JP2017195580A - 弾性波フィルタ装置 - Google Patents

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雅人 京谷
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Abstract

【課題】弾性波共振子の共振特性を確保しつつ複数の弾性波共振子を接続する接続配線の低抵抗化を実現する小型の弾性波フィルタ装置を提供する。
【解決手段】弾性表面波フィルタ1は、直列共振子20および30、並列共振子50、ならびに接続配線60および70を備え、直列共振子20は、圧電基板100上に形成されたIDT電極21と、反射器22Lおよび22Rとで構成され、IDT電極21が有する一対の櫛形電極21aおよび21bのそれぞれは、バスバー電極と当該バスバー電極に接続された交差電極指およびダミー電極指とを含み、反射器22Lを構成する反射電極指221Lの長さは、交差電極指の交差幅と等しい。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の弾性波共振子を備える弾性波フィルタ装置に関する。
従来、移動体通信機のフロントエンド部に配置される帯域通過フィルタなどに、圧電基板上に複数の弾性波共振子が配置された弾性波フィルタが広く用いられている。また、マルチモード/マルチバンドなどの複合化に対応すべく、1枚の圧電基板上に複数の弾性波フィルタが形成された弾性波フィルタ装置が実用化されている。
特許文献1には、1枚の圧電基板上に送信側弾性表面波フィルタおよび受信側弾性表面波フィルタが配置されたデュプレクサの構成が開示されている。
図9は、特許文献1に記載されたデュプレクサのレイアウトを表す平面図である。図9には、低域側フィルタ510として、直列腕521〜524および並列腕531〜534を備えたラダー型フィルタのレイアウトが開示されている。低域側フィルタポート503側から数えて2番目及び3番目の並列腕532および533は直列信号路511よりも右側に配置されると共に、シールド電極506に接続される。一方、低域側フィルタポート503側から数えて1番目の並列腕531は、直列信号路511よりも左側に配置され、シールド電極506に対して電気的に絶縁される。これによれば、直列腕、並列腕および接続配線のレイアウトを工夫することにより、低域側フィルタ510と高域側フィルタ540との良好なアイソレーションが確保されるとしている。
特開2015−70489号公報
特許文献1のように、1枚の圧電基板上にデュプレクサを形成する場合、弾性表面波共振子を構成するIDT(InterDigital Transducer)電極を多数形成する必要がある。この場合、小型化かつ低損失化を達成するには、複数のIDT電極に必要な面積を確保しつつIDT電極間を接続する接続配線およびシールド電極を省面積化する必要がある。しかしながら、IDT電極の特性で規定される膜厚で接続配線およびシールド電極を省面積化すると、接続配線幅を確保できず、配線抵抗が高くなり、その結果、信号伝送ロスの増大およびシールド効果の低下という問題が発生する。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、弾性波共振子の共振特性を確保しつつ複数の弾性波共振子を接続する接続配線の低抵抗化を実現する小型の弾性波フィルタ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る弾性波フィルタ装置は、1枚の圧電基板を共有する複数の弾性波共振子を備えた弾性波フィルタ装置であって、前記複数の弾性波共振子のそれぞれは、前記圧電基板と、前記圧電基板上に形成され、対向する一対の櫛形電極を有するIDT電極と、前記IDT電極と弾性波伝搬方向に隣り合って配置された反射器とで構成され、前記複数の弾性波共振子のうちの一の弾性波共振子を構成する前記IDT電極が有する前記一対の櫛形電極のそれぞれは、前記弾性波伝搬方向に延びるように配置されたバスバー電極と、前記バスバー電極に接続され、前記弾性波伝搬方向の直交方向に延びるように配置された複数の電極指とで構成され、前記一対の櫛形電極の一方を構成する前記複数の電極指は、前記一対の櫛形電極の他方を構成する前記複数の電極指と交差する交差電極指と、前記一対の櫛形電極の他方を構成する前記複数の電極指と前記直交方向に対向して配置されたダミー電極指とを含み、弾性波フィルタ装置は、さらに、前記圧電基板上に形成され、前記一の弾性波共振子を構成する前記バスバー電極と他の弾性波共振子を構成する前記IDT電極とを接続する接続配線を備え、前記一の弾性波共振子を構成する前記反射器は、前記直交方向に延び、互いに平行な複数の反射電極指を含み、前記複数の反射電極指のそれぞれの長さは、前記交差電極指の前記直交方向における交差領域の長さである交差幅以上、かつ、前記一対の櫛形電極の対向する2つの前記バスバー電極の間隔よりも短い。
これにより、1枚の圧電基板を共有する複数の弾性波共振子において、反射器の上記直交方向の長さを短くしたことで確保された領域を接続配線の形成領域に充てることが可能となる。また、ダミー電極を含むIDT電極で構成された弾性波共振子の場合、交差電極指の交差領域の隣り合う領域に反射器が配置されることで弾性波の閉じ込め効果を十分に確保できる。よって、各弾性波共振子の共振特性を確保しつつ低配線抵抗による信号伝搬の低損失化および小型化を実現できる。
また、前記一の弾性波共振子は、前記IDT電極を挟んで、前記弾性波伝搬方向に2つの前記反射器を有し、前記2つの反射器の一方に含まれる前記複数の反射電極指のそれぞれの長さは、前記交差幅以上、かつ、前記IDT電極を構成する2つの前記バスバー電極の間隔よりも短く、前記接続配線の配線幅は、前記2つの反射器のうち前記一方側に近い方が広くてもよい。
弾性波共振子は、一般的に、IDT電極を挟んで弾性波伝搬方向の両端に反射器が配置される。この両端に配置された2つの反射器のうち、いずれか一方の反射器の上記直交方向の長さを短くすることで、接続配線の形成領域を拡大することが可能となる。よって、各弾性波共振子の共振特性を確保しつつ低配線抵抗による信号伝搬の低損失化および小型化を実現できる。
また、前記複数の反射電極指の前記直交方向の長さは、前記交差幅と略等しくてもよい。
これにより、反射器の上記直交方向の長さを、弾性波の閉じ込め効果を損なわない範囲で最小としたことで確保された最大の領域を、接続配線の形成領域に充てることが可能となる。よって、各弾性波共振子の共振特性を確保しつつ低配線抵抗による信号伝搬の低損失化および小型化を、最大限に実現できる。
また、前記複数の反射電極指の前記直交方向の一端は、前記一対の櫛形電極の一方を構成する複数の前記交差電極指の前記バスバー電極と接続されていない端部と前記弾性波伝搬方向に揃っており、前記複数の反射電極指の前記直交方向の他端は、前記一対の櫛形電極の一方を構成する複数の前記交差電極指の前記バスバー電極との接続部と前記弾性波伝搬方向に揃っていてもよい。
これにより、配線幅を優先的に広くしたい接続配線の部分を、反射器の上記直交方向の一端の縮小により確保された領域に充てることが可能となる。よって、各弾性波共振子の共振特性を確保しつつ低配線抵抗による信号伝搬の低損失化および小型化を、効果的に実現できる。
また、前記接続配線は、前記一の弾性波共振子が有する前記バスバー電極が前記弾性波伝搬方向に延伸された領域に、前記バスバー電極と連続して形成されていてもよい。
これにより、IDT電極の電気信号を取り出すためのバスバー電極から、反射器の領域を迂回して接続配線を形成することなく、バスバー電極の延伸方向に連続的に接続配線を形成できる。よって、接続配線の低抵抗化が促進される。
また、前記IDT電極および前記反射器を構成する電極は、前記圧電基板上に形成された第1電極層のみで構成され、前記接続配線は、前記圧電基板上に形成された前記第1電極層と、前記第1電極層上に形成された第2電極層との積層体で構成され、前記第2電極層は、前記第1電極層よりも厚くてもよい。
弾性表面波フィルタにおいて、IDT電極および反射器の最適膜厚は1μm以下であるのに対して、接続配線は、低抵抗化の観点から厚ければ厚いほど好ましい。このため、圧電基板上には、まず、薄い第1電極層によりIDT電極および反射器と接続配線の下層とを形成する。そして、厚い第2電極層により接続配線の上層を形成する。このとき、第2電極層を数μm以上の厚みで高精度に形成する場合には、第2電極層の最小線幅が設定される。本構成によれば、反射器の上記直交方向の縮小により確保された領域を接続配線領域に充てることで、接続配線の線幅を上記最小線幅以上とできる確率を高めることが可能となる。よって、接続配線の低抵抗化を促進できる。
また、前記複数の弾性波共振子のそれぞれは、ラダー型弾性表面波フィルタを構成する直列共振子および並列共振子のいずれかであってもよい。
これにより、ラダー型弾性表面波フィルタを構成する直列共振子および並列共振子を接続する接続配線の低抵抗化を促進できるので、ラダー型弾性表面波フィルタの小型化および低損失化を達成できる。
また、前記一の弾性波共振子は、縦結合共振子型表面波フィルタを構成する共振子であってもよい。
これにより、縦結合共振子型表面波フィルタとその他のフィルタを構成する弾性波共振子とを接続する接続配線の低抵抗化を促進できるので、マルチプレクサなどの複合フィルタデバイスの小型化および低損失化を達成できる。
本発明に係る弾性波フィルタ装置によれば、弾性波共振子の共振特性を確保しつつ複数の弾性波共振子を接続する接続配線が低抵抗化された小型の弾性波フィルタ装置を提供することが可能となる。
実施の形態に係る弾性表面波フィルタの回路構成図である。 実施の形態に係る弾性表面波フィルタのレイアウトを表す平面図である。 実施の形態に係る弾性表面波フィルタの共振子を模式的に表す平面図および断面図である。 実施の形態の変形例1に係る弾性表面波フィルタのレイアウトを表す平面図である。 実施の形態の変形例2に係る弾性表面波フィルタのレイアウトを表す平面図である。 比較例に係る弾性表面波フィルタのレイアウトを表す平面図である。 比較例に係る弾性表面波フィルタの断面図である。 実施の形態の変形例3に係る弾性表面波フィルタのレイアウトを表す平面図である。 実施の形態の変形例3に係る弾性表面波フィルタの断面図である。 実施の形態の変形例4に係る弾性表面波フィルタの回路構成図である。 特許文献1に記載されたデュプレクサのレイアウトを表す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態およびその変形例は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態およびその変形例で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施の形態およびその変形例における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面に示される構成要素の大きさ、または大きさの比は、必ずしも厳密ではない。
(実施の形態1)
[1−1.弾性波フィルタ装置の回路構成]
図1は、実施の形態に係る弾性表面波フィルタ1の回路構成図である。同図に示すように、弾性表面波フィルタ1は、入力端子110と出力端子120との間に接続された直列共振子10、20および30、ならびに、入力端子110から出力端子120までの接続経路と複数の基準端子のうちの一の基準端子との間に接続された並列共振子40および50を有するラダー型の弾性波フィルタ装置である。直列共振子10〜30および並列共振子40および50は、弾性表面波共振子で構成されている。弾性表面波フィルタ1は、入力端子110から入力された高周波信号を入力し、当該高周波信号を所定の通過帯域でフィルタリングして出力端子120へ出力する非平衡入力−非平衡出力型の帯域通過フィルタである。
[1−2.弾性波フィルタ装置の電極構成]
次に、本発明の特徴である弾性表面波フィルタ1の電極配置構成について説明する。
図2は、実施の形態に係る弾性表面波フィルタ1のレイアウトを表す平面図である。同図には、図1に示された弾性表面波フィルタ1の回路構成のうちの出力側共振部1aの電極配置構成が示されている。具体的には、図2には、圧電基板100上に、直列共振子20および30、並列共振子50、ならびに接続配線60および70の電極レイアウトが表されている。なお、図2には、出力側共振部1aの電極レイアウトに加えて、弾性表面波フィルタ1と当該弾性表面波フィルタ1が実装される実装基板との電気的および機械的接続を確保するための接合用電極150およびバンプ151が表されている。
ここで、弾性表面波フィルタ1を構成する弾性表面波共振子の断面構造について説明する。
図3は、実施の形態に係る弾性表面波フィルタ1の共振子を模式的に表す平面図および断面図の一例である。同図には、直列共振子20のIDT(InterDigital Transducer)電極21の構造を表す平面摸式図および断面模式図が例示されている。なお、図3に示されたIDT電極21は、その他のIDT電極の典型的な構造を説明するためのものであって、IDT電極を構成する電極指の本数や長さなどは、これに限定されない。図3の平面図に示すように、圧電基板100の上には、互いに対向する一対の櫛形電極21aおよび21bが形成されている。櫛形電極21aは、交差電極指211a、ダミー電極指212a、およびバスバー電極210aで構成されている。また、櫛形電極21bは、交差電極指211b、ダミー電極指212b、およびバスバー電極210bで構成されている。これらの電極指は、X軸方向と直交するY軸方向に沿って形成されている。
また、これらの電極指およびバスバー電極で構成されるIDT電極21は、図3の断面図に示すように、密着層111と主電極層112との積層構造となっている。密着層111は、圧電基板100と主電極層112との密着性を向上させるための層であり、材料として、例えば、Tiが用いられる。密着層111の膜厚は、例えば、12nmである。
主電極層112は、材料として、例えば、Cuを1%含有したAlが用いられる。主電極層112の膜厚は、例えば162nmである。
保護層113は、IDT電極21を覆うように形成されている。保護層113は、主電極層112を外部環境から保護する、周波数温度特性を調整する、および、耐湿性を高めるなどを目的とする層であり、例えば、二酸化ケイ素を主成分とする膜である。
密着層111、主電極層112、および保護層113は、IDT電極および反射器の電極を構成する第1電極層である。
なお、密着層111、主電極層112および保護層113を構成する材料は、上述した材料に限定されない。さらに、IDT電極21は、上記積層構造でなくてもよい。IDT電極21は、例えば、Ti、Al、Cu、Pt、Au、Ag、Pdなどの金属または合金から構成されてもよく、また、上記の金属または合金から構成される複数の積層体から構成されてもよい。また、保護層113は、形成されていなくてもよい。
圧電基板100は、例えば、所定のカット角を有するLiTaO圧電単結晶、LiNbO圧電単結晶、または圧電セラミックスからなる。
ここで、IDT電極の設計パラメータについて説明する。弾性表面波共振子の波長とは、図3の中段に示す櫛形電極21aおよび21bを構成する複数の交差電極指211aおよび211bの繰り返しピッチλで規定される。また、IDT電極の交差幅Lは、図3の上段に示すように、交差電極指211aと交差電極指211bとのX軸方向から見た場合の重複する電極指長さである。また、対数は、複数の交差電極指211aまたは211bの本数である。
なお、本発明に係る弾性波フィルタ装置の構造は、図3に記載された構造に限定されない。例えば、IDT電極21は、金属膜の積層構造でなく、金属膜の単層であってもよい。
再び、図2に戻って、弾性表面波フィルタ1の圧電基板100上における電極配置構成について説明する。
直列共振子20は、圧電基板100と、圧電基板100上に形成されたIDT電極21と、反射器22Lおよび22Rとで構成されている。
IDT電極21は、対向する一対の櫛形電極21aおよび21bを有している。櫛形電極21aは、弾性表面波の伝搬方向(X軸方向)に延びるように配置されたバスバー電極210aと、バスバー電極210aに接続され上記伝搬方向の直交方向(Y軸方向)に延びるように配置された複数の交差電極指211aおよびダミー電極指212aとで構成されている。櫛形電極21bは、上記弾性波伝搬方向(X軸方向)に延びるように配置されたバスバー電極210bと、バスバー電極210bに接続され上記弾性波伝搬方向の直交方向(Y軸方向)に延びるように配置された複数の交差電極指211bおよびダミー電極指212bとで構成されている。ダミー電極指212aおよび212bの構成により、高調波などに起因する不要な周波数成分であるスプリアスなどを排除することが可能となる。
交差電極指211aおよび211bは、互いに交差しており、上記直交方向(Y軸方向)における交差領域の長さである交差幅はL20である。ダミー電極指212aは、交差電極指211bとは交差せず、交差電極指211bと上記直交方向(Y軸方向)に対向して配置されている。ダミー電極指212bは、交差電極指211aとは交差せず、交差電極指211aと上記直交方向(Y軸方向)に対向して配置されている。
反射器22Lおよび22Rは、それぞれ、弾性表面波の伝搬方向(X軸方向)に、IDT電極21と隣り合って配置されている。反射器22Lは、上記直交方向(Y軸方向)に延び、互いに平行な複数の反射電極指221Lを含み、反射器22Rは、上記直交方向(Y軸方向)に延び、互いに平行な複数の反射電極指221Rを含んでいる。ここで、反射電極指221Lおよび221Rの上記直交方向(Y軸方向)の長さは、交差幅L20に等しい。反射器22Lおよび22Rの構成により、IDT電極21のX軸方向に伝搬する高周波信号の定在波を、IDT電極21のX軸方向外部に漏らすことなく、反射器22Lと22Rとの間に閉じ込めることが可能となる。よって、IDT電極21の電極指ピッチ、対数および交差幅などで規定される通過帯域の高周波信号を低損失で伝搬し、通過帯域外の高周波信号を高減衰させることが可能となる。
直列共振子30は、圧電基板100と、圧電基板100上に形成されたIDT電極31と、反射器32Lおよび32Rとで構成されている。
IDT電極31は、対向する一対の櫛形電極31aおよび31bを有している。櫛形電極31aは、上記弾性波伝搬方向(X軸方向)に延びるように配置されたバスバー電極310aと、バスバー電極310aに接続され上記弾性波伝搬方向の直交方向(Y軸方向)に延びるように配置された複数の交差電極指311aおよびダミー電極指312aとで構成されている。櫛形電極31bは、上記弾性波伝搬方向(X軸方向)に延びるように配置されたバスバー電極310bと、バスバー電極310bに接続され上記弾性波伝搬方向の直交方向(Y軸方向)に延びるように配置された複数の交差電極指311bおよびダミー電極指312bとで構成されている。ダミー電極指312aおよび312bの構成により、高調波などに起因する不要な周波数成分であるスプリアスなどを排除することが可能となる。
交差電極指311aおよび311bは、互いに交差しており、上記直交方向(Y軸方向)における交差領域の長さである交差幅はL30である。ダミー電極指312aは、交差電極指311bとは交差せず、交差電極指311bと上記直交方向(Y軸方向)に対向して配置されている。ダミー電極指312bは、交差電極指311aとは交差せず、交差電極指311aと上記直交方向(Y軸方向)に対向して配置されている。
反射器32Lおよび32Rは、それぞれ、弾性表面波の伝搬方向(X軸方向)に、IDT電極31と隣り合って配置されている。反射器32Lは、上記直交方向(Y軸方向)に延び、互いに平行な複数の反射電極指321Lを含み、反射器32Rは、上記直交方向(Y軸方向)に延び、互いに平行な複数の反射電極指321Rを含んでいる。ここで、反射電極指321Lおよび321Rの上記直交方向(Y軸方向)の長さは、交差幅L30に等しい。反射器32Lおよび32Rの構成により、IDT電極31のX軸方向に伝搬する高周波信号の定在波を、IDT電極31のX軸方向外部に漏らすことなく、反射器32Lと32Rとの間に閉じ込めることが可能となる。よって、IDT電極31の電極指ピッチ、対数および交差幅などで規定される通過帯域の高周波信号を低損失で伝搬し、通過帯域外の高周波信号を高減衰させることが可能となる。
並列共振子50は、圧電基板100と、圧電基板100上に形成され対向する一対の櫛形電極を有するIDT電極と、当該IDT電極と上記弾性波伝搬方向(X軸方向)に隣り合って配置された反射器とで構成されている。
従来の弾性表面波フィルタの電極構成では、反射器を構成する反射電極指の長さは、弾性波伝搬方向(X軸方向)に隣り合うIDT電極の対向するバスバー電極の間隔に略等しい。つまり、反射電極指の一端の位置は、一方のバスバー電極と交差電極指との接続部の並び方向に等しく、反射電極指の他端の位置は、他方のバスバー電極と交差電極指との接続部の並び方向に等しい。
これに対して、本実施の形態に係る弾性表面波フィルタ1では、反射電極指221Lおよび221Rの上記直交方向(Y軸方向)の長さは交差幅L20に等しく、反射電極指321Lおよび321Rの上記直交方向(Y軸方向)の長さは交差幅L30に等しい。
これにより、反射器22Rおよび32Lの直交方向(Y軸方向)の長さを短くしたことで確保された領域60Aおよび60Bを、接続配線60の形成領域に充てることが可能となり、領域70Bを、接続配線70の形成領域に充てることが可能となる。また、ダミー電極を含むIDT電極21および31で構成された直列共振子20および30の場合、交差電極指の交差領域に反射器が配置されることで弾性表面波の閉じ込め効果を十分に確保できる。よって、各弾性波共振子の共振特性を確保しつつ、接続配線60および70の低抵抗化による信号伝搬の低損失化および小型化を実現できる。
また、接続配線60は、バスバー電極210bが上記弾性波伝搬方向(X軸方向)に延伸された領域60Aに、バスバー電極210bと連続して形成されている。また、接続配線60は、バスバー電極310aが上記弾性波伝搬方向(X軸方向)に延伸された領域60Bに、バスバー電極310aと連続して形成されている。また、接続配線70は、バスバー電極310bが上記弾性波伝搬方向(X軸方向)に延伸された領域70Bに、バスバー電極310bと連続して形成されている。
これにより、IDT電極の電気信号を取り出すためのバスバー電極から、反射器の領域を迂回して接続配線60および70を形成することなく、バスバー電極の延伸方向に連続的に接続配線60および70を形成できる。よって、接続配線60および70の低抵抗化が促進される。
なお、弾性表面波フィルタ1において、並列共振子50の反射器は、直列共振子20および30の反射器と同様の特徴を有していてもよい。あるいは、直列共振子20、30および並列共振子50のうちの少なくとも1つが、上述した直列共振子20および30の反射器の特徴を有していてもよい。
[1−3.変形例1に係る弾性波フィルタ装置の電極構成]
図4は、実施の形態の変形例1に係る弾性表面波フィルタ1Aのレイアウトを表す平面図である。本変形例に係る弾性表面波フィルタ1Aは、実施の形態に係る弾性表面波フィルタ1と比較して、IDT電極を挟む2つの反射器のうちの一方の反射器のみが、上記直交方向(Y軸方向)の反射電極指の長さを交差幅Lと等しくしている点が構成として異なる。以下、本変形例に係る弾性表面波フィルタ1Aについて、実施の形態に係る弾性表面波フィルタ1と同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
図4には、圧電基板100上に、直列共振子20Aおよび30A、並列共振子50、ならびに接続配線60および70の電極レイアウトが表されている。
直列共振子20Aは、圧電基板100と、圧電基板100上に形成されたIDT電極21と、反射器23Lおよび22Rとで構成されている。
反射器23Lおよび22Rは、それぞれ、弾性表面波の伝搬方向(X軸方向)に、IDT電極21と隣り合って配置されている。反射器23Lは、上記直交方向(Y軸方向)に延び、互いに平行な複数の反射電極指231Lを含み、反射器22Rは、上記直交方向(Y軸方向)に延び、互いに平行な複数の反射電極指221Rを含んでいる。ここで、反射電極指231Lの上記直交方向(Y軸方向)の長さは、バスバー電極210aと210bとの間隔に等しい。また、反射電極指221Rの上記直交方向(Y軸方向)の長さは、交差幅L20に等しい。反射器23Lおよび22Rの構成により、IDT電極21のX軸方向に伝搬する高周波信号の定在波を、IDT電極21のX軸方向外部に漏らすことなく、反射器23Lと22Rとの間に閉じ込めることが可能となる。よって、IDT電極21の電極指ピッチ、対数および交差幅などで規定される通過帯域の高周波信号を低損失で伝搬し、通過帯域外の高周波信号を高減衰させることが可能となる。
直列共振子30Aは、圧電基板100と、圧電基板100上に形成されたIDT電極31と、反射器33Lおよび32Rとで構成されている。
反射器33Lおよび32Rは、それぞれ、弾性表面波の伝搬方向(X軸方向)に、IDT電極31と隣り合って配置されている。反射器33Lは、上記直交方向(Y軸方向)に延び、互いに平行な複数の反射電極指331Lを含み、反射器32Rは、上記直交方向(Y軸方向)に延び、互いに平行な複数の反射電極指321Rを含んでいる。ここで、反射電極指331Lの上記直交方向(Y軸方向)の長さは、バスバー電極310aと310bとの間隔に等しい。また、反射電極指321Rの上記直交方向(Y軸方向)の長さは、交差幅L30に等しい。反射器33Lおよび32Rの構成により、IDT電極31のX軸方向に伝搬する高周波信号の定在波を、IDT電極31のX軸方向外部に漏らすことなく、反射器33Lと32Rとの間に閉じ込めることが可能となる。よって、IDT電極31の電極指ピッチ、対数および交差幅などで規定される通過帯域の高周波信号を低損失で伝搬し、通過帯域外の高周波信号を高減衰させることが可能となる。
ここで、接続配線60のうち、反射器22Rに近接する部分の配線幅W22Rは、反射器23Lに近接する部分の配線幅W23Lよりも広い。つまり、IDT電極21の両端に配置された2つの反射器23Lおよび22Rのうち、反射器22Rの直交方向の長さを短くすることで、接続配線60が形成される領域60Aを確保でき、接続配線60の配線幅を拡大することが可能となる。よって、各弾性波共振子の共振特性を確保しつつ、接続配線60の低抵抗化による信号伝搬の低損失化および小型化を実現できる。
なお、直列共振子20の反射器22Rおよび23Lは、反射電極指の長さの関係が逆となっていてもよい。また、直列共振子30の反射器32Rおよび33Lは、反射電極指の長さの関係が逆となっていてもよい。
[1−4.変形例2に係る弾性波フィルタ装置の電極構成]
図5は、実施の形態の変形例2に係る弾性表面波フィルタ1Bのレイアウトを表す平面図である。本変形例に係る弾性表面波フィルタ1Bは、実施の形態に係る弾性表面波フィルタ1と比較して、反射電極指の上記直交方向(Y軸方向)の両端のうちの一端が、交差電極指の交差領域とX軸方向に並ぶ位置まで後退していない点が構成として異なる。以下、本変形例に係る弾性表面波フィルタ1Bについて、実施の形態に係る弾性表面波フィルタ1と同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
図5には、圧電基板100上に、直列共振子20Bおよび30B、並列共振子50、ならびに接続配線60および70の電極レイアウトが表されている。
直列共振子20Bは、圧電基板100と、圧電基板100上に形成されたIDT電極21と、反射器24Lおよび24Rとで構成されている。
反射器24Lおよび24Rは、それぞれ、弾性表面波の伝搬方向(X軸方向)に、IDT電極21と隣り合って配置されている。反射器24Lは、上記直交方向(Y軸方向)に延び、互いに平行な複数の反射電極指241Lを含み、反射器24Rは、上記直交方向(Y軸方向)に延び、互いに平行な複数の反射電極指241Rを含んでいる。ここで、反射電極指241Lの直交方向(Y軸方向)の一端は、櫛形電極21aの交差電極指211aのバスバー電極210aと接続されていない端部と、上記弾性波伝搬方向(X軸方向)に揃っている。また、反射電極指241Lの直交方向(Y軸方向)の他端は、櫛形電極21aの交差電極指211aのバスバー電極210aとの接続部と、弾性波伝搬方向(X軸方向)に揃っている。また、反射電極指241Rの直交方向(Y軸方向)の一端は、櫛形電極21aの交差電極指211aのバスバー電極210aと接続されていない端部と、上記弾性波伝搬方向(X軸方向)に揃っている。また、反射電極指241Rの直交方向(Y軸方向)の他端は、櫛形電極21aの交差電極指211aのバスバー電極210aとの接続部と、弾性波伝搬方向(X軸方向)に揃っている。
反射器34Lおよび34Rは、それぞれ、弾性表面波の伝搬方向(X軸方向)に、IDT電極31と隣り合って配置されている。反射器34Lは、上記直交方向(Y軸方向)に延び、互いに平行な複数の反射電極指341Lを含み、反射器34Rは、上記直交方向(Y軸方向)に延び、互いに平行な複数の反射電極指341Rを含んでいる。ここで、反射電極指341Lの直交方向(Y軸方向)の一端は、櫛形電極31aの交差電極指311aのバスバー電極310aと接続されていない端部と、上記弾性波伝搬方向(X軸方向)に揃っている。また、反射電極指341Lの直交方向(Y軸方向)の他端は、櫛形電極31aの交差電極指311aのバスバー電極310aとの接続部と、弾性波伝搬方向(X軸方向)に揃っている。また、反射電極指341Rの直交方向(Y軸方向)の一端は、櫛形電極31aの交差電極指311aのバスバー電極310aと接続されていない端部と、上記弾性波伝搬方向(X軸方向)に揃っている。また、反射電極指341Rの直交方向(Y軸方向)の他端は、櫛形電極31aの交差電極指311aのバスバー電極310aとの接続部と、弾性波伝搬方向(X軸方向)に揃っている。
これにより、反射器24Rの直交方向(Y軸方向)の長さを短くしたことで確保された領域60Aを、接続配線60の形成領域に充てることが可能となり、また、反射器34Lの直交方向(Y軸方向)の長さを短くしたことで確保された領域70Bを、接続配線70の形成領域に充てることが可能となる。つまり、配線幅を優先的に広くしたい接続配線60および70の部分を、反射電極指の上記直交方向(Y軸方向)の縮小により確保された領域に充てることが可能となる。また、ダミー電極を含むIDT電極21および31で構成された直列共振子20Bおよび30Bの場合、交差電極指の交差領域に反射器が配置されることで弾性表面波の閉じ込め効果を十分に確保できる。よって、各弾性波共振子の共振特性を確保しつつ、接続配線60および70の低抵抗化による信号伝搬の低損失化および小型化を実現できる。
なお、反射器24L、24R、34Lおよび34Rを構成する反射電極指の両端の位置は、逆であってもよい。例えば、反射電極指241Lの直交方向(Y軸方向)の一端は、櫛形電極21bの交差電極指211bのバスバー電極210bと接続されていない端部と、上記弾性波伝搬方向(X軸方向)に揃っており、反射電極指241Lの直交方向(Y軸方向)の他端は、櫛形電極21bの交差電極指211bのバスバー電極210bとの接続部と、弾性波伝搬方向(X軸方向)に揃っていてもよい。
[1−5.変形例3に係る弾性波フィルタ装置の電極積層構造]
次に、弾性表面波フィルタの電極積層構造について説明する。
図6Aは、比較例に係る弾性表面波フィルタのレイアウトを表す平面図である。図6Aには、比較例に係る弾性表面波フィルタの3つの弾性表面波共振子の電極レイアウト構成が模式的に表されている。弾性表面波共振子520、530および550のそれぞれは、IDT電極と、IDT電極をX軸方向に挟むように配置された2つの反射器とで構成されている。また、接続配線560は、弾性表面波共振子530と550とを電気的に接続している。
図6Bは、比較例に係る弾性表面波フィルタの断面図である。図6Bには、図6Aの電極レイアウト構成におけるC−C断面図およびD−D断面図が示されている。図6Bに示すように、弾性表面波共振子530および550のIDT電極および反射器を構成する電極は、圧電基板上に形成された第1電極層571のみで構成されている。一方、接続配線560は、圧電基板上に形成された第1電極層571と、第1電極層571上に形成された第2電極層572との積層体で構成されている。また、第2電極層572は、第1電極層571よりも厚い。第1電極層571の膜厚は、例えば0.4μmであるのに対して、第2電極層572の膜厚は、例えば数μm以上である。
弾性表面波フィルタにおいて、IDT電極および反射器の最適膜厚は1μm以下であるのに対して、接続配線560は、低抵抗化のためには厚ければ厚いほど好ましい。このため、圧電基板上には、まず、薄い第1電極層571によりIDT電極および反射器と接続配線560の下層とを形成する。そして、厚い第2電極層572により接続配線560の上層を形成する。このとき、第2電極層572を数μm以上の厚みで高精度に形成するために、第2電極層572の最小線幅が設定される。この場合、図6Aに表された領域Eにおいて、弾性表面波共振子530の左側に配置された反射器との接触を回避するため、接続配線560のC−C線における配線幅L560Cは、接続配線560のD−D線における配線幅L560Dよりも狭くなる。このとき、配線幅L560Cが上記最小線幅より小さくなると、領域Eにおいて第2電極層572を精度よく形成することが困難となる。
図7Aは、実施の形態の変形例3に係る弾性表面波フィルタ1Cのレイアウトを表す平面図である。図7Aには、弾性表面波フィルタ1Cの3つの弾性表面波共振子の電極レイアウト構成が模式的に表されている。直列共振子20および30ならびに並列共振子50のそれぞれは、IDT電極と、IDT電極をX軸方向に挟むように配置された2つの反射器とで構成されている。また、接続配線60は、直列共振子30と並列共振子50とを電気的に接続している。
図7Bは、実施の形態の変形例3に係る弾性表面波フィルタ1Cの断面図である。図7Bには、図7Aの電極レイアウト構成におけるC−C断面図およびD−D断面図が示されている。図7Bに示すように、直列共振子30および並列共振子50のIDT電極および反射器を構成する電極は、圧電基板上に形成された第1電極層61のみで構成されている。一方、接続配線60は、圧電基板上に形成された第1電極層61と、第1電極層61上に形成された第2電極層62との積層体で構成されている。また、第2電極層62は、第1電極層61よりも厚い。第1電極層61の膜厚は、例えば0.4μmであるのに対して、第2電極層62の膜厚は、例えば数μm以上である。
圧電基板上には、まず、薄い第1電極層61によりIDT電極および反射器と接続配線60の下層とを形成する。そして、厚い第2電極層62により接続配線60の上層を形成する。このとき、第2電極層62を数μm以上の厚みで高精度に形成するために、第2電極層62の最小線幅が設定される。ここで、反射器32Lの反射電極指の上記直交方向(Y軸方向)の長さは、IDT電極31の交差電極指の交差幅に等しい。これにより、図7Aに表された領域Eにおいて、接続配線60のC−C線における配線幅L60Cは、接続配線60のD−D線における配線幅L60Dと同等とすることが可能となる。よって、配線幅L60Cを上記最小線幅以上とすることが可能となり、領域Eにおいて第2電極層62を精度よく形成することが可能となる。つまり、本変形例に係る構成によれば、反射器の縮小により確保された領域を接続配線領域に充てることで、接続配線の線幅を上記最小線幅以上とできる確率を高めることが可能となる。よって、接続配線の低抵抗化を促進できる。
[1−6.変形例4に係る弾性波フィルタ装置の回路構成]
図8は、実施の形態の変形例4に係る弾性表面波フィルタ1Dの回路構成図である。同図に示された弾性表面波フィルタ1Dは、入力端子110と出力端子120との間に接続された直列共振子10、20および30、入力端子110から出力端子120までの接続経路と複数の基準端子のうちの一の基準端子との間に接続された並列共振子40、50および90を有するラダー型弾性波フィルタ部と、縦結合型弾性波フィルタ部80とで構成された弾性波フィルタ装置である。本変形例に係る弾性表面波フィルタ1Dは、実施の形態に係る弾性表面波フィルタ1と比較して、縦結合型弾性波フィルタ部80が付加された点が構成として異なる。以下、本変形例に係る弾性表面波フィルタ1Dについて、実施の形態に係る弾性表面波フィルタ1と同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
縦結合型弾性波フィルタ部80は、図8に示すように、弾性波伝搬方向(X軸方向)に隣り合うIDT電極81、82および83と、反射器84Lおよび84Rとを有している。
IDT電極81、82および83のそれぞれは、IDT電極21または31と同様の電極構成を有している。つまり、IDT電極81、82および83のそれぞれは、対向する一対の櫛形電極を有している。上記一対の櫛形電極のそれぞれは、弾性波伝搬方向に延びるように配置されたバスバー電極と、当該バスバー電極に接続され、上記弾性波伝搬方向の直交方向に延びるように配置された複数の電極指とで構成されている。上記一対の櫛形電極の一方を構成する複数の電極指は、一対の櫛形電極の他方を構成する複数の電極指と交差する交差電極指と、一対の櫛形電極の他方を構成する複数の電極指と上記直交方向に対向して配置されたダミー電極指とを含む。ここで、反射器84Lまたは84Rは、上記直交方向に延び、互いに平行な複数の反射電極指を含み、当該複数の反射電極指の上記直交方向の長さは、交差電極指の交差幅以上、かつ、一対の櫛形電極の対向する2つのバスバー電極の間隔よりも短い。
これにより、反射器84Lまたは84Rの直交方向(Y軸方向)の長さを短くしたことで確保された領域を、接続配線の形成領域に充てることが可能となる。また、ダミー電極を含むIDT電極81〜83で構成された縦結合型共振子の場合、交差電極指の交差領域に反射器84Lおよび84Rが配置されることで弾性表面波の閉じ込め効果を十分に確保できる。よって、各弾性波共振子の共振特性を確保しつつ、接続配線の低抵抗化による信号伝搬の低損失化および小型化を実現できる。
(まとめ)
以上、本実施の形態およびその変形例1〜4に係る弾性波フィルタ装置は、1枚の圧電基板100を共有する複数の弾性波共振子を備え、当該複数の弾性波共振子のそれぞれは、圧電基板100と、圧電基板100上に形成され、対向する一対の櫛形電極を有するIDT電極と、当該IDT電極と弾性波の伝搬方向に隣り合って配置された反射器とで構成される。上記複数の弾性波共振子のうち一の弾性波共振子を構成するIDT電極が有する一対の櫛形電極のそれぞれは、弾性波伝搬方向に延びるように配置されたバスバー電極と、当該バスバー電極に接続され、弾性波伝搬方向の直交方向に延びるように配置された複数の電極指とで構成される。上記一対の櫛形電極の一方を構成する複数の電極指は、一対の櫛形電極の他方を構成する複数の電極指と交差する交差電極指と、一対の櫛形電極の他方を構成する複数の電極指と直交方向に対向して配置されたダミー電極指とを含む。本弾性波フィルタ装置は、さらに、上記一の弾性波共振子を構成するバスバー電極と、他の弾性波共振子を構成するIDT電極とを接続する接続配線を備える。上記一の弾性波共振子を構成する反射器は、直交方向に延び、互いに平行な複数の反射電極指を含み、当該複数の反射電極指の直交方向の長さは、交差電極指の直交方向における交差領域の長さである交差幅以上、かつ、上記一対の櫛形電極の対向する2つのバスバー電極の間隔よりも短いことを特徴とする。
これにより、1枚の圧電基板100を共有する複数の弾性波共振子において、反射器の直交方向の長さを短くしたことで確保された領域を接続配線の形成領域に充てることが可能となる。また、ダミー電極を含むIDT電極で構成された弾性波共振子の場合、交差電極指の交差領域に反射器が配置されることで弾性波の閉じ込め効果を十分に確保できる。よって、各弾性波共振子の共振特性を確保しつつ低配線抵抗による信号伝搬の低損失化および小型化を実現できる。
(その他の変形例など)
以上、本発明の実施の形態およびその変形例に係る弾性波フィルタ装置ついて説明したが、本発明は、上記実施の形態およびその変形例には限定されない。例えば、上記実施の形態およびその変形例に次のような変形を施した態様も、本発明に含まれる。
本発明に係る弾性波フィルタ装置は、例えば、送信用フィルタおよび受信用フィルタを有するデュプレクサのように、一枚の圧電基板上に、複数の弾性表面波フィルタが配置された構成であってもよい。
また、弾性表面波フィルタを構成する圧電基板100は、高音速支持基板と、低音速膜と、圧電膜とがこの順で積層された積層構造であってもよい。圧電膜は、例えば、50°YカットX伝搬LiTaO圧電単結晶または圧電セラミックス(X軸を中心軸としてY軸から50°回転した軸を法線とする面で切断したタンタル酸リチウム単結晶、またはセラミックスであって、X軸方向に弾性表面波が伝搬する単結晶またはセラミックス)からなる。圧電膜は、例えば、厚みが600nmである。高音速支持基板は、低音速膜、圧電膜ならびにIDT電極を支持する基板である。高音速支持基板は、さらに、圧電膜を伝搬する表面波や境界波の弾性波よりも、高音速支持基板中のバルク波の音速が高速となる基板であり、弾性表面波を圧電膜および低音速膜が積層されている部分に閉じ込め、高音速支持基板より下方に漏れないように機能する。高音速支持基板は、例えば、シリコン基板であり、厚みは、例えば200μmである。低音速膜は、圧電膜を伝搬するバルク波よりも、低音速膜中のバルク波の音速が低速となる膜であり、圧電膜と高音速支持基板との間に配置される。この構造と、弾性波が本質的に低音速な媒質にエネルギーが集中するという性質とにより、弾性表面波エネルギーのIDT電極外への漏れが抑制される。低音速膜は、例えば、二酸化ケイ素を主成分とする膜であり、厚みは、例えば670nmである。この積層構造によれば、圧電基板100を単層で使用している構造と比較して、共振周波数および反共振周波数におけるQ値を大幅に高めることが可能となる。すなわち、Q値が高い弾性表面波共振子を構成し得るので、当該弾性表面波共振子を用いて、挿入損失が小さいフィルタを構成することが可能となる。
なお、高音速支持基板は、支持基板と、圧電膜を伝搬する表面波や境界波の弾性波よりも、伝搬するバルク波の音速が高速となる高音速膜とが積層された構造を有していてもよい。この場合、支持基板は、サファイア、リチウムタンタレート、リチュウムニオベイト、水晶等の圧電体、アルミナ、マグネシア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、ジルコニア、コージライト、ムライト、ステアタイト、フォルステライト等の各種セラミック、ガラス等の誘電体またはシリコン、窒化ガリウム等の半導体及び樹脂基板等を用いることができる。また、高音速膜は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、DLC膜またはダイヤモンド、上記材料を主成分とする媒質、上記材料の混合物を主成分とする媒質等、様々な高音速材料を用いることができる。
本発明は、マルチバンド化およびマルチモード化に適用できる低損失かつ小型の高周波フィルタ、デュプレクサ、およびマルチプレクサとして、携帯電話などの通信機器に広く利用できる。
1、1A、1B、1C、1D 弾性表面波フィルタ
1a 出力側共振部
10、20、30、20A、30A、20B、30B 直列共振子
21、31、81、82、83 IDT電極
21a、21b、31a、31b 櫛形電極
22L、22R、23L、24L、24R、32L、32R、33L、34L、34R、84L、84R 反射器
40、50、90 並列共振子
60、70、560 接続配線
60A、60B、70B 領域
61、571 第1電極層
62、572 第2電極層
80 縦結合型弾性波フィルタ部
100 圧電基板
110 入力端子
111 密着層
112 主電極層
113 保護層
120 出力端子
150 接合用電極
151 バンプ
210a、210b、310a、310b バスバー電極
211a、211b、311a、311b 交差電極指
212a、212b、312a、312b ダミー電極指
221L、221R、231L、241L、241R、321L、321R、331L、341L、341R 反射電極指
503 低域側フィルタポート
506 シールド電極
510 低域側フィルタ
511 直列信号路
520、530、550 弾性表面波共振子
521、522、523、524 直列腕
531、532、533、534 並列腕
540 高域側フィルタ

Claims (8)

  1. 1枚の圧電基板を共有する複数の弾性波共振子を備えた弾性波フィルタ装置であって、
    前記複数の弾性波共振子のそれぞれは、
    前記圧電基板と、
    前記圧電基板上に形成され、対向する一対の櫛形電極を有するIDT電極と、
    前記IDT電極と弾性波伝搬方向に隣り合って配置された反射器とで構成され、
    前記複数の弾性波共振子のうちの一の弾性波共振子を構成する前記IDT電極が有する前記一対の櫛形電極のそれぞれは、
    前記弾性波伝搬方向に延びるように配置されたバスバー電極と、
    前記バスバー電極に接続され、前記弾性波伝搬方向の直交方向に延びるように配置された複数の電極指とで構成され、
    前記一対の櫛形電極の一方を構成する前記複数の電極指は、
    前記一対の櫛形電極の他方を構成する前記複数の電極指と交差する交差電極指と、
    前記一対の櫛形電極の他方を構成する前記複数の電極指と前記直交方向に対向して配置されたダミー電極指とを含み、
    弾性波フィルタ装置は、さらに、
    前記圧電基板上に形成され、前記一の弾性波共振子を構成する前記バスバー電極と他の弾性波共振子を構成する前記IDT電極とを接続する接続配線を備え、
    前記一の弾性波共振子を構成する前記反射器は、
    前記直交方向に延び、互いに平行な複数の反射電極指を含み、
    前記複数の反射電極指のそれぞれの長さは、前記交差電極指の前記直交方向における交差領域の長さである交差幅以上、かつ、前記一対の櫛形電極の対向する2つの前記バスバー電極の間隔よりも短い、
    弾性波フィルタ装置。
  2. 前記一の弾性波共振子は、
    前記IDT電極を挟んで、前記弾性波伝搬方向に2つの前記反射器を有し、
    前記2つの反射器の一方に含まれる前記複数の反射電極指のそれぞれの長さは、前記交差幅以上、かつ、前記IDT電極を構成する2つの前記バスバー電極の間隔よりも短く、
    前記接続配線の配線幅は、前記2つの反射器のうち前記一方側に近い方が広い、
    請求項1に記載の弾性波フィルタ装置。
  3. 前記複数の反射電極指の前記直交方向の長さは、前記交差幅と略等しい、
    請求項1または2に記載の弾性波フィルタ装置。
  4. 前記複数の反射電極指の前記直交方向の一端は、前記一対の櫛形電極の一方を構成する複数の前記交差電極指の前記バスバー電極と接続されていない端部と前記弾性波伝搬方向に揃っており、
    前記複数の反射電極指の前記直交方向の他端は、前記一対の櫛形電極の一方を構成する複数の前記交差電極指の前記バスバー電極との接続部と前記弾性波伝搬方向に揃っている、
    請求項1または2に記載の弾性波フィルタ装置。
  5. 前記接続配線は、前記一の弾性波共振子が有する前記バスバー電極が前記弾性波伝搬方向に延伸された領域に、前記バスバー電極と連続して形成されている、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾性波フィルタ装置。
  6. 前記IDT電極および前記反射器を構成する電極は、
    前記圧電基板上に形成された第1電極層のみで構成され、
    前記接続配線は、
    前記圧電基板上に形成された前記第1電極層と、
    前記第1電極層上に形成された第2電極層との積層体で構成され、
    前記第2電極層は、前記第1電極層よりも厚い、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の弾性波フィルタ装置。
  7. 前記複数の弾性波共振子のそれぞれは、ラダー型弾性表面波フィルタを構成する直列共振子および並列共振子のいずれかである、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性波フィルタ装置。
  8. 前記一の弾性波共振子は、縦結合共振子型表面波フィルタを構成する共振子である、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性波フィルタ装置。
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