JP2017194492A - 波長変換部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性の低い蛍光体を用いた場合でも、ガラス中に蛍光体を封止する際に劣化しにくく、さらに耐候性に優れ、長期間に亘って使用しても経時変化により劣化しにくい波長変換部材を提供する。【解決手段】カチオン%で、P5+0.1〜80%、及びSn2+1〜90%、アニオン%で、F−+Cl−0.1〜70%を含有し、β−OH値が1mm−1以下あるガラスと、前記ガラス中に封止されてなる蛍光体と、を有することを特徴とする波長変換部材。【選択図】図1

Description

本発明は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)やレーザーダイオード(LD:Laser Diode)等の発する光の波長を別の波長に変換する波長変換部材に関する。
近年、白色LEDは、白熱電球や蛍光灯に代わる次世代の光源として、照明用途への応用が進みつつある。そのような次世代光源の一例として、例えば特許文献1には、青色光を出射するLED上に、LEDからの光の一部を吸収して黄色光に変換する波長変換部材が配置された光源が開示されている。この光源は、LEDから出射された青色光と、波長変換部材から出射された黄色光との合成光である白色光を発する。
波長変換部材としては、従来、樹脂マトリクス中に蛍光体を分散させたものが用いられていた。しかしながら、当該波長変換部材を用いた場合、LEDからの光により樹脂マトリクスが劣化し、光源の輝度が低くなりやすいという問題がある。具体的には、LEDが発する熱や高エネルギーの短波長(青色〜紫外)光によって樹脂マトリクスが劣化し、変色や変形を起こすという問題がある。
上記問題を解決するために、特許文献2には、500℃以上の軟化点を有する非鉛系ガラス粉末と蛍光体を含む材料をガラスの屈伏点付近の温度で焼結することで、ガラスマトリクス中に蛍光体を分散させた波長変換部材が提案されている。当該波長変換部材は、蛍光体が無機材料であるガラスマトリクス中に分散されているため、化学的に安定で劣化が少なく、しかも励起光による部材の変色も生じにくいという利点を有する。しかしながら、蛍光体の中には耐熱性の低いものがあり、これを500℃以上の軟化点を有する非鉛系ガラス粉末とともに焼結すると、蛍光体が熱劣化して発光効率が低下するという問題がある。
そこで、蛍光体の熱劣化を抑制するため、ガラス転移点が500℃未満のガラスマトリクス中に蛍光体を分散させる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−208815号公報 特開2003−258308号公報 特開2012−158494号公報
特許文献3に記載の波長変換部材も、ガラス中に蛍光体を封止する際の熱処理温度が500℃以上と依然として高いため、蛍光体が劣化したり、あるいは熱処理時にガラスが蛍光体と反応して変色するという問題が生じやすい。また、ガラスの耐候性が低いため、特に湿度の高い環境下では、使用中に波長変換部材の表面が変質して光透過率が低下し、発光効率が大幅に低下するという問題もある。
以上に鑑み、本発明は、耐熱性の低い蛍光体を用いた場合でも、ガラス中に蛍光体を封止する際に劣化しにくく、さらに耐候性に優れ、長期間に亘って使用しても経時変化により劣化しにくい波長変換部材を提供することを目的とする。
本発明は、カチオン%で、P5+ 0.1〜80%、及びSn2+ 1〜90%、アニオン%で、F+Cl 0.1〜70%を含有し、β−OH値が1mm−1以下であるガラスと、ガラス中に封止されてなる蛍光体と、を有することを特徴とする波長変換部材に関する。
本発明の波長変換部材に用いられるガラスは、組成中に所定量のSn2+を含有しているため、耐侯性や化学的耐久性に優れている。また、本発明者の調査の結果、ガラス中のβ−OH値が耐候性に影響を与えることを見出した。具体的には、β−OH値を上記の範囲に規制することにより、ガラスの耐候性をさらに向上させることが可能となる。なお、ガラスを構成する陰イオンとして、F及びClを上記所定範囲で含有するため、屈伏点の低いガラスとなり、ガラス中に蛍光体を封止する際に、蛍光体が劣化しにくいという特徴を有する。なお、本明細書において、「○+○+・・・」は該当する各成分の合量を意味する。
本発明の波長変換部材において、ガラスが、カチオン%で、P5++Sn2+ 50%以上を含有することが好ましい。当該構成によれば、ガラスの耐失透性や機械的強度を向上させることが可能となる。
本発明の波長変換部材において、ガラスの屈伏点が300℃以下であることが好ましい。当該構成によれば、ガラス中に蛍光体を封止する際に、蛍光体が劣化しにくくなる。
本発明の波長変換部材において、蛍光体が、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、酸化物蛍光体、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体、アルミン酸塩蛍光体及び量子ドット蛍光体から選択される1種以上であることが好ましい。
本発明の波長変換部材は、例えばガラス粉末と蛍光体粉末の焼結体からなる。このようにすれば、ガラス中に蛍光体を均質に分散させることが可能となる。
本発明の波長変換部材は、例えばガラス板間に蛍光体が挟持されてなる。このようにすれば、蛍光体の封止性に優れるため、長期間に亘って使用した際に、外部環境の影響による蛍光体の劣化を抑制することができる。
本発明の発光装置は、上記の波長変換部材と、波長変換部材に対して、蛍光体の励起光を照射する光源と、を備えることを特徴とする。
本発明の波長変換部材は、耐熱性の低い蛍光体を用いた場合でも、ガラス中に蛍光体を封止する際に劣化しにくく、さらに耐候性に優れるため長期間に亘って使用しても経時変化により劣化しにくい。
本発明の発光装置の一実施形態を示す模式的側面図である。
本発明の波長変換部材は、カチオン%で、P5+ 0.1〜80%、及びSn2+ 1〜90%、アニオン%で、F+Cl 0.1〜70%を含有し、β−OH値が1mm−1以下であるガラスと、ガラス中に封止されてなる蛍光体と、を有することを特徴とする。以下に、ガラスにおける各成分の含有量をこのように限定した理由を説明する。なお、特に断りがない場合、以下の各成分の含有量に関する説明において、「%」は「カチオン%」または「アニオン%」を意味する。
5+はガラス骨格の構成成分である。また、光透過率を高める効果を有し、特に紫外域付近の光透過率を高める効果が高い。特に、高屈折率のガラスの場合は、P5+による光透過率向上の効果が得やすい。また、失透を抑制する効果や屈伏点を低下させる作用も有する。P5+の含有量は0.1〜80%であり、1〜78%であることが好ましく、5〜76%であることがより好ましく、10〜77%であることがさらに好ましく、20〜75%であることが特に好ましい。P5+の含有量が少なすぎると、前記効果が得にくくなる。一方、P5+の含有量が多すぎると、Sn2+の含有量が相対的に少なくなって、屈折率が低下しやすくなるとともに、耐候性が低下しやすくなる。
Sn2+は高屈折率特性を達成し、化学耐久性や耐候性を向上させるための必須成分である。また、屈伏点を低下させる効果もある。Sn2+の含有量は1〜90%であり、5〜87.5%であることが好ましく、10〜85%であることがより好ましく、15〜82.5%であることがさらに好ましく、20〜80%であることが特に好ましい。Sn2+の含有量が少なすぎると、上記効果が得にくくなる。一方、Sn2+の含有量が多すぎると、ガラス化しにくくなったり、耐失透性が低下しやすくなる。
5++Sn2+の含有量は50%以上であることが好ましく、70.5%以上であることがより好ましく、75%以上であることがさらに好ましく、80%以上であることが特に好ましく、85%以上であることが最も好ましい。P5++Sn2+の含有量が少なすぎると、耐失透性や機械的強度が低下しやすくなる。なお、上限は特に限定されず、P5++Sn2+の含有量が100%であってもよいが、他の成分を含有する場合は、99.9%以下であることが好ましく、99%以下であることがより好ましく、95%以下であることがさらに好ましく、90%以下であることが特に好ましい。
ガラスには、カチオン成分としてさらに以下の成分を含有させることができる。
3+、Zn2+、Si4+及びAl3+はガラス骨格の構成成分であり、特に化学耐久性を向上させる効果が大きい。B3++Zn2++Si4++Al3+の含有量は0〜50%であることが好ましく、0〜30%であることがより好ましく、0.1〜25%であることがさらに好ましく、0.5〜20%であることが特に好ましく、0.75〜15%であることが最も好ましい。B3++Zn2++Si4++Al3+の含有量が多すぎると、耐失透性が低下しやすくなる。また、溶融温度の上昇に伴いSn金属等が析出し、光透過率が低下しやすくなる。また、屈伏点が上昇しやすくなる。さらに、高屈折率のガラスが得にくくなる。なお、耐候性を向上させる観点からは、B3++Zn2++Si4++Al3+を0.1%以上含有させることが好ましい。なお、各成分の好ましい含有量範囲は以下の通りである。
3+はガラス骨格を構成する成分である。また、耐候性を向上させる効果があり、特に、ガラス中のP5+等の成分が水中へ選択的に溶出することを抑制する効果が大きい。B3+の含有量は0〜50%であることが好ましく、0.1〜45%であることがより好ましく、0.5〜40%であることがさらに好ましい。B3+の含有量が多すぎると、屈折率や耐失透性が低下しやすくなる。また、光透過率が低下する傾向がある。
Zn2+は融剤として作用する成分である。また、耐候性を向上させ、研磨洗浄水等の各種洗浄溶液中へのガラス成分の溶出を抑制したり、高温多湿状態でのガラス表面の変質を抑制したりする効果がある。また、Zn2+はガラス化を安定にする効果もある。以上に鑑み、Zn2+の含有量は0〜40%であることが好ましく、0.1〜30%であることがより好ましく、0.2〜20%であることがさらに好ましい。Zn2+の含有量が多すぎると、光透過率が低下したり、失透しやすくなる。
Si4+もガラス骨格を構成する成分である。また、耐候性を向上させる効果があり、特に、ガラス中のP5+等の成分が水中へ選択的に溶出することを抑制する効果が大きい。Si4+の含有量は0〜20%であることが好ましく、0.1〜15%であることがより好ましい。Si4+の含有量が多すぎると、屈折率が低下したり、屈伏点が高くなりやすい。また、未溶解による脈理や気泡がガラス中に残存しやすくなる。
Al3+は、Si4+やB3+とともにガラス骨格を構成することが可能な成分である。また、耐候性を向上させる効果があり、特にガラス中のP5+等の成分が水中へ選択的に溶出することを抑制する効果が大きい。Al3+の含有量は0〜20%であることが好ましく、0.1〜15%であることがより好ましい。Al3+の含有量が多すぎると、失透しやすくなる。また、光透過率が低下する傾向がある。さらに、溶融温度が高くなって、未溶解による脈理や気泡がガラス中に残存しやすくなる。
Mg2+、Ca2+、Sr2+及びBa2+(アルカリ土類金属イオン)は融剤として作用する成分である。また、耐候性を向上させ、研磨洗浄水等の各種洗浄溶液中へのガラス成分の溶出を抑制したり、高温多湿状態でのガラス表面の変質を抑制したりする効果がある。また、ガラスの硬度を高める成分である。但し、これらの成分の含有量が多すぎると、液相温度が上昇(液相粘度が低下)して、溶融または成形工程中に失透物が析出しやすくなる傾向がある。その結果、量産化しにくくなる。なお、これらの成分は屈折率を大きく変動させないという特徴がある。以上に鑑み、Mg2++Ca2++Sr2++Ba2+の含有量は0〜10%であることが好ましく、0〜7.5%であることがより好ましく、0.1〜5%であることがさらに好ましく、0.2〜1.5%であることが特に好ましい。
Liは、アルカリ金属酸化物のなかで最も軟化点を低下させる効果が大きい成分である。また、B3+、Si4+またはAl3+と置換することにより、屈折率を向上させることができる。ただし、Liは分相性が強いため、その含有量が多すぎると、液相温度が上昇して失透物が析出しやすくなり、作業性が低下するおそれがある。また、Liは化学耐久性を低下させやすく、光透過率も低下させやすい。さらに、Liがガラスから溶出すると蛍光体の発光を著しく低下させる場合がある。したがって、Liの含有量は好ましくは0〜10%、より好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0〜1%、特に好ましくは0〜0.1%である。
Naは、Liと同様に軟化点を低下させる効果を有する。また、B3+、Si4+またはAl3+と置換することにより、屈折率を向上させることができる。ただし、その含有量が多すぎると、屈折率が大幅に低下したり、脈理の生成を助長したりする傾向がある。また、液相温度が上昇して、ガラス中に失透物が析出しやすくなる。また、Naは化学耐久性を低下させやすく、光透過率も低下させやすい。さらに、Naがガラスから溶出すると蛍光体の発光を著しく低下させる場合がある。したがって、Naの含有量は好ましくは0〜10%、より好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0〜1%、特に好ましくは0〜0.1%である。
も、Liと同様に軟化点を低下させる効果を有する。また、B3+、Si4+またはAl3+と置換することにより、屈折率を向上させることができる。ただし、その含有量が多すぎると、屈折率が大幅に低下したり、耐候性が低下したりする傾向がある。また、液相温度が上昇して、ガラス中に失透物が析出しやすくなる。また、Kがガラスから溶出すると蛍光体の発光を著しく低下させる場合がある。さらに、Kは化学耐久性を低下させやすく、光透過率も低下させやすい。したがって、KOの含有量は好ましくは0〜10%、より好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0〜1%、特に好ましくは0〜0.1%である。
なお、Li+Na+Kの含有量は0〜10%であることが好ましく、0〜5%であることがより好ましく、0〜1%であることがさらに好ましく、0〜0,1%であることが特に好ましい。Li+Na+Kの含有量が多すぎると、失透しやすくなり、化学耐久性も低下する傾向がある。また、所望の光学特性が得にくくなる。
なお、アルカリ金属成分としてCsを含有させてもよい。Csは軟化点を低下させる効果を有する。ただし、その含有量が多すぎると、屈折率が大幅に低下したり、耐候性が低下したりする傾向がある。また、液相温度が上昇して失透物が析出しやすくなる。したがって、Csの含有量は好ましくは0〜1%、より好ましくは0〜0.5%であり、含有しないことがさらに好ましい。
La3+及びGd3+は、光透過率をほとんど低下させることなく、屈折率を向上させる成分である。ただし、その含有量が多すぎると耐失透性が低下しやすくなる。したがって、これらの成分の含有量は、それぞれ好ましくは0〜10%、より好ましくは0.1〜7.5%、さらに好ましくは1〜5%である。
Ta5+、W6+及びNb5+は、光透過率をほとんど低下させることなく、屈折率を高める効果がある。ただし、その含有量が多すぎると、耐失透性が低下しやすくなる。したがって、これらの成分の含有量は、それぞれ好ましくは0〜10%、より好ましくは0.1〜7.5%、さらに好ましくは1〜5%である。
Ti4+は屈折率を高める効果がある成分である。また、耐失透性の向上に有効な成分である。ただし、その含有量が多すぎると、光透過率が低下する傾向がある。特に、不純物としてFe成分がガラス中に多く含まれる場合(例えば20ppm以上)に光透過率が顕著に低下する傾向がある。また、逆に耐失透性が低下しやすくなる。したがって、Ti4+の含有量は好ましくは0〜10%、より好ましくは0.1〜7.5%、さらに好ましくは1〜5%以下である。
3+、Yb3+及びGe4+は、光透過率をほとんど低下させることなく、屈折率を高める効果がある。ただし、その含有量が多すぎると、耐失透性が低下しやすくなる。したがって、これらの成分の含有量は、それぞれ好ましくは0〜10%、より好ましくは0.1〜7.5%、さらに好ましくは1〜5%である。
Te4+及びBi3+は、光透過率を低下させやすい成分であり、特に酸素濃度の低い溶融条件では、黒化し、光透過率の低下が著しい。従って、Te4+及びBi3+の含有量はそれぞれ0〜1%であることが好ましく、含有しないことがより好ましい。
Zr4+は、化学耐久性や耐候性を向上させ、高屈折率な光学特性を得るための成分である。Zr4+の含有量は0〜5%であることが好ましく、0〜4%であることがより好ましく、0.1%〜3%であることがさらに好ましく、0.2〜2%であることが特に好ましい。Zr4+の含有量が多すぎると、耐失透性が低下しやすくなったり、溶融温度が上昇して光透過率が低下しやすくなる。
La3++Gd3++Ta5++W6++Nb5++Ti4++Y3++Yb3++Ge4+の含有量は0〜10%であることが好ましく、0.1〜7.5%であることがより好ましく、0.2〜5%であることがさらに好ましく、0.3〜2.5%であることが最も好ましい。La3++Gd3++Ta5++W6++Nb5++Ti4++Y3++Yb3++Ge4+の含有量が多すぎると、耐失透性が低下しやすくなったり、溶融温度が上昇して光透過率が低下しやすくなる。なお、高屈折率であり、耐侯性に優れたガラスを得るためには、La3++Gd3++Ta5++W6++Nb5++Ti4++Y3++Yb3++Ge4+を0.1%以上含有させることが好ましい。
Fe3+、Ni2+及びCo2+は、光透過率を低下させる成分である。よって、これら成分の含有量は、それぞれ0.1%以下であることが好ましく、含有させないことがより好ましい。
また、Ce4+、Pr3+、Nd3+、Eu3+、Tb3+及びEr3+等の希土類成分も光透過率を低下させるおそれがあるため、これらの成分の含有量はそれぞれ0.1%未満であることが好ましく、含有させないことがより好ましい。
In3+は失透傾向が強いため、含有しないことが好ましい。
なお、環境上の理由から、Pb2+及びAs3+を含有しないことが好ましい。
本発明におけるガラスは、アニオンとして、ハロゲン化物イオンであるFまたはClを含有する。F及びClは屈伏点を低下させる作用や光透過率を高める効果を有する。ただし、その含有量が多すぎると、溶融時の揮発性が高くなり脈理が発生しやすくなる。また、失透しやすくなる。本発明におけるガラスにおけるF+Clの含有量は0.1〜70%であり、1〜67.5%であることが好ましく、5〜65%であることがより好ましく、2〜30%であることがさらに好ましく、10〜60%であることが特に好ましい。なお、FやClを導入するための原料としては、SnFやSnClの他、La、Gd、Ta、W、Nb、Y、Yb、Ge、Mg、Ca、SrまたはBaのフッ化物及び塩化物が挙げられる。
ハロゲン化物イオンとしては、上記成分以外にもBr等を含有させてもよい。ハロゲン化物イオン以外としては、通常、酸素イオン(O2−)を含有する。
本発明で使用するガラスのβ−OH値は1mm−1以下であり、0.5mm−1以下であることが好ましく、0.1mm−1以下であることがより好ましく、0.08mm−1以下であることがさらに好ましく、0.06mm−1以下であることが特に好ましく、0.05mm−1以下であることが最も好ましい。β−OH値が大きすぎると、耐候性が低下しやすくなる。その結果、波長変換部材を長期間に亘って使用した際に、経時変化により劣化しやすくなる。また、β−OH値が大きすぎると、ガラス中に気泡が発生しやすくなる。ガラス中に気泡が含まれると、気泡中に含まれる酸素によって、特に耐久性の低い量子ドット蛍光体や窒化物蛍光体が経時劣化しやすくなる。また、波長変換部材中に含まれる気泡により過剰な光散乱が生じるため、発光効率が低下しやすくなる。β−OH値の下限は特に限定されないが、現実的には0.001mm−1以上、さらには0.002mm−1以上である。
β−OH値は、ガラス中に含まれる水分量を示す指標であり次のように定義される。
β−OH値=log(T1/T2)/t(mm−1
ここで、T1は3846mm−1の透過率(%)、T2は2500〜3500mm−1の範囲でみられるO−Hの振動に起因する吸収ピークの透過率(%)でありフーリエ変換赤外分光法等によって測定することができる。tは試料の厚み(mm)である。
ガラスの屈折率(nd)は、好ましくは1.6以上、より好ましくは1.65以上、さらに好ましくは1.7以上、特に好ましくは1.72以上である。ガラスの屈折率が小さすぎると、波長変換部材からの光の取り出し効率が低下しやすくなる。また、ガラスと蛍光体との屈折率差が大きくなり、両者の界面での光散乱ロスが大きくなって、発光強度が低下するおそれがある。なお、上限については特に限定されないが、屈折率が高すぎると、ガラス化の安定性が低下する傾向があるため、好ましくは1.95以下、より好ましくは1.9以下である。
ガラスの着色度λ70は500nm未満であることが好ましく、470nm以下であることがより好ましく、460nm以下であることがさらに好ましい。着色度λ70が大きすぎると、近紫外域〜可視域における光透過率に劣る傾向がある。結果として、蛍光体に照射される励起光量が低下したり、波長変換部材から所望の色合いの出射光が得にくくなる。
ガラスの屈伏点は300℃以下であることが好ましく、280℃以下であることがより好ましく、260℃以下であることがさらに好ましく、250℃以下であることが特に好ましい。ガラスの屈伏点が上記範囲を満たすことにより、比較的低温の熱処理によりガラス中に蛍光体を封止することが可能となり、蛍光体の劣化を抑制することができる。
ガラスの軟化温度(TF)と結晶化温度(Tc)との差は30℃以上であることが好ましく、40℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることがさらに好ましい。軟化温度(TF)と結晶化温度(Tc)との差が小さすぎると、熱処理時に結晶が析出しやすくなる。結果として、光透過率が低下したり、封止性が不十分になる(例えばガラス粉末の焼結が不十分になって緻密な焼結体が得にくくなる)傾向がある。
ガラスの20〜100℃における熱膨張係数は80×10−7〜220×10−7/℃であることが好ましく、100×10−7〜210×10−7/℃であることがより好ましく、120×10−7〜200×10−7/℃であることがさらに好ましい。熱膨張係数が低すぎる、あるいは高すぎると、波長変換部材を固定するための基材や、波長変換部材と基材を接着するための接着材との熱膨張係数が整合しなくなって、高温下での使用時にクラックが発生しやすくなる。
ガラスのJOGISに基づく耐水性が3級以上であることが好ましい。当該構成によれば、長期間に亘って使用しても経時変化により劣化しにくい波長変換部材となる。
ガラスは以下のようにして製造することができる。まず、所望の組成になるように原料を調合した後、溶融炉中で溶融を行う。原料としては、酸化物、炭酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ハロゲン化合物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、アスタチン化物)等を使用することができる。ここで、一次溶融によりカレットを作製後、当該カレットを用いて二次溶融を行なうことにより、屈折率の調整や組成の均質化を図ることができる。溶融雰囲気は不活性雰囲気または還元性雰囲気とすることが好ましい。例えば、窒素やアルゴン等の不活性雰囲気中で溶融することで、均質なガラスが得やすくなる。ガラス溶融用容器としては、白金や金等の金属、耐火物、石英ガラス、アルミナ、グラッシーカーボン等が使用できる。特に金製容器は、Sn2+との合金反応が起こりにくいため好ましい。なお、金属製容器としては、ZrO等の酸化物を分散させた強化材を使用することが好ましい。
なお、溶融条件によりガラス中のβ−OH値を調整することができる。具体的には、溶融温度が高いほど、また溶融時間が長いほどβ−OH値が低下しやすくなる。溶融時間及び溶融温度の好ましい範囲は組成によっても異なるが、例えば溶融温度は400〜1000℃であることが好ましく、450〜800℃であることがより好ましく、500〜700℃であることがさらに好ましく、520〜600℃であることが特に好ましい。また、溶融時間は0.5〜50時間であることが好ましく、0.6〜10時間であることがより好ましく、0.8〜5時間であることがさらに好ましい。溶融温度が低すぎる、あるいは溶融時間が短すぎると、β−OH値が高くなりやすい。一方、溶融温度が高すぎる、あるいは溶融時間が長すぎると、Sn金属等が析出して光透過率が低下しやすくなる。また、アニオン成分等が揮発して所望の組成が得られない、あるいは脈理が発生する等の不具合が発生しやすくなる。
溶融ガラスは型に流し出して板状に成形してもよいし、一対の冷却ローラー間に流し出してフィルム状に成形してもよい。ガラス粉末を得る場合は、板状またはフィルム状に成形したガラスをボールミル等で粉砕する。
ガラス粉末の粒子径は特に限定されないが、例えば、最大粒子径D99が200μm以下(特に150μm以下、さらには105μm以下)、かつ、平均粒子径D50が0.1μm以上(特に1μm以上、さらには2μm以上)であることが好ましい。ガラス粉末の最大粒子径D99が大きすぎると、波長変換部材において、励起光が散乱しにくくなり発光効率が低下しやすくなる。また、平均粒子径D50が小さすぎると、波長変換部材において、励起光が過剰に散乱して発光効率が低下しやすくなる。なお、平均粒子径D50及び最大粒子径D99はレーザー回折法により測定した値を指す。
蛍光体としては、一般に市場で入手できるものであれば特に限定されない。例えば、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、酸化物蛍光体(YAG蛍光体等のガーネット系蛍光体を含む)、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体(ハロリン酸塩化物蛍光体等)、アルミン酸塩蛍光体及び量子ドット蛍光体等が挙げられる。これらの蛍光体は通常、粉末状である。これらの蛍光体のうち、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体及び酸化物蛍光体は耐熱性が高く、焼成時に比較的劣化しにくいため好ましい。なお、窒化物蛍光体及び酸窒化物蛍光体は、近紫外〜青の励起光を緑〜赤という幅広い波長領域に変換し、しかも発光強度も比較的高いという特徴を有している。そのため、窒化物蛍光体及び酸窒化物蛍光体は、特に白色LED素子用波長変換部材に用いられる蛍光体として有効である。
上記蛍光体としては、波長300〜500nmに励起帯を有し波長380〜780nmに発光ピークを有するもの、特に青色(波長440〜480nm)、緑色(波長500〜540nm)、黄色(波長540〜595nm)または赤色(波長600〜700nm)に発光するものが挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると青色の発光を発する蛍光体としては、(Sr,Ba)MgAl1017:Eu2+、(Sr,Ba)MgSi:Eu2+等が挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると緑色の蛍光を発する蛍光体としては、SrAl:Eu2+、SrBaSiO:Eu2+、Y(Al,Gd)12:Ce3+、SrSiO:Eu2+、BaMgAl1017:Eu2+,Mn2+、BaMgSi:Eu2+、BaSiO:Eu2+、BaLiSi:Eu2+、BaAl:Eu2+等が挙げられる。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると緑色の蛍光を発する蛍光体としては、SrAl:Eu2+、SrBaSiO:Eu2+、Y(Al,Gd)12:Ce3+、SrSiOn:Eu2+、β−SiAlON:Eu2+等が挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると黄色の蛍光を発する蛍光体としては、LaSi11:Ce3+等が挙げられる。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると黄色の蛍光を発する蛍光体としては、Y(Al,Gd)12:Ce3+、SrSiO:Eu2+が挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると赤色の蛍光を発する蛍光体としては、CaGa:Mn2+、MgSrSi:Eu2+,Mn2+、CaMgSi:Eu2+,Mn2+等が挙げられる。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると赤色の蛍光を発する蛍光体としては、CaAlSiN:Eu2+、CaSiN:Eu2+、(Ca,Sr)Si:Eu2+、α−SiAlON:Eu2+等が挙げられる。
量子ドット蛍光体の具体例としては、CdSe、CdTe、ZnSe、CdS、PbSe、PbS、CIS、ZCIS、ZCIGS、CdSe/ZnS、ZnS/CdSe/ZnS、CdSe/ZnSe/ZnS等が挙げられる。量子ドット蛍光体は通常、有機溶媒に分散させた状態で取り扱われる。
なお、励起光や発光の波長域に合わせて、複数の蛍光体を混合して用いてもよい。例えば、紫外域の励起光を照射して白色光を得る場合は、青色、緑色、黄色、赤色の蛍光を発する蛍光体を混合して使用すればよい。
波長変換部材における蛍光体の含有量が多すぎると、励起光が効率良く蛍光体に照射されにくくなったり、機械強度が低下しやすくなる等の問題が生じる。一方、蛍光体の含有量が少なすぎると、所望の発光強度を得ることが困難になる。このような観点から、波長変換部材における蛍光体の含有量は、質量%で、好ましくは0.01〜50%、より好ましくは0.05〜40%、さらに好ましくは0.1〜30%の範囲で調整される。
なお、波長変換部材において発生した蛍光を、励起光入射側へ反射させ、主に蛍光のみを外部に取り出すことを目的とした波長変換部材においては、上記の限りではなく、発光強度が最大になるように、蛍光体の含有量を多くする(例えば、質量%で、50%〜80%、さらには55〜75%)ことができる。
本発明の波長変換部材は、ガラス中に蛍光体が封止されてなるものであれば特に限定されない。例えば、ガラス粉末と蛍光体粉末の焼結体からなるものが挙げられる。または、複数(例えば2枚)のガラス板間に蛍光体が挟持されてなるものが挙げられる。この場合、複数のガラス板は周縁部で互いに融着しているか、あるいはガラスフリット等の封着材により封止されていることが好ましい。
ガラス粉末と蛍光体粉末の焼結体はロールプレス成形により作製することが可能である。具体的には、ガラス粉末と蛍光体粉末を混合して混合粉末を得た後、当該混合粉末を一対の加熱ローラー隙間に投入する。混合粉末中には、機械的強度向上等を目的として無機フィラーを混合してもよい。混合粉末は、ローラーによって加熱プレスされながら、ローラーの回転方向に押し出される。これにより、混合粉末がシート状に成形される。この成形方法によれば、加熱時間が短いため、蛍光体の熱劣化を抑制することができる。また、混合粉末を加熱ローラー間に通すことで、ガラス粉末が軟化するとともに押し潰されることから、緻密なシート状波長変換部材が得られやすくなる。なお、蛍光体として量子ドット蛍光体を使用した場合は、蛍光体粒子サイズが小さいため、ローラーに対する蛍光体粒子の接触抵抗が小さくなることから、成形性が向上しやすくなる。また、ガラス粉末と蛍光体粒子の間の接触抵抗も小さくなることから、ガラス粉末同士の密着性(焼結性)が向上しやすくなる。
ローラーの隙間の大きさは、目的とするシートの厚み応じて、適宜設定することができる。ローラーの回転速度は、混合粉末の種類や、ローラーの温度等に応じて、適宜設定することができる。
成形工程は、例えば、空気、窒素またはアルゴンの雰囲気下で行うことができる。ガラス粉末または蛍光体の特性劣化を抑制する観点から、窒素、アルゴンなどの不活性ガス中で成形を行うことが好ましい。また、成形は減圧雰囲気下で行ってもよい。成形を減圧雰囲気下で行うことにより、波長変換部材中における泡の残存を抑制することができる。
本発明の発光装置は、既述の波長変換部材と、波長変換部材に対して、蛍光体の励起光を照射する光源と、を備えることを特徴とする。図1は、本発明の発光装置の一実施形態を示す模式的側面図である。図1に示すように、発光装置1は波長変換部材2及び光源3を備えてなる。光源3は、波長変換部材2に対して蛍光体の励起光Linを照射する。波長変換部材2に入射した励起光Linは、別の波長の光に変換され、光源3とは反対側からLoutとして出射する。この際、波長変換後の光と、波長変換されずに透過した励起光との合成光を出射させるようにしてもよく、波長変換後の光のみを出射させるようにしてもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)ガラスの作製
表1はそれぞれ本発明の実施例及び比較例に係るガラスを示している。
まず、表1に示す各ガラス組成になるように原料を調合し、石英ビーカーを用いて表1に記載の条件で溶融した。得られた溶融ガラスを一対の冷却ローラー間に流し出してフィルム状に成形した後、ボールミルで粉砕することにより平均粒子径10μmのガラス粉末を得た。また、溶融ガラスの一部をカーボン型枠に鋳込むことにより、各測定に適した板状試料を作製した。
得られた試料について、β−OH値、屈折率(nd)、熱膨張係数、屈伏点、耐候性を測定または評価した。結果を表1に示す。
β−OH値はフーリエ変換赤外分光計(パーキンエルマー社製、商品名FT−IR Frontier)を用いて測定した。測定には15mm×15mm×1mmの両面光学研磨した試料を用いた。
屈折率はヘリウムランプのd線(587.6nm)に対する測定値で示した。
熱膨張係数及び屈伏点は、熱膨張測定装置(dilato meter)を用いて測定した。なお、熱膨張係数は20〜100℃の温度範囲で測定した。
耐候性は以下のようにして評価した。光学研磨した試料を、高温高湿槽(エスペック社製、商品名:SH−221)中に85℃、相対湿度85%の条件で20時間保持した。保持後の試料表面の状態を目視観察し、ヤケが認められないものを「◎」、ヤケが多少確認されたが実用上問題ないものを「○」、ヤケがはっきりと確認されたものを「×」として評価した。表1から明らかなように、試料a、bは耐候性が比較的良好であったが、試料cは耐候性に劣っていた。
(2)波長変換部材の作製
表2は実施例(No.1、2)及び比較例(No.3)を示している。
表1に記載の各ガラス粉末試料に対し、蛍光体としてCdSe/ZnSを表2に示す所定割合となるように分散させた溶媒(ヘキサン)を滴下、混合し、さらに真空雰囲気下に保持することにより溶媒を揮発させた。これによりガラス粉末と蛍光体粉末からなる混合粉末を得た。混合粉末を金型で加圧成型して直径1cmの円柱状圧粉体を作製した。この圧粉体を一対のガラス板間に挟持した状態で、窒素雰囲気中、150℃〜200℃で60秒間熱圧着プレスして焼結体を得た。得られた焼結体に加工を施すことにより、7mm×2mm×0.4mmの短冊状の波長変換部材を得た。得られた波長変換部材について発光スペクトルを測定し、発光効率を算出した。結果を表2に示す。
発光効率は以下のようにして算出した。まず、励起波長460nmのLED光源上にφ1mmの孔が開いたアルミ製マスクを被せ、孔の上に波長変換部材を設置し、積分球内で、試料上面から発せられる光のエネルギー分布スペクトルを測定した。次に、得られたスペクトルに標準比視感度を掛け合わせて全光束を計算し、全光束を光源の電力で除して発光効率を算出した。
表2から明らかなように、実施例1〜2の波長変換部材は発光効率が0.1〜0.22(lm)と優れていたが、比較例3の波長変換部材は蛍光が検出されず、発光効率が0(lm)であった。
本発明の波長変換部材は、ディスプレイ、一般照明、特殊照明(例えば、プロジェクター光源、車載用ヘッドランプ光源)等に使用される単色または白色LED等の構成部材として好適である。
1 発光装置
2 波長変換部材
3 光源

Claims (7)

  1. カチオン%で、P5+ 0.1〜80%、及びSn2+ 1〜90%、アニオン%で、F+Cl 0.1〜70%を含有し、β−OH値が1mm−1以下であるガラスと、
    前記ガラス中に封止されてなる蛍光体と、
    を有することを特徴とする波長変換部材。
  2. 前記ガラスが、カチオン%で、P5++Sn2+ 50%以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の波長変換部材。
  3. 前記ガラスの屈伏点が300℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の波長変換部材。
  4. 前記蛍光体が、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、酸化物蛍光体、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体、アルミン酸塩蛍光体及び量子ドット蛍光体から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長変換部材。
  5. ガラス粉末と蛍光体粉末の焼結体からなることを特徴とする請求項請求項1〜4のいずれか一項に記載の波長変換部材。
  6. ガラス板間に蛍光体が挟持されてなることを特徴とする請求項請求項1〜4のいずれか一項に記載の波長変換部材。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の波長変換部材と、前記波長変換部材に対して、前記蛍光体の励起光を照射する光源と、を備えることを特徴とする発光装置。
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