JP6287591B2 - 移植機 - Google Patents
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Description
請求項1に記載の発明は、走行車体(15)の所定の走行距離毎に植付具(11)を降下させて苗を移植する移植機において、前記植付具(11)に駆動力を伝動する植付伝動装置(18)を設け、該植付伝動装置(18)の植付入力軸(18a)の回転を検知する回転センサ(219)を設け、前記走行車体(15)の走行モードを設定する変速装置(190)を設け、この走行モードは、少なくとも低速走行で植付を行う「植付1」と高速走行で植付を行う「植付2」を有し、前記植付具(11)が植え付ける苗同士の間隔である植付株間を表示する表示部(630)を設け、該表示部(630)に表示される植付株間を調節する株間調整手段(640)を設け、該植付具(11)を昇降させるリンク機構(310)を設け、該リンク機構(310)を昇降させる駆動力の伝動を入切する植付クラッチ(420)を設け、該植付クラッチ(420)の入切を切り替えるソレノイド(470)を設け、該ソレノイド(470)を作動させて植付クラッチ(420)を周期的に入状態にする制御を行う制御部(800)を設け、前記制御部(800)は、該変速装置(190)で設定した走行モードに合わせて設定可能な植付株間の範囲をメモリ部(810)に記録しておき、設定された走行モードに対応する植付株間の範囲を前記表示部(630)に表示させ選択された走行モードに合わせて前記株間調整手段(640)で調節可能な植付株間の範囲を設定可能とすると共に、前記回転センサ(219)の検知に合わせて前記ソレノイド(470)を作動させる周期を早く、または遅くして、前記株間調整手段(640)で設定した植付株間となるように前記植付具(11)を昇降させる構成としたことを特徴とする移植機とする。
前記第二変速アーム(214)に扇ギア(216)を設け、該扇ギア(216)を回転させる変速モータ(218)を設け、前記制御部(800)は、前記前輪回転センサ(25)が検知する走行車体(15)の走行速度に合わせて該変速モータ(218)を作動させ、前記第二変速アーム(214)を回動させて連結ロッド(215)を前後移動させ、前記第一可変溝幅プーリ(206)及び第二可変溝幅プーリ(207)の溝幅を変更し、前記植付入力軸(18a)の回転を制御することを特徴とする請求項3に記載の移植機とした。
また、回転センサ(219)が検知する植付入力軸(18a)の回転に合わせて、ソレノイド(470)を作動させる周期を早く、または遅くすることにより、実際に植付具(11)が植え付けた苗の植付株間と、株間調整手段(640)で設定した植付株間に差が生じることが防止される。
また、第一可変溝幅プーリ(206)と第二可変溝幅プーリ(207)にVベルト(208)を巻回したことにより、過負荷が生じた際にVベルト(208)を滑らせることができるので、破損を防止するための安全機構が不要となる。
また、前輪回転センサ(25)が検知する走行速度に合わせて、ソレノイド(470)を作動させる周期を早くする、または遅くすることにより、走行輪のスリップにより走行速度が変動しても、実際に植付具(11)が植え付けた苗の植付株間と、株間調整手段(640)で設定した植付株間に差が生じることが防止される。
また、第一可変溝幅プーリ(206)と第二可変溝幅プーリ(207)にVベルト(208)を巻回したことにより、過負荷が生じた際にVベルト(208)を滑らせることができるので、破損を防止するための安全機構が不要となる。
野菜などの苗を移植する苗移植機1は、図1、図2に示すように、走行車輪としての左右一対の前輪2および後輪3を備えた走行車体15と、走行車体15の前部に配置され、ボンネット109で覆われたエンジン12およびミッションケース4(主伝動ケースとも呼ぶ)と、走行車体15の後部に配置された、苗22(図7参照)を圃場に植え付けるべく植付具11を昇降させる苗植付装置300と、苗22を収容したトレイ20を供給するトレイ供給装置100と、トレイ供給装置100のトレイ20の育苗ポット21から苗22を取りだして植付具11へ供給する取出装置200と、苗の植付深さを一定に保つためのセンサ板710を含む植付深さ調整機構700(図13参照)と、鎮圧輪13、操縦ハンドル8、及び操縦ハンドル8の中央部に配置された操作部600等を備えて構成されている。
エンジン12から出力される回転動力は、ミッションケース4により分岐され、左右一対の走行伝動ケース9を介して左右一対の後輪3に伝動され、後輪軸3aからベルト無段変速装置205でミッションケース4の後側に設けられた植付伝動装置18にも伝動される構成である。
また、ミッションケース4の後端の左右方向に配置された左右フレーム16の後部には、右寄りの位置に延びる主フレーム17を設けている。該主フレーム17の後端部には左右端側から後方に延びた操縦ハンドル8を設け、この操縦ハンドル8が主フレーム17および左右フレーム16を介してミッションケース4に支持された構成となっている。
即ち、本実施の形態の苗移植機1は、左右一対の前輪2、2及び左右一対の後輪3、3によって畝Uを跨いだ状態で走行車体15を進行させながら、トレイ20に収容されている苗22を畝Uの上面に自動的に植え付けることが出来る構成である。
また、走行部には、走行車体15に対し左右一対の後輪3、3を上下動させて、走行車体15の姿勢及び車高を制御する機体制御機構500が設けられている。
図3は、苗植付装置300と苗植付装置駆動機構400の左側面図である。また、図4は、苗植付装置駆動機構400の概略左側面図である。
即ち、揺動リンク機構310は、図3に示す通り、苗植付装置駆動機構400を収納したケーシング401の前側上端部401aに、上端が上前軸313aに回動自在に支持され、下端が下前軸314aを介して回動自在に連結支持板315に連結された前揺動アーム316aと、苗植付装置駆動機構400を収納したケーシング401の後側上端部401bに、上端が上後軸313bに回動自在に支持され、下端が下後軸314bを介して回動自在に連結支持板315に連結された後揺動アーム316bとを備え、連結支持板315に設けられた上軸316に、上述した上アーム311の前端部が回動自在に連結され、且つ、連結支持板315の下後軸314bに、上述した下アーム312の前端部が回動自在に連結されているとともに、上アーム311及び下アーム312のそれぞれの後端部が、植付具11の支持板317に設けた回動上軸317aと回動下軸317bに回動自在に連結されている。
植付クラッチ420の駆動側クラッチ体と一体で回転する回転板を設け、回転板の外周に植付クラッチのクラッチ爪の位相に合わせて複数の凹凸を設け、この凹凸を植付タイミングセンサ415が検出すると、ソレノイド470を作動させて植付クラッチ420を入にして、植付具11の作動を開始する。
また、苗植付装置駆動機構400は、図4に示す通り、植付クラッチ420の伝動下流側に設けられ上下動アーム駆動軸440に固定されるとともに、植付クラッチ420を「入り」状態から「切り」状態に強制的に切り替えるために円形状の外周縁部の一部に形成された凹部441aを有する間欠用カム441と、一端部460aが植付クラッチ420から離れるか又は当接するかによって、当該植付クラッチ420におけるクラッチの入り状態と切り状態の切り替えを行わせる、回動支点461にて回動自在に支持された側面視で略「へ」の字形状の第1アーム460と第2アーム462を備えている。
なお、ベルト無段変速装置205に沿ってベルト無段変速装置205の出力軸の回転で往復作動する株間タイミングロッドを配置し、苗植付装置駆動機構400内の第1アーム460を作動させて、苗植付装置300を所望の植付株間で植付けるべく間欠的に作動させると、植付伝動装置18から取出装置200への伝動機構で間欠作動機構を兼用でき、機体の軽量化が図れる。
次に、図4を参照しながら、苗植付装置駆動機構400における上下動アーム駆動軸440への伝動の入り切りを行う植付クラッチ420と間欠用カム441の動作を中心に、項目Aから項目Cの3つの場面に分けて、それぞれ説明する。
(i)当該植付クラッチ420が「入り」状態となり、伝動軸421が回動することで、第2ギア430側へ駆動力が伝達されて、第3ギア450を介して上下動アーム駆動軸440が回動を開始するとともに、
(ii)第2アーム462の他端部462bが間欠用カム441の外周縁部に形成された凹部441aから離れ(この直前まで、第2アーム462の他端部462bは間欠用カム441の凹部441aに位置しつつ、植付クラッチ420が「切り」状態にあり、上下動アーム駆動軸440は回動を停止している)、凸状の外周縁部441bに沿いながら、間欠用カム441と上下動アーム320が回動を続ける。
例えば、植付クラッチ420のクラッチ爪が等ピッチで3個設けられている場合、ピッチ角度Yは120度になります。ピッチ角度Yを120度、減速比Zを1/5とすると、Y×Z=24度、360度×Z=72度であるので、停止用部分(凹部)441aの範囲の角度Xは、24度以上72度以下になる。
(i)植付クラッチ420は「切り」状態となり、伝動軸421の回動が停止することで、第2ギア430側へ駆動力が伝達されなくなるので、上下動アーム駆動軸440は回動を停止するとともに、
(ii)第2アーム462の他端部462bが間欠用カム441の外周縁部に形成された凹部441aに留まったまま(この直前まで、第2アーム462の他端部462bは間欠用カム441の凸状の外周縁部441bに沿いつつ、植付クラッチ420が「入り」状態にあり、上下動アーム駆動軸440は回動を続けている)で、間欠用カム441と上下動アーム320は回動を停止し続けるので、植付具11(図3参照)は上下動(植付動作)を停止し続ける。
上記構成によれば、ソレノイド470に通電する、上記任意のタイミングを制御することにより、植付具11の上下動(植付動作)が停止している時間を調節できるものである。これにより、簡単な構成で間欠植付が可能となる。
図5は、変速レバー190の斜視図であり、図6はミッションケース4の変速ギア機構を説明する概略断面図である。
また、変速レバー190が、「前進」モード、及び、「後進」モードの何れに設定されても、第1変速スイッチ198がOFFし、且つ、第2変速スイッチ199がOFFしている。
また、図6に示された、連結板197と大小一対のギア194の位置は、変速レバー190が「前進」走行のモードに設定されている場合と、「後進」走行のモードに設定されている場合の、両方の場合について、それぞれ実線で描いた。
図7(a)は、トレイ供給装置100の斜視図であり、図7(b)は、図7(a)のX部の拡大斜視図である。図8は、トレイ供給装置100のトレイ縦送り装置120の構成を示す概略側面図である。
ところで、取出装置200は、苗置台110の下端部に対向する位置に配置されており、取出爪210の先端が軌跡Kを描く様に作動して、横方向に移動する育苗ポット21から、順次、苗22を取り出して植付装置7に供給する構成である。
図9は、取出装置200の概略斜視図であり、図10は、図9の紙面の左上奥側から右下手前側を見た、取出装置200の概略側面図である。
即ち、第1ギア291は、駆動アーム220の先端側部220aに固定されており、連結アーム230に対しては、第1回動軸291aを介して回動自在に取り付けられている。また、第3ギア293は、カム軸271と一体である第1の被案内部材245の先端部245bに固定されており、第1の被案内部材245の先端近傍縁部245aが、連結アーム230の他端部230bに回動可能に連結されているため、第3ギア293は、連結アーム230に対して回動自在に保持されている。従って、第3ギア293は、第1の被案内部材245と一体で回動する。また、第2ギア292は、連結アーム230の中央位置において回動自在に取り付けられており、第1ギア291及び第3ギア293の両方に挟まれて、双方のギアと嵌合している。
押出機構280は、一対の取出爪261L、261Rで保持されている苗22を押し出す、先端部281aが直角に折り曲げられ取出爪261L、261Rの先端部の幅に合わせた切欠部281bが形成された押出ロッド281と、略直角状に折り曲げられた連結棒282であって、その一方の先端部282aが押出ロッド281の後端部に設けられた後端孔部281cに回動自在に挿入されて、抜け防止のワリピン(図示省略)で保持された連結棒282と、連結棒282の他方の先端部282bが上端部283aに固定され、下端部283bが基板250に対して押出アーム連結軸283dにより回動自在に取付られ、中央部の引っ張りバネ保持用第1突起283cが設けられた押出アーム283と、一端が引っ張りバネ保持用第1突起283cに引っ掛けられ、他端が基板250に固定された引っ張りバネ保持用第2突起250aに引っ掛けられた押出アーム引っ張りバネ284と、を備えている。
以上の構成において、次に、図9〜図11を参照しながら、取出装置200の動作を説明する。
駆動アーム220の回動に伴って、連結アーム230が揺動するが、その動きは、案内部240に形成された案内溝241を貫通して基板250に連結されている第1の被案内部材245により規制される。
尚、位置K1から位置K2までの軌跡K、及び、位置K6から位置K1までの軌跡Kが、概ね直線状になっているのは、案内溝241のトレイ供給装置100に近い側が直線状に形成されている為である。
そして、丁度その時、その先端部261Lp、261Rpの下方には、上死点に向けて軌跡T1(図1参照)上の上昇工程にある植付装置7の苗投入口(図示省略)が上方に向いており、位置K4から位置K5の間において、押出ロッド281により一対の取出爪261L、261Rの先端部261Lp、261Rpから押し出された苗22が、植付装置7の苗投入口に落下し、植付具11へ供給される。尚、押出ロッド281の動作については、更に後述する。
図9に示す通り、駆動アーム220のB方向への回動により、駆動アーム220の先端側部220aに固定された第1ギア291は、駆動アーム220の回動支点220bを中心としてB方向へ公転する。第1ギア291は、連結アーム230に対して第1回動軸291aを介して回動自在に取り付けられており、第2ギア292を介して、第3ギア293をB方向に回動させる。第3ギア293は、カム軸271と一体である第1の被案内部材245の先端部245bと固定されており、且つ、第1の被案内部材245の先端近傍縁部245aが、連結アーム230の他端部230bに回動可能に連結されているため、第3ギア293の回動により、カム軸271を介して、カム270がB方向に回動する。即ち、駆動アーム220の駆動周期に合わせてカム270が回動する。
次に、一対の取出爪261L、261Rの先端部261Lp、261Rpが、位置K1から位置K2に向かう動作を行う時の一対の取出爪261L、261Rの先端部261Lp、261Rpの開閉動作、及び、押出ロッド281の動作は次の通りである。
図8に示す通り、トレイ縦送り装置120は、(1)上述したトレイ送りロッド121と、(2)トレイ送りロッド121の両端部121bの上側先端部121b1が固定され、片方が内側に湾曲した湾曲縁部131aを有する突起状カム131が下部に形成された送りロッドアーム130と、(3)根元部141が、苗置台110の側板110aに回動自在に支持され、先端部の先端軸部142で送りロッドアーム130を回動自在に支持する、下端縁部に第1凹部143a、第2凸部143b、第3凹部143cが側面視で滑らかに連続して形成された送りアーム140と、(4)苗移植機1の動力原から得た駆動力により矢印E方向に回動する縦送り駆動軸151を取出装置200側から見て、縦送り駆動軸151の中央位置と右端位置の2箇所にそれぞれ固定され、先端部に牽制ローラ152を回動自在に有する縦送り駆動アーム150と、を備える。
リードカム軸171の回動により、苗置台110が右方向すなわち矢印F方向(図7参照)に向けて移動しているとする。その時、縦送り駆動軸151は矢印E方向に回動している(図8参照)。
これにより、コンパクトな構造のトレイ縦送り装置120が得られる。また、案内レール155と、リードカム軸171の簡単な構造でトレイ搬送路111を左右移動可能に支持出来る。
本実施の形態の苗移植機1では、変速レバー190により、低速走行による植付作業を行う「植付1」が指定されるか、それとも、高速走行による植付作業を行う「植付2」が指定されるかに応じて、表示部630に表示可能な植付株間の範囲を異ならせている。
即ち、例えば、傾斜地において植付作業を行う場合、上り傾斜面と下り傾斜面で、同じ植付株間を実現するためには、走行車体15のスリップを考慮した植付株間の設定が必要となる。本実施の形態では、「植付1」と「植付2」で、双方に対応する植付株間の範囲において、重複した範囲を設定したことにより、上り傾斜面と下り傾斜面で、同じ植付株間を実現することが可能となる。
これにより、実際の植付株間は、上り傾斜面で31.5cm、下り傾斜面で31.5cmが実現出来る。
また、空植操作ボタン610が、他の操作ボタンが配置された上面601aとは異なる後面601bの左側に配置されているので、作業者による誤操作を低減することが出来る。
調整ボタン640は、上側に株間を広げる方向に変化させる「上げ」プッシュスイッチ640aと、下側に株間を狭める方向に変化させる「下げ」プッシュスイッチ640bとを備えている。
後輪軸3aと植付入力軸18aに可変溝幅プーリ(第一可変溝幅プーリ)206、可変溝幅プーリ(第二可変溝幅プーリ)207を装着し、Vベルト208を巻き掛けて、可変溝幅プーリ206の溝に咬み込む溝幅変更ローラ(第一溝幅変更ローラ)211を枢支した第一変速アーム212の先端と、可変溝幅プーリ207の溝に咬み込む溝幅変更ローラ(第二溝幅変更ローラ)213を枢支した第二変速アーム214の先端を連結ロッド215で連結し、第二変速アーム214の枢支側に固着した扇ギヤ216に変速モータ218のピニオンギヤ217を噛み合わせている。
また、予備の苗トレイを載置する予備苗台115(図1参照)や取出装置200をベルト無段変速装置205を構成する機枠に取り付けると、構成が簡略化される。
次に、主として図13、図14を参照しながら、植付深さ調整機構700と、植付入り切りボタン620と、昇降操作レバー81等の操作に基づいて、植付の入り切りを行うソレノイド470やチェーンベルト202の変速を行う変速モータ204等の動作を制御する制御部800を中心に説明する。
図13に示す通り、植付深さ調整機構700は、(1)圃場面701に接することで苗の植付深さを一定に保持する、底面が緩やかに湾曲したセンサ板710と、(2)側面視で略L字形状の板状部材であって、L字の屈曲部が回動支持軸721により走行車体15に対して回動可能に支持され、後方に延びる一端部722がセンサ板710の前端部711と回動支持軸722aを介して回動自在に連結されると共に、上方に延びる他端部723が、作業者が手動で操作してセンサ板710の垂直(上下)方向の位置を設定する深さレバー730の動きを伝達する伝達ロッド740の先端部741と回動自在に連結された深さアーム720と、(3)深さアーム720を主フレーム17から揺動自在に吊り下げるスプリング750と、(4)側面視で略L字形状の板状部材であって、L字の屈曲部が回動支持軸761により走行車体15に対して回動可能に支持され、回動支持軸761の下部に長孔762が形成されていると共に、上端部763に連結された引っ張りスプリング766により、回動支持軸761を軸芯として矢印Y方向に回動すべく付勢され、油圧切替バルブ部40に備えられた昇降操作バルブ(図示省略)に対して、前端部764がロッド765で連結されたカウンタアーム760と、(5)カウンタアーム760の長孔762の前端側に入り切り検知レバー771が位置すべく、カウンタアーム760上に配置された植付スイッチ770と、(6)一端部781に設けられた連結ピン781aが長孔762内に挿入され、他端部782が連結軸783を介してセンサ板710の上端部712と回動自在に連結されたセンサロッド780と、を備えている。
次に、図14を参照しながら、操作パネル601の下方に設けられた制御部800によるソレノイド470の制御方法について説明する。
ここでは、苗移植装置1を圃場の所定位置に移動させた後、(1)植付作業を開始しようとする場面、その後、(2)圃場内を植付作業しながら走行する場面、そして、(3)畝の端まで来て旋回する場面に分けて説明する。
(1)植付作業を開始しようとする場面:苗移植装置1を圃場の所定位置に移動させたとき、植付入り切りボタン620は「入り」状態に、昇降操作レバー81は「上げ」位置に、それぞれ設定されており、走行車体15の車高は高い位置にあるものとする。
次に作業者が、昇降操作レバー81を「下げ」位置に操作して、走行車体15の車高を下げることにより、センサ板710が走行車体15と共に圃場面701に向けて下がるセンサ板710が圃場面701に接するとセンサ板710の前端部711が矢印Z方向(図13参照)に回動するので、センサロッド780の前端縁部781bが、入り切り検知レバー771を押す方向に移動し、植付スイッチ770をONさせることにより、植付スイッチ770からのON信号が制御部800に入力される。
即ち、制御部800が、上記各種信号を受けて、植付条件が満たされたと判断すると、先ず植付クラッチ420を「入り」状態に切り替えて、植付具11を作動させる構成としたので、作業者が昇降操作レバー81を操作する等して植付作業を開始したとき、即座に植付具11が1株目の苗を植え付ける。これにより、圃場の端から植付動作を開始出来る。
(2)圃場内を植付作業しながら走行する場面:ここでは、昇降操作レバー81は「下げ」位置にあり、センサ板710は圃場面701の凹凸に応じて上下動しているものとする。
ここで、所定の作動周期は、作業者により指定された「植付2(高速)」に対応した走行速度、及び作業者により選択された植付株間の値である50cmとに基づいて、制御部800により決定される。尚、所定の作動周期は、制御部800内のタイマによりカウントされる。
即ち、センサ板710が上方に動くと、センサ板710の前端部711が回動支持軸722aを中心に矢印Z方向に移動するとともに、センサロッド780の一端部781に設けられた連結ピン781aが長孔762の前縁部を押す方向に移動すると、カウンタアーム760が回動支持軸761を軸芯として図13中において時計方向に回動し、この動きがロッド765を介して、油圧切替バルブ部40に備えられた昇降操作バルブ(図示省略)に伝達されて、油圧昇降シリンダ10が伸びる方向に作動して、走行車体15の車高が高くなる。
(3)畝の端まで来て旋回する場面:この場面では、作業者は、植付作業を中断させるために、昇降操作レバー81を「下げ」位置から「中立」位置に移動させる。
この昇降操作レバー81の操作に応じたケーブル82の動きに連動して、油圧切替バルブ部40に備えられた昇降操作バルブ(図示省略)が作動し、油圧昇降シリンダ10が伸びる方向に移動することにより、走行車体15の車高が高くなる。
尚、植付クラッチ420は「切り」状態を維持しており、植付作業が中断したままの状態が継続されている。
次に作業者は、昇降操作レバー81を「上げ」位置から「中立」位置を経て「下げ」位置に移動させると、昇降操作レバー81の操作に応じたケーブル82の動きに連動して、油圧切替バルブ部40に備えられた昇降操作バルブが作動し、油圧昇降シリンダ10が短くなる方向に移動することにより、走行車体15の車高が低くなり始める。尚、昇降操作レバー81の上記操作により、昇降操作レバー81が「下げ」位置にあることを示す信号が制御部800に対して出力される。
尚、この場合、作業者が昇降操作レバー81を操作する等して再び植付作業を開始したとき、制御部800内のタイマのカウントがリセットされる構成としたので、次の畝でも即座に植付具11が1株目の苗を植え付ける。これにより、常に圃場の端から植付動作を開始出来る。
また、第1テンションアーム880の先端部には、第1伝動ベルト855にテンションをかけるための第1テンションプーリ881が回動自在に取り付けられている。第2テンションアーム882の先端部には、第2伝動ベルト870にテンションをかけるための第2テンションプーリ883が回動自在に取り付けられている。
以上の構成により、動力伝動機構の構成の簡略化が図れるとともに、コンパクト化が図れる。
また、上記実施の形態では、移植物として野菜などの苗を用いた場合について説明したが、これに限らず例えば、種芋等どの様な移植物であっても良い。
3a 後輪軸
11 植付具
12 エンジン
15 走行車体
18 植付伝動装置
18a 植付入力軸
25 前輪回転センサ
190 変速装置(変速レバー)
205 ベルト無段変速装置
206 可変溝幅プーリ(第一可変溝幅プーリ)
207 可変溝幅プーリ(第二可変溝幅プーリ)
208 Vベルト
211 溝幅変更ローラ(第一溝幅変更ローラ)
212 第一変速アーム
213 溝幅変更ローラ(第二溝幅変更ローラ)
214 第二変速アーム
215 連結ロッド
216 扇ギア
218 変速モータ
219 回転センサ
310 リンク機構
470 駆動変速部
630 表示部
640 株間調整手段(調節ボタン)
800 制御部
810 メモリ部
Claims (4)
- 走行車体(15)の所定の走行距離毎に植付具(11)を降下させて苗を移植する移植機において、
前記植付具(11)に駆動力を伝動する植付伝動装置(18)を設け、該植付伝動装置(18)の植付入力軸(18a)の回転を検知する回転センサ(219)を設け、
前記走行車体(15)の走行モードを設定する変速装置(190)を設け、この走行モードは、少なくとも低速走行で植付を行う「植付1」と高速走行で植付を行う「植付2」を有し、
前記植付具(11)が植え付ける苗同士の間隔である植付株間を表示する表示部(630)を設け、該表示部(630)に表示される植付株間を調節する株間調整手段(640)を設け、
該植付具(11)を昇降させるリンク機構(310)を設け、該リンク機構(310)を昇降させる駆動力の伝動を入切する植付クラッチ(420)を設け、該植付クラッチ(420)の入切を切り替えるソレノイド(470)を設け、該ソレノイド(470)を作動させて植付クラッチ(420)を周期的に入状態にする制御を行う制御部(800)を設け、
前記制御部(800)は、該変速装置(190)で設定した走行モードに合わせて設定可能な植付株間の範囲をメモリ部(810)に記録しておき、設定された走行モードに対応する植付株間の範囲を前記表示部(630)に表示させ、選択された走行モードに合わせて前記株間調整手段(640)で調節可能な植付株間の範囲を設定可能とすると共に、
前記回転センサ(219)の検知に合わせて前記ソレノイド(470)を作動させる周期を早く、または遅くして、前記株間調整手段(640)で設定した植付株間となるように前記植付具(11)を昇降させる構成としたことを特徴とする移植機。 - 前記走行車体(15)の後輪(3)に駆動力を伝動する後輪軸(3a)を設け、該後輪軸(3a)に第一可変溝幅プーリ(206)を設け、前記植付入力軸(18a)に第二可変溝幅プーリ(207)を設け、該第一可変溝幅プーリ(206)と第二可変溝幅プーリ(207)にVベルト(208)を無端状に巻回し、
前記第一可変溝幅プーリ(206)の溝に咬み込む第一溝幅変更ローラ(211)を支持する第一変速アーム(212)を設け、前記第二可変溝幅プーリ(207)の溝に咬み込む第二溝幅変更ローラ(213)を支持する第二変速アーム(214)を設け、該第一変速アーム(212)と第二変速アーム(214)を連結ロッド(215)で連結し、
前記第二変速アーム(214)に扇ギア(216)を設け、該扇ギア(216)を回転させる変速モータ(218)を設け、
前記制御部(800)は、前記回転センサ(219)が検知する植付入力軸(18a)の回転に合わせて該変速モータ(218)を作動させ、前記第二変速アーム(214)を回動させて連結ロッド(215)を前後移動させ、前記第一可変溝幅プーリ(206)及び第二可変溝幅プーリ(207)の溝幅を変更し、前記植付入力軸(18a)の回転を制御することを特徴とする請求項1に記載の移植機。 - 走行車体(15)の所定の走行距離毎に植付具(11)を降下させて苗を移植する移植機において、
前記走行車体(15)の走行速度を検出する前輪回転センサ(25)を設け、
前記植付具(11)に駆動力を伝動する植付伝動装置(18)を設け、該植付伝動装置(18)に植付入力軸(18a)を設け、
前記走行車体(15)の走行モードを設定する変速装置(190)を設け、この走行モードは、少なくとも低速走行で植付を行う「植付1」と高速走行で植付を行う「植付2」を有し、
前記植付具(11)が植え付ける苗同士の間隔である植付株間を表示する表示部(630)を設け、該表示部(630)に表示される植付株間を調節する株間調整手段(640)を設け、
該植付具(11)を昇降させるリンク機構(310)を設け、該リンク機構(310)を昇降させる駆動力の伝動を入切する植付クラッチ(420)を設け、該植付クラッチ(420)の入切を切り替えるソレノイド(470)を設け、該ソレノイド(470)を作動させて植付クラッチ(420)を周期的に入状態にする制御を行う制御部(800)を設け、
前記制御部(800)は、該変速装置(190)で設定した走行モードに合わせて設定可能な植付株間の範囲をメモリ部(810)に記録しておき、設定された走行モードに対応する植付株間の範囲を前記表示部(630)に表示させ、選択された走行モードに合わせて前記株間調整手段(640)で調節可能な植付株間の範囲を設定可能とすると共に、
前記前輪回転センサ(25)の検知に合わせて前記ソレノイド(470)を作動させる周期を早く、または遅くして、前記株間調整手段(640)で設定した植付株間となるように前記植付具(11)を昇降させる構成としたことを特徴とする移植機。 - 前記走行車体(15)の後輪(3)に駆動力を伝動する後輪軸(3a)を設け、該後輪軸(3a)に第一可変溝幅プーリ(206)を設け、前記植付入力軸(18a)に第二可変溝幅プーリ(207)を設け、該第一可変溝幅プーリ(206)と第二可変溝幅プーリ(207)にVベルト(208)を無端状に巻回し、
前記第一可変溝幅プーリ(206)の溝に咬み込む第一溝幅変更ローラ(211)を支持する第一変速アーム(212)を設け、前記第二可変溝幅プーリ(207)の溝に咬み込む第二溝幅変更ローラ(213)を支持する第二変速アーム(214)を設け、該第一変速アーム(212)と第二変速アーム(214)を連結ロッド(215)で連結し、
前記第二変速アーム(214)に扇ギア(216)を設け、該扇ギア(216)を回転させる変速モータ(218)を設け、
前記制御部(800)は、前記前輪回転センサ(25)が検知する走行車体(15)の走行速度に合わせて該変速モータ(218)を作動させ、前記第二変速アーム(214)を回動させて連結ロッド(215)を前後移動させ、前記第一可変溝幅プーリ(206)及び第二可変溝幅プーリ(207)の溝幅を変更し、前記植付入力軸(18a)の回転を制御することを特徴とする請求項3に記載の移植機。
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