JP2017190681A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン1のクランクシャフトによってギヤ(駆動ギヤ36、被駆動ギヤ35)を介して駆動される可変容量型のオイルポンプ3と、そのポンプ容量をエンジン1の状態に応じて制御するポンプ容量制御手段(ECU100)とを備える場合に、オイルポンプ3を駆動するギヤの歯打ち音の発生を抑制する。【解決手段】エンジン1のアイドル運転状態において(ステップST201でYES)、エンジン負荷が相対的に大きいときに(ステップST203でYES)、相対的に小さいときに比べてポンプ容量を増大させる(ステップST207,ST208)。【選択図】図7

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、ギヤを介して駆動する可変容量型オイルポンプの制御に係る。
従来より一般に内燃機関のオイル供給系においては、オイルパンに貯留されているオイルをオイルポンプによって汲み上げて、シリンダやクランクジャーナル、動弁系などの各潤滑部に供給するようにしている。オイルポンプは通常、チェーンやギヤなどを介してクランクシャフト(出力軸)により駆動されるので、これに伴うエンジンの動力損失(ポンプ駆動損失)を低減するために、低負荷の運転状態などにおいて油圧を低下させることが提案されている。
一例として特許文献1に記載のエンジン(内燃機関)では、ポンプ軸の1回転当たりの吐出量、即ちポンプ容量を変更可能な可変容量型のオイルポンプを採用し、オイル供給系のメインギャラリなどに配設した油圧センサからの信号に基づいて、ポンプ容量を変更するようにしている。このようにメインギャラリの油圧をフィードバック制御することで、高負荷時に十分な油圧を確保しながら、低負荷時には油圧を低下させることができる。
特開2015−197090号公報
ところで、前記のようにオイルポンプをギヤを介してクランクシャフトにより駆動すると、駆動ギヤと被駆動ギヤとの間で歯打ち音が発生するおそれがある。すなわち、一般に内燃機関には、各気筒の爆発が間欠的に行われることによる回転変動があり、図5に模式的に示す時刻t0〜t1のように回転速度が高くなる加速時には、図5の下段(a)として示すように駆動ギヤが被駆動ギヤに押し付けられるようになる(黒丸印で示す)。
一方、その後の時刻t1〜t2のようにクランクシャフトの回転速度が低くなる減速時には、駆動ギヤの回転速度(グラフA)が被駆動ギヤの回転速度(グラフB)よりも低くなって一旦、ギヤ同士が離れることがある(下段(b))。そして、その後、再びクランクシャフトの回転速度が高くなるときに、駆動ギヤが被駆動ギヤを叩くことによって、歯打ち音が発生するのである(下段(c))。
特に、アイドル運転状態のようにオイルポンプの駆動負荷が小さく、ポンプ軸および被駆動ギヤの減速度が小さくなりやすい状況で、例えばエアコンのコンプレッサなど補機の動作によって機関負荷が増大していると、クランクシャフトおよび駆動ギヤの減速度が大きくなりやすいことから、駆動ギヤが被駆動ギヤから離れやすくなる。しかも、アイドル運転状態では、前記のようにして発生する歯打ち音に自動車の乗員が気づきやすい。
このような実状を考慮して本発明の目的は、可変容量型のオイルポンプを備えた内燃機関のアイドル運転状態において、そのオイルポンプを駆動するギヤの歯打ち音を抑制することにある。
前記の目的を達成すべく本発明の制御装置は、内燃機関の出力軸によってギヤを介して駆動される可変容量型のオイルポンプと、そのポンプ容量を内燃機関の状態に応じて制御するポンプ容量制御手段とを備えている。そして、そのポンプ容量制御手段は、内燃機関のアイドル運転状態において機関負荷が相対的に大きいときには、相対的に小さいときに比べてポンプの容量を増大させるようにしたものである。
なお、機関負荷が相対的に大きい、小さいというのは、予め設定した閾値よりも機関負荷が大きい、小さいということであってもよいが、そのような閾値を設けずに、機関負荷の大きい場合と小さい場合とを相対比較するということでもよい。すなわち、例えば機関負荷が大きいほど、これに応じてポンプ容量を増大させる一方、機関負荷が小さいほど、これに応じてポンプ容量を減少させてもよい。
前記の構成により、内燃機関がアイドル運転状態にあるときに、例えばエアコンのコンプレッサや発電機など補機の動作に伴い、機関負荷が大きくなると、これによりクランクシャフトの回転変動が大きくなる。そして、上述したようにクランクシャフトの回転速度が低くなるときには、駆動ギヤが被駆動ギヤから離れやすくなるが、このときにポンプ容量制御手段によって、オイルポンプの容量が増大される。
これによりオイルポンプの駆動にかかる負荷が大きくなるので、被駆動ギヤの減速度も大きくなり、前記のようにクランクシャフトの回転変動によって駆動ギヤの減速度が大きくなっていても、被駆動ギヤからは離れ難くなる。よって、その後の加速時に駆動ギヤが被駆動ギヤを叩いて、歯打ち音が発生することは抑制される。
そのようにクランクシャフトの回転変動による駆動ギヤの減速時に、被駆動ギヤから離れることをより確実に抑制するためには、駆動ギヤの減速度が被駆動ギヤの減速度以下となるように、オイルポンプの駆動負荷を増大させればよい。そこで、補機の動作などによる機関負荷の増大によって、クランクシャフトの回転変動がどの程度、大きくなるか予め実験、計算により調べて、これによる駆動ギヤの減速度を算出するとともに、被駆動ギヤの減速度がそれ以上となるポンプ容量の増分を予め実験、計算により設定すればよい。
但し、そうしてオイルポンプの駆動負荷を増大させれば、その分、内燃機関の駆動損失も増大することになり、アイドル運転状態を維持するために無駄な燃料が消費されるおそれがある。そこで、好適なポンプ容量の増分を機関負荷に応じて設定し、負荷が大きいほどポンプ容量の増分も大きくし、負荷が小さいほどポンプ容量の増分も小さくするのが好ましい。
そのようにポンプ容量を制御するポンプ容量制御手段は、内燃機関のオイル供給系の油圧(例えばメインギャラリの油圧)が、内燃機関の状態によって変化する目標油圧になるように、ポンプ容量を制御するものとすればよい。そして、内燃機関のアイドル運転状態では、補機の動作などによって機関負荷が変化したときに、これに応じてポンプ容量を変化させるようにすればよい。こうすれば、目標油圧の補正のみで前記した発明の作用効果が得られる。
本発明に係る内燃機関の制御装置によると、アイドル運転状態において補機の動作などによって機関負荷が大きくなり、クランクシャフトの回転変動が大きくなっても、可変容量型のオイルポンプの容量を増大させることにより、それを駆動する駆動ギヤが被駆動ギヤから離れ難くなるので、歯打ち音の発生を抑制できる。
本発明の実施の形態に係る内燃機関の制御装置の概略構成図であって、オイルポンプの容量が大きな状態を示す。 ポンプ容量が小さな状態を示す図1相当図である。 OCV電流値とエンジン回転数とポンプ吐出圧との相関の一例を示すグラフ図である。 油圧制御のメインルーチンを示すフローチャートである。 アイドル運転状態でオイルポンプを駆動するギヤの歯打ち音が発生するメカニズムを示す説明図である。 アイドル運転状態における油圧の補正制御のフローチャートである。 油圧の補正によって歯打ち音が抑制されることを示す図5相当図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では、自動車に搭載された内燃機関(以下、エンジン1という)に本発明を適用した場合について説明するが、これに限ることはない。
図1には仮想線でエンジン1の外形のみを示すが、このエンジン1の下部にはオイルパン11が配設され、図示しないピストンやクランクジャーナル等を潤滑するためのエンジンオイル(以下、単にオイルという)が貯留されている。また、オイル供給系2のメインギャラリ20には、ストレーナ13を介してオイルを汲み上げるオイルポンプ3から、図示しないオイルフィルタを介してオイルが供給されるようになっている。
そして、メインギャラリ20から分岐する複数のオイル油路によって、オイルはエンジン1の動弁系やその可変機構、および、クランクジャーナルやチェーンテンショナなどに供給される。こうしてエンジン1の各潤滑部に供給されたオイルは、図示しないオイル落とし通路を流下してオイルパン11内に還流し、再び貯留されるようになる。
−オイルポンプ−
図1の他、図2にも示すように、一例としてオイルポンプ3は内接ギヤポンプであって、ハウジング30には外歯車のドライブロータ31と、これに噛み合って回転される内歯車のドリブンロータ32とが収容されている。ドライブロータ31はポンプ軸34の端部に取り付けられている一方、ドリブンロータ32は調整リング33によって保持されて、ポンプ軸34の軸心から偏心しており、両者の間に形成される三日月状の空間に複数の作動室Rが形成されている。
図1、2には示さないが、ポンプ軸34の端部には被駆動ギヤ35(図5、7を参照)が取り付けられ、これがクランクシャフトの回転を伝える駆動ギヤ36と噛み合っている。よって、オイルポンプ3は、駆動ギヤ36および被駆動ギヤ35を介してクランクシャフトにより駆動される。すなわち、エンジン1の運転に伴いポンプ軸34が回転すると、これと一体にドライブロータ31も回転し、これにより駆動されてドリブンロータ32が回転する。
こうして2つのロータ31,32が回転すると、作動室Rが円周方向に移動しながら、その容積が徐々に増大または減少するようになっており、容積が徐々に増大してゆく範囲(図1、2の右側に示す吸入範囲)において、ハウジング30に形成された吸入ポート30aからオイルを吸入する一方、容積が徐々に減少してゆく範囲(図1、2の左側に示す吐出範囲)において、ハウジング30に形成された吐出ポート30bへオイルを加圧しながら送り出す。
前記吸入ポート30aは吸入油路によってストレーナ13に接続されている一方、吐出ポート30bは吐出油路によって高圧オイル通路14に接続されている。そして、前記のようにドライブロータ31およびドリブンロータ32が回転すると、吸入範囲を移動する作動室Rにはストレーナ13および吸入ポート30aを介してオイルが吸い込まれ、吐出範囲を移動する作動室Rからは吐出ポート30bを介して高圧オイル通路14にオイルが吐出される。
−容量可変機構およびOCV−
また、オイルポンプ3には、前記のようにしてポンプ軸34の1回転毎に吐出されるオイルの量、即ちポンプ容量を変更可能な容量可変機構が備わっている。この容量可変機構は、ハウジング30内に形成した制御空間TCの油圧によって、調整リング33を回動(変位)させ、ドライブロータ31およびドリブンロータ32の吸入ポート30aおよび吐出ポート30bに対する相対的な位置を変化させるものである。
すなわち、調整リング33には、ドリブンロータ32を保持するリング状の本体部から外方に向かって延びるアーム部33aが形成され、このアーム部33aに作用するコイルバネ37の押圧力によって、図1、2の時計回りに回動するように付勢されている。なお、調整リング33の回動する方向は、長穴33b,33cに挿入されたガイドピン38,39によって規制されている。
一方、前記のアーム部33aには、ハウジング30内に形成された制御空間TCの油圧が作用しており、この油圧(以下、制御油圧という)によって調整リング33には、図1、2の反時計回りに回動させるような押圧力が作用する。制御油圧の大きさは、制御空間TCに臨んで開口する油路40(以下、制御油路40という)を介して、オイルコントロールバルブ(Oil Control Valve:OCV)4によって制御される。
一例としてOCV4は、リニアソレノイド41によってスプール42を動作させる電磁比例弁であり、その供給ポート4aには、高圧オイル通路14から分岐する分岐油路14aによってオイルが供給される。OCV4は、そうして供給ポート4aに供給されるオイルを制御ポート4bから制御油路40へ送り出す状態(図2に示す)と、反対に制御油路40からのオイルを制御ポート4bに受け入れて、ドレンポート4cから排出する状態(図1に示す)とに切り換えられる。
前記のOCV4によって制御油圧を調圧し、制御空間TCの油圧を増大または減少させて、アーム部33aに作用する押圧力を調整することで、この押圧力とコイルバネ37の押圧力とがバランスするようにアーム部33aの位置が決まるようになる。これにより、図1に示すようにポンプ容量の大きな状態と図2に示すようにポンプ容量の小さな状態との間で、調整リング33の位置を変化させることができる。
−ECU−
前記のような容量可変機構の動作によるポンプ容量の調整は、エンジン制御用のECU100によって行われる。本実施形態のECU100は、CPU、ROM、RAMおよびバックアップRAMなどを備えた公知のものである。図1、2に模式的に示すようにECU100には、例えば、エンジン1のクランク角センサ101、エアフローメータ102、水温センサ103、油圧センサ104等の各種センサが接続されている。
また、ECU100には、図示しないが、アクセルペダルの操作量を検出するためのアクセルセンサ105、および変速操作のためのシフトレバーの位置を検出するためのシフト位置センサ106も接続されている。また、これも図示しないが、エンジン1によって駆動されるエアコンのコンプレッサの動作状態を表すエアコンスイッチ107もECU100に接続されている。
さらに、ECU100には、図示しないが、エンジン1の吸気通路に配設された電動のスロットルバルブ、点火プラグのイグナイタ、インジェクタなど、運転制御のための種々のアクチュエータが接続されているとともに、前記のようにオイルポンプ3の容量可変機構を動作させるためのOCV4が接続されている。
そして、ECU100は、前記各種センサおよびスイッチ101〜107などから入力する信号などに基づいて、エンジン1の運転に関わる種々の制御プログラムを実行するとともに、容量可変機構を動作させてオイルポンプ3の容量を変更し、オイル供給系2の油圧を制御する。すなわち、基本的にはエンジン1の状態(例えば負荷率やエンジン回転数)に応じてOCV4への指令値を変更し、負荷率が高いときにはポンプ容量を増大させる一方、負荷率が低いときには減少させる。なお、オイルポンプ3の回転数は、エンジン回転数が高くなれば高くなるので、自ずとオイルの吐出量は増大する。
一例として図3には、ECU100からOCV4への指令値(OCV電流値)と、エンジン回転数と、オイルポンプ3の吐出圧との相互の関係を示す。この図から、OCV電流値の制御によってポンプ容量を変更すれば、ポンプ吐出圧を調整できることが分かる。すなわち、エンジン回転数が或る程度以上、高ければ、その変化によらずポンプ吐出圧を維持することができ、オイル供給系2のメインギャラリ20の油圧を好適に制御することができる。
そこで、ECU100は、例えばエンジン1の負荷率および回転数に応じて目標油圧を決定し、負荷率や回転数が低いときには油圧を低下させることにより、オイルポンプ3の駆動によるエンジン1の動力損失(ポンプ駆動損失)を低減するようにしている。具体的に油圧の基本制御としては、油圧センサ104からの信号をフィードバックし、検出油圧(油圧センサ104による油圧の検出値)の目標油圧からの偏差に応じてポンプ容量を変更することによって、メインギャラリ20の油圧を目標油圧に収束させる。
−油圧制御の基本的な処理−
以下に、まず、本実施形態のエンジン1の油圧制御に係る基本的な処理について図4を参照して具体的に説明する。これは、前記したようにポンプ容量を調整して、オイル供給系2の油圧を制御する処理の基本的な流れ(油圧制御のメインルーチン)を示し、このルーチンは、エンジン1の運転中にECU100において所定のタイミングで繰り返し実行される。このルーチンは、エンジン1の運転状態に応じて油圧を制御する基本制御に相当する。
図4のフローのスタート後のステップST101では、エンジン1の運転状態を表す各種情報を取得する。例えば、クランク角センサ101からの信号によってエンジン回転数を算出し、エアフローメータ102からの信号によって吸気量を算出し、これらエンジン回転数および吸気量(アクセル操作量でもよい)から、エンジン1の負荷率を算出する。また、例えば水温センサ103や油圧センサ104からの信号によってエンジン1の水温および油圧(メインギャラリ20の油圧)を検出する。
続いてステップST102では、主に負荷率やエンジン回転数などに基づいて、即ち、エンジン1の運転状態に基づいて、図示しない公知のマップを参照してメインギャラリ20の油圧の目標値(目標油圧)を算出する。ステップST103では、油圧センサ104による検出油圧が前記の目標油圧になるように、フィードバック制御演算を行う。すなわち、検出油圧と目標油圧との偏差を算出し、この偏差に応じてPID則などにより、検出油圧が目標油圧に収束するようなポンプ容量の目標値を算出する。
ステップST104では、前記ポンプ容量の目標値に基づいて、オイルポンプ3の制御空間TCに供給する制御油圧を算出し、この制御油圧をOCV4が出力するように、そのスプール42を動作させるための指令信号、即ちOCV電流値を算出する。この指令信号がECU100からOCV4へ出力されることによって、オイルポンプ3の容量が好適に制御され、メインギャラリ20の油圧は徐々に目標油圧に収束するようになる。
なお、前記のポンプ容量、制御油圧、OCV電流値などのパラメータの対応関係は、予め実験・シミュレーションなどによって適合されてマップとしてECU100のROMに記憶されており、前記のステップST104では、そのようなマップを参照して、目標とするポンプ容量を実現するためのOCV電流値を算出する。
−アイドル運転状態での油圧の補正−
ところで、上述したようにオイルポンプ3が駆動ギヤ36および被駆動ギヤ35を介して駆動されると、クランクシャフトの回転変動に起因する歯打ち音が発生するおそれがあった。すなわち、エンジン1のクランクシャフトの回転には、各気筒の爆発が間欠的に行われることによる変動があるので、図5に模式的に示すように、時刻t0〜t1において回転速度が高くなる加速時には、同図の下段に(a)として示すように、駆動ギヤ36は被駆動ギヤ35に押し付けられるようになる(黒丸印で示す)。
一方、その後にクランクシャフトの回転速度が低くなる減速時には、時刻t1〜t2のように駆動ギヤ36の回転速度(グラフA)が大幅に低下する一方で、オイルポンプ3のポンプ軸12と共に慣性で回ろうとする被駆動ギヤ35の回転速度(グラフB)はあまり低下しない。このため、同図の下段に(b)として示すように駆動ギヤ36が一旦、被駆動ギヤ35から離れることがある。
こうして駆動ギヤ36が一旦、被駆動ギヤ35から離れた後に、再びクランクシャフトの回転速度が高くなると、これにより駆動ギヤ36の回転速度(グラフA)が上昇して、被駆動ギヤ35の回転速度(グラフB)に追いつくことになる(時刻t3)。このとき、図5の下段に(c)として示すように駆動ギヤ36が被駆動ギヤ35を叩くことによって、歯打ち音が発生するのである。
特に、エンジン1のアイドル運転状態では、上述した油圧の制御によってポンプ容量が小さくされ、オイルポンプ3の駆動負荷が小さくなっているので、ポンプ軸34および被駆動ギヤ35の減速度は大きくなり難い。このため、例えばエアコンのコンプレッサの動作によってエンジン負荷が増大し、クランクシャフトおよび駆動ギヤ36の減速度が大きくなりやすい状況では、この駆動ギヤ36が被駆動ギヤ35から離れやすくなる。
このような問題点を考慮して本実施の形態では、エアコンのコンプレッサなどの動作によってエンジン1の負荷が大きくなれば、オイルポンプ3の容量を増大させることによってその駆動負荷を大きくし、ポンプ軸34および被駆動ギヤ35の減速度が大きくなるようにしている。こうすれば、クランクシャフトの回転変動によって一時的に駆動ギヤ36の減速度が大きくなっても、被駆動ギヤ35から離れ難くなるので、その後に駆動ギヤ36が被駆動ギヤ35を叩くことを抑制できる。
以下、図6のフローチャートを参照して、アイドル運転状態における油圧の補正について具体的に説明する。このフローに示すルーチンは、エンジン1の暖機後に所定のタイミングで開始され、まず、スタート後のステップST201では、エンジン1がアイドル運転状態か否か判定する。これは、例えばアクセルセンサ105により検出されるアクセルペダルの操作量、およびエンジン回転数に基づいて判定し、アイドル運転状態でないと否定判定(NO)すればリターンする。
一方、ステップST201でアイドル運転状態であると肯定判定(YES)すればステップST202に進み、今度はエンジン1の油圧が規定値以下か否か判定する。すなわち、油圧センサ104によって検出されるメインギャラリ20の油圧が予め設定されている規定値を超えていて、否定判定(NO)すれば、それ以上、油圧が上昇しないように、以下の処理(油圧の増大補正)は行わずにリターンする。一方、油圧が規定値以下で肯定判定(YES)すればステップST203に進む。
このステップST203では、エアコンスイッチ107からの信号に基づいて、エアコンのコンプレッサが動作中(オン)か否(オフ)か判定し、エアコン・オンで肯定判定(YES)すれば後述のステップST206に進む。一方、エアコン・オフで否定判定(NO)すればステップST204に進んで、今度はシフト位置センサ106からの信号に基づいて、Nレンジ(ニュートラルレンジ)か否か判定する。そして、Nレンジであると肯定判定(YES)すればエンジン負荷は高くないので、リターンする。
一方、Nレンジではないと否定判定(NO)した場合、エンジン1には変速装置からの力が加わっており、その分、エンジン負荷が高くなるので、ステップST205に進んで目標油圧を比較的小さな補正値(以下、小補正値という)だけ増大させ(目標油圧小補正)、リターンする。これにより、図4を参照して上述した油圧制御(メインルーチン)のステップST102において目標油圧が増大補正され、続くステップST103で算出されるポンプ容量の目標値が所定量、大きくなる。
つまり、変速装置からの力によってエンジン負荷が高くなっていれば、その分、ポンプ容量を増大させ、オイルポンプ3の駆動負荷を大きくすることで、ポンプ軸34および被駆動ギヤ35の減速度が大きくなるようにしている。こうすれば、図5を参照して上述したようにクランクシャフトの回転変動による駆動ギヤ36の減速度が大きくなっても、被駆動ギヤ35からは離れ難くなる。
そのために本実施の形態では、Nレンジ以外で増大するエンジン負荷によって、クランクシャフトの回転変動がどの程度、大きくなるか予め実験、計算により調べ、これによる駆動ギヤ36の減速度を算出するとともに、被駆動ギヤ35の減速度がそれ以上となるようなポンプ容量を予め実験、計算により設定する。そして、そのポンプ容量とするための目標油圧の増大補正量を前記の小補正値として算出する。
また、前記のステップST203においてエアコン・オンと肯定判定(YES)して進んだステップST206でも、前記のステップST204と同じくNレンジか否か判定し、Nレンジであると肯定判定(YES)すればステップST207に進む。この場合は、エンジン1には変速装置からの力は加わっていないが、エアコンのコンプレッサの動作によって負荷が増大しているので、目標油圧を補正して(目標油圧中補正)リターンする。
すなわち、エアコンのコンプレッサの動作によるエンジン負荷の増分は、前記の変速装置からの力によるものと比べて大きいので、このエンジン負荷の増分に対応する中程度の補正値(以下、中補正値という)だけ目標油圧を増大補正する。この中補正値は、前記の小補正値と同様にして増大したエンジン負荷による駆動ギヤ36の減速度を算出し、被駆動ギヤ35の減速度がそれ以上となるようなポンプ容量に対応付けて、目標油圧の増大補正量を算出する。
一方、前記のステップST206においてNレンジでないと否定判定(NO)した場合、エアコンのコンプレッサが動作している上に、変速装置からの力も加わっているので、エンジン負荷の増分が大きい。そこで、ステップST208では、目標油圧を比較的大きな補正値(以下、大補正値という)だけ増大させて(目標油圧大補正)、リターンする。この大補正値も、前記の小補正値、中補正値と同様にして、増大したエンジン負荷による駆動ギヤ36の減速度を算出し、被駆動ギヤ35の減速度がそれ以上となるようなポンプ容量に対応付けて、目標油圧の増大補正量を算出する。
前記図6のフローのステップST202〜ST204を実行することによってECU100は、エンジン1のアイドル運転状態においてエンジン負荷が相対的に大きいときに、相対的に小さいときに比べてポンプ容量を増大させるポンプ容量制御手段を構成する。この実施の形態のポンプ容量制御手段は、油圧制御の目標値(目標油圧)を補正することによって、ポンプ容量を増大させる。
以上、説明したように本実施の形態によると、エンジン1がアイドル運転状態のときに、エアコンの動作やNレンジ以外へのシフト操作などによって、エンジン負荷が大きくなっていると、これによりクランクシャフトの回転変動が大きくなるが、このときに目標油圧を増大補正し、オイルポンプ3の容量を大きくすることで、これを駆動する駆動ギヤ36および被駆動ギヤ35の歯打ち音を抑制できる。
すなわち、図5を参照して上述したように、クランクシャフトの回転変動が大きくなると、その回転速度の低下する減速時に(図5の時刻t1〜t2)、被駆動ギヤ35に比べて駆動ギヤ36の回転速度の低下幅が大きくなってしまい、一時的に被駆動ギヤ35から離れやすくなる(図5の下段(b)を参照)。
これに対して前記のようにポンプ容量を大きくして、オイルポンプ3の駆動負荷を増大させれば、クランクシャフトの回転速度が低下するときにも、図7に模式的に示すように駆動ギヤ36の回転速度(グラフA)と被駆動ギヤ35の回転速度(グラフB)とが同じように低下するようになる。よって、同図の下段(b)に示すように駆動ギヤ36および被駆動ギヤ35の接触状態(黒丸印で示す)が維持される。
そうして減速時にも駆動ギヤ36および被駆動ギヤ35の接触状態が維持されているので、その後、再びクランクシャフトの回転速度が高くなるときにも(例えば時刻t3)、これにより加速状態になる駆動ギヤ36が被駆動ギヤ35に押し付けられたままとなり、駆動ギヤ36が被駆動ギヤ35を叩くことがない。よって、駆動ギヤ36および被駆動ギヤ35の歯打ち音の発生を阻止できる。
また、本実施の形態では、エアコンの動作やシフト操作によって異なるエンジン負荷の増分に対応してそれぞれ油圧を補正する小、中および大の補正値を設定し、エンジン負荷が大きいときほど、ポンプ容量の増分も大きくなるようにしている。このため、オイルポンプ3の駆動負荷が必要以上に増大されることがなく、エンジン1のアイドル運転状態を維持するための無駄な燃料消費が抑えられる。
−他の実施形態−
上述した実施の形態の記載はあくまで例示に過ぎず、本発明の構成や用途などについても限定することを意図しない。例えば前記実施の形態においては、図6のフローのステップST203,ST204のように、エアコンの動作状態やシフト操作によってエンジン負荷の大きさを判定しているが、これに限らず、例えばオルタネータなど、他のエンジン補機の動作状態によってエンジン負荷の大きさを判定してもよい。
また、エアフローメータ102からの信号に基づいて算出されるエンジン1の負荷率によってエンジン負荷の大きさを判定するようにしてもよく、その場合は、負荷率の増大に応じて連続的にポンプ容量(目標油圧)を増大補正するようにしてもよい。或いは、その反対にエンジン負荷が大きくなったときには、ポンプ容量を予め設定した一定値、増大させるようにしてもよい。
その場合は、前記実施の形態のように油圧のフィードバック制御における目標油圧を増大補正するのではなく、例えば、OCV電流値をポンプ容量が増大する側に補正するようにしてもよい。さらに、前記実施の形態のようにオイルポンプ3として内接ギヤポンプを用いる必要もなく、可変容量型のベーンポンプなどを用いることもできる。
本発明は、可変容量型のオイルポンプを備えたエンジンにおいて、そのオイルポンプを駆動するギヤの歯打ち音を抑制できるものであり、自動車用のエンジンに適用して優れた効果を奏する。
1 エンジン(内燃機関)
3 可変容量型のオイルポンプ
34 ポンプ軸
35 被駆動ギヤ(オイルポンプを駆動するギヤ)
36 駆動ギヤ(オイルポンプを駆動するギヤ)
100 ECU(ポンプ容量制御手段)

Claims (1)

  1. 内燃機関の出力軸によってギヤを介して駆動される可変容量型のオイルポンプと、
    前記オイルポンプの容量を内燃機関の状態に応じて制御するポンプ容量制御手段とを備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記ポンプ容量制御手段は、内燃機関のアイドル運転状態において機関負荷が相対的に大きいときに、相対的に小さいときに比べて前記オイルポンプの容量を増大させることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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