JP2017192969A - 鋳造ストリップ製造設備、及び、鋳造ストリップの製造方法 - Google Patents
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そして、冷却ドラムから送り出された鋳造ストリップは、ピンチロールによって水平方向へ送り出されて、下流のインラインミルによって所望の板厚に調整される。インラインミルによって所望の板厚に調整された鋳造ストリップは、インラインミルの下流に設置された巻取装置によってコイル状に巻き取るようになっている。
ダミーシートを先導するダミーバーは、鋳造ストリップに比べてかなり厚く形成されており、鋳造ストリップの先端とダミーシートとの接続部には、鋳造ストリップの板厚よりも厚い突起部が形成されている。
そして、インラインミルによる圧延は、上述の突起部がインラインミルを通過した後に開始される。
インラインミルでは、インラインミル入側の鋳造ストリップの温度が比較的高温であることから、圧延時に多少の板幅方向のメタルフロー(幅広がり)が生じ若干の板クラウン調整は可能なものの、上述した冷却ドラムの熱膨張による鋳造ストリップの板プロフィル変化に対応するほどのクラウン制御能力はない。このときに、あえて圧延を強行すると、鋳造ストリップの板中央部が板幅端部よりも多く延ばされ、極端な中伸び形状となり、鋳造ストリップが板破断するおそれがある。
したがって、フライングタッチまでの間の定常鋳造状態前の鋳造ストリップは、板厚外れすなわちオフゲージとなり、その部分は後工程で切断されスクラップ処理されるため、結果として製造効率や歩留まりが低下するという問題があった。
これらの問題は、双ドラム式連続鋳造設備において冷却ドラムの鋳造開始時の熱影響による鋳造ストリップの板プロフィル変化が要因である。よって、製造効率及び歩留りの向上を図るために、鋳造開始時の鋳造ストリップの板プロフィルを可能な限り早くフライングタッチ可能な状態にすることが求められている。
具体的な加熱方法としては冷却ドラムではないが、例えば特許文献2には、外部加熱として高周波誘導加熱装置を用いてロールを加熱する方法が開示されている。
また、特許文献3には、外部加熱としてバーナーを用いてロール(ピンチロール)を加熱する方法が開示されている。
例えば、特許文献4には、金属板を連続鋳造するロールにおいて、凹クラウンを有するスリーブを嵌装し、ロール軸内に供給された冷却水圧によりスリーブを膨張させる技術が開示されている。
また、特許文献5には、双ロール式連続鋳造装置において、冷却水を利用して水冷ドラム内部より加圧制御し、運転中に水冷ドラム外周面を常に直円筒状に保つ技術が開示されている。
さらに、特許文献6には、双ロール式連続鋳造装置において、ロール本体外周に内スリーブと外スリーブの2層のスリーブが装着され、内スリーブと外スリーブの間に冷却水流路を設け、内スリーブとロール本体との間に形状制御用加圧室を設ける技術が開示されている。
また、特許文献7には、圧力流体溝を少なくとも中央部および両縁部の三カ所に有し、これらの圧力流体溝への圧力流体の供給を少なくとも中央部と両縁部とで個別に行う供給系統を備える冷却ロールの技術が開示されている。
しかしながら、特許文献4〜6に開示されている技術では、2次関数でしか冷却ドラムのプロフィルを変更できなかった。このため、冷却ドラムのプロフィルの変化量が一定に落ち着いた後、フライングタッチを実施せざるをえず、オフゲージが長くなり、歩留りが悪化するという問題がある。
このように従来の技術においては、設備コストを増大させるもののオフゲージ減少効果は得られない、または設備機構が複雑になってしまい設備コストが非常に高いという問題があった。
状態1〜2への変化:幅中央から幅端部に亘って全体が熱膨張する。関数形で表現すると状態1〜2の冷却ドラムのプロフィル変化量は二次関数となっている。
状態2〜3への変化:幅中央から幅端部に亘って全体が熱膨張するが、幅中央でのプロフィルの相対的な変化は小さく、幅端部でのプロフィルの相対的な変化が大きい。関数形で表現すると状態2〜3の冷却ドラムのプロフィル変化量は高次関数となっている。
状態3〜4への変化:状態2〜3の変化とほぼ同様で、幅中央から幅端部に亘って全体が熱膨張するが、幅中央でのプロフィルの相対的な変化は小さく、幅端部でのプロフィルの相対的な変化が大きい。関数形で表現すると状態3〜4の冷却ドラムのプロフィル変化量は高次関数となっている。ただし、その絶対量は状態2〜3の変化と比較して小さい。
状態4:定常状態となり、冷却ドラムのプロフィル変化量は小さく、冷却ドラムのプロフィルはほぼ一定となる。
先ず、状態2(鋳造開始から18秒内)にフライングタッチをした場合、圧延直後は良好な板形状であったが、直後にインラインミルにて、鋳造ストリップの幅方向の両端部に異常な耳波が生じ、鋳造ストリップの破断が生じた。
状態3以降(鋳造開始から28秒以降)にフライングタッチをした場合鋳造ストリップは破断することなく、かつ良好な板形状の薄く圧延された鋳造ストリップを製造することができた。ただし、この場合、冷却ドラムの加速レートが150m/min./30秒であるので、約40m弱のオフゲージが発生した。
本発明者らの研究の結果、冷却ドラムを、初期状態においてドラム幅方向中央部の径がドラム幅方向両端部の径よりも小径とされた凹クラウン形状のものとして、冷却ドラムプロフィルを経時的に且つ高次関数の形に変化できるようにすれば、冷却ドラムにおいて形成される鋳造ストリップの板プロフィルを、インラインミルにおいて早期にフライングタッチできる形状に調整することが可能となるとの知見を得て、本発明に想到するに至った。
この場合、一方の冷却ドラムの加圧室によってドラム幅方向中央部のクラウン量を調整し、他方の冷却ドラムの加圧室によってドラム幅方向両端部のクラウン量を調整することにより、鋳造開始時の熱膨張による冷却ドラムの高次の形状変化に対しても精度良くクラウン形状を制御することが可能となる。
0.26×(L1)2−0.72×(L1)+0.63<L2
<0.88×(L1)2−1.4×(L1)+0.91
この場合、鋳造開始時の熱膨張による冷却ドラムの高次の形状変化に対して、ドラム幅方向全体で冷却ドラムのクラウン形状をより精度良く制御することが可能となる。
この場合、予め鋳造開始からの時間と前記インラインミルに導入される前記鋳造ストリップの板プロフィルの経時変化との関係を求め、この関係に応じて前記冷却ドラムのクラウン形状を制御するので、比較的簡単に、前記インラインミル入側の鋳造ストリップの板プロフィルを早期にフライングタッチ可能な形状とすることができる。
この場合、前記冷却ドラムから製出される前記鋳造ストリップの板プロフィルを計測し、この計測結果に応じて前記冷却ドラムのクラウン形状を制御するので、精度良く鋳造ストリップの板プロフィルを調整でき、前記インラインミル入側の鋳造ストリップの板プロフィルを早期にフライングタッチ可能な形状とすることができる。
この場合、前記冷却ドラムのプロフィルを計測し、この計測結果に応じて前記冷却ドラムのクラウン形状を制御するので、精度良く鋳造ストリップの板プロフィルを調整でき、前記インラインミル入側の鋳造ストリップの板プロフィルを早期にフライングタッチ可能な形状とすることができる。
図1は、本実施形態である鋳造ストリップ製造設備の概略構成を説明する図であり、図2は、双ドラム式連続鋳造装置、第1ピンチロール、インラインミルの一例を説明する概略構成図である。また、図3は、本実施形態に係る冷却ドラムの概略構成を説明する図である。
また、第1ピンチロール40とインラインミル50の間にはテンションロール82が配置され、インラインミル50と第2ピンチロール60の間にはテンションロール83が配置されている。
また、第2ピンチロール60と巻取装置70の間にはデフレクタロール84が配置されている。
この実施形態では、第1冷却ドラム100A、第2冷却ドラム100Bは、例えば、外径800mm、ドラム胴長(幅)1500mmとされている。なお、一対の冷却ドラム100の外径、ドラム胴長(幅)は、これに限定されないことはいうまでもない。
図3に示すように、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bは、ドラム本体101の外周に内層スリーブ102及び外層スリーブ103が装着されている。外層スリーブ103と内層スリーブ102の間に冷却媒体(例えば水)が流通される冷却媒体用流路104が設けられ、内層スリーブ102とドラム本体101の間には、圧力媒体(例えば油)が供給又は排出される加圧室105が設けられている。また、ドラム本体101の内部には、冷却媒体用流路104へ冷却媒体を供給する冷却媒体供給路106、及び、加圧室105へ圧力媒体を供給及び排出する圧力媒体供給路107が設けられている。
ここで、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aは、ドラム幅方向中央に位置しており、本実施形態では、ドラム幅方向のほぼ全幅にわたって設けられている。
第2冷却ドラム100Bの2つの加圧室105Bは、ドラム幅方向中央以外のドラム幅方向両端に位置している。
さらに、本実施形態では、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aのドラム幅方向長さL1と、第2冷却ドラム100Bの1つの加圧室105Bのドラム幅方向長さL2とが、以下の関係式を満たしている。
0.26×(L1)2−0.72×(L1)+0.63<L2
<0.88×(L1)2−1.4×(L1)+0.91
なお、本発明は上記実施形態に示したものに限定されるものではなく、冷却方式は内部冷却を示しているが、その他冷却方式を採用してもよい。例えば、外部から冷却媒体(冷却水)を噴射してもよく、冷却ドラムを中空にして中空部に冷却媒体(冷却水)を噴射して冷却してもよい。
なお、送りロール81は、例えば、ロール径200mm、ロール胴長(幅)2000mmの一対のロールにより構成されている。
なお、図示していないが、上ピンチロールR40Aと下ピンチロールR40Bは中空構造となっており、内部から水冷による冷却を行っている。
インラインミル50は、図1、図2に示すように、対向配置されたワークロール51A、51Bと、ワークロール51A、51Bの背後に配置された中間ロール52A、52Bと、中間ロール52A、52Bの背後に配置されたバックアップロール53A、53Bと、インラインミル制御装置(図示なし)と、板厚計55とを備えている。
この実施形態では、例えば、ワークロール外径400mm、中間ロール外径450mm、バックアップロール外径1200mm、胴長(幅)はいずれも2000mmとされている。
なお、第2ピンチロール60のロールは、例えば、外径400mm、ロール胴長(幅)2000mmとされている。
(1)まず、タンディッシュTが金属溶湯を一時的に貯蔵する。
(2)次に、タンディッシュTに貯蔵された金属溶湯を、タンディッシュ下部に形成されたノズルを介して、双ドラム式連続鋳造装置10の金属溶湯貯留部15に注入する。このとき、ノズルを制御して、金属溶湯貯留部15に貯留される金属溶湯の量を一定とする。
(3)次いで、一対の冷却ドラム100を回転させながら、金属溶湯貯留部15に貯留された金属溶湯を一対の冷却ドラム100の周面で凝固、成長させて、鋳造ストリップSを鋳造する。
双ドラム式連続鋳造装置10において鋳造を開始する際は、例えば、図4に示すように、鋳造ストリップSの先端となる部分にダミーシート11を接続する。このとき、ダミーシート11の進行方向先端側には鋳造ストリップSに比べてかなり厚いダミーバー13が設けられ、鋳造ストリップSとダミーシート11の接続部には、鋳造ストリップSの板厚よりも厚い突起部12が形成される。
この実施形態では、鋳造ストリップSの寸法は、例えば、板厚2mm、板幅1200mmとされ、一対の冷却ドラム100の周速(鋳造速度)は、例えば、150m/minである。ただし、これに限定されない。
(4)一対の冷却ドラム100で形成された鋳造ストリップSは、必要に応じて、酸化防止装置20において、酸化防止処理をする。
(5)次いで、送りロール81によって、冷却ドラム100と送りロール81の間における鋳造ストリップSのループ長を一定に保ちながら、鋳造ストリップSを下流側に搬送する。
(6)次に、必要に応じて、冷却装置30によって鋳造ストリップSを冷却する。
(7)次いで、第1ピンチロール40によって、鋳造ストリップSに第1ピンチロール40とインラインミル50間の張力を発生させながらインラインミル50に送る。
(8)インラインミル50は、突起部12がインラインミル50を通過した後、鋳造ストリップSの板プロフィルが所定の形状となる見込みの予め設定したタイミングでフライングタッチを開始する。
(9)インラインミル50は、鋳造ストリップSを圧延して、所望の板厚に調整する。
(10)次に、第2ピンチロール60によって、鋳造ストリップSにインラインミル50と第2ピンチロール60間の張力を発生させながら、鋳造ストリップSをインラインミル50から巻取装置70に送る。
(11)巻取装置70は、送られてきた鋳造ストリップSを巻き取る。
具体的には、図5(a)に示すように、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bは、それぞれ圧力媒体によって加圧室105A、105Bの圧力量を調整することで、クラウン形状を変更可能(すなわち可変クラウンロール)になっており、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bにおいて加圧室105A、105Bの数、ドラム幅方向位置及びドラム幅方向長さは互いに異なっている。上述したように、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aと、第2冷却ドラム100Bの加圧室105Bは、それぞれ制御可能となっている。なお、第2冷却ドラム100Bの2つの加圧室105Bは、同一の圧力媒体供給路107に連結されていることから、連動して制御されることになる。
鋳造開始前および開始直後の状態1’では、第1冷却ドラム100Aの加圧室105A及び第2冷却ドラム100Bの加圧室105Bの圧力を高くする。すると、図5(b)に示すように、第1冷却ドラム100Aのドラム幅中央が径方向外側に突出した凸クラウンとなり、第2冷却ドラム100Bはドラム幅両端が径方向外側に突出した凹クラウンとなり、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bの間の鋳造ストリップSは幅方向で一定の厚さとなる。
状態1’〜2’の変化では、冷却ドラム100のプロフィルは二次関数で変化し、図5(c)に示すように、それぞれ破線で記載された形状から一点鎖線で記載された形状に変化する。
そこで、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aの圧力を低くして、第1冷却ドラム100Aのドラム幅中央の突出量(凸クラウン)を減少させる。これにより、図5(d)に示すように、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bの間の鋳造ストリップSは幅方向で一定の厚さとなる。
状態2’〜3’の変化では、冷却ドラム100のプロフィルは高次関数で変化し、図5(e)に示すように、それぞれ破線で記載された形状から一点鎖線で記載された形状に変化する。
そこで、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aの圧力をさらに低くして、第1冷却ドラム100Aのドラム幅中央の突出量(凸クラウン)を減少させるとともに、第2冷却ドラム100Bの加圧室105Bの圧力も低くして、ドラム幅両端の突出量を減少させる。これにより、図5(f)に示すように、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bの間の鋳造ストリップSは幅方向で一定の厚さとなる。
状態3’〜4’の変化では、冷却ドラム100のプロフィルは高次関数で変化し、図5(g)に示すように、それぞれ破線で記載された形状から一点鎖線で記載された形状に変化する。
そこで、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aの圧力をさらに低くして、第1冷却ドラム100Aのドラム幅中央の突出量(凸クラウン)を減少させるとともに、第2冷却ドラム100Bの加圧室105Bの圧力も低くして、ドラム幅両端の突出量を減少させる。これにより、図5(h)に示すように、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bの間の鋳造ストリップSは幅方向で一定の厚さとなる。
図6に定常状態における冷却ドラムの熱膨張量の計算結果例を示す。計算条件は、ドラム径が500mm、ドラム胴長が1200mmである。また、二次での近似曲線を併せて示す。
0.26×(L1)2−0.72×(L1)+0.63<L2
<0.88×(L1)2−1.4×(L1)+0.91
以上のように、L1及びL2を上述の範囲内とすることにより、サーマルクラウンの経時変化を±20μm以内に制御可能となり、その後の圧延工程において平坦形状不良の発生を十分に抑制することが可能となる。
0.26×(L1)2−0.72×(L1)+0.63<L2
<0.88×(L1)2−1.4×(L1)+0.91
例えば、本実施形態では、鋳造開始時にダミーシートを用いるものとして説明したが、これに限定されることはなく、他の構成の双ドラム式連続鋳造装置に適用してもよい。
本実験に用いた設備は、図1及び図2に示したものと同一である。鋳造ストリップの板厚は2mm、板幅は1200mmの鋼である。鋳造開始からの冷却ドラムの加速レートが150m/min./30秒で定常鋳造状態の冷却ドラム回転速度は159m/min.である。その際インラインミルで圧下率30%の圧延が行われ、インラインミル出側の板厚は1.4mmである。
定常鋳造状態で鋳造後の鋳造ストリップの板クラウンが30μmになるように冷却ドラムにはドラム胴長は1200mmに亘って凹クラウン(100μm/半径)が付与されている場合を比較例1とする。なお、この比較例1においては、冷却ドラム内の加圧室は設置されていない。
定常鋳造状態で鋳造後の鋳造ストリップの板クラウンが30μmになるように冷却ドラムにはドラム胴長は1200mmに亘って凹クラウン(100μm/半径)が付与されており、かつ、一対の冷却ドラムにおいて加圧室が同じ幅で同じ幅位置に設置され、圧力媒体によってロールクラウンを制御する方法を比較例2とする。
冷却ドラムとして、ドラム胴長は1200mmに亘って凹クラウン(100μm/半径)が付与され、鋳造設備の冷却ドラムに加圧室を設置し圧力媒体によってクラウン量を制御する可変クラウンロールを用いた。
一方の冷却ドラムは、少なくともドラム幅方向中央のクラウン量を制御できる広い幅の圧力室が1カ所設置されているのに対し、他方の冷却ドラムは、ドラム幅方向中央を除く、ドラム幅方向両端の位置の2カ所に、狭い幅の圧力室がドラム幅方向中央に対し対称となるように設置された構造とした。
ここで、ドラム幅方向中央に配置された広幅の加圧室のドラム幅方向長さをL1、ドラム幅方向両端に配置された狭幅の加圧室のドラム幅方向長さをL2としたときに、L1を1とした無次元長さを表1に示すものとした。そして、L1及びL2が以下の関係式を満たすか否かを表1に表記した。
0.26×(L1)2−0.72×(L1)+0.63<L2
<0.88×(L1)2−1.4×(L1)+0.91
以上のことから、本発明によれば、双ドラム式連続鋳造装置及びインラインミルを備えた鋳造ストリップ製造設備において、フライングタッチ時期を早めることでオフゲージを減少させ製造コストを低減できることが明らかとなった。
1 鋳造ストリップ製造設備
10 双ドラム式連続鋳造装置
50 インラインミル
100 冷却ドラム
100A 第1冷却ドラム
100B 第2冷却ドラム
105(105A、105B) 加圧室
Claims (7)
- 回転する一対の冷却ドラムにより金属溶湯を凝固させて鋳造ストリップを製造する双ドラム式連続鋳造装置と、前記鋳造ストリップを所定の厚さに圧延するインラインミルと、を備えた鋳造ストリップ製造設備において、
前記一対の冷却ドラムは、内部に配設された加圧室への圧力媒体の供給及び排出によって前記冷却ドラムのクラウン形状が制御される可変クラウンロールとされ、前記加圧室を加圧しない状態でドラム幅方向中央部の径がドラム幅方向両端部の径よりも小径とされた凹クラウン形状をなしており、
前記一対の冷却ドラムの一方の冷却ドラムに設けられた前記加圧室の数と他方の冷却ドラムに設けられた前記加圧室の数とが互いに異なっており、
前記一方の冷却ドラムの前記加圧室が前記冷却ドラムのドラム幅方向中央に位置し、前記他方の冷却ドラムの前記加圧室が前記冷却ドラムのドラム幅方向中央以外に位置していることを特徴とする鋳造ストリップ製造設備。 - 前記一方の冷却ドラムは、前記ドラム幅方向中央に位置する1つの前記加圧室を備え、前記他方の冷却ドラムは、前記ドラム幅方向両端に位置する2つの前記加圧室を備えており、
前記一方の冷却ドラムのドラム幅方向長さL1が、前記他方の冷却ドラムの1つのドラム幅方向長さL2よりも長く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の鋳造ストリップ製造設備。 - 前記一方の冷却ドラムのドラム幅方向長さL1と、前記他方の冷却ドラムの1つのドラム幅方向長さL2が、以下の関係式を満たしていることを特徴とする請求項2に記載の鋳造ストリップ製造設備。
0.26×(L1)2−0.72×(L1)+0.63<L2
<0.88×(L1)2−1.4×(L1)+0.91 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の鋳造ストリップ製造設備を用いた鋳造ストリップの製造方法であって、
前記冷却ドラムの熱膨張によるクラウン形状の変化に応じて、それぞれの冷却ドラムにおいて前記加圧室に対して圧力媒体の供給及び排出を行い、前記冷却ドラムのクラウン形状を制御し、
前記インラインミル入側の鋳造ストリップの板プロフィルを調整することを特徴とする鋳造ストリップの製造方法。 - 予め鋳造開始からの時間と前記インラインミル入側の前記鋳造ストリップの板プロフィルの経時変化との関係を求めておき、
この関係に応じて、予め設定された板プロフィルとなるようにそれぞれの冷却ドラムにおいて前記加圧室に対して圧力媒体の供給及び排出を行って圧力媒体の圧力量を調整し、前記冷却ドラムのクラウン形状を制御することを特徴とする請求項4に記載の鋳造ストリップの製造方法。 - 前記冷却ドラムから製出される前記鋳造ストリップの板プロフィルを計測し、計測された前記鋳造ストリップの板プロフィルに応じて、それぞれの冷却ドラムにおいて前記加圧室に対して圧力媒体の供給及び排出を行って圧力媒体の圧力量を調整し、前記冷却ドラムのクラウン形状を制御することを特徴とする請求項4に記載の鋳造ストリップの製造方法。
- 前記冷却ドラムのプロフィルを計測し、計測された前記冷却ドラムのプロフィルに応じて、それぞれの冷却ドラムにおいて前記加圧室に対して圧力媒体の供給及び排出を行って圧力媒体の圧力量を調整し、前記冷却ドラムのクラウン形状を制御することを特徴とする請求項4に記載の鋳造ストリップの製造方法。
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