JP2017193809A - 模様紙の製造方法 - Google Patents

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【課題】意匠性の高い模様が付された模様紙を効率良く簡便に製造し得る模様紙の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明は、紙面に粉体が所定のパターンで分布して模様を形成している模様紙の製造方法であり、繊維原料を湿式抄紙して得られた湿紙に対して、前記粉体を付与することで模様付けを行う模様付け工程を有する。前記模様付け工程は、前記湿紙を搬送ベルトに載せ、該搬送ベルトに前記粉体を含むスラリーを供給してスラリー保持部を形成するスラリー保持工程と、前記スラリー保持部を前記湿紙側に押圧して、該スラリー保持部に存するスラリーを前記湿紙に転移させるスラリー転移工程とを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、意匠性の高い模様が付された模様紙の製造方法に関する。
従来、紙面に模様付けを行う方法として印刷が利用されている。例えば特許文献1には、湿式抄紙法によって製造され、紙面に皺(クレープ)が付与された乾燥原紙の少なくとも片面に、印刷により模様を施すことが記載されている。しかし、乾燥原紙に対して模様印刷を施すためには、その被印刷面は印刷が可能な程度に平坦である必要があることから、印刷前に付与されるクレープは、その後の印刷に支障をきたさない程度の高低差が小さいもので、クレープ率が抑えられたものとする必要がある。従って特許文献1記載の模様付けの方法は、紙に付与し得るクレープが制限されるため、デザインの幅が狭くなり、また、クレープ付与によって期待できる機能的な効果、例えば紙の柔軟性などが不十分となるおそれがある。
特許文献2には、消臭性能を有する粉体や、空気中の酸素と反応して発熱する被酸化性金属粉体などの機能性を有する粉体と、繊維状物とを含む機能性シートに関し、粉体の脱落防止と液透過性の向上などの観点から、繊維状物の高坪量領域と低坪量領域とを平面方向に混在させ、該高坪量領域に粉体を含有させることが記載されている。また特許文献2には、斯かる機能性シートの製造方法に関して、湿式抄造法により機能性シートを製造するに際し、各種抄紙機の抄き網に、目の細かい部分と目の粗い部分とを有するものを用いて製造することができる旨記載されており、そのような抄き網を用いた場合には、抄紙工程における中間製造物として、高密度部と低密度部とが混在する湿紙が製造される。しかし、湿紙に密度の高い部分と低い部分とが混在すると、毛管力が不均一であることに起因して、湿紙を抄紙網から搬送ベルトへ転移する際に、湿紙が破断するおそれがある。
特開2007−135852号公報 特開2009−203586号公報
本発明は、前述した従来技術が有する課題を解決し得る模様紙の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、紙面に粉体が所定のパターンで分布して模様を形成している模様紙の製造方法であって、繊維原料を湿式抄紙して得られた湿紙に対して、前記粉体を付与することで模様付けを行う模様付け工程を有し、前記模様付け工程は、前記湿紙を搬送ベルトに載せ、該搬送ベルトに前記粉体を含むスラリーを供給してスラリー保持部を形成するスラリー保持工程と、前記スラリー保持部を前記湿紙側に押圧して、該スラリー保持部に存するスラリーを前記湿紙に転移させるスラリー転移工程とを有する、模様紙の製造方法である。
本発明によれば、意匠性の高い模様が付された模様紙を効率良く簡便に製造し得る模様紙の製造方法が提供される。本発明の模様紙は、その高い意匠性を活かして例えば、ファンシーペーパー、包装用紙、キッチンペーパー、テッシュ、障子紙、衛生用品のキャリアテッシュ等に好適に使用できる。
図1(a)及び図1(b)は、それぞれ、本発明の製造方法によって製造される模様紙の模式的な平面図である。 図2は、本発明の製造方法の実施に用いられる湿式抄紙機の一例の概略図である。 図3は、図2に示す湿式抄紙機を用いた模様付け工程の概略図である。 図4は、模様付け工程におけるスラリーの搬送ベルトへの供給方法の一例の概略図である。
本発明の製造方法によって製造される模様紙は、少なくとも片面に粉体が所定のパターンで分布していることで、目視で視認可能な模様が付与されている紙である。つまり、この模様紙における模様は、例えば透かし模様のような紙(構成繊維)の坪量差によるものではなく、模様紙の表層部(表面)に、模様紙本来の色(通常は白色)とは異なる色(例えば黒色)の粉体が所定のパターンで存在していることによって視覚効果を奏するものである。そして、この模様紙における粉体による模様は、後述するように、乾燥原紙に対して模様を印刷することによって付与されるものではなく、模様紙を製造する抄紙工程において、均一な坪量を有する湿紙に対して付与されるものである。
模様紙における模様即ち粉体の分布パターンは、任意に選択することができる。例えば図1(a)に示す模様紙1Aにおいては、平面視四角形形状ないし菱形形状の模様構成要素2Aが模様紙1Aの一面全体に散点状に分布している。また図1(b)に示す模様紙1Bにおいては、平面視直線状の模様構成要素2Bがその長手方向と直交する方向に間欠的に配置されている。これら模様構成要素1A,1Bは、粉体が付与されている部分である。本発明の模様紙の製造方法によれば、図1に示す如き幾何学的模様を有する模様紙を、抄紙工程とは別に印刷工程などの後工程を要することなく、抄紙工程だけで簡単に製造することができる。
図2には、本発明の模様紙の製造方法の実施に用いられる製造装置の一例である湿式抄紙機10が示されている。湿式抄紙機10は、抄紙網として円網12を1枚備えた単層型円網抄紙機であり、紙料調整パート10Aと、フォーミングパート10Bと、ドライパート10Cとを含んで構成されている。また、フォーミングパート10Bは、円網12を用いて湿紙を形成する湿紙形成パートと、形成された湿紙を次工程へ搬送する湿紙搬送パートとを含んで構成されている。
湿式抄紙機10においては、先ず紙料調整パート10Aにおいて、調製装置11から供給された繊維原料を含む紙料いわゆるパルプスラリーを所定の濃度に調節してフォーミングパート10Bに供給する。調製装置11は、繊維原料を離叩解する装置(図示せず)と、離叩解された繊維原料にサイズ剤、顔料、紙力増強剤、漂白剤、凝集剤等の添加剤を添加する添加装置(図示せず)とを備え、製造目的物たる模様紙の特性に応じた所定濃度の原料からなる紙料を調製するように構成されている。紙料調整パート10Aでは例えば、繊維原料としてのパルプ板紙を水に混合し撹拌してパルプ板紙の構成繊維を離解し、そうして得られたパルプスラリーを叩解し、必要に応じてフィブリル化し、各種添加剤を添加してから所定濃度に希釈した後、円網12に供給する。
模様紙に使用可能な繊維原料は特に制限されず、例えば、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の木材パルプ;楮、三椏、雁皮等の靱皮繊維;藁、竹、ケナフ、麻等の非木材パルプ;レーヨン、キュプラ、テンセル、リヨセル等の再生セルロース繊維;アセテート等の半合成セルロース繊維等;ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、ポリビニルアルコール等の合成繊維が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。添加剤についても特に制限は無く、湿式抄紙で通常使用可能なものを適宜選択して用いることができる。また、繊維原料の叩解度は特に制限されず、模様紙の用途等に応じて適宜調整すれば良い。
次いで、フォーミングパート10Bにおいて、紙料調整パート10Aから供給された紙料を用いて円網12により連続帯状の単層構造の湿紙3を形成し(前記湿紙形成パート)、その形成された湿紙3を円網12から搬送ベルト13上に転移させ、ドライパート10Cに搬送する(前記湿紙搬送パート)。湿紙3の坪量は、模様紙の用途等に応じて適宜設定すれば良く特に限定されないが、好ましくは8g/m以上、さらに好ましくは12g/m以上、そして、好ましくは50g/m以下、さらに好ましくは30g/m以下である。
本実施態様においては、フォーミングパート10Bより具体的には前記湿紙搬送パートにおいて、湿紙3に対して模様付けを行って模様付け湿紙4を得、その模様付け湿紙4をドライパート10Cに搬送する。この模様付け工程については後述する。
次いで、模様付け湿紙4に無端フェルト14を合流させて積層体とし、その積層体をドライパート10Cに導入する。ドライパート10Cは、模様付け湿紙4を加熱乾燥するもので、ヤンキードライヤーローラー(回転シリンダー式抄紙乾燥機)15とタッチローラー16とを備えている。ドライパート10Cでは、その入口においてタッチローラー16で前記積層体を無端フェルト14側から押圧して、無端フェルト14に付着している模様付け湿紙4をヤンキードライヤーローラー15の周面に転移・圧接させる(乾燥工程)。ヤンキードライヤーローラー15の周面は所定温度に加熱されており、模様付け湿紙4は加熱乾燥されて、製造目的物たる模様紙1となる。
本実施態様においては、模様紙1に皺(クレープ)を付与する。即ち図2に示すように、ドライパート10Cの出口にドクターブレード17が配されており、ドクターブレード17によって、ヤンキードライヤーローラー15の表面から模様紙1を剥離させる。ドライパート10Cの後には、ドライパート10Cで乾燥された連続帯状の模様紙1をロール状に巻き取る図示しないワインダーパートが存在するところ、本実施態様においては、ヤンキードライヤーローラー15の回転速度よりこのワインダーパートでの巻き取り速度を遅くすることによって、剥離された連続帯状の模様紙1に速比に応じた任意のクレープを形成させる。クレープが付与された連続帯状の模様紙1は、図示しないワインダーパートによってロール状に巻き取られる。
模様紙にクレープを付与すると柔軟性や嵩高さが高まり、粉体による模様の視覚効果と相俟って、模様紙の意匠性がより一層高まり得る。ところで、紙に対する模様付けを印刷で行う場合、その手順としては、先ず、湿式抄紙によって乾燥原紙を製造し、次いで、その乾燥原紙に印刷を施すことになるところ、乾燥原紙の被印刷面は印刷が可能な程度に平坦である必要があるから、印刷前の乾燥原紙には基本的にクレープを付与できないか、又はクレープを付与できたとしてもそれは意匠効果等があまり期待できない小さいものとなりやすい。この点、本実施態様においては前述した通り、クレープ付与工程の前において乾燥前の湿紙の段階で、非印刷手法による模様付けが完了しているため、後工程の印刷を考慮することなく、所望のクレープを付与することができる。
尚、模様付け湿紙4と無端フェルト14との積層体をドライパート10Cに導入する前に、図2に示すように、1)対向配置された一対のプレスローラー18,18で該積層体をその厚み方向に加圧することで、模様付け湿紙4を圧搾脱水しても良く、あるいは2)該積層体の搬送路に配置されたサクションボックス19によって、模様付け湿紙4を吸引脱水しても良く、前記1)及び2)の両方を実施しても良い。また、サクションボックス19による模様付け湿紙4の吸引脱水は、プレスローラー18による模様付け湿紙4の圧搾脱水の前に実施しても良い。前述した本実施態様の湿紙工程は、模様付け工程を除き、基本的に公知の湿紙抄紙法による抄紙工程と同じである。
本発明の模様紙の製造方法の主たる特徴の1つとして、繊維原料を湿式抄紙して得られた湿紙に対して、粉体を付与することで模様付けを行う模様付け工程を有している点が挙げられる。図2に示す湿式抄紙機10においては前述したように、フォーミングパート10Bの前記湿紙搬送パートにおいて、円網12から搬送ベルト13上に転移された湿紙3に対してこの模様付け工程を実施して模様付け湿紙4を得る。
図3には、湿式抄紙機10における模様付け工程の概略が示されている。模様付け工程においては、先ず、湿紙3が載せられた搬送ベルト13に、粉体を含むスラリーを供給してスラリー保持部130を形成する(スラリー保持工程)。スラリーの搬送ベルト13への供給方法は特に限定されず、スラリーの噴霧、塗工など、種々の方法を適用できる。本実施態様におけるスラリーの供給方法は、図1及び図3に示すように、スプレー20によって、図中符号5で示すスラリーを搬送ベルト13に噴霧する方法である。
図4には、スラリーの搬送ベルトへの供給方法の他の一例として、塗工ローラー21によってスラリー5を搬送ベルト13に塗工する方法が示されている。この塗工方法で使用する塗工装置は、軸心周りに回転駆動する円筒状の塗工ローラー21を、スラリー貯留槽22に貯留されたスラリー5中に浸した状態で回転させ、塗工ローラー21の周面に付着したスラリー5を搬送ベルト13に転移するように構成されている。塗工ローラー21の周面に付着したスラリー5を搬送ベルト13に転移させる前に、図示しないドクターブレードで過剰量のスラリー5を掻き落としても良い。
スラリーは粉体を含む水性液であるところ、前記の如き方法で搬送ベルト13にスラリー5を供給すると、その供給されたスラリー5は搬送ベルト13に吸収保持されて、搬送ベルト13にスラリー保持部130が形成される。つまり、スラリー保持部130は、搬送ベルト13におけるスラリー5(スラリー5に含まれる粉体)が存在する部分である。搬送ベルト13は特に制限されないが、水性液であるスラリーの保持性を高める観点から、親水性のものが好ましい。
模様付け工程においては、スラリー保持工程に続いて、スラリー保持部130を湿紙3側に押圧して、スラリー保持部130に存するスラリー5を湿紙3に転移させる(スラリー転移工程)。本実施態様におけるスラリー保持部130の押圧方法は、図1及び図3に示すように、対向配置された一対のプレスローラー23,23によって、スラリー保持部130を湿紙3と共にそれらの厚み方向に加圧する方法である。スラリー保持部130を湿紙3側に押圧することで、スラリー保持部130(搬送ベルト13)が厚み方向に圧縮変形し、その変形部分に保持されていたスラリー5が湿紙3側に押し出される形で湿紙3に転移する。こうして湿紙3に転移したスラリー5のうち、粉体をはじめとする固形分が湿紙の表面に付着し、液体は湿紙に吸収されるか又は搬送ベルト13を透過して流れ落ちる。前記スラリー転移工程は、一対のプレスローラー23,23によって湿紙3を厚み方向に加圧することで、湿紙3の圧搾脱水も兼ね得る。
搬送ベルト13は、模様紙に付与する模様に対応するパターンのメッシュ構造体であるため、スラリー保持部130を押圧すると、スラリー保持部130のメッシュパターンに対応した形態でスラリーが押し出され、湿紙3に転移することになる。従って、前記スラリー転移工程によって、連続帯状の湿紙3の片面即ち搬送ベルト13との対向面に、粉体をはじめとするスラリー5中の固形分が所定のパターンで付着した模様付け湿紙4が得られる。こうして得られた模様付け湿紙4は、前記の手順に従って乾燥されて模様紙1とされる。
尚、模様付け湿紙4における粉体付着面(スラリー転移面)には、前記の通り搬送ベルト13(スラリー保持部130)が押圧されることから、搬送ベルト13のメッシュパターンに対応した凹凸が付与され得る。しかし、本実施態様においては模様付け湿紙4の乾燥工程を前記の通り、ヤンキードライヤーローラー15の周面に転移・圧接することで実施するため、模様付け工程で模様付け湿紙4に付与され得る凹凸は、斯かるヤンキードライヤー方式の乾燥工程で消失し、最終的に得られる模様紙は実質的に凹凸の無い平坦なものとなる。
これに対し、模様紙1に搬送ベルト13の凹凸に対応した凹凸賦形を施したい場合には、模様付け湿紙4の乾燥方法として、ヤンキードライヤー式乾燥のような、乾燥対象を熱源に直接接触させる方法ではなく、例えば熱風を乾燥対象に吹き付ける熱風乾燥の如き、非接触方式の乾燥方法を採用すれば良い。
搬送ベルト13としては、親水性で液保持性の素材からなるメッシュ構造体を用いることが好ましく、例えば、フェルト、樹脂等を用いることができる。搬送ベルト13の素材となる樹脂自体は本来的に疎水性であっても、その疎水性樹脂に公知の親水化処理を施すことで、親水性の搬送ベルト13の素材として使用し得る。搬送ベルト13の厚みは、好ましくは3mm以上、さらに好ましくは5mm以上、そして、好ましくは100mm以下、さらに好ましくは80mm以下である。搬送ベルト13の厚みが小さすぎると、スラリーの保持量の低下、耐久性の低下などの問題が顕在化し、搬送ベルト13の厚みが大きすぎると、そのスラリー保持部130を押圧したときに押し出されるスラリーの量が不十分になるおそれがある。
本発明において模様付け工程で使用するスラリーは、少なくとも粉体を含む。スラリーに含まれる粉体は、本発明の製造目的物たる模様紙における模様を構成するものであり、模様の視認性を高める観点から、模様紙本来の色とは異なる色を有するものが好ましい。模様紙本来の色は、模様紙が通常のパルプ繊維を主体とするものであれば、白色又はそれに準ずる色となるから、粉体はそのような白色系とは異なる色を有するものが好ましい。本発明で使用可能な粉体としては、例えば、椰子殻炭、木炭粉、暦青炭、泥炭、亜炭等の活性炭;顔料、染料、着色した有機又は無機粒子が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
スラリーにおける粉体の含有量は、模様紙に意匠性の高い模様を付与する観点から、スラリーの全質量に対して、好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
スラリーは、粉体以外に、水又は溶媒と、界面活性剤、カチオン性凝集剤、アニオン性凝集剤、増粘剤及び接着剤からなる群から選択される1種以上の添加剤とを含有することが好ましい。スラリーに含有可能な水以外の溶媒としては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ヘキサノール、等が挙げられる。
スラリーに界面活性剤を含有させることで、粉体の分散性が向上し、結果として模様紙の意匠性の向上に繋がり得る。スラリーに含有可能な界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤を使用可能であり、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリエチレングリコール、アルキルグリコシド、塩化ベンザルコニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、等が挙げられる。スラリーにおける界面活性剤の含有量は、スラリーの全質量に対して、好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、そして、好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
スラリーにカチオン性又はアニオン性凝集剤を含有させることで、スラリー中で粉体が凝集して粉体凝集体を形成し、結果として模様紙の意匠性の向上に繋がり得る。スラリーに含有可能なカチオン性凝集剤としては、例えば、カチオン化澱粉、カチオン化カルボキシメチルセルロース、カチオン系ポリアクリルアミド、ポリアミドアミン・エピクロロヒドリン樹脂、グリオキサール変性ポリアミドアミン・エピクロロヒドリン樹脂、及びこれらの塩が挙げられる。スラリーに含有可能なアニオン性凝集剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド-アクリル酸共重合体の塩、アニオン系ポリアクリルアミドが挙げられる。スラリーにおけるカチオン性凝集剤及びアニオン性凝集剤の合計含有量は、スラリーの全質量に対して、好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.03質量%以上、そして、好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
スラリーに増粘剤を含有させることで、スラリーに適度な粘性が付与されるため、スラリーの搬送ベルトへの供給性、あるいは搬送ベルトにおけるスラリーの保持性が向上し、結果として模様紙の意匠性の向上に繋がり得る。スラリーに含有可能な増粘剤としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ゼラチン、多糖類、等が挙げられる。スラリーにおける増粘剤の含有量は、スラリーの全質量に対して、好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.03質量%以上、そして、好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。また、スラリーの液温25℃における粘度は、好ましくは5mPa・s以上、さらに好ましくは10mPa・s以上、そして、好ましくは500mPa・s以下、さらに好ましくは300mPa・s以下である。
スラリーに接着剤を含有させることで、粉体あるいはその凝集体の湿紙に対する接着性が向上し、模様紙から粉体が脱落するといった不都合の発生を未然に防止することが可能となる。スラリーに含有可能な接着剤としては、例えば、変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールが挙げられる。スラリーにおける接着剤の含有量は、スラリーの全質量に対して、好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上、そして、好ましくは0.8質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
好ましいスラリーの具体例として、下記組成を有するものが挙げられる。尚、好ましいスラリーは下記成分以外に水を含み、全成分の合計含有量は100質量%である。
・活性炭(粉体):1〜3質量%
・ポリエチレンオキサイド(増粘剤):0.05〜1質量%
・ポリビニルアルコール(接着剤):0.3〜2質量%
以上、本発明の模様紙の製造方法について説明したが、本発明は、前述した実施態様に制限されず適宜変更可能である。本発明の実施に用いる湿式抄紙機の構成は、図2に示す湿式抄紙機10に限定されず、サクションボックスやプレスロールの設置数等は適宜変更可能である。また、湿式抄紙機10は単層型円網抄紙機であったが、本発明の実施にあたっては長網抄紙機等の他の抄紙機を用いることもできる。
1,1A,1B 模様紙
2 粉体含有層
2A,2B 模様構成要素(粉体付与部)
3 湿紙
4 模様付け湿紙
5 スラリー
10 湿式抄紙機
10A 紙料調整パート
10B フォーミングパート(湿紙形成パート及び湿紙搬送パート)
10C ドライパート
11 調製装置
12 抄紙網(円網)
13 搬送ベルト
130 スラリー保持部
14 無端フェルト
15 ヤンキードライヤーローラー
16 タッチローラー
17 ドクターブレード
18 プレスローラー
19 サクションボックス
20 スプレー(スラリー供給手段)
21 塗工ローラー(スラリー供給手段)
22 スラリー貯留槽
23 プレスローラー

Claims (4)

  1. 紙面に粉体が所定のパターンで分布して模様を形成している模様紙の製造方法であって、
    繊維原料を湿式抄紙して得られた湿紙に対して、前記粉体を付与することで模様付けを行う模様付け工程を有し、
    前記模様付け工程は、前記湿紙を搬送ベルトに載せ、該搬送ベルトに前記粉体を含むスラリーを供給してスラリー保持部を形成するスラリー保持工程と、
    前記スラリー保持部を前記湿紙側に押圧して、該スラリー保持部に存するスラリーを前記湿紙に転移させるスラリー転移工程とを有する、模様紙の製造方法。
  2. 前記スラリーは、水又は溶媒と、界面活性剤、カチオン性凝集剤、アニオン性凝集剤、増粘剤及び接着剤からなる群から選択される1種以上の添加剤とを含有する請求項1に記載の模様紙の製造方法。
  3. 前記スラリーの前記搬送ベルトへの供給方法は、スプレーによって該スラリーを該搬送ベルトに噴霧する方法、又は、塗工ローラーによって該スラリーを該搬送ベルトに塗工する方法である請求項1又は2に記載の模様紙の製造方法。
  4. 前記模様付け工程後に、前記湿紙の乾燥工程及びクレープ付与工程を有する請求項1〜3の何れか1項に記載の模様紙の製造方法。
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