JP2017195243A - 太陽電池モジュール用封止材および太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール用封止材および太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】透明性に優れ、かつ太陽電池モジュールにした際にPID特性に優れる太陽電池モジュール用封止材、およびPID特性に優れる太陽電池モジュールの提供。
【解決手段】密度が0.890g/cm以上であるオレフィン系樹脂(A)と、架橋剤(B)と、(メタ)アクリロイルオキシアルキレン基を有するイソシアヌレート化合物(C)とを含有する太陽電池モジュール用封止材;太陽電池セル11と、太陽電池セル11を挟持した一対の封止材12とを備え、前記一対の封止材12の少なくとも一方が本発明の太陽電池モジュール用封止材である、太陽電池モジュール10。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池セルを封止するための太陽電池モジュール用封止材、および太陽電池セルが太陽電池モジュール用封止材によって封止された太陽電池モジュールに関する。
太陽電池セルを封止するための太陽電池モジュール用封止材として、通常、エチレン−酢酸ビニル共重合体シートが用いられる。
しかし、封止材に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)は、長期間の使用によりバリア性が低下したり、加水分解により発生した酢酸が発電素子や端子を劣化させたりするといった問題があった。
そこで、EVAに代わる封止材として、近年では、低密度のオレフィン系樹脂を用いた封止材が検討されている。低密度のオレフィン系樹脂は、透明性、架橋性、柔軟性、接着性等に優れている。よって、低密度のオレフィン系樹脂を含む封止材は、太陽電池セルに入射する太陽光の光量を減らすことなく、太陽電池セルの外気との接触を防ぐとともに、太陽電池モジュールを構成する部材(太陽電池セル等)を衝撃から保護する。
しかし、低密度のオレフィン系樹脂を含む封止材は、電気特性が不充分である。そのため、この低密度のオレフィン系樹脂を含む封止材を備えた太陽電池モジュールにおいては、太陽電池モジュールに高電圧負荷が長時間かかった場合、電流漏れが発生し、出力が低下する現象(PID現象)が発生することがある。
封止材の電気特性を高める方法として、低密度のオレフィン系樹脂にトリアリルシアヌレートや多官能モノマーを配合する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
特開2013−41971号公報 国際公開第2013/118504号
しかしながら、特許文献1、2に記載のように、トリアリルシアヌレートや多官能モノマーを配合しただけでは、必ずしも電気特性を満足できない。
また、PID現象を抑えるためには、オレフィン系樹脂の密度を高めることが考えられるが、オレフィン系樹脂の密度を高めると透明性が低下してしまう。
本発明は、透明性に優れ、かつ太陽電池モジュールにした際にPID特性に優れる太陽電池モジュール用封止材、およびPID特性に優れる太陽電池モジュールを提供する。
本発明は、以下の態様を包含する。
[1] 密度が0.890g/cm以上であるオレフィン系樹脂(A)と、架橋剤(B)と、(メタ)アクリロイルオキシアルキレン基を有するイソシアヌレート化合物(C)とを含有する、太陽電池モジュール用封止材。
[2] 前記イソシアヌレート化合物(C)の含有量が、前記オレフィン系樹脂(A)の100質量部に対して0.2〜0.8質量部である、[1]に記載の太陽電池モジュール用封止材。
[3] 架橋助剤(D)をさらに含有する、[1]または[2]に記載の太陽電池モジュール用封止材。
[4] 太陽電池セルと、前記太陽電池セルを挟持した一対の封止材とを備え、前記一対の封止材の少なくとも一方が、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の太陽電池モジュール用封止材である、太陽電池モジュール。
本発明の太陽電池モジュール用封止材は、透明性に優れ、かつ太陽電池モジュールにした際にPID特性に優れる。
本発明の太陽電池モジュールは、PID特性に優れる。
本発明の太陽電池モジュールの一例を示す断面図である。
<太陽電池モジュール用封止材>
本発明の太陽電池モジュール用封止材(以下、単に「封止材」とも記す。)は、太陽電池モジュールにおける太陽電池セルを挟持するものであり、シート状である。
本発明の封止材は、以下に示すオレフィン系樹脂(A)と、架橋剤(B)と、イソシアヌレート化合物(C)とを含有する。封止材は、架橋助剤(D)を含有することが好ましい。
(オレフィン系樹脂(A))
オレフィン系樹脂(A)としては、エチレン系重合体、プロピレン系重合体等が挙げられる。
エチレン系重合体としては、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体(線状低密度ポリエチレンを含む。)等が挙げられる。
プロピレン系重合体としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体(プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体など)等が挙げられる。
オレフィン系樹脂(A)としては、透明性が比較的よい点から、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン系重合体が好ましく、体積固有抵抗率が高い点から、エチレン−α−オレフィン共重合体が特に好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンに由来する構成単位と、α−オレフィンに由来する構成単位とを有する。エチレン−α−オレフィン共重合体は、必要に応じて他の単量体に由来する構成単位をさらに有してもよい。
α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン等が挙げられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体としては、透明性および柔軟性に優れる点から、メタロセン系プラストマーと呼ばれるエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。メタロセン系プラストマーとしては、日本ポリエチレン株式会社製のカーネル(登録商標)、住友化学株式会社製のエクセレン(登録商標)FX等が挙げられる。
オレフィン系樹脂(A)の密度は、0.890g/cm以上であり、0.890〜0.907g/cmが好ましく、0.893〜0.898g/cmがより好ましい。オレフィン系樹脂(A)の密度が前記範囲の下限値以上であれば、太陽電池モジュールにおけるPID現象を抑えることができる。加えて、体積固有抵抗率が高くなる。一方、オレフィン系樹脂(A)の密度が前記範囲の上限値以下であれば、透明性および柔軟性により優れる。
オレフィン系樹脂(A)の密度は、JIS K 7112:1999(ISO 1183:1987)に従い測定した値である。
オレフィン系樹脂(A)のメルトマスフローレート(以下、「MFR」と記す。)は、0.1〜50g/10分が好ましく、1〜50g/10分がより好ましく、2〜40g/10分がさらに好ましい。オレフィン系樹脂(A)のMFRが前記範囲の下限値以上であれば、オレフィン系樹脂(A)の成形性がよくなる。一方、オレフィン系樹脂(A)のMFRが前記範囲の上限値以下であれば、オレフィン系樹脂(A)を取り扱いやすい。
オレフィン系樹脂(A)のMFRは、JIS K 6922−2:2010(ISO 1133:2005)に従い、温度:190℃、荷重:21.18Nの条件で測定した値である。
オレフィン系樹脂(A)の融点は、77〜100℃が好ましく、79〜90℃がより好ましい。オレフィン系樹脂(A)の融点が前記範囲の下限値以上であれば、体積固有抵抗率が高い。一方、オレフィン系樹脂(A)の融点が前記範囲の上限値以下であれば、加工性に優れている。
オレフィン系樹脂(A)の融点は、JIS K 7121:2012(ISO 3146)に従い測定した値である。
(架橋剤(B))
架橋剤は、オレフィン系樹脂(A)を架橋させる成分である。
架橋剤としては、公知の有機過酸化物(例えばパーオキシジカーボネート類、パーオキシケタール類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、ハイドロパーオキサイド類など)等が挙げられる。
架橋剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
架橋剤の含有量は、オレフィン系樹脂(A)の100質量部に対して0.01〜5.0質量部が好ましく、0.05〜2.0質量部がより好ましく、0.1〜1.0質量部がさらに好ましい。架橋剤の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、オレフィン系樹脂(A)を充分に架橋させることができる。しかし、5.0質量部を超えて架橋剤を含有しても架橋度の向上は頭打ちとなる。また、未分解残渣量が増大し、耐久性(耐候性)の低下、変色等の原因になる。
(イソシアヌレート化合物(C))
イソシアヌレート化合物(C)は、(メタ)アクリロイルオキシアルキレン基を有する。
なお、本発明において「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルの総称であり、「オキシアルキレン」にはポリオキシアルキレンも含まれる。
イソシアヌレート化合物(C)としては、イソシアヌレート環に1つ以上の(メタ)アクリロイルオキシアルキレン基が結合した構造を有する化合物であれば特に制限されないが、例えば下記一般式(c)で表されるような、1つのイソシアヌレート環に3つの(メタ)アクリロイルオキシアルキレン基が結合した構造を有する化合物が好ましい。
Figure 2017195243
式(c)中、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基であり、A、AおよびAはそれぞれ独立してオキシアルキレン基またはポリオキシアルキレン基である。
オキシアルキレン基の炭素数は2〜4が好ましい。オキシアルキレン基は置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としてはヒドロキシ基等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン基の重合度は2〜50が好ましい。
、AおよびAとしては、それぞれオキシアルキレン基が好ましい。
上記一般式(c)で表される化合物の具体例としては、下記一般式(c1)〜(c18)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2017195243
Figure 2017195243
Figure 2017195243
Figure 2017195243
Figure 2017195243
イソシアヌレート化合物(C)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
イソシアヌレート化合物(C)の含有量は、オレフィン系樹脂(A)の100質量部に対して0.1〜1.5質量部が好ましく、0.1〜1.2質量部がより好ましく、0.2〜0.8質量部がさらに好ましい。イソシアヌレート化合物(C)の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、太陽電池モジュールにした際の封止材の透明性、架橋性により優れ、封止材の体積固有抵抗率が高められる。一方、イソシアヌレート化合物(C)の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、太陽電池モジュールにした際の封止材の接着性の低下が抑えられる。特に、イソシアヌレート化合物(C)の含有量が0.2〜0.8質量部であれば、イソシアヌレート化合物(C)がオレフィン系樹脂(A)に充分に相溶するので、封止材からの経時的なブリードによる外観の低下を抑制できる。
(架橋助剤(D))
架橋助剤(D)としては、重合性不飽和基(ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロキシ基等)を1つ以上(好ましくは2つ以上)有する化合物が挙げられる。このような化合物としては、例えばトリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等が挙げられる。
架橋助剤(D)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
架橋助剤(D)の含有量は、オレフィン系樹脂(A)の100質量部に対して5.0質量部以下が好ましく、2.0質量部以下がより好ましく、1.0質量部以下がさらに好ましい。架橋助剤(D)の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、未反応の架橋助剤の残存量を低減しやすく、コスト面でも有利である。
封止材が架橋助剤(D)を含有する場合、架橋助剤(D)の含有量の下限値については特に制限されないが、オレフィン系樹脂(A)の100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましい。
(他の成分)
封止材は、接着助剤、耐候剤を含むことが好ましい。
また、封止材は、本発明の効果を損なわない範囲において、上記以外の他の添加剤(例えば顔料、染料、充填材等)を含んでもよい。
接着助剤は、後述する太陽電池セル、透明保護材、バックシート等との接着性を改良する成分である。接着助剤としては、シランカップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
接着助剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
接着助剤の含有量は、オレフィン系樹脂(A)の100質量部に対して0.05〜1.0質量部が好ましく、0.1〜0.5質量部がより好ましい。接着助剤の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、充分な接着性が得られる。一方、接着助剤の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、コスト的に有利である。
耐候剤は、封止材に耐候性を付与する成分である。耐候剤としては、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤等が挙げられる。
光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤等が挙げられる。
耐候剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
耐候剤の含有量は、オレフィン系樹脂(A)の100質量部に対して0.01〜2.0質量部が好ましく、0.1〜1.0質量部がより好ましい。耐候剤の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、紫外線による樹脂の変色を抑えることができる。一方、耐候剤の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、封止材からの経時的なブリードによる外観の低下を抑制できる。
(厚さ)
シート状の封止材の厚さは、作製する太陽電池モジュールに応じて0.05〜1.0mmの範囲内で適宜選択される。封止材の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、太陽電池セルを充分に封止できる。一方、封止材の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、太陽電池モジュールを薄型化できる。
(封止材の製造方法)
封止材の製造方法としては、オレフィン系樹脂(A)と架橋剤(B)とイソシアヌレート化合物(C)と、必要に応じて架橋助剤(D)や他の成分とを混合して混合物(封止材組成物)を調製し、該混合物を成形してシート化する方法が挙げられる。
シート化方法としては、例えば、Tダイを用いた押出成形法、プレス成形法等が挙げられる。また、離型シートに封止材の溶液を塗工し、乾燥することにより、シート化することもできる。
(作用効果)
以上説明した本発明の太陽電池モジュール用封止材にあっては、密度が0.890g/cm以上であるオレフィン系樹脂(A)を含有するので、太陽電池モジュールにした際にPID特性に優れる。また、(メタ)アクリロイルオキシアルキレン基を有するイソシアヌレート化合物(C)を含有するので、太陽電池モジュールにした際の封止材の透明性に優れる。また、架橋剤(B)を含有するので、太陽電池モジュールにした際の封止材の架橋性にも優れ、封止材の体積固有抵抗率が高められる。
特に、(メタ)アクリロイルオキシアルキレン基を有するイソシアヌレート化合物(C)の含有量が、オレフィン系樹脂(A)の100質量部に対して0.2〜0.8質量部であれば、封止材からの経時的なブリードによる外観の低下を抑制できる。
<太陽電池モジュール>
図1は、本発明の太陽電池モジュールの一例を示す断面図である。
この例の太陽電池モジュール10は、複数の太陽電池セル11と、太陽電池セル11を挟んで封止する一対の封止材12と、封止材12によって貼り合わされた透明保護材13およびバックシート14とを備える。
太陽電池モジュール10においては、一対の封止材12の一方が本発明の封止材であってもよいし、両方が本発明の封止材であってもよいが、両方が本発明の封止材であることが好ましい。
また、太陽電池セル11の裏側の封止材12は、光の反射率を向上させて光の利用効率を高めるために、白色等に着色されていても構わない。
(太陽電池セル)
太陽電池セル11としては、p型とn型の半導体を接合した構造を有するpn接合型太陽電池素子が挙げられる。pn接合型太陽電池素子としては、シリコン系(単結晶シリコン系、多結晶シリコン系、アモルファスシリコン系等)、化合物系(GaAs系、CIS系、CdTe−CdS系)等が挙げられる。
(透明保護材)
透明保護材13としては、ガラス板、樹脂板等が挙げられる。ガラス板としては、光透過性の点から、表面に凹凸をつけた型板ガラスが好ましい。型板ガラスの材料としては、鉄分の少ない白板ガラス(高透過ガラス)が好ましい。
(バックシート)
バックシート14の材料としては、ポリフッ化ビニル、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリオレフィン(ポリエチレン等)、ガラス、金属(アルミニウム等)等が挙げられる。バックシート14は、単層であってもよく、複層であってもよい。
(タブストリング)
タブストリング15は、複数の太陽電池セル11を電気的に直列に接続する帯状導電体であり、例えば、導線および半田接合部を備える。半田接合部が太陽電池セル11の電極に接合される。
タブストリング15の幅は、太陽電池セル11への光入射量を多くする点では、できるだけ細いことが好ましいが、細すぎると、導電性および強度を確保できなくなる。これらのことから、タブストリング15の幅は、1.0〜3.0mmであることが好ましく1.5〜2.0μmであることがより好ましい。
タブストリング15の厚さは、導電性および強度を向上させる点では、できるだけ厚いことが好ましい。しかし、タブストリング15が厚すぎると、圧着工程の際、タブストリング15の嵩高かい体積によって太陽電池セル11との段差が大きくなり、太陽電池セル11上に気泡が発生しやすい傾向にある。これらのことから、タブストリング15の厚さは、100〜400μmであることが好ましく、150〜300μmであることがより好ましい。
(太陽電池モジュールの製造方法)
太陽電池モジュールの製造方法としては、タブストリング15を用いて電気的に接続した複数の太陽電池セル11を一対の封止材12で挟み、さらに封止材12を透明保護材13とバックシート14とで挟んだ後、加熱して、封止材12同士、封止材12と透明保護材13、封止材12とバックシート14とを接着する方法が挙げられる。
封止材12による封止の際には、封止材に含まれる架橋剤(B)の分解温度以上に加熱することが好ましい。架橋剤(B)の分解温度以上に加熱すれば、封止材12に含まれるオレフィン系樹脂(A)が架橋剤(B)によって充分に架橋され、封止材12の耐久性をより向上させることができる。
(作用効果)
以上説明した本発明の太陽電池モジュールにあっては、上述した本発明の封止材によって太陽電池セルが封止されたものであるため、優れたPID特性を有する。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
各実施例および比較例で使用した原料、測定・評価方法は、以下の通りである。
<原料>
・オレフィン系樹脂(A−1):エチレン−α−オレフィン共重合体(メタロセン系プラストマー、日本ポリエチレン株式会社製、「カーネル(登録商標)KS560T」、密度:0.898g/cm、MFR:16.5g/10分、融点:90℃)。
・オレフィン系樹脂(A−2):エチレン−α−オレフィン共重合体(メタロセン系プラストマー、日本ポリエチレン株式会社製、「カーネル(登録商標)KJ640T」、密度:0.880g/cm、MFR:30.0g/10分、融点:58℃)。
・架橋剤(B−1):tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート(化薬アクゾ株式会社製、「トリゴノックス117」、1/2半減温度(時間)119℃)。
・イソシアヌレート化合物(C−1):トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート(新中村化学工業株式会社製、「A−9300」)。
・架橋助剤(D−1):トリアリルイソシアヌレート(日本化成株式会社製、「タイク(登録商標)」)。
・接着助剤:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、「KBM−503」)。
・耐候剤:2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、BASFジャパン株式会社製、「CHIMASSORB(登録商標)81」)。
<測定・評価>
(密度の測定)
オレフィン系樹脂の密度は、JIS K 7112:1999(ISO 1183:1987)に従い測定した。
(MFRの測定)
オレフィン系樹脂のMFRは、JIS K 6922−2:2010(ISO 1133:2005)に従い、温度:190℃、荷重:21.18Nの条件で測定した。
(融点の測定)
オレフィン系樹脂の融点は、JIS K 7121:2012(ISO 3146)に従い測定した。
(透明性の評価)
封止材(厚さ:1.0mm)を一対の白板ガラス(厚さ:1.0mm)で挟んで積層体を作製した。この積層体を樹脂製の袋に入れ、太陽電池モジュール製造用のラミネータを用いて、150℃に加熱するとともに、袋内部を4分間真空状態にした後に12分間プレスすることによって試験片を得た。
試験片の全光線透過率を、JIS K 7105に従い測定した。全光線透過率が大きいほど透明性が高く、90%以上を合格とした。
(体積固有抵抗率の測定)
封止材(厚さ:1.0mm)を離型フィルム(ポリエステル、厚さ:100μm)で挟んで積層体を作製した。この積層体を樹脂製の袋に入れ、太陽電池モジュール製造用のラミネータを用いて、150℃に加熱するとともに、袋内部を4分間真空状態にした後に12分間プレスすることによって試験片を得た。
試験片について、高抵抗測定装置(アジレント・テクノロジー株式会社製、「ハイ・レジスタンス・メーター」)を用い、JIS K 6911−1995に従い体積固有抵抗率を測定した。
(PID特性の評価)
2枚の封止材(厚さ:0.5mm)で、タブストリングを固定した多結晶シリコン系太陽電池セルの1枚を挟み、これらを白板ガラス(厚さ:3.2mm)と、バックシート(ポリエステル、厚さ:0.25mm)とで挟んで積層体を得た。この積層体を樹脂製の袋に入れ、太陽電池モジュール製造用のラミネータを用いて、150℃に加熱するとともに、袋内部を4分間真空状態にした後に12分間プレスすることによって試験用太陽電池モジュールを得た。
得られた試験用太陽電池モジュールの初期の発電量を、ソーラーシミュレータ(日清紡メカトロニクス株式会社製、「PVS1114iD」)を用いて測定した。
温度60℃、相対湿度85%の環境下、試験用太陽電池モジュールの太陽電池セルとバックシートとの間に、1000Vの電圧を96時間印加し、PID試験を行った。PID試験後の試験用太陽電池モジュールの発電量を測定し、下記式(1)よりPID試験前の発電量に対するPID試験後の発電量の低下率を求めた。低下率が小さいほどPID特性に優れ、5%以下を合格とした。
低下率(%)={(PID試験前の発電量−PID試験後の発電量)/PID試験前の発電量}×100 ・・・(1)
(耐ブリード性の評価)
封止材(厚さ:1.0mm)を温度30℃、相対湿度60%に保った恒温室内に4か月放置した後、封止材の外観を目視にて観察し、以下の評価基準にて耐ブリード性を評価した。
○:ブリードなし。
×:ブリードあり。
<実施例1>
オレフィン系樹脂(A−1)100質量部と、架橋剤(B−1)0.4質量部と、イソシアヌレート化合物(C−1)0.2質量部と、架橋助剤(D−1)0.5質量部と、接着助剤0.1質量部と、耐候剤0.35質量部とを混合して、混合物を得た。得られた混合物をプレス成形して、厚さ0.5mmまたは1.0mmのシート状の封止材を得た。
得られた封止材を用いて、透明性、PID特性および耐ブリード性を評価し、体積固有抵抗率を測定した。これらの結果を表1に示す。
<実施例2>
イソシアヌレート化合物(C−1)の量を0.8質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてシート状の封止材を作製し、各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例3>
イソシアヌレート化合物(C−1)の量を1.2質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてシート状の封止材を作製し、各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
イソシアヌレート化合物(C−1)を用いなかった以外は、実施例1と同様にしてシート状の封止材を作製し、各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例2>
オレフィン系樹脂(A−1)の代わりにオレフィン系樹脂(A−2)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシート状の封止材を作製し、各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例3>
オレフィン系樹脂(A−1)の代わりにオレフィン系樹脂(A−2)を用い、かつイソシアヌレート化合物(C−1)の量を0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にしてシート状の封止材を作製し、各種測定および評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2017195243
表1から明らかなように、各実施例で得られた封止材は、透明性に優れ、かつ太陽電池モジュールにした際にPID特性に優れていた。また、体積固有抵抗率が高かった。
特に、イソシアヌレート化合物(C−1)の含有量が、オレフィン系樹脂(A−1)の100質量部に対して0.2〜0.8質量部である実施例1、2の封止材は、耐ブリード性にも優れていた。
一方、イソシアヌレート化合物(C−1)を用いなかった比較例1の封止材は、透明性に劣っていた。
密度が0.880であるオレフィン系樹脂(A−2)を用いた比較例2、3の封止材は、太陽電池モジュールにした際のPID特性に劣っていた。
本発明の太陽電池モジュール用封止材は、発電効率が高く、かつPID現象が抑えられた太陽電池モジュールの封止材として有用である。
10 太陽電池モジュール
11 太陽電池セル
12 封止材
13 透明保護材
14 バックシート
15 タブストリング

Claims (4)

  1. 密度が0.890g/cm以上であるオレフィン系樹脂(A)と、
    架橋剤(B)と、
    (メタ)アクリロイルオキシアルキレン基を有するイソシアヌレート化合物(C)とを含有する、太陽電池モジュール用封止材。
  2. 前記イソシアヌレート化合物(C)の含有量が、前記オレフィン系樹脂(A)の100質量部に対して0.2〜0.8質量部である、請求項1に記載の太陽電池モジュール用封止材。
  3. 架橋助剤(D)をさらに含有する、請求項1または2に記載の太陽電池モジュール用封止材。
  4. 太陽電池セルと、
    前記太陽電池セルを挟持した一対の封止材とを備え、
    前記一対の封止材の少なくとも一方が、請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール用封止材である、太陽電池モジュール。
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