JP2017195021A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】低温時における始動信頼性の高い燃料電池システムを提供する。【解決手段】反応ガスの供給によって発電する複数のセル12を積層した燃料電池スタック10と、燃料電池スタック10内に冷却媒体を循環させる冷却媒体循環系70と、燃料電池スタック10の冷却媒体出口温度T1を計測する温度センサ78と、冷却媒体出口温度T1が氷点下の際に、冷却媒体出口温度T1が予め設定した暖機終了温度βを超えるまで燃料電池スタック10を暖機運転させるとともに、冷却媒体出口温度T1が、予め設定した走行許可判定温度T3を超えた場合に走行許可を出す低温起動時制御部92と、を備え、低温起動時制御部92は、暖機運転の終了前に、燃料電池スタック10の冷却媒体出口温度の推定値である冷却媒体出口推定温度T2を算出し、走行許可後の冷却媒体出口温度T1と冷却媒体出口推定温度T2との差(T1-T2)が、予め設定した所定値α以上の場合に反応ガスの供給量を前回停止時の掃気流量以下に制限する。【選択図】図4

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池車等に搭載される燃料電池システムとして、暖機処理中に燃料電池スタックの冷却媒体出口温度が0℃以上、または、0℃以下であっても温度の上昇率等から推測して生成水が凍結するおそれがないと判定できる状態に移行した場合に、燃料電池からの出力を許可し、出力許可状態を冷却媒体出口温度から算出した発電可能電力に応じて、段階的に表示するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−192380号公報
ところで、燃料電池スタックの暖機処理中、セル面内での温度の偏りが生じると、温度が比較的高い部分にのみ冷却媒体が流れ、冷却媒体出口温度が通常より早く上昇することがある。そのため、出力許可を燃料電池スタックの冷却媒体出口温度のみで判定すると、出力許可の判定が誤判定とされる場合がある。その状態で出力要求に応じてガス流量を増加させると、セルの流路内に残留した液水が高温領域から氷点下の低温領域へ移動して再凍結し、再凍結にる流路の閉塞が発生し、低温時における始動信頼性が低下するおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、低温時における始動信頼性の高い燃料電池システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池システムは、
反応ガスの供給によって発電する複数のセルを積層した燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタック内に冷却媒体を循環させる冷却媒体循環系と、
前記燃料電池スタックの冷却媒体出口温度T1を計測する温度センサと、
前記冷却媒体出口温度T1が氷点下の際に、冷却媒体出口温度T1が予め設定した暖機終了温度βを超えるまで前記燃料電池スタックを暖機運転させるとともに、前記冷却媒体出口温度T1が、予め設定した走行許可判定温度T3を超えた場合に走行許可を出す低温起動時制御部と、を備え、
前記低温起動時制御部は、
前記暖機運転の終了前に、
前記燃料電池スタックの冷却媒体出口温度の推定値である冷却媒体出口推定温度T2を算出し、
前記走行許可後の前記冷却媒体出口温度T1と前記冷却媒体出口推定温度T2との差(T1-T2)が、予め設定した所定値α以上の場合に前記反応ガスの供給量を前回停止時の掃気流量以下に制限する。
この構成の燃料電池システムによれば、セルの面内に氷点下の低温領域が存在する状態での出力要求応答による反応ガスの流量増加に制限をかけるため、セル内の液水の移動を抑制することができる。これにより、液水がセルにおける低温領域へ移動して再凍結することによる流路内での反応ガスの圧損を抑えることができ、低温時における始動信頼性を高めることができる。
本発明の燃料電池システムによれば、低温時における始動信頼性を高めることができる。
本発明の一実施形態における燃料電池システムの概略構成図である。 温度分布が生じた状態のセルを示すセルの平面図である。 セルの含水量分布発生時と通常時との比較を表すグラフであって、(a)は冷却媒体出口温度を示すグラフ、(b)は空気の流量を示すグラフ、(c)は空気入口の圧損を示すグラフである。 低温起動時制御部を備えた制御部による氷点下始動の制御を説明するフローチャートである。
次に、本発明に係る燃料電池システムの一実施の形態を説明する。以下、この燃料電池システムを燃料電池車両の車載発電システムに適用した場合について説明するが、本発明はこのような適用例に限らず、船舶,航空機,電車、歩行ロボット等のあらゆる移動体への適用や、例えば燃料電池が建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システムへの適用も可能である。
図1は、本発明の一実施形態における燃料電池システムの概略構成図である。この燃料電池システム100は、燃料電池スタック10により得られた電力を駆動用電力として用いる車両(以下、「燃料電池車両」と呼ぶ)に搭載されている。燃料電池システム100は、燃料電池スタック10と、燃料電池スタック10に水素を供給する水素供給排出系50と、燃料電池スタック10に酸素を含む空気を供給する酸化ガス供給排出系60と、冷却媒体を循環させて燃料電池スタック10を冷却する冷却媒体循環系70と、燃料電池スタック10からの電力を動力に変換する動力出力系80と、燃料電池システム100全体の制御を行う制御部90と、を備える。
燃料電池スタック10は、発電の単位モジュールである燃料電池セル(以下、単に「セル」と呼ぶ)12を複数、積層したスタック構造を有している。燃料電池のタイプとしては種々の種類の燃料電池を用いることが可能であり、本実施形態では、固体高分子型燃料電池を用いている。各セル12は、電解質膜の各面にアノードおよびカソードの電極が形成された膜電極接合体(MEAとも呼ばれる)を含んでいる。各セル12は、さらに、MEAを挟むように配置され、反応ガスとしての水素および空気を拡散させつつMEAに供給するガス拡散層を含んでいる。燃料電池スタック10の各セル12は、水素と空気に含まれる酸素との電気化学反応により発電を行う。なお、本実施形態において、各セル12の構成や仕様は互いに同一である。
水素供給排出系50は、水素タンク51と、減圧弁52と、水素供給路53と、圧力調整弁54と、アノード排ガス路55と、水素ポンプ56と、排ガス排出路57と、開閉弁58と、を含んでいる。水素供給排出系50は、水素タンク51に貯蔵された燃料ガスとしての水素を減圧弁52によって減圧した後に水素供給路53に放出する。また、水素供給排出系50は、水素供給路53に放出された水素を水素供給路53に設けられた圧力調整弁54によって所定の圧力に調整して、燃料電池スタック10のアノードに供給する。一方、水素供給排出系50は、アノード排ガス路55に排出されるアノード排ガスを水素ポンプ56によって再び水素供給路53に供給する。また、水素供給排出系50は、アノード排ガス路55から分岐した排ガス排出路57に設けられた開閉弁58を開状態とすることで、アノード排ガスの一部を外部に排出することができる。
酸化ガス供給排出系60は、エアコンプレッサ61と、酸化ガス供給路62と、カソード排ガス路63とを含んでいる。酸化ガス供給排出系60は、外部から取り込んだ酸化ガスとしての空気をエアコンプレッサ61により加圧し、酸化ガス供給路62を介して燃料電池スタック10のカソードに供給する。また、酸化ガス供給排出系60は、カソード排ガス路63に排出されるカソード排ガスをカソード排ガス路63から燃料電池スタック10の外部に排出する。
冷却媒体循環系70は、ラジエータ71と、循環ポンプ72と、冷却媒体供給流路73と、冷却媒体排出流路74と、バイパス流路75と、ロータリ弁76と、供給側温度センサ77と、排出側温度センサ78と、を含んでいる。冷却媒体供給流路73は、上流側の端部がラジエータ71に接続され、下流側の端部が燃料電池スタック10の冷却媒体供給口14に接続されている。冷却媒体供給流路73には、上流側から下流側に向かって順に、ロータリ弁76、循環ポンプ72、供給側温度センサ77がこの順に配置されている。一方、冷却媒体排出流路74は、上流側の端部が燃料電池スタック10の冷却媒体排出口16に接続され、下流側の端部がラジエータ71に接続されている。冷却媒体排出流路74には、排出側温度センサ78が配置されている。バイパス流路75は、上流側の端部が冷却媒体排出流路74に接続され、下流側の端部がロータリ弁76と接続されている。
冷却媒体循環系70は、ラジエータ71により冷却された冷却媒体を循環ポンプ72により圧送し、冷却媒体供給流路73を介して燃料電池スタック10に供給する。燃料電池スタック10に供給された冷却媒体は、冷却媒体供給口14から冷却媒体供給マニホールドMsを介して各セル12に導かれ、各セル12を冷却する。各セル12を冷却した後の冷却媒体は、冷却媒体排出マニホールドMeを介して集約され、冷却媒体排出口16から冷却媒体排出流路74に排出される。
冷却媒体循環系70は、燃料電池スタック10から冷却媒体排出流路74に排出された冷却媒体をラジエータ71に循環させる。冷却媒体循環系70は、ラジエータ71に循環された冷却媒体を再び燃料電池スタック10に供給する。なお、冷却媒体循環系70は、ロータリ弁76の切り替えにより、燃料電池スタック10から冷却媒体排出流路74に排出された冷却媒体を再び燃料電池スタック10に供給するときに、ラジエータ71を経由させずに冷却媒体供給流路73から燃料電池スタック10に供給することもできる。また、冷却媒体循環系70における冷却媒体の循環量は、循環ポンプ72の冷却媒体を循環させる駆動力、すなわち吐出力を調整することによって、可変することができる。
供給側温度センサ77は、冷却媒体供給流路73における燃料電池スタック10の冷却媒体供給口14付近に配置され、燃料電池スタック10に供給される冷却媒体の温度である冷却媒体入口温度を検出する。排出側温度センサ78は、冷却媒体排出流路74における燃料電池スタック10の冷却媒体排出口16付近に配置され、燃料電池スタック10から排出される冷却媒体の温度である冷却媒体出口温度を検出する。なお、本実施形態で使用される冷却媒体としては、水のほか、水とエチレングリコールとの混合液などを用いることができる。
動力出力系80は、モータ81と、モータ制御部82と、燃料電池スタック10からの電力をモータ制御部82に供給するための電気配線83と、を含んでいる。モータ81は、燃料電池車両の主動力源を構成する。モータ制御部82は、燃料電池スタック10からの電力の出力(放電)を制御する。この結果、動力出力系80によって、燃料電池スタック10で発生した電力は、燃料電池車両を走行するための動力に変換される。なお、動力出力系80には、燃料電池スタック10の出力電圧を検出する電圧センサ85と、燃料電池スタック10の出力電流を検出する電流センサ86とが備えられている。
制御部90は、図示しないCPUやメモリ等を備えたコンピュータである。制御部90は、電圧センサ85、電流センサ86、供給側温度センサ77、排出側温度センサ78のほか、燃料電池システム100の各部に配された温度センサや圧力センサ、スイッチ等からの信号を受けて、受けた信号に基づき燃料電池システム100全体の制御を行う。スイッチとしては、燃料電池車両を始動する始動スイッチ99等が設けられている。
本実施形態における制御部90は、燃料電池システム100の全体の制御の一部に対応する機能要素として、燃料電池スタック10の低温起動時に燃料電池システム100を制御する低温起動時制御部92を備える。
この低温起動時制御部92を備えた制御部90は、氷点下において、暖機運転である急速暖機を行うことで始動を行う。急速暖機では、例えば、冷却媒体の循環を低循環とし、燃料電池スタック10へ供給する空気の流量を低減させ、燃料電池スタック10のセル12の電圧を0V付近まで下げることで、燃料電池スタック10における発熱量を増加させる。
ところで、この氷点下始動において、セル12の面内に含水量分布が生じていると、セル12では、その面内において発電に偏りが生じる。すると、この発電の偏りによって発電分布が発生し、この発電分布に応じてセル12の面内で温度分布が発生する。
このような状況において、燃料電池スタック10の排出側温度センサ78によって検出される冷却媒体出口温度T1が氷点突破しても、図2に示すように、セル12の面内では、例えば、氷点下などの温度が低い低温領域LAと、この低温領域LAよりも温度が高い高温領域HAが存在することとなる。そして、冷却媒体は、温度により粘度が異なるため、主に高温領域HA側を流れることとなる。このような状況において、出力要求に応じて空気及び水素の供給量が増加されると、高温領域HAから低温領域LAへ液水が移動し、この液水が低温領域LAにおいて再凍結し、セル12における空気及び水素の流路の閉塞が発生し、圧損が大きくなる。
例えば、図3(a)に示すように、この氷点下始動において、セル12の面内に含水量分布が生じていると、含水量分布のない通常時(図3(a)中波線参照)の場合と比較し、セル12内を流れる一部の冷却媒体が加熱されて早く昇温することとなる(図3(a)中実線参照)。すると、排出側温度センサ78によって検出される冷却媒体出口温度T1に基づいて氷点(例えば、0℃)突破した際に指令される走行許可のタイミングが通常時のタイミングt1よりも早いタイミングt2となる。すると、図3(b)に示すように、空気の供給タイミングも、通常時(図3(b)中波線参照)と比べて、含水量分布発生時では早くなる(図3(b)中実線参照)。また、図3(c)に示すように、通常時における空気の圧損(図3(c)中波線参照)と比べて、含水量分布発生時では、セル12の面内における空気の流路内で液水が再凍結して流路が閉塞されることで、セル12の流路での圧損が大きくなり(図3(c)中実線参照)、円滑に氷点下始動ができなくなるおそれがある。
このため、本実施形態に係る燃料電池システム100では、セル12の面内の温度分布も考慮した氷点下始動を行う。
次に、低温起動時制御部92を備えた制御部90による氷点下始動の制御について説明する。
図4は、低温起動時制御部を備えた制御部による氷点下始動の制御を説明するフローチャートである。
まず、始動スイッチ99がオン状態にあるか否かを判定する(ステップS01)。ここで、始動スイッチ99がオン状態でない、すなわちオフ状態であると判定されたときには、制御部90は、ステップS01の処理を繰り返し実行し、始動スイッチ99が操作者によって操作されてオン状態となるのを待つ。
ステップS01で、始動スイッチ99がオン状態にあると判定された場合には、燃料電池スタック10を起動する(ステップS02)。詳しくは、水素供給排出系50および酸化ガス供給排出系60を制御して、燃料電池スタック10に空気および水素を供給することにより、燃料電池スタック10の発電を開始する。
次に、排出側温度センサ78によって検出される冷却媒体出口温度T1が0℃を下回っているか否かを判定する(ステップS03)。この判定は、燃料電池システム100の周囲の温度が氷点下であるか否かを、冷却媒体供給流路73内に残留している冷却媒体の温度に基づいて行うものである。
ステップS03で、冷却媒体出口温度T1が0℃以上であると判定された場合(ステップS03:No)には、表示部(図示略)に出力許可状態表示として「Ready ON」を表示させ、通常始動を開始する(ステップS04)。通常始動では、冷却媒体循環系70に備えられるロータリ弁76を、ラジエータ71を含む流路側に切り換えて、ラジエータ71を経由させて冷却媒体の循環を行う。
一方、ステップS03で、冷却媒体出口温度T1が0℃を下回っていると判定された場合(ステップS03:Yes)には、ステップS05以降の低温時での始動制御を行う。なお、燃料電池システム100の周囲の温度が氷点下であるかの判定の温度は0℃に限る必要はなく、−2℃、−4℃等、他の0℃以下の温度とすることができる。
低温時の始動制御では、まず、暖機運転である急速暖機を実施すべく氷点下始動を実施する(ステップS05)。この氷点下始動では、冷却媒体の循環を低循環とし、燃料電池スタック10へ供給する空気の流量を低減させ、燃料電池スタック10のセル12の電圧を0V付近まで下げることで、燃料電池スタック10における発熱量を増加させる。
急速暖機の実施後、冷却媒体出口温度T1が走行許可判定温度T3よりも下回っているか否かを判定する(ステップS06)。ここで、走行許可判定温度T3は、例えば、−10℃などの過冷却状態が維持される温度である。
このステップS06において、急速暖機の実施後、冷却媒体出口温度T1が走行許可判定温度T3以上である場合(ステップS06:No)、急速暖機を継続した状態で、燃料電池スタック10からの出力による車両の走行を許可し、表示部(図示略)に出力許可状態表示として「Ready ON」を表示させる(ステップS09)。例えば、走行許可判定温度T3を−10℃とした場合、−10℃≦T1<0℃の状態のときにステップS09へ移行する。
ステップS06において、冷却媒体出口温度T1が走行許可判定温度T3に達していない場合(ステップS06:Yes)、燃料電池スタック10からの出力による車両の走行を不可の状態とし、表示部(図示略)に出力許可状態表示である「Ready ON」を表示させることなく、急速暖機を継続する(ステップS07)。
走行不可状態(「Ready ON」非表示)でかつ急速暖機を継続した状態で、冷却媒体出口温度T1と冷却媒体出口推定温度T2との差(T1−T2)が所定値αよりも下回っているか否かを判定する(ステップS08)。
ここで、冷却媒体出口推定温度T2とは、例えば、燃料電池スタック10の発電による発熱量と熱容量との関係から推定した温度の推定値である。具体的には、燃料電池スタック10の推定温度である冷却媒体出口推定温度T2は、次式(1)(2)に基づいて、電圧センサ85で検出される出力電圧、電流センサ86で検出される出力電流、燃料電池スタック10の熱容量(kJ/K)と発熱量(kW)の積算値(kJ)の関係等から求められる。
発熱量=出力電流×(理論起電圧−出力電圧)…(1)
冷却媒体出口推定温度T2=発熱量の積算値÷熱容量…(2)
また、所定値αは、予め設定された温度値であり、燃料電池スタック10のセル12において、面内温度上昇が不均一となり、セル12の面内に温度分布が生じているおそれのある温度値である。
冷却媒体出口温度T1と冷却媒体出口推定温度T2との差(T1−T2)が所定値α以上の場合(ステップS08:No)、セル12の面内温度上昇が不均一となっているため、セル12の面内で氷点下の低温領域LAがあると判定し、走行不可状態で急速暖機を継続した状態を維持する。
冷却媒体出口温度T1と冷却媒体出口推定温度T2との差(T1−T2)が所定値αよりも下回っている場合(ステップS08:Yes)、急速暖機を継続した状態で、燃料電池スタック10からの出力による車両の走行を許可し、表示部(図示略)に出力許可状態表示として「Ready ON」を表示させる(ステップS09)。
走行許可状態(「Ready ON」表示)でかつ急速暖機を継続した状態で、冷却媒体出口温度T1が急速暖機終了温度βを上回っているか否かを判定する(ステップS10)。ここで、急速暖機終了温度βは、予め設定された温度値であり、例えば、30℃から50℃程度の燃料電池スタック10における発電が適切に行われる温度値である。
冷却媒体出口温度T1が急速暖機終了温度βを上回っている場合(ステップS10:Yes)、急速暖機を終了して通常運転を開始し、車両の通常走行を可能とする(ステップS11)。
冷却媒体出口温度T1が急速暖機終了温度β以下の場合(ステップS10:No)、走行許可状態(「Ready ON」表示)でかつ急速暖機を継続した状態を維持しながら、冷却媒体出口温度T1と冷却媒体出口推定温度T2との差(T1−T2)が所定値αよりも下回っているか否かを判定する(ステップS12)。
ステップS12において、冷却媒体出口温度T1と冷却媒体出口推定温度T2との差(T1−T2)が所定値αよりも下回っている場合(ステップS12:Yes)、走行許可状態(「Ready ON」表示)でかつ急速暖機を継続した状態で(ステップS09)、冷却媒体出口温度T1が急速暖機終了温度βを上回っているか否かの判定に移行する(ステップS10)。
ステップS12において、冷却媒体出口温度T1と冷却媒体出口推定温度T2との差(T1−T2)が所定値α以上の場合(ステップS12:No)、燃料電池スタック10のセル12において、依然としてセル12の面内温度上昇が不均一となっていることが推定される。この場合、冷却媒体出口温度T1と冷却媒体出口推定温度T2との差(T1−T2)が所定値αよりも下回るまで、ガス流量制限処理を行う(ステップS13)。具体的には、前回の停止時に実施した掃気処理のための掃気流量を最大とし、燃料電池スタック10への空気及び水素の供給量を、その掃気流量以下に制限する。このようにすると、前回の停止時の掃気処理で移動しなかった液水を、セル12の面内温度上昇が不均一となっていることが推定された状態においても移動させないようにできる。これにより、液水がセル12の面内の氷点下の低温領域LAへ移動することによる再凍結が抑制されて流路の閉塞が抑えられる。
以上、説明したように、本実施形態に係る燃料電池システム100によれば、セル12の面内に氷点下部分などの低温領域LAが存在する状態での出力要求応答による空気及び水素の流量増加に制限をかけるため、セル12内の液水の移動を抑制することができる。これにより、液水がセル12における低温領域LAへ移動して再凍結することによる流路内での空気及び水素の圧損を抑えることができ、低温時における始動信頼性を高めることができる。
なお、本実施形態は、流路が屈曲しながら連続して繋がるサーペンタイン形状等の流路よりも、複数本並列されたストレート形状等の流路を有するセル12を備えた場合に好適である。
10 燃料電池スタック
12 セル
70 冷却媒体循環系
78 温度センサ
92 低温起動時制御部
100 燃料電池システム
T1 冷却媒体出口温度
T2 冷却媒体出口推定温度
T3 走行許可判定温度
α 所定値
β 暖機終了温度

Claims (1)

  1. 反応ガスの供給によって発電する複数のセルを積層した燃料電池スタックと、
    前記燃料電池スタック内に冷却媒体を循環させる冷却媒体循環系と、
    前記燃料電池スタックの冷却媒体出口温度T1を計測する温度センサと、
    前記冷却媒体出口温度T1が氷点下の際に、冷却媒体出口温度T1が予め設定した暖機終了温度βを超えるまで前記燃料電池スタックを暖機運転させるとともに、前記冷却媒体出口温度T1が、予め設定した走行許可判定温度T3を超えた場合に走行許可を出す低温起動時制御部と、を備え、
    前記低温起動時制御部は、
    前記暖機運転の終了前に、
    前記燃料電池スタックの冷却媒体出口温度の推定値である冷却媒体出口推定温度T2を算出し、
    前記走行許可後の前記冷却媒体出口温度T1と前記冷却媒体出口推定温度T2との差(T1-T2)が、予め設定した所定値α以上の場合に前記反応ガスの供給量を前回停止時の掃気流量以下に制限する
    燃料電池システム。
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