JP2017182984A - 電池用電極の製造装置およびその製造方法 - Google Patents

電池用電極の製造装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】集電体となる多孔質シート体に充填される活物質の量を増大させることができる電池用電極の製造技術を提供する。【解決手段】集電体となる多孔質シート体に活物質が充填された電池用電極の製造装置であって、多孔質シート体の表面S1に活物質を含む塗工液を供給する塗工液供給部15と、多孔質シート体Sの表面S1に近接して配置され、多孔質シート体Sとの間に大気圧よりも高い圧力状態とする空間SPを形成する加圧浸透部17とを有する。塗工液が塗工された多孔質シート体Sが空間SPを通過する際、多孔質シート体Sの表面S1に供給された塗工液は加圧され多孔質シート体Sの内部に浸透する。そして、塗工液が浸透した浸透領域SRを加熱して乾燥させる。【選択図】図3

Description

この発明は、集電体となる多孔質シート体に活物質が充填された構造を有する電池用電極を製造する製造装置および製造方法に関するものである。
例えばリチウムイオン二次電池などの化学電池において、高容量および充放電サイクル特性の向上などを図るために、多孔質シート体に活物質が充填された構造を有する電極を用いることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2014−32798号公報
上記従来技術では、電極を製造するために浸漬法を用いている。より具体的には、活物質、導電助剤及び結着剤を溶媒に分散したスラリー中に多孔質アルミニウムの集電体を浸漬し、活物質、導電助剤、結着剤を多孔質アルミニウム集電体の気孔中に拡散させる。このため、スラリーの粘度を比較的低く設定する必要があり、多孔質アルミニウム集電体に充填させることができる活物質の量は少ない。
そこで、スラリーに含まれる活物質の量を増やし、比較的高粘度のスラリー、例えばせん断速度10s−1において5,000cP(5Pa・s)ないし100,000cP(100Pa・s)を有するスラリーを用いることが考えられるが、このような高粘度のスラリーを多孔質シート体の内部に効果的に浸透させる実用的な技術は現在なく、その提供が要望されている。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、集電体となる多孔質シート体に活物質を充填してなる電池用電極を安定して製造する技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、第1の態様は、集電体となる多孔質シート体に活物質が充填された電池用電極の製造装置であって、多孔質シート体の主面に活物質を含む塗工液を供給する塗工液供給部と、塗工液供給部に対して多孔質シート体を相対的に搬送方向に搬送するシート搬送部と、多孔質シート体の主面に近接して配置される流体ノズルと、流体ノズルと多孔質シート体の主面との間に空間を形成する空間形成部とを有し、流体ノズルに形成された吐出口から空間を加圧する加圧媒体が供給され、空間内を大気圧よりも高い圧力状態とし、空間を通過する多孔質シート体の主面に供給された塗工液を加圧することで多孔質シート体の内部に塗工液を浸透させる加圧浸透部と、塗工液が浸透した浸透領域を有する多孔質シート体を加熱して塗工液を乾燥させる乾燥部とを備えることを特徴とする。
また、第2の態様は、第1の態様に係る電池用電極の製造装置であって、空間形成部は、流体ノズルと多孔質シート体の主面との間の領域を囲うことで空間を形成することを特徴とする。
また、第3の態様は、第2の態様に係る電池用電極の製造装置であって、塗工液供給部は、搬送方向の上流側に設けられる第1リップ部と、下流側に設けられる第2リップ部と、第1リップ部と第2リップ部との間に形成され塗工液を吐出するスリットとを有し、第2リップ部と流体ノズルとが搬送方向に当接して配置され、空間形成部の一部が第2リップ部と、第2リップ部の先端部と多孔質シート体の間に形成された液密領域によって構成されることを特徴とする。
また、第4の態様は、第2の態様または第3の態様に係る電池用電極の製造装置であって、吐出口は、多孔質シート体の主面に向かって加圧媒体を吐出する複数の開口又はスリット状の開口であることを特徴とする。
また、第5の態様は、第1の態様ないし第4の態様のいずれかに係る電池用電極の製造装置であって、加圧媒体は、塗工液に含まれる溶剤成分を含む溶剤ガスであることを特徴とする。
また、第6の態様は集電体となる多孔質シート体に活物質が充填された電池用電極の製造方法であって、多孔質シート体が相対的に搬送方向に搬送されつつ多孔質シート体の主面に活物質を含む塗工液を供給する塗工液供給工程と、多孔質シート体の主面に近接して配置される流体ノズルから、流体ノズルと多孔質シート体の主面との間に形成される空間内に、流体ノズルに形成された吐出口から空間を加圧する加圧媒体が供給され、空間内を大気圧よりも高い圧力状態とし、空間を通過する多孔質シート体の主面に供給された塗工液を加圧することで多孔質シート体の内部に塗工液を浸透させる加圧浸透工程と、塗工液が浸透した浸透領域を有する多孔質シート体を加熱して塗工液を乾燥させる乾燥工程とを備えることを特徴とする。
本発明の第1の態様ないし第6の態様によれば、多孔質シート体の主面と流体ノズルとの間に形成される空間内を大気圧よりも高い圧力状態となるように加圧媒体が供給される。このため、空間を通過する際、多孔質シート体の主面に供給された塗工液が加圧され、多孔質シート体の内部に塗工液を効率的に浸透させることができ、当該塗工液を乾燥させることで多孔質シート体に大量の活物質を充填させることができる。
この発明にかかる電池用電極の製造装置の概略構成を示す図である。 電池用電極の製造装置の塗布ノズルの構成を模式的に示す図である。 電池用電極の製造装置の第1実施形態における塗工液供給部および加圧浸透部の構成を模式的に示す図である。 流体ノズルの対向面の構成を示す図である。 電池用電極の製造装置の第2実施形態における塗工液供給部および加圧浸透部の構成を模式的に示す図である。
以下、電池用電極の製造装置について図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態にかかる電池用電極の製造装置の概略構成を示す図である。図1に示す電池用電極の製造装置(以降では、「電極製造装置」と称する)1は、例えばリチウムイオン二次電池の電極として用いられる電池用電極の製造プロセスの動作主体となる製造ユニット10と、これを制御する制御ユニット30とを備えている。
製造ユニット10は、完成後の電池において集電体として機能する金属製の多孔質シート体Sを基材として、多孔質シート体Sの表面に活物質材料を含む塗工液(スラリーとも言う)を多孔質シート体Sの内部に浸透させた後に当該塗工液を乾燥させることで多孔質シート体Sに活物質材料を充填させた構造を有する電池用電極を製造するための装置である。なお、多孔質シート体Sとしては、三次元網目構造で連続気孔を有するシート状の金属多孔体であればよく、例えば住友電工製のセルメット(登録商標)、アルミセルメット(登録商標)などを用いることができる。
以後の説明のために、図1に示すようにXYZ座標軸を設定する。ここでXY平面が水平面であり、Z軸は鉛直軸と一致する。Z軸における正方向は鉛直上向き方向である。製造ユニット10は、ロール状に巻回された多孔質シート体Sを保持するとともに多孔質シート体Sを一定速度で送り出す供給ローラー11と、活物質を充填した後の多孔質シート体Sを巻き取る巻き取りローラー12とを備えている。供給ローラー11から送り出された多孔質シート体Sは、水平方向Yに互いに離間して配置されたガイドローラー13a、13bに掛け渡され、ローラーの回転に伴って水平方向Yに平行な矢印方向ADに一定速度で搬送される。また、供給ローラー11および巻き取りローラー12はそれぞれX軸と平行な回転軸11a、12aを有している。
そして、制御ユニット30に設けられた搬送制御部31からの制御指令に応じて搬送駆動機構14によりローラー12が回転駆動されると、多孔質シート体Sは供給ローラー11から引き出された後でガイドローラー13a、13bの間で矢印方向ADに水平搬送される。ここでは、巻き取りローラー12のみに回転駆動力を与え、供給ローラー11を従動ローラーとして構成しているが、供給ローラー11の回転軸11aにも回転駆動力を与えて多孔質シート体Sを巻き取りローラー12の回転に連動して送り出すように構成してもよい。このような多孔質シート体Sを搬送する機構がシート搬送部に相当する。
ガイドローラー13a、13bの間では、多孔質シート体Sの搬送経路に沿って、その上流側から順に、塗工液供給部15、加圧浸透部17および乾燥部16が配置されている。
塗工液供給部15は、塗布ノズル158(図2参照)を有している。塗布ノズル158は吐出口を多孔質シート体Sの表面S1に向けて多孔質シート体Sの上方側に設けられている。塗工液供給部15は制御ユニット30に設けられた送出制御部32により制御される塗工液送給部19から圧送される活物質を含む塗工液(スラリーともいう)の供給を受ける。この塗工液送給部19は塗工液を貯留する塗工液貯留部20と配管によって接続されている。また、塗工液送給部19は例えばモーノポンプなどの送液要素(図示省略)を有している。そして、送出制御部32からの制御指令に応じて塗工液送給部19が作動すると、塗工液貯留部20に貯留されている塗工液が塗布ノズル158に圧送され、塗布ノズル158の下面でX方向に延設された吐出口から、搬送方向ADに搬送されている多孔質シート体Sの表面S1に塗工液が吐出される。
続いて、図2を参照しつつ塗布ノズル158について詳細に説明する。図2(a)はY方向から見た塗布ノズル158の概略正面図であり、図2(b)は、YZ面での塗布ノズル158の概略断面図である。
塗布ノズル158は、多孔質シート体Sの搬送方向ADと直交する方向である幅方向(X方向)に延設された長尺状のノズルである。塗布ノズル158は、搬送方向ADの上流側に設けられた第1リップ部153と、下流側に設けられた第2リップ部154とがシム(図示省略)を介して接合されることで、第1リップ部153と第2リップ部154との間に長尺状の吐出口であるスリット155が幅方向に形成される。このような長尺状のノズルはスリットノズルやスロットダイなどと呼ばれている。
第1リップ部153が、第2リップ部154と当接する当接面は平坦面となっている。一方、第2リップ部154が第1リップ部153と当接する当接面の一部には幅方向に延設する窪みが形成されている。この窪みは塗布ノズル158のマニホールド156として機能する。マニホールド156とスリット155は流路157で連通している。そのため塗布ノズル158の内部に供給された塗工液はマニホールド156で幅方向に均一化され一定の吐出圧でスリット155から吐出される。
第1リップ部153の先端部151は、多孔質シート体Sの表面S1と対向しており、表面S1に対して平行な平坦面となっている。同様に、第2リップ部154の先端部152も多孔質シート体Sの表面S1に対して平行な平坦面となっている。したがって、図2(a)に示すようにスリット155から吐出された塗工液は搬送方向ADに搬送される多孔質シート体Sの表面S1との間で液密状態を形成しながら、表面S1上に塗工液が供給される(塗工液供給工程)。ここで、塗布ノズル158の先端部と、多孔質シート体Sの表面S1との距離は、例えば10μm〜500μmとなっている。
上述した塗布ノズル158は、例えばステンレススチールにて製作されている。
また、この製造プロセスに用いられる塗工液は例えば次のようなものが挙げられる。例えばリチウムイオン二次電池の正極電極を製造するプロセスでは、活物質(正極活物質)としては例えばLiCoO(LCO)を主体とするもの、LiNiO2またはLiFePO4、LiMnPO4、LiMn24、またLiMeO2(Me=MxMyMz;Me、Mは遷移金属、x+y+z=1)で代表的に示される化合物、例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/32、LiNi0.8Co0.15Al0.052などを用いることができる。
また例えば、リチウムイオン二次電池の負極電極を製造するプロセスでは、活物質(負極活物質)としては例えばLiTi12(LTO)を主体としたもの、またはC、SiまたはSnなどを用いることができる。
活物質を含む塗工液としては、上記した活物質材料の他に、導電助剤としてのアセチレンブラックまたはケッチェンブラック、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などを混合したものを用いることができる。
このような材料を混合してなる塗工液の組成比を変えることで、その粘度を適宜に調整することが可能である。本実施形態では、活物質の充填量を高めるために、塗布ノズル158から圧送されて多孔質シート体Sの内部に浸透される塗工液として、比較的高粘度(せん断速度10s−1において5,000cP(5Pa・s)ないし100,000cP(100Pa・s))の塗工液を用いている。
図1に戻って説明を続ける。塗工液供給部15の搬送方向AD下流側には加圧浸透部17が配設されている。加圧浸透部17は、塗工液供給部15によって塗工液が塗工された多孔質シート体Sの表面S1の上方側に設けられている。また、加圧浸透部17は、制御ユニット30に設けられたガス供給制御部34により制御されるガス供給機構18から圧送される気体の供給を受ける。
このガス供給機構18は、図示を省略するガス供給源と接続されており、気体として大気あるいは塗工液に含まれる溶剤成分を含む溶剤ガスが供給される。また、気体以外でも蒸気が供給されても良い。蒸気の場合、溶剤蒸気や水蒸気を用いても良い。このように加圧浸透部17に対して気体や蒸気等が加圧媒体として供給される。溶剤成分を含む気体や蒸気を供給することで多孔質シート体S上に塗工された塗工液の急激な乾燥を防ぐことができる。
次に加圧浸透部17について図3、4を参照しつつ詳細に説明する。図3は、電池用電極の製造装置1の第1実施形態にかかる塗工液供給部15と加圧浸透部17の構成を模式的に示す図である。また、図4は流体ノズル171の対向面173の構成を示す図である。
加圧浸透部17は流体ノズル171と、流体ノズル171と多孔質シート体Sの表面S1との間に空間SPを形成する空間形成部172とを有す。
流体ノズル171は、多孔質シート体Sの表面S1に対して上方側で近接して配置されている。また、流体ノズル171の多孔質シート体Sの表面S1と対向する対向面173には、多孔質シート体Sの表面S1に向かって複数の開口173aが形成されている(図4(a))。
ガス供給機構18から圧送された気体は流体ノズル171内で整流され対向面173に形成された複数の開口173aから空間SPに向けて吐出される。なお、対向面173の開口としては、X方向に延びるスリット状の開口173bでも良い(図4(b))。また、スリット状の開口173bが複数形成されていても良い。
空間形成部172は、流体ノズル171と多孔質シート体Sの表面S1との間に空間SPを形成する。空間形成部172は、流体ノズル171の搬送方向ADの下流側に取り付けられたバックプレート172aと、流体ノズル171の幅方向の両端に取り付けられた一対のサイドプレート172bとを有する。バックプレート172a、一対のサイドプレート172bは流体ノズル171の対向面173よりもその端部が多孔質シート体Sに向けて突出している。バックプレート172aおよび一対のサイドプレート172bの下端と、多孔質シート体Sの表面S1とは、0.5mm〜2mmの間隔が設けられている。なお、空間形成部172は別部材として製造された上記各部が組み合わされたものでもよく、予め一体形成されたものであっても良い。
また、塗布ノズル158の第2リップ部154と流体ノズル171は搬送方向ADに当接して配置されている。そのため、空間形成部172の搬送方向ADの上流側は、第2リップ部154と、第2リップ部154の先端部152と多孔質シート体Sの表面S1との間に形成された液密領域LA(図2参照)とによって空間形成部172の一部が構成される。つまり、本実施形態においては、空間形成部172は、搬送方向ADの下流側はバックプレート172a、幅方向は一対のサイドプレート172b、搬送方向ADの上流側は第2リップ部154および液密領域LAによって空間SPが形成される。
このように形成された空間SPの領域は、幅方向に対して浸透領域SRよりも大きく、多孔質シート体Sよりも小さい。つまり、空間SPによって塗工液が塗工された浸透領域SRを幅方向に覆うこととなる。一方、多孔質シート体Sの幅方向よりも小さいため、空間SPに供給された加圧媒体は空間SP外に流出しにくい。
これにより、多孔質シート体Sとバックプレート172a、サイドプレート172bが接触することを防ぐとともに、加圧媒体の一例である気体が空間SP内に供給されることで空間SP内を大気圧よりも高い圧力状態とすることができる。
そして、塗工液供給部15で表面S1に塗工液が供給された多孔質シート体Sが加圧浸透部17の空間SPを通過することで、多孔質シート体Sの表面S1に残留する塗工液が加圧媒体によって加圧され多孔質シート体Sの内部に浸透する(加圧浸透工程)。
加圧浸透部17により内部に塗工液が浸透した浸透領域SRを有する多孔質シート体Sを加熱して塗工液を乾燥させるために乾燥部16が搬送方向ADにおいて加圧浸透部17の下流位置に配置されている。
この乾燥部16は、多孔質シート体Sの上方側に配置されて多孔質シート体Sを上方から加熱するヒーター161と、多孔質シート体Sの下方側に配置されて多孔質シート体Sを下方から加熱するヒーター162とを有している。制御ユニット30に設けられたヒーター制御部33によりヒーター161、162が加熱状態に制御された、乾燥部16を多孔質シート体Sが通過する間に塗工液中の溶剤が気化して活物質が多孔質シート体Sの内部に残存する(乾燥工程)。
この乾燥工程によって多孔質シート体Sに活物質が高密度に充填される。なお、乾燥部16を通過してきた多孔質シート体Sはガイドローラー13bを介して巻き取りローラー12に搬送され、巻き取られる。
以上のように、本実施形態では塗工液供給部15で活物質を含む高粘度の塗工液が集電体である多孔質シート体Sの表面S1に供給された際、多孔質シート体Sの表面S1に残留する塗工液を、加圧浸透部17によって大気圧よりも高い圧力に加圧することで、加圧浸透部17を通過する多孔質シート体Sの内部に塗工液を浸透させることができる。したがって、多孔質シート体Sの内部に塗工液を効率的に浸透させ、さらに乾燥部16で乾燥させることで多孔質シート体Sに大量の活物質を充填させることができる。
図5は電池用電極の製造装置の第2実施形態にかかる塗工液供給部15と加圧浸透部17Aの構成を模式的に示す図である。この第2実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は加圧浸透部17Aの構成であり、その他の構成は第1実施形態と同一である。そこで、以下においては相違点を中心に説明し、同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
第2実施形態では、加圧浸透部17Aは、流体ノズル171と多孔質シート体Sの表面S1との間に空間SPを形成する空間形成部174とを有す。空間形成部174は、流体ノズル171と多孔質シート体Sの表面S1との間に空間SPを形成する。
空間形成部174は、流体ノズル171の搬送方向ADの下流側に取り付けられたバックプレート174aと、流体ノズル171の幅方向の両端に取り付けられた一対のサイドプレート174bと、搬送方向ADの上流側に取り付けられたフロントプレート174cとを有する。バックプレート174a、一対のサイドプレート174b、フロントプレート174cは流体ノズル171の対向面173よりもその端部が多孔質シート体Sに向けて突出している。バックプレート174a、一対のサイドプレート174bおよびフロントプレート174cの下端と、多孔質シート体Sの表面S1とは、0.5mm〜2mmの間隔が設けられている。なお、空間形成部174は別部材として製造された上記各部が組み合わされたものでもよく、予め一体形成されたものであっても良い。
第2実施形態と第1実施形態の相違点は空間形成部174におけるフロントプレート174cの有無である。本実施形態のように板状部材で四方を囲むことで空間形成部174を形成する。これにより、加圧浸透部17Aを塗工液供給部15から乾燥部16の間の任意の位置に配置することができるため、設計が容易であるとともに適切な位置で多孔質シート体Sの表面S1に残留する塗工液の浸透を行うことができる。
以上のように、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、塗工液供給部15で活物質を含む高粘度の塗工液が集電体である多孔質シート体Sの表面S1に供給された際、多孔質シート体Sの表面S1に残留する塗工液を、加圧浸透部17Aによって大気圧よりも高い圧力に加圧することで、加圧浸透部17Aを通過する多孔質シート体Sの内部に塗工液を浸透させることができる。したがって、多孔質シート体Sの内部に塗工液を効率的に浸透させ、さらに乾燥部16で乾燥させることで多孔質シート体Sに大量の活物質を充填させることができる。
上記したように、第1実施形態および第2実施形態では塗工液供給部15によって塗工される多孔質シート体Sの表面S1が本発明の一例に相当している。後述する変形例において、多孔質シート体Sの上方ではなく下方側から塗工液が塗工されるような場合は多孔質シート体Sの裏面が主面に相当することとなる。さらに巻き取りローラー12および搬送駆動機構14が本発明のシート搬送部として機能している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、多孔質シート体Sの上方側に塗工液供給部15と加圧浸透部17、17Aを配置しているが、多孔質シート体Sを挟んで反対側、つまり下方側にこれらを配置し、多孔質シート体Sの裏面に塗工液を塗工しても良い。
また、上記実施形態では、塗工液供給部15、加圧浸透部17、17Aおよび乾燥部16を固定配置するとともに多孔質シート体Sを連続的に搬送しているが、多孔質シート体Sの搬送態様はこれに限定されるものではない。また、多孔質シート体Sを搬送する代わりに塗工液供給部15、加圧浸透部17、17Aおよび乾燥部16を移動させるように構成しても良い。
また、上記実施形態では加圧浸透部17、17Aはいずれも1つのみ配置しているがこれに限定されるもではなく、搬送方向ADに複数配置しても良く。また加圧浸透部17、17Aの対向面173に形成される開口173aは各種形状を採用してもよい。
この発明は、集電体となる多孔質シート体に活物質が充填された構造を有する電池用電極を製造する製造技術全般に適用することができる。
1 電極製造装置
10 製造ユニット
14 搬送駆動機構
15 塗工液供給部
16 乾燥部
17、17A 加圧浸透部
151、152 先端部
153、154 リップ部
155 スリット
158 塗布ノズル
171 流体ノズル
172、174 空間形成部
172a バックプレート
172b サイドプレート
173 対向面
AD 搬送方向
LA 液密領域
SP 空間
SR 浸透領域
S 多孔質シート体

Claims (6)

  1. 集電体となる多孔質シート体に活物質が充填された電池用電極の製造装置であって、
    前記多孔質シート体の主面に前記活物質を含む塗工液を供給する塗工液供給部と、
    前記塗工液供給部に対して前記多孔質シート体を相対的に搬送方向に搬送するシート搬送部と、
    前記多孔質シート体の主面に近接して配置される流体ノズルと、前記流体ノズルと前記多孔質シート体の主面との間に空間を形成する空間形成部とを有し、前記流体ノズルに形成された吐出口から前記空間を加圧する加圧媒体が供給され、前記空間内を大気圧よりも高い圧力状態とし、前記空間を通過する前記多孔質シート体の主面に供給された前記塗工液を加圧することで前記多孔質シート体の内部に前記塗工液を浸透させる加圧浸透部と、
    前記塗工液が浸透した浸透領域を有する多孔質シート体を加熱して前記塗工液を乾燥させる乾燥部と、
    を備えることを特徴とする電池用電極の製造装置。
  2. 請求項1に記載の電池用電極の製造装置であって、
    前記空間形成部は、前記流体ノズルと前記多孔質シート体の主面との間の領域を囲うことで前記空間を形成することを特徴とする。
  3. 請求項2に記載の電池用電極の製造装置であって、
    前記塗工液供給部は、前記搬送方向の上流側に設けられる第1リップ部と、下流側に設けられる第2リップ部と、前記第1リップ部と前記第2リップ部との間に形成され前記塗工液を吐出するスリットとを有し、
    前記第2リップ部と前記流体ノズルとが前記搬送方向に当接して配置され、前記空間形成部の一部が前記第2リップ部と、前記第2リップ部の先端部と前記多孔質シート体の間に形成された液密領域によって構成されることを特徴とする。
  4. 請求項2または請求項3に記載の電池用電極の製造装置であって、
    前記吐出口は、前記多孔質シート体の主面に向かって前記加圧媒体を吐出する複数の開口又はスリット状の開口であることを特徴とする。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の電池用電極の製造装置であって、
    前記加圧媒体は、前記塗工液に含まれる溶剤成分を含む溶剤ガスであることを特徴とする。
  6. 集電体となる多孔質シート体に活物質が充填された電池用電極の製造方法であって、
    前記多孔質シート体が相対的に搬送方向に搬送されつつ前記多孔質シート体の主面に前記活物質を含む塗工液を供給する塗工液供給工程と、
    前記多孔質シート体の主面に近接して配置される流体ノズルから、前記流体ノズルと前記多孔質シート体の主面との間に形成される空間内に、前記流体ノズルに形成された吐出口から前記空間を加圧する加圧媒体が供給され、前記空間内を大気圧よりも高い圧力状態とし、前記空間を通過する前記多孔質シート体の主面に供給された前記塗工液を加圧することで前記多孔質シート体の内部に前記塗工液を浸透させる加圧浸透工程と、
    前記塗工液が浸透した浸透領域を有する多孔質シート体を加熱して前記塗工液を乾燥させる乾燥工程と、
    を備えることを特徴とする電池用電極の製造方法。
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