JP2017183516A - 基板処理方法、基板処理装置およびプログラム記録媒体 - Google Patents

基板処理方法、基板処理装置およびプログラム記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】
基板の洗浄効率を低下させることなくエッジオーバースキャンを実施するための方法および装置を提供する。
【解決手段】
基板主面のブラシ洗浄にあたり、基板を水平に保持し前記基板の中心を通る回転軸(AX)の周りに前記基板を回転させる基板保持回転工程と、前記ブラシ(30、300、310、320、330)を前記基板に接近させることにより、前記ブラシと前記主面とが当接する当接領域を形成するブラシ当接工程と、前記当接状態を維持しつつ、基板径方向について基板の中心から外周へと向かう方向に前記ブラシを移動させる第1移動工程と、前記当接状態を維持しつつ、前記ブラシと前記主面とが当接した当接領域の基板径方向長さが減少するようにブラシの形状を変形させるブラシ変形工程と、前記ブラシ変形工程の後に、基板径方向について基板の中心から外周方向へと前記ブラシを移動させる第2移動工程が行われる。
【選択図】図4

Description

この発明は、処理対象の基板に対して処理液を用いた処理を施すための方法および装置に関する。処理対象の基板には、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板などの各種の基板が含まれる。これら基板を以下、「基板」と総称する。
特許文献1には、基板を一枚ずつブラシを用いてスクラブ洗浄する枚葉式の基板処理装置が開示されている。
こうした基板処理装置では、基板のまわりに配置された複数のチャックピンで基板を水平に把持しながら基板の中央部を通る鉛直な回転軸線AXまわりに回転させるスピンチャックと、スピンチャックに保持されている基板に押し付けられるブラシと、スピンチャックが基板を回転させているときに一部のチャックピンだけを基板から離すマグネットプレートおよびマグネット昇降機構とを備えている。ブラシは、基板の上面当接した状態で基板上面に沿って平行移動される。これにより、ブラシが基板に当接する部位がブラシ洗浄される。
基板の周縁部をブラシで洗浄する際には、ブラシとチャックピンとの干渉が問題となる。この問題に対処するため、例えば上記特許文献1では、一部のチャックピンだけを基板から離すことによりブラシとチャックピンの干渉を回避しつつ基板の周縁部を洗浄している。
特許第4939376号公報
しかしながら、上記特許文献1で示す方法では、基板端部(ベベルまたはエッジ周辺)のパーティクル等の汚染を充分に除去できない場合がある。
具体的には、特許文献1に例示される方法などによりブラシの当接面が基板端部に届くようにブラシ走査は可能である。しかし、こうしたブラシ走査は基板の内側から外側方向への力が働く一方でチャックピンの一部が基板と離合しているため。基板保持が不安定となる。このため、基板の回転数は低回転(数10rpmから数百rpm程度)に抑えられる。こうした低回転時におけるブラシ洗浄では充分に汚染除去が出来ないという経験的な知見がある。特許文献1の方法では、基板を高回転とさせた上でのブラシ洗浄を実行することが困難である。
加えて、特許文献1の方法では、多くの場合いわゆるエッジオーバースキャンが実行できないため、ブラシ汚染が基板に転移し残留するという問題がある。エッジオーバースキャンとは、洗浄終了後において、ブラシと基板の当接状態を保ちつつブラシを基板の外周方向に向かい、ブラシが基板に全く当接しない領域まで水平移動させるという走査手法である。ブラシ洗浄の後は、こうしたエッジオーバースキャンにてブラシを基板から離合しないと、基板との離合箇所にブラシ汚染が転移し残留するという問題がある。
ここで、チャックピンが「開状態」となり基板から離合したときのチャックピンと基板との間隙の大きさは典型的には数mmから10数mm程度であり、ブラシが基板と当接する当接面の基板径方向の幅は典型的には典型的には10mmから数10mmである。チャックピンとブラシが干渉しないようにエッジオーバースキャンを行うには、チャックピンと基板との間隙の大きさが、ブラシの当接面の基板径方向の幅よりも大きい必要があるが、多くの場合ブラシに対して間隙は小さすぎるため、ブラシとチャックピンは干渉してします。従って、多くの場合、特許文献1の方法では、エッジオーバースキャンを実行することができない。
ブラシのサイズを小さくすることで、この問題に対処することも可能ではあるが、この場合、洗浄の処理効率の低下などが問題となる。
そこで、本発明の目的の一つは、基板の洗浄効率を低下させることなく、エッジオーバースキャンを実施するための方法および装置を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)の主面をブラシ(30、300、310、320)で洗浄する基板洗浄方法であって、基板(W)を水平に保持し、前記基板(W)の中心を通る回転軸(AX)の周りに前記基板(W)を回転させる基板保持回転工程と、前記ブラシを前記基板(W)に接近させることにより、前記ブラシ(30)と前記主面とが当接する当接領域を形成するブラシ当接工程と、前記当接状態を維持しつつ、基板径方向について基板(W)の中心から外周へと向かう方向に前記ブラシを移動させる第1移動工程と、前記当接状態を維持しつつ、前記ブラシと前記主面とが当接した当接領域の基板径方向長さが減少するようにブラシの形状を変形させるブラシ変形工程と、前記ブラシ変形工程の後に、基板径方向について基板(W)の中心から外周へと向かう方向へと前記ブラシを移動させる第2移動工程とを備えており、前記第2移動工程は、前記当接状態が解消されるに至るまで行われることを特徴とする。
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
請求項1に記載の発明によれば、ブラシ(30、300、310、320、330)を用いた洗浄において、第1移動工程と第2移動工程とでブラシ(30)の形状を変化させることにより、工程に応じたブラシ形状にて洗浄を行うことが可能となる。
上記の目的を達成するための請求項2記載の発明は、請求項1に記載の基板処理方法であって、前記基板保持回転工程における基板(W)の保持が、開状態と閉状態に切替可能な複数のチャックピン(47)を用いておこなわれ、前記第2移動工程において、前記複数のチャックピンの少なくとも1つと前記基板との間に間隙Dが形成されることを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項3記載の発明は、請求項2に記載の基板処理方法であって、前記第1移動工程における当接領域の基板径方向長さL1と、前記第2移動工程における当接領域の基板径方向長さL2と、前記間隙Dとの間に、L1>D>L2の関係が成り立つことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、第2移動工程(いわゆるエッジオーバスキャン)において、D>L2の関係が成り立つため、ブラシ(30、300、310、320、330)とチャックピン(47)が干渉しないように第2移動工程を行うことが可能となる。さらに、L1>Dの関係が成り立つため、第1移動工程において効率よくブラシ洗浄を行うことが可能となる。
上記の目的を達成するための請求項4記載の発明は、請求項1乃至3に記載の基板処理方法であって、前記ブラシ変形工程が、前記ブラシ(30、300、310、320)を前記基板(W)に対して、相対的に鉛直移動させることにより行われることを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項5記載の発明は、請求項1乃至4に記載の基板処理方法であって、前記ブラシ(W)が、主ブラシ(30A、300A、310A、320A)と副ブラシ(30B、300A、310A、320A)を備えており、前記主ブラシの基板径方向長さD1と、前記副ブラシの基板径方向長さD2について、D1>D>D2の関係が成り立つことを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項6記載の発明は、請求項5に記載の基板処理方法であって、前記副ブラシ(30B、300B)が前記主ブラシ(30A、300A)の下面に固定されていることを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項7記載の発明は、請求項5に記載の基板処理方法であって、前記副ブラシ(310B)が前記主ブラシ(310A)の側面に固定されていることを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項8記載の発明は、請求項5に記載の基板処理方法であって、前記副ブラシ(320B)が前記主ブラシ(320A)の側面に擦動可能に設置されていることを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項9記載の発明は、請求項5乃至8に記載の基板処理方法であって、前記副ブラシ(30B、300B、310B、320B)の材質が、前記主ブラシ(30A、300A、310A、320A)の材質よりも低い剛性を有することを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項10記載の発明は、基板(W)の主面をブラシ(30、300、310、320、330)で洗浄するための基板処理装置であって、開状態と閉状態に切替可能な複数のチャックピン(47)を有し、基板(W)を保持するための基板保持機構と、前記基板(W)の主面を洗浄するためのブラシ(30、300、310、320、330)と、前記ブラシを鉛直方向に移動するための鉛直移動機構(61B)と、基板径方向について基板の中心から外周へと向かう方向に前記ブラシを移動させるための水平移動機構(61A、61C)とを備えており、前記ブラシが前記基板に対して、前記鉛直移動機構について移動されることにより、前記ブラシと前記主面とが当接した当接領域の基板径方向長さが、L1とL2の値をとるように前記ブラシの形状が変形され、前記L1、L2と、前記開状態におけるチャックピン(47)と基板(W)との間隙Dとの間に、L1>D>L2の関係が成り立つことを特徴とする。
請求項10記載の発明によれば、ブラシを基板の端部を超えて走査させるいわゆるエッジオーバスキャンを実施する際に、D>L2の関係が成り立つため、ブラシとチャックピンが干渉しないように当該エッジオーバスキャンを行うことが可能となる。さらに、L1>Dの関係が成り立つため、第1移動工程において効率よくブラシ洗浄を行うことが可能となる。
上記の目的を達成するための請求項11記載の発明は、請求項10に記載の基板処理装置(1)であって、前記鉛直移動機構が前記ブラシ(30、300、310、320)を鉛直方向に移動させることにより前記ブラシの形状が変化することを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項12記載の発明は、請求項10乃至11に記載の基板処理装置(1)であって、前記ブラシ(30、300、310、320)が主ブラシ(30A、300A、310A、320A)と副ブラシ(30B、300B、310B、320B)とを備えており、前記主ブラシの基板径方向長さD1と、前記副ブラシの基板径方向長さD2について、D1>D>D2の関係が成り立つことを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項13記載の発明は、請求項12に記載の基板処理装置(1)であって、前記副ブラシ(30B、300B)が前記主ブラシ(30A、300A)の下面に固定されていることを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項14記載の発明は、請求項12に記載の基板処理装置(1)であって、前記副ブラシ(310B)が前記主ブラシ(310A)の側面に固定されていることを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項15記載の発明は、請求項12に記載の基板処理装置(1)であって、前記副ブラシ(320B)が前記主ブラシ(320A)の側面に擦動可能に設置されていることを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項16記載の発明は、請求項12乃至15に記載の基板処理装置(1)であって、前記副ブラシ(30B、300B、310B、320B)の材質が、前記主ブラシ(30A、300A、310A、320A)の材質よりも低い剛性を有することを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項17記載の発明は、基板(W)の主面をブラシ(30、300、310、320)で洗浄する基板洗浄方法を実行するプログラムを記録したプログラム記録媒体であって、当該基板洗浄方法が、基板を水平に保持し、前記基板の中心を通る回転軸(AX)の周りに前記基板を回転させる基板保持回転工程と、前記ブラシを前記基板に接近させることにより、前記ブラシと前記主面とが当接する当接領域を形成するブラシ当接工程と、前記当接状態を維持しつつ、基板径方向について基板の中心から外周へと向かう方向に前記ブラシを移動させる第1移動工程と、前記当接状態を維持しつつ、前記ブラシと前記主面とが当接した当接領域の基板径方向長さが減少するようにブラシの形状を変形させるブラシ変形工程と、前記ブラシ変形工程の後に、基板径方向について基板の中心から外周へと向かう方向へと前記ブラシを移動させる第2移動工程とを備えており、前記第2移動工程は、前記当接状態が解消されるに至るまで行われることを特徴とする。
請求項17に記載の発明によれば、ブラシ(30、300、310、320、330)を用いた洗浄において、第1移動工程と第2移動工程とでブラシ(30)の形状を変化させることにより、工程に応じたブラシ形状にて洗浄を行うことが可能となる。
上記の目的を達成するための請求項18に記載の発明は、請求項17に記載のプログラム記録媒体であって、前記基板保持回転工程における基板の保持が、開状態と閉状態に切替可能な複数のチャックピンを用いておこなわれ、前記第2移動工程において、前記複数のチャックピンの少なくとも1つと前記基板との間に間隙Dが形成されることを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項19記載の発明は、請求項18に記載のプログラム記録媒体であって、前記第1移動工程における当接領域の基板径方向長さL1と、前記第2移動工程における当接領域の基板径方向長さL2と、前記間隙Dとの間に、L1>D>L2の関係が成り立つことを特徴とする。
請求項19に記載の発明によれば、第2移動工程(いわゆるエッジオーバスキャン)において、D>L2の関係が成り立つため、ブラシ(30、300、310、320、330)とチャックピン(47)が干渉しないように第2移動工程を行うことが可能となる。さらに、L1>Dの関係が成り立つため、第1移動工程において効率よくブラシ洗浄を行うことが可能となる。
上記の目的を達成するための請求項20に記載の発明は、請求項17乃至19に記載のプログラム記録媒体であって、前記ブラシ変形工程が、前記ブラシを前記基板に対して、相対的に鉛直移動させることにより行われることを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項21に記載の発明は、請求項17乃至20に記載のプログラム記録媒体であって、前記ブラシが、主ブラシと副ブラシを備えており、前記主ブラシの基板径方向長さD1と、前記副ブラシの基板径方向長さD2について、D1>D>D2の関係が成り立つことを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項22に記載の発明は、請求項21に記載のプログラム記録媒体であって、前記副ブラシが前記主ブラシの下面に固定されていることを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項21に記載の発明は、請求項21に記載のプログラム記録媒体であって、前記副ブラシが前記主ブラシの側面に固定されていることを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項24に記載の発明は、請求項21に記載のプログラム記録媒体であって、前記副ブラシが前記主ブラシの側面に擦動可能に設置されていることを特徴とする。
上記の目的を達成するための請求項25に記載の発明は、請求項21乃至24に記載のプログラム記録媒体であって、前記副ブラシの材質が、前記主ブラシの材質よりも低い剛性を有することを特徴とする。
第1実施形態に係る基板処理装置1の構成を示す模式図である。 第1実施形態に係る処理液供給機構200の構成を示す模式図である。 第1実施形態に係る制御機構100の構成を示す模式図である。 第1実施形態に係るブラシ30の構造を示す側面図である。 ブラシ30の変形の仕組みを説明するための模式図である。 ブラシ30の変形の仕組みを説明するための模式図である。 第1実施形態における処理の流れを説明するためのフロー図である。 ブラシ、基板、チャックピンとの関係を説明するための模式図である。 ブラシ、基板、チャックピンとの関係を説明するための模式図である。 ブラシ、基板、チャックピンとの関係を説明するための模式図である。 ブラシ、基板、チャックピンとの関係を説明するための模式図である。 ブラシ、基板、チャックピンとの関係を説明するための模式図である。 ブラシ、基板、チャックピンとの関係を説明するための模式図である。 ブラシ、基板、チャックピンとの関係を説明するための模式図である。 ブラシ、基板、チャックピンとの関係を説明するための模式図である。 ブラシ、基板、チャックピンとの関係を説明するための模式図である。 第2実施形態におけるブラシの構造を説明するための模式図である。 第3実施形態におけるブラシの構造を説明するための模式図である。 第4実施形態におけるブラシの構造を説明するための模式図である。 第5実施形態におけるブラシの構造を説明するための模式図である。
以下、基板処理装置1の構成及び動作を順次説明する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図面では同様な構成および機能を
有する部分に同じ符号が付され、下記説明では重複説明が省略される。また、各図面は模式的に示されたものである。また、図面を援用した実施形態の説明において、紙面の上下方向は基板処理装置1における鉛直方向に対応する。
[第1の実施形態について]
<基板処理装置1の構成>
図1は、実施形態に係る基板処理装置1の構成の一例を表す模式図である。
まず、基板処理装置1を構成する各種部材や機構について説明する。
基板処理装置1の中央部には、基板Wを保持回転するためのスピンチャック41が設置されている。スピンチャック41は、略円板形状のスピンベース115と、スピンベース115の下方に連結された円柱状の支軸43と、支軸43と連結するスピンベース回転機構55を備える。
スピンベース115の上面の周縁部には、基板Wをその周縁から保持するためのチャックピン47がスピンベース115上面の周方向について略等間隔に複数配設されている。スピンベース115の内部には、点線で示すチャックピン47に連結したチャックピン移動機構40が格納されている。
スピンベース115の周縁には、複数のチャックピン47が配設されている。チャックピン47は、基板Wをその上部に載せるための載置面47Aと基板Wを周縁から押接させ保持力を与えるための当接面47Bを有している。チャックピン47は、チャックピン移動機構40に連結されており、平面視において当接面47Bをスピンベース115の外周方向に移動した状態にさせる開状態と、平面視において当接面47Bをスピンベース115の内周方向に移動した状態にさせる閉状態とを実現するように、スピンベース115の径方向について変位可能である。
基板処理装置1において、スピンチャック41の隣にアーム移動機構60が配置されている。アーム移動機構60は、これに連結するアーム52を移動させるための可動部61を備えており、さらに、可動部61から生じる汚染物を遮蔽するために可動部61周囲を覆うためのカバー62を備えている。
アーム52はその一端がアーム移動機構60の可動部61に連結されており、その他端がヘッド51に連結されている。ヘッド51の下方には、基板Wを洗浄するためのブラシ30が設置されている。アーム移動機構60の可動部61は、ブラシ30がスピンベース115の上面に平行に揺動可能とするための軸回転機構61Aを備えている。加えて、可動部61は、ヘッド51およびブラシ30を、スピンベース115に対して上下移動させるための上下移動機構61Bを備えている。可動部61は、ヘッド51およびブラシをアーム52の長軸方向に前後させるための図示しない前後移動機構61Cを、軸回転機構61Aの代わりに、または軸回転機構61Aに加えて備えている構成としても良い。
基板処理装置1は更に、スピンチャック41で保持された基板Wに処理液を供給するための第1ノズルおよび第2ノズルを備える。
以下、図1に加えて適宜図2を参照して第1ノズル及び第2ノズルならびに処理機供給機構200の構成について説明する。
第1ノズル10は、配管210を通じて処理液供給機構200から供給される処理液を吐出口10Aから吐出可能に構成されている。本実施形態においては、第1ノズル10は、基板Wの主面(上面)の中心に向けて処理液を吐出するように、図示しない固定具により基板Wの上部に固定される。第1ノズル10の固定位置は、第2ノズルやヘッド51の移動に伴い、これらと干渉しない高さに設定される。
第1ノズル10は、配管210を通じて、図2に示す処理液供給機構200に接続する。処理液供給機構200は、処理液タンク250に貯留された処理液を、ポンプP1により、配管210を通じて第1ノズル10へと供給する。配管210には処理液の流量を調整するための流量調整バルブ211、配管220を開閉する開閉バルブ215が介接されている。第1ノズル10から吐出される処理液の流量は、ポンプP1の駆動出力および流量調整バルブ211の開度を調整することによって調節され、処理液の吐出の開始・停止は開閉バルブ215を開閉することにより実行される。
第2ノズル20は、配管220を通じて処理液供給機構200から供給される処理吐出口20Aから吐出可能に構成されている。処理液供給機構200は、処理液タンク250に貯留された処理液を、ポンプP2により、配管220を通じて第2ノズル20へと供給する。配管220には配管220を流れる処理液の流量を調整するための流量調整バルブ221、配管220を開閉する開閉バルブ225が介接されている。第2ノズル20から吐出される処理液の流量は、ポンプP2の駆動出力および流量調整バルブ221の開度を調整することによって調節され、処理液の吐出の開始・停止は開閉バルブ225を開閉することにより実行される。
配管210と配管220は、図2に示すように、独立して共通の処理液タンク250に連結する構成としても良いし、処理液タンク250に至る手前で共通配管230(図示せず)に合流した後、処理液タンク250と共通配管250が接続する形態としても良い。また、それぞれ異なる処理液タンク250A、250B(図示せず)へと連結する構成としても良い。
<制御機構100について>
図1及び図3を参照し、制御機構100の構成について説明する。
基板処理装置1は、更に制御機構100を有している。制御機構100は、チャックピン駆動機構40、スピンベース回転機構55、アーム移動機構60の可動部61、処理液供給機構200におけるポンプP1及びP2、流量調整バルブ211及び221、開閉バルブ215及び225などの動作を制御する。
制御機構100は、CPU120、処理液供給機構制御部121、アーム駆動機構制御部122、チャックピン駆動機構制御部123、スピンベース回転機構制御部124、その他の制御部125を備える(図3参照)。
制御機構に接続する記憶部110は、処理工程の手順や工程実施に必要な装置制御パラメータなどを格納するレシピや、操作者指示情報、工程ごとの装置制御パラメータや制御信号の値を算出するための各種アルゴリズムを格納する。上記の各制御部は、記憶部110と連携して制御信号の値を算出し、装置の処理工程の進行状況に従って、制御信号を接続先に送信する。
制御機構100は、基板Wの処理に伴う処理液飛沫や雰囲気汚染を回避するため、スピンチャック51との間に設けたスピンチャック51等を覆う図示しない隔壁の外部に設けた構成とし、制御信号を送受信するための配線を通じて上述の各種機構への通信を行う構成としても良い。
ここで、制御機構100によるブラシ30の移動制御について、特に詳しく説明する。
制御機構100における記憶部110には、レシピに対応した基板Wの厚み情報が格納されている。また、チャックピン47の載置面47Bとスピンベース115の上面との高さの差についての情報も同様に格納されている。これらの情報に基づいて、制御機構100における演算部115は、チャックピン47に保持された基板Wの主面(上面)とスピンベース115の上面との距離を算出できる。
チャックピン47は、スピンベース115内に格納されたチャックピン駆動機構40により、チャックピン47はスピンベース115に対してスピンベース115の径方向に移動可能である。開状態において、基板Wは先ずチャックピン47の載置面47Aに載置される。次に閉状態において、チャックピン47は、その当接面47Bが基板Wの回転中心に向かうように径方向に移動する。
ヘッド51またはブラシ30のスピンベース115に対する相対的な高さおよび水平方向の位置については、アーム移動機構60を駆動する際の駆動パルスをカウントするなどの従来から用いられた技術を用いて算出することが可能である。
これらの情報から、演算部115は、基板Wとブラシ30との高さおよび水平方向についての相対位置関係を算出することが可能である。
制御機構100における記憶部110には、更に、主ブラシ30A及び副ブラシ30Bそれぞれについての、基板W径方向の幅D1およびD2、高さH1およびH2、ならびにヘッド51に対するブラシ30の取り付け位置など、ブラシ30の各部位とスピンベース115との相対位置関係、ひいてはブラシ30の各部位とスピンチャック41に保持された基板Wとの相対位置関係を算出するための情報が格納されている。これら情報及びアーム移動機構60の駆動パルスなどの制御情報を用いて、レシピに規定されるプロセス要求に応じて、演算部115はブラシ30の各部位とスピンチャック41、基板Wとの相対位置関係が算出される。
こうして算出されたデータに基づき、スピンチャック41、ひいては基板Wに対してブラシ30を相対移動させる制御が実行される。
<ブラシ30の構造の詳細>
図4は、第1の実施形態に係るブラシ30の構造を説明するための説明図である。
図4を参照し、ブラシ30の構造の詳細について説明する。
ブラシ30は、ヘッド51の下面に固定されている。
ブラシ30は、主ブラシ30Aと、主ブラシ30Aの下面に接合された副ブラシ30Bを備える。
主ブラシ30Aは、直径D1が10mm〜数10mm、高さH1が数10mmの略円柱の形状を有している。主ブラシ30Aを構成する材料としては、例えばPVA(ポリビニルアルコール)やウレタンなどの弾性変形可能な材料で形成されたスポンジ材(多孔質部材)が選択される。
副ブラシ30Bは、直径D2が数mm、高さH2が数mmから数10mmの略円柱の形状を有している。副ブラシ30Bを構成する材料としては、例えば、主ブラシと同様に例えばPVA(ポリビニルアルコール)やウレタンなどの弾性変形可能な材料で形成されたスポンジ材(多孔質部材)が選択される。主ブラシの主な洗浄箇所は基板主面であり、副ブラシの主な洗浄箇所は基板端部(ベベルまたはエッジ周辺)であるため、前者は基板主面の汚れ、後者は基板端部の汚れとの適合性を考慮して材料特性の選択が行われる。また、本発明におけるブラシ変形を実行する都合上、好ましくは、副ブラシ30Bを構成する材料は、主ブラシ30Bを構成する材料よりも低い剛性のものとする。言い換えると、押圧に対して変形しやすい材料を選択することが望ましい。ブラシ材は、多様な洗浄特性・剛性のものが開発・市販されており選択肢は多い。主ブラシと副ブラシを構成する材料は、上記要求条件を考慮して選択される。
副ブラシ30Bの直径D2は、スピンチャック41に基板Wを保持した際における基板Wの端部と、当該端部に対向するスピンチャック41を開状態としたときの当該端部からスピンチャック41までの距離Dよりも小さくなるように設計・製作される。
また、副ブラシ30Bは、その高さH2が、スピンチャック41に基板Wを保持した際における基板Wの上面と、スピンチャック41の保持ピンの最頂部との鉛直方向高さの差H10以上の高さとなるように設計・製作される。
主ブラシ30Aと副ブラシ30Bは、一体的に成型されても良いし、別々の部品としてそれぞれを製造し、後に両者を接合しても良い。この場合、一体成型材料自体が、低い剛性、いいかえると押圧に対して変形可能な材料であることが望ましい。
副ブラシ30Bは主ブラシ30Aの下面において図4に示すように下面片側に偏心して接合される。基板Wの洗浄時においてこの偏心した副ブラシ30Bが平面視において主ブラシ30Aよりも中心軸寄りとなるように、ブラシ30がヘッド51に接合される。このようにブラシ30を構成することにより、基板Wの洗浄時において副ブラシ30Bが常にブラシ30Aよりも中心軸寄りとなる。
図5及び図6を参照し、ブラシ30の変形の仕組みについて説明する。
図5は、ブラシ30が変形する前のブラシ形状と基板Wとの関係を模式的に示している。この状態においては、副ブラシ30Bのみが基板Wに当接している。つまり、ブラシ30が基板Wと当接する当接領域の基板径方向の長さL2は副ブラシ30Bの基板径方向の長さD2となっている。従って、ブラシ30の基板径方向についての長さは、基板Wの主面高さから、主ブラシ30Aと副ブラシ30Bとの接合面高さに至るまでD2となる。
主ブラシ30Aと副ブラシ30Bとの接合面高さから、ヘッド51と主ブラシ30Aとの接合面高さまでについては、ブラシ30の基板径方向についての長さは主ブラシ30Aの基板径方向の長さD1である。
図5の状態からブラシ30を基板Wに押し付けると、ブラシ30が図6の矢印A1に示す方向(鉛直下方)に移動し、これに伴いブラシ30が変形する。主ブラシ30Aを構成する材料よりも、副ブラシ30Bを構成する材料の剛性が低い場合、ブラシ30を基板Wに押し付けることによって、主として副ブラシ30Bが変形する。さらにブラシ30の矢印A1方向への移動が続く結果、基板Wの主面に主ブラシ30Aと副ブラシ30Bが共に当接した状態となる。
この状態においては、ブラシ30が基板Wと当接する当接領域L1の基板径方向の長さは主ブラシ30Aの基板径方向の長さD1となる。なお、基板Wの主面高さから、ヘッド51と主ブラシ30Aとの接合面高さまでについては、ブラシ30の基板径方向についての長さは主ブラシ30Aの基板径方向の長さD1となる。
このように、ヘッド51を鉛直方向に上下移動させることにより、ヘッド51に取り付けられたブラシ30の形状を変化させ、当該変化がブラシ30と基板Wとが形成する当接領域の形状を変化させる。当接領域の形状変化により、当接領域の基板径方向の長さが変化する。
以上、基板処理装置1の装置構成について説明した。
以下、図7のフロー図ならびに図8乃至図16を適宜参照し、第1実施形態に係る基板処理装置1の動作を説明する。
<第1実施形態に係る基板処理装置1の動作>
<STEP1 基板の保持回転>
先ず、基板Wに所定の処理を加えるために、基板Wがスピンチャック41に保持される。基板Wが、図示しない基板搬送機構により基板処理装置1へと搬送されてくる。
このとき、チャックピン47は、既に説明した開状態となっている。
また、このときヘッド51及びその下面にあるブラシ30は、スピンチャック41の外側の退避位置に位置する。
基板搬送機構は、基板Wを、開状態となっているチャックピン47の載置面47Aに載置する。図8に、このときの基板W、スピンチャック115、チャックピン47、ブラシ30との位置関係を模式的に示す(簡単のため、第1ノズル10及び第2ノズルは図8から省略している)。
次に、チャックピン47が閉状態となる。チャックピン47が開状態から閉状態となると、チャックピン47が図9の矢印A2に示す方向(基板径方向内側)に移動する。これにより、チャックピン47の当接面47Bが基板Wの周縁を押接する形となり、基板Wがチャックピン47により保持される。図9に、このときの基板W、スピンチャック115、チャックピン47、ブラシ30との位置関係を模式的に示す(簡単のため、第1ノズル10及び第2ノズル20は図9から省略している)。これらチャックピン47の動作は、制御部100におけるチャックピン制御機構143により制御される。
次に、スピンベース回転機構55に内蔵のモータが駆動し、スピンベース回転機構55に連結する支軸43が回転する。この回転に伴って、支軸43の上部に連結するスピンベース115がチャックピン47およびこれに保持された基板Wとともに回転する。スピンベース回転機構55の動作は、制御部100におけるスピンベース回転機構制御部141により制御される。
<STEP2 処理液供給>
次に、第1ノズル10から基板Wの主面上に処理液が吐出される。ここでの処理は、例えば、基板W上の汚染物を除去することや、基板W上のレジスト等の残渣を除去するなどの広義の洗浄処理を含む。処理液は、洗浄の目的や性質により選択される。処理液の例としては、ブラシによる基板Wの洗浄に適合する処理液が選択されることが望ましい。こうした処理液としては、例えばDIW、弱酸性、弱アルカリ性の薬液などが用いられるが、汚れや残渣除去の性状によってはSC1、SC2などを用いても良い。また、レジスト残渣の性状によっては、硫酸過水などを用いても良い。
第1ノズル10は、スピンチャック41の略中央部の上方、すなわち平面視において基板Wの略中心近傍に処理液が吐出されるように配置される。このことは、第1ノズル10の吐出口がスピンチャック41の略中央部上方に位置するように第1ノズルを配置しておくことにより達成可能である。また、別の実現形式として、第1ノズル10の吐出口自体は、スピンチャック41の略中央部から外れた位置とした上で、処理液の吐出方向を斜めにすることで結果的に処理液が基板Wの略中央部に着液するようにしても良い。
第1ノズル10から、基板Wの略中央部に処理液が吐出されると、当該処理液は基板Wの回転に伴い遠心力を受け、基板Wの外周方向に拡がる。
<STEP3 ブラシを洗浄開始位置へと移動>
第1ノズルの上述動作の直後またはこれと並行して、ヘッド51がブラシによる洗浄の開始位置へと移動される。ヘッド51の下方に配置されたブラシ30は、通常は平面視においてスピンチャック41の外側の退避位置に移動された状態となっている。アーム移動機構60は、ヘッド51を上方へと微小距離(数mmから数cm程度)移動させ、ヘッド51を基板Wの上方の所定位置へと移動させる。この所定位置は、ブラシ30による処理を開始させる位置である。
この処理開始位置は、基板Wの全面についてブラシ洗浄する場合は、基板Wの中央部すなわち基板Wと基板Wの回転軸線AXとの交差位置近傍となる。基板Wの周縁部についてのみブラシ洗浄する場合は、基板Wの周縁部のうちブラシ洗浄を行う領域について基板Wの径方向について最も基板Wの中央部寄りの位置が処理開始位置となる。
図10に、このときの基板W、スピンチャック115、チャックピン47、ブラシ30との位置関係を模式的に示す(簡単のため、第1ノズル10及び第2ノズルは図10から省略している)。
<STEP4 第2ノズル20からの処理液供給>
ヘッド51の移動に伴い、第2ノズル20が移動する。第2ノズル20の移動とヘッド51の移動を同期させる制御および駆動機構を備えることでもこうした移動は実現可能であるが、最も簡便にこれを実現する構成としては、ヘッド51に第2ノズル20を配設する構成が考えられる。
基板をブラシ洗浄する際、基板W表面から除去されたパーティクル等の汚染物を基板W外周へと洗い流すため、基板Wの主面全面が所定の膜厚の処理液で覆われている必要がある。その一方で、基板Wの回転に伴い処理液に働く遠心力などの影響により、当該液膜は基板Wの中心部で厚く、基板Wの周縁部で薄くなる傾向がある。このため、液膜が極度に薄くなったり欠落したりする部位について、処理液を補充してやる必要がある。
第2ノズル20は、第1ノズル10から吐出された処理液と同種の処理液を基板Wと補充供給する役割を有する。
<STEP5 ブラシ30による洗浄>
ここまでの工程により、基板Wはスピンチャック47に保持された状態で回転し、当該回転する基板Wの主面上には、第1ノズル10および第2ノズル20から処理液が吐出されている。ブラシ30による洗浄にあたり、ブラシ30が図11の矢印A3に示す方向(鉛直下方)に移動し、ブラシ30が基板Wに押し付けられて変形する。ブラシ30Bの素材の剛性がブラシ30Aの剛性よりも低い値の場合、当該変形において主にブラシ30Bが変形する。この結果、図11に模式的に示すようにブラシ30Bの下面に加えてブラシ30Aの下面が基板Wに当接した状態となる。従って、ブラシ30と基板Wとが当接する当接領域の基板径方向の長さL1は、この時点においては、主ブラシ30Aの基板径方向の長さD1となる。
図11に、このときの基板W、スピンチャック115、チャックピン47、ブラシ30との位置関係を模式的に示す(簡単のため、第1ノズル10及び第2ノズルは図11から省略している)。
ブラシ30は、その上部に主ブラシ30A、主ブラシ30Aの下面に副ブラシ30Bが接合された構成となっているため、ブラシ30の下方移動に伴い、まず基板Wに副ブラシ30Bの下面が当接する。当接後、さらにブラシ30の下方移動は副ブラシ30Bの高さH2と同じか、ややこれを超える程度まで続けられる。この結果、主に副ブラシ30Bが上下に押しつぶされるように変形し、やがて主ブラシ30Aの下面全体が基板Wに当接する。主ブラシ30Aの下面の径方向幅30Aの長さは、副ブラシ30Bのそれよりも大きいため、基板Wの主面の洗浄を高効率で実行することが可能となる。
この状態から、ブラシ30が基板W状態で径方向について所定の範囲(洗浄を予定する領域に対応)について、径方向に平行移動する。この径方向移動は、ブラシ30と基板Wが当接状態を保つ範囲で行われる。径方向移動は、例えば、基板Wの主面の中心から周縁手前まで行われるが、この移動は単発的に行われても良いし、上記当接状態を保ったまま複数回径方向に往復移動が繰り返されても良い。この移動の間には、基板Wとブラシ30との相対高さが変化しないので、ブラシ30と基板Wとが当接する当接領域L1の径方向長さは、主ブラシ30Aの基板径方向長さD1のままである。STEP5におけるブラシ30の移動は、STEP5の終了時において、ブラシ30が基板Wの中心よりも、基板径方向について外周寄りに移動した位置となるように実行される。
図12に、STEP5の終了時における、基板W、スピンチャック115、チャックピン47、ブラシ30との位置関係を模式的に示す(簡単のため、第1ノズル10及び第2ノズルは図12から省略している)。STEP5の終了時においては、ブラシ30が図12の矢印A4に示す方向に移動し、ブラシ30Aが基板Wの端面近傍で停止している。当該停止位置は、ブラシ30Aがチャックピン47に接触しないように設定されている。
<STEP6 ブラシ30変形>
STEP5に引き続き、STEP6が実行される。STEP6では、主ブラシ30Aが基板Wに当接した状態から副ブラシ30Bが基板Wに当接した状態への移行が行われ、最終的にはエッジオーバースキャンが達成される。
STEP6では、主ブラシ30Aの下面について基板Wの外周寄りにある外側エッジ71Aが基板Wの端部に到達する手前に至ると同時に、ブラシ30がスピンベース115に対して図13の矢印A5に示す方向(鉛直上方向)に移動する。この移動距離は、副ブラシ30Bの高さH2と同じかやや小さい程度である。この結果、押しつぶされて変形していた副ブラシ30Bが鉛直方向に延びる形で形状回復し、基板Wの主面から主ブラシ30Aの下面が離合し、副ブラシ30Bの下面のみが接触する状態となる。こうして、主ブラシ30Aが基板Wに当接した状態から副ブラシ30Bが基板Wに当接した状態への移行が行われる。当該移行により、ブラシ30と基板Wとが当接する当接領域の基板径方向長さがL1からL2へと変化する。この時点での当接領域の基板径方向長さL2は、副ブラシ30Bの基板径方向長さD2となる。
これと並行して、または直後に、ブラシ30に対向するチャックピン47が開状態となる。
図13に、このときの基板W、スピンチャック115、チャックピン47、ブラシ30との位置関係を模式的に示す(簡単のため、第1ノズル10及び第2ノズルは図13から省略している)。
なお、ここでは、複数のチャックピン47うちの一つ、または複数のチャックピンのうちその一部のチャックピン群のみを開状態とし、残りを閉状態としているため、基板Wの保持状態は問題なく維持されている。こうした複数チャックピンのうちの一または一部のチャックピン群のみを開状態とし、残りを閉状態とする手法には従来から複数の手法が知られており、本実施形態においていずれの手法を用いても良い。
<STEP7 変形後のブラシ30による洗浄>
これと並行して、ブラシ30が、図14の矢印A6に示す方向(基板Wの外周方向)へと移動する。ブラシ30の移動は、STEP5の終了に伴い一旦停止し、STEP6開始に伴い移動を再開しても良いが、洗浄効率やパーティクル残存を減らす観点から、移動を停止しないことが望ましい。
STEP6におけるブラシ30の径方向についての移動(図14の矢印A6)は、副ブラシ30Bの下面について基板Wの外周寄りにある外側エッジ71Bが、チャックピン47に接触する手前の位置であり、且つ、副ブラシ30Bの下面について基板Wの回転中心軸寄りにある内側エッジ72Bが基板Wの端面より外周側に至っている状態となったときに停止する。
副ブラシ30Bの基板径方向長さD2は、基板Wと開状態チャックピン47との間隙Dよりも小さいため、ブラシ30が基板W及び開状態のチャックピン47のいずれにも接触しないように当該停止を行うことが可能である。
図14に、このときの基板W、スピンチャック115、チャックピン47、ブラシ30との位置関係を模式的に示す(簡単のため、第1ノズル10及び第2ノズルは図14から省略している)。
図14に示すように、ブラシ30の副ブラシ30Bの下面全体が基板Wとチャックピン47との間の隙間において、基板Wとチャックピン47のいずれにも接触しない状態で停止した状態となる。こうして、ブラシ30のエッジオーバースキャンが、ブラシ30のいずれの部位もチャックピン47に干渉しないように実行される。
STEP6の終了後、以下に説明するSTEP7に処理が移行する。
なお、基板Wの汚れが激しいなど、処理の要求内容によっては、STEP6とSTEP7を2回以上繰り返した後、以下に述べるSTEP7へと移行しても良い。
<STEP8 ブラシを退避位置に移動>
ブラシ30による基板Wの洗浄が終了した後は、アーム移動機構60によりブラシ30を、図15の矢印A7に示す方向(鉛直上方向)に基板Wから微小距離(数mmから数cm)移動させる。
図15に、このときの基板W、スピンチャック115、チャックピン47、ブラシ30との位置関係を模式的に示す(簡単のため、第1ノズル10及び第2ノズルは図15から省略している)。
次に、ヘッド51およびこれの下方に配設されているブラシ30を、図16の矢印A8方向に移動させることによって、チャックピン47の周囲に設けた退避位置へと移動させる。これら移動は、記憶部110に格納されたレシピ情報に基づき、アーム移動機構制御部142がアーム移動機構60に制御信号を送りアーム移動機構60を制御することにより実行される。
図16に、このときの基板W、スピンチャック115、チャックピン47、ブラシ30との位置関係を模式的に示す(簡単のため、第1ノズル10及び第2ノズルは図16から省略している)。上記移動の開始と同時に、または当該移動と並行して、第1ノズル10および第2ノズル20からの処理液吐出が停止される。当該吐出停止は、記憶部110に格納されたレシピ情報に基づき、第1ノズル制御機構120および第2ノズル制御機構130が、処理液供給機構200におけるポンプP1及び222、流量調整バルブ211及び221、開閉バルブ210及び220に制御信号を送り制御することにより実行される。
<STEP9 基板の搬出>
ヘッド51が退避位置に退避した後、チャックピン47が開状態となる。チャックピン47が開状態となった後、またはこれと並行して、図示しない基板搬送機構のハンド部がスピンベース115と基板Wとの間に侵入し、当該ハンド部が上昇する。これにより、基板Wがハンド部により持ち上げられる。基板搬送機構は、ハンド部に基板Wを載置した状態で、基板処理装置1の外部へと基板Wを搬送する。これにより、基板Wをブラシ洗浄する一連の工程が終了する。
[第2の実施形態について]
次に第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態と第1の実施形態との主な違いは、ブラシの形状にある。
第2の実施形態に係るブラシ300の構造を図17に示す。
ブラシ300は、主ブラシ300Aと副ブラシ300Bとを有している。
主ブラシ300Aはヘッド51の下部に固定されており、下向きの円錐台形の形状を有する。副ブラシ300Bは、主ブラシ300Aの下面に固定されており、下向きの円錐形の形状を有する。主ブラシ300Aと副ブラシ300Bは、全体として、ヘッド51の下部に形成された下向きの円錐形の形状を有する。
主ブラシ300Aおよび副ブラシ300Bの材料としては、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)やウレタンなどの弾性変形可能な材料で形成されたスポンジ材(多孔質部材)が選択される。これら材料は、洗浄目的などに応じて多種多様な粒度や剛性のものが市販されている。副ブラシ300Bは主ブラシ300Aよりも剛性が低い、いいかえると変形しやすいことが望ましい。
このブラシ300は、基板Wに押し付けられることにより、第1の実施形態におけるブラシ30と同様、形状が変化する。この結果、副ブラシ300Bは主ブラシ300Aに埋め込まれて隠れたような状態となる。ブラシ300は、全体として下向きの逆円錐形の形状を有しているので、ブラシ300が基板Wに押し付けられるほど、ブラシ300と基板Wとが当接する当接領域の面積は大きくなる。当然、当該当接領域の基板径方向についての長さも大きくなる。
第1実施形態においては、ブラシ30で基板Wを洗浄する際、(1)最初の段階ではブラシ30と基板Wとの当接領域の基板径方向の長さL1が比較的大きく(L1>D)した状態で洗浄を実施し、(2)その後にブラシ30の形状を変化させ、当該当接領域の基板径方向の長さL2を、エッジオーバースキャン時にチャックピン47と干渉しない動作が可能な大きさ(D>L2)とし、(3)洗浄(エッジオーバースキャン含めた洗浄)を行う。
これに対して、第2実施形態におけるブラシ300においても、ブラシ300の基板径方向についての形状を変化させることが可能である。従って、第1実施形態におけるブラシ洗浄と同様に、第2実施形態においても、上述の(1)〜(3)と同様な動作を実現できる。例えば、(1)の段階では副ブラシ300Bが押しつぶされて、実質的には主ブラシ300Aが基板Wに当接したのと同じ形状の当接領域を形成させ、(2)ではこの段階での当接領域の基板径方向長さL2がD>L2となる所定位置までブラシ300を鉛直方向に移動させ、(3)エッジオーバースキャンを実施することが可能である。
[第3の実施形態について]
次に第3の実施形態について説明する。
第1実施形態と第3実施形態との主な違いはブラシの構造の違いにある。
第3の実施形態に係るブラシ310の構造を図18に示す。
ブラシ310は、主ブラシ310Aと副ブラシ310Bとを有している。
主ブラシ300Aはヘッド51の下部に固定されており、略直方体の形状を有する。
副ブラシ300Bは、主ブラシ300Bに基板径方向の外周側において隣接するように、ヘッド51の下部に固定されている。
主ブラシ310は、高さH13、基板径方向の長さD13を有しており、副ブラシ310は高さH23、基板径方向の長さD23を有している。
副ブラシ310Bの基板径方向の長さD23は、スピンチャック41に基板Wを保持した際における基板Wの端部と、当該端部に対向するスピンチャック41を開状態としたときの当該端部からスピンチャック41までの距離Dよりも小さくなるように設計・製作される。また、主ブラシ310Aの基板径方向の長さD13は、D23よりも大きく、好ましくはDよりも大きくなるように設計・製作される。すなわち、ブラシ310は、D13>D>D23の関係になるように設計・製作されることが望ましい。
また、副ブラシ310Bの高さH23は、主ブラシ310Aの高さH13よりも大きく、H23とH13との差H23は、スピンチャック41に基板Wを保持した際における基板Wの上面と、スピンチャック41の保持ピンの最頂部との鉛直方向高さの差H10以上の高さとなるように設計・製作される。
第1実施形態においては、ブラシ30で基板Wを洗浄する際、(1)最初の段階ではブラシ30と基板Wとの当接領域の基板径方向の長さL1が比較的大きく(L1>D)した状態で洗浄を実施し、(2)その後にブラシ30の形状を変化させ、当該当接領域の基板径方向の長さL2を、エッジオーバースキャン時にチャックピン47と干渉しない動作が可能な大きさ(D>L2)とし、(3)洗浄(エッジオーバースキャン含めた洗浄)を行う。第3実施形態におけるブラシ310においても、ブラシ310の基板径方向についての形状を変化させることが可能である。従って、第1実施形態におけるブラシ洗浄と同様に、第3実施形態においても、上述の(1)〜(3)と同様な動作を実現できる。
具体的には、(1)の段階では、基板Wとブラシ310とが当接する当接領域の基板径方向長さL1は、主ブラシ310Aの基板径方向長さD13となり、(2)でブラシ310の形状が変化し、これに伴い当接領域の基板径方向長さL1がL2へと変化し、(3)での当接領域の基板径方向長さは、副ブラシ310Bの基板径方向長さD23となる。ここで、基板Wと開状態のチャックピン47との間隙Dと、長さD23との間にはD>D23の関係があるため、エッジオーバースキャンにおけるブラシ310とチャックピン47との干渉を回避できる。
[第4の実施形態について]
次に第4の実施形態について説明する。
第4実施形態と第1実施形態との違いは、ブラシの形状を変化させる際、第1実施形態では主ブラシと副ブラシとの相対的な位置関係は変化しないのに対して、第4実施形態では主ブラシに対して副ブラシの相対的な位置が変化することである。
第4の実施形態に係るブラシ320の構造を図19に示す。
ブラシ320は、主ブラシ320Aと副ブラシ320Bとを有している。
主ブラシ300Aはヘッド51の下部または側面に固定されており、略直方体の形状を有する。副ブラシ320Bは、側面視において、主ブラシ320Aに基板径方向の外周側において隣接するように、ヘッド51の下部または側面に固定されている。
主ブラシ320Aは、基板径方向の長さD14を有し、副ブラシ320Bは、基板径方向の長さD24を有している。
副ブラシ320Bの基板径方向の長さD24は、スピンチャック41に基板Wを保持した際における基板Wの端部と、当該端部に対向するスピンチャック41を開状態としたときの当該端部からスピンチャック41までの距離Dよりも小さくなるように設計・製作される。また、主ブラシ320Aの基板径方向の長さD14は、D24よりも大きく、好ましくはDよりも大きくなるように設計・製作される。すなわち、ブラシ320は、D14>D>D24の関係になるように設計・製作されることが望ましい。
ここで、主ブラシ320Aの下面と副ブラシ320Bの下面との高さは、副ブラシ移動機構325により変化させることができる。主ブラシ320Aの下面と副ブラシ320Bの下面との最大の高低差H24が、スピンチャック41に基板Wを保持した際における基板Wの上面と、スピンチャック41の保持ピンの最頂部との鉛直方向高さの差H10以上の高さとできるように、ブラシ320は設計・製作される。
副ブラシ移動機構325はヘッド51に固定されている。副ブラシ移動機構325は、ヘッド51に内蔵されていても良い。副ブラシ移動機構325には、副ブラシ320Bの上端が連結されている。副ブラシ移動機構325は、これは制御部100からの制御信号に応じて副ブラシ320Bをヘッド51に対して鉛直方向に上下移動させる。
第1実施形態においては、ブラシ30で基板Wを洗浄する際、(1)最初の段階ではブラシ30と基板Wとの当接領域の基板径方向の長さL1が比較的大きく(L1>D)した状態で洗浄を実施し、(2)その後にブラシ30の形状を変化させ、当該当接領域の基板径方向の長さL2を、エッジオーバースキャン時にチャックピン47と干渉しない動作が可能な大きさ(D>L2)とし、(3)洗浄(エッジオーバースキャン含めた洗浄)を行う。第4実施形態におけるブラシ320においても、ブラシ320の基板径方向についての形状を変化させることが可能である。従って、第1実施形態におけるブラシ洗浄と同様に、第4実施形態においても、上述の(1)〜(3)と同様な動作を実現できる。
具体的には、(1)の段階では、基板Wとブラシ320とが当接する当接領域の基板径方向長さL1は、主ブラシ320Aの基板径方向長さD14となり、(2)でブラシ310の形状が変化し、これに伴い当接領域の基板径方向長さL1がL2へと変化し、(3)での当接領域の基板径方向長さは、副ブラシ320Bの基板径方向長さD24となる。ここで、基板Wと開状態のチャックピン47との間隙Dと、長さD24との間にはD>D24の関係があるため、エッジオーバースキャンにおけるブラシ320とチャックピン47との干渉を回避できる。
[第5の実施形態について]
第5の実施形態について以下に説明する。第1〜4実施形態では、ブラシ形状を変化させることにより、基板Wとブラシとが当接する当接領域の基板径方向についての長さなどを、基板W主面のみのブラシ洗浄を行うときと、エッジオーバースキャンを含めた洗浄を行うときとで変化させている。これに対して、第5の実施形態においては、ブラシを自転させることで、基板Wとブラシとが当接する当接領域の基板径方向についての長さを変化させる。つまり、ブラシ自体の形状は実質的に変化しないのであるが、ブラシを自転させることで、特定方向(基板径方向)からの見かけの形状を変化させる。
第5の実施形態に係るブラシ330の構造を図20に示す。
ブラシ330は一体的に成型されており、全体として略直方体形状を有する。
ブラシ330は、ブラシ自転機構335を介してヘッド51に接続されている。
ブラシ330を構成する材料としては、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)やウレタンなどの弾性変形可能な材料で形成されたスポンジ材(多孔質部材)が選択される。
ブラシ自転機構335は、ヘッド51に対してブラシ330を自転させる機能を有する。自転制御に必要な情報は制御機構100における記憶部110に格納されており、自転機構335は、その他の駆動機構の動作制御と同様に制御機構100によって制御される。
ブラシ330は、長軸D15、短軸D25を有する略直方体形状である。長軸D15の長さは、例えば10mm〜数10mmである。短軸D25の長さは、スピンチャック41に基板Wを保持した際における基板Wの端部と、当該端部に対向するスピンチャック41を開状態としたときの当該端部からスピンチャック41までの距離Dよりも小さくなるように設計・製作される。長軸D15の長さは逆に、Dよりも大きくすることが洗浄効率の点で好ましい。つまり、D15>D>D25とすることが望ましい。
ヘッド51に対してブラシ330を自転させることにより、ブラシ330の基板径方向についての見掛けの形状が変化する。
第1実施形態においては、ブラシ30で基板Wを洗浄する際、(1)最初の段階ではブラシ30と基板Wとの当接領域の基板径方向の長さL1が比較的大きく(L1>D)した状態で洗浄を実施し、(2)その後にブラシ30の形状を変化させ、当該当接領域の基板径方向の長さL2を、エッジオーバースキャン時にチャックピン47と干渉しない動作が可能な大きさ(D>L2)とし、(3)洗浄(エッジオーバースキャン含めた洗浄)を行う。
これに対して、第5実施形態におけるブラシ330においても、ブラシ330の基板径方向についての形状を変化させることが可能である。自転により、ブラシ330の基板径方向についての長さを、ブラシ330の長軸長さLと短軸長さWとで切り替えることが可能であり、ブラシ330は好ましくはD15>D>D25となるように設計・製造されている。
従って、第1実施形態におけるブラシ洗浄と同様に、第5実施形態においても、上述の(1)〜(3)と同様な動作を実現できる。
具体的には、(1)の段階では、基板Wとブラシ330とが当接する当接領域の基板径方向長さL1は、L1=D15となり、(2)でブラシ330の基板径方向の見かけ長さがが変化し、これに伴い当接領域の基板径方向長さL1がL2へと変化し、(3)での当接領域の基板径方向長さは、L2=D25となる。ここで、基板Wと開状態のチャックピン47との間隙Dと、長さD24との間にはD>D25の関係があるため、エッジオーバースキャンにおけるブラシ330とチャックピン47との干渉を回避できる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の実施態様は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
例えば、本発明の実施形態の上記説明におけるアーム駆動機構、スピンベース回転機構、チャックピン制御機構、自転機構などの各種駆動機構ならびに、アームやヘッドの構造、スピンチャックの構造、チャックピンの構造などについては、多様な実現形態が公知であり、当業者は特許請求の範囲に記載された事項の範囲内にて本発明を適用可能である。
また、チャックピンの開閉や、ヘッドの高さ及び水平移動などを行うための制御情報の格納や制御の具体的な態様についても、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
その他、特許請求の範囲による限定の範囲内において、願書に添付された明細書、請求の範囲、図面に開示された本発明の開示内容を超えない範囲内において、実施態様の種々の変更が可能である。
W 基板
AX 回転軸線
A1 矢印
A2 矢印
A3 矢印
A4 矢印
A5 矢印
A6 矢印
A7 矢印
A8 矢印
D1 主ブラシの基板径方向長さ
D2 副ブラシの基板径方向長さ
L1 基板とブラシの当接領域の基板径方向の長さ
L2 基板とブラシの当接領域の基板径方向の長さ
P1 ポンプ
P2 ポンプ
1 基板処理装置
10 第1ノズル
10A 第1ノズルの吐出口
20 第2ノズル
20A 第2ノズルの吐出口
30 ブラシ
30A 主ブラシ
30B 副ブラシ
40 チャックピン移動機構
47 チャックピン
47A 載置面
47B 当接面
51 ヘッド
52 アーム
55 スピンベース回転機構
60 アーム移動機構
61 可動部
61A 軸回転機構
61B 上下移動機構
61C 前後移動機構
62 カバー
100 制御機構
110 記憶部
115 スピンベース
200 処理機供給機構
210 配管
211 流量調整バルブ
215 開閉バルブ
220 配管
221 流量調整バルブ
225 開閉バルブ
250 タンク

Claims (25)

  1. 基板の主面をブラシで洗浄する基板洗浄方法であって、
    基板を水平に保持し、前記基板の中心を通る回転軸の周りに前記基板を回転させる基板保持回転工程と、
    前記ブラシを前記基板に接近させることにより、前記ブラシと前記主面とが当接する当接領域を形成するブラシ当接工程と、
    前記当接状態を維持しつつ、基板径方向について基板の中心から外周へと向かう方向に前記ブラシを移動させる第1移動工程と、
    前記当接状態を維持しつつ、前記ブラシと前記主面とが当接した当接領域の基板径方向長さが減少するようにブラシの形状を変形させるブラシ変形工程と、
    前記ブラシ変形工程の後に、基板径方向について基板の中心から外周へと向かう方向へと前記ブラシを移動させる第2移動工程とを備えており、
    前記第2移動工程は、前記当接状態が解消されるに至るまで行われることを特徴とする、基板処理方法。
  2. 請求項1に記載の基板処理方法であって、
    前記基板保持回転工程における基板の保持が、開状態と閉状態に切替可能な複数のチャックピンを用いておこなわれ、
    前記第2移動工程において、前記複数のチャックピンの少なくとも1つと前記基板との間に間隙Dが形成されることを特徴とする、基板処理方法。
  3. 請求項2に記載の基板処理方法であって、
    前記第1移動工程における当接領域の基板径方向長さL1と、
    前記第2移動工程における当接領域の基板径方向長さL2と、
    前記間隙Dとの間に、
    L1>D>L2の関係が成り立つことを特徴とする、基板処理方法。
  4. 請求項1乃至3に記載の基板処理方法であって、
    前記ブラシ変形工程が、前記ブラシを前記基板に対して、相対的に鉛直移動させることにより行われることを特徴とする、基板洗浄方法。
  5. 請求項1乃至4に記載の基板処理方法であって、
    前記ブラシが、主ブラシと副ブラシを備えており、
    前記主ブラシの基板径方向長さD1と、
    前記副ブラシの基板径方向長さD2について、
    D1>D>D2の関係が成り立つことを特徴とする、基板処理方法。
  6. 請求項5に記載の基板処理方法であって、
    前記副ブラシが前記主ブラシの下面に固定されていることを特徴とする、基板処理方法。
  7. 請求項5に記載の基板処理方法であって、
    前記副ブラシが前記主ブラシの側面に固定されていることを特徴とする、基板処理方法。
  8. 請求項5に記載の基板処理方法であって、
    前記副ブラシが前記主ブラシの側面に擦動可能に設置されていることを特徴とする、基板処理方法。
  9. 請求項5乃至8に記載の基板処理方法であって、前記副ブラシの材質が、前記主ブラシの材質よりも低い剛性を有することを特徴とする、基板洗浄方法。
  10. 基板の主面をブラシで洗浄するための基板処理装置であって、
    開状態と閉状態に切替可能な複数のチャックピンを有し、基板を保持するための基板保持機構と、
    前記基板の主面を洗浄するためのブラシと、
    前記ブラシを鉛直方向に移動するための鉛直移動機構と、
    基板径方向について基板の中心から外周へと向かう方向に前記ブラシを移動させるための水平移動機構とを備えており、
    前記ブラシが前記基板に対して、前記鉛直移動機構について移動されることにより、
    前記ブラシと前記主面とが当接した当接領域の基板径方向長さが、L1とL2の値をとるように前記ブラシの形状が変形され、
    前記L1、前記L2と、前記開状態におけるチャックピンと基板との間隙Dとの間に、
    L1>D>L2の関係が成り立つことを特徴とする、基板処理装置。
  11. 請求項10に記載の基板処理装置であって、
    前記鉛直移動機構が前記ブラシを鉛直方向に移動させることにより前記ブラシの形状が変化することを特徴とする、基板処理装置。
  12. 請求項10乃至11に記載の基板処理装置であって、
    前記ブラシが主ブラシと副ブラシとを備えており、
    前記主ブラシの基板径方向長さD1と、
    前記副ブラシの基板径方向長さD2について、
    D1>D>D2の関係が成り立つことを特徴とする、基板処理装置。
  13. 請求項12に記載の基板処理装置であって、
    前記副ブラシが前記主ブラシの下面に固定されていることを特徴とする、基板処理装置。
  14. 請求項12に記載の基板処理装置であって、
    前記副ブラシが前記主ブラシの側面に固定されていることを特徴とする、基板処理装置。
  15. 請求項12に記載の基板処理装置であって、
    前記副ブラシが前記主ブラシの側面に擦動可能に設置されていることを特徴とする、基板処理装置。
  16. 請求項12乃至15に記載の基板処理装置であって、前記副ブラシの材質が、前記主ブラシの材質よりも低い剛性を有することを特徴とする、基板洗浄装置。
  17. 基板の主面をブラシで洗浄する基板洗浄方法を実行するプログラムを記録したプログラム記録媒体であって、当該基板洗浄方法が、
    基板を水平に保持し、前記基板の中心を通る回転軸の周りに前記基板を回転させる基板保持回転工程と、
    前記ブラシを前記基板に接近させることにより、前記ブラシと前記主面とが当接する当接領域を形成するブラシ当接工程と、
    前記当接状態を維持しつつ、基板径方向について基板の中心から外周へと向かう方向に前記ブラシを移動させる第1移動工程と、
    前記当接状態を維持しつつ、前記ブラシと前記主面とが当接した当接領域の基板径方向長さが減少するようにブラシの形状を変形させるブラシ変形工程と、
    前記ブラシ変形工程の後に、基板径方向について基板の中心から外周へと向かう方向へと前記ブラシを移動させる第2移動工程とを備えており、
    前記第2移動工程は、前記当接状態が解消されるに至るまで行われることを特徴とする、プログラム記録媒体。
  18. 請求項17に記載のプログラム記録媒体であって、
    前記基板保持回転工程における基板の保持が、開状態と閉状態に切替可能な複数のチャックピンを用いておこなわれ、
    前記第2移動工程において、前記複数のチャックピンの少なくとも1つと前記基板との間に間隙Dが形成されることを特徴とする、プログラム記録媒体。
  19. 請求項18に記載のプログラム記録媒体であって、
    前記第1移動工程における当接領域の基板径方向長さL1と、
    前記第2移動工程における当接領域の基板径方向長さL2と、
    前記間隙Dとの間に、
    L1>D>L2の関係が成り立つことを特徴とする、プログラム記録媒体。
  20. 請求項17乃至19に記載のプログラム記録媒体であって、
    前記ブラシ変形工程が、前記ブラシを前記基板に対して、相対的に鉛直移動させることにより行われることを特徴とする、プログラム記録媒体。
  21. 請求項17乃至20に記載のプログラム記録媒体であって、
    前記ブラシが、主ブラシと副ブラシを備えており、
    前記主ブラシの基板径方向長さD1と、
    前記副ブラシの基板径方向長さD2について、
    D1>D>D2の関係が成り立つことを特徴とする、プログラム記録媒体。
  22. 請求項21に記載のプログラム記録媒体であって、
    前記副ブラシが前記主ブラシの下面に固定されていることを特徴とする、プログラム記録媒体。
  23. 請求項21に記載のプログラム記録媒体であって、
    前記副ブラシが前記主ブラシの側面に固定されていることを特徴とする、プログラム記録媒体。
  24. 請求項21に記載のプログラム記録媒体であって、
    前記副ブラシが前記主ブラシの側面に擦動可能に設置されていることを特徴とする、プログラム記録媒体。
  25. 請求項21乃至24に記載のプログラム記録媒体であって、前記副ブラシの材質が、前記主ブラシの材質よりも低い剛性を有することを特徴とする、プログラム記録媒体。
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