JP2017186274A - ジエン化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】原料としての再使用が不可能な副生物の生成が少ない、1,3−ジオール型の原料から対応するジエン化合物を効率よく製造する方法の提供。【解決手段】欠陥蛍石型結晶構造又はパイロクロア型結晶構造を有する複合金属酸化物を脱水触媒として、式(1)で示されるジオール化合物から不飽和アルコールを製造する第一脱水工程、及び金属燐酸塩、金属縮合燐酸塩、金属塩酸塩、典型金属の酸化物又は無機酸から選ばれる一種以上からなる脱水触媒の存在下、前記不飽和アルコールの脱水反応を行い、ジエン化合物を製造する第二脱水工程を実施するジエン化合物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明はジオールの脱水反応によるジエン化合物、特にブタジエンに代表される1,3−ジエン化合物の効率的な製造方法に関する。より詳細には、本発明は特定の触媒存在下、ジオールの脱水反応を二段階で行うジエン化合物の製造方法に関する。
1,3−ブタジエン、イソプレンなどのジエンモノマーは、合成ゴム、プラスチックなどの樹脂原料としての工業的価値が高く、その効率的な製造法の開発が求められている。
従来、ジエンモノマーはナフサの熱分解炉(クラッカー)の反応生成物を蒸留分離し、その一留分として得られている。しかしながら、この留分精製による方法ではジエンモノマーを選択的に得ることができず、他のモノマー留分を含めたバランス又は採算性を考慮せねばならないため、製造量のコントロールが難しいなどの問題があった。
そこで、入手の容易なエチレンなどの低分子量の化合物を原料としたジエンモノマーの製造方法が検討されている。一例として、エチレンの二量化を行った後にMo−Bi−X系触媒の存在下で酸化脱水素処理を行う、1,3−ブタジエンの製造法が開示されている(特許文献1及び2)。しかしこの方法では、酸素を用いることによる爆発の危険性があるほか、未反応ブテンの分離などを行うための付帯設備などが必要となるため、一般に製造設備の規模が大型化するといった問題があった。
エタノール原料から一段階で1,3−ブタジエンを合成する例も知られている(特許文献3)。しかし、この方法ではエタノールからの収率は通常80%以下にとどまり、ジエンのみを高選択的に得ることは難しい。
別の方法として、1,3−ブタンジオールなどのアルカンジオール類の脱水による合成法が挙げられる。このような1,3−ジオールの製造方法は、例えば特許文献4及び5に開示されている。
I.G.Farbenindustrieにより開示された方法(特許文献6)では、1,3−ブタンジオールに対しリン酸ナトリウム系触媒を用いた場合に85%以上の収率でブタジエンが得られることが報告されている。しかし、本発明者らが実際に検討を行ったところ、ブタジエンが得られるとともに、相当量のプロピレン、ブチルアルデヒドなどの不純物を生じることが分かった。
2,3−ブタンジオールを原料とした共役ジエンの製造方法として、たとえば特許文献7に示された方法が報告されている。しかしこの方法では、目的のブタジエンは最大でも75%の反応選択率でしか得られず、脱水反応の進行したメチルエチルケトンが多量に副生する。
1,4−ブタンジオールを原料に用いた場合(非特許文献1)も同様に1,3−ブタジエンを得ることができるが、この場合は通常環状エーテル体であるテトラヒドロフランの副生を伴うため、収率は向上しない。
このように、一段階でジオールを対応する共役ジエンに変換する既知の方法は、いずれも目的物に対し十分な選択性が得られているとは言い難い。
特許第5371692号公報 特許第5648319号公報 特表2013−535465号公報 特許第4397495号公報 特許第3285439号公報 独国特許発明第610371号明細書 特開2014−172883号公報
S. Sato, R. Takahashi, T. Sodesawa and N. Yamamoto,CATAL. Commun., 2004, 5, 397−400.
本発明の課題は、原料としての再使用が不可能な副生物(不純物)の生成が少ない、1,3−ジオール型の原料から対応するジエン化合物を効率よく製造する方法を提供することである。
本発明者らは検討の結果、欠陥蛍石型結晶構造又はパイロクロア型結晶構造を本質的に有する複合金属酸化物を第一脱水触媒として、一般式(1)で示されるジオール化合物から一般式(2)−1及び一般式(2)−2で示される不飽和アルコールを製造する第一脱水工程、及び第二脱水触媒の存在下、前記二種の不飽和アルコールの脱水反応を同時に行い、一般式(3)で示されるジエン化合物を製造する第二脱水工程を実施することにより、原料としての再使用が不可能な副生物(不純物)の生成が少なく、対応するジエン化合物を非常に高い選択率で製造できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
Figure 2017186274
Figure 2017186274
Figure 2017186274
Figure 2017186274
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。)
すなわち本発明は以下の[1]〜[14]に関する。
[1]少なくとも以下の2工程を含むことを特徴とするジエン化合物の製造方法。
(I)欠陥蛍石型結晶構造又はパイロクロア型結晶構造を有する複合金属酸化物を触媒として、一般式(1)で示されるジオール化合物から一般式(2)−1及び一般式(2)−2で示される不飽和アルコールを製造する第一脱水工程
Figure 2017186274
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。)
Figure 2017186274
(式中、R〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。)
Figure 2017186274
(式中、R〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。)
(II)脱水触媒の存在下、前記一般式(2)−1及び一般式(2)−2で示される不飽和アルコールの脱水反応を同時に行い、一般式(3)で示されるジエン化合物を製造する第二脱水工程
Figure 2017186274
(式中、R〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。)
[2]第一脱水工程で用いる複合金属酸化物がパイロクロア型の結晶構造を有する[1]に記載のジエン化合物の製造方法。
[3]第一脱水工程で用いる複合金属酸化物が欠陥蛍石型の結晶構造を有する[1]に記載のジエン化合物の製造方法。
[4]第一脱水工程で用いる複合金属酸化物が、一般式(6)
2−x7−σ (6)
(式中、Aは第2族又は第3族の金属を示し、Bは第4族又は第5族の金属を示し、xは結晶構造の転相を起こさない範囲での任意の数値であり、σ=A金属のイオンの価数×x/2である。)
で示され、Aがスカンジウム、イットリウム、ネオジム、イッテルビウム、ガドリニウム、及びサマリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、Bがチタン、ジルコニウム、及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、xが、−0.05<x<1.0の範囲の数値である[1]に記載のジエン化合物の製造方法。
[5]一般式(6)において、Aがイットリウム、Bがジルコニウムである[4]に記載のジエン化合物の製造方法。
[6]第二脱水工程で用いる脱水触媒が金属リン酸塩、金属縮合リン酸塩、金属硫酸塩、金属塩酸塩、典型金属の酸化物、及び無機酸からなる群より選ばれる少なくとも一種である[1]〜[5]のいずれかに記載のジエン化合物の製造方法。
[7]前記金属リン酸塩、金属縮合リン酸塩、金属硫酸塩、又は金属塩酸塩の金属がアルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、アルミニウム、ホウ素、及びスズからなる群より選ばれる少なくとも一種である[6]に記載のジエン化合物の製造方法。
[8]前記典型金属の金属酸化物がシリカ、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、ニオビア、シリカアルミナ、シリカマグネシア、及びゼオライトからなる群より選ばれる少なくとも一種である[6]に記載のジエン化合物の製造方法。
[9]第二脱水工程の前記脱水触媒が担体に担持された触媒である[6]〜[8]のいずれかに記載のジエン化合物の製造方法。
[10]一般式(1)のR〜Rがすべて水素原子である[1]〜[9]のいずれかに記載のジエン化合物の製造方法。
[11]第一脱水工程における脱水副生物である式(7)で示されるγ,δ−不飽和アルコールの選択率が1.0%以下、脱水素副生物である式(8)−1〜(8)−4で示されるケトン・アルデヒド類の合計選択率が1.5%以下である[1]〜[10]のいずれかに記載のジエン化合物の製造方法。
Figure 2017186274
(式中、R〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。)
Figure 2017186274
(式中、R、R、及びR〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。ただし、一般式(1)においてR=Hの場合に限る。)
Figure 2017186274
(式中、R、R、及びR〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。ただし、一般式(1)においてR=Hの場合に限る。)
Figure 2017186274
(式中、R〜R、及びRは一般式(1)と同一のものを示す。ただし、一般式(1)においてR=Hの場合に限る。)
Figure 2017186274
(式中、R〜R、及びRは一般式(1)と同一のものを示す。ただし、一般式(1)においてR=Hの場合に限る。)
[12]第一脱水工程における脱水副生物である式(7)で示されるγ,δ−不飽和アルコールの選択率が0.7%以下、脱水素副生物である式(8)−1〜(8)−4で示されるケトン・アルデヒド類の合計選択率が1.0%以下である[11]に記載のジエン化合物の製造方法。
[13]第二脱水工程において、第一脱水工程の副生物である式(7)で示されるγ,δ−不飽和アルコールと式(8)−1〜(8)−4で示されるケトン・アルデヒド類の含有量の合計が1.0質量%以下である、一般式(2)−1及び一般式(2)−2で示される不飽和アルコールを含む組成物を原料として用いることを特徴とする[11]又は[12]のいずれかに記載のジエン化合物の製造方法。
[14]第一脱水工程における反応生成物に未反応原料の除去のみを行って得られた組成物を第二脱水工程の反応原料として用いることを特徴とする[1]〜[13]のいずれかに記載のジエン化合物の製造方法。
本発明によれば、未反応の原料を蒸留等により分離回収して、再度反応原料として使用する際、原料としての再使用が不可能であるか分離が困難である副生物(不純物)の生成が少ないため、原料の無駄が少なく、目的とするジエン化合物を高効率で製造することができる。
実施例1〜4及び比較例1で使用した触媒A〜DのX線回折パターンを示す図である。 実施例1〜4及び比較例1で使用した触媒A〜DのX線回折パターンの拡大図である。 実施例5及び6(第二脱水工程)の反応時間と不飽和アルコールの転化率の関係を示すグラフである。 比較例5及び比較例6(第二脱水工程)の反応時間と不飽和アルコールの転化率の関係を示すグラフである。
本発明は少なくとも以下の2工程を含む。
(I)第一脱水工程
欠陥蛍石型結晶構造又はパイロクロア型結晶構造を有する複合金属酸化物を触媒として、一般式(1)で示されるジオール化合物から一般式(2)−1及び一般式(2)−2で示される不飽和アルコールを製造する第一脱水工程(反応式(4))
Figure 2017186274
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。)
(I)第二脱水工程
脱水触媒(第二脱水触媒)の存在下、一般式(2)−1及び(2)−2で示される不飽和アルコールの脱水反応により一般式(3)で示されるジエン化合物を製造する第二脱水工程(反応式(5))
Figure 2017186274
(式中、R〜Rは反応式(4)と同一のものを示す。)
炭素数1〜5のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。炭素数6〜12のアリール基としては、フェニル基、トリル基、メシチル基、ナフチル基等が挙げられる。R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、得られる共役ジエン化合物の有用性から水素原子であることがより好ましい。R〜Rは互いに同じであっても、異なっていてもよいが、すべて水素原子であることが最も好ましい。
<第一脱水工程>
第一脱水工程で触媒として用いられる複合金属酸化物は、欠陥蛍石型結晶構造又はパイロクロア型の結晶構造を本質的に有する。
パイロクロア型結晶構造及び欠陥蛍石型結晶構造のいずれも、その組成は以下の一般式(6)で示される。
2−x7−σ (6)
(式中、Aは第2族又は第3族の金属を示し、Bは第4族又は第5族の金属を示し、xは結晶構造の転相を起こさない範囲での任意の数値であり、σ=A金属のイオンの価数×x/2である。)
パイロクロア型結晶構造は、陰イオンが不足している面心立方格子の蛍石型結晶構造と見做され、A金属イオンは8配位、B金属イオンは6配位サイトに位置し、A金属イオンはB金属イオンよりも大きなイオン半径を有するという結晶学的特徴をもっている。欠陥蛍石型結晶構造は、パイロクロア型結晶構造と蛍石型結晶構造の中間の構造を示す。パイロクロア型と欠陥蛍石型の結晶構造は良く似通っており、結晶格子内の酸素サイトの充填率のみが異なると考えられる。
パイロクロア型結晶構造及び欠陥蛍石型結晶構造は、X線回折パターンから判断することができるが、これら二つの回折パターンはほぼ同一のパターンであるため、区別することが難しい。一般的には、PDF(Powder Diffraction Database)と比較することで結晶構造を決定することができる。たとえば、LaZrにおいてパイロクロア型結晶構造と欠陥蛍石型結晶構造を区別する場合、2θ=35〜50°の間に、(331)、(511)面に帰属される回折ピークがわずかにでも存在していれば、パイロクロア型結晶構造であることが確認できる。しかし、YZrにおいては、YとZrの原子散乱因子が同程度であるため、結晶構造の区別に利用できるピークが存在するかどうかは定かではなく、X線回折パターンのみからは一義的に判断できない。そのため、本開示においては、Y/Zrの値が0.9以上1.05以下であり、X線回折のメインピークの位置が29.7±0.2°であればパイロクロア構造であり、Y/Zrの値が0.5以上0.9未満であり、X線回折のメインピークの位置が29.7±0.2°であれば欠陥蛍石型結晶構造であると見做す。
一般式(6)のAは第2族又は第3族の金属である。Aは、好ましくはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、及び希土類元素からなる群より選ばれる少なくとも一種である。希土類元素としてはスカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、ネオジム、プラセオジウム、ガドリニウム、サマリウム、及びイッテルビウムが好ましい。副反応抑制の観点からは、適度な塩基性を有するという観点で、希土類元素からなる群から選択される少なくとも一種がより好ましい。さらに工業的な使用を考慮した場合、スカンジウム、イットリウム、ネオジム、イッテルビウム、ガドリニウム、及びサマリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種がより好ましく、イットリウムが最も好ましい。
一般式(6)のBは第4族又は第5族の金属である。Bは、好ましくは、ニオブ、タンタル、チタン、ジルコニウム、及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種である。副反応抑制の観点からは、適度な酸性を有するチタン、ジルコニウム、及びハフニウムからなる群より選択される少なくとも一種がより好ましい。金属イオンの安定性から、チタン、及びジルコニウムからなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ジルコニウムが最も好ましい。
触媒の調製時に、A金属及びB金属の単純酸化物や、別種の結晶構造を持った複合酸化物が混入することもある。これらの単純酸化物及び複合酸化物の合計混入量がX線回折のメインピーク強度比で20分の1以下となる量であれば、通常化学組成比への影響は無視できるほど小さい。そのため、そのような量の単純酸化物及び複合酸化物が混入した複合金属酸化物も本質的に欠陥蛍石型又はパイロクロア型の結晶構造を有する本発明の触媒と見做すことができる。
一般式(6)のA金属イオンとB金属イオンのモル比を適切に調整することにより、第一脱水工程で求められる触媒性能を最大化させることができる。すなわち、一般式(2)−1及び(2)−2の化合物の選択率を向上させるとともに、望ましくない副生物の生成を抑えることができる。
A金属及びB金属の組成比は、一般式(6):A2−x7−σにおいて、xを−0.05<x<1.0の範囲となるように調整することができる。−0.05<x<0.7の範囲にすることが好ましく、−0.025<x<0.5の範囲にすることがより好ましい。xを−0.05<x<1.0の範囲にすることによって、A金属及びB金属由来の酸性度又は塩基性度を適切な値にすることができると考えられる。σは酸素欠陥量を示すが、その絶対量を実験で測定するのは容易ではない。金属の価数変動、金属欠陥、酸素欠陥などに伴って測定値に多少のばらつきがあるためである。
A金属及びB金属の組成比は、蛍光X線、SEM−EDX、ICP等の元素分析により求めることができる。
複合金属酸化物触媒のBET比表面積は2〜80m/gの範囲であることが好ましく、3〜50m/gであることがより好ましく、5〜30m/gであることが特に好ましい。BET比表面積は2m/g以上であることで、基質との接触を高めることができ活性を向上することができる。80m/g以下であると粒子の結晶化に伴う、反応活性点が形成されるため、反応選択性を高めることができる。
<複合金属酸化物触媒の製造方法>
欠陥蛍石型又はパイロクロアの結晶構造を本質的に有する複合金属酸化物触媒を得る方法としては、固相法、メカニカルアロイング法、共沈法、ゾルゲル法、均一沈殿法、水熱合成法、錯体重合法などが挙げられる。それらの中でも、工業的に生産可能な固相法、共沈法、ゾルゲル法、又は水熱合成法を用いることが好ましい。高比表面積の触媒とするためには、低温で合成可能な水熱合成法、又は共沈法を用いることがより好ましい。
水熱合成法の一例では、A金属の塩及びB金属の塩の水溶液を作製し、アルカリ化合物(アンモニアなど)を加えてpHを9.2以上に調整する。これより各金属イオンが共沈して、アモルファス状の混合ゾルとなる。このゾルをポリテトラフルオロエチレン製内筒管のオートクレーブ容器に入れ、180℃、48時間で水熱合成して固体の欠陥蛍石型又はパイロクロア型の結晶構造の触媒前駆体を得る。これを粉砕し、空気雰囲気中、900〜1300℃、1〜10時間焼成する。焼成前触媒の形態は粉末状でもよくペレット状でもよい。A金属塩とB金属塩は上記操作によって、ほぼすべてが回収されると考えられることから、原料の仕込みのモル比によって、一般式(6):A2−x7−σのX及びσを制御する。
共沈法の一例では、B金属の水酸化物のゾル溶液にA金属塩の水溶液を加え、アルカリ化合物(アンモニアなど)の水溶液に滴下する。これよりB金属の水酸化物の表面にA金属イオンが担持され、アモルファス状の混合ゾルとなる。このゾルを固液分離及び乾燥して触媒前駆体を得る。これを粉砕し、空気雰囲気中、900〜1300℃、1〜10時間焼成する。焼成前触媒の形態は粉末状でもよくペレット状でもよい。A金属塩とB金属の水酸化物は上記操作によって、ほぼすべてが回収されると考えられることから、原料の仕込みのモル比によって、一般式(6):A2−x7−σのX及びσを制御する。
A金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属を用いる場合には、塩基性、中性、及び酸性塩のいずれを用いてもよい。具体的には、酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、炭酸バリウム、塩化バリウム、硝酸バリウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。
A金属として、スカンジウム、イットリウムなどの希土類元素を用いる場合には、塩基性、中性、及び酸性塩のいずれを用いてもよい。具体的には、酸化ランタン、水酸化ランタン、塩化ランタン、硝酸ランタン、硝酸イットリウム、硝酸イッテルビウムなどが挙げられる。
B金属として、ニオブ、タンタル、チタン、ジルコニウム、又はハフニウムを用いる場合には、塩基性、中性、及び酸性塩のいずれを用いてもよい。具体的には、酸化ニオブ、塩化ニオブ、ペンタエトキシニオブ、酸化タンタル、塩化タンタル、ペンタエトキシタンタル、酸化チタン、塩化チタン、シュウ酸チタン、チタンイソプロポキシド、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウムなどが挙げられる。
上記のA金属及びB金属の水溶性塩を用いて、水熱合成法又は共沈法を行う場合、pH調整剤又は鉱化剤として、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液、石灰水、炭酸ナトリウム水溶液、アンモニア水溶液、トリエチルアミン水溶液、ピリジン水溶液、エチレンジアミン水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液などの塩基性水溶液を用いることができる。触媒活性低下の原因となる不純物の除去性を考慮すると、アンモニア水溶液又はトリエチルアミン水溶液を用いることが好ましい。
水熱合成法では、A金属の塩及びB金属の塩の水溶液をアルカリでpH9.0〜10.5に調整することで不溶性のアモルファス状水酸化物塩を含んだゾル溶液を得ることができる。各金属塩の濃度は0.01〜0.5mol/Lであることが好ましい。得られたゾル溶液に対してオートクレーブにて水熱処理を行う。容器の内量に対するゾル溶液の容量の比は30〜80%であることが好ましい。水熱処理温度は120〜230℃であることが好ましく、処理時間は3〜60時間であることが好ましい。このような水熱合成条件により、カチオン及びアニオン欠陥を含んだ、触媒前駆体X(低結晶性A2−x7−σ)を得ることができる。
共沈法では、B金属の水酸化物のゾル溶液にA金属塩の水溶液を加えた溶液を、アルカリ化合物(アンモニアなど)の水溶液に滴下し、最終的にpH9.2以上の混合溶液とする。これよりB金属の水酸化物の表面にA金属イオンが担持され、A金属イオンとB金属イオンが入り交ざった、アモルファス状の水酸化物混合物(A(OH)/B(OH)・nHO)の形態で触媒前駆体Yを得ることができる。各金属塩の濃度は0.01〜0.5mol/Lであることが好ましい。溶液を混合する時の溶液の温度は、10〜100℃、撹拌時間は5〜600分であることが好ましい。滴下速度は、0.1〜100g/分であることが好ましい。
得られた触媒前駆体X又はYに焼成処理を行う。焼成により結晶化が進行し、かつ結晶性が向上し、パイロクロア型又は欠陥蛍石型の結晶構造を生成することができる。
触媒前駆体の焼成は結晶性を向上させるために、600℃以上の温度で行うことが好ましい。上限温度に特に制限はないが、1400℃を超えると触媒表面積が維持できないおそれがあるため、1300℃以下であることが好ましい。特に好ましい焼成温度は700〜1200℃の範囲であり、さらに好ましくは900〜1100℃の範囲である。
焼成時間は、1〜30時間であることが結晶成長の面で好ましく、3〜10時間であることがより好ましい。
焼成時の雰囲気に制約はないが、特に空気雰囲気で行うことが好ましい。
焼成の前に仮焼成を行ってもよい。仮焼成は触媒成形時のハンドリング性を向上させるために行う。仮焼成の条件は120℃以上の温度で行うことが好ましい。上限温度に特に制限はないが、800℃を超えると触媒成形体の強度が低下するおそれがあるため、700℃以下であることが好ましい。特に好ましい仮焼成温度は200〜600℃の範囲であり、さらに好ましくは300〜500℃の範囲である。焼成時間は、1〜30時間であることが焼きムラをなくす面で好ましく、3〜10時間であることがより好ましい。
本発明の触媒の形状はそれぞれ独立した粒子であってもよいし、粒子を固めてペレットとしてもよい。反応器への充填などハンドリングの観点からはペレットが好ましい。触媒は本発明の反応に不活性な担体に担持されたものであってもよい。担体の例としてはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカアルミナ、ゼオライト、活性炭、グラファイトなどが挙げられるが、特に限定はされない。
<第一脱水工程の反応>
第一脱水工程で使用される反応装置は連続式の気相流通反応装置が好適である。触媒は固定床又は流動床のいずれの方式でもよく、特にメンテナンスの面などから固定床が望ましい。
反応装置の一例として上部に反応原料であるジオールの気化器を備えた直管型反応器が挙げられる。反応器に触媒を充填し、原料のジオールを気化器で蒸発させて生じた原料ストリームを反応器に導入する。反応器下部の熱交換器で反応生成物を冷却し、目的の不飽和アルコールと未反応の原料を回収する。原料濃度を調節して副反応を抑制するため、気化した原料ジオールを窒素ガス、水蒸気などの不活性ガスで希釈して反応に供してもよい。
第一脱水工程の反応温度は250〜400℃の範囲が適している。250℃以上であると、反応が速やかに進む。400℃以下とすると副反応による選択率低下の影響が小さくなる。より好ましい温度範囲は300〜350℃である。
直管型反応器において、触媒充填容積当たりのジオールの導入量は0.1〜30kg/(h・L−cat)の範囲とすることができ、好ましくは0.2〜20kg/(h・L−cat)であり、最も好ましくは0.5〜15kg/(h・L−cat)である。導入量が、0.1kg/(h・L−cat)以上であれば、十分な生産量を得ることができる。30kg/(h・L−cat)以下であれば、未反応の原料が増加することなく、分離及び精製に労力が少なくて済む他、原料からの副反応も抑えることができる。
第一脱水工程における主な副生物は、脱水副生物である式(7)で示されるγ,δ−不飽和アルコールと、脱水素副生物である式(8)−1〜4で示されるケトン・アルデヒド類(それぞれ一般式(1)においてR又はR=Hの場合に限る。)である。γ,δ−不飽和アルコールは続く第二脱水工程において、一部が逆プリンス反応によりアルデヒド類へと変換されることで、プロセス全体の収率低下を招く。また、ケトン・アルデヒド類は重合活性が高く、触媒上に沈着することにより触媒の失活を促進させるほか、副反応生成物として目的のジエン化合物の精製を困難にするおそれがある。
Figure 2017186274
(式中、R〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。)
Figure 2017186274
(式中、R、R、及びR〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。ただし、一般式(1)においてR=Hの場合に限る。)
Figure 2017186274
(式中、R、R、及びR〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。ただし、一般式(1)においてR=Hの場合に限る。)
Figure 2017186274
(式中、R〜R、及びRは一般式(1)と同一のものを示す。ただし、一般式(1)においてR=Hの場合に限る。)
Figure 2017186274
(式中、R〜R、及びRは一般式(1)と同一のものを示す。ただし、一般式(1)においてR=Hの場合に限る。)
第二脱水工程での副生物の発生を低減するためには第一脱水工程におけるγ,δ−不飽和アルコールの選択率は1.0%以下、ケトン・アルデヒド類の合計選択率は1.5%以下とすることが好ましく、γ,δ−不飽和アルコールの選択率は0.7%以下、ケトン・アルデヒド類の合計選択率は1.0%以下であることが更に好ましい。
<第二脱水工程>
本発明の第一脱水工程で使用する触媒は、前記不純物であるγ,δ−不飽和アルコール又はケトン・アルデヒド類の生成が少ないので、第一脱水工程において得られた不飽和アルコールを含む反応生成物に未反応原料(ジオール化合物)の除去のみを行って得られた組成物をそのまま第二脱水工程の反応原料として使用することが可能である。さらに反応生成物の精製を行い、不飽和アルコール中の不純物の一部乃至全部を除いた後に第二脱水工程に使用することもできる。精製方法としては、蒸留、再結晶、その他の一般的な精製方法を適用することができる。この時点で副生物を除去しておくことにより、続く第二脱水工程における反応性の改善、不純物の少ない高品位なジエン化合物の取得などが可能となる。第二脱水工程においては、第一脱水工程の副生物である前記式(7)で示されるγ,δ−不飽和アルコールと前記式(8)−1〜(8)−4で示されるケトン・アルデヒド類の含有量の合計が1.0質量%以下である、一般式(2)−1及び一般式(2)−2で示される不飽和アルコールを含む組成物を原料として用いることが好ましい。前記副生物の合計含有量は0.6質量%以下であることがより好ましい。
第二脱水工程で使用する脱水触媒(第二脱水触媒)は、原料となる一般式(2)−1及び(2)−2で示される不飽和アルコールの脱水能力を示すものであれば特に限定されない。例えば金属リン酸塩、金属縮合リン酸塩、金属硫酸塩、金属塩酸塩、典型金属の酸化物、無機酸などが挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、併用してもよい。触媒を担体に担持して使用してもよい。例えば、脱水触媒の形状保持性が低い場合には、担体に担持させた触媒を脱水触媒として有利に使用することができる。
担体の例としてはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカアルミナ、ゼオライト、活性炭、グラファイトなどが挙げられるが、特に限定はされない。ここで担体は活性、反応選択性、温度応答性などのいずれか一つ以上の観点から、担持される触媒とは区別可能なものである。なお、後述のようにシリカアルミナなどは担体としてではなく、脱水触媒そのものとしての使用も可能である。
金属リン酸塩、金属縮合リン酸塩、金属硫酸塩、及び金属塩酸塩の金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、アルミニウム、ホウ素、スズなどが挙げられる。これら金属の中ではナトリウム、マグネシウム、及びアルミニウムが好ましい。
典型金属の酸化物としては、シリカ、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、ニオビア、シリカアルミナ、シリカマグネシア、ゼオライトなどが挙げられる。
無機酸としては、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸などが挙げられる。
第二脱水工程で使用する触媒としては、目的のジエン選択率が高いことから、硫酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、ポリリン酸ナトリウム、シリカアルミナ、及びゼオライトが好ましく、選択率の観点からシリカアルミナ、及びゼオライトがより好ましい。
第二脱水工程で使用する反応装置は第一脱水工程と同様に連続式の気相流通反応装置が好適である。触媒は固定床又は流動床のいずれの方式でもよく、特にメンテナンスの面などから固定床が望ましい。
反応装置の一例として上部に原料となる不飽和アルコールの気化器を備えた直管型反応器が挙げられる。反応器に触媒を充填し、原料の不飽和アルコールを気化器で蒸発させて生じた原料ストリームを反応器に導入する。反応器下部の熱交換器で反応生成物を冷却し、目的のジエン化合物と未反応の原料を回収する。副反応を抑制するため、気化した原料不飽和アルコールを窒素ガス、水蒸気などの不活性ガスで希釈して反応に供してもよい。
第二脱水工程の反応温度は200〜500℃の範囲が適している。反応温度は好ましくは250〜400℃である。200℃以上であると、反応が速やかに進む。500℃以下とすると副反応による選択率低下の影響が小さくなる。
触媒充填容積当たりの原料となる不飽和アルコールの導入量は0.05〜20kg/(h・L−cat)の範囲とすることができ、好ましくは0.1〜10kg/(h・L−cat)であり、最も好ましくは0.2〜5kg/(h・L−cat)である。導入量が、0.05kg/(h・L−cat)以上であれば、十分な生産量を得ることができる。20kg/(h・L−cat)以下であれば、未反応の原料が増加することなく、分離及び精製に労力が少なくて済む他、原料からの副反応も抑えることができる。
不飽和アルコールを含む原料ストリームの触媒充填容積に対する空間速度[SV]は100〜40000h−1の範囲とすることができ、特に500〜10000h−1が好適である。空間速度が、100h−1以上であれば、接触時間が過度に増加しないため、不飽和アルコール原料及び生成したジエン化合物からの副生物の生成を抑えることができる。空間速度が40000h−1以下であれば、転化率が低くならず、未反応の原料が少なくなるため、未反応の原料の分離に過剰なコストをかけなくてすむ。
第二脱水工程から得られたジエン化合物に対し、さらに水洗、蒸留等による精製操作を行うことで、純度を高めたジエン化合物を入手することもできる。
上記に述べた方法は、本発明の実施形態の一つであるが、実施において、このほかの形態をとることも可能である。
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[触媒の化学組成比の測定]
元素含有量を、株式会社リガク製ZSX Primus IIを使用し、EZスキャンプログラムにより測定した。B金属に対するA金属のモル比を下記式から求めた。
Figure 2017186274
[X線回折測定]
株式会社リガク製MultiFlexを用いて触媒のX線回折(XRD)測定を行った。測定は連続走査モードにて行った。測定条件は、管電圧40kV、管電流40mA、サンプリング幅0.02°、スキャンスピード3°/minとした。
第一脱水工程で使用した触媒A〜Fは、それぞれ以下の調製法により調製した。
[触媒A]:イットリウム−ジルコニウム複合酸化物触媒の調製
硝酸イットリウムn水和物(和光純薬工業株式会社、純度99.9%)36.477gに蒸留水200mLを加えて調製した水溶液、及びオキシ塩化ジルコニウム32.225g(関東化学株式会社、純度99%以上)に蒸留水200mLを加えて調製した水溶液を混合し、撹拌しながら濃アンモニア水(関東化学株式会社、純度28〜30%)を滴下し、pH9.2に調整した。得られたゾル液をテフロン(登録商標)製内筒管を備えたSUS製オートクレーブに入れて、180℃で48時間水熱処理を行った。処理後の懸濁液から、粉末をろ過器にて回収し、イオン交換水で洗浄及びろ過した。120℃で1昼夜乾燥を行った後、室温まで放冷してから、メノウ乳鉢にて粉砕して触媒前駆体を得た。
触媒前駆体をペレットに成形し、粒径1.4〜2.8mmに整粒した後に、空気雰囲気中、1100℃で3時間焼成することで、イットリウム−ジルコニウム複合酸化物触媒(触媒A)を得た。触媒AはXRDで29.7°に回折ピークが見られ、またY/Zr比が1.00であったことから、パイロクロア型結晶構造であると推定された。
[触媒B]:イットリウム−ジルコニウム複合酸化物触媒の調製
硝酸イットリウムn水和物の量を32.829gとした以外は、触媒Aと同様の手順でイットリウム−ジルコニウム複合酸化物触媒(触媒B)を得た。触媒BはXRDで29.7°に回折ピークが見られ、またY/Zr比が0.90であったことから、パイロクロア型結晶構造であると推定された。
[触媒C]:イットリウム−ジルコニウム複合酸化物触媒の調製
硝酸イットリウムn水和物の量を29.182gとした以外は、触媒Aと同様の手順でイットリウム−ジルコニウム複合酸化物触媒(触媒C)を得た。触媒CはXRDで29.7°に回折ピークが見られ、またY/Zr比が0.80であったことから、欠陥蛍石型結晶構造であると推定された。
[触媒D]:イットリウム−ジルコニウム複合酸化物触媒の調製
硝酸イットリウムn水和物(和光純薬工業株式会社、純度99.9%)1.833g(7.9mmol)に蒸留水50mLを加えて調製した水溶液及び尿素80g(関東化学株式会社、純度99%以上)に蒸留水200mLを加えて調製した水溶液を、水酸化ジルコニウムスラリー(第一稀元素化学工業株式会社、ZSL−10T)200g(水酸化ジルコニウム量:165mol)に対して添加し、100℃に加熱し、5時間撹拌した。その後、吸引濾過器にて固液分離した後、ケーキを120℃で24時間乾燥し、室温まで放冷した後、メノウ乳鉢にて粉砕して触媒前駆体を得た。得られた粉末を500℃で仮焼成し、メノウ乳鉢にて再粉砕したものをペレットに成形し粒径1.4〜2.8mmに整粒した後に、空気雰囲気中、900℃で3時間焼成してイットリウム−ジルコニウム複合酸化物触媒(触媒D)を得た。触媒DはXRDで30.3°に回折ピークが見られ、Y/Zr比が0.04であったことから蛍石型結晶構造であると推定された。
[触媒E]:カルシウム−ジルコニウム複合酸化物触媒の調製
硝酸イットリウムn水和物の代わりに塩化カルシウム(和光純薬工業株式会社、純度95%)0.4972gを用いた以外は、触媒Dと同様の手順でカルシウム−ジルコニウム複合酸化物触媒(触媒E)を得た。触媒EはXRDで30.2°に回折ピークが見られ、Ca/Zr比が0.04であったことから蛍石型結晶構造であると推定された。
[触媒F]:酸化セリウム触媒(CeO)の調製
市販の酸化セリウム(特級、和光純薬工業株式会社製)をポリ塩化ビニル製のセル(10mmφ)に入れ、59kN/cmの圧力で1分間プレスした。得られたディスク状のセルを破砕し、粒径1.4〜2.8mmに整粒した。破砕物をマッフル炉(ADVANTEC製KM−280)で、空気中、1000℃で3時間焼成を行い、酸化セリウム触媒(触媒F)を得た。触媒FはXRDで28.6°、33.1°、47.5°、56.4°に回折ピークが見られたことから、蛍石型結晶構造であると推定された。
第二脱水工程で使用した触媒G及びHは、それぞれ以下の調製法により調製した。
[触媒G]:シリカアルミナ触媒(Al−SiO)の調製
硝酸アルミニウム・九水和物(和光純薬工業株式会社製、特級)5.3gと硝酸(和光純薬工業株式会社製、特級、60%)19.5gと蒸留水(和光純薬工業株式会社製)100mLの混合液をメカニカルスターラーに接続したテフロン(登録商標)製撹拌翼で撹拌した。ケイ酸ナトリウム溶液(和光純薬工業株式会社製、濃度55質量%、SiO/NaO=2.2)27.9gと蒸留水(和光純薬工業株式会社製)100mLの混合溶液を、硝酸アルミニウム水溶液に滴下した。30分間熟成したのち、アンモニア水溶液でpHを9にして沈殿を析出させ、さらに3時間撹拌を継続した。析出物に対し、ろ過、水洗浄、1%硝酸アンモニウム(和光純薬工業株式会社製)水溶液洗浄、水洗浄の順に処置を行った後、得られた析出物を50℃に加温したpH9のアンモニア水溶液中で48時間熟成させた。イオン交換水で2回洗浄後、70℃で12時間乾燥したのち、マッフル炉(ADVANTEC製KM−280)で空気中、500℃で2時間焼成した。
得られた粉末を、ポリ塩化ビニル製のセル(30mmφ)に入れ、7kN/cmの圧力で1分間プレスした。ディスク状のセルを破砕し、1.4〜2.8mmのふるい間に残るものを回収し、その後、マッフル炉(ADVANTEC製KM−280)で空気中、600℃で5時間焼成し、シリカアルミナ触媒(触媒G)を得た。
[触媒H]:グラファイト担持ポリリン酸ナトリウム触媒(NaPO−graphite)の調製
リン酸ブチルアミン8.8g(85%リン酸とブチルアミンより調製)を40gの水に溶かし、撹拌しながら無水リン酸ナトリウム100gとグラファイト粉末(和光純薬工業株式会社製)20gを加えた。撹拌しながら蒸発乾固させて粉末を得たのち、80℃のオーブン中で12時間風乾を行った。ポリ塩化ビニル製のセル(30mmφ)に入れ、13kN/cmの圧力で1分間プレスした。得られたディスク状のセルを破砕し、1.4〜2.8mmのメッシュ分を回収した。破砕物をマッフル炉(ADVANTEC製KM−280)で空気中、300℃で2時間焼成を行い、グラファイト担持ポリリン酸ナトリウム触媒(触媒H)を得た。
[反応装置]
以下の実施例及び比較例の脱水反応には、いずれも固定床の常圧気相流通反応装置を使用した。反応管(ステンレス製)は内径16mm、全長300mmで、上部に原料を蒸発させるための気化器、及び希釈剤(窒素ガス)の導入口が接続され、下部には冷却器、及び気液分離器が設置されていた。
[ガスクロマトグラフィー]
脱水反応後の生成物ガスは5℃でほぼ全量を凝縮して液化し、ガスクロマトグラフィーで分析し、反応転化率及び選択率を計算した。分析装置として、ジーエルサイエンス株式会社製キャピラリーカラムTC−1(60m、0.25mmφ)を接続した株式会社島津製作所製GC−17Aを使用した。キャリアガスにはヘリウムを使用し、検出はFID検出器にて行った。定量は内標準法によって行った。検量線補正後、目的物の収量及び原料残量を求め、これらより転化率及び選択率を求めた。
第一脱水工程において、転化率及び式(2)−1及び式(2)−2で示される不飽和アルコールの選択率の計算には以下の式を用いた。
Figure 2017186274
Figure 2017186274
第一脱水工程において、式(7)で示される脱水副生物選択率(δ,γ−不飽和アルコール)、式(8)−1〜4で示される脱水素生成物選択率(ケトン・アルデヒド類)の計算には以下の式を用いた。
Figure 2017186274
第二脱水工程において、式(2)−1及び式(2)−2で示される不飽和アルコールから式(3)で示されるジエン化合物への転化率及び選択率の計算には以下の式を用いた。なお、ここで「不飽和アルコール導入量」、「不飽和アルコール消費量」は式(2)−1、式(2)−2で示される各不飽和アルコールの合計量である。
Figure 2017186274
Figure 2017186274
触媒寿命は、第二脱水工程の原料である不飽和アルコール(式(2)−1及び式(2)−2の合計)の転化率と反応時間とのグラフから、転化率が約100%から低下して、98.5%となるまでの時間を読み取り、その値とした。
[第一脱水工程]
(実施例1〜4及び比較例1〜3)
触媒A〜Fのいずれか4mLを上記常圧気相流通反応装置に充填し、原料の1,3−ジオールとして1,3−ブタンジオール(キシダ化学株式会社、特級)を230℃でガス化して第一脱水工程を行った。1,3−ブタンジオールの導入量は触媒1mLあたり毎時6.3gで、反応器内温度は320〜340℃に設定した。SVは1600h−1である。ただし、実施例2では触媒量は6mL、1,3−ブタンジオールの導入量は触媒1mLあたり毎時12.6g(SVは3100h−1)とした。
実施例1〜4及び比較例1〜3の触媒の反応成績(反応原料である1,3−ブタンジオールの転化率と、式(2)−1の不飽和アルコールに相当するクロチルアルコール(幾何異性体を含む)、式(2)−2の不飽和アルコールに相当する3−ブテン−2−オール、式(7)の不飽和アルコールに相当する3−ブテン−1−オール、及びその他の生成物の選択率を表1に示す。数値は反応開始から3時間経過後の測定値に基づく。
Figure 2017186274
(比較例4)
酸化セリウム触媒(触媒F)125mLを用い、1,3−ブタンジオールを基質として脱水反応を行った。1,3−ブタンジオールの導入量は触媒1mLあたり毎時12.0g、反応器入口圧力は0.08MPaG以下で、反応器内温度は325〜345℃に設定した。
1200時間経過後の1,3−ブタンジオールの転化率は64.4%で、クロチルアルコールの選択率は37.8%、3−ブテン−2−オールの選択率は59.2%であった。
[蒸留工程]
実施例2で得られた反応液約10L(9.1kg)に対し、一塔式の蒸留塔を用いて蒸留操作を行った。充填剤としてマクマホンパッキンを使用し、塔底温度170℃、還流比R=20、圧力−0.08MPaGの条件で運転を行い、初留0.3Lを除去したのちに不飽和アルコール水溶液(P−1)7.0L(6.1kg)を得た。この蒸留液P−1の組成を表2に示す。また、初留の組成を表3に示す。初留に含まれる3−ブテン−2−オールの量は100g(蒸留原液中の5質量%相当)、クロチルアルコールの量は100g(蒸留原液中の5質量%相当)と見積もられた。この部分は1,3−ブタジエン収率のロスとなる。
実施例2で得られた反応液約10L(9.1kg)に対し、初留の除去を行わないことを除き、前記と同様の条件で蒸留を行い、不飽和アルコール水溶液(P−2)7.3L(6.3kg)を得た。この蒸留液P−2の組成を表2に示す。一部の副生物は自己反応により、蒸留の過程で濃度低下が観察された。
比較例4で得られた反応液21L(19.9kg)に対し、一塔式の蒸留塔を用いて蒸留操作を行った。充填剤としてマクマホンパッキンを使用し、塔底温度170℃、還流比R=20、圧力−0.08kPaGの条件で運転を行い、初留0.7Lを除去したのちに不飽和アルコール水溶液(C−1)13.0L(11.2kg)を得た。この蒸留液C−1の組成を表2に示す。また、初留の組成を表3に示す。初留に含まれる3−ブテン−2−オールの量は180g(蒸留原液中の3質量%相当)、クロチルアルコールの量は70g(蒸留原液中の2質量%相当)と見積もられた。この部分は1,3−ブタジエン収率のロスとなる。
比較例4で得られた反応液21L(19.9g)に対し、初留の除去を行わないことを除き、前記と同様の条件で蒸留を行い、不飽和アルコール水溶液(C−2)13.7L(11.8kg)を得た。この蒸留液C−2の組成を表2に示す。
Figure 2017186274
Figure 2017186274
[第二脱水工程]
(実施例5)
触媒G(シリカアルミナ触媒)を用い、蒸留後の原料液P−1を基質とし、水蒸気及び窒素ガスを希釈剤として第二脱水工程を行った。反応液中の不飽和アルコールの導入量は触媒1mLあたり毎時0.32g、水蒸気導入量は触媒1mLあたり毎時0.20L、窒素ガスの導入量は触媒1mLあたり毎時0.10Lで、反応器内温度は300℃に設定した。SVは400h−1であった。
この実施例における触媒寿命は156時間、1,3−ブタジエンの平均選択率は96.7%であった。反応条件及び結果を表4に示す。この反応の反応時間ごとの転化率をプロットしたものを図3に示す。
(実施例6)
原料として蒸留後の原料液P−2を用いた他は実施例5に示す方法と同様の条件で反応を行った。触媒寿命は146時間、1,3−ブタジエンの平均選択率は97.5%であった。反応条件及び結果を表4に示す。この反応の反応時間ごとの転化率をプロットしたものを図3に示す。
(比較例5)
原料として蒸留後の原料液C−1を用いた他は実施例5に示す方法と同様の条件で反応を行った。触媒寿命は122時間、1,3−ブタジエンの平均選択率は99.0%であった。反応条件及び結果を表4に示す。この反応の反応時間ごとの転化率をプロットしたものを図4に示す。
(比較例6)
原料として蒸留後の原料液C−2を用いた他は実施例5に示す方法と同様の条件で反応を行った。触媒寿命は73時間、1,3−ブタジエンの平均選択率は97.0%であった。反応条件及び結果を表4に示す。この反応の反応時間ごとの転化率をプロットしたものを図4に示す。
[一段脱水反応]
(比較例7)
触媒H(グラファイト担持ポリリン酸ナトリウム触媒)を用い、1,3−ブタンジオールを基質、水蒸気及び窒素ガスを希釈剤とし、一段階で1,3−ブタジエンを製造する脱水反応を行った。1,3−ブタンジオールの導入量は触媒1mLあたり毎時0.081g、水蒸気(ガス)の導入量は触媒1mLあたり毎時0.025L、窒素ガスの導入量は触媒1mLあたり毎時0.140Lで、反応器内温度は270℃に設定した。SVは400h−1であった。
この比較例における223時間経過後までの1,3−ブタンジオールの転化率は100%、1,3−ブタジエンの平均選択率は77.4%であった。また、この反応では、時間の経過とともに徐々に1,3−ブタジエンの選択率が低下する傾向が見られた。
Figure 2017186274
上記の実施例から明らかなように、本発明の方法に従って1,3−ジオール型の原料から二段階の工程を経て、対応するジエン化合物を高選択的に得ることが可能である。特に、第一脱水工程で欠陥蛍石型又はパイロクロア型の結晶構造を有する複合金属酸化物を用いた場合は、精製蒸留の有無が第二脱水工程における触媒寿命にあまり影響しない(実施例5及び6)。一方でそれ以外の触媒を用いた場合は、精製蒸留を行わないと第二脱水工程の触媒寿命が大きく低下した(比較例5及び比較例6)。このことから、第一脱水工程で欠陥蛍石型又はパイロクロア型の結晶構造を有する複合金属酸化物を用いた場合は、第一脱水工程の反応生成物から未反応原料の除去のみを行って得られた組成物を反応原料として第二脱水工程に適用した場合でも第二脱水触媒の触媒活性を長時間維持することが可能であることが示された。

Claims (14)

  1. 少なくとも以下の2工程を含むことを特徴とするジエン化合物の製造方法。
    (I)欠陥蛍石型結晶構造又はパイロクロア型結晶構造を有する複合金属酸化物を触媒として、一般式(1)で示されるジオール化合物から一般式(2)−1及び一般式(2)−2で示される不飽和アルコールを製造する第一脱水工程
    Figure 2017186274
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。)
    Figure 2017186274
    (式中、R〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。)
    Figure 2017186274
    (式中、R〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。)
    (II)脱水触媒の存在下、前記一般式(2)−1及び一般式(2)−2で示される不飽和アルコールの脱水反応を同時に行い、一般式(3)で示されるジエン化合物を製造する第二脱水工程
    Figure 2017186274
    (式中、R〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。)
  2. 第一脱水工程で用いる複合金属酸化物がパイロクロア型の結晶構造を有する請求項1に記載のジエン化合物の製造方法。
  3. 第一脱水工程で用いる複合金属酸化物が欠陥蛍石型の結晶構造を有する請求項1に記載のジエン化合物の製造方法。
  4. 第一脱水工程で用いる複合金属酸化物が、一般式(6)
    2−x7−σ (6)
    (式中、Aは第2族又は第3族の金属を示し、Bは第4族又は第5族の金属を示し、xは結晶構造の転相を起こさない範囲での任意の数値であり、σ=A金属のイオンの価数×x/2である。)
    で示され、Aがスカンジウム、イットリウム、ネオジム、イッテルビウム、ガドリニウム、及びサマリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、Bがチタン、ジルコニウム、及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、xが、−0.05<x<1.0の範囲の数値である請求項1に記載のジエン化合物の製造方法。
  5. 一般式(6)において、Aがイットリウム、Bがジルコニウムである請求項4に記載のジエン化合物の製造方法。
  6. 第二脱水工程で用いる脱水触媒が金属リン酸塩、金属縮合リン酸塩、金属硫酸塩、金属塩酸塩、典型金属の酸化物、及び無機酸からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1〜5のいずれか一項に記載のジエン化合物の製造方法。
  7. 前記金属リン酸塩、金属縮合リン酸塩、金属硫酸塩、又は金属塩酸塩の金属がアルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、アルミニウム、ホウ素、及びスズからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項6に記載のジエン化合物の製造方法。
  8. 前記典型金属の金属酸化物がシリカ、アルミナ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、ニオビア、シリカアルミナ、シリカマグネシア、及びゼオライトからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項6に記載のジエン化合物の製造方法。
  9. 第二脱水工程の前記脱水触媒が担体に担持された触媒である請求項6〜8のいずれか一項に記載のジエン化合物の製造方法。
  10. 一般式(1)のR〜Rがすべて水素原子である請求項1〜9のいずれか一項に記載のジエン化合物の製造方法。
  11. 第一脱水工程における脱水副生物である式(7)で示されるγ,δ−不飽和アルコールの選択率が1.0%以下、脱水素副生物である式(8)−1〜(8)−4で示されるケトン・アルデヒド類の合計選択率が1.5%以下である請求項1〜10のいずれか一項に記載のジエン化合物の製造方法。
    Figure 2017186274
    (式中、R〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。)
    Figure 2017186274
    (式中、R、R、及びR〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。ただし、一般式(1)においてR=Hの場合に限る。)
    Figure 2017186274
    (式中、R、R、及びR〜Rは一般式(1)と同一のものを示す。ただし、一般式(1)においてR=Hの場合に限る。)
    Figure 2017186274
    (式中、R〜R、及びRは一般式(1)と同一のものを示す。ただし、一般式(1)においてR=Hの場合に限る。)
    Figure 2017186274
    (式中、R〜R、及びRは一般式(1)と同一のものを示す。ただし、一般式(1)においてR=Hの場合に限る。)
  12. 第一脱水工程における脱水副生物である式(7)で示されるγ,δ−不飽和アルコールの選択率が0.7%以下、脱水素副生物である式(8)−1〜(8)−4で示されるケトン・アルデヒド類の合計選択率が1.0%以下である請求項11に記載のジエン化合物の製造方法。
  13. 第二脱水工程において、第一脱水工程の副生物である式(7)で示されるγ,δ−不飽和アルコールと式(8)−1〜(8)−4で示されるケトン・アルデヒド類の含有量の合計が1.0質量%以下である、一般式(2)−1及び一般式(2)−2で示される不飽和アルコールを含む組成物を原料として用いることを特徴とする請求項11又は12のいずれかに記載のジエン化合物の製造方法。
  14. 第一脱水工程における反応生成物に未反応原料の除去のみを行って得られた組成物を第二脱水工程の反応原料として用いることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のジエン化合物の製造方法。
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