JP2002134106A - ペースト充填方法及び装置 - Google Patents

ペースト充填方法及び装置

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JP2002134106A JP2000319868A JP2000319868A JP2002134106A JP 2002134106 A JP2002134106 A JP 2002134106A JP 2000319868 A JP2000319868 A JP 2000319868A JP 2000319868 A JP2000319868 A JP 2000319868A JP 2002134106 A JP2002134106 A JP 2002134106A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空孔を有する金属多孔体に増粘剤や結着剤が
含有されていないペーストを充填する際に、ペーストが
濾過されて活物質粉末だけが表面に残り、溶媒のみ内部
に浸透してしまうため充填ばらつきが増大する。 【解決手段】 金属多孔体99の表裏両側から対向する
一対のノズル100にてペースト2を両面同時に吐出し
金属多孔体99に塗着させ、金属多孔体99の表裏両側
から対向して位置する一対のロールスムーザー7を、金
属多孔体99の走行方向に対して逆方向に回転させなが
ら、金属多孔体99に塗着したペースト2を金属多孔体
99内部に両面同時に擦り込み、充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ蓄電池等
に使用され、連続走行する導電性の金属多孔体に電池の
活物質粉末を主成分とするペーストを充填する製造方法
及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、アルカリ蓄電池に対する高容量化
のニーズが高まっており、そのためには、容量規制極で
ある正極容量を向上させる必要がある。
【0003】アルカリ蓄電池の正極は、一般的に、活物
質は水酸化ニッケル、基材は三次元的な空孔を有する導
電性の金属多孔体が用いられており、容量を向上させる
ためには、この水酸化ニッケル粉末を主成分とするペー
ストを如何にして、金属多孔体の空孔内に高密度に充填
するかが、鍵となっている。
【0004】従来は、この活物質粉末を主成分とし、純
水等の溶媒で希釈したペーストを金属多孔体に充填し、
乾燥後、圧延することにより製造されている。
【0005】充填方法については、多くの提案がなされ
ており、例えば特開平2−288067号公報におい
て、図4に示すように、活物質粉末を主成分とするペー
スト42を満たした槽41へフープ状の金属多孔体45
を連続的に搬送し、槽41への進入部に設置され、外周
部に凹凸が形成された充填ローラー43によって、金属
多孔体45内部の空孔にペースト42を圧入し、槽41
の出口近傍に設置されたスクレーパー44によって、金
属多孔体45に付着した余分なペースト42を掻き落と
す方法や、槽内に設置された2本のローラーでペースト
を金属多孔体に圧入し、槽の出口近傍に設置された2本
のロールスムーザーで擦り込む方法等の含浸法がある。
【0006】また、2本のスプレーノズルでペーストを
金属多孔体に吹き付けて充填する方法等の吹き付け充填
法もある。
【0007】また、例えば特開平11−192451号
公報において、図5に示すように、連続走行し、かつ空
孔を有する金属多孔体51にペースト52を金属多孔体
51の表面側からノズル53を用いて吐出すると同時
に、裏面側からブロワ54を介して吸引開口部55を減
圧する様にし、ペースト52を金属多孔体51の内部に
浸透させながら充填した後、余分なペースト52をドク
ターナイフ56で掻き落とす吸引法がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】空孔を有する金属多孔
体は、一般的にフィルターとして用いられており、充填
する際にペーストが濾過されて、活物質粉末だけが表面
に残り、溶媒のみ内部に浸透するという不都合が生じ
る。そのため、ペースト中に増粘剤または結着剤を添加
し、粉末と溶媒が分離しにくい組成のペーストにするこ
とが重要である。
【0009】しかしながら、ペースト中に増粘剤を添加
すると、ペースト内に占める活物質粉末の量が減少し、
容量が制限されるため、今後、高容量化は望めない。従
って、増粘剤を含有しないペーストで金属多孔体に充填
する方法を開発する必要がある。
【0010】なお、活物質粉末が金属多孔体の内部に浸
透しにくいという課題は、含浸法においてのみ生じてい
るのではなく、吹き付け充填法でも、ペーストをスプレ
ーノズルから吐出する際、ペーストに急激なせん断力が
加わるため、粉末と溶媒がすぐに分離し、粉末が金属多
孔体の内部に浸透しなくなるという課題が生じている。
【0011】そこで、本発明は、上記従来の課題を考慮
し、活物質粉末および溶媒を、金属多孔体内部に擦り込
み充填するペースト充填方法及び装置を提供することを
目的とする。
【0012】また、従来は、極板を加工・組立する後工
程の中で、正極板の端部にリード部を形成するために乾
燥・圧延後の極板の活物質をストライプ状に剥離する工
程があるが、ペーストを充填する際、未充填部を設ける
ようにストライプ状に充填すれば、工程と材料のロスが
防げるが、図5に示す吸引法等では、これが、困難であ
った。
【0013】そこで、本発明は、上記従来の課題を考慮
し、後工程で活物質をストライプ状に剥離しないですむ
ように、活物質を含むペーストを金属多孔体内部に充填
するさいに、そのペーストをストライプ状に充填するペ
ースト充填方法及び装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の本発明(請求項1
に対応)は、連続走行し、かつ、空孔を有する金属多孔
体に、活物質粉末を主成分とするペーストを充填する方
法であって、前記金属多孔体の表裏面に前記ペーストを
付着させ、そのペーストが表裏面に付着した前記金属多
孔体の表裏面両側に対向して位置する一対のロールを、
前記金属多孔体の走行方向に対して逆方向または順方向
に回転させながら、前記一対のロールで前記金属多孔体
に付着した前記ペーストを、前記金属多孔体内部に、そ
の金属多孔体の表裏面から同時に擦り込み充填すること
を特徴とするペースト充填方法である。
【0015】第2の本発明(請求項2に対応)は、前記
金属多孔体の表裏面への前記ペーストの付着を、対向す
る一対のノズルから前記ペーストを前記金属多孔体の表
裏面に同時に吐出することによって行うことを特徴とす
る第1の本発明に記載のペースト充填方法である。
【0016】第3の本発明(請求項3に対応)は、前記
金属多孔体の表裏面への前記ペーストの付着を、前記金
属多孔体の片側に位置するノズルから前記ペーストを前
記金属多孔体の片面に吐出し、その後、前記ペーストが
片面に付着した前記金属多孔体を前記ペーストが貯留さ
れた含浸槽内に搬送することによって行うことを特徴と
する第1の本発明に記載のペースト充填方法である。
【0017】第4の本発明(請求項4に対応)は、前記
ペーストの固形分濃度が70%以上であることを特徴と
する第1の本発明に記載のペースト充填方法である。
【0018】第5の本発明(請求項5に対応)は、前記
ノズルから吐出される前記ペーストの量をQ、前記金属
多孔体の空孔を全て満たす量に相当する前記ペーストの
量をPとすると、 P×1.1≦Q≦P×1.5 を満たすことを特徴とする第2の本発明に記載のペース
ト充填方法である。
【0019】第6の本発明(請求項6に対応)は、前記
ノズルから吐出される前記ペーストの量をQ、前記金属
多孔体の空孔に残留する量に相当する前記ペーストの量
をPとすると、 P=Q を実質上満たすことを特徴とする第3の本発明に記載の
ペースト充填方法である。
【0020】第7の本発明(請求項7に対応)は、前記
ノズルが、ストライプ仕切りによって仕切られている実
質上平行な関係にある複数のスリット出口を有してお
り、前記金属多孔体の表裏面に前記ペーストを少なくと
も2条以上のストライプ状にして付着させ、前記ロール
で前記金属多孔体に付着した前記ペーストを、前記スト
ライプ状を実質上保持しつつ、前記金属多孔体内部に、
その金属多孔体の表裏面から同時に擦り込み充填するこ
とを特徴とする第2の本発明に記載のペースト充填方法
である。
【0021】第8の本発明(請求項8に対応)は、下方
から上方へ連続走行し、表裏面に活物質粉末を主成分と
するペーストが付着している、空孔を有する金属多孔体
の表裏面両側に対向するように配置され、前記金属多孔
体の走行方向に対して逆方向または順方向に回転し、前
記ペーストを前記金属多孔体内部に、その金属多孔体の
表裏面から同時に擦り込み充填する一対のロールを少な
くとも備えたことを特徴とするペースト充填装置であ
る。
【0022】第9の本発明(請求項9に対応)は、前記
ロールに付着した前記ペーストを前記ロールの下端で掻
き落とす掻き落とし手段と、前記掻き落とし手段で掻き
落とされた前記ペーストを回収する回収タンクと、前記
回収タンクに収容された前記ペーストを再生するペース
ト調整手段とを備え、前記掻き落とし手段で掻き落とさ
れた前記ペーストを再利用することを特徴とする第8の
本発明に記載のペースト充填装置である。
【0023】第10の本発明(請求項10に対応)は、
前記ロールの下方に、前記下方から上方へ連続走行する
金属多孔体の表裏面両側に対向するように配置され、前
記ペーストを前記金属多孔体の表裏面に同時に吐出する
一対のノズルを備えたことを特徴とする第8の本発明に
記載のペースト充填装置である。
【0024】第11の本発明(請求項11に対応)は、
前記金属多孔体と前記ノズルとの間隙をL、前記金属多
孔体と前記ロールとの間隙をKとすると、L−0.05
mm≦K<Lを満たすことを特徴とする第10の本発明
に記載のペースト充填装置である。
【0025】第12の本発明(請求項12に対応)は、
前記ペーストを前記金属多孔体の片面に吐出するノズル
と、前記ペーストを貯留する含浸槽とを備え、前記ペー
ストが、前記ノズルおよび前記含浸槽によって、前記金
属多孔体の表裏面に付着し、前記ロールが、前記ノズル
および前記含浸槽によって前記金属多孔体の表裏面に付
着した前記ペーストを、前記金属多孔体の表裏面から内
部に同時に擦り込み充填することを特徴とする第8の本
発明に記載のペースト充填装置である。
【0026】第13の本発明(請求項13に対応)は、
前記ロールの高さ方向の位置をZ1、前記ロールの径を
D、前記含浸槽に貯留された前記ペーストの液面水位を
Z2とすると、 Z2+D+5mm<Z1≦Z2+D+10mm を満たすことを特徴とする第12の本発明に記載のペー
スト充填装置である。
【0027】第14の本発明(請求項14に対応)は、
前記ノズルが、ストライプ仕切りによって仕切られてい
る実質上平行な関係にある複数のスリット出口を有して
いるとともに、前記ロールが、前記ノズルの前記ストラ
イプ仕切りの位置に対応する位置に、円周上に形成され
た一つまたは複数のストライプ溝を有しており、前記ペ
ーストが、前記ノズルによって前記金属多孔体の表裏面
にストライプ状に付着し、前記ロールによって前記スト
ライプ状が実質上保持されたまま、前記金属多孔体の表
裏面から内部に擦り込まれ充填されることを特徴とする
第10の本発明に記載のペースト充填装置である。
【0028】第15の本発明(請求項15に対応)は、
前記ストライプ仕切りの幅が前記ペーストの無充填部の
幅に相当し、前記ストライプ仕切りの長さが前記ノズル
のスリットの入口からそのスリットの出口までの長さで
あることを特徴とする第14の本発明に記載のペースト
充填装置である。
【0029】第16の本発明(請求項16に対応)は、
前記ノズルの前記ストライプ仕切りの幅をX、前記ロー
ルの前記ストライプ溝の幅をYとすると、 X−0.3mm<Y≦X を満たすことを特徴とする第14の本発明に記載のペー
スト充填装置である。
【0030】第17の本発明(請求項17に対応)は、
前記ノズルのスリットギャップが1.5mm以上であ
り、前記ペーストには増粘剤または結着剤が含有されて
いないことを特徴とする第10または第12の本発明に
記載のペースト充填装置である。
【0031】第18の本発明(請求項18に対応)は、
前記ロールの間隙dが前記金属多孔体の厚さtと実質上
等しいことを特徴とする第8の本発明に記載のペースト
充填装置である。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。
【0033】(実施の形態1)図1と図2を参照して、
本発明にかかる実施の形態1について説明する。
【0034】まず、本発明にかかる実施の形態1の装置
の構成を、その動作とともに説明する。
【0035】図1は、本発明にかかる実施の形態1のノ
ズル100を用いた充填方法及び装置の概略を示すもの
である。
【0036】図1に示すように、ストックタンク1内の
ペースト2は、例えば定量ポンプのように安定した送液
が可能な給液ポンプ3により送り出される。次に、ペー
スト2は、気泡除去手段4によりペースト2の内部の気
泡を除去されノズル100に送り込まれる。さらに、マ
ニホールド5からスリット6へ押し出され、スリット6
の出口から吐出され、矢印Dの方向に連続走行する金属
多孔体99の両面に塗着される。
【0037】次に、金属多孔体99に塗着されたペース
ト2は、ノズル100の上方に配置され、金属多孔体9
9の走行方向に対して逆方向に回転するロールスムーザ
ー7によって、金属多孔体99の内部に擦り込まれると
同時に、余剰分のペースト2が掻き落とされる。
【0038】次に、本発明にかかる実施の形態1のノズ
ル100の構成について説明する。図2は、本発明にか
かる実施の形態1のノズル100の斜視図である。
【0039】図2に示すように、ノズル100は、上ブ
ロック21と下ブロック22と2つのサイドブロック2
3L及び23Rから構成される。各ブロック21、2
2、23L及び23Rは、互いにネジ(図示せず)で連
結されている。
【0040】また、上ブロック21には、ペースト2を
供給するための配管24が接続されている。さらに、下
ブロック22には、マニホールド5が設けられている。
【0041】そして、スリット6は、上ブロック21と
下ブロック22が組み合わさることによって、形成され
る。
【0042】本発明では、上ブロック21と下ブロック
22の間隔hをスリットギャップと呼んでいる。
【0043】次に、本実施の形態の第1の特徴について
説明する。
【0044】この第1の特徴は、図1に示すように、ペ
ースト2をノズル100から吐出し、金属多孔体99に
塗着させることである。
【0045】本発明にかかる実施の形態1の密閉系のノ
ズル100を用いてペースト2を吐出することで、ペー
スト2中に空気や異物が入りにくくなるので、気泡の発
生を抑制することができる。しかし、従来の含浸法で
は、ペーストを貯留する槽が大気開放系であるため、空
気や異物が入りやすくなるので、気泡の発生を完全に防
止することが容易ではない。
【0046】また、金属多孔体99の内部に充填する量
とノズル100から吐出される量がほぼ同等になるため
大量のペーストを必要としなくなり、ペーストのロスを
大幅に低減できる。しかし、従来の含浸法では、金属多
孔体の内部に充填する量より遙かに多い量のペーストを
槽内に貯留しておく必要があるので、ロスが発生しやす
い。
【0047】本発明にかかる実施の形態1のノズル10
0を用いてペースト2を吐出し、金属多孔体99に塗着
させることで、空気や異物の混入による気泡の発生を抑
制することと、塗着させるペーストのロスを低減するこ
とが容易になる。
【0048】また、図2に示すノズル100先端のスリ
ットギャップhを1.5mm以上にすることで、ペース
トに加わるせん断力を低下させることが可能となり、溶
媒と粉末の分離が抑制される。スリットギャップhが
1.5mm未満になると、ペーストに高せん断力が加わ
り、溶媒と粉末の分離が促進され、増粘剤や結着剤の含
有されていないペーストだと、すぐに分離して金属多孔
体の表面に粉末のみ塗着される。つまり、スリットギャ
ップhを1.5mm以上にすることで、増粘剤や結着剤
の含有されていないペーストでも、分離しにくくなる。
【0049】さらに、ペーストの固形分濃度が70%未
満になると、溶媒と粉末の分離が促進され、図2に示す
ノズル内のマニホールドやスリットに粉末のみが残り、
数秒で詰まりが発生する。ゆえに、ペーストの固形分濃
度は70%以上が望ましい。
【0050】次に、本実施の形態の第2の特徴について
説明する。
【0051】この第2の特徴は、図1に示すように、ペ
ースト2を金属多孔体99の表裏両側から対向する一対
のノズル100で両面同時に吐出し、金属多孔体99に
塗着させることである。
【0052】金属多孔体99の表裏両側から両面同時に
ペースト2を吐出することで、金属多孔体99の内部に
残留している気体を押し出しながらペースト2を塗着さ
せることが可能となり、気泡の混入を抑制することがで
きる。また、表裏均一な充填が容易になる。
【0053】片面づつ交互に吐出すると、後半吐出する
面の金属多孔体の内部に気泡が混入し易くなると共に表
裏の充填量のバランスも崩れるためである。
【0054】また、片面のみでも金属多孔体の内部に残
留している気体を押し出す作用が働くが、金属多孔体の
裏面に突き抜けたペーストは、金属多孔体に濾過されて
固形分濃度が低下してしまい、表裏の充填量のバランス
が崩れるためである。
【0055】本発明にかかる実施の形態1のノズル10
0を用いて、金属多孔体99の表裏両側からペースト2
を両面同時に吐出することで、気泡の混入が抑制される
と共に表裏の充填量のバランスを整えることが容易にな
る。
【0056】次に、本実施の形態の第3の特徴について
説明する。
【0057】この第3の特徴は、図1に示すように、金
属多孔体99の表裏両側から対向する一対のロールスム
ーザー7を金属多孔体99の走行方向に対して逆方向に
回転させながら、金属多孔体99に塗着されたペースト
2を両面同時に擦り込むことである。
【0058】ロールスムーザー7を金属多孔体99の走
行方向に対して逆方向に回転させることで、金属多孔体
99の内部に混入しようとする気体と残留している気体
を押し出しながら、金属多孔体99の内部にペースト2
を擦り込むことが容易になる。また、両面同時に擦り込
むことで、さらに表裏の充填量のバランスが均一にな
る。
【0059】ロールスムーザー7を金属多孔体99の走
行方向に対して順方向に回転させると、金属多孔体99
の内部に混入しようとする気体を巻き込んでしまう恐れ
がある。また、片面づつ擦り込もうとすると、反対側の
面に支えが無いため金属多孔体に擦り込む力が加わら
ず、均一な充填が困難になる。
【0060】本発明にかかる実施の形態1のロールスム
ーザー7を金属多孔体99の走行方向に対して逆方向に
回転させ、金属多孔体99に塗着されたペースト2を両
面同時に擦り込むことで、気体の混入を防止し、表裏の
充填量のバランスを均一にすることができる。
【0061】なお、上記説明では、ロールスムーザー7
を金属多孔体99の走行方向に対して逆方向に回転させ
るとしたが、ペーストを金属多孔体99内部まで充填さ
せるためには、ロールスムーザー7を金属多孔体99の
走行方向に対して順方向に回転させてもよい。
【0062】次に、本実施の形態1で説明したノズル1
00を用いた充填方法を用いて、ペースト2を金属多孔
体99に充填した場合と、図4に示す従来の含浸法を用
いて、ペースト2を金属多孔体99に充填した場合の充
填量ばらつきを評価した結果を、(実施例1)、(比較
例1)に示す。
【0063】(実施例1)本実施の形態1で説明したノ
ズル100を用いた充填方法を用いて、せん断速度10
0sec-1における粘度が20000cpである水酸化
ニッケル粉末を主成分とする水溶液に水酸化コバルトを
添加したペースト2を厚さ1mmの金属多孔体99に単
位幅当たり0.2(cc/sec)/cmの吐出量で両
面同時に塗着させ、金属多孔体99の走行速度1.8m
/min、ロールスムーザー7の回転数4.5rpmで
充填した。
【0064】ノズル100は、ステンレス製で、吐出幅
200mm、スリットギャップ1.5mmとし、ロール
スムーザー7の直径は128mmとした。
【0065】(比較例1)図4に示す従来の含浸法を用
いて、せん断速度100sec-1における粘度が200
00cpである水酸化ニッケル粉末を主成分とする水溶
液に水酸化コバルトを添加したペースト2を厚さ1mm
の金属多孔体99に走行速度1.8m/minで塗着さ
せ、充填した。
【0066】図7は、(実施例1)と(比較例1)の充
填量ばらつき測定結果のグラフである。
【0067】それぞれの方法で充填した長さ60mの極
板の長手方向に5m毎、幅方向に各3箇所ずつ5cm角
のサンプルを切り出し、活物質のみを抽出した後、電子
天秤にて重量を測定した。この重量を充填量とする。
【0068】そして、各幅方向の充填量ばらつきを算出
した数値Rを縦軸に摂り、長手方向の変化を見るために
横軸を充填長さとしてグラフ化した。
【0069】図7に示すように、(実施例1)のノズル
100を用いた充填方法の方が幅方向の充填量ばらつき
が小さくなる。また、幅方向だけでなく長手方向でもば
らつきが小さいことが判明した。それは、密閉系のノズ
ル100を用いたことや、両面同時にノズル100から
ペースト2を吐出して金属多孔体99に塗着させること
や、ロールスムーザー7で両面同時に金属多孔体99に
擦り込んだことで気泡の混入が抑制されたためである。
また、増粘剤や結着剤が含有されていないペーストで
も、分離せずに安定した状態でノズルから吐出できたた
めでもある。
【0070】次に、本実施の形態の第4の特徴について
説明する。
【0071】この第4の特徴は、本発明にかかる実施の
形態1のノズル100から吐出されるペースト2の量を
Q、金属多孔体99の空孔を全て満たす量に相当するペ
ースト2の量をPとしたとき、P×1.1≦Q≦P×
1.5を満たすことである。
【0072】金属多孔体の空孔を100%満たすために
は、空孔を全て満たすペーストの量よりも10%ほど多
い量が必要である。
【0073】なぜなら、ノズルから吐出されるペースト
の量と空孔を全て満たすぺーストの量が同量の場合、ペ
ーストが金属多孔体に塗着される時、濾過されて、ペー
スト中の粉末と溶媒が分離する現象が発生するため、1
00%吐出しても10%ほど金属多孔体から溶媒と一緒
に粉末が染み出してしまい100%塗着させることが困
難になるからである。
【0074】従って、ノズル100から吐出されるペー
スト2の量は、金属多孔体99を全て満たすペーストの
量より、10%以上多くする必要がある。
【0075】しかし、50%以上多く吐出すると、ロー
ルスムーザー7で掻き落としたペーストが再び塗着され
るため、活物質重量ばらつきが増加する。
【0076】従って、ノズル100から吐出されるペー
スト2の量をQ、金属多孔体99の空孔を全て満たす量
に相当するペーストの量をPとしたとき、P×1.1≦
Q≦P×1.5を満たすことが重要である。
【0077】次に、本実施の形態1で説明したノズル1
00を用いた充填方法を用いて、ペースト2を金属多孔
体99に充填した場合のペースト2の吐出量Qを金属多
孔体99の空孔を満たす量Pに対して、100%〜16
0%まで10%づつ変化させたときの実充填率と充填量
ばらつきを測定した時の結果を、(実施例2)に示す。
【0078】(実施例2)本実施の形態1で説明したノ
ズル100を用いた充填方法を用いて、せん断速度10
0sec-1における粘度が20000cpである水酸化
ニッケル粉末を主成分とする水溶液に水酸化コバルトを
添加したペースト2を厚さ1mmの金属多孔体99に充
填した。金属多孔体99の走行速度は1.8m/mi
n、ロールスムーザー7の回転数は4.5rpm、各ノ
ズル100から吐出する実吐出量は、単位幅当たり0.
15(cc/sec)/cm(金属多孔体の空孔を全て
満たす量に相当)としたときの実吐出量を100%とし
て10%ずつ増加させ、160%まで実施した。
【0079】ノズル100は、ステンレス製で、吐出幅
200mm、スリットギャップ1.5mmとし、ロール
スムーザー7の直径は128mmとした。
【0080】(実施例2)の7種類の実吐出量率で金属
多孔体に充填した時の実充填率を比較した結果が(表
1)である。なお、実充填率とは、金属多孔体の体積及
び空孔率と活物質粉末の密度から算出した単位体積当た
りの理論重量に対する実測した単位体積当たりの重量の
割合である。
【0081】
【表1】 (表1)に示すように、実吐出量率が100%でも実充
填率は87%であり、未充填部が発生している。その影
響で充填量ばらつきも大きくなっている。
【0082】そこで、本実施の形態の範囲内である実吐
出量率を110%以上にすると、実充填率は100%に
なり、充填量ばらつきも低下する。
【0083】しかし、実吐出量率が160%以上になる
と実充填率が100%を越え、充填ばらつきも増大す
る。従って、実吐出量率150%までを本実施の形態の
範囲内とする。
【0084】次に、本実施の形態1の効果を以下にまと
めて説明する。
【0085】第1に、本発明の実施の形態1の充填方法
を用いることにより、増粘剤や結着剤が含有されていな
いペーストでも、分離せずに安定した状態でノズルから
吐出できるので、吐出ばらつきの少ない、均一な充填が
可能になる。
【0086】第2に、本発明の実施の形態1の充填方法
を用いることにより、ノズル100から両面同時にペー
スト2を吐出したり、ロールスムーザー7で両面同時に
擦り込むことで気泡の混入が抑制され、充填ばらつきの
少ない極板が得られる。
【0087】第3に、本発明の実施の形態1の充填方法
を用いることにより、実充填率を100%にすると共に
充填ばらつきを少なくすることが可能になるので、容量
が高く、安定した品質の極板が得られる。
【0088】なお、本実施の形態1では、対向する一対
のノズル100を用いて、金属多孔体99の表裏面にペ
ースト2を付着(塗着)させるとしたが、例えば図4に
示すような含浸法で、金属多孔体99の表裏面にペース
ト2を付着(塗着)させてもよい。要するに、金属多孔
体99の表裏面に付着(塗着)したペースト2を、一対
のロールスムーザー7を用いて、金属多孔体99内部に
擦り込み充填しさえすればよい。
【0089】(実施の形態2)次に、図1と図2を参照
して、本発明にかかる実施の形態2について説明する。
【0090】まず、本発明にかかる実施の形態2の装置
の構成をその動作とともに説明する。
【0091】基本的に実施の形態1と同一であるが、ロ
ールスムーザー7で掻き取られた余剰分のペースト2
は、一部ロールスムーザー7に付着する。そこで、ロー
ルスムーザー7の下端に備えられた掻き落とし手段8に
て、ロールスムーザー7から掻き落とされ、ロールスム
ーザー7で掻き取ったペースト2と共に回収タンク9に
収容される。
【0092】そして、回収タンク9に収容されたペース
ト2は、吸引が可能な吸引ポンプ10によりペースト調
整タンク11に送り込まれる。さらに、ペースト調整タ
ンク11にて、固形分濃度を調整した後、ストックタン
ク1に送り込まれ、再利用される。
【0093】また、本実施の形態にかかるノズル100
の構成については、基本的に実施の形態1と同一であ
る。
【0094】次に、本実施の形態の第1の特徴について
説明する。
【0095】この第1の特徴は、図1に示すように、ロ
ールスムーザー7に付着した余剰分のペースト2を掻き
落とし手段8で掻き落とした後、回収タンク9に回収
し、再利用できるようにしたことである。
【0096】図4に示す従来の充填装置において、スク
レーパー44でペースト42を掻き落とす時にその摩擦
力により溶媒と粉末の分離が発生する。増粘剤や結着剤
が含有されていないペースト42では、この現象が顕著
になるため、掻き落とされたペースト42が槽41に貯
留されたペースト42に混入し、ペースト性状が刻々と
変化し、充填量ばらつきが増大する。
【0097】また、図5に示す従来の充填装置において
も、増粘剤や結着剤が含有されていないペースト52で
は、ドクターナイフ56でスムージングする際、その摩
擦力により、溶媒と粉末の分離が発生するため、ペース
ト性状の変化が、充填ばらつきに影響を与えてしまう。
【0098】また、図1に示す本発明にかかる実施の形
態2の充填装置においても、ロールスムーザー7で掻き
落とす時にロールスムーザー7と金属多孔体99の摩擦
力により溶媒と粉末の分離が発生する。
【0099】そこで、図1に示すようにロールスムーザ
ー7で掻き落としたペーストが塗着するペーストに混入
しないように回収する回収タンクを設け、再利用できる
ようにしたことで、常に安定した性状のペーストをノズ
ル100に供給できるようになる。
【0100】すると、従来の充填装置よりペーストの性
状が安定するため、充填量ばらつきが低減されるととも
にペーストのロスも容易に低減できる。
【0101】次に、本実施の形態の第2の特徴について
説明する。
【0102】この第2の特徴は、図1に示すように、ペ
ースト調整タンク11を設け、ペースト2の性状を元に
戻すようにしたことである。
【0103】図4に示す従来の充填装置においては、ス
クレーパー44で掻き落とされたペーストが槽41に混
入するため、槽全体のペースト性状を調整する必要があ
り、ペースト性状を安定化させ、充填量ばらつきを低減
することが容易ではない。
【0104】しかし、本実施の形態2では、掻き落とし
たペーストのみ回収し、調整できるペースト調整タンク
11を設け、ペーストの性状を元に戻すことを容易にし
た。
【0105】なお、ペースト調整タンク11には、赤外
線方式の含水率測定器が具備されており、ペースト含水
率を自動的に制御できる機構を備えている。
【0106】次に、本実施の形態2の効果を説明するた
めに、本実施の形態2で説明したノズル100を用いた
充填装置を用いてペースト2を充填した場合と、図4に
示す従来方法でペースト2を充填した場合の充填量ばら
つきの経時変化を測定した時の結果を、(実施例3)、
(比較例2)に示す。
【0107】(実施例3)本実施の形態2で説明したノ
ズル100を用いた充填方法を用いて、せん断速度10
0sec-1における粘度が20000cpである水酸化
ニッケル粉末を主成分とする水溶液に水酸化コバルトを
添加したペースト2を、厚さ1mmの金属多孔体99に
単位幅当たり0.2(cc/sec)/cmの吐出量で
両面同時に塗着させ、金属多孔体99の走行速度1.8
m/min、ロールスムーザー7の回転数4.5rpm
で充填する。
【0108】180分連続充填し、乾燥させた後、30
分置きのサンプルを抽出し、幅方向の充填量ばらつきを
測定した。
【0109】ノズル100は、ステンレス製で、吐出幅
200mm、スリットギャップ1.5mmとし、ロール
スムーザー7の直径は128mmとした。
【0110】(比較例2)図4に示す従来の含浸法を用
いて、せん断速度100sec-1における粘度が200
00cpである水酸化ニッケル粉末を主成分とする水溶
液に水酸化コバルトを添加したペースト2を、厚さ1m
mの金属多孔体99に走行速度1.8m/minで塗着
させ、充填した。(実施例3)と同様に180分連続充
填し、乾燥させた後、30分置きのサンプルを抽出し、
充填量ばらつきを測定した。
【0111】図8は、(実施例3)と(比較例2)の充
填量ばらつき測定結果のグラフである。
【0112】それぞれの方法で充填した長さ60mの極
板の長手方向に5m毎、幅方向に各3箇所ずつ5cm角
のサンプルを切り出し、活物質のみを抽出した後、電子
天秤にて重量を測定した。この重量を充填量とする。
【0113】そして、各幅方向の充填量ばらつきを算出
した数値Rを縦軸に摂り、長手方向の変化を見るために
横軸を充填時間としてグラフ化した。
【0114】図8に示すように、(実施例3)のノズル
を用いた充填方法の方が幅方向の充填量ばらつきの経時
変化が小さい。それは、ロールスムーザー7で掻き落と
したペーストを回収タンク9に回収し、ペースト調整タ
ンク11で含水率を調整できるようにしたためである。
すなわち、本実施の形態2で説明したノズル100を用
いた充填装置を用いることにより、ペースト含水率の変
化を抑制できるので、ペーストの性状が常に安定してい
る状態で充填することが可能になる。
【0115】次に、本実施の形態の第3の特徴について
説明する。
【0116】この第3の特徴は、金属多孔体99とノズ
ル100との間隙をL(以下塗着ギャップと呼ぶ)と
し、金属多孔体99とロールスムーザー7の間隙をK
(以下ロールギャップと呼ぶ)とすると、L−0.05
mm≦K<Lを満たすことである。
【0117】塗着ギャップLは、金属多孔体99の厚み
や空孔率、または、ペーストの吐出量や粘度等の条件で
適時選択するものである。
【0118】ロールスムーザー7は、金属多孔体99の
表面に塗着されたペースト42を内部に均一に擦り込む
だけでなく、金属多孔体99のふらつきを抑制し、塗着
ギャップを常に一定に保つ役目もある。
【0119】ロールギャップが塗着ギャップより大きく
なった場合、金属多孔体99のふらつきによって、左右
いずれかのノズル100先端のスリット出口が金属多孔
体99によって塞がれてしまい、塞がれたノズル100
内部のペーストの液圧が急上昇する恐れがある。
【0120】つまり、液圧が急激に変化すると、スリッ
ト内でのペーストの流速が急上昇するため、ペーストに
高いせん断力が加わり、金属多孔体99の内部での粉末
と溶媒の分離が促進され、局部的に含水率の低いペース
トが充填される。
【0121】すなわち、ロールギャップが塗着ギャップ
より大きくなると、金属多孔体99の走行方向での充填
量ばらつきが増大する。
【0122】逆に、ロールギャップが塗着ギャップに対
して0.05mm未満になると、ロールスムーザー7と
金属多孔体99の間のペーストを圧縮する力が増大し、
ペーストが幅方向に押し拡げられるため、塗着幅が拡が
ってしまい、幅方向の充填量ばらつきも増大する。
【0123】この圧縮力を緩和するために、ロールギャ
ップは、塗着ギャップに対して、0.05mm以上であ
ることが望ましい。
【0124】従って、塗着ギャップLとロールギャップ
Kの関係を、L−0.05mm≦K<Lに保つことが重
要である。
【0125】次に、本実施の形態2で説明したノズル1
00を用いた充填装置を用いて、塗着ギャップを固定
し、ロールギャップを変化させて、ペーストを充填した
場合の充填量ばらつきと塗着幅を測定した結果を、(実
施例4)に示す。
【0126】(実施例4)本実施の形態2で説明したノ
ズル100を用いた充填装置を用いて、せん断速度10
0sec-1における粘度が20000cpである水酸化
ニッケル粉末を主成分とする水溶液に水酸化コバルトを
添加したペースト2を、厚さ1mmの金属多孔体99に
充填した。金属多孔体99の走行速度は1.8m/mi
n、ロールスムーザー7の回転数は4.5rpm、各ノ
ズル100から吐出する実吐出量は単位幅当たり0.1
6(cc/sec)/cm(金属多孔体の空孔を全て満
たす量に相当)とした。
【0127】ノズル100は、ステンレス製で、吐出幅
200mm、スリットギャップ1.5mmとし、ロール
スムーザー7の直径は128mmとした。
【0128】塗着ギャップを1.1mmとし、ロールギ
ャップを1.04mmから1.10mmまで0.02m
mピッチで変化させて、ペーストを充填した場合の充填
量ばらつきと塗着幅を測定した。
【0129】(実施例4)の4種類のロールギャップで
金属多孔体99に充填した時の充填量ばらつきと塗着幅
の変化を測定した結果を(表2)に示す。
【0130】
【表2】 (表2)に示すように、塗着ギャップが1.10mmで
ロールギャップ1.04mmの場合、塗着幅が拡がり、
充填量ばらつきが増大する。また、ロールギャップ1.
10mmの場合も充填量ばらつきが増大する。
【0131】そこで、本実施の形態の範囲内であるロー
ルギャップを1.05mm以上1.10未満にすると、
塗着幅は200mmになり、充填量ばらつきも低下す
る。
【0132】従って、本実施の形態2で説明したよう
に、塗着ギャップLとロールギャップKの関係を、L−
0.05mm≦K<Lに保つことが重要である。
【0133】本実施の形態2の効果を以下にまとめて説
明する。
【0134】第1に、本発明の実施の形態2の充填装置
でペーストを充填すると、充填量ばらつきの経時変化を
少なくすることが可能になるので、極板の歩留まりが向
上する。
【0135】第2に、本発明の実施の形態2の充填装置
でペーストを充填すると、塗着幅の安定した極板を得る
ことが可能になるので、後工程での極板のロスを少なく
することが容易になる。
【0136】第3に、本発明の実施の形態2の充填装置
でペーストを充填することにより、ペーストの再利用が
可能になるので、ペースト自体のロスも少なくなり、材
料コストの低減が容易になる。
【0137】(実施の形態3)次に、図6を参照して、
本発明にかかる実施の形態3について説明する。
【0138】まず、本発明にかかる実施の形態3の装置
の構成をその動作とともに説明する。図6は、本発明に
かかる実施の形態3のノズルを用いた充填方法及び装置
の概略を示すものである。
【0139】図6に示すように、ストックタンク61内
のペースト62は、例えば定量ポンプのように安定した
送液が可能な給液ポンプ63により送り出される。次
に、ペースト62は、気泡除去手段64によりペースト
62の内部の気泡を除去されノズル100に送り込まれ
る。さらに、マニホールド65からスリット66へ押し
出され、スリット66の出口から吐出され、矢印Dの方
向に連続走行する金属多孔体99の片側から内部に充填
される。
【0140】次に、金属多孔体99は含浸槽67に搬送
され、含浸槽67に貯留された補充ペースト68を金属
多孔体99の未充填部69に含浸させる。
【0141】さらに、金属多孔体99に含浸された補充
ペースト68は、含浸槽67の上方に配置され、金属多
孔体99の走行方向に対して逆方向に回転するロールス
ムーザー70によって、金属多孔体99の内部に擦り込
まれると同時に、余剰分の補充ペースト68が掻き落と
される。
【0142】また、本実施の形態にかかるノズル100
の構成については、基本的に実施の形態1と同一であ
る。
【0143】次に、本実施の形態の第1の特徴について
説明する。
【0144】この第1の特徴は、図6に示すように、ノ
ズル100と含浸槽67を併用して金属多孔体99にペ
ーストを充填することである。
【0145】ペーストがノズル100から金属多孔体9
9の内部に充填される時、金属多孔体99自身が細かい
多孔質であるため、増粘剤や結着剤の含有されていない
ペーストだと濾過されて、溶媒と粉体が分離してしま
う。そこで、ペーストが貯留された含浸槽に金属多孔体
99を搬送して、再充填を行い、ペーストを補充するこ
とで、金属多孔体99の内部にペーストを浸透させるこ
とが容易になる。
【0146】また、含浸槽67に投入する前に密閉系の
ノズル100でペーストを充填するので、気泡や異物の
混入を抑制できる。さらに、含浸槽67で補充するペー
ストの量が少量で済むので、ペーストのロスも低減でき
る。
【0147】また、実施の形態1と同様に、ノズル10
0のスリットギャップhを1.5mm以上にすること
で、増粘剤や結着剤の含有されていないペーストでも、
ノズル100から吐出する時に分離しにくくなる。ゆえ
に、ノズル100のスリットギャップは1.5mm以上
が望ましい。
【0148】また、実施の形態1と同様に、ペーストの
固形分濃度が70%未満になると溶媒と粉末の分離が促
進されるので、ペーストの固形分濃度は70%以上が望
ましい。
【0149】次に、本実施の形態の第2の特徴について
説明する。
【0150】この第2の特徴は、図6に示すように、ロ
ールスムーザー70で金属多孔体99に充填されたペー
ストを擦り込むことである。
【0151】実施の形態1と同様に、ロールスムーザー
70を金属多孔体99の走行方向に対して逆方向に回転
させ、ペーストを両面同時に擦り込むことで、気泡の混
入を防止し、表裏の充填量のバランスを均一にすること
ができる。
【0152】次に、本実施の形態の第3の特徴について
説明する。
【0153】この第3の特徴は、ノズル100から吐出
されるペーストの量をQ、金属多孔体99の空孔に残留
する量をPとしたとき、P=Qを実質上満たすことであ
る。
【0154】実施の形態1で説明したように、金属多孔
体99の空孔を全て満たすためにはノズル100から吐
出するペーストの量を空孔を全て満たす量より多くする
必要がある。しかしながら、本実施の形態3では、ノズ
ル100で充填した後、含浸槽67に貯留されたペース
トを補充することができるので、その必要がない。
【0155】また、実施の形態2で説明した余剰分のペ
ーストを掻き落とす必要がないので、装置の構成を簡素
化できる。
【0156】さらに、ノズル100から吐出したペース
トが全て、金属多孔体99の内部に残るので、ペースト
のロスを大幅に低減できる。
【0157】ゆえに、ノズル100から吐出されるペー
ストの量Qと金属多孔体99の内部に残す量Pが実質上
同一であることが重要である。
【0158】本実施の形態3の効果を以下にまとめて説
明する。
【0159】第1に、本発明の実施の形態3の充填方法
を用いることにより、ペーストのロスを大幅に削減でき
る。
【0160】第2に、本発明の実施の形態3の充填方法
を用いることにより、簡易的な装置で生産できるので、
設備コストが削減できる。
【0161】第3に、本発明の実施の形態3の充填方法
を用いることにより、容量が高く、安定した品質の極板
がえられる。
【0162】(実施の形態4)次に、図6を参照して、
本発明にかかる実施の形態4について説明する。
【0163】まず、本発明にかかる実施の形態4の装置
の構成とその動作は、基本的に実施の形態3と同一であ
る。また、本実施の形態にかかるノズル100の構成に
ついては、基本的に実施の形態1と同一である。
【0164】次に、本実施の形態の第1の特徴について
説明する。
【0165】この第1の特徴は、図6に示すように、ノ
ズル100とロールスムーザー70の下方に含浸槽67
を設けたことである。
【0166】ペーストを吐出するノズル100と掻き落
とすロールスムーザー70の下方に、ペーストを貯留す
る含浸槽67を設けることにより、実施の形態2で説明
したペースト回収システムが不要になる。
【0167】つまり、ノズル100からこぼれ落ちるペ
ーストやロールスムーザー70で掻き落とされたペース
トを含浸槽67で受けとめられるので、ペーストを回収
する必要がなくなる。
【0168】また、装置の構成が簡略化できるので、生
産設備への展開が容易になる。
【0169】次に、本実施の形態の第2の特徴について
説明する。
【0170】この第2の特徴は、金属多孔体99の厚み
tとロールスムーザー70の間隔dを実質上同一にした
ことである。
【0171】本実施の形態4では、含浸槽67でペース
トを充填する前にノズル100で充填するため、金属多
孔体99の内部にペーストが浸透した状態になる。ゆえ
に、ロールスムーザー70は、少量のペーストを擦り込
むだけで良いので、掻き落とす工程でのばらつきが低減
され、より均一な充填が可能になる。
【0172】次に、本実施の形態の第3の特徴について
説明する。
【0173】この第3の特徴は、ロールスムーザー70
の高さ方向の位置をZ1、ロールスムーザーの径をD、
含浸槽67に貯留したペーストの液面水位をZ2とする
と、Z2+D+5mm<Z1≦Z2+D+10mmを満
たすことである。
【0174】金属多孔体99が含浸槽67から離脱する
時、大気開放状態になるので、含浸槽67で再充填され
たペーストを金属多孔体99にロールスムーザー70で
擦り込む前に気泡が混入する恐れがある。
【0175】本実施の形態4では、その対策としてロー
ルスムーザー70の高さ方向の位置を含浸槽67に貯留
したペーストの液面水位に接触しない程度に近づけるこ
とで気泡の混入を抑制するようにした。
【0176】ペーストの液面からロールスムーザー70
までの距離を5mm以下にすると液面とロールスムーザ
ー70が接触するため、含浸槽67のペーストを引き上
げてしまう。すると、余分なペーストを擦り込んでしま
うので、充填ばらつきが増大する。
【0177】一方、10mm以上にすると大気に開放さ
れる時間が長くなるため、気泡の混入が激しくなり、ロ
ールスムーザー70で擦り込んだ後に気泡がはじけてし
まい、それが充填ばらつきを悪化させる要因となる。
【0178】ゆえに、含浸槽67のペーストの液面水位
からロールスムーザー70までの距離を5mm以上10
mm以下にすることが望ましい。
【0179】本実施の形態4の効果を以下にまとめて説
明する。
【0180】第1に、本発明の実施の形態4の充填装置
を用いることにより、ペーストを回収するシステムが不
要になるので、装置の簡素化が可能になる。
【0181】第2に、本発明の実施の形態4の充填装置
でペーストを充填することにより、気泡の混入が抑制さ
れ、充填ばらつきの安定した極板を得ることが可能にな
る。
【0182】第3に、本発明の実施の形態4の充填装置
でペーストを充填することにより、ペースト自体のロス
も少なくなり、材料コストの低減が容易になる。
【0183】(実施の形態5)次に、図3および図9を
参照して、本発明にかかる実施の形態5について説明す
る。
【0184】まず、本発明にかかる実施の形態5の装置
の構成をその動作とともに説明する。図3は、本発明に
かかる実施の形態5のノズルを用いた充填方法及び装置
の概略を示す図である。
【0185】本発明にかかる実施の形態5の装置の構成
と方法である動作は、基本的に実施の形態1と同一であ
る。
【0186】また、本実施の形態にかかるノズル100
の構成については、基本的に実施の形態1と同一であ
る。
【0187】但し、図3および図9に示すように、ペー
スト2を金属多孔体99にストライプ状に充填するた
め、金属多孔体99の無充填部34を形成する位置にそ
の無充填幅に相当する幅の複数のストライプ仕切り31
がノズル100のスリット6に設けられている。
【0188】また、金属多孔体99の無充填部34を形
成する位置にその無充填幅に相当する幅の複数のストラ
イプ溝32がロールスムーザー7の円周上に設けられて
いる。
【0189】これにより、供給口24からマニホールド
5に流れ込んだペースト2が、スリット6に設けられた
複数のストライプ仕切31によって分流される。そし
て、金属多孔体99にストライプ状に塗着され、複数の
ストライプ溝32が設けられたロールスムーザー7によ
って擦り込まれることにより、ストライプ充填部33が
形成される。
【0190】次に、本実施の形態の第1の特徴について
説明する。
【0191】この第1の特徴は、図3に示すように、金
属多孔体99の表裏両側から両面同時にノズル100の
複数のスリット出口からペーストを吐出し、塗着させる
ことである。
【0192】実施の形態1と同様に、本発明にかかる実
施の形態5の密閉系のノズル100を用いてペーストを
吐出することで、ペースト中に空気や異物が入りにくく
なるので、気泡の発生を抑制することができる。
【0193】また、金属多孔体99の内部に充填する量
とノズル100から吐出される量がほぼ同等になるため
大量のペーストを必要としなくなり、ペーストのロスを
大幅に低減できる。
【0194】本発明にかかる実施の形態5のノズル10
0を用いて複数のスリット出口からペーストを吐出し、
金属多孔体99にストライプ状に塗着させることで、空
気や異物の混入による気泡の発生を抑制することと、塗
着させるペーストのロスを低減することが容易になる。
【0195】また、実施の形態1と同様に、ノズル10
0のスリットギャップhを1.5mm以上にすること
で、増粘剤や結着剤の含有されていないペーストでも、
ノズル100から吐出する時に分離しにくくなる。ゆえ
に、ノズル100のスリットギャップは1.5mm以上
が望ましい。
【0196】また、実施の形態1と同様に、ペーストの
固形分濃度が70%未満になると溶媒と粉末の分離が促
進されるので、ペーストの固形分濃度は70%以上が望
ましい。
【0197】次に、本実施の形態の第2の特徴について
説明する。
【0198】この第2の特徴は、図3に示すように、ロ
ールスムーザー7にストライプ溝32を設け、ストライ
プ充填部のみペーストを金属多孔体99内部に擦り込む
ことである。
【0199】本発明にかかる実施の形態5のノズル10
0を用いて金属多孔体99にストライプ状に塗着された
ペーストをその部位のみ金属多孔体99の内部に擦り込
む目的で設けている。ストライプ溝の設けられていない
ロールスムーザーでペーストを擦り込むと、金属多孔体
の表面に塗着されたペーストが金属多孔体の無充填部に
まで拡がる恐れがあり、ストライプ塗着部の幅が不安定
になる。
【0200】ゆえに、無充填部の位置に相当するロール
スムーザー7の部位にストライプ溝32を設け、ストラ
イプ充填部のみ擦り込むようにすることで、ペーストが
無充填部まで拡がることを抑制することができる。
【0201】本実施の形態5の効果を以下にまとめて説
明する。
【0202】第1に、本発明の実施の形態5の充填方法
を用い、ストライプ充填することにより、充填部の幅が
均一になり、後工程で無充填部を剥離によって形成する
工程が削減できる。
【0203】第2に、本発明の実施の形態5のノズル1
00を用いた充填方法を用い、ストライプ充填すること
により、剥離によるロスを削減できるので、材料コスト
を低減できる。
【0204】(実施の形態6)次に、図3および図9を
参照して、本発明にかかる実施の形態6について説明す
る。
【0205】図3は、本発明にかかる実施の形態6のノ
ズルを用いた充填装置の概略である。
【0206】まず、本発明にかかる実施の形態6の装置
の構成と方法である動作は、基本的に実施の形態5と同
一である。
【0207】また、本実施の形態にかかるノズル100
の構成については、基本的に実施の形態1と同一であ
る。
【0208】但し、図3および図9に示すように、ペー
スト2を金属多孔体99にストライプ状に充填するた
め、金属多孔体99の無充填部34を形成する位置にそ
の無充填幅に相当する幅の複数のストライプ仕切り31
がノズル100のスリット6に設けられている。
【0209】また、金属多孔体99の無充填部を形成す
る位置にその無充填幅に相当する幅の複数のストライプ
溝32がロールスムーザー7の円周上に設けられてい
る。
【0210】これにより、供給口24からマニホールド
5に流れ込んだペースト2が、スリット6に設けられた
複数のストライプ仕切31によって分流される。そし
て、金属多孔体99にストライプ状に塗着され、複数の
ストライプ溝32が設けられたロールスムーザー7によ
って擦り込まれることにより、ストライプ充填部33が
形成される。
【0211】次に、本実施の形態の第1の特徴について
説明する。
【0212】この第1の特徴は、図3に示すように、ノ
ズル100のスリット6にストライプ仕切り31を設け
たことである。
【0213】ストライプ仕切り31は、ペーストがノズ
ル100のマニホールド5からスリット6に押し出され
る時に分流するように設けている。
【0214】ストライプ仕切り31をマニホールド5す
なわちスリット6入口からスリット6出口まで設けるこ
とで、マニホールド5からスリット6出口までのペース
トの流れをスムーズに分流させることが容易になる。
【0215】また、ストライプ仕切り31の幅は、無充
填部と同一であることが望ましい。
【0216】次に、本実施の形態の第2の特徴について
説明する。
【0217】この第2の特徴は、図3に示すように、ロ
ールスムーザー7にストライプ溝32を設けたことであ
る。
【0218】金属多孔体99にストライプ状に塗着され
たペーストを金属多孔体99の内部にストライプ状に充
填するために、ストライプ充填部のみ擦り込む目的で設
けている。
【0219】つまり、ロールスムーザー7にストライプ
溝32を設けることで、金属多孔体99の内部にペース
トを擦り込む時、ストライプ充填部に塗着された余剰分
のペーストが押し拡げられても、ストライプ溝32に流
れ込むため、無充填部に付着することを防止する効果が
ある。
【0220】なお、本実施の形態6では、3条のストラ
イプ充填の場合について説明しており、図3、図9に示
すように、ノズル100のスリット6にはストライプ仕
切り31が、ロールスムーザー7にはストライプ溝32
が、それぞれ4ヶ所設けられている。但し、ノズル10
0の両端2ヶ所のストライプ仕切り31は、全体の塗装
幅を調整するためのもので、調整する必要が無ければ設
けなくても良い。また、ロールスムーザー7の両端2ヶ
所のストライプ溝32は、両端のストライプ充填部33
から流れ込んだペーストが両端の無充填部34に付着す
ることを防止するためのもので、金属多孔体99に接触
しないように両端の径を細くすれば良いので、必ずしも
溝が必要なわけでわない。
【0221】本発明では、少なくとも2以上のストライ
プを充填する場合について適用されるので、ストライプ
仕切り31とストライプ溝32の数は、基本的に条数−
1である。
【0222】次に、本実施の形態6で説明したノズル1
00を用いた充填装置を用いて、ロールスムーザー7に
ストライプ溝が形成されていない場合と形成されている
場合に、ペースト2を充填した時の無充填部の幅を測定
し、比較した結果を、(実施例5)に示す。
【0223】(実施例5)本実施の形態6で説明したノ
ズル100を用いた充填装置を用いて、せん断速度10
0sec-1における粘度が20000cpである水酸化
ニッケル粉末を主成分とする水溶液に水酸化コバルトを
添加したペースト2を、厚さ1mmの金属多孔体99に
単位幅当たり0.18(cc/sec)/cmの吐出量
で3条のストライプ状に両面同時に塗着させ、金属多孔
体99の走行速度1.8m/min、ロールスムーザー
7の回転数4.5rpmで充填した。
【0224】ノズル100は、ステンレス製で、3ヶ所
のストライプ吐出幅を60mm、2ヶ所のストライプ仕
切り幅を5mm、スリットギャップを1.5mmとし
た。
【0225】ロールスムーザー7は、直径128mmの
ものと、同径で幅5mmのストライプ溝が4ヶ所形成さ
れているものを使用した。
【0226】ロールスムーザー7にストライプ溝32が
形成されていない場合と形成されている場合で、各条の
ストライプ充填部の幅を実体顕微鏡で測定した結果を
(表3)に示す。
【0227】
【表3】 (表3)に示すように、ロールスムーザーにストライプ
溝が無い場合は、ストライプ仕切りの設けられたノズル
を用いて金属多孔体にストライプ条に塗着させても、ロ
ールスムーザーで押し拡げられるために、吐出幅より3
〜4mmほど広くなる。
【0228】しかし、本実施の形態で説明したストライ
プ溝を設けることにより、押し拡げられた余剰分のペー
ストが、ストライプ溝に流れ込むため、吐出幅とほぼ同
一になる。
【0229】次に、本実施の形態の第3の特徴について
説明する。
【0230】この第3の特徴は、ストライプ仕切りの幅
をX、ストライプ溝の幅Yとすると、X−0.3mm<
Y≦Xを満たすことである。
【0231】ロールスムーザーのストライプ溝は、余剰
分のペーストが無充填部に付着することを防止するため
に設けられているが、ストライプ仕切りの幅より大きく
すると、各条の両端が掻き落とせなくなるため、局部的
な掻き残しによる盛り上がり部(以下耳立ちと呼ぶ)が
発生する。
【0232】この耳立ちは、後工程の極板圧延時に厚み
ムラを起こしたり、組立時にセパレータを突き破るリー
ク不良等を引き起こすため、極板だけでなく、電池の品
質にも悪影響を及ぼす。
【0233】また、ストライプ仕切りの幅に対して0.
3mm以下のストライプ溝にすると、ペーストが流れ込
む作用が抑制され、ストライプ溝が無い場合と同様に、
余剰分のペーストを無充填部に擦り込んでしまう。
【0234】従って、ストライプ溝の幅Yをストライプ
仕切りの幅Xに対して、X−0.3mm<Y≦Xの関係
を保つことが重要である。
【0235】次に、本実施の形態6で説明したノズル1
00を用いた充填装置を用い、ロールスムーザーのスト
ライプ溝の幅を変化させて、ペースト2を3条のストラ
イプに充填し、各条のストライプ充填部の幅を測定した
時の結果を、(実施例6)に示す。
【0236】(実施例6)本実施の形態6で説明したノ
ズル100を用いた充填装置を用いて、せん断速度10
0sec-1における粘度が20000cpである水酸化
ニッケル粉末を主成分とする水溶液に水酸化コバルトを
添加したペースト2を、厚さ1mmの金属多孔体99に
単位幅当たり0.18(cc/sec)/cmの吐出量
で3条のストライプ状に両面同時に塗着させ、金属多孔
体99の走行速度1.8m/min、ロールスムーザー
7の回転数4.5rpmで充填した。
【0237】ノズル100は、ステンレス製で、3ヶ所
のストライプ吐出幅を60mm、2ヶ所のストライプ仕
切り幅を5mm、スリットギャップを1.5mmとし
た。
【0238】ロールスムーザー7は、直径128mm
で、ストライプ溝32の幅を4.7〜5.1mmまで
0.1mmピッチの5種類のものを使用した。
【0239】その5種類のロールスムーザーを使用して
充填した後、各条のストライプ充填部の幅を実体顕微鏡
で測定した結果を(表4)に示す。
【0240】
【表4】 (表4)に示すように、ストライプ仕切りの幅より0.
3mm以下である4.7mmのストライプ溝の場合、3
〜5mmほどストライプ充填部の幅が拡がってしまい、
ストライプ溝に流れ込む効果が全く無くなることがわか
る。
【0241】また、ストライプ仕切りの幅以上である
5.1mmのストライプ溝の場合、ストライプ充填部の
幅は、問題無いが、耳立ちが発生する。
【0242】本実施の形態の範囲内であれば、安定した
幅のストライプ充填部が得られる。
【0243】本実施の形態6の効果を以下にまとめて説
明する。
【0244】第1に、本発明の実施の形態6の充填装置
を用い、ストライプ充填することにより、充填部の幅が
均一になり、後工程で無充填部を剥離によって形成する
工程が削減できる。
【0245】第2に、本発明の実施の形態6の充填装置
を用い、ストライプ充填することにより、耳立ちの無い
極板が得られるので、後工程の歩留まりが向上する。
【0246】第3に、本発明の実施の形態6の充填装置
を用い、ストライプ充填することにより、剥離によるロ
スを削減できるので、材料コストを低減できる。
【0247】以上、実施の形態で説明したように、各実
施の形態における充填方法及び装置を用いることによ
り、増粘剤や結着剤の含有されていないペーストでも、
気泡の無い、活物質が均一に充填された正極板が得られ
るので、電池の高容量化が可能になる。
【0248】また、ノズルとロールスムーザーを併用す
ることやペーストを回収し、再利用できるようにしたこ
とで、充填ばらつきが低減されるだけでなく、充填ばら
つきの経時変化も少なくなるので、極板の歩留まりが向
上し、材料コストも削減できる。
【0249】また、ノズルと含浸槽とロールスムーザー
を併用することにより、充填ばらつきが低減されるだけ
でなく、充填装置の簡素化も可能になる。
【0250】さらに、ストライプ仕切りやストライプ溝
を設けることにより、ストライプ充填が可能になるの
で、剥離工程や材料ロスも削減できるだけでなく、後工
程の歩留まりも向上される。
【0251】その結果、アルカリ蓄電池の性能と製品歩
留まりを大幅に向上でき、さらに、製品品質を格段に向
上できる。
【0252】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明は、活物質粉末および溶媒を、金属多孔体内
部に擦り込み充填するペースト充填方法及び装置を提供
することができる。
【0253】また、本発明は、後工程で活物質をストラ
イプ状に剥離しないですむように、活物質を含むペース
トを金属多孔体内部に充填するさいに、そのペーストを
ストライプ状に充填するペースト充填方法及び装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる実施の形態1、2のノズルを用
いた充填方法及び装置の概略図である。
【図2】本発明にかかる実施の形態のノズルの斜視図で
ある。
【図3】本発明にかかる実施の形態5、6のノズルを用
いた充填装置の概略図である。
【図4】従来の充填方法(含浸法)を示す概略図であ
る。
【図5】従来の充填方法(吸引法)を示す概略図であ
る。
【図6】本発明にかかる実施の形態3、4のノズルを用
いた充填装置の概略図である。
【図7】本発明の充填方法(実施例1)及び従来の充填
方法(比較例1)における幅方向の充填量ばらつきの測
定結果を示す図である。
【図8】本発明の充填方法(実施例3)及び従来の充填
方法(比較例2)における幅方向の充填量ばらつきの経
時変化の測定結果を示す図である。
【図9】本発明にかかる実施の形態5、6のノズルの斜
視図である。
【符号の説明】
1 ストックタンク 2 ペースト 3 給液ポンプ 4 気泡除去手段 5 マニホールド 6 スリット 7 ロールスムーザー 8 掻き落とし手段 9 回収タンク 10 吸引ポンプ 11 ペースト調整タンク 12 ガイドロール 21 上ブロック 22 下ブロック 23L、23R サイドブロック 24 供給口 31 ストライプ仕切り 32 ストライプ溝 33 ストライプ充填部 34 無充填部 41 槽 42 ペースト 43 充填ローラー 44 スクレーパー 45 金属多孔体 51 金属多孔体 52 ペースト 53 ノズル 54 ブロワ 55 吸引開口部 56 ドクターナイフ 61 ペースト 62 タンク 63 給液ポンプ 64 気泡除去手段 65 マニホールド 66 スリット 67 含浸槽 68 補充ペースト 69 未充填部 70 ロールスムーザー 99 金属多孔体 100 ノズル

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続走行し、かつ、空孔を有する金属多
    孔体に、活物質粉末を主成分とするペーストを充填する
    方法であって、 前記金属多孔体の表裏面に前記ペーストを付着させ、 そのペーストが表裏面に付着した前記金属多孔体の表裏
    面両側に対向して位置する一対のロールを、前記金属多
    孔体の走行方向に対して逆方向または順方向に回転させ
    ながら、前記一対のロールで前記金属多孔体に付着した
    前記ペーストを、前記金属多孔体内部に、その金属多孔
    体の表裏面から同時に擦り込み充填することを特徴とす
    るペースト充填方法。
  2. 【請求項2】 前記金属多孔体の表裏面への前記ペース
    トの付着を、対向する一対のノズルから前記ペーストを
    前記金属多孔体の表裏面に同時に吐出することによって
    行うことを特徴とする請求項1に記載のペースト充填方
    法。
  3. 【請求項3】 前記金属多孔体の表裏面への前記ペース
    トの付着を、前記金属多孔体の片側に位置するノズルか
    ら前記ペーストを前記金属多孔体の片面に吐出し、その
    後、前記ペーストが片面に付着した前記金属多孔体を前
    記ペーストが貯留された含浸槽内に搬送することによっ
    て行うことを特徴とする請求項1に記載のペースト充填
    方法。
  4. 【請求項4】 前記ペーストの固形分濃度が70%以上
    であることを特徴とする請求項1に記載のペースト充填
    方法。
  5. 【請求項5】 前記ノズルから吐出される前記ペースト
    の量をQ、前記金属多孔体の空孔を全て満たす量に相当
    する前記ペーストの量をPとすると、 P×1.1≦Q≦P×1.5 を満たすことを特徴とする請求項2に記載のペースト充
    填方法。
  6. 【請求項6】 前記ノズルから吐出される前記ペースト
    の量をQ、前記金属多孔体の空孔に残留する量に相当す
    る前記ペーストの量をPとすると、 P=Q を実質上満たすことを特徴とする請求項3に記載のペー
    スト充填方法。
  7. 【請求項7】 前記ノズルが、ストライプ仕切りによっ
    て仕切られている実質上平行な関係にある複数のスリッ
    ト出口を有しており、前記金属多孔体の表裏面に前記ペ
    ーストを少なくとも2条以上のストライプ状にして付着
    させ、 前記ロールで前記金属多孔体に付着した前記ペースト
    を、前記ストライプ状を実質上保持しつつ、前記金属多
    孔体内部に、その金属多孔体の表裏面から同時に擦り込
    み充填することを特徴とする請求項2に記載のペースト
    充填方法。
  8. 【請求項8】 下方から上方へ連続走行し、表裏面に活
    物質粉末を主成分とするペーストが付着している、空孔
    を有する金属多孔体の表裏面両側に対向するように配置
    され、前記金属多孔体の走行方向に対して逆方向または
    順方向に回転し、前記ペーストを前記金属多孔体内部
    に、その金属多孔体の表裏面から同時に擦り込み充填す
    る一対のロールを少なくとも備えたことを特徴とするペ
    ースト充填装置。
  9. 【請求項9】 前記ロールに付着した前記ペーストを前
    記ロールの下端で掻き落とす掻き落とし手段と、 前記掻き落とし手段で掻き落とされた前記ペーストを回
    収する回収タンクと、 前記回収タンクに収容された前記ペーストを再生するペ
    ースト調整手段とを備え、 前記掻き落とし手段で掻き落とされた前記ペーストを再
    利用することを特徴とする請求項8に記載のペースト充
    填装置。
  10. 【請求項10】 前記ロールの下方に、前記下方から上
    方へ連続走行する金属多孔体の表裏面両側に対向するよ
    うに配置され、前記ペーストを前記金属多孔体の表裏面
    に同時に吐出する一対のノズルを備えたことを特徴とす
    る請求項8に記載のペースト充填装置。
  11. 【請求項11】 前記金属多孔体と前記ノズルとの間隙
    をL、前記金属多孔体と前記ロールとの間隙をKとする
    と、 L−0.05mm≦K<L を満たすことを特徴とする請求項10に記載のペースト
    充填装置。
  12. 【請求項12】 前記ペーストを前記金属多孔体の片面
    に吐出するノズルと、 前記ペーストを貯留する含浸槽とを備え、 前記ペーストが、前記ノズルおよび前記含浸槽によっ
    て、前記金属多孔体の表裏面に付着し、 前記ロールが、前記ノズルおよび前記含浸槽によって前
    記金属多孔体の表裏面に付着した前記ペーストを、前記
    金属多孔体の表裏面から内部に同時に擦り込み充填する
    ことを特徴とする請求項8に記載のペースト充填装置。
  13. 【請求項13】 前記ロールの高さ方向の位置をZ1、
    前記ロールの径をD、前記含浸槽に貯留された前記ペー
    ストの液面水位をZ2とすると、 Z2+D+5mm<Z1≦Z2+D+10mm を満たすことを特徴とする請求項12に記載のペースト
    充填装置。
  14. 【請求項14】 前記ノズルが、ストライプ仕切りによ
    って仕切られている実質上平行な関係にある複数のスリ
    ット出口を有しているとともに、 前記ロールが、前記ノズルの前記ストライプ仕切りの位
    置に対応する位置に、円周上に形成された一つまたは複
    数のストライプ溝を有しており、 前記ペーストが、前記ノズルによって前記金属多孔体の
    表裏面にストライプ状に付着し、前記ロールによって前
    記ストライプ状が実質上保持されたまま、前記金属多孔
    体の表裏面から内部に擦り込まれ充填されることを特徴
    とする請求項10に記載のペースト充填装置。
  15. 【請求項15】 前記ストライプ仕切りの幅が前記ペー
    ストの無充填部の幅に相当し、前記ストライプ仕切りの
    長さが前記ノズルのスリットの入口からそのスリットの
    出口までの長さであることを特徴とする請求項14に記
    載のペースト充填装置。
  16. 【請求項16】 前記ノズルの前記ストライプ仕切りの
    幅をX、前記ロールの前記ストライプ溝の幅をYとする
    と、 X−0.3mm<Y≦X を満たすことを特徴とする請求項14に記載のペースト
    充填装置。
  17. 【請求項17】 前記ノズルのスリットギャップが1.
    5mm以上であり、前記ペーストには増粘剤または結着
    剤が含有されていないことを特徴とする請求項10また
    は12に記載のペースト充填装置。
  18. 【請求項18】 前記ロールの間隙dが前記金属多孔体
    の厚さtと実質上等しいことを特徴とする請求項8に記
    載のペースト充填装置。
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