本発明の課題は、土壌締固めの進行をセンサによって特にモニタリングする必要なく、取り付け可能締固め装置による土壌締固めをより効率的なものとする単純な方法を提供することにある。
この課題は、独立請求項に記載の、取り付け可能締固め装置による土壌締固め方法と、取り付け可能締固め装置を備える掘削機とによって達成される。従属請求項には好適な実施例が示されている。
本発明の基本概念は、十分な土壌締固め成果を達成するために現在の土壌締固め状態を連続的に検出しモニタリングすることは必要でないという認識にある。むしろ、取り付け可能締固め装置が地面を締固める間のある時間インターバル中において十分な土壌締固め成果を既に達成することが可能である。締固め作業に影響を与える主要な要因は、特に、前記取り付け可能締固め装置が締固めプロセス中に掘削機によって地面に対して押し付けられる接触力である。以下の説明において、縦方向に延出する接触力の力成分が特に関連性が高い。掘削アームに接続される取り付け可能締固め装置の場合、押し付けは、通常、前記掘削アームによって行われる。締固めプロセスの開始時に、取り付け可能締固め装置を地面に対して押し付けるために使用される力が大きければ大きいほど、十分な土壌締固めを達成するために必要な作業インターバルは短くなる。この作業インターバルを超えて土壌締固めをすることは非効率である。なぜなら、達成可能な地面締固めの増大は非常に少なく、投資される労力、特に時間的に不釣り合いなものとなるからである。接触力の関数としての作業インターバルの決定は、特に、ラボテスト及び/又はフィールドテストによって経験的に決定することができる。本発明に依れば、土壌締固めが、締固め作業進行中に決定されるとは想定されない。むしろ、各締固めインターバル中に地面に対して取り付け可能締固め装置が押し付けられる時間は、接触圧力の関数として単純に決定される。設定締固めインターバルの終了後に、本発明による方法は、十分な土壌締固めがすでに行われており、現在の締固めインターバルを継続することはもはや効率的ではないと推定する。その結果、取り付け可能締固め装置の作業者が様々な締固め工程をどれくらい長く効果的に行う必要があるかに関して単純かつ明確なガイドラインを得ていることから、取り付け可能締固め装置の作動を、比較的単純な構成によってより効率的に行うことが可能となる。
詳しくは、取り付け可能締固め装置による本発明による土壌締固め方法は、以下の工程を有する。即ち、A)前記取り付け可能締固め装置を支持装置(bearing device)によって締固め対象地面に対して押し付ける、B)前記支持装置によって前記取り付け可能締固め装置に対して加えられる接触力、または、前記接触力と相関する測定変数を測定する、C)前記測定接触力又は、前記接触力と相関する前記測定変数の関数として所要締固め時間を決定する、そしてD)少なくとも前記所要締固め時間の最後に信号装置を起動する。作業中、前記取り付け可能締固め装置は、通常、この取り付け可能締固め装置に前記支持装置を介して接続された掘削アームによって地面に対して上方から押し付けられる。これは、例えば、前記掘削アームを移動させるための公知の油圧式アクチュエータ装置によって行うことができる。本発明に依れば、前記支持装置によって取り付け可能締固め装置に対して加えられる接触力が測定される。これは、直接的な力測定、又は、油圧、取り付け可能締固め装置の接触力、センサによって発生される電圧及び/又は変形信号、等の接触圧と相関する測定変数を測定することによって達成することができる。ここで重要なことは、取り付け可能締固め装置が比較的大きな接触力又は比較的小さな接触力で地面に押し付けられているか否かを判断することが可能である。ここで特に関連性が高いのは、前記取り付け可能締固め装置に対する、縦方向に延びる前記接触力又は、前記接触力の縦部分である。接触力が大きければ大きいほど、所望の土壌締固めを達成するために必要な所要締固め時間は短くなる。この場合、「所要締固め時間」は、例えば、経験的研究に基づいて、土壌の効率的な締固めが行われる時間インターバルを示す。一般に、前記「所要締固め時間」は、理論的に最大の土壌締固めをもたらさない。むしろ、「所要締固め時間」は、好ましくは、土壌締固めプロセスが、この時間インターバル内に大きなかつ実質的に関連する程度に行われるように設定される。他方、これによって、非経済的で過度に長い土壌締固めを回避しながら、前記「所要締固め時間」の時間フレーム内に満足できる締固め結果が得られるようになる。この場合に必要な「締固め時間」の程度は、ケース毎に異なりうるものであって、例えば、所望の最低程度の土壌締固めの仕様によってユーザによって設定することができる。実際には、ここで、所謂DIN18127によるプロクター密度(proctor density)を使用することができる。従って、もしも加えられる接触力又は当該接触力に相関する測定変数が測定されれば、前記接触力又は当該接触力に相関する測定変数に対して必要な締固め時間が、例えば、メモリユニットに格納されている既知の参照値を参照することによって決定される。少なくとも所要締固め時間の終わりに信号装置を起動することも、本発明による方法にとって必須である。これは、作業者に対して、現在の締固めプロセスを中断し、例えば、異なった場所で新たな締固めプロセスを開始するか、又は地面締固め装置を適用しなおすことが好ましいか否かを知らせる。これにより、前記取り付け可能締固め装置の作業者は、個々の締固めインターバルが十分な長さではあるが、長すぎないものとなるように、取り付け可能締固め装置の作動を最適化する単純で効果的な方法を入手することになる。この目的のために、合理的な締固め時間の終わりが、なんらかの形で作業者に対して通知されるようにすることが重要である。これについて以下に詳述する。
本発明による方法を実行するための共通の制御ユニットによって必須工程が調節されることが好ましい。具体的には、上述した工程B)において測定される接触力、又は、当該接触力に相関する測定変数がこの制御ユニットに伝えられる。これにより、当該制御ユニットは、まず、所要締固め時間の選択のための決定的情報を受け取る。更に、工程C)及び/又は工程D)も前記制御ユニットによって制御されることが好ましい。従って、前記制御ユニットは、好ましくは、一方においては、前記関連情報「接触力」又は「接触力に相関する測定変数」を処理するための、他方においては、「所要締固め時間」を決定し定義するための、更に、前記信号装置を起動させるための、中央インターフェースを意味する。本発明に依れば、前記制御ユニットは、理想的には、本発明による前記方法の中央の、且つ(掘削機に対して)独立した実行を可能にするべく前記取り付け可能締固め装置に設けられる。
前記所要締固め時間の具体的決定は、様々な方法で行うことができる。例えば、最も単純なシナリオでは、確認された接触力又は当該接触力に相関する変数に、設定係数を乗算することができる。但し、締固め成果に関しては、前記測定接触力又は当該接触力に相関する変数の、メモリユニットに格納された値表、インデックスフィールド又は複数の参照曲線との比較を行う場合により良好な結果が得られる。前記値表は、例えば、「接触力」と「所要締固め時間」の値に細分化され、接触力が知られている場合には、対応の所要締固め時間のみを割り当てる必要があるように構成される。インデックスフィールドのひとつの可能な具体例は、締固め時間に対する接触力の関数として、得られた土壌締固めの進捗状況、例えば、前記プロクター密度、を示す。インデックスフィールドを使用することは、所望の土壌締固めにおけるより小さな変数が可能となるという利点がある。インデックスフィールドに代わるものとして、土壌締固め時間の関数としての、土壌締固めの進捗状況、具体的には前記プロクター密度の進捗状況、を表す多数の参照曲線を使用することができる。前記メモリユニットに格納された、前記値表、又は、インデックスフィールド、又は、複数の参照曲線は、ユーザによってプリセット可能にするか、好ましくは、製造時に前記メモリユニットに格納される。この目的のために必要なデータは、具体的に、経験的ラボテスト及び/又はフィールドテストに基づく。
前記所要締固め時間は、所望の締固め結果に関する個別の値を表す。ここでまず重要なことは、土壌への一定のエネルギ入力によって、土壌の締固めが、負荷変化の数とともに対数的に増大するということである。もしも、例えば、理論的最大土壌締固めを100%とすると、前記「所要締固め時間」は、好ましくは、測定接触力又は接触力に相関する変数によってその最大の可能な土壌締固めの少なくとも70%、特に、少なくとも80%、特に少なくとも85%が達成されるインターバルに対応したものとなる。但し、理論的最大土壌締固めは、自然には達成することができないので、問題の所要締固め時間を決定する際に類似パラメータを参照することが便利であることが判った。好適な一つの可能性は、例えば、締固め度Dpr[%](以後、締固め度Qとも称する)によって土壌締固めを表示することである。この百分率の締固め度は、ここに参考文献として合体させるDIN18127による標準プロクター・テストとの比較のバルク密度を示す。その実験の目的は、建築現場で達成可能な密度を評価し、締固め作業の成果を検証することにある。プロクター・テストは、土壌が、一定の締固めエネルギで最適に締固められることが可能な水位を決定するために使用される。対応のインデックス値は、プロクター密度と最適水含有率である。締固め度は、土壌の乾燥密度と実験室で測定されたプロクター密度の比率である。プロクター・テスト中、参照土サンプルが容器内に満たされ、或る数の締固めストロークに亘って落重によって締固められることが必須である。その結果得られる乾燥密度は、水含有量に対する所謂プロクター曲線としてあらわされ、最大密度と最適水含有率が測定される。従って、本発明によって要求される締固め時間は、好ましくは、95%、特に、98%、更に100%の締固め度(プロクター密度)が達成される時間インターバルに対応したものとなるように決定される。
前記締固めプロセスは、高い圧力が加えられる時に最も急速に行われる。しかしながら、前記取り付け可能締固め装置の前記ベースプレートと前記上部構造との間の緩衝部材は、ある最大負荷用にしか設計されていないので、高い接触力を常に実現することはできない。最大負荷を超えて接触力を更に高めようとすると、過剰負荷停止装置等の保護要素が作動して、それによって、前記緩衝部材の振動緩衝作用が大きく低下する。他方、締固め装置と掘削機との間の距離が大きい場合には、締固め装置は単に掘削機の重量によって支えられているだけであるので、低い接触力しか加えられない。例えば、建築現場での空間条件がそれを許容しないなどの理由で、取り付け可能締固め装置に対して掘削機を最適に位置決めすることは必ずしも可能ではない。又、延長された掘削アームの長いレバーアームによっても掘削アームのジオメトリに依存する可能な接触力が大幅に低下する可能性がある。土壌の継続的押し付けおよび締固めにより、望ましい高い接触圧を維持するために掘削機を頻繁に連続的に調節することも必要である。以上のことから、実際には、各締固めプロセス中に最大接触圧を常にかけ続けることは稀にしか可能でないことが明らかである。又、機械の作業者が様々な高接触圧を推定することは困難であり、作業者がそれら高接触圧の締固め効率に対する影響を正しく推測することは特に困難である。従って、実際の有効接触力が、直接的又は間接的に測定され、締固めに対するその影響が通知されれば有益である。これにより、有利な高接触力、或いは、接触力が減少する場合には、より長い所要締固め時間が表示されることによる不必要に長い締固めを回避することが可能となる。
工程D)に関して、別の構成も考えられかつ好適であって、これらは互いに組み合わせることも可能である。作業中又は、本発明による方法の実行中に、もしも作業者が、問題の締固め工程がどれだけの時間かかるかを推定することができれば便利である。従って、好ましくは、前記信号装置は所要締固め時間の進捗を表示するのみならず、その所要締固め時間に対応するカウントダウンを光学的に表示することをも可能にする。そのような光学的カウントダウンは、例えば、連続してオン/オフされる一列に配列された複数のランプによって実施することができる。そのような視覚的カウントダウンは、又、全締固めに対して必要な総残り時間に対応する残り時間インターバルを表示することによっても構成することができる。この場合、実時間は、数字表示によって、測定所要締固め時間からゼロにカウントダウンする。追加的又は代替的に、所要締固め時間の終わりに、一つのシグナルライトだけが点灯又あるいはスイッチオフされる。但し、所要締固め時間に応じてトラフィックライト機能を表示するほうがベターである。このトラフィックライト機能は、例えば、締固めプロセスが維持されなければならない限り、緑色の光が点灯し、締固め時間が終了すると、その緑色の光が消えて、赤色の光が点灯するように構成することができる。追加的又は代替的に、締固め時間の終わりは、前記所要締固め時間が終了するとすぐに音声信号を発生することによって知らせることができる。そのような信号は、たとえば、ホーンの音、等として構成することができる。追加的又は代替的に、締固め時間の終わりの通知(シグナリング)によって、取り付け可能締固め装置の作動が直接影響されるように構成される。具体的には、これは、例えば、好ましくは、前記制御ユニットによってトリガされるところの、前記取り付け可能締固め装置の振動機能の停止によって行うことができる。もしも取り付け可能締固め装置がスイッチオフされれば、作業者は、所望締固め時間が終了したことを知る。追加的、又は代替的に、接触力に対応する現在の所要締固め時間/締固め速度の表示がより高い又はより低い頻度で点滅する発光素子によって行われるように構成することができる。更に、前記点滅頻度が、固定された時間インターバルの終了が近づくにつれて増加し、その固定された時間インターバルの終わりに連続点灯表示(すなわち点滅無し)となるように構成することも提案される。
本発明による方法を特に効率的に実施するために、好ましくは、例えば、接触力又は対応の値の増加によって検出することが可能な、前記取り付け可能締固め装置が地面上に再度置かれた時に、工程A)〜D)が自動的に同じ順序で実行されるリセット機能が提供される。これにより当該リセット機能によって、工程A)〜D)をそれぞれの回において作業者が手動で開始することなく、特に、工程B)〜D)による前記測定、決定および前記信号装置の起動、を手動で開始することなく、循環的に実行されるようにすることができる。この場合のトリガは、むしろ、好ましくは、前記取り付け可能締固め装置にかかる圧力の低下及び/又は新たな押し付け作業の検出である。
原則的に、本発明の方法を実施するために特定の接触力を直接測定することは必要ではない。ここでは、対応の測定値も使用することができる。先ず、取り付け可能締固め装置が地面に対して大きな力で押し付けられているか、又は、小さな接触力で押し付けられているかのステートメントを作ることが可能であることが必須である。前記接触力に対応する別の測定値は、例えば、前記掘削機のアクチュエータシリンダの油圧とすることができる。前記アクチュエータシリンダ内の油圧が高ければ高いほど、取り付け可能締固め装置は地面に対してより押し付けられる。原則的に、前記接触力と相関するセンサ素子の適当な電圧信号を使用することができる。追加的又は代替的に、前記接触力は、もしもアクチュエータアームの位置が既知であるならば、前記掘削機の単数又は複数の油圧シリンダの圧力から計算することも可能である。前記掘削機の少なくとも1つの駆動装置に対するリリーフ圧又はリリーフ力の測定を用いることも可能である。取り付け可能締固め装置が地面に対して強く押し付けられるほど、前記少なくとも二つの一般駆動装置の一つに対する応力はより強く又は弱くなる。これは、回転可能掘削機上部構造を使用する場合には回転位置と共に変化することができ、これが、この代替構成においては、前記所要締固め時間を決定するために考慮に入れられる。追加的又は代替的に、取り付け可能締固め装置のベースプレートと上部構造との間の弾性接続部材に対してパス信号(path signal)を使用することも可能である。前記取り付け可能締固め装置の前記上部構造は通常、弾性緩衝部材を介して、地面と接触している取り付け可能締固め装置のベースプレートに接続されている。取り付け可能締固め装置が地面に対して強く押し付けられるほど、前記弾性接続部材にかかる負荷は高くなる。その結果、前記弾性接続部材の変形も、接触力に相関したものとなり、したがって、これを所要締固め時間を決定するための参照値として利用することが可能である。更に、前記地面締固め装置の地面に対する接触力も、前記接触力に相関する力として利用することができる。原則的に、前記力フロー中に位置するコンポーネントの歪み測定を、例えば、歪みゲージ又は歪みトランスデューサーを公知の方法で使用することによって行うことができる。ここで必要とされる精度はそれほど高くないことから、前記歪み又は締固めの測定は、力バイパスでも行うことが可能である。
本発明のもう一つの中心概念は取り付け可能締固め装置、特に、本発明による方法を実施するための取り付け可能締固め装置である。包括的(generic)な取り付け可能締固め装置は、ベースプレートと、それによって前記ベースプレートを振動させることが可能なモータ駆動振動発生装置と、前記ベースプレートに接続された上部構造と、掘削アームの接続用に構成された接続装置とを有する。前記モータ駆動振動発生装置は、例えば、所望の振動を発生するための偏心装置として構成することができる。前記振動発生装置の前記モータ駆動は、前記掘削機の油圧システムによって供給される油圧モータ、又は、別のモータによって実現することができる。ここで本発明にとって必須であることは、前記取り付け可能締固め装置に対する前記掘削アームの接触力、又は、この接触力と相関する変数を決定することを可能にするセンサ装置が提供されるということである。後者は、例えば、前記取り付け可能締固め装置の地面に対する接触圧、又は、この接触力に相関する変数とすることも可能である。更に、前記接触圧力、又は、この接触力に相関する変数に関して、本発明の方法に関する上の記載内容が参照される。更に、本発明によれば、前記測定接触力又は前記接触力に相関する前記変数に基づいて、所要締固め時間を決定する制御ユニットが設けられる。更に、少なくとも前記所要締固め時間の終了を表示するように構成された信号装置が設けられる。前記制御ユニットの実際の構成及び作動、前記所要締固め時間の計算および決定、更に前記信号装置の作動モードに関して、上記説明が参照される。上述した要素の全てを、前記取り付け可能締固め装置上に閉じられたシステムとして構成することが好ましい。これによって、特に、本発明よる前記方法を、作業プロセスにおいて取り付け可能締固め装置に接続された掘削機から独立して使用することが可能となる。
前記センサ装置の具体的実施例においては複数の代替案を使用することが可能である。好ましくは、前記センサ装置は、力センサ、特に、抵抗式力センサ、ピエゾフォーストランスデューサー、又は歪みゲージ、として構成された少なくとも1つのセンサ素子として構成される。そのようなセンサは、高い機能信頼性と低い故障可能性によって特徴付けられる。接触力の即座の測定は、力センサとして構成されたセンサ素子の使用によって達成することができる。追加的又は代替的に、誘電、容量、光又は超音波測定原理によって変形現象を測定する変位センサ、特に、好ましくは非接触式のものを使用することも可能である。(リニア)ポテンショメータを使用することも可能である。又、前記センサ装置を前記上部構造上に設けることも好ましい。これにより、前記センサ装置は、締固めプロセス中に生じる、前記緩衝装置によって低い程度の振動にのみ晒されるようになる。理想的には、前記センサ装置は、前記接続装置に、特に、前記取り付け可能締固め装置に、少なくも部分的に一体化されるべきである。もしも前記掘削機の接続相手部が前記取り付け可能締固め装置の前記接続装置に係合する場合には、それによって前記接触力又はこの接触力に相関する変数を測定することが可能な前記掘削アームとの直接接触を形成することが好ましい。多くの場合、前記接続装置は、泥又はその他の汚染現象に対する保護装置を有し、これにより、前記センサ装置も同時に保護することができる。前記センサ装置によって測定される測定信号の前記制御ユニットに対する伝送を可能にするために、前記センサ装置は、好ましくは、信号線を介して前記制御ユニットに接続されるべきである。さらにこれは、対応のケーブルを介して行うことが可能であるが、ワイヤレス式に行うことも可能である。最後に、前記センサ装置は、それによって前記上部構造と前記ベースプレートとの間の弾性緩衝部材の変形を検出するように構成することができる。これは、例えば、距離測定センサ又はそれに類似の装置によって行うことができる。
好ましくは、前記制御ユニットは、前記取り付け可能締固め装置の前記上部構造上に配設される。これによって、前記取り付け可能締固め装置の作動中に前記制御ユニットに対してかかる振動応力が低減される。この場合、前記制御ユニット、又は、前記制御ユニットの少なくとも一つのインターフェースが、場合によっては調節可能な保護装置、例えば、フラップを介して、前記取り付け可能締固め装置の外側からアクセス可能に構成され、外側からシールドされることが好ましい。これにより、例えば、所定の地面タイプを定義するためのプログラミングの目的で、前記制御ユニットへのアクセスが可能となる。追加的又は代替的に、前記制御ユニット中に動作ドキュメンテーションを格納しこの点を介して外側からそれにアクセスするように構成することも可能である。
前記制御ユニットは、理想的には、メモリユニットを有る。当該メモリユニットは、達成される締固めの度合い、接触力に関する対応の値又は締固め時間に依存する対応の値を含む値表、インデックスフィールド又は複数の参照曲線を格納する。従って、前記所要締固め時間を決定するために関連性を有する値を、前記制御ユニットに直接格納することができる。前記メモリユニットも、後に制御目的のために読み出すことが可能な、例えば、作業の長さ、作業工程等に関する情報を記録するために、作業の記録のために使用することも可能である。
前記取り付け可能締固め装置は、本発明による前記方法のための信号装置を含む。これは、例えば、前記制御ユニットによって制御されるモバイル部分として構成されるか、又は、取り付け可能締固め装置上に構造的に配置される。前記信号装置は、作業者に対して、所要締固め時間の終わりを通知する。この目的のために、前記信号装置は、更に、例えば、光表示装置、より具体的には、表示ライト、表示トラフィックライト、又は数字ディスプレイを有する。単一の表示ライトのみによって、所要締固め時間を、例えば、前記所要締固め時間が終了した時に、その表示ライトを消灯又は点灯することによって示すことができる。トラフィックライトは、好ましくは異なる色による表示の変更によって前記所要締固め時間の終わりを示すことができる。時間表示を、ライトバー又は数字ディスプレイとして構成することができる。追加的に又は代替的に、前記信号装置は、所要の締固め時間の終わりに達した時に、例えば、言葉及び/又は音信号の出力によって示す音声表示装置を備えることができる。この目的のために、前記音声表示装置は、好ましくは、スピーカを有する。又、前記音声表示信号の出力の量を制御することが可能であることも理想的である。
前記信号装置は、好ましくは、そこにおいては振動応力が比較的低いため、前記取り付け可能締固め装置の前記上部構造上に配設される。好適な位置は、前記取り付け可能締固め装置の上面、又は、少なくともその内面に向かう方向である。前記取り付け可能締固め装置の内面とは、それが掘削アームに取り付けられた時に掘削機に面する外壁を指す。
本発明は、更に、それによって前記振動発生装置の振動作業を中断することが可能な、前記制御ユニットによって制御される制御要素を含む、前記信号装置の補助構成及び/又は代替構成を含む。従って、前記信号装置は、前記制御要素を介して前記取り付け可能締固め装置の作業モードに介入することができる。所要締固め時間が経過すると、前記制御ユニットは、前記制御要素に対して、振動発生装置の振動作業をスイッチオフするように通知する。これによって、所要締固め時間の終わりを超える取り付け可能締固め装置の作動が確実に回避される。
本発明による前記取り付け可能締固め装置を作動するために通常、電気エネルギが必要である。この目的のために、前記取り付け可能締固め装置を掘削機の電気システムに接続することができる。追加的又は代替的に、電気エネルギを得るために、好ましくは、振動を電気エネルギに変換する変換器が使用され、前記センサ装置及び/又は制御ユニット及び/又は前記信号装置に、得られた電気エネルギが供給される。振動を電気エネルギに変換するための「エネルギハーベスタ(energy harvester)」として知られるそのような変換器は、あまり大きな空間を必要とせず、かつ、本発明による前記取り付け可能締固め装置の効率の増大に貢献するという利点を有する。
本発明の更に別の中心概念は、最後に、掘削機に関し、これは、駆動モータと、操作プラットフォームと、駆動装置と、掘削アームと、前記掘削アームに接続された接続装置とを有し、ベースプレートと上部構造とを有する。前記掘削機は、本発明により、本発明による前記方法を実行するように構成される。
この場合、本発明による前記方法を実行するために設けられる前記信号装置は、前記掘削機の前記操作プラットフォームに配設することができる。いうまでもなく、前記制御ユニットは、前記信号装置に対する対応の信号線、特に、ワイヤレス式のもの、を維持する。前記掘削機の前記運転部に前記信号装置を配置することは、作業者にとって快適であるという利点を有する。更に、それによって、作業者は、たとえ、取り付け可能締固め装置がその作業者の視界から外れていても所要締固め時間の進行を確実に見ることができる。
好ましくは、前記取り付け可能締固め装置の前記センサ装置及び/又は前記制御ユニット及び/又は前記信号装置に、前記掘削機の電気システムからの電気エネルギを供給する電気接続ラインが設けられる。前記センサ装置、前記制御ユニットおよび前記信号装置の具体的構成に関しては、上記説明が参照される。
理想的には、前記取り付け可能締固め装置は、上述した本発明による取り付け可能締固め装置である。
以下、図面に図示されている実施例を参照して本発明を更に詳細に説明する。
図面において同じコンポーネントには同じ参照番号が付与されているが、図面において繰り返されるすべてのコンポーネントが、その都度、必ずしも参照番号によって示されるとは限らない。
前記掘削機1の重要要素は、駆動装置を備える駆動部(2)、前記駆動部に回転可能に取り付けられるとともに、操作プラットフォーム(4)と駆動モータ(5)を備える機械部(3)、そして掘削アーム(6)である。ここに図示される実施例において、前記掘削アーム6は、内側の第1掘削アーム7と外側の掘削アーム8とを含む二部構成のものである。掘削アーム7,8は、油圧シリンダ9,10によって作動可能である。実質的に縦方向に延出する前記第2掘削アーム8の端部おいて、取り付け可能締固め装置11が、接続装置12によって前記掘削アーム6に接続されている。締固め作業中、前記取り付け可能締固め装置11は、前記掘削アーム6を介して前記油圧シリンダ9,10によって地面13に押し付けられる。前記取り付け可能締固め装置11の主要要素の更なる詳細は図2に見ることができる。
図2は、前記取り付け可能締固め装置11が取り付けられた状態の、図1の前記第2掘削アーム8を図示している。前記取り付け可能締固め装置11の主要要素は、ベースプレート14と、上部構造15と、モータ駆動振動発生装置16と接続装置12である。前記ベースプレート14は、その下面で地面13上に載置される。前記ベースプレート14は、緩衝部材17によって前記上部構造15に接続されている。前記接続装置12は、前記掘削アーム6に面する前記上部構造15の上面に配置されている。前記ベースプレート14上に配設された、具体的には偏心振動発生装置である前記振動発生装置16は、締固め作業中、前記ベースプレート14を、具体的には鉛直に振動させる。前記振動発生装置16は、例えば、前記掘削機1(図示せず)の油圧システムに接続されている前記取り付け可能締固め装置11の油圧モータによって駆動することができる。
前記取り付け可能締固め装置11の作動をより効率的にするために、制御ユニット18、センサ装置19、メモリユニット20および信号装置21も設けられている。これらのコンポーネントは、すべて、前記取り付け可能締固め装置11上に配設することができる。但し、追加的又は代替的に、前記センサ装置19及び/又は信号装置21の少なくとも一部分を別の箇所に配置することも可能である。例えば、前記信号装置21は、前記操作プラットフォーム4に配設された、モバイル端末としてのモバイル部分として構成することができる。前記センサ装置19の配置も、様々なものとすることができ、例えば、前記接続装置12と一体化することができる。
前記センサ装置19は、少なくとも1つのセンサ素子を含み、これによって、前記掘削アーム6によって前記取り付け可能締固め装置11に加えられる接触力F、又は、それに対応の値を測定することができる。前記センサ装置19は、信号ライン22を介して前記制御ユニット18に接続されている。信号ライン23および24も設けられ、これらは、前記制御ユニットをメモリユニット20に接続している。最後に、前記制御ユニット18からの別の接続ライン25が前記信号装置21に対して設けられている。
図示の例において、インデックスフィールド26が前記メモリユニット20に格納されている。当該インデックスフィールド26は、締固め度Dに対する密度を示す。この場合、曲線27が様々な接触力又接触力F1,F2,F3およびF4に対する締固めの進行状態を表している。前記インデックスフィールド26において、F1が最大の接触圧力を示し、F4が最小の接触圧力を示している。線Dmaxは、最大の土壌締固め(理論上)の位置を示している。前記インデックスフィールド26によって、接触圧力の増加につれて、土壌がより迅速に締固められることが明らかである。前記インデックスフィールド26によって、前記締固め曲線が理論上最大の土壌締固めに漸近的に接近することが明らかである。このことは、締固めが進行するにつれて、土壌締固めDの増大が着実に減少していくということを意味している。
本実施例において、締固め度DXが望まれる。加えられた接触力Fの関数として前記インデックスフィールド26を考慮に入れて、所要締固め時間t1−t4が各曲線に対して得られる。もしも前記センサ装置19が例えば接触力F2を測定するならば、前記制御ユニット18は、インデックスフィールド26を使用して、所要締固め時間は時間インターバルt2を要求すると判断する。或いは、所望の(経験的)締固め度の代わりに、問題の所要締固め時間に対して、「効率的な」締固めの進行が決定的でありうる。加えられた接触力に対して必要な締固め時間は、例えば、前記締固め曲線の勾配限界値によって決定することができる。これにより、効果的な土壌締固めが、常に、時間フレーム内で行われるようにすることができる。
締固めプロセスが例えば前記振動発生装置16を起動することによって始まると、前記制御ユニットは、前記信号装置21を介して、今般必要な締固め時間t2の進捗状況を知らせる。この目的のために、前記制御ユニットは、前記接続ライン25を介して前記信号装置21を制御し、例えば、スピーカ28による音声信号の発生をトリガする。追加的又は代替的に、前記信号装置21は、光信号装置29を備えることも可能である。この目的のために、複数の信号ランプ30を、バー内において互いに隣接並置することができる。締固めプロセスの最初に、前記信号ランプ30のすべてが点灯し、点灯する信号ランプ30の数は所要締固め時間tに亘って均一に減少していく。すべての信号ランプ30が消灯すると、作業者は、所要締固め時間t2が終了したことを知る。追加的又は代替的に、数字ディスプレイ及び/又は多色トラフィックライトディスプレイ、等も使用可能である。
更に、振動を電気エネルギに変換するための変換器31が設けられ、これが前記制御ユニット18に電気エネルギを供給する。前記変換器31は、前記ベースプレート14に設けられ、かつ、接続ライン32を介して前記制御ユニット18に接続されている。或いは、それを介して前記掘削機1のオンボード電気システムへの電気接続が形成される接続ライン31を設けることができる。
図2は、前記取り付け可能締固め装置11上の前記信号装置21の特に好適な配置を図示している。前記取り付け可能締固め装置11の上面上の前記信号装置21の配置が参照番号21’によって示されている。追加的又は代替的に、モバイル式信号装置21”の配置は、図1に示されているように、前記操作プラットフォーム4内に設けることができる。前記信号装置21”は、ワイヤレスで前記制御ユニット18に接続されている。
追加的又は代替的に、前記制御ユニット18は、接続ライン34を介して前記振動発生装置16のモータ制御ユニット33を駆動することができる。これによって、前記振動発生装置16によって発生される振動を停止することによって所要締固め時間を終了させることが可能となる。
図3は、取り付け可能締固め装置、具体的には、前の図1および2に図示した前記取り付け可能締固め装置11、による土壌締固めのための本発明による方法34の必須工程を図示している。工程35において、前記取り付け可能締固め装置11を、支持装置、具体的には、前記接続装置12を介して前記取り付け可能締固め装置11に接続された掘削アーム6によって、締固め対象地面13に対して押し付けることによって締固め作業の最初のアクションが行われる。次に工程36により、前記支持装置12又は掘削アーム6によって前記取り付け可能締固め装置11に加えられる接触力F又は、この接触力Fに相関する測定変数が測定される。これは、適当なセンサ装置19、例えば、図2により詳細に示されているセンサ装置、によって行われる。次の工程37において、所要締固め時間tが、測定された接触力F、又はこの接触力Fと相関する測定変数、から得られる。具体的には、例えば、これは、工程38において、測定された接触力又は接触圧に相関する測定変数を、メモリユニットに格納されている値表、インデックスフィールド26又は複数の参照曲線、と比較することによって行われる。もしも、今般のケースに対して特定の締固め時間tが決定されるとすると、所要締固め時間tが終了するまで締固めプロセスが継続される。その後、少なくとも工程39において、前記信号装置21の起動が行われ、これにより、前記締固め装置11の作業者は、所要締固め時間tの終わりを認識する。
工程40において、図3は、更に、本発明に依る前記方法の別のオプションを図示している。ここでは、工程35‐39は、循環的に実行される。ここでは、工程35から始まる再スタートに関して、必要なイベントは、前記接触圧のキャンセル及び/又は前記取り付け可能締固め装置11の地面13からの持ち上げ及び/又は前記取り付け可能締固め装置の地面上での再セットである。これによって得られるリセット機能によって、特に単純な作動が可能となる。なぜなら、前記取り付け可能締固め装置11が持ち上げられ又は再セットされて地面に対して再び押し付けられると、全システムが工程35から最スタートするからである。ここでは、追加の手動による入力は不要である。再度の押し付けは、例えば、所定の接触圧閾値を超えることによって容易に検出可能である。