JP2017185229A - 光学撮像装置を制御する方法、これを記憶する記憶媒体、コントローラー、及び光学撮像装置 - Google Patents

光学撮像装置を制御する方法、これを記憶する記憶媒体、コントローラー、及び光学撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】補償光学系を有する撮像装置において、波面補償を適切に実行する。【解決手段】光学撮像装置を制御するための方法、コントローラー及び非一時的媒体。波面データの品質を表す品質データを受け取る。品質データを閾値と比較する。波面データが十分な品質である場合、通常の補償光学系フィードバックを行う。波面データが十分な品質でない場合、初期調節を行う。初期調節は、被検体上に光が放射される光学経路を変更するための制御情報を送信することを含む。初期調節後、光学経路が変更された後の新たな波面データに基づいて新たな品質データを受け取る。品質情報が、波面データが十分な品質であることを示す場合、通常の補償光学系フィードバックを行う。新たな波面データが十分な品質でないことを示す場合、初期調節を再実行する。【選択図】図6

Description

本開示は、眼底を撮像するために用いられる補償光学系を制御する光学撮像装置を制御する方法、これを記憶する記憶媒体、該制御を行うコントローラー、及び光学撮像装置に関する。
2つの次元において眼底をレーザーで照射する走査型レーザー検眼鏡(SLO)、低コヒーレンス光の干渉を利用する光干渉断層計(OCT)等の、検眼鏡、眼科用撮像装置、眼底撮像システムが開発され、商品化されてきた。このため、SLO及びOCTは、正常な眼及び病気の眼の双方における人間の眼底の研究のための重要なツールとなっている。
そのような眼科用撮像装置の分解能は、近年、例えば、高いNAの照射レーザー光を達成することによって改善されてきた。一方、眼底の画像が取得されるとき、画像は、角膜及び水晶体を含む視覚組織を通じて取得されなくてはならない。分解能が高まると、角膜及び水晶体の収差が、取得される画像の品質に大幅に影響を及ぼすようになる。
これらの光学系の分解能を改善するために、眼の収差を測定し補正する補正光学系を具備するAO−SLO及びAO−OCTに関する技術が追求されてきた。AO−SLO及びAO−OCTは通常、シャックハルトマン波面センサーシステムを用いて眼の波面を測定する。形状可変ミラー又は空間位相変調器は、測定された波面を補正するように駆動され、これによって、AO−SLO及びAO−OCTが高分解能の眼底の画像を取得することが可能になる。
本発明は、被検体上に測定光を照射し、波面測定デバイスを用いて、被検体において生成された波面収差を測定し、波面補正デバイスを用いて収差を補正し、被検体の光学画像を取得するように構成された光学撮像装置を制御する方法を含む。本方法は、波面データの品質を表す品質データの第1の組を受け取ることを含む。波面データは、被検体において生成された波面収差の測定値(推定値)である。本方法は、品質データの第1の組を第1の閾値と比較することを更に含む。
また、本発明では、品質情報の第1の組の比較において波面データが十分な品質であることを示す第1の事例において、通常の補償光学系フィードバックを行う。通常の補償光学系フィードバックは、受け取った波面データに基づく波面の推定形状に基づいて収差を補正するように光学撮像装置に命令する制御情報の第1の組を光学撮像装置に送信することを含む。通常の補償光学系フィードバックは、再取得された波面データに基づいて波面の形状を再推定するとともに、波面の再推定された形状に基づいて収差を補正するように光学撮像装置に命令する制御情報の新たな第1の組を光学撮像装置に送信することを更に含む。
また、本発明では、品質情報の第1の組の比較において波面データが十分な品質でないことを示す第2の事例において、初期調節を行う。初期調節は、測定光が被検体上に放射される光学経路を変更するように光学撮像装置に命令する制御情報の第2の組を光学撮像装置に送信することを含む。また、初期調節は、光学経路が変更された後に新たな波面データに基づく品質データの新たな第1の組を受け取ることを更に含む。更に、初期調節は、品質データの新たな第1の組を第1の閾値と再比較することを更に含む。
また、本発明では、品質情報の新たな第1の組の比較において波面データが十分な品質であることを示す第3の事例において、光学経路が制御情報の第2の組に基づいて調節される通常の補償光学系フィードバックが行われる。
また、本発明では、品質情報の新たな第1の組の比較において波面データが十分な品質でないことを示す第4の事例において、制御情報の新たな第2の組に基づいて初期調節が再実行される。
また、本発明は、品質データの第1の組を受け取る前に、波面補正ユニットは、被検体に関連付けられた光学処方データに基づいて既知の光学収差を補正する、上記で説明した方法を含む。
また、本発明において、光学経路を変更することは、波面補正ユニット以外の第2の補正ユニットの位置を調節することを含む。
また、上述した方法において、第2の補正ユニットは、レンズ及びミラーを含む群から選択された少なくとも1つ又は複数の合焦光学部品を含み、制御情報の第2の組は、光学撮像装置が少なくとも1つ又は複数の合焦光学部品を動かすための命令を実行することを含む。
また、上述した方法において、波面補正デバイスは、形状可能ミラー又は空間光位相変調器のうちの一方である。
また、上述した方法において、波面測定デバイスは、複数のハルトマンスポットを検出するシャックハルトマンセンサーである。
また、上述した方法において、品質データの第1の組は、複数のハルトマンスポットの数値カウントに基づく。
また、上述した方法において、品質データの第1の組は、複数のハルトマンスポットの複数の直径に基づく。
また、上述した方法において、品質データの第1の組は、複数のハルトマンスポットの信号強度データに基づく。
また、上述した方法において、通常の補償光学系フィードバックは、フィードバックループを形成するように繰り返し行われる。
また、上述した方法は、通常の補償光学系フィードバックの連続使用と並列にスポットを走査することによって、被検体の光学画像を取得するように撮像装置を制御することを更に含む。
また、上述した方法では、品質情報の新たな第1の組と第1の閾値との比較において波面データが十分な品質であることを示すまで繰り返し行われ、品質情報の第1の組と第1の閾値との比較において波面データが十分な品質であることが示された後、通常の補償光学系フィードバックの連続使用と並列にスポットを走査することによって、被検体の光学画像を取得するように撮像装置が制御される。
また、上述した方法において、繰り返し行われる初期調節は、品質情報の新たな第1の組と第1の閾値との比較において波面データが十分な品質であることを示すまで、フォーカス変更をするように1つ又は複数の合焦光学部品の位置を調節することによって光学経路を変更する第1の部分と、品質情報の新たな第1の組と第2の閾値との比較において波面データが十分な品質であることを示すまで、非点収差を変更するように1つ又は複数の合焦光学部品の位置を調節することによって光学経路を変更する第2の部分とを含む。上述した方法では、品質情報の新たな第1の組と第1の閾値及び第2の閾値との比較において波面データが十分な品質であることを示した後、通常の補償光学系フィードバックの連続使用と並列にスポットを走査することによって、被検体の光学画像を取得するように撮像装置が制御されることを更に含む。
上述した方法において、品質データの第1の組は、波面データの異なる質的側面を表す複数の要素を含み、第1の閾値は、波面データの異なる質的側面のために異なる閾値を与える複数の要素を含む。また、品質データの第1の組を第1の閾値と比較することは、波面データの特定の質的側面に関連付けられた品質データの第1の組のこれらの要素を、波面データの質的側面に関連付けられた閾値と比較することを含む。
また、本発明は、上述した方法を行うための命令を符号化された非一時的コンピューター可読媒体も含む。
更に、本発明は、上述した方法による光学撮像装置を制御するためのコントローラーも含む。このコントローラーは、上記で説明した方法のステップを実行するためのプロセッサ及びメモリを備える。
更に、本発明は、光学撮像装置及び上述したコントローラーを備える装置も含む。
次に、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を成す添付の図面が例示的な実施形態を示す。
一実施形態において用いられるシステムの一部分の一般化された図である。 一実施形態において用いられるシステムの一部分の一般化された図である。 一実施形態において用いられるシステムの一部分の一般化された図である。 一実施形態において用いられるシステムの一部分の一般化された図である。 一実施形態において用いられ得る波面センサー及びハルトマンスポットの一般化された図である。 一実施形態において用いられ得る波面センサー及びハルトマンスポットの一般化された図である。 波面センサーによって検出される波面スポットの例である。 波面センサーによって検出される波面スポットの例である。 波面センサーによって検出される波面スポットの例である。 波面センサーによって検出される波面スポットの例である。 一実施形態を実施することができる装置の一般化された図である。 一実施形態において実施することができる方法のフローチャートである。 一実施形態において実施することができる方法のフローチャートである。 一実施形態において実施することができる方法の一部分のフローチャートである。 一実施形態において実施することができる方法の一部分のフローチャートである。 一実施形態において実施することができる方法のフローチャートである。 一実施形態において実施することができる方法の一部分のフローチャートである。 一実施形態において実施することができる方法の一部分のフローチャートである。 一実施形態において実施することができる方法のフローチャートである。 一実施形態において実施することができる方法の一部分のフローチャートである。 一実施形態において実施することができる方法の一部分のフローチャートである。 一実施形態において用いることができるコントローラーの図である。
以下で、添付の図面を参照して実施形態が説明される。同様の番号は、全体を通じて同様の要素を指す。例示的な実施形態は、以下で図面を参照して詳細に説明される。以下の説明は本質的に、説明的及び例示的なものにすぎず、いかなる形でも、本開示及びその用途又は使用を限定することを意図していない。実施形態において示されるコンポーネントの相対的構成、並びに、ステップ、数値表現及び数値は、別段の具体的な指示がない限り、本開示の範囲を限定しない。当業者によってよく知られている技法、方法及びデバイスは、以下で論考する実施形態を可能にするために当業者がこれらの詳細を知る必要がないので、詳細に論考されていない場合がある。さらに、以下で説明されるように、眼を調べるのに用いられる以下で開示される画像撮像装置は、限定ではないが、肌、内臓を含む他の対象物を調べるのに用いられる場合もある。
[補償光学系]
補償光学系は通常、フィードバックループ型システムを用いて制御される。これらのAOフィードバックループにおいて、収差が測定され、次に、収差が次々と連続して補正される。波面が誤って測定されると、波面補正器は実際の収差を補正する事ができず、実際に更なる収差を生成する場合があるため、波面測定はこのフィードバックループの鍵となる。測定プロセスを低速化することによって、場合によって測定にアーチファクトが加わることになる。
波面測定の正確度を改善するために、ピンホールを波面センサーの前に配置して、網膜以外から、特に角膜から到来する光を遮断する。このピンホールは、光学系における他の光学素子からの後方反射光も遮断することができる。図1A及び図1Bは、そのようなシステムの一般化された図である。図1Aは、波面センサー115を備えるシステムによって撮像されている眼111等の被検体を示す。ピンホール121は、眼111と波面センサー115との間に配置される。ピンホール121は、2つのレンズ122及び123の間にも配置される。ピンホール121は、外部光が波面センサー115に到達しないように、2つのレンズ122及び123間に位置決めされる。図1Bに示すように、ピンホールのサイズは、角膜からの光を遮断するようになっている。
図1Aに示すように、ピンホール121は、主に眼111の網膜からの光を通すことを可能にする。このピンホール121は、図2Aに示すように収差が小さい眼の場合に効果的に機能するが、眼の収差が大きい場合、図2Bに示すように、網膜からの光の大部分がピンホール121によって遮断される場合がある。結果として、波面センサー115上のスポット数が減少し、各スポットの信号強度が弱まる。
収差を含む眼からの光は、ピンホール121を通過する光の量を制限するのみでなく、波面センサー115におけるスポット検出に対しても影響を有する。図3Aに示すように、眼からの低い収差を含む光は、波面センサー115のCCDセンサー表面325上に小さなハルトマンスポット324を形成することができる。ハルトマンスポット324が小さいとき、スポットの強度の中心(又は重心)を検出し、波面の形状を形成することが容易である。図3Bに示すように、光が収差を含む場合、ハルトマンスポット324はぼやけ、強度の中心(又は重心)を検出することが困難になり得る。
図4Aは、正常な眼からのハルトマン画像と、このハルトマン画像に基づく瞳孔の推定ロケーションを示す白色のターゲット(白抜きの円)の図である。図4Bは、近視眼からのハルトマン画像と、このハルトマン画像に基づく瞳孔の推定ロケーションを示す灰色のターゲット(内側の白抜きの円)と、システムアライメントに基づく照明ビームの相対ロケーションを示す白色のターゲット(外側の白抜きの円)の図である。図4Cは、正常な眼のハルトマン画像からの9個のスポットのズームイン画像である。図4Dは、近視眼のハルトマン画像からの9個のスポットのズームイン画像である。
ぼやけたスポットの中心を特定すること等の波面測定を行うことに関連する問題により、測定が不正確になる可能性がある。測定された収差データは正しくないため、AO制御がそのような誤った測定から開始する場合、AOフィードバックは、良好に補正されたステータスを決して達成することができない。換言すれば、初期制御値が理想的なシステムから大きく外れている場合、AO制御は偽最小になる可能性がある。本出願人は、AOフィードバック制御ループが、これらの異常条件から計算された収差データから開始するべきでないと判断した。
[検眼鏡]
第1の実施形態は、図5に示す撮像装置等の眼底画像撮像装置(検眼鏡)を参照して説明される。
実施形態は、検眼鏡100等の撮像システムと関連して用いられるシステム、方法、非一時的コンピューター可読媒体及びソフトウェアを対象とする。図5は、例示的な検眼鏡100の図である。検眼鏡100は、眼111の内部(例えば、眼底)に関する情報を得るためのシステム又は装置である。
例示的な実施形態は、走査検眼鏡とすることができる。走査検眼鏡は、眼111にわたるスポットを走査する。スポットは、眼111にわたって走査される光源101からの光のスポットとすることができる。
例示的な実施形態では、光のスポットは光源101によって生成される。光源101は、検眼鏡100に組み込むことができ、代替的に、検眼鏡100は、光源101を受けるための入力を含むことができる。光源101のための入力は、単一モード光ファイバー102を介した入力又は自由空間入力(図示せず)とすることができる。光源101は、レーザー、広帯域光源、又は複数の光源とすることができる。例示的な実施形態では、光源101は、840nmの波長を有するスーパールミネッセントダイオード(SLD)光源である。光源101の波長は、特に限定されていないが、眼底画像撮像のための光源101の波長は、適切には、調べられている被検体である人が受ける眩しさを低減し、かつ撮像分解能を維持するために、約800nm〜1500nmの範囲に設定される。
例示的な実施形態では、光源101から放出される光は、単一モード光ファイバー102を通過し、コリメーター103によってコリメートされた光(測定光105)として放射される。
例示的な実施形態では、照射される光の偏光は、単一モード光ファイバー102の経路に設けられる偏光調節部材(図示せず)によって調節することができる。代替的な構成では、光源101は偏光され、単一モード光ファイバー102は、偏光保持ファイバーである。別の構成では、偏光調節部材は、コリメーター103の後ろに配置することができる。代替的に、偏光調節部材は、偏光板と置き換えることができる。代替的な実施形態では、照射される光は、偏光されていない場合があるか、偏光解消されている場合があるか、又は偏光が制御されていない場合がある。
コリメーター103から放射された測定光105は、ビームスプリッターを含む光分割部104を通過する。例示的な実施形態は、補償光学系を含む。
補償光学系は、光分割部106の例であるビームスプリッターと、波面センサー115と、波面調節デバイス108と、ピンホール121と、レンズ122と、レンズ123と、測定光105をこれらのコンポーネントに及びこれらのコンポーネントから誘導するための反射ミラー107−1〜107−4を備える。反射ミラー107−1〜107−4は、眼111の瞳孔、波面センサー115及び波面調節デバイス108に、及びこれらから測定光105を誘導するように設けられる。反射ミラーは、レンズ及び/又は開口等の適切な光学部材と置き換えることができる。同様に、レンズは、ミラーと置き換えることができる。波面センサー115及び波面調節デバイス108は、光学的共役関係にあることができる。ビームスプリッターは、光分割部106として用いることができる。波面センサー115は、眼から到来する光の波面を表す情報を収集するシャックハルトマンセンサー又は他のタイプのセンサーとすることができる。
ピンホール121は、波面センサー115と光分割部106との間に配置することができる。レンズ122は、光分割部106とピンホール121との間に配置することができる。レンズ123は、光分割部106と波面センサー115との間に配置することができる。ピンホール121、レンズ122及びレンズ123は、網膜の表面からの光が波面センサー115によって検出されるのに対し、他の光が遮断されることを確実にするように配置される。レンズ122及び123は、ミラーと置き換えることができる。
光分割部106を通る測定光105は、波面調節デバイス108に入るように反射ミラー107−1及び107−2によって反射される。測定光105は、波面調節デバイス108によって反射され、反射ミラー107−3及び107−4によって更に反射される。
波面調節デバイス108は、透過デバイス又は反射デバイスとすることができる。波面調節デバイス108は、波面調節デバイス108に入るビームにわたって相対的な位相が調節されることを可能にするアドレス指定可能な空間光位相変調器とすることができ、それによって、波面調節デバイス108から出るビームにわたって相対的な位相が調節可能となる。例示的な実施形態では、液晶素子を備える1つ又は2つの空間光位相変調器が、波面調節デバイス108として用いられる。液晶素子は、特定の偏光の成分のみの位相を変調することができる。この場合、2つの液晶素子を用いて、測定光105の実質的に直交する偏光された成分を変調することができる。代替的な実施形態では、波面調節デバイス108は形状可変ミラーである。
ミラー107−4から反射される測定光105は、走査光学系109によって2次元で走査される。例示的な実施形態では、走査光学系109は、第1のスキャナー109−1及び第2のスキャナー109−2を備える。第1のスキャナー109−1は第1の軸を中心に回転するのに対し、第2のスキャナー109−2は第2の軸を中心に回転する。第1の軸は、第2の軸に実質的に直交する。本開示において、実質的にとは、システムのアライメント及び測定の許容範囲内にあることを意味する。走査光学系109は、走査エリアを眼底の様々な部分に対しステアリングするのに用いられる1つ又は複数の追加のスキャナー(図示せず)を含むことができる。
図5は、第1のスキャナー109−1がx−y平面において回転しているのに対し、第2のスキャナー109−2がz−x平面において回転していることを示す。本開示において、第1の軸を中心に第1の平面において測定光105を回転させることは、第1の面において測定光105を回転させることと等価であり、物体が撮像される主走査方向又は横方向に光のスポットを走査することと等価である。本開示において、第2の軸を中心に第2の平面において測定光105を回転させることは、撮像されている物体の副走査方向又は長手方向において光のスポットを走査することと等価である。副走査方向は、主走査方向に実質的に直交している。
第1のスキャナー109−1の走査期間は、第2のスキャナー109−2の走査期間未満である。第1のスキャナー109−1及び第2のスキャナー109−2の順序は、例示的な実施形態の動作に影響を及ぼすことなく交換することができる。第1のスキャナー109−1は、共振走査モードで動作することができる。
例示的な実施形態では、走査光学系109は、第1の軸を中心に、及び第1の軸に対し実質的に直交する第2の軸を中心に回転する単一チップチルトミラーとすることができる。例示的な実施形態は、非機械的ビームステアリング技法も用いることができる。
例示的な実施形態では、第1のスキャナー109−1及び第2のスキャナー109−2はガルバノスキャナーである。別の例示的な実施形態では、第1のスキャナー109−1及び第2のスキャナー109−2のうちの一方がレゾナントスキャナーである。レゾナントスキャナーは、主走査方向に用いることができる。レゾナントスキャナーは、特定の周波数で振動するようにチューニングすることができる。スキャナー109−1、109−2と他の光学部品との間にレンズ、ミラー、開口等の更なる光学部品が存在してもよい。これらの追加の光学部品は、眼111、波面調節デバイス108、波面センサー115及び検出器である光強度センサー114の全て又はそれらのうちの1つ若しくは複数と光学的に共役するような方式で、光がスキャナー上に焦点を合わせられるように構成することができる。
走査光学系109によって走査される測定光105は、接眼レンズ110−1及び110−2を通じて眼111に放射される。眼111に放射される測定光は、眼底によって反射、散乱又は吸収される。接眼レンズ110−1及び110−2は、位置を調節され、眼111のジオプターに従って、測定光105の適切な照射を行うことができる。レンズは、この実施形態において、接眼レンズ部分のために用いることができるが、球面鏡等の他の光学部品も用いられてもよい。
眼111の眼底による反射、蛍光、及び/又は散乱によって生じる戻り光は、次に、入射光と同じ経路に沿って逆方向に進行する。戻り光の一部は光分割部106によって波面センサー115に反射され、光ビーム波面を測定するために用いられる。
例示的な実施形態において、シャックハルトマンセンサーは、波面センサー115として用いられる。一方、例示的な実施形態は、シャックハルトマンセンサーに限定されない。別の波面測定ユニット、例えば、曲率センサーが用いられてもよく、又は、スポット画像からの逆計算によって波面を得る方法も用いられてもよい。
図5において、戻り光が光分割部106を通過するとき、その一部が光分割部104において反射され、コリメーター112及び光ファイバー113を通じて光強度センサー114に誘導される。光強度センサー114は、光を電気信号に変換する。電気信号は、PC117又は他の適切な処理デバイスによって、被検体の画像に変換する処理がなされ、この画像がディスプレイ118上で表示される。
波面センサー115は、補償光学系コントローラー(以下コントローラー116)に接続される。受け取った波面はコントローラー116に転送される。波面調節デバイス108は、補償光学系制御ユニットにも接続され、コントローラー116によって命令されるとおりに変調を行う。コントローラー116は、変調量(補正量)を計算して、波面センサー115の測定結果によって得られる波面に基づいて、より少ない収差を有する波面を得て、波面調節デバイス108に、変調量に従って変調を行うように命令する。波面測定、及び波面調節デバイスに対する命令は、繰り返され、適切な波面を得るようにフィードバック制御が行われる。
例示的な実施形態では、光分割部104及び/又は106は、溶融型ファイバーカプラーである。代替的な例示的実施形態では、光分割部104及び/又は106は、部分的に反射性のミラーを備えることができる。別の代替的な例示的実施形態では、光分割部104及び/又は106は、二色性反射体を備えることができ、この場合、光の異なる波長が、眼底の画像を得るために用いられ、その後、補償光学系を制御する空間位相画像を検出するために用いられる。
光強度センサー(検出器)114は、走査スポットに関連付けられた戻り又は蛍光を検出することができる。検出システムは、共焦点顕微鏡法による技法を利用することができる。この技法では、走査スポットに関連付けられた開口部を用いて、検出システムの分解能及び/又はコントラストを増大させる。
上記で説明された補償光学系は、少なくとも、波面センサー115及び波面調節デバイス108を備えることができ、それによって、被検体の眼の収差を測定及び補正することができる。形状可変ミラー(DM)又は空間光位相変調器(SLM)を、波面調節デバイス108として用いることができる。通常のSLMは多数のアクチュエーターを有するので、DMよりも正確に波面を変調することができる。シリコン上液晶型空間光変調器(LCOS−SLM)は、波面調節デバイス108として用いることができる。LCOS−SLM108は、被検体を照明するのに用いられるビームの位相の正確な空間変調を与えるように制御することができる。
近視、遠視及び乱視は、眼の主要な収差であり、これらの収差によって問題が生じる。しかし、AO系は、波面検知データが正しくないため、波面検知データを用いてこれらの収差を補正することができない。一実施形態では、これらの大きな収差は、通常のAOフィードバックループの開始前に補正される。これらの大きな収差が補正されると、通常のAOフィードバックループを実行することができる。
[検眼鏡動作方法]
図6は、補償光学系を用いる検眼鏡を動作させる方法600の処理工程を示すフローチャートである。そのような検眼鏡の例は、図5に示される検眼鏡100である。方法600は、PC117及び/又はコントローラー116上で実施することができる。方法600は、補償光学系サブルーチンを開始するための命令を受け取ることを含むことができるステップ626から開始することができる。ステップ626は、ソフトウェア、ハードウェアスイッチ又はセンサーを介してオペレーターからの命令を受け取ることに基づくことができる。
ステップ628は、屈折データ630等のデータを受け取ることを含むことができる。該屈折データ630は、球、円柱、及び検眼鏡100によって調べられている眼111の軸等の眼鏡処方データを含むことができる。代替的に、該屈折データ630は、被検体の屈折誤差の、より広い質的記述とすることができる。そのような質的記述の例は、近視、遠視及び非点収差である。該屈折データ630は、オペレーターによって入力するか、又はデータベースから取得することができる。屈折データ630は、眼111が被検体の眼底の測定にもたらす既知の静的収差を表す任意の情報を含むことができる。
本方法600は、屈折データ630によって表される眼111のより大きな収差を補正するコマンドを計算することを含むことができるステップ632を含むことができる。ステップ632において計算されるコマンドによって、初期制御値634を得ることができる。ステップ636は、屈折データ630によって表される収差を補正するための初期制御値634を検眼鏡100に送信することを含むことができる。1つの実施形態では、初期制御値634は、いずれの収差を補正するかに関する一般的な情報を含むことができる。別の実施形態では、初期制御値634は、フォーカスレンズ110又はその等価物等の特定の光学素子を、屈折データ630によって表される収差を補正するために特定の量だけ動かすための、検眼鏡100に対する特定の命令を含むことができる。別の実施形態では、初期制御値634は、屈折データ630によって表される収差を補正するように波面調節デバイス108を調節するための、検眼鏡100に対する特定の命令を含むことができる。
ステップ638は、波面調節デバイス108、フォーカスレンズ110等の特定の素子、それらの等価物及び/又は特定の合焦レンズを制御することによって、検眼鏡100に収差を補正させることを含むことができる。方法600は、2つのセクション、すなわち、大きな収差の初期補正が行われるステップ628、632、636及び638を含む第1のセクション639と、通常のOAフィードバックが行われる第2のセクション641とに分割することができる。
方法600の第2のセクション641は、波面センサー115を用いて眼111の収差を測定し、波面データ642を生成することを含むステップ640を含むことができる。該波面データ642は、波面センサー115によって測定される波面の形状、波面の形状を計算するのに用いられる情報、及び/又は波面センサー115によって生成される任意の追加の情報を含むことができる。波面の形状を計算することは、各ハルトマンスポットの中心を特定することと、完全に平坦な波面について、ハルトマンスポットの理想的な中心に対する各ハルトマンスポットの中心のオフセットを推定することと、このオフセットに基づいて波面の勾配を推定することと、この推定された波面の勾配に基づいて波面の形状を推定することとを含むことができる。各ハルトマンスポットの中心ロケーションは、重み付けされた平均、重心、中央値、ピーク値、又はデータに当てはめられた曲線のピークに基づくことができる。
方法600は、検眼鏡100からコントローラー116及び/又はPC117に波面データを送信するステップ644を含むことができる。方法600は、PC117又はコントローラー116が波面制御値648を計算するコマンドを計算するステップ646を含むことができる。ステップ646は、波面センサー115によって測定される波面形状を求めることと、次に、波面調節デバイス108をどのように調節して測定された波面形状を補正するかを確定することとを含むことができる。波面調節デバイス108をどのように調節するかを確定することは、限定ではないが、行列乗算及び行列反転演算を含むことができる。
方法600は、コントローラー116及び/又はPC117から検眼鏡100に波面制御値648を送信するステップ650を含むことができる。次に、この波面制御値を用いて、ステップ652において波面調節デバイス108を制御する。方法600は、補償光学系フィードバックループが停止されるべきであるか否かをチェックするステップ654を含むことができる。補償光学系フィードバックループを停止することができる理由は、測定が終了した場合、オペレーターが測定の停止を要求した場合、又はエラー条件が検出された場合を含むことができる。AOフィードバックループが停止した場合、AOフィードバックループはステップ656で終了する。PC117及び/又はコントローラー116が、第2のセクション641が継続するべきであると判断する場合、プロセスは、再びステップ640から開始して継続することができる。
[第2の検眼鏡動作方法]
図7は、補償光学を用いる検眼鏡を動作させるための別の方法700の処理工程を示すフローチャートである。方法700は、方法600に類似しているが、第1のセクション639が異なる第1のセクション739によって置き換えられている点が異なる。そのような検眼鏡の例は、図5に示す検眼鏡100である。方法700は、PC117及び/又はコントローラー116において実施することができる。方法700は、補償光学系サブルーチンを開始するための命令を受け取ることを含むことができるステップ626から開始することができる。
補償光学系サブルーチンを開始するための命令を受け取った後、方法700は、方法700の第1のセクション739に移り、波面センサー115を用いて眼111の収差を測定して波面データ642を生成することを含むステップ640に進む。次に、PC117及び/又はコントローラー116は、ステップ628において該波面データ642を受け取ることができる。このステップ中に取得される波面データ642は、屈折データ630を受け取ることと等価とすることができるか、又はこのデータを用いて屈折データ630の等価物を計算することができる。
ステップ758において、PC117及び/又はコントローラー116は、波面データ642においてハルトマンスポット324のスポット強度データ760を計算することができる。スポット強度データ760は、単一の値又は値の組とすることができ、各ハルトマンスポット324の平均強度又は各ハルトマンスポット324のピーク強度に基づいて計算することができる。スポット強度データ760は、全てのハルトマンスポット324にわたる平均、各ハルトマンスポットにおける平均の平均、又は各ハルトマンスポットのピーク強度の平均として計算することができる。全てのハルトマンスポットの平均強度も計算することができる。ステップ762において、PC117又はコントローラー116は、スポット強度データ760を制限値と比較することができる。ステップ762において、比較は、スポット強度データにおける値の組又はスポット強度データ760に基づく1組の値を異なる制限値の組と比較することを含むことができる。
強度が制限値よりも高い場合、方法700は、通常のAOフィードバック方法が実行される第2のセクション641に進む。強度が制限値よりも大きくない場合、方法700は、スポット強度データ760に基づいて、初期フォーカスコマンドの決定のサブルーチン764に進む。サブルーチン764は、初期制御値を検眼鏡100に送信し、検眼鏡100に、初期フォーカスコマンドに基づいてフォーカスを調節させる、ステップ636〜638を繰り返すことも含むことができる。
サブルーチン764においてフォーカスが調節された後、ステップ766において、PC117及び/又はコントローラー116は、ステップ640、628及び758において取得された新たなデータに基づいてスポット強度データ760を再計算し、新たなスポット強度データ760を制限値(複数の場合もある)と再比較することができる。ステップ766における制限値は、ステップ762における制限値と異なっていてもよい。強度が制限値よりも高い場合、方法700は、通常のAOフィードバック方法が実行される第2のセクション641に進む。強度が制限値以下である場合、PC117及び/又はコントローラー116は、制御値の第2の組を計算し、この制御値の第2の組は、検眼鏡100に送信され、波面調節デバイス108に送信され、サブルーチン768において、スポット強度データ760に基づいて推定初期非点収差について補正される。サブルーチン768において、波面調節デバイス108が眼111の推定される非点収差について補正した後、本方法は、第2のセクション641に進む。代替的な実施形態では、波面調節デバイス108以外の他の光学部品を用いて非点収差を補正することができる。
[初期フォーカスコマンド決定サブルーチン]
図8は、初期フォーカスコマンドを決定するサブルーチン764の処理工程を示すフローチャートである。ステップ870は、PC117及び/又はコントローラー116が、式(1)に基づいて一時的制御値(Ct)値を計算することを含むことができる。
Figure 2017185229
ここで、Cは初期制御値であり、オフセット制御値ΔCは、フォーカスが調節される固定のオフセットであり、0.1ジオプター(D)とすることができる。オフセット制御値ΔCは、検眼鏡100の調節分解能に関係する別の値とすることができる。Cのための初期設定は、0とすることもできるし、オペレーターによって入力することもできるし、眼111に関連付けられたデータのデータベースから取得することもでき、ここで、Cの値は、被検体の処方の球面補正に基づく。Ct値が計算された後、サブルーチン764は、検眼鏡100を調節し、その調節の効果を測定するための別の調節ループ827に入ることができる。ステップ636は、PC117及び/又はコントローラー116から検眼鏡100に制御値Ctを送信することを含むことができる。検眼鏡100は次に、ステップ638−1において、制御値Ctに基づいてフォーカスを調節することができる。ステップ638−1においてフォーカスを調節することは、フォーカスレンズ110又はそれらの等価物等の光学素子を動かすことを含むことができる。代替的な実施形態では、ステップ638−1においてフォーカスを調節することは、波面調節デバイス108を用いてフォーカスを調節することを含むことができる。別の代替的な実施形態では、ステップ638−1においてフォーカスを調節することは、波面調節デバイス108を用いてフォーカスを調節し、フォーカスレンズ110又はそれらの等価物を動かすことを含むことができる。
ステップ638−1においてフォーカスが調節された後、サブルーチン764では、波面センサー115を用いて眼111の収差を測定し、波面データ642を生成するステップ640を含むことができる。サブルーチン764では、検眼鏡100からコントローラー116及び/又はPC117に波面データを送信するステップ644を含むことができる。ステップ758において、PC117及び/又はコントローラー116は、波面データ642において、ハルトマンスポット324のスポット強度データ760を計算することができる。このため、調節ループは、ステップ636、640、644及び758、又は、検眼鏡100の状態を調節し、その調節の影響を測定するための他の方法を含むことができる。
サブルーチン764は、スポット強度データ760が増大したか否かを試験することを含むことができるステップ872を含むことができる。代替形態において、ステップ872は、スポット強度データ760及びスポットサイズデータに基づいて1つ又は複数の変数を計算することと、これらの値のうちの1つ又は複数が増大したか否かを判断することとを含むことができる。スポット強度データ760が増大した場合、該サブルーチンは、制御値CをCtに設定するステップ874に移り、次に、ステップ870、調節ループ827及びステップ872を繰り返す。スポット強度データ760が増大していない場合、サブルーチン764はステップ876に移る。ステップ876において、PC117及び/又はコントローラー116は、これが、本サブルーチン764が開始してからステップ872(代替的に、ステップ870又は調節ループ827)が実行された初回であるか否かをチェックする。ステップ876に対する答えがnoである場合、サブルーチン764は、以下で説明されるステップ880に移ることができる。
ステップ876に対する答えがyesである場合、サブルーチン764はステップ878に移ることができ、ステップ878において、PC117及び/又はコントローラー116は、ステップ870に類似した式(2)に基づいて一時的制御値(Ct)値を計算する。
Figure 2017185229
ステップ878の後、サブルーチン764は、上記で説明した調節ループ827を行うことに進むことができる。スポット強度データ760が増大した場合、該サブルーチン764は、制御値CをCtに設定するステップ874に移り、次に、ステップ878、調節ループ827及びステップ872を繰り返す。スポット強度データ760が増大していない場合、サブルーチン764はステップ880に移る。ステップ880において、PC117及び/又はコントローラー116は、ステップ636におけるように古い制御値Cを検眼鏡100に再送することによって初期フォーカス設定を決定し、検眼鏡100は、ステップ638−1におけるように、古い制御値Cに基づいてフォーカスを再調節する。サブルーチン764は、標準的な山登り最適化ルーチンに基づく。該サブルーチン764は、最大最適化方法の代わりに最小最適化方法として実施されてもよい。サブルーチン764は、多変数最適化方法に適応されてもよい。更に、該サブルーチン764は、適応ステップサイズ方法に適応されてもよい。
[初期フォーカス(非点収差用)コマンド決定サブルーチン]
図9は、非点収差を補正する初期フォーカスコマンドを決定するためのサブルーチン768の処理工程を示すフローチャートである。該サブルーチン768では、変数A、At及びΔAは、変数で構成される3次元ベクトル(Cジオプター−球面補正、Xジオプター−円筒補正、及びY度−軸)として定義される。制御値Aのための初期設定は、円筒補正の0.1D及び軸の0度とすることができるか、オペレーターによって入力することができるか、又は眼111に関連付けられた処方データのデータベースから取得することができ、ステップにおいて設定することができる。オフセット制御値は、ベクトルΔA={ΔC ΔX ΔY}として記述することができる。オフセット制御値ΔCは、0.0Dとして精緻化することができ、オフセット制御値ΔXは円筒補正の0.1Dとすることができ、オフセット制御値ΔYは、5度の軸補正とすることができる。ベクトルΔAは、検眼鏡100の調節分解能に関係付けられた他の値であってもよい。サブルーチン764において、球面補正に基づくフォーカスが設定されたため、オフセット制御値ΔCは、ゼロとすることができる。
該サブルーチン768は、一時的制御値Atを初期化するステップ870−1を含むことができる。例えば、1つの初期値はAt={C 0.1D 0°}とすることができる。次に、サブルーチン768は、フォーカスを調節し、調節の影響を測定する調節ループ827に移ることができる。その後、この方法は、式(3)に従って軸が調節されるステップ870−2に移ることができる。
Figure 2017185229
一時制御値Atが計算された後、次に、サブルーチン768は、フォーカスを調節し、調節の影響を測定する調節ループ827に移ることができる。サブルーチン768は、スポット強度データ760が増大したか否かを試験するステップ872を含むことができる。スポット強度データ760が増大した場合、サブルーチン768は、制御値AをAtに設定するステップ874−1に移り、次に、ステップ870−2、調節の影響を測定する調節ループ827及び試験するステップ872を繰り返す。スポット強度データ760が増大していない場合、サブルーチン768はステップ876−1に移る。ステップ876−1において、PC117及び/又はコントローラー116は、これが、該サブルーチン768が開始してからステップ870−2が実行された初回であるか否かをチェックする。ステップ876−1に対する答えがnoである場合、サブルーチン764は、以下で説明されるステップ870−3に移ることができる。
ステップ876−1に対する答えがyesである場合、サブルーチン768はステップ878−1に移ることができ、ステップ878−1において、PC117及び/又はコントローラー116は、ステップ870−2に類似した式(4)に基づいて一時的制御値Atを計算する。
Figure 2017185229
一時制御値Atが計算された後、次に、サブルーチン768は、フォーカスを調節し、調節の影響を測定する調節ループ827に移ることができる。サブルーチン768は、スポット強度データ760が増大したか否かを試験するステップ872を含むことができる。スポット強度データ760が増大した場合、サブルーチン768は、制御値AをAtに設定するステップ874−1に移り、次に、ステップ878−1、調節の影響を測定する調節ループ827及び試験するステップ872を繰り返す。スポット強度データ760が増大していない場合、サブルーチン768はステップ876−2に移る。ステップ876−2において、PC117及び/又はコントローラー116は、これが、サブルーチン768が開始してからステップ878−1が実行された初回であるか否かをチェックする。ステップ876−2に対する答えがyesである場合、サブルーチン764は、以下で説明されるステップ880−1に移ることができる。
ステップ876−2に対する答えがnoである場合、サブルーチン768は、ステップ870−3に移ることができ、ステップ870−3において、PC117及び/又はコントローラー116は、ステップ870−2に類似した式(5)に基づいて一時的制御値Atを計算する。
Figure 2017185229
一時制御値Atが計算された後、次に、サブルーチン768は、フォーカスを調節し、調節の影響を測定する調節ループ827に移ることができる。サブルーチン768は、スポット強度データ760が増大したか否かを試験するステップ872を含むことができる。スポット強度データ760が増大した場合、該サブルーチン768は、制御値AをAtに設定するステップ874−1に移り、次に、ステップ870−3、調節の影響を測定する調節ループ827及び試験するステップ872を繰り返す。スポット強度データ760が増大していない場合、サブルーチン768はステップ880−1に移る。ステップ880−1において、PC117及び/又はコントローラー116は、ステップ636におけるように古い制御値Aを検眼鏡100に再送することによって初期フォーカス設定を決定し、検眼鏡100は、ステップ638−1におけるように、古い制御値Aに基づいてフォーカスを再調節する。
サブルーチン768は、眼鏡処方データの特殊な特徴を考慮に入れた、標準的な山登り最適化ルーチンに基づく。なお、該サブルーチン768は、最大最適化方法の代わりに最小最適化方法として実施されてもよい。或いは、該サブルーチン768は、双方の変数が同時に調節される、多変数最適化方法に適応されてもよい。或いは、該サブルーチン768は、適応ステップサイズ方法にも適応されてもよい。更に該サブルーチン768は、正の円筒データの代わりに、負の円筒データにも適用されてもよい。
以上に述べたように、本実施形態に係る光撮像装置では、被検体上に測定光を照射し、波面測定デバイスを用いて、該被検体によって測定光に生成された波面収差を測定する。眼111の眼底はこの被検体の一例であり、波面センサー115はこの波面測定デバイスの一例である。測定若しくは推定された波面の形状から得られた波面収差は、波面補正デバイスにより補正される。波面調節デバイス108は、波面補正デバイスの一例である。そして、検出器の例である光強度センサー114が検出した測定光の眼111からの戻り光を用いて、PC117に例示される画像生成手段により、眼111の光学画像を取得する。上述した、或いは以下に述べる実施形態では、測定光の波面補正を行うために光学撮像装置である検眼鏡100を制御して次に纏めた工程を実行する。
波面補正のために、まず眼111において生成された波面収差の測定値(推定値)である波面データの品質を表す品質データの第1の組を受け取る。本実施形態では、品質データとしてハルトマンスポット324のスポット強度データ760を第1の組として取得する。後述するように、該スポット強度データ760は、第1の閾値との比較により、波面測定によって推定された波面収差に関する波面データが通常の波面補正の処理に用いることに適しているか否かの判断ができる。このため、スポット強度データ760に例示される品質データの第1の組は第1の閾値と比較され、該波面データの品質が所定の基準を満たすかどうかが判断される(ステップ762)。この判断は、制御PC117において判断手段として機能するモジュールにより実行される。
品質データの第1の組に対して行なわれた比較(ステップ762)の結果、波面データが十分な品質である場合を第1の事例とする。この場合、処理は第2のセクション641に移る。第2のセクション641では所謂通常に行われる波面補正の処理が行われる。即ち、測定された波面データが所定の基準を満たすと判断された場合には、測定された波面データに基づいた波面補正デバイスの制御が行われる。具体的には、受け取った波面データに基づいて推定された波面の形状(推定形状)を参照して、波面収差を補正するように波面調節デバイス108等を制御する命令が、検眼鏡100に対してPC117等から制御情報の第1の組として送信される。波面補正がされた後、波面データ再取得され、これに基づいた波面の形状の再推定又は再測定が行なわれる。そして、再推定された波面の形状に基づいて波面収差を補正する制御情報の新たな第1の組が、再度検眼鏡100に送信される。即ち、一般的な補償光学系におけるフィードバック制御が実行される。なお、この波面補正デバイスの制御は、コントローラー116若しくは制御PC117において制御手段として機能するモジュールにより実行される。
次に、品質データの第1の組に対して行なわれた比較(ステップ762)の結果、波面データが十分な品質でない場合を第2の事例とする。この場合、処理はサブルーチン764(初期フォーカスコマンド決定サブルーチン)に移る。上述したように、該サブルーチン764では、測定光が眼底に合焦されていないために十分な強度のスポット強度データ760が得られていないと仮定して、合焦操作を行う。即ち、測定された波面データが所定の基準を満たさないと判断された場合には、予め定められた制御値に基づいて被検体と測定光との関係が調整、制御される。具体的には、測定光が眼111に放射される光学経路を変更させる制御情報の第2の組を検眼鏡100に送信し、例えばフォーカスレンズ110等を光軸方向に動かす。このような被検体と測定光との関係の制御は、制御PC117において上述した制御手段として機能するモジュールにより実行される、このような操作により光学経路が変更された後に、新たな波面データに基づく品質データとして、例えば上述した実施形態ではステップ758において新たな第1の組としてのスポット強度データ760を取得する。そして該スポット強度データ760と前述した第1の閾値とが再比較される。これらサブルーチン764で実行される処理は、検眼鏡100の初期調節を行う処理となる。初期調節終了後、サブルーチン764から処理はステップ766に移る。
ステップ766では、再度品質データであるスポット強度データ760の新たな第1の組に対する閾値との比較が行われる。この比較によって該スポット強度データ760が十分な強度を有し、波面データが十分な品質であると判断された場合を第3の事例とする。この場合、光学経路が制御情報の第2の組に基づいて調節された状態で、上述した補償光学系におけるフィードバック処理が行われる。また、ステップ766で行われた比較の結果、波面データが十分な品質でないと判断された場合を第4の事例とする。この場合、制御情報の新たな第2の組に基づいて光学経路が制御された状態を初期状態とし、この状態から上述した初期調節を行う処理が再実行される。即ち、上述した判断手段によって波面データが所定の基準を満たさないと判断された場合、被検体と測定光との関係を制御する制御値を変更して該関係を制御し、再び波面データの品質が所定の基準を満たすか否かの判定が行われる。この関係の制御と判定の処理は、波面データが所定の基準を満たすまで繰り返し実行される。
なお、上述したスポット強度データ760を第1の組として取得する前に、波面補正デバイス或いはコントローラー116は、眼111に関連付けられた光学処方データとして、上述した屈折データ630を取得してもよい。この場合、PC117は、当該屈折データ630に基づいて既知の光学収差を補正するとよい。また、光学経路を変更する処理は、上述したように波面補正デバイス以外の第2の補正デバイスのであるフォーカスレンズの光軸上の位置を調節すること(フォーカスの調節)を含む。即ち、第2の補正デバイスは、レンズ及びミラーを含む群から選択された少なくとも1つ又は複数の合焦光学部品から構成できる。そしてこの場合、制御情報の第2の組は、検眼鏡100において少なくとも1つ又は複数の合焦光学部品を動かすための命令を含むこととなる。なお、本実施形態において、波面補正デバイスは形状可変ミラー又は空間光位相変調器のうちの一方であり、波面測定デバイスは複数のハルトマンスポットを検出するシャックハルトマンセンサーである。
[第3の検眼鏡動作方法]
図10は、補償光学系を用いる検眼鏡を動作させる別の方法1000の処理工程を示すフローチャートである。方法1000は方法700に類似しているが、合焦決定を行うのに用いられるメトリックが異なる。
補償光学系サブルーチンを開始するための命令を受け取った後、方法1000は、方法1000の第1のセクション1039に移り、波面センサー115を用いて眼111の収差を測定して波面データ642を生成することを含むステップ640に進む。次に、PC117又はコントローラー116は、ステップ628において波面データ642を受け取ることができる。
ステップ1058において、PC117及び/又はコントローラー116は、波面データ642においてハルトマンスポット324の数を表すデータであるハルトマンスポット数1060を計算することができる。ステップ1062において、PC117及び/又はコントローラー116は、ハルトマンスポット数1060を制限値と比較することができる。
ハルトマンスポット数1060が制限値よりも高い場合、方法1000は、通常のAOフィードバック方法である図6において第2のセクション641として示した工程に進む。ハルトマンスポット数1060が制限値以下である場合、方法1000は、ハルトマンスポット数1060に基づいてサブルーチン1064における初期フォーカスコマンドを決定することに進む。サブルーチン1064は上述したサブルーチン764に類似しているが、スポットの数がスポットの強度の代わりに計算において用いられる点が異なる。
サブルーチン1064においてフォーカスが調節された後、ステップ1066において、PC117及び/又はコントローラー116は、ステップ640、628及び1058において取得された新たなデータに基づいてハルトマンスポット数1060を再計算し、新たなハルトマンスポット数1060を制限値(複数の場合もあり)と再比較することができる。ステップ1066における制限値は、ステップ1062における制限値と異なっていてもよい。強度が制限値(複数の場合もある)よりも高い場合、方法1000は、上述した通常のAOフィードバック方法である第2のセクション641に進む。強度が制限値以下である場合、PC117及び/又はコントローラー116は、制御値の第2の組を計算し、この制御値の第2の組は、検眼鏡100に送信され、波面調節デバイス108に送信され、サブルーチン1068において、ハルトマンスポット数1060に基づいて推定初期非点収差について補正される。サブルーチン1068において、波面調節デバイス108又は他の光学部品が眼111の推定される非点収差について補正した後、本方法は、通常のAOフィードバック方法である第2のセクション641に進む。
[初期フォーカスコマンド決定サブルーチン]
図11は、初期フォーカスコマンドを決定するサブルーチン1064の処理工程を示すフローチャートである。ステップ870は、PC117及び/又はコントローラー116が、式(1)に基づいて一時的制御値(Ct)値を計算することを含むことができる。
Ct値が計算された後、サブルーチン1064では、フォーカスを調節し、調節の効果を測定するための別の調節ループ1127に入ることができる。調節ループ1127は、上述した調節ループ827に実質的に等しい。ステップ636は、制御値Ctを送信することを含むことができる。ステップ638−1において、制御値Ctに基づいてフォーカスが調節される。
ステップ638−1においてフォーカスが調節された後、サブルーチン1064では、波面センサー115を用いて眼111の収差を測定し、波面データ642を生成するステップ640を含むことができる。サブルーチン1064では、検眼鏡100からコントローラー116及び/又はPC117に波面データを送信するステップ644を含むことができる。ステップ1058において、PC117及び/又はコントローラー116は、波面データ642において、ハルトマンスポット324の数1060をカウントすることができる。このため、調節ループ1127は、ステップ636、640、644及び1058、又は、検眼鏡100の状態を調節し、調節の影響を測定するための他の方法を含むことができる。
サブルーチン1064は、ハルトマンスポット324の数1060が増大したか否かを試験するステップ1172を含むことができる。数1060が増大した場合、サブルーチン1064は、制御値CをCtに設定するステップ874に移り、次に、ステップ870、調節ループ1127及び決定するステップ1172を繰り返す。数1060が増大していない場合、サブルーチン1064はステップ1176に移る。ステップ1176において、PC117及び/又はコントローラー116は、これが、サブルーチン1064が開始してからステップ1172が実行された初回であるか否かをチェックする。ステップ1176に対する答えがnoである場合、サブルーチン1064は、上述したステップ880に移ることができる。ステップ1176に対する答えがyesである場合、サブルーチン1064は、式(2)に基づいて一時的制御値(Ct)値を計算するステップ878に移ることができる。
ステップ878の後、サブルーチン1064は、上述した調節ループ1127を行うことに進むことができる。数1060が増大した場合、サブルーチン1064は、制御値CをCtに設定するステップ874に移り、次に、ステップ878、調節ループ1127及びステップ1172を繰り返す。数1060が増大していない場合、サブルーチン1064はステップ880に移る。ステップ880において、ステップ636におけるように古い制御値Cを検眼鏡100に再送することによって初期フォーカスが設定され、検眼鏡100は、ステップ638−1におけるように、古い制御値Cに基づいてフォーカスを再調節する。
[初期フォーカス(非点収差用)コマンド決定サブルーチン]
図12は、非点収差を補正する初期フォーカスコマンドを決定するためのサブルーチン1068の処理工程を示すフローチャートである。該サブルーチン1068は、一時的制御値Atを初期化するステップ870−1を含むことができる。次に、サブルーチン1068は、フォーカスを調節し、調節の影響を測定する上述した調節ループ1127に移ることができる。その後、この方法は、式(3)に従って軸が調節されるステップ870−2に移ることができる。一時制御値Atが計算された後、次に、サブルーチン1068は、フォーカス及び/又は非点収差を調節し、調節の影響を測定する調節ループ1127に移ることができる。サブルーチン1068は、ハルトマンスポット数1060が増大したか否かを試験するステップ1172を含むことができる。ハルトマンスポット数1060が増大した場合、サブルーチン1068は、制御値AをAtに設定するステップ874−1に移り、次に、ステップ870−2、調節ループ1127及び試験するステップ1172を繰り返す。ハルトマンスポット数1060が増大していない場合、サブルーチン1068はステップ1276−1に移る。ステップ1276−1において、PC117及び/又はコントローラー116は、これが、サブルーチン1068が開始してからステップ870−2が実行された初回であるか否かをチェックする。ステップ1276−1に対する答えがnoである場合、サブルーチン1068は、以下で説明されるステップ870−3に移ることができる。
ステップ1276−1に対する答えがyesである場合、サブルーチン1068はステップ878−1に移ることができる。ステップ878−1において、PC117及び/又はコントローラー116は、式(4)に基づいて一時的制御値Atを計算する。一時制御値Atが計算された後、次に、サブルーチン1068は、フォーカス及び/又は非点収差を調節し、調節の影響を測定する調節ループ1127に移ることができる。サブルーチン1068は、ハルトマンスポット数1060が増大したか否かを試験するステップ1172を含むことができる。ハルトマンスポット数1060が増大した場合、サブルーチン1068は、制御値AをAtに設定するステップ874−1に移り、次に、ステップ878−1、調節ループ1127及び試験するステップ1172を繰り返す。ハルトマンスポット数1060が増大していない場合、サブルーチン1068はステップ1276−2に移る。ステップ1276−2において、PC117及び/又はコントローラー116は、これが、サブルーチン1068が開始してからステップ878−1が実行された初回であるか否かをチェックする。ステップ1276−2に対する答えがyesである場合、サブルーチン1064は、以下で説明されるステップ880−1に移ることができる。
ステップ1276−2に対する答えがnoである場合、サブルーチン1068は、ステップ870−3に移ることができ、ステップ870−3において、PC117及び/又はコントローラー116は、ステップ870−2に類似した式(5)に基づいて一時的制御値Atを計算する。一時制御値Atが計算された後、次に、サブルーチン1068は、フォーカス及び/又は非点収差を調節し、調節の影響を測定する調節ループ1127に移ることができる。サブルーチン1068は、ハルトマンスポット数1060が増大したか否かを試験するステップ1172を含むことができる。ハルトマンスポット数1060が増大した場合、サブルーチン1068は、制御値AをAtに設定するステップ874−1に移り、次に、ステップ870−3、調節ループ1127及び試験するステップ1172を繰り返す。ハルトマンスポット数1060が増大していない場合、サブルーチン1068はステップ880−1に移る。ステップ880−1において、PC117及び/又はコントローラー116は、ステップ636におけるように古い制御値Aを検眼鏡100に再送することによって初期フォーカス/非点収差設定を決定し、検眼鏡100は、ステップ638−1におけるように、古い制御値Aに基づいてフォーカスを再調節する。
[第4の検眼鏡動作方法]
図13は、補償光学系を用いる検眼鏡100を動作させる別の方法1300の処理工程を示すフローチャートである。方法1300は方法700に類似しているが、合焦決定を行うのに用いられるメトリックが異なる。
補償光学サブルーチンを開始するための命令を受け取った後、方法1300は、方法1300の第1のセクション1339に移り、波面センサー115を用いて眼111の収差を測定して波面データ642を生成することを含むステップ640に進む。次に、PC117又はコントローラー116は、ステップ628において波面データ642を受け取ることができる。
ステップ1358において、PC117及び/又はコントローラー116は、波面データ642においてハルトマンスポット324のサイズを表すデータを計算することができる。ステップ1362において、PC117及び/又はコントローラー116は、ハルトマンスポットのサイズ1360を制限値と比較することができる。代替形態では、コントローラーは、ハルトマンスポットのサイズに基づいて複数の統計値(最大、最小、平均、中央値、分散、偏差等)を計算し、これらを複数の閾値と比較することができる。
ハルトマンスポットのサイズ1360が制限値未満の場合、方法1300は、通常のAOフィードバック方法である図6において第2のセクション641として示した工程に進む。ハルトマンスポットの数1360が制限値以上である場合、方法1300は、ハルトマンスポットのサイズ1360に基づいてサブルーチン1364における初期フォーカスコマンドを決定することに進む。サブルーチン1364は上述したサブルーチン764に類似しているが、スポットのサイズがスポットの強度の代わりに計算において用いられる点が異なる。
サブルーチン1364においてフォーカスが調節された後、ステップ1366において、PC117及び/又はコントローラー116は、ステップ640、628及び1358において取得された新たなデータに基づいてハルトマンスポットのサイズ1360を再計算し、新たなスポットサイズを制限値と再比較することができる。ステップ1366における制限値は、ステップ1362における制限値と異なっていてもよい。ハルトマンスポットのサイズ1360が制限値未満である場合、方法1300は、上述した通常のAOフィードバック方法である第2のセクション641に進む。サイズ1360が制限値以上の場合、PC117及び/又はコントローラー116は、制御値の第2の組を計算し、この制御値の第2の組は、検眼鏡100に送信され、波面調節デバイス108又は他の光学素子に送信され、サブルーチン1368において、ハルトマンスポットのサイズ1360に基づいて推定初期非点収差について補正される。サブルーチン1368において、波面調節デバイス108又は他の光学部品が眼111の推定される非点収差について補正した後、本方法は、通常のAOフィードバック方法である第2のセクション641に進む。
[初期コマンド決定サブルーチン]
図14は、初期フォーカスコマンドを決定するサブルーチン1364の処理工程を示すフローチャートである。ステップ870は、PC117及び/又はコントローラー116が、式(1)に基づいて一時的制御値(Ct)値を計算することを含むことができる。Ct値が計算された後、サブルーチン1364では、フォーカスを調節し、調節の効果を測定するための別の調節ループ1427に入ることができる。調節ループ1427は、上述した調節ループ827に実質的に等しい。ステップ636は、制御値Ctを送信することを含むことができる。ステップ638−1において、制御値Ctに基づいてフォーカスが調節される。
ステップ638−1においてフォーカスが調節された後、サブルーチン1364では、波面センサー115を用いて眼111の収差を測定し、波面データ642を生成するステップ640を含むことができる。サブルーチン1364では、波面データを送信するステップ644を含むことができる。ステップ1358において、PC117及び/又はコントローラー116は、波面データ642において、ハルトマンスポット324のサイズ1360を推定することができる。このため、調節ループ1427は、ステップ636、640、644及び1358、又は、検眼鏡100の状態を調節し、調節の影響を測定するための他の方法を含むことができる。
サブルーチン1364は、ハルトマンスポット324のサイズ1360が減少したか否かを試験するステップ1472を含むことができる。サイズ1360が減少した場合、サブルーチン1364は、制御値CをCtに設定するステップ874に移り、次に、ステップ870、調節ループ1427及び決定するステップ1472を繰り返す。サイズ1360が増大していない場合、サブルーチン1364はステップ1476に移る。ステップ1476において、PC117及び/又はコントローラー116は、これが、サブルーチン1364が開始してからステップ1472が実行された初回であるか否かをチェックする。ステップ1476に対する答えがnoである場合、サブルーチン1364は、上述したステップ880に移ることができる。ステップ1476に対する答えがyesである場合、サブルーチン1364は、式(2)に基づいて一時的制御値(Ct)値を計算するステップ878に移ることができる。
ステップ878の後、サブルーチン1364は、上述した調節ループ1427を行うことに進むことができる。サイズ1360が減少した場合、サブルーチン1364は、制御値CをCtに設定するステップ874に移り、次に、ステップ878、調節ループ1427及びステップ1472を繰り返す。サイズ1460が減少していない場合、サブルーチン1364はステップ880に移る。ステップ880において、ステップ636におけるように古い制御値Cを検眼鏡100に再送することによって初期フォーカスが設定され、検眼鏡100は、ステップ638−1におけるように、古い制御値Cに基づいてフォーカスを再調節する。
[初期フォーカス(非点収差用)コマンド決定サブルーチン]
図15は、非点収差を補正する初期フォーカスコマンドを決定するためのサブルーチン1368の処理工程を示すフローチャートである。該サブルーチン1368は、一時的制御値Atを初期化するステップ870−1を含むことができる。次に、サブルーチン1368は、フォーカスを調節し、調節の影響を測定する上述した調節ループ1427に移ることができる。その後、この方法は、式(3)に従って軸が調節されるステップ870−2に移ることができる。一時制御値Atが計算された後、次に、サブルーチン1368は、フォーカス及び/又は非点収差を調節し、調節の影響を測定する調節ループ1427に移ることができる。サブルーチン1368は、ハルトマンスポットのサイズ1360が減少したか否かを試験するステップ1472を含むことができる。サイズ1360が減少した場合、サブルーチン1368は、制御値AをAtに設定するステップ874−1に移り、次に、ステップ870−2、調節ループ1427及び試験するステップ1472を繰り返す。サイズ1360が増大していない場合、サブルーチン1368はステップ1576−1に移る。ステップ1576−1において、PC117及び/又はコントローラー116は、これが、サブルーチン1368が開始してからステップ870−2が実行された初回であるか否かをチェックする。ステップ1576−1に対する答えがnoである場合、サブルーチン1368は、以下で説明されるステップ870−3に移ることができる。
ステップ1576−1に対する答えがyesである場合、サブルーチン1368はステップ878−1に移ることができる。ステップ878−1において、PC117及び/又はコントローラー116は、式(4)に基づいて一時的制御値Atを計算する。一時制御値Atが計算された後、次に、サブルーチン1368は、フォーカス及び/又は非点収差を調節し、調節の影響を測定する調節ループ1427に移ることができる。サブルーチン1368は、サイズ1360が減少したか否かを試験するステップ1472を含むことができる。サイズ1360が減少した場合、サブルーチン1368は、制御値AをAtに設定するステップ874−1に移り、次に、ステップ878−1、調節ループ1427及び試験するステップ1472を繰り返す。サイズ1360が減少していない場合、サブルーチン1368はステップ1576−2に移る。ステップ1576−2において、PC117及び/又はコントローラー116は、これが、サブルーチン1368が開始してからステップ878−1が実行された初回であるか否かをチェックする。ステップ1576−2に対する答えがyesである場合、サブルーチン1368は、以下で説明されるステップ880−1に移ることができる。
ステップ1576−2に対する答えがnoである場合、サブルーチン1368は、ステップ870−3に移ることができ、ステップ870−3において、PC117及び/又はコントローラー116は、ステップ870−2に類似した式(5)に基づいて一時的制御値Atを計算する。一時制御値Atが計算された後、次に、サブルーチン1368は、フォーカス及び/又は非点収差を調節し、調節の影響を測定する調節ループ1427に移ることができる。サブルーチン1368は、ハルトマンスポットのサイズ1360が減少したか否かを試験するステップ1472を含むことができる。サイズ1360が減少した場合、サブルーチン1368は、制御値AをAtに設定するステップ874−1に移り、次に、ステップ870−3、調節ループ1427及び試験するステップ1472を繰り返す。サイズ1360が減少していない場合、サブルーチン1368はステップ880−1に移る。ステップ880−1において、PC117及び/又はコントローラー116は、ステップ636におけるように古い制御値Aを検眼鏡100に再送することによって初期フォーカス/非点収差設定を決定し、検眼鏡100は、ステップ638−1におけるように、古い制御値Aに基づいてフォーカス及び/又は非点収差を再調節する。
上述した実施形態において、波面測定デバイスは、複数のハルトマンスポットを検出するシャックハルトマンセンサーより構成される。ここで、品質データの第1の組としては、複数のハルトマンスポットの数値カウント、複数の直径、信号強度データの少なくとも何れか一つであればよい。また、上述した実施形態において、補償光学系のフィードバック処理は、フィードバックループを形成するように繰り返し行われる。そして、補償光学系のフィードバックの繰り返しの使用の際には、これと並列に測定光のスポットを眼底上で走査することによって眼底の光学画像を取得するように検眼鏡100を制御してもよい。
また、上述した初期調節を行う処理では、品質データの第1の組と第1の閾値との比較は、波面データが十分な品質であることを示すまで繰り返し行われる。そして、品質データの第1の組と第1の閾値との比較により波面データが十分な品質であることを示した後、補償光学系のフィードバック処理の繰り返しが行われる。その際に、当該処理とは並列に測定光のスポットを眼底上で走査することによって、眼底の光学画像を取得するように検眼鏡100を制御してもよい。
ここで、上述したように、初期調節の処理は繰り返し行われることが好ましい。その際、この初期調節の処理は、第1の部分と第2の部分とより構成される処理となる。第1の部分では、品質データの第1の組と前記第1の閾値との比較によって波面データが十分な品質であると判断されるまで、1つ又は複数の合焦光学部品の位置についてフォーカスを変更する調節が行われる。また、第2の部分では、品質データの第1の組と第2の閾値との比較によって波面データが十分な品質であると判断されるまで、1つ又は複数の合焦光学部品の位置について非点収差を変更する調節が行われ、光学経路の変更が行われる。そして、品質データの第1の組と第1の閾値及び第2の閾値との前記比較によって波面データが十分な品質であると判断された後に、補償光学系のフィードバック処理の連続的な繰り返し(連続使用)が行なわれる。この場合、この繰り返しと並列に、測定光のスポットを眼底上で走査することによって、眼底の光学画像を取得するように検眼鏡100が制御される。
ここで、品質データの第1の組は、波面データの異なる質的側面、例えば、上述したハルトマンスポットの数、強度、大きさ等を表す複数の要素を含む。従って、第1の閾値は、波面データの異なる質的側面のためにこれらと対応した異なる閾値を与える複数の要素を含む。また、品質データの第1の組を第1の閾値と比較することは、波面データの特定の質的側面に関連付けられた品質データの第1の組の要素を、波面データの質的側面に関連付けられた閾値と比較することを含むこととなる。
[コントローラー]
図16は、一実施形態において用いることができるPC117及びコントローラー116の図である。コントローラー116は、入力信号を受け取り、制御信号を出力する。コントローラー116は、汎用コンピューターか、検眼鏡若しくは測定機器を制御するように特に設計されたデバイスか、又は汎用のコンピューター117と共に幾つかのカスタムエレクトロニクスを用いるハイブリッドデバイスとすることができる。入力信号及び制御信号は、デジタル信号又はアナログ信号とすることができる。コントローラー116は、アナログ対デジタルコンバーター(ADC)及びデジタル対アナログコンバーター(DAC)を備えることができる。入力信号は、波面センサー115からの信号、光強度センサー114からの信号、及び1つ又は複数の他のセンサーからの1つ又は複数の信号等の1つ又は複数の信号を含むことができる。制御信号は、波面調節デバイス108への第1の制御信号と、スキャナー109−1、109−2のうちの1つ又は複数の信号とを含むことができる。制御信号は、機器の他のコンポーネントへの更なる信号を含んでもよい。
コントローラー116は、プロセッサ1682−1を含む。プロセッサ1682−1は、マイクロプロセッサ、CPU、ASIC、DSP及び/又はFPGAとすることができる。プロセッサ1682−1は、所望の結果を得るように共に動作する1つ又は複数のプロセッサを指すことができる。コントローラー116は、メモリ1684−1を備えることができる。メモリ1684−1は、校正情報を記憶することができる。メモリ1684−1は、検眼鏡を制御するためのソフトウェアも記憶することができる。メモリ1684−1は、命令を符号化して記憶する非一時的コンピューター可読ストレージ媒体(非一時的記録媒体)の形態をとることができる。非一時的コンピューター可読ストレージ媒体は、例えば、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、分散ストレージシステム、光ディスク(CD、DVD、又はブルーレイディスク)、フラッシュメモリディスク、メモリカード等のうちの1つ又は複数を含むことができる。
コントローラー116は、直接接続によるか、バスを介するか、又はネットワークを介してコンピューター(PC)117に接続することができる。コンピューター117は、キーボード、マウス及び/又はタッチスクリーン等の入力デバイスを含むことができる。コントローラー116は、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ノブ、スイッチ及び/又はボタン等の入力デバイスを含むことができる。コンピューター117は、ディスプレイ118に接続することができる。検眼鏡の結果は、ディスプレイ118を介してユーザに提示することができる。一実施形態を実施するのに用いることができる追跡ソフトウェアは、PC117と独立して、又はPC117を利用して、コントローラー116に対し計算を行うことができる。PCは、プロセッサ1682−2、メモリ1684−2を含むことができる。PCはまた、1つ又は複数のGPU120も含むことができる。
本発明は、例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、本発明は、開示される例示的な実施形態に限定されないことが理解されよう。添付の特許請求の範囲の適用範囲は、全ての変更、等価な構造及び機能を包含するように、最も広い解釈を与えられる。例えば、上述した実子形態では制御される装置として検眼鏡を用いている。しかし、上述したOCT装置等、眼の検査において測定手段として光を用い且つ眼によって生じる収差を補正することが必要となる撮像装置の制御装置として本発明を用いることが可能である。

Claims (20)

  1. 被検体上に測定光を照射し、波面測定デバイスを用いて、前記被検体において生成された波面収差を測定し、波面補正デバイスを用いて前記波面収差を補正し、前記被検体の光学画像を取得するように構成された光学撮像装置を制御する方法であって、
    前記被検体において生成された波面収差の測定値である波面データの品質を表す品質データの第1の組を受け取ることと、
    前記品質データの第1の組を第1の閾値と比較することと、
    前記品質データの第1の組に対して行なわれた前記比較が、前記波面データが十分な品質であることを示す第1の事例において、
    前記受け取った波面データに基づいて前記波面収差を補正するように前記光学撮像装置に命令する制御情報の第1の組を前記光学撮像装置に送信すること、及び
    再取得された波面データに基づいて前記波面収差を補正するように前記光学撮像装置に命令する制御情報の新たな第1の組を前記光学撮像装置に送信すること、
    を含む、補償光学系のフィードバックを行うことと、
    前記品質データの第1の組に対して行なわれた前記比較が、前記波面データが十分な品質でないことを示す第2の事例において、
    前記測定光が前記被検体上に放射される光学経路を変更するように前記光学撮像装置に命令する制御情報の第2の組を前記光学撮像装置に送信すること、
    前記光学経路が変更された後に新たな波面データに基づく品質データの新たな第1の組を受け取ること、及び
    前記品質データの新たな第1の組を前記第1の閾値と比較すること、
    を含む、初期調節を行うことと、
    前記品質データの新たな第1の組に対して行なわれた前記比較が、前記波面データが十分な品質であることを示す第3の事例において、前記光学経路が前記制御情報の第2の組に基づいて調節されている、前記補償光学系のフィードバックを行うことと、
    前記品質データの新たな第1の組に対して行なわれた前記比較が、前記波面データが十分な品質でないことを示す第4の事例において、制御情報の新たな第2の組に基づいて前記初期調節を実行することと、
    を含むことを特徴とする光学撮像装置を制御する方法。
  2. 前記品質データの第1の組を受け取る前に、前記波面補正デバイスは、前記被検体に関連付けられた光学処方データに基づいて既知の光学収差を補正することを特徴とする請求項1に記載の光学撮像装置を制御する方法。
  3. 前記光学経路を変更することは、前記波面補正デバイス以外の第2の補正デバイスを調節することを含むことを特徴とする請求項1に記載の光学撮像装置を制御する方法。
  4. 前記第2の補正デバイスは、レンズ及びミラーを含む群から選択された少なくとも1つ又は複数の合焦光学部品を含み、
    前記制御情報の第2の組は、前記光学撮像装置が前記少なくとも1つ又は複数の合焦光学部品を動かすための命令を含むことを特徴とする請求項3に記載の光学撮像装置を制御する方法。
  5. 前記波面補正デバイスは、形状可変ミラー又は空間光位相変調器のうちの一方であることを特徴とする請求項1に記載の光学撮像装置を制御する方法。
  6. 前記波面測定デバイスは、複数のハルトマンスポットを検出するシャックハルトマンセンサーであることを特徴とする請求項5に記載の光学撮像装置を制御する方法。
  7. 前記品質データの第1の組は、前記複数のハルトマンスポットの数値カウントに基づくことを特徴とする請求項6に記載の光学撮像装置を制御する方法。
  8. 前記品質データの第1の組は、前記複数のハルトマンスポットの複数の直径に基づくことを特徴とする請求項6に記載の光学撮像装置を制御する方法。
  9. 前記品質データの第1の組は、前記複数のハルトマンスポットの信号強度データに基づくことを特徴とする請求項6に記載の光学撮像装置を制御する方法。
  10. 前記補償光学系のフィードバックは、フィードバックループを形成するように繰り返し行われることを特徴とする請求項1に記載の光学撮像装置を制御する方法。
  11. 前記補償光学系のフィードバックの繰り返しと並列に前記測定光のスポットを前記被検体上で走査することによって、前記被検体の光学画像を取得するように前記光学撮像装置を制御することを更に含むことを特徴とする請求項10に記載の光学撮像装置を制御する方法。
  12. 前記初期調節は、前記品質データの新たな第1の組と前記第1の閾値とで行なわれる前記比較が、前記波面データが十分な品質であることを示すまで繰り返し行われ、前記品質データの新たな第1の組と前記第1の閾値とで行なわれる前記比較が、前記波面データが十分な品質であることを示した後、前記補償光学系のフィードバックの繰り返しの使用と並列に前記測定光のスポットを前記被検体上で走査することによって、前記被検体の前記光学画像を取得するように前記光学撮像装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の光撮像装置を制御する方法。
  13. 前記初期調節は繰り返し行われ、
    前記初期調節は、
    前記品質データの新たな第1の組と前記第1の閾値との前記比較が、前記波面データが十分な品質であることを示すまで、1つ又は複数の合焦光学部品の位置についてフォーカスを変更するように調節することによって前記光学経路を変更する第1の部分と、
    前記品質データの新たな第1の組と第2の閾値との前記比較が、前記波面データが十分な品質であることを示すまで、1つ又は複数の合焦光学部品の位置について非点収差を変更するように調節することによって前記光学経路を変更する第2の部分と、
    を含み、
    前記品質データの新たな第1の組と前記第1の閾値及び前記第2の閾値との前記比較が、前記波面データが十分な品質であることを示した後、前記補償光学系のフィードバックの連続使用と並列に前記測定光のスポットを前記被検体上で走査することによって、前記被検体の前記光学画像を取得するように前記光学撮像装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の光学撮像装置を制御する方法。
  14. 前記品質データの第1の組は、前記波面データの異なる質的側面を表す複数の要素を含み、
    前記第1の閾値は、前記波面データの異なる質的側面のために異なる閾値を与える複数の要素を含み、
    前記品質データの第1の組を前記第1の閾値と比較することは、前記波面データの特定の質的側面に関連付けられた前記品質データの第1の組の前記要素を、前記波面データの前記質的側面に関連付けられた閾値と比較することを含むことを特徴とする請求項1に記載の光学撮像装置を制御する方法。
  15. 請求項1乃至14の何れか1項に記載の光学撮像装置を制御するための命令を符号化して記憶する非一時的記録媒体。
  16. 被検体上に測定光を照射し、波面測定デバイスを用いて、前記被検体において生成された波面収差を測定し、波面補正デバイスを用いて前記波面収差を補正し、前記被検体の光学画像を取得するように構成された光学撮像装置を制御するためのコントローラーであって、
    プロセッサと、
    メモリと、
    を備え、
    前記プロセッサが、前記被検体において生成された前記波面収差の測定値である波面データの品質を表す品質データの第1の組を受け取り、
    前記プロセッサが、前記品質データの第1の組を第1の閾値と比較し、
    前記品質データの第1の組に対して行なわれた前記比較が、前記波面データが十分な品質であることを示す第1の事例において、
    前記プロセッサが、受け取った波面データに基づいて前記波面収差を補正するように前記光学撮像装置に命令する制御情報の第1の組を前記光学撮像装置に送信すること、及び
    再取得された波面データに基づいて波面収差を補正するように前記光学撮像装置に命令する制御情報の新たな第1の組を前記光学撮像装置に送信すること、を含む補償光学系のフィードバックを行い、
    前記品質データの第1の組に対して行なわれた前記比較が、前記波面データが十分な品質でないことを示す第2の事例において、
    前記プロセッサが、前記測定光が前記被検体上に放射される光学経路を変更するように前記光学撮像装置に命令する制御情報の第2の組を前記光学撮像装置に送信すること、
    前記光学経路が変更された後に新たな波面データに基づく品質データの新たな第1の組を受け取ること、及び
    前記品質データの新たな第1の組を前記第1の閾値と比較することと、
    を含む初期調節を行い、
    前記品質データの新たな第1の組に対して行なわれた前記比較が、前記波面データが十分な品質であることを示す第3の事例において、
    前記プロセッサが、前記光学経路が前記制御情報の第2の組に基づいて調節されている、前記補償光学系のフィードバックを行い、
    前記品質データの新たな第1の組の前記比較が、前記波面データが十分な品質でないことを示す第4の事例において、前記プロセッサは、制御情報の新たな第2の組に基づいて前記初期調節を実行することを特徴とするコントローラー。
  17. 前記光学撮像装置と、
    請求項16に記載のコントローラーと、
    を備えることを特徴とする装置。
  18. 被検体上に測定光を照射し、波面測定デバイスを用いて、前記被検体において生成された波面収差を測定し、波面補正デバイスを用いて前記波面収差を補正し、前記被検体の光学画像を取得するように構成された光学撮像装置であって、
    前記波面測定デバイスが測定した波面データの品質が所定の基準を満たすかどうか判断する判断手段と、
    前記判断手段により満たさないと判断された場合はあらかじめ定められた制御値に基づいて前記被検体と前記測定光との関係を制御し、満たすと判断された場合は前記測定した前記波面データに基づいて前記波面補正デバイスを制御する制御手段とを有することを特徴とする光学撮像装置。
  19. 前記制御手段は、前記判断手段により満たさないと判断された場合は、前記制御値を変更して行う前記関係の制御は、前記所定の基準を満たすまで繰り返し実行されることを特徴とする請求項18に記載の光学撮像装置。
  20. 前記関係の制御は、前記測定光の前記被検体でのフォーカスの調節であることを特徴とする請求項18又は19に記載の光学撮像装置。
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