JP2017188015A - ワークの良否判定方法およびトレーサビリティシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、複数の工程において順次処理された複数のワークに対し順次検査を行って良否を判定するようにしたワークの良否判定方法を対象とする。各工程において処理が実施された際の処理条件を各ワーク毎に求めた処理条件データを取得し、ワークに対する検査において不良と判定されたワークにおいて、前記処理条件データに基づいて各工程毎の処理条件を抽出し、その抽出された処理条件の中から不良の原因とされる不良原因の処理条件を特定する。前記処理条件データに基づいて、不良と判定されたワーク以外のワークの中から、前記不良原因の処理条件と同様な処理が実施されたワークを選出し、その選出されたワークを暫定不良のワークであると判断する。
【選択図】図1
Description
各工程において処理が実施された際の処理条件を各ワーク毎に求めた処理条件データを取得し、
ワークに対する検査において不良と判定されたワークにおいて、前記処理条件データに基づいて各工程毎の処理条件を抽出し、
その抽出された処理条件の中から不良の原因とされる不良原因の処理条件を特定する一方、
前記処理条件データに基づいて、不良と判定されたワーク以外のワークの中から、前記不良原因の処理条件と同様な処理が実施されたワークを選出し、その選出されたワークを暫定不良のワークであると判断するようにしたことを特徴とするワークの良否判定方法。
各ワークと、各ワークが収納された箱詰めワーク群とを関連付けた箱内ワークデータを取得し、
前記箱内ワークデータに基づいて、複数の箱詰めワーク群の中から前記暫定不良のワークが収納された箱詰めワーク群を層別の箱詰めワーク群として特定するようにした前項1または2に記載のワークの良否判定方法。
前記総合検査値を基に各ワークの良否を判定するようにした前項1〜5のいずれか1項に記載のワークの良否判定方法。
各工程において処理が実施された際の処理条件を各ワーク毎に求めた処理条件データを取得する手段と、
ワークに対する検査において不良と判定されたワークにおいて、前記処理条件データに基づいて各工程毎の処理条件を抽出する手段とを備え、
その抽出された処理条件の中から不良の原因とされる不良原因の処理条件を特定する一方、前記処理条件データに基づいて、不良と判定されたワーク以外のワークの中から、前記不良原因の処理条件と同様な処理が実施されたワークを選出し、その選出されたワークを暫定不良のワークであると判断するように構成されていることを特徴とするトレーサビリティシステム。
図1はこの発明の実施形態であるワークの良否判定方法が採用された円筒体製造過程の各工程を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態において製造される円筒体(管状体)は例えば、電子写真システムを構成する複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等において、感光ドラム、転写ローラ、その他の各部に利用されるものである。
図2Aおよび図2Bは長寸円筒体および短寸円筒体の製造過程における加工前搬送工程および熱処理工程を説明するための図、図2Cは加工前搬送工程に採用されたコンベアを示す概略側面図である。なお図2Aおよび図2Bにおいて、素管(ワーク)W1上に記載された破線は、後工程の切断工程における素管W1の切断位置に対応する位置を示している(以下の図3A、図3B、図4Aおよび図4Bにおいても同じ)。
図2Aおよび図2Bに示すように、熱処理工程は、加熱処理と、その加熱処理後の放熱処理とを含んでいる。加熱処理では、加熱炉2に所定数の素管W1毎にまとめて加熱するバッチ方式で行う場合と、加熱炉2に素管W1を順次通過させつつ加熱する連続方式で行う場合とがある。炉内の温度は、場所によって異なるため、バッチ処理の場合には、素管のどの位置がどの温度領域に配置されているかによって、素管の部位(位置)毎に温度条件が変動する一方、連続処理の場合、素管のどの位置がどの温度領域を、どの程度の速度で通過するかによって、素管の部位(位置)毎に温度条件が変動する。
図3Aおよび図3Bに示すように口付工程における口付加工は後の引抜加工を行うために事前に必要な加工であり、熱処理された素管W1の先端(一端)を縮径加工して口付加工部W0を形成するものであり、この加工によって素管材料に負荷がかかることとなる。
図3Aおよび図3Bに示すように引抜加工においては、素管W1の口付加工部W0をクランプした状態で、引抜ダイス3内を通過させることにより、縮径させつつ引き延ばすように加工する。この引抜加工においては、素管W1を引っ張る際の圧力(引込力)を計測することによって、素管材料に加わる負荷による良否を簡易的に評価することができる。
図3Dおよび図3Eに示すように加工後搬送工程で使用されるコンベア4は、搬送方向に沿って配置されており、回転ベルト上にV受け具41が、回転方向(搬送方向)に沿って所定の間隔おきに複数取り付けられている。そして引抜加工された素管W1を搬送する際には、複数のV受け具41のうち、前後に並んで配置され、かつ素管W1に対応する2つのV受け具41が上昇して素管W1を下側から支持し、その支持された状態で、回転ベルトが回転することによって、素管W1が搬送されるようになっている。この搬送時に素管W1は、水平に配置され、かつ長さ方向が搬送方向に対し一致するように配置されている。
図4Aおよび図4Bに示すように切断工程においては、素管W1の先端部における口付加工部W0と、後端部における終端部WEとを切除するとともに、残りの中間部を製品長さに合わせて複数の円筒体W2…に分割するように切断する。例えば本実施形態においては、3本の長寸の円筒体W2に分割する場合と、5本の短寸の円筒体W2に分割する場合とがある。長寸の円筒体W2は長さが250mmであり、短寸の円筒体W2は150mmである。後に詳述するが本実施形態においては、長寸の円筒体W2はAタイプと称され、短寸の円筒体W2はBタイプと称される。参考までに長寸のAタイプの円筒体Wは、引抜前の寸法が200mm相当であり、短寸のBタイプの円筒体W2は、引抜前の寸法が120mm相当である。
図4A〜図5Bに示すように洗浄工程は、例えば前工程の加工によって残存する油等を除去するために行うものであり、複数の円筒体W2を縦向き状態でパレット55上に前後左右に所定間隔おきに配置し、そのパレット55を洗浄槽5内の洗浄液に浸漬することによって行う。この洗浄時において、洗浄槽5内の温度分布は均一でない場合が多く、パレット55上の円筒体W2の位置によっては温度が異なり、その温度差に伴って洗浄性も異なる。従って洗浄温度を基に、洗浄性の良否を評価することができる。
図1に示すように製品検査においては、項目別の検査と、後に詳述する総合検査とがある。項目別の検査(項目別検査)は主として円筒体W2の変形曲がりの検査(変形検査)と、円筒体W2の外観品質の検査(外観検査)とが並行して行われる。なお本実施形態においては、最終的な検査結果の判定(合否判定)は総合検査を基に行うようにしている。
図9(a)に示すように、検査後の円筒体W2は自動箱詰め装置によって所定の本数ずつ収納箱6に収納されて梱包される。こうして梱包された箱詰め円筒体群(箱詰め分割体群、箱詰めワーク群)が出荷されるものである。
製品検査で不合格となった円筒体W2は図9(b)の「×」印が付与された円筒体W2のように必要に応じて除外される。そして不合格の円筒体W2に対してはトレーサビリティによる追跡調査が行われて、不良となった原因(不良原因)を特定するようにしている。
後に詳述するが、本実施形態においては、不良原因が特定されると、製品検査で合格となった円筒体W2であっても事後的に、追跡調査において不良原因が生じた工程で不良原因となった処理条件(加工条件)と同じ条件で処理された円筒体W2を選出し、当該円筒体W2を不良品と推定する。本実施形態においては不良品と推定された円筒体W2を暫定不良の円筒体W2と称している。
以下、円筒体W2に不良が発生した際に、その不良原因を特定する方法について詳細に説明する。
表1Bに示すように検査(項目別検査)においては、円筒体の全体的な曲がり変形の有無を判定する「変形1(曲がり)」、円筒体の端部の変形の有無を判定する「変形2(端部変形)」、円筒体の左側部(先端部)のキズ(スリキズ)の有無を判定する「外観1(スリキズ左)」、円筒体の中間部のキズ(スリキズ)の有無を判定する「外観2(スリキズ中)」、円筒体全体の変色の有無を判定する「外観3(全体変色)」、円筒体の部分的な変色の有無を反映する「外観4(部分変色)」、円筒体のスジキズの有無を判定する「外観5(スジ)」の各種検査が行われる。これらの検査は上記の検査装置によって自動的に行われるものである。さらに各検査の検査結果は既述した通り、検査指数で表示されており、最良の場合が「100」となり、曲がり量が多くなるに従って、その値(検査指数)が次第に小さくなる。具体的に例えば円筒体(A21−1)における変形1(曲がり)の検査においては、検査装置によって実際に測定された曲がり量(実測値)が「4」であり、基準値「100」からその曲がり量「4」を差し引いた値「96」が変形1(曲がり)の検査結果(検査指数)となる。さらに変形2(端部変形)の検査においては、実測の端部変形量の「5」を基準値の「100」から差し引いた値「95」が変形2の検査指数となる。同様に外観1〜5の検査においては、実測値の「24」「2」「1」「1」「3」を基準値の「100」からそれぞれ差し引いた値「76」「98」「99」「99」「97」が外観1〜5の検査指数となる。
次に検査結果において不良と判定された円筒体を基に、その不良原因の特定方法の具体例について説明する。
次に表1Bの「外観2(スリキズ中)」の検査で不良と判定された場合の不良原因の特定方法について説明する。この検査で不良判定された製品単位番号は「A10−3」「A91−3」「A92−3」「A93−3」「A94−3」「A132−3」「B01−4」「B01−5」である。これに対応する不良対応の製品単位部位を表1Aおよび表1Bから抽出したものを表3Aに示し、それ以外の素管単位部位を抽出したものを表3Bに示す。
次に表1Bの「外観3(全体変色)」の検査で不良と判定された場合の不良原因の特定方法について説明する。この検査で不良と判定された製品(円筒体)の製品番号は「A131−2」「A132−3」「A133−1」「A134−1」である。これに対応する不良対応の製品単位部位を表1Aおよび表1Bから抽出したものを表4Aに示し、それ以外の製品単位部位を抽出したものを表4Bに示す。
次に表1Bの「外観4(部分変色)」の検査で不良と判定された場合の不良原因の特定方法について説明する。この検査で不良判定された製品番号は「B01−1」「B01−2」「B01−3」「B01−5」である。これに対応する不良対応の製品単位部位を表1Aおよび表1Bから抽出したものを表5Aに示し、それ以外の製品単位部位を抽出したものを表5Bに示す。
次に表1Bの「外観5(スジ)」の検査で不良と判定された場合の不良原因の特定方法について説明する。この検査で不良判定された製品番号は「A10−3」「A131−2」「A132−3」「B01−3」である。これに対応する不良対応の製品単位部位を表1Aおよび表1Bから抽出したものを表6Aに示し、それ以外の製品単位部位を抽出したものを表6Bに示す。
次に表1Bの「変形1(曲がり)」の検査で不良と判定された場合の不良原因の特定方法について説明する。この検査で不良判定された製品番号は「A26−1」「A51−1」「A133−1」である。これに対応する不良対応の製品単位部位を表1Aおよび表1Bから抽出したものを表7Aに示し、それ以外の製品単位部位を抽出したものを表7Bに示す。
次に表1Bの「変形2(端部変形)」の検査で不良と判定された場合の不良原因の特定方法について説明する。この検査で不良判定された製品番号は「A91−2」「A94−3」「A132−3」「A133−1」である。これに対応する不良対応の製品単位部位を表1Aおよび表1Bから抽出したものを表8Aに示し、それ以外の製品単位部位を抽出したものを表8Bに示す。
本実施形態においては、上記項目別検査で得られた項目別検査値(項目別検査指数)を基に、総合検査値(総合品質指数)を算出し、その総合品質指数を基に円筒体(分割品)の合否を判定するようにしている。表9Aは項目別検査と総合検査との対比関係を示す表である。
本実施形態においては所定の検査で円筒体W2が不良と判定されて、その不良原因が特定されると、上記所定の検査で不良と判定されなかった円筒体W2であっても、追跡調査によって不良原因が生じた工程において不良原因となった処理条件と同じ条件で処理された円筒体W2を選出し、当該円筒体W2を暫定不良と特定して、検査で不合格の不良品と同様に取り扱う。
上記表2Aおよび表2Bの<具体例1>の項目で説明した通り、本実施形態においては「外観1(スリキズ左)」の検査結果がNGの場合例えば、その不良原因は、加工前搬送工程におけるV受け番号「4」の左側のV受け具に接触したことであるためと特定した事例を示している。ここではそのV受け具の接触が不良原因として特定された際に、暫定不良の円筒体W2を選出する手順を具体的に説明する。
なお上記実施形態においては素管(ワーク)に対し実施される工程に切断工程が含まれており、素管を切断してその分割品(切断品)を製品として用いる場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、ワークに対し実施される工程に切断工程を含まず、ワークを切断せずに種々の工程で処理して製品として採用するような場合にも適用することができる。
W2:円筒体(ワーク)
Claims (11)
- 複数の工程において順次処理された複数のワークに対し順次検査を行って良否を判定するようにしたワークの良否判定方法において、
各工程において処理が実施された際の処理条件を各ワーク毎に求めた処理条件データを取得し、
ワークに対する検査において不良と判定されたワークにおいて、前記処理条件データに基づいて各工程毎の処理条件を抽出し、
その抽出された処理条件の中から不良の原因とされる不良原因の処理条件を特定する一方、
前記処理条件データに基づいて、不良と判定されたワーク以外のワークの中から、前記不良原因の処理条件と同様な処理が実施されたワークを選出し、その選出されたワークを暫定不良のワークであると判断するようにしたことを特徴とするワークの良否判定方法。 - 前記暫定不良のワークを、不良と判定されたワークと同等に取り扱うようにした請求項1に記載のワークの良否判定方法。
- 検査が行われた各ワークを複数ずつ収納箱に箱詰めして箱詰めワーク群を得る箱詰め工程を備え、
各ワークと、各ワークが収納された箱詰めワーク群とを関連付けた箱内ワークデータを取得し、
前記箱内ワークデータに基づいて、複数の箱詰めワーク群の中から前記暫定不良のワークが収納された箱詰めワーク群を層別の箱詰めワーク群として特定するようにした請求項1または2に記載のワークの良否判定方法。 - 前記処理条件データおよび前記箱内ワークデータに基づいて、前記箱詰めワーク群に収納された各ワークに関する情報を取得するとともに、その情報を前記箱詰めワーク群の収納箱に表示するようにした請求項3に記載のワークの良否判定方法。
- 前記箱詰めワーク群の収納箱に表示された表示情報を参照して、前記層別の箱詰めワーク群を選出するようにした請求項4に記載のワークの良否判定方法。
- ワークに対する検査は、ワークの表面におけるキズ、変色の有無、ワークの変形具合を評価するものである請求項1〜5のいずれか1項に記載のワークの良否判定方法。
- ワークに対する検査は、各ワークに対し複数の項目別の検査をそれぞれ行ってワーク毎に複数の項目別検査値を取得する項目別検査と、各ワーク毎の複数の項目別検査値を総括して各ワーク毎に総合検査値を取得する総合検査とを含み、
前記総合検査値を基に各ワークの良否を判定するようにした請求項1〜5のいずれか1項に記載のワークの良否判定方法。 - 項目別検査は、ワークの表面におけるキズや変色の有無を評価する外観検査と、ワークの変形具合を評価する変形検査とを含む請求項7に記載のワークの良否判定方法。
- 複数の工程のうち所定の工程において総合検査値と処理条件データとの相関関係を求め、前記所定の工程における処理条件データの中から前記相関関係を乱す処理条件データを見出し、その相関関係を乱す処理条件データを含むワークを不良のワークとして、前記所定の工程以外の工程における処理条件データを基に不良の原因を特定するようにした請求項7または8に記載のワークの良否判定方法。
- 前記複数の工程にはワークを切断する切断工程を含まない請求項1〜9のいずれか1項に記載のワークの良否判定方法。
- 複数の工程において順次処理された複数のワークに対し順次検査を行って良否を判定するようにしたワークのトレーサビリティシステムにおいて、
各工程において処理が実施された際の処理条件を各ワーク毎に求めた処理条件データを取得する手段と、
ワークに対する検査において不良と判定されたワークにおいて、前記処理条件データに基づいて各工程毎の処理条件を抽出する手段とを備え、
その抽出された処理条件の中から不良の原因とされる不良原因の処理条件を特定する一方、前記処理条件データに基づいて、不良と判定されたワーク以外のワークの中から、前記不良原因の処理条件と同様な処理が実施されたワークを選出し、その選出されたワークを暫定不良のワークであると判断するように構成されていることを特徴とするトレーサビリティシステム。
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