JP2017192969A - 鋳造ストリップ製造設備、及び、鋳造ストリップの製造方法 - Google Patents

鋳造ストリップ製造設備、及び、鋳造ストリップの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鋳造ストリップの板プロフィルを調整することで、より早いフライングタッチが可能となり、板破断やオフゲージか減少し歩留りを向上させることができ、かつ、製造コストの低減を図ることが可能な鋳造ストリップ製造設備を提供する。【解決手段】鋳造ストリップ製造設備において、一対の冷却ドラムは、内部に配設された加圧室105への圧力媒体の供給及び排出によって前記冷却ドラムのクラウン量が制御される可変クラウンロールとされ、加圧室105を加圧しない状態でドラム幅方向中央部の径がドラム幅方向両端部の径よりも小径とされた凹クラウン形状をなすとともに、一方の冷却ドラム100Aの加圧室105Aの数と他方の冷却ドラム100Bの加圧室105Bの数とが互いに異なり、一方の冷却ドラム100Aの加圧室105Aがドラム幅方向中央に位置し、他方の冷却ドラム100Bの加圧室105Bがドラム幅方向中央以外に位置している。【選択図】図3

Description

本発明は、双ドラム式連続鋳造装置及びインラインミルを備えた鋳造ストリップ製造設備、及び、この鋳造ストリップ製造設備を用いた鋳造ストリップの製造方法に関する。
鋳造ストリップを製造する場合、例えば特許文献1に示されるように、一対の連続鋳造用冷却ドラム(以下、冷却ドラムという。)を平行に配置し、対向する周面をそれぞれ上方から下方に回転させ、これら冷却ドラムの周面によって形成された湯溜まり部に金属溶湯を注入し、金属溶湯を冷却ドラムの周面上で冷却、凝固させて、鋳造ストリップを連続鋳造する双ドラム式連続鋳造装置と、ピンチロールと、インラインミルと、巻取装置と、を備えた鋳造ストリップ製造設備が用いられている。
双ドラム式連続鋳造装置は、特許文献1に記載されるように、湯溜まり部に注入された金属溶湯を回転する冷却ドラムの周面で凝固、成長させて、鋳造ストリップとして下方へ送り出す。
そして、冷却ドラムから送り出された鋳造ストリップは、ピンチロールによって水平方向へ送り出されて、下流のインラインミルによって所望の板厚に調整される。インラインミルによって所望の板厚に調整された鋳造ストリップは、インラインミルの下流に設置された巻取装置によってコイル状に巻き取るようになっている。
また、双ドラム式連続鋳造装置においては、鋳造ストリップの先端にダミーシートを接続して、鋳造ストリップを引き出して鋳造を開始するようになっている。
ダミーシートを先導するダミーバーは、鋳造ストリップに比べてかなり厚く形成されており、鋳造ストリップの先端とダミーシートとの接続部には、鋳造ストリップの板厚よりも厚い突起部が形成されている。
そして、インラインミルによる圧延は、上述の突起部がインラインミルを通過した後に開始される。
双ドラム式連続鋳造装置は、鋳造開始前には、冷却ドラムは低温であることが一般的である。鋳造を開始すると、冷却ドラムは高温の金属溶湯との接触により昇温する。また、冷却ドラムは、内面から冷却媒体(例えば、冷却水)によって一定温度以上にならないように冷却されている。冷却ドラムの温度が一定に到達して以降の期間を定常鋳造時といい、定常鋳造時の冷却ドラムの温度を定常温度という。
冷却ドラムのプロフィルは、鋳造を開始してから定常鋳造時に到達するまでに、経過時間とともに変化する(熱膨張する)。そのため、冷却ドラムの初期プロフィルは、定常鋳造時における鋳造ストリップの板プロフィル(板クラウン)が所望の板プロフィルとなるように冷却ドラムの中央部の方が冷却ドラムの端部よりもドラム径が小さい凹クラウンに設定されている。なお、鋳造ストリップにおいて、中央部における板厚と縁部から所定の距離に設けられたクラウン定義点における板厚との差を板クラウンと呼び、幅方向の板厚分布を板プロフィルと呼んでいる。
上述したように、冷却ドラムは、鋳造開始により熱影響を受け、その結果、熱膨張する。このような理由で、初期冷却ドラムの外周面(ドラムプロフィル)は凹型に加工されているのが一般である。従って、鋳造開始直後の鋳造ストリップの板プロフィルは板中央部の板厚は厚く、板端部の板厚は薄くなるような分布となっており、鋳造時間の経過とともにこの板厚偏差は減少して行き、定常鋳造時の鋳造ストリップの板プロフィルは板中央部の板厚と板端部の板厚との差が小さくなり、平坦な板面に近づいていく。この定常鋳造時の鋳造ストリップの具体的なクラウン量は、最終製品の板厚の際に顧客のニーズ要求を満足するように設定される。
このような双ドラム式連続鋳造装置を備えた鋳造ストリップ製造設備において、鋳造ストリップをインラインミルで圧延する場合に以下の問題があった。
インラインミルでは、インラインミル入側の鋳造ストリップの温度が比較的高温であることから、圧延時に多少の板幅方向のメタルフロー(幅広がり)が生じ若干の板クラウン調整は可能なものの、上述した冷却ドラムの熱膨張による鋳造ストリップの板プロフィル変化に対応するほどのクラウン制御能力はない。このときに、あえて圧延を強行すると、鋳造ストリップの板中央部が板幅端部よりも多く延ばされ、極端な中伸び形状となり、鋳造ストリップが板破断するおそれがある。
このため、鋳造開始し、上記定常鋳造時の鋳造ストリップの先端がインラインミルを通過後に、インラインミルのロールを回転させながらロールギャップを締め込み、圧延を開始している。この圧延方法はフライングタッチと呼ばれている。
したがって、フライングタッチまでの間の定常鋳造状態前の鋳造ストリップは、板厚外れすなわちオフゲージとなり、その部分は後工程で切断されスクラップ処理されるため、結果として製造効率や歩留まりが低下するという問題があった。
これらの問題は、双ドラム式連続鋳造設備において冷却ドラムの鋳造開始時の熱影響による鋳造ストリップの板プロフィル変化が要因である。よって、製造効率及び歩留りの向上を図るために、鋳造開始時の鋳造ストリップの板プロフィルを可能な限り早くフライングタッチ可能な状態にすることが求められている。
上記課題を解決する方法として、予め冷却ドラムを加熱し、定常鋳造時の状態に近づけることが考えられる。
具体的な加熱方法としては冷却ドラムではないが、例えば特許文献2には、外部加熱として高周波誘導加熱装置を用いてロールを加熱する方法が開示されている。
また、特許文献3には、外部加熱としてバーナーを用いてロール(ピンチロール)を加熱する方法が開示されている。
また、冷却ドラムのクラウン形状を制御することによって板プロフィルを調整する技術も提案されている。
例えば、特許文献4には、金属板を連続鋳造するロールにおいて、凹クラウンを有するスリーブを嵌装し、ロール軸内に供給された冷却水圧によりスリーブを膨張させる技術が開示されている。
また、特許文献5には、双ロール式連続鋳造装置において、冷却水を利用して水冷ドラム内部より加圧制御し、運転中に水冷ドラム外周面を常に直円筒状に保つ技術が開示されている。
さらに、特許文献6には、双ロール式連続鋳造装置において、ロール本体外周に内スリーブと外スリーブの2層のスリーブが装着され、内スリーブと外スリーブの間に冷却水流路を設け、内スリーブとロール本体との間に形状制御用加圧室を設ける技術が開示されている。
また、特許文献7には、圧力流体溝を少なくとも中央部および両縁部の三カ所に有し、これらの圧力流体溝への圧力流体の供給を少なくとも中央部と両縁部とで個別に行う供給系統を備える冷却ロールの技術が開示されている。
特開2000−343103号公報 特開2000−225406号公報 特開昭64−078606号公報 特開昭60−033857号公報 特開昭61−038745号公報 特公平07−121440号公報 特開昭59−163057号公報
しかしながら、特許文献2,3に開示されている技術においては、外部加熱装置によって冷却ドラムを幅方向に均一に加熱することが困難であった。また、双ロール式連続鋳造装置では、鋳造開始時にダミーシートを用いており、ダミーシートのセット時には冷却ドラムは停止している。よって、予め外部加熱装置で冷却ドラムを全周に亘って加熱したとしても、ダミーシートと接触した部分からの抜熱の影響でこの部分での温度低下が進み、冷却ドラムの円周方向で熱膨張量が異なってしまう。このため、鋳造ストリップの板プロフィルが冷却ドラムのドラム円周長ピッチで変動してしまい、上述したフライングタッチ開始の時期を早めることができなかった。
また、鋳造開始時には、冷却ドラムのプロフィル(クラウン形状)が急変するが、この冷却ドラムのプロフィル(クラウン形状)の幅方向に亘っての経時変化は高次関数の形となる。
しかしながら、特許文献4〜6に開示されている技術では、2次関数でしか冷却ドラムのプロフィルを変更できなかった。このため、冷却ドラムのプロフィルの変化量が一定に落ち着いた後、フライングタッチを実施せざるをえず、オフゲージが長くなり、歩留りが悪化するという問題がある。
なお、特許文献7に記載の技術では、1つのロールに2つ以上の流体供給系統を備えることになり、機構が複雑になってしまう。また、形状制御の手順が複雑となって精度良く冷却ドラムのクラウン形状の調整を行うことができないといった問題があった。
このように従来の技術においては、設備コストを増大させるもののオフゲージ減少効果は得られない、または設備機構が複雑になってしまい設備コストが非常に高いという問題があった。
本発明は、双ドラム式連続鋳造装置において製造される鋳造ストリップの板プロフィルを調整することで、インラインミルによってより早いフライングタッチが可能となり、その結果板破断やオフゲージか減少し歩留りを向上させることができ、かつ、製造コストの低減を図ることが可能な鋳造ストリップ製造設備、及び、この鋳造ストリップ製造設備を用いた鋳造ストリップの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、従来技術として冷却ドラムに定常鋳造時で所望の板プロフィルになるように凹クラウンを付けた場合の鋳造ストリップの板プロフィル変化を調査した。この際インラインミルでの圧下は行わなかった。図11に鋳造開始から定常鋳造時に至るまでの鋳造ストリップの板プロフィル概念図を示す。
図11において、状態1は鋳造開始直後の冷却ドラムのプロフィルと鋳造ストリップSの板プロフィルであり、冷却ドラムのプロフィルは、初期状態において、冷却ドラムの外周面がドラム幅方向のほぼ中央に向けて凸となるように湾曲した、全体として大きな凹型のものである。そのため、鋳造ストリップSの板プロフィルは、板幅方向の中央にいくに従って板厚が大きくなるように板表面が湾曲した、全体として大きな凸型となる。
状態2は鋳造開始からしばらく時間がたった場合の冷却ドラムのプロフィルと鋳造ストリップSの板プロフィルであり、冷却ドラムは溶融金属からの熱影響により膨張するため、冷却ドラムのプロフィルは、前記状態1に比べ、冷却ドラムの外周面の湾曲が緩やかな凹型となっている。従って鋳造ストリップSの板プロフィルは、前記状態1に比べて板表面の湾曲が緩やかな凸型となる。
状態3は状態2の状態からさらに時間がたった場合の冷却ドラムのプロフィルと鋳造ストリップSの板プロフィルであり、冷却ドラムのプロフィルは溶融金属からの熱影響により、前記状態2よりさらに膨張し、前記状態2に比べ、冷却ドラムの外周面の湾曲がさらに緩やかな若干の凹型となっている。従って鋳造ストリップSの板プロフィルは、前記状態2に比べて板表面の湾曲がさらに緩やかな若干の凸型となる。
状態4は状態3からさらに時間がたって定常鋳造状態に達した場合の冷却ドラムのプロフィルと鋳造ストリップSの板プロフィルであり、冷却ドラムのプロフィルは、溶融金属からの熱影響により前記状態3よりもさらに膨張して、その結果ほぼ矩形(あるいは、前記状態3に比べ、冷却ドラムの外周面の湾曲がさらに緩やかな若干の凹型)となる。従って、鋳造ストリップSの板プロフィルもほぼ矩形(あるいは、前記状態3に比べて板表面の湾曲がさら緩やかな若干の凸型)になっている。
この状態1から状態4までの変化は、溶融金属の鋼種(溶融温度)や鋳造ストリップSの厚さにもよるが、例えば今回の例では、状態2が鋳造開始から18秒後、状態3が鋳造開始から28秒後、状態4が鋳造開始から32秒後である。
さらに、状態1〜4に亘っての冷却ドラムのプロフィル変化の特徴を以下に示す。
状態1〜2への変化:幅中央から幅端部に亘って全体が熱膨張する。関数形で表現すると状態1〜2の冷却ドラムのプロフィル変化量は二次関数となっている。
状態2〜3への変化:幅中央から幅端部に亘って全体が熱膨張するが、幅中央でのプロフィルの相対的な変化は小さく、幅端部でのプロフィルの相対的な変化が大きい。関数形で表現すると状態2〜3の冷却ドラムのプロフィル変化量は高次関数となっている。
状態3〜4への変化:状態2〜3の変化とほぼ同様で、幅中央から幅端部に亘って全体が熱膨張するが、幅中央でのプロフィルの相対的な変化は小さく、幅端部でのプロフィルの相対的な変化が大きい。関数形で表現すると状態3〜4の冷却ドラムのプロフィル変化量は高次関数となっている。ただし、その絶対量は状態2〜3の変化と比較して小さい。
状態4:定常状態となり、冷却ドラムのプロフィル変化量は小さく、冷却ドラムのプロフィルはほぼ一定となる。
この時、フライングタッチを開始しインラインミルにて、圧延率30%の圧延をどのタイミングでやれば良いかの検討を実施した。なお、フライングタッチ開始から圧下設定完了までの時間は約1秒である。
先ず、状態2(鋳造開始から18秒内)にフライングタッチをした場合、圧延直後は良好な板形状であったが、直後にインラインミルにて、鋳造ストリップの幅方向の両端部に異常な耳波が生じ、鋳造ストリップの破断が生じた。
状態3以降(鋳造開始から28秒以降)にフライングタッチをした場合鋳造ストリップは破断することなく、かつ良好な板形状の薄く圧延された鋳造ストリップを製造することができた。ただし、この場合、冷却ドラムの加速レートが150m/min./30秒であるので、約40m弱のオフゲージが発生した。
このように、鋳造ストリップに対する所定の圧延を早期に開始することによりオフゲージ部の発生を可能な限り抑制するためには、冷却ドラムのプロフィルの経時的な変化に起因する鋳造ストリップの板プロフィルを調整して、インラインミルにおける鋳造ストリップに対するフライングタッチをできるだけ早期に実施できる状態とする必要がある。
本発明者らの研究の結果、冷却ドラムを、初期状態においてドラム幅方向中央部の径がドラム幅方向両端部の径よりも小径とされた凹クラウン形状のものとして、冷却ドラムプロフィルを経時的に且つ高次関数の形に変化できるようにすれば、冷却ドラムにおいて形成される鋳造ストリップの板プロフィルを、インラインミルにおいて早期にフライングタッチできる形状に調整することが可能となるとの知見を得て、本発明に想到するに至った。
本発明は、上述の知見に基づいてなされたものであって、本発明に係る鋳造ストリップ製造設備は、回転する一対の冷却ドラムにより金属溶湯を凝固させて鋳造ストリップを製造する双ドラム式連続鋳造装置と、前記鋳造ストリップを所定の厚さに圧延するインラインミルと、を備えた鋳造ストリップ製造設備において、前記一対の冷却ドラムは、内部に配設された加圧室への圧力媒体の供給及び排出によって前記冷却ドラムのクラウン形状が制御される可変クラウンロールとされ、前記加圧室を加圧しない状態でドラム幅方向中央部の径がドラム幅方向両端部の径よりも小径とされた凹クラウン形状をなしており、前記一対の冷却ドラムの一方の冷却ドラムに設けられた前記加圧室の数と他方の冷却ドラムに設けられた前記加圧室の数とが互いに異なっており、前記一方の冷却ドラムの前記加圧室が前記冷却ドラムのドラム幅方向中央に位置し、前記他方の冷却ドラムの前記加圧室が前記冷却ドラムのドラム幅方向中央以外に位置していることを特徴としている。
この構成の鋳造ストリップ製造設備によれば、前記一対の冷却ドラムは、内部に配設された加圧室への圧力媒体の供給及び排出によって前記冷却ドラムのクラウン量が制御される可変クラウンロールとされており、前記一対の冷却ドラムの一方の冷却ドラムの前記加圧室の数と他方の冷却ドラムの前記加圧室の数とが互いに異なっている。さらに、前記一方の冷却ドラムの前記加圧室が前記冷却ドラムのドラム幅方向中央に位置し、前記他方の冷却ドラムの前記加圧室が前記冷却ドラムのドラム幅方向中央以外に位置している。このため、一方の冷却ドラムと他方の冷却ドラムの加圧室に対してそれぞれ圧力媒体を供給及び排出することにより、鋳造開始時の熱膨張による冷却ドラムの高次の形状変化に対しても精度良くクラウン形状を制御することができ、インラインミル入側の鋳造ストリップの板プロフィルを早期にフライングタッチ可能な形状とすることが可能となる。
ここで、本発明の鋳造ストリップ製造設備においては、前記一方の冷却ドラムは、前記ドラム幅方向中央に位置する1つの前記加圧室を備え、前記他方の冷却ドラムは、前記ドラム幅方向両端に位置する2つの前記加圧室を備えており、前記一方の冷却ドラムのドラム幅方向長さL1が、前記他方の冷却ドラムの1つのドラム幅方向長さL2よりも長く設定されている構成としてもよい。
この場合、一方の冷却ドラムの加圧室によってドラム幅方向中央部のクラウン量を調整し、他方の冷却ドラムの加圧室によってドラム幅方向両端部のクラウン量を調整することにより、鋳造開始時の熱膨張による冷却ドラムの高次の形状変化に対しても精度良くクラウン形状を制御することが可能となる。
また、本発明の鋳造ストリップ製造設備においては、前記一方の冷却ドラムのドラム幅方向長さL1と、前記他方の冷却ドラムの1つのドラム幅方向長さL2が、以下の関係式を満たしていることが好ましい。
0.26×(L1)−0.72×(L1)+0.63<L2
<0.88×(L1)−1.4×(L1)+0.91
この場合、鋳造開始時の熱膨張による冷却ドラムの高次の形状変化に対して、ドラム幅方向全体で冷却ドラムのクラウン形状をより精度良く制御することが可能となる。
本発明の鋳造ストリップの製造方法は、上述の鋳造ストリップ製造設備を用いた鋳造ストリップの製造方法であって、前記冷却ドラムの熱膨張によるクラウン形状の変化に応じて、それぞれの冷却ドラムにおいて前記加圧室に対して圧力媒体の供給及び排出を行い、前記冷却ドラムのクラウン形状を制御し、前記インラインミル入側の鋳造ストリップの板プロフィルを調整することを特徴としている。
この構成の鋳造ストリップの製造方法によれば、前記冷却ドラムの熱膨張によるクラウン形状の変化に応じて、それぞれの冷却ドラムにおいて前記加圧室に対して圧力媒体の供給及び排出を行い、前記冷却ドラムのクラウン形状を制御する。このため、前記インラインミル入側の鋳造ストリップの板プロフィルを早期にフライングタッチ可能な形状とすることができる。よって、板破断やオフゲージを減少させることができ、鋳造ストリップの製造効率及び歩留りを大幅に向上させることが可能となる。
ここで、本発明の鋳造ストリップの製造方法においては、予め鋳造開始からの時間と前記インラインミル入側の前記鋳造ストリップの板プロフィルの経時変化との関係を求めておき、この関係に応じて、予め設定された板プロフィルとなるようにそれぞれの冷却ドラムにおいて前記加圧室に対して圧力媒体の供給及び排出を行って圧力媒体の圧力量を調整し、前記冷却ドラムのクラウン形状を制御する構成としてもよい。
この場合、予め鋳造開始からの時間と前記インラインミルに導入される前記鋳造ストリップの板プロフィルの経時変化との関係を求め、この関係に応じて前記冷却ドラムのクラウン形状を制御するので、比較的簡単に、前記インラインミル入側の鋳造ストリップの板プロフィルを早期にフライングタッチ可能な形状とすることができる。
また、本発明の鋳造ストリップの製造方法においては、前記冷却ドラムから製出される前記鋳造ストリップの板プロフィルを計測し、計測された前記鋳造ストリップの板プロフィルに応じて、それぞれの冷却ドラムにおいて前記加圧室に対して圧力媒体の供給及び排出を行って圧力媒体の圧力量を調整し、前記冷却ドラムのクラウン形状を制御する構成としてもよい。
この場合、前記冷却ドラムから製出される前記鋳造ストリップの板プロフィルを計測し、この計測結果に応じて前記冷却ドラムのクラウン形状を制御するので、精度良く鋳造ストリップの板プロフィルを調整でき、前記インラインミル入側の鋳造ストリップの板プロフィルを早期にフライングタッチ可能な形状とすることができる。
さらに、本発明の鋳造ストリップの製造方法においては、前記冷却ドラムのプロフィルを計測し、計測された前記冷却ドラムのプロフィルに応じて、それぞれの冷却ドラムにおいて前記加圧室に対して圧力媒体の供給及び排出を行って圧力媒体の圧力量を調整し、前記冷却ドラムのクラウン形状を制御する構成としてもよい。
この場合、前記冷却ドラムのプロフィルを計測し、この計測結果に応じて前記冷却ドラムのクラウン形状を制御するので、精度良く鋳造ストリップの板プロフィルを調整でき、前記インラインミル入側の鋳造ストリップの板プロフィルを早期にフライングタッチ可能な形状とすることができる。
上述のように、本発明によれば、双ドラム式連続鋳造装置において製造される鋳造ストリップの板プロフィルを調整することで、インラインミルによってより早いフライングタッチが可能となり、その結果板破断やオフゲージか減少し歩留りを向上させることができ、かつ、製造コストの低減を図ることが可能となる。
本発明の実施形態である鋳造ストリップ製造設備の概略構成を示す説明図である。 本発明の実施形態である鋳造ストリップ製造設備に備えられた双ドラム式連続鋳造装置、ピンチロール、インラインミルを示す説明図である。 本発明の実施形態に係る冷却ドラムの概略説明図である。 本発明の実施形態に係る双ドラム式連続鋳造装置により鋳造ストリップを製造する際の鋳造開始時の概要を説明する概念図である。 本発明の実施形態において、鋳造開始時における冷却ドラムのプロフィル制御の手順を示す概略説明図である。 冷却ドラムの熱膨張量(サーマルクラウン)を計算した結果と、本発明の実施形態におけるクラウン制御範囲を示すグラフである。 冷却ドラムから製出される鋳造ストリップの板プロフィルを計測する場合の説明図である。 冷却ドラムから製出される鋳造ストリップの板プロフィルを計測して冷却ドラムのクラウン形状を制御する場合のフロー図である。 冷却ドラムのプロフィルを計測する場合の説明図である。 冷却ドラムのプロフィルを計測して冷却ドラムのクラウン形状を制御する場合のフロー図である。 従来の双ドラム式連続鋳造装置によって鋳造ストリップを製造する際の冷却ドラムのプロフィルと鋳造ストリップの板プロフィルの鋳造開始後の経過時間にともなう変化を示す概念図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態である鋳造ストリップ製造設備の概略構成を説明する図であり、図2は、双ドラム式連続鋳造装置、第1ピンチロール、インラインミルの一例を説明する概略構成図である。また、図3は、本実施形態に係る冷却ドラムの概略構成を説明する図である。
鋳造ストリップ製造設備1は、図1に示すように、例えば、タンディッシュ(貯蔵装置)Tと、双ドラム式連続鋳造装置10と、酸化防止装置20と、冷却装置30と、第1ピンチロール40と、インラインミル50と、第2ピンチロール60と、巻取装置70とを備えている。
また、双ドラム式連続鋳造装置10と第1ピンチロール40の間には送りロール81が配置されている。
また、第1ピンチロール40とインラインミル50の間にはテンションロール82が配置され、インラインミル50と第2ピンチロール60の間にはテンションロール83が配置されている。
また、第2ピンチロール60と巻取装置70の間にはデフレクタロール84が配置されている。
双ドラム式連続鋳造装置10は、図1、図2に示すように、例えば、一対の冷却ドラム100と、一対の冷却ドラム100の幅方向両側に配置されたサイド堰(不図示)とを備え、一対の冷却ドラム100とサイド堰は、金属溶湯貯留部15を構成するようになっている。
一対の冷却ドラム100は、第1冷却ドラム100Aと第2冷却ドラム100Bとを備え、製造する鋳造ストリップSの板厚(内部品質)と対応させて、第1冷却ドラム100Aと第2冷却ドラム100Bの間隔を調整可能とされている。
この実施形態では、第1冷却ドラム100A、第2冷却ドラム100Bは、例えば、外径800mm、ドラム胴長(幅)1500mmとされている。なお、一対の冷却ドラム100の外径、ドラム胴長(幅)は、これに限定されないことはいうまでもない。
ここで、発明の実施形態における一対の冷却ドラム100(第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100B)の構造を図3に示す。
図3に示すように、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bは、ドラム本体101の外周に内層スリーブ102及び外層スリーブ103が装着されている。外層スリーブ103と内層スリーブ102の間に冷却媒体(例えば水)が流通される冷却媒体用流路104が設けられ、内層スリーブ102とドラム本体101の間には、圧力媒体(例えば油)が供給又は排出される加圧室105が設けられている。また、ドラム本体101の内部には、冷却媒体用流路104へ冷却媒体を供給する冷却媒体供給路106、及び、加圧室105へ圧力媒体を供給及び排出する圧力媒体供給路107が設けられている。
そして、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aの数と第2冷却ドラム100Bの加圧室105Bの数とが互いに異なっており、本実施形態では、図3に示すように、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aの数が1つ、第2冷却ドラム100Bの加圧室105Bの数が2つとされている。
ここで、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aは、ドラム幅方向中央に位置しており、本実施形態では、ドラム幅方向のほぼ全幅にわたって設けられている。
第2冷却ドラム100Bの2つの加圧室105Bは、ドラム幅方向中央以外のドラム幅方向両端に位置している。
また、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aのドラム幅方向長さL1は、第2冷却ドラム100Bの1つの加圧室105Bのドラム幅方向長さL2よりも長くされている。
さらに、本実施形態では、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aのドラム幅方向長さL1と、第2冷却ドラム100Bの1つの加圧室105Bのドラム幅方向長さL2とが、以下の関係式を満たしている。
0.26×(L1)−0.72×(L1)+0.63<L2
<0.88×(L1)−1.4×(L1)+0.91
また、図示されていないが、冷却媒体供給路106及び圧力媒体供給路107には、それぞれロータリージョイントを介して、冷却媒体供給配管及び圧力媒体供給配管に接続されている。
なお、本発明は上記実施形態に示したものに限定されるものではなく、冷却方式は内部冷却を示しているが、その他冷却方式を採用してもよい。例えば、外部から冷却媒体(冷却水)を噴射してもよく、冷却ドラムを中空にして中空部に冷却媒体(冷却水)を噴射して冷却してもよい。
酸化防止装置20は、鋳造直後の鋳造ストリップSの表面が酸化してスケールが発生するのを防止するものであり、酸化防止装置20内では、例えば、窒素ガスによって酸素量を調整するようになっている。酸化防止装置20は、鋳造する鋳造ストリップSの材質等を考慮し、必要に応じて適用することが好ましい。
双ドラム式連続鋳造装置10の下流側では、圧下装置(不図示)によって送りロール81が鋳造ストリップSを挟圧するとともに、一対の冷却ドラム100と送りロール81の間における鋳造ストリップSのループ長を計測しながら、このループ長が一定となるように回転数を制御して、鋳造ストリップSに水平方向の搬送力を付与するようになっている。
なお、送りロール81は、例えば、ロール径200mm、ロール胴長(幅)2000mmの一対のロールにより構成されている。
冷却装置30は、例えば、多数のスプレーノズル(不図示)を備えていて、鋳造ストリップSの材質に応じて、スプレーノズルから鋳造ストリップSの表面(上下面)に冷却水を噴出して鋳造ストリップSを冷却するようになっている。
第1ピンチロール40は、鋳造ストリップSに押付力を付与し、インラインミル50の入側の張力を付与する装置である。
なお、図示していないが、上ピンチロールR40Aと下ピンチロールR40Bは中空構造となっており、内部から水冷による冷却を行っている。
インラインミル50は、鋳造ストリップSを圧延して、鋳造ストリップSを所望の板厚に薄くする装置であり、この実施形態では、6段圧延機とされている。
インラインミル50は、図1、図2に示すように、対向配置されたワークロール51A、51Bと、ワークロール51A、51Bの背後に配置された中間ロール52A、52Bと、中間ロール52A、52Bの背後に配置されたバックアップロール53A、53Bと、インラインミル制御装置(図示なし)と、板厚計55とを備えている。
インラインミル50は、下流に配置された板厚計(例えば、X線板厚)55によって鋳造ストリップSの板厚を測定して、その測定結果に基づいて、鋳造ストリップSが予め設定された板厚に形成されるようにロールギャップを調整する。
この実施形態では、例えば、ワークロール外径400mm、中間ロール外径450mm、バックアップロール外径1200mm、胴長(幅)はいずれも2000mmとされている。
第2ピンチロール60は、例えば、上下に対向配置された一対のロールと、ピンチロールを駆動するモータ(モータ)と、圧下装置(油圧)(不図示)を備えていて、圧下装置によってピンチロールを圧下させて、鋳造ストリップSに、インラインミル50との間で張力を発生させるようになっている。
インラインミル50と第2ピンチロール60の間の張力は、テンションロール83により測定され、予め設定された張力となるように第2ピンチロールの速度が制御されるようになっている。
なお、第2ピンチロール60のロールは、例えば、外径400mm、ロール胴長(幅)2000mmとされている。
巻取装置70は、インラインミル50で圧延されて第2ピンチロール60から送り出された鋳造ストリップSを、デフレクタロール84を介して受取り、コイル状に巻き取るようになっている。
以下、鋳造ストリップ製造設備1による鋳造ストリップの製造方法について説明する。
(1)まず、タンディッシュTが金属溶湯を一時的に貯蔵する。
(2)次に、タンディッシュTに貯蔵された金属溶湯を、タンディッシュ下部に形成されたノズルを介して、双ドラム式連続鋳造装置10の金属溶湯貯留部15に注入する。このとき、ノズルを制御して、金属溶湯貯留部15に貯留される金属溶湯の量を一定とする。
(3)次いで、一対の冷却ドラム100を回転させながら、金属溶湯貯留部15に貯留された金属溶湯を一対の冷却ドラム100の周面で凝固、成長させて、鋳造ストリップSを鋳造する。
双ドラム式連続鋳造装置10において鋳造を開始する際は、例えば、図4に示すように、鋳造ストリップSの先端となる部分にダミーシート11を接続する。このとき、ダミーシート11の進行方向先端側には鋳造ストリップSに比べてかなり厚いダミーバー13が設けられ、鋳造ストリップSとダミーシート11の接続部には、鋳造ストリップSの板厚よりも厚い突起部12が形成される。
この実施形態では、鋳造ストリップSの寸法は、例えば、板厚2mm、板幅1200mmとされ、一対の冷却ドラム100の周速(鋳造速度)は、例えば、150m/minである。ただし、これに限定されない。
(4)一対の冷却ドラム100で形成された鋳造ストリップSは、必要に応じて、酸化防止装置20において、酸化防止処理をする。
(5)次いで、送りロール81によって、冷却ドラム100と送りロール81の間における鋳造ストリップSのループ長を一定に保ちながら、鋳造ストリップSを下流側に搬送する。
(6)次に、必要に応じて、冷却装置30によって鋳造ストリップSを冷却する。
(7)次いで、第1ピンチロール40によって、鋳造ストリップSに第1ピンチロール40とインラインミル50間の張力を発生させながらインラインミル50に送る。
(8)インラインミル50は、突起部12がインラインミル50を通過した後、鋳造ストリップSの板プロフィルが所定の形状となる見込みの予め設定したタイミングでフライングタッチを開始する。
(9)インラインミル50は、鋳造ストリップSを圧延して、所望の板厚に調整する。
(10)次に、第2ピンチロール60によって、鋳造ストリップSにインラインミル50と第2ピンチロール60間の張力を発生させながら、鋳造ストリップSをインラインミル50から巻取装置70に送る。
(11)巻取装置70は、送られてきた鋳造ストリップSを巻き取る。
ここで、本実施形態においては、鋳造開始時において一対の冷却ドラム100(第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100B)のクラウン形状を制御し、製出される鋳造ストリップSの板プロフィルを調整している。
具体的には、図5(a)に示すように、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bは、それぞれ圧力媒体によって加圧室105A、105Bの圧力量を調整することで、クラウン形状を変更可能(すなわち可変クラウンロール)になっており、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bにおいて加圧室105A、105Bの数、ドラム幅方向位置及びドラム幅方向長さは互いに異なっている。上述したように、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aと、第2冷却ドラム100Bの加圧室105Bは、それぞれ制御可能となっている。なお、第2冷却ドラム100Bの2つの加圧室105Bは、同一の圧力媒体供給路107に連結されていることから、連動して制御されることになる。
鋳造開始前および開始直後の状態1’について、図5(b)を用いて説明する。なお、図5(b)において破線が初期状態のドラムクラウン形状を示しており、実線が圧力室105によって制御した後のドラムクラウン形状を示す。図5(b)に示すように、本実形態においては、圧力室を加圧しない初期状態で、冷却ドラムは凹クラウン形状をなしている。
鋳造開始前および開始直後の状態1’では、第1冷却ドラム100Aの加圧室105A及び第2冷却ドラム100Bの加圧室105Bの圧力を高くする。すると、図5(b)に示すように、第1冷却ドラム100Aのドラム幅中央が径方向外側に突出した凸クラウンとなり、第2冷却ドラム100Bはドラム幅両端が径方向外側に突出した凹クラウンとなり、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bの間の鋳造ストリップSは幅方向で一定の厚さとなる。
次に、状態2’について図5(c)及び図5(d)を用いて説明する。なお、図5(c)、図5(d)において破線が状態1’のドラムクラウン形状を示しており、一点鎖線が熱膨張した後のドラムクラウン形状、実線が圧力室105によって制御した後のドラムクラウン形状を示す。
状態1’〜2’の変化では、冷却ドラム100のプロフィルは二次関数で変化し、図5(c)に示すように、それぞれ破線で記載された形状から一点鎖線で記載された形状に変化する。
そこで、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aの圧力を低くして、第1冷却ドラム100Aのドラム幅中央の突出量(凸クラウン)を減少させる。これにより、図5(d)に示すように、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bの間の鋳造ストリップSは幅方向で一定の厚さとなる。
次に、状態3’について図5(e)及び図5(f)を用いて説明する。なお、図5(e)、図5(f)において破線が状態2’のドラムクラウン形状を示しており、一点鎖線が熱膨張した後のドラムクラウン形状、実線が圧力室105によって制御した後のドラムクラウン形状を示す。
状態2’〜3’の変化では、冷却ドラム100のプロフィルは高次関数で変化し、図5(e)に示すように、それぞれ破線で記載された形状から一点鎖線で記載された形状に変化する。
そこで、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aの圧力をさらに低くして、第1冷却ドラム100Aのドラム幅中央の突出量(凸クラウン)を減少させるとともに、第2冷却ドラム100Bの加圧室105Bの圧力も低くして、ドラム幅両端の突出量を減少させる。これにより、図5(f)に示すように、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bの間の鋳造ストリップSは幅方向で一定の厚さとなる。
次に、状態4’について図5(g)及び図5(h)を用いて説明する。なお、図5(g)、図5(h)において破線が状態3’のドラムクラウン形状を示しており、一点鎖線が熱膨張した後のドラムクラウン形状、実線が圧力室105によって制御した後のドラムクラウン形状を示す。
状態3’〜4’の変化では、冷却ドラム100のプロフィルは高次関数で変化し、図5(g)に示すように、それぞれ破線で記載された形状から一点鎖線で記載された形状に変化する。
そこで、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aの圧力をさらに低くして、第1冷却ドラム100Aのドラム幅中央の突出量(凸クラウン)を減少させるとともに、第2冷却ドラム100Bの加圧室105Bの圧力も低くして、ドラム幅両端の突出量を減少させる。これにより、図5(h)に示すように、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bの間の鋳造ストリップSは幅方向で一定の厚さとなる。
状態4’では、定常状態となり、冷却ドラム100のプロフィルはほとんど変化しない。状態3’〜4’の変化時の最終圧力制御量を維持することで、鋳造ストリップSの板プロフィルは定常状態が維持される状態となる。
なお、冷却ドラム100の初期プロフィルとして、定常状態のドラムのサーマルクラウン量を求め、そのサーマルクラウン量だけ初期の冷却ドラムを凹プロフィルとすることで、初期状態から定常状態に亘って、低クラウンの鋳造ストリップSを製造することができる。
図6に定常状態における冷却ドラムの熱膨張量の計算結果例を示す。計算条件は、ドラム径が500mm、ドラム胴長が1200mmである。また、二次での近似曲線を併せて示す。
図6(a)より、板幅端部(ドラム幅端部)において熱膨張量は高次の関数となっていることが分かる。またドラム幅方向無次元化位置(ドラム幅端部を−0.5,+0.5、ドラム幅中央を0とする)で−0.375近傍、+0.375近傍よりも幅端部側で二次曲線との乖離が大きくなることが分かる。
ここで、図6(b)に示すように、第1冷却ドラム100Aの加圧室105A内及び第2冷却ドラム100Bの加圧室105B内の圧力を制御することで、フラットなドラムプロフィルから熱膨張時のドラムプロフィルを表現することができれば、圧力制御によって、冷却ドラム100(第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100B)の熱膨張量が板プロフィルに及ぼす影響を打ち消すことが可能となる。
ここで、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aのドラム幅方向長さL1と、第2冷却ドラム100Bの1つの加圧室105Bのドラム幅方向長さL2との関係を適宜変更して冷却ドラム100のクラウン量を測定した結果、下記の関係式を満たすときに、ドラム幅方向全体に亘って、冷却ドラム100の熱膨張量の高次関数をより安定的に表現可能であることが分かった。
0.26×(L1)−0.72×(L1)+0.63<L2
<0.88×(L1)−1.4×(L1)+0.91
ここで、L1は基本となる二次関数の幅、L2は上述の二次関数を補完して高次関数を作成するための補助関数の幅を表すことになり、L1の幅に応じてL2の適切な幅が規定されることになる。L1及びL2を上述の範囲内とすることで、クォーター伸びの発生を的確に抑制することができる。
以上のように、L1及びL2を上述の範囲内とすることにより、サーマルクラウンの経時変化を±20μm以内に制御可能となり、その後の圧延工程において平坦形状不良の発生を十分に抑制することが可能となる。
したがって、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aのドラム幅方向長さL1と、第2冷却ドラム100Bの加圧室105Bのドラム幅方向長さL2とを、上述の関係式を満たすように設定することで、圧力制御によってドラム熱膨張量が板プロフィルに及ぼす影響をさらに的確に打ち消すことができ、鋳造開始直後から定常状態に亘って、ほぼ同じ鋳造ストリップSの板プロフィルをより安定的に造り込むことが可能となる。
ここで、上述の冷却ドラム100(第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100B)におけるクラウン形状の制御は、予め鋳造開始からの時間とインラインミル50に導入される鋳造ストリップSの板プロフィルの経時変化との関係を求めておき、この関係に応じて、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bのそれぞれの加圧室105A、105Bの圧力量を調整してもよい。
また、図7に示すように、冷却ドラム100から製出された鋳造ストリップSの板プロフィルを固定板厚計16及びスキャン板厚計17によって計測し、計測された鋳造ストリップSの板プロフィルに応じて、図8に示すフロー図に示すように、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bのそれぞれの加圧室105A、105Bの圧力量を制御してもよい。
あるいは、図9に示すように、冷却ドラム100(第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100B)のプロフィルを、冷却ドラム100の幅方向に一定間隔で配設した複数のレーザ距離計18による計測により得ることができる。そして、これらのレーザ距離計による計測により得られた冷却ドラム100(第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100B)のプロフィルに応じて、図10に示すフロー図に示すように、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bのそれぞれの加圧室105A、105Bの圧力量を制御してもよい。
以上、本実施形態によれば、一対の冷却ドラム100は、内部に配設された加圧室105への圧力媒体の供給及び排出によって冷却ドラム100のクラウン量が制御可能とされ、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aの数と第2冷却ドラム100Bの加圧室105Bの数とが互いに異なっている。特に、本実施形態では、図3に示すように、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aの数が1つ、第2冷却ドラム100Bの加圧室105Bの数が2つとされ、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aがドラム幅方向中央に位置し、第2冷却ドラム100Bの2つの加圧室105Bは、ドラム幅方向中央以外のドラム幅方向両端に位置している。これにより、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aによってドラム幅中央のクラウン量を制御し、第2冷却ドラム100Bの加圧室105Bによってドラム幅両端のクラウン量を制御することで、鋳造開始時の熱膨張による冷却ドラムの高次の形状変化に対しても精度良くクラウン形状を制御することができ、インラインミル入側の鋳造ストリップの板プロフィルを早期にフライングタッチ可能な形状とすることが可能となる。
また、本実施形態では、第1冷却ドラム100Aの加圧室105Aのドラム幅方向長さL1と、第2冷却ドラム100Bの1つの加圧室105Bのドラム幅方向長さL2とが、以下の関係式を満たしているので、鋳造開始時の熱膨張による冷却ドラム100の高次の形状変化に対して、ドラム幅方向全体で冷却ドラム100のクラウン形状を精度良く制御することが可能となる。
0.26×(L1)−0.72×(L1)+0.63<L2
<0.88×(L1)−1.4×(L1)+0.91
ここで、本実施形態において、予め鋳造開始からの時間とインラインミル50に導入される鋳造ストリップSの板プロフィルの経時変化との関係を求めておき、この関係に応じて、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bのそれぞれの加圧室105A、105Bの圧力量を調整し、冷却ドラム100のクラウン形状を制御する構成とした場合には、比較的簡単に、インラインミル50入側の鋳造ストリップSの板プロフィルを早期にフライングタッチ可能な形状とすることができる。
また、本実施形態において、冷却ドラム100から製出される鋳造ストリップSの板プロフィルを計測し、計測された鋳造ストリップSの板プロフィルに応じて、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bのそれぞれの加圧室105A、105Bの圧力量を調整し、冷却ドラム100のクラウン形状を制御する構成とした場合には、精度良く鋳造ストリップSの板プロフィルを調整でき、インラインミル50入側の鋳造ストリップSの板プロフィルを早期にフライングタッチ可能な形状とすることができる。
さらに、本実施形態において、冷却ドラム100のプロフィルを計測し、計測された冷却ドラム100のプロフィルに応じて、第1冷却ドラム100A及び第2冷却ドラム100Bのそれぞれの加圧室105A、105Bの圧力量を調整し、冷却ドラム100のクラウン形状を制御する構成とした場合には、精度良く鋳造ストリップSの板プロフィルを調整でき、インラインミル50入側の鋳造ストリップSの板プロフィルを早期にフライングタッチ可能な形状とすることができる。
なお、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
例えば、本実施形態では、鋳造開始時にダミーシートを用いるものとして説明したが、これに限定されることはなく、他の構成の双ドラム式連続鋳造装置に適用してもよい。
次に、本発明の効果を確認した実験結果について説明する。
本実験に用いた設備は、図1及び図2に示したものと同一である。鋳造ストリップの板厚は2mm、板幅は1200mmの鋼である。鋳造開始からの冷却ドラムの加速レートが150m/min./30秒で定常鋳造状態の冷却ドラム回転速度は159m/min.である。その際インラインミルで圧下率30%の圧延が行われ、インラインミル出側の板厚は1.4mmである。
(比較例1)
定常鋳造状態で鋳造後の鋳造ストリップの板クラウンが30μmになるように冷却ドラムにはドラム胴長は1200mmに亘って凹クラウン(100μm/半径)が付与されている場合を比較例1とする。なお、この比較例1においては、冷却ドラム内の加圧室は設置されていない。
(比較例2)
定常鋳造状態で鋳造後の鋳造ストリップの板クラウンが30μmになるように冷却ドラムにはドラム胴長は1200mmに亘って凹クラウン(100μm/半径)が付与されており、かつ、一対の冷却ドラムにおいて加圧室が同じ幅で同じ幅位置に設置され、圧力媒体によってロールクラウンを制御する方法を比較例2とする。
(本発明例1〜3)
冷却ドラムとして、ドラム胴長は1200mmに亘って凹クラウン(100μm/半径)が付与され、鋳造設備の冷却ドラムに加圧室を設置し圧力媒体によってクラウン量を制御する可変クラウンロールを用いた。
一方の冷却ドラムは、少なくともドラム幅方向中央のクラウン量を制御できる広い幅の圧力室が1カ所設置されているのに対し、他方の冷却ドラムは、ドラム幅方向中央を除く、ドラム幅方向両端の位置の2カ所に、狭い幅の圧力室がドラム幅方向中央に対し対称となるように設置された構造とした。
ここで、ドラム幅方向中央に配置された広幅の加圧室のドラム幅方向長さをL1、ドラム幅方向両端に配置された狭幅の加圧室のドラム幅方向長さをL2としたときに、L1を1とした無次元長さを表1に示すものとした。そして、L1及びL2が以下の関係式を満たすか否かを表1に表記した。
0.26×(L1)−0.72×(L1)+0.63<L2
<0.88×(L1)−1.4×(L1)+0.91
さらに、予め実験を行い鋳造開始からの時間と鋳造ストリップの板プロフィル変化の関係を予め求めておき、予め設定された板プロフィルになるように鋳造ストリップの板プロフィル変化から該冷却ドラムの圧力媒体の圧力量を制御した。
比較例1、2および本発明例1〜3においてフライングタッチを開始し、インラインミルにて板破断の発生しないフライングタッチ開始タイミングを調査した。結果を表1に示す。
Figure 2017192969
比較例1では、鋳造開始から10秒でフライングタッチを開始した場合、フライングタッチ開始直後に極端な中伸びが発生して板破断した。板破断が発生しないフライングタッチ開始時間は鋳造開始から28秒以降となり、フライングタッチ開始を鋳造開始から28秒にした場合約40m弱のオフゲージが発生した。この場合の鋳造ストリップの板クラウン(インラインミル入側の板クラウン、エッジ75mm位置)は初期160μm、定常部30μmであった。
比較例2では、鋳造開始から10秒でフライングタッチを開始し、インラインミル入側の板クラウンを一定とするよう、圧力制御も行った。鋳造開始から18秒後まではインライン出側は平坦な形状であったが、鋳造開始から20秒を過ぎた頃から耳波が発生し、鋳造開始24秒後には、下工程通板が不可能なほどの異常な耳波が発生したため、圧延を中止した。下工程通板が可能な程度の平坦形状不良に抑えるためのフライングタッチ開始時間は鋳造開始から28秒以降となり、フライングタッチ開始を鋳造開始から28秒にした場合約40m弱のオフゲージが発生した。この場合の鋳造ストリップの板クラウン(インラインミル入側の板クラウン、エッジ75mm位置)は初期50μm、定常部30μmであった。
本発明例1では、鋳造開始から8秒でフライングタッチを開始し、インラインミル入側の板クラウンを一定とするよう、圧力制御も行ったところ問題は発生しなかった。フライングタッチ開始を鋳造開始から8秒にした場合約10mのオフゲージが発生した、この場合の鋳造ストリップの板クラウン(インラインミル入側の板クラウン)は初期定常部ともに30μmであった。
本発明例2では、鋳造開始から10秒でフライングタッチを開始し、インラインミル入側の板クラウンを一定とするよう、圧力制御も行ったところ問題は発生しなかった。フライングタッチ開始を鋳造開始から10秒にした場合約13mのオフゲージが発生した、この場合の鋳造ストリップの板クラウン(インラインミル入側の板クラウン)は初期35μm、定常部30μmであった。
本発明例3では、鋳造開始から10秒でフライングタッチを開始し、インラインミル入側の板クラウンを一定とするよう、圧力制御も行った。鋳造開始から18秒後まではインライン出側は平坦な形状であったが、鋳造開始から24秒を過ぎた頃から耳波が発生し、下工程通板が不可能なほどの異常な耳波が発生したため、圧延を中止した。下工程通板が可能な程度の平坦形状不良に抑えるため、初期ドラムプロフィルの調整と、フライングタッチ開始時間の調整を行った。下工程通板が可能な程度の平坦形状不良に抑えるためのフライングタッチ開始時間は鋳造開始から20秒以降となり、フライングタッチ開始を鋳造開始から20秒にした場合約26mのオフゲージが発生した。この場合の鋳造ストリップの板クラウン(インラインミル入側の板クラウン、エッジ75mm位置)は初期42μm、定常部30μmであった。
本発明例1〜3では、いずれもフライングタッチの時期を比較例1,2よりも早めることができ、その結果オフゲージを削減することができた。
以上のことから、本発明によれば、双ドラム式連続鋳造装置及びインラインミルを備えた鋳造ストリップ製造設備において、フライングタッチ時期を早めることでオフゲージを減少させ製造コストを低減できることが明らかとなった。
S 鋳造ストリップ
1 鋳造ストリップ製造設備
10 双ドラム式連続鋳造装置
50 インラインミル
100 冷却ドラム
100A 第1冷却ドラム
100B 第2冷却ドラム
105(105A、105B) 加圧室

Claims (7)

  1. 回転する一対の冷却ドラムにより金属溶湯を凝固させて鋳造ストリップを製造する双ドラム式連続鋳造装置と、前記鋳造ストリップを所定の厚さに圧延するインラインミルと、を備えた鋳造ストリップ製造設備において、
    前記一対の冷却ドラムは、内部に配設された加圧室への圧力媒体の供給及び排出によって前記冷却ドラムのクラウン形状が制御される可変クラウンロールとされ、前記加圧室を加圧しない状態でドラム幅方向中央部の径がドラム幅方向両端部の径よりも小径とされた凹クラウン形状をなしており、
    前記一対の冷却ドラムの一方の冷却ドラムに設けられた前記加圧室の数と他方の冷却ドラムに設けられた前記加圧室の数とが互いに異なっており、
    前記一方の冷却ドラムの前記加圧室が前記冷却ドラムのドラム幅方向中央に位置し、前記他方の冷却ドラムの前記加圧室が前記冷却ドラムのドラム幅方向中央以外に位置していることを特徴とする鋳造ストリップ製造設備。
  2. 前記一方の冷却ドラムは、前記ドラム幅方向中央に位置する1つの前記加圧室を備え、前記他方の冷却ドラムは、前記ドラム幅方向両端に位置する2つの前記加圧室を備えており、
    前記一方の冷却ドラムのドラム幅方向長さL1が、前記他方の冷却ドラムの1つのドラム幅方向長さL2よりも長く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の鋳造ストリップ製造設備。
  3. 前記一方の冷却ドラムのドラム幅方向長さL1と、前記他方の冷却ドラムの1つのドラム幅方向長さL2が、以下の関係式を満たしていることを特徴とする請求項2に記載の鋳造ストリップ製造設備。
    0.26×(L1)−0.72×(L1)+0.63<L2
    <0.88×(L1)−1.4×(L1)+0.91
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の鋳造ストリップ製造設備を用いた鋳造ストリップの製造方法であって、
    前記冷却ドラムの熱膨張によるクラウン形状の変化に応じて、それぞれの冷却ドラムにおいて前記加圧室に対して圧力媒体の供給及び排出を行い、前記冷却ドラムのクラウン形状を制御し、
    前記インラインミル入側の鋳造ストリップの板プロフィルを調整することを特徴とする鋳造ストリップの製造方法。
  5. 予め鋳造開始からの時間と前記インラインミル入側の前記鋳造ストリップの板プロフィルの経時変化との関係を求めておき、
    この関係に応じて、予め設定された板プロフィルとなるようにそれぞれの冷却ドラムにおいて前記加圧室に対して圧力媒体の供給及び排出を行って圧力媒体の圧力量を調整し、前記冷却ドラムのクラウン形状を制御することを特徴とする請求項4に記載の鋳造ストリップの製造方法。
  6. 前記冷却ドラムから製出される前記鋳造ストリップの板プロフィルを計測し、計測された前記鋳造ストリップの板プロフィルに応じて、それぞれの冷却ドラムにおいて前記加圧室に対して圧力媒体の供給及び排出を行って圧力媒体の圧力量を調整し、前記冷却ドラムのクラウン形状を制御することを特徴とする請求項4に記載の鋳造ストリップの製造方法。
  7. 前記冷却ドラムのプロフィルを計測し、計測された前記冷却ドラムのプロフィルに応じて、それぞれの冷却ドラムにおいて前記加圧室に対して圧力媒体の供給及び排出を行って圧力媒体の圧力量を調整し、前記冷却ドラムのクラウン形状を制御することを特徴とする請求項4に記載の鋳造ストリップの製造方法。
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