JP2017191254A - 電気光学デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】電極面の面積を大きくせずに、相互作用長を長くすることができる電気光学デバイスを提供する。【解決手段】電気光学効果を有する電気光学結晶と、該電気光学結晶の対向する2つの面に形成された電極とを備えた電気光学デバイスであって、入射面を透過した光は、入射角30°で第3の反射面に入射し、前記入射面を透過した直後に光が進む方向と、出射面を透過する直前の光が進む方向とのなす角が0°であり、電極面から見て、第1の反射面を含む平面と第2の反射面を含む平面とが交差する第1の点と、前記第2の反射面と第4の反射面とが交差する第2の点の間の距離をA、前記第1の点と、前記第1の反射面と前記第3の反射面とが交差する第3の点の間の距離をBとしたとき、A:B=m:n(m、nは2以上の整数)であり、かつ、mとnは互いに素である。【選択図】図4

Description

本発明は、電気光学効果を用いた電気光学デバイスに関する。
材料に電界を印加することによって屈折率、逆誘電率が変化する現象は、電気光学効果と呼ばれている。電気光学効果を用いることにより、材料に入射された光を制御することができる。電気光学効果を用いたデバイス(以下、電気光学デバイスと呼ぶ)として、位相変調器(例えば、非特許文献1参照)、振幅変調器(例えば、非特許文献2参照)、光偏向器(例えば、非特許文献3参照)などがある。位相変調器は、低い電圧で大きな位相変化を生じさせることが求められている。強度変調器においては、ある方向に偏光している光の位相と、それに垂直方向に偏光している光の位相との差(一般的に、リタデーションと呼ばれる)を、低い電圧で大きく変化させることが求められている。また、光偏向器においては、低い電圧で大きな偏向角を得ることが求められている。それら位相変化、リタデーション、偏向角を大きくするためには、電気光学効果を有する材料内を伝搬する光と材料との相互作用長を長くすればよい。すなわち、光の伝搬方向の材料の長さを長くすればよい。
図1(a)に、従来の電気光学デバイスを示す。電気光学結晶1の2つの電極面2,3の全面には金属電極が蒸着されており、電源4を用いて電気光学結晶1に電圧を印加する。これにより、結晶内に電界を発生させ、結晶内の屈折率分布を変化させて、電気光学結晶1に入射した光5を制御する。電気光学結晶1の長さ(光軸=x軸方向)をL、2つの電極面2,3の間隔(z軸方向)をd、入射面の幅と出射面の幅(y軸方向)をwとする。このとき、光5の入射面におけるビーム幅は、w未満となる。図1(b)は、電気光学結晶1を上面から見た図であり、長さLを変えた3通り(L0,2L0,3L0)の電気光学結晶を示す。一点鎖線は、幅方向(y軸方向)の中心を伝搬する光軸を示す。
特開2015−219453号公報
I.P. Kaminow, "Barium Titanate Light Phase Modulator," Applied Physics Letters, Vol. 7, No. 5, 123-125 (1965). R.T. Denton, F.S. Chen, and A.A. Ballman, "Lithium Tantalate Light Modulators," Journal of Applied Physics, Vol. 38, No.4, 1611-1617 (1967). Jun Miyazu, Tadayuki Imai, Seiji Toyoda, Masahiro Sasaura, Shogo Yagi, Kazutoshi Kato, Yuzo Sasaki1, and Kazuo Fujiura, "New Beam Scanning Model for High-Speed Operation Using KTa1-xNbxO3 Crystals,"Appl. Phys. Express, Vol. 4, 111501 (2011).
しかしながら、相互作用長を長くするために、電気光学結晶1の長さLを長くすると、電極の長さも長くなり、Lをk倍にすると、電極面の面積Lwもk倍となる。すなわち、相互作用長と電極面の面積との比、kL/(kLw)=1/wは変化しない。
電気光学デバイスを平行平板コンデンサと考えれば、電極面の面積Lwがk倍になると、静電容量もk倍となる。そのため、電圧としてAC電圧を印加すると、コンデンサを充放電するための電流の大きさもk倍となり、大容量の電源が必要になるという問題があった。そのため、電極面の電極面積は、可能な限り小さい方が望ましい。
また、板状または棒状の結晶の面積(辺の長さ)が大きくなると、割れやすくなるという課題があった。そのため、電極面の面積(辺の長さ)は小さいことが望ましい。
また、電気光学結晶として代表的なKTa1-xNbx3結晶(KTN結晶)は、電気的特性が空間的に均一でなく、結晶サイズが大きいと、結晶内部の位置によって電気的特性がばらつくという問題があった。具体的には、ある電圧を印加した場合に、電気光学効果が小さい領域と大きい領域とが混在するという課題があった。そのため、電気光学結晶のサイズを小さくすることが求められていた。
以上のことから、電極面の面積を大きくせずに、相互作用長を長くすることが求められていた。具体的には、相互作用長と電極面の面積の比R=kL/(kLw)を、1/w(wは入出射面の幅)より大きくすることが求められていた。
このような課題を解決するために、特許文献1において、六角柱状の形状を有した電気光学結晶を用いることにより、相互作用長/電極面積を、2/wとすることが開示されている。従って、相互作用長と電極面積の比Rを、さらに2/w(wは入出射面の幅)より大きくすることが求められている。
本発明の目的は、電極面の面積を大きくせずに、相互作用長を長くすることができる電気光学デバイスを提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、一実施態様は、電気光学効果を有する電気光学結晶と、該電気光学結晶の対向する2つの電極面に形成された電極対とを備え、前記電気光学結晶は、前記電極面と垂直に入射面、出射面、第1の反射面、第2の反射面、第3の反射面、および第4の反射面を有し、前記第1の反射面および前記第3の反射面は60度の角をなし、前記第4の反射面は前記第1の反射面に平行であり、前記第2の反射面は前記第3の反射面に平行であり、前記入射面は、前記第1の反射面と前記第2の反射面の間に配置されており、前記出射面は、前記第3の反射面と前記第4の反射面の間に配置されており、前記入射面を透過した光は、入射角30°で前記第3の反射面に入射し、前記入射面を透過した直後に光が進む方向と、前記出射面を透過する直前の光が進む方向とのなす角が0°であり、前記電極面から見て、前記第1の反射面を含む平面と前記第2の反射面を含む平面とが交差する第1の点と、前記第2の反射面と前記第4の反射面とが交差する第2の点の間の距離をA、前記第1の点と、前記第1の反射面と前記第3の反射面とが交差する第3の点の間の距離をBとしたとき、
A:B=m:n(m、nは2以上の整数)であり、かつ、mとnは互いに素
であることを特徴とする。
本発明によれば、入射面を透過した光が、第1ないし第4の反射面において反射を繰り返しながら、電気光学結晶の内部を伝搬し、出射面から出射される。光軸を含む平面において、各々の場所を光が通過する回数の位置平均を取ったとき、平均通過回数が2回よりも大きくなるので、入出射面の幅がwの時、相互作用長と電極面積の比を、従来の2/wよりも大きくすることができる。
すなわち、電極面積をそのままに相互作用長を長くできたり、相互作用長をそのままに電極面積を小さくできるという効果を奏することができる。
従来の電気光学デバイスを示す図である。 本発明の一実施形態にかかる電気光学結晶を示す図である。 本発明の一実施形態にかかる電気光学デバイスを示す図である。 本実施形態の電気光学結晶内の光の伝搬を説明するための図である。 有限の幅を持つ光の伝搬を説明するための図である。 八角柱状の形状の電気光学結晶を有する電気光学デバイスを示す図である。 電気光学結晶のサイズのバリエーションを示す図である。 電気光学結晶のサイズのバリエーションを示す図である。 電気光学結晶のサイズのバリエーションを示す図である。 電気光学結晶のサイズのバリエーションを示す図である。 電気光学結晶のサイズのバリエーションを示す図である。 電気光学結晶のサイズのバリエーションを示す図である。 入射光の幅が入射面の幅の半分の場合の光の伝搬を説明するための図である。 入射面の角度を変化させた場合の光の伝搬を説明する図である。 入出射面の角度を変化させた場合の光の伝搬を説明する図である。 複数の電気光学結晶を接続した電気光学デバイスを示す図である。 複数の電気光学結晶を接続した電気光学デバイスを示す図である。 本実施形態の電気光学結晶に座標系を設定した図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
[基本動作原理]
図2に、本発明の一実施形態にかかる電気光学結晶を示す。図2(a)は斜視図、図2(b)は上面図、図2(c)は入射面から見た側面図である。電気光学結晶100は、対向する2つの面を電極面111、112とし、この電極面と垂直に入射面101、出射面102、第1の反射面103、第2の反射面104、第3の反射面105、および第4の反射面106の6面が配置された六角柱状の形状を有している。
第3の反射面105は、第1の反射面103と60度の角をなしている。第4の反射面106は、第1の反射面103と平行である。第2の反射面104は、第3の反射面105と平行である。入射面101は、第1の反射面103と150度の角をなしている。出射面102は、第3の反射面105と150度の角をなしている。
図3に、本発明の一実施形態にかかる電気光学デバイスを示す。図3(a)は斜視図、図3(b)は入射面101から見た側面図である。電気光学結晶100の2つの電極面111,112に形成された電極対に、電源201を接続した様子を示す。2つの電極面111,112は、入射面101、出射面102、第1の反射面103、第2の反射面104、第3の反射面105、および第4の反射面106に垂直である。電源201からの電圧印加により、z軸方向の電界が発生することにより、電気光学結晶100内部の屈折率が変化し、電気光学結晶100内を伝搬する光が制御される。
図4を参照して、電気光学結晶100内の光の伝搬を説明する。図4(a)に示すように、電極面から見て、第1の反射面103を含む平面と第2の反射面104を含む平面とが仮想的に交差する点(第1の点)と、第2の反射面104と第4の反射面106とが交差する点(第2の点)の間の距離をAとする。第1の反射面103を含む平面と第2の反射面104を含む平面とが仮想的に交差する点(第1の点)と、第1の反射面103と第3の反射面105とが交差する点(第3の点)の間の距離をBとする。ここでは、A:B=3:2としている。また、入射面101の幅をw、出射面102の幅をw’とする。ここでは、w=w’=(√3)B/4としている。すなわち、A:B:w:w’=3:2:(√3)/2:(√3)/2である。
電極面111、112の表面には、図4(b)に示すような電極が形成され、電極形成部331と電極未形成部332、333とに分かれている。P1P2P3およびQ1Q2Q3は正三角形であり、一辺の長さは、A/6(=B/4)である。なお、金属電極の形成は、金属蒸着によるもの、スパッタリングによるもの、導電性塗料、金属箔、金属焼付によるもの、金属吹付によるものなどがある。電極として機能すればどのようなものであっても良い。
図4(c)に示すように、電気光学結晶100の入射面101に、入射光を垂直に入射する。以下、光軸を一点鎖線で示し、光の軌跡を説明する。入射光は、電気光学結晶100の内部を伝搬し、入射角30°で第3の反射面105へ入射し、反射角30°で反射される(点a)。ここで、入射角(反射角)とは、反射面(ここでは第3の反射面105)の法線と入射光(反射光)とがなす角である。続いて、入射角30°で第2の反射面104へ入射し、反射角30°で反射される(点b)。続いて、入射角30°で第4の反射面106へ入射し、反射角30°で反射される(点c)。続いて、入射角30°で第1の反射面103へ入射し、反射角30°で反射される(点d)。続いて、入射角30°で第3の反射面105へ入射し、反射角30°で反射される(点e)。続いて、入射角30°で第2の反射面104へ入射し、反射角30°で反射される(点f)。続いて、出射面102に垂直に入射し、電気光学結晶100から出射光として出射される。入射面を透過した直後に光が進む方向と、出射面を透過する直前の光が進む方向とのなす角が0°、すなわち平行となる。なお、各点(a〜f)における反射は、金属ミラーまたは誘電体ミラーを反射面に蒸着して行うのが一般的であるが、それ以外の方法による反射を適用しても良い。
以上の説明では、光を、幅を持たない光線として説明したが、実際の光は、ビーム幅を有する。図5に、電気光学結晶100の上面から見て、電気光学結晶の内部を伝搬する光ビームの軌跡を示す。図5(a)に、入射光のビーム幅が、入射面101と出射面102の幅w、w’と同程度の場合を示す。また、電気光学結晶100の形状は、A:B:w:w’=3:2:(√3)/2:(√3)/2である。入射光の光軸は、入射面101の幅方向の中心を通り、一点鎖線で示す。入射面101における光ビームの一方の端の軌跡を実線で示し、入射面101における光ビームの他方の端の軌跡を点線で示している。
図5(b)は、光が通過する領域をハッチングで示した。ハッチングのかかった領域は、図4(b)に示した電極形成部331と一致する。図5(b)からわかるように、入射面101の幅wと同程度のビーム幅を持った光を入射しても、光の一部が反射面で所望の反射を行わない、すなわちケラレたりすることなく、出射面102から出射されていることがわかる。
ハッチングのかかっていない正三角形の領域P1P2P3およびQ1Q2Q3の箇所は、光が通過しないので、電気光学結晶100内を伝搬する光の制御に寄与しない。そのため、この2つの領域を有さない電気光学結晶100であっても良い。ここで、正三角形P1P2P3および正三角形Q1Q2Q3の一辺の長さは、A/6(=B/4)である。
図6に、八角柱状の形状の電気光学結晶を有する電気光学デバイスを示す。図6(a)は上面図であり、電気光学結晶500は、対向する2つの面を電極面とし、この電極面と垂直に入射面501、出射面502、第1の反射面503、第2の反射面504、第3の反射面505、および第4の反射面506の6面を有する。さらに、第1の側面521と第2の側面522とを有し、八角柱状の形状を有している。
図6(b)に示すように、第1の反射面503と第2の反射面504とが仮想的に交差する点と、第2の反射面504と第4の反射面506とが交差する点の間の距離をAとする。第1の反射面503と第2の反射面504とが仮想的に交差する点と、第1の反射面503と第3の反射面505とが交差する点の間の距離をBとする。ここでは、A:B=3:2としている。また、入射面501の幅をw、出射面502の幅をw’とする。ここでは、w=w’=(√3)B/4としている。すなわち、A:B:w:w’=3:2:(√3)/2:(√3)/2である。
図6(c)に、入射光のビーム幅が、入射面501と出射面502の幅wと同程度の場合を示す。入射光の光軸は、入射面501の幅方向の中心を通り、一点鎖線で示す。入射面501における光ビームの一方の端の軌跡を実線で示し、入射面501における光ビームの他方の端の軌跡を点線で示している。図6に示した電気光学結晶500は、図5に示した電気光学結晶100と比べると、電極面積は等しいが、結晶サイズが小さくなるという利点がある。
図5(a)における点aaなどのように、3本の光線が交差する箇所が存在する。このような箇所は、光が3回通過することを意味している。また、反射点a近傍などのように、光が2回通過する箇所もある。さらに、図5(a)の線分bbのように、光が1回しか通過しない箇所もある。電気光学結晶100の内部を通過する光の光軸を含む平面において、各々の場所を光が通過する回数の位置平均を取ったとき、平均通過回数が2回よりも大きくなれば、従来技術に比べて、より長い相互作用長が得られる。以下、入射面の幅および出射面の幅が入射光の幅とほぼ等しいときに、確かに平均通過回数が2回よりも大きくなることを、数式を用いて説明する。
入出射面の幅がwである電気光学デバイスの電極面積は、11w2/(√3)である。また、相互作用長は、25w/(√3)である。よって、相互作用長/電極面積の比R=25/(11w)≒2.27/wとなる。一方、従来技術として特許文献1に示された電気光学デバイスでは、相互作用長/電極面積の比R=2/wとなる。すなわち、本実施形態によれば、同一の電極面積において、従来技術と比較して、2.27/2≒1.13倍強の相互作用長を有する。逆に言えば、ある相互作用長を実現するための電極面積が従来技術に比べて小さくなる。その結果、電気光学デバイスの静電容量が小さくなり、電流が小さくなるため、電源容量を低減することができる。また、電極面積が小さくなることから、電気光学結晶が折れたり割れたりしにくくなる。また、KTN結晶のように、電気的特性が空間的に均一でない材料の場合であっても、結晶サイズが小さくなるため、結晶の中で特性のばらつきが低減される。
(数値例1)
A=6/(√3)mm、B=4/(√3)mm、w=1mmの場合、相互作用長は25/(√3)mm、電極面積は11/(√3)mm2である。よって、相互作用長/電極面積=25/11mm-1≒2.27mm-1となる。
(数値例2)
A=3mm、B=2mm、w=(√3)/2mmの場合、相互作用長は12.5mm、電極面積は11×(√3)/4mm2である。
[サイズに関する考察]
本実施形態は、上述したサイズに限定されるものではない。ここでは、本実施形態の効果が発現する、電気光学デバイスのサイズに関する考察を行う。入射面および出射面の幅が等しくwのとき、長さA,B,wの比が、
A:B:w=m:n:(√3)/2
(m、nは2以上の整数でありm>n)
を満たす場合について考える。mとnが互いに素である場合、電気光学結晶のサイズA:Bのバリエーションを、図7−9に示す。
図7:A:B=3:2,4:3
図8:A:B=5:4,5:3,5:2
図9:A:B=6:5
一点鎖線は、入出射面の幅方向の中心を通過する光線の軌跡を示す。
このとき、相互作用長は下記の通りに表される。
m=3、n=2のときは、相互作用長が25w/(√3)となり、上述した通りとなる。一方、電極面積は、下記の通り表される。
m=3、n=2のときは、電極面積が11w2/(√3)となり、上述した通りとなる。これらの結果から、相互作用長/電極面積の比は下記の通り表される。
m=3、n=2のときは、相互作用長/電極面積の比が25/(11w)となり、上述した通りとなる。関数g(m、n)を下記の通り定義する。
すなわち、相互作用長/電極面積の比R=g(m、n)/wと書ける。g(m、n)をmで偏微分すると、
となる。すなわち、g(m、n)は、mの増加関数である。また、対称性によりnの増加関数でもある。そのため、m、nが増加すると、g(m、n)は増加する。従って、相互作用長/電極面積の比Rは、m、nの増加関数である。(m、n)の最小の組み合わせは(3,2)であり、g(3,2)=25/11>2である。よって、すべてのm、nの組み合わせでg(m、n)>2となるため、従来技術と比較して相互作用長が長くなるという効果があることがわかる。
次に、AとBが1以外の公約数を持ち、互いに素ではない場合、電気光学結晶のサイズA:Bのバリエーションを、図10−11に示す。
図10:A:B=4:2,6:2,6:3
図11:A:B=6:4
図から明らかなように、これらの場合には、従来と比較して相互作用長が長くならない。
以上、m>nである場合を考えてきたが、m<nであっても構わない。A:B=m:n=2:3の場合を図12に示す。図6(c)に示したA:B=3:2の場合と同様に、光軸を一点鎖線で示し、各反射面で反射する点を、順にa’−f’の符号で示し、光の軌跡を表す。図から明らかなように、図6(c)に示した場合と同様に、相互作用長を確保できていることがわかる。
以上をまとめると、「A:B=m:n(m、nは2以上の整数)であり、かつ、AとBは互いに素」のとき、相互作用長が長くなる効果が発現することがわかる。表1に、m、n、6mn−2m−2n−1、2mn−1、g(m、n)を示す。
[入射光の幅と、入出射面の幅に関する検討]
図13に、入射光の幅が入射面の幅の半分の場合の光の伝搬を示す。入射面の幅方向の中心を透過する光線の軌跡を一点鎖線、光ビームの一方の端の軌跡を実線、光ビームの他方の端の軌跡を点線で記している。この場合、光が通過しない領域があることがわかる。このような領域は、電極を形成しておいても、電気光学結晶内を伝搬する光の制御に寄与しないので、相互作用長を長くすることにはならない。すなわち、入射面の幅および出射面の幅は、入射光の幅とほぼ等しいときに、相互作用長/電極面積の比が最も大きくなる。
入射光の幅がwperpendicular,入射面と出射面の幅がwの時、wperpendicular<wの時に、光はケラレることなく伝搬する。特に、下記の条件を満たす時、相互作用長/電極面積の比が特許文献1の場合よりも大きくなる。
[電極と電気光学結晶の形状]
図4(b)に示したように、電極未形成部332は正三角形P1P2P3であり、電極未形成部333は正三角形Q1Q2Q3である。一辺の長さはA/6、すなわちA/(2m)に相当し、またはB/4、すなわちB/(2n)に相当する。
図6(b)に示した電気光学結晶500は、第1の反射面503と第3の反射面505との間に長さA/(2m)の第1の側面521を有し、第2の反射面504と第4の反射面506との間に長さA/(2m)の第2の側面522を有する。
[発明の変形1:電圧印加面の全面に電極を形成]
電気光学結晶100において、電圧印加面111,112の全面に電極を形成する場合を考える。相互作用長は、下記の通りに表される。
一方、電極面積は、下記の通り表される。
これらの結果から、相互作用長/電極面積の比は下記の通り表される。
これが最小となるm=3、n=2において、相互作用長/電極面積の比R=25/(12w)>2/wとなり、特許文献1で示された従来技術よりも相互作用長が長くなる。
図4(b)において、線分P2P3および線分Q2Q3の長さが0以上A/(2m)以下であれば、特許文献1で示された従来技術よりも相互作用長が長くなる。同様に、図6(b)において、第1の側面521および第2の側面522の長さが0以上A/(2m)以下であれば、特許文献1で示された従来技術よりも相互作用長が長くなる。以上、m=3、n=2の場合を考えたが、それ以外の組み合わせにおいても、特許文献1で示された従来技術よりも相互作用長が長くなる。
[発明の変形2:入射光が垂直入射しない場合]
これまでの説明では、第1の反射面と150度の角をなす入射面に、入射光が垂直に入射する場合を扱ってきたが、必ずしもそうである必要はない。必要な要件は、図4(c)を参照すれば、入射面101を透過した光が電気光学結晶100の内部を伝搬し、入射角30°で第3の反射面105へ入射することである。入射光が入射面101に垂直に入射しない場合、入射面101上においてスネルの法則を考慮することにより、入射後(屈折後)の光の進行方向が、入射角30°で第3の反射面105へ入射するように入射角度を設定すれば良い。
ただし、入射光が入射面に垂直に入射しない場合、入射面に垂直に入射した場合と比較して、ケラレなく出射可能な光の幅の最大値は小さくなる。従って、入射面に垂直に入射させない場合、入射可能な光の幅の観点からは、入射角度は垂直に近いほうが好ましい。
図14に、入出射面の角度を変化させた場合の光の伝搬を示す。以下、どれくらいの角度をつけると、相互作用長/電極面積の比がどう変化するかを検討する。図14(a)は、電気光学結晶800の上面図、図14(b)は、入射面801付近の拡大図である。点線LKは、入射光を垂直に入射する場合の入射面を示す仮想線である。入射面801と第2の反射面804とのなす角は、150°+θである。第1の反射面803は、点Jにおいて入射面801と交わる。入射面801と第1の反射面803とのなす角は、150°―θである。
点Jから線分LKに下した垂線の足を点Mとする。角JKMは、入射光を垂直に入射する場合の入射面と第1の反射面803のなす角の補角であり、30°である。入射光を垂直に入射する場合の入射面である線分LKの幅をwとする。入射光を垂直に入射しない場合の伝搬光の最大幅wangledは、電気光学結晶800中においてLMとなり、
LM=wangled
と表される。
JM=LMtanθ=wangledtanθ=MKtan30°
より、
MK=(√3)wangledtanθ
である。LK=LM+MKより、
w=wangled(1+(√3)tanθ)
が成り立つ。すなわち、θを大きくしていくと、wangledが小さくなる。
従って、相互作用長/電極面積の比は、伝搬光の最大幅wangledを用いて下記の通り表される。
例えば、相互作用長/電極面積の比が2/wangledとなるのは、下記の式を満たすθにおいてである。
整理すると、下記のようになる。
すなわち、この式を満たすθの値よりもθが小さいとき、特許文献1で示された従来技術よりも、相互作用長/電極面積の比は大きくなる。各m、nにおける(mn−m−n+(1/2))/(2mn−1)/(√3)及び、θ(度)を表2に示す。
例えば、m=3、n=2の場合、θ=4.45度であれば、相互作用長/電極面積の比は、2/wangledとなる。このように、入射光を入射面に入射する場合に、垂直からずらすことにより、反射による戻り光を低減することができる。
また、図14に示した例では、入射面の角度を変化させたが、出射面802の角度を変化させても良い。この場合、出射光は出射面802を通過する際に屈折する。さらに、図15(a)に示すように、入射面801と出射面812の双方の角度を変化させても良い。入射面801と出射面812とを等しい角度だけ変化させた場合、入射面801だけ角度を変化させた場合(図14(a))と比較して、ケラレなく出射可能な光の幅の最大値は減少していないことが分かる。
上述した例では、入射面801と第2の反射面804とのなす角を150度から増大させた(150°+θ)が、図15(b)に示すように、入射面801と第1の反射面803とのなす角を150度から増大させてもよい。
[発明の変形3:電気光学デバイスの接続]
図16および図17に、複数の電気光学結晶を接続した電気光学デバイスを示す。本実施形態の電気光学結晶を光学的に2個縦続接続して、電気光学デバイスを構成した例を示す。図16(a)は、前段の電気光学結晶901と後段の電気光学結晶902とが同一形状の場合であり、それぞれ光軸を一点鎖線で示し、光の軌跡を示す。前段の電気光学結晶901は、図6(b)に示した電気光学結晶500と同様に、A901:B901=3:2の形状を有し、後段の電気光学結晶902は、図12に示した電気光学結晶と同様に、A902:B902=2:3の形状を有している。前段の電気光学デバイス901の出射面と、後段の電気光学デバイス902の入射面を近接して配置している。A901−B901=B902−A902が成立するとき、相互作用長が長くなると共に、入射光と出射光の伝搬が同軸となるため、光の伝搬軸を変更したくない場合に有効である。
図16(b)は、前段の電気光学結晶903と後段の電気光学結晶904とが異なる形状の場合である。それぞれの形状は、A903:B903=3:2、A904:B904=3:4である。この場合もA903−B903=B904−A904が成立するので、相互作用長が長くなると共に、入射光と出射光の伝搬が同軸となる。
図17に示した前段の電気光学結晶905は、図15(a)に示した電気光学結晶800と同じであり、入射面と出射面において光が垂直に入出射しない形状を有している。後段の電気光学結晶906も同様に、入射面と出射面において光が垂直に入出射しない形状を有している。それぞれの形状は、A905:B905=3:2、A906:B906=2:3であり、A905−B905=B906−A906の関係が成立する。入射光と出射光の向きが同軸とならないが、入射光と出射光が平行となるため、光の伝搬方向を変更したくない場合に有効である。
[材料の対称性に関する考察]
次に電気光学結晶の材料の対称性に関する考察を行う。座標系として主軸をとり、電場(0,0,E)を印加した時の、電気光学効果による逆誘電率の変化Δηi(i=1〜6)は、下記のように書ける。
ここで、rjkは、1次電気光学係数(ポッケルス係数)であり、3階のテンソルである。また、sjkは、2次電気光学係数(カー係数)であり、4階のテンソルである。以下、代表的な点群に関して考察を行う。
(1)点群4,4mm,3,3m,6,6mm
点群4,4mm,3,3m,6,6mmの結晶構造をとるポッケルス係数は、それぞれ下記の通りである。
従って、電気光学結晶に電場(0,0,E)を印加した時の、電気光学効果による逆誘電率の変化Δηi(i=1〜6)は、カー係数による寄与は十分小さいとすると、下記のように表される。
ここで、Δη1は、偏光方向(光の電界方向)がx軸に平行(以下、x偏光と記す)な伝搬光が感じる逆誘電率変化である。Δη2は、偏光方向(光の電界方向)がy軸に平行(以下、y偏光と記す)な伝搬光が感じる逆誘電率変化である。Δη3は、偏光方向(光の電界方向)がz軸(印加電界方向)に平行(以下、z偏光と記す)な伝搬光が感じる逆誘電率変化である。
屈折率変化Δniと、逆誘電率変化Δηiとの間には次の関係がある。
ここでn0は、電圧印加前の屈折率である。従って、x偏光の伝搬光が感じる屈折率変化Δn1、y偏光の伝搬光が感じる屈折率変化Δn2、z偏光の伝搬光が感じる屈折率変化Δn3は、次のように書き表せる。
図18に示すように、本実施形態の電気光学結晶に座標系を設定する。入射面を透過した光が伝搬する方向をx軸とする。入射面を透過した光は、偏光成分として、y成分(y偏光)とz成分(z偏光)を持つとする。
電界(0,0,E)が印加された物質内において、区間が、入射面〜a点、b点〜c点、d点〜e点、f点〜出射面のとき、光はx軸方向に伝搬する。x軸方向に伝搬する際の相互作用長の和をLxとすると、y偏光の光とz偏光の光の位相差Γxは、次のように書ける。
また、z偏光の光の、電圧無印加時からの位相変化φxは次のように書ける。
一方、電場(0,0,E)が印加された物質内において、区間がa点〜b点、c点〜d点、e点〜f点のとき、光の伝搬方向は座標軸に平行ではない。しかし、今考えている点群の場合、xy平面内で等方性を有するため、伝搬方向は、位相差や位相に影響しない。そのため、入射点から出射点までの、2つの偏光の位相差Γtotalは、相互作用長をLとしたとき、次のように書ける。
すなわち、相互作用長Lが長くなることによって、位相差Γtotalは増大する。また、z偏光の光の位相変化φtotalは次のように書ける。
すなわち、相互作用長Lが長くなることによって、位相変化は増大する。
(2)点群3N,3Nm,6/m,6/mmm,4/m,4/mmm
ポッケルス係数r13,r23,r33,r43,r53,r63が0である、点群3N,3Nm,6/m,6/mmm,4/m,4/mmmの結晶に、電場(0,0,E)を印加した時の、電気光学効果による逆誘電率の変化Δηi(i=1〜6)は、下記のように表される。
従って、屈折率変化は下記の通りとなる。
図18に示すように、本実施形態の電気光学結晶に座標系を設定する。入射面を透過した光が伝搬する方向をx軸とする。入射面を透過した光は、偏光成分として、y成分(y偏光)とz成分(z偏光)を持つとする。
電界(0,0,E)が印加された物質内において、区間が、入射面〜a点、b点〜c点、d点〜e点、f点〜出射面のとき、光はx軸方向に伝搬する。x軸方向に伝搬する際の相互作用長の和をLxとすると、y偏光の光とz偏光の光の位相差Γxは、次のように書ける。
また、z偏光の光の電圧無印加時からの位相変化φxは次のように書ける。
一方、電場(0,0,E)が印加された物質内において、区間がa点〜b点、c点〜d点、e点〜f点のとき、光の伝搬方向は座標軸に平行ではない。しかし、今考えている点群の場合、xy平面内で等方性を有するため、伝搬方向は、位相差や位相に影響しない。そのため、入射点から出射点までの、2つの偏光の位相差Γtotalは、相互作用長をLとしたとき、次のように書ける。
すなわち、相互作用長Lが長くなることによって、位相差Γtotalは増大する。また、z偏光の光の位相変化φtotalは次のように書ける。
すなわち、相互作用長Lが長くなることによって、位相変化は増大する。
(3)点群432,m3m
ポッケルス係数r13,r23,r33,r43,r53,r63が0であり、かつ立方晶系に属する点群432,m3mの結晶に、電場(0,0,E)を印加した時の、電気光学効果による逆誘電率の変化Δηi(i=1〜6)は、下記のように表される。
従って、屈折率変化は下記の通りとなる。
図18に示すように、本実施形態の電気光学結晶に座標系を設定する。入射面を透過した光が伝搬する方向をx軸とする。入射面を透過した光は、偏光成分として、y成分(y偏光)とz成分(z偏光)を持つとする。
電界(0,0,E)が印加された物質内において、区間が、入射面〜a点、b点〜c点、d点〜e点、f点〜出射面のとき、光はx軸方向に伝搬する。x軸方向に伝搬する際の相互作用長の和をLxとすると、y偏光の光とz偏光の光の位相差Γxは、次のように書ける。
また、z偏光の光の電圧無印加時からの位相変化φxは次のように書ける。
一方、電場(0,0,E)が印加された物質内において、区間がa点〜b点、c点〜d点、e点〜f点のとき、光の伝搬方向は座標軸に平行ではない。しかし、今考えている点群の場合、xy平面内で等方性を有するため、伝搬方向は、位相差や位相に影響しない。そのため、入射点から出射点までの、2つの偏光の位相差Γtotalは、相互作用長をLとしたとき、次のように書ける。
すなわち、相互作用長Lが長くなることによって、位相差Γtotalは増大する。また、z偏光の光の位相変化φtotalは次のように書ける。
すなわち、相互作用長Lが長くなることによって、位相変化は増大する。
以上、主な点群に関し、主軸方向に光を入射した場合について説明したが、ここで挙げた以外の点群や、主軸以外の方向に光を入射した場合においても、電極面の面積が同一であり、入出射面の幅が同一である従来技術の電気光学デバイスと比して、本実施形態の電気光学デバイスを採用したことによって、相互作用長が長くなれば、本実施形態の効果を有すると言える。
[偏向現象]
図18に示すように、本実施形態の電気光学結晶に新たな座標系を設定する。z軸方向に電圧Vが印加された材料内をx軸方向に伝搬する光において、z偏光の光を考える。電気光学結晶内に一様に電子がトラップされている場合、材料内の電界は次のように書ける。
ここで、eは電気素量、Nは電子密度、εは誘電率、Vは印加電圧、dは電気光学結晶の厚さである。電気光学結晶としてKTN結晶(点群m3m)を考えると、屈折率変化は下記のように書ける。
ここで、m3mにおいては、s11=s33であることを用いた。
相互作用長をLとすると、z方向に偏向する光の偏向角θ(z)は次のように書ける。
光を電極間の中心(z=d/2)に入射すると、偏向角は次のように書ける。
すなわち、相互作用長Lが長くなることによって、偏向角は増大する。
[実施例1:位相変調器]
図6に示した電気光学結晶500において、材料としてKTa1-xNbx3(KTN)結晶(A=6/(√3)mm、B=4/(√3)mm、w=1mm、厚さd=1.2mm、x=0.39)を用いる。比誘電率εrが17500となり、結晶構造が立方晶(常誘電相)(点群m3m)となる28.7℃に温度を設定する。2つの電極面の全面にPt電極を蒸着し、電圧を印加しても、電子が材料内に注入されないようにする。
入射面501に波長λ=633nmのz偏光(偏光方向が印加電圧方向に平行)の光を入射させる。電圧Vを印加することにより、出射光は偏向されず、下記の通り位相が変化する。
ここで、ε0は真空の誘電率である。また、点群m3mでは、s11=s33であることを用いた。g11は定数であり、0.136m4/C2という値を持つことが知られており、
が成り立つ。また、n1=2.29であることが知られており、L=25/(√3)mmである。以上により、電圧Vを印加した時の位相変化量が求められる。
なお、実施例1に係る電気光学結晶は、材料として、常誘電相にあるKTa1-xNbx3結晶(x=0.39)を用いたが、その他のx(0<x<1)のKTa1-xNbx3結晶を用いてもよい。また、材料として、K1-yLiyTa1-xNbx3結晶(0<y<1、0<x<1)を用いても良い。
[実施例2:振幅変調器]
図6に示した電気光学結晶500において、材料としてKTa1-xNbx3(KTN)結晶(A=6/(√3)mm、B=4/(√3)mm、w=1mm、厚さd=1.2mm、x=0.39)を用いる。比誘電率εrが17500となり、結晶構造が立方晶(常誘電相)(点群m3m)となる28.7℃に温度を設定する。2つの電極面の全面にPt電極を蒸着し、電圧を印加しても、電子が材料内に注入されないようにする。
入射面501に波長λ=633nmの、z軸と45°をなす方向に偏向する光を入射させる。電圧Vを印加することにより、出射光は偏向されず、下記の通りy偏光とz偏光の位相差(リタデーション)が変化する。
ここで、点群m3mでは、s12=s13であることを用いた。g12は定数であり、−0.038m4/C2という値を持つことが知られており、
が成り立つ。以上により、電圧Vを印加した時の、x偏光とy偏光の位相差(リタデーション)が求められる。
なお、実施例2に係る電気光学結晶では、材料として、常誘電相にあるKTa1-xNbx3結晶(x=0.39)を用いたが、その他のx(0<x<1)のKTa1-xNbx3結晶を用いてもよい。また、材料として、K1-yLiyTa1-xNbx3結晶(0<y<1、0<x<1)を用いても良い。
[実施例3:光偏向器]
図6に示した電気光学結晶500において、材料としてKTa1-xNbx3(KTN)結晶(A=6/(√3)mm、B=4/(√3)mm、w=1mm、厚さd=1.2mm、x=0.39)を用いた。比誘電率εrが17500となり、結晶構造が立方晶(常誘電相)(点群m3m)となる28.7℃に温度を設定した。2つの電極面の全面にTi電極を蒸着し、電圧を印加することにより、電子が材料内に注入されるようにした。
入射面501に波長λ=1.3μmのz偏光(偏光方向が印加電圧方向に平行)の光を入射させ、例えば直流電圧(+400V(10秒)、−400V(10秒))を印加し、電子をKTa1-xNbx3結晶内に注入した後、周波数200kHz、720V(peak-to-peak)の正弦波電圧を印加することにより、出射光はz軸方向に偏向する。
なお、実施例3に係る電気光学結晶では、材料として、常誘電相にあるKTa1-xNbx3結晶(x=0.39)を用いたが、その他のx(0<x<1)のKTa1-xNbx3結晶を用いてもよい。また、材料として、K1-yLiyTa1-xNbx3結晶(0<y<1、0<x<1)を用いても良い。
1、100、500、800 電気光学結晶
2、3 電極面
4、201 電源
5 入射光
6 入射面における光ビーム断面
101、501、801 入射面
102、502、802,812 出射面
103、503、803 第1の反射面
104、504、804 第2の反射面
105、505、805 第3の反射面
106、506、806 第4の反射面
111、112 電極面
331 電極形成部
332、333 電極未形成部
521 第1の側面
522 第2の側面

Claims (6)

  1. 電気光学効果を有する電気光学結晶と、
    該電気光学結晶の対向する2つの電極面に形成された電極対とを備え、
    前記電気光学結晶は、前記電極面と垂直に入射面、出射面、第1の反射面、第2の反射面、第3の反射面、および第4の反射面を有し、
    前記第1の反射面および前記第3の反射面は60度の角をなし、前記第4の反射面は前記第1の反射面に平行であり、前記第2の反射面は前記第3の反射面に平行であり、
    前記入射面は、前記第1の反射面と前記第2の反射面の間に配置されており、前記出射面は、前記第3の反射面と前記第4の反射面の間に配置されており、
    前記入射面を透過した光は、入射角30°で前記第3の反射面に入射し、前記入射面を透過した直後に光が進む方向と、前記出射面を透過する直前の光が進む方向とのなす角が0°であり、
    前記電極面から見て、前記第1の反射面を含む平面と前記第2の反射面を含む平面とが交差する第1の点と、前記第2の反射面と前記第4の反射面とが交差する第2の点の間の距離をA、前記第1の点と、前記第1の反射面と前記第3の反射面とが交差する第3の点の間の距離をBとしたとき、
    A:B=m:n(m、nは2以上の整数)であり、かつ、mとnは互いに素
    であることを特徴とする電気光学デバイス。
  2. 前記入射面は、前記第1の反射面と150度の角をなし、かつ前記第2の反射面と150度の角をなし、
    前記電極面から見て、前記入射面および前記出射面の幅が等しくwのとき、
    A:B:w=m:n:(√3)/2
    であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学デバイス。
  3. 前記電極面において、前記第2の点を頂点とする一辺の長さがA/(2m)以下の正三角形の部分に電極が形成されていないこと、および/または
    前記電極面において、前記第3の点を頂点とする一辺の長さがA/(2m)以下の正三角形の部分に電極が形成されていないことを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学デバイス。
  4. 電気光学効果を有する電気光学結晶と、
    該電気光学結晶の対向する2つの電極面に形成された電極対とを備え、
    前記電気光学結晶は、前記電極面と垂直に入射面、出射面、第1の反射面、第2の反射面、第3の反射面、第4の反射面、第1の側面および第2の側面を有し、
    前記第1の反射面および前記第3の反射面は60度の角をなし、前記第4の反射面は前記第1の反射面に平行であり、前記第2の反射面は前記第3の反射面に平行であり、
    前記入射面は、前記第1の反射面と前記第2の反射面の間に配置されており、前記出射面は、前記第3の反射面と前記第4の反射面の間に配置されており、
    前記入射面を透過した光は、入射角30°で前記第3の反射面に入射し、前記入射面を透過した直後に光が進む方向と、前記出射面を透過する直前の光が進む方向とのなす角が0°であり、
    前記電極面から見て、前記第1の反射面を含む平面と前記第2の反射面を含む平面とが交差する第1の点と、前記第2の反射面を含む平面と前記第4の反射面を含む平面とが交差する第2の点の間の距離をA、前記第1の点と、前記第1の反射面を含む平面と前記第3の反射面を含む平面とが交差する第3の点の間の距離をBとしたとき、
    A:B=m:n(m、nは2以上の整数)であり、かつ、mとnは互いに素であり、
    前記第1の反射面と前記第3の反射面との間に、長さが0以上A/(2m)以下の前記第1の側面が配置され、前記第2の反射面と前記第4の反射面との間に、長さが0以上A/(2m)以下の前記第2の側面が配置されていることを特徴とする電気光学デバイス。
  5. 前記電気光学結晶が、常誘電相にあるKTa1-xNbx3結晶(0<x<1)、またはK1-yLiyTa1-xNbx3結晶(0<y<1、0<x<1)であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電気光学デバイス。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の電気光学デバイスを複数備え、
    一の電気光学デバイスの出射面と他の電気光学デバイスの入射面とを光学的に結合して、縦続接続されていることを特徴とする電気光学デバイス。
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