であるソレノイド470をケーシング401の下方に配置したことにより、苗移植機1の低重心化が図れる。
次に、図9を参照しながら、苗植付装置駆動機構400における上下動アーム駆動軸440への伝動の入り切りを行う植付クラッチ420と間欠用カム441の動作を中心に、項目Aから項目Cの3つの場面に分けて、それぞれ説明する。
A.ソレノイド470に通電(パルス信号による短時間の通電)されると、ソレノイド470の先端の可動プレート472が、引っ張りばね480の引っ張り力に対抗して矢印B1の方向に吸引されて、第1アーム460の一端部460aと第2アーム462の他端部462bが、回動支点461を中心として反時計方向(図9の矢印C1参照)に回動する。
これにより、第1アーム460の一端部460aが植付クラッチ420から離れることで、下記のi)とii)の動作が行われる。
i)当該植付クラッチ420が「入り」状態となり、伝動軸421が回動することで、第2ギア430側へ駆動力が伝達されて、第3ギア450を介して上下動アーム駆動軸440が回動を開始するとともに、ii)第2アーム462の他端部462bが間欠用カム441の外周縁部に形成された凹部441aから離れ(この直前まで、第2アーム462の他端部462bは間欠用カム441の凹部441aに位置しつつ、植付クラッチ420が「切り」状態にあり、上下動アーム駆動軸440は回動を停止している)、凸状の外周縁部441bに沿いながら、間欠用カム441と上下動アーム320が回動を続ける。
即ち、既にソレノイド470への通電は停止されており矢印B1への吸引力は発生していないが、第2アーム462の他端部462bが、間欠用カム441の凸状の外周縁部441bに沿った状態が維持されている間は、第1アーム460の一端部460aが植付クラッチ420から離れているので、当該植付クラッチ420は「入り」状態を維持することが出来て、上下動アーム320の回動により植付具11(図8参照)は上下動(植付動作)を続けて、間欠用カム441が1回転するまでの間に、植付具11は1回だけ植付動作を実行する。
B.その後、間欠用カム441が1回転して、第2アーム462の他端部462bが間欠用カム441の凹部441aに到達すると、引っ張りばね480の引っ張り力により、第1アーム460が時計方向に回動するとともに、第1アーム460の一端部460aが植付クラッチ420に当接することで、下記のi)とii)の動作が行われる。
i)植付クラッチ420は「切り」状態となり、伝動軸421の回動が停止することで、第2ギア430側へ駆動力が伝達されなくなるので、上下動アーム駆動軸440は回動を停止するとともに、ii)第2アーム462の他端部462bが間欠用カム441の外周縁部に形成された凹部441aに留まったまま(この直前まで、第2アーム462の他端部462bは間欠用カム441の凸状の外周縁部441bに沿いつつ、植付クラッチ420が「入り」状態にあり、上下動アーム駆動軸440は回動を続けている)、間欠用カム441と上下動アーム320は回動を停止し続けるので、植付具11(図8参照)は上下動(植付動作)を停止し続ける。
C.更にその後、任意のタイミングでソレノイド470が通電されると、植付クラッチ420が「入り」状態となり、上記項目Aで説明した動作を開始する。
上記構成によれば、ソレノイド470に通電する、上記任意のタイミングを制御することにより、植付具11の上下動(植付動作)が停止している時間を調節できるものである。これにより、簡単な構成で間欠植付が可能となる。
また、上記実施の形態では、本発明の予備トレイ移動装置の一例として、左右一対のストッパ用ソレノイド950L、950Rを配置し予備トレイの自重を利用して移動させる構成について説明したが、これに限らず例えば、予備トレイ載置板の中央部に縦長孔を設け、予備トレイ搬送用無端ベルトを駆動可能に配置し、予備トレイを下流側に搬送する構成であっても良い。
なお、上記実施の形態では、トレイ検知部1100は、トレイ搬送路111の下流部の略中央部に配置した場合について説明したが、これに限らず例えば、トレイ搬送路111の下流部の左端又は右端の何れに配置しても良い。
また、上記実施の形態では、ステッピングモータ175を用いて、苗置台110を作業開始位置に移動させる構成について説明したが、これに限らず例えば、制御部800からの回転停止指令を受けた後、速やかに停止出来る構成のモータ部材であればどの様なものであっても良い。
また、上記実施の形態では、ステッピングモータ175を用いて、苗置台110を作業開始位置に一定速度で移動させる構成について説明したが、これに限らず例えば、復路の移動速度より往路の移動速度を速く設定した構成でも良い。即ち、上述した、苗置台伝動ケース178に固定された位置検知センサ1200の他に、左側壁部172Lに固定され、苗置台110が左端に到達したことを検知する第2位置検知センサ(図示省略)を備え、苗置台110上に取り付けられたトレイ検知部1100がトレイ20の不存在を検知した後、苗置台110が第2位置検知センサ側に移動し始めてから当該第2位置検知センサに検知されるまでの移動速度(往路の移動速度)を、当該第2位置検知センサに検知された後、位置検知センサ1200側に向けて移動し始めてから、作業開始位置に到達したことを当該位置検知センサ1200に検知されるまでの移動速度(復路の移動速度)よりも速く設定する構成としても良い。これにより、苗置台110の作業開始位置での急激な停止が抑制され、位置検知センサ1200等への衝撃を低減することが出来る。
また、上記実施の形態では、トレイ検知部1100が苗置台110に配置されている場合について説明したが、これに限らず例えば、作業開始位置に隣接した位置にある苗置台伝動ケース178に固定されていても良い。この場合のトレイ検知部は、例えば、非接触の光電センサ(投光部と受光部からなる)であり、苗置台伝動ケース178の「作業開始位置」側に取り付けられており、トレイ20の右側面(即ち、苗置台伝動ケース178側の面)には、後端部の育苗ポット21の左右横方向の2列分を除き反射シールが張り付けられており、その反射シールで反射した光を光電センサの受光部が受光するか否かにより、トレイ20における育苗ポット21の苗の残りが2列分のみになったことを検知する構成であっても良い。この構成の場合でも、上述した(1)植付作業開始前の場面と、(2)直進走行植付作業中の場面と、(3)旋回の場面と、におけるそれぞれの説明は同様に適用出来る。
また、上記実施の形態では、上述した(2)直進走行植付作業中の場面で、予備トレイ20Aを自動供給する場合、走行及び植付作業を停止させることなく、引き続き植付走行を行う構成について説明したが、これに限らず例えば、苗置台110が作業開始位置に到達したときに、走行及び植付作業を自動で停止させる構成としても良い。この構成の場合、例えば、主クラッチを作動油の圧力により入り切りする主クラッチ切替ソレノイド等を設けることにより、制御部800は、左右の走行クラッチ入切検知センサ91L、91Rからの直進走行中を示す検知結果が入力されているときに、トレイ検知リミットスイッチ1120からのトレイ20の不存在を示す検知結果を受け取ると、主クラッチ切替ソレノイドを操作して主クラッチを切り状態に切り替え、自動で走行及び植付作業を停止する。また、制御部800は、上述した(3)旋回の場面での説明と同様に、左側ストッパ用ソレノイド950L及び右側ストッパ用ソレノイド950Rを作動させ、予備トレイ20Aを自動供給すると共に、駆動源切替ソレノイド177に所定信号を出力して駆動源切替クラッチ176を切り換えて、ステッピングモータ175を駆動させ、苗置台110を「作業開始位置」に正確に停止させる。この様に、走行が停止されている間を利用して、作業者は、例えば、次の予備トレイ20Aを予備トレイ載置板910上に補給することが出来る。その後、作業者が、作業開始ボタン(図示省略)を押すことで、制御部800は、直進走行による植付作業を再開する。
また、上記実施の形態では、左右の走行クラッチレバー90L、90Rは、手で握ると走行クラッチが「切り」状態となり、手を離すと走行クラッチが「入り」状態となる構成の場合について説明したが、これに限らず例えば、左右の走行クラッチレバー90L、90Rのそれぞれに、切りロック機構(図示省略)を設けて、切りロック機構を操作することで、左右の走行クラッチレバー90L、90Rを手で握った状態が維持されて、手を離しても、左右の走行クラッチの何れか一方又は双方とも、「切り」状態にロック出来る構成としても良い。これにより、例えば、旋回開始前に、切りロック機構を操作すると共に、左右の走行クラッチレバー90L、90Rを手で握ることで、苗移植機1の走行と植付動作を停止させて、更に、右手で昇降操作レバー81を「上昇」位置に操作し車高を上げてから、旋回方向と反対側の切りロック機構を解除し、旋回方向と反対側の走行クラッチを「入り」状態とすることで旋回が開始される。これにより、作業者は、旋回方向の走行クラッチレバーを旋回中において常時握っている必要が無いので操作性が向上する。
また、上記実施の形態では、苗置台110が、左右横方向の往復移動において往路で停止したのか、それとも復路で停止したのかは、停止状態を見ただけでは確認できない場合について説明したが、これに限らず例えば、苗置台110が左右横方向への往復移動を繰り返し、位置検知センサ1200がONされる度に制御部800に内蔵されたタイマー(図示省略)をリセットし、苗置台110が左右横方向への移動を停止するまでの時間を計測し、その計測結果を、制御部800が、予め測定しておいた往路の移動時間と比較することで、苗置台110の位置が往路であるか復路であるかを判定する構成としても良い。また、この判定結果を制御部800のメモリ部801に記憶しておくことで、例えば、次の日に、苗移植機1の電源をONして植付作業を開始するときに、苗置台110の「作業開始位置」への移動方向を表示部に表示することが出来る。
また、上記実施の形態では、所定条件のもとで、トレイ20の不存在が検知された場合、植付作業を中断し、リードカム軸171への駆動力の伝達経路を、エンジン12側からの伝達経路をステッピングモータ175からの伝達経路に切り換えて、苗置台110を横方向に移動させ、「作業開始位置」で停止させるために、制御部800は、位置検知センサ1200の検知結果に基づいて、ステッピングモータ175の駆動を停止させる構成について説明した。しかしこれに限らず例えば、制御部800は、ステッピングモータ175に対して出力する駆動用の制御パルス信号のパルス数をカウントし、苗置台110が「作業開始位置」に到達したと推定出来る予め定めたカウント数に一致したと判定することで、ステッピングモータ175の駆動を停止させる構成としても良い。この構成の場合、制御パルス信号のパルス数と苗置台110の移動距離との関係を予め把握しておくことで、苗置台110が「作業開始位置」に到達したと推定出来るカウント数を予め定めることが出来る。
これにより、例えば、位置検知センサ1200が故障した場合でも、停止位置の精度は多少低下する可能性があるが、「作業開始位置」に自動で停止させることが出来るので、位置検知センサ1200を修理することなく植付作業が可能となり、作業能率が向上する。
また、上記実施の形態では、所定条件のもとで、トレイ20の不存在が検知された場合、植付作業を中断し、苗置台110の横方向への移動を停止する構成について説明した。一方、植付作業中において、苗の種類を変更したい場合、トレイ20の育苗ポット21にまだ多数の苗22が残っている状態において、「作業開始位置」で苗置台110の横方向への移動を停止させ、植付作業を停止させることが要求される。なおこの場合、植付作業中であるため、苗置台110の左右横方向への移動は、エンジン12側からの駆動力によるものである。そして、この要求を実現するために、例えば、操作部600上にトレイ差し替えボタン(図示省略)を設けた構成とする。そして、トレイの差し替えを実行するタイミングより早い時期、例えば、トレイの差し替えを希望する育苗ポット21の横方向の列の2列前の育苗ポット21の苗22の取り出しが往路において全て終了した後、トレイ20が縦送りされて、トレイの差し替えを希望する育苗ポット21の列の1列前の育苗ポット21の列が取出部260の前に移動する直前に、作業者がトレイ差し替えボタンを押す。これにより、制御部800は、1列前の育苗ポット21の列の全ての苗22の復路における取り出し開始から終了までの間の、ソレノイド470に対し出力するパルス信号の数をカウントし、苗置台110が復路を移動し「作業開始位置」に到達したと推定出来る予め定めたカウント数に一致したと判定することで、ソレノイド470への出力を停止し、植付クラッチ420を「切り」状態にして、苗置台110を「作業開始位置」に自動で停止させることが出来る。この構成の場合、ソレノイド470に対し出力するパルス信号のパルス数と苗置台110の移動距離との関係を予め把握しておくことで、苗置台110が「作業開始位置」に到達したと推定出来るカウント数を予め定めることが出来る。更に、伝動機構における噛み合わせ部の遊びや慣性力による位置ずれも考慮して、上記カウント数を予め定める構成としても良い。
これにより、例えば、植付作業中において、苗の種類を変更したい場合、たとえ位置検知センサ1200が故障していても、停止位置の精度はステッピングモータ175を用いた場合に比べて多少低下する可能性があるが、「作業開始位置」に停止させることが出来るので、位置検知センサ1200を修理することなく植付作業が可能となり、作業能率が向上する。
なお、上記実施の形態では、本発明の可変設定部の一例としてダイヤル式つまみを備えた可変ダイヤルスイッチを用いた場合について説明したが、これに限らず例えば、スライド式つまみを備えた可変スライドスイッチを用いて、植付間隔を設定する構成でも良い。
また、上記実施の形態では、苗移植機1に設けられた植付間隔設定部に加えて、可変ダイヤルスイッチを備えた構成について説明したが、これに限らず例えば、植付間隔設定部を備えず、可変ダイヤルスイッチにより苗22の植付間隔を設定する構成としても良い。
また、上記実施の形態では、移植物として、野菜などの苗について説明したが、野菜に限らず、取出装置で取り出して植付具で圃場に植え付ける移植物であればどの様なものであっても良い。