JP2017147034A - 電池用電極の製造装置および製造方法 - Google Patents

電池用電極の製造装置および製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017147034A
JP2017147034A JP2016025701A JP2016025701A JP2017147034A JP 2017147034 A JP2017147034 A JP 2017147034A JP 2016025701 A JP2016025701 A JP 2016025701A JP 2016025701 A JP2016025701 A JP 2016025701A JP 2017147034 A JP2017147034 A JP 2017147034A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slurry
porous sheet
sheet body
battery electrode
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016025701A
Other languages
English (en)
Inventor
松田 健
Takeshi Matsuda
健 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Screen Holdings Co Ltd
Original Assignee
Screen Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Screen Holdings Co Ltd filed Critical Screen Holdings Co Ltd
Priority to JP2016025701A priority Critical patent/JP2017147034A/ja
Publication of JP2017147034A publication Critical patent/JP2017147034A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】集電体となる多孔質シート体に充填される活物質の量を増大させた電池用電極を安定して製造する装置の提供。【解決手段】集電体となる多孔質シート体Sに活物質が充填された電池用電極の製造装置1であって、活物質を含むスラリーを吐出するノズル151,152を有し、所定の方向に搬送される多孔質シート体Sの主面にノズル151,152からスラリーを供給して多孔質シート体Sの内部に浸透させるスラリー供給部15と、多孔質シート体Sの主面に溢れるスラリーの厚みを調整する厚み調整部(転写部16)と、厚み調整部16によるスラリーの厚みの調整を受けた多孔質シート体Sを加熱してスラリーを乾燥させる乾燥部17とを備えている電池用電極の製造装置1。【選択図】図1

Description

この発明は、集電体となる多孔質シート体に活物質が充填された構造を有する電池用電極を製造する製造装置および製造方法に関するものである。
例えばリチウムイオン二次電池などの化学電池において、高容量および充放電サイクル特性の向上などを図るために、多孔質シート体に活物質が充填された構造を有する電極を用いることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2014−32798号公報
上記従来技術では、電極を製造するために圧入法や浸漬法を用いているが、これらの方式では多孔質シート体に充填される活物質の量、特に多孔質シート体の表面部分での活物質の量を制御することが難しく、電極の表面形状も不安定である。そのため、安定した品質で電池用電極を製造する技術が望まれている。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、集電体となる多孔質シート体に活物質を充填してなる電池用電極を安定して製造する技術を提供することを目的とする。
この発明の一態様は、集電体となる多孔質シート体に活物質が充填された電池用電極の製造装置であって、活物質を含むスラリーを吐出するノズルを有し、所定の方向に搬送される多孔質シート体の主面にノズルからスラリーを供給して多孔質シート体の内部に浸透させるスラリー供給部と、多孔質シート体の主面に溢れるスラリーの厚みを調整する厚み調整部と、厚み調整部によるスラリーの厚みの調整を受けた多孔質シート体を加熱してスラリーを乾燥させる乾燥部とを備えることを特徴としている。
また、この発明の他の態様は、電池用電極の製造方法であって、集電体となる多孔質シート体の主面に対して活物質を含むスラリーを供給して多孔質シート体の内部に浸透させる供給工程と、スラリーが供給された多孔質シート体を加熱してスラリーを乾燥させる乾燥工程とを備え、乾燥工程前に多孔質シート体の主面に溢れるスラリーの厚みを調整することを特徴としている。
このように構成された発明では、スラリーの供給を受けた多孔質シート体をそのまま加熱して当該スラリーを乾燥させるのではなく、多孔質シート体の主面に溢れるスラリーの厚みを調整した後で乾燥部によるスラリー乾燥が実行される。このため、後で説明する図5に示すように多孔質シート体の内部はもとよりスラリー供給を受けた主面においても活物質が高密度に充填され、しかも電池用電極の主面はほぼフラットな形状に仕上げられる。
以上のように、本発明によれば、多孔質シート体に供給されたスラリーを乾燥させる前に、当該多孔質シート体の主面に溢れるスラリーの厚みを調整している。このため、多孔質シート体の内部のみならず主面にも活物質を高密度に充填することができるとともに電池用電極の形状を安定化させることができ、安定した品質で電池用電極を製造することができる。その結果、当該製造技術により製造された電極を用いることで電池の容量を高め、しかも充放電サイクル特性を向上させた電池を安定して製造することができる。
この発明にかかる電池用電極の製造装置の一実施形態の概略構成を示す図である。 図1に示す電池用電極の製造装置に設けられるスラリー供給部の構成を模式的に示す斜視図である。 多孔質シート体の表面にスラリーを過剰に塗布したときの電池用電極の断面を撮像した写真である。 多孔質シート体へのスラリーの供給が不足したときの電池用電極の断面を撮像した写真である。 多孔質シート体の表面および裏面に付着したスラリーを転写ローラーに転写したときの電池用電極の断面を撮像した写真である。
図1はこの発明にかかる電池用電極の製造装置の一実施形態の概略構成を示す図である。図2は、図1に示す電池用電極の製造装置に設けられるスラリー供給部の構成を模式的に示す斜視図である。図1に示す電池用電極の製造装置(以下、「電極製造装置」と称する)1は、例えばリチウムイオン二次電池の電極として用いられる電池用電極の製造プロセスの動作主体となる製造ユニット10と、これを制御する制御ユニット20とを備えている。
製造ユニット10は、完成後の電池において集電体として機能する金属製の多孔質シート体Sを基材として、多孔質シート体Sの表裏面に活物質材料を含むスラリーを塗布して多孔質シート体Sの内部に浸透させた後にスラリーを乾燥させることで多孔質シート体Sに活物質材料を充填させた構造を有する電池用電極を製造するための装置である。なお、多孔質シート体Sとしては、三次元網目構造で連続気孔を有するシート状の金属多孔体であればよく、例えば住友電工製のセルメット(登録商標)、アルミセルメット(登録商標)や三菱マテリアル製の発泡アルミなどを用いることができる。
以後の説明のために、図1に示すようにXYZ座標軸を設定する。ここでXY平面が水平面であり、Z軸は鉛直軸と一致する。Z軸における正方向は鉛直上向き方向である。
製造ユニット10は、ロール状に巻回された多孔質シート体Sを保持するとともに多孔質シート体Sを一定速度で送り出す供給ローラー11と、活物質を充填した後の多孔質シート体Sを巻き取る巻き取りローラー12とを備えている。供給ローラー11から送り出された多孔質シート体Sは、水平方向Yに互いに離間して配置されたガイドローラー13a、13bに掛け渡され、ローラーの回転に伴って水平方向Yに平行な矢印方向ADに一定速度で搬送される。また、供給ローラー11および巻き取りローラー12はそれぞれX軸と平行な回転軸11a、12aを有している。そして、制御ユニット20に設けられた搬送制御部21からの制御指令に応じて搬送駆動機構14によりローラー12が回転駆動されると、多孔質シート体Sは供給ローラー11から引き出された後でガイドローラー13a、13bの間で矢印方向ADに水平搬送される。ここでは、巻き取りローラー12のみに回転駆動力を与え、供給ローラー11を従動ローラーとして構成しているが、供給ローラー11の回転軸11aにも回転駆動力を与えて多孔質シート体Sを巻き取りローラー12の回転に連動して送り出すように構成してもよい。
ガイドローラー13a、13bの間では、多孔質シート体Sの搬送経路に沿って、その上流側から順に、スラリー供給部15、転写部16および乾燥炉17が配置されている。スラリー供給部15は上下一対の塗布ノズル151、152を有している。上側の塗布ノズル151は吐出口を多孔質シート体Sの表面S1(図2)に向けて多孔質シート体Sの上方側に設けられている。一方、もう1つの塗布ノズル152は吐出口を多孔質シート体Sの裏面S2(図2)に向けて多孔質シート体Sの下方側に設けられている。
塗布ノズル151は、制御ユニット20に設けられた送出制御部22により制御されるスラリー送給機構153から圧送される活物質を含むスラリーの供給を受ける。このスラリー送給機構153はスラリーを貯留するスラリー貯留部18と配管(図示省略)によって接続されている。また、スラリー送給機構153は例えばモーノポンプなどの送液要素(図示省略)を有している。そして、送出制御部22からの制御指令に応じてスラリー送給機構153が作動すると、スラリー貯留部18に貯留されているスラリーを塗布ノズル151、152に圧送して塗布ノズル151の下面でX方向に延設された吐出口(図示省略)からスラリーを多孔質シート体Sの表面S1に吐出するとともに塗布ノズル152の上面でX方向に延設された吐出口(図示省略)からスラリーを多孔質シート体Sの裏面S2に吐出する。こうして、多孔質シート体Sの表面S1および裏面S2にスラリーが供給されて多孔質シート体Sの内部に浸透する(供給工程)。なお、図2では、多孔質シート体Sに供給されたスラリーを細かいドットを付して図示している。
ここで、この製造プロセスに用いられるスラリーとしては、例えば次のようなものが挙げられる。例えばリチウムイオン二次電池の正極電極を製造するプロセスでは、活物質(正極活物質)としては例えばLiCoO(LCO)を主体とするもの、LiNiO2またはLiFePO4、LiMnPO4、LiMn24、またLiMeO2(Me=MxMyMz;Me、Mは遷移金属、x+y+z=1)で代表的に示される化合物、例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/32、LiNi0.8Co0.15Al0.052などを用いることができる。
また例えば、リチウムイオン二次電池の負極電極を製造するプロセスでは、活物質(負極活物質)としては例えばLiTi12(LTO)を主体としたもの、またはC、SiまたはSnなどを用いることができる。
活物質を含むスラリーとしては、上記した活物質材料の他に、導電助剤としてのアセチレンブラックまたはケッチェンブラック、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などを混合したものを用いることができる。
このような材料を混合してなるスラリーの組成比を変えることで、その粘度を適宜に調整することが可能である。本実施形態のように塗布ノズル151、152から連続的に送出されて多孔質シート体Sの内部に浸透されるスラリーとしては、例えば粘度をせん断速度10s−1において5000cP(5Pa・s)ないし30000cP(30Pa・s)としたものが好適である。
なお、図1の構成例では、一対の塗布ノズル151、152は搬送方向ADにおいて同一位置に設けられている。これに代えて、両者の配設位置が搬送方向ADにおいて異なっていてもよい。
本実施形態では、搬送方向ADにおけるスラリー供給部15の下流位置に転写部16が配置されており、多孔質シート体Sの表面S1および裏面S2に溢れるスラリーの厚みを調整する厚み調整部として機能する。この転写部16は、その周面が多孔質シート体Sの表面S1に対して当接あるいは近接するように配置される転写ローラー161と、その周面が多孔質シート体Sの裏面S2に対して当接あるいは近接するように配置される転写ローラー162と、両転写ローラー161、162を回転駆動する転写駆動機構163とを有している。転写ローラー161、162はそれぞれX軸と平行な回転軸161a、162aを有している。また、転写ローラー161、162はそれぞれ多孔質シート体Sの面法線方向Zに移動自在に設けられており、図示を省略する高さ位置決め機構によって面法線方向Zにおける転写ローラー161、162の回転軸161a、162aを位置決めすることによって多孔質シート体Sの表面S1に対する転写ローラー161の位置ならびに裏面S2に対する転写ローラー162の位置を切替え可能となっている。この切替によって表面S1および裏面S2からそれぞれ転写ローラー161、162に転写されるスラリー量が変更され、表面S1および裏面S2に溢れるスラリーの厚みをゼロからギャップ量(=転写ローラー161、162と多孔質シート体Sとの間隔)の範囲内で調整することが可能となっている。
このように位置決めされた転写ローラー161、162を回転駆動するために転写駆動機構163が設けられている。すなわち、制御ユニット20に設けられた転写制御部23からの制御指令に応じて転写駆動機構163が回転軸161aを駆動することで多孔質シート体Sよりも上方側で搬送方向ADと同じ方向に回転する、つまり図1の紙面において反時計回りに回転する。これによって、多孔質シート体Sの表面S1に対して転写ローラー161の周面が当接あるいは近接する位置(以下「上側転写位置」という)で多孔質シート体Sの表面S1に付着するスラリーが転写ローラー161に転写され、多孔質シート体Sの表面S1に溢れるスラリーの厚みが調整される。なお、転写ローラー161に転写された転写スラリーを回収するために、当該転写スラリーが上記上側転写位置に戻る前にスラリー回収部19のブレード191によって転写ローラー161の周面から掻き取られ、スラリー回収部19の回収容器192に補集される。さらに、当該転写スラリーはスラリー貯留部18に回収され、多孔質シート体Sに供給するスラリーとして再利用される。
また、転写ローラー162も上記転写ローラー161と同様に構成されている。すなわち、転写ローラー162は転写駆動機構163により駆動されることで多孔質シート体Sよりも下方側で搬送方向ADと同じ方向に回転する、つまり図1の紙面において時計回りに回転する。これによって、多孔質シート体Sの裏面S2に対して転写ローラー162の周面が当接あるいは近接する位置(以下「下側転写位置」という)で多孔質シート体Sの裏面S2に付着するスラリーが転写ローラー162に転写され、多孔質シート体Sの裏面S2に溢れるスラリーの厚みが調整される。なお、転写ローラー162に転写された転写スラリーを回収するために、当該転写スラリーが上記下側転写位置に戻る前にスラリー回収部19のブレード193によって転写ローラー162の周面から掻き取られ、スラリー回収部19の回収容器194に補集される。さらに、当該転写スラリーはスラリー貯留部18に回収され、多孔質シート体Sに供給するスラリーとして再利用される。
このように本実施形態のスラリー回収部19では、転写ローラー161、162の周面にブレード191、193の先端部を押し当てて転写スラリーを回収しているが、スラリー回収部19の構成はこれに限定されるものではなく、例えば転写ローラー161、162のうち少なくとも一方の周面に別のローラーの周面を当接させて転写スラリーを当該ローラーの周面に受理させるとともに当該ローラーにブレードを押し当てて転写スラリーを回収するように構成してもよい。
このように転写部16によって余分なスラリーの回収およびスラリーの厚み調整が行われた後で多孔質シート体Sを加熱してスラリーを乾燥させるために乾燥炉17が搬送方向ADにおいて転写部16の下流位置に配置されている。この乾燥炉17は、多孔質シート体Sの上方側に配置されて多孔質シート体Sを上方から加熱するヒーター171と、多孔質シート体Sの下方側に配置されて多孔質シート体Sを下方から加熱するヒーター172とを有している。制御ユニット20に設けられたヒーター制御部24によりヒーター171、172が加熱状態に制御された、乾燥炉17を多孔質シート体Sが通過する間にスラリー中の溶剤が気化して活物質が多孔質シート体Sの内部に残存する。これによって多孔質シート体Sに活物質が高密度に充填される。なお、乾燥炉17を通過してきた多孔質シート体Sはガイドローラー13bを介して巻き取りローラー12に搬送され、巻き取られる。
以上のように、本実施形態では、活物質を含むスラリーが塗布された多孔質シート体Sを乾燥炉17に搬送してスラリーの乾燥を行う乾燥工程の前に、多孔質シート体Sの表面S1および裏面S2に溢れるスラリーの厚みを調整している。したがって、多孔質シート体Sの内部はもとよりスラリー供給を受けた表面S1および裏面S2においても活物質が高密度に充填され、しかも表面S1および裏面S2はほぼフラットな形状に仕上げられる。この点について図3ないし図5を参照しつつ説明する。
図3は多孔質シート体の表面にスラリーを過剰に塗布したときの電池用電極の断面を撮像した写真である。また、図4は多孔質シート体へのスラリーの供給が不足したときの電池用電極の断面を撮像した写真である。さらに、図5は多孔質シート体の表面および裏面に付着したスラリーを転写ローラーに転写したときの電池用電極の断面を撮像した写真である。特に、図3および図4では、転写ローラー161、162を用いずに多孔質シート体Sにスラリーを供給した後でそのまま乾燥処理して製造された電池用電極の断面をCCD(Charge Coupled Device)カメラで撮像して得られた画像が示されている。一方、図5では、転写ローラー161、162によって多孔質シート体Sの表面S1および裏面S2に溢れるスラリーの厚みを調整した後でスラリーを乾燥させた電池用電極の断面をCCDカメラで撮像して得られた画像が示されている。なお、図3ないし図5において、白領域は多孔質シート体Sを構成する骨格部分を示し、黒領域は活物質が充填されていない領域を示し、グレー領域は活物質が存在する部位を示している。
ここで、転写ローラー161、162を用いず、スラリーの厚み調整を行わない例では、次のような問題がある。例えば、図3に示すように、多孔質シート体Sの表面S1にスラリーを過剰に塗布すると、多孔質シート体Sの内部のみならず表面S1にも活物質が充填される。しかしながら、活物質は表面S1から大きく溢れた状態で堆積し、その表面形状は波打っている。この表面形状は製造毎に異なる形状を呈し、電池用電極の表面形状は不安定である。また、図4に示すように、多孔質シート体Sへのスラリーの供給量が不足する場合には、多孔質シート体Sの内部で活物質は不均一に分散して存在している。しかも、多孔質シート体Sの表面S1や裏面S2では乾燥炉17による乾燥処理中にスラリーの溶媒成分が激しく気化して活物質の量が少なくなっている。
これに対し、転写ローラー161、162を用いてスラリーの厚み調整を行う例(上記実施形態)では、例えば図5に示すように、多孔質シート体Sの表面S1や裏面S2にスラリーが付着する程度にスラリーを塗布すると、当該スラリーの一部は多孔質シート体Sの内部に浸透して活物質を広く分散させた状態で充填させることができる。また、多孔質シート体Sの表面S1および裏面S2では、これらに付着する過剰なスラリーが転写ローラー161、162に転写され、表面S1および裏面S2では一定厚みのスラリーが溢れた状態で存在しており、この状態で多孔質シート体Sは乾燥炉17に搬送されて乾燥処理を受ける。そのため、表面S1および裏面S2においても十分な活物質が充填される。しかも、表面S1および裏面S2でのスラリーの厚みをゼロからギャップ量の間で調整しているため、乾燥処理後の多孔質シート体Sの表面S1および裏面S2、つまり電池用電極の主面はほぼフラットな形状に仕上げられる。このように、本実施形態によれば、集電体となる多孔質シート体Sに充填される活物質の量を増大させた電池用電極を安定して製造することができる。
上記したように図1に示す電極製造装置1では、転写部16が本発明の「厚み調整部」として機能している。また、搬送方向ADは本発明の「所定の方向」の一例に相当している。また、乾燥炉17が本発明の「乾燥部」の一例に相当している。多孔質シート体Sの表面S1および裏面S2が本発明の「多孔質シート体の主面」の一例に相当している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、多孔質シート体Sの面法線方向Zにおける転写ローラー161、162の回転軸161a、162aの位置によって乾燥炉17に搬送する前のスラリーの厚みを調整しているが、調整手段はこれに限定されるものではない。例えば、多孔質シート体Sの表面S1に対して複数の転写ローラーを本発明の「厚み調整部」として搬送方向ADに配列して複数の転写位置で表面S1から転写ローラーへのスラリーの転写を行ってもよい。この点に関しては、多孔質シート体Sの裏面S2側についても同様である。
また、多孔質シート体Sの搬送速度と転写ローラー161、162の回転速度との比によってスラリーの厚みを調整してもよく、これを調整する調整手段が本発明の「厚み調整部」の一例に相当する。
また、上記実施形態において、転写部16を省略し、多孔質シート体Sの搬送速度と塗布ノズル151、152からのスラリーの単位時間当たりの吐出量との比を調整する調整手段、あるいは塗布ノズル151、152の吐出口と多孔質シート体Sとの間隔(ギャップ)を調整する調整手段を本発明の「厚み調整部」として機能させ、乾燥炉17に搬送する前に多孔質シート体Sの表面S1および裏面S2に溢れるスラリーの厚みを調整してもよい。
また、上記した調整手段を組み合わせ、これらの組み合わせを本発明の「厚み調整部」として機能させてもよい。
さらに、上記実施形態では、多孔質シート体Sの表面S1および裏面S2の両方にスラリーを供給して電池用電極を製造しているが、多孔質シート体Sの表面S1のみ、あるいは裏面S2のみにスラリーを供給して電池用電極を製造する電池用電極の製造技術に対しても本発明を適用することができ、同様の作用効果が得られる。
この発明は、集電体となる多孔質シート体に活物質が充填された構造を有する電池用電極を製造する製造技術全般に適用することができる。
1…電極製造装置
15…スラリー供給部
16…転写部
17…乾燥炉(乾燥部)
19…スラリー回収部
151,152…塗布ノズル
161,162…転写ローラー
AD…搬送方向
S…多孔質シート体
S1…(多孔質シート体の)表面
S2…(多孔質シート体の)裏面
Z…面法線方向

Claims (6)

  1. 集電体となる多孔質シート体に活物質が充填された電池用電極の製造装置であって、
    前記活物質を含むスラリーを吐出するノズルを有し、所定の方向に搬送される前記多孔質シート体の主面に前記ノズルから前記スラリーを供給して前記多孔質シート体の内部に浸透させるスラリー供給部と、
    前記多孔質シート体の前記主面に溢れるスラリーの厚みを調整する厚み調整部と、
    前記厚み調整部による前記スラリーの厚みの調整を受けた多孔質シート体を加熱して前記スラリーを乾燥させる乾燥部と
    を備えることを特徴とする電池用電極の製造装置。
  2. 請求項1に記載の電池用電極の製造装置であって、
    前記厚み調整部は、前記多孔質シート体の搬送に応じて回転する転写ローラーを有し、前記多孔質シート体の主面に付着するスラリーを前記転写ローラーに転写させて厚みの調整を行う電池用電極の製造装置。
  3. 請求項2に記載の電池用電極の製造装置であって、
    前記厚み調整部は、
    前記多孔質シート体の面法線方向における前記転写ローラーの回転軸の位置、および前記多孔質シート体の搬送速度と前記転写ローラーの回転速度との比のうち少なくとも一方を前記厚みに応じて設定する電池用電極の製造装置。
  4. 請求項2または3に記載の電池用電極の製造装置であって、
    前記転写ローラーに転写されたスラリーを回収して前記多孔質シート体に供給するスラリーとして再利用するスラリー回収部を備える電池用電極の製造装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の電池用電極の製造装置であって、
    前記厚み調整部は、
    前記多孔質シート体の搬送速度と前記ノズルからの前記スラリーの単位時間当たりの吐出量との比、および前記ノズルの吐出口と前記多孔質シート体との間隔のうち少なくとも一方を前記厚みに応じて設定する電池用電極の製造装置。
  6. 集電体となる多孔質シート体の主面に対して活物質を含むスラリーを供給して前記多孔質シート体の内部に浸透させる供給工程と、
    前記スラリーが供給された前記多孔質シート体を加熱して前記スラリーを乾燥させる乾燥工程とを備え、
    前記乾燥工程前に前記多孔質シート体の前記主面に溢れるスラリーの厚みを調整することを特徴とする電池用電極の製造方法。
JP2016025701A 2016-02-15 2016-02-15 電池用電極の製造装置および製造方法 Pending JP2017147034A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016025701A JP2017147034A (ja) 2016-02-15 2016-02-15 電池用電極の製造装置および製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016025701A JP2017147034A (ja) 2016-02-15 2016-02-15 電池用電極の製造装置および製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017147034A true JP2017147034A (ja) 2017-08-24

Family

ID=59682390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016025701A Pending JP2017147034A (ja) 2016-02-15 2016-02-15 電池用電極の製造装置および製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017147034A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110976177A (zh) * 2019-12-27 2020-04-10 浙江乔治白服饰股份有限公司 西裤挺缝线打胶成型装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002134106A (ja) * 2000-10-19 2002-05-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd ペースト充填方法及び装置
WO2012111667A1 (ja) * 2011-02-18 2012-08-23 住友電気工業株式会社 三次元網状アルミニウム多孔体及び該アルミニウム多孔体を用いた電極並びに該電極を用いた非水電解質電池、非水電解液を用いたキャパシタ及びリチウムイオンキャパシタ
WO2012111609A1 (ja) * 2011-02-18 2012-08-23 住友電気工業株式会社 三次元網状アルミニウム多孔体及び該アルミニウム多孔体を用いた電極並びに該電極を用いた非水電解質電池、非水電解液を用いたキャパシタ及びリチウムイオンキャパシタ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002134106A (ja) * 2000-10-19 2002-05-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd ペースト充填方法及び装置
WO2012111667A1 (ja) * 2011-02-18 2012-08-23 住友電気工業株式会社 三次元網状アルミニウム多孔体及び該アルミニウム多孔体を用いた電極並びに該電極を用いた非水電解質電池、非水電解液を用いたキャパシタ及びリチウムイオンキャパシタ
WO2012111609A1 (ja) * 2011-02-18 2012-08-23 住友電気工業株式会社 三次元網状アルミニウム多孔体及び該アルミニウム多孔体を用いた電極並びに該電極を用いた非水電解質電池、非水電解液を用いたキャパシタ及びリチウムイオンキャパシタ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110976177A (zh) * 2019-12-27 2020-04-10 浙江乔治白服饰股份有限公司 西裤挺缝线打胶成型装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6525944B6 (ja) リチウムイオン電池電極フィルムの多孔率の変化を生み出す方法
US10468664B2 (en) Method of manufacturing lithium-ion secondary battery electrode sheet
JP5832434B2 (ja) 水性溶媒の存在下での押出成形による正極材料の作製方法、前記方法によって得られる正極、およびその使用
EP0814521B1 (en) Process for producing porous coating layer and process for producing electrode plate for secondary battery with nonaqueous electrolyte
US10276855B2 (en) Method of manufacturing a lithium-ion secondary battery electrode sheet based on an active material dry powder
JP6108166B2 (ja) 二次電池用電極
JP2010103095A (ja) 電極製造装置及び電極製造方法
TW201414057A (zh) 鋰離子電池之製造方法及鋰離子電池之製造裝置
JP2014194863A (ja) リチウムイオン電池の製造装置およびリチウムイオン電池の製造方法
JP2016018725A (ja) リチウムイオン二次電池用電極の製造方法
JP2014194882A (ja) リチウムイオン電池の製造装置および製造方法
JP5798144B2 (ja) リチウムイオン電池の製造装置およびリチウムイオン電池の製造方法
JP2014082182A (ja) リチウムイオン電池の製造装置およびリチウムイオン電池の製造方法
JP2017147034A (ja) 電池用電極の製造装置および製造方法
JP2015011896A (ja) 二次電池用電極の製造方法
KR20130044160A (ko) 전극, 전극 제조 장치 및 전극 제조 방법
JP2013048995A (ja) 塗布装置、塗布膜形成システム、塗布方法および塗布膜形成方法
JP5989579B2 (ja) 全固体電池の製造方法および製造装置
JP2002361152A (ja) 両面塗布装置及び電池用電極の製造方法
JP2002313328A (ja) マスキング装置及び非水電解質電池用電極の製造方法
JP2017147035A (ja) 電池用電極の製造装置および製造方法
JP2017182984A (ja) 電池用電極の製造装置およびその製造方法
JP2014192043A (ja) リチウムイオン電池の製造装置および製造方法
JP2014022220A (ja) 電池用電極の製造方法および電池用電極製造装置
JP2023536702A (ja) 電気化学的貯蔵装置の機能層を形成するための方法、塗布装置、及び調製物

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170725

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191112

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200609