JP2017193987A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】背圧室内の圧力が不足する際に、旋回スクロールを固定スクロールへ押し付ける押付力を適切に確保することが可能な圧縮機を提供する。【解決手段】圧縮機においてバネ部材60はバイメタルワッシャで構成され、背圧室403a内の冷媒の温度が低いほど、バネ部材60が発生する旋回スクロール402への押付力Fpを大きくする。従って、背圧室403a内の冷媒温度に応じて背圧室403a内の冷媒圧力が低いほど、バネ部材60が発生する押付力Fpは大きくなる。このことから、旋回スクロール402を固定スクロール401に対してモータ軸方向DRmに押し付ける背圧として作用する背圧室403a内の冷媒圧力が不足する際に、旋回スクロール402への押付力Fpを適切に確保することが可能である。【選択図】図3

Description

本発明は、流体を圧縮する圧縮機に関するものである。
この種の圧縮機の一例として、例えば特許文献1に記載された圧縮機が従来から知られている。その特許文献1の圧縮機は、冷媒を圧縮して吐出する電動のスクロール式圧縮機であり、例えば車室内の空調用として車両に搭載される。そして、特許文献1の圧縮機は、固定スクロールと、その固定スクロールとの間に圧縮室を形成する旋回スクロールと、その旋回スクロールを旋回させる駆動軸を回転可能に支持するベアリングが嵌め入れられた軸受部材とを備えている。
また、固定スクロール及び軸受部材の間には背圧室が区画形成されており、その背圧室には、圧縮室で圧縮された高圧の冷媒が潤滑油と共に供給される。そのため、背圧室内の圧力によって旋回スクロールが固定スクロール側へ付勢されると共に、その潤滑油によってベアリング等が潤滑される。
特開2010−148296号公報
特許文献1の圧縮機は例えば車室内の空調用であるが、そのような空調用の圧縮機として、例えば車室内の冷房時と暖房時との何れでも作動するものがある。
そして、例えば上述したように、圧縮機の作動中には、旋回スクロールにより圧縮された冷媒の一部は背圧室へ導入される。これにより、車室内の冷房時においては、その背圧室内の冷媒圧力で旋回スクロールが固定スクロールへ押付けられることで、旋回スクロールと固定スクロールとの間の気密性が十分に確保されて圧縮仕事が行われる。冷房時には車室外が暖かく、背圧室へ導入される冷媒が容易に高温高圧になるからである。
すなわち、冷房時には、旋回スクロールと固定スクロールとの間の気密性を確保する上で十分な大きさの背圧室内の冷媒圧力が容易に確保されるので、適切な大きさの冷媒圧力で旋回スクロールを固定スクロールへ押し付けることができる。その結果、圧縮機の圧縮仕事を適度な振動で作動させることが可能である。
しかしながら、このような背圧室内の冷媒圧力で旋回スクロールと固定スクロールとの間の気密性を確保する構造では、例えば暖房運転時に外気温度が低いとき(例えば外気温度が−20℃〜0℃程度であるとき)には、その気密性を確保する上で十分な大きさの冷媒圧力を得られない場合がある。具体的に言えば、暖房運転の起動時には、車室外に滞留していた昇圧前の低温の冷媒を圧縮機は吸い込むことになり、その場合には、上記気密性を確保する上で背圧室内の冷媒圧力が十分な大きさになるまで時間を要することがある。
そのため、暖房運転の起動時には、旋回スクロールを固定スクロールへ押し付ける背圧室内の冷媒圧力としての冷媒背圧が十分には確保できず、旋回スクロールと固定スクロールとの間の隙間がその冷媒背圧の不足に応じて拡大し、圧縮室から冷媒の圧力が抜けてしまう。また、上記冷媒背圧の不足を原因として、旋回スクロールはその旋回スクロールの旋回に伴って揺動し、圧縮機の振動を増大させ或いはその圧縮機の振動のバラツキを拡大させる。このような圧縮機の振動の増大や振動のバラツキ拡大は、車室内の騒音または車室外の騒音を大きくする原因となり、乗員の不快感を増大させるおそれがあった。
特に、ガスインジェクションサイクルに用いられる圧縮機では、暖房運転の起動時に、昇圧前の冷媒が圧縮室内の圧縮途中の冷媒へ合流するので、上記冷媒背圧の不足が顕著に発生すると考えられる。
本発明は上記点に鑑みて、背圧室内の圧力である冷媒背圧が不足する際に、旋回スクロールを固定スクロールへ押し付ける押付力を適切に確保することが可能な圧縮機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る圧縮機は、
非回転部材としての固定スクロール(401)と、
その固定スクロールとの間に圧縮室(40a)を形成し、その固定スクロールに対し所定軸心(CLm)まわりに旋回することによって圧縮室の容積を変化させ、その圧縮室の容積変化によりその圧縮室内の流体を圧縮する旋回スクロール(402)と、
圧縮室で圧縮された流体の一部が導入される背圧室(403a)が形成された背圧室形成部(403)と、
旋回スクロールを固定スクロールに対して所定軸心の軸方向(DRm)に押し付ける押付力(Fp)を発生する押付装置(60、62)とを備え、
背圧室は、その背圧室内の流体の圧力を、旋回スクロールを固定スクロールに対して軸方向に押し付ける背圧として作用させ、
押付装置は、背圧室内の流体の温度が低いほど押付力を大きくする。
ここで、背圧室内の流体は圧縮室で圧縮された流体であるので、圧縮可能な流体、すなわち、気液二相または気相の流体である。従って、圧縮機内において、その流体の温度が低いほどその流体の圧力も低くなる。
そして、上記の発明によれば、押付装置は、旋回スクロールを固定スクロールに対して上記軸方向に押し付ける押付力を発生する。更に、その押付装置は、背圧室内の流体の温度が低いほど上記押付力を大きくする。従って、背圧室内の流体の温度に応じて背圧室内の圧力が低いほど、押付装置が発生する上記押付力は大きくなる。このことから、背圧室内の圧力が不足する際に上記押付力を適切に確保することが可能である。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した括弧内の各符号は、後述する実施形態に記載の具体的内容との対応関係を示す一例である。
第1実施形態において、車両用空調装置の全体構成の概略を示した図である。 第1実施形態において、ヒートポンプサイクルの一部を構成する圧縮機の内部構造を示した圧縮機の縦断面図である。 図2のIII部分を拡大図示した詳細図である。 第1実施形態の圧縮機に含まれるバネ部材を単体で示した断面図であって、そのバネ部材の温度が圧縮機の定常運転時の温度になっているときの形状を示した図である。 第1実施形態の圧縮機に含まれるバネ部材を単体で示した断面図であって、そのバネ部材の温度が圧縮機の定常運転時の温度に対し大幅に低い温度になっているときの形状を示した図である。 第1実施形態の車両用空調装置が暖房運転モードで運転される場合において圧縮機の吐出冷媒圧力、吸入冷媒圧力、吐出冷媒温度、および吸入冷媒温度の推移を示したタイムチャートである。 第2実施形態において圧縮機の内部構造を示した圧縮機の縦断面図であって、第1実施形態の図2に相当する図である。 図7のVIII部分を拡大図示した詳細図であって、第1実施形態の図3に相当する図である。 第2実施形態において第2バネ部材の温度が圧縮機の定常運転時の温度になっているときの、第2バネ部材の単体の形状を示した断面図であって、第1実施形態の図4に相当する図である。 第2実施形態において第2バネ部材の温度が圧縮機の定常運転時の温度に対し大幅に低い温度になっているときの、第2バネ部材の単体の形状を示した断面図であって、第1実施形態の図5に相当する図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態において、車両用空調装置1の全体構成の概略を示した図である。この車両用空調装置1は、例えばハイブリット自動車、プラグインハイブリット自動車、または電気自動車等の車両に搭載される。
車両用空調装置1は、図1に示すように、ヒートポンプサイクル10、室内空調ユニット30、および、不図示の空調制御装置等を備えている。このヒートポンプサイクル10は、車両用空調装置1において、空調対象空間である車室内へ送風される車室内送風空気を冷却あるいは加熱する機能を果たす。
ヒートポンプサイクル10は、車室内を冷房する冷房運転モードの冷媒回路、車室内を暖房する暖房運転モードの冷媒回路など、複数の冷媒回路に切替え可能な構成となっている。図1の実線矢印FL1は、ヒートポンプサイクル10における冷房運転モード時の冷媒流れを示し、破線矢印FL2は暖房運転モード時の冷媒流れを示している。
また、ヒートポンプサイクル10では、冷媒としてHFC系冷媒(具体的には、R134a)を採用しており、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない蒸気圧縮式の亜臨界冷凍サイクルを構成している。もちろん、HFO系冷媒(例えば、R1234yf)等を採用してもよい。この冷媒には圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されており、冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。
図1に示すように、ヒートポンプサイクル10は、圧縮機11、室内凝縮器12、高段側膨脹弁13、気液分離器14、中間圧側開閉弁16a、低圧側開閉弁16b、冷房用開閉弁16c、バイパス開閉弁16d、低段側固定絞り17、逆止弁19、室外熱交換器20、冷房用膨脹弁22、室内蒸発器23、アキュムレータ24、および各冷媒通路15、18、25、26等を有している。なお、室内凝縮器12および室内蒸発器23は、ヒートポンプサイクル10に含まれると共に室内空調ユニット30にも含まれる。
ヒートポンプサイクル10の構成機器のうち、圧縮機11は、ヒートポンプサイクル10において冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものである。すなわち、圧縮機11が圧縮する流体は、ヒートポンプサイクル10を循環する冷媒である。圧縮機11の構造の詳細については後述する。
圧縮機11は吸入ポート11aと中間圧ポート11bと吐出ポート11cとを有し、例えばエンジンルーム内に配置されている。圧縮機11の吸入ポート11aおよび中間圧ポート11bは、圧縮機11の外部から冷媒を圧縮機11内へ流入させる冷媒入口である。一方、圧縮機11の吐出ポート11cは、圧縮機11の外部へ冷媒を流出させる冷媒出口である。
圧縮機11の吐出ポート11cには、室内凝縮器12の冷媒入口側が接続されている。室内凝縮器12は、車室内に配置された室内空調ユニット30の空調ケース31内に収容されている。この室内凝縮器12は、室内凝縮器12を通過する空気と圧縮機11によって圧縮された高圧冷媒とを熱交換させる室内熱交換器である。
室内凝縮器12の冷媒出口側には、室内凝縮器12から流出した高圧冷媒を中間圧冷媒となるまで減圧可能な高段側膨脹弁13の入口側が接続されている。この高段側膨脹弁13は、弁開度が電動で調節される電気式の可変絞り機構である。高段側膨脹弁13は、空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。また、高段側膨脹弁13は、減圧作用を発揮する絞り状態と減圧作用を発揮しない全開状態とに設定可能に構成されている。
高段側膨脹弁13の出口側には、気液分離器14の冷媒流入ポート14bが接続されている。この気液分離器14は、高段側膨脹弁13から冷媒流入ポート14bに流入した冷媒の気液を分離する。気液分離器14は、例えば、遠心力の作用によって冷媒の気液を分離する遠心分離方式のものである。気液分離器14は、例えばエンジンルーム内など車室外に配置されている。
そして、気液分離器14は、高段側膨脹弁13から冷媒が流入する冷媒流入ポート14bと、気液分離器14内で分離された気相冷媒を流出させる気相冷媒流出ポート14cと、気液分離器14内で分離された液相冷媒を流出させる液相冷媒流出ポート14dとを有している。
また、気液分離器14の気相冷媒流出ポート14cには、図1に示すように、中間圧冷媒通路15を介して、圧縮機11の中間圧ポート11bが接続されている。この中間圧冷媒通路15には、中間圧側開閉弁16aが配置されている。この中間圧側開閉弁16aは中間圧冷媒通路15を開閉する電磁弁であり、空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
なお、中間圧側開閉弁16aは、中間圧冷媒通路15を開いた際には逆止弁としての機能(すなわち、逆止弁機能)を発揮するように構成されていてもよい。その逆止弁機能とは、気液分離器14の気相冷媒流出ポート14cから圧縮機11の中間圧ポート11bへの冷媒流れを許容する一方でその中間圧ポート11bから気相冷媒流出ポート14cへの冷媒流れを阻止する機能である。これにより、中間圧側開閉弁16aが中間圧冷媒通路15を開いた際に、圧縮機11側から気液分離器14へ冷媒が逆流することが防止される。
気液分離器14の液相冷媒流出ポート14dには、低段側固定絞り17を介して室外熱交換器20の冷媒入口側が接続されている。それと共に、冷媒流れにおいてその液相冷媒流出ポート14dと室外熱交換器20の冷媒入口側との間には、低段側固定絞り17と並列に設けられた固定絞り迂回用通路18(以下、単に迂回用通路18と呼ぶ)が設けられている。
この迂回用通路18は、液相冷媒流出ポート14dから低段側固定絞り17を迂回させて室外熱交換器20側へ冷媒を導く冷媒通路である。また、迂回用通路18には、低圧側開閉弁16bが配置されている。この低圧側開閉弁16bは迂回用通路18を開閉する電磁弁であり、空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
ここで、冷媒が低圧側開閉弁16bを通過する際に生じる圧力損失は、低段側固定絞り17を通過する際に生じる圧力損失に対して極めて小さい。従って、気液分離器14の液相冷媒流出ポート14dから流出した冷媒は、低圧側開閉弁16bが開いている場合には迂回用通路18を介して室外熱交換器20へ流入し、低圧側開閉弁16bが閉じている場合には低段側固定絞り17を介して室外熱交換器20へ流入する。
低段側固定絞り17としては、絞り開度が固定されたノズルまたはオリフィス等を採用することができる。
図1に示す室外熱交換器20には、上述したように気液分離器14の液相冷媒流出ポート14dから低段側固定絞り17または迂回用通路18を介して冷媒が流入する。室外熱交換器20は、例えばエンジンルーム内など車室外に配置されている。室外熱交換器20は、その室外熱交換器20を通過する空気と気液分離器14から流出した低圧冷媒とを熱交換させる。その室外熱交換器20を通過する空気とは、例えば車両走行または不図示の送風機の送風によってエンジンルーム内へ導入される車外の空気である。
室外熱交換器20の冷媒出口側には、逆止弁19の冷媒入口側が接続されている。この逆止弁19は、室外熱交換器20から流出する向きの冷媒流れを許容する一方で、室外熱交換器20へ向かう冷媒流れを阻止する。
逆止弁19の冷媒出口側には、冷房用膨脹弁22の冷媒入口側が接続されている。冷房用膨脹弁22は、上述した高段側膨脹弁13と同様の基本構成を備えている。すなわち、冷房用膨脹弁22は電気式の可変絞り機構であり、空調制御装置から出力される制御信号によってその作動が制御される。また、冷房用膨脹弁22は、減圧作用を発揮する絞り状態と、冷房用膨脹弁22を冷媒が通過することを阻止する全閉状態とに設定可能に構成されている。
冷房用膨脹弁22の出口側には、室内蒸発器23の冷媒入口側が接続されている。室内蒸発器23は室内空調ユニット30の空調ケース31内に収容されている。この室内蒸発器23は、その室内蒸発器23の内部を流通する冷媒と室内蒸発器23を通過する空気とを熱交換させ、その熱交換により冷媒を蒸発させると共にその通過する空気を冷却する。
室内蒸発器23の出口側には、エバポレータプレッシャーレギュレータ21(以下、EPR21と略する)を介してアキュムレータ24の入口側が接続されている。EPR21は圧力調整弁であり、室内蒸発器23の出口側における冷媒圧力を一定値以上に保つように作動する。
また、アキュムレータ24は、その内部に流入した冷媒の気液を分離して余剰冷媒を蓄える低圧側気液分離器である。さらに、アキュムレータ24の気相冷媒出口には、圧縮機11の吸入ポート11aが接続されている。
また、室外熱交換器20の冷媒出口側には、上記の逆止弁19、冷房用膨脹弁22、室内蒸発器23、およびEPR21と並列に、膨脹弁迂回用通路25が接続されている。この膨脹弁迂回用通路25は、逆止弁19、冷房用膨脹弁22、室内蒸発器23、およびEPR21を迂回させてアキュムレータ24の入口側へ導く冷媒通路である。また、膨脹弁迂回用通路25には、冷房用開閉弁16cが配置されている。この冷房用開閉弁16cは膨脹弁迂回用通路25を開閉する電磁弁であり、空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
また、冷房用開閉弁16cが開いている場合、冷媒が冷房用開閉弁16cを通過する際に生じる圧力損失は、逆止弁19、冷房用膨脹弁22、室内蒸発器23、およびEPR21を通過する際に生じる圧力損失に対して極めて小さい。
従って、室外熱交換器20から流出した冷媒は、冷房用開閉弁16cが開いている場合には膨脹弁迂回用通路25を介してアキュムレータ24へ流入し、冷房用開閉弁16cが閉じている場合には、逆止弁19と冷房用膨脹弁22と室内蒸発器23とEPR21とを順に介してアキュムレータ24へ流入する。
また、室内凝縮器12の冷媒出口側と高段側膨脹弁13の入口側とをつなぐ冷媒通路と、逆止弁19の冷媒出口側と冷房用膨脹弁22の冷媒入口側とをつなぐ冷媒通路とを連結する室外器バイパス通路26が設けられている。そして、その室外器バイパス通路26には、バイパス開閉弁16dが配置されている。このバイパス開閉弁16dは室外器バイパス通路26を開閉する電磁弁であり、空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
次に、室内空調ユニット30について説明する。室内空調ユニット30は、車室内最前部のインストルメントパネルの内側に配置されている。この室内空調ユニット30は、図1に示すように、空調ケース31、送風機32、内外気切替装置33、エアミックスドア34、ヒータコア37、不図示の複数の吹出口ドア、前述の室内凝縮器12、および室内蒸発器23等を有している。
室内空調ユニット30の空調ケース31は、室内空調ユニット30の外殻を形成するとともに、その空調ケース31の内部に車室内に送風される車室内送風空気の空気通路を形成する。そして、この空調ケース31内には、送風機32、ヒータコア37、前述の室内凝縮器12、および室内蒸発器23等が収容されている。
詳細には、空調ケース31は、その空調ケース31内の空気通路の一部として温風通路35aおよびバイパス通路35bを形成している。空調ケース31内には、室内蒸発器23よりも空気流れ下流側の空気通路を仕切る仕切壁311が設けられているので、その温風通路35aとバイパス通路35bとの組合せは2組形成されている。これにより、室内空調ユニット30は、吹出温度が異なる空調空気を同時に吹き出すことができる。
温風通路35aおよびバイパス通路35bは何れも室内蒸発器23に対し空気流れ下流側に配置されている。温風通路35aには、室内凝縮器12とヒータコア37とが配置されている。そして、そのヒータコア37は、ヒータコア37を通過する空気とエンジン冷却水とを熱交換させることによりその通過する空気を加熱する熱交換器であり、室内凝縮器12よりも空気流れ上流側に配置されている。
バイパス通路35bは温風通路35aと並列に設けられており、室内蒸発器23からの空気を温風通路35aを迂回させ且つ車室内へ向けて空気を流す。
空調ケース31の空気流れ最上流側には、車室内の空気(すなわち、内気)と車室外の空気(すなわち、外気)とを切替導入する内外気切替装置33が配置されている。この内外気切替装置33は内外気切替ドアを有し、その内外気切替ドアによって、空調ケース31内に内気を導入させる内気導入口の開口面積と外気を導入させる外気導入口の開口面積とを連続的に調整する。これにより、内外気切替装置33は、空調ケース31内に導入される内気の風量と外気の風量との風量割合を連続的に変化させる。
内外気切替装置33の空気流れ下流側であって室内蒸発器23の空気流れ上流側には、内外気切替装置33を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する送風機32が配置されている。この送風機32は、遠心多翼ファン(すなわち、シロッコファン)を電動モータにて駆動する電動送風機である。送風機32の回転数は、空調制御装置から出力される制御電圧によって制御される。
また、空調ケース31内にはエアミックスドア34が設けられており、そのエアミックスドア34は、室内蒸発器23の空気流れ下流側であって、且つ、温風通路35aおよびバイパス通路35bの空気流れ上流側に配置されている。エアミックスドア34は、温風通路35aとバイパス通路35bとの組合せ毎に設けられているので、空調ケース31内にはエアミックスドア34が合計2つ設けられている。
例えば、エアミックスドア34は、温風通路35aの入口とバイパス通路35bの入口とを開閉するスライドドア装置である。エアミックスドア34は、空調制御装置から出力される制御信号によって作動が制御される図示しないサーボモータによって駆動される。
そして、エアミックスドア34は、そのスライド位置に応じて、温風通路35aとバイパス通路35bとに流れる合計風量に対する温風通路35aに流れる風量の割合すなわち温風風量割合を調節する。この温風風量割合の調節により、空調ケース31から吹き出される吹出空気の温度が調節される。
エアミックスドア34は、周知のエアミックスドアと同様に、最大冷房位置から最大暖房位置までの間で連続的に移動することができる。その最大冷房位置とは、エアミックスドア34が温風通路35aを全閉にすると共にバイパス通路35bを全開にするドア位置である。また、最大暖房位置とは、エアミックスドア34が温風通路35aを全開にすると共にバイパス通路35bを全閉にするドア位置である。
空調ケース31の空気流れ最下流部には、温風通路35aからの空気とバイパス通路35bからの空気とが合流して成る合流空気を車室内へ吹き出す複数の開口孔である吹出口が配置されている。例えば、その複数の吹出口としては、車両前面窓ガラス内側面に向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹出口、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すフェイス吹出口、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット吹出口などが挙げられる。その複数の吹出口にはそれぞれ、空調制御装置から出力される制御信号に従って吹出口を開閉する吹出口ドアが配置されている。
次に、車両用空調装置1の運転モードについて説明する。車両用空調装置1は、例えば冷房運転モードおよび暖房運転モード等を含む複数の運転モードのうちの何れかで運転される。以下では、冷房運転モードと暖房運転モードとについて説明するが、車両用空調装置1は、それら以外の運転モードでも運転されることがある。なお、運転モードは、乗員のスイッチ操作によって手動で切り替えられてもよいし、外気温度や車室内温度などの各種パラメータに応じて自動的に切り替えられてもよい。
(a)冷房運転モード
冷房運転モードでは、空調制御装置の制御により、高段側膨脹弁13は減圧作用を発揮しない全開状態とされ、冷房用膨脹弁22は減圧作用を発揮する絞り状態とされる。また、中間圧側開閉弁16aは閉弁状態とされ、低圧側開閉弁16bは開弁状態とされ、冷房用開閉弁16cは閉弁状態とされ、且つ、バイパス開閉弁16dは閉弁状態とされる。これにより、ヒートポンプサイクル10は、図1の実線矢印FL1に示すように冷媒が流れる冷房用冷媒回路に切り替えられる。
すなわち、この冷房用冷媒回路に切り替えられたヒートポンプサイクル10では、圧縮機11の吐出ポート11cから吐出される冷媒は、「圧縮機11の吐出ポート11c→室内凝縮器12→高段側膨脹弁13→気液分離器14→低圧側開閉弁16b→室外熱交換器20→逆止弁19→冷房用膨脹弁22→室内蒸発器23→EPR21→アキュムレータ24→圧縮機11の吸入ポート11a」の順に流れて循環する。
また、空調制御装置は、冷房運転モードでは、エアミックスドア34を最大冷房位置に位置決めする。従って、冷房用冷媒回路を循環する冷媒は、室内凝縮器12で送風空気へ殆ど放熱することなく、室内凝縮器12を通過する。そして、室内蒸発器23で冷却された送風空気の全量がバイパス通路35bへ流れ、その送風空気は加熱されずに車室内へ吹き出される。これにより、車室内の冷房を実現することができる。
(b)暖房運転モード
暖房運転モードでは、空調制御装置の制御により、高段側膨脹弁13は絞り状態とされ、冷房用膨脹弁22は全閉状態とされる。また、中間圧側開閉弁16aは開弁状態とされ、低圧側開閉弁16bは閉弁状態とされ、冷房用開閉弁16cは開弁状態とされ、且つ、バイパス開閉弁16dは閉弁状態とされる。これにより、ヒートポンプサイクル10は、図1の破線矢印FL2に示すように冷媒が流れる暖房用冷媒回路に切り替えられる。
すなわち、この暖房用冷媒回路に切り替えられたヒートポンプサイクル10では、圧縮機11の吐出ポート11cから吐出される冷媒は、「圧縮機11の吐出ポート11c→室内凝縮器12→高段側膨脹弁13→気液分離器14」の順に流れる。
そして、気液分離器14で分離された気相冷媒は気相冷媒流出ポート14cから流出し、中間圧冷媒通路15を介して圧縮機11の中間圧ポート11bへ流入する。それと共に、気液分離器14で分離された液相冷媒は液相冷媒流出ポート14dから流出し、「気液分離器14の液相冷媒流出ポート14d→低段側固定絞り17→室外熱交換器20→冷房用開閉弁16c→冷房用開閉弁16c→アキュムレータ24→圧縮機11の吸入ポート11a」の順に流れる。
また、空調制御装置は、暖房モードでは、エアミックスドア34を最大暖房位置に位置決めする。従って、暖房用冷媒回路を循環する冷媒は、室内凝縮器12で送風空気へ放熱して凝縮する。また、送風機32からの送風空気は室内蒸発器23で冷却されずにその室内蒸発器23を通過し、その送風空気の全量が温風通路35aへ流れる。そして、その送風空気は室内凝縮器12で加熱されてから車室内へ吹き出される。これにより、車室内の暖房を実現することができる。
さらに、暖房モードでは、ヒートポンプサイクル10は、圧縮機11が吸入ポート11aと中間圧ポート11bとの両方から冷媒を吸入することを伴うガスインジェクションサイクルとして運転される。
次に、圧縮機11の構造について説明する。図2に示す圧縮機11は、電動のスクロール型圧縮機であり、例えば車両のエンジンルーム内に配置される。図2の矢印DR1は、圧縮機11が車両に搭載された車両搭載状態における圧縮機11の上下方向DR1を示す。
図2および図3に示すように、圧縮機11は、主要な構成要素として、流体圧縮部40と電動モータ42とハウジング44と複数の軸受481、482、483と偏心軸50とブッシュバランサ52と吐出弁54と仕切部材56とバネ部材60とを備えている。ハウジング44は、圧縮機11の外殻を成すものであり、モータケース45と中間ブロック46と吐出ブロック47とを含んで構成されている。このモータケース45と中間ブロック46と吐出ブロック47は何れも、例えばアルミニウム合金などの金属製である。
モータケース45と中間ブロック46と吐出ブロック47は、その記載順で、電動モータ42の回転軸心であるモータ軸心CLmの軸方向DRm(以下、モータ軸方向DRmと呼ぶ)に並んで配置されている。モータケース45と中間ブロック46と吐出ブロック47は互いに、ボルト止めによって一体固定されている。
圧縮機11のモータケース45は略有底筒状の形状を成し、そのモータケース45内には、流体圧縮部40と電動モータ42とが収容されている。その流体圧縮部40は、流体である冷媒を圧縮するスクロール式の圧縮機構として構成されており、固定スクロール401と旋回スクロール402と支持部材403とを有している。その旋回スクロール402は、図2および図3に示すように、非回転部材としての固定スクロール401との間に、冷媒を圧縮するための圧縮室40aを形成している。
モータケース45には吸入ポート11aが形成されている。この吸入ポート11aにはアキュムレータ24(図1参照)からの冷媒配管が接続されており、圧縮機11の圧縮運転中に、アキュムレータ24からの冷媒(詳細には、気相冷媒)はこの吸入ポート11aを介してモータケース45の内部に流入する。吸入ポート11aからモータケース45内に吸入された冷媒は、不図示の冷媒通路を経て、流体圧縮部40の外周側から内周側へ移動する圧縮室40aの移動範囲のうち最外周側に位置する圧縮室40aへ導入される。
モータケース45内における固定スクロール401と電動モータ42のロータ422との間には、モータケース45に対して固定された支持部材403が配置されている。その支持部材403は、電動モータ42の回転軸423をその回転軸423の一方側の端部にて、第1軸受481を介して回転可能に支持している。なお、回転軸423の中心はモータ軸心CLmに一致しており、回転軸423の軸方向はモータ軸方向DRmと同じである。
また、回転軸423の他方側の端部は、第2軸受482を介してモータケース45に回転可能に支持されている。その第2軸受482は、モータケース45の内側に形成された第2軸受用凹部451に嵌め入れられている。この第2軸受用凹部451は、モータケース45内でモータ軸方向DRmの他方側へ凹むように形成されている。すなわち、第2軸受用凹部451の底面451aは、モータ軸方向DRmの一方側すなわち固定スクロール401側を向いている。
また、回転軸423は、モータ軸方向DRmの他方側の端部に、その他方側を向いてモータ軸心CLmに直交する他方端面423bを有している。回転軸423は、モータ軸方向DRmにおけるその他方端面423bの位置が第2軸受482の内輪の他方側の端面482a(すなわち、内輪他方端面482a)に揃うように、第2軸受482の内輪に嵌め入れられ固定されている。
回転軸423の固定スクロール401側(すなわち、モータ軸方向DRmの一方側)の端部には、固定スクロール401側へ突出する偏心軸50が設けられている。この偏心軸50の軸心は、モータ軸心CLmに対して偏心している。そのため、偏心軸50は、回転軸423の回転に伴い、モータ軸心CLmに対し偏心して回転する。
また、その偏心軸50はブッシュバランサ52の嵌合穴に嵌合されており、ブッシュバランサ52に対し相対回転可能となっている。そのブッシュバランサ52は、偏心軸50及びブッシュバランサ52の偏心回転に起因したアンバランスを調整するバランスウエイトとしての機能を備えている。
また、ブッシュバランサ52は、第3軸受483を介して旋回スクロール402に対し相対回転可能に連結されている。
旋回スクロール402は、円板状の旋回スクロール基板402aと渦巻き状の旋回スクロール壁部402bとを備えており、旋回スクロール基板402aおよび旋回スクロール壁部402bは一体形成されている。
その旋回スクロール基板402aは、モータ軸方向DRmを旋回スクロール基板402aの厚み方向として配置されている。また、旋回スクロール壁部402bは、モータ軸方向DRmにおける旋回スクロール基板402aの圧縮室40a側の面402cすなわちモータ軸方向DRmにおける一方側の旋回スクロール基板面402cから突出して形成されている。
また、旋回スクロール基板402aは、モータ軸方向DRmにおいて旋回スクロール基板402aの旋回スクロール壁部402b側とは反対側に形成された第3軸受用凹部402dを有している。この第3軸受用凹部402dは、旋回スクロール基板402aにおいてモータ軸方向DRmの一方側へ凹むように形成されている。すなわち、第3軸受用凹部402dの底面402eは、モータ軸方向DRmの他方側すなわち第2軸受482側を向いている。そして、第3軸受用凹部402には第3軸受483が嵌め入れられている。
なお、旋回スクロール402には、旋回スクロール402の回転(詳細には、旋回スクロール402の自転)を防止する不図示の自転防止機構が取り付けられている。そのため、モータ軸心CLmまわりの回転軸423の回転に伴い、旋回スクロール402は自転することなく、非回転部材としての固定スクロール401に対し、所定軸心としてのモータ軸心CLmまわりに旋回する。要するに、旋回スクロール402はモータ軸心CLmまわりを公転する公転旋回運動を行う。
固定スクロール401は、旋回スクロール402とモータ軸方向DRmに対向して噛合しており、モータケース45に固定されている。固定スクロール401は、円板状の固定スクロール基板401aと渦巻き状の固定スクロール壁部401bとを備えており、固定スクロール基板401aおよび固定スクロール壁部401bは一体形成されている。
固定スクロール基板401aは、モータ軸方向DRmを固定スクロール基板401aの厚み方向として配置されている。それと共に、固定スクロール基板401aは、モータ軸方向DRmにおいて固定スクロール基板401aの中間ブロック46側の端面位置がモータケース45の中間ブロック46側の端部に揃うように配置されている。
また、固定スクロール壁部401bは、モータ軸方向DRmにおける固定スクロール基板401aの圧縮室40a側の面401cすなわちモータ軸方向DRmにおける他方側の固定スクロール基板面401cから突出して形成されている。
圧縮機11では、固定スクロール401の固定スクロール壁部401bと旋回スクロール402の旋回スクロール壁部402bとが互いに接触して噛み合うことにより、固定スクロール壁部401bと旋回スクロール壁部402bとの間に圧縮室40aが形成される。
そして、旋回スクロール402は、固定スクロール401に対しモータ軸心CLmまわりに公転旋回することによって、流体圧縮部40の外周側から内周側(すなわち、中心側)へ圧縮室40aを移動しつつその圧縮室40aの容積を変化(具体的には、縮小)させる。この圧縮室40aの容積変化により、旋回スクロール402は圧縮室40a内の流体を圧縮する。
旋回スクロール402の旋回スクロール壁部402bのうち中央寄りの部位に、バイパス通路402fが形成されている。このバイパス通路402fは、固定スクロール基板面401cに対向して摺動する旋回スクロール壁部402bの先端402gから、旋回スクロール壁部402bおよび旋回スクロール基板402aをモータ軸方向DRmに貫通する細孔である。
このバイパス通路402fには、旋回スクロール壁部402bの先端402gと固定スクロール基板面401cとの間に生じる微小な軸方向隙間を経て、圧縮室40aで圧縮された冷媒の一部が流入する。例えば本実施形態では、バイパス通路402fには、圧縮途中の冷媒の一部が流入する。上記「圧縮室40aで圧縮された冷媒」とは、圧縮工程を終えた冷媒であってもよいが正確に言えば、圧縮工程を終えた冷媒には限定されず圧縮途中の冷媒であってもよい。すなわち、上記「圧縮室40aで圧縮された冷媒」とは、圧縮室40aでの圧縮開始から少なくとも圧縮された冷媒という意味である。
詳細には、バイパス通路402fには、冷媒と油との混合流体が流入する。そして、そのバイパス通路402fに入った混合流体は、第3軸受483の内輪と外輪との間等を経て、旋回スクロール402に対し固定スクロール基板401a側とは反対側すなわちモータ軸方向DRmの他方側に設けられた背圧室403aへ導入される。この背圧室403a内の混合流体は、各部を潤滑しつつ、電動モータ42の回転軸423内に形成されモータ軸方向DRmへ延びる軸内通路423aを経て、電動モータ42のステータ421およびロータ422が配置されたモータケース45内の空間へと流れる。
背圧室403aは支持部材403の内側に形成されている。すなわち、支持部材403は、背圧室403aが形成された背圧室形成部となっている。そして、背圧室403aはモータ軸方向DRmにおいて旋回スクロール402側へ開口し、その背圧室403aの開口は旋回スクロール402によって塞がれている。
そのため、背圧室403aは、その背圧室403a内の冷媒の圧力を、旋回スクロール402を固定スクロール401に対してモータ軸方向DRmに押し付ける背圧として作用させる。つまり、背圧室403a内の冷媒は、その冷媒圧力により、旋回スクロール402を固定スクロール401に対しモータ軸方向DRmに押し付けるように付勢する。更に、背圧室403aの冷媒背圧が高まるほど、旋回スクロール壁部402bの先端402gと固定スクロール基板面401cとの間の軸方向隙間は狭められるので、その背圧室403aの冷媒背圧は、圧縮機11の定常運転中であれば略一定に保たれる。
この背圧室403aの冷媒背圧に基づいた旋回スクロール402への付勢力が適切に発生することにより、圧縮室40aの気密性が確保されると共に、固定スクロール401に対する旋回スクロール402のスムーズな旋回が可能となる。
なお、本実施形態では例えば、旋回スクロール402の何れの旋回位置においても、バイパス通路402fは、固定スクロール壁部401bの径方向においてインジェクション通路401eよりも内側に位置するように設けられている。そのため、インジェクション通路401eから冷媒が圧縮室40aへ供給される場合には、バイパス通路402fから背圧室403aへ流入する冷媒は、そのインジェクション通路401eからの冷媒を含むこととなる。
固定スクロール401の固定スクロール基板401aには、固定スクロール基板401aをモータ軸方向DRmに貫通した吐出通路401dが形成されており、その吐出通路401dは固定スクロール基板401aの中央部分に配置されている。その吐出通路401dの出口には、吐出通路401dを開閉する吐出弁54が備えられている。吐出弁54は、吐出通路401d内の冷媒の圧力が所定圧力以上になると開弁する。
また、固定スクロール基板401aには、固定スクロール基板401aをモータ軸方向DRmに貫通した一対のインジェクション通路401eが形成されている。その一対のインジェクション通路401eはそれぞれ吐出通路401dよりも固定スクロール基板401aの外周側に配置され、中間ブロック46側に開口している。インジェクション通路401eは、気液分離器14の気相冷媒流出ポート14c(図1参照)から流出した中間圧の冷媒を圧縮室40aに導入する通路である。
電動モータ42は、流体圧縮部40を駆動する駆動源である。電動モータ42は、モータケース45に固定されたステータ421と、ステータ421の内周側に挿入されたロータ422と、ロータ422の内周側に挿入された回転軸423とを備えている。そのロータ422は回転軸423に相対回転不能に連結されており、そのロータ422および回転軸423は、ステータ421に対し相対回転可能となっている。
ステータ421に含まれるコイルには、不図示のモータ駆動回路から三相交流が供給されるようになっている。ロータ422は、ステータ421のコイルに供給される電力によって回転駆動される。そのロータ422の回転に伴い、回転軸423と連結された旋回スクロール402が旋回(詳細には、公転)し、圧縮室40a内の冷媒が圧縮される。
また、モータケース45内の下部には、ヒートポンプサイクル10において余剰となった液相冷媒45aが溜まるようになっている。電動モータ42の一部は、このモータケース45内の液相冷媒45aに漬かっている。
中間ブロック46には、中間圧ポート11bとインジェクション中継室46aと一対の中継孔46bとが形成されている。この中間圧ポート11bには、中間圧冷媒通路15(図1参照)を構成する冷媒配管が接続されている。
また、インジェクション中継室46aは中間圧ポート11bへ連通している。更に、インジェクション中継室46aは、一対の中継孔46bを介して、一対のインジェクション通路401eへそれぞれ連通している。従って、中間圧ポート11bへ流入する中間圧冷媒は、中間圧ポート11bから、インジェクション中継室46a、中継孔46b、インジェクション通路401eを順に経て、圧縮室40a内へ吸い込まれる。
すなわち、固定スクロール401においてインジェクション通路401eは、圧縮機11外部の気液分離器14から導入された冷媒を圧縮室40a内の圧縮途中の冷媒へ合流させる合流用通路として機能する。なお、図1の中間圧側開閉弁16aは冷房運転モード時には閉弁状態になり暖房運転モード時には開弁状態になるので、インジェクション通路401eには、車両用空調装置1の暖房運転中に気液分離器14からの冷媒が供給される。言い換えれば、インジェクション通路401eには、室内凝縮器12が車室内への送風空気へ冷媒から放熱させると共に室外熱交換器20が外気から冷媒へ吸熱させる場合に、気液分離器14からの冷媒が供給される。
中間ブロック46には、吐出弁54を介して吐出通路401dへ連通する第1吐出室46cも形成されている。この第1吐出室46cは、中間ブロック46のうち、インジェクション中継室46aに対しモータ軸方向DRmでの固定スクロール401側に設けられている。
吐出ブロック47には、吐出ポート11cと第2吐出室47aと連通路47bと第3吐出室47cとが形成されている。この吐出ポート11cには、室内凝縮器12(図1参照)へつながる冷媒配管が接続されている。なお、第2吐出室47aとインジェクション中継室46aとの間には仕切部材56が配置され、第2吐出室47aは、この仕切部材56によってインジェクション中継室46aに対して隔てられている。
第2吐出室47aは、中間ブロック46に形成された不図示の通路を介して第1吐出室46cへ連通している。更に、第2吐出室47aは、連通路47bを介して第3吐出室47cへ連通している。この第3吐出室47cは吐出ポート11cへ連通している。従って、圧縮室40aから吐出通路401dへ吐出される冷媒は、その吐出通路401dから、第1吐出室46c、第2吐出室47a、第3吐出室47cを順に経て、吐出ポート11cから圧縮機11の外部へ吐出される。なお、第3吐出室47c内には周知の油分離器58が配置されており、第3吐出室47c内へ流入した冷媒は、その冷媒に混合している油が油分離器58で分離された上で吐出ポート11cへと流れる。
図3および図4に示すバネ部材60は、そのバネ部材60のバネ力によって旋回スクロール402を固定スクロール401に対してモータ軸方向DRmに押し付ける押付力Fpを発生する押付装置である。そのバネ部材60のバネ力は、電動モータ42の回転軸423とブッシュバランサ52とを順次介して旋回スクロール基板402aへと伝わる。従って、バネ部材60は、そのバネ部材60のバネ力を旋回スクロール402への押付力Fpとして作用させることができる。
詳細には、バネ部材60は、モータ軸方向DRmを厚み方向とし中央に貫通孔60aが空いた円板形状すなわち座金形状を成している。そして、バネ部材60は、モータ軸方向DRmに相対向する第2軸受用凹部451の底面451aと回転軸423の他方端面423bおよび第2軸受482の内輪他方端面482aとの間に挟まれている。
すなわち、バネ部材60は、第2軸受482の内輪と回転軸423とに接触しているので、背圧室403a内の冷媒との間で回転軸423を介して又は第2軸受482の内輪と回転軸423とを介して熱の授受が可能となっている。要するに、バネ部材60は、背圧室403a内の冷媒の温度を間接的に感知可能な箇所に配置されている。
そして、バネ部材60は、低膨張層601と高膨張層602とがモータ軸方向DRmに積層されてなるバイメタルワッシャで構成されている。その高膨張層602の線膨張係数は低膨張層601の線膨張係数に比して大きく、高膨張層602は、低膨張層601に対しモータ軸方向DRmの一方側すなわち回転軸423側に積層されている。
従って、図5に示すように、バネ部材60は、そのバネ部材60の自由状態においては、バネ部材60の温度が低いほど、バネ部材60の中央部分がモータ軸方向DRmの一方側(すなわち、低膨張層601に対する高膨張層602側)へ突き出るように反る。そして、低膨張層601および高膨張層602のそれぞれの構成材料としては、圧縮機11の定常運転時にはバネ部材60が図4のように平板状になるものが選択されている。
このように構成されたバネ部材60は、その中央部分をモータ軸方向DRmの一方側へ突き出すように反ろうとするほど、図3および図5に示すように、回転軸423と第2軸受482の内輪とをモータ軸方向DRmの一方側へ付勢する。
すなわち、バネ部材60は、低膨張層601の線膨張係数と高膨張層602の線膨張係数と差に起因して、バネ部材60の温度が低いほど旋回スクロール402への押付力Fpを大きくする。要するに、バネ部材60の温度は背圧室403a内の冷媒の温度に対応しているので、バネ部材60は、その背圧室403a内の冷媒の温度が低いほど旋回スクロール402への押付力Fpを大きくする。
ここで、圧縮機11が圧縮する冷媒の圧力と温度との関係について図6を用いて説明する。図6は、車両用空調装置1が暖房運転モードで運転される場合において圧縮機11の吐出冷媒圧力PD、吸入冷媒圧力PS、吐出冷媒温度TD、および吸入冷媒温度TSの推移を示したタイムチャートである。図6の横軸は経過時間であり、t0時点は、停止していた圧縮機11が作動し始めた時点を示している。
なお、圧縮機11の吐出冷媒圧力PDとは圧縮機11の吐出ポート11cにおける冷媒圧力であり、吸入冷媒圧力PSとは吸入ポート11aおける冷媒圧力である。また、吐出冷媒温度TDとは吐出ポート11cにおける冷媒温度であり、吸入冷媒温度TSとは吸入ポート11aおける冷媒温度である。
この図6に示すように、圧縮機11で圧縮される冷媒の圧力PD、PSと温度TD、TSとの間には相関があり、このことは背圧室403aの冷媒圧力と冷媒温度との関係でも同様である。すなわち、背圧室403aの冷媒圧力と冷媒温度は、その冷媒温度が低いほど冷媒圧力も低いという相関を有する。
そして上記のように、図3に示すバネ部材60は、そのバネ部材60が発生する旋回スクロール402への押付力Fpを、その背圧室403a内の冷媒の温度が低いほど大きくする。従って、背圧室403a内の冷媒温度に応じて背圧室403a内の冷媒圧力が低いほど、バネ部材60が発生する押付力Fpは大きくなる。
このことから、旋回スクロール402を固定スクロール401に対してモータ軸方向DRmに押し付ける背圧として作用する背圧室403a内の冷媒圧力が不足する際に、旋回スクロール402への押付力Fpを適切に確保することが可能である。言い換えれば、例えば暖房運転の起動時など背圧室403a内の冷媒圧力が上がらずその冷媒圧力が旋回スクロール402を固定スクロール401に押し付ける上で適切に確保されない場合に、バネ部材60は、その背圧室403a内の冷媒圧力に替わる代用として機能する。
そして、圧縮機11の吸入ポート11aと中間圧ポート11bとへ流入する冷媒が定常運転時に比して低温であっても、バネ部材60の押付力Fpが適切に確保されるので、旋回スクロール402は安定して旋回し最適な圧縮仕事を行うことが可能となる。延いては、圧縮機11の振動低減、および、その圧縮機11の振動に起因する車内音と車外音との低減により乗員の快適性の向上を図ることができる。更に、圧縮室40aの気密性が適切に確保されるので、圧縮機11の高効率での作動を実現し、圧縮機11へ供給される電力を効率よく最適に使用することができる。
また、図6に示す冷媒圧力PD、PSと冷媒温度TD、TSとの相関関係に基づきバネ部材60の各層601、602の材料選択をしてバネ部材60の押付力Fpを規定すれば、圧縮室40a内の冷媒を圧縮する上で安定した押付力Fpを確保することができる。
また、本実施形態によれば、図3および図4に示すバネ部材60は、バネ部材60の温度が低いほど旋回スクロール402への押付力Fpを大きくする。そして、バネ部材60は、背圧室403a内の冷媒の温度を感知可能な箇所に配置されている。従って、旋回スクロール402への押付力Fpを発生する押付装置をバネ部材60という簡単な構成にすることができると共に、バネ部材60による押付力Fpを背圧室403a内の冷媒温度に応じて増減することができる。
また、本実施形態によれば、バネ部材60はバイメタルワッシャで構成されている。そして、そのバネ部材60は、低膨張層601の線膨張係数と高膨張層602の線膨張係数と差に起因して、バネ部材60の温度が低いほど旋回スクロール402への押付力Fpを大きくする。従って、バイメタルワッシャの温度とバネ力との関係を利用することにより簡単な構成で、バネ部材60による押付力Fpを背圧室403a内の冷媒温度に応じて増減することができる。
また、本実施形態によれば、インジェクション通路401eには、車両用空調装置1の暖房運転中に気液分離器14からの冷媒が供給される。そのため、暖房運転の起動時に生じやすい背圧室403a内の冷媒圧力の不足を補うように、バネ部材60は旋回スクロール402への押付力Fpを発生させることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の第1実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。
図7および図8に示すように、本実施形態の圧縮機11は、第1実施形態のバネ部材60を第1バネ部材60として備え、更に第2バネ部材62を備えている。本実施形態は、この点において第1実施形態と異なっている。
具体的に、本実施形態の第2バネ部材62は、第1バネ部材60と同様に旋回スクロール402への押付力Fpを発生する押付装置である。第2バネ部材62は旋回スクロール402に接触しているので、旋回スクロール402に対し直接に押付力Fpを作用させることができる。
第2バネ部材62は、第1バネ部材60と同様のバイメタルワッシャで構成されている。すなわち、図9に示すように、第2バネ部材62の中央部分には貫通孔62aが空いており、第2バネ部材62は、第1バネ部材60の低膨張層601に相当する低膨張層621と、第1バネ部材60の高膨張層602に相当する高膨張層622とを有している。但し、第2バネ部材62において高膨張層622は、低膨張層621に対しモータ軸方向DRmの他方側すなわち回転軸423側に積層されている。
また、第3軸受用凹部402dの底面402eは第3軸受483の内輪の一方側の端面483a(すなわち、内輪一方端面483a)とモータ軸方向DRmに相対向している。本実施形態の第2バネ部材62は、その第3軸受用凹部402dの底面402eと第3軸受483の内輪一方端面483aとの間に挟まれている。
すなわち、第2バネ部材62は、背圧室403a内の冷媒との間で直接的に熱の授受が可能であり、更に、第3軸受483の内輪および外輪を介して間接的にも熱の授受が可能となっている。要するに、第2バネ部材62は、背圧室403a内の冷媒の温度を直接的または間接的に感知可能な箇所に配置されている。
第2バネ部材62は低膨張層621と高膨張層622とを有するので、図10に示すように、その第2バネ部材62の自由状態においては、第2バネ部材62の温度が低いほど、第2バネ部材62の中央部分がモータ軸方向DRmの他方側(すなわち、低膨張層621に対する高膨張層622側)へ突き出るように反る。また、第2バネ部材62も第1バネ部材60と同様に、圧縮機11の定常運転時には図9のように平板状になる。
このように構成された第2バネ部材62は、第1バネ部材60と同様に、図8に示す旋回スクロール402への第2バネ部材62の押付力Fpを、第2バネ部材62の温度が低いほど大きくする。要するに、第2バネ部材62は、背圧室403a内の冷媒の温度が低いほど、その第2バネ部材62の押付力Fpを大きくする。
本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
また、本実施形態によれば、第2バネ部材62は、第1バネ部材60よりも旋回スクロール402に近い箇所に配置されている。従って、第2バネ部材62は、第1バネ部材60と比較して、旋回スクロール402へ押付力Fpを適切な大きさで及ぼしやすい。
(他の実施形態)
(1)上述の各実施形態において、圧縮機11はヒートポンプサイクル10の一部を構成するので、圧縮機11が圧縮する流体は、ヒートポンプサイクル10を循環する冷媒であるが、これに限らない。例えば圧縮機11はヒートポンプサイクル10以外の用途に用いられてもよく、圧縮機11が圧縮する流体は冷媒以外の他の流体であっても差し支えない。
(2)上述の第1実施形態において、図2および図3に示すように、バネ部材60は、背圧室403a内の冷媒の温度を間接的に感知可能な箇所に配置されているが、その冷媒の温度を直接的に感知可能な箇所に配置されていても構わない。
(3)上述の第1実施形態において、図4に示すように、バネ部材60はバイメタルワッシャで構成されているが、バイメタルではなく例えば形状記憶合金等で構成されていても差し支えない。また、バネ部材60の形状に限定はなく、バネ部材60は座金形状を成している必要もない。これらのことは、第2実施形態の第1および第2バネ部材60、62についても同様である。
(4)上述の第1実施形態において、バネ部材60は第2軸受482に対して設けられているが、圧縮機11が有する複数の軸受481、482、483のうちの何れか1つまたは2つ以上に対して設けられていてもよい。また、バネ部材60は、各軸受481、482、483から離れて配置されていることも考え得る。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、圧縮機は、旋回スクロールを固定スクロールに対して所定軸心の軸方向に押し付ける押付力を発生する押付装置を備える。そして、その押付装置は、背圧室内の流体の温度が低いほど押付力を大きくする。
また、第2の観点によれば、押付装置は、その押付装置の温度が低いほど上記押付力を大きくするバネ部材で構成され、背圧室内の流体の温度を直接的に又は間接的に感知可能な箇所に配置される。従って、押付装置を簡単な構成としつつ、背圧室内の流体の温度に応じて押付装置による上記押付力を増減することが可能である。
また、第3の観点によれば、押付装置はバイメタルワッシャで構成され、背圧室内の流体の温度を直接的に又は間接的に感知可能な箇所に配置される。そして、そのバイメタルワッシャは、低膨張層の線膨張係数と高膨張層の線膨張係数と差に起因して、バイメタルワッシャの温度が低いほど上記押付力を大きくする。従って、バイメタルワッシャの温度とバネ力との関係を利用することにより簡単な構成で、背圧室内の流体の温度に応じて押付装置による上記押付力を増減することが可能である。
また、第4の観点によれば、固定スクロールには、外部から導入された流体を圧縮室内の圧縮途中の流体へ合流させる合流用通路が形成されている。
また、第5の観点によれば、固定スクロールに形成された合流用通路には、室内熱交換器が車室内への送風空気へ冷媒から放熱させると共に室外熱交換器が外気から冷媒へ吸熱させる場合に、気液分離器から流出した冷媒が圧縮機外部からの流体として供給される。従って、押付装置を備えた圧縮機は、暖房運転を行うヒートポンプサイクルに適用される。
11 圧縮機
40a 圧縮室
401 固定スクロール
402 旋回スクロール
403 支持部材(背圧室形成部)
403a 背圧室
60 バネ部材(押付装置)
62 第2バネ部材(押付装置)
Fp 押付力
DRm モータ軸方向(所定軸心の軸方向)

Claims (5)

  1. 非回転部材としての固定スクロール(401)と、
    該固定スクロールとの間に圧縮室(40a)を形成し、該固定スクロールに対し所定軸心(CLm)まわりに旋回することによって前記圧縮室の容積を変化させ、該圧縮室の容積変化により該圧縮室内の流体を圧縮する旋回スクロール(402)と、
    前記圧縮室で圧縮された流体の一部が導入される背圧室(403a)が形成された背圧室形成部(403)と、
    前記旋回スクロールを前記固定スクロールに対して前記所定軸心の軸方向(DRm)に押し付ける押付力(Fp)を発生する押付装置(60、62)とを備え、
    前記背圧室は、該背圧室内の流体の圧力を、前記旋回スクロールを前記固定スクロールに対して前記軸方向に押し付ける背圧として作用させ、
    前記押付装置は、前記背圧室内の流体の温度が低いほど前記押付力を大きくする圧縮機。
  2. 前記押付装置は、該押付装置の温度が低いほど前記押付力を大きくするバネ部材で構成され、前記背圧室内の流体の温度を直接的に又は間接的に感知可能な箇所に配置されている請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記押付装置は、低膨張層(601、621)と該低膨張層に比して線膨張係数が大きい高膨張層(602、622)とが前記軸方向に積層されてなるバイメタルワッシャで構成され、前記背圧室内の流体の温度を直接的に又は間接的に感知可能な箇所に配置され、
    前記バイメタルワッシャは、前記低膨張層の線膨張係数と前記高膨張層の線膨張係数と差に起因して、前記バイメタルワッシャの温度が低いほど前記押付力を大きくする請求項1に記載の圧縮機。
  4. 前記固定スクロールには、外部から導入された流体を前記圧縮室内の圧縮途中の流体へ合流させる合流用通路(401e)が形成されている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の圧縮機。
  5. 室内熱交換器(12)と、該室内熱交換器から冷媒が流入する気液分離器(14)と、該気液分離器から冷媒が流入する室外熱交換器(20)とを有するヒートポンプサイクル(10)の一部を構成する圧縮機であって、
    前記気液分離器および前記室外熱交換器は車室外に配置され、
    前記合流用通路には、前記室内熱交換器が車室内への送風空気へ冷媒から放熱させると共に前記室外熱交換器が外気から冷媒へ吸熱させる場合に、前記気液分離器から流出した冷媒が前記外部からの流体として供給される請求項4に記載の圧縮機。
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