JP2017193806A - ポリプロピレン繊維及び同ポリプロピレン繊維の製造方法 - Google Patents

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正樹 藤江
Masaki Fujie
正樹 藤江
友義 山下
Tomoyoshi Yamashita
友義 山下
裕信 池田
Hironobu Ikeda
裕信 池田
純哉 今北
Junya Imakita
純哉 今北
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Abstract

【課題】繊維の白化がなく、かつ繊維強度が7cN/dtexを超える高強度のポリプロピレン繊維を提供する。【解決手段】アイソタクチックペンタッド分率95%以上のポリプロピレン樹脂を70質量%以上95質量%以下と、アイソタクチックペンタッド分率30%以上60%以下のポリプロピレン樹脂を5質量%以上30質量%以下とを混合、加熱して溶融体とし、又はアイソタクチックペンタッド分率80%以上95%未満のポリプロピレン樹脂を加熱して溶融体とする。これらの溶融体を200℃以上320℃以下の温度下で吐出孔から吐出し、5倍以上150倍以下で紡糸ドラフトする。その後、5倍以上15倍以下で延伸してポリプロピレン繊維を得る。【選択図】なし

Description

本発明は、産業資材用、建造物や自動車などの内装用、医療・衛生用、衣料用などに用いられるポリプロピレン繊維とその製造方法に関する。
ポリプロピレン繊維は、撥水性、非吸収性に優れ、比重が低いため軽く、また耐薬品性にも優れているなどの特性を有していることから、産業資材用、建造物や自動車などの内装用、医療・衛生用、衣料用などに広く用いられている。特に産業資材用途では軽さと強度を活かしてロープ、養生ネット、水平ネットなど幅広く用いられているが、更なる高強度化が求められている。
ポリプロピレン繊維の強度は延伸条件に大きく依存することが知られている。特に延伸倍率を高くするとポリプロピレン繊維の強度は大きく向上する。例えば特開平6−313207号公報(特許文献1)ではMFR(メルトフローレート値)が5〜15、アイソタクチックペンタッド分率が95%以上、n−ヘプタン不溶分が98以上、Q値(重量平均分子量/数平均分子量)が4以下の高規則性ポリプロピレンを原料として、繊維強度が8g/d以上である高強度のポリプロピレン繊維を提案している。
しかし、通常の延伸速度で高倍率に延伸しようとすると毛羽や糸切れが頻発してしまうため安定的に生産するのが難しくなる。また、仮に高倍率で安定的に生産できたとしても、繊維が白化してしまうため、特に顔料を添加したときの発色性が問題となる。
このような繊維の白化を抑制するため、特開2000−170030号公報(特許文献2)ではメタロセン系触媒を使用して得られたポリプロピレン原料を使用して最大延伸倍率の0.65〜0.80倍の延伸倍率で延伸することで、優れた発色性をもつ高強度(5〜6.5cN/dtex)のポリプロピレン繊維が得られるとしている。
特開平6−313207号公報 特開2000−170030号公報
本発明の目的は、繊維の白化がなく、かつ繊維強度7cN/dtexを超える高強度のポリプロピレン繊維を提供することにある。
本発明のポリプロピレン繊維は、アイソタクチックペンタッド分率が95%以上のポリプロピレン、及びアイソタクチックペンタッド分率が30%以上60%以下のポリプロピレンを含有するポリプロピレン繊維、又はアイソタクチックペンタッド分率80%以上95%未満のポリプロピレンを含有するポリプロピレン繊維である。
本発明のポリプロピレン繊維は、アイソタクチックペンタッド分率30%以上60%以下のポリプロピレンを5質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
本発明のポリプロピレンは、アイソタクチックペンタッド分率95%以上の上記ポリプロピレンを70質量%以上95質量%以下含有することが好ましい。
本発明のポリプロピレン繊維は、強度が7cN/dtex以上であることが好ましい。
本発明のポリプロピレン繊維は、顔料、難燃剤、安定剤、耐候(光)剤の1つ以上が0.01質量%以上10質量%以下含有することが好ましい。
本発明のポリプロピレン繊維の製造方法は、アイソタクチックペンタッド分率95%以上のポリプロピレン樹脂を70質量%以上95質量%以下と、アイソタクチックペンタッド分率30%以上60%以下のポリプロピレン樹脂を5質量%以上30質量%以下とを混合、加熱して溶融体とし、前記溶融体の温度を200℃以上320℃以下として吐出孔から吐出し、紡糸ドラフトが5倍以上150倍以下とし、その後5倍以上15倍以下で延伸するポリプロピレン繊維の製造方法である。
本発明のポリプロピレン繊維の製造方法は、アイソタクチック分率80%以上95%未満のポリプロピレン樹脂を加熱して溶融体とし、前記溶融体の温度を200℃以上320℃以下として吐出孔から吐出し、紡糸ドラフトが5倍以上150倍以下とし、その後5倍以上15倍以下で延伸するポリプロピレン繊維の製造方法である。
本発明によれば、高倍率延伸しても繊維の白化がなく、かつ高強度のポリプロピレン繊維が提供できる。特に顔料、難燃剤、安定剤、耐候(光)剤などの添加剤を含有した際に優れた発色性を有する、白化が低減したポリプロピレン繊維が得られる。
以下、本発明について代表的な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<ポリプロピレン繊維原料>
本発明に用いるポリプロピレン樹脂は、アイソタクチックペンタッド分率が95%以上のポリプロピレンと、アイソタクチックペンタッド分率が30%以上60%以下のポリプロピレンとを含有することが好ましい。アイソタクチックペンタッド分率は、13C−NMRスペクトルを用いて5連子(pentad)の分率から求めることができる(Macromolecules、6、925(1973)やMacromolecules、8、687(1975)など)。
アイソタクチックペンタッド分率が高いほど高結晶性のポリプロピレンになることから、高強度のポリプロピレン繊維を得るために、アイソタクチックペンタッド分率が高い方が好ましい。この観点から、アイソタクチックペンタッド分率は96%以上であることが好ましく、アイソタクチックペンタッド分率は97%以上であることがさらに好ましい。
一方、白化を抑制するという観点からは、アイソタクチックペンタッド分率が30%以上60%以下のポリプロピレンを含有することが好ましい。白化の原因は様々考えられるが、一般的に延伸倍率を高めることで、繊維内部に光を散乱する程度の空隙(ボイド)が生じて起こる場合や、繊維表面に生成された凹凸構造により乱反射することで白化することが考えられる。さらに延伸倍率を小さくして延伸を行っても、延伸中での応力分布が不均一になることで、部分的に白化した繊維が得られることがある。この不均一な白化を抑制するためには、アイソタクチックペンタッド分率が30%以上60%以下のポリプロピレンを含有するのが効果的である。正確な理由は定かではないが、アイソタクチックペンタッド分率が30%以上60%以下のポリプロピレンは未延伸糸の結晶性の低減や均一結晶化、均一延伸の効果があると考えられる。
アイソタクチックペンタッド分率が30%以上では、延伸糸の結晶性が低くなりすぎないため強度低下への影響が小さくなる。またアイソタクチックペンタッド分率が60%以下では、結晶化速度が十分に低減されるため、結晶構造の均一化や結晶性の低減化が可能となる。
単一のポリプロピレン樹脂を用いる場合には、アイソタクチックペンタッド分率が80%以上95%未満のポリプロピレンを含有することが好ましい。アイソタクチックペンタッド分率が80%以上では、十分な高結晶性のポリプロピレンとなるため高強度のポリプロピレン繊維が得られる。またアイソタクチックペンタッド分率が95%未満では、紡糸時の結晶化速度が十分に低減されるため、白化が抑制されたポリプロピレン繊維が得られる。
本発明のポリプロピレン繊維の原料であるアイソタクチックペンタッド分率が95%以上のポリプロピレン樹脂、及びアイソタクチックペンタッド分率が80%以上95%未満のポリプロピレンのMFR[JIS K 7201に従って温度230℃、荷重2.16kg、時間10分間の条件で測定]は、1g/10分以上50g/10分以下であることが好ましい。MFRが1g/10分以上であれば溶融粘度が高くなり過ぎず、成形加工性が良好となる。一方、MFRが50g/10分以下であればポリプロピレンの分子量が低くなり過ぎず、高強度のポリプロピレン繊維が得られやすくなる。ポリプロピレン樹脂のMFRは3g/10分以上25g/10分以下であることが好ましく、5g/10分以上20g/10分以下であることがさらに好ましい。
アイソタクチックペンタッド分率30%以上60%以下のポリプロピレン樹脂のMFRは30g/10分以上3000g/10分以下である。MFRが30g/10分以上であれば、アイソタクチックペンタッド分率が95%以上のポリプロピレン樹脂と同程度のMFRとなり、白化低減効果が得られやすい。一方、MFRが3000g/10分以下であれば樹脂の流動性が高すぎないため、アイソタクチックペンタッド分率が95%以上のポリプロピレン樹脂との相溶性が保持され、目的のポリプロピレン繊維を得ることができる。以上の観点から、アイソタクチックペンタッド分率30%以上60%以下のポリプロピレン樹脂のMFRは50g/10分以上2500g/10分以下がより好ましく、300g/10分以上2000g/10分以下がさらに好ましい。
本発明に用いるポリプロピレンの分子量分布は5以下であることが好ましい。分子量分布が5以下であれば、ポリプロピレン繊維は均一な結晶構造を取りやすくなり、繊維強度が低下し難くなる。前記分子量分布は4以下がより好ましい。
本発明に用いるポリプロピレン樹脂には、本発明の効果を妨げない範囲内で顔料、難燃剤、安定剤、耐候(光)剤、更に酸化防止剤、紫外線吸収剤、中和剤、造核剤、エポキシ安定剤、滑剤、抗菌剤、帯電防止剤、可塑剤などの添加剤を必要に応じて適宜添加してもよい。アイソタクチックペンタッド分率30%以上60%のポリプロピレンは高流動性であり、アイソタクチックペンタッド分率が95%以上のポリプロピレンと同じ組成であることから、前記添加剤の均一分散が可能となり、白化低減に有効であると考えられる。
<ポリプロピレン繊維の製造方法>
上記のようなポリプロピレン原料を押出機に投入し混練した後、ギアポンプにて定量的にノズルから吐出させる。紡糸温度はポリプロピレン原料のMFRに合わせて設定すればよく、本発明のポリプロピレン繊維の紡糸温度は200℃以上320℃以下が好ましい。紡糸温度が200℃以上であればポリプロピレン原料の溶融粘度が高くならず成形加工性が良好となり、均質な結晶構造のポリプロピレン繊維が得られやすい。一方、紡糸温度が320℃以下であれば、ポリプロピレン原料自体の熱分解が進行しないため、得られるポリプロピレン繊維の強度が低下し難い。紡糸温度は220℃以上300℃以下がより好ましく、250℃以上290℃以下がさらに好ましい。
紡糸ノズルの吐出孔(以下、「ホール」という場合がある。)から吐出するポリマーの吐出量は1ホール当たり、0.1g/分以上3g/分以下が好ましい。吐出量が0.1g/分以上であれば、クエンチ筒での冷風による糸揺れが顕著にならず、フィラメント間での融着やガイドへの接触が起こり難く、安定的に未延伸糸を得ることができる。一方、吐出量が3g/分以下であれば、樹脂の冷却が十分でき、巻取の際にフィラメント間での融着が起こり難く、安定的に未延伸糸が得られる。前記吐出量は1.0g/分以上2.5g/分以下がより好ましく、1.2g/分以上2.0g/分以下がさらに好ましい。
紡糸ノズルの吐出孔から押し出された繊維は、クエンチ筒で10℃以上40℃以下の冷風を当てて急冷される。冷風の速度は、繊維の冷却が進行して、糸揺れによる繊維の融着が起きないという観点から、0.5m/秒以上5m/秒以下の範囲が好ましい。その後、冷却固化した繊維に、適宜オイリング装置をもって油剤を付与する。
紡糸ドラフトは5倍以上150倍以下であることが好ましい。ここで紡糸ドラフトは引取り速度(m/分)/吐出線速度(m/分)で求めることができる。紡糸ドラフトが5倍以上であれば、紡糸線上で張力が付与され、クエンチ筒での冷風の影響による糸揺れが顕著にならず、安定的に未延伸糸を得ることができる。一方、紡糸ドラフトが150倍以下であれば、紡糸線上で張力が高くなり過ぎず配向結晶化の促進を抑え、得られる未延伸糸は高結晶化度、高配向になり過ぎないため、延伸性が良好になる。紡糸ドラフトは10倍以上100倍以下がより好ましく、20倍以上80倍以下がさらに好ましい。
延伸糸の引取り速度は200m/分以上1000m/分以下が好ましい。前記引取り速度が200m/分以上であれば、生産性が良好となる。一方、1000m/分以下であれば、得られる未延伸糸は高結晶化度、高配向になり過ぎず、延伸性が良好となる。引取り速度は250m/分以上800m/分以下がより好ましく、300m/分以上600m/分以下がさらに好ましい。
未延伸糸の延伸は、一度巻き取った未延伸糸をオフラインで行ってもよいし、紡糸工程から一旦巻き取ることなしにそのまま引き続いて行ってもよい。また、延伸には熱板延伸、熱ロール延伸、熱風炉延伸など公知の方法で延伸することができる。変形速度を下げるという観点からは、熱板または熱風炉で延伸することが好ましい。ここで、変形速度とは引取ロールの速度から供給ロールの速度を引いた値を、熱板または熱風炉の長さで除して算出することができる。熱ロールを用いた際の変形速度を実際に求めることは難しいが、熱ロールから離れた瞬間に延伸されるため、熱板や熱風炉延伸と比較すると変形速度が速くなる。
本発明のポリプロピレン繊維の製造方法は、未延伸糸を1段又は2段以上に分割して行うことができる。
1段で延伸する場合の延伸倍率は5倍以上15倍以下で行うのが好ましい。延伸倍率が5倍以上であれば、高配向したポリプロピレン繊維を得やすくなり、高強度のポリプロピレン繊維が得られやすくなる。延伸倍率が15倍以下であれば、毛羽や束切れの発生を少なくでき、安定的にポリプロピレン繊維を得ることができる。延伸倍率は6倍以上13倍以下がより好ましく、7倍以上12倍以下がさらに好ましい。
延伸する未延伸糸の延伸温度は110℃以上160℃以下が好ましい。前記延伸温度が110℃以上であれば、ポリプロピレンの結晶分散温度以上となるため、延伸性が良好となりやすい。前記延伸温度が160℃以下であれば、ポリプロピレン未延伸糸の融点以下であるため溶融破断せず、延伸が安定する。前記延伸温度は125℃以上155℃以下がより好ましく、130℃以上150℃以下がさらに好ましい。
延伸の前に繊維を予備加熱してもよい。延伸前の予備加熱は加熱ロールや、熱板、熱風炉などを使用することができる。予備加熱する糸温度は50℃以上120℃以下が好ましく、60℃以上110℃以下がより好ましい。
延伸速度は100m/分以上1000m/分以下であることが好ましい。ここで延伸速度とは、延伸する際の引取ロール速度のことである。延伸速度が100m/分以上であれば生産性が良好となる。一方、延伸速度が1000m/分以下であれば、変形速度が速くなり過ぎず、糸切れを少なくできる。前記延伸速度は、150m/分以上800m/分以下がより好ましく、200m/分以上600m/分以下がさらに好ましい。
<ポリプロピレン繊維>
本発明で得られるポリプロピレン繊維は、単繊維強度が7cN/dtex以上13cN/dtex以下であることが好ましい。単繊維強度が7cN/dtex以上であれば、ロープ、養生ネット、水平ネットなどに用いることができ、軽量化ができるので好ましい。一方、単繊維強度の上限は制限ないが、13cN/dtexを超えるポリプロピレン繊維を工業的に得ることは、現在のところ困難である。前記観点から、本発明のポリプロピレン繊維の強度は7.5cN/dtex以上10cN/dtex以下がより好ましく、更に好ましくは8cN/dtex以上9.5cN/dtex以下である。
本発明のポリプロピレン繊維の破断伸度は10%以上30%以下が好ましい。本発明のポリプロピレン繊維の破断伸度が10%以上であれば、ポリプロピレン繊維を加工処理する際に工程通過性が良好となりやすい。一方、破断伸度が30%以下であれば、得られる加工品の形態安定性が良好となりやすい。本発明のポリプロピレン繊維の破断伸度は11%以上25%以下がより好ましく、更に好ましくは12%以上18%以下である。
本発明のポリプロピレン繊維の単繊維繊度は1dtex以上20dtex以下が好ましい。単繊維繊度が1dtex以上であれば加工する際の工程通過性が良好となりやすく、さらに加工品の摩耗性も良好となりやすい。前記単繊維繊度が20dtex以下であれば、繊維内の構造均質性が良好となりやすいため、高強度・高弾性率のポリプロピレン繊維を得やすくなる。前記観点から、前記単繊維繊度は3dtex以上10dtex以下がより好ましく、3.5dtex以上6dtex以下がさらに好ましい。
以下、実施例1〜4及び比較例1〜3に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。これらの実施例及び比較例において、繊維強度、伸度、白化度、単繊維繊度は以下の方法で測定した。
<単繊維繊度の測定方法>
総繊度は、ポリプロピレン繊維束を100mサンプリングして、その質量を100倍した値を総繊度とした。単繊維繊度は、総繊度をフィラメント数で割ることで算出した。
<繊維強度、破断伸度の測定方法>
繊維強度、破断伸度はJIS L 1013に準じて行った。引張試験機(島津製作所製AG−IS)を用い、試料長200mm、引張速度100%/分の条件で歪−応力曲線を雰囲気温度20℃、相対湿度65%の条件下で測定し、破断点の値から伸度を、破断点での応力から強度を求めた。10回測定を行い、平均値を使用した。
<白化度の測定方法>
繊維の白化度の測定は目視検査で行った。延伸後のポリプロピレン繊維について、靴下編機にて編地を作成し、色目が均質でありかつ白化していなければ○、色目が不均質であれば×と判定した。
なお、以下の実施例1〜4及び比較例1〜3におけるポリプロピレン繊維の各種製造条件及び特性を表1に示した。
(実施例1)
ポリプロピレン樹脂A〔日本ポリプロ社製 SA01A、MFR=10g/10分 (230℃、荷重2.16kg、10分) 、アイソタクチックペンタッド分率95%以上〕90質量%及びポリプロピレン樹脂B1〔出光興産社製 S901、MFR=50g/10分、アイソタクチックペンタッド分率30%以上60%以下〕10質量%を溶融紡糸装置の押し出し機に投入して、280℃まで加熱して溶融混練し、吐出孔径が0.6mmφ、吐出孔数が24ホールの紡糸ノズルから33.2g/1分の吐出量で吐出した。20℃の冷風を当てて冷却固化したのち、油剤を付与し、300m/分の巻取速度でボビンに巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延伸糸について熱ロールを用いて糸温度が70℃になるように予備加熱を行い、糸温度が145℃、延伸倍率が8.1倍で熱板延伸を行った。延伸速度を300m/分としてポリプロピレン繊維を得た。得られたポリプロピレン繊維の強度、伸度、白化度は、表1に示すとおりであり、白化の無い高強度のポリプロピレン繊維が得られた。
(実施例2)
ポリプロピレン樹脂B1をポリプロピレン樹脂B2〔出光興産社製 S600、MFR=350g/10分、アイソタクチックペンタッド分率30%以上60%以下〕に変更し、延伸倍率を8.8倍とした以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン繊維を得た。得られたポリプロピレン繊維の強度、伸度、白化度は、表1に示すとおりであり、白化の無い高強度のポリプロピレン繊維が得られた。
(実施例3)
ポリプロピレン樹脂A〔日本ポリプロ社製 SA01A、MFR=10g/10分 (230℃、荷重2.16kg、10分) 、アイソタクチックペンタッド分率95%以上〕89.52質量%及びポリプロピレン樹脂B2〔出光興産社製 S600、MFR=350g/10分、アイソタクチック分率30%以上60%以下〕9.95質量%、銅フタロシアニン系顔料(グレー)を0.03質量%、HALS系耐光剤0.5質量%を原料として、実施例1と同様の紡糸条件にて未延伸糸を得た。得られた未延伸糸について延伸倍率を8.6倍とした以外は実施例1と同様にして、ポリプロピレン繊維を得た。得られたポリプロピレン繊維の強度、伸度、白化度は、表1に示すとおりであり、白化の無い高強度のポリプロピレン繊維が得られた。
(実施例4)
ポリプロピレン樹脂A〔日本ポリプロ社製 SA01A、MFR=10g/10分 (230℃、荷重2.16kg、10分) 、アイソタクチックペンタッド分率95%以上〕80質量%及びポリプロピレン樹脂B2〔出光興産社製 S600、MFR=350g/10分、アイソタクチックペンタッド分率30%以上60%以下〕20質量%を原料として、実施例1と同様の紡糸条件にて未延伸糸を得た。得られた未延伸糸について延伸倍率を8.5倍とした以外は実施例1と同様にして、ポリプロピレン繊維を得た。得られたポリプロピレン繊維の強度、伸度、白化度は、表1に示すとおりであり、白化の無い高強度のポリプロピレン繊維が得られた。
(比較例1)
ポリプロピレン樹脂A〔日本ポリプロ社製 SA01A、MFR=10g/10分 (230℃、荷重2.16kg、10分) 、アイソタクチックペンタッド分率95%以上〕100質量%を原料として、実施例1と同様の紡糸条件にて未延伸糸を得た。得られた未延伸糸について延伸倍率を8.3倍とした以外は実施例1と同様にして、ポリプロピレン繊維を得た。得られたポリプロピレン繊維の強度、伸度、白化度は、表1に示すとおりであり、高強度のポリプリプロピレン繊維が得られたものの、色目が不均質だった。
(比較例2)
ポリプロピレン樹脂A〔日本ポリプロ社製 SA01A、MFR=10g/10分 (230℃、荷重2.16kg、10分) 、アイソタクチックペンタッド分率95%以上〕100質量%を原料として、実施例1と同様の紡糸条件にて未延伸糸を得た。得られた未延伸糸について延伸倍率を8.0倍とした以外は実施例1と同様にして、ポリプロピレン繊維を得た。得られたポリプロピレン繊維の強度、伸度、白化度は、表1に示すとおりであり、高強度のポリプリプロピレン繊維が得られたものの、色目が不均質だった。
(比較例3)
ポリプロピレン樹脂A〔日本ポリプロ社製 SA01A、MFR=10g/10分 (230℃、荷重2.16kg、10分)、アイソタクチックペンタッド分率95%以上〕100質量%を原料として、実施例1と同様の紡糸条件にて未延伸糸を得た。得られた未延伸糸について延伸倍率を6.4倍とした以外は実施例1と同様にして、ポリプロピレン繊維を得た。得られたポリプロピレン繊維の強度、伸度、白化度は、表1に示すとおりであり、色目は均質であったが、ポリプロピレン繊維の強度は低いものであった。
Figure 2017193806

Claims (8)

  1. アイソタクチックペンタッド分率が95%以上のポリプロピレン、及びアイソタクチックペンタッド分率が30%以上60%以下のポリプロピレンを含有するポリプロピレン繊維。
  2. アイソタクチックペンタッド分率80%以上95%未満のポリプロピレンからなるポリプロピレン繊維。
  3. アイソタクチックペンタッド分率30%以上60%以下のポリプロピレンが5質量%以上30質量%以下である請求項1に記載のポリプロピレン繊維。
  4. アイソタクチックペンタッド分率95%以上のポリプロピレンが70質量%以上95質量%以下である請求項1又は3に記載のポリプロピレン繊維。
  5. 繊維強度が7cN/dtex以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリプロピレン繊維。
  6. 顔料、難燃剤、安定剤、耐候(光)剤の1つ以上が0.01質量%以上10質量%以下含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリプロピレン繊維。
  7. アイソタクチックペンタッド分率95%以上のポリプロピレン樹脂を70質量%以上95質量%以下と、アイソタクチックペンタッド分率30%以上60%以下のポリプロピレン樹脂を5質量%以上30質量%以下とを混合、加熱して溶融体とし、前記溶融体の温度を200℃以上320℃以下として吐出孔から吐出し、紡糸ドラフトが5倍以上150倍以下とし、その後5倍以上15倍以下で延伸するポリプロピレン繊維の製造方法。
  8. アイソタクチックペンタッド分率80%以上95%未満のポリプロピレン樹脂を加熱して溶融体とし、前記溶融体の温度を200℃以上320℃以下として吐出孔から吐出し、紡糸ドラフトが5倍以上150倍以下とし、その後5倍以上15倍以下で延伸するポリプロピレン繊維の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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