JP2020060607A - 複合体、発光装置、および複合体の製造方法 - Google Patents

複合体、発光装置、および複合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蛍光体と、当該蛍光体を封止する封止材とを含む複合体において、波長変換効率を向上させる。【解決手段】Eu元素を含有するα型サイアロン蛍光体82と、前記α型サイアロン蛍光体を封止する封止材84と、を含む複合体80であって、前記複合体中の鉄の含有率が0.1ppm以上40ppm未満である、複合体。【選択図】図1

Description

本発明は、複合体、発光装置、および複合体の製造方法に関する。
近年、LEDなどの半導体発光素子と、当該半導体発光素子からの光の一部を吸収し、吸収した光を長波長の波長変換光に変換して発光する蛍光体とを組み合わせた発光装置の開発が進められている。
特許文献1には、半導体レーザーから発せられる励起光を蛍光に変換する蛍光体を含む波長変換部材が記載されている。特許文献1では、当該蛍光体を封止する封止材料としてシリカガラスを用いる技術が開示されている。
特開2015−224299号公報
半導体発光素子について、さらなる小型化、高出力化が要求される一方、蛍光体と封止材料とを含む複合体(波長変換部材)については、さらなる波長変換効率の向上が求められている。本発明者は、複合体の波長変換効率を向上させるための要因について鋭意検討したところ、複合体中の不純物の含有率が複合体の波長変換効率と密接な関係を有することを見出した。従来技術では、特許文献1をはじめとして、複合体(波長変換部材)中の不純物と波長変換効率との関係には何ら触れられていない。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、複合体の波長変換効率を向上させる技術を提供する。
本発明によれば、Eu元素を含有するα型サイアロン蛍光体と、前記α型サイアロン蛍光体を封止する封止材と、を含む複合体であって、前記複合体中の鉄の含有率が0.1ppm以上40ppm未満である、複合体が提供される。
また、本発明によれば、励起光を発する発光素子と、前記励起光の波長を変換する、上述した複合体と、を有する発光装置が提供される。
また、本発明によれば、鉄の含有率が40ppm未満の二酸化ケイ素粉末と、かつ、発光中心として少なくともEu元素を含有するα型サイアロン蛍光体粉末とを混合し、1300℃以上1450℃以下の温度で加熱する工程を有する、複合体の製造方法が提供される。
本発明によれば、蛍光体と、当該蛍光体を封止する封止材とを含む複合体において、波長変換効率を向上させる技術を提供することができる。
実施形態に係る発光装置の構造を示す断面図である。 複合体の発光スペクトルを測定するための装置の概略図である。 実施例1および比較例1の複合体で得られた発光スペクトルである。
本発明者は、鋭意検討の結果、不純物として含まれる第1遷移金属の含有率が複合体の波長変換効率を向上させるための要因であることを見出した。第1遷移金属の中でも、特に鉄の含有率の制御が複合体の波長変換効率を向上させる上で重要であることが見出された。以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
(複合体)
実施形態に係る複合体は、Eu元素を含有するα型サイアロン蛍光体と、当該α型サイアロン蛍光体を封止する封止材とを含む。当該複合体中の鉄の含有率の下限は0.1ppm以上であり、0.5ppm以上がより好ましく、1ppm以上がさらに好ましい。また、当該複合体中の鉄の含有率の上限は、40ppm未満であり、30ppm以下がより好ましく、20ppm以下がさらに好ましい。ここで、複合体中の鉄の含有率は、元素としての鉄の含有率を意味し、鉄の存在形態は問わないものとする。
複合体中の鉄の含有率の下限を0.1ppm以上とすることにより、複合体中にクラックが発生することや、複合体をダイサー等で複合体を切断加工する際に、チッピングが生じることを抑制しつつ、波長変換効率の向上を図ることができる。また、複合体中の鉄の含有率の上限を40ppm未満とすることにより、波長変換効率の向上を図ることができる。これは、複合体を通過する光が鉄によって吸収されることが抑制されるため、α型サイアロン蛍光体によって長波長化される光量が増加するためと推測される。
[複合体中の他の成分]
複合体は、不純物として、鉄以外の第一遷移金属を含んでもよい。鉄以外の第一遷移金属としては、コバルトおよびニッケルが挙げられる。複合体中のコバルトおよびニッケルの合計含有率の下限は、0.1ppm以上が好ましく、0.3ppm以上がより好ましく、0.5ppm以上がさらに好ましい。また、複合体中のコバルトおよびニッケルの合計含有率の上限は40ppm未満が好ましく、20ppm以下がより好ましく、10ppm以下がさらに好ましく、2ppm以下が特に好ましく、1ppm以下が最も好ましい。複合体中のコバルトおよびニッケルの合計含有率を上記範囲とすることにより、コバルトおよびニッケルにより吸収される光量を抑制し、複合体の波長変換効率をより一層向上させることができる。ここで、複合体中のコバルト、ニッケルの含有率は、元素としてのコバルト、ニッケルの含有率を意味し、コバルト、ニッケルの存在形態は問わないものとする。
(α型サイアロン蛍光体)
本実施形態のα型サイアロン蛍光体は、一般式:(M)(Eu)(Si)12−(m+n)(Al)m+n(O)(N)16−n(ただし、MはLi、Mg、Ca、Y及びランタニド元素(LaとCeを除く)からなる群から選ばれる少なくともCaを含む1種以上の元素)で示されるEu元素を含有するα型サイアロン蛍光体である。
α型サイアロンの固溶組成は、上記一般式におけるxとy及びそれに付随するSi/Al比やO/N比により決まるmとnで表され、Mの価数をaとしたとき、ax+2y=mであり、x+y≦2、0<y<0.5であり、0.3≦m<4.5、0<n<2.25である。特にMとして、Caを使用すると、幅広い組成範囲でα型サイアロンが安定化し、その一部を発光中心となるEuで置換することにより、紫外から青色の幅広い波長域の光で励起され、黄から橙色の可視発光を示す蛍光体が得られる。
一般に、α型サイアロンは、当該α型サイアロンとは異なる第二結晶相や不可避的に存在する非晶質相のため、組成分析等により固溶組成を厳密に規定することができない。α型サイアロンの結晶相としては、α型サイアロン単相が好ましく、他の結晶相としてβ型サイアロン、窒化アルミニウム又はそのポリタイポイド等を含んでいてもよい。
α型サイアロン蛍光体の製造方法としては、窒化ケイ素、窒化アルミニウム及び侵入固溶元素の化合物からなる混合粉末を高温の窒素雰囲気中で加熱して反応させる方法がある。加熱工程で構成成分の一部が液相を形成し、この液相に物質が移動することにより、α型サイアロン固溶体が生成する。合成後のα型サイアロン蛍光体は複数の等軸状の一次粒子が焼結して塊状の二次粒子を形成する。本実施形態における一次粒子とは、粒子内の結晶方位が同一であり、単独で存在することができる最小粒子をいう。
α型サイアロン蛍光体の平均粒径の下限は、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。また、α型サイアロン蛍光体の平均粒径の上限は、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。α型サイアロン蛍光体の平均粒径は上記二次粒子における寸法である。α型サイアロン蛍光体の平均粒径を5μm以上とすることにより、複合体の透明性をより高めることができる。一方、α型サイアロン蛍光体の平均粒径を30μm以下とすることにより、ダイサー等で複合体を切断加工する際に、チッピングが生じることを抑制することができる。
ここで、α型サイアロン蛍光体の平均粒径とは、レーザー回析散乱式粒度分布測定法(ベックマンコールター株式会社製、LS13−320)により測定して得られる体積基準粒度分布において、小粒径側からの通過分積算(積算通過分率)50%の粒子径をいう。
複合体中のα型サイアロン蛍光体の含有率の下限は、14質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。また、複合体中のα型サイアロン蛍光体の含有率の上限は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。α型サイアロン蛍光体の含有割合を14質量%以上とすることで、複合体の波長変換効率をより一層高めることができる。一方、α型サイアロン蛍光体の含有割合を60質量%以下とすることにより、複合体の透明性をより高めつつ、波長変換効率を向上させることができる。
(封止材)
本実施形態の封止材は、二酸化ケイ素を主成分として構成される。ここで、二酸化ケイ素を主成分とすることは、封止材全体中に、二酸化ケイ素を90質量%以上含有することをいう。本実施形態の封止材を構成する二酸化ケイ素は、少なくとも一部が結晶化していることが好ましい。二酸化ケイ素の結晶化度は、後述するX線回折により評価することができる。
二酸化ケイ素が結晶領域を有することにより、LEDから発せられた光が散乱され、α型サイアロン蛍光体に吸収されやすくなる。言い換えると、二酸化ケイ素の結晶領域により、複合体における光の抜けが抑制される。この結果、α型サイアロン蛍光体に入射する光量が増大し、ひいては、複合体の波長変換効率を向上させることができる。
[二酸化ケイ素の結晶化度の評価]
二酸化ケイ素の結晶化度は、X線回折により評価することができる。二酸化ケイ素が結晶領域を有する場合には、CuKα線(1.54184Å)を用いて測定された複合体の粉末X線回折パターンにおいて、2θが30°以上40°以下の範囲に最強ピークを有するとともに、2θが21.7°以上22.7°以下の範囲、および2θが26.5°以上27.5°以下の範囲にそれぞれ回折ピークが現れる。当該回折ピークを確認することで、二酸化ケイ素に結晶領域が存在することを確かめることができる。
2θが21.7°以上22.7°以下の範囲、および2θが26.5°以上27.5°以下の範囲にそれぞれ現れる回折ピークの強度は所定値以上であることが好ましい。
具体的には、CuKα線(1.54184Å)を用いて測定された複合体の粉末X線回折パターンにおいて、2θが30°以上40°以下の範囲に最強ピークを有し、そのピーク強度を100%とした場合に、2θが21.7°以上22.7°以下の範囲に、相対強度1.2%以上の回折ピークを有することが好ましく、相対強度1.5%以上の回折ピークを有することがより好ましい。2θが21.7°以上22.7°以下の範囲における回折ピークの相対強度が1.2%以上である場合に、二酸化ケイ素中の結晶領域を、複合体の波長変換効率をより一層向上させるのに十分な領域とすることができる。
また、CuKα線(1.54184Å)を用いて測定された複合体の粉末X線回折パターンにおいて、2θが30°以上40°以下の範囲に最強ピークを有し、そのピーク強度を100%とした場合に、2θが26.5°以上27.5°以下の範囲に、相対強度0.8%以上の回折ピークを有することが好ましく、相対強度1.2%以上の回折ピークを有することがより好ましい。2θが26.5°以上27.5°以下の範囲における回折ピークの相対強度が0.8%以上である場合に、二酸化ケイ素中の結晶領域を、複合体の波長変換効率をより一層向上させるのに十分な領域とすることができる。
ここで、このような二酸化ケイ素の結晶化度は、上記回折ピークの相対強度が指標となる。本実施形態では、たとえば封止材を構成する二酸化ケイ素を含む成分の種類や配合量、二酸化ケイ素を主成分とする封止材によるα型サイアロン蛍光体の封止方法等を適切に選択することにより、上記回折ピークの相対強度を制御することが可能である。これらの中でも、たとえば、二酸化ケイ素を主成分とする封止材によりα型サイアロン蛍光体を封止する際に固相で圧力をかける条件等が、上記回折ピークの相対強度を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
[複合体の気孔率]
複合体の気孔率は8%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。複合体の気孔率を8%以下とすることで、複合体の透光性が損なわれることを抑制することができる。また、光の散乱性を向上させることにより、α型サイアロン蛍光体が吸収する光量を増加させ、ひいては複合体の波長変換効率を向上させることができる。
[複合体の波長変換光]
複合体に波長455nmの青色光を照射した場合に、複合体から発せられる波長変換光のピーク波長は585nm以上605nm以下であることが好ましい。これによれば、青色光を発光する発光素子に複合体を組み合わせたときに、輝度が高いアンバー色を発光する発光装置を得ることができる。
(複合体の製造方法)
実施形態に係る複合体の製造方法は、二酸化ケイ素粉末と、発光中心として少なくともEu元素を含有するα型サイアロン蛍光体粉末とを混合する工程(1)と、二酸化ケイ素粉末とα型サイアロン蛍光体粉末との混合物を1300℃以上1450℃以下で加熱して二酸化ケイ素の少なくとも一部に結晶領域を形成する工程(2)とを有する。
工程(1)において、原料として用いる二酸化ケイ素粉末の鉄の含有率は、0.1ppm以上40ppm未満であることが好ましい。また、原料として用いるEuを含有するα型サイアロン蛍光体粉末の鉄の含有率が10ppm以下であることが好ましい。なお、原料として用いる二酸化ケイ素粉末は、80質量%以上が非晶質であることが好ましく、90質量%以上が非晶質であることがより好ましい。原料として用いる二酸化ケイ素粉末中の非晶質の割合を上記範囲とすることにより、緻密な複合体をより低温で加熱することにより作製することができるため、α型サイアロン蛍光体の波長変換効率が損なわれることを抑制することができる。
工程(2)において、二酸化ケイ素粉末とα型サイアロン蛍光体粉末との混合物をプレス機などの加圧装置を用いて、5MPa以上80MPa以下の圧力範囲で加圧することが好ましく、10MPa以上70MPa以下の圧力範囲で加圧することがより好ましい。これにより、二酸化ケイ素に結晶領域を形成し易くすることができる。工程(2)における加熱温度や加圧温度を調節することにより、二酸化ケイ素中の結晶領域の割合を制御することができる。
工程(2)の後、室温まで徐冷するとともに、除圧することにより実施形態に係る複合体を製造することができる。
(発光装置)
図1は、実施形態に係る発光装置の構造を示す概略断面図である。図1に示すように、発光装置10は、発光素子20、基板30、ダム40、封止材50および複合体80を備える。配線(図示せず)を有する基板30上に発光素子20が実装された、チップオンボード(COB)型の発光装置である。
基板30は、アルミニウムの陽極酸化皮膜などの絶縁膜が表面に形成されたアルミニウム基板である。基板30には、基板30上の所定の領域を取り囲むダム40が設けられている。基板30を平面視したときのダム40の形状は、たとえば円環状である。ダム40は透明であることが好ましい。
発光素子20は、基板30上のダム40の内側に実装されている。発光素子20は、励起光を発する半導体素子である。発光素子20としては、近紫外から青色光に相当する300nm以上500nm以下の波長の光を発生するLEDチップを使用することができる。発光素子20の素子電極(図示せず)は、基板30上のダム40の内側に露出した接続用端子(図示せず)とボンディングワイヤ(図示せず)により電気的に接続される。
封止材50は、ダム40の内側に充填されており、封止材50により発光素子20が封止される。封止材50は、たとえばエポキシ樹脂やシリコーン樹脂などの透明樹脂材料で形成される。
複合体80は、発光素子20の上方に位置し、ダム40および封止材50の上に設置されている。複合体80は、発光素子20から発せられる励起光の波長を長波長化するプレート状の波長変換部材である。複合体80として、上述した複合体が用いられ、二酸化ケイ素を主成分とし、当該二酸化ケイ素の一部が結晶化した封止材84中にEu元素を含有するα型サイアロン蛍光体82が分散されている。発光装置10は、発光素子20の光と、この発光素子20の光を吸収し励起されるα型サイアロン蛍光体82から発生する光との混合色を発する。
発光装置10では、複合体80の外表面が発光面となる。すなわち、発光素子20と発光面との間に複合体80が配されている。発光面における、発光素子20から発せられる励起光のピーク値をP1とし、複合体80により励起光の波長が変換された波長変換光のピーク値をP2としたとき、強度比P1/P2は0.06以下であることが好ましい。これによれば、発光装置10から発せられる光の色を波長変換光の色に近づけることができる。たとえば、波長変換光がアンバー色の場合に、発光装置10から発せられる光もアンバー色とすることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
α型サイアロン蛍光体粉末が二酸化ケイ素の一部が結晶化した封止材(マトリックス)に分散したものを実施例1の複合体とした。実施例1の複合体の具体的な作製方法について以下に記載する。
実施例1の複合体の原料として、SiO粉末(デンカ株式会社製、FB−5SDCグレード、平均粒径:15μm)とCa−α型サイアロン蛍光体粉末(デンカ株式会社製、アロンブライト/YL−600Bグレード)を用いた。SiO粉末を4.354g、Ca−α型サイアロン蛍光体粉末を2.723g秤量し、メノウ乳鉢により乾式混合した。混合後の原料を目開き75μmのナイロン製メッシュの篩を通し、原料混合粉末を得た。
約7gの原料混合粉末をカーボン製下パンチをセットした内径30mmのカーボン製ダイスに充填し、カーボン製上パンチをセットし、原料粉末を挟みこんだ。尚、原料混合粉末とカーボン治具の間には固着防止のために、厚み0.127mmのカーボンシート(GraTech社製、GRAFOIL)をセットした。
この原料混合粉末を充填したホットプレス治具をカーボンヒーターの多目的高温炉(富士電波工業株式会社製、ハイマルチ5000)にセットした。炉内を0.1Pa・G以下まで真空排気し、減圧状態を保ったまま、上下パンチを15MPaのプレス圧で加圧した。加圧状態を維持したまま、室温から毎分20℃の速度で昇温し、800℃で窒素ガスを炉内へ導入し、炉内雰囲気圧力を0.1MPa・Gとした。窒素ガス導入後は毎分5℃の速度で1375℃まで昇温し、1375℃で15分間保持した。
その後、毎分5℃の速度で室温まで降温し、除圧した後、外径30mmの焼成物を回収し、平面研削盤と円筒研削盤を用いて、外周部を研削し、直径25mm、厚さ0.23mmの円板状の複合体を得た。
実施例1の複合体のかさ密度をJIS−R1634:1998に準じた方法により測定したところ、2.44g/cmであった。複合体の真密度は、次の方法で測定した。まず、同一条件で作製した複合体をメノウ乳鉢で粉砕し、全量を目開き45μmの篩を通過させた。この粉砕粉の真密度を乾式密度計(島津製作所製、アキュピックII1340−10CC)で測定した。得られた真密度は2.58g/cmであった。実施例1の複合体の相対密度(かさ密度/真密度)は94.6%で気孔率は5.4%であった。
(実施例2)
実施例2の複合体の原料として、SiO粉末(エボニックジャパン株式会社製、AEROSIL 50、平均粒径:0.13μm)とCa−α型サイアロン蛍光体粉末(デンカ株式会社製、アロンブライト/YL−600Bグレード)を用いた。
実施例2の複合体の作製方法は、SiO原料粉末をエボニック・ジャパン株式会社製AEROSIL 50としたことを除いて、実施例1の複合体の作製方法と同様である。
実施例2の複合体のかさ密度および真密度を実施例1の複合体のかさ密度および真密度の測定方法と同様に測定した。その結果、実施例2の複合体のかさ密度および真密度は、それぞれ、2.51g/cm、2.60g/cmであった。実施例2の複合体の相対密度(かさ密度/真密度)は96.5%で気孔率は3.5%であった。
(実施例3)
実施例3の複合体の原料として、以下の粒配のSiO粉末(平均粒径:6.7μm)とCa−α型サイアロン蛍光体粉末(デンカ株式会社製、アロンブライト/YL−600Bグレード)を用いた。
<SiO粉末の粒配>
デンカ株式会社製、FB−9SDC:41.66質量部
デンカ株式会社製、FB−5SDC:41.66質量部
デンカ株式会社製、UFP−40:11.67質量部
実施例3の複合体の作製方法は、上記粒配のSiO粉末を用いたことを除いて、実施例1の複合体の作製方法と同様である。
実施例3の複合体のかさ密度および真密度を実施例1の複合体のかさ密度および真密度の測定方法と同様に測定した。その結果、実施例3の複合体のかさ密度および真密度は、それぞれ、2.50g/cm、2.59g/cmであった。実施例3の複合体の相対密度(かさ密度/真密度)は96.5%で気孔率は3.5%であった。
(比較例1)
α型サイアロン蛍光体粉末を二酸化ケイ素全体がアモルファス状態の封止材(マトリックス)に分散したものを比較例1の複合体とした。比較例1の複合体の作製方法は、SiO原料粉末をデンカ株式会社製SFP−30Mグレードとしたことを除いては、実施例1の複合体の作製方法と同様である。
比較例1の複合体のかさ密度および真密度を実施例1の複合体のかさ密度および真密度の測定方法と同様に測定した。その結果、比較例1の複合体のかさ密度および真密度は、それぞれ、2.34g/cm、2.60g/cmであった。比較例1の複合体の相対密度(かさ密度/真密度)は90.0%で気孔率は10.0%であった。
(比較例2)
比較例2の複合体の原料として、SiO粉末(富士シリシア化学株式会社製、サイリシア740、平均粒径:4.6μm)とCa−α型サイアロン蛍光体粉末(デンカ株式会社製、アロンブライト/YL−600Bグレード)を用いた。
比較例2の複合体の作製方法は、SiO原料粉末を富士シリシア化学株式会社製、サイリシア740としたことを除いて、実施例1の複合体の作製方法と同様である。
比較例2の複合体のかさ密度および真密度を実施例1の複合体のかさ密度および真密度の測定方法と同様に測定した。その結果、比較例2の複合体のかさ密度および真密度は、それぞれ、2.57g/cm、2.58g/cmであった。比較例2の複合体の相対密度(かさ密度/真密度)は99.6%で気孔率は0.4%であった。
[蛍光体および封止材中の不純物分析]
実施例1乃至3、比較例1、2の各複合体にそれぞれ用いた複合体、SiO原料中の鉄、コバルト、ニッケルの各含有率をICP発光分析装置(アジレント・テクノロジー社製、5110VDV)を用いて行った。得られた結果を表1に示す。
[複合体中の不純物分析]
実施例1乃至3、比較例1、2の各複合体中の鉄、コバルト、ニッケルの各含有率をICP発光分析装置(アジレント・テクノロジー社製、5110VDV)を用いて行った。得られた結果を表1に示す。
Figure 2020060607
[結晶構造解析]
実施例1乃至3、比較例1、2の各複合体の結晶構造解析をX線回折装置(製品名:Ultima−IV、株式会社リガク製)を用いて実施した。
得られた粉末X線回折パターンから、以下の手順にて結晶化度を評価した。
(1)CuKα線(1.54184Å)を用いて測定された粉末X線回折パターンにおいて、2θが30°以上40°以下の範囲にある、粉末X線回折パターンにおける最強ピークのピーク強度をP0とした。
(2)2θが21.7°以上22.7°以下の範囲にあるピークのピーク強度P1および2θが26.5°以上27.5°以下の範囲にあるピークのピーク強度P2を求めた。ピーク強度P0を100%とした場合のピーク強度P1、ピーク強度P2の相対強度(%)をそれぞれ求めた。
[複合体の量子効率測定]
円板状に加工した複合体の反射蛍光・透過蛍光を独立に評価するシステムを有する量子効率測定システム(大塚電子株式会社製、QE−2100HMB)により、実施例1乃至3、比較例1、2の各複合体の量子効率を評価した。励起光は、波長455nmの青色光とし、円板状の複合体の吸収率、内部量子効率、外部量子効率を算出した。各複合体の量子効率の測定結果を表2に示す。
[発光特性の評価]
図2は、複合体の発光スペクトルを測定するための装置の概略図である。凹部102が形成されたアルミ基板100を用意し、この凹部102に青色発光光源として青色LED110を実装し、チップオンボード型(COB型)のLEDパッケージとした。凹部102の底面の径φを13.5mmとし、凹部102の開口部の径φを16mmとした。凹部102を塞ぐように、青色LED110の上部に円形状の複合体120を設置した。
青色LED110を点灯した際の透過光を全光束測定システム(HalfMoon/φ1000mm積分球システム、大塚電子株式会社製)を用いて測定した。実施例1および比較例1の複合体で得られた発光スペクトルを図3に示す。発光スペクトルのピーク波長は600nmであった。尚、図3の縦軸の発光強度は実施例1の最大発光強度を100としたときの相対値である。
また、図3から分かるように、実施例1および比較例1とも、波長450nm付近に青色LED110の透過光に由来するスペクトルが観測された。発光スペクトルにおける波長595nm以上605nm以下の発光強度の最大値を1としたときの波長445nm以上465nm以下の発光強度の最大値を青色光の透過量とした。発光特性の評価結果を表2に示す。
なお、図2の装置例では、複合体120の外表面が発光面であり、青色LED110の透過光は、当該発光面から発せられる励起光である。また、波長595nm以上605nm以下の光は、発光面から発せられる波長変換光である。すなわち、上述の青色光の透過量は、発光面から発せられる波長変換光のピークに対する励起光のピークの強度比に相当する。
Figure 2020060607
10 発光装置
20 発光素子
30 基板
40 反射板
50 第1リードフレーム
60 第2リードフレーム
70 ボンディングワイヤ
80 複合体
82 α型サイアロン蛍光体
84 封止材

Claims (9)

  1. Eu元素を含有するα型サイアロン蛍光体と、前記α型サイアロン蛍光体を封止する封止材と、
    を含む複合体であって、
    前記複合体中の鉄の含有率が0.1ppm以上40ppm未満である、複合体。
  2. 前記複合体中のコバルトとニッケルの合計含有率が0.1ppm以上40ppm未満である請求項1に記載の複合体。
  3. 前記封止材は、二酸化ケイ素を主成分として構成され、前記二酸化ケイ素の少なくとも一部が結晶化している請求項1または2に記載の複合体。
  4. 波長455nmの青色光を照射した場合の変換光のピーク波長が585nm以上605nm以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の複合体。
  5. 前記α型サイアロン蛍光体の平均粒径が5μm以上30μm以上である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の複合体。
  6. 前記複合体中に14質量%以上60質量%以下の前記α型サイアロン蛍光体を含む請求項1乃至5のいずれか1項に記載の複合体。
  7. 励起光を発する発光素子と、
    前記励起光の波長を変換する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の複合体と、
    を有する発光装置。
  8. 前記発光素子と発光面の間に前記複合体が配され、
    前記発光面から発せられる、前記複合体により前記励起光の波長が変換された変換光のピークに対する前記励起光のピークの強度比が0.06以下である請求項7に記載の発光装置。
  9. 鉄の含有率が0.1ppm以上40ppm未満の二酸化ケイ素粉末と、発光中心として少なくともEu元素を含有するα型サイアロン蛍光体粉末とを混合し、1300℃以上1450℃以下の温度で加熱する工程を有する、複合体の製造方法。
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