JP2017186177A - 基礎天端用高流動モルタル組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄筋コンクリート製の布基礎又はベタ基礎等の基礎の立ち上がり部の天端部分に、仕切り材で仕切って流し込んでいても、打継ぎ部の段差、トンボ跡及び初期ひび割れが発生し難い基礎天端用高流動モルタル組成物を提供すること。また、天端部分に仕切り材で仕切って流し込んでいても、打継ぎ部の段差、トンボ跡及び初期ひび割れが発生し難い基礎天端用高流動モルタル。【手段】セメントと、膨張性物質と、ポリカルボン酸系セメント分散剤と、増粘剤と、消泡剤と、細骨材とを特定の割合で含有する。水量が特定の範囲内であると好適である。また、日本建築学会規格JASS 15M−103のフロー試験方法に準じて測定したフロー値が、練り上がり直後から30分後までの間特定の範囲内であると好適である。【選択図】なし

Description

本発明は、基礎天端用高流動モルタル組成物に関する。詳しくは、水平で平らな基礎立ち上がり部の上面(天端)を形成し易い基礎天端用高流動モルタル組成物に関する。また、本発明は、基礎天端の構築方法に関する。詳しくは、水平で平らな基礎立ち上がり部の上面(天端)を形成し易い基礎天端の構築方法に関する。
一般の戸建住宅の多くは、鉄筋コンクリート製の布基礎又はベタ基礎等の基礎の立ち上がり部の上に土台を設置し、その土台に柱、壁材、大引き等を設置し、壁及び床を構築する。これらの壁や柱の上に屋根を構築することで一般の戸建住宅は製造されることが多い。基礎の立ち上がり部の天端部分(以下[天端部分]という。)にコンクリートが硬化する前又は硬化後にレベリング材(基礎天端用高流動モルタル)を型枠内に流し込み、当該天端部分を水平になるようにしている(例えば特許文献1〜3および非特許文献1〜3参照。)。レベリング材は、専用のプレミックスモルタルに所定量の水を加え混練することで、プレミックスモルタル1袋(25kg)〜2袋(50kg)分毎に施工現場で製造していることが多い。レベリング材の流し込み作業は時間が掛かるため、レベリング材を型枠内に流し込むときに、型枠内に一定長さ毎に仕切り材で仕切った上でその仕切り毎に流し込むことが行われることがある。仕切り材までの間にレベリング材を所定高さまで流し込み、次に隣の仕切り材までの区間にレベリング材を流し込んだ後に2つの区間に設置している仕切り材を取り去り、仕切り材を設置していた付近のレベリング材をトンボと呼ばれている板に棒が取り付けてある道具で均しながらレベリング材を所定高さまで流し込むことを繰り返し行い、天端部分全体にレベリング材の流し込みその天端を水平にすることが行われている。
しかし、レベリング材によっては、打継ぎ部に段差ができてしまうこと、トンボで均した後が平らにならず小さな段差(トンボ跡)ができてしまうこと、又は初期ひび割れが発生することがあった。そこで、天端部分に仕切り材で仕切って流し込んでいても、打継ぎ部の段差、トンボ跡及び初期ひび割れが発生し難いレベリング材およびそのためのモルタル組成物(プレミックスモルタル等の水を加える前のセメント、細骨材および混和材料からなる組成物)が望まれていた。
特開2012−202060号公報 特開2012−201533号公報 特開2011−214290号公報
田村 昌仁、"4.住宅基礎の施工と品質管理・現場確認"、[online]、2004年1月、独立行政法人建築研究所 国際地震工学センター、[平成28年1月21日検索]、インターネット<URL:http://iisee.kenken.go.jp/staff/tamura/work/4-1seko/seko.html#nunokiso> 国府田 誠、外、"4.住宅基礎の施工と品質管理・現場確認 2)施工と品質管理(布基礎施工の流れ)"、[online]、2004年3月10日、日本大学理工学部海洋建築学科 国府田・佐藤研究室、[平成28年1月21日検索]、インターネット<URL:http://geotech.ocean.cst.nihon-u.ac.jp/ips/cof/cof.html> 国府田 誠、外、"住宅基礎の施工 基礎施工の事例(べた基礎 撮影協力(株)エスバイエル)"、[online]、2004年7月12日、日本大学理工学部海洋建築学科 国府田・佐藤研究室、[平成28年1月21日検索]、インターネット<URL:http://geotech.ocean.cst.nihon-u.ac.jp/ips/cof/sato.html>
本発明は前記問題の解決、即ち、本発明は、天端部分に仕切り材で仕切って流し込んでいても、打継ぎ部の段差、トンボ跡及び初期ひび割れが発生し難い基礎天端用高流動モルタル組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、天端部分に仕切り材で仕切って流し込んでいても、打継ぎ部の段差、トンボ跡及び初期ひび割れが発生し難い基礎天端用高流動モルタルを提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題解決のため鋭意検討した結果、セメントと、膨張性物質と、減水剤と、増粘剤と、消泡剤と、細骨材とを特定の割合で含有することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、以下の(1)又は(2)で表す基礎天端用高流動モルタル組成物、並びに(3)で表す基礎天端用高流動モルタルである。
(1)(A)セメント30〜50質量%と、(B)膨張性物質1〜10質量%と、(C)減水剤0.1〜1.5質量%、(D)増粘剤0.005〜0.5質量%、(E)消泡剤0.01〜0.5質量%、及び(F)細骨材50〜68質量%を含有することを特徴とする基礎天端用高流動モルタル組成物。
(2)基礎天端用高流動モルタル組成物100質量部に対し20〜35質量部の水で混練した基礎天端用高流動モルタルの日本建築学会規格JASS 15M−103のフロー試験方法に準じて測定したフロー値が、練り上がり直後から30分後までの間265〜295mmであることを特徴とする上記(1)の基礎天端用高流動モルタル組成物。
(3)上記(1)又は(2)の基礎天端用高流動モルタル組成物100質量部と、水20〜35質量部とを含有する基礎天端用高流動モルタル。
本発明によれば、天端部分に仕切り材で仕切って流し込んでいても、打継ぎ部の段差、トンボ跡及び初期ひび割れが発生し難い基礎天端用高流動モルタル組成物が得られる。また、本発明によれば、天端部分に仕切り材で仕切って流し込んでいても、打継ぎ部の段差、トンボ跡及び初期ひび割れが発生し難い基礎天端用高流動モルタルが得られる。
本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物は、(A)セメント30〜50質量%と、(B)膨張性物質1〜10質量%と、(C)減水剤0.1〜1.5質量%、(D)増粘剤0.005〜0.5質量%、(E)消泡剤0.01〜0.5質量%、及び(F)細骨材50〜68質量%を含有することを特徴とする。ここで、セメント用ポリマーを実質的に含まないとは、結合材として用いられるポリマーを、結合材としての機能が発せられる量以上含まないことを云い、好ましくはセメント100質量部に対しセメント用ポリマーが0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下、更に好ましくは0.01質量部以下であり、最も好ましくはセメント用ポリマーを含有しないことである。
本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物に用いるセメント(成分(A))は、水硬性セメントであればよく、例えば普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱の各種ポルトランドセメント、エコセメント、並びにこれらのポルトランドセメント又はエコセメントに、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム又は石灰石微粉末等を混合した各種混合セメント等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用することができる。本発明に用いるセメントとしては、優れた流動性を30分間持続させ易く流し込み施工し易いことから、珪酸カルシウムを主成分とするセメントが好ましい。ここで珪酸カルシウムを主成分とするとは、含まれるセメントクリンカ粉砕物中において珪酸カルシウム鉱物(CS、CS)を50質量%以上含むことをいい、60質量%以上含むものが好ましく、より好ましくは70質量%以上含むものとする。また、混練後のモルタルについてレベリング材としての優れた流動性を30分間持続させ易いことから流し込み施工し易く且つ強度を得易いことから、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント及びエコセメントから選ばれる一種又は二種以上を使用することが更に好ましい。本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物におけるセメントの配合割合は、30〜50質量%とする。30質量%未満では混練後のモルタルについてレベリング材としての優れた流動性とすると材料分離し易く、50質量%を超えると硬化後のモルタルに初期ひび割れが起こり易い。混練後のモルタルについてレベリング材としての優れた流動性としても材料分離がより起こり難く且つ初期ひび割れがより起こり難いことから、本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物におけるセメントの配合割合は、30〜45質量%とすることか好ましく、32〜40質量%とすることが更に好ましく、最も好ましくは34〜37質量%とする。
本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物に用いる膨張性物質(成分(B))は、水和により例えば水酸化カルシウムやエトリンガイト等の水和物の結晶が成長し、嵩体積が大きくなる物質を主要成分とするものであれば何れのものでも良く、具体的には、生石灰、カルシウムサルホアルミネート、無水石膏、マグネシア、石灰系膨張材、エトリンガイト系膨張材等が好適な例として挙げられ、これら又はこれらに類する物質の一種又は二種以上を使用することが可能である。本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物に用いる膨張性物質の配合割合は、1〜10質量%とする。1質量部未満では硬化時の収縮を充分に抑えられず初期ひび割れが起こり易く、10質量%を超えると過膨張による膨張亀裂の虞があるので適当ではない。初期ひび割れがより起こり難く且つ過膨張による膨張亀裂がより入る虞が小さいことから、本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物に用いる膨張性物質の配合割合は、2〜6質量%とするとすることが好ましく、2.5〜5質量%とすることがより好ましい。
本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物に用いる減水剤(成分(C))は、その種類は限定されず、例えば、ポリカルボン酸塩系減水剤、ポリエーテル系減水剤、ナフタレンスルホン酸塩系減水剤、メラミンスルホン酸塩系減水剤及びリグニンスルホン酸塩系減水剤等の各種減水剤が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。成分(C)としては、ポリカルボン酸塩系減水剤及びポリエーテル系減水剤から選ばれる1種又は2種以上を用いることが、レベリング材としての優れた流動性を30分間持続させ易いことから好ましい。減水剤として高性能減水剤又は高性能AE減水剤を用いると、モルタルの強度を高くし易いことから好ましい。本発明における減水剤とは、減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤及び流動化剤等のセメント分散剤のことである。本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物における減水剤(成分(C))の配合割合は、0.1〜1.5質量%とする。成分(C)の配合割合がこの範囲(0.1〜1.5質量%)では、混練後のモルタルについてレベリング材としての優れた流動性を得るための水量を少なくできるため初期ひび割れが起こり難く、材料分離が起こり難く、且つ型枠内に流し込んだモルタルの上面(天端)を平坦にし易い。0.1質量未満では、混練後のモルタルについてレベリング材としての優れた流動性を得るための水量が多く必要なため初期ひび割れが起こり易く、初期ひび割れを起こさないために水量を減らすとレベリング材として流動性が得られず、仕切り材で仕切って流し込んだときに、打継ぎ部の段差及び/又はトンボ跡が発生し易い。また、1.5質量%を超えると、モルタルの凝結が遅れるために材料分離が起こり易く、モルタルの上面(天端)を平坦にし難い。より初期ひび割れが起こり難く、材料分離がより起こり難く、且つ型枠内に流し込んだモルタルの上面(天端)をより平坦にし易いことから、本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物における減水剤(成分(C))の配合割合を、0.2〜1質量%とすることが好ましく、0.3〜0.6とすることがより好ましい。
本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物に用いる増粘剤(成分(D))は、その種類は限定されないが、例えばヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルエチルセルロース(HEEC)等のヒドロキシアルキルアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)やヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等のヒドロキシアルキルセルロース等の水溶性セルロース;アルギン酸、β−1,3グルカン、プルラン、ウェランガム等の多糖類;アクリル樹脂やポリビニルアルコール等のポリビニル化合物;メチルスターチ、エチルスターチ、プロピルスターチ、メチルプロピルスターチ等のアルキルスターチ、ヒドロキシエチルスターチ又はヒドロキシプロピルスターチ等のヒドロキシアルキルスターチ、或いは、ヒドロキシプロピルメチルスターチ等のヒドロキシアルキルアルキルスターチ等スターチエーテル等が好ましい例として挙げられ、これらの一種又は二種以上の使用が可能である。増粘性に優れ、保水性もあり硬化したコンクリート表面上に打ち継ぐときにモルタル中の水を接する硬化コンクリートに吸われ難く所謂ドライアウトといわれる現象が起こり難いことから、本発明で用いる成分(D)としては水溶性セルロースが好ましい。本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物における増粘剤(成分(D))の配合割合は、0.005〜0.5質量%とする。この範囲(0.005〜0.5質量%)では、混練後のモルタルをレベリング材としての優れた流動性としても材料分離が起こり難く且つ型枠内に流し込んだモルタルの上面(天端)を平坦にし易い。混練後のモルタルをレベリング材として求められる優れた流動性としても材料分離がより起こり難く且つ型枠内に流し込んだモルタルの上面(天端)をより平坦にし易いことから、本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物における増粘剤(成分(D))の配合割合は、0.01〜0.2質量%とすることがより好ましく、0.02〜0.1質量%とすることが更に好ましい。
本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物に用いる消泡剤(成分(E))は、その種類は限定されないが、例えば、市販のセメント用消泡剤、市販のセメントモルタル用消泡剤又は市販のコンクリート用消泡剤の他、他用途の鉱物油系、エーテル系、シリコーン系等の消泡剤、トリブチルフォスフェート、ポリジメチルシロキサン又はポリオキシアルキレンアルキルエーテル系非イオン界面活性剤が好適な例として挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。また、本発明に用いる消泡剤としては、液体のものでも粉末状のものでもよいが、プレミックスモルタルとするときは、消泡剤を均一に分散させ易いことから、成分(E)としては粉末状のものが好ましい。粉末状の消泡剤としては、液体消泡剤を、シリカ粉末等の無機質粉末に担持させて粉末状にしたものも用いることができる。本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物における消泡剤(成分(E))の配合割合は、0.01〜0.5質量%とする。この範囲(0.01〜0.5質量%)では、混練時にモルタルに巻き込まれた空気によって型枠内に流し込んだモルタルの上面(天端)に見られ易い気泡あばたの出現を防ぎ、平坦な天端を得易い。0.01質量%未満では消泡剤を混和する効果(消泡効果)が得難く、0.5質量%を超えて添加しても気泡あばたの出現を防ぐ効果に向上は見られず、材料コストの増大を招くだけである。消泡剤の効果が充分得られ且つ型枠内に流し込んだモルタルの上面(天端)をより平坦にし易いことから、本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物における消泡剤(成分(E))の配合割合は、0.05〜0.3質量%とすることがより好ましく、0.08〜0.2質量%とすることが更に好ましい。
本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物に用いる細骨材(成分(F))は、その種類は限定されないが、例えば、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、人工細骨材、スラグ細骨材、石粉等から選ばれる1種又は2種以上を好適に用いることができる。成分(F)としては、石粉を用いることが、型枠内に流し込んだモルタルの上面(天端)を平坦にし易いことから好ましい。ここで用いる石粉としては、石灰石粉末等の炭酸カルシウム粉末が好ましい。細骨材の最大粒子径は2.5mm以下(公称目開き2.5mmの篩を全通すること)が好ましく、より好ましくは最大粒子径が1.2mm以下(公称目開き1.18mmの篩を全通)の細骨材を使用する。本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物における細骨材(成分(F))の配合割合は、50〜68質量%とすることがより好ましい。この範囲(50〜68質量%)では、初期ひび割れが起こり難く、材料分離が起こり難く且つ型枠内に流し込んだモルタルの上面(天端)を平坦にし易い。より初期ひび割れが起こり難く、材料分離がより起こり難く、且つ型枠内に流し込んだモルタルの上面(天端)をより平坦にし易いことから、本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物における細骨材(成分(F))の配合割合は、55〜65質量%とすることが好ましく、57〜63質量%とすることが更に好ましい。成分(F)として石粉を用いる場合は、石粉の質量(a)と石粉以外の細骨材の質量(b)との比率を、a/bで、0.8〜3が好ましく、1〜2が更に好ましい。a/bが0.8未満では石粉を含有する効果、即ち、モルタル表面のすべり性の向上による天端を平坦にし易くなる効果が得られず、a/bが3を超えるとモルタルの粘性が上がり易く、レベリング材を流し込んでから時間が経つと天端を平坦にし難い。
本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物には、上記以外の混和材料から選ばれる一種又は二種以上を本発明の効果を実質損なわない範囲で併用することができる。このような成分としては、例えば、セメント用ポリマー、防水材、防錆剤、収縮低減剤、顔料、繊維、撥水剤、白華防止剤、急結剤(材)、急硬剤(材)、凝結促進剤、凝結遅延剤、顔料、発泡剤、起泡剤、消石灰、シリカフュームや火山灰等のポゾラン、高炉スラグ粉末、空気連行剤、表面硬化剤等が挙げられる。また、本発明で使用される混和材料は、粉末状でも水溶液状でも使用可能である。
本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物は、V型混合機や可傾式コンクリートミキサ等の重力式ミキサ、ヘンシェル式ミキサ、リボンミキサ、ナウタミキサ、噴射式ミキサ等のミキサにより、所定量の上記各材料を混合することで製造する方が、各材料の偏在が抑えられることから好ましい。このとき用いるミキサは、連続式ミキサでもバッチ式ミキサでも良い。各材料のミキサ内への投入順序は特に限定されない。一種ずつ添加してもよく、一部又は全部を同時に添加してもよい。また、袋やポリエチレン製容器等の容器に各材料を計り取り投入する方法により、本発明の初期膨張性セメント組成物を製造することもできる。また、予め使用する材料を2以上に分け、その分けた材料の一部又は全部をそれぞれ予め混合し、当該混合物と残りの材料をミキサに投入し混合することで、本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物を製造することもできる。本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物は、各材料を乾式混合したプレミックスモルタルとすることが短時間で練混ぜでき、且つ所定量の水と混練するだけで優れたレベリング材が得られることから好ましい。
本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物は、当該モルタル組成物100質量部に対し、20〜35質量部の水と混練して用いることが好ましい。この範囲であると混練し易く、初期ひび割れが起こり難く、材料分離が起こり難く、且つ型枠内に流し込んだモルタルの上面(天端)を平坦にし易い。より初期ひび割れが起こり難く、材料分離がより起こり難く、且つ型枠内に流し込んだモルタルの上面(天端)をより平坦にし易いことから、本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物は、当該モルタル組成物100質量部に対し、23〜30質量部の水と混練して用いることがより好ましく、25〜28質量部の水と混練することが最も好ましい。本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物を水と混練するときは、グラウトミキサやハンドミキサ等のミキサで混練し製造することが好ましい。基礎天端用高流動モルタル組成物は、1回の混練における練混ぜ量が少ない(25〜50kg)ことが多こと、及び混練後は高い流動性が必要なことから、回転数1000r.p.m.以上のハンドミキサで混練することが最適である。
本発明の基礎天端用高流動モルタル組成物は、上記水と混練後のモルタル(基礎天端用高流動モルタル)が、日本建築学会規格JASS 15M−103のフロー試験方法に準じて測定したフロー値が、練り上がり直後から30分後までの間265〜295mmであること好ましい。当該フロー値(以下「JASSフロー値」という。)が練り上がり直後から30分後までの間前記範囲内であると、天端部分に仕切り材で仕切って混練後のモルタルを流し込むときに、流し込み作業を行い易く且つ、材料分離が起こり難く、且つ型枠内に流し込んだモルタルの上面(天端)を平坦にし易いことから好ましい。材料分離がより起こり難く、且つ型枠内に流し込んだモルタルの上面(天端)をより平坦にし易いことから、混練後のモルタルのJASSフロー値が練り上がり直後から30分後までの間、268〜295mmであることがより好ましい。ここで、練り上がり直後とは混練終了後のことをいい、30分後とは混練終了30分後のことをいう。
本発明の基礎天端用高流動モルタルは、上記の基礎天端用高流動モルタル組成物と、上記水量の水とを混合、即ち混練したモルタルである。混練には、グラウトミキサやハンドミキサ等のミキサを用いることが好ましく、回転数1000r.p.m.以上のハンドミキサが最適である。製造した基礎天端用高流動モルタルは、通常のレベリング材(基礎天端用高流動モルタル)と同様に、基礎の立ち上がり部の天端部分を水平に形成することができる。
[実施例1]
以下に示す材料を使用し、表1に示す配合割合となるようにモルタル組成物(プレミックスモルタル)を作製した。作製したモルタル組成物2kgと表2に示す割合の水とを容量2Lのポリビーカーに投入後、90秒間ハンドミキサ(回転数:1100r.p.m.)で混練することでモルタル(混練物)を作製した。
<使用材料>
セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製、珪酸カルシウム鉱物を70質量%以上含有)
膨張性物質1:石灰系膨張材(太平洋マテリアル株式会社製「太平洋エクスパン(構造用)」(商品名))
膨張性物質2:無水石膏(フッ酸石膏、市販品)
細骨材1:珪砂(3種の混合珪砂、最大粒子径が1.2mm以下(公称目開き1.18mmの篩を全通))
細骨材2:炭酸カルシウム粉末(石灰石粉末、最大粒子径が0.3mm以下(公称目開き300μmの篩を全通))
増粘剤:水溶性セルロースエーテル(信越化学工業株式会社製、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
減水剤1:ポリエーテル・ポリカルボン酸系高性能減水剤(BASFジャパン製「メルフラックス6681F」(商品名)、粉末)
減水剤2:ポリカルボン酸系高性能減水剤(花王社製「マイテイ21P」(商品名)、粉末)
減水剤3:ポリカルボン酸系高性能減水剤(太平洋マテリアル社製「コアフローNF−100」(商品名)、粉末)
減水剤4:ポリカルボン酸系高性能減水剤(太平洋マテリアル社製「コアフローNF−200」(商品名)、粉末)
減水剤5:メラミン系高性能減水剤(BASFジャパン製「メルメントF10M」(商品名)、メラミン樹脂スルホン酸ホルマリン縮合物、粉末)
消泡剤:ポリエーテル系消泡剤(サンノプコ社製「SNデフォーマーAHP」(商品名))
水:佐倉市上水
Figure 2017186177
作製したモルタルの品質試験として、以下に示す通り、フロー試験およびモルタル打設試験を行った。これらの結果及び評価を表2に示した。
<品質試験方法>
(1)フロー試験
日本建築学会規格JASS 15M−103のフロー試験方法に準じて、練上がり直後とその30分後のフロー値を測定した。30分後のフロー値の測定の前に、モルタルナイフで静置していたモルタルを20回攪拌後にフロー値の測定を行った。

(2)モルタル打設試験
コンクリート製平板を下地として、このコンクリート製平板に、幅100mm×長さ280mm×深さ10mmの流し込み区画を樹脂製目地材(10mm角)により形成し、この流し込み区画の長さ方向の中央に仕切り材を配置し、仕切られた一方に作製したモルタル(レベリング材)を厚さ10mmまで充填した10分後に、もう一方の仕切られたところに同じモルタルを厚さ10mmまで充填した後に仕切り材を取り去り、先に充填したモルタルと同じ厚みになるように充填した。
モルタルを充填後直ちに、トンボ(10mm角×長さ50mm(トンボとしての幅)の木製角材に柄の付いたもの)により、仕切り材を配置していた付近(打継部)のモルタル表面を軽く1回均した後、そのまま静置した。尚、モルタルの充填(打設)前日に、流し込み区画のコンクリート表面に、吸水調整材を塗布した。
翌日、打ち継いだモルタルのなじみ具合(表面の段差の有無)を目視および指で触り確認した。
また、トンボで均したときにできた小さな段差であるトンボ跡の有無を、目視および指で触り確認した。
また、硬化したモルタル表面における初期ひび割れ発生の有無(初期ひび割れ抵抗性)を目視により確認した。
段差の測定結果、なじみの具合、トンボ跡の有無、施工面平滑性、初期ひび割れの有無を表2に示した。それぞれの評価は以下のように判断した。

・なじみ具合
打継部に水平方向の段差(高さの違い)が見られた場合を「不良(×)」、段差が分からなかった場合を「良好(○)」と判断、評価した。

・トンボ跡の有無
トンボ跡が見られた場合を「不良(×)」、トンボ跡が分からなかった場合を「良好(○)」と判断、評価した。

・施工面平滑性
「なじみ具合」および「トンボ跡の有無」の評価が何れも「良好(○)」である場合を施工面平滑性の評価を、施工面平滑性が「良好(○)」と判断し、それ以外、即ち、「なじみ具合」および「トンボ跡の有無」の評価が少なくとも一方が「不良(×)」である場合を、施工面平滑性が「不良(×)」と判断した。

・初期ひび割れ抵抗性
モルタルを流し込んだ翌日に、硬化したモルタル表面に初期ひび割れが見られた場合を、初期ひび割れ抵抗性が「不良(×)」と判断し、硬化したモルタル表面に初期ひび割れが見られなかった場合を、初期ひび割れ抵抗性が「良好(○)」と判断した。
Figure 2017186177
本発明の実施例に当たる実施品1〜5は何れも、打継部に水平方向の段差(高さの違い)が見られず且つトンボ跡が分からなかったことから、施工面平滑性が「良好(○)」で、初期ひび割れ抵抗性も、「良好(○)」であった。
本発明は、一般の戸建住宅等の基礎の立ち上がり部の天端部分を水平に構築することに、好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. (A)セメント30〜50質量%と、(B)膨張性物質1〜10質量%と、(C)減水剤0.1〜1.5質量%、(D)増粘剤0.005〜0.5質量%、(E)消泡剤0.01〜0.5質量%、及び(F)細骨材50〜68質量%を含有することを特徴とする基礎天端用高流動モルタル組成物。
  2. 基礎天端用高流動モルタル組成物100質量部に対し20〜35質量部の水で混練した基礎天端用高流動モルタルの日本建築学会規格JASS 15M−103のフロー試験方法に準じて測定したフロー値が、練り上がり直後から30分後までの間265〜295mmであることを特徴とする請求項1に記載の基礎天端用高流動モルタル組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の基礎天端用高流動モルタル組成物100質量部と、水20〜35質量部とを含有する基礎天端用高流動モルタル。
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