JP2017190935A - 庫内空気調節装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度に維持しながら酸素濃度を低下させることができる庫内空気調節装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置を提供する。
【解決手段】窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給するガス供給動作を行うガス供給装置(30)と、庫内空気の組成が所望の組成になるようにガス供給動作を制御する制御部(55)とを備えたCA装置(60)において、制御部(55)を、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、ガス供給動作を行って庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より低い限界濃度まで低下すると、ガス供給動作を停止し、植物の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より高い再開濃度に到達すると、ガス供給動作を再開する二酸化炭素優先制御を実行するように構成する。
【選択図】図4
【解決手段】窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給するガス供給動作を行うガス供給装置(30)と、庫内空気の組成が所望の組成になるようにガス供給動作を制御する制御部(55)とを備えたCA装置(60)において、制御部(55)を、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、ガス供給動作を行って庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より低い限界濃度まで低下すると、ガス供給動作を停止し、植物の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より高い再開濃度に到達すると、ガス供給動作を再開する二酸化炭素優先制御を実行するように構成する。
【選択図】図4
Description
本発明は、植物が収容される収納庫の庫内空気の組成を調節する庫内空気調節装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置に関するものである。
従来、海上輸送等に用いられるコンテナの庫内空気を冷却するために、冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えたコンテナ用冷凍装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。コンテナの庫内には、例えば、バナナやアボガド等の植物が積み込まれるが、植物は、収穫後であっても空気中の酸素を取り込んで二酸化炭素を放出する呼吸を行う。植物が呼吸を行うと、植物に蓄えられた養分と水分とが減少し、鮮度が低下する。そのため、収容庫の庫内の酸素濃度は、呼吸障害が起きない程度に低い方が好ましい。
そこで、特許文献1のコンテナ用冷凍装置には、加圧すると空気中の窒素成分が吸着する吸着剤を用いて、空気よりも窒素濃度が高く酸素濃度が低い窒素濃縮空気を生成し、該窒素濃縮空気をコンテナの庫内に供給することにより、庫内空気の酸素濃度を低下させて植物の呼吸量を低減するガス供給装置が設けられている。特許文献1では、このようにガス供給装置によって窒素濃縮空気をコンテナの庫内に供給することにより、庫内空気の酸素濃度を低下させて植物の呼吸量を低減して植物の鮮度を維持しやすくしている。
ところで、庫内に積み込まれる植物によっては、鮮度を維持するために、庫内空気の酸素濃度を低く維持する一方、二酸化炭素濃度を比較的高い状態に維持する必要があるものがある。また、この種の植物の中には、ブルーベリーやアスパラガス等、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が鮮度を維持する上で重要となるものがある。
そこで、従来、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が鮮度維持に重要となる植物をコンテナに積み込む際には、まず、コンテナ庫内に二酸化炭素を充填して庫内空気の二酸化炭素濃度を所望の濃度まで上昇させた後に、コンテナの庫内に窒素濃縮空気を供給することによって、庫内空気の酸素濃度を低下させることで庫内空気の組成を所望の状態に調節していた。
ところで、通常、ガス充填時には、充填した分量だけ庫内空気が庫内から排出されるため、上述のように、二酸化炭素の充填後に窒素濃縮空気を庫内に供給すると、窒素濃縮空気の充填時に先に充填した二酸化炭素が庫内から排出されてしまう。そのため、窒素濃縮空気の充填時に庫内空気の二酸化炭素濃度が低下することとなり、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が重要な植物が積み込まれた場合に、その鮮度を維持することができなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度に維持しながら酸素濃度を低下させることができる庫内空気調節装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置を提供することにある。
第1の発明は、呼吸を行う植物(15)が収納される収納庫(11)に設けられ、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気を上記収納庫(11)の庫内に供給するガス供給動作を行うガス供給装置(30)と、上記収納庫(11)の庫内空気の組成が所望の組成になるように上記ガス供給動作を制御する制御部(55)とを備えた庫内空気調節装置であって、上記制御部(55)は、上記庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、上記ガス供給動作を行って上記庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より低い限界濃度まで低下すると、上記ガス供給動作を停止し、上記ガス供給動作の停止中に、上記植物(15)の呼吸によって上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記目標二酸化炭素濃度より高い再開濃度に到達すると、上記ガス供給動作を再開する二酸化炭素優先制御を実行するように構成されている。
第1の発明では、制御部(55)によって、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気を収納庫(11)の庫内に供給するガス供給装置(30)のガス供給動作を制御することにより、収納庫(11)の庫内空気の組成が所望の組成に調節される。
ここで、第1の発明では、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度の調節よりも二酸化炭素濃度の調節を優先させる二酸化炭素優先制御を実行するように構成されている。二酸化炭素優先制御では、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い上限濃度以上であり、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場合であっても、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度よりも低い限界濃度まで低下している場合には、庫内空気の酸素濃度を低下させるためのガス供給動作を停止することとしている。そして、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度を上昇させ、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より高い再開濃度に到達すると、ガス供給動作を再開する。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度付近に維持されつつ庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度に向かって低下していくこととなる。つまり、二酸化炭素優先制御では、庫内空気の酸素濃度を早く目標酸素濃度に到達させることよりも、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素付近に維持することが優先される。
第2の発明は、第1の発明において、上記制御部(55)は、上記二酸化炭素優先制御の開始後、上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記目標二酸化炭素濃度よりも高い所定の開始濃度に到達するまでは上記ガス供給動作を開始せず、上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達してから上記ガス供給動作を開始するように構成されている。
ところで、ガス供給動作が開始されると庫内空気の酸素濃度と共に二酸化炭素濃度も低下するため、庫内空気の二酸化炭素濃度が低いままガス供給動作を開始すると、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度まで上昇させるどころか逆に低下させてしまい、目標二酸化炭素濃度に到達させるまでに時間を要してしまう。
そこで、第2の発明では、二酸化炭素優先制御の開始後、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度よりも高い所定の開始濃度に到達するまでは、ガス供給動作を開始せず、庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達してからガス供給動作を開始することとしている。このように庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達してからガス供給動作を開始することによって、二酸化炭素優先制御の開始後、庫内空気の二酸化炭素濃度が速やかに目標二酸化炭素濃度に近づく。そして、その後のガス供給動作の停止と再開の繰り返しにより、庫内空気の二酸化炭素濃度は、目標二酸化炭素濃度付近で維持されることとなる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記制御部(55)は、上記庫内空気の酸素濃度が上記上限濃度以上であるときに、上記庫内空気の二酸化炭素濃度に拘わらずに上記ガス供給動作を行って上記庫内空気の酸素濃度を低下させる酸素優先制御と、上記二酸化炭素優先制御とを選択的に実行するように構成されている。
第3の発明では、制御部(55)が、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、庫内空気の二酸化炭素濃度に拘わらずにガス供給動作を行って庫内空気の酸素濃度を低下させる酸素優先制御と、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作を制御して庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持しながら庫内空気の酸素濃度を低下させる二酸化炭素優先制御とを選択して実行できるように構成されている。
第4の発明は、第3の発明において、上記制御部(55)は、上記庫内空気の酸素濃度が上記上限濃度以上であるときに、上記酸素優先制御及び上記二酸化炭素優先制御のいずれを実行するかを決定する所定の優先判定を行うように構成されている。
第4の発明では、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い上限濃度以上であり、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場合に、制御部(55)が所定の優先判定を行い、庫内空気の酸素濃度の低下を優先させる酸素優先制御を実行するのか、庫内空気の酸素濃度の低下よりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させる二酸化炭素優先制御を実行するのかを決定する。そして、優先判定によって決定された制御を実行することにより、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度のそれぞれが目標濃度となる。
第5の発明は、第4の発明において、上記制御部(55)は、上記目標二酸化炭素濃度が所定値より高い場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている。
第5の発明では、制御部(55)は、目標二酸化炭素濃度が所定値より高い場合、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。
第6の発明は、第4の発明において、上記制御部(55)は、上記庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和が21%以上の所定の増加濃度より高い場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている。
ところで、ガス供給動作を行っても、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度が共に低下するだけであるため、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和が、大気中の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和である21%より高くなることはない。
そこで、第6の発明では、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和が21%以上の所定の増加濃度より高い場合、収納庫(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。
第7の発明は、第4の発明において、上記制御部(55)は、上記ガス供給動作中に、所定時間の間に上記庫内空気の二酸化炭素濃度が所定値以上増加した場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている。
ところで、ガス供給動作を行っても、庫内空気の二酸化炭素濃度は低下するだけであるため、庫内空気調節装置の運転中に、所定時間の間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加することはない。
そこで、第7の発明では、制御部(55)は、所定時間の間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加した場合、収納庫(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。
第8の発明は、第4の発明において、上記制御部(55)は、上記庫内空気調節装置の電源がON状態からOFF状態へ切り換えられた後、一日経過しない間に再びON状態に切り換えられた場合であって、上記庫内空気の二酸化炭素濃度が、上記庫内空気調節装置の電源がOFF状態に切り換えられる直前に比べて所定値以上上昇した場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている。
ところで、庫内空気調節装置の電源がOFF状態である場合、庫内空気の組成は、植物(15)の呼吸によってしか変化しないため、庫内空気調節装置の電源がOFF状態になってから一日経過するまでの間にON状態になった場合、その間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加することはない。
そこで、第8の発明では、制御部(55)は、庫内空気調節装置の電源がON状態からOFF状態へ切り換えられた後、一日経過しない間に再びON状態に切り換えられ、庫内空気の二酸化炭素濃度が、電源がOFF状態に切り換えられる直前に比べて所定値以上上昇した場合に、庫内空気調節装置の電源がOFF状態の際に収納庫(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。
第9の発明は、第4の発明において、上記制御部(55)は、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定したときに、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし、上記優先判定において上記酸素優先制御の実行を決定したとき及び所定の初期化条件を満たすときに上記二酸化炭素優先フラグを非アクティブ状態にするように構成され、上記庫内空気調節装置の電源がOFF状態からON状態に切り換えられた場合であって、上記二酸化炭素優先フラグが上記アクティブ状態である場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている。
ところで、優先判定を行い、例えば、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、実行していたにも拘わらず、意図せずに庫内空気調節装置の電源がOFF状態になることがある。
そこで、第9の発明では、上述のような場合に備え、制御部(55)は、優先判定において二酸化炭素優先制御の実行を決定したときに、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にすることとし、庫内空気調節装置の電源がOFF状態からON状態に切り換えられた場合に、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態である場合、優先判定において二酸化炭素優先制御を維持すべきであると推定し、そのまま二酸化炭素優先制御を維持することとしている。
第10の発明は、第1乃至第9のいずれか1つの発明に係る庫内空気調節装置(60)と、冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)とを備え、上記収納庫(11)であるコンテナの庫内空気を冷却すると共に該庫内空気の組成を調節するコンテナ用冷凍装置である。
第1の発明によれば、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高いときに、ガス供給動作を行って庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より低い限界濃度まで低下すると、ガス供給動作を停止し、ガス供給動作の停止中に、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より高い再開濃度に到達すると、ガス供給動作を再開する二酸化炭素優先制御を実行可能に構成した。この二酸化炭素優先制御によれば、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作の実行と停止とを制御することにより、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場面において、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持しながら庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度に向かって低下させることができる。よって、従来のように、二酸化炭素の充填後にガス供給動作を連続運転するために、庫内空気の酸素濃度の低下と共に二酸化炭素濃度が著しく低下するようなことがなく、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が重要な植物が庫内に積み込まれた場合であっても、その鮮度を維持することができる。
また、第2の発明によれば、二酸化炭素優先制御の開始後、庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度に到達するまではガス供給動作が開始されないようにしている。このように庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達してからガス供給動作を開始することによって、二酸化炭素優先制御の開始後、庫内空気の二酸化炭素濃度を速やかに目標二酸化炭素濃度に近づけることができる。よって、上記制御によれば、二酸化炭素優先制御の開始直後からガス供給動作を始める場合に比べて、早い段階で庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することができる。従って、庫内空気の組成を、二酸化炭素濃度を高く維持することが重要な植物の鮮度維持に好ましい組成に早く調節することができる。
また、第3の発明によれば、制御部(55)が、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、庫内空気の二酸化炭素濃度に拘わらずにガス供給動作を行って庫内空気の酸素濃度を低下させる酸素優先制御と、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作を制御して庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持しながら庫内空気の酸素濃度を低下させる二酸化炭素優先制御とを選択して実行できるように構成されている。これにより、例えば、庫内空気の酸素濃度を低く維持することが二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度に調節することよりも重要な植物が庫内に積み込まれた場合には、酸素優先制御を実行し、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が重要な植物が庫内に積み込まれた場合には、二酸化炭素優先制御を実行することが可能となる。従って、幅広い植物の鮮度維持が可能となる。
また、第4の発明によれば、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い上限濃度以上であり、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場合に、制御部(55)が所定の優先判定を行い、酸素優先制御を実行するのか二酸化炭素優先制御を実行するのかを決定し、決定した制御を実行するようにした。これにより、作業者が酸素優先制御と二酸化炭素優先制御とでいずれの制御を実行するのかを選択する必要がなく、制御部(55)の優先判定によって実行すべき制御を自動的に決定し、自動的に実行することができる。従って、作業者の誤操作によって適切でない制御が実行されることがない。従って、植物(15)の鮮度維持の確実性を上げることができる。
また、第5の発明によれば、制御部(55)は、目標二酸化炭素濃度が所定値より高い場合、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度を測定することなく、目標二酸化炭素濃度のみによって容易に優先判定を行うことができる。
また、第6の発明によれば、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和が21%以上の所定の増加濃度より高い場合、収納庫(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを測定して演算するだけで容易に優先判定を行うことができる。
また、第7の発明によれば、制御部(55)は、所定時間の間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加した場合、収納庫(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度を測定して上昇量を演算するだけで容易に優先判定を行うことができる。
また、第8の発明によれば、制御部(55)は、庫内空気調節装置の電源がON状態からOFF状態へ切り換えられた後、一日経過しない間に再びON状態に切り換えられ、庫内空気の二酸化炭素濃度が、電源がOFF状態に切り換えられる直前に比べて所定値以上上昇した場合に、庫内空気調節装置の電源がOFF状態の際に収納庫(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度を測定して上昇量を演算するだけで容易に優先判定を行うことができる。
また、第9の発明によれば、制御部(55)は、優先判定において二酸化炭素優先制御の実行を決定したときに、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にすることとし、庫内空気調節装置の電源がOFF状態からON状態に切り換えられた場合に、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態である場合、優先判定において二酸化炭素優先制御を維持すべきであると推定し、そのまま二酸化炭素優先制御を維持することとしている。そのため、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、実行していたにも拘わらず、意図せずに庫内空気調節装置の電源がOFF状態になってしまった場合であっても、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態であるため、優先判定において様々な判定を行うことなく、容易に二酸化炭素優先制御を維持することができる。
また、第10の発明によれば、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度に維持しながら庫内空気の酸素濃度を低下させることができる庫内空気調節装置(60)を備えたコンテナ用冷凍装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
《本発明の実施形態》
図1及び図2に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、海上輸送等に用いられるコンテナ(収納庫)(11)に設けられ、該コンテナ(11)の庫内空気を冷却するものである。コンテナ(11)の庫内には、植物(15)が箱詰めされた状態で収納されている。植物(15)は、空気中の酸素(O2)を取り込んで二酸化炭素(CO2)を放出する呼吸を行うものであり、例えば、バナナやアボカド等の青果物、野菜、穀物、球根、生花等である。
図1及び図2に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、海上輸送等に用いられるコンテナ(収納庫)(11)に設けられ、該コンテナ(11)の庫内空気を冷却するものである。コンテナ(11)の庫内には、植物(15)が箱詰めされた状態で収納されている。植物(15)は、空気中の酸素(O2)を取り込んで二酸化炭素(CO2)を放出する呼吸を行うものであり、例えば、バナナやアボカド等の青果物、野菜、穀物、球根、生花等である。
コンテナ(11)は、一方の端面が開口する細長い箱状に形成されている。コンテナ用冷凍装置(10)は、ケーシング(12)と、冷媒回路(20)と、CA装置(庫内空気調節装置/Controlled Atmosphere System)(60)とを備え、コンテナ(11)の開口端を塞ぐように取り付けられている。
〈ケーシング〉
図2に示すように、ケーシング(12)は、コンテナ(11)の庫外側に位置する庫外壁(12a)と、コンテナ(11)の庫内側に位置する庫内壁(12b)とを備えている。庫外壁(12a)及び庫内壁(12b)は、例えば、アルミニウム合金によって構成されている。
図2に示すように、ケーシング(12)は、コンテナ(11)の庫外側に位置する庫外壁(12a)と、コンテナ(11)の庫内側に位置する庫内壁(12b)とを備えている。庫外壁(12a)及び庫内壁(12b)は、例えば、アルミニウム合金によって構成されている。
庫外壁(12a)は、コンテナ(11)の開口端を塞ぐようにコンテナ(11)の開口の周縁部に取り付けられている。庫外壁(12a)は、下部がコンテナ(11)の庫内側へ膨出するように形成されている。
庫内壁(12b)は、庫外壁(12a)と対向して配置されている。庫内壁(12b)は、庫外壁(12a)の下部に対応して庫内側へ膨出している。庫内壁(12b)と庫外壁(12a)との間の空間には、断熱材(12c)が設けられている。
このように、ケーシング(12)の下部は、コンテナ(11)の庫内側に向かって膨出するように形成されている。これにより、ケーシング(12)の下部におけるコンテナ(11)の庫外側には庫外収納空間(S1)が形成され、ケーシング(12)の上部におけるコンテナ(11)の庫内側には庫内収納空間(S2)が形成されている。
図1に示すように、ケーシング(12)には、メンテナンス用の2つのサービス用開口(14)が幅方向に並んで形成されている。2つのサービス用開口(14)は、それぞれ開閉自在な第1及び第2サービス扉(16A,16B)によって閉塞されている。第1及び第2サービス扉(16A,16B)は、いずれもケーシング(12)と同様に、庫外壁と庫内壁と断熱材とによって構成されている。
図2に示すように、コンテナ(11)の庫内には、仕切板(18)が配置されている。この仕切板(18)は、略矩形状の板部材に構成され、ケーシング(12)のコンテナ(11)の庫内側の面と対向する姿勢で立設されている。この仕切板(18)によって、コンテナ(11)の庫内と庫内収納空間(S2)とが区画されている。
仕切板(18)の上端とコンテナ(11)内の天井面との間には吸込口(18a)が形成されている。コンテナ(11)の庫内空気は、吸込口(18a)を通って庫内収納空間(S2)に取り込まれる。
また、庫内収納空間(S2)には、水平方向に延びる区画壁(13)が設けられている。区画壁(13)は、仕切板(18)の上端部に取り付けられ、後述する庫内ファン(26)が設置される開口が形成されている。区画壁(13)は、庫内収納空間(S2)を、庫内ファン(26)の吸込側の1次空間(S21)と、庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)とに区画する。なお、本実施形態では、庫内収納空間(S2)は、区画壁(13)によって上下に区画され、吸込側の1次空間(S21)が上側、吹出側の2次空間(S22)が下側に形成されている。
コンテナ(11)内には、コンテナ(11)の底面との間に隙間を存して床板(19)が設けられている。床板(19)上には、箱詰めされた植物(15)が載置されている。コンテナ(11)内の底面と床板(19)との間には、床下流路(19a)が形成されている。仕切板(18)の下端とコンテナ(11)内の底面との間には隙間が設けられ、床下流路(19a)に連通している。
床板(19)におけるコンテナ(11)の奥側(図2で右側)には、コンテナ用冷凍装置(10)によって冷却された空気をコンテナ(11)の庫内へ吹き出す吹出口(18b)が形成されている。
〈冷媒回路等の構成と配置〉
図3に示すように、冷媒回路(20)は、圧縮機(21)と、凝縮器(22)と、膨張弁(23)と、蒸発器(24)とを、冷媒配管(20a)によって順に接続することによって構成された閉回路である。
図3に示すように、冷媒回路(20)は、圧縮機(21)と、凝縮器(22)と、膨張弁(23)と、蒸発器(24)とを、冷媒配管(20a)によって順に接続することによって構成された閉回路である。
凝縮器(22)の近傍には、庫外ファンモータ(25a)によって回転駆動され、コンテナ(11)の庫外空間の空気(外気)を庫外収納空間(S1)内へ誘引して凝縮器(22)へ送る庫外ファン(25)が設けられている。凝縮器(22)では、圧縮機(21)で加圧されて凝縮器(22)の内部を流れる冷媒と庫外ファン(25)によって凝縮器(22)に送られた外気との間で熱交換が行われる。本実施形態では、庫外ファン(25)は、プロペラファンによって構成されている。
蒸発器(24)の近傍には、庫内ファンモータ(26a)によって回転駆動され、コンテナ(11)の庫内空気を吸込口(18a)から誘引して蒸発器(24)へ吹き出す庫内ファン(26)が2つ設けられている。蒸発器(24)では、膨張弁(23)によって減圧されて蒸発器(24)の内部を流れる冷媒と庫内ファン(26)によって蒸発器(24)に送られた庫内空気との間で熱交換が行われる。
図2に示すように、庫内ファン(26)は、プロペラファン(回転翼)(27a)と、複数の静翼(27b)と、ファンハウジング(27c)とを有している。プロペラファン(27a)は、庫内ファンモータ(26a)に連結され、庫内ファンモータ(26a)によって回転軸周りに回転駆動されて軸方向に送風する。複数の静翼(27b)は、プロペラファン(27a)の吹出側に設けられて該プロペラファン(27a)から吹き出されて旋回する空気流れを整流する。ファンハウジング(27c)は、複数の静翼(27b)が内周面に取り付けられた円筒部材によって構成され、プロペラファン(27a)の外周まで延び、プロペラファン(27a)の外周を取り囲んでいる。
図1に示すように、圧縮機(21)及び凝縮器(22)は、庫外収納空間(S1)に収納されている。凝縮器(22)は、庫外収納空間(S1)の上下方向の中央部分において、該庫外収納空間(S1)を下側の第1空間(S11)と上側の第2空間(S12)とに区画するように設けられている。第1空間(S11)には、上記圧縮機(21)と、該圧縮機(21)を可変速で駆動するための駆動回路が収納されたインバータボックス(29)と、CA装置(60)のガス供給装置(30)とが設けられている。一方、第2空間(S12)には、庫外ファン(25)と、電装品ボックス(17)とが設けられている。第1空間(S11)は、コンテナ(11)の庫外空間に対して開放される一方、第2空間(S12)は、庫外ファン(25)の吹出口のみが庫外空間に開口するように庫外空間との間が板状部材によって閉塞されている。
一方、図2に示すように、蒸発器(24)は、庫内収納空間(S2)の2次空間(S22)に収納されている。庫内収納空間(S2)における蒸発器(24)の上方位置には、ケーシング(12)の幅方向に並んで2つの庫内ファン(26)が設けられている(図1参照)。
〈CA装置〉
図4〜図6に示すように、CA装置(60)は、ガス供給装置(30)と、排気部(46)と、センサユニット(50)と、制御部(55)とを備え、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを調節するものである。なお、以下の説明で用いる「濃度」は、全て「体積濃度」を指す。
図4〜図6に示すように、CA装置(60)は、ガス供給装置(30)と、排気部(46)と、センサユニット(50)と、制御部(55)とを備え、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを調節するものである。なお、以下の説明で用いる「濃度」は、全て「体積濃度」を指す。
[ガス供給装置]
−ガス供給装置の構成−
ガス供給装置(30)は、コンテナ(11)の庫内に供給するための低酸素濃度の窒素濃縮空気を生成する装置である。本実施形態では、ガス供給装置(30)は、VPSA(Vacuum Pressure Swing Adsorption)によって構成されている。また、ガス供給装置(30)は、図1に示すように、庫外収納空間(S1)の左下のコーナー部に配置されている。
−ガス供給装置の構成−
ガス供給装置(30)は、コンテナ(11)の庫内に供給するための低酸素濃度の窒素濃縮空気を生成する装置である。本実施形態では、ガス供給装置(30)は、VPSA(Vacuum Pressure Swing Adsorption)によって構成されている。また、ガス供給装置(30)は、図1に示すように、庫外収納空間(S1)の左下のコーナー部に配置されている。
図4に示すように、ガス供給装置(30)は、エアポンプ(31)と、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)と、空気中の窒素成分を吸着するための吸着剤が設けられた第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)とが接続された空気回路(3)と、該空気回路(3)の構成部品が収納されたユニットケース(70)とを有している。
(エアポンプ)
エアポンプ(31)は、ユニットケース(70)内に設けられ、それぞれ空気を吸引して加圧して吐出する第1ポンプ機構(加圧部)(31a)及び第2ポンプ機構(減圧部)(31b)を有している。第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)は、モータ(31c)の駆動軸に接続され、モータ(31c)によって回転駆動されることにより、それぞれ空気を吸引して加圧して吐出する。
エアポンプ(31)は、ユニットケース(70)内に設けられ、それぞれ空気を吸引して加圧して吐出する第1ポンプ機構(加圧部)(31a)及び第2ポンプ機構(減圧部)(31b)を有している。第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)は、モータ(31c)の駆動軸に接続され、モータ(31c)によって回転駆動されることにより、それぞれ空気を吸引して加圧して吐出する。
第1ポンプ機構(31a)の吸込口は、ユニットケース(70)を内外に貫通するように設けられた外気通路(41)の一端が接続されている。外気通路(41)の他端には、通気性と防水性を有するメンブレンフィルタ(77)が設けられている。外気通路(41)は、可撓性を有するチューブによって構成されている。図示を省略するが、メンブレンフィルタ(77)が設けられた外気通路(41)の他端は、庫外収納空間(S1)の凝縮器(22)の上方の第2空間(S12)に設けられている。このような構成により、第1ポンプ機構(31a)は、外気通路(41)の他端に設けられたメンブレンフィルタ(77)を介してユニットケース(70)の外から中へ流入する際に水分が除去された外気を吸い込んで加圧する。
一方、第1ポンプ機構(31a)の吐出口には加圧通路(42)の一端が接続されている。該加圧通路(42)の他端は、下流側において2つに分岐して第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)のそれぞれに接続されている。加圧通路(42)は、大部分が樹脂製のチューブによって構成され、一部分がユニットケース(70)の外部に設けられた冷却部(42a)に構成されている。冷却部(42a)は、本実施形態では、樹脂製のチューブの中途部に接続されて庫外収納空間(S1)に設けられた銅管によって構成されている。このような構成により、第1ポンプ機構(31a)によって加圧されて加圧通路(42)を流れる加圧空気は、銅管によって構成された冷却部(42a)を通過する際に、該冷却部(42a)が設けられた庫外収納空間(S1)において外気に放熱して冷却される。
第2ポンプ機構(31b)の吸込口には、減圧通路(43)の一端が接続されている。該減圧通路(43)の他端は、上流側において2つに分かれ、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)のそれぞれに接続されている。一方、第2ポンプ機構(31b)の吐出口には、供給通路(44)の一端が接続されている。供給通路(44)の他端は、コンテナ(11)の庫内収納空間(S2)における庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)において開口している。供給通路(44)の他端部には、一端から他端へ向かう向きの空気の流通のみを許容し、空気の逆流を防止する逆止弁(91)が設けられている。
なお、本実施形態では、加圧通路(42)と減圧通路(43)とは、バイパス通路(71)によって接続されている。バイパス通路(71)には、制御部(55)によって開閉制御されるバイパス開閉弁(72)が設けられている。
エアポンプ(31)の第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)は、潤滑用のオイルを使用しないオイルレスのポンプで構成されている。また、エアポンプ(31)の側方には、エアポンプ(31)に向かって送風することでエアポンプ(31)を冷却するための送風ファン(48)が2つ設けられている。
(方向制御弁)
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)は、空気回路(3)におけるエアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との間に設けられ、エアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との接続状態を後述する3つの接続状態(第1〜第3の接続状態)に切り換えるものである。この切り換え動作は、制御部(55)によって制御される。
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)は、空気回路(3)におけるエアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との間に設けられ、エアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との接続状態を後述する3つの接続状態(第1〜第3の接続状態)に切り換えるものである。この切り換え動作は、制御部(55)によって制御される。
具体的に、第1方向制御弁(32)は、第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続された加圧通路(42)と、第2ポンプ機構(31b)の吸込口に接続された減圧通路(43)と、第1吸着筒(34)の一端部(加圧時の流入口)とに接続される。この第1方向制御弁(32)は、第1吸着筒(34)を第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通させて第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断する第1状態(図4に示す状態)と、第1吸着筒(34)を第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通させて第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断する第2状態(図5に示す状態)とに切り換わる。
第2方向制御弁(33)は、第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続された加圧通路(42)と、第2ポンプ機構(31b)の吸込口に接続された減圧通路(43)と、第2吸着筒(35)の一端部とに接続される。この第2方向制御弁(33)は、第2吸着筒(35)を第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通させて第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断する第1状態(図4に示す状態)と、第2吸着筒(35)を第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通させて第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断する第2状態(図5に示す状態)とに切り換わる。
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を共に第1状態に設定すると、空気回路(3)が、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第1吸着筒(34)とが接続され且つ第2ポンプ機構(31b)の吸込口と第2吸着筒(35)とが接続される第1の接続状態に切り換わる(図4を参照)。この状態では、第1吸着筒(34)で外気中の窒素成分を吸着剤に吸着させる吸着動作が行われ、第2吸着筒(35)で吸着剤に吸着された窒素成分を脱着させる脱着動作が行われる。
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を共に第2状態に設定すると、空気回路(3)が、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第2吸着筒(35)とが接続され且つ第2ポンプ機構(31b)の吸込口と第1吸着筒(34)とが接続される第2の接続状態に切り換わる(図5を参照)。この状態では、第2吸着筒(35)で吸着動作が行われ、第1吸着筒(34)で脱着動作が行われる。
第1方向制御弁(32)を第1状態に設定し、第2方向制御弁(33)を第2状態に設定すると、空気回路(3)が、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第1吸着筒(34)とが接続され且つ第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第2吸着筒(35)とが接続される第3の接続状態に切り換わる(図6を参照)。この状態では、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続され、第1ポンプ機構(31a)によって第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方に加圧された外気が供給される。この状態では、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方で吸着動作が行われる。
(吸着筒)
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)は、内部に吸着剤が充填された円筒部材によって構成されている。第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填された吸着剤は、加圧下で窒素成分を吸着して、減圧下で吸着した窒素成分を脱着させる性質を有している。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)は、内部に吸着剤が充填された円筒部材によって構成されている。第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填された吸着剤は、加圧下で窒素成分を吸着して、減圧下で吸着した窒素成分を脱着させる性質を有している。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填された吸着剤は、例えば、窒素分子の分子径(3.0オングストローム)よりも小さく且つ酸素分子の分子径(2.8オングストローム)よりも大きな孔径の細孔を有する多孔体のゼオライトで構成されている。このような孔径のゼオライトで吸着剤を構成すれば、空気中の窒素成分を吸着することができる。
また、ゼオライトの細孔内には、陽イオンが存在しているために電場が存在し極性を生じているので、水分子などの極性分子を吸着する性質を有している。そのため、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填されたゼオライトからなる吸着剤には、空気中の窒素だけでなく、空気中の水分(水蒸気)も吸着される。そして、吸着剤に吸着された水分は、脱着動作によって窒素成分と共に吸着剤から脱着される。そのため、水分を含んだ窒素濃縮空気がコンテナ(11)の庫内に供給されることとなり、庫内の湿度を上げることができる。さらに、吸着剤が再生されるので、吸着剤の長寿命化を図ることができる。
このような構成により、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)では、エアポンプ(31)から加圧された外気が供給されて内部が加圧されると、吸着剤に該外気中の窒素成分が吸着する。その結果、外気よりも窒素成分が少なくなることで外気よりも窒素濃度が低く且つ酸素濃度が高い酸素濃縮空気が生成される。一方、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)では、エアポンプ(31)によって内部の空気が吸引されて減圧されると、吸着剤に吸着されていた窒素成分が脱着する。その結果、外気よりも窒素成分を多く含むことで外気よりも窒素濃度が高く且つ酸素濃度が低い窒素濃縮空気が生成される。本実施形態では、例えば、窒素濃度92%、酸素濃度8%の成分比率の窒素濃縮空気が生成される。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の他端部(加圧時の流出口)には、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が供給されて生成された酸素濃縮空気を、コンテナ(11)の庫外へ導くための酸素排出通路(45)の一端が接続されている。酸素排出通路(45)の一端は、2つに分岐し、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の他端部のそれぞれに接続されている。酸素排出通路(45)の他端は、ガス供給装置(30)の外部、即ち、コンテナ(11)の庫外において開口している。酸素排出通路(45)の第1吸着筒(34)の他端部に接続された部分及び第2吸着筒(35)の他端部に接続された部分には、酸素排出通路(45)から第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)への空気の逆流を防止するための逆止弁(92)がそれぞれ設けられている。
酸素排出通路(45)の中途部には、逆止弁(93)とオリフィス(94)とが一端から他端に向かって順に設けられている。逆止弁(93)は、後述する排気用接続通路(74)からの窒素濃縮空気の第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)側への逆流を防止する。オリフィス(94)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)から流出した酸素濃縮空気が庫外へ排出される前に減圧する。
(給排切換機構)
空気回路(3)には、生成した窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給する後述するガス供給動作と生成した窒素濃縮空気を庫外へ排出するガス排出動作とを切り換えるための給排切換機構が設けられている。給排切換機構は、排気用接続通路(74)と、排気用開閉弁(75)と、供給側開閉弁(76)とを有している。
空気回路(3)には、生成した窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給する後述するガス供給動作と生成した窒素濃縮空気を庫外へ排出するガス排出動作とを切り換えるための給排切換機構が設けられている。給排切換機構は、排気用接続通路(74)と、排気用開閉弁(75)と、供給側開閉弁(76)とを有している。
排気用接続通路(74)は、一端が供給通路(44)に接続され、他端が酸素排出通路(45)に接続されている。排気用接続通路(74)の他端は、酸素排出通路(45)のオリフィス(94)よりも庫外側に接続されている。
排気用開閉弁(75)は、排気用接続通路(74)に設けられている。排気用開閉弁(75)は、排気用接続通路(74)の中途部において、供給通路(44)から流入した窒素濃縮空気の流通を許容する開状態と、窒素濃縮空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。排気用開閉弁(75)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
供給側開閉弁(76)は、供給通路(44)における排気用接続通路(74)が接続される接続部よりも他端側(庫内側)に設けられている。供給側開閉弁(76)は、供給通路(44)の排気用接続通路(74)の接続部よりも庫内側において、窒素濃縮空気の庫内側への流通を許容する開状態と、窒素濃縮空気の庫内側への流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。供給側開閉弁(76)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
(測定ユニット)
空気回路(3)には、生成した窒素濃縮空気の濃度を、コンテナ(11)の庫内に設けられた後述するセンサユニット(50)の酸素センサ(51)を用いて測定する給気測定動作を行うための測定ユニット(80)が設けられている。測定ユニット(80)は、分岐管(測定用通路)(81)と測定用開閉弁(82)とを備え、供給通路(44)を流れる窒素濃縮空気の一部を分岐させて酸素センサ(51)に導くように構成されている。
空気回路(3)には、生成した窒素濃縮空気の濃度を、コンテナ(11)の庫内に設けられた後述するセンサユニット(50)の酸素センサ(51)を用いて測定する給気測定動作を行うための測定ユニット(80)が設けられている。測定ユニット(80)は、分岐管(測定用通路)(81)と測定用開閉弁(82)とを備え、供給通路(44)を流れる窒素濃縮空気の一部を分岐させて酸素センサ(51)に導くように構成されている。
具体的には、分岐管(81)は、一端が供給通路(44)に接続され、他端が酸素センサ(51)に連結されている。なお、本実施形態では、分岐管(81)は、ユニットケース(70)内において供給通路(44)から分岐し、ユニットケース(70)の内外に亘るように設けられている。分岐管(81)の他端部(庫内部分)には、一端から他端へ向かう向きの空気の流通のみを許容し、空気の逆流を防止する逆止弁(95)が設けられている。
測定用開閉弁(82)は、分岐管(81)のユニットケースの内部に設けられている。測定用開閉弁(82)は、分岐管(81)における窒素濃縮空気の流通を許容する開状態と、分岐管(81)における窒素濃縮空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。測定用開閉弁(82)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。詳細については後述するが、測定用開閉弁(82)は、後述する給気測定動作が実行される際にのみ開状態となり、その他のモードでは閉状態となる。
−ガス供給装置の運転動作−
(ガス生成動作)
ガス供給装置(30)では、第1吸着筒(34)が加圧されると同時に第2吸着筒(35)が減圧される第1動作(図4を参照)と、第1吸着筒(34)が減圧されると同時に第2吸着筒(35)が加圧される第2動作(図5を参照)とが、所定の時間(例えば、14.5秒)ずつ交互に繰り返し行われることにより、窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とが生成される。また、本実施形態では、第1動作と第2動作との各合間に、第1吸着筒(34)と第2吸着筒(35)のいずれもが加圧される均圧動作(図6を参照)が、所定の時間(例えば、1.5秒)行われる。各動作の切り換えは、制御部(55)が第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を操作することによって行われる。
(ガス生成動作)
ガス供給装置(30)では、第1吸着筒(34)が加圧されると同時に第2吸着筒(35)が減圧される第1動作(図4を参照)と、第1吸着筒(34)が減圧されると同時に第2吸着筒(35)が加圧される第2動作(図5を参照)とが、所定の時間(例えば、14.5秒)ずつ交互に繰り返し行われることにより、窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とが生成される。また、本実施形態では、第1動作と第2動作との各合間に、第1吸着筒(34)と第2吸着筒(35)のいずれもが加圧される均圧動作(図6を参照)が、所定の時間(例えば、1.5秒)行われる。各動作の切り換えは、制御部(55)が第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を操作することによって行われる。
《第1動作》
第1動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図4に示す第1状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断された第1接続状態となる。この第1接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第1吸着筒(34)に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が、第2吸着筒(35)から窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気を吸引する。
第1動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図4に示す第1状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断された第1接続状態となる。この第1接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第1吸着筒(34)に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が、第2吸着筒(35)から窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気を吸引する。
具体的には、第1ポンプ機構(31a)は、外気通路(41)を介して外気を吸い込んで加圧し、加圧した外気(加圧空気)を加圧通路(42)に吐出する。加圧通路(42)に吐出された加圧空気は、加圧通路(42)を流れ、ユニットケース(70)の外部であって庫外収納空間(S1)に設けられた冷却部(42a)に流入する。加圧空気は、冷却部(42a)を通過する際に、外気と熱交換して冷却され、その後、第1吸着筒(34)へ供給される。
このようにして、第1吸着筒(34)には、冷却された加圧空気が流入し、該加圧空気に含まれる窒素成分が吸着剤に吸着される。なお、吸着剤の吸着性能は、吸着材の温度が低くなる程向上する。そのため、上述のように、冷却部(42a)において加圧空気を予め冷却しておくことにより、冷却しない場合に比べて吸着剤への吸着性能が向上する。このように、第1動作中、第1吸着筒(34)では、上記第1ポンプ機構(31a)から加圧された外気が供給されて該外気中の窒素成分が吸着剤に吸着されることにより、窒素濃度が外気よりも低く酸素濃度が外気よりも高い酸素濃縮空気が生成される。酸素濃縮空気は、第1吸着筒(34)から酸素排出通路(45)に流出する。
一方、第2ポンプ機構(31b)は、第2吸着筒(35)から空気を吸引する。その際、第2吸着筒(35)の吸着剤に吸着された窒素成分が、空気と共に第2ポンプ機構(31b)に吸引されて吸着剤から脱着する。このように、第1動作中、第2吸着筒(35)では、第2ポンプ機構(31b)によって内部の空気が吸引されて吸着剤に吸着された窒素成分が脱着することにより、吸着剤から脱着した窒素成分を含み、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気が生成される。窒素濃縮空気は、第2ポンプ機構(31b)に吸い込まれ、加圧された後、供給通路(44)に吐出される。
《第2動作》
第2動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図5に示す第2状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断された第2接続状態となる。この第2接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第2吸着筒(35)に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が、第1吸着筒(34)から窒素濃縮空気を吸引する。
第2動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図5に示す第2状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断された第2接続状態となる。この第2接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第2吸着筒(35)に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が、第1吸着筒(34)から窒素濃縮空気を吸引する。
具体的には、第1ポンプ機構(31a)は、外気通路(41)を介して外気を吸い込んで加圧し、加圧した外気(加圧空気)を加圧通路(42)に吐出する。加圧通路(42)に吐出された加圧空気は、加圧通路(42)を流れ、ユニットケース(70)の外部であって庫外収納空間(S1)に設けられた冷却部(42a)に流入する。加圧空気は、冷却部(42a)を通過する際に、外気と熱交換して冷却され、その後、第2吸着筒(35)へ供給される。
このようにして、第2吸着筒(35)には、冷却された加圧空気が流入し、該加圧空気に含まれる窒素成分が吸着剤に吸着される。また、第2動作においても、冷却部(42a)において加圧空気を予め冷却しておくことにより、冷却しない場合に比べて吸着剤への吸着性能が向上する。このように、第2動作中、第2吸着筒(35)では、上記第1ポンプ機構(31a)から加圧された外気が供給されて該外気中の窒素成分が吸着剤に吸着されることにより、窒素濃度が外気よりも低く酸素濃度が外気よりも高い酸素濃縮空気が生成される。酸素濃縮空気は、第2吸着筒(35)から酸素排出通路(45)に流出する。
一方、第2ポンプ機構(31b)は、第1吸着筒(34)から空気を吸引する。その際、第1吸着筒(34)の吸着剤に吸着された窒素成分が、空気と共に第2ポンプ機構(31b)に吸引されて吸着剤から脱着する。このように、第2動作中、第1吸着筒(34)では、第2ポンプ機構(31b)によって内部の空気が吸引されて吸着剤に吸着された窒素成分が脱着することにより、吸着剤から脱着した窒素成分を含み、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気が生成される。窒素濃縮空気は、第2ポンプ機構(31b)に吸い込まれ、加圧された後、供給通路(44)に吐出される。
《均圧動作》
図6に示すように、均圧動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)が第1状態に切り換える一方、第2方向制御弁(33)が第2状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)が、共に第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断された第3接続状態となる。この第3接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が減圧通路(43)に残存する窒素濃縮空気を吸引する。
図6に示すように、均圧動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)が第1状態に切り換える一方、第2方向制御弁(33)が第2状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)が、共に第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断された第3接続状態となる。この第3接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が減圧通路(43)に残存する窒素濃縮空気を吸引する。
具体的には、第1ポンプ機構(31a)は、外気通路(41)を介して外気を吸い込んで加圧し、加圧した外気(加圧空気)を加圧通路(42)に吐出する。加圧通路(42)に吐出された加圧空気は、加圧通路(42)を流れ、ユニットケース(70)の外部であって庫外収納空間(S1)に設けられた冷却部(42a)に流入する。加圧空気は、冷却部(42a)を通過する際に、外気と熱交換して冷却され、その後、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方に供給される。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)では、流入した加圧空気に含まれる窒素成分が吸着剤に吸着され、酸素濃縮空気が生成される。酸素濃縮空気は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)から酸素排出通路(45)に流出する。
一方、第2ポンプ機構(31b)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)から遮断される。そのため、均圧動作中には、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において新たに窒素濃縮空気が生成されることはなく、第2ポンプ機構(31b)は、減圧通路(43)に残存する窒素濃縮空気を吸引して加圧した後、供給通路(44)に吐出する。
ところで、上述したように、第1動作中には、第1吸着筒(34)では第1ポンプ機構(31a)によって加圧されて吸着動作が行われ、第2吸着筒(35)では第2ポンプ機構(31b)によって減圧されて脱着動作が行われる。一方、第2動作中には、第2吸着筒(35)では第1ポンプ機構(31a)によって加圧されて吸着動作が行われ、第1吸着筒(34)では第2ポンプ機構(31b)によって減圧されて脱着動作が行われる。そのため、上述の均圧動作を挟むことなく、第1動作から第2動作へ切り換える又は第2動作から第1動作へ切り換えると、切り換え直後は、切り換え前に脱着動作を行っていた吸着筒内の圧力が著しく低いため、該吸着筒内の圧力が上昇するのに時間がかかり、すぐには吸着動作が行われない。
そこで、本実施形態では、第1動作から第2動作へ切り換える際、及び第2動作から第1動作へ切り換える際に、空気回路(3)を第3接続状態に切り換え、第1吸着筒(34)と第2吸着筒(35)とを、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を介して連通させることとしている。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の互いの内部圧力が、速やかに等しくなる(互いの内部圧力の中間の圧力になる)。このような均圧動作により、切り換え前に第2ポンプ機構(31b)によって減圧されて脱着動作を行っていた吸着筒内の圧力が、速やかに上昇するため、第1ポンプ機構(31a)への接続後、速やかに吸着動作が行われる。
このようにして、ガス供給装置(30)では、均圧動作(図6を参照)を挟みながら第1動作(図4を参照)と第2動作(図5を参照)とを交互に繰り返し行い、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気を生成する(ガス生成動作)。本実施形態では、平均窒素濃度(第1動作及び第2動作の各動作において、庫内に供給される窒素濃縮空気の窒素濃度の平均値)が92%、平均酸素濃度(第1動作及び第2動作の各動作において、庫内に供給される窒素濃縮空気の酸素濃度の平均値)が8%の窒素濃縮空気が生成される。
(ガス供給動作/ガス排出動作)
また、ガス供給装置(30)では、給排切換機構によって、ガス生成動作によって生成された窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給するガス供給動作と、脱着動作の開始時点から所定時間の間、ガス生成動作によって生成された窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内へ供給せずに排気するガス排出動作とが切り換えられる。
また、ガス供給装置(30)では、給排切換機構によって、ガス生成動作によって生成された窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給するガス供給動作と、脱着動作の開始時点から所定時間の間、ガス生成動作によって生成された窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内へ供給せずに排気するガス排出動作とが切り換えられる。
《ガス供給動作》
図4〜図6に示すように、ガス供給動作では、制御部(55)によって、排気用開閉弁(75)が閉状態に制御され、供給側開閉弁(76)が開状態に制御される。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において交互に生成された窒素濃縮空気が供給通路(44)を通ってコンテナ(11)の庫内へ供給され、酸素濃縮空気は酸素排出通路(45)を通って庫外へ排出される。
図4〜図6に示すように、ガス供給動作では、制御部(55)によって、排気用開閉弁(75)が閉状態に制御され、供給側開閉弁(76)が開状態に制御される。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において交互に生成された窒素濃縮空気が供給通路(44)を通ってコンテナ(11)の庫内へ供給され、酸素濃縮空気は酸素排出通路(45)を通って庫外へ排出される。
《ガス排出動作》
図示を省略するが、ガス排出動作では、制御部(55)によって、排気用開閉弁(75)が開状態に制御され、供給側開閉弁(76)が閉状態に制御される。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において交互に生成されて供給通路(44)に吐出された窒素濃縮空気は、供給通路(44)において供給側開閉弁(76)よりも庫内側への流通が阻止され、排気用接続通路(74)に流入する。排気用接続通路(74)に流入した窒素濃縮空気は、酸素排出通路(45)に流入し、酸素排出通路(45)を流れる酸素濃縮空気と共に庫外へ排出される。
図示を省略するが、ガス排出動作では、制御部(55)によって、排気用開閉弁(75)が開状態に制御され、供給側開閉弁(76)が閉状態に制御される。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において交互に生成されて供給通路(44)に吐出された窒素濃縮空気は、供給通路(44)において供給側開閉弁(76)よりも庫内側への流通が阻止され、排気用接続通路(74)に流入する。排気用接続通路(74)に流入した窒素濃縮空気は、酸素排出通路(45)に流入し、酸素排出通路(45)を流れる酸素濃縮空気と共に庫外へ排出される。
[排気部]
−排気部の構成−
図2に示すように、排気部(46)は、庫内収納空間(S2)と庫外空間とを繋ぐ排気通路(46a)と、排気通路(46a)に接続された排気弁(46b)と、排気通路(46a)の流入端部(庫内側端部)に設けられたメンブレンフィルタ(46c)とを有している。排気通路(46a)は、ケーシング(12)を内外に貫通するように設けられている。排気弁(46b)は、排気通路(46a)の庫内側に設けられ、排気通路(46a)における空気の流通を許容する開状態と、排気通路(46a)における空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。排気弁(46b)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
−排気部の構成−
図2に示すように、排気部(46)は、庫内収納空間(S2)と庫外空間とを繋ぐ排気通路(46a)と、排気通路(46a)に接続された排気弁(46b)と、排気通路(46a)の流入端部(庫内側端部)に設けられたメンブレンフィルタ(46c)とを有している。排気通路(46a)は、ケーシング(12)を内外に貫通するように設けられている。排気弁(46b)は、排気通路(46a)の庫内側に設けられ、排気通路(46a)における空気の流通を許容する開状態と、排気通路(46a)における空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。排気弁(46b)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
−排気部の運転動作−
庫内ファン(26)の回転の回転中に、制御部(55)によって排気弁(46b)を開くことによって、庫内に繋がる庫内収納空間(S2)の空気(庫内空気)が庫外へ排出される排気動作が行われる。
庫内ファン(26)の回転の回転中に、制御部(55)によって排気弁(46b)を開くことによって、庫内に繋がる庫内収納空間(S2)の空気(庫内空気)が庫外へ排出される排気動作が行われる。
具体的には、庫内ファン(26)が回転すると、吹出側の2次空間(S22)の圧力が、庫外空間の圧力(大気圧)よりも高くなる。これにより、排気弁(46b)が開状態であるときには、排気通路(46a)の両端部の間で生じる圧力差(庫外空間と2次空間(S22)との間の圧力差)により、庫内に繋がる庫内収納空間(S2)の空気(庫内空気)が排気通路(46a)を通って庫外空間へ排出される。
[センサユニット]
図2に示すように、センサユニット(50)は、庫内収納空間(S2)における庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)に設けられている。センサユニット(50)は、酸素センサ(51)と、二酸化炭素センサ(52)と、メンブレンフィルタ(54)と、連絡管(56)と、排気管(57)とを有している。
図2に示すように、センサユニット(50)は、庫内収納空間(S2)における庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)に設けられている。センサユニット(50)は、酸素センサ(51)と、二酸化炭素センサ(52)と、メンブレンフィルタ(54)と、連絡管(56)と、排気管(57)とを有している。
酸素センサ(51)は、ガルバニ電池式センサによって構成されている。一方、二酸化炭素センサ(52)は、非分散型赤外線方式(NDIR:non dispersive infrared)のセンサによって構成されている。酸素センサ(51)には、測定ユニット(80)の分岐管(81)が連結され、酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とは、連絡管(56)によって連結されている。また、二酸化炭素センサ(52)には、排気管(57)の一端が連結され、排気管(57)の他端は、庫内ファン(26)の吸込口の近傍において開口している。なお、酸素センサ(51)は、周辺の空気を取り込むための吸込口を有し、該吸込口には、メンブレンフィルタ(54)が設けられている。
このような構成により、庫内収納空間(S2)の2次空間(S22)と1次空間(S21)とは、メンブレンフィルタ(54)、酸素センサ(51)、連絡管(56)、二酸化炭素センサ(52)、及び排気管(57)によって形成される空気通路(58)を介して連通している。そのため、庫内ファン(26)の運転中には、1次空間(S21)の圧力が、2次空間(S22)の圧力よりも低くなるため、この圧力差により、酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とが接続された空気通路(58)において2次空間(S22)側から1次空間(S21)側へ庫内空気が流れる。このようにして、庫内空気が酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とを順に通過し、酸素センサ(51)において庫内空気の酸素濃度が測定され、二酸化炭素センサ(52)において庫内空気の二酸化炭素濃度が測定される。一方、庫内ファン(26)の運転停止中であって後述する給気測定動作中には、ガス供給装置(30)で生成された窒素濃縮空気が、分岐管(81)を介して酸素センサ(51)に導かれ、酸素センサ(51)において窒素濃縮空気の酸素濃度が測定される。
[制御部]
制御部(55)は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度及び二酸化炭素濃度を所望の濃度にする濃度調節運転を実行するように構成されている。具体的には、制御部(55)は、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)の測定結果に基づいて、コンテナ(11)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)が所望の組成になるように、ガス供給装置(30)及び排気部(46)の動作を制御する。
制御部(55)は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度及び二酸化炭素濃度を所望の濃度にする濃度調節運転を実行するように構成されている。具体的には、制御部(55)は、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)の測定結果に基づいて、コンテナ(11)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)が所望の組成になるように、ガス供給装置(30)及び排気部(46)の動作を制御する。
図7に示すように、制御部(55)は、濃度調節運転において、酸素濃度低下モードと空気組成調整モードとを行うように構成されている。具体的には、制御部(55)は、酸素濃度低下モードで濃度調節運転を開始し、該酸素濃度低下モード中にコンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度がSPO2以下になると空気組成調整モードに切り換え、該空気組成調整モード中にコンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度がSPO2に所定濃度V(本実施形態では、1.0%)を加えた上限濃度以上になると酸素濃度低下モードに戻すように構成されている。
また、制御部(55)は、酸素濃度低下モードにおいて、庫内空気の二酸化炭素濃度の調節を酸素濃度の調節に優先して行う二酸化炭素優先制御と、庫内空気の酸素濃度の調節を二酸化炭素濃度の調節に優先して行う酸素優先制御とのいずれを実行するかを決定する所定の優先判定を行うように構成されている。なお、優先判定及び各制御の詳細については後述するが、制御部(55)は、優先判定において二酸化炭素優先制御の実行を決定したときに、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし(Yを保存し)、優先判定において酸素優先制御の実行を決定したとき及び所定の初期化条件を満たすときには二酸化炭素優先フラグを非アクティブ状態にする(Nを保存する)ように構成されている。
また、制御部(55)は、ユーザからの指令により又は定期的に、測定用開閉弁(82)の動作を制御して、ガス供給装置(30)において生成された窒素濃縮空気の酸素濃度を測定する給気測定動作を行うように構成されている。
本実施形態では、制御部(55)は、CA装置(60)の各要素を本願で開示するように制御するマイクロコンピュータと、実施可能な制御プログラムが記憶されたメモリやハードディスク等とを含んでいる。なお、上記制御部(55)は、CA装置(60)の制御部の一例であり、制御部(55)の詳細な構造やアルゴリズムは、本発明に係る機能を実行するどのようなハードウェアとソフトウェアとの組み合わせであってもよい。
−運転動作−
〈冷媒回路の運転動作〉
本実施形態では、図3に示すユニット制御部(100)によって、コンテナ(11)の庫内空気を冷却する冷却運転が実行される。
〈冷媒回路の運転動作〉
本実施形態では、図3に示すユニット制御部(100)によって、コンテナ(11)の庫内空気を冷却する冷却運転が実行される。
冷却運転では、ユニット制御部(100)によって、圧縮機(21)、膨張弁(23)、庫外ファン(25)及び庫内ファン(26)の動作が、図示しない温度センサの測定結果に基づいて庫内空気の温度が所望の目標温度になるように制御される。このとき、冷媒回路(20)では、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。そして、庫内ファン(26)によって庫内収納空間(S2)へ導かれたコンテナ(11)の庫内空気が、蒸発器(24)を通過する際に該蒸発器(24)の内部を流れる冷媒によって冷却される。蒸発器(24)において冷却された庫内空気は、床下流路(19a)を通って吹出口(18b)から再びコンテナ(11)の庫内へ吹き出される。これにより、コンテナ(11)の庫内空気が冷却される。
〈濃度調節運転〉
また、本実施形態では、図4に示す制御部(55)によって、CA装置(60)が、コンテナ(11)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)を所望の組成に調節する濃度調節運転を行う。濃度調節運転では、制御部(55)によって、酸素濃度低下モードと空気組成調整モードとが行われる。
また、本実施形態では、図4に示す制御部(55)によって、CA装置(60)が、コンテナ(11)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)を所望の組成に調節する濃度調節運転を行う。濃度調節運転では、制御部(55)によって、酸素濃度低下モードと空気組成調整モードとが行われる。
具体的には、制御部(55)は、酸素濃度低下モードで濃度調節運転を開始し、該酸素濃度低下モード中にコンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度がSPO2以下になると空気組成調整モードに切り換え、該空気組成調整モード中にコンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度がSPO2に所定濃度V(本実施形態では、1.0%)を加えた濃度以上になると酸素濃度低下モードに戻す。以下、酸素濃度低下モードと空気組成調整モードについて詳述する。
なお、濃度調節運転中は、いずれのモード中であっても、制御部(55)は、測定用開閉弁(82)を閉状態に制御し、ユニット制御部(100)と通信して庫内ファン(26)を回転させ、庫内と庫内収納空間(S2)との間において庫内空気を循環させる。これにより、庫内収納空間(S2)に設けられた酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)に庫内空気が供給され、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とが測定される。
[酸素濃度低下モード]
上述のように、酸素濃度低下モードでは、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度の調節を二酸化炭素濃度の調節に優先して行う酸素優先制御と庫内空気の二酸化炭素濃度の調節を酸素濃度の調節に優先して行う二酸化炭素優先制御とのいずれを実行するかを選択する優先判定を行い、判定結果に基づいた制御を実行する。以下、優先判定、酸素優先制御、二酸化炭素優先制御について詳述する。
上述のように、酸素濃度低下モードでは、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度の調節を二酸化炭素濃度の調節に優先して行う酸素優先制御と庫内空気の二酸化炭素濃度の調節を酸素濃度の調節に優先して行う二酸化炭素優先制御とのいずれを実行するかを選択する優先判定を行い、判定結果に基づいた制御を実行する。以下、優先判定、酸素優先制御、二酸化炭素優先制御について詳述する。
《優先判定》
制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられた濃度調節運転の開始時と、濃度調節運転中とで異なる手順で優先判定を行う。以下、それぞれの優先判定手順について詳述する。
制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられた濃度調節運転の開始時と、濃度調節運転中とで異なる手順で優先判定を行う。以下、それぞれの優先判定手順について詳述する。
(濃度調節運転の開始時の優先判定)
図8に示すように、制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられて濃度調節運転が開始されると、以下の手順で優先判定を行う。
図8に示すように、制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられて濃度調節運転が開始されると、以下の手順で優先判定を行う。
まず、制御部(55)は、目標二酸化炭素濃度が10%以上であるか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1において、目標二酸化炭素濃度が10%以上である場合、制御部(55)は、ステップS2に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし(Yを保存し)、判定を終了する。
ステップS1において、目標二酸化炭素濃度が10%未満である場合、制御部(55)は、ステップS3に進み、目標二酸化炭素濃度が4%未満であるか否かを判定する。ステップS3において、目標二酸化炭素濃度が4%未満である場合、制御部(55)は、ステップS4に進み、酸素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグを非アクティブ状態にし(Nを保存し)、判定を終了する。
ステップ3において、目標二酸化炭素濃度が4%以上である場合、制御部(55)は、ステップS5に進み、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態であるか(Yが保存されているか)否かを判定する。ステップS5において、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態である場合、制御部(55)は、ステップS6に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態に維持し(Yを保存し)、判定を終了する。
ステップS5において、二酸化炭素優先フラグが非アクティブ状態である場合、制御部(55)は、ステップS7に進み、庫内空気の二酸化炭素濃度と酸素濃度との和が22%(21%以上の所定の増加濃度)より高いか否かを判定する。ステップS7において、庫内空気の二酸化炭素濃度と酸素濃度との和が22%より高い場合、制御部(55)は、ステップS8に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし(Yを保存し)、判定を終了する。
ステップS7において、庫内空気の二酸化炭素濃度と酸素濃度との和が22%以下である場合、制御部(55)は、ステップS9に進み、CA装置(60)が前回OFF状態になった時からON状態に切り換わるまでの間が1日未満であって、庫内空気の二酸化炭素濃度が、CA装置(60)が前回OFF状態に切り換えられる直前に比べて4%以上上昇(呼吸分より上昇)したか否かを判定する。ステップS9において、CA装置(60)が前回OFF状態になった時からON状態に切り換わるまでの間が1日未満であって、庫内空気の二酸化炭素濃度が、CA装置(60)が前回OFF状態に切り換えられる直前に比べて4%以上上昇した場合、制御部(55)は、ステップS10に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし(Yを保存し)、判定を終了する。
ステップS9において、CA装置(60)が前回OFF状態になった時からON状態に切り換わるまでの間が1日未満でない、又は、庫内空気の二酸化炭素濃度がCA装置(60)が前回OFF状態に切り換えられる直前に比べて4%以上上昇していない場合、制御部(55)は、ステップS11に進み、酸素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグを非アクティブ状態にし(Nを保存し)、判定を終了する。
(濃度調節運転中の優先判定)
図9に示すように、制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態に切り換わった際の優先判定の終了後、酸素濃度低下モードで濃度調節運転中に、以下の手順で優先判定を行う。
図9に示すように、制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態に切り換わった際の優先判定の終了後、酸素濃度低下モードで濃度調節運転中に、以下の手順で優先判定を行う。
まず、制御部(55)は、目標二酸化炭素濃度が変更されたか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21において、目標二酸化炭素濃度が変更されていない場合、判定を終了する。これにより、現在設定されている優先制御(酸素優先制御又は二酸化炭素制御)が維持される。
ステップS21において、目標二酸化炭素濃度が変更されている場合、制御部(55)は、ステップS22に進み、目標二酸化炭素濃度が10%以上であるか否かを判定する。ステップS22において、目標二酸化炭素濃度が10%以上である場合、制御部(55)は、ステップS23に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし(Yを保存し)、判定を終了する。
ステップS22において、目標二酸化炭素濃度が10%未満である場合、制御部(55)は、ステップS24に進み、目標二酸化炭素濃度が4%未満であるか否かを判定する。ステップS24において、目標二酸化炭素濃度が4%未満である場合、制御部(55)は、ステップS25に進み、酸素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグを非アクティブ状態にし(Nを保存し)、判定を終了する。
ステップS24において、目標二酸化炭素濃度が4%以上である場合、制御部(55)は、ステップS26に進み、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態であるか(Yが保存されているか)否かを判定する。ステップS26において、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態である場合、制御部(55)は、ステップS27に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態に維持し(Yを保存し)、判定を終了する。
ステップS26において、二酸化炭素優先フラグが非アクティブ状態である場合、制御部(55)は、ステップS28に進み、現在、酸素優先制御が設定されているか否かを判定する。ステップS28において、酸素優先制御が設定されていない場合、判定を終了する。
ステップS28において、酸素優先制御が設定されている場合、制御部(55)は、ステップS29に進み、庫内空気の二酸化炭素濃度と酸素濃度との和が22%より高いとの条件と、現在の庫内空気の二酸化炭素濃度が30分前に比べて2%以上上昇しているとの条件と、現在の庫内空気の二酸化炭素濃度が5分前に比べて1%以上上昇しているとの条件との3つの条件のうちのいずれかの条件を満たすか否かを判定する。ステップS29において、3つの条件のいずれの条件も満たさない場合、制御部(55)は、判定を終了する。これにより、現在設定されている優先制御、即ち、酸素優先制御が維持される。
ステップS29において、3つの条件のいずれかが満たされる場合、即ち、庫内空気の二酸化炭素濃度と酸素濃度との和が22%より高い場合、現在の庫内空気の二酸化炭素濃度が30分前に比べて2%以上上昇している場合、又は、現在の庫内空気の二酸化炭素濃度が5分前に比べて1%以上上昇している場合、制御部(55)は、ステップS30に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし(Yを保存し)、判定を終了する。
以上のようにして、制御部(55)は、CA装置(60)の電源ON時と、濃度調節運転中とにおいて、異なる手順で優先判定を行い、酸素優先制御と二酸化炭素優先制御のいずれの制御を実行するかを決定する。
また、制御部(55)は、上述のように、優先判定において酸素優先制御に決定した場合、二酸化炭素優先フラグを非アクティブ状態にする一方、二酸化炭素優先制御に決定した場合、二酸化炭素フラグをアクティブ状態にする。一方、制御部(55)は、優先判定に関わらず、所定の初期化条件、例えば、濃度調節運転中に空気組成調整モードに遷移したという条件、CA装置(60)の停止(電源がOFF状態になるのを含む)から1日以上経過したという条件、各種機器の性能チェック運転中であるという条件等を満たす場合、二酸化炭素フラグを初期化する。なお、二酸化炭素フラグの初期値は非アクティブ状態とする。
《酸素優先制御》
酸素濃度低下モードにおける酸素優先制御は、庫内空気の酸素濃度の調節を二酸化炭素濃度の調節よりも優先させるものである。また、酸素優先制御の実行開始時は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも高い。そのため、制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度の如何に拘わらず、制御開始(酸素濃度低下モードの開始)と同時にガス供給動作を行って、庫内空気の酸素濃度を速やかに低下させる。以下、制御の内容を具体的に説明する。
酸素濃度低下モードにおける酸素優先制御は、庫内空気の酸素濃度の調節を二酸化炭素濃度の調節よりも優先させるものである。また、酸素優先制御の実行開始時は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも高い。そのため、制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度の如何に拘わらず、制御開始(酸素濃度低下モードの開始)と同時にガス供給動作を行って、庫内空気の酸素濃度を速やかに低下させる。以下、制御の内容を具体的に説明する。
なお、以下の説明では、目標酸素濃度SPO2が5%、目標二酸化炭素濃度SPCO2が5%である例について説明する。また、ここでは、コンテナ(11)の庫内空気の組成が大気の組成と等しい状態から、所望の組成(酸素濃度5%、二酸化炭素濃度5%)に調節する場合について説明する。
まず、上述した優先判定において酸素優先制御の実行が決定されると、制御部(55)は、上記ガス供給動作と排気動作とを実行する。これにより、コンテナ(11)の庫内に窒素濃縮空気が供給される一方、窒素濃縮空気を供給した分だけ庫内空気が庫外へ排出される。このようなガス供給動作と排気動作とにより、コンテナ(11)の庫内空気が窒素濃縮空気に置換され、庫内空気の酸素濃度が低下する。
コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が、窒素濃縮空気の酸素濃度(例えば、10%)まで低下すると、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の運転を停止してガス供給動作を停止すると共に、排気弁(46b)を閉じて排気動作を停止する。
ガス供給動作と排気動作とが停止されると、コンテナ(11)の庫内では、空気が何ら入れ替わらない一方、植物(15)が呼吸を行うため、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が減少し、二酸化炭素濃度が上昇する。これにより、やがて、庫内空気の酸素濃度は目標酸素濃度SPO2(5%)に至り、庫内空気の二酸化炭素濃度は目標二酸化炭素濃度SPCO2(5%)に至る。
制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(5%)以下になると、酸素濃度低下モードを終了し、空気組成調整モードを開始する。
《二酸化炭素優先制御》
二酸化炭素優先制御は、庫内空気の二酸化炭素濃度の調節を酸素濃度の調節よりも優先させるものである。そして、二酸化炭素優先制御の実行開始時も、酸素優先制御の実行開始時と同様に、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも高い。しかしながら、二酸化炭素優先制御では、制御部(55)は、酸素優先制御のように、必ずしも制御開始(酸素濃度低下モードの開始)と同時にガス供給動作を行う訳ではなく、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作を行うことで、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度SPCO2付近に維持させつつ、庫内空気の酸素濃度を低下させる。以下、制御の内容を具体的に説明する。
二酸化炭素優先制御は、庫内空気の二酸化炭素濃度の調節を酸素濃度の調節よりも優先させるものである。そして、二酸化炭素優先制御の実行開始時も、酸素優先制御の実行開始時と同様に、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも高い。しかしながら、二酸化炭素優先制御では、制御部(55)は、酸素優先制御のように、必ずしも制御開始(酸素濃度低下モードの開始)と同時にガス供給動作を行う訳ではなく、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作を行うことで、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度SPCO2付近に維持させつつ、庫内空気の酸素濃度を低下させる。以下、制御の内容を具体的に説明する。
なお、以下の説明では、目標酸素濃度SPO2が5%、目標二酸化炭素濃度SPCO2が13%である例について説明する。また、ここでは、コンテナ(11)の庫内空気の組成が大気の組成と等しい状態から、所望の組成(酸素濃度5%、二酸化炭素濃度13%)に調節する場合について説明する。
まず、上述した優先判定において二酸化炭素優先制御の実行が決定されると、制御部(55)は、二酸化炭素センサ(52)で測定された庫内空気の二酸化炭素濃度が、目標二酸化炭素濃度SPCO2(本実施形態では、13%)より高い所定の開始濃度(例えば、13.5%)に到達したか否かを判定する。
そして、庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度(13.5%)以上である場合、上記ガス供給動作と排気動作とを開始する。これにより、コンテナ(11)の庫内に窒素濃縮空気が供給される一方、窒素濃縮空気を供給した分だけ庫内空気が庫外へ排出される。このようなガス供給動作と排気動作とにより、コンテナ(11)の庫内空気が窒素濃縮空気に置換され、庫内空気の酸素濃度が低下する。
一方、図10に示すように、コンテナ(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度(13.5%)未満、例えば、11.8%である場合、上記ガス供給動作及び上記排気動作をすぐに開始せず、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度に到達するまで待機させる。そして、庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度に到達したところで上記ガス供給動作と排気動作とを実行する。これにより、コンテナ(11)の庫内に窒素濃縮空気が供給される一方、窒素濃縮空気を供給した分だけ庫内空気が庫外へ排出される。このようなガス供給動作と排気動作とにより、コンテナ(11)の庫内空気が窒素濃縮空気に置換され、庫内空気の酸素濃度が低下する。
コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(5%)に到達する前に、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO2(13%)よりも低い限界濃度(例えば、12.5%)まで低下すると、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の運転を停止してガス供給動作を停止すると共に、排気弁(46b)を閉じて排気動作を停止する。
ガス供給動作と排気動作とが停止されると、コンテナ(11)の庫内では、空気が何ら入れ替わらない一方、植物(15)が呼吸を行うため、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が減少し、二酸化炭素濃度が上昇し、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO2(13%)に近づいていく。
そして、コンテナ(11)の庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO2(13%)よりも高い再開濃度(13.5%)まで上昇すると、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の運転を再開してガス供給動作を再開すると共に、排気弁(46b)を開いて排気動作を再開する。これにより、コンテナ(11)の庫内空気が窒素濃縮空気に置換され、庫内空気の酸素濃度が再び低下することとなる。
その後、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(5%)に到達する前に、再び、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO2(13%)よりも低い限界濃度(例えば、12.5%)まで低下すると、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の運転を停止してガス供給動作を停止すると共に、排気弁(46b)を閉じて排気動作を停止する。
以下、制御部(55)は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(5%)に到達するまで、ガス供給動作及び排気動作の再開と停止とを繰り返す。このガス供給動作及び排気動作の再開と停止の繰り返しにより、庫内空気の二酸化炭素濃度は目標二酸化炭素濃度SPCO2(13%)付近に維持されつつ、庫内空気の酸素濃度が低下し、やがて、庫内空気の酸素濃度が、目標酸素濃度SPO2(5%)に至る。
その後、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(5%)以下になると、酸素濃度低下モードを終了し、空気組成調整モードを開始する。
[空気組成調整モード]
《酸素濃度の調整》
空気組成調整モードでは、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも所定濃度X(例えば、0.5%)だけ低い下限値を下回ると、ガス供給装置(30)によるガス供給動作と排気部(46)による排気動作とを再開する。このようなガス供給動作と排気動作とにより、庫内空気が該庫内空気よりも酸素濃度の高い窒素濃縮空気(例えば、平均酸素濃度8%)に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が上昇する。
《酸素濃度の調整》
空気組成調整モードでは、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも所定濃度X(例えば、0.5%)だけ低い下限値を下回ると、ガス供給装置(30)によるガス供給動作と排気部(46)による排気動作とを再開する。このようなガス供給動作と排気動作とにより、庫内空気が該庫内空気よりも酸素濃度の高い窒素濃縮空気(例えば、平均酸素濃度8%)に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が上昇する。
制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも所定濃度X(例えば、0.5%)だけ高い値以上になると、ガス供給動作と排気動作とを停止する。
なお、庫内空気の酸素濃度の調節は、ガス供給動作の代わりに、バイパス開閉弁(72)を開いて、エアポンプ(31)に吸引した外気を、第1及び第2吸着筒(34,35)を通過させることなくバイパスさせて、そのままコンテナ(11)の庫内に供給する外気導入動作を行うこととしてもよい。外気導入動作と排気動作とによれば、庫内空気が酸素濃度21%の外気に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が上昇する。
《二酸化炭素濃度の調整》
また、空気組成調整モードにおいて、制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO2よりも所定濃度Y(例えば、0.5%)だけ高い上限値以上になると、ガス供給動作と排気動作とを行う。これにより、庫内空気が窒素濃縮空気に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の二酸化炭素濃度が低下する。
また、空気組成調整モードにおいて、制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO2よりも所定濃度Y(例えば、0.5%)だけ高い上限値以上になると、ガス供給動作と排気動作とを行う。これにより、庫内空気が窒素濃縮空気に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の二酸化炭素濃度が低下する。
制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度が、目標二酸化炭素濃度SPCO2よりも所定濃度Yだけ低い値未満になると、ガス供給動作と排気動作とを停止する。
なお、庫内空気の二酸化炭素濃度の調節は、ガス供給動作の代わりに、バイパス開閉弁(72)を開いて上記外気導入動作を行うこととしてもよい。このように外気導入動作と排気動作とによれば、庫内空気が二酸化炭素濃度0.03%の外気に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の二酸化炭素濃度が低下する。
〈酸素濃度低下モードの制御例〉
以下、酸素濃度低下モードの制御例として、濃度調節運転の当初より二酸化炭素優先制御が実行される当初充填例と、酸素優先制御の実行中に途中から二酸化炭素優先制御が実行される中途充填例とについて説明する。
以下、酸素濃度低下モードの制御例として、濃度調節運転の当初より二酸化炭素優先制御が実行される当初充填例と、酸素優先制御の実行中に途中から二酸化炭素優先制御が実行される中途充填例とについて説明する。
《当初充填例》
図11に示すように、コンテナ(11)の庫内へ植物(15)が積み込まれた後、CA装置(60)による濃度調節運転を開始する前に庫内に二酸化炭素が充填されると、庫内空気の二酸化炭素濃度が上昇すると共に、二酸化炭素の充填分だけ庫内空気がコンテナ(11)の庫外へ押し出されて庫内空気の酸素濃度が低下する(図11の点A→点B)。
図11に示すように、コンテナ(11)の庫内へ植物(15)が積み込まれた後、CA装置(60)による濃度調節運転を開始する前に庫内に二酸化炭素が充填されると、庫内空気の二酸化炭素濃度が上昇すると共に、二酸化炭素の充填分だけ庫内空気がコンテナ(11)の庫外へ押し出されて庫内空気の酸素濃度が低下する(図11の点A→点B)。
コンテナ(11)の庫内への二酸化炭素の充填が完了すると、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられ、濃度調節運転が開始される(図11の点B)。ここでは、一例として、目標酸素濃度SPO2が3%、目標二酸化炭素濃度SPCO2が14%、二酸化炭素充填後の庫内空気の二酸化炭素濃度が11.8%である例について説明する。
CA装置(60)は、酸素濃度低下モードで濃度調節運転を開始し、図8に示す電源ON時の優先判定を行う。本例では、目標二酸化炭素濃度SPCO2が14%であるため、図8の優先判定においてステップS1、ステップS2へと進み、二酸化炭素優先制御の実行が決定され、実行される。
濃度調節運転の開始当初、庫内空気の二酸化炭素濃度は11.8%であり、ガス供給動作の開始濃度(例えば、14.5%)に到達していないため、ガス供給動作及び排気動作をすぐに開始せず、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度に到達するまで待機させる(図11の点B→点C)。そして、庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度に到達したところで上記ガス供給動作及び排気動作を開始する(図11の点C)。
上記ガス供給動作及び排気動作の開始後は、上述したように、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作及び排気動作の停止と再開とを繰り返し、庫内空気の二酸化炭素濃度は目標二酸化炭素濃度SPCO2(14%)付近に維持しつつ、庫内空気の酸素濃度を低下させる(図11の点C→点D)。
やがて、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(3%)に至ると、酸素濃度低下モードから空気組成調整モードに遷移し、二酸化炭素優先フラグを初期化し(非アクティブ状態にし)、二酸化炭素優先制御を終了する(図11の点D)。
このように、当初充填例では、庫内へ植物(15)が積み込まれた後、CA装置(60)による濃度調節運転を開始する前に庫内に二酸化炭素が充填され、濃度調節運転の当初より二酸化炭素優先制御が実行される。
《途中充填例》
図12に示すように、コンテナ(11)の庫内へ植物(15)が積み込まれた後、庫内に二酸化炭素が充填されることなく、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられ、濃度調節運転が開始される(図12の点O)。ここでは、一例として、当初の目標酸素濃度SPO2が5%、目標二酸化炭素濃度SPCO2が5%で濃度調節運転が開始され、庫内空気の酸素濃度が13%に到達したところで庫内に二酸化炭素が充填される例について説明する。
図12に示すように、コンテナ(11)の庫内へ植物(15)が積み込まれた後、庫内に二酸化炭素が充填されることなく、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられ、濃度調節運転が開始される(図12の点O)。ここでは、一例として、当初の目標酸素濃度SPO2が5%、目標二酸化炭素濃度SPCO2が5%で濃度調節運転が開始され、庫内空気の酸素濃度が13%に到達したところで庫内に二酸化炭素が充填される例について説明する。
CA装置(60)は、酸素濃度低下モードで濃度調節運転を開始し、図8に示す電源ON時の優先判定を行う。本例では、目標酸素濃度SPO2が5%で目標二酸化炭素濃度SPCO2が5%であるため、ステップS1、ステップS3、ステップS5と進む。そして、二酸化炭素フラグの初期値は非アクティブ状態であるため、ステップS5からステップS7に進み、さらに、運転開始直後の庫内空気は庫内に何らガスが充填されず、大気と等しい組成であるため、ステップS9、ステップS11と進み、酸素優先制御の実行が決定され、実行される。これにより、コンテナ(11)の庫内に窒素濃縮空気が供給される一方、窒素濃縮空気を供給した分だけ庫内空気が庫外へ排出される。このようなガス供給動作と排気動作とにより、コンテナ(11)の庫内空気が窒素濃縮空気に置換され、庫内空気の酸素濃度が低下する(図12の点O→点P)。
本例では、このような酸素優先制御が実行されて庫内空気の酸素濃度が低下する最中に、コンテナ(11)の庫内に二酸化炭素が充填される(図12の点P)。庫内に二酸化炭素が充填されると、庫内空気の二酸化炭素濃度が上昇すると共に、二酸化炭素の充填分だけ庫内空気がコンテナ(11)の庫外へ押し出されて庫内空気の酸素濃度が低下する(図12の点P→点Q)。
なお、庫内への二酸化炭素の充填時に、目標酸素濃度SPO2が3%、目標二酸化炭素濃度SPCO2が14%に設定されたとする。これにより、CA装置(60)は、図9に示す濃度調節運転中の優先判定において、ステップS21、ステップS22、ステップS23へと進み、二酸化炭素優先制御の実行が決定され、実行する制御が酸素優先制御から二酸化炭素優先制御に変更される。
上述のコンテナ(11)の庫内への二酸化炭素の充填により、庫内空気の二酸化炭素濃度が7.5%になったとする。二酸化炭素優先制御の開始当初、庫内空気の二酸化炭素濃度が7.5%でガス供給動作の開始濃度(例えば、14.5%)に到達していないため、ガス供給動作及び排気動作をすぐに開始せず、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度に到達するまで待機させる(図12の点Q→点R)。そして、庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度に到達したところで上記ガス供給動作及び排気動作を開始する(図12の点R)。
上記ガス供給動作及び排気動作の開始後は、上述したように、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作及び排気動作の停止と再開とを繰り返し、庫内空気の二酸化炭素濃度は目標二酸化炭素濃度SPCO2(14%)付近に維持しつつ、庫内空気の酸素濃度を低下させる(図12の点R→点S)。
やがて、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(3%)に至ると、酸素濃度低下モードから空気組成調整モードに遷移し、二酸化炭素優先フラグを初期化し(非アクティブ状態にし)、二酸化炭素優先制御を終了する(図12の点S)。
このように、途中充填例では、庫内へ植物(15)が積み込まれた後、二酸化炭素が充填されないままCA装置(60)による濃度調節運転が開始され、酸素優先制御の実行中にコンテナ(11)の庫内に二酸化炭素が充填されて途中から二酸化炭素優先制御が実行される。
−実施形態の効果−
以上のように、本実施形態によれば、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、ガス供給動作を行って庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より低い限界濃度まで低下すると、ガス供給動作を停止し、ガス供給動作の停止中に、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より高い再開濃度(本実施形態では13.5%)に到達すると、ガス供給動作を再開する二酸化炭素優先制御を実行するように構成した。この二酸化炭素優先制御によれば、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作の実行と停止とを制御することにより、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場面において、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持しながら庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度に向かって低下させることができる。よって、従来のように、二酸化炭素の充填後にガス供給動作を連続運転するために、庫内空気の酸素濃度の低下と共に二酸化炭素濃度が著しく低下するようなことがなく、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が重要な植物が庫内に積み込まれた場合であっても、その鮮度を維持することができる。
以上のように、本実施形態によれば、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、ガス供給動作を行って庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より低い限界濃度まで低下すると、ガス供給動作を停止し、ガス供給動作の停止中に、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より高い再開濃度(本実施形態では13.5%)に到達すると、ガス供給動作を再開する二酸化炭素優先制御を実行するように構成した。この二酸化炭素優先制御によれば、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作の実行と停止とを制御することにより、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場面において、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持しながら庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度に向かって低下させることができる。よって、従来のように、二酸化炭素の充填後にガス供給動作を連続運転するために、庫内空気の酸素濃度の低下と共に二酸化炭素濃度が著しく低下するようなことがなく、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が重要な植物が庫内に積み込まれた場合であっても、その鮮度を維持することができる。
ところで、ガス供給動作が開始されると庫内空気の酸素濃度と共に二酸化炭素濃度も低下するため、庫内空気の二酸化炭素濃度が低いままガス供給動作を開始すると、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度まで上昇させるどころか逆に低下させてしまい、目標二酸化炭素濃度に到達させるまでに時間を要してしまう。
そこで、本実施形態では、二酸化炭素優先制御の開始後、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度よりも高い所定の開始濃度に到達するまでは、ガス供給動作を開始せず、庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達してからガス供給動作を開始することとしている。このように庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達してからガス供給動作を開始することによって、二酸化炭素優先制御の開始後、庫内空気の二酸化炭素濃度を速やかに目標二酸化炭素濃度に近づけることができる。よって、上記制御によれば、二酸化炭素優先制御の開始直後からガス供給動作を始める場合に比べて、早い段階で庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することができる。従って、庫内空気の組成を、二酸化炭素濃度を高く維持することが重要な植物の鮮度維持に好ましい組成に早く調節することができる。
また、本実施形態によれば、制御部(55)が、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、庫内空気の二酸化炭素濃度に拘わらずにガス供給動作を行って庫内空気の酸素濃度を低下させる酸素優先制御と、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作を制御して庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持しながら庫内空気の酸素濃度を低下させる二酸化炭素優先制御とを選択して実行できるように構成されている。これにより、例えば、庫内空気の酸素濃度を低く維持することが二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度に調節することよりも重要な植物が庫内に積み込まれた場合には、酸素優先制御を実行し、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が重要な植物が庫内に積み込まれた場合には、二酸化炭素優先制御を実行することが可能となる。従って、幅広い植物の鮮度維持が可能となる。
また、本実施形態によれば、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い上限濃度以上であり、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場合に、制御部(55)が所定の優先判定を行い、酸素優先制御を実行するのか二酸化炭素優先制御を実行するのかを決定し、決定した制御を実行するようにした。これにより、作業者が酸素優先制御と二酸化炭素優先制御とでいずれの制御を実行するのかを選択する必要がなく、制御部(55)の優先判定によって実行すべき制御を自動的に決定し、自動的に実行することができる。従って、作業者の誤操作によって適切でない制御が実行されることがない。従って、植物(15)の鮮度維持の確実性を上げることができる。
また、本実施形態によれば、制御部(55)は、目標二酸化炭素濃度が所定値より高い場合、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度を測定することなく、目標二酸化炭素濃度のみによって容易に優先判定を行うことができる。
ところで、ガス供給動作を行っても、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度が共に低下するだけであるため、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和が、大気中の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和である21%より高くなることはない。
そこで、本実施形態では、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和が21%以上の所定の増加濃度である22%より高い場合、コンテナ(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを測定して演算するだけで容易に優先判定を行うことができる。
ところで、ガス供給動作を行っても、庫内空気の二酸化炭素濃度は低下するだけであるため、CA装置(60)の運転中に、所定時間の間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加することはない。
そこで、本実施形態では、制御部(55)は、所定時間の間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加した場合、コンテナ(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度を測定して上昇量を演算するだけで容易に優先判定を行うことができる。
ところで、CA装置(60)の電源がOFF状態である場合、庫内空気の組成は、植物(15)の呼吸によってしか変化しないため、CA装置(60)の電源がOFF状態になってから一日経過するまでの間にON状態になった場合、その間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加することはない。
そこで、本実施形態では、制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態からOFF状態へ切り換えられた後、一日経過しない間に再びON状態に切り換えられ、庫内空気の二酸化炭素濃度が、電源がOFF状態に切り換えられる直前に比べて所定値以上上昇した場合に、CA装置(60)の電源がOFF状態の際にコンテナ(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度を測定して上昇量を演算するだけで容易に優先判定を行うことができる。
ところで、優先判定を行い、例えば、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、実行していたにも拘わらず、意図せずにCA装置(60)の電源がOFF状態になることがある。
そこで、本実施形態では、制御部(55)は、優先判定において二酸化炭素優先制御の実行を決定したときに、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にすることとし、CA装置(60)の電源がOFF状態からON状態に切り換えられた場合に、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態である場合、優先判定において二酸化炭素優先制御を維持すべきであると推定し、そのまま二酸化炭素優先制御を維持することとしている。そのため、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、実行していたにも拘わらず、意図せずにCA装置(60)の電源がOFF状態になってしまった場合であっても、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態であるため、優先判定において様々な判定を行うことなく、容易に二酸化炭素優先制御を維持することができる。
また、本実施形態によれば、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度に維持しながら庫内空気の酸素濃度を低下させることができるCA装置(60)を備えたコンテナ用冷凍装置(10)を提供することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態において説明した目標酸素濃度SPO2及び目標二酸化炭素濃度SPCO2は、一例であり、上述の値に限られない。
上記実施形態において説明した目標酸素濃度SPO2及び目標二酸化炭素濃度SPCO2は、一例であり、上述の値に限られない。
また、上記実施形態において説明した優先判定も上述のものに限られず、庫内に二酸化炭素が充填された等、二酸化炭素優先制御が明らかに必要となる状況を検知したり、逆に、二酸化炭素優先制御が明らかに不要である状況を検知したりすることができる判定であれば、いかなるものであってもよい。
また、上記実施形態において説明した上限濃度、限界濃度、再開濃度、開始濃度として示した濃度はあくまで一例であり、本発明に係る上限濃度、限界濃度、再開濃度、開始濃度は、上記実施形態において示した濃度に限定されない。
また、上記優先判定のステップS7及びステップS29において、庫内空気の二酸炭素濃度と酸素濃度との和と比較する濃度22%は、大気中の二酸化炭素濃度と酸素濃度との和である21%以上の所定の増加濃度の一例であり、23%や24%のように22%以上の濃度であってもよく、逆に、21%以上であれば22%以下の濃度であってもよい。
また、上記実施形態では、ガス供給装置(30)において加圧下で窒素成分を吸着する吸着剤を用いて窒素濃縮空気を生成していたが、吸着剤として酸素成分を吸着させる活性炭を用いて窒素濃縮空気を生成することとしてもよい。
また、上記各実施形態では、海上輸送用のコンテナ(11)に設けられるコンテナ用冷凍装置(10)に本発明に係るCA装置(60)を適用した例について説明したが、本発明に係るCA装置(60)の用途はこれに限られない。本発明に係るCA装置(60)は、海上輸送用のコンテナの他、例えば、陸上輸送用のコンテナ、単なる冷凍冷蔵倉庫、常温の倉庫等の庫内空気の組成調節に用いることができる。
以上説明したように、本発明は、植物が収容される収納庫の庫内空気の組成を調節する庫内空気調節装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置について有用である。
10 コンテナ用冷凍装置
11 コンテナ(収納庫)
15 植物
30 ガス供給装置
55 制御部
60 CA装置(庫内空気調節装置)
11 コンテナ(収納庫)
15 植物
30 ガス供給装置
55 制御部
60 CA装置(庫内空気調節装置)
本発明は、植物が収容される収納庫の庫内空気の組成を調節する庫内空気調節装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置に関するものである。
従来、海上輸送等に用いられるコンテナの庫内空気を冷却するために、冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えたコンテナ用冷凍装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。コンテナの庫内には、例えば、バナナやアボガド等の植物が積み込まれるが、植物は、収穫後であっても空気中の酸素を取り込んで二酸化炭素を放出する呼吸を行う。植物が呼吸を行うと、植物に蓄えられた養分と水分とが減少し、鮮度が低下する。そのため、収容庫の庫内の酸素濃度は、呼吸障害が起きない程度に低い方が好ましい。
そこで、特許文献1のコンテナ用冷凍装置には、加圧すると空気中の窒素成分が吸着する吸着剤を用いて、空気よりも窒素濃度が高く酸素濃度が低い窒素濃縮空気を生成し、該窒素濃縮空気をコンテナの庫内に供給することにより、庫内空気の酸素濃度を低下させて植物の呼吸量を低減するガス供給装置が設けられている。特許文献1では、このようにガス供給装置によって窒素濃縮空気をコンテナの庫内に供給することにより、庫内空気の酸素濃度を低下させて植物の呼吸量を低減して植物の鮮度を維持しやすくしている。
ところで、庫内に積み込まれる植物によっては、鮮度を維持するために、庫内空気の酸素濃度を低く維持する一方、二酸化炭素濃度を比較的高い状態に維持する必要があるものがある。また、この種の植物の中には、ブルーベリーやアスパラガス等、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が鮮度を維持する上で重要となるものがある。
そこで、従来、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が鮮度維持に重要となる植物をコンテナに積み込む際には、まず、コンテナ庫内に二酸化炭素を充填して庫内空気の二酸化炭素濃度を所望の濃度まで上昇させた後に、コンテナの庫内に窒素濃縮空気を供給することによって、庫内空気の酸素濃度を低下させることで庫内空気の組成を所望の状態に調節していた。
ところで、通常、ガス充填時には、充填した分量だけ庫内空気が庫内から排出されるため、上述のように、二酸化炭素の充填後に窒素濃縮空気を庫内に供給すると、窒素濃縮空気の充填時に先に充填した二酸化炭素が庫内から排出されてしまう。そのため、窒素濃縮空気の充填時に庫内空気の二酸化炭素濃度が低下することとなり、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が重要な植物が積み込まれた場合に、その鮮度を維持することができなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度に維持しながら酸素濃度を低下させることができる庫内空気調節装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置を提供することにある。
第1の発明は、呼吸を行う植物(15)が収納される収納庫(11)の庫内に、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気を供給するガス供給動作を行うガス供給装置(30)と、上記収納庫(11)の庫内空気の組成が所望の組成になるように上記ガス供給動作を制御する制御部(55)とを備えた庫内空気調節装置であって、上記制御部(55)は、上記庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、上記ガス供給動作を行って上記庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より低い限界濃度まで低下すると、上記ガス供給動作を停止し、上記ガス供給動作の停止中に、上記植物(15)の呼吸によって上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記目標二酸化炭素濃度より高い再開濃度に到達すると、上記ガス供給動作を再開する二酸化炭素優先制御を実行するように構成されている。
第1の発明では、制御部(55)によって、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気を収納庫(11)の庫内に供給するガス供給装置(30)のガス供給動作を制御することにより、収納庫(11)の庫内空気の組成が所望の組成に調節される。
ここで、第1の発明では、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度の調節よりも二酸化炭素濃度の調節を優先させる二酸化炭素優先制御を実行するように構成されている。二酸化炭素優先制御では、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い上限濃度以上であり、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場合であっても、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度よりも低い限界濃度まで低下している場合には、庫内空気の酸素濃度を低下させるためのガス供給動作を停止することとしている。そして、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度を上昇させ、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より高い再開濃度に到達すると、ガス供給動作を再開する。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度付近に維持されつつ庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度に向かって低下していくこととなる。つまり、二酸化炭素優先制御では、庫内空気の酸素濃度を早く目標酸素濃度に到達させることよりも、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素付近に維持することが優先される。
第2の発明は、第1の発明において、上記制御部(55)は、上記二酸化炭素優先制御の開始時に上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記目標二酸化炭素濃度よりも高い所定の開始濃度未満である場合、上記植物(15)の呼吸によって上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達するまでは上記ガス供給動作を行わず、上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達してから上記ガス供給動作を行うように構成されている。
ところで、ガス供給動作が開始されると庫内空気の酸素濃度と共に二酸化炭素濃度も低下するため、庫内空気の二酸化炭素濃度が低いままガス供給動作を開始すると、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度まで上昇させるどころか逆に低下させてしまい、目標二酸化炭素濃度に到達させるまでに時間を要してしまう。
そこで、第2の発明では、二酸化炭素優先制御の開始時に庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度よりも高い所定の開始濃度未満である場合、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達するまでは、ガス供給動作を行わず、庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達してからガス供給動作を行うこととしている。このように庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達してからガス供給動作を行うことによって、二酸化炭素優先制御の開始後、庫内空気の二酸化炭素濃度が速やかに目標二酸化炭素濃度に近づく。そして、その後のガス供給動作の停止と再開の繰り返しにより、庫内空気の二酸化炭素濃度は、目標二酸化炭素濃度付近で維持されることとなる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記制御部(55)は、上記庫内空気の酸素濃度が上記上限濃度以上であるときに、上記庫内空気の二酸化炭素濃度に拘わらずに上記ガス供給動作を行って上記庫内空気の酸素濃度を低下させる酸素優先制御と、上記二酸化炭素優先制御とを選択的に実行するように構成されている。
第3の発明では、制御部(55)が、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、庫内空気の二酸化炭素濃度に拘わらずにガス供給動作を行って庫内空気の酸素濃度を低下させる酸素優先制御と、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作を制御して庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持しながら庫内空気の酸素濃度を低下させる二酸化炭素優先制御とを選択して実行できるように構成されている。
第4の発明は、第3の発明において、上記制御部(55)は、上記庫内空気の酸素濃度が上記上限濃度以上であるときに、上記酸素優先制御及び上記二酸化炭素優先制御のいずれを実行するかを決定する所定の優先判定を行うように構成されている。
第4の発明では、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い上限濃度以上であり、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場合に、制御部(55)が所定の優先判定を行い、庫内空気の酸素濃度の低下を優先させる酸素優先制御を実行するのか、庫内空気の酸素濃度の低下よりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させる二酸化炭素優先制御を実行するのかを決定する。そして、優先判定によって決定された制御を実行することにより、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度のそれぞれが目標濃度となる。
第5の発明は、第4の発明において、上記制御部(55)は、上記目標二酸化炭素濃度が所定値より高い場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている。
第5の発明では、制御部(55)は、目標二酸化炭素濃度が所定値より高い場合、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。
第6の発明は、第4の発明において、上記制御部(55)は、上記庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和が21%以上の所定の増加濃度より高い場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている。
ところで、ガス供給動作を行っても、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度が共に低下するだけであるため、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和が、大気中の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和である21%より高くなることはない。
そこで、第6の発明では、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和が21%以上の所定の増加濃度より高い場合、収納庫(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。
第7の発明は、第4の発明において、上記制御部(55)は、上記ガス供給動作中に、所定時間の間に上記庫内空気の二酸化炭素濃度が所定値以上増加した場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている。
ところで、ガス供給動作を行っても、庫内空気の二酸化炭素濃度は低下するだけであるため、庫内空気調節装置の運転中に、所定時間の間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加することはない。
そこで、第7の発明では、制御部(55)は、所定時間の間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加した場合、収納庫(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。
第8の発明は、第4の発明において、上記制御部(55)は、上記庫内空気調節装置の電源がON状態からOFF状態へ切り換えられた後、一日経過しない間に再びON状態に切り換えられた場合であって、上記庫内空気の二酸化炭素濃度が、上記庫内空気調節装置の電源がOFF状態に切り換えられる直前に比べて所定値以上上昇した場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている。
ところで、庫内空気調節装置の電源がOFF状態である場合、庫内空気の組成は、植物(15)の呼吸によってしか変化しないため、庫内空気調節装置の電源がOFF状態になってから一日経過するまでの間にON状態になった場合、その間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加することはない。
そこで、第8の発明では、制御部(55)は、庫内空気調節装置の電源がON状態からOFF状態へ切り換えられた後、一日経過しない間に再びON状態に切り換えられ、庫内空気の二酸化炭素濃度が、電源がOFF状態に切り換えられる直前に比べて所定値以上上昇した場合に、庫内空気調節装置の電源がOFF状態の際に収納庫(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。
第9の発明は、第4の発明において、上記制御部(55)は、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定したときに、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし、上記優先判定において上記酸素優先制御の実行を決定したとき及び所定の初期化条件を満たすときに上記二酸化炭素優先フラグを非アクティブ状態にするように構成され、上記庫内空気調節装置の電源がOFF状態からON状態に切り換えられた場合であって、上記二酸化炭素優先フラグが上記アクティブ状態である場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている。
ところで、優先判定を行い、例えば、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、実行していたにも拘わらず、意図せずに庫内空気調節装置の電源がOFF状態になることがある。
そこで、第9の発明では、上述のような場合に備え、制御部(55)は、優先判定において二酸化炭素優先制御の実行を決定したときに、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にすることとし、庫内空気調節装置の電源がOFF状態からON状態に切り換えられた場合に、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態である場合、優先判定において二酸化炭素優先制御を維持すべきであると推定し、そのまま二酸化炭素優先制御を維持することとしている。
第10の発明は、第1乃至第9のいずれか1つの発明に係る庫内空気調節装置(60)と、冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)とを備え、上記収納庫(11)であるコンテナの庫内空気を冷却すると共に該庫内空気の組成を調節するコンテナ用冷凍装置である。
第1の発明によれば、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高いときに、ガス供給動作を行って庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より低い限界濃度まで低下すると、ガス供給動作を停止し、ガス供給動作の停止中に、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より高い再開濃度に到達すると、ガス供給動作を再開する二酸化炭素優先制御を実行可能に構成した。この二酸化炭素優先制御によれば、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作の実行と停止とを制御することにより、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場面において、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持しながら庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度に向かって低下させることができる。よって、従来のように、二酸化炭素の充填後にガス供給動作を連続運転するために、庫内空気の酸素濃度の低下と共に二酸化炭素濃度が著しく低下するようなことがなく、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が重要な植物が庫内に積み込まれた場合であっても、その鮮度を維持することができる。
また、第2の発明によれば、二酸化炭素優先制御の開始時に庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度未満である場合、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達するまではガス供給動作が行われないようにしている。このように庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達してからガス供給動作を行うことによって、二酸化炭素優先制御の開始後、庫内空気の二酸化炭素濃度を速やかに目標二酸化炭素濃度に近づけることができる。よって、上記制御によれば、二酸化炭素優先制御の開始直後からガス供給動作を行う場合に比べて、早い段階で庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することができる。従って、庫内空気の組成を、二酸化炭素濃度を高く維持することが重要な植物の鮮度維持に好ましい組成に早く調節することができる。
また、第3の発明によれば、制御部(55)が、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、庫内空気の二酸化炭素濃度に拘わらずにガス供給動作を行って庫内空気の酸素濃度を低下させる酸素優先制御と、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作を制御して庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持しながら庫内空気の酸素濃度を低下させる二酸化炭素優先制御とを選択して実行できるように構成されている。これにより、例えば、庫内空気の酸素濃度を低く維持することが二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度に調節することよりも重要な植物が庫内に積み込まれた場合には、酸素優先制御を実行し、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が重要な植物が庫内に積み込まれた場合には、二酸化炭素優先制御を実行することが可能となる。従って、幅広い植物の鮮度維持が可能となる。
また、第4の発明によれば、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い上限濃度以上であり、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場合に、制御部(55)が所定の優先判定を行い、酸素優先制御を実行するのか二酸化炭素優先制御を実行するのかを決定し、決定した制御を実行するようにした。これにより、作業者が酸素優先制御と二酸化炭素優先制御とでいずれの制御を実行するのかを選択する必要がなく、制御部(55)の優先判定によって実行すべき制御を自動的に決定し、自動的に実行することができる。従って、作業者の誤操作によって適切でない制御が実行されることがない。従って、植物(15)の鮮度維持の確実性を上げることができる。
また、第5の発明によれば、制御部(55)は、目標二酸化炭素濃度が所定値より高い場合、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度を測定することなく、目標二酸化炭素濃度のみによって容易に優先判定を行うことができる。
また、第6の発明によれば、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和が21%以上の所定の増加濃度より高い場合、収納庫(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを測定して演算するだけで容易に優先判定を行うことができる。
また、第7の発明によれば、制御部(55)は、所定時間の間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加した場合、収納庫(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度を測定して上昇量を演算するだけで容易に優先判定を行うことができる。
また、第8の発明によれば、制御部(55)は、庫内空気調節装置の電源がON状態からOFF状態へ切り換えられた後、一日経過しない間に再びON状態に切り換えられ、庫内空気の二酸化炭素濃度が、電源がOFF状態に切り換えられる直前に比べて所定値以上上昇した場合に、庫内空気調節装置の電源がOFF状態の際に収納庫(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度を測定して上昇量を演算するだけで容易に優先判定を行うことができる。
また、第9の発明によれば、制御部(55)は、優先判定において二酸化炭素優先制御の実行を決定したときに、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にすることとし、庫内空気調節装置の電源がOFF状態からON状態に切り換えられた場合に、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態である場合、優先判定において二酸化炭素優先制御を維持すべきであると推定し、そのまま二酸化炭素優先制御を維持することとしている。そのため、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、実行していたにも拘わらず、意図せずに庫内空気調節装置の電源がOFF状態になってしまった場合であっても、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態であるため、優先判定において様々な判定を行うことなく、容易に二酸化炭素優先制御を維持することができる。
また、第10の発明によれば、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度に維持しながら庫内空気の酸素濃度を低下させることができる庫内空気調節装置(60)を備えたコンテナ用冷凍装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
《本発明の実施形態》
図1及び図2に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、海上輸送等に用いられるコンテナ(収納庫)(11)に設けられ、該コンテナ(11)の庫内空気を冷却するものである。コンテナ(11)の庫内には、植物(15)が箱詰めされた状態で収納されている。植物(15)は、空気中の酸素(O2)を取り込んで二酸化炭素(CO2)を放出する呼吸を行うものであり、例えば、バナナやアボカド等の青果物、野菜、穀物、球根、生花等である。
図1及び図2に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、海上輸送等に用いられるコンテナ(収納庫)(11)に設けられ、該コンテナ(11)の庫内空気を冷却するものである。コンテナ(11)の庫内には、植物(15)が箱詰めされた状態で収納されている。植物(15)は、空気中の酸素(O2)を取り込んで二酸化炭素(CO2)を放出する呼吸を行うものであり、例えば、バナナやアボカド等の青果物、野菜、穀物、球根、生花等である。
コンテナ(11)は、一方の端面が開口する細長い箱状に形成されている。コンテナ用冷凍装置(10)は、ケーシング(12)と、冷媒回路(20)と、CA装置(庫内空気調節装置/Controlled Atmosphere System)(60)とを備え、コンテナ(11)の開口端を塞ぐように取り付けられている。
〈ケーシング〉
図2に示すように、ケーシング(12)は、コンテナ(11)の庫外側に位置する庫外壁(12a)と、コンテナ(11)の庫内側に位置する庫内壁(12b)とを備えている。庫外壁(12a)及び庫内壁(12b)は、例えば、アルミニウム合金によって構成されている。
図2に示すように、ケーシング(12)は、コンテナ(11)の庫外側に位置する庫外壁(12a)と、コンテナ(11)の庫内側に位置する庫内壁(12b)とを備えている。庫外壁(12a)及び庫内壁(12b)は、例えば、アルミニウム合金によって構成されている。
庫外壁(12a)は、コンテナ(11)の開口端を塞ぐようにコンテナ(11)の開口の周縁部に取り付けられている。庫外壁(12a)は、下部がコンテナ(11)の庫内側へ膨出するように形成されている。
庫内壁(12b)は、庫外壁(12a)と対向して配置されている。庫内壁(12b)は、庫外壁(12a)の下部に対応して庫内側へ膨出している。庫内壁(12b)と庫外壁(12a)との間の空間には、断熱材(12c)が設けられている。
このように、ケーシング(12)の下部は、コンテナ(11)の庫内側に向かって膨出するように形成されている。これにより、ケーシング(12)の下部におけるコンテナ(11)の庫外側には庫外収納空間(S1)が形成され、ケーシング(12)の上部におけるコンテナ(11)の庫内側には庫内収納空間(S2)が形成されている。
図1に示すように、ケーシング(12)には、メンテナンス用の2つのサービス用開口(14)が幅方向に並んで形成されている。2つのサービス用開口(14)は、それぞれ開閉自在な第1及び第2サービス扉(16A,16B)によって閉塞されている。第1及び第2サービス扉(16A,16B)は、いずれもケーシング(12)と同様に、庫外壁と庫内壁と断熱材とによって構成されている。
図2に示すように、コンテナ(11)の庫内には、仕切板(18)が配置されている。この仕切板(18)は、略矩形状の板部材に構成され、ケーシング(12)のコンテナ(11)の庫内側の面と対向する姿勢で立設されている。この仕切板(18)によって、コンテナ(11)の庫内と庫内収納空間(S2)とが区画されている。
仕切板(18)の上端とコンテナ(11)内の天井面との間には吸込口(18a)が形成されている。コンテナ(11)の庫内空気は、吸込口(18a)を通って庫内収納空間(S2)に取り込まれる。
また、庫内収納空間(S2)には、水平方向に延びる区画壁(13)が設けられている。区画壁(13)は、仕切板(18)の上端部に取り付けられ、後述する庫内ファン(26)が設置される開口が形成されている。区画壁(13)は、庫内収納空間(S2)を、庫内ファン(26)の吸込側の1次空間(S21)と、庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)とに区画する。なお、本実施形態では、庫内収納空間(S2)は、区画壁(13)によって上下に区画され、吸込側の1次空間(S21)が上側、吹出側の2次空間(S22)が下側に形成されている。
コンテナ(11)内には、コンテナ(11)の底面との間に隙間を存して床板(19)が設けられている。床板(19)上には、箱詰めされた植物(15)が載置されている。コンテナ(11)内の底面と床板(19)との間には、床下流路(19a)が形成されている。仕切板(18)の下端とコンテナ(11)内の底面との間には隙間が設けられ、床下流路(19a)に連通している。
床板(19)におけるコンテナ(11)の奥側(図2で右側)には、コンテナ用冷凍装置(10)によって冷却された空気をコンテナ(11)の庫内へ吹き出す吹出口(18b)が形成されている。
〈冷媒回路等の構成と配置〉
図3に示すように、冷媒回路(20)は、圧縮機(21)と、凝縮器(22)と、膨張弁(23)と、蒸発器(24)とを、冷媒配管(20a)によって順に接続することによって構成された閉回路である。
図3に示すように、冷媒回路(20)は、圧縮機(21)と、凝縮器(22)と、膨張弁(23)と、蒸発器(24)とを、冷媒配管(20a)によって順に接続することによって構成された閉回路である。
凝縮器(22)の近傍には、庫外ファンモータ(25a)によって回転駆動され、コンテナ(11)の庫外空間の空気(外気)を庫外収納空間(S1)内へ誘引して凝縮器(22)へ送る庫外ファン(25)が設けられている。凝縮器(22)では、圧縮機(21)で加圧されて凝縮器(22)の内部を流れる冷媒と庫外ファン(25)によって凝縮器(22)に送られた外気との間で熱交換が行われる。本実施形態では、庫外ファン(25)は、プロペラファンによって構成されている。
蒸発器(24)の近傍には、庫内ファンモータ(26a)によって回転駆動され、コンテナ(11)の庫内空気を吸込口(18a)から誘引して蒸発器(24)へ吹き出す庫内ファン(26)が2つ設けられている。蒸発器(24)では、膨張弁(23)によって減圧されて蒸発器(24)の内部を流れる冷媒と庫内ファン(26)によって蒸発器(24)に送られた庫内空気との間で熱交換が行われる。
図2に示すように、庫内ファン(26)は、プロペラファン(回転翼)(27a)と、複数の静翼(27b)と、ファンハウジング(27c)とを有している。プロペラファン(27a)は、庫内ファンモータ(26a)に連結され、庫内ファンモータ(26a)によって回転軸周りに回転駆動されて軸方向に送風する。複数の静翼(27b)は、プロペラファン(27a)の吹出側に設けられて該プロペラファン(27a)から吹き出されて旋回する空気流れを整流する。ファンハウジング(27c)は、複数の静翼(27b)が内周面に取り付けられた円筒部材によって構成され、プロペラファン(27a)の外周まで延び、プロペラファン(27a)の外周を取り囲んでいる。
図1に示すように、圧縮機(21)及び凝縮器(22)は、庫外収納空間(S1)に収納されている。凝縮器(22)は、庫外収納空間(S1)の上下方向の中央部分において、該庫外収納空間(S1)を下側の第1空間(S11)と上側の第2空間(S12)とに区画するように設けられている。第1空間(S11)には、上記圧縮機(21)と、該圧縮機(21)を可変速で駆動するための駆動回路が収納されたインバータボックス(29)と、CA装置(60)のガス供給装置(30)とが設けられている。一方、第2空間(S12)には、庫外ファン(25)と、電装品ボックス(17)とが設けられている。第1空間(S11)は、コンテナ(11)の庫外空間に対して開放される一方、第2空間(S12)は、庫外ファン(25)の吹出口のみが庫外空間に開口するように庫外空間との間が板状部材によって閉塞されている。
一方、図2に示すように、蒸発器(24)は、庫内収納空間(S2)の2次空間(S22)に収納されている。庫内収納空間(S2)における蒸発器(24)の上方位置には、ケーシング(12)の幅方向に並んで2つの庫内ファン(26)が設けられている(図1参照)。
〈CA装置〉
図4〜図6に示すように、CA装置(60)は、ガス供給装置(30)と、排気部(46)と、センサユニット(50)と、制御部(55)とを備え、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを調節するものである。なお、以下の説明で用いる「濃度」は、全て「体積濃度」を指す。
図4〜図6に示すように、CA装置(60)は、ガス供給装置(30)と、排気部(46)と、センサユニット(50)と、制御部(55)とを備え、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを調節するものである。なお、以下の説明で用いる「濃度」は、全て「体積濃度」を指す。
[ガス供給装置]
−ガス供給装置の構成−
ガス供給装置(30)は、コンテナ(11)の庫内に供給するための低酸素濃度の窒素濃縮空気を生成する装置である。本実施形態では、ガス供給装置(30)は、VPSA(Vacuum Pressure Swing Adsorption)によって構成されている。また、ガス供給装置(30)は、図1に示すように、庫外収納空間(S1)の左下のコーナー部に配置されている。
−ガス供給装置の構成−
ガス供給装置(30)は、コンテナ(11)の庫内に供給するための低酸素濃度の窒素濃縮空気を生成する装置である。本実施形態では、ガス供給装置(30)は、VPSA(Vacuum Pressure Swing Adsorption)によって構成されている。また、ガス供給装置(30)は、図1に示すように、庫外収納空間(S1)の左下のコーナー部に配置されている。
図4に示すように、ガス供給装置(30)は、エアポンプ(31)と、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)と、空気中の窒素成分を吸着するための吸着剤が設けられた第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)とが接続された空気回路(3)と、該空気回路(3)の構成部品が収納されたユニットケース(70)とを有している。
(エアポンプ)
エアポンプ(31)は、ユニットケース(70)内に設けられ、それぞれ空気を吸引して加圧して吐出する第1ポンプ機構(加圧部)(31a)及び第2ポンプ機構(減圧部)(31b)を有している。第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)は、モータ(31c)の駆動軸に接続され、モータ(31c)によって回転駆動されることにより、それぞれ空気を吸引して加圧して吐出する。
エアポンプ(31)は、ユニットケース(70)内に設けられ、それぞれ空気を吸引して加圧して吐出する第1ポンプ機構(加圧部)(31a)及び第2ポンプ機構(減圧部)(31b)を有している。第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)は、モータ(31c)の駆動軸に接続され、モータ(31c)によって回転駆動されることにより、それぞれ空気を吸引して加圧して吐出する。
第1ポンプ機構(31a)の吸込口は、ユニットケース(70)を内外に貫通するように設けられた外気通路(41)の一端が接続されている。外気通路(41)の他端には、通気性と防水性を有するメンブレンフィルタ(77)が設けられている。外気通路(41)は、可撓性を有するチューブによって構成されている。図示を省略するが、メンブレンフィルタ(77)が設けられた外気通路(41)の他端は、庫外収納空間(S1)の凝縮器(22)の上方の第2空間(S12)に設けられている。このような構成により、第1ポンプ機構(31a)は、外気通路(41)の他端に設けられたメンブレンフィルタ(77)を介してユニットケース(70)の外から中へ流入する際に水分が除去された外気を吸い込んで加圧する。
一方、第1ポンプ機構(31a)の吐出口には加圧通路(42)の一端が接続されている。該加圧通路(42)の他端は、下流側において2つに分岐して第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)のそれぞれに接続されている。加圧通路(42)は、大部分が樹脂製のチューブによって構成され、一部分がユニットケース(70)の外部に設けられた冷却部(42a)に構成されている。冷却部(42a)は、本実施形態では、樹脂製のチューブの中途部に接続されて庫外収納空間(S1)に設けられた銅管によって構成されている。このような構成により、第1ポンプ機構(31a)によって加圧されて加圧通路(42)を流れる加圧空気は、銅管によって構成された冷却部(42a)を通過する際に、該冷却部(42a)が設けられた庫外収納空間(S1)において外気に放熱して冷却される。
第2ポンプ機構(31b)の吸込口には、減圧通路(43)の一端が接続されている。該減圧通路(43)の他端は、上流側において2つに分かれ、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)のそれぞれに接続されている。一方、第2ポンプ機構(31b)の吐出口には、供給通路(44)の一端が接続されている。供給通路(44)の他端は、コンテナ(11)の庫内収納空間(S2)における庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)において開口している。供給通路(44)の他端部には、一端から他端へ向かう向きの空気の流通のみを許容し、空気の逆流を防止する逆止弁(91)が設けられている。
なお、本実施形態では、加圧通路(42)と減圧通路(43)とは、バイパス通路(71)によって接続されている。バイパス通路(71)には、制御部(55)によって開閉制御されるバイパス開閉弁(72)が設けられている。
エアポンプ(31)の第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)は、潤滑用のオイルを使用しないオイルレスのポンプで構成されている。また、エアポンプ(31)の側方には、エアポンプ(31)に向かって送風することでエアポンプ(31)を冷却するための送風ファン(48)が2つ設けられている。
(方向制御弁)
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)は、空気回路(3)におけるエアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との間に設けられ、エアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との接続状態を後述する3つの接続状態(第1〜第3の接続状態)に切り換えるものである。この切り換え動作は、制御部(55)によって制御される。
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)は、空気回路(3)におけるエアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との間に設けられ、エアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との接続状態を後述する3つの接続状態(第1〜第3の接続状態)に切り換えるものである。この切り換え動作は、制御部(55)によって制御される。
具体的に、第1方向制御弁(32)は、第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続された加圧通路(42)と、第2ポンプ機構(31b)の吸込口に接続された減圧通路(43)と、第1吸着筒(34)の一端部(加圧時の流入口)とに接続される。この第1方向制御弁(32)は、第1吸着筒(34)を第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通させて第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断する第1状態(図4に示す状態)と、第1吸着筒(34)を第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通させて第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断する第2状態(図5に示す状態)とに切り換わる。
第2方向制御弁(33)は、第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続された加圧通路(42)と、第2ポンプ機構(31b)の吸込口に接続された減圧通路(43)と、第2吸着筒(35)の一端部とに接続される。この第2方向制御弁(33)は、第2吸着筒(35)を第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通させて第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断する第1状態(図4に示す状態)と、第2吸着筒(35)を第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通させて第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断する第2状態(図5に示す状態)とに切り換わる。
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を共に第1状態に設定すると、空気回路(3)が、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第1吸着筒(34)とが接続され且つ第2ポンプ機構(31b)の吸込口と第2吸着筒(35)とが接続される第1の接続状態に切り換わる(図4を参照)。この状態では、第1吸着筒(34)で外気中の窒素成分を吸着剤に吸着させる吸着動作が行われ、第2吸着筒(35)で吸着剤に吸着された窒素成分を脱着させる脱着動作が行われる。
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を共に第2状態に設定すると、空気回路(3)が、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第2吸着筒(35)とが接続され且つ第2ポンプ機構(31b)の吸込口と第1吸着筒(34)とが接続される第2の接続状態に切り換わる(図5を参照)。この状態では、第2吸着筒(35)で吸着動作が行われ、第1吸着筒(34)で脱着動作が行われる。
第1方向制御弁(32)を第1状態に設定し、第2方向制御弁(33)を第2状態に設定すると、空気回路(3)が、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第1吸着筒(34)とが接続され且つ第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第2吸着筒(35)とが接続される第3の接続状態に切り換わる(図6を参照)。この状態では、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続され、第1ポンプ機構(31a)によって第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方に加圧された外気が供給される。この状態では、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方で吸着動作が行われる。
(吸着筒)
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)は、内部に吸着剤が充填された円筒部材によって構成されている。第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填された吸着剤は、加圧下で窒素成分を吸着して、減圧下で吸着した窒素成分を脱着させる性質を有している。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)は、内部に吸着剤が充填された円筒部材によって構成されている。第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填された吸着剤は、加圧下で窒素成分を吸着して、減圧下で吸着した窒素成分を脱着させる性質を有している。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填された吸着剤は、例えば、窒素分子の分子径(3.0オングストローム)よりも小さく且つ酸素分子の分子径(2.8オングストローム)よりも大きな孔径の細孔を有する多孔体のゼオライトで構成されている。このような孔径のゼオライトで吸着剤を構成すれば、空気中の窒素成分を吸着することができる。
また、ゼオライトの細孔内には、陽イオンが存在しているために電場が存在し極性を生じているので、水分子などの極性分子を吸着する性質を有している。そのため、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填されたゼオライトからなる吸着剤には、空気中の窒素だけでなく、空気中の水分(水蒸気)も吸着される。そして、吸着剤に吸着された水分は、脱着動作によって窒素成分と共に吸着剤から脱着される。そのため、水分を含んだ窒素濃縮空気がコンテナ(11)の庫内に供給されることとなり、庫内の湿度を上げることができる。さらに、吸着剤が再生されるので、吸着剤の長寿命化を図ることができる。
このような構成により、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)では、エアポンプ(31)から加圧された外気が供給されて内部が加圧されると、吸着剤に該外気中の窒素成分が吸着する。その結果、外気よりも窒素成分が少なくなることで外気よりも窒素濃度が低く且つ酸素濃度が高い酸素濃縮空気が生成される。一方、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)では、エアポンプ(31)によって内部の空気が吸引されて減圧されると、吸着剤に吸着されていた窒素成分が脱着する。その結果、外気よりも窒素成分を多く含むことで外気よりも窒素濃度が高く且つ酸素濃度が低い窒素濃縮空気が生成される。本実施形態では、例えば、窒素濃度92%、酸素濃度8%の成分比率の窒素濃縮空気が生成される。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の他端部(加圧時の流出口)には、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が供給されて生成された酸素濃縮空気を、コンテナ(11)の庫外へ導くための酸素排出通路(45)の一端が接続されている。酸素排出通路(45)の一端は、2つに分岐し、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の他端部のそれぞれに接続されている。酸素排出通路(45)の他端は、ガス供給装置(30)の外部、即ち、コンテナ(11)の庫外において開口している。酸素排出通路(45)の第1吸着筒(34)の他端部に接続された部分及び第2吸着筒(35)の他端部に接続された部分には、酸素排出通路(45)から第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)への空気の逆流を防止するための逆止弁(92)がそれぞれ設けられている。
酸素排出通路(45)の中途部には、逆止弁(93)とオリフィス(94)とが一端から他端に向かって順に設けられている。逆止弁(93)は、後述する排気用接続通路(74)からの窒素濃縮空気の第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)側への逆流を防止する。オリフィス(94)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)から流出した酸素濃縮空気が庫外へ排出される前に減圧する。
(給排切換機構)
空気回路(3)には、生成した窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給する後述するガス供給動作と生成した窒素濃縮空気を庫外へ排出するガス排出動作とを切り換えるための給排切換機構が設けられている。給排切換機構は、排気用接続通路(74)と、排気用開閉弁(75)と、供給側開閉弁(76)とを有している。
空気回路(3)には、生成した窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給する後述するガス供給動作と生成した窒素濃縮空気を庫外へ排出するガス排出動作とを切り換えるための給排切換機構が設けられている。給排切換機構は、排気用接続通路(74)と、排気用開閉弁(75)と、供給側開閉弁(76)とを有している。
排気用接続通路(74)は、一端が供給通路(44)に接続され、他端が酸素排出通路(45)に接続されている。排気用接続通路(74)の他端は、酸素排出通路(45)のオリフィス(94)よりも庫外側に接続されている。
排気用開閉弁(75)は、排気用接続通路(74)に設けられている。排気用開閉弁(75)は、排気用接続通路(74)の中途部において、供給通路(44)から流入した窒素濃縮空気の流通を許容する開状態と、窒素濃縮空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。排気用開閉弁(75)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
供給側開閉弁(76)は、供給通路(44)における排気用接続通路(74)が接続される接続部よりも他端側(庫内側)に設けられている。供給側開閉弁(76)は、供給通路(44)の排気用接続通路(74)の接続部よりも庫内側において、窒素濃縮空気の庫内側への流通を許容する開状態と、窒素濃縮空気の庫内側への流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。供給側開閉弁(76)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
(測定ユニット)
空気回路(3)には、生成した窒素濃縮空気の濃度を、コンテナ(11)の庫内に設けられた後述するセンサユニット(50)の酸素センサ(51)を用いて測定する給気測定動作を行うための測定ユニット(80)が設けられている。測定ユニット(80)は、分岐管(測定用通路)(81)と測定用開閉弁(82)とを備え、供給通路(44)を流れる窒素濃縮空気の一部を分岐させて酸素センサ(51)に導くように構成されている。
空気回路(3)には、生成した窒素濃縮空気の濃度を、コンテナ(11)の庫内に設けられた後述するセンサユニット(50)の酸素センサ(51)を用いて測定する給気測定動作を行うための測定ユニット(80)が設けられている。測定ユニット(80)は、分岐管(測定用通路)(81)と測定用開閉弁(82)とを備え、供給通路(44)を流れる窒素濃縮空気の一部を分岐させて酸素センサ(51)に導くように構成されている。
具体的には、分岐管(81)は、一端が供給通路(44)に接続され、他端が酸素センサ(51)に連結されている。なお、本実施形態では、分岐管(81)は、ユニットケース(70)内において供給通路(44)から分岐し、ユニットケース(70)の内外に亘るように設けられている。分岐管(81)の他端部(庫内部分)には、一端から他端へ向かう向きの空気の流通のみを許容し、空気の逆流を防止する逆止弁(95)が設けられている。
測定用開閉弁(82)は、分岐管(81)のユニットケースの内部に設けられている。測定用開閉弁(82)は、分岐管(81)における窒素濃縮空気の流通を許容する開状態と、分岐管(81)における窒素濃縮空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。測定用開閉弁(82)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。詳細については後述するが、測定用開閉弁(82)は、後述する給気測定動作が実行される際にのみ開状態となり、その他のモードでは閉状態となる。
−ガス供給装置の運転動作−
(ガス生成動作)
ガス供給装置(30)では、第1吸着筒(34)が加圧されると同時に第2吸着筒(35)が減圧される第1動作(図4を参照)と、第1吸着筒(34)が減圧されると同時に第2吸着筒(35)が加圧される第2動作(図5を参照)とが、所定の時間(例えば、14.5秒)ずつ交互に繰り返し行われることにより、窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とが生成される。また、本実施形態では、第1動作と第2動作との各合間に、第1吸着筒(34)と第2吸着筒(35)のいずれもが加圧される均圧動作(図6を参照)が、所定の時間(例えば、1.5秒)行われる。各動作の切り換えは、制御部(55)が第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を操作することによって行われる。
(ガス生成動作)
ガス供給装置(30)では、第1吸着筒(34)が加圧されると同時に第2吸着筒(35)が減圧される第1動作(図4を参照)と、第1吸着筒(34)が減圧されると同時に第2吸着筒(35)が加圧される第2動作(図5を参照)とが、所定の時間(例えば、14.5秒)ずつ交互に繰り返し行われることにより、窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とが生成される。また、本実施形態では、第1動作と第2動作との各合間に、第1吸着筒(34)と第2吸着筒(35)のいずれもが加圧される均圧動作(図6を参照)が、所定の時間(例えば、1.5秒)行われる。各動作の切り換えは、制御部(55)が第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を操作することによって行われる。
《第1動作》
第1動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図4に示す第1状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断された第1接続状態となる。この第1接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第1吸着筒(34)に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が、第2吸着筒(35)から窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気を吸引する。
第1動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図4に示す第1状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断された第1接続状態となる。この第1接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第1吸着筒(34)に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が、第2吸着筒(35)から窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気を吸引する。
具体的には、第1ポンプ機構(31a)は、外気通路(41)を介して外気を吸い込んで加圧し、加圧した外気(加圧空気)を加圧通路(42)に吐出する。加圧通路(42)に吐出された加圧空気は、加圧通路(42)を流れ、ユニットケース(70)の外部であって庫外収納空間(S1)に設けられた冷却部(42a)に流入する。加圧空気は、冷却部(42a)を通過する際に、外気と熱交換して冷却され、その後、第1吸着筒(34)へ供給される。
このようにして、第1吸着筒(34)には、冷却された加圧空気が流入し、該加圧空気に含まれる窒素成分が吸着剤に吸着される。なお、吸着剤の吸着性能は、吸着材の温度が低くなる程向上する。そのため、上述のように、冷却部(42a)において加圧空気を予め冷却しておくことにより、冷却しない場合に比べて吸着剤への吸着性能が向上する。このように、第1動作中、第1吸着筒(34)では、上記第1ポンプ機構(31a)から加圧された外気が供給されて該外気中の窒素成分が吸着剤に吸着されることにより、窒素濃度が外気よりも低く酸素濃度が外気よりも高い酸素濃縮空気が生成される。酸素濃縮空気は、第1吸着筒(34)から酸素排出通路(45)に流出する。
一方、第2ポンプ機構(31b)は、第2吸着筒(35)から空気を吸引する。その際、第2吸着筒(35)の吸着剤に吸着された窒素成分が、空気と共に第2ポンプ機構(31b)に吸引されて吸着剤から脱着する。このように、第1動作中、第2吸着筒(35)では、第2ポンプ機構(31b)によって内部の空気が吸引されて吸着剤に吸着された窒素成分が脱着することにより、吸着剤から脱着した窒素成分を含み、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気が生成される。窒素濃縮空気は、第2ポンプ機構(31b)に吸い込まれ、加圧された後、供給通路(44)に吐出される。
《第2動作》
第2動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図5に示す第2状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断された第2接続状態となる。この第2接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第2吸着筒(35)に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が、第1吸着筒(34)から窒素濃縮空気を吸引する。
第2動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図5に示す第2状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断された第2接続状態となる。この第2接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第2吸着筒(35)に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が、第1吸着筒(34)から窒素濃縮空気を吸引する。
具体的には、第1ポンプ機構(31a)は、外気通路(41)を介して外気を吸い込んで加圧し、加圧した外気(加圧空気)を加圧通路(42)に吐出する。加圧通路(42)に吐出された加圧空気は、加圧通路(42)を流れ、ユニットケース(70)の外部であって庫外収納空間(S1)に設けられた冷却部(42a)に流入する。加圧空気は、冷却部(42a)を通過する際に、外気と熱交換して冷却され、その後、第2吸着筒(35)へ供給される。
このようにして、第2吸着筒(35)には、冷却された加圧空気が流入し、該加圧空気に含まれる窒素成分が吸着剤に吸着される。また、第2動作においても、冷却部(42a)において加圧空気を予め冷却しておくことにより、冷却しない場合に比べて吸着剤への吸着性能が向上する。このように、第2動作中、第2吸着筒(35)では、上記第1ポンプ機構(31a)から加圧された外気が供給されて該外気中の窒素成分が吸着剤に吸着されることにより、窒素濃度が外気よりも低く酸素濃度が外気よりも高い酸素濃縮空気が生成される。酸素濃縮空気は、第2吸着筒(35)から酸素排出通路(45)に流出する。
一方、第2ポンプ機構(31b)は、第1吸着筒(34)から空気を吸引する。その際、第1吸着筒(34)の吸着剤に吸着された窒素成分が、空気と共に第2ポンプ機構(31b)に吸引されて吸着剤から脱着する。このように、第2動作中、第1吸着筒(34)では、第2ポンプ機構(31b)によって内部の空気が吸引されて吸着剤に吸着された窒素成分が脱着することにより、吸着剤から脱着した窒素成分を含み、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気が生成される。窒素濃縮空気は、第2ポンプ機構(31b)に吸い込まれ、加圧された後、供給通路(44)に吐出される。
《均圧動作》
図6に示すように、均圧動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)が第1状態に切り換える一方、第2方向制御弁(33)が第2状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)が、共に第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断された第3接続状態となる。この第3接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が減圧通路(43)に残存する窒素濃縮空気を吸引する。
図6に示すように、均圧動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)が第1状態に切り換える一方、第2方向制御弁(33)が第2状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)が、共に第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断された第3接続状態となる。この第3接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が減圧通路(43)に残存する窒素濃縮空気を吸引する。
具体的には、第1ポンプ機構(31a)は、外気通路(41)を介して外気を吸い込んで加圧し、加圧した外気(加圧空気)を加圧通路(42)に吐出する。加圧通路(42)に吐出された加圧空気は、加圧通路(42)を流れ、ユニットケース(70)の外部であって庫外収納空間(S1)に設けられた冷却部(42a)に流入する。加圧空気は、冷却部(42a)を通過する際に、外気と熱交換して冷却され、その後、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方に供給される。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)では、流入した加圧空気に含まれる窒素成分が吸着剤に吸着され、酸素濃縮空気が生成される。酸素濃縮空気は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)から酸素排出通路(45)に流出する。
一方、第2ポンプ機構(31b)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)から遮断される。そのため、均圧動作中には、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において新たに窒素濃縮空気が生成されることはなく、第2ポンプ機構(31b)は、減圧通路(43)に残存する窒素濃縮空気を吸引して加圧した後、供給通路(44)に吐出する。
ところで、上述したように、第1動作中には、第1吸着筒(34)では第1ポンプ機構(31a)によって加圧されて吸着動作が行われ、第2吸着筒(35)では第2ポンプ機構(31b)によって減圧されて脱着動作が行われる。一方、第2動作中には、第2吸着筒(35)では第1ポンプ機構(31a)によって加圧されて吸着動作が行われ、第1吸着筒(34)では第2ポンプ機構(31b)によって減圧されて脱着動作が行われる。そのため、上述の均圧動作を挟むことなく、第1動作から第2動作へ切り換える又は第2動作から第1動作へ切り換えると、切り換え直後は、切り換え前に脱着動作を行っていた吸着筒内の圧力が著しく低いため、該吸着筒内の圧力が上昇するのに時間がかかり、すぐには吸着動作が行われない。
そこで、本実施形態では、第1動作から第2動作へ切り換える際、及び第2動作から第1動作へ切り換える際に、空気回路(3)を第3接続状態に切り換え、第1吸着筒(34)と第2吸着筒(35)とを、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を介して連通させることとしている。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の互いの内部圧力が、速やかに等しくなる(互いの内部圧力の中間の圧力になる)。このような均圧動作により、切り換え前に第2ポンプ機構(31b)によって減圧されて脱着動作を行っていた吸着筒内の圧力が、速やかに上昇するため、第1ポンプ機構(31a)への接続後、速やかに吸着動作が行われる。
このようにして、ガス供給装置(30)では、均圧動作(図6を参照)を挟みながら第1動作(図4を参照)と第2動作(図5を参照)とを交互に繰り返し行い、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気を生成する(ガス生成動作)。本実施形態では、平均窒素濃度(第1動作及び第2動作の各動作において、庫内に供給される窒素濃縮空気の窒素濃度の平均値)が92%、平均酸素濃度(第1動作及び第2動作の各動作において、庫内に供給される窒素濃縮空気の酸素濃度の平均値)が8%の窒素濃縮空気が生成される。
(ガス供給動作/ガス排出動作)
また、ガス供給装置(30)では、給排切換機構によって、ガス生成動作によって生成された窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給するガス供給動作と、脱着動作の開始時点から所定時間の間、ガス生成動作によって生成された窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内へ供給せずに排気するガス排出動作とが切り換えられる。
また、ガス供給装置(30)では、給排切換機構によって、ガス生成動作によって生成された窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給するガス供給動作と、脱着動作の開始時点から所定時間の間、ガス生成動作によって生成された窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内へ供給せずに排気するガス排出動作とが切り換えられる。
《ガス供給動作》
図4〜図6に示すように、ガス供給動作では、制御部(55)によって、排気用開閉弁(75)が閉状態に制御され、供給側開閉弁(76)が開状態に制御される。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において交互に生成された窒素濃縮空気が供給通路(44)を通ってコンテナ(11)の庫内へ供給され、酸素濃縮空気は酸素排出通路(45)を通って庫外へ排出される。
図4〜図6に示すように、ガス供給動作では、制御部(55)によって、排気用開閉弁(75)が閉状態に制御され、供給側開閉弁(76)が開状態に制御される。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において交互に生成された窒素濃縮空気が供給通路(44)を通ってコンテナ(11)の庫内へ供給され、酸素濃縮空気は酸素排出通路(45)を通って庫外へ排出される。
《ガス排出動作》
図示を省略するが、ガス排出動作では、制御部(55)によって、排気用開閉弁(75)が開状態に制御され、供給側開閉弁(76)が閉状態に制御される。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において交互に生成されて供給通路(44)に吐出された窒素濃縮空気は、供給通路(44)において供給側開閉弁(76)よりも庫内側への流通が阻止され、排気用接続通路(74)に流入する。排気用接続通路(74)に流入した窒素濃縮空気は、酸素排出通路(45)に流入し、酸素排出通路(45)を流れる酸素濃縮空気と共に庫外へ排出される。
図示を省略するが、ガス排出動作では、制御部(55)によって、排気用開閉弁(75)が開状態に制御され、供給側開閉弁(76)が閉状態に制御される。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において交互に生成されて供給通路(44)に吐出された窒素濃縮空気は、供給通路(44)において供給側開閉弁(76)よりも庫内側への流通が阻止され、排気用接続通路(74)に流入する。排気用接続通路(74)に流入した窒素濃縮空気は、酸素排出通路(45)に流入し、酸素排出通路(45)を流れる酸素濃縮空気と共に庫外へ排出される。
[排気部]
−排気部の構成−
図2に示すように、排気部(46)は、庫内収納空間(S2)と庫外空間とを繋ぐ排気通路(46a)と、排気通路(46a)に接続された排気弁(46b)と、排気通路(46a)の流入端部(庫内側端部)に設けられたメンブレンフィルタ(46c)とを有している。排気通路(46a)は、ケーシング(12)を内外に貫通するように設けられている。排気弁(46b)は、排気通路(46a)の庫内側に設けられ、排気通路(46a)における空気の流通を許容する開状態と、排気通路(46a)における空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。排気弁(46b)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
−排気部の構成−
図2に示すように、排気部(46)は、庫内収納空間(S2)と庫外空間とを繋ぐ排気通路(46a)と、排気通路(46a)に接続された排気弁(46b)と、排気通路(46a)の流入端部(庫内側端部)に設けられたメンブレンフィルタ(46c)とを有している。排気通路(46a)は、ケーシング(12)を内外に貫通するように設けられている。排気弁(46b)は、排気通路(46a)の庫内側に設けられ、排気通路(46a)における空気の流通を許容する開状態と、排気通路(46a)における空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。排気弁(46b)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
−排気部の運転動作−
庫内ファン(26)の回転の回転中に、制御部(55)によって排気弁(46b)を開くことによって、庫内に繋がる庫内収納空間(S2)の空気(庫内空気)が庫外へ排出される排気動作が行われる。
庫内ファン(26)の回転の回転中に、制御部(55)によって排気弁(46b)を開くことによって、庫内に繋がる庫内収納空間(S2)の空気(庫内空気)が庫外へ排出される排気動作が行われる。
具体的には、庫内ファン(26)が回転すると、吹出側の2次空間(S22)の圧力が、庫外空間の圧力(大気圧)よりも高くなる。これにより、排気弁(46b)が開状態であるときには、排気通路(46a)の両端部の間で生じる圧力差(庫外空間と2次空間(S22)との間の圧力差)により、庫内に繋がる庫内収納空間(S2)の空気(庫内空気)が排気通路(46a)を通って庫外空間へ排出される。
[センサユニット]
図2に示すように、センサユニット(50)は、庫内収納空間(S2)における庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)に設けられている。センサユニット(50)は、酸素センサ(51)と、二酸化炭素センサ(52)と、メンブレンフィルタ(54)と、連絡管(56)と、排気管(57)とを有している。
図2に示すように、センサユニット(50)は、庫内収納空間(S2)における庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)に設けられている。センサユニット(50)は、酸素センサ(51)と、二酸化炭素センサ(52)と、メンブレンフィルタ(54)と、連絡管(56)と、排気管(57)とを有している。
酸素センサ(51)は、ガルバニ電池式センサによって構成されている。一方、二酸化炭素センサ(52)は、非分散型赤外線方式(NDIR:non dispersive infrared)のセンサによって構成されている。酸素センサ(51)には、測定ユニット(80)の分岐管(81)が連結され、酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とは、連絡管(56)によって連結されている。また、二酸化炭素センサ(52)には、排気管(57)の一端が連結され、排気管(57)の他端は、庫内ファン(26)の吸込口の近傍において開口している。なお、酸素センサ(51)は、周辺の空気を取り込むための吸込口を有し、該吸込口には、メンブレンフィルタ(54)が設けられている。
このような構成により、庫内収納空間(S2)の2次空間(S22)と1次空間(S21)とは、メンブレンフィルタ(54)、酸素センサ(51)、連絡管(56)、二酸化炭素センサ(52)、及び排気管(57)によって形成される空気通路(58)を介して連通している。そのため、庫内ファン(26)の運転中には、1次空間(S21)の圧力が、2次空間(S22)の圧力よりも低くなるため、この圧力差により、酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とが接続された空気通路(58)において2次空間(S22)側から1次空間(S21)側へ庫内空気が流れる。このようにして、庫内空気が酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とを順に通過し、酸素センサ(51)において庫内空気の酸素濃度が測定され、二酸化炭素センサ(52)において庫内空気の二酸化炭素濃度が測定される。一方、庫内ファン(26)の運転停止中であって後述する給気測定動作中には、ガス供給装置(30)で生成された窒素濃縮空気が、分岐管(81)を介して酸素センサ(51)に導かれ、酸素センサ(51)において窒素濃縮空気の酸素濃度が測定される。
[制御部]
制御部(55)は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度及び二酸化炭素濃度を所望の濃度にする濃度調節運転を実行するように構成されている。具体的には、制御部(55)は、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)の測定結果に基づいて、コンテナ(11)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)が所望の組成になるように、ガス供給装置(30)及び排気部(46)の動作を制御する。
制御部(55)は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度及び二酸化炭素濃度を所望の濃度にする濃度調節運転を実行するように構成されている。具体的には、制御部(55)は、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)の測定結果に基づいて、コンテナ(11)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)が所望の組成になるように、ガス供給装置(30)及び排気部(46)の動作を制御する。
図7に示すように、制御部(55)は、濃度調節運転において、酸素濃度低下モードと空気組成調整モードとを行うように構成されている。具体的には、制御部(55)は、酸素濃度低下モードで濃度調節運転を開始し、該酸素濃度低下モード中にコンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2以下になると空気組成調整モードに切り換え、該空気組成調整モード中にコンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2に所定濃度V(本実施形態では、1.0%)を加えた上限濃度以上になると酸素濃度低下モードに戻すように構成されている。
また、制御部(55)は、酸素濃度低下モードにおいて、庫内空気の二酸化炭素濃度の調節を酸素濃度の調節に優先して行う二酸化炭素優先制御と、庫内空気の酸素濃度の調節を二酸化炭素濃度の調節に優先して行う酸素優先制御とのいずれを実行するかを決定する所定の優先判定を行うように構成されている。なお、優先判定及び各制御の詳細については後述するが、制御部(55)は、優先判定において二酸化炭素優先制御の実行を決定したときに、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし(Yを保存し)、優先判定において酸素優先制御の実行を決定したとき及び所定の初期化条件を満たすときには二酸化炭素優先フラグを非アクティブ状態にする(Nを保存する)ように構成されている。
また、制御部(55)は、ユーザからの指令により又は定期的に、測定用開閉弁(82)の動作を制御して、ガス供給装置(30)において生成された窒素濃縮空気の酸素濃度を測定する給気測定動作を行うように構成されている。
本実施形態では、制御部(55)は、CA装置(60)の各要素を本願で開示するように制御するマイクロコンピュータと、実施可能な制御プログラムが記憶されたメモリやハードディスク等とを含んでいる。なお、上記制御部(55)は、CA装置(60)の制御部の一例であり、制御部(55)の詳細な構造やアルゴリズムは、本発明に係る機能を実行するどのようなハードウェアとソフトウェアとの組み合わせであってもよい。
−運転動作−
〈冷媒回路の運転動作〉
本実施形態では、図3に示すユニット制御部(100)によって、コンテナ(11)の庫内空気を冷却する冷却運転が実行される。
〈冷媒回路の運転動作〉
本実施形態では、図3に示すユニット制御部(100)によって、コンテナ(11)の庫内空気を冷却する冷却運転が実行される。
冷却運転では、ユニット制御部(100)によって、圧縮機(21)、膨張弁(23)、庫外ファン(25)及び庫内ファン(26)の動作が、図示しない温度センサの測定結果に基づいて庫内空気の温度が所望の目標温度になるように制御される。このとき、冷媒回路(20)では、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。そして、庫内ファン(26)によって庫内収納空間(S2)へ導かれたコンテナ(11)の庫内空気が、蒸発器(24)を通過する際に該蒸発器(24)の内部を流れる冷媒によって冷却される。蒸発器(24)において冷却された庫内空気は、床下流路(19a)を通って吹出口(18b)から再びコンテナ(11)の庫内へ吹き出される。これにより、コンテナ(11)の庫内空気が冷却される。
〈濃度調節運転〉
また、本実施形態では、図4に示す制御部(55)によって、CA装置(60)が、コンテナ(11)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)を所望の組成に調節する濃度調節運転を行う。濃度調節運転では、制御部(55)によって、酸素濃度低下モードと空気組成調整モードとが行われる。
また、本実施形態では、図4に示す制御部(55)によって、CA装置(60)が、コンテナ(11)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)を所望の組成に調節する濃度調節運転を行う。濃度調節運転では、制御部(55)によって、酸素濃度低下モードと空気組成調整モードとが行われる。
具体的には、制御部(55)は、酸素濃度低下モードで濃度調節運転を開始し、該酸素濃度低下モード中にコンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2以下になると空気組成調整モードに切り換え、該空気組成調整モード中にコンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2に所定濃度V(本実施形態では、1.0%)を加えた濃度以上になると酸素濃度低下モードに戻す。以下、酸素濃度低下モードと空気組成調整モードについて詳述する。
なお、濃度調節運転中は、いずれのモード中であっても、制御部(55)は、測定用開閉弁(82)を閉状態に制御し、ユニット制御部(100)と通信して庫内ファン(26)を回転させ、庫内と庫内収納空間(S2)との間において庫内空気を循環させる。これにより、庫内収納空間(S2)に設けられた酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)に庫内空気が供給され、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とが測定される。
[酸素濃度低下モード]
上述のように、酸素濃度低下モードでは、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度の調節を二酸化炭素濃度の調節に優先して行う酸素優先制御と庫内空気の二酸化炭素濃度の調節を酸素濃度の調節に優先して行う二酸化炭素優先制御とのいずれを実行するかを選択する優先判定を行い、判定結果に基づいた制御を実行する。以下、優先判定、酸素優先制御、二酸化炭素優先制御について詳述する。
上述のように、酸素濃度低下モードでは、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度の調節を二酸化炭素濃度の調節に優先して行う酸素優先制御と庫内空気の二酸化炭素濃度の調節を酸素濃度の調節に優先して行う二酸化炭素優先制御とのいずれを実行するかを選択する優先判定を行い、判定結果に基づいた制御を実行する。以下、優先判定、酸素優先制御、二酸化炭素優先制御について詳述する。
《優先判定》
制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられた濃度調節運転の開始時と、濃度調節運転中とで異なる手順で優先判定を行う。以下、それぞれの優先判定手順について詳述する。
制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられた濃度調節運転の開始時と、濃度調節運転中とで異なる手順で優先判定を行う。以下、それぞれの優先判定手順について詳述する。
(濃度調節運転の開始時の優先判定)
図8に示すように、制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられて濃度調節運転が開始されると、以下の手順で優先判定を行う。
図8に示すように、制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられて濃度調節運転が開始されると、以下の手順で優先判定を行う。
まず、制御部(55)は、目標二酸化炭素濃度が10%以上であるか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1において、目標二酸化炭素濃度が10%以上である場合、制御部(55)は、ステップS2に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし(Yを保存し)、判定を終了する。
ステップS1において、目標二酸化炭素濃度が10%未満である場合、制御部(55)は、ステップS3に進み、目標二酸化炭素濃度が4%未満であるか否かを判定する。ステップS3において、目標二酸化炭素濃度が4%未満である場合、制御部(55)は、ステップS4に進み、酸素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグを非アクティブ状態にし(Nを保存し)、判定を終了する。
ステップ3において、目標二酸化炭素濃度が4%以上である場合、制御部(55)は、ステップS5に進み、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態であるか(Yが保存されているか)否かを判定する。ステップS5において、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態である場合、制御部(55)は、ステップS6に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態に維持し(Yを保存し)、判定を終了する。
ステップS5において、二酸化炭素優先フラグが非アクティブ状態である場合、制御部(55)は、ステップS7に進み、庫内空気の二酸化炭素濃度と酸素濃度との和が22%(21%以上の所定の増加濃度)より高いか否かを判定する。ステップS7において、庫内空気の二酸化炭素濃度と酸素濃度との和が22%より高い場合、制御部(55)は、ステップS8に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし(Yを保存し)、判定を終了する。
ステップS7において、庫内空気の二酸化炭素濃度と酸素濃度との和が22%以下である場合、制御部(55)は、ステップS9に進み、CA装置(60)が前回OFF状態になった時からON状態に切り換わるまでの間が1日未満であって、庫内空気の二酸化炭素濃度が、CA装置(60)が前回OFF状態に切り換えられる直前に比べて4%以上上昇(呼吸分より上昇)したか否かを判定する。ステップS9において、CA装置(60)が前回OFF状態になった時からON状態に切り換わるまでの間が1日未満であって、庫内空気の二酸化炭素濃度が、CA装置(60)が前回OFF状態に切り換えられる直前に比べて4%以上上昇した場合、制御部(55)は、ステップS10に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし(Yを保存し)、判定を終了する。
ステップS9において、CA装置(60)が前回OFF状態になった時からON状態に切り換わるまでの間が1日未満でない、又は、庫内空気の二酸化炭素濃度がCA装置(60)が前回OFF状態に切り換えられる直前に比べて4%以上上昇していない場合、制御部(55)は、ステップS11に進み、酸素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグを非アクティブ状態にし(Nを保存し)、判定を終了する。
(濃度調節運転中の優先判定)
図9に示すように、制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態に切り換わった際の優先判定の終了後、酸素濃度低下モードで濃度調節運転中に、以下の手順で優先判定を行う。
図9に示すように、制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態に切り換わった際の優先判定の終了後、酸素濃度低下モードで濃度調節運転中に、以下の手順で優先判定を行う。
まず、制御部(55)は、目標二酸化炭素濃度が変更されたか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21において、目標二酸化炭素濃度が変更されていない場合、判定を終了する。これにより、現在設定されている優先制御(酸素優先制御又は二酸化炭素制御)が維持される。
ステップS21において、目標二酸化炭素濃度が変更されている場合、制御部(55)は、ステップS22に進み、目標二酸化炭素濃度が10%以上であるか否かを判定する。ステップS22において、目標二酸化炭素濃度が10%以上である場合、制御部(55)は、ステップS23に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし(Yを保存し)、判定を終了する。
ステップS22において、目標二酸化炭素濃度が10%未満である場合、制御部(55)は、ステップS24に進み、目標二酸化炭素濃度が4%未満であるか否かを判定する。ステップS24において、目標二酸化炭素濃度が4%未満である場合、制御部(55)は、ステップS25に進み、酸素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグを非アクティブ状態にし(Nを保存し)、判定を終了する。
ステップS24において、目標二酸化炭素濃度が4%以上である場合、制御部(55)は、ステップS26に進み、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態であるか(Yが保存されているか)否かを判定する。ステップS26において、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態である場合、制御部(55)は、ステップS27に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態に維持し(Yを保存し)、判定を終了する。
ステップS26において、二酸化炭素優先フラグが非アクティブ状態である場合、制御部(55)は、ステップS28に進み、現在、酸素優先制御が設定されているか否かを判定する。ステップS28において、酸素優先制御が設定されていない場合、判定を終了する。
ステップS28において、酸素優先制御が設定されている場合、制御部(55)は、ステップS29に進み、庫内空気の二酸化炭素濃度と酸素濃度との和が22%より高いとの条件と、現在の庫内空気の二酸化炭素濃度が30分前に比べて2%以上上昇しているとの条件と、現在の庫内空気の二酸化炭素濃度が5分前に比べて1%以上上昇しているとの条件との3つの条件のうちのいずれかの条件を満たすか否かを判定する。ステップS29において、3つの条件のいずれの条件も満たさない場合、制御部(55)は、判定を終了する。これにより、現在設定されている優先制御、即ち、酸素優先制御が維持される。
ステップS29において、3つの条件のいずれかが満たされる場合、即ち、庫内空気の二酸化炭素濃度と酸素濃度との和が22%より高い場合、現在の庫内空気の二酸化炭素濃度が30分前に比べて2%以上上昇している場合、又は、現在の庫内空気の二酸化炭素濃度が5分前に比べて1%以上上昇している場合、制御部(55)は、ステップS30に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし(Yを保存し)、判定を終了する。
以上のようにして、制御部(55)は、CA装置(60)の電源ON時と、濃度調節運転中とにおいて、異なる手順で優先判定を行い、酸素優先制御と二酸化炭素優先制御のいずれの制御を実行するかを決定する。
また、制御部(55)は、上述のように、優先判定において酸素優先制御に決定した場合、二酸化炭素優先フラグを非アクティブ状態にする一方、二酸化炭素優先制御に決定した場合、二酸化炭素フラグをアクティブ状態にする。一方、制御部(55)は、優先判定に関わらず、所定の初期化条件、例えば、濃度調節運転中に空気組成調整モードに遷移したという条件、CA装置(60)の停止(電源がOFF状態になるのを含む)から1日以上経過したという条件、各種機器の性能チェック運転中であるという条件等を満たす場合、二酸化炭素フラグを初期化する。なお、二酸化炭素フラグの初期値は非アクティブ状態とする。
《酸素優先制御》
酸素濃度低下モードにおける酸素優先制御は、庫内空気の酸素濃度の調節を二酸化炭素濃度の調節よりも優先させるものである。また、酸素優先制御の実行開始時は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも高い。そのため、制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度の如何に拘わらず、制御開始(酸素濃度低下モードの開始)と同時にガス供給動作を行って、庫内空気の酸素濃度を速やかに低下させる。以下、制御の内容を具体的に説明する。
酸素濃度低下モードにおける酸素優先制御は、庫内空気の酸素濃度の調節を二酸化炭素濃度の調節よりも優先させるものである。また、酸素優先制御の実行開始時は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも高い。そのため、制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度の如何に拘わらず、制御開始(酸素濃度低下モードの開始)と同時にガス供給動作を行って、庫内空気の酸素濃度を速やかに低下させる。以下、制御の内容を具体的に説明する。
なお、以下の説明では、目標酸素濃度SPO2が5%、目標二酸化炭素濃度SPCO2が5%である例について説明する。また、ここでは、コンテナ(11)の庫内空気の組成が大気の組成と等しい状態から、所望の組成(酸素濃度5%、二酸化炭素濃度5%)に調節する場合について説明する。
まず、上述した優先判定において酸素優先制御の実行が決定されると、制御部(55)は、上記ガス供給動作と排気動作とを実行する。これにより、コンテナ(11)の庫内に窒素濃縮空気が供給される一方、窒素濃縮空気を供給した分だけ庫内空気が庫外へ排出される。このようなガス供給動作と排気動作とにより、コンテナ(11)の庫内空気が窒素濃縮空気に置換され、庫内空気の酸素濃度が低下する。
コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が、窒素濃縮空気の酸素濃度(例えば、10%)まで低下すると、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の運転を停止してガス供給動作を停止すると共に、排気弁(46b)を閉じて排気動作を停止する。
ガス供給動作と排気動作とが停止されると、コンテナ(11)の庫内では、空気が何ら入れ替わらない一方、植物(15)が呼吸を行うため、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が減少し、二酸化炭素濃度が上昇する。これにより、やがて、庫内空気の酸素濃度は目標酸素濃度SPO2(5%)に至り、庫内空気の二酸化炭素濃度は目標二酸化炭素濃度SPCO2(5%)に至る。
制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(5%)以下になると、酸素濃度低下モードを終了し、空気組成調整モードを開始する。
《二酸化炭素優先制御》
二酸化炭素優先制御は、庫内空気の二酸化炭素濃度の調節を酸素濃度の調節よりも優先させるものである。そして、二酸化炭素優先制御の実行開始時も、酸素優先制御の実行開始時と同様に、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも高い。しかしながら、二酸化炭素優先制御では、制御部(55)は、酸素優先制御のように、必ずしも制御開始(酸素濃度低下モードの開始)と同時にガス供給動作を行う訳ではなく、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作を行うことで、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度SPCO2付近に維持させつつ、庫内空気の酸素濃度を低下させる。以下、制御の内容を具体的に説明する。
二酸化炭素優先制御は、庫内空気の二酸化炭素濃度の調節を酸素濃度の調節よりも優先させるものである。そして、二酸化炭素優先制御の実行開始時も、酸素優先制御の実行開始時と同様に、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも高い。しかしながら、二酸化炭素優先制御では、制御部(55)は、酸素優先制御のように、必ずしも制御開始(酸素濃度低下モードの開始)と同時にガス供給動作を行う訳ではなく、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作を行うことで、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度SPCO2付近に維持させつつ、庫内空気の酸素濃度を低下させる。以下、制御の内容を具体的に説明する。
なお、以下の説明では、目標酸素濃度SPO2が5%、目標二酸化炭素濃度SPCO2が13%である例について説明する。また、ここでは、コンテナ(11)の庫内空気の組成が大気の組成と等しい状態から、所望の組成(酸素濃度5%、二酸化炭素濃度13%)に調節する場合について説明する。
まず、上述した優先判定において二酸化炭素優先制御の実行が決定されると、制御部(55)は、二酸化炭素センサ(52)で測定された庫内空気の二酸化炭素濃度が、目標二酸化炭素濃度SPCO2(本実施形態では、13%)より高い所定の開始濃度(例えば、13.5%)に到達したか否かを判定する。
そして、庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度(13.5%)以上である場合、上記ガス供給動作と排気動作とを開始する。これにより、コンテナ(11)の庫内に窒素濃縮空気が供給される一方、窒素濃縮空気を供給した分だけ庫内空気が庫外へ排出される。このようなガス供給動作と排気動作とにより、コンテナ(11)の庫内空気が窒素濃縮空気に置換され、庫内空気の酸素濃度が低下する。
一方、図10に示すように、コンテナ(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度(13.5%)未満、例えば、11.8%である場合、上記ガス供給動作及び上記排気動作をすぐに開始せず、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度に到達するまで待機させる。そして、庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度に到達したところで上記ガス供給動作と排気動作とを実行する。これにより、コンテナ(11)の庫内に窒素濃縮空気が供給される一方、窒素濃縮空気を供給した分だけ庫内空気が庫外へ排出される。このようなガス供給動作と排気動作とにより、コンテナ(11)の庫内空気が窒素濃縮空気に置換され、庫内空気の酸素濃度が低下する。
コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(5%)に到達する前に、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO2(13%)よりも低い限界濃度(例えば、12.5%)まで低下すると、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の運転を停止してガス供給動作を停止すると共に、排気弁(46b)を閉じて排気動作を停止する。
ガス供給動作と排気動作とが停止されると、コンテナ(11)の庫内では、空気が何ら入れ替わらない一方、植物(15)が呼吸を行うため、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が減少し、二酸化炭素濃度が上昇し、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO2(13%)に近づいていく。
そして、コンテナ(11)の庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO2(13%)よりも高い再開濃度(13.5%)まで上昇すると、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の運転を再開してガス供給動作を再開すると共に、排気弁(46b)を開いて排気動作を再開する。これにより、コンテナ(11)の庫内空気が窒素濃縮空気に置換され、庫内空気の酸素濃度が再び低下することとなる。
その後、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(5%)に到達する前に、再び、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO2(13%)よりも低い限界濃度(例えば、12.5%)まで低下すると、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の運転を停止してガス供給動作を停止すると共に、排気弁(46b)を閉じて排気動作を停止する。
以下、制御部(55)は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(5%)に到達するまで、ガス供給動作及び排気動作の再開と停止とを繰り返す。このガス供給動作及び排気動作の再開と停止の繰り返しにより、庫内空気の二酸化炭素濃度は目標二酸化炭素濃度SPCO2(13%)付近に維持されつつ、庫内空気の酸素濃度が低下し、やがて、庫内空気の酸素濃度が、目標酸素濃度SPO2(5%)に至る。
その後、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(5%)以下になると、酸素濃度低下モードを終了し、空気組成調整モードを開始する。
[空気組成調整モード]
《酸素濃度の調整》
空気組成調整モードでは、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも所定濃度X(例えば、0.5%)だけ低い下限値を下回ると、ガス供給装置(30)によるガス供給動作と排気部(46)による排気動作とを再開する。このようなガス供給動作と排気動作とにより、庫内空気が該庫内空気よりも酸素濃度の高い窒素濃縮空気(例えば、平均酸素濃度8%)に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が上昇する。
《酸素濃度の調整》
空気組成調整モードでは、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも所定濃度X(例えば、0.5%)だけ低い下限値を下回ると、ガス供給装置(30)によるガス供給動作と排気部(46)による排気動作とを再開する。このようなガス供給動作と排気動作とにより、庫内空気が該庫内空気よりも酸素濃度の高い窒素濃縮空気(例えば、平均酸素濃度8%)に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が上昇する。
制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも所定濃度X(例えば、0.5%)だけ高い値以上になると、ガス供給動作と排気動作とを停止する。
なお、庫内空気の酸素濃度の調節は、ガス供給動作の代わりに、バイパス開閉弁(72)を開いて、エアポンプ(31)に吸引した外気を、第1及び第2吸着筒(34,35)を通過させることなくバイパスさせて、そのままコンテナ(11)の庫内に供給する外気導入動作を行うこととしてもよい。外気導入動作と排気動作とによれば、庫内空気が酸素濃度21%の外気に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が上昇する。
《二酸化炭素濃度の調整》
また、空気組成調整モードにおいて、制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO2よりも所定濃度Y(例えば、0.5%)だけ高い上限値以上になると、ガス供給動作と排気動作とを行う。これにより、庫内空気が窒素濃縮空気に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の二酸化炭素濃度が低下する。
また、空気組成調整モードにおいて、制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO2よりも所定濃度Y(例えば、0.5%)だけ高い上限値以上になると、ガス供給動作と排気動作とを行う。これにより、庫内空気が窒素濃縮空気に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の二酸化炭素濃度が低下する。
制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度が、目標二酸化炭素濃度SPCO2よりも所定濃度Yだけ低い値未満になると、ガス供給動作と排気動作とを停止する。
なお、庫内空気の二酸化炭素濃度の調節は、ガス供給動作の代わりに、バイパス開閉弁(72)を開いて上記外気導入動作を行うこととしてもよい。このように外気導入動作と排気動作とによれば、庫内空気が二酸化炭素濃度0.03%の外気に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の二酸化炭素濃度が低下する。
〈酸素濃度低下モードの制御例〉
以下、酸素濃度低下モードの制御例として、濃度調節運転の当初より二酸化炭素優先制御が実行される当初充填例と、酸素優先制御の実行中に途中から二酸化炭素優先制御が実行される中途充填例とについて説明する。
以下、酸素濃度低下モードの制御例として、濃度調節運転の当初より二酸化炭素優先制御が実行される当初充填例と、酸素優先制御の実行中に途中から二酸化炭素優先制御が実行される中途充填例とについて説明する。
《当初充填例》
図11に示すように、コンテナ(11)の庫内へ植物(15)が積み込まれた後、CA装置(60)による濃度調節運転を開始する前に庫内に二酸化炭素が充填されると、庫内空気の二酸化炭素濃度が上昇すると共に、二酸化炭素の充填分だけ庫内空気がコンテナ(11)の庫外へ押し出されて庫内空気の酸素濃度が低下する(図11の点A→点B)。
図11に示すように、コンテナ(11)の庫内へ植物(15)が積み込まれた後、CA装置(60)による濃度調節運転を開始する前に庫内に二酸化炭素が充填されると、庫内空気の二酸化炭素濃度が上昇すると共に、二酸化炭素の充填分だけ庫内空気がコンテナ(11)の庫外へ押し出されて庫内空気の酸素濃度が低下する(図11の点A→点B)。
コンテナ(11)の庫内への二酸化炭素の充填が完了すると、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられ、濃度調節運転が開始される(図11の点B)。ここでは、一例として、目標酸素濃度SPO2が3%、目標二酸化炭素濃度SPCO2が14%、二酸化炭素充填後の庫内空気の二酸化炭素濃度が11.8%である例について説明する。
CA装置(60)は、酸素濃度低下モードで濃度調節運転を開始し、図8に示す電源ON時の優先判定を行う。本例では、目標二酸化炭素濃度SPCO2が14%であるため、図8の優先判定においてステップS1、ステップS2へと進み、二酸化炭素優先制御の実行が決定され、実行される。
濃度調節運転の開始当初、庫内空気の二酸化炭素濃度は11.8%であり、ガス供給動作の開始濃度(例えば、14.5%)に到達していないため、ガス供給動作及び排気動作をすぐに開始せず、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度に到達するまで待機させる(図11の点B→点C)。そして、庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度に到達したところで上記ガス供給動作及び排気動作を開始する(図11の点C)。
上記ガス供給動作及び排気動作の開始後は、上述したように、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作及び排気動作の停止と再開とを繰り返し、庫内空気の二酸化炭素濃度は目標二酸化炭素濃度SPCO2(14%)付近に維持しつつ、庫内空気の酸素濃度を低下させる(図11の点C→点D)。
やがて、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(3%)に至ると、酸素濃度低下モードから空気組成調整モードに遷移し、二酸化炭素優先フラグを初期化し(非アクティブ状態にし)、二酸化炭素優先制御を終了する(図11の点D)。
このように、当初充填例では、庫内へ植物(15)が積み込まれた後、CA装置(60)による濃度調節運転を開始する前に庫内に二酸化炭素が充填され、濃度調節運転の当初より二酸化炭素優先制御が実行される。
《途中充填例》
図12に示すように、コンテナ(11)の庫内へ植物(15)が積み込まれた後、庫内に二酸化炭素が充填されることなく、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられ、濃度調節運転が開始される(図12の点O)。ここでは、一例として、当初の目標酸素濃度SPO2が5%、目標二酸化炭素濃度SPCO2が5%で濃度調節運転が開始され、庫内空気の酸素濃度が13%に到達したところで庫内に二酸化炭素が充填される例について説明する。
図12に示すように、コンテナ(11)の庫内へ植物(15)が積み込まれた後、庫内に二酸化炭素が充填されることなく、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられ、濃度調節運転が開始される(図12の点O)。ここでは、一例として、当初の目標酸素濃度SPO2が5%、目標二酸化炭素濃度SPCO2が5%で濃度調節運転が開始され、庫内空気の酸素濃度が13%に到達したところで庫内に二酸化炭素が充填される例について説明する。
CA装置(60)は、酸素濃度低下モードで濃度調節運転を開始し、図8に示す電源ON時の優先判定を行う。本例では、目標酸素濃度SPO2が5%で目標二酸化炭素濃度SPCO2が5%であるため、ステップS1、ステップS3、ステップS5と進む。そして、二酸化炭素フラグの初期値は非アクティブ状態であるため、ステップS5からステップS7に進み、さらに、運転開始直後の庫内空気は庫内に何らガスが充填されず、大気と等しい組成であるため、ステップS9、ステップS11と進み、酸素優先制御の実行が決定され、実行される。これにより、コンテナ(11)の庫内に窒素濃縮空気が供給される一方、窒素濃縮空気を供給した分だけ庫内空気が庫外へ排出される。このようなガス供給動作と排気動作とにより、コンテナ(11)の庫内空気が窒素濃縮空気に置換され、庫内空気の酸素濃度が低下する(図12の点O→点P)。
本例では、このような酸素優先制御が実行されて庫内空気の酸素濃度が低下する最中に、コンテナ(11)の庫内に二酸化炭素が充填される(図12の点P)。庫内に二酸化炭素が充填されると、庫内空気の二酸化炭素濃度が上昇すると共に、二酸化炭素の充填分だけ庫内空気がコンテナ(11)の庫外へ押し出されて庫内空気の酸素濃度が低下する(図12の点P→点Q)。
なお、庫内への二酸化炭素の充填時に、目標酸素濃度SPO2が3%、目標二酸化炭素濃度SPCO2が14%に設定されたとする。これにより、CA装置(60)は、図9に示す濃度調節運転中の優先判定において、ステップS21、ステップS22、ステップS23へと進み、二酸化炭素優先制御の実行が決定され、実行する制御が酸素優先制御から二酸化炭素優先制御に変更される。
上述のコンテナ(11)の庫内への二酸化炭素の充填により、庫内空気の二酸化炭素濃度が7.5%になったとする。二酸化炭素優先制御の開始当初、庫内空気の二酸化炭素濃度が7.5%でガス供給動作の開始濃度(例えば、14.5%)に到達していないため、ガス供給動作及び排気動作をすぐに開始せず、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度に到達するまで待機させる(図12の点Q→点R)。そして、庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度に到達したところで上記ガス供給動作及び排気動作を開始する(図12の点R)。
上記ガス供給動作及び排気動作の開始後は、上述したように、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作及び排気動作の停止と再開とを繰り返し、庫内空気の二酸化炭素濃度は目標二酸化炭素濃度SPCO2(14%)付近に維持しつつ、庫内空気の酸素濃度を低下させる(図12の点R→点S)。
やがて、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(3%)に至ると、酸素濃度低下モードから空気組成調整モードに遷移し、二酸化炭素優先フラグを初期化し(非アクティブ状態にし)、二酸化炭素優先制御を終了する(図12の点S)。
このように、途中充填例では、庫内へ植物(15)が積み込まれた後、二酸化炭素が充填されないままCA装置(60)による濃度調節運転が開始され、酸素優先制御の実行中にコンテナ(11)の庫内に二酸化炭素が充填されて途中から二酸化炭素優先制御が実行される。
−実施形態の効果−
以上のように、本実施形態によれば、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、ガス供給動作を行って庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より低い限界濃度まで低下すると、ガス供給動作を停止し、ガス供給動作の停止中に、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より高い再開濃度(本実施形態では13.5%)に到達すると、ガス供給動作を再開する二酸化炭素優先制御を実行するように構成した。この二酸化炭素優先制御によれば、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作の実行と停止とを制御することにより、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場面において、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持しながら庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度に向かって低下させることができる。よって、従来のように、二酸化炭素の充填後にガス供給動作を連続運転するために、庫内空気の酸素濃度の低下と共に二酸化炭素濃度が著しく低下するようなことがなく、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が重要な植物が庫内に積み込まれた場合であっても、その鮮度を維持することができる。
以上のように、本実施形態によれば、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、ガス供給動作を行って庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より低い限界濃度まで低下すると、ガス供給動作を停止し、ガス供給動作の停止中に、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より高い再開濃度(本実施形態では13.5%)に到達すると、ガス供給動作を再開する二酸化炭素優先制御を実行するように構成した。この二酸化炭素優先制御によれば、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作の実行と停止とを制御することにより、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場面において、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持しながら庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度に向かって低下させることができる。よって、従来のように、二酸化炭素の充填後にガス供給動作を連続運転するために、庫内空気の酸素濃度の低下と共に二酸化炭素濃度が著しく低下するようなことがなく、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が重要な植物が庫内に積み込まれた場合であっても、その鮮度を維持することができる。
ところで、ガス供給動作が開始されると庫内空気の酸素濃度と共に二酸化炭素濃度も低下するため、庫内空気の二酸化炭素濃度が低いままガス供給動作を開始すると、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度まで上昇させるどころか逆に低下させてしまい、目標二酸化炭素濃度に到達させるまでに時間を要してしまう。
そこで、本実施形態では、二酸化炭素優先制御の開始後、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度よりも高い所定の開始濃度に到達するまでは、ガス供給動作を開始せず、庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達してからガス供給動作を開始することとしている。このように庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達してからガス供給動作を開始することによって、二酸化炭素優先制御の開始後、庫内空気の二酸化炭素濃度を速やかに目標二酸化炭素濃度に近づけることができる。よって、上記制御によれば、二酸化炭素優先制御の開始直後からガス供給動作を始める場合に比べて、早い段階で庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することができる。従って、庫内空気の組成を、二酸化炭素濃度を高く維持することが重要な植物の鮮度維持に好ましい組成に早く調節することができる。
また、本実施形態によれば、制御部(55)が、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、庫内空気の二酸化炭素濃度に拘わらずにガス供給動作を行って庫内空気の酸素濃度を低下させる酸素優先制御と、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作を制御して庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持しながら庫内空気の酸素濃度を低下させる二酸化炭素優先制御とを選択して実行できるように構成されている。これにより、例えば、庫内空気の酸素濃度を低く維持することが二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度に調節することよりも重要な植物が庫内に積み込まれた場合には、酸素優先制御を実行し、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が重要な植物が庫内に積み込まれた場合には、二酸化炭素優先制御を実行することが可能となる。従って、幅広い植物の鮮度維持が可能となる。
また、本実施形態によれば、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い上限濃度以上であり、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場合に、制御部(55)が所定の優先判定を行い、酸素優先制御を実行するのか二酸化炭素優先制御を実行するのかを決定し、決定した制御を実行するようにした。これにより、作業者が酸素優先制御と二酸化炭素優先制御とでいずれの制御を実行するのかを選択する必要がなく、制御部(55)の優先判定によって実行すべき制御を自動的に決定し、自動的に実行することができる。従って、作業者の誤操作によって適切でない制御が実行されることがない。従って、植物(15)の鮮度維持の確実性を上げることができる。
また、本実施形態によれば、制御部(55)は、目標二酸化炭素濃度が所定値より高い場合、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度を測定することなく、目標二酸化炭素濃度のみによって容易に優先判定を行うことができる。
ところで、ガス供給動作を行っても、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度が共に低下するだけであるため、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和が、大気中の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和である21%より高くなることはない。
そこで、本実施形態では、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和が21%以上の所定の増加濃度である22%より高い場合、コンテナ(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを測定して演算するだけで容易に優先判定を行うことができる。
ところで、ガス供給動作を行っても、庫内空気の二酸化炭素濃度は低下するだけであるため、CA装置(60)の運転中に、所定時間の間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加することはない。
そこで、本実施形態では、制御部(55)は、所定時間の間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加した場合、コンテナ(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度を測定して上昇量を演算するだけで容易に優先判定を行うことができる。
ところで、CA装置(60)の電源がOFF状態である場合、庫内空気の組成は、植物(15)の呼吸によってしか変化しないため、CA装置(60)の電源がOFF状態になってから一日経過するまでの間にON状態になった場合、その間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加することはない。
そこで、本実施形態では、制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態からOFF状態へ切り換えられた後、一日経過しない間に再びON状態に切り換えられ、庫内空気の二酸化炭素濃度が、電源がOFF状態に切り換えられる直前に比べて所定値以上上昇した場合に、CA装置(60)の電源がOFF状態の際にコンテナ(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度を測定して上昇量を演算するだけで容易に優先判定を行うことができる。
ところで、優先判定を行い、例えば、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、実行していたにも拘わらず、意図せずにCA装置(60)の電源がOFF状態になることがある。
そこで、本実施形態では、制御部(55)は、優先判定において二酸化炭素優先制御の実行を決定したときに、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にすることとし、CA装置(60)の電源がOFF状態からON状態に切り換えられた場合に、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態である場合、優先判定において二酸化炭素優先制御を維持すべきであると推定し、そのまま二酸化炭素優先制御を維持することとしている。そのため、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、実行していたにも拘わらず、意図せずにCA装置(60)の電源がOFF状態になってしまった場合であっても、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態であるため、優先判定において様々な判定を行うことなく、容易に二酸化炭素優先制御を維持することができる。
また、本実施形態によれば、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度に維持しながら庫内空気の酸素濃度を低下させることができるCA装置(60)を備えたコンテナ用冷凍装置(10)を提供することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態において説明した目標酸素濃度SPO2及び目標二酸化炭素濃度SPCO2は、一例であり、上述の値に限られない。
上記実施形態において説明した目標酸素濃度SPO2及び目標二酸化炭素濃度SPCO2は、一例であり、上述の値に限られない。
また、上記実施形態において説明した優先判定も上述のものに限られず、庫内に二酸化炭素が充填された等、二酸化炭素優先制御が明らかに必要となる状況を検知したり、逆に、二酸化炭素優先制御が明らかに不要である状況を検知したりすることができる判定であれば、いかなるものであってもよい。
また、上記実施形態において説明した上限濃度、限界濃度、再開濃度、開始濃度として示した濃度はあくまで一例であり、本発明に係る上限濃度、限界濃度、再開濃度、開始濃度は、上記実施形態において示した濃度に限定されない。
また、上記優先判定のステップS7及びステップS29において、庫内空気の二酸炭素濃度と酸素濃度との和と比較する濃度22%は、大気中の二酸化炭素濃度と酸素濃度との和である21%以上の所定の増加濃度の一例であり、23%や24%のように22%以上の濃度であってもよく、逆に、21%以上であれば22%以下の濃度であってもよい。
また、上記実施形態では、ガス供給装置(30)において加圧下で窒素成分を吸着する吸着剤を用いて窒素濃縮空気を生成していたが、吸着剤として酸素成分を吸着させる活性炭を用いて窒素濃縮空気を生成することとしてもよい。
また、上記各実施形態では、海上輸送用のコンテナ(11)に設けられるコンテナ用冷凍装置(10)に本発明に係るCA装置(60)を適用した例について説明したが、本発明に係るCA装置(60)の用途はこれに限られない。本発明に係るCA装置(60)は、海上輸送用のコンテナの他、例えば、陸上輸送用のコンテナ、単なる冷凍冷蔵倉庫、常温の倉庫等の庫内空気の組成調節に用いることができる。
以上説明したように、本発明は、植物が収容される収納庫の庫内空気の組成を調節する庫内空気調節装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置について有用である。
10 コンテナ用冷凍装置
11 コンテナ(収納庫)
15 植物
30 ガス供給装置
55 制御部
60 CA装置(庫内空気調節装置)
11 コンテナ(収納庫)
15 植物
30 ガス供給装置
55 制御部
60 CA装置(庫内空気調節装置)
本発明は、植物が収容される収納庫の庫内空気の組成を調節する庫内空気調節装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置に関するものである。
従来、海上輸送等に用いられるコンテナの庫内空気を冷却するために、冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えたコンテナ用冷凍装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。コンテナの庫内には、例えば、バナナやアボガド等の植物が積み込まれるが、植物は、収穫後であっても空気中の酸素を取り込んで二酸化炭素を放出する呼吸を行う。植物が呼吸を行うと、植物に蓄えられた養分と水分とが減少し、鮮度が低下する。そのため、収容庫の庫内の酸素濃度は、呼吸障害が起きない程度に低い方が好ましい。
そこで、特許文献1のコンテナ用冷凍装置には、加圧すると空気中の窒素成分が吸着する吸着剤を用いて、空気よりも窒素濃度が高く酸素濃度が低い窒素濃縮空気を生成し、該窒素濃縮空気をコンテナの庫内に供給することにより、庫内空気の酸素濃度を低下させて植物の呼吸量を低減するガス供給装置が設けられている。特許文献1では、このようにガス供給装置によって窒素濃縮空気をコンテナの庫内に供給することにより、庫内空気の酸素濃度を低下させて植物の呼吸量を低減して植物の鮮度を維持しやすくしている。
ところで、庫内に積み込まれる植物によっては、鮮度を維持するために、庫内空気の酸素濃度を低く維持する一方、二酸化炭素濃度を比較的高い状態に維持する必要があるものがある。また、この種の植物の中には、ブルーベリーやアスパラガス等、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が鮮度を維持する上で重要となるものがある。
そこで、従来、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が鮮度維持に重要となる植物をコンテナに積み込む際には、まず、コンテナ庫内に二酸化炭素を充填して庫内空気の二酸化炭素濃度を所望の濃度まで上昇させた後に、コンテナの庫内に窒素濃縮空気を供給することによって、庫内空気の酸素濃度を低下させることで庫内空気の組成を所望の状態に調節していた。
ところで、通常、ガス充填時には、充填した分量だけ庫内空気が庫内から排出されるため、上述のように、二酸化炭素の充填後に窒素濃縮空気を庫内に供給すると、窒素濃縮空気の充填時に先に充填した二酸化炭素が庫内から排出されてしまう。そのため、窒素濃縮空気の充填時に庫内空気の二酸化炭素濃度が低下することとなり、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が重要な植物が積み込まれた場合に、その鮮度を維持することができなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度に維持しながら酸素濃度を低下させることができる庫内空気調節装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置を提供することにある。
第1の発明は、呼吸を行う植物(15)が収納される収納庫(11)の庫内に、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気を供給するガス供給動作を行うガス供給装置(30)と、上記収納庫(11)の庫内空気の組成が所望の組成になるように上記ガス供給動作を制御する制御部(55)とを備えた庫内空気調節装置であって、上記制御部(55)は、上記庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、上記ガス供給動作を行って上記庫内空気の酸素濃度を低下させる一方、該庫内空気の酸素濃度が上記目標酸素濃度より高いまま上記庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より低い限界濃度まで低下すると、上記ガス供給動作を停止し、上記ガス供給動作の停止中に、上記庫内空気の酸素濃度が上記目標酸素濃度より高いまま上記植物(15)の呼吸によって上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記目標二酸化炭素濃度より高い再開濃度に到達すると、上記ガス供給動作を再開し、上記庫内空気の酸素濃度が上記目標酸素濃度に低下するまで該庫内空気の二酸化炭素濃度に応じて上記ガス供給動作の停止と再開とを繰り返すことで上記庫内空気の二酸化炭素濃度を上記限界濃度と上記再開濃度の間に維持しつつ該庫内空気の酸素濃度を上記目標酸素濃度まで低下させる二酸化炭素優先制御を実行するように構成されている。
第1の発明では、制御部(55)によって、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気を収納庫(11)の庫内に供給するガス供給装置(30)のガス供給動作を制御することにより、収納庫(11)の庫内空気の組成が所望の組成に調節される。
ここで、第1の発明では、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度の調節よりも二酸化炭素濃度の調節を優先させる二酸化炭素優先制御を実行するように構成されている。二酸化炭素優先制御では、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い上限濃度以上であり、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場合であっても、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度よりも低い限界濃度まで低下している場合には、庫内空気の酸素濃度を低下させるためのガス供給動作を停止することとしている。そして、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度を上昇させ、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より高い再開濃度に到達すると、ガス供給動作を再開する。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度付近に維持されつつ庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度に向かって低下していくこととなる。つまり、二酸化炭素優先制御では、庫内空気の酸素濃度を早く目標酸素濃度に到達させることよりも、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素付近に維持することが優先される。
第2の発明は、第1の発明において、上記制御部(55)は、上記二酸化炭素優先制御の開始時に上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記目標二酸化炭素濃度よりも高い所定の開始濃度未満である場合、上記植物(15)の呼吸によって上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達するまでは上記ガス供給動作を行わず、上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達してから上記ガス供給動作を行うように構成されている。
ところで、ガス供給動作が開始されると庫内空気の酸素濃度と共に二酸化炭素濃度も低下するため、庫内空気の二酸化炭素濃度が低いままガス供給動作を開始すると、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度まで上昇させるどころか逆に低下させてしまい、目標二酸化炭素濃度に到達させるまでに時間を要してしまう。
そこで、第2の発明では、二酸化炭素優先制御の開始時に庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度よりも高い所定の開始濃度未満である場合、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達するまでは、ガス供給動作を行わず、庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達してからガス供給動作を行うこととしている。このように庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達してからガス供給動作を行うことによって、二酸化炭素優先制御の開始後、庫内空気の二酸化炭素濃度が速やかに目標二酸化炭素濃度に近づく。そして、その後のガス供給動作の停止と再開の繰り返しにより、庫内空気の二酸化炭素濃度は、目標二酸化炭素濃度付近で維持されることとなる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記制御部(55)は、上記庫内空気の酸素濃度が上記上限濃度以上であるときに、上記庫内空気の二酸化炭素濃度に拘わらずに上記ガス供給動作を行って上記庫内空気の酸素濃度を低下させる酸素優先制御と、上記二酸化炭素優先制御とを選択的に実行するように構成されている。
第3の発明では、制御部(55)が、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、庫内空気の二酸化炭素濃度に拘わらずにガス供給動作を行って庫内空気の酸素濃度を低下させる酸素優先制御と、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作を制御して庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持しながら庫内空気の酸素濃度を低下させる二酸化炭素優先制御とを選択して実行できるように構成されている。
第4の発明は、第3の発明において、上記制御部(55)は、上記庫内空気の酸素濃度が上記上限濃度以上であるときに、上記酸素優先制御及び上記二酸化炭素優先制御のいずれを実行するかを決定する所定の優先判定を行うように構成されている。
第4の発明では、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い上限濃度以上であり、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場合に、制御部(55)が所定の優先判定を行い、庫内空気の酸素濃度の低下を優先させる酸素優先制御を実行するのか、庫内空気の酸素濃度の低下よりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させる二酸化炭素優先制御を実行するのかを決定する。そして、優先判定によって決定された制御を実行することにより、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度のそれぞれが目標濃度となる。
第5の発明は、第4の発明において、上記制御部(55)は、上記目標二酸化炭素濃度が所定値より高い場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている。
第5の発明では、制御部(55)は、目標二酸化炭素濃度が所定値より高い場合、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。
第6の発明は、第4の発明において、上記制御部(55)は、上記庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和が21%以上の所定の増加濃度より高い場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている。
ところで、ガス供給動作を行っても、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度が共に低下するだけであるため、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和が、大気中の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和である21%より高くなることはない。
そこで、第6の発明では、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和が21%以上の所定の増加濃度より高い場合、収納庫(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。
第7の発明は、第4の発明において、上記制御部(55)は、上記ガス供給動作中に、所定時間の間に上記庫内空気の二酸化炭素濃度が所定値以上増加した場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている。
ところで、ガス供給動作を行っても、庫内空気の二酸化炭素濃度は低下するだけであるため、庫内空気調節装置の運転中に、所定時間の間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加することはない。
そこで、第7の発明では、制御部(55)は、所定時間の間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加した場合、収納庫(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。
第8の発明は、第4の発明において、上記制御部(55)は、上記庫内空気調節装置の電源がON状態からOFF状態へ切り換えられた後、一日経過しない間に再びON状態に切り換えられた場合であって、上記庫内空気の二酸化炭素濃度が、上記庫内空気調節装置の電源がOFF状態に切り換えられる直前に比べて所定値以上上昇した場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている。
ところで、庫内空気調節装置の電源がOFF状態である場合、庫内空気の組成は、植物(15)の呼吸によってしか変化しないため、庫内空気調節装置の電源がOFF状態になってから一日経過するまでの間にON状態になった場合、その間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加することはない。
そこで、第8の発明では、制御部(55)は、庫内空気調節装置の電源がON状態からOFF状態へ切り換えられた後、一日経過しない間に再びON状態に切り換えられ、庫内空気の二酸化炭素濃度が、電源がOFF状態に切り換えられる直前に比べて所定値以上上昇した場合に、庫内空気調節装置の電源がOFF状態の際に収納庫(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。
第9の発明は、第4の発明において、上記制御部(55)は、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定したときに、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし、上記優先判定において上記酸素優先制御の実行を決定したとき及び所定の初期化条件を満たすときに上記二酸化炭素優先フラグを非アクティブ状態にするように構成され、上記庫内空気調節装置の電源がOFF状態からON状態に切り換えられた場合であって、上記二酸化炭素優先フラグが上記アクティブ状態である場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている。
ところで、優先判定を行い、例えば、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、実行していたにも拘わらず、意図せずに庫内空気調節装置の電源がOFF状態になることがある。
そこで、第9の発明では、上述のような場合に備え、制御部(55)は、優先判定において二酸化炭素優先制御の実行を決定したときに、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にすることとし、庫内空気調節装置の電源がOFF状態からON状態に切り換えられた場合に、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態である場合、優先判定において二酸化炭素優先制御を維持すべきであると推定し、そのまま二酸化炭素優先制御を維持することとしている。
第10の発明は、第1乃至第9のいずれか1つの発明に係る庫内空気調節装置(60)と、冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)とを備え、上記収納庫(11)であるコンテナの庫内空気を冷却すると共に該庫内空気の組成を調節するコンテナ用冷凍装置である。
第1の発明によれば、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高いときに、ガス供給動作を行って庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より低い限界濃度まで低下すると、ガス供給動作を停止し、ガス供給動作の停止中に、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より高い再開濃度に到達すると、ガス供給動作を再開する二酸化炭素優先制御を実行可能に構成した。この二酸化炭素優先制御によれば、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作の実行と停止とを制御することにより、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場面において、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持しながら庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度に向かって低下させることができる。よって、従来のように、二酸化炭素の充填後にガス供給動作を連続運転するために、庫内空気の酸素濃度の低下と共に二酸化炭素濃度が著しく低下するようなことがなく、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が重要な植物が庫内に積み込まれた場合であっても、その鮮度を維持することができる。
また、第2の発明によれば、二酸化炭素優先制御の開始時に庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度未満である場合、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達するまではガス供給動作が行われないようにしている。このように庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達してからガス供給動作を行うことによって、二酸化炭素優先制御の開始後、庫内空気の二酸化炭素濃度を速やかに目標二酸化炭素濃度に近づけることができる。よって、上記制御によれば、二酸化炭素優先制御の開始直後からガス供給動作を行う場合に比べて、早い段階で庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することができる。従って、庫内空気の組成を、二酸化炭素濃度を高く維持することが重要な植物の鮮度維持に好ましい組成に早く調節することができる。
また、第3の発明によれば、制御部(55)が、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、庫内空気の二酸化炭素濃度に拘わらずにガス供給動作を行って庫内空気の酸素濃度を低下させる酸素優先制御と、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作を制御して庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持しながら庫内空気の酸素濃度を低下させる二酸化炭素優先制御とを選択して実行できるように構成されている。これにより、例えば、庫内空気の酸素濃度を低く維持することが二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度に調節することよりも重要な植物が庫内に積み込まれた場合には、酸素優先制御を実行し、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が重要な植物が庫内に積み込まれた場合には、二酸化炭素優先制御を実行することが可能となる。従って、幅広い植物の鮮度維持が可能となる。
また、第4の発明によれば、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い上限濃度以上であり、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場合に、制御部(55)が所定の優先判定を行い、酸素優先制御を実行するのか二酸化炭素優先制御を実行するのかを決定し、決定した制御を実行するようにした。これにより、作業者が酸素優先制御と二酸化炭素優先制御とでいずれの制御を実行するのかを選択する必要がなく、制御部(55)の優先判定によって実行すべき制御を自動的に決定し、自動的に実行することができる。従って、作業者の誤操作によって適切でない制御が実行されることがない。従って、植物(15)の鮮度維持の確実性を上げることができる。
また、第5の発明によれば、制御部(55)は、目標二酸化炭素濃度が所定値より高い場合、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度を測定することなく、目標二酸化炭素濃度のみによって容易に優先判定を行うことができる。
また、第6の発明によれば、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和が21%以上の所定の増加濃度より高い場合、収納庫(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを測定して演算するだけで容易に優先判定を行うことができる。
また、第7の発明によれば、制御部(55)は、所定時間の間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加した場合、収納庫(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度を測定して上昇量を演算するだけで容易に優先判定を行うことができる。
また、第8の発明によれば、制御部(55)は、庫内空気調節装置の電源がON状態からOFF状態へ切り換えられた後、一日経過しない間に再びON状態に切り換えられ、庫内空気の二酸化炭素濃度が、電源がOFF状態に切り換えられる直前に比べて所定値以上上昇した場合に、庫内空気調節装置の電源がOFF状態の際に収納庫(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度を測定して上昇量を演算するだけで容易に優先判定を行うことができる。
また、第9の発明によれば、制御部(55)は、優先判定において二酸化炭素優先制御の実行を決定したときに、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にすることとし、庫内空気調節装置の電源がOFF状態からON状態に切り換えられた場合に、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態である場合、優先判定において二酸化炭素優先制御を維持すべきであると推定し、そのまま二酸化炭素優先制御を維持することとしている。そのため、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、実行していたにも拘わらず、意図せずに庫内空気調節装置の電源がOFF状態になってしまった場合であっても、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態であるため、優先判定において様々な判定を行うことなく、容易に二酸化炭素優先制御を維持することができる。
また、第10の発明によれば、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度に維持しながら庫内空気の酸素濃度を低下させることができる庫内空気調節装置(60)を備えたコンテナ用冷凍装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
《本発明の実施形態》
図1及び図2に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、海上輸送等に用いられるコンテナ(収納庫)(11)に設けられ、該コンテナ(11)の庫内空気を冷却するものである。コンテナ(11)の庫内には、植物(15)が箱詰めされた状態で収納されている。植物(15)は、空気中の酸素(O2)を取り込んで二酸化炭素(CO2)を放出する呼吸を行うものであり、例えば、バナナやアボカド等の青果物、野菜、穀物、球根、生花等である。
図1及び図2に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、海上輸送等に用いられるコンテナ(収納庫)(11)に設けられ、該コンテナ(11)の庫内空気を冷却するものである。コンテナ(11)の庫内には、植物(15)が箱詰めされた状態で収納されている。植物(15)は、空気中の酸素(O2)を取り込んで二酸化炭素(CO2)を放出する呼吸を行うものであり、例えば、バナナやアボカド等の青果物、野菜、穀物、球根、生花等である。
コンテナ(11)は、一方の端面が開口する細長い箱状に形成されている。コンテナ用冷凍装置(10)は、ケーシング(12)と、冷媒回路(20)と、CA装置(庫内空気調節装置/Controlled Atmosphere System)(60)とを備え、コンテナ(11)の開口端を塞ぐように取り付けられている。
〈ケーシング〉
図2に示すように、ケーシング(12)は、コンテナ(11)の庫外側に位置する庫外壁(12a)と、コンテナ(11)の庫内側に位置する庫内壁(12b)とを備えている。庫外壁(12a)及び庫内壁(12b)は、例えば、アルミニウム合金によって構成されている。
図2に示すように、ケーシング(12)は、コンテナ(11)の庫外側に位置する庫外壁(12a)と、コンテナ(11)の庫内側に位置する庫内壁(12b)とを備えている。庫外壁(12a)及び庫内壁(12b)は、例えば、アルミニウム合金によって構成されている。
庫外壁(12a)は、コンテナ(11)の開口端を塞ぐようにコンテナ(11)の開口の周縁部に取り付けられている。庫外壁(12a)は、下部がコンテナ(11)の庫内側へ膨出するように形成されている。
庫内壁(12b)は、庫外壁(12a)と対向して配置されている。庫内壁(12b)は、庫外壁(12a)の下部に対応して庫内側へ膨出している。庫内壁(12b)と庫外壁(12a)との間の空間には、断熱材(12c)が設けられている。
このように、ケーシング(12)の下部は、コンテナ(11)の庫内側に向かって膨出するように形成されている。これにより、ケーシング(12)の下部におけるコンテナ(11)の庫外側には庫外収納空間(S1)が形成され、ケーシング(12)の上部におけるコンテナ(11)の庫内側には庫内収納空間(S2)が形成されている。
図1に示すように、ケーシング(12)には、メンテナンス用の2つのサービス用開口(14)が幅方向に並んで形成されている。2つのサービス用開口(14)は、それぞれ開閉自在な第1及び第2サービス扉(16A,16B)によって閉塞されている。第1及び第2サービス扉(16A,16B)は、いずれもケーシング(12)と同様に、庫外壁と庫内壁と断熱材とによって構成されている。
図2に示すように、コンテナ(11)の庫内には、仕切板(18)が配置されている。この仕切板(18)は、略矩形状の板部材に構成され、ケーシング(12)のコンテナ(11)の庫内側の面と対向する姿勢で立設されている。この仕切板(18)によって、コンテナ(11)の庫内と庫内収納空間(S2)とが区画されている。
仕切板(18)の上端とコンテナ(11)内の天井面との間には吸込口(18a)が形成されている。コンテナ(11)の庫内空気は、吸込口(18a)を通って庫内収納空間(S2)に取り込まれる。
また、庫内収納空間(S2)には、水平方向に延びる区画壁(13)が設けられている。区画壁(13)は、仕切板(18)の上端部に取り付けられ、後述する庫内ファン(26)が設置される開口が形成されている。区画壁(13)は、庫内収納空間(S2)を、庫内ファン(26)の吸込側の1次空間(S21)と、庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)とに区画する。なお、本実施形態では、庫内収納空間(S2)は、区画壁(13)によって上下に区画され、吸込側の1次空間(S21)が上側、吹出側の2次空間(S22)が下側に形成されている。
コンテナ(11)内には、コンテナ(11)の底面との間に隙間を存して床板(19)が設けられている。床板(19)上には、箱詰めされた植物(15)が載置されている。コンテナ(11)内の底面と床板(19)との間には、床下流路(19a)が形成されている。仕切板(18)の下端とコンテナ(11)内の底面との間には隙間が設けられ、床下流路(19a)に連通している。
床板(19)におけるコンテナ(11)の奥側(図2で右側)には、コンテナ用冷凍装置(10)によって冷却された空気をコンテナ(11)の庫内へ吹き出す吹出口(18b)が形成されている。
〈冷媒回路等の構成と配置〉
図3に示すように、冷媒回路(20)は、圧縮機(21)と、凝縮器(22)と、膨張弁(23)と、蒸発器(24)とを、冷媒配管(20a)によって順に接続することによって構成された閉回路である。
図3に示すように、冷媒回路(20)は、圧縮機(21)と、凝縮器(22)と、膨張弁(23)と、蒸発器(24)とを、冷媒配管(20a)によって順に接続することによって構成された閉回路である。
凝縮器(22)の近傍には、庫外ファンモータ(25a)によって回転駆動され、コンテナ(11)の庫外空間の空気(外気)を庫外収納空間(S1)内へ誘引して凝縮器(22)へ送る庫外ファン(25)が設けられている。凝縮器(22)では、圧縮機(21)で加圧されて凝縮器(22)の内部を流れる冷媒と庫外ファン(25)によって凝縮器(22)に送られた外気との間で熱交換が行われる。本実施形態では、庫外ファン(25)は、プロペラファンによって構成されている。
蒸発器(24)の近傍には、庫内ファンモータ(26a)によって回転駆動され、コンテナ(11)の庫内空気を吸込口(18a)から誘引して蒸発器(24)へ吹き出す庫内ファン(26)が2つ設けられている。蒸発器(24)では、膨張弁(23)によって減圧されて蒸発器(24)の内部を流れる冷媒と庫内ファン(26)によって蒸発器(24)に送られた庫内空気との間で熱交換が行われる。
図2に示すように、庫内ファン(26)は、プロペラファン(回転翼)(27a)と、複数の静翼(27b)と、ファンハウジング(27c)とを有している。プロペラファン(27a)は、庫内ファンモータ(26a)に連結され、庫内ファンモータ(26a)によって回転軸周りに回転駆動されて軸方向に送風する。複数の静翼(27b)は、プロペラファン(27a)の吹出側に設けられて該プロペラファン(27a)から吹き出されて旋回する空気流れを整流する。ファンハウジング(27c)は、複数の静翼(27b)が内周面に取り付けられた円筒部材によって構成され、プロペラファン(27a)の外周まで延び、プロペラファン(27a)の外周を取り囲んでいる。
図1に示すように、圧縮機(21)及び凝縮器(22)は、庫外収納空間(S1)に収納されている。凝縮器(22)は、庫外収納空間(S1)の上下方向の中央部分において、該庫外収納空間(S1)を下側の第1空間(S11)と上側の第2空間(S12)とに区画するように設けられている。第1空間(S11)には、上記圧縮機(21)と、該圧縮機(21)を可変速で駆動するための駆動回路が収納されたインバータボックス(29)と、CA装置(60)のガス供給装置(30)とが設けられている。一方、第2空間(S12)には、庫外ファン(25)と、電装品ボックス(17)とが設けられている。第1空間(S11)は、コンテナ(11)の庫外空間に対して開放される一方、第2空間(S12)は、庫外ファン(25)の吹出口のみが庫外空間に開口するように庫外空間との間が板状部材によって閉塞されている。
一方、図2に示すように、蒸発器(24)は、庫内収納空間(S2)の2次空間(S22)に収納されている。庫内収納空間(S2)における蒸発器(24)の上方位置には、ケーシング(12)の幅方向に並んで2つの庫内ファン(26)が設けられている(図1参照)。
〈CA装置〉
図4〜図6に示すように、CA装置(60)は、ガス供給装置(30)と、排気部(46)と、センサユニット(50)と、制御部(55)とを備え、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを調節するものである。なお、以下の説明で用いる「濃度」は、全て「体積濃度」を指す。
図4〜図6に示すように、CA装置(60)は、ガス供給装置(30)と、排気部(46)と、センサユニット(50)と、制御部(55)とを備え、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを調節するものである。なお、以下の説明で用いる「濃度」は、全て「体積濃度」を指す。
[ガス供給装置]
−ガス供給装置の構成−
ガス供給装置(30)は、コンテナ(11)の庫内に供給するための低酸素濃度の窒素濃縮空気を生成する装置である。本実施形態では、ガス供給装置(30)は、VPSA(Vacuum Pressure Swing Adsorption)によって構成されている。また、ガス供給装置(30)は、図1に示すように、庫外収納空間(S1)の左下のコーナー部に配置されている。
−ガス供給装置の構成−
ガス供給装置(30)は、コンテナ(11)の庫内に供給するための低酸素濃度の窒素濃縮空気を生成する装置である。本実施形態では、ガス供給装置(30)は、VPSA(Vacuum Pressure Swing Adsorption)によって構成されている。また、ガス供給装置(30)は、図1に示すように、庫外収納空間(S1)の左下のコーナー部に配置されている。
図4に示すように、ガス供給装置(30)は、エアポンプ(31)と、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)と、空気中の窒素成分を吸着するための吸着剤が設けられた第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)とが接続された空気回路(3)と、該空気回路(3)の構成部品が収納されたユニットケース(70)とを有している。
(エアポンプ)
エアポンプ(31)は、ユニットケース(70)内に設けられ、それぞれ空気を吸引して加圧して吐出する第1ポンプ機構(加圧部)(31a)及び第2ポンプ機構(減圧部)(31b)を有している。第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)は、モータ(31c)の駆動軸に接続され、モータ(31c)によって回転駆動されることにより、それぞれ空気を吸引して加圧して吐出する。
エアポンプ(31)は、ユニットケース(70)内に設けられ、それぞれ空気を吸引して加圧して吐出する第1ポンプ機構(加圧部)(31a)及び第2ポンプ機構(減圧部)(31b)を有している。第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)は、モータ(31c)の駆動軸に接続され、モータ(31c)によって回転駆動されることにより、それぞれ空気を吸引して加圧して吐出する。
第1ポンプ機構(31a)の吸込口は、ユニットケース(70)を内外に貫通するように設けられた外気通路(41)の一端が接続されている。外気通路(41)の他端には、通気性と防水性を有するメンブレンフィルタ(77)が設けられている。外気通路(41)は、可撓性を有するチューブによって構成されている。図示を省略するが、メンブレンフィルタ(77)が設けられた外気通路(41)の他端は、庫外収納空間(S1)の凝縮器(22)の上方の第2空間(S12)に設けられている。このような構成により、第1ポンプ機構(31a)は、外気通路(41)の他端に設けられたメンブレンフィルタ(77)を介してユニットケース(70)の外から中へ流入する際に水分が除去された外気を吸い込んで加圧する。
一方、第1ポンプ機構(31a)の吐出口には加圧通路(42)の一端が接続されている。該加圧通路(42)の他端は、下流側において2つに分岐して第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)のそれぞれに接続されている。加圧通路(42)は、大部分が樹脂製のチューブによって構成され、一部分がユニットケース(70)の外部に設けられた冷却部(42a)に構成されている。冷却部(42a)は、本実施形態では、樹脂製のチューブの中途部に接続されて庫外収納空間(S1)に設けられた銅管によって構成されている。このような構成により、第1ポンプ機構(31a)によって加圧されて加圧通路(42)を流れる加圧空気は、銅管によって構成された冷却部(42a)を通過する際に、該冷却部(42a)が設けられた庫外収納空間(S1)において外気に放熱して冷却される。
第2ポンプ機構(31b)の吸込口には、減圧通路(43)の一端が接続されている。該減圧通路(43)の他端は、上流側において2つに分かれ、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)のそれぞれに接続されている。一方、第2ポンプ機構(31b)の吐出口には、供給通路(44)の一端が接続されている。供給通路(44)の他端は、コンテナ(11)の庫内収納空間(S2)における庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)において開口している。供給通路(44)の他端部には、一端から他端へ向かう向きの空気の流通のみを許容し、空気の逆流を防止する逆止弁(91)が設けられている。
なお、本実施形態では、加圧通路(42)と減圧通路(43)とは、バイパス通路(71)によって接続されている。バイパス通路(71)には、制御部(55)によって開閉制御されるバイパス開閉弁(72)が設けられている。
エアポンプ(31)の第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)は、潤滑用のオイルを使用しないオイルレスのポンプで構成されている。また、エアポンプ(31)の側方には、エアポンプ(31)に向かって送風することでエアポンプ(31)を冷却するための送風ファン(48)が2つ設けられている。
(方向制御弁)
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)は、空気回路(3)におけるエアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との間に設けられ、エアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との接続状態を後述する3つの接続状態(第1〜第3の接続状態)に切り換えるものである。この切り換え動作は、制御部(55)によって制御される。
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)は、空気回路(3)におけるエアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との間に設けられ、エアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との接続状態を後述する3つの接続状態(第1〜第3の接続状態)に切り換えるものである。この切り換え動作は、制御部(55)によって制御される。
具体的に、第1方向制御弁(32)は、第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続された加圧通路(42)と、第2ポンプ機構(31b)の吸込口に接続された減圧通路(43)と、第1吸着筒(34)の一端部(加圧時の流入口)とに接続される。この第1方向制御弁(32)は、第1吸着筒(34)を第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通させて第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断する第1状態(図4に示す状態)と、第1吸着筒(34)を第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通させて第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断する第2状態(図5に示す状態)とに切り換わる。
第2方向制御弁(33)は、第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続された加圧通路(42)と、第2ポンプ機構(31b)の吸込口に接続された減圧通路(43)と、第2吸着筒(35)の一端部とに接続される。この第2方向制御弁(33)は、第2吸着筒(35)を第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通させて第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断する第1状態(図4に示す状態)と、第2吸着筒(35)を第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通させて第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断する第2状態(図5に示す状態)とに切り換わる。
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を共に第1状態に設定すると、空気回路(3)が、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第1吸着筒(34)とが接続され且つ第2ポンプ機構(31b)の吸込口と第2吸着筒(35)とが接続される第1の接続状態に切り換わる(図4を参照)。この状態では、第1吸着筒(34)で外気中の窒素成分を吸着剤に吸着させる吸着動作が行われ、第2吸着筒(35)で吸着剤に吸着された窒素成分を脱着させる脱着動作が行われる。
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を共に第2状態に設定すると、空気回路(3)が、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第2吸着筒(35)とが接続され且つ第2ポンプ機構(31b)の吸込口と第1吸着筒(34)とが接続される第2の接続状態に切り換わる(図5を参照)。この状態では、第2吸着筒(35)で吸着動作が行われ、第1吸着筒(34)で脱着動作が行われる。
第1方向制御弁(32)を第1状態に設定し、第2方向制御弁(33)を第2状態に設定すると、空気回路(3)が、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第1吸着筒(34)とが接続され且つ第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第2吸着筒(35)とが接続される第3の接続状態に切り換わる(図6を参照)。この状態では、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続され、第1ポンプ機構(31a)によって第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方に加圧された外気が供給される。この状態では、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方で吸着動作が行われる。
(吸着筒)
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)は、内部に吸着剤が充填された円筒部材によって構成されている。第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填された吸着剤は、加圧下で窒素成分を吸着して、減圧下で吸着した窒素成分を脱着させる性質を有している。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)は、内部に吸着剤が充填された円筒部材によって構成されている。第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填された吸着剤は、加圧下で窒素成分を吸着して、減圧下で吸着した窒素成分を脱着させる性質を有している。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填された吸着剤は、例えば、窒素分子の分子径(3.0オングストローム)よりも小さく且つ酸素分子の分子径(2.8オングストローム)よりも大きな孔径の細孔を有する多孔体のゼオライトで構成されている。このような孔径のゼオライトで吸着剤を構成すれば、空気中の窒素成分を吸着することができる。
また、ゼオライトの細孔内には、陽イオンが存在しているために電場が存在し極性を生じているので、水分子などの極性分子を吸着する性質を有している。そのため、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填されたゼオライトからなる吸着剤には、空気中の窒素だけでなく、空気中の水分(水蒸気)も吸着される。そして、吸着剤に吸着された水分は、脱着動作によって窒素成分と共に吸着剤から脱着される。そのため、水分を含んだ窒素濃縮空気がコンテナ(11)の庫内に供給されることとなり、庫内の湿度を上げることができる。さらに、吸着剤が再生されるので、吸着剤の長寿命化を図ることができる。
このような構成により、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)では、エアポンプ(31)から加圧された外気が供給されて内部が加圧されると、吸着剤に該外気中の窒素成分が吸着する。その結果、外気よりも窒素成分が少なくなることで外気よりも窒素濃度が低く且つ酸素濃度が高い酸素濃縮空気が生成される。一方、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)では、エアポンプ(31)によって内部の空気が吸引されて減圧されると、吸着剤に吸着されていた窒素成分が脱着する。その結果、外気よりも窒素成分を多く含むことで外気よりも窒素濃度が高く且つ酸素濃度が低い窒素濃縮空気が生成される。本実施形態では、例えば、窒素濃度92%、酸素濃度8%の成分比率の窒素濃縮空気が生成される。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の他端部(加圧時の流出口)には、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が供給されて生成された酸素濃縮空気を、コンテナ(11)の庫外へ導くための酸素排出通路(45)の一端が接続されている。酸素排出通路(45)の一端は、2つに分岐し、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の他端部のそれぞれに接続されている。酸素排出通路(45)の他端は、ガス供給装置(30)の外部、即ち、コンテナ(11)の庫外において開口している。酸素排出通路(45)の第1吸着筒(34)の他端部に接続された部分及び第2吸着筒(35)の他端部に接続された部分には、酸素排出通路(45)から第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)への空気の逆流を防止するための逆止弁(92)がそれぞれ設けられている。
酸素排出通路(45)の中途部には、逆止弁(93)とオリフィス(94)とが一端から他端に向かって順に設けられている。逆止弁(93)は、後述する排気用接続通路(74)からの窒素濃縮空気の第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)側への逆流を防止する。オリフィス(94)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)から流出した酸素濃縮空気が庫外へ排出される前に減圧する。
(給排切換機構)
空気回路(3)には、生成した窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給する後述するガス供給動作と生成した窒素濃縮空気を庫外へ排出するガス排出動作とを切り換えるための給排切換機構が設けられている。給排切換機構は、排気用接続通路(74)と、排気用開閉弁(75)と、供給側開閉弁(76)とを有している。
空気回路(3)には、生成した窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給する後述するガス供給動作と生成した窒素濃縮空気を庫外へ排出するガス排出動作とを切り換えるための給排切換機構が設けられている。給排切換機構は、排気用接続通路(74)と、排気用開閉弁(75)と、供給側開閉弁(76)とを有している。
排気用接続通路(74)は、一端が供給通路(44)に接続され、他端が酸素排出通路(45)に接続されている。排気用接続通路(74)の他端は、酸素排出通路(45)のオリフィス(94)よりも庫外側に接続されている。
排気用開閉弁(75)は、排気用接続通路(74)に設けられている。排気用開閉弁(75)は、排気用接続通路(74)の中途部において、供給通路(44)から流入した窒素濃縮空気の流通を許容する開状態と、窒素濃縮空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。排気用開閉弁(75)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
供給側開閉弁(76)は、供給通路(44)における排気用接続通路(74)が接続される接続部よりも他端側(庫内側)に設けられている。供給側開閉弁(76)は、供給通路(44)の排気用接続通路(74)の接続部よりも庫内側において、窒素濃縮空気の庫内側への流通を許容する開状態と、窒素濃縮空気の庫内側への流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。供給側開閉弁(76)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
(測定ユニット)
空気回路(3)には、生成した窒素濃縮空気の濃度を、コンテナ(11)の庫内に設けられた後述するセンサユニット(50)の酸素センサ(51)を用いて測定する給気測定動作を行うための測定ユニット(80)が設けられている。測定ユニット(80)は、分岐管(測定用通路)(81)と測定用開閉弁(82)とを備え、供給通路(44)を流れる窒素濃縮空気の一部を分岐させて酸素センサ(51)に導くように構成されている。
空気回路(3)には、生成した窒素濃縮空気の濃度を、コンテナ(11)の庫内に設けられた後述するセンサユニット(50)の酸素センサ(51)を用いて測定する給気測定動作を行うための測定ユニット(80)が設けられている。測定ユニット(80)は、分岐管(測定用通路)(81)と測定用開閉弁(82)とを備え、供給通路(44)を流れる窒素濃縮空気の一部を分岐させて酸素センサ(51)に導くように構成されている。
具体的には、分岐管(81)は、一端が供給通路(44)に接続され、他端が酸素センサ(51)に連結されている。なお、本実施形態では、分岐管(81)は、ユニットケース(70)内において供給通路(44)から分岐し、ユニットケース(70)の内外に亘るように設けられている。分岐管(81)の他端部(庫内部分)には、一端から他端へ向かう向きの空気の流通のみを許容し、空気の逆流を防止する逆止弁(95)が設けられている。
測定用開閉弁(82)は、分岐管(81)のユニットケースの内部に設けられている。測定用開閉弁(82)は、分岐管(81)における窒素濃縮空気の流通を許容する開状態と、分岐管(81)における窒素濃縮空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。測定用開閉弁(82)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。詳細については後述するが、測定用開閉弁(82)は、後述する給気測定動作が実行される際にのみ開状態となり、その他のモードでは閉状態となる。
−ガス供給装置の運転動作−
(ガス生成動作)
ガス供給装置(30)では、第1吸着筒(34)が加圧されると同時に第2吸着筒(35)が減圧される第1動作(図4を参照)と、第1吸着筒(34)が減圧されると同時に第2吸着筒(35)が加圧される第2動作(図5を参照)とが、所定の時間(例えば、14.5秒)ずつ交互に繰り返し行われることにより、窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とが生成される。また、本実施形態では、第1動作と第2動作との各合間に、第1吸着筒(34)と第2吸着筒(35)のいずれもが加圧される均圧動作(図6を参照)が、所定の時間(例えば、1.5秒)行われる。各動作の切り換えは、制御部(55)が第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を操作することによって行われる。
(ガス生成動作)
ガス供給装置(30)では、第1吸着筒(34)が加圧されると同時に第2吸着筒(35)が減圧される第1動作(図4を参照)と、第1吸着筒(34)が減圧されると同時に第2吸着筒(35)が加圧される第2動作(図5を参照)とが、所定の時間(例えば、14.5秒)ずつ交互に繰り返し行われることにより、窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とが生成される。また、本実施形態では、第1動作と第2動作との各合間に、第1吸着筒(34)と第2吸着筒(35)のいずれもが加圧される均圧動作(図6を参照)が、所定の時間(例えば、1.5秒)行われる。各動作の切り換えは、制御部(55)が第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を操作することによって行われる。
《第1動作》
第1動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図4に示す第1状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断された第1接続状態となる。この第1接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第1吸着筒(34)に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が、第2吸着筒(35)から窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気を吸引する。
第1動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図4に示す第1状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断された第1接続状態となる。この第1接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第1吸着筒(34)に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が、第2吸着筒(35)から窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気を吸引する。
具体的には、第1ポンプ機構(31a)は、外気通路(41)を介して外気を吸い込んで加圧し、加圧した外気(加圧空気)を加圧通路(42)に吐出する。加圧通路(42)に吐出された加圧空気は、加圧通路(42)を流れ、ユニットケース(70)の外部であって庫外収納空間(S1)に設けられた冷却部(42a)に流入する。加圧空気は、冷却部(42a)を通過する際に、外気と熱交換して冷却され、その後、第1吸着筒(34)へ供給される。
このようにして、第1吸着筒(34)には、冷却された加圧空気が流入し、該加圧空気に含まれる窒素成分が吸着剤に吸着される。なお、吸着剤の吸着性能は、吸着材の温度が低くなる程向上する。そのため、上述のように、冷却部(42a)において加圧空気を予め冷却しておくことにより、冷却しない場合に比べて吸着剤への吸着性能が向上する。このように、第1動作中、第1吸着筒(34)では、上記第1ポンプ機構(31a)から加圧された外気が供給されて該外気中の窒素成分が吸着剤に吸着されることにより、窒素濃度が外気よりも低く酸素濃度が外気よりも高い酸素濃縮空気が生成される。酸素濃縮空気は、第1吸着筒(34)から酸素排出通路(45)に流出する。
一方、第2ポンプ機構(31b)は、第2吸着筒(35)から空気を吸引する。その際、第2吸着筒(35)の吸着剤に吸着された窒素成分が、空気と共に第2ポンプ機構(31b)に吸引されて吸着剤から脱着する。このように、第1動作中、第2吸着筒(35)では、第2ポンプ機構(31b)によって内部の空気が吸引されて吸着剤に吸着された窒素成分が脱着することにより、吸着剤から脱着した窒素成分を含み、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気が生成される。窒素濃縮空気は、第2ポンプ機構(31b)に吸い込まれ、加圧された後、供給通路(44)に吐出される。
《第2動作》
第2動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図5に示す第2状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断された第2接続状態となる。この第2接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第2吸着筒(35)に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が、第1吸着筒(34)から窒素濃縮空気を吸引する。
第2動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図5に示す第2状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断された第2接続状態となる。この第2接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第2吸着筒(35)に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が、第1吸着筒(34)から窒素濃縮空気を吸引する。
具体的には、第1ポンプ機構(31a)は、外気通路(41)を介して外気を吸い込んで加圧し、加圧した外気(加圧空気)を加圧通路(42)に吐出する。加圧通路(42)に吐出された加圧空気は、加圧通路(42)を流れ、ユニットケース(70)の外部であって庫外収納空間(S1)に設けられた冷却部(42a)に流入する。加圧空気は、冷却部(42a)を通過する際に、外気と熱交換して冷却され、その後、第2吸着筒(35)へ供給される。
このようにして、第2吸着筒(35)には、冷却された加圧空気が流入し、該加圧空気に含まれる窒素成分が吸着剤に吸着される。また、第2動作においても、冷却部(42a)において加圧空気を予め冷却しておくことにより、冷却しない場合に比べて吸着剤への吸着性能が向上する。このように、第2動作中、第2吸着筒(35)では、上記第1ポンプ機構(31a)から加圧された外気が供給されて該外気中の窒素成分が吸着剤に吸着されることにより、窒素濃度が外気よりも低く酸素濃度が外気よりも高い酸素濃縮空気が生成される。酸素濃縮空気は、第2吸着筒(35)から酸素排出通路(45)に流出する。
一方、第2ポンプ機構(31b)は、第1吸着筒(34)から空気を吸引する。その際、第1吸着筒(34)の吸着剤に吸着された窒素成分が、空気と共に第2ポンプ機構(31b)に吸引されて吸着剤から脱着する。このように、第2動作中、第1吸着筒(34)では、第2ポンプ機構(31b)によって内部の空気が吸引されて吸着剤に吸着された窒素成分が脱着することにより、吸着剤から脱着した窒素成分を含み、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気が生成される。窒素濃縮空気は、第2ポンプ機構(31b)に吸い込まれ、加圧された後、供給通路(44)に吐出される。
《均圧動作》
図6に示すように、均圧動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)が第1状態に切り換える一方、第2方向制御弁(33)が第2状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)が、共に第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断された第3接続状態となる。この第3接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が減圧通路(43)に残存する窒素濃縮空気を吸引する。
図6に示すように、均圧動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)が第1状態に切り換える一方、第2方向制御弁(33)が第2状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)が、共に第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断された第3接続状態となる。この第3接続状態では、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方に供給される一方、第2ポンプ機構(31b)が減圧通路(43)に残存する窒素濃縮空気を吸引する。
具体的には、第1ポンプ機構(31a)は、外気通路(41)を介して外気を吸い込んで加圧し、加圧した外気(加圧空気)を加圧通路(42)に吐出する。加圧通路(42)に吐出された加圧空気は、加圧通路(42)を流れ、ユニットケース(70)の外部であって庫外収納空間(S1)に設けられた冷却部(42a)に流入する。加圧空気は、冷却部(42a)を通過する際に、外気と熱交換して冷却され、その後、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方に供給される。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)では、流入した加圧空気に含まれる窒素成分が吸着剤に吸着され、酸素濃縮空気が生成される。酸素濃縮空気は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)から酸素排出通路(45)に流出する。
一方、第2ポンプ機構(31b)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)から遮断される。そのため、均圧動作中には、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において新たに窒素濃縮空気が生成されることはなく、第2ポンプ機構(31b)は、減圧通路(43)に残存する窒素濃縮空気を吸引して加圧した後、供給通路(44)に吐出する。
ところで、上述したように、第1動作中には、第1吸着筒(34)では第1ポンプ機構(31a)によって加圧されて吸着動作が行われ、第2吸着筒(35)では第2ポンプ機構(31b)によって減圧されて脱着動作が行われる。一方、第2動作中には、第2吸着筒(35)では第1ポンプ機構(31a)によって加圧されて吸着動作が行われ、第1吸着筒(34)では第2ポンプ機構(31b)によって減圧されて脱着動作が行われる。そのため、上述の均圧動作を挟むことなく、第1動作から第2動作へ切り換える又は第2動作から第1動作へ切り換えると、切り換え直後は、切り換え前に脱着動作を行っていた吸着筒内の圧力が著しく低いため、該吸着筒内の圧力が上昇するのに時間がかかり、すぐには吸着動作が行われない。
そこで、本実施形態では、第1動作から第2動作へ切り換える際、及び第2動作から第1動作へ切り換える際に、空気回路(3)を第3接続状態に切り換え、第1吸着筒(34)と第2吸着筒(35)とを、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を介して連通させることとしている。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の互いの内部圧力が、速やかに等しくなる(互いの内部圧力の中間の圧力になる)。このような均圧動作により、切り換え前に第2ポンプ機構(31b)によって減圧されて脱着動作を行っていた吸着筒内の圧力が、速やかに上昇するため、第1ポンプ機構(31a)への接続後、速やかに吸着動作が行われる。
このようにして、ガス供給装置(30)では、均圧動作(図6を参照)を挟みながら第1動作(図4を参照)と第2動作(図5を参照)とを交互に繰り返し行い、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気を生成する(ガス生成動作)。本実施形態では、平均窒素濃度(第1動作及び第2動作の各動作において、庫内に供給される窒素濃縮空気の窒素濃度の平均値)が92%、平均酸素濃度(第1動作及び第2動作の各動作において、庫内に供給される窒素濃縮空気の酸素濃度の平均値)が8%の窒素濃縮空気が生成される。
(ガス供給動作/ガス排出動作)
また、ガス供給装置(30)では、給排切換機構によって、ガス生成動作によって生成された窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給するガス供給動作と、脱着動作の開始時点から所定時間の間、ガス生成動作によって生成された窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内へ供給せずに排気するガス排出動作とが切り換えられる。
また、ガス供給装置(30)では、給排切換機構によって、ガス生成動作によって生成された窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内に供給するガス供給動作と、脱着動作の開始時点から所定時間の間、ガス生成動作によって生成された窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内へ供給せずに排気するガス排出動作とが切り換えられる。
《ガス供給動作》
図4〜図6に示すように、ガス供給動作では、制御部(55)によって、排気用開閉弁(75)が閉状態に制御され、供給側開閉弁(76)が開状態に制御される。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において交互に生成された窒素濃縮空気が供給通路(44)を通ってコンテナ(11)の庫内へ供給され、酸素濃縮空気は酸素排出通路(45)を通って庫外へ排出される。
図4〜図6に示すように、ガス供給動作では、制御部(55)によって、排気用開閉弁(75)が閉状態に制御され、供給側開閉弁(76)が開状態に制御される。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において交互に生成された窒素濃縮空気が供給通路(44)を通ってコンテナ(11)の庫内へ供給され、酸素濃縮空気は酸素排出通路(45)を通って庫外へ排出される。
《ガス排出動作》
図示を省略するが、ガス排出動作では、制御部(55)によって、排気用開閉弁(75)が開状態に制御され、供給側開閉弁(76)が閉状態に制御される。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において交互に生成されて供給通路(44)に吐出された窒素濃縮空気は、供給通路(44)において供給側開閉弁(76)よりも庫内側への流通が阻止され、排気用接続通路(74)に流入する。排気用接続通路(74)に流入した窒素濃縮空気は、酸素排出通路(45)に流入し、酸素排出通路(45)を流れる酸素濃縮空気と共に庫外へ排出される。
図示を省略するが、ガス排出動作では、制御部(55)によって、排気用開閉弁(75)が開状態に制御され、供給側開閉弁(76)が閉状態に制御される。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において交互に生成されて供給通路(44)に吐出された窒素濃縮空気は、供給通路(44)において供給側開閉弁(76)よりも庫内側への流通が阻止され、排気用接続通路(74)に流入する。排気用接続通路(74)に流入した窒素濃縮空気は、酸素排出通路(45)に流入し、酸素排出通路(45)を流れる酸素濃縮空気と共に庫外へ排出される。
[排気部]
−排気部の構成−
図2に示すように、排気部(46)は、庫内収納空間(S2)と庫外空間とを繋ぐ排気通路(46a)と、排気通路(46a)に接続された排気弁(46b)と、排気通路(46a)の流入端部(庫内側端部)に設けられたメンブレンフィルタ(46c)とを有している。排気通路(46a)は、ケーシング(12)を内外に貫通するように設けられている。排気弁(46b)は、排気通路(46a)の庫内側に設けられ、排気通路(46a)における空気の流通を許容する開状態と、排気通路(46a)における空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。排気弁(46b)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
−排気部の構成−
図2に示すように、排気部(46)は、庫内収納空間(S2)と庫外空間とを繋ぐ排気通路(46a)と、排気通路(46a)に接続された排気弁(46b)と、排気通路(46a)の流入端部(庫内側端部)に設けられたメンブレンフィルタ(46c)とを有している。排気通路(46a)は、ケーシング(12)を内外に貫通するように設けられている。排気弁(46b)は、排気通路(46a)の庫内側に設けられ、排気通路(46a)における空気の流通を許容する開状態と、排気通路(46a)における空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。排気弁(46b)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
−排気部の運転動作−
庫内ファン(26)の回転の回転中に、制御部(55)によって排気弁(46b)を開くことによって、庫内に繋がる庫内収納空間(S2)の空気(庫内空気)が庫外へ排出される排気動作が行われる。
庫内ファン(26)の回転の回転中に、制御部(55)によって排気弁(46b)を開くことによって、庫内に繋がる庫内収納空間(S2)の空気(庫内空気)が庫外へ排出される排気動作が行われる。
具体的には、庫内ファン(26)が回転すると、吹出側の2次空間(S22)の圧力が、庫外空間の圧力(大気圧)よりも高くなる。これにより、排気弁(46b)が開状態であるときには、排気通路(46a)の両端部の間で生じる圧力差(庫外空間と2次空間(S22)との間の圧力差)により、庫内に繋がる庫内収納空間(S2)の空気(庫内空気)が排気通路(46a)を通って庫外空間へ排出される。
[センサユニット]
図2に示すように、センサユニット(50)は、庫内収納空間(S2)における庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)に設けられている。センサユニット(50)は、酸素センサ(51)と、二酸化炭素センサ(52)と、メンブレンフィルタ(54)と、連絡管(56)と、排気管(57)とを有している。
図2に示すように、センサユニット(50)は、庫内収納空間(S2)における庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)に設けられている。センサユニット(50)は、酸素センサ(51)と、二酸化炭素センサ(52)と、メンブレンフィルタ(54)と、連絡管(56)と、排気管(57)とを有している。
酸素センサ(51)は、ガルバニ電池式センサによって構成されている。一方、二酸化炭素センサ(52)は、非分散型赤外線方式(NDIR:non dispersive infrared)のセンサによって構成されている。酸素センサ(51)には、測定ユニット(80)の分岐管(81)が連結され、酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とは、連絡管(56)によって連結されている。また、二酸化炭素センサ(52)には、排気管(57)の一端が連結され、排気管(57)の他端は、庫内ファン(26)の吸込口の近傍において開口している。なお、酸素センサ(51)は、周辺の空気を取り込むための吸込口を有し、該吸込口には、メンブレンフィルタ(54)が設けられている。
このような構成により、庫内収納空間(S2)の2次空間(S22)と1次空間(S21)とは、メンブレンフィルタ(54)、酸素センサ(51)、連絡管(56)、二酸化炭素センサ(52)、及び排気管(57)によって形成される空気通路(58)を介して連通している。そのため、庫内ファン(26)の運転中には、1次空間(S21)の圧力が、2次空間(S22)の圧力よりも低くなるため、この圧力差により、酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とが接続された空気通路(58)において2次空間(S22)側から1次空間(S21)側へ庫内空気が流れる。このようにして、庫内空気が酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とを順に通過し、酸素センサ(51)において庫内空気の酸素濃度が測定され、二酸化炭素センサ(52)において庫内空気の二酸化炭素濃度が測定される。一方、庫内ファン(26)の運転停止中であって後述する給気測定動作中には、ガス供給装置(30)で生成された窒素濃縮空気が、分岐管(81)を介して酸素センサ(51)に導かれ、酸素センサ(51)において窒素濃縮空気の酸素濃度が測定される。
[制御部]
制御部(55)は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度及び二酸化炭素濃度を所望の濃度にする濃度調節運転を実行するように構成されている。具体的には、制御部(55)は、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)の測定結果に基づいて、コンテナ(11)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)が所望の組成になるように、ガス供給装置(30)及び排気部(46)の動作を制御する。
制御部(55)は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度及び二酸化炭素濃度を所望の濃度にする濃度調節運転を実行するように構成されている。具体的には、制御部(55)は、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)の測定結果に基づいて、コンテナ(11)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)が所望の組成になるように、ガス供給装置(30)及び排気部(46)の動作を制御する。
図7に示すように、制御部(55)は、濃度調節運転において、酸素濃度低下モードと空気組成調整モードとを行うように構成されている。具体的には、制御部(55)は、酸素濃度低下モードで濃度調節運転を開始し、該酸素濃度低下モード中にコンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2以下になると空気組成調整モードに切り換え、該空気組成調整モード中にコンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2に所定濃度V(本実施形態では、1.0%)を加えた上限濃度以上になると酸素濃度低下モードに戻すように構成されている。
また、制御部(55)は、酸素濃度低下モードにおいて、庫内空気の二酸化炭素濃度の調節を酸素濃度の調節に優先して行う二酸化炭素優先制御と、庫内空気の酸素濃度の調節を二酸化炭素濃度の調節に優先して行う酸素優先制御とのいずれを実行するかを決定する所定の優先判定を行うように構成されている。なお、優先判定及び各制御の詳細については後述するが、制御部(55)は、優先判定において二酸化炭素優先制御の実行を決定したときに、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし(Yを保存し)、優先判定において酸素優先制御の実行を決定したとき及び所定の初期化条件を満たすときには二酸化炭素優先フラグを非アクティブ状態にする(Nを保存する)ように構成されている。
また、制御部(55)は、ユーザからの指令により又は定期的に、測定用開閉弁(82)の動作を制御して、ガス供給装置(30)において生成された窒素濃縮空気の酸素濃度を測定する給気測定動作を行うように構成されている。
本実施形態では、制御部(55)は、CA装置(60)の各要素を本願で開示するように制御するマイクロコンピュータと、実施可能な制御プログラムが記憶されたメモリやハードディスク等とを含んでいる。なお、上記制御部(55)は、CA装置(60)の制御部の一例であり、制御部(55)の詳細な構造やアルゴリズムは、本発明に係る機能を実行するどのようなハードウェアとソフトウェアとの組み合わせであってもよい。
−運転動作−
〈冷媒回路の運転動作〉
本実施形態では、図3に示すユニット制御部(100)によって、コンテナ(11)の庫内空気を冷却する冷却運転が実行される。
〈冷媒回路の運転動作〉
本実施形態では、図3に示すユニット制御部(100)によって、コンテナ(11)の庫内空気を冷却する冷却運転が実行される。
冷却運転では、ユニット制御部(100)によって、圧縮機(21)、膨張弁(23)、庫外ファン(25)及び庫内ファン(26)の動作が、図示しない温度センサの測定結果に基づいて庫内空気の温度が所望の目標温度になるように制御される。このとき、冷媒回路(20)では、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。そして、庫内ファン(26)によって庫内収納空間(S2)へ導かれたコンテナ(11)の庫内空気が、蒸発器(24)を通過する際に該蒸発器(24)の内部を流れる冷媒によって冷却される。蒸発器(24)において冷却された庫内空気は、床下流路(19a)を通って吹出口(18b)から再びコンテナ(11)の庫内へ吹き出される。これにより、コンテナ(11)の庫内空気が冷却される。
〈濃度調節運転〉
また、本実施形態では、図4に示す制御部(55)によって、CA装置(60)が、コンテナ(11)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)を所望の組成に調節する濃度調節運転を行う。濃度調節運転では、制御部(55)によって、酸素濃度低下モードと空気組成調整モードとが行われる。
また、本実施形態では、図4に示す制御部(55)によって、CA装置(60)が、コンテナ(11)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)を所望の組成に調節する濃度調節運転を行う。濃度調節運転では、制御部(55)によって、酸素濃度低下モードと空気組成調整モードとが行われる。
具体的には、制御部(55)は、酸素濃度低下モードで濃度調節運転を開始し、該酸素濃度低下モード中にコンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2以下になると空気組成調整モードに切り換え、該空気組成調整モード中にコンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2に所定濃度V(本実施形態では、1.0%)を加えた濃度以上になると酸素濃度低下モードに戻す。以下、酸素濃度低下モードと空気組成調整モードについて詳述する。
なお、濃度調節運転中は、いずれのモード中であっても、制御部(55)は、測定用開閉弁(82)を閉状態に制御し、ユニット制御部(100)と通信して庫内ファン(26)を回転させ、庫内と庫内収納空間(S2)との間において庫内空気を循環させる。これにより、庫内収納空間(S2)に設けられた酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)に庫内空気が供給され、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とが測定される。
[酸素濃度低下モード]
上述のように、酸素濃度低下モードでは、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度の調節を二酸化炭素濃度の調節に優先して行う酸素優先制御と庫内空気の二酸化炭素濃度の調節を酸素濃度の調節に優先して行う二酸化炭素優先制御とのいずれを実行するかを選択する優先判定を行い、判定結果に基づいた制御を実行する。以下、優先判定、酸素優先制御、二酸化炭素優先制御について詳述する。
上述のように、酸素濃度低下モードでは、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度の調節を二酸化炭素濃度の調節に優先して行う酸素優先制御と庫内空気の二酸化炭素濃度の調節を酸素濃度の調節に優先して行う二酸化炭素優先制御とのいずれを実行するかを選択する優先判定を行い、判定結果に基づいた制御を実行する。以下、優先判定、酸素優先制御、二酸化炭素優先制御について詳述する。
《優先判定》
制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられた濃度調節運転の開始時と、濃度調節運転中とで異なる手順で優先判定を行う。以下、それぞれの優先判定手順について詳述する。
制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられた濃度調節運転の開始時と、濃度調節運転中とで異なる手順で優先判定を行う。以下、それぞれの優先判定手順について詳述する。
(濃度調節運転の開始時の優先判定)
図8に示すように、制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられて濃度調節運転が開始されると、以下の手順で優先判定を行う。
図8に示すように、制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられて濃度調節運転が開始されると、以下の手順で優先判定を行う。
まず、制御部(55)は、目標二酸化炭素濃度が10%以上であるか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1において、目標二酸化炭素濃度が10%以上である場合、制御部(55)は、ステップS2に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし(Yを保存し)、判定を終了する。
ステップS1において、目標二酸化炭素濃度が10%未満である場合、制御部(55)は、ステップS3に進み、目標二酸化炭素濃度が4%未満であるか否かを判定する。ステップS3において、目標二酸化炭素濃度が4%未満である場合、制御部(55)は、ステップS4に進み、酸素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグを非アクティブ状態にし(Nを保存し)、判定を終了する。
ステップ3において、目標二酸化炭素濃度が4%以上である場合、制御部(55)は、ステップS5に進み、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態であるか(Yが保存されているか)否かを判定する。ステップS5において、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態である場合、制御部(55)は、ステップS6に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態に維持し(Yを保存し)、判定を終了する。
ステップS5において、二酸化炭素優先フラグが非アクティブ状態である場合、制御部(55)は、ステップS7に進み、庫内空気の二酸化炭素濃度と酸素濃度との和が22%(21%以上の所定の増加濃度)より高いか否かを判定する。ステップS7において、庫内空気の二酸化炭素濃度と酸素濃度との和が22%より高い場合、制御部(55)は、ステップS8に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし(Yを保存し)、判定を終了する。
ステップS7において、庫内空気の二酸化炭素濃度と酸素濃度との和が22%以下である場合、制御部(55)は、ステップS9に進み、CA装置(60)が前回OFF状態になった時からON状態に切り換わるまでの間が1日未満であって、庫内空気の二酸化炭素濃度が、CA装置(60)が前回OFF状態に切り換えられる直前に比べて4%以上上昇(呼吸分より上昇)したか否かを判定する。ステップS9において、CA装置(60)が前回OFF状態になった時からON状態に切り換わるまでの間が1日未満であって、庫内空気の二酸化炭素濃度が、CA装置(60)が前回OFF状態に切り換えられる直前に比べて4%以上上昇した場合、制御部(55)は、ステップS10に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし(Yを保存し)、判定を終了する。
ステップS9において、CA装置(60)が前回OFF状態になった時からON状態に切り換わるまでの間が1日未満でない、又は、庫内空気の二酸化炭素濃度がCA装置(60)が前回OFF状態に切り換えられる直前に比べて4%以上上昇していない場合、制御部(55)は、ステップS11に進み、酸素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグを非アクティブ状態にし(Nを保存し)、判定を終了する。
(濃度調節運転中の優先判定)
図9に示すように、制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態に切り換わった際の優先判定の終了後、酸素濃度低下モードで濃度調節運転中に、以下の手順で優先判定を行う。
図9に示すように、制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態に切り換わった際の優先判定の終了後、酸素濃度低下モードで濃度調節運転中に、以下の手順で優先判定を行う。
まず、制御部(55)は、目標二酸化炭素濃度が変更されたか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21において、目標二酸化炭素濃度が変更されていない場合、判定を終了する。これにより、現在設定されている優先制御(酸素優先制御又は二酸化炭素制御)が維持される。
ステップS21において、目標二酸化炭素濃度が変更されている場合、制御部(55)は、ステップS22に進み、目標二酸化炭素濃度が10%以上であるか否かを判定する。ステップS22において、目標二酸化炭素濃度が10%以上である場合、制御部(55)は、ステップS23に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし(Yを保存し)、判定を終了する。
ステップS22において、目標二酸化炭素濃度が10%未満である場合、制御部(55)は、ステップS24に進み、目標二酸化炭素濃度が4%未満であるか否かを判定する。ステップS24において、目標二酸化炭素濃度が4%未満である場合、制御部(55)は、ステップS25に進み、酸素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグを非アクティブ状態にし(Nを保存し)、判定を終了する。
ステップS24において、目標二酸化炭素濃度が4%以上である場合、制御部(55)は、ステップS26に進み、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態であるか(Yが保存されているか)否かを判定する。ステップS26において、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態である場合、制御部(55)は、ステップS27に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態に維持し(Yを保存し)、判定を終了する。
ステップS26において、二酸化炭素優先フラグが非アクティブ状態である場合、制御部(55)は、ステップS28に進み、現在、酸素優先制御が設定されているか否かを判定する。ステップS28において、酸素優先制御が設定されていない場合、判定を終了する。
ステップS28において、酸素優先制御が設定されている場合、制御部(55)は、ステップS29に進み、庫内空気の二酸化炭素濃度と酸素濃度との和が22%より高いとの条件と、現在の庫内空気の二酸化炭素濃度が30分前に比べて2%以上上昇しているとの条件と、現在の庫内空気の二酸化炭素濃度が5分前に比べて1%以上上昇しているとの条件との3つの条件のうちのいずれかの条件を満たすか否かを判定する。ステップS29において、3つの条件のいずれの条件も満たさない場合、制御部(55)は、判定を終了する。これにより、現在設定されている優先制御、即ち、酸素優先制御が維持される。
ステップS29において、3つの条件のいずれかが満たされる場合、即ち、庫内空気の二酸化炭素濃度と酸素濃度との和が22%より高い場合、現在の庫内空気の二酸化炭素濃度が30分前に比べて2%以上上昇している場合、又は、現在の庫内空気の二酸化炭素濃度が5分前に比べて1%以上上昇している場合、制御部(55)は、ステップS30に進み、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし(Yを保存し)、判定を終了する。
以上のようにして、制御部(55)は、CA装置(60)の電源ON時と、濃度調節運転中とにおいて、異なる手順で優先判定を行い、酸素優先制御と二酸化炭素優先制御のいずれの制御を実行するかを決定する。
また、制御部(55)は、上述のように、優先判定において酸素優先制御に決定した場合、二酸化炭素優先フラグを非アクティブ状態にする一方、二酸化炭素優先制御に決定した場合、二酸化炭素フラグをアクティブ状態にする。一方、制御部(55)は、優先判定に関わらず、所定の初期化条件、例えば、濃度調節運転中に空気組成調整モードに遷移したという条件、CA装置(60)の停止(電源がOFF状態になるのを含む)から1日以上経過したという条件、各種機器の性能チェック運転中であるという条件等を満たす場合、二酸化炭素フラグを初期化する。なお、二酸化炭素フラグの初期値は非アクティブ状態とする。
《酸素優先制御》
酸素濃度低下モードにおける酸素優先制御は、庫内空気の酸素濃度の調節を二酸化炭素濃度の調節よりも優先させるものである。また、酸素優先制御の実行開始時は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも高い。そのため、制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度の如何に拘わらず、制御開始(酸素濃度低下モードの開始)と同時にガス供給動作を行って、庫内空気の酸素濃度を速やかに低下させる。以下、制御の内容を具体的に説明する。
酸素濃度低下モードにおける酸素優先制御は、庫内空気の酸素濃度の調節を二酸化炭素濃度の調節よりも優先させるものである。また、酸素優先制御の実行開始時は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも高い。そのため、制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度の如何に拘わらず、制御開始(酸素濃度低下モードの開始)と同時にガス供給動作を行って、庫内空気の酸素濃度を速やかに低下させる。以下、制御の内容を具体的に説明する。
なお、以下の説明では、目標酸素濃度SPO2が5%、目標二酸化炭素濃度SPCO2が5%である例について説明する。また、ここでは、コンテナ(11)の庫内空気の組成が大気の組成と等しい状態から、所望の組成(酸素濃度5%、二酸化炭素濃度5%)に調節する場合について説明する。
まず、上述した優先判定において酸素優先制御の実行が決定されると、制御部(55)は、上記ガス供給動作と排気動作とを実行する。これにより、コンテナ(11)の庫内に窒素濃縮空気が供給される一方、窒素濃縮空気を供給した分だけ庫内空気が庫外へ排出される。このようなガス供給動作と排気動作とにより、コンテナ(11)の庫内空気が窒素濃縮空気に置換され、庫内空気の酸素濃度が低下する。
コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が、窒素濃縮空気の酸素濃度(例えば、10%)まで低下すると、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の運転を停止してガス供給動作を停止すると共に、排気弁(46b)を閉じて排気動作を停止する。
ガス供給動作と排気動作とが停止されると、コンテナ(11)の庫内では、空気が何ら入れ替わらない一方、植物(15)が呼吸を行うため、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が減少し、二酸化炭素濃度が上昇する。これにより、やがて、庫内空気の酸素濃度は目標酸素濃度SPO2(5%)に至り、庫内空気の二酸化炭素濃度は目標二酸化炭素濃度SPCO2(5%)に至る。
制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(5%)以下になると、酸素濃度低下モードを終了し、空気組成調整モードを開始する。
《二酸化炭素優先制御》
二酸化炭素優先制御は、庫内空気の二酸化炭素濃度の調節を酸素濃度の調節よりも優先させるものである。そして、二酸化炭素優先制御の実行開始時も、酸素優先制御の実行開始時と同様に、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも高い。しかしながら、二酸化炭素優先制御では、制御部(55)は、酸素優先制御のように、必ずしも制御開始(酸素濃度低下モードの開始)と同時にガス供給動作を行う訳ではなく、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作を行うことで、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度SPCO2付近に維持させつつ、庫内空気の酸素濃度を低下させる。以下、制御の内容を具体的に説明する。
二酸化炭素優先制御は、庫内空気の二酸化炭素濃度の調節を酸素濃度の調節よりも優先させるものである。そして、二酸化炭素優先制御の実行開始時も、酸素優先制御の実行開始時と同様に、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも高い。しかしながら、二酸化炭素優先制御では、制御部(55)は、酸素優先制御のように、必ずしも制御開始(酸素濃度低下モードの開始)と同時にガス供給動作を行う訳ではなく、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作を行うことで、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度SPCO2付近に維持させつつ、庫内空気の酸素濃度を低下させる。以下、制御の内容を具体的に説明する。
なお、以下の説明では、目標酸素濃度SPO2が5%、目標二酸化炭素濃度SPCO2が13%である例について説明する。また、ここでは、コンテナ(11)の庫内空気の組成が大気の組成と等しい状態から、所望の組成(酸素濃度5%、二酸化炭素濃度13%)に調節する場合について説明する。
まず、上述した優先判定において二酸化炭素優先制御の実行が決定されると、制御部(55)は、二酸化炭素センサ(52)で測定された庫内空気の二酸化炭素濃度が、目標二酸化炭素濃度SPCO2(本実施形態では、13%)より高い所定の開始濃度(例えば、13.5%)に到達したか否かを判定する。
そして、庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度(13.5%)以上である場合、上記ガス供給動作と排気動作とを開始する。これにより、コンテナ(11)の庫内に窒素濃縮空気が供給される一方、窒素濃縮空気を供給した分だけ庫内空気が庫外へ排出される。このようなガス供給動作と排気動作とにより、コンテナ(11)の庫内空気が窒素濃縮空気に置換され、庫内空気の酸素濃度が低下する。
一方、図10に示すように、コンテナ(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度(13.5%)未満、例えば、11.8%である場合、上記ガス供給動作及び上記排気動作をすぐに開始せず、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度に到達するまで待機させる。そして、庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度に到達したところで上記ガス供給動作と排気動作とを実行する。これにより、コンテナ(11)の庫内に窒素濃縮空気が供給される一方、窒素濃縮空気を供給した分だけ庫内空気が庫外へ排出される。このようなガス供給動作と排気動作とにより、コンテナ(11)の庫内空気が窒素濃縮空気に置換され、庫内空気の酸素濃度が低下する。
コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(5%)に到達する前に、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO2(13%)よりも低い限界濃度(例えば、12.5%)まで低下すると、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の運転を停止してガス供給動作を停止すると共に、排気弁(46b)を閉じて排気動作を停止する。
ガス供給動作と排気動作とが停止されると、コンテナ(11)の庫内では、空気が何ら入れ替わらない一方、植物(15)が呼吸を行うため、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が減少し、二酸化炭素濃度が上昇し、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO2(13%)に近づいていく。
そして、コンテナ(11)の庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO2(13%)よりも高い再開濃度(13.5%)まで上昇すると、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の運転を再開してガス供給動作を再開すると共に、排気弁(46b)を開いて排気動作を再開する。これにより、コンテナ(11)の庫内空気が窒素濃縮空気に置換され、庫内空気の酸素濃度が再び低下することとなる。
その後、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(5%)に到達する前に、再び、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO2(13%)よりも低い限界濃度(例えば、12.5%)まで低下すると、制御部(55)は、ガス供給装置(30)の運転を停止してガス供給動作を停止すると共に、排気弁(46b)を閉じて排気動作を停止する。
以下、制御部(55)は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(5%)に到達するまで、ガス供給動作及び排気動作の再開と停止とを繰り返す。このガス供給動作及び排気動作の再開と停止の繰り返しにより、庫内空気の二酸化炭素濃度は目標二酸化炭素濃度SPCO2(13%)付近に維持されつつ、庫内空気の酸素濃度が低下し、やがて、庫内空気の酸素濃度が、目標酸素濃度SPO2(5%)に至る。
その後、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(5%)以下になると、酸素濃度低下モードを終了し、空気組成調整モードを開始する。
[空気組成調整モード]
《酸素濃度の調整》
空気組成調整モードでは、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも所定濃度X(例えば、0.5%)だけ低い下限値を下回ると、ガス供給装置(30)によるガス供給動作と排気部(46)による排気動作とを再開する。このようなガス供給動作と排気動作とにより、庫内空気が該庫内空気よりも酸素濃度の高い窒素濃縮空気(例えば、平均酸素濃度8%)に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が上昇する。
《酸素濃度の調整》
空気組成調整モードでは、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも所定濃度X(例えば、0.5%)だけ低い下限値を下回ると、ガス供給装置(30)によるガス供給動作と排気部(46)による排気動作とを再開する。このようなガス供給動作と排気動作とにより、庫内空気が該庫内空気よりも酸素濃度の高い窒素濃縮空気(例えば、平均酸素濃度8%)に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が上昇する。
制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2よりも所定濃度X(例えば、0.5%)だけ高い値以上になると、ガス供給動作と排気動作とを停止する。
なお、庫内空気の酸素濃度の調節は、ガス供給動作の代わりに、バイパス開閉弁(72)を開いて、エアポンプ(31)に吸引した外気を、第1及び第2吸着筒(34,35)を通過させることなくバイパスさせて、そのままコンテナ(11)の庫内に供給する外気導入動作を行うこととしてもよい。外気導入動作と排気動作とによれば、庫内空気が酸素濃度21%の外気に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度が上昇する。
《二酸化炭素濃度の調整》
また、空気組成調整モードにおいて、制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO2よりも所定濃度Y(例えば、0.5%)だけ高い上限値以上になると、ガス供給動作と排気動作とを行う。これにより、庫内空気が窒素濃縮空気に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の二酸化炭素濃度が低下する。
また、空気組成調整モードにおいて、制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度SPCO2よりも所定濃度Y(例えば、0.5%)だけ高い上限値以上になると、ガス供給動作と排気動作とを行う。これにより、庫内空気が窒素濃縮空気に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の二酸化炭素濃度が低下する。
制御部(55)は、庫内空気の二酸化炭素濃度が、目標二酸化炭素濃度SPCO2よりも所定濃度Yだけ低い値未満になると、ガス供給動作と排気動作とを停止する。
なお、庫内空気の二酸化炭素濃度の調節は、ガス供給動作の代わりに、バイパス開閉弁(72)を開いて上記外気導入動作を行うこととしてもよい。このように外気導入動作と排気動作とによれば、庫内空気が二酸化炭素濃度0.03%の外気に置換されるため、コンテナ(11)の庫内空気の二酸化炭素濃度が低下する。
〈酸素濃度低下モードの制御例〉
以下、酸素濃度低下モードの制御例として、濃度調節運転の当初より二酸化炭素優先制御が実行される当初充填例と、酸素優先制御の実行中に途中から二酸化炭素優先制御が実行される中途充填例とについて説明する。
以下、酸素濃度低下モードの制御例として、濃度調節運転の当初より二酸化炭素優先制御が実行される当初充填例と、酸素優先制御の実行中に途中から二酸化炭素優先制御が実行される中途充填例とについて説明する。
《当初充填例》
図11に示すように、コンテナ(11)の庫内へ植物(15)が積み込まれた後、CA装置(60)による濃度調節運転を開始する前に庫内に二酸化炭素が充填されると、庫内空気の二酸化炭素濃度が上昇すると共に、二酸化炭素の充填分だけ庫内空気がコンテナ(11)の庫外へ押し出されて庫内空気の酸素濃度が低下する(図11の点A→点B)。
図11に示すように、コンテナ(11)の庫内へ植物(15)が積み込まれた後、CA装置(60)による濃度調節運転を開始する前に庫内に二酸化炭素が充填されると、庫内空気の二酸化炭素濃度が上昇すると共に、二酸化炭素の充填分だけ庫内空気がコンテナ(11)の庫外へ押し出されて庫内空気の酸素濃度が低下する(図11の点A→点B)。
コンテナ(11)の庫内への二酸化炭素の充填が完了すると、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられ、濃度調節運転が開始される(図11の点B)。ここでは、一例として、目標酸素濃度SPO2が3%、目標二酸化炭素濃度SPCO2が14%、二酸化炭素充填後の庫内空気の二酸化炭素濃度が11.8%である例について説明する。
CA装置(60)は、酸素濃度低下モードで濃度調節運転を開始し、図8に示す電源ON時の優先判定を行う。本例では、目標二酸化炭素濃度SPCO2が14%であるため、図8の優先判定においてステップS1、ステップS2へと進み、二酸化炭素優先制御の実行が決定され、実行される。
濃度調節運転の開始当初、庫内空気の二酸化炭素濃度は11.8%であり、ガス供給動作の開始濃度(例えば、14.5%)に到達していないため、ガス供給動作及び排気動作をすぐに開始せず、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度に到達するまで待機させる(図11の点B→点C)。そして、庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度に到達したところで上記ガス供給動作及び排気動作を開始する(図11の点C)。
上記ガス供給動作及び排気動作の開始後は、上述したように、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作及び排気動作の停止と再開とを繰り返し、庫内空気の二酸化炭素濃度は目標二酸化炭素濃度SPCO2(14%)付近に維持しつつ、庫内空気の酸素濃度を低下させる(図11の点C→点D)。
やがて、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(3%)に至ると、酸素濃度低下モードから空気組成調整モードに遷移し、二酸化炭素優先フラグを初期化し(非アクティブ状態にし)、二酸化炭素優先制御を終了する(図11の点D)。
このように、当初充填例では、庫内へ植物(15)が積み込まれた後、CA装置(60)による濃度調節運転を開始する前に庫内に二酸化炭素が充填され、濃度調節運転の当初より二酸化炭素優先制御が実行される。
《途中充填例》
図12に示すように、コンテナ(11)の庫内へ植物(15)が積み込まれた後、庫内に二酸化炭素が充填されることなく、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられ、濃度調節運転が開始される(図12の点O)。ここでは、一例として、当初の目標酸素濃度SPO2が5%、目標二酸化炭素濃度SPCO2が5%で濃度調節運転が開始され、庫内空気の酸素濃度が13%に到達したところで庫内に二酸化炭素が充填される例について説明する。
図12に示すように、コンテナ(11)の庫内へ植物(15)が積み込まれた後、庫内に二酸化炭素が充填されることなく、CA装置(60)の電源がON状態に切り換えられ、濃度調節運転が開始される(図12の点O)。ここでは、一例として、当初の目標酸素濃度SPO2が5%、目標二酸化炭素濃度SPCO2が5%で濃度調節運転が開始され、庫内空気の酸素濃度が13%に到達したところで庫内に二酸化炭素が充填される例について説明する。
CA装置(60)は、酸素濃度低下モードで濃度調節運転を開始し、図8に示す電源ON時の優先判定を行う。本例では、目標酸素濃度SPO2が5%で目標二酸化炭素濃度SPCO2が5%であるため、ステップS1、ステップS3、ステップS5と進む。そして、二酸化炭素フラグの初期値は非アクティブ状態であるため、ステップS5からステップS7に進み、さらに、運転開始直後の庫内空気は庫内に何らガスが充填されず、大気と等しい組成であるため、ステップS9、ステップS11と進み、酸素優先制御の実行が決定され、実行される。これにより、コンテナ(11)の庫内に窒素濃縮空気が供給される一方、窒素濃縮空気を供給した分だけ庫内空気が庫外へ排出される。このようなガス供給動作と排気動作とにより、コンテナ(11)の庫内空気が窒素濃縮空気に置換され、庫内空気の酸素濃度が低下する(図12の点O→点P)。
本例では、このような酸素優先制御が実行されて庫内空気の酸素濃度が低下する最中に、コンテナ(11)の庫内に二酸化炭素が充填される(図12の点P)。庫内に二酸化炭素が充填されると、庫内空気の二酸化炭素濃度が上昇すると共に、二酸化炭素の充填分だけ庫内空気がコンテナ(11)の庫外へ押し出されて庫内空気の酸素濃度が低下する(図12の点P→点Q)。
なお、庫内への二酸化炭素の充填時に、目標酸素濃度SPO2が3%、目標二酸化炭素濃度SPCO2が14%に設定されたとする。これにより、CA装置(60)は、図9に示す濃度調節運転中の優先判定において、ステップS21、ステップS22、ステップS23へと進み、二酸化炭素優先制御の実行が決定され、実行する制御が酸素優先制御から二酸化炭素優先制御に変更される。
上述のコンテナ(11)の庫内への二酸化炭素の充填により、庫内空気の二酸化炭素濃度が7.5%になったとする。二酸化炭素優先制御の開始当初、庫内空気の二酸化炭素濃度が7.5%でガス供給動作の開始濃度(例えば、14.5%)に到達していないため、ガス供給動作及び排気動作をすぐに開始せず、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度に到達するまで待機させる(図12の点Q→点R)。そして、庫内空気の二酸化炭素濃度が開始濃度に到達したところで上記ガス供給動作及び排気動作を開始する(図12の点R)。
上記ガス供給動作及び排気動作の開始後は、上述したように、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作及び排気動作の停止と再開とを繰り返し、庫内空気の二酸化炭素濃度は目標二酸化炭素濃度SPCO2(14%)付近に維持しつつ、庫内空気の酸素濃度を低下させる(図12の点R→点S)。
やがて、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度SPO2(3%)に至ると、酸素濃度低下モードから空気組成調整モードに遷移し、二酸化炭素優先フラグを初期化し(非アクティブ状態にし)、二酸化炭素優先制御を終了する(図12の点S)。
このように、途中充填例では、庫内へ植物(15)が積み込まれた後、二酸化炭素が充填されないままCA装置(60)による濃度調節運転が開始され、酸素優先制御の実行中にコンテナ(11)の庫内に二酸化炭素が充填されて途中から二酸化炭素優先制御が実行される。
−実施形態の効果−
以上のように、本実施形態によれば、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、ガス供給動作を行って庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より低い限界濃度まで低下すると、ガス供給動作を停止し、ガス供給動作の停止中に、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より高い再開濃度(本実施形態では13.5%)に到達すると、ガス供給動作を再開する二酸化炭素優先制御を実行するように構成した。この二酸化炭素優先制御によれば、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作の実行と停止とを制御することにより、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場面において、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持しながら庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度に向かって低下させることができる。よって、従来のように、二酸化炭素の充填後にガス供給動作を連続運転するために、庫内空気の酸素濃度の低下と共に二酸化炭素濃度が著しく低下するようなことがなく、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が重要な植物が庫内に積み込まれた場合であっても、その鮮度を維持することができる。
以上のように、本実施形態によれば、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、ガス供給動作を行って庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より低い限界濃度まで低下すると、ガス供給動作を停止し、ガス供給動作の停止中に、植物(15)の呼吸によって庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より高い再開濃度(本実施形態では13.5%)に到達すると、ガス供給動作を再開する二酸化炭素優先制御を実行するように構成した。この二酸化炭素優先制御によれば、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作の実行と停止とを制御することにより、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場面において、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持しながら庫内空気の酸素濃度を目標酸素濃度に向かって低下させることができる。よって、従来のように、二酸化炭素の充填後にガス供給動作を連続運転するために、庫内空気の酸素濃度の低下と共に二酸化炭素濃度が著しく低下するようなことがなく、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が重要な植物が庫内に積み込まれた場合であっても、その鮮度を維持することができる。
ところで、ガス供給動作が開始されると庫内空気の酸素濃度と共に二酸化炭素濃度も低下するため、庫内空気の二酸化炭素濃度が低いままガス供給動作を開始すると、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度まで上昇させるどころか逆に低下させてしまい、目標二酸化炭素濃度に到達させるまでに時間を要してしまう。
そこで、本実施形態では、二酸化炭素優先制御の開始後、庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度よりも高い所定の開始濃度に到達するまでは、ガス供給動作を開始せず、庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達してからガス供給動作を開始することとしている。このように庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達してからガス供給動作を開始することによって、二酸化炭素優先制御の開始後、庫内空気の二酸化炭素濃度を速やかに目標二酸化炭素濃度に近づけることができる。よって、上記制御によれば、二酸化炭素優先制御の開始直後からガス供給動作を始める場合に比べて、早い段階で庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することができる。従って、庫内空気の組成を、二酸化炭素濃度を高く維持することが重要な植物の鮮度維持に好ましい組成に早く調節することができる。
また、本実施形態によれば、制御部(55)が、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、庫内空気の二酸化炭素濃度に拘わらずにガス供給動作を行って庫内空気の酸素濃度を低下させる酸素優先制御と、庫内空気の二酸化炭素濃度に応じてガス供給動作を制御して庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持しながら庫内空気の酸素濃度を低下させる二酸化炭素優先制御とを選択して実行できるように構成されている。これにより、例えば、庫内空気の酸素濃度を低く維持することが二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度に調節することよりも重要な植物が庫内に積み込まれた場合には、酸素優先制御を実行し、庫内空気の酸素濃度を低く維持するよりも二酸化炭素濃度を高く維持することの方が重要な植物が庫内に積み込まれた場合には、二酸化炭素優先制御を実行することが可能となる。従って、幅広い植物の鮮度維持が可能となる。
また、本実施形態によれば、庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い上限濃度以上であり、庫内空気の酸素濃度を低下させたい場合に、制御部(55)が所定の優先判定を行い、酸素優先制御を実行するのか二酸化炭素優先制御を実行するのかを決定し、決定した制御を実行するようにした。これにより、作業者が酸素優先制御と二酸化炭素優先制御とでいずれの制御を実行するのかを選択する必要がなく、制御部(55)の優先判定によって実行すべき制御を自動的に決定し、自動的に実行することができる。従って、作業者の誤操作によって適切でない制御が実行されることがない。従って、植物(15)の鮮度維持の確実性を上げることができる。
また、本実施形態によれば、制御部(55)は、目標二酸化炭素濃度が所定値より高い場合、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度を測定することなく、目標二酸化炭素濃度のみによって容易に優先判定を行うことができる。
ところで、ガス供給動作を行っても、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度が共に低下するだけであるため、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和が、大気中の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和である21%より高くなることはない。
そこで、本実施形態では、制御部(55)は、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和が21%以上の所定の増加濃度である22%より高い場合、コンテナ(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを測定して演算するだけで容易に優先判定を行うことができる。
ところで、ガス供給動作を行っても、庫内空気の二酸化炭素濃度は低下するだけであるため、CA装置(60)の運転中に、所定時間の間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加することはない。
そこで、本実施形態では、制御部(55)は、所定時間の間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加した場合、コンテナ(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度を測定して上昇量を演算するだけで容易に優先判定を行うことができる。
ところで、CA装置(60)の電源がOFF状態である場合、庫内空気の組成は、植物(15)の呼吸によってしか変化しないため、CA装置(60)の電源がOFF状態になってから一日経過するまでの間にON状態になった場合、その間に庫内空気の二酸化炭素濃度が植物(15)の呼吸による増加量以上に増加することはない。
そこで、本実施形態では、制御部(55)は、CA装置(60)の電源がON状態からOFF状態へ切り換えられた後、一日経過しない間に再びON状態に切り換えられ、庫内空気の二酸化炭素濃度が、電源がOFF状態に切り換えられる直前に比べて所定値以上上昇した場合に、CA装置(60)の電源がOFF状態の際にコンテナ(11)の庫内に二酸化炭素が充填され、庫内空気の酸素濃度を低下させるよりも庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度付近に維持することを優先させるべき状況であると推定し、優先判定において、二酸化炭素優先制御の実行を決定することとしている。これにより、庫内空気の二酸化炭素濃度を測定して上昇量を演算するだけで容易に優先判定を行うことができる。
ところで、優先判定を行い、例えば、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、実行していたにも拘わらず、意図せずにCA装置(60)の電源がOFF状態になることがある。
そこで、本実施形態では、制御部(55)は、優先判定において二酸化炭素優先制御の実行を決定したときに、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にすることとし、CA装置(60)の電源がOFF状態からON状態に切り換えられた場合に、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態である場合、優先判定において二酸化炭素優先制御を維持すべきであると推定し、そのまま二酸化炭素優先制御を維持することとしている。そのため、二酸化炭素優先制御の実行を決定し、実行していたにも拘わらず、意図せずにCA装置(60)の電源がOFF状態になってしまった場合であっても、二酸化炭素優先フラグがアクティブ状態であるため、優先判定において様々な判定を行うことなく、容易に二酸化炭素優先制御を維持することができる。
また、本実施形態によれば、庫内空気の二酸化炭素濃度を目標二酸化炭素濃度に維持しながら庫内空気の酸素濃度を低下させることができるCA装置(60)を備えたコンテナ用冷凍装置(10)を提供することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態において説明した目標酸素濃度SPO2及び目標二酸化炭素濃度SPCO2は、一例であり、上述の値に限られない。
上記実施形態において説明した目標酸素濃度SPO2及び目標二酸化炭素濃度SPCO2は、一例であり、上述の値に限られない。
また、上記実施形態において説明した優先判定も上述のものに限られず、庫内に二酸化炭素が充填された等、二酸化炭素優先制御が明らかに必要となる状況を検知したり、逆に、二酸化炭素優先制御が明らかに不要である状況を検知したりすることができる判定であれば、いかなるものであってもよい。
また、上記実施形態において説明した上限濃度、限界濃度、再開濃度、開始濃度として示した濃度はあくまで一例であり、本発明に係る上限濃度、限界濃度、再開濃度、開始濃度は、上記実施形態において示した濃度に限定されない。
また、上記優先判定のステップS7及びステップS29において、庫内空気の二酸炭素濃度と酸素濃度との和と比較する濃度22%は、大気中の二酸化炭素濃度と酸素濃度との和である21%以上の所定の増加濃度の一例であり、23%や24%のように22%以上の濃度であってもよく、逆に、21%以上であれば22%以下の濃度であってもよい。
また、上記実施形態では、ガス供給装置(30)において加圧下で窒素成分を吸着する吸着剤を用いて窒素濃縮空気を生成していたが、吸着剤として酸素成分を吸着させる活性炭を用いて窒素濃縮空気を生成することとしてもよい。
また、上記各実施形態では、海上輸送用のコンテナ(11)に設けられるコンテナ用冷凍装置(10)に本発明に係るCA装置(60)を適用した例について説明したが、本発明に係るCA装置(60)の用途はこれに限られない。本発明に係るCA装置(60)は、海上輸送用のコンテナの他、例えば、陸上輸送用のコンテナ、単なる冷凍冷蔵倉庫、常温の倉庫等の庫内空気の組成調節に用いることができる。
以上説明したように、本発明は、植物が収容される収納庫の庫内空気の組成を調節する庫内空気調節装置及びそれを備えたコンテナ用冷凍装置について有用である。
10 コンテナ用冷凍装置
11 コンテナ(収納庫)
15 植物
30 ガス供給装置
55 制御部
60 CA装置(庫内空気調節装置)
11 コンテナ(収納庫)
15 植物
30 ガス供給装置
55 制御部
60 CA装置(庫内空気調節装置)
Claims (10)
- 呼吸を行う植物(15)が収納される収納庫(11)に設けられ、
窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気を上記収納庫(11)の庫内に供給するガス供給動作を行うガス供給装置(30)と、
上記収納庫(11)の庫内空気の組成が所望の組成になるように上記ガス供給動作を制御する制御部(55)とを備えた庫内空気調節装置であって、
上記制御部(55)は、
上記庫内空気の酸素濃度が目標酸素濃度よりも高い所定の上限濃度以上であるときに、上記ガス供給動作を行って上記庫内空気の二酸化炭素濃度が目標二酸化炭素濃度より低い限界濃度まで低下すると、上記ガス供給動作を停止し、
上記ガス供給動作の停止中に、上記植物(15)の呼吸によって上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記目標二酸化炭素濃度より高い再開濃度に到達すると、上記ガス供給動作を再開する二酸化炭素優先制御を実行するように構成されている
ことを特徴とする庫内空気調節装置。 - 請求項1において、
上記制御部(55)は、上記二酸化炭素優先制御の開始後、上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記目標二酸化炭素濃度よりも高い所定の開始濃度に到達するまでは上記ガス供給動作を開始せず、上記庫内空気の二酸化炭素濃度が上記開始濃度に到達してから上記ガス供給動作を開始するように構成されている
ことを特徴とする庫内空気調節装置。 - 請求項1又は2において、
上記制御部(55)は、上記庫内空気の酸素濃度が上記上限濃度以上であるときに、上記庫内空気の二酸化炭素濃度に拘わらずに上記ガス供給動作を行って上記庫内空気の酸素濃度を低下させる酸素優先制御と、上記二酸化炭素優先制御とを選択的に実行するように構成されている
ことを特徴とする庫内空気調節装置。 - 請求項3において、
上記制御部(55)は、上記庫内空気の酸素濃度が上記上限濃度以上であるときに、上記酸素優先制御及び上記二酸化炭素優先制御のいずれを実行するかを決定する所定の優先判定を行うように構成されている
ことを特徴とする庫内空気調節装置。 - 請求項4において、
上記制御部(55)は、上記目標二酸化炭素濃度が所定値より高い場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている
ことを特徴とする庫内空気調節装置。 - 請求項4において、
上記制御部(55)は、上記庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度との和が21%以上の所定の増加濃度より高い場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている
ことを特徴とする庫内空気調節装置。 - 請求項4において、
上記制御部(55)は、上記ガス供給動作中に、所定時間の間に上記庫内空気の二酸化炭素濃度が所定値以上増加した場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている
ことを特徴とする庫内空気調節装置。 - 請求項4において、
上記制御部(55)は、上記庫内空気調節装置の電源がON状態からOFF状態へ切り換えられた後、一日経過しない間に再びON状態に切り換えられた場合であって、上記庫内空気の二酸化炭素濃度が、上記庫内空気調節装置の電源がOFF状態に切り換えられる直前に比べて所定値以上上昇した場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている
ことを特徴とする庫内空気調節装置。 - 請求項4において、
上記制御部(55)は、
上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定したときに、二酸化炭素優先フラグをアクティブ状態にし、上記優先判定において上記酸素優先制御の実行を決定したとき及び所定の初期化条件を満たすときに上記二酸化炭素優先フラグを非アクティブ状態にするように構成され、
上記庫内空気調節装置の電源がOFF状態からON状態に切り換えられた場合であって、上記二酸化炭素優先フラグが上記アクティブ状態である場合、上記優先判定において上記二酸化炭素優先制御の実行を決定するように構成されている
ことを特徴とする庫内空気調節装置。 - 請求項1乃至9のいずれか1つに記載の庫内空気調節装置(60)と、
冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)とを備え、
上記収納庫(11)であるコンテナの庫内空気を冷却すると共に該庫内空気の組成を調節するコンテナ用冷凍装置。
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