JP2017182693A - 機器の異常診断方法及び機器の異常診断装置 - Google Patents

機器の異常診断方法及び機器の異常診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】全ての状態量について対象機器から収集されたデータを考慮しながら、他の機器の状態変化が対象機器に波及して起きる非定常的な状態変化の影響を受けずに、対象機器に異常が生じる兆候を正しく検知可能な異常診断方法を得る。
【解決手段】対象機器の異常と相関がある前記プラントの複数の状態量の時系列データを取得するステップと、前記複数の状態量のうち少なくとも一つの状態量について、前記プラントを構成する他の機器の状態変化の影響が前記対象機器に及ぶ過渡状態期間の少なくとも一部である除外期間内に取得した前記少なくとも一つの状態量のデータを該状態量についての前記時系列データから除外する前処理を行って、前記複数の状態量について異常診断用データを得るステップと、前記複数の状態量の前記異常診断用データに基づいて、前記対象機器の異常診断を行うステップと、を備える。
【選択図】図3

Description

本開示は、稼働中の機器から収集した情報に基づいて当該機器の異常診断を行うための異常診断方法および異常診断装置と関係する。
プラントを構成する一つ以上の機器が正常に運転されているか否かを監視するため、機器の温度や、圧力といった状態量を機器から取得し、監視することが一般に行われている。具体的な方法としては、まず、機器における監視対象である複数の監視項目の状態量を所定の時間間隔で計測し、複数の監視項目の状態量の間における相関関係に着目してマハラノビス距離を計算している。その上で、該マハラノビス距離の大きさに基づいてプラントに異常の兆候があるか否かを判定している。
マハラノビス距離を用いた異常診断方法では、異常の検出精度を上げる方法として、本質的には異常の診断で不要な状態量や、異常診断の精度向上に寄与しない状態量を除外してマハラノビス距離を算出することが考えられている。特許文献1には、上記の考え方に基づいて算出されたマハラノビス距離を用いた機器の異常診断方法が開示されている。特許文献1記載の異常診断方法では、複数の状態量の各々について機器から時系列的に収集したデータから状態量毎にデータの度数分布を求め、データの度数分布が正規分布に従わない状態量を除外して算出したマハラノビス距離を用いて異常診断を行っている。
特開2013−200245号公報
しかしながら、特許文献1記載のように、除外対象となる一部の状態量について収集された全てのデータを完全に除外してマハラノビス距離の計算を行うと、除外対象とされた状態量が特定の異常の診断に必要である場合に、当該特定の異常を発見することが困難となるという問題がある。
また、別の問題として、プラント内で異常診断対象となる対象機器の前段に接続された他の機器の状態量の急激な変化が対象機器の状態量の非定常的な変化となって波及する場合、以下のような不都合な問題が生じる。すなわち、当該他の機器の状態変化に影響されて起きる対象機器の非定常的な状態変化が、当該対象機器から収集した複数の状態量の変動特性に対して外乱として加わってしまう。その結果、対象機器の状態量の変動特性に対して上記のような外乱が加わることにより、対象機器の状態量の変動特性から機器の異常が生じる兆候を正しく発見することが困難となる可能性がある。
以上の問題点に鑑み、本発明の幾つかの実施形態は、全ての状態量について対象機器から収集されたデータを考慮しながら、他の機器の状態変化が対象機器に波及して起きる非定常的な状態変化の影響を受けずに、対象機器に異常が生じる兆候を正しく検知可能な異常診断方法を得ることを目的とする。
(1)本発明の幾つかの実施形態に従い、プラントを構成する機器のうち対象機器の異常を診断するための異常診断方法は、
前記対象機器の異常と相関がある前記プラントの複数の状態量の時系列データを取得するステップと、
前記複数の状態量のうち少なくとも一つの状態量について、前記プラントを構成する他の機器の状態変化の影響が前記対象機器に及ぶ過渡状態期間の少なくとも一部である除外期間内に取得した前記少なくとも一つの状態量のデータを該状態量についての前記時系列データから除外する前処理を行って、前記複数の状態量について異常診断用データを得るステップと、
前記複数の状態量の前記異常診断用データに基づいて、前記対象機器の異常診断を行うステップと、
を備えることを特徴とする。
上記(1)の方法において、上述した除外期間を設け、対象機器の一部の状態量に関して除外期間内に取得したデータを異常診断から除外する目的は以下のとおりである。他の機器の状態変化の影響が対象機器に波及する過渡状態期間の少なくとも一部である除外期間内においては、他の機器の状態変化が波及して起きる対象機器の非定常的な状態変化が対象機器から収集した複数の状態量の変動特性に対して外乱として加わる。そこで、上記(1)の方法では、他の機器の状態変化により影響を受ける一部の状態量について当該影響が及ぶ時間帯に取得されたデータを異常診断に用いる異常診断用データから除外するようにしている。
これにより、上記(1)の方法によれば、一部の状態量について対象機器から時系列的に収集された全てのデータを完全に除外することなく、また、他の機器の状態変化が波及することによる影響を受けずに、対象機器に異常が生じる兆候を正しく検知することができる。
(2)例示的な一実施形態に従うならば、上記(1)の方法において、前記他の機器は、前記対象機器又は該対象機器の前段に位置する前段機器に設けられた異常防止装置であり、
前記過渡状態期間は、前記異常防止装置の作動の影響が前記対象機器に及ぶ期間である
ことを特徴とする。
一例においては、対象機器の非定常的な状態変化を引き起こす影響を対象機器に対して及ぼす他の機器は、対象機器の異常を防止するために対象機器に設けられた異常防止装置であってもよい。また、対象機器の前段(上流側)に設けられた前段機器にも異常防止装置が設けられているならば、当該異常防止装置の作動により前段機器に生じる状態変化の影響が下流側の対象機器にさらに波及し、対象機器の状態変化を引き起こす場合もある。
そこで、上記(2)の方法では、前段機器および/または対象機器に設けられた異常防止装置の作動の影響が対象機器に及ぶ期間に取得されたデータを異常診断に用いる異常診断用データから除外している。このようにすることで、上記(2)の方法によれば、他の機器の状態変化が波及することによる影響を受けずに、対象機器に異常が生じる兆候を正しく検知することができる。
(3)例示的な一実施形態に従うならば、上記(1)または(2)の方法において、前記異常診断用データを得るステップでは、
前記他の機器の状態変化の開始後における前記少なくとも一つの状態量の応答特性に基づいて前記除外期間を設定し、
前記応答特性に基づいて設定した前記除外期間内に取得した前記少なくとも一つの状態量のデータを前記時系列データから除外する
ことを特徴とする。
上記(3)の方法では、他の機器の状態変化の開始後における少なくとも一つの状態量の経時変化が示す応答特性に基づいて除外期間が設定される。従って、上記(3)の方法によれば、上記応答特性が素早い応答を示す場合には、それに合わせて除外期間を短く設定することができ、逆に、上記応答特性が緩慢な応答を示す場合には、それに合わせて除外期間を長く設定することができる。
(4)例示的な一実施形態では、上記(3)の方法において、前記応答特性に基づいて前記除外期間を設定する際に、
前記他の機器の状態変化の開始後における前記少なくとも一つの状態量の応答特性を示す時定数と前記除外期間の長さとの予め設定された相関に、前記状態変化の開始後に取得した前記少なくとも一つの状態量の経時変化から求めた前記時定数を当てはめて、前記除外期間の長さを決定する
ことを特徴とする。
上記(4)の方法では、他の機器の状態変化の開始後における少なくとも一つの状態量が示す応答特性が素早い応答を示す場合には、当該応答特性を示す時定数も小さくなり、逆に、当該応答特性が緩慢な応答を示す場合には、当該応答特性を示す時定数も大きくなるはずである。そこで、上記(4)の方法では、当該応答特性を示す時定数と除外期間の長さとの間の相関を予め設定し、当該相関に基づいて時定数の大きさに応じた除外期間を設定するようにした。それにより、上記(4)の方法によれば、当該時定数の大きさに合わせて除外期間の長さを適切に設定することが可能となる。
(5)例示的な一実施形態に従うならば、上記(1)または(2)の方法において、前記異常診断用データを得るステップでは、
前記少なくとも一つの状態量の前記時系列データに関する度数分布と正規分布とのずれが小さくなるように前記除外期間の長さを決定する
ことを特徴とする。
上記(1)または(2)の方法において、異常診断から除外される除外期間内のデータは、他の機器の状態変化により影響を受ける一部の状態量について当該影響が及ぶ過渡的な時間帯に取得されたデータである。従って、複数の状態量について機器から除外期間以外の期間に収集されたデータは正規分布に従って分布する場合であっても、除外期間内に収集された状態量のデータは正規分布に従って分布しない可能性がある。
そこで、上記(5)の方法では、少なくとも一つの状態量について取得されたデータに関する度数分布と正規分布との間のずれが小さくなるように前記除外期間の長さを決定するようにした。それにより、上記(5)の方法によれば、他の機器の状態変化の影響が前記状態量に及ぶ過渡的な時間帯(前記度数分布が正規分布からずれる期間)を除外期間として適切に設定することができ、この期間に取得したデータを異常診断に用いることがないので、異常診断を高精度に行うことができる。
(6)例示的な一実施形態に従うならば、上記(5)の方法において、前記異常診断用データを得るステップでは、
前記度数分布と前記正規分布との一致性を示す指標に基づいて、前記除外期間の長さを決定する
ことを特徴とする。
上記(6)の方法によれば、除外期間の長さを設定するに際して、前記度数分布と前記正規分布との一致性を示す指標を考慮するようにしたので、該指標により、他の機器の状態変化の影響が前記状態量に及ぶ過渡的な時間帯をより正確に特定することができる。よって、除外期間をより適切に設定し、異常診断の精度を向上させることができる。
(7)例示的な一実施形態に従うならば、上記(1)〜(6)の方法において、前記機器の異常診断を行うステップでは、
前記異常診断用データのマハラノビス距離を、前記機器の正常時における前記複数の状態量により構成される単位空間を基準として演算し、
前記マハラノビス距離が前記閾値よりも大きい場合に、前記機器の異常が発生したと判断する
ことを特徴とする。
上記(7)の方法では、異常診断用データのマハラノビス距離を、対象機器の正常時における複数の状態量により構成される単位空間を基準として求めている。従って、上記(7)の方法によれば、異常防止装置の作動による影響を受けていない異常診断用データが対象機器の正常時における状態群を表す単位空間からどの程度逸脱しているかを定量的に評価することができる。その結果、上記(7)の方法によれば、他の機器の状態変化による影響を受けていない異常診断用データに基づいて機器の異常を高精度に診断することができる。
(8)本発明の幾つかの実施形態に従い、プラントを構成する機器のうち対象機器の異常を診断するための異常診断装置は、
前記異常と相関がある前記プラントの複数の状態量の時系列データを前記対象機器のセンサから取得し、前記時系列データに基づいて前記対象機器の異常診断を行った結果を出力するする入出力部と、
前記複数の状態量のうち少なくとも一つの状態量について、前記プラント内で作動する他の機器からの影響により前記対象機器において状態変化が生じる過渡状態期間の少なくとも一部である除外期間内に取得した前記少なくとも一つの状態量のデータを該状態量についての前記時系列データから除外する前処理を行って、前記複数の状態量について異常診断用データを得る診断用データ取得部と、
前記複数の状態量の前記異常診断用データに基づいて、前記対象機器の異常診断を行う異常診断部と、
を備えることを特徴とする。
上記(8)の構成において、上述した除外期間を設け、対象機器の一部の状態量に関して除外期間内に取得したデータを異常診断から除外する目的は以下のとおりである。他の機器の状態変化の影響が対象機器に及ぶ過渡状態期間の少なくとも一部である除外期間内においては、他の機器の状態変化が波及して起きる対象機器の非定常的な状態変化が対象機器から収集した複数の状態量の変動特性に対して外乱として加わる。そこで、上記(8)の構成では、他の機器の状態変化により影響を受ける一部の状態量について当該影響が及ぶ時間帯に取得されたデータを異常診断に用いる異常診断用データから除外するようにしている。
これにより、上記(8)の構成によれば、一部の状態量について対象機器から時系列的に収集された全てのデータを完全に除外することなく、また、他の機器の状態変化が波及することによる影響を受けずに、対象機器に異常が生じる兆候を正しく検知することができる。
以上より、本発明の幾つかの実施形態によれば、全ての状態量について対象機器から収集されたデータを考慮しながら、他の機器の状態変化が対象機器に波及して起きる非定常的な状態変化の影響を受けずに、対象機器に異常が生じる兆候を正しく検知することが可能となる。
本発明の幾つかの実施形態に係る異常診断方法の実施対象であるプラントの一部を示す図である。 本発明の幾つかの実施形態に従い、異常診断の対象となる機器と当該機器の異常診断装置を示す図である。 本発明の幾つかの実施形態に係る異常診断装置における処理部の内部構成を示す図である。 時間の経過に伴ってマハラノビス距離が変化する様子を示す図である。 機器状態の経時変化に対する異常防止装置の作動の影響に基づいて除外期間を設定する第1の例を示す図である。 異常防止装置の作動に対する機器状態の応答特性に応じて適切な除外期間が決定される例を示す図である。 異常防止装置の作動に対する機器状態の応答特性に応じて適切な除外期間が決定される例を示す図である。 機器状態の度数分布と正規分布との一致度について説明するための図である。 機器状態の経時変化に対する異常防止装置の作動の影響に基づいて除外期間を設定する第2の例を示す図である。 単位空間を基準として機器状態から算出されるマハラノビス距離の概念を説明するための図である。 本発明の幾つかの実施形態に従い、異常診断装置による機器の異常診断が実施されるIGCCプラントを示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
以下、最初に、本発明の幾つかの実施形態に従い、プラントを構成する複数の機器のうち、異常診断の対象となる対象機器と当該対象機器の異常診断を行う異常診断装置について図1乃至図3を参照して説明する。続いて、プラント内において当該異常診断装置が対象機器の異常診断のために実行する処理手順について図3乃至図9を参照して説明する。最後に、本発明の幾つかの実施形態に従い、当該異常診断装置による機器の異常診断が実施されるIGCCプラントについて図10を用いて説明する。
まず、異常診断の対象となる少なくとも1台の対象機器1が設置されるプラントの一部である連接機器群32bについて図1を参照しながら説明する。図1に示すように、連接機器群32bは、複数の機器1C〜1Xおよび複数の機器5C〜5Xを連接することにより構成される。図1に示す連接機器群32bにおいて、異常診断の対象となり得る対象機器1は、複数の機器1C〜1Xであり、複数の機器5C〜5Xは、機器1C〜1Xの各々の異常を防止するための異常防止装置である。
例えば、図1に示す例において、機器1C、機器1D、機器1E、…の各々の直上には、機器5C、機器5D、機器5E、…がそれぞれ設けられている。そして、機器5C、機器5D、機器5E、…は、機器1C、機器1D、機器1E、…の異常を防止するために設けられる異常防止装置である。
図1に示す複数の機器1C〜1Xのうち、上流側に位置する前段機器1’の出力が下流側に位置する後段機器1”に伝達される。例えば、上流側に位置する前段機器1’を機器1Cとし、下流側に位置する後段機器1”を機器1Dとすると、機器1Cの出力は機器1Dに伝達される。なお、前段機器1’から出力される出力の具体例としては、例えば、前段機器1’により生成される流体や前段機器1’により出力される物理量(液圧、ガス圧、温度、電圧、力学的作用)の変位等であってもよい。また、前段機器1’から出力される出力は、前段機器1’で生じた何らかの状態変化が出力側へと応答遅延を伴って伝搬するもの(例えば、波動伝搬やエネルギー拡散など)であってもよい。以下、図1の連接機器群32bを構成する複数の機器1C〜1Xの中のいずれか一つを異常診断の対象となる対象機器1であるとして説明する。
異常診断の対象となる対象機器1と対象機器1の異常を診断するための異常診断装置10の構成を図2に示す。一例においては、図2に示す対象機器1は、図1の連接機器群32bを構成する複数の機器1C〜1Xの中のいずれか一つであってもよい。その場合、図2に示す異常防止装置5は、図1の連接機器群32bにおいて、対象機器1の直上に設けられた異常防止装置5であってもよい。例えば、図1の連接機器群32bにおいて、機器1Eを異常診断の対象となる対象機器1と仮定するならば、対象機器1の異常を防止するための異常防止装置5は、機器1Eの直上に設けられた異常防止装置5Eであってもよい。ところで、以下において図2〜図8を使用して後述する実施形態は、対象機器1の異常防止のために異常防止装置5が設けられていることに起因する課題を解決するものである。
また、図2に示す実施形態において、異常診断装置10は、プラントを構成する1台以上の対象機器1の運転状態を監視しながら、1台以上の対象機器1それぞれの異常の有無を診断する。異常診断装置10は、例えば、コンピュータであり、入出力部(I/O)11と、処理部12と、記憶部13とを含んで構成される。例示的な一実施形態では、異常診断装置10は、いわゆるコンピュータを利用して構成してもよいし、CPU(Central Processing Unit)とメモリとを組み合わせて構成してもよい。
処理部12は、入出力部11を介してプラントを構成する1台以上の機器に取り付けられる各種の状態量検出手段である複数のセンサから、対象機器1の状態量を含む複数の状態量sv(k)(1≦k≦K)のデータを受け取る。各種の状態量検出手段は、起動開始から所定の時間間隔で定期的に対応する状態量sv(k)(1≦k≦K)のデータを取得し、入出力部11を介して処理部12に入力している。上記複数の状態量sv(k)(1≦k≦K)を示すデータ群は、電気信号の形で異常診断装置10の処理部12へ送られる。処理部12は、例えば、CPUで構成されており、記憶部13上に存在するプログラム(コンピュータプログラム)と呼ぶ命令列を順に読み込み、解釈し、その結果に従ってデータを移動したり加工したりする。
異常診断装置10の入出力部11には、端末装置14が接続される。端末装置14は、表示手段であるディスプレイ14D及び異常診断装置10に対する指令を入力する入力手段14Cが設けられる。異常診断装置10の記憶部13には、図2に示す対象機器1の監視・運転方法を実現するためのコンピュータプログラムや、データ等が格納されている。処理部12は、これらのコンピュータプログラムや、データを用いて、図2に示す対象機器1の監視・運転方法を実現したり、対象機器1の動作を制御したりする。
図3は、図2に示す異常診断装置10が備える処理部12の詳しい内部構成を示す。図3を参照すると、処理部12は、過渡状態検出部120と、診断用データ取得部121と異常診断部122を含んで構成される。また、診断用データ取得部121は、除外期間設定部121aと診断用データ生成部121bを含んで構成される。異常診断装置10が備える入出力部11は、対象機器1の異常と相関がある複数の状態量sv(k)(1≦k≦K)の時系列データをプラント内の複数の機器上に設けられたセンサから取得する。入出力部11が複数の状態量sv(k)(1≦k≦K)の時系列データを取得すると、過渡状態検出部120、診断用データ取得部121および異常診断部122は、以下の動作を行う。
まず、過渡状態検出部120は、複数の状態量sv(k)(1≦k≦K)のうち少なくとも一つの状態量sv(ka)(ka=k1,k2,…)について以下のような処理を行う。すなわち、過渡状態検出部120は、プラント内で作動する他の機器からの影響により対象機器1において状態量sv(ka)についての状態変化が生じる過渡状態期間τtの開始を検出する。なお、プラント内において対象機器1に影響を及ぼすことにより対象機器1の状態変化を起こさせる他の機器は、対象機器1の異常防止のために設けられた異常防止装置5であってもよい。また、他の機器は、対象機器1の前段(上流側)に位置する前段機器1’の異常防止のために設けられた異常防止装置5’であってもよい。その場合、過渡状態検出部120によって検出される過渡状態期間τtは、異常防止装置5または異常防止装置5’の作動の影響が対象機器1に及ぶ期間である。
例えば、図1に示す連接機器群32bにおいて、対象機器1が機器1Eであるとするならば、対象機器1のために設けられた異常防止装置5は、機器1Eの直上に設けられた異常防止装置5Eである。また、図1に示す連接機器群32bにおいて、対象機器1が機器1Eであるとするならば、対象機器1の前段(上流側)に位置する前段機器1’は、機器1Dや機器1Cである。その場合、前段機器1Dや前段機器1Cの異常防止のために設けられた異常防止装置5’は、機器1Dや機器1Cの直上に設けられた異常防止装置5Dや異常防止装置5Cである。従って、図1に示す連接機器群32bにおいて、過渡状態検出部120によって検出される過渡状態期間τtは、異常防止装置5E、5Dまたは5Cの作動の影響が対象機器1Eに及ぶ期間である。なお、過渡状態検出部120が過渡状態期間τtの開始を検出する際の方法の具体例については後述する。
続いて、診断用データ取得部121は、状態量sv(ka)(ka=k1,k2,…)について以下のような前処理を行う。この前処理は、過渡状態検出部120により検出された過渡状態期間τtの少なくとも一部である除外期間τe内に取得した少なくとも一つの状態量sv(ka)のデータde(ka)を状態量sv(ka)についての時系列データds(ka)から除外する処理である。そして、診断用データ取得部121は、除外期間τe内に取得したデータde(ka)を状態量sv(ka)についての時系列データds(ka)から除外して得られた時系列データを、複数の状態量sv(k)(1≦k≦K)についての異常診断用データdd(k)として生成する。
その際、診断用データ取得部121が備える除外期間設定部121aは、図5〜図8を参照しながら後述する方法により除外期間τeを適切に設定する処理を行う。また、診断用データ取得部121が備える診断用データ生成部121bは、除外期間設定部121aにより設定された除外期間τe内に取得したデータde(ka)を状態量sv(ka)についての時系列データds(ka)から除外して異常診断用データdd(k)を生成する処理を行う。
また、異常診断部122は、診断用データ取得部121から複数の状態量sv(k)(1≦k≦K)の異常診断用データdd(k)を受け取ると、複数の状態量sv(k)(1≦k≦K)の異常診断用データdd(k)に基づいて、対象機器1の異常診断を行うように構成されている。異常診断部122によって対象機器1の異常診断を行った結果は、入出力部11を介して端末装置14へと出力される。
以下、図2および図3に示す異常診断装置10の上記構成において、除外期間τeを設け、一部の状態量sv(ka)に関して除外期間τe内に取得したデータde(ka)を異常診断から除外する目的を説明する。まず、除外期間τe内に取得したデータde(ka)を異常診断から除外しなかった場合の問題点について明らかにするために、図2および図3に示す実施形態と対比すべき比較例について図4を用いて以下のとおりに説明する。なお、以下の説明においては、対象機器1の上流側に位置する前段機器1’の異常防止のために設けられた異常防止装置を異常防止装置5’と表記する。図4は、異常診断方法としてマハラノビス距離に基づくMT法を使用した場合におけるマハラノビス距離の経時変化を示す。図4に示す例においては、除外期間設定部121aにより設定された除外期間τe内に取得したデータde(ka)を対象機器1の状態量sv(k)(1≦k≦K)のデータds(k)から除外せずにマハラノビス距離を算出している。
図4を参照すると、時間t1においては、対象機器1の運転状態が異常であるために、対象機器1の状態量sv(k)(1≦k≦K)の実測データから求めたマハラノビス距離が非常に大きくなり、対象機器1の状態量sv(k)が単位空間から大きく逸脱している様子が示されている。一方、期間t2においては、対象機器1の運転状態が正常であるにもかかわらず、対象機器1の状態量sv(k)に対して外乱として加わる非定常的な状態変化によりマハラノビス距離が非常に大きくなり、対象機器1の状態量sv(k)が単位空間から大きく逸脱している様子が示されている。従って、対象機器1の状態量sv(k)に対して外乱として加わる非定常的な状態変化の影響を取り除かないと、対象機器1の異常診断において、以上の誤検出をしてしまう可能性がある。図4に示す期間t2において対象機器1の運転状態が正常であるにもかかわらず、マハラノビス距離が非常に大きくなってしまう理由は以下のように説明することが可能である。
MT法では、異常診断対象となる対象機器1の状態量sv(k)(1≦k≦K)の実測データは、正規分布に従って分布するとの前提が成り立つ場合に、マハラノビス距離の大きさに基づいて正しい異常診断が行えるようになっている。すなわち、MT法では、対象機器1の状態量sv(k)(1≦k≦K)を、定常的な確率分布に従ってランダムに変化する確率変数によって良好に近似することができるとの前提が成り立つ場合に、正しい異常診断が行えるようになっている。
しかし、対象機器1が備える異常防止装置5または5’の作動によって生じる影響が対象機器1の一部の状態量sv(ka)に対して外乱として加わると、一部の状態量sv(ka)に対して非定常的な状態変化が加えられることとなる。その結果、異常防止装置5または5’の作動によって状態量sv(ka)に加わる外乱が収束するまでの過渡状態期間τt中においては、上記のような非定常的な状態変化により、以下の不都合が生じる。すなわち、対象機器1の状態量sv(k)(1≦k≦K)が非正規分布に従って分布することで、定常的な確率分布に従ってランダムに変化する確率変数によって近似できなくなる。それにより、対象機器1の運転状態が異常でなくとも、過渡状態期間τt中に観測される対象機器1の状態量sv(k)が単位空間から大きく逸脱してしまう場合が生じ得る。
図2に示す対象機器1においても、異常防止装置5または5’の作動直後を含む除外期間τe内においては、異常防止装置5または5’の作動による非定常的な状態変化が対象機器1から収集した複数の状態量sv(k)(1≦k≦K)の変動特性に対して外乱として加わる。そこで、上記構成では、異常防止装置5または5’の作動による外乱の影響を受ける一部の状態量sv(ka)について当該影響が及ぶ時間帯τeに取得されたデータを異常診断に用いる異常診断用データdd(k)(1≦k≦K)から除外するようにしている。
これにより、上記構成によれば、一部の状態量sv(ka)について機器から時系列的に収集された全てのデータを完全に除外することなく、また、異常防止装置5または5’の作動による外乱の影響を受けずに、対象機器1の異常が生じる兆候を正しく検知することができる。
例示的な一実施形態では、対象機器1が設けられる連接機器群32bは、図1に示すガス冷却器であってもよい。図1に示す例においては、ガス冷却器32bは、石炭化部32aと共にIGCCプラントの石炭ガス化炉32を形成している。石炭化部32aは、微粉炭供給設備から供給された微粉炭を含む炭素含有燃料をバーナーで燃焼させて燃料ガスを発生させガス冷却器32bの上部に供給する。石炭化部32aから供給された燃料ガスは、ガス冷却器32b内の最上部から最下部へと流れ、ガス冷却器32bは、内部を流れる燃料ガス(炭素含有燃料ガス)と水との間の熱交換により蒸気を発生させる。それにより、ガス冷却器32bは、ガス化炉32内で発生した燃料ガスを冷却すると共に、蒸気タービンを駆動するために当該発生した蒸気を蒸気タービンに供給する。
また、図1に示すガス冷却器32bが備える機器1C〜1Xの各々は、図2に示す炭素含有燃料熱交換器1であってもよい。炭素含有燃料熱交換器1は、炭素含有燃料(例えば、炭素含有燃料から石炭ガス化炉32によって生成される炭素含有燃料ガスなど)を1次側に供給されると、当該1次側の燃料と2次側の熱交換媒体(例えば、水)との間で熱交換を行う熱交換器である。つまり、図1に示すガス冷却器32bは、内部に複数設けられた炭素含有燃料熱交換器1C〜1Xによって石炭化部32aからの燃料ガスと熱交換媒体である水との間で熱交換を行い、その結果発生した水蒸気を蒸気タービンに供給する。また、図1に示すガス冷却器32b内に設けられた炭素含有燃料熱交換器1C〜1Xの各々の直上には除煤装置5C〜5Xが設けられている。除煤装置5C〜5Xの各々は、炭素含有燃料熱交換器1C〜1Xの各々における異常を防止するための異常防止装置5である。以下において詳しく後述するように、除煤装置5C〜5Xの各々は、自身の直下にそれぞれ設けられた炭素含有燃料熱交換器1C〜1Xの熱交換効率が時間の経過に伴って低下するのを防止するための動作を間欠的に実行する。また、図2に示すように、異常診断対象である炭素含有燃料熱交換器1は、異常防止装置5として除煤装置5を備えると共に、熱交換器2、燃料流路3、伝熱管4をさらに備える。以下、図2を参照しながら、個々の炭素含有燃料熱交換器1の内部構成について説明する。
図2に示す炭素含有燃料熱交換器1において、炭素含有燃料は、燃料流路3を介して熱交換器2の内部へ供給される。炭素含有燃料の例としては、例えば炭素含有燃料ガスや、紛体燃料が挙げられる。熱交換器2の内部には、伝熱管4が通っており、これにより伝熱面6が構成される。伝熱面6において燃料流路3から熱交換器2に流れる燃料と、伝熱管4を流れる熱交換媒体との間で熱交換がなされる。熱交換媒体の例としては、例えば水などが挙げられる。また、除煤装置5は、伝熱管4で構成される伝熱面6に付着した燃料に含まれる炭素による煤を除去する。除煤装置5としては、伝熱面6に振動を与える振動式除煤装置、伝熱面6に硬球を落下させる硬球落下式除煤装置、伝熱面6に圧縮ガス(窒素、蒸気など)を噴射する噴射式除煤装置(例えば、スーツブロワ)などを用いることができる。
なお、以下の幾つかの実施形態では、説明を簡単にするために、以下の仮定を置く。まず、異常診断の対象である対象機器1は、図2に示す炭素含有燃料熱交換器1であり、炭素含有燃料熱交換器1の異常を防止するための異常防止装置5として除煤装置5を備えるものと仮定する。また、以下の幾つかの実施形態では、例えば、図1に示す炭素含有燃料熱交換器1Eを対象機器1とするならば、炭素含有燃料熱交換器1Eの直上に設けられた除煤装置5Eの作動が炭素含有燃料熱交換器1の状態量に及ぼす影響のみを考慮する。つまり、炭素含有燃料熱交換器1の状態変化を引き起こす他の機器からの影響として、炭素含有燃料熱交換器1を直接除煤する除煤装置5の作動が炭素含有燃料熱交換器1の状態量に及ぼす影響のみを考慮する。
炭素含有燃料熱交換器1を監視するための状態量sv(k)(1≦k≦K)としては、例えば、熱交換器2の1次側の流れ方向Gにおける複数の位置の温度(熱交換器2の入口温度と出口温度など)、1次側の流れ方向Gにおける入出口の差圧、1次側の流量、2次側の流れ方向Wの複数の温度、伝熱管4内の熱交換媒体の流量、などがある。なお、熱交換器2の1次側とは、高温側のことを示す。すなわち、図1に示す実施形態において熱交換器2の1次側とは燃料が流れる側のことを示す。他方、熱交換器2の2次側とは、低温側のことを示す。すなわち、この実施形態において熱交換器2の2次側とは熱交換媒体が流れる側のことを示す。そして、これら状態量sv(k)(1≦k≦K)は監視対象データとして示される。
以上より、この実施形態では、除煤装置5の作動による影響を受けて状態変化を生じる状態量として、熱交換器2の1次側の流れ方向Gに沿って並んだ複数個所の温度svt(k)(kt=kt1,kt2,kt3,…)を使用してもよい。その理由は以下のとおりである。図1に示す炭素含有燃料熱交換器1において、熱交換器2の伝熱面6に煤が蓄積されると、伝熱面6における熱交換の効率が低下する。そのため、熱交換器2の1次側において燃料の温度が低下しにくくなる。このとき、熱交換器2の1次側の流れ方向Gに沿って並んだ複数個所の温度svt(k)(kt=kt1,kt2,kt3,…)の値は、熱交換器2の正常運転時に計測される値とは異なったものとなる。他方、除煤装置5の作動により、伝熱面6に蓄積された煤が除去されると、伝熱面6における熱交換の効率が一気に向上するので、熱交換器2の1次側において燃料の温度の低下が大きくなる。従って、除煤装置5の作動後に、熱交換器2の1次側の流れ方向Gに沿って並んだ複数個所の温度svt(k)(kt=kt1,kt2,kt3,…)の値は、熱交換効率の改善の影響を受けて変化する。
また、除煤装置5の作動による影響を受けて状態変化を生じる状態量として、熱交換器2の1次側の流れ方向Gにおける複数の位置の温度svt(kt)に加え、熱交換器2の2次側の流れ方向Wにおける一つ以上の点の温度svu(ku)(ku=ku1,ku2,ku3,…)をさらに使用してもよい。その理由は以下のとおりである。伝熱面6に煤が蓄積すると、燃料と熱交換媒体との熱交換の効率が低下するため、熱交換器2の2次側のある点の温度が下がる。しかし、除煤装置5の作動後に、伝熱面6上の煤が除去され、燃料と熱交換媒体との熱交換の効率が向上すると、熱交換器2の2次側の流れ方向Wにおける一つ以上の個所の温度svu(ku)が急に上昇する。
以上より、除煤装置5の作動直後の過渡状態期間τtの少なくとも一部である除外期間τe内においては、除煤装置5の作動による状態変化が熱交換器2の1次側の流れ方向Gにおける複数の位置の温度svt(kt)の変動特性に対して外乱として加わる。また、除煤装置5の作動直後の過渡状態期間τtの少なくとも一部である除外期間τe内においては、除煤装置5の作動による状態変化が熱交換器2の2次側の流れ方向Wにおける一つ以上の点の温度svu(ku)の変動特性に対して外乱として加わる。そこで、上記構成では、除煤装置5の作動により影響を受ける一部の状態量svt(kt)および/またはsvu(ku)について当該影響が及ぶ時間帯に取得されたデータde(kt)および/またはde(ku)を異常診断に用いる異常診断用データdd(k)(1≦k≦K)から除外するようにしている。
すなわち、異常診断装置10は、まず最初に、複数の状態量sv(k)(1≦k≦K)のうち少なくとも一つの状態量svt(kt)および/またはsvu(ku)について、除煤装置5の作動直後の過渡状態期間τtの少なくとも一部である除外期間τeを設定する。続いて、異常診断装置10は、除外期間τe内に取得した状態量svt(kt)および/またはsvu(ku)のデータde(kt)および/またはde(ku)を状態量sv(k)についての時系列データds(k)から除外する前処理を行う。このような前処理を行うことにより、異常診断装置10は、複数の状態量sv(k)についての時系列データds(k)から異常診断用データdd(k)を得るように構成されている。なお、過渡状態期間τtは除煤装置5の作動直後に開始することから、過渡状態検出部120は、除煤装置5の状態を停止状態から作動状態へと切り替える制御信号を検出することにより、過渡状態期間τtの開始を検出するようにしてもよい。
これにより、この実施形態によれば、一部の状態量svt(kt)および/またはsvu(ku)について炭素含有燃料熱交換器1から時系列的に収集された全てのデータを完全に除外することなく、また、除煤装置5の作動による外乱の影響を受けずに、炭素含有燃料熱交換器1の異常が生じる兆候を正しく検知することができる。
例示的な一実施形態に従うならば、図2及び図3に示す異常診断装置10により異常診断用データdd(k)を得る処理では、除外期間設定部121aは、除煤装置5の作動後における少なくとも一つの状態量svt(kt)の応答特性に基づいて除外期間τeを設定する。続いて、診断用データ生成部121bは、当該応答特性に基づいて設定した除外期間τe内に取得した少なくとも一つの状態量svt(kt)のデータを複数の状態量sv(k)(1≦k≦K)について取得した時系列データds(kt)から除外する。ここで、除外期間設定部121aにより、除煤装置5の作動後における状態量svt(kt)の応答特性に基づいて除外期間τeを設定するには、以下のようにすればよい。すなわち、除外期間設定部121aが、除煤装置5の作動時点から除煤装置5の作動により炭素含有燃料熱交換器1の状態量svt(kt)に加わる外乱が所定範囲へと収束するまでの過渡状態期間τtの中から除外期間τeを選択すればよい。
以下、除煤装置5の作動に応じて状態量svt(kt)および/またはsvu(ku)の変化が示す応答特性に基づいて、除外期間設定部121aが除外期間τeを設定する際の具体的な設定方法について図5および図6を参照しながら説明する。除外期間設定部121aは、以下のようにして選択された除外期間τeを設定する。すなわち、除外期間設定部121aは、除煤装置5の作動時点から除煤装置5の作動により炭素含有燃料熱交換器1の状態量svt(kt)および/またはsvu(ku)に加わる外乱が所定範囲へと収束するまでの過渡状態期間τtの中から除外期間τeを選択する。なお、上記のとおり、状態量svt(kt)および/またはsvu(ku)は、熱交換器2の1次側の流れ方向Gおよび2次側の流れ方向Wにおける一つ以上の個所で測定された温度に対応し、除煤装置5の作動により加わる外乱の影響を受ける状態量である。
例えば、異常診断装置10内の除外期間設定部121aが適切な除外期間τeを決定する手法を図5に基づいて説明すると以下のとおりである。図5に示す曲線グラフは、第1区間81と第2区間82から構成され、縦軸は熱交換器2の1次側の流れ方向Gにおける一つ以上の個所で測定された温度に対応し、横軸は経過時間に対応する。ここで、図5の縦軸に対応する上記温度は、炭素含有燃料熱交換器1の状態量svt(kt1)の実測データである。
また、図5に示す時刻TB1および時刻TB2では、除煤装置5(例えば、スーツブロワ)が作動している。従って、時刻TB1の直後の時間帯に位置する第1区間81においては、除煤装置5の作動により生じる外乱に対応する温度変動が加わっている。そこで、除外期間設定部121aは、除煤装置5の作動時点TB1から除煤装置5の作動により加わる外乱が所定範囲へと収束するまでの過渡状態期間τtの中から除外期間τeを選択する。例えば、図5に示すように、時刻TB1において除煤装置5が作動することによる外乱の影響は、時刻Ts2において十分に収束しているので、除外期間設定部121aは、除煤装置5の作動時点TB1から時刻Ts2までの時間帯tcを除外期間τeとして選択する。以上より、図5に示す実施形態によれば、状態量svt(kt1)について炭素含有燃料熱交換器1から収集されたデータds(k1)のうち、除煤装置5の作動による外乱の影響を受ける期間に取得されたデータde(kt1)のみを除外して異常診断を行うことができる。
ところで、図5に示す実施形態において、時刻TB1から除煤装置5の作動により炭素含有燃料熱交換器1の状態量svt(kt)に加わる外乱が所定範囲へと収束するまでの過渡状態の持続期間の長さは、状態量svt(kt1)の変化が示す応答特性に着目して推定することができる。以下、図5を参照しながら上述した除外期間τeの設定処理において、状態量svt(kt1)の変化が示す応答特性を考慮して適切に選択する場合の具体例について図6を用いて説明する。
図6Aの(a1)は、炭素含有燃料熱交換器1の負荷が100%(熱交換器2内を流れる燃料の流量が最大)であるときに、熱交換器2の1次側の流れ方向Gにおける複数の位置の温度svt(kt1)の実測データの時間変動をプロットしたグラフである。また、図6Aの(a2)は、除外期間τeを除煤装置5の作動時刻Tから1時間経過後までとなるように固定した場合に、図6Aの(a1)に示す温度変化から得られる異常診断用データdd(kt1)をプロットしたグラフである。また、図6Aの(a3)は、除煤装置5の作動時刻から開始する除外期間τeの長さを温度svt(kt1)の時間変化の応答特性に応じて決定した場合に、図6Aの(a1)に示す温度変化から得られる異常診断用データdd(kt1)をプロットしたグラフである。
一方、図6Bの(b1)は、炭素含有燃料熱交換器1の負荷が50%(熱交換器2内を流れる燃料の流量が最大時の半分)であるときに、熱交換器2の1次側の流れ方向Gにおける複数の位置の温度svt(kt1)の実測データの時間変動をプロットしたグラフである。また、図6Bの(b2)は、除外期間τeを除煤装置5の作動時刻Tから1時間経過後までとなるように固定した場合に、図6Bの(b1)に示す温度変化から得られる異常診断用データdd(kt1)をプロットしたグラフである。また、図6Bの(b3)は、除煤装置5の作動時刻から開始する除外期間τeの長さを温度svt(kt1)の時間変化の応答特性に応じて決定した場合に、図6Bの(b1)に示す温度変化から得られる異常診断用データdd(kt1)をプロットしたグラフである。
例示的な一実施形態では、図6Aの(a3)および図6Bの(b3)に示す異常診断用データdd(kt1)を得るために、温度svt(kt1)の時間変化の応答特性に応じて除外期間τeを以下のように決定してもよい。すなわち、温度svt(kt1)の時間変化の応答特性に基づいて除外期間τeを設定する際に、以下のようにして除外期間τeの長さを決定してもよい。まず、除煤装置5の作動後における少なくとも一つの状態量svt(kt)の応答特性を示す時定数τrを求める。続いて、時定数τrと除外期間τeの長さとの予め設定された相関に、除煤装置5の作動後に取得した少なくとも一つの状態量svt(kt1)の経時変化から求めた時定数τrを当てはめて、除外期間τeの長さを決定するようにしてもよい。
この実施形態では、除煤装置5の作動後における少なくとも一つの状態量svt(kt1)が示す応答特性が素早い応答を示す場合には、当該応答特性を示す時定数τrも小さくなり、逆に、当該応答特性が緩慢な応答を示す場合には、当該応答特性を示す時定数τrも大きくなるはずである。そこで、この実施形態では、当該応答特性を示す時定数と除外期間τeの長さとの間の相関を予め設定し、当該相関に基づいて時定数τrの大きさに応じた除外期間τeを設定するようにした。それにより、この実施形態によれば、時定数τrの大きさに合わせて除外期間の長さを適切に設定することが可能となる。
この実施形態における除外期間τeの長さの決定基準を別の観点から説明すると、以下のとおりである。この実施形態では、時刻TB1から除煤装置5の作動により炭素含有燃料熱交換器1の状態量svt(kt1)に加わる外乱の振幅が時間に伴って減少してゆく過程を、当該応答特性に基づいて推定する。その上で、この実施形態では、当該外乱の振幅が除煤装置5の作動前の温度変動によって定まる整定値の63.2%の大きさを上回るようになるまでの期間を除外期間τeとする。なお、図6Aの(a1)では、除煤装置5の作動前の温度変動によって定まる上述した整定値の大きさをh1で表している。また、図6Aでは、除煤装置5の作動時点Tから除煤装置5の作動により炭素含有燃料熱交換器1の状態量svt(kt)に加わる外乱が所定範囲へと収束するまでの期間をtcで表している。
その上で、図6Aの(a1)を参照すると、除煤装置5の作動時刻Tから20分経過後の時刻Tには、状態量svt(kt1)の実測データである温度の変動波形は、h1で表される整定値の63.2%の大きさを上回るようなっている。従って、図6Aの(a2)に示すように、除外期間τeを除煤装置5の作動時刻Tから1時間経過後の時刻Tまでとなるように固定しても、状態量svt(kt1)の実測データから除煤装置5の作動による外乱の影響を充分に除去することができる。また、図6Aの(a3)に示すように、外乱の振幅がh1で表される整定値の63.2%の大きさを上回るようになるまでの期間にさらに余裕を持たせた期間を除外期間τeとする場合、除外期間τeを、作動時刻Tから1時間経過後の時刻Tまでとなるように設定してよい。その結果、図6Aの(a2)および(a3)に示すように、除外期間τeの前後においては、整定値h1を上回る状態量svt(k1)の温度データのみが除外されずに残される。
その後、時刻Tにおいて除煤装置5が作動すると、図6Aの(a1)に示すように、時刻Tにおいて、外乱の振幅がh1で表される整定値の63.2%の大きさをギリギリ上回るようになる。従って、図6Aの(a2)および(a3)に示すように、時刻Tから1時間後の時刻Tまでを除外期間τeとして設定すれば除煤装置5の作動による外乱の影響を排除するのに充分となる。
なお、図6Bの(b1)では、除煤装置5の作動前の温度変動によって定まる上述した整定値の大きさをh2で表している。また、図6Bでは、除煤装置5の作動時点Tから除煤装置5の作動により炭素含有燃料熱交換器1の状態量svt(kt)に加わる外乱が所定範囲へと収束するまでの期間をtcで表している。その上で、図6Bの(b1)を参照すると、状態量svt(kt1)の実測データである温度変動波形がh2で表される整定値の63.2%の大きさを上回るのは、除煤装置5の作動時刻Tから2時間経過後となっている。
従って、図6Bの(b2)に示すように、除外期間τeを除煤装置5の作動時刻Tから1時間経過後の時刻Tまでとなるように固定してしまうと、除外期間τeの終了時点である時刻Tにおいても除煤装置5の作動による外乱の影響が残ってしまっている。その結果、図6Bの(b2)に示す場合では、除外期間τe内に取得された温度データを除外するだけでは、除煤装置5の作動による外乱の影響を完全に除去した異常診断を行うことができない。そこで、図6Bの(b3)に示すように、外乱の振幅がh2で表される整定値の63.2%の大きさを上回るようになるまでの期間を除外期間τeとすると、除外期間τeは、除煤装置5の作動時刻Tから2時間後までとなるように決定される。その結果、図6Bの(b3)に示すように、除外期間τeの終了時点である時刻Tにおいては、除煤装置5の作動による外乱の影響がほとんどなくなっているので、除煤装置5の作動による外乱の影響を完全に除去した異常診断を行うことが可能となる。
また、図6Bの(b2)に示すように、時刻Tにおいて除煤装置5が作動してから1時間後の時刻Tにおいて、除外期間τeの終了時刻を設定すると、時刻Tにおいては、時刻Tから除煤装置5の次回の作動時刻Tまで非常に短い時間しかない。そのため、除外期間τeの終了時刻Tから除煤装置5の次回の作動時刻Tまでの期間が非常に短い場合には、状態量svt(kt)を実測した温度変化の応答特性が不安定となる。そこで、代替的な一実施形態では、図6Bの(b3)に示すように、時刻Tにおいて除煤装置5が作動してから除煤装置5が次の次に作動する時刻Tまでを除外期間τeとして設定するようにしてもよい。その結果、図6Bの(b3)に示すように、除外期間τeの前後においては、整定値h1を上回る状態量svt(k1)の温度データのみが除外されずに残される。
以上より、この実施形態では、除煤装置5の作動後における少なくとも一つの状態量svt(kt)の経時変化が示す応答特性に基づいて除外期間τeが設定される。従って、この実施形態によれば、上記応答特性が素早い応答を示す場合には、それに合わせて除外期間τeを短く設定することができ、逆に、上記応答特性が緩慢な応答を示す場合には、それに合わせて除外期間τeを長く設定することができる。
また、上記構成では、除煤装置5の作動後における少なくとも一つの状態量svt(kt)が示す応答特性が素早い応答を示す場合には、当該応答特性を示す時定数τrも小さくなり、逆に、当該応答特性が緩慢な応答を示す場合には、当該応答特性を示す時定数τrも大きくなるはずである。そこで、上記構成では、当該応答特性を示す時定数τrと除外期間τeの長さとの間の相関を予め設定し、当該相関に基づいて時定数τrの大きさに応じた除外期間τeを設定するようにした。それにより、上記構成によれば、時定数τrの大きさに合わせて除外期間τeの長さを適切に設定することが可能となる。
また、別の例示的な一実施形態では、異常診断用データdd(k)を得る処理では、除外期間設定部121aは、少なくとも一つの状態量svt(kt)の時系列データds(kt)に関する度数分布と正規分布とのずれが小さくなるように除外期間τeの長さを決定するようにしてもよい。この実施形態において、異常診断から除外される除外期間τe内のデータde(kt)は、除煤装置5の作動により影響を受ける一部の状態量svt(kt)について当該影響が及ぶ過渡的な時間帯に取得されたデータである。従って、複数の状態量sv(k)について機器から除外期間τe以外の期間に収集されたデータが正規分布に従って分布する場合であっても、除外期間τe内に収集された状態量のデータは正規分布に従って分布しない可能性がある。
そこで、この実施形態では、少なくとも一つの状態量svt(kt)について取得されたデータds(kt)に関する度数分布と正規分布との間のずれが小さくなるように除外期間τeの長さを決定するようにした。それにより、この実施形態によれば、除煤装置5の作動の影響が状態量svt(kt)に及ぶ過渡的な時間帯(上記度数分布が正規分布からずれる期間)を除外期間τeとして適切に設定することができ、この期間に取得したデータde(kt)を異常診断に用いることがないので、異常診断を高精度に行うことができる。以下、この実施形態について、図5および図7を参照しながら詳しく説明する。
図5の右側に示す度数分布92は、第2区間82に含まれる温度測定値の度数分布を表し、正規分布と一致する。また、以下において具体的に後述するように、第1区間81に含まれる温度測定値の度数分布は、図5の右側に示す度数分布91と度数分布92を合わせた度数分布であり、度数分布92に度数分布91が加わることにより、正規分布と一致しなくなっている。また、図5に示す時刻TB1および時刻TB2では、除煤装置5が作動している。従って、時刻TB1から時刻Ts2までの時間帯に位置する第1区間81においては、第2区間82において測定されるものと同様の度数分布を有する温度測定値に対して、除煤装置5の作動により生じる上述した外乱の成分が加わっている。また、第2区間82における温度変動と同様の温度変動に対して、除煤装置5の作動に起因した外乱の成分に対応する温度変動が加わることで、第1区間81における温度分布は、度数分布92と同様の度数分布に対して外乱の成分に対応する度数分布91が加わった分布となる。その結果、第1区間81に含まれる温度測定値の度数分布は、度数分布92に度数分布91が加わった非正規分布となる。
以上より、時刻TB1から時刻Ts2までの時間帯においては、除煤装置5の作動に起因した外乱の成分に対応する温度変動が加わることで、第1区間81における温度分布は、非正規分布となる一方で、除煤装置5の作動に影響されない第2区間82における温度分布は、正規分布となる。これをさらに別の観点から考察すると、除外期間τeの長さが除煤装置5の作動による状態量svt(kt)への影響を除外するのに充分であれば、状態量svt(kt)の温度データ分布と正規分布との間のずれが小さくなるはずである。逆に、除外期間τeの長さが除煤装置5の作動による状態量svt(kt)への影響を除外するのに不充分であれば、状態量svt(kt)の温度データ分布と正規分布との間のずれが大きくなるはずである。
そこで、この実施形態では、除外期間設定部121aは、図7を用いて後述するように、除煤装置5の作動による影響が及ぶ状態量svt(kt)について取得されたデータds(kt)に関する度数分布と正規分布との間のずれが小さくなるように除外期間τeの長さを決定してもよい。また、例示的な一実施形態では、データds(kt)に関する度数分布と正規分布との間のずれが小さくなるように除外期間τeの長さを決定する際に、当該度数分布と正規分布との一致性を示す指標に基づいて、除外期間τeの長さを決定するようにしてもよい。
この実施形態によれば、除外期間τeの長さを設定するに際して、当該度数分布と正規分布との一致性を示す指標を考慮するようにしたので、該指標により、除煤装置5の作動の影響が状態量svt(kt)に及ぶ過渡的な時間帯をより正確に特定することができる。よって、除外期間τeをより適切に設定し、異常診断の精度を向上させることができる。つまり、状態量svt(kt)について取得されたデータds(kt)に関する度数分布と正規分布との間の一致度を上記指標で評価し、当該指標が大きくなるように除外期間τeの長さを決定するようにしてもよい。以下、データds(kt)に関する度数分布と正規分布との間の一致度を表す指標について図7を参照しながら説明する。
図7(a)は、状態量svt(kt)について取得されたデータds(kt)に関する度数分布61と正規分布曲線71との間の一致度が高いケースを示し、図7(b)は、状態量svt(kt)について取得されたデータds(kt)に関する度数分布62と正規分布曲線72との間の一致度が低いケースを示す。図7において、横軸は、状態量svt(kt)を実測して得られる温度データの階級値thに対応する。なお、説明を簡単にするため、図7(a)および図7(b)では、一実施形態では、データds(kt)に関する度数分布と正規分布は、互いに平均値と標準偏差が等しくなるように基準化しているものとする。図7に示す例において、データds(kt)に関する度数分布と正規分布との間のずれを数値的に評価する尺度として以下のようなものが考えられる。
図7に示す例において、度数分布と正規分布の間で平均値と標準偏差を一致させる基準化が行われている場合には、上記度数分布と正規分布曲線の間の一致度φは、以下の式によって算出することが可能である。ここで、deg(th)は、温度階級値thにおける実測データの度数を表し、nd(th)は温度階級値thにおける正規分布曲線の高さを表す。
Figure 2017182693
また、状態量svt(kt)について取得されたデータds(kt)に関する度数分布と正規分布との間で平均値と標準偏差が等しくなるように基準化がされていない場合には、まず、当該度数分布の平均値μと標準偏差σを求め、平均値μと標準偏差σを分布パラメータとする正規分布を使用すればよい。
以上のように、図5〜図7を用いて上述した幾つかの実施形態では、例えば、図1に示す炭素含有燃料熱交換器1Eを対象機器1とするならば、炭素含有燃料熱交換器1Eの直上に設けられた除煤装置5Eの作動が炭素含有燃料熱交換器1の状態量に及ぼす影響のみを考慮していた。次に、図8を用いて後述する以下の実施形態では、炭素含有燃料熱交換器1の状態変化を起こさせる他の機器からの影響として、炭素含有燃料熱交換器1の上流側に位置する前段機器1’の除煤装置5’の作動による影響をさらに考慮する。例えば、図1に示す炭素含有燃料熱交換器1Eを対象機器1とするならば、除煤装置5Eの作動による影響に加え、除煤装置5Dや除煤装置5Cの作動による影響をさらに考慮する。ここで、除煤装置5Dおよび除煤装置5Cは、炭素含有燃料熱交換器1Eの上流側に位置する前段機器1’に相当する炭素含有燃料熱交換器1Dおよび1Cの異常防止のために設けられた除煤装置5’である。
以下、図8を参照しながら、図1に示す炭素含有燃料熱交換器1Eに対して、上述した3台の除煤装置5E、5Dおよび5Cの影響が外乱として作用する場合の除外期間τeの設定例について説明する。図8(A)は、3台の除煤装置5Cが作動する時刻を示すものであり、横軸は時間の経過を表す。図8(B)に示す曲線グラフ84は、状態量svt(kt1)の実測値の経時変化を表し、横軸は時間の経過を表す。ここで、状態量svt(kt1)は、炭素含有燃料熱交換器1Eの1次側の流れ方向Gにおける複数の位置の温度svt(kt)(kt=kt1,kt2,kt3,…,ktm)のうち、炭素含有燃料熱交換器1Eの最上部に位置する燃料ガスの入口部分における温度に対応する。
図8(C)は、3台の除煤装置5Eおよび5Dが作動する時刻を示すものである。図8(D)に示す曲線グラフ85は、状態量svt(ktm)の実測値の経時変化を表す。ここで、状態量svt(ktm)は、炭素含有燃料熱交換器1Eの1次側の流れ方向Gにおける複数の位置の温度svt(kt)(kt=kt1,kt2,kt3,…,ktm)のうち、炭素含有燃料熱交換器1Eの最下部に位置する燃料ガスの出口部分における温度に対応する。図8(E)に示す曲線グラフ86は、状態量svt(kt1)の実測値から状態量svt(ktm)の実測値を減算して得られる温度差の経時変化を示す。すなわち、図8(E)に示す曲線グラフ86は、図8(B)に示す曲線グラフ84の各時刻における値から図8(D)に示す曲線グラフ85の各時刻における値を減算して得られる温度差を時間軸に沿ってプロットしたものである。
図8を参照すると、時刻Tにおいて除煤装置5Cが作動し、除煤装置5Cの作動による外乱の影響Br11が図8(B)に示す温度svt(kt1)の急激な温度低下という形で現れている。除煤装置5Cの作動による外乱の影響Br21が図8(D)に示す温度svt(ktm)の急激な温度低下という形で現れている。つまり、除煤装置5Cは、熱交換器1Eよりも上流側に設けられた熱交換器1Cの除煤を行うものであるが、除煤装置5Cの作動による外乱の影響Br11およびBr21は、熱交換器1Cのみならず、熱交換器1Dや1Eにも及ぶことが示されている。その理由は、熱交換器1Eよりも上流側に設けられた熱交換器1Cにおける熱交換効率が除煤装置5Cの作動により急激に改善されると、熱交換器1Cを通過する燃料ガスの温度低下幅も急激に大きくなるからである。つまり、熱交換器1Cにおける熱交換効率の改善によって熱交換器1Dおよび1Eに供給される燃料ガスの温度が急激に低下するので、それが熱交換器1Dおよび1Eに対して非定常的な状態変化を引き起こす外乱として作用することになる。
続いて、時刻Tにおいて除煤装置5Dが作動し、除煤装置5Dの作動による外乱の影響Br31が図8(D)に示す温度svt(ktm)の急激な温度低下という形で現れている。ここで、図8(D)を参照すると、時刻Tにおいて除煤装置5Dが作動した影響Br31による温度svt(ktm)の急激な低下は、時刻Tにおいて除煤装置5Cが作動した影響Br21による温度svt(ktm)の急激な低下に加算される形で現れている。なお、時刻Tは、除煤装置5Cが作動した時刻Tの直後の時刻であるので、除煤装置5Dの作動による外乱の影響は図8(B)に示す温度svt(kt1)に対しては現れていない。また、時刻Tにおいては、熱交換器1Eを除煤するための除煤装置5Eが作動し、除煤装置5Eが作動した影響Br32により図8(D)に示す温度svt(ktm)が急激に低下している。また、時刻Tおよび時刻Tにおいては、除煤装置5Cおよび5Dの作動により、時刻Tおよび時刻Tにおいて生じた現象と同様の現象が起きている。
以上より、時刻Tおよび時刻Tにおいて、除煤装置5Cと除煤装置5Dの作動による外乱の影響Br21とBr31が状態量svt(ktm)の温度実測値に対して現れることにより非定常的な状態変化が熱交換器1Eに加わる過渡状態期間τtが時刻Tから開始する。上述したように、3台の除煤装置5C、5Dおよび5Eのいずれが動作した場合であっても、温度svt(ktm)の急激な低下が非定常的な状態変化となって熱交換器1Eに加わる。従って、例示的な一実施形態では、図8に示す例において、過渡状態検出部120が過渡状態期間τtの開始を検出するには、以下のようにしてもよい。すなわち、3台の除煤装置5C、5Dおよび5Eの各々をそれぞれ停止状態から作動状態へと切り替える3つのトリガー信号の論理和(OR)をとった論理和出力信号を監視し、論理和信号がアクティブになった時点で過渡状態期間τtが開始したと判断すればよい。
例示的な一実施形態では、図8に示す例において、除外期間設定部121aが実行する処理動作として、除煤装置5C、5Dまたは5Eのいずれかの作動後における状態量svt(kt)の応答特性に基づいて過渡状態期間τtの少なくとも一部である除外期間τeを設定するようにしてもよい。具体的には、除煤装置5C、5Dまたは5Eのいずれかが作動した時点から当該作動により炭素含有燃料熱交換器1の状態量svt(kt)に加わる外乱が所定範囲へと収束するまでの過渡状態期間τtの中から除外期間設定部121aが適切な除外期間τeを選択すればよい。例えば、除煤装置5C、5Dまたは5Eのいずれかの作動により炭素含有燃料熱交換器1の状態量svt(kt)に加わる外乱が所定範囲へと収束するまでの過渡状態の持続期間τtの長さは、図5および図6を用いて上述したように状態量svt(kt1)の変化が示す応答特性に着目して推定することができる。その結果、図8(D)において、除煤装置5Cおよび5Dが時刻TおよびTで作動した影響を除外するための除外期間τeがt (1)として設定され、除煤装置5Eが時刻Tで作動した影響を除外するための除外期間τeがt (2)として設定される。また、図8(D)において、除煤装置5Cおよび5Dが時刻TおよびTで作動した影響を除外するための除外期間τeがt (3)として設定される。
また、別の一実施形態では、除煤装置5C、5Dまたは5Eのいずれかの作動により開始した過渡状態期間τt内では、温度svt(kt)は非正規分布に従って分布するのに対して過渡状態期間τtの経過後は、温度svt(kt)は正規分布に従って分布する。従って、除煤装置5C、5Dまたは5Eのいずれかの作動により開始した過渡状態期間τtに含まれる除外期間τeは、図7を用いて上述した方法に従って除外期間設定部121aにより決定することが可能である。
また、さらに別の実施形態では、除煤装置5C、5Dまたは5Eのいずれかの作動により開始した過渡状態期間τtに含まれる除外期間τeを以下のように決定してもよい。すなわち、過渡状態期間τtの開始時点から除外期間τeが開始するものとして、熱交換器1Eの燃料の入口側と出口側との間における温度差として図8(E)に示す経時変化86を監視する。そして、当該温度差が図8(E)に示す整定値h3の±37.8%以内に収まる時点を除外期間τeの終了時点とする。つまり、この方法は、当該温度差の経時変化86が示す応答特性に着目して除外期間τeの長さを決定する手法に対応する。
以上のように、図5〜図8を用いて上述した実施形態では、炭素含有燃料熱交換器1C〜1Xのいずれかを除煤するためにガス冷却器32b内に設けられた除煤装置5C〜5Xのいずれかの作動の影響のみを非定常的な状態変化を引き起こす外乱として考えてきた。しかしながら、例えば、ガス冷却器32bの前段に接続された石炭化部32aにおいて生成ガス流量の急激な変化が生じたような場合であっても、炭素含有燃料熱交換器1C〜1Xの非定常的な状態変化を引き起こす外乱の影響が生じると考えられる。そのような場合、上述した生成ガス流量の急激な変化が状態変化の応答遅れとなって伝わることにより、炭素含有燃料熱交換器1の状態量である「1次側のガス流路方向における複数個所の温度」が影響を受ける。そして、この外乱の影響は除煤装置5C〜5Jの作動の影響と同種類の非定常的な状態変化を引き起こすと考えられる。その結果、上述した生成ガス流量の急激な変化が状態変化の応答遅れとなって伝わる過渡状態期間内に炭素含有燃料熱交換器1における状態量の実測データを取得すると、この状態量の実測データはマハラノビス距離を求める際の単位空間から逸脱してしまい、誤った異常診断結果を生じさせる。
そこで、さらに別の実施形態では、上記のような場合にも、ガス冷却器32b内に設けられた炭素含有燃料熱交換器1の非定常的な状態変化が生じる過渡状態期間τtの開始を過渡状態検出部120が検出するようにしてもよい。例えば、過渡状態検出部120は、石炭化部32aにおける生成ガス流量の急激な変化を、生成ガス流量に対応する状態変化のステップ入力としてモデル化することにより以下のようにして過渡状態期間τtの開始を検出してもよい。まず、炭素含有燃料熱交換器1の状態量のうち、生成ガス流量と相関する一部の状態量svx(kx)について状態変化の第1応答波形を連続的に取得する。続いて、状態量svx(kx)のステップ入力を炭素含有燃料熱交換器1の応答特性関数に入力した結果得られるステップ応答波形を算出する。最後に、当該ステップ応答波形を当該第1応答波形と比較し、当該比較の結果に基づいて、過渡状態期間τtの開始を検出するようにしてもよい。例えば、過渡状態検出部120は、当該ステップ応答波形との間のズレが所定の基準値を下回る第1応答波形が得られた時点で過渡状態期間τtが開始すると判定してもよい。
上記のようにして過渡状態期間τtの開始が検出できたならば、過渡状態期間τtの少なくとも一部である除外期間τe内に取得した少なくとも一つの状態量svt(kt)のデータde(kt)を該状態量についての時系列データds(k)から除外する前処理を診断用データ生成部121bが行うようにしてもよい。そして最後に、複数の状態量sv(k)について時系列データds(k)から除外期間τe内のデータde(kt)を除外した異常診断用データdd(k)を診断用データ生成部121bが取得するようにしてもよい。
次に、診断用データ取得部121から異常診断用データdd(k)(1≦k≦K)を受け取った異常診断部122が、マハラノビス距離に基づいて炭素含有燃料熱交換器1の異常診断を行う方法について説明する。まず、異常診断部122により算出されるマハラノビスの距離の概念を図9に示す。図9は、一例として横軸に熱交換器2の1次側の流れ方向Gにおける入口温度svt(kt1)と出口温度svt(kt2)の差を取り、縦軸に熱交換器2の2次側の流れ方向Wにおけるある点の温度svu(ku1)を取った2つのパラメータの相関関係を示している。すなわち、伝熱面6に煤が蓄積すると、燃料と熱交換媒体との熱交換の効率が低下するため、熱交換器2の2次側のある点の温度svu(ku1)が下がる。そして、各測定データは大気条件や運転状態などの違いによりばらつきはあるものの、入口温度svt(kt1)と出口温度svt(kt2)との間の温度差および熱交換器2の2次側のある点の温度svu(ku1)の間には相関関係があり、特定の範囲に収まる。これらを基準データとして基準となる単位空間を作成する。その他の各状態量においても、1次側の温度差と2次側の温度との間に見られる相関関係と同様の相関関係を求めることができる。そして、その単位空間に対して、判断すべきデータが正常か異常かをマハラノビスの距離によって判断するのである。
以上より、例示的な一実施形態では、異常診断装置10が備える異常診断部122は、以下のようにして炭素含有燃料熱交換器1の異常診断を行うようにしてもよい。まず、異常診断用データdd(k)(1≦k≦K)のマハラノビス距離MD(k)を、炭素含有燃料熱交換器1の正常時における複数の状態量svn(k)(1≦k≦K)により構成される単位空間を基準として演算する。続いて、マハラノビス距離MD(k)が閾値よりも大きい場合に、炭素含有燃料熱交換器1の異常が発生したと判断する。
要するに、この実施形態では、異常診断用データdd(k)(1≦k≦K)のマハラノビス距離MD(k)を、炭素含有燃料熱交換器1の正常時における複数の状態量svn(k)(1≦k≦K)により構成される単位空間を基準として求めている。従って、この実施形態によれば、除煤装置5の作動による影響を受けていない異常診断用データdd(k)が機器の正常時における状態群svn(k)(1≦k≦K)を表す単位空間からどの程度逸脱しているかを定量的に評価することができる。その結果、この実施形態によれば、除煤装置5の作動による影響を受けていない異常診断用データdd(k)に基づいて機器の異常を高精度に診断することができる。
ここで、図1に示す炭素含有燃料熱交換器1は、一例として、図10に示される石炭ガス化複合発電プラント(以下「IGCCプラント」という)に設置される。図10に示されるように、IGCCプラント30は、主として、石炭ガス化炉32、ガスタービン設備34、蒸気タービン設備36、及び排熱回収ボイラ(以下「HRSG」という)38を備える。石炭ガス化炉32の上流側には、石炭ガス化炉32へと微粉炭を供給する石炭供給設備40が設けられている。この石炭供給設備40は、原料炭を粉砕して数μm〜数百μmの微粉炭とする粉砕機(図示せず)を備えており、この粉砕機によって粉砕された微粉炭が複数のホッパ42に貯留されるようになっている。各ホッパ42に貯留された微粉炭は、一定流量ずつ空気分離設備44から供給される窒素ガスと共に石炭ガス化炉32へと搬送される。空気分離設備44は、空気から窒素ガス及び酸素ガスを分離し、これらを石炭ガス化炉32へ供給する装置である。
石炭ガス化炉32は、下方から上方へとガスが流されるように形成された石炭化部32aと、石炭化部32aの下流側に接続されて、上方から下方へとガスが流されるように形成されたガス冷却器(SGC)32bとを備えている。石炭化部32aには、下方から、コンバスタ及びリダクタが設けられている。コンバスタは、微粉炭及びチャーの一部分を燃焼させ、残りは熱分解により揮発分(CO、H、低級炭化水素)として放出させる部分である。コンバスタ及びリダクタには、それぞれ、コンバスタバーナ及びリダクタバーナが設けられており、コンバスタバーナ及びリダクタバーナに対して石炭供給設備40から微粉炭が供給される。コンバスタバーナには、ガスタービン設備34の空気圧縮機34cより抽気した空気が空気昇圧機46及び酸化剤供給路48を介して、空気分離設備44において分離された酸素ガスと共に酸化剤として供給されるようになっている。リダクタでは、コンバスタからの高温燃焼ガスによって微粉炭がガス化される。これにより、石炭からCOやH等の気体燃料となる可燃性ガス(以下「燃料ガス」という。)が生成される。
ガス冷却器32bには、上述した炭素含有燃料熱交換器1が複数設置されており、リダクタから導かれる燃料ガスから顕熱を得て蒸気を発生させ、ガス化炉32内で発生した燃料ガスを冷却する。炭素含有燃料熱交換器1において発生した蒸気は、主として、蒸気タービン36bの駆動用蒸気として用いられる。ガス冷却器32bを通過した燃料ガスは、除塵設備50へと導かれる。この除塵設備50は、ポーラスフィルタを備えており、ポーラスフィルタを通過させることによって燃料ガスに混在する未燃分を含んだチャーを捕捉して回収する。このように回収されたチャーは、石炭ガス化炉32のチャーバーナへと返送されてリサイクルされる。
除塵設備50を通過した燃料ガスは、ガス精製設備22によって精製されて、ガスタービン設備34の燃焼器34aへと送られる。ガスタービン設備34は、燃料ガスが燃焼させられる燃焼器34aと、燃焼ガスによって駆動されるガスタービン34bと、燃焼器34aへと高圧空気を送り出す空気圧縮機34cとを備えている。ガスタービン34bと空気圧縮機34cとは同一の回転軸34dによって接続されている。空気圧縮機34cにおいて圧縮された空気は、抽気されて燃焼器34aとは別に、空気昇圧機46へも導かれるようになっている。
ガスタービン34bを通過した燃焼排ガスは、HRSG38へと導かれ、蒸気タービン36bには、石炭ガス化炉32及びHRSG38から高圧蒸気が供給される。一例として、回転軸34dには、ガスタービン34bと共に蒸気タービン36bが接続され、蒸気タービン設備36を挟んでガスタービン設備34の反対側に、電気を出力する発電機52が設けられている。なお、HRSG38は、ガスタービン34bからの燃焼排ガスによって蒸気を発生すると共に、燃焼排ガスを煙突54から大気へと放出する。
このように図2に示す炭素含有燃料熱交換器1は、一例として、IGCCプラント30の石炭ガス化炉32におけるガス冷却器32bに備えられる。そして、炭素含有燃料熱交換器1は、炭素含有燃料である燃料ガスと熱交換媒体との間で熱交換を行う。炭素含有燃料が流れる炭素含有燃料熱交換器1は、伝熱面6に炭素が付着し、それが除煤装置5でも取り除けないと、伝熱面6が閉塞して十分な熱交換を行えない等の異常が生じる場合がある。そこで、異常診断装置10は、マハラノビス距離を用いて炭素含有燃料熱交換器1の異常の有無を判定する。
1(1C〜1X) 対象機器(炭素含有燃料熱交換器)
2 熱交換器
3 燃料流路
4 伝熱管
5(5C〜5X) 異常防止装置(除煤装置)
10 異常診断装置
11 入出力部
12 処理部
13 記憶部
14 端末装置
14C 入力手段
14D ディスプレイ
22 ガス精製設備
30 プラント
32 石炭ガス化炉
32a 石炭化部
32b 連接機器群(ガス冷却器)
34 ガスタービン設備
34a 燃焼器
34b ガスタービン
34c 空気圧縮機
34d 回転軸
36 蒸気タービン設備
36b 蒸気タービン
40 石炭供給設備
42 ホッパ
44 空気分離設備
46 空気昇圧機
48 酸化剤供給路
50 除塵設備
52 発電機
54 煙突
61,62 度数分布
71,72 正規分布曲線
81 第1区間
82 第2区間
91,92 度数分布
121 診断用データ取得部
121a 除外期間設定部
121b 診断用データ生成部
122 異常診断部
G,W 流れ方向
MD マハラノビス距離
dd 異常診断用データ
de 除外データ
ds 時系列データ
sv,svn,svt,svu 状態量
th 温度階級値

Claims (8)

  1. プラントを構成する機器のうち対象機器の異常診断方法であって、
    前記対象機器の異常と相関がある前記プラントの複数の状態量の時系列データを取得するステップと、
    前記複数の状態量のうち少なくとも一つの状態量について、前記プラントを構成する他の機器の状態変化の影響が前記対象機器に及ぶ過渡状態期間の少なくとも一部である除外期間内に取得した前記少なくとも一つの状態量のデータを該状態量についての前記時系列データから除外する前処理を行って、前記複数の状態量について異常診断用データを得るステップと、
    前記複数の状態量の前記異常診断用データに基づいて、前記対象機器の異常診断を行うステップと、
    を備えることを特徴とする機器の異常診断方法。
  2. 前記他の機器は、前記対象機器又は該対象機器の前段に位置する機器に設けられた異常防止装置であり、
    前記過渡状態期間は、前記異常防止装置の作動の影響が前記対象機器に及ぶ期間であることを特徴とする請求項1に記載の機器の異常診断方法。
  3. 前記異常診断用データを得るステップでは、
    前記他の機器の状態変化の開始後における前記少なくとも一つの状態量の応答特性に基づいて前記除外期間の長さを決定し、
    前記応答特性に基づいて設定した前記除外期間内に取得した前記少なくとも一つの状態量のデータを前記時系列データから除外する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機器の異常診断方法。
  4. 前記応答特性に基づいて前記除外期間の長さを設定する際に、
    前記他の機器の状態変化の開始後における前記少なくとも一つの状態量の応答特性を示す時定数と前記除外期間の長さとの予め設定された相関に、前記状態変化の開始後に取得した前記少なくとも一つの状態量の経時変化から求めた前記時定数を当てはめて、前記除外期間の長さを決定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の機器の異常診断方法。
  5. 前記異常診断用データを得るステップでは、
    前記少なくとも一つの状態量の前記時系列データに関する度数分布と正規分布とのずれが小さくなるように前記除外期間の長さを決定する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機器の異常診断方法。
  6. 前記異常診断用データを得るステップでは、
    前記度数分布と前記正規分布との一致性を示す指標に基づいて、前記除外期間の長さを決定する
    ことを特徴とする請求項5記載の機器の異常診断方法。
  7. 前記機器の異常診断を行うステップでは、
    前記異常診断用データのマハラノビス距離を、前記機器の正常時における前記複数の状態量により構成される単位空間を基準として演算し、
    前記マハラノビス距離が前記閾値よりも大きい場合に、前記機器の異常が発生したと判断する
    ことを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の機器の異常診断方法。
  8. プラント内に設けられた対象機器の異常診断装置であって、
    前記対象機器の異常と相関がある前記プラントの複数の状態量の時系列データを前記プラントのセンサから取得し、前記対象機器の異常診断の結果を出力する入出力部と、
    前記複数の状態量のうち少なくとも一つの状態量について、前記プラントを構成する他の機器の状態変化の影響が前記対象機器に及ぶ過渡状態期間の少なくとも一部である除外期間内に取得した前記少なくとも一つの状態量のデータを該状態量についての前記時系列データから除外する前処理を行って、前記複数の状態量について異常診断用データを得る診断用データ取得部と、
    前記複数の状態量の前記異常診断用データに基づいて、前記対象機器の異常診断を行う異常診断部と、
    を備えることを特徴とする機器の異常診断装置。
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