以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
また、以下では、本発明に係る分析装置として、走査電子顕微鏡を例に挙げて説明するが、本発明に係る分析装置は、試料に一次線(荷電粒子線や放射線等)を照射することによって試料で生じる信号を検出して観察像を取得することができる装置であればよい。例えば、本発明に係る分析装置は、透過電子顕微鏡(TEM)や走査透過電子顕微鏡(STEM)等の電子顕微鏡、集束イオンビーム(FIB)装置、波長分散型蛍光X線分析装置、エネルギー分散型蛍光X線分析装置などであってもよい。
1. 電子顕微鏡の構成
まず、本実施形態に係る電子顕微鏡について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る電子顕微鏡100を模式的に示す図である。なお、図1には、互いに直交
する3つの軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。
電子顕微鏡100は、走査電子顕微鏡(SEM)である。電子顕微鏡100は、電子顕微鏡本体10と、偏向走査制御装置20と、信号増幅装置22と、EDS制御装置24と、試料ステージ制御装置26と、試料ステージ位置情報記憶装置28と、本体制御装置30と、入力装置32と、記憶装置34と、画像表示制御装置40と、表示装置50と、を含んで構成されている。
電子顕微鏡本体10では、試料Sに電子線を照射することによって、試料Sから発生する二次電子(試料Sで生じる信号の一例)を検出して観察像(二次電子像)を取得することができる。
電子顕微鏡本体10は、電子銃11と、走査コイル12と、試料ホルダー13と、試料ステージ14と、二次電子検出器15と、EDS検出器16と、を含んで構成されている。
電子銃11は、電子ビームを発生させる。電子銃11から出射された電子ビームは、図示しない集束レンズおよび対物レンズによって集束されて試料Sに照射される。
走査コイル12(視野変更部の一例)は、集束レンズおよび対物レンズによって集束された電子ビームを偏向走査するための電磁コイルである。偏向走査制御装置20から走査コイル12に所定の電流(走査信号)が供給されることにより、走査コイル12は試料S上で電子ビームを走査する。
試料ホルダー13上には、試料Sが載置されている。試料ホルダー13は、試料ステージ14に装着されている。
試料ステージ14(視野変更部の一例)は、試料S(試料ホルダー13)を支持し、試料Sを移動させることができる。試料ステージ14は、試料SをX軸方向およびY軸方向(水平方向)に移動させるX−Y駆動系と、試料Sを回転させる回転駆動系と、試料Sを傾斜させる傾斜駆動系と、を備えている。試料ステージ14は、試料ステージ制御装置26によって制御される。
二次電子検出器15は、電子ビームが照射されることにより試料Sから発生する二次電子を検出する。二次電子検出器15で検出された二次電子信号(二次電子検出器15の出力信号)は、信号増幅装置22で増幅されて本体制御装置30に送られる。
EDS検出器16は、電子ビームが照射されることにより試料Sから発生する特性X線を検出する。EDS検出器16で検出されたX線信号は、EDS制御装置24に出力される。EDS制御装置24は、EDS検出器16で検出されたX線信号に基づいてX線強度データを演算する。
試料ステージ制御装置26は、試料ステージ14の各駆動系を制御する。試料ステージ位置情報記憶装置28は、試料ステージ14の位置情報を記憶する。試料ステージ14の位置情報は、試料ステージ14の位置の情報(X−Y駆動系の制御情報)、試料ステージ14の回転の情報(回転駆動系の制御情報)、および試料ステージ14の傾斜の情報(傾斜駆動系の制御情報)を含む。試料ステージ位置情報記憶装置28は、例えば、ハードディスク、RAMなどを含んで構成されている。
本体制御装置30は、電子顕微鏡本体10を制御する。本体制御装置30は、偏向走査
制御装置20、信号増幅装置22、EDS制御装置24、試料ステージ制御装置26、および入力装置32と電気的に接続されている。本体制御装置30の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)でプログラムを実行することにより実現することができる。なお、本体制御装置30の機能の少なくとも一部を、ASIC(ゲートアレイ等)などの専用回路により実現してもよい。
入力装置(入力部の一例)32は、ユーザーによる操作などによって情報の入力を受け付ける。入力装置32は、例えば、ボタン、キー、タッチパネル型ディスプレイ、マイクなど、種々の公知の入力装置を含んで構成されていてもよい。
記憶装置34(記憶部の一例)は、本体制御装置30と電気的に接続されている。記憶装置34は、分析位置を特定するためのマーカーの位置情報と、観察像の視野の位置情報と、を記憶する。記憶装置34は、例えば、ハードディスク、RAMなどを含んで構成されている。
マーカーの位置情報は、マーカーの位置を特定するための情報である。マーカーは、例えば、ライブ像上において、分析済みの位置や、分析予定の位置等の分析位置を特定するために用いられる。マーカーの位置情報は、後述するように、表示装置50の画面上に表示される観察像のピクセル座標系で表される。
例えば、ユーザーは、表示装置50に表示されているライブ像(リアルタイムに表示される観察像)を確認しながら、入力装置32に対して試料S上の任意の位置を指定する操作を行うことで、マーカーの位置情報を入力することができる。
観察像の視野の位置情報は、試料Sの位置の情報、試料Sの回転の情報、視野の回転の情報、および観察倍率の情報を含む。試料Sの位置の情報は、例えば試料ステージ14の位置の情報である。また、試料Sの回転の情報は、例えば試料ステージ14の回転角の情報である。また、視野の回転の情報は、例えば、後述するスキャンローテーションの回転角の情報である。これらの情報によって、観察像の視野を特定することができる。
観察像の視野の位置情報は、視野が変更されるごとに記憶装置34に記憶される。ここで、視野の変更とは、試料ステージ14による試料Sの移動に伴う視野の移動、イメージシフトによる視野の移動、試料ステージ14による試料Sの回転に伴う視野の回転、スキャンローテーションによる視野の回転、走査範囲が変更されることによる観察像の倍率の変更などを含む。
画像表示制御装置40は、本体制御装置30と電気的に接続されている。画像表示制御装置40は、表示装置50に表示される画像を生成する処理を行う。画像表示制御装置40の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)でプログラムを実行することにより実現することができる。なお、画像表示制御装置40の機能の少なくとも一部を、ASIC(ゲートアレイ等)などの専用回路により実現してもよい。画像表示制御装置40は、ライブ像表示制御部42と、マーカー表示制御部44と、を含んで構成されている。
ライブ像表示制御部42(画像表示制御部の一例)は、電子顕微鏡本体10で取得された観察像(二次電子像)を、順次、表示装置50の画面上に表示させる制御を行う。具体的には、ライブ像表示制御部42は、本体制御装置30から二次電子信号を受け取り、二次電子像を生成する。そして、ライブ像表示制御部42は、生成した二次電子像をリアルタイムに表示装置50に表示させる制御を行う。これにより、表示装置50の画面上にライブ像が表示される。
マーカー表示制御部44は、表示装置50の画面上に表示されているライブ像上に、試料S上の分析位置を特定するためのマーカーを表示させる制御を行う。具体的には、マーカー表示制御部44は、表示装置50に表示された観察像の任意の視野(第1視野)において指定された位置にマーカーを表示させる制御を行う処理を行う。また、マーカー表示制御部44は、表示装置50に表示された観察像の視野が第1視野から第2視野(第1視野とは異なる任意の視野)に変更された場合に、第1視野の位置情報、第2視野の位置情報、および第1視野におけるマーカーの位置情報に基づいて、第2視野におけるマーカーの位置を算出する。また、マーカー表示制御部44は、算出した第2視野におけるマーカーの位置が第2視野に含まれる場合には、表示装置50にマーカーを表示させる制御を行う。
マーカーの形状は特に限定されず、例えば、十字状、矩形状、円状、ライン状である。マーカーの形状は、観察像中の所望の部分(例えば粒子部分)を抽出した形状であってもよい。
画像表示制御装置40は、さらに、分析結果(EDSスペクトルや面分析結果など)を表示装置50の画面上に表示させる制御を行ってもよい。
表示装置50(表示部の一例)は、画像表示制御装置40で生成されたライブ像や、分析位置を示すマーカーを表示する。表示装置50は、例えば、LCD(liquid crystal display)、CRT(cathode ray tube)などである。
2. 電子顕微鏡の動作
2.1. 視野の移動
(1)動作
本実施形態に係る電子顕微鏡100では、観察像の視野を移動させることにより視野が変更された場合であっても、分析位置を示すマーカーを継続して観察像上に表示させることができる。すなわち、電子顕微鏡100では、観察像の視野を移動させても、表示装置50の画面上でマーカーが示す試料S上の位置は変わらない。
なお、視野の移動は、試料ステージ14(X−Y駆動系)によって試料Sを移動させることで行われてもよいし、電子ビームによるイメージシフトで行われてもよい。イメージシフトは、図示しない偏向コイルで電子ビームを偏向させて観察像の視野を移動させることをいう。以下では、試料ステージ14によって視野の移動を行った場合について説明する。
ユーザーが表示装置50の画面上に表示されているライブ像を見ながら、入力装置32を用いてライブ像上で元素分析を行う位置を指定する操作(分析位置情報の入力操作)を行うと、本体制御装置30は、入力された分析位置情報を画像表示制御装置40に送る。
画像表示制御装置40(マーカー表示制御部44)は、分析位置情報をマーカー位置情報に変換し、マーカーをライブ像上に合成し、表示装置50の画面上に表示させる。
図2は、表示装置50の画面上に表示されたライブ像上にマーカーMK(MK6,MK7,MK8,MK9)が表示されている様子を示す図である。
このときのライブ像の視野(第1視野)の位置情報(視野移動前の視野の位置情報)と、当該視野におけるマーカーMKの位置情報は、記憶装置34に記憶される。
次に、ユーザーが表示装置50の画面上に表示されたライブ像を見ながら、入力装置32を用いてライブ像上で移動したい位置を指定すると、本体制御装置30は、当該位置の指定に基づいて試料ステージ14の移動量を算出し、算出された移動量の情報を試料ステージ制御装置26に送る。
試料ステージ制御装置26は、送られてきた移動量の情報に基づいて制御信号を生成し、当該制御信号を試料ステージ14に送る。試料ステージ14は、制御信号に基づいて、試料Sを移動させる。なお、試料Sを移動させた後の試料ステージ14の位置情報は、試料ステージ位置情報記憶装置28に記憶される。
試料ステージ14の移動が完了すると、本体制御装置30は、偏向走査制御装置20を介して走査コイル12を制御する。これにより、試料Sの移動前とは異なる領域が電子ビームで走査される。電子ビームの照射により試料Sから発生した二次電子は二次電子検出器15で検出され、検出信号は信号増幅装置22で増幅され本体制御装置30に送られる。本体制御装置30は、検出信号をライブ像化し、画像表示制御装置40に送る。そして、画像表示制御装置40のライブ像表示制御部42は、表示装置50の画面上にライブ像(視野移動後のライブ像)を表示させる。
マーカー表示制御部44は、本体制御装置30および試料ステージ制御装置26を介して、試料ステージ位置情報記憶装置28から試料ステージ14の位置情報を読み出す。マーカー表示制御部44は、この試料ステージ14の位置情報に基づいて視野移動後の視野の位置情報を求める。さらに、マーカー表示制御部44は、本体制御装置30を介して、記憶装置34から視野移動前の視野の位置情報と視野移動前の視野におけるマーカーMKの位置情報を読み出す。
次に、マーカー表示制御部44は、視野移動前の視野の位置情報、視野移動後の視野の位置情報、および視野移動前の視野におけるマーカーMKの位置情報に基づいて、視野移動後の視野におけるマーカーMKの位置を算出する。
マーカー表示制御部44は、算出されたマーカーMKの位置情報に基づいて、マーカーMKをライブ像上に合成し、表示装置50の画面上に表示させる。なお、マーカー表示制御部44の処理の詳細については、後述する。
図3は、表示装置50の画面上に表示された移動後のライブ像上にマーカーMK(MK8,MK9)が表示されている様子を示す図である。
(2)マーカー表示制御部の処理
まず、マーカー表示制御部44は、表示装置50の画面上に表示されたライブ像上の指定された位置にマーカーMKを表示させる制御を行う。マーカー表示制御部44は、入力装置32が分析位置情報の入力操作を受け付け、本体制御装置30を介して分析位置情報が入力されることで、マーカーMKを表示させる処理、およびマーカーMKを視野の移動に追従させる処理を実行する。
図4は、観察像(視野移動前)のピクセル座標系を説明するための図である。観察像上の各位置は、図4に示すように、ピクセル座標系で表される。
図4に示す例では、原点を観察像の左上としている。また、観察像の幅Wを、IMG.W、観察像の高さHをIMG.Hとしている。また、観察像内に指定されたマーカーMKの位置座標を(MK.X,MK.Y)としている。図4では、4つのマーカーMK6,MK7,MK8,MK9が表示されており、マーカーMK6の位置座標を(MK6.X,M
K6.Y)とし、マーカーMK7の位置座標を(MK7.X,MK7.Y)とし、マーカーMK8の位置座標を(MK8.X,MK8.Y)とし、マーカーMK9の位置座標を(MK9.X,MK9.Y)としている。
このようにマーカー位置(視野移動前の視野におけるマーカーMKの位置情報)は、ピクセル座標系で表されるため、マーカー表示制御部44は、マーカー位置をピクセル座標系からステージ座標系に変換する。
図5および図6は、ステージ座標系を説明するための図である。ステージ座標系は、X軸方向およびY軸方向の2軸に沿って移動できる試料ステージ14に基づく座標系である。すなわち、ステージ座標系は、互いに直交するX軸およびY軸を座標軸とする座標系である。
図5には、図4に示す観察像(すなわち、電子ビームによる走査範囲)を実サイズで示している。走査範囲は、例えば倍率1倍のときに、横128mm、縦96mmである。以下、この実サイズの観察像は、ステージ座標系においてFOV(Field of View)と呼ぶ。図5に示す例では、FOVの幅をFOV.Wとし、FOVの高さをFOV.Hとしている。FOVの幅FOV.WおよびFOVの高さFOV.Hは、観察像の倍率MAGと走査範囲(128mm×96mm)から下記式(1)から求めることができる。
マーカー表示制御部44は、図5に示す視野移動前のFOVの左上を基準点OIMGとして、この基準点OIMGの座標(OIMG.X,OIMG.Y)を計算する。基準点OIMGの座標はFOVの中心C(C.X,C.Y)(視野移動前の視野の位置情報)と、FOVの幅FOV.WおよびFOVの高さFOV.Hと、を用いて下記式(2)から計算される。
基準点OIMGの座標(OIMG.X,OIMG.Y)を算出した後、図6に示す基準点OIMGの座標(OIMG.X,OIMG.Y)を基準として、下記式(3)を用いて図4に示すピクセル座標系の観察像上に指定されたマーカーMKの位置座標(MK6(MK6.X,MK6.Y)、MK7(MK7.X,MK7.Y)、MK8(MK8.X,MK8.Y)、MK9(MK9.X,MK9.Y))をステージ座標系のFOV上のマーカー位置(RMK6(RMK6.X,RMK6.Y)、RMK7(RMK7.X,RMK7
.Y)、RMK8(RMK8.X,RMK8.Y)、RMK9(RMK9.X,RMK9.Y))に変換する。なお、変換されたマーカー位置RMK(RMK6,RMK7,RMK8,RMK,9)は、記憶装置34に記憶される。
図7は、視野移動後の観察像を示す図である。
視野の移動後、マーカー表示制御部44は、現在(視野移動後)の観察像のピクセル座標系を下記式(4)を用いてステージ座標系に変換する。このときの視野移動後の実サイズの観察像をCFOVと呼ぶ。図7に示す例では、CFOVの幅をCFOV.Wとし、CFOVの高さをCFOV.Hとし、CFOVの中心CCの座標を(CC.X,CC.Y)(視野移動後の視野の位置情報)とし、CFOVの左上に位置する基準点をCOIMGとしている。
次に、CFOVの基準点COIMGの座標(COIMG.X,COIMG.Y)をCFOVの中心CCの座標(CC.X,CC.Y)と幅CFOV.Wおよび高さCFOV.Hを用いて計算する。基準点COIMG(COIMG.X,COIMG.Y)を求める計算式を下記式(5)に示す。
次に、マーカー表示制御部44は、記憶装置34からマーカー位置RMK(RMK6、RMK7,RMK8,RMK9)を読み出し、式(5)から求めた図7に示す視野移動後の基準点(COIMG.X,COIMG.Y)と式(3)から求めた図6に示す視野移動前のマーカー位置RMK(RMK8(RMK8.X,RMK8.Y))、RMK9(RMK9.X,RMK9.Y))との相対位置を表すベクトルCRMK((CRMK8(CRMK8.X,CRMK8.Y)、CRMK9(CRMK9.X,CRMK9.Y))を下記式(6)を用いてそれぞれ計算する。同時に視野移動後の基準点(COIMG.X,COIMG.Y)と視野移動前のマーカー位置RMK(RMK6(RMK6.X,RMK6
.Y)、RMK7(RMK7.X,RMK7.Y))との相対位置を表すベクトルCRMK((CRMK6(CRMK6.X,CRMK6.Y)、CRMK7(CRMK7.X,CRMK7.Y))も計算する。
次に、マーカー表示制御部44は、ステージ座標系上のマーカーのベクトルCRMK(CRMK6(CRMK6.X,CRMK6.Y),CRMK7(CRMK7.X,CRMK7.Y),CRMK8(CRMK8.X,CRMK8.Y),CRMK9(CRMK9.X,CRMK9.Y))を、観察像のピクセル座標系のマーカー位置CMK(CMK6(CMK6.X,CMK6.Y),CMK7(CMK7.X,CMK7.Y),CMK8(CMK8.X,CMK8.Y),CMK9(CMK9.X,CMK9.Y))に変換する。このときの計算式を下記式(7)に示す。なお、ピクセル座標系ではステージ座標系の基準点COIMGの座標(COIMG.X,COIMG.Y)は(0,0)となる。
式(7)から求められたマーカー位置CMK(CMK6,CMK7,CMK8,CMK9)が、視野移動後の観察像のピクセル座標内に位置すれば、図8に示すように視野移動後の観察像上にマーカーMK(CMK8,CMK9)が表示される。
本実施形態に係る電子顕微鏡100では、マーカー表示制御部44は、表示装置50の画面上に表示された観察像の視野移動前の視野(第1視野)において指定された位置にマーカーMKを表示させる制御を行う処理を行う。さらに、マーカー表示制御部44は、表示装置50の画面上に表示された観察像が視野移動後の視野(第2視野)に変更された場合に、視野移動前の視野の位置情報、視野移動後の視野の位置情報、および視野移動前の視野におけるマーカーMKの位置情報に基づいて、視野移動前の視野におけるマーカーMKの位置を算出する処理を行う。
したがって、電子顕微鏡100では、観察像の視野を移動させることにより視野が変更された場合であっても、分析位置を示すマーカーMKを継続して観察像上に表示させることができる。これにより、試料S上の分析位置の確認が容易になり、操作性を向上できる。
2.2. 倍率の変更
(1)動作
本実施形態に係る電子顕微鏡100では、観察像の観察倍率が変更されることにより視野が変更された場合であっても、分析位置を示すマーカーを継続して観察像上に表示させることができる。すなわち、電子顕微鏡100では、観察像の観察倍率が変更されても、表示装置50の画面上でマーカーが示す試料S上の位置は変わらない。
ユーザーが分析位置情報の入力操作を行うと、本体制御装置30は入力された分析位置
情報を画像表示制御装置40に送る。画像表示制御装置40は、分析位置情報をマーカー位置情報に変換し、マーカーをライブ像上に合成し、表示装置50の画面上に表示させる。
図9は、表示装置50の画面上に表示されたライブ像上にマーカーMK(MK5,MK−R,MK−L)が表示されている様子を示す図である。
このときのライブ像の視野の位置情報(倍率変更前の視野の位置情報)と、当該視野におけるマーカーMKの位置情報は、記憶装置34に記憶される。
次に、ユーザーが表示装置50の画面上に表示されたライブ像を見ながら、入力装置32を用いて倍率を指定すると、本体制御装置30は、当該倍率の指定に基づいて、走査範囲を算出し、偏向走査制御装置20に送る。
偏向走査制御装置20は、送られてきた走査範囲の情報に基づいて走査コイル12を制御する。これにより、走査コイル12によって、変更された走査範囲内の領域が電子ビームで走査される。電子ビームの照射により試料Sから発生した二次電子は、二次電子検出器15で検出され、検出信号は信号増幅装置22で増幅され本体制御装置30に送られる。本体制御装置30は、検出信号をライブ像化し、画像表示制御装置40に送る。そして、画像表示制御装置40のライブ像表示制御部42は、表示装置50の画面上にライブ像(倍率変更後のライブ像)を表示させる。なお、倍率変更後のライブ像の視野の位置情報は、記憶装置34に記憶される。
マーカー表示制御部44は、本体制御装置30を介して、記憶装置34から、倍率変更前の視野の位置情報、倍率変更後の視野の位置情報、および倍率変更前の視野におけるマーカーMKの位置情報を読み出す。
次に、マーカー表示制御部44は、倍率変更前の視野の位置情報、倍率変更後の視野の位置情報、および倍率変更前の視野におけるマーカーMKの位置情報に基づいて、倍率変更後の視野におけるマーカーMKの位置を算出する。
マーカー表示制御部44は、算出されたマーカーMKの位置情報に基づいて、マーカーMKをライブ像上に合成し、表示装置50の画面上に表示させる。なお、マーカー表示制御部44の処理の詳細については、後述する。
図10は、表示装置50の画面上に表示された倍率変更後のライブ像上にマーカーMK(MK5,MK−R,MK−L)が表示されている様子を示す図である。
(2)マーカー表示制御部の処理
観察倍率が変更されたときのマーカー表示制御部44の処理は、上述した視野を移動させたときの処理と、倍率変更前の観察像の倍率と倍率変更後の観察像の倍率が異なるだけである。そのため、上記式(1)に示される倍率変更前の倍率MAGと、上記式(4)に示される倍率変更後の倍率MAGの値が変わる点を除いて、上述した視野を移動させたときの処理と同様である。
なお、図9および図10に示す例では、マーカーMKを矩形状とし(マーカーMK−R)、観察像の倍率を高くした場合に、倍率に追従してマーカーMK−Rを拡大している。このようにマーカーMKが矩形状の場合、頂点ことにピクセル座標系のマーカー位置CMK(CMK.X,CMK,Y)を計算することにより、マーカーMK−Rの大きさを倍率に追従させることができる。
本実施形態に係る電子顕微鏡100では、マーカー表示制御部44は、表示装置50の画面上に表示された観察像の倍率変更前の視野(第1視野)において指定された位置にマーカーMKを表示させる制御を行う処理を行う。さらに、マーカー表示制御部44は、表示装置50の画面上に表示された観察像が倍率変更後の視野(第2視野)に変更された場合に、倍率変更前の視野の位置情報、倍率変更後の視野の位置情報、および倍率変更前の視野におけるマーカーMKの位置情報に基づいて、倍率変更後の視野におけるマーカーMKの位置を算出する処理を行う。
したがって、電子顕微鏡100では、観察像の倍率を変更することにより視野が変更された場合であっても、分析位置を示すマーカーMKを継続して観察像上に表示させることができる。
2.3. 観察像の回転(スキャンローテーション)
(1)動作
本実施形態に係る電子顕微鏡100では、観察像を回転させることにより(すなわち、スキャンローテーションにより)視野が変更された場合であっても、分析位置を示すマーカーを継続して観察像上に表示させることができる。すなわち、電子顕微鏡100では、観察像を回転させても、表示装置50の画面上でマーカーが示す試料S上の位置は変わらない。
ここで、スキャンローテーションとは、電子ビームの二次元走査の方向を回転させることをいう。スキャンローテーションを行うことで、表示装置50の画面上に表示されている観察像を回転させることができる。スキャンローテーションでは、表示装置50の画面上に表示されている観察像の中心を回転中心として回転する。
ユーザーが分析位置情報の入力操作を行うと、本体制御装置30は入力された分析位置情報を画像表示制御装置40に送る。画像表示制御装置40は、分析位置情報をマーカー位置情報に変換し、マーカーをライブ像上に合成し、表示装置50の画面上に表示させる。
図11は、表示装置50の画面上に表示されたライブ像上にマーカーMK(MK1,MK2,MK3,MK4)が表示されている様子を示す図である。
このときのライブ像の視野の位置情報(視野回転前の視野の位置情報)と、当該視野におけるマーカーMKの位置情報は、記憶装置34に記憶される。
次に、ユーザーが表示装置50の画面上に表示されたライブ像を見ながら、入力装置32を用いて視野の回転角度を指定すると、本体制御装置30は、当該回転角度の指定に基づいて、電子顕微鏡本体10の光学系を制御する。これにより、走査コイル12によって、指定された回転角度で規定される走査方向で電子ビームが走査される。電子ビームの照射により試料Sから発生した二次電子は、二次電子検出器15で検出され、検出信号は信号増幅装置22で増幅され、本体制御装置30に送られる。本体制御装置30は、検出信号をライブ像化し、画像表示制御装置40に送る。そして、画像表示制御装置40のライブ像表示制御部42は、表示装置50の画面上にライブ像(視野回転後のライブ像)を表示させる。なお、視野回転後の視野の位置情報は、記憶装置34に記憶される。
次に、マーカー表示制御部44は、視野回転前の視野の位置情報、視野回転後の視野の位置情報、および視野回転前の視野におけるマーカーMKの位置情報に基づいて、視野回転後の視野におけるマーカーMKの位置を算出する。
マーカー表示制御部44は、算出されたマーカーMKの位置情報に基づいて、マーカーMKをライブ像上に合成し、表示装置50の画面上に表示させる。なお、マーカー表示制御部44の処理の詳細については、後述する。
図12は、表示装置50の画面上に表示された視野回転後のライブ像上にマーカーMK(MK1,MK2,MK3,MK4)が表示されている様子を示す図である。
(2)マーカー表示制御部の処理
まず、マーカー表示制御部44は、表示装置50の画面上に表示されたライブ像上の指定された位置にマーカーMKを表示させる制御を行う。
図13は、観察像(視野回転前)のピクセル座標系を説明するための図である。図13では、4つのマーカーMK(MK1,MK2,MK3,MK4)が表示されており、マーカーMK1の位置座標を(MK1.X,MK1.Y)とし、マーカーMK2の位置座標を(MK2.X,MK2.Y)とし、マーカーMK3の位置座標を(MK3.X,MK3.Y)とし、マーカーMK4の位置座標を(MK4.X,MK4.Y)としている。
次に、マーカー表示制御部44は、マーカー位置をピクセル座標系からステージ座標系に変換する。
図14は、ステージ座標系を説明するための図である。
マーカー表示制御部44は、ピクセル座標系の観察像をステージ座標系のFOVに変換し、図14に示す基準点OIMGの座標(OIMG.X,OIMG.Y)を計算する。基準点OIMGの座標は、上記式(2)で求めることができる。そして、マーカー表示制御部44は、図14に示す基準点OIMGの座標(OIMG.X,OIMG.Y)を用いて、上記式(3)よりピクセル座標系の観察像上に指定されたマーカーMK(MK1,MK2,MK3,MK4)の位置座標を、ステージ座標系のFOV上のマーカー位置RMK(RMK1,RMK2,RMK3,RMK4)に変換する。変換されたマーカー位置RMK(RMK1,RMK2,RMK3,RMK4)は、記憶装置34に記憶される。
図15および図16は、視野回転後の観察像を示す図である。
次に、マーカー表示制御部44は、現在(視野回転後)の観察像のピクセル座標系を上記式(4)を用いてステージ座標系のCFOVに変換する。そして、マーカー表示制御部44は、図15に示すCFOVの基準点の座標(COIMG.X,COIMG.Y)を上記式(5)から計算する。
次に、マーカー表示制御部44は、マーカー位置RMK(RMK1,RMK2,RMK3,RMK4)を記憶装置34から読み出し、図16に示す視野回転後の基準点の座標(COIMG.X,COIMG.Y)と視野回転前のマーカー位置RMK(RMK1,RMK2,RMK3,RMK4)との相対位置を示すベクトルCRMK(CRMK1,CRMK2,CRMK3,CRMK4))を計算する。基準点COIMG(COIMG.X,COIMG.Y)を始点としたベクトルCRMK(CRMK.X,CRMK.Y)は上記式(6)から計算する。
次に、マーカー表示制御部44は、上記式(7)を用いてステージ座標系のマーカーのベクトルCRMK(CRMK1,CRMK2,CRMK3,CRMK4)を観察像のピクセル座標系のマーカー位置CMK(CMK1,CMK2,CMK3,CMK4)に変換す
る。
ここで、スキャンローテーションによって観察像は、角度CRD分回転しているので、この回転角度分の座標補正を行う必要がある。回転補正は、ピクセル座標系において、図17の破線で示す回転前の観察像の中心(IMGC.X,IMGC.Y)回りに角度CRD分回転させることで行うことができる。そのため、下記式(8)を用いてマーカー位置CMK(CMK1,CMK2,CMK3,CMK4)を、マーカー位置RCMK(RCMK1,RCMK2,RCMK3,RCMK4)に変換する。
式(8)から求められたマーカー位置RCMK(RCMK1,RCMK2,RCMK3,RCMK4)の座標が、視野回転後の観察像のピクセル座標内に位置すれば、図17に示すように、視野回転後の観察像上にマーカー(RCMK1,RCMK2,RCMK3,RCMK4)が表示される。
本実施形態に係る電子顕微鏡100では、マーカー表示制御部44は、表示装置50の画面上に表示された観察像の視野回転前の視野(第1視野)において指定された位置にマーカーMKを表示させる制御を行う処理を行う。さらに、マーカー表示制御部44は、表示装置50の画面上に表示された観察像が視野回転後の視野(第2視野)に変更された場合に、視野回転前の視野の位置情報、視野回転後の視野の位置情報、および視野回転前の視野におけるマーカーMKの位置情報に基づいて、視野回転後の視野におけるマーカーMKの位置を算出する処理を行う。
したがって、電子顕微鏡100では、観察像を回転させることにより視野が変更された場合であっても、分析位置を示すマーカーMKを継続して観察像上に表示させることができる。
2.4. 試料の回転
(1)動作
本実施形態に係る電子顕微鏡100では、試料Sを回転させることにより視野が変更された場合であっても、分析位置を示すマーカーを継続して観察像上に表示させることができる。すなわち、電子顕微鏡100では、試料Sを回転させても、表示装置50の画面上でマーカーが示す試料S上の位置は変わらない。
ユーザーが分析位置情報の入力操作を行うと、本体制御装置30は入力された分析位置情報を画像表示制御装置40に送る。画像表示制御装置40は、分析位置情報をマーカー位置情報に変換し、マーカーMK(MK1,MK2,MK3,MK4)をライブ像上に合成し、表示装置50の画面上に表示させる(図11参照)。
このときのライブ像の視野の位置情報(試料回転前の視野の位置情報)と、当該視野におけるマーカーMKの位置情報は、記憶装置34に記憶される。
次に、ユーザーが表示装置50の画面上に表示されたライブ像を見ながら、入力装置3
2を用いて試料Sの回転角度を指定すると、本体制御装置30は、当該回転角度の指定に基づいて、試料ステージ14の回転角度を算出し、算出された回転角度の情報を試料ステージ制御装置26に送る。
試料ステージ制御装置26は、送られてきた回転角度の情報に基づいて制御信号を生成し、当該制御信号を試料ステージ14に送る。試料ステージ14は、制御信号に基づいて、試料Sを回転させる。なお、試料Sを回転させた後の試料ステージ14の位置情報は、試料ステージ位置情報記憶装置28に記憶される。
試料ステージ14の回転が完了すると、本体制御装置30は、偏向走査制御装置20を介して走査コイル12を制御する。これにより、試料Sの試料回転前とは異なる領域が電子ビームで走査される。電子ビームの照射により試料Sから発生した二次電子は、二次電子検出器15で検出され、検出信号は信号増幅装置22で増幅され本体制御装置30に送られる。本体制御装置30は、検出信号をライブ像化し、画像表示制御装置40に送る。そして、画像表示制御装置40のライブ像表示制御部42は、表示装置50の画面上にライブ像(試料回転後のライブ像)を表示させる。
マーカー表示制御部44は、本体制御装置30および試料ステージ制御装置26を介して、試料ステージ位置情報記憶装置28から試料ステージ14の位置情報を読み出す。マーカー表示制御部44は、この試料ステージ14の位置情報に基づいて試料回転後の視野の位置情報を求める。さらに、マーカー表示制御部44は、本体制御装置30を介して、記憶装置34から試料回転前の視野の位置情報と試料回転前の視野におけるマーカーMKの位置情報を読み出す。
次に、マーカー表示制御部44は、試料回転前の視野の位置情報、試料回転後の視野の位置情報、および試料回転前の視野におけるマーカーMKの位置情報に基づいて、試料回転後の視野におけるマーカーMKの位置を算出する。
マーカー表示制御部44は、算出されたマーカーMKの位置情報に基づいて、マーカーMKをライブ像上に合成し、表示装置50の画面上に表示させる。なお、マーカー表示制御部44の処理の詳細については、後述する。
図18は、表示装置50の画面上に表示された視野回転後のライブ像上にマーカーMK2が表示されている様子を示す図である。
(2)マーカー表示制御部の処理
まず、マーカー表示制御部44は、表示装置50の画面上に表示されたライブ像上の指定された位置にマーカーMKを表示させる制御を行う。
ここでは、図13に示すように、4つのマーカーMK(MK1,MK2,MK3,MK4)が表示されているものとする。
次に、マーカー表示制御部44は、マーカー位置をピクセル座標系からステージ座標系に変換する。
具体的には、マーカー表示制御部44は、ピクセル座標系の観察像をステージ座標系のFOVに変換し、図14に示す基準点OIMGの座標(OIMG.X,OIMG.Y)を計算する。基準点OIMGの座標は、上記式(2)で求めることができる。そして、マーカー表示制御部44は、図14に示す基準点OIMGの座標(OIMG.X,OIMG.Y)を用いて、上記式(3)よりピクセル座標系の観察像上に指定されたマーカーMK(
MK1,MK2,MK3,MK4)の位置座標(図13参照)を、ステージ座標系のFOV上のマーカー位置RMK(RMK1,RMK2,RMK3,RMK4)に変換する。変換されたマーカー位置RMK(RMK1,RMK2,RMK3,RMK4)は、記憶装置34に記憶される。
図19および図20は、試料回転後の観察像を示す図である。
次に、マーカー表示制御部44は、現在(試料回転後)の観察像のピクセル座標系を上記式(4)を用いてステージ座標系のCFOVに変換する。そして、マーカー表示制御部44は、図19に示すCFOVの基準点の座標(COIMG.X,COIMG.Y)を上記式(5)から計算する。
次に、マーカー表示制御部44は、マーカー位置RMK(RMK1,RMK2,RMK3,RMK4)を記憶装置34から読み出し、図20に示す試料回転後の基準点の座標(COIMG.X,COIMG.Y)と試料回転前のマーカー位置RMK(RMK1,RMK2,RMK3,RMK4)との相対位置を示すベクトルCRMK(CRMK1,CRMK2,CRMK3,CRMK4))を計算する。図20には、基準点COIMG(COIMG.X,COIMG.Y)を始点としたベクトルCRMK2(CRMK2.X,CRMK2.Y)が示されている。
次に、マーカー表示制御部44は、上記式(7)を用いてステージ座標系のマーカーのベクトルCRMK(CRMK1,CRMK2,CRMK3,CRMK4)を観察像のピクセル座標系のマーカー位置CMK(CMK1,CMK2,CMK3,CMK4)に変換する。
ここで、図19に示すように、試料ステージ14は、角度R分回転しているので、この回転角度分の座標補正を行う必要がある。
図21は、回転補正を説明するための図である。
回転補正は、ピクセル座標系で計算するため、まず、ピクセル座標系上の試料ステージ14の回転中心に相当する座標を求める。この試料ステージ14の回転中心に相当する中心をCDIFFとし、座標を(CDIFF.X,CDIFF.Y)とする。中心座標CDIFF(CDIFF.X,CDIFF.Y)は、下記式(9)から計算される。
回転補正は、図21の破線で示す回転補正前の観察像をステージの回転中心(CDIFF.X,CDIFF.Y)回りに角度R分回転させることで行うことができる。そのため、式(10)を用いてマーカー位置CMK(CMK1,CMK2,CMK3,CMK4)を、マーカー位置RCMK(RCMK1,RCMK2,RCMK3,RCMK4)に変換する。
式(10)から求められたマーカー位置RCMK(RCMK1,RCMK2,RCMK3,RCMK4)が、試料回転後の観察像のピクセル座標内に位置すれば、図21に示すように、試料回転後の観察像上にマーカー(RCMK2(RCMK2.X,RCMK2.Y))が表示される。
本実施形態に係る電子顕微鏡100では、マーカー表示制御部44は、表示装置50の画面上に表示された観察像の試料回転前の視野(第1視野)において指定された位置にマーカーMKを表示させる制御を行う処理を行う。さらに、マーカー表示制御部44は、表示装置50の画面上に表示された観察像が試料回転後の視野(第2視野)に変更された場合に、試料回転前の視野の位置情報、試料回転後の視野の位置情報、および試料回転前の視野におけるマーカーMKの位置情報に基づいて、試料回転後の視野におけるマーカーMKの位置を算出する処理を行う。
したがって、電子顕微鏡100では、試料Sを回転させることにより視野が変更された場合であっても、分析位置を示すマーカーMKを継続して観察像上に表示させることができる。
2.5. 多視野表示
本実施形態に係る電子顕微鏡100では、表示装置50の画面上に多視野表示させることができる。
多視野表示とは、走査コイル12で物理的に走査可能な最低倍率を下回る倍率が指定された場合に、ライブ像の背景に、試料ホルダー13の形状を視覚的にグラフィクス表示したり、撮影済みの観察像を重ねて表示したりして、観察中の視野の周辺情報を視覚的に把握できる表示方法である。
電子顕微鏡100では、このように多視野表示した場合であっても、マーカーが継続して分析位置を指し示すことができる。
ユーザーが分析位置情報の入力操作を行うと、本体制御装置30は入力された分析位置情報を画像表示制御装置40に送る。画像表示制御装置40は、分析位置情報をマーカー位置情報に変換し、マーカーをライブ像上に合成し、表示装置50の画面上に表示させる。
図22は、表示装置50の画面上に表示されたライブ像上にマーカーMK(MK3,MK4,MK5)が表示されている様子を示す図である。
このときのライブ像の視野の位置情報(倍率変更前の視野の位置情報)と、当該視野におけるマーカーMKの位置情報は、記憶装置34に記憶される。さらに、記憶装置34には、マーカーMKが表示された観察像(図22に示す観察像)が記憶される。
次に、ユーザーが入力装置32を用いて最低倍率を下回る倍率を指定すると、本体制御装置30は、当該倍率の指定に基づいて走査範囲を算出し、偏向走査制御装置20に送る。
偏向走査制御装置20は、送られてきた走査範囲の情報に基づいて走査コイル12を制御する。これにより、走査コイル12によって変更された走査範囲内の領域が電子ビームで走査される。電子ビームの照射により試料Sから発生した二次電子は、二次電子検出器15で検出され、検出信号は信号増幅装置22で増幅され本体制御装置30に送られる。本体制御装置30は、検出信号をライブ像化し、画像表示制御装置40に送る。そして、画像表示制御装置40のライブ像表示制御部42は、表示装置50の画面上にライブ像(倍率変更後のライブ像)を表示させる。なお、倍率変更後の視野の位置情報は、記憶装置34に記憶される。
図23は、多視野表示されている画面を説明するための図である。
ライブ像表示制御部42は、図23に示すように、ライブ像2の背景(周囲)に、ライブ像2の視野と連続するように、試料ホルダー13の表面形状のグラフィック(コンピューターグラフィック)3を表示させる制御を行う。ライブ像2の背景となる背景画像は、コンピューターグラフィックでもよいし、撮影済みの観察像であってもよい。例えば、背景画像として、複数の撮影済みの観察像をライブ像の周囲に配置してもよい。
マーカー表示制御部44は、本体制御装置30を介して、記憶装置34から、倍率変更前の視野の位置情報、倍率変更後の視野の位置情報、および倍率変更前の視野におけるマーカーMKの位置情報を読み出す。
次に、マーカー表示制御部44は、倍率変更前の視野の位置情報、倍率変更後の視野の位置情報、および倍率変更前の視野におけるマーカーMKの位置情報に基づいて、倍率変更後の視野におけるマーカーMKの位置を算出する。なお、マーカー表示制御部44の処理は、上述した「2.2. 倍率の変更」で説明した通りである。
マーカー表示制御部44は、算出されたマーカーMKの位置が背景画像上(試料ホルダー13のグラフィック3上)であった場合には、背景画像(試料ホルダー13のグラフィック3)上にマーカーMKを表示させる制御を行う。図23に示す例では、背景画像として、マーカーMKが表示された倍率変更前の視野の観察像4(図22に示す観察像)を表示させている。
本実施形態に係る電子顕微鏡100では、ライブ像表示制御部42は、表示装置50の画面上にライブ像を表示させるとともに、表示されたライブ像の背景に背景画像を表示させる制御を行い、マーカー表示制御部44は、算出されたマーカーMKの位置が背景画像上の位置であった場合に、背景画像上にマーカーMKを表示させる制御を行う。
したがって、電子顕微鏡100では、多視野表示した場合であっても、分析位置を示すマーカーMKを継続して観察像上に表示させることができる。
2.6. 試料の傾斜
(1)動作
本実施形態に係る電子顕微鏡100では、試料ステージ14によって試料を傾斜させることができる。このとき、電子顕微鏡100では、マーカーが表示されたときの試料Sの傾斜角度と現在の試料Sの傾斜角度が同じ場合にはマーカーを表示し、マーカーが表示されたときの試料Sの傾斜角度と現在の試料Sの傾斜角度が異なる場合にはマーカーを表示
しない。
ユーザーが分析位置情報の入力操作を行うと、本体制御装置30は入力された分析位置情報を画像表示制御装置40に送る。画像表示制御装置40は、分析位置情報をマーカー位置情報に変換し、マーカーをライブ像上に合成し、表示装置50の画面上に表示させる。このときの試料Sの傾斜角度は、0°とする。
図24は、表示装置50の画面上に表示されたライブ像上にマーカーMK(MK1,MK2,MK3,MK4)が表示されている様子を示す図である。
このときのライブ像の視野の位置情報(初期傾斜の視野の位置情報)と、当該視野におけるマーカーMKの位置情報は、記憶装置34に記憶される。
次に、ユーザーが表示装置50の画面上に表示されたライブ像を見ながら、入力装置32を用いて試料Sの傾斜角度(例えば30°)を指定すると、本体制御装置30は、当該傾斜角度の指定に基づいて、試料ステージ14の傾斜角度を算出し、試料ステージ制御装置26に送る。
試料ステージ制御装置26は、送られてきた傾斜角度の情報に基づいて制御信号を生成し、当該制御信号を試料ステージ14に送る。試料ステージ14は、制御信号に基づいて、試料Sの傾斜角度を0°から30°にする。なお、試料ステージ14の傾斜後の位置情報(傾斜1回目の視野の位置情報)は、試料ステージ位置情報記憶装置28に記憶される。
試料ステージ14の傾斜が完了すると、本体制御装置30は、偏向走査制御装置20を介して走査コイル12を制御する。これにより、傾斜角度30°の試料Sが電子ビームで走査される。電子ビームの照射により試料Sから発生した二次電子は、二次電子検出器15で検出され、検出信号は信号増幅装置22で増幅され本体制御装置30に送られる。本体制御装置30は、検出信号をライブ像化し、画像表示制御装置40に送る。そして、画像表示制御装置40のライブ像表示制御部42は、表示装置50の画面上にライブ像(傾斜角度30°のライブ像)を表示させる。
マーカー表示制御部44は、本体制御装置30および試料ステージ制御装置26を介して、試料ステージ位置情報記憶装置28から傾斜1回目の視野の位置情報を読み出す。さらに、マーカー表示制御部44は、本体制御装置30を介して、記憶装置34から初期傾斜の視野の位置情報と初期傾斜の視野におけるマーカーMKの位置情報を読み出す。
次に、マーカー表示制御部44は、初期傾斜の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(0°)と、傾斜1回目の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(30°)と、を比較する。
マーカー表示制御部44は、初期傾斜の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度と、傾斜1回目の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度が異なる場合には、マーカーMKを非表示にする制御を行い、これらの傾斜角度が同じ場合には、マーカーMKを表示させる制御を行う。
ここでは、初期傾斜の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(0°)と傾斜1回目の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(30°)は異なるため、マーカー表示制御部44は、マーカーMKを非表示にする制御を行う。そのため、図25に示すように、表示装置50の画面上に表示されたライブ像上には、マーカーMKが表示されない。
次に、試料Sの傾斜角度が30°の状態で、ユーザーが分析位置情報の入力操作を行うと、本体制御装置30は入力された分析位置情報を画像表示制御装置40に送る。画像表示制御装置40は、分析位置情報をマーカー位置情報に変換し、マーカーをライブ像上に合成し、表示装置50の画面上に表示させる。
図26は、表示装置50の画面上に表示されたライブ像上にマーカーMK(MK−L1,MK−L2)が表示されている様子を示す図である。
このときのライブ像の視野の位置情報(傾斜1回目の視野の位置情報)と、傾斜1回目の視野におけるマーカーMKの位置情報は、記憶装置34に記憶される。
次に、ユーザーが表示装置50の画面上に表示されたライブ像を見ながら、入力装置32を用いて試料Sの傾斜角度(例えば15°)を指定すると、本体制御装置30は、当該傾斜角度の指定に基づいて、試料ステージ14の傾斜角度を算出し、試料ステージ制御装置26に送る。
試料ステージ制御装置26は、送られてきた傾斜角度の情報に基づいて制御信号を生成し、当該制御信号を試料ステージ14に送る。試料ステージ14は、制御信号に基づいて、試料Sの傾斜角度を30°から15°にする。なお、試料ステージ14の傾斜後の位置情報(傾斜2回目の視野の位置情報)は、試料ステージ位置情報記憶装置28に記憶される。
試料ステージ14の傾斜が完了すると、本体制御装置30は、偏向走査制御装置20を介して走査コイル12を制御する。これにより、傾斜角度15°の試料Sが電子ビームで走査される。電子ビームの照射により試料Sから発生した二次電子は、二次電子検出器15で検出され、検出信号は信号増幅装置22で増幅され、本体制御装置30に送られる。本体制御装置30は、検出信号をライブ像化し、画像表示制御装置40に送る。そして、画像表示制御装置40のライブ像表示制御部42は、表示装置50の画面上にライブ像(傾斜角度15°のライブ像)を表示させる。
マーカー表示制御部44は、本体制御装置30および試料ステージ制御装置26を介して、試料ステージ位置情報記憶装置28から傾斜2回目の視野の位置情報を読み出す。さらに、マーカー表示制御部44は、本体制御装置30を介して、記憶装置34から初期傾斜の視野の位置情報と初期傾斜の視野におけるマーカーMK1,MK2,MK3,MK4の位置情報を読み出す。さらに、マーカー表示制御部44は、記憶装置34から傾斜1回目の視野の位置情報と傾斜1回目の視野におけるマーカーMK−L1,MK−L2の位置情報を読み出す。
次に、マーカー表示制御部44は、初期傾斜の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(0°)と、傾斜2回目の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(15°)と、を比較する。また、マーカー表示制御部44は、傾斜1回目の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(30°)と、傾斜2回目の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(15°)と、を比較する。
ここでは、いずれの傾斜角度も異なるため、マーカー表示制御部44は、マーカーMK(MK1,MK2,MK3,MK4,MK−L1,MK−L2)を非表示にする制御を行う。そのため、図27に示すように、表示装置50の画面上に表示されたライブ像上には、マーカーMK(MK1,MK2,MK3,MK4,MK−L1,MK−L2)が表示されない。
次に、ユーザーが表示装置50の画面上に表示されたライブ像を見ながら、入力装置32を用いて試料Sの傾斜角度(例えば0°)を指定すると、本体制御装置30は、当該傾斜角度の指定に基づいて、試料ステージ14の傾斜角度を算出し、試料ステージ制御装置26に送る。
試料ステージ制御装置26は、送られてきた傾斜角度の情報に基づいて制御信号を生成し、当該制御信号を試料ステージ14に送る。試料ステージ14は、制御信号に基づいて、試料Sの傾斜角度を15°から0°にする。なお、試料ステージ14の傾斜後の位置情報(傾斜3回目の視野の位置情報)は、試料ステージ位置情報記憶装置28に記憶される。
試料ステージ14の傾斜が完了すると、本体制御装置30は、偏向走査制御装置20を介して走査コイル12を制御する。これにより、傾斜角度0°の試料Sが電子ビームで走査される。電子ビームの照射により試料Sから発生した二次電子は、二次電子検出器15で検出され、検出信号は信号増幅装置22で増幅され、本体制御装置30に送られる。本体制御装置30は、検出信号をライブ像化し、画像表示制御装置40に送る。そして、画像表示制御装置40のライブ像表示制御部42は、表示装置50の画面上にライブ像(傾斜角度0°のライブ像)を表示させる。
マーカー表示制御部44は、本体制御装置30および試料ステージ制御装置26を介して、試料ステージ位置情報記憶装置28から傾斜3回目の視野の位置情報を読み出す。さらに、マーカー表示制御部44は、本体制御装置30を介して、記憶装置34から初期傾斜の視野の位置情報と初期傾斜の視野におけるマーカーMK1,MK2,MK3,MK4の位置情報を読み出す。さらに、マーカー表示制御部44は、記憶装置34から傾斜1回目の視野の位置情報と傾斜1回目の視野におけるマーカーMK−L1,MK−L2の位置情報を読み出す。
次に、マーカー表示制御部44は、初期傾斜の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(0°)および傾斜1回目の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(30°)、と傾斜3回目の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(0°)と、を比較する。
ここでは、初期傾斜の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(0°)と、傾斜3回目の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(0°)は、同じであるため、マーカー表示制御部44は、傾斜3回目の視野の観察像上にマーカーMK1,MK2,MK3,MK4を表示させる制御を行う。また、傾斜1回目の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(30°)と傾斜3回目の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(0°)は異なるため、マーカー表示制御部44は、マーカーMK−L1,MK−L2を非表示にする。そのため、図24に示すように、表示装置50の画面上に表示されたライブ像上には、マーカーMK1,MK2,MK3,MK4が表示され、マーカーMK−L1,MK−L2は表示されない。
次に、ユーザーが表示装置50の画面上に表示されたライブ像を見ながら、入力装置32を用いて試料Sの傾斜角度(例えば30°)を指定すると、本体制御装置30は、当該傾斜角度の指定に基づいて、試料ステージ14の傾斜角度を算出し、試料ステージ制御装置26に送る。
試料ステージ制御装置26は、送られてきた傾斜角度の情報に基づいて制御信号を生成し、当該制御信号を試料ステージ14に送る。試料ステージ14は、制御信号に基づいて、試料Sの傾斜角度を0°から30°にする。なお、試料ステージ14の傾斜後の位置情
報(傾斜4回目の視野の位置情報)は、試料ステージ位置情報記憶装置28に記憶される。
試料ステージ14の傾斜が完了すると、本体制御装置30は、偏向走査制御装置20を介して走査コイル12を制御する。これにより、傾斜角度30°の試料Sが電子ビームで走査される。電子ビームの照射により試料Sから発生した二次電子は、二次電子検出器15で検出され、検出信号は信号増幅装置22で増幅され、本体制御装置30に送られる。本体制御装置30は、検出信号をライブ像化し、画像表示制御装置40に送る。そして、画像表示制御装置40のライブ像表示制御部42は、表示装置50の画面上にライブ像(傾斜角度30°のライブ像)を表示させる。
マーカー表示制御部44は、本体制御装置30および試料ステージ制御装置26を介して、試料ステージ位置情報記憶装置28から傾斜4回目の視野の位置情報を読み出す。さらに、マーカー表示制御部44は、本体制御装置30を介して、記憶装置34から初期傾斜の視野の位置情報と初期傾斜の視野におけるマーカーMK1,MK2,MK3,MK4の位置情報を読み出す。さらに、マーカー表示制御部44は、記憶装置34から傾斜1回目の視野の位置情報と傾斜1回目の視野におけるマーカーMK−L1,MK−L2の位置情報を読み出す。
次に、マーカー表示制御部44は、初期傾斜の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(0°)および傾斜1回目の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(30°)、と傾斜4回目の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(30°)と、を比較する。
ここでは、初期傾斜の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(0°)と、傾斜4回目の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(30°)は異なるため、マーカー表示制御部44は、マーカーMK1,MK2,MK3,MK4を非表示にする。また、傾斜1回目の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(30°)と傾斜4回目の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度(30°)は同じであるため、マーカー表示制御部44は、傾斜4回目の視野の観察像上にマーカーMK−L1,MK−L2を表示させる。そのため、図26に示すように、表示装置50の画面上に表示されたライブ像上には、マーカーMK−L1,MK−L2が表示され、マーカーMK1,MK2,MK3,MK4は表示されない。
本実施形態に係る電子顕微鏡100では、試料Sの傾斜による視野変更前の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度と、試料Sの傾斜による視野変更後の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度とが同じ場合に、試料Sの傾斜による視野変更後の視野にマーカーMKを表示させる制御を行い、試料Sの傾斜による視野変更前の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度と、試料Sの傾斜による視野変更後の視野の位置情報に含まれる試料Sの傾斜角度とが異なる場合に、試料Sの傾斜による視野変更後の視野にマーカーMKを非表示にする制御を行う。
したがって、電子顕微鏡100では、分析が行われたときの試料Sの傾斜角度を、容易に、確認することができる。
3. 変形例
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施形態では、電子顕微鏡100が二次電子検出器15を備えており
、観察像として二次電子像を取得する例について説明したが、二次電子検出器15の代わりに反射電子検出器を備え、観察像として反射電子像を取得してもよい。
また、上述した実施形態では、電子顕微鏡100がEDS検出器16を備えている例について説明したが、EDS検出器16に代えてWDS検出器(波長分散型X線検出器)を備えていてもよい。
また、上述した実施形態では、マーカーが分析位置を示す例について説明したが、マーカーは試料S上の位置を特定するためのものであればよく、例えばマーカーが加工位置を特定するものであってもよいし、測長位置を示すものであってもよい。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。