JP2017182265A - 絞りプレス成形金型解析モデル生成システム及びプログラム、並びに、絞りプレス成形解析システム - Google Patents

絞りプレス成形金型解析モデル生成システム及びプログラム、並びに、絞りプレス成形解析システム Download PDF

Info

Publication number
JP2017182265A
JP2017182265A JP2016065554A JP2016065554A JP2017182265A JP 2017182265 A JP2017182265 A JP 2017182265A JP 2016065554 A JP2016065554 A JP 2016065554A JP 2016065554 A JP2016065554 A JP 2016065554A JP 2017182265 A JP2017182265 A JP 2017182265A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
holder
pin
analysis model
analysis
surface layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016065554A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6619278B2 (ja
Inventor
真陽 新井
Masaaki Arai
真陽 新井
康義 梅津
Yasuyoshi Umetsu
康義 梅津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSOL Corp
Original Assignee
JSOL Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSOL Corp filed Critical JSOL Corp
Priority to JP2016065554A priority Critical patent/JP6619278B2/ja
Publication of JP2017182265A publication Critical patent/JP2017182265A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6619278B2 publication Critical patent/JP6619278B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、通常の設計ルーチンの中で、工数の増加を抑制しながら、精度の高い解析を行うことが可能な金型解析モデルを生成することを課題とする。【解決手段】絞りプレス成形金型解析モデル生成システムであって、ブランクホルダを変形可能なシェル要素によってモデル化したシェルモデルのシェル要素データを取得するホルダシェル要素データ取得部と、ブランクホルダの材料特性に関するホルダ情報を取得するホルダ情報取得部と、クッションピンの位置、形状及び材料特性に関するピン情報を取得するピン情報取得部と、各クッションピンが曲げ変形せず、その基端部が仮想ジョイントを介して支持され、各クッションピンが鉛直方向に対して所定の曲げ剛性を持って傾動可能であり、かつ、その軸心周りを所定のねじり剛性を持って回動可能であるものとして扱われる仮想ジョイントを設定してブランクホルダの解析モデルを生成するホルダ解析モデル生成部と、を有することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、絞りプレス成形品に関して金型の変形を考慮した有限要素法による絞りプレス成形解析を行うための絞りプレス成形金型解析モデル生成システム及びプログラム、並びに、絞りプレス成形解析システムであって、特に、コンピュータによる設計支援システムに関する。
例えば自動車の車体等を構成するパネル部品は、素材となる板金からプレス成形金型(以下、「金型」という)を用いたプレス成形によって製造されるが、特に絞りプレス成形時に成形品に割れ、しわ、寸法精度不良等の不具合が発生しないように、金型の設計や開発の段階で、このような成形時の不具合を予測するために、金型の解析モデルを作成してプレス成形のシミュレーションが行われている。
近年は、このような絞りプレス成形時の不具合をより正確に予測することが求められており、そのためには、より高精度な解析が可能な絞りプレス成形のシミュレーションが必要とされている。
ここで、一般に、絞りプレス成形は、ダイとブランクホルダ(以下、単に「ホルダ」という)によってその周囲を挟んだ状態で素材(ブランク)をダイに形成されたキャビティ内にパンチによって押し込むことで絞り加工する成形方法である。
このとき、図37に示すように、ホルダHは、その下方が鉛直方向に延びる複数本のクッションピンHp(以下、単に「ピン」という)によって支持され、上向きのクッション力(しわ押さえ力)が付与されている。また、クッション力を考慮しながらホルダHとダイDの適切な位置に互いに対向して絞りビードを設けることで、キャビティC内に流入する素材Bに流入方向と反対方向に抵抗力を付与して、素材Bの流入バランスが調整されている。
ところが実際には、これら抵抗力の反力Fとクッション力の反力Fの合力がホルダHにかかるので、図37に破線で示すように、ピンHpの上端部が内側に曲がり、該ピンHpで支持されているホルダHの内側部分がプレス方向と反対方向にたわむ変形が生じる。
このときのホルダのたわみ量は、素材の流入バランスに大きく影響するので、シミュレーションの解析精度を向上させるには、このホルダのたわみをシミュレーション中で再現することが重要となる。
ところが、従来の絞りプレス成形のシミュレーションでは、ホルダを含む金型の解析モデルは、変形しない剛体のシェルモデルとして定義されていたので、上述のような成形時のホルダの変形を考慮したシミュレーションを行うことができなかった。
そこで、金型の変形を考慮したシミュレーションを行うために、例えば、非特許文献1に開示されているように、金型を従来のように剛体のシェル要素でモデル化し、金型の下死点におけるホルダのたわみ量を静的な応力解析によって算出し、算出されたたわみ量を各シェル要素にマッピングして再解析する方法や、非特許文献2及び3に開示されているように、金型全体を変形可能な弾性体であるソリッド要素でモデル化し、成形途中の金型の変形を逐次計算しながら解析する方法などが利用されている。
蔦森秀夫著他2、「薄板の3次元形状の精度不良予測 −FEMによるスプリングバック予測に関する研究 第3報−」、塑性と加工第44巻第518号、2003年10月25日発行、p.1024−1028 高村正人著他5、「静的陽解法FEMによる金型弾性変形を考慮した板成形シミュレーション」、塑性と加工第47巻第540号、2006年1月25日発行、p.64−68 石渡亮伸著他3、「曲がりハット材の捩れスプリングバック予測に及ぼす金型・プレス機弾性体モデル化範囲の影響」、塑性と加工第56巻第651号、2015年発行、p.311−316
しかし、従来技術において、前者のような静解析により得られた金型の下死点におけるたわみ量を剛体シェルモデルにマッピングする方法では、成形途中のたわみ量の変化を考慮できないため、十分な解析精度が得られない。また、一般に金型の構造は、シミュレーションを行うダイフェース設計時点では詳細には確定していないため、後者のような金型全体をソリッド要素でモデル化する方法は、通常の設計ルーチンの中で実施するのが困難である。更に、前者の静解析結果をマッピングする方法では、複数回計算を実施する必要があるため工数の増加が大きく、後者のソリッドモデルによる解析は、通常のシェルモデルによる解析と比較して多大な設定工数及び計算時間を要する。
そこで、本発明は、絞りプレス成形解析に関する上述のような実情に鑑みてなされたもので、通常の設計ルーチンの中で、工数の増加を抑制しながら、精度の高い解析を行うことが可能な金型解析モデルを生成し、この解析モデルを用いて成形解析を行うことを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る絞りプレス成形金型解析モデル生成システム及びプログラム、並びに、絞りプレス成形解析システムは、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
ダイと、パンチと、複数のクッションピンによって支持されたブランクホルダと、を備えるプレス成形金型を用いた絞りプレス成形を有限要素法によって解析するための前記金型の解析モデルを生成する絞りプレス成形金型解析モデル生成システムであって、
前記ブランクホルダを変形可能なシェル要素によってモデル化したシェルモデルのシェル要素データを取得するホルダシェル要素データ取得部と、
前記ブランクホルダの材料特性に関するホルダ情報を取得するホルダ情報取得部と、
前記クッションピンの位置、形状及び材料特性に関するピン情報を取得するピン情報取得部と、
取得された前記ホルダシェル要素データ、前記ホルダ情報及び前記ピン情報に基づいて、各クッションピンが曲げ変形せず、その基端部が仮想ジョイントを介して支持され、各クッションピンが鉛直方向に対して所定の曲げ剛性を持って傾動可能であり、かつ、その軸心周りを所定のねじり剛性を持って回動可能であるものとして扱われる前記仮想ジョイントを設定して前記ブランクホルダの解析モデルを生成するホルダ解析モデル生成部と、を有する
ことを特徴とする。
次に、本願の請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の絞りプレス成形金型解析モデル生成システムにおいて、
前記ホルダ解析モデル生成部は、
取得された前記ホルダ情報及び前記ピン情報に基づいて、各クッションピンの前記曲げ剛性及び前記ねじり剛性を算出するジョイント剛性算出部と、
各クッションピンの基端位置を、該クッションピンの傾動中心となる前記仮想ジョイントの中心節点として設定するジョイント中心節点設定部と、
該ジョイント中心節点設定部によって設定された各中心節点に、前記ジョイント剛性算出部によって算出された前記曲げ剛性及び前記ねじり剛性を定義するジョイント剛性定義部と、
前記ブランクホルダの前記シェルモデルに対して各クッションピンを鉛直方向に投影した位置にある複数のシェル要素の頂点となる節点群を、各クッションピンによって支持された前記ブランクホルダの節点群として設定するピン支持節点群設定部と、
前記ジョイント中心節点設定部によって設定された前記仮想ジョイントの中心節点と、該中心節点を傾動中心とする前記クッションピンを鉛直方向に投影した位置にある、前記ピン支持節点群設定部によって設定された各節点群と、を互いに対応付ける中心節点節点群間対応付け部と、
前記ブランクホルダのクッション力を各仮想ジョイントに分配してその中心節点に割り当てるクッション力割当部と、を有する
ことを特徴とする。
次に、本願の請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は2に記載の絞りプレス成形金型解析モデル生成システムにおいて、
前記ブランクホルダは、上面層が補強リブを介して下面層に支持された構造を有し、該下面層が複数の前記クッションピンによって支持されており、
前記補強リブの材料特性を取得するリブ情報取得部を有しており、
前記ホルダシェル要素データ取得部は、前記ブランクホルダの前記上面層を変形可能なシェル要素によってモデル化した上面層シェル要素を取得し、
前記ホルダ解析モデル生成部は、
前記補強リブの配置線情報を前記上面層及び前記下面層の位置に投影するリブ配置線情報投影部と、
前記補強リブを変形可能なシェル要素によってモデル化したリブシェルモデルを生成するリブシェル要素生成部と、
前記下面層のシェル要素を生成する下面層シェル要素生成部と、
前記上面層及び前記下面層の各シェル要素に断面特性を定義する上下面層シェル要素断面特性定義部と、
前記補強リブの各シェル要素に断面特性を定義するリブシェル要素断面特性定義部と、
前記補強リブのシェル要素上下端と前記上面層及び前記下面層とをそれぞれ接合する前記リブ上下面層接合部と、を有する
ことを特徴とする。
次に、本願の請求項4に記載の発明は、前記請求項1乃至3のいずれか1項に記載の絞りプレス成形金型解析モデル生成システムにおいて、
前記ホルダ解析モデル生成部は、前記クッションピンをその軸心方向に所定のばね剛性を持って伸縮可能であるものとして扱われるように設定する
ことを特徴とする。
次に、本願の請求項5に記載の発明は、前記請求項1乃至4のいずれか1項に記載の絞りプレス成形金型解析モデル生成システムにおいて、
前記ブランクホルダは、そのしわ押さえ面に絞りビードが形成されており、
前記金型解析モデル生成部は、前記絞りビードによる抵抗力を数値モデル化した等価ビードを用いる
ことを特徴とする。
次に、本願の請求項6に記載の発明は、絞りプレス成形解析システムであって、前記請求項1乃至5のいずれか1項に記載された絞りプレス成形金型解析モデル生成システムによって生成された前記金型解析モデルと、設定された解析条件とに基づいて、有限要素法によって絞りプレス成形の解析を行う成形解析部を有する
ことを特徴とする。
次に、本願の請求項7に記載の発明は、
ダイと、パンチと、複数のクッションピンによって支持されたブランクホルダと、を備えるプレス成形金型を用いた絞りプレス成形を有限要素法によって解析するための前記金型の解析モデルを生成する絞りプレス成形金型解析モデル生成プログラムであって、
コンピュータを
前記ブランクホルダを変形可能なシェル要素によってモデル化したシェルモデルを取得するホルダシェル要素データ取得部と、
前記ブランクホルダの材料特性に関するホルダ情報を取得するホルダ情報取得部と、
前記クッションピンの位置、形状及び材料特性に関するピン情報を取得するピン情報取得部と、
取得された前記ホルダシェル要素データ、前記ホルダ情報及び前記ピン情報に基づいて、各クッションピンが曲げ変形せず、その基端部が仮想ジョイントを介して支持され、各クッションピンが鉛直方向に対して所定の曲げ剛性を持って傾動可能であり、かつ、その軸心周りを所定のねじり剛性を持って回動可能であるものとして扱われる前記仮想ジョイントを設定して前記ブランクホルダの解析モデルを生成するホルダ解析モデル生成部と、として機能させる
ことを特徴とする。
以上の構成により、本願各請求項に係る発明によれば、次の効果が得られる。
請求項1に係る発明によれば、ブランクホルダを変形可能なシェル要素によってモデル化したシェルモデルと、ブランクホルダの材料特性に関するホルダ情報が取得されると共に、クッションピンの位置、形状及び材料特性に関するピン情報が取得され、更に、各クッションピンが曲げ変形せず、その基端部が仮想ジョイントを介して支持され、各クッションピンが鉛直方向に対して所定の曲げ剛性を持って傾動可能であり、かつ、その軸心周りを所定のねじり剛性を持って回動可能であるものとして扱われる仮想ジョイントを設定してホルダ解析モデルが生成される。そのため、ダイフェース設計時点で設計されるダイフェース面の形状と、ブランクホルダの構造の大まかな情報(厚さ、材質、クッションピンの配置、リブ)からホルダ解析モデルを生成して、このホルダ解析モデルを用いて成形途中のブランクホルダのたわみ量の変化をシミュレーションによって再現することができる。また、ホルダ解析モデルは変形可能なシェルモデルから生成されているので、剛体シェルモデルを用いる従来の解析と同等の比較的短い解析時間で、ソリッド要素を用いる従来の解析と同等の比較的高い解析精度を実現することができる。したがって、本発明によれば、通常の設計ルーチンの中で、工数の増加を抑制しながら、精度の高い解析を行うことが可能な金型解析モデルを生成することができる。
請求項2に係る発明によれば、ブランクホルダのシェルモデルに対して各クッションピンを鉛直方向に投影した位置にある複数のシェル要素の頂点となる節点群に、クッションピンの傾動や回動によるモーメントや、クッションピンを介してブランクホルダに加えられるクッション力を加えることができるので、実際の絞りプレス成形及びソリッド要素による従来の解析と同様に、クッションピンの太さ、位置等も考慮した解析を行うことができる。
請求項3に係る発明によれば、上面層が補強リブを介して下面層に支持された構造を有するブランクホルダのホルダ解析モデルを生成することができるので、実際の金型の構造により近い金型解析モデルを用いて、更に高い精度の解析を行うことができる。
請求項4に係る発明によれば、実際の絞りプレス成形及びソリッド要素による従来の解析において発生するクッションピンの伸縮も考慮した解析を行うことができる。
請求項5に係る発明によれば、絞りビードを形状ビードとしてモデル化した場合に比べて、解析時間の増加を抑制することができる。
請求項6に係る発明によれば、通常の設計ルーチンの中で、工数の増加を抑制しながら、精度の高い解析を行うことができる。
請求項7に係る発明によれば、請求項1に係るシステムの発明と同様の効果を得ることができる。
絞りプレス成形解析システムの全体構成を示すブロック図である。 同システムの処理装置の構成を示すブロック図である。 図2の処理装置のホルダ解析モデル生成部の構成を示すブロック図である。 図1の記憶装置の構成を示すブロック図である。 同記憶装置のプログラム記憶部の構成を示すブロック図である。 同記憶装置のデータ記憶部の構成を示すブロック図である。 ブランク材情報データのデータ構造を示す図である。 ビード情報データの絞りビード形状データのデータ構造を示す図である。 ビード情報データのラインビードデータテーブルのデータ構造を示す図である。 ホルダ情報データのデータ構造を示す図である。 ピン情報データのデータ構造を示す図である。 リブ情報データのデータ構造を示す図である。 ジョイント情報データのデータ構造を示す図である。 ピン支持節点群データのデータ構造を示す図である。 FEM解析データのデータ構造(1)を示す図である。 FEM解析データのデータ構造(2)を示す図である。 図1の出力装置に出力表示された画面の例を示す図である。 絞りプレス成形金型の構造を概略的に示す斜視図である。 図18のブランクホルダの内部構造を示す断面斜視図である。 絞りプレス成形の成形工程を説明する説明図である。 成形品の製造工程を説明する説明図である。 絞りプレス成形解析方法のメインルーチンのフローチャートである。 図22のホルダ解析モデル生成のサブルーチンのフローチャートである。 図23のジョイント剛性算出のサブルーチンのフローチャートである。 第1実施形態の金型解析モデルを示す斜視図である。 図25のホルダ解析モデルの内部構造を示す断面斜視図である。 図25のピンの先端部及び基端部のモデル構造を示す拡大斜視図である。 プレス成形時の素材の流入について説明する説明図である。 各解析モデルでの素材各点の流入量を比較したグラフである。 図29の流入量の誤差を示すグラフである。 各解析モデルでのホルダのたわみ量の等高線を示す平面図である。 各解析モデルでの解析時間を比較したグラフである。 第2実施形態の金型解析モデルを示す斜視図である。 第2実施形態のホルダ解析モデル生成方法のフローチャートである。 変形例の金型解析モデルを示す斜視図である。 変形例のホルダ解析モデル生成方法のフローチャートである。 従来の絞りプレス成形の課題を説明する説明図である。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係る絞りプレス成形解析システム及びプログラムについて説明する。
(1)絞りプレス成形解析システムの概要
図1は、本発明の第1実施形態に係る絞りプレス成形解析システム1の中心となるコンピュータ10の構成を示す図である。図1に示すように、このコンピュータ10は、CPU等の処理装置11と、メモリ又はハードディスク等の記憶装置12と、キーボード、マウス又はCD−ROMドライブ等の入力装置13と、液晶ディスプレイ又はプリンタ等の出力装置14と、を有する。
(1−1)処理装置
図2は、図1の処理装置11の構成を示すブロック図であり、図3は、図2のホルダ解析モデル生成部200の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、処理装置11は、金型解析モデル生成部100において、金型形状データを記憶装置12から取得する金型形状データ取得部110と、該金型形状データ取得部110によって取得された金型形状データに基づいて金型基本モデルデータを生成して取得する金型基本モデルデータ取得部120と、ホルダ情報データを取得するホルダ情報取得部130と、ピン情報データを取得するピン情報取得部140と、リブ情報データを取得するリブ情報取得部150と、ホルダ解析モデルを生成するホルダ解析モデル生成部200と、を備えると共に、生成された金型解析モデルを用いて絞りプレス成形の解析を行う成形解析部400と、該成形解析部400によって得られた解析結果を表示する解析結果表示部500と、を備えている。なお、請求項1における「ホルダシェル要素データ取得部」は、上述の実施形態の「金型基本モデルデータ取得部120」に対応する構成である。
図3に示すように、ホルダ解析モデル生成部200は、リブ配置線情報投影部210、リブシェル要素生成部220、下面層シェル要素生成部230、上下面層シェル要素断面特性定義部240、リブシェル要素断面特性定義部250、リブ上下面層接合部260、ジョイント剛性算出部270、ジョイント中心節点設定部280、ジョイント剛性定義部290、ピン支持節点群設定部300、中心節点節点群対応付け部310、及びクッション力割当部320を備えている。
(1−2)記憶装置
図4は、図1の記憶装置12の構成を概略的に示すブロック図である。図4に示すように、記憶装置12は、プログラム記憶部12Aとデータ記憶部12Bから主に構成されている。
図5は、図4のプログラム記憶部12Aの構成を概略的に示すブロック図である。図5に示すように、プログラム記憶部12Aは、金型形状データ取得プログラムPR1、金型基本モデル生成プログラムPR2、ホルダ・ピン・リブ情報取得プログラムPR3、ホルダ解析モデル生成プログラムPR4、成形解析プログラムPR5、解析結果表示プログラムPR6をそれぞれ格納するプログラム格納部12A〜12Aを有している。プログラムPR1、PR2、PR4乃至PR6は、上述の処理装置11における金型形状データ取得部110、金型基本モデルデータ取得部120、ホルダ解析モデル生成部200、成形解析部400及び解析結果表示部500によってそれぞれ実行される。また、プログラムPR3は、上述の処理装置11におけるホルダ情報取得部130、ピン情報取得部140及びリブ情報取得部150によって実行される。
図6は、図4のデータ記憶部12Bの構成を概略的に示すブロック図である。図6に示すように、データ記憶部12Bは、金型形状データDT1、ブランク材情報データDT2、金型シェル要素データDT3、ビード情報データDT4、ホルダ情報データDT5、ピン情報データDT6、リブ情報データDT7、ジョイント情報データDT8、ピン支持節点群データDT9、金型解析モデルデータDT10、成形条件データDT11、解析結果データDT12をそれぞれ格納するデータ格納部12B〜12B12を有している。なお、以下では、金型シェル要素データDT3及びビード情報データDT4を併せて、金型基本モデルデータと呼ぶ。
ここで、図7〜図16は、上述のデータDT1〜DT12のデータ構成を示す図である。図7〜図16を参照しながら、データ記憶部12Bに記憶されたデータDT1〜DT12について詳細に説明する。
(1−2−1)金型形状データ
金型形状データDT1は、例えば、既存のCADシステムで設計されたCADデータ、現物の金型について三次元計測システムで計測して得られたSTL(Standard Triangulated Language)データなど、各種手法で得られた既存の金型形状データから構成されている。
(1−2−2)ブランク材情報データ
ブランク材情報データDT2は、プレス成形される素材となるブランク材に関する各種データである。具体的には、図7(a)から図7(d)に示すように、ブランク材の外形線を構成する複数の節点のXY座標に関する外形線データテーブル、応力ひずみ特性データテーブル、曲げ剛性データ及び板厚データ等の属性から構成されている。このブランク材情報データDT2は、液晶ディスプレイやキーボード等の入力装置13を介して処理装置11に入力される。
(1−2−3)金型シェル要素データ
金型シェル要素データDT3は、具体的には、絞りビードを除いたブランクホルダのしわ押さえ面及びダイフェース面に関するホルダシェル要素データ及びダイシェル要素データ、パンチに関するパンチシェル要素データが含まれる。
(1−2−4)ビード情報データ
ビード情報データDT4は、しわ押さえ面及びダイフェース面に設けられた絞りビードに関するデータである。具体的には、ビード形状を示す絞りビード形状データ、ラインビード位置を示すラインビードデータテーブルを有している。図8に示すように、絞りビード形状データは、ビード番号、ビードタイプ、断面エッジ半径、断面中心半径、深さ、始点終点のXY座標及び長さ等のデータから構成されている。図9に示すように、ラインビードデータテーブルは、各ラインビードを構成する各節点の節点番号及びそのXY座標等のデータから構成されている。
(1−2−5)ホルダ情報データ
ホルダ情報データDT5は、ブランクホルダの形状及び材料特性に関するデータである。本実施形態では、具体的には、図10に示すように、ブランクホルダを構成する上下面層に関する上下面層情報データ、上下面層と該上下面層に介在する補強リブと下面層を支持するクッションピンとに関する物性データを有し、上下面層情報データは、上面層の厚さ、下面層の厚さとZ座標等のデータから構成されており、物性データは、上面層、下面層、ホルダリブ及びクッションピンの物性(例えば、ヤング率(縦弾性係数)、ポアソン比)等のデータから構成されている。
(1−2−6)ピン情報データ
ピン情報データDT6は、ブランクホルダを支持するクッションピンに関するデータである。具体的には、図11に示すように、各クッションピンのピン番号、基端部の位置に関する基端位置座標、直径等のデータから構成されている。
(1−2−7)リブ情報データ
リブ情報データDT7は、ブランクホルダの補強リブに関するデータである。具体的には、リブ配置線情報データテーブル、リブ断面寸法データを有している。図12(a)に示すように、リブ配置線情報データテーブルは、各リブの板厚中心を通る配置線を構成する複数の節点の節点番号とそのXY座標等から構成されている。図12(b)に示すように、リブ断面寸法データは、リブ番号と各リブの高さと幅等のデータから構成されている。
(1−2−8)ジョイント情報データ
ジョイント情報データDT8は、各クッションピンを傾動及び回動可能に支持するものと想定される仮想ジョイントに関するデータである。具体的には、図13に示すように、各仮想ジョイントのジョイント番号、中心節点座標、曲げ剛性、ねじり剛性、クッション力等のデータから構成されている。
(1−2−9)ピン支持節点群データ
ピン支持節点群データDT9は、各クッションピンの先端が支持する支持節点群に関するデータである。具体的には、図14に示すように、各クッションピンの支持節点群を構成する複数の節点の節点番号、節点座標、ピン番号、ジョイント番号等のデータから構成されている。
(1−2−10)金型解析モデルデータ
金型解析モデルデータDT10は、絞りビードを除いたダイフェース面のシェル要素データと、パンチのシェル要素データと、ブランクホルダの解析モデルであるホルダ解析モデルデータと、から構成されている。
(1−2−11)成形条件データ
成形条件データDT11は、絞りプレス成形時の成形条件であるブランクホルダのクッション力(しわ押さえ力)、パッド荷重等のパラメータから構成されている。
(1−2−12)FEM解析データ
最後に、成形解析部400において有限要素法によって数値解析されるFEM解析データについて説明する。FEM解析データには、積分点データテーブル、要素構成テーブル、材料属性データテーブル、節点座標テーブルが含まれている。以下、図15、図16を参照しながら各テーブルについて説明する。
図15に示すように、積分点データテーブルは、絞りプレス成形される成形品の形状モデルを構成する各シェル要素(以下、単に「要素」という)に含まれる積分点番号P1、P2…と、各積分点が含まれる要素番号E1、E2…と、各積分点の要素座標系での位置成分(X、Y、Z)と、応力成分(σXX、σXY、σXZ、σYX、σYY、σYZ、σZX、σZY、σZZ)と、ひずみ成分(εXX、εXY、εXZ、εYX、εYY、εYZ、εZX、εZY、εZZ)とから構成されている。
図16(a)に示すように、要素構成テーブルは、要素番号E1、E2…、各要素の材料番号M…、面内積分点数及び面外積分点数、各要素に含まれる第1節点番号、第2節点番号、第3節点番号及び第4節点番号N…から構成されている。
図16(b)に示すように、材料属性データテーブルは、材料番号M…、材料データから構成されている。
図16(c)に示すように、節点座標テーブルは、節点番号N1、N2…、各節点の全体座標系での位置成分(X、Y、Z)から構成されている。
(1−3)入力装置
入力装置13は、上述の各種データの入力、クッション力の設定値等の各種解析条件の設定または当該システムの制御等に用いられる。
(1−4)出力装置
出力装置14には、入力設定画面、板厚分布やひずみ分布等の解析結果等が表示される。例えば、出力装置14には、図17に示すように、成形解析の結果を示す絞りプレス成形品が三次元でグラフィック表示される。
(2)絞りプレス成形装置
上述の絞りプレス成形解析システム1によって解析を行う絞りプレス成形のための絞りプレス成形装置について、図18〜図21を参照しながら説明する。
図18に示すように、当該絞りプレス成形装置は、プレス金型として、ダイD、ブランクホルダH及びパンチPを有している。本実施形態において、上型となるダイDは、その下面に成形品の形状に合わせた形状のキャビティ(絞り込み部)Cを有する。下型となるブランクホルダHは、その中央にダイDのキャビティCの輪郭にほぼ沿った形状の開口を有し、その周囲の上面にダイDのキャビティCの周囲のダイフェース面に合わせた形状のしわ押さえ面を有する。同じく下型となるパンチPは、その外形はブランクホルダHの開口の形状に合わせた形状で若干小さく形成されており、その上面はダイDのキャビティCの形状に合わせた凸形状を有する。
また、本プレス金型は絞りビードを備えている。本実施形態の絞りビードは、下型となるブランクホルダHの上面であるしわ押さえ面に設けられた凸条Hbと、該凸条Hbに対向し、上型となるダイDの下面であるダイフェース面に設けられた凹溝Dbと、により構成されている。なお、絞りビードは、上記実施形態とは反対に、しわ押さえ面に凹溝Dbを設け、ダイフェース面に凸条Hbを設けてもよい。
本実施形態において、ブランクホルダHは、一体的に構成された鋳物等の金属で形成されており、必要な支持剛性を確保しながら軽量化するために、鋳物の一部に鋳抜きを行って中空化した構造、すなわち、上面層Lupが補強リブRを介して下面層Llowに支持された構造を有している。ここで、上面層Lupは、その上面にしわ押さえ面を形成し、下面層Llowは、その下面が鉛直方向に延びる複数のクッションピンHpによって支持されている。なお、本実施形態では、ブランクホルダHは、その四隅に、ブランクホルダHをガイドピン(図示しない)に対して鉛直方向に摺動自在に支持するための円筒状のガイドブッシュGbが設けられているが、これに限るものではなく、ガイドブッシュGbが設けられていなくてもよい。
図19は、図18のブランクホルダHが水平面で切断された下半分の断面斜視図である。図19に示すように、本実施形態のブランクホルダHは、ピンPが挿入される開口の内壁面を形成する補強リブRと、その内壁面から左右方向に延びる補強リブRが一体的に設けられている。
図20は、絞りプレス成形の成形工程を説明する説明図である。パンチPは、ブランクホルダHの開口の内部で昇降できるように、ブランクホルダHの開口の内壁面に対して間隙を設けて配置されている。図20(a)に示すように、ブランクホルダHに対してパンチPが最も下降した状態では、パンチPの最下端はブランクホルダHの開口の周囲の上面に対して同じ高さまたは低くなる。
このプレス成形装置を用いたプレス成形は、まず、図20(b)に示すように、製品の素材となる平板状のブランク材Bの周囲をダイDのキャビティCの周囲のダイフェース面とブランクホルダHのしわ押さえ面との間で所定のクッション力で挟んでしわ押さえを行う。このとき、ブランクホルダHの凸条Hbがブランク材Bを対向するダイDの凹溝Dbに押し込むことで、ブランク材Bにビードbを成形する。
次に、図20(c)に示すように、パンチPを上昇させ、ブランク材BをダイDのキャビティC内に押し込み、ブランク材Bの中央部をダイDとパンチPとの間に挟んで押圧する。
なお、この絞りプレス成形の際に、パンチPを固定してダイD及びブランクホルダHを昇降させてもよい。また、プレス金型は、下型をダイD、上型をパンチP及びブランクホルダHで構成してもよい。さらに、プレス成形は、冷間プレス又は熱間プレスのいずれであってもよい。
図21は、成形品の製造工程を説明する説明図である。上述のような図18に示したプレス成形装置によれば、図21(a)に示すような外形を有する平坦なブランク材Bから図21(b)に示すような成形品を成形することができる。この成形品は、製品面部Sとその周囲のしわ押さえ面部等から構成されており、製品面部Sは、上述の成形装置のパンチPとダイDとの間のキャビティC内で主に成形され、しわ押さえ面部は、ブランクホルダHとダイDとの間で成形される。また、しわ押さえ面部には、ダイDの凹溝DbとブランクホルダHの凸条Hbの間でビードbが成形される。
なお、この成形品を製品面部Sの外形線である製品形状外形線Lsに沿って打ち抜くと、図21(c)に示すような製品を得ることができる。
(3)絞りプレス成形解析システムによる絞りプレス成形解析方法
絞りプレス成形解析システムによる絞りプレス成形解析方法について以下に説明する。
(3−1)絞りプレス成形解析方法の全体的な流れ
図22のフローチャートに示されたメインルーチンの処理手順に従って、絞りプレス成形解析方法の全体的な流れについて説明する。
まず、金型形状データ取得部110によって、金型形状データDT1をデータ記憶部12Bから取得する(ステップS1)。
次に、金型基本モデルデータ取得部120によって、取得された金型形状データDT1に基づいて金型基本モデルデータを生成して取得する(ステップS2)。
次に、ホルダ情報取得部130によって、ホルダ情報データDT5をデータ記憶部12Bから取得する(ステップS3)。
次に、リブ情報取得部140によって、リブ情報データDT7をデータ記憶部12Bから取得する(ステップS4)。
次に、ピン情報取得部150によって、ピン情報データDT6をデータ記憶部12Bから取得する(ステップS5)。
次に、ホルダ解析モデル生成部200によって、生成された金型基本モデルデータと、取得されたホルダ情報データDT5、ピン情報データDT6及びリブ情報データDT7に基づいてホルダ解析モデルデータを生成する(ステップS6)。
最後に、絞りプレス成形解析部200によって、金型解析モデルデータDT10、成形条件データDT11及びブランク材情報データDT2等に基づいて絞りプレス成形の成形解析を行う(ステップS7)。
以上により、絞りプレス成形解析を行うことができる。
(3−2)ホルダ解析モデルの生成方法
次に、上述のフローチャートのサブルーチンであるホルダ解析モデル生成(ステップS6)について、図25から図27を参照しながら、図23のフローチャートに従って説明する。なお、図23は、図22のホルダ解析モデル生成のサブルーチンのフローチャートである。また、図25は、第1実施形態の金型解析モデルを示す斜視図であり、図26は、図25のホルダ解析モデルの内部構造を示す断面斜視図であり、図27は、図25のピンの先端部及び基端部のモデル構造をそれぞれ示す拡大斜視図である。
まず、リブ情報データDT7のリブ配置線情報データテーブルに基づいて、リブ配置線情報投影部210によって補強リブRの配置線情報(各リブの板厚中心を通る配置線を構成する複数の節点のXY座標)を上面層Lup及び下面層Llowの位置に鉛直方向に投影する(ステップS11)。ここで、上面層Lupの位置は、所定の板厚を有する実際の上面層の上面におけるZ方向の位置である。また、下面層Llowの位置は、所定の板厚を有する実際の下面層の板厚中心におけるZ方向の位置であり、ホルダ情報データDT5の上下面層情報データにおいて下面層のZ座標として示されている。
次に、上面層Lup及び下面層Llowの位置に投影された配置線間を鉛直方向に亘るように、リブシェル要素生成部220によって補強リブRを変形可能なシェル要素によってモデル化したリブシェルモデルを生成する(ステップS12)。図26に示すように、本実施形態において、ブランクホルダHの開口の内壁面も補強リブとしてシェル要素によってモデル化され、リブシェルモデルに含まれている。
次に、取得されたホルダ情報データDT5の上下面層情報データ等に基づいて、下面層シェル要素生成部230によってブランクホルダHの下面層Llowを変形可能なシェル要素によってモデル化した下面層シェルモデルを生成する(ステップS13)。ここまでのステップで、上面層シェルモデル、下面層シェルモデル及びリブシェルモデルからなるブランクホルダHをシェル要素でモデル化したホルダシェルモデルが取得される。
次に、取得されたホルダ情報データDT5の物性データ、金型シェル要素データDT3等に基づいて、上下面層シェル要素断面特性定義部270によってブランクホルダHの上面層Lup(しわ押さえ面)及び下面層Llowの各シェル要素に断面特性を定義する(ステップS14)。
次に、取得されたホルダ情報データDT5の物性データ、生成されたリブシェルモデル等に基づいて、リブシェル要素断面特性定義部250によってリブシェルモデルの各シェル要素に断面特性(ヤング率、ポアソン比等)を定義する(ステップS15)。
次に、取得されたホルダ情報データDT5の物性データ、生成されたリブシェルモデル等に基づいて、リブ上下面層接合部260によってリブシェルモデルのシェル要素上端を上面層とリブ上部の辺との接触定義により接着すると共に、リブシェルモデルのシェル要素下端を下面層との交差部で節点共有することで一体化する(ステップS16)。
次に、取得されたホルダシェルモデル、ホルダ情報データDT5及びピン情報データDT6に基づいて、ジョイント剛性算出部270によって仮想ジョイントJのジョイント剛性(曲げ剛性EI、ねじり剛性GJ)を算出する(ステップS17)。
ここで、図27(b)に示すように、ホルダ解析モデルにおいて各ピンHpは、その基端部が仮想ジョイントJを介して支持されている。仮想ジョイントJを介して基端部が支持された各ピンHpは、鉛直方向に対して所定の曲げ剛性を持って傾動可能であり、かつ、その鉛直軸心周りを所定のねじり剛性を持って回動可能であるものとして扱われる。
次に、ジョイント中心節点設定部280によって、各ピンHpの基端部を各仮想ジョイントJの中心節点Oとして設定する(ステップS18)。
ここで、図27(a)に示すように、ホルダ解析モデルにおいて、仮想ジョイントJは、設定された中心節点Oを中心点として回転及び傾動が可能なものとして設定される。
次に、ジョイント剛性定義部290によって、設定された各仮想ジョイントJの回転部の中心節点Oに、算出されたジョイント剛性EI、GJを定義する(ステップS19)。
次に、ピン支持節点群設定部300によって、下面層Llow上のピンHpの投影位置Qに節点群A〜Aを設定する(ステップS20)。
ここで、図27(a)に示すように、本実施形態の場合、ピンHpを円形断面を有する丸棒と仮定して、各ピンHpの先端部の円形断面Qに含まれる下面層シェル要素を構成する複数の節点A〜Aが、各ピンHpの先端部よって支持される節点群として設定される。
次に、中心節点節点群対応付け部310によって、各仮想ジョイントJの回転部の中心節点Oと投影先の節点群A〜Aを剛体拘束することによって、設定された中心節点Oと節点群A〜Aとを各ピンHpについて対応付けする(ステップS21)。
最後に、クッション力割当部320によってブランクホルダHに加えられるクッション力Fを各仮想ジョイントJの中心節点Oに分力fとして割り当てを行う(ステップS22)。
そして、当該サブルーチンを終了して上述のメインルーチンに戻る。
以上により、図25に示すように、ブランクホルダHのホルダ解析モデルを生成することができた。
(3−3)ジョイント剛性算出
更に、図24のフローチャートに従って、ジョイント剛性算出部270によるジョイント剛性算出方法(ステップS14)について、図25を適宜参照しながら説明する。なお、図24は、図23のジョイント剛性算出のサブルーチンのフローチャートである。
まず、ピンHpを先端集中荷重を受ける円形断面の片持ち梁と仮定して、取得されたホルダ情報データDT5、ピン情報データDT6等に基づいて、各ピンHpの曲げ剛性EIを算出する(ステップS31)。
ここで、各ピンHpに関するヤング率をE、断面二次モーメントをIとすると、各ピンHpの曲げ剛性は、ヤング率と断面二次モーメントの積EIとして表される。また、各ピンHpの全長をLとすると、ピンHpの先端のたわみ角θとピンHpの先端に作用するモーメントMの関係は、このたわみ角θが微小である仮定すると、次の近似式(1)で表すことができる。なお、ピンHpの直径をDとすると、断面二次モーメントIは、次式(2)によって算出される。また、各ピンHpの全長Lは、下面層LlowのZ座標と各ピンHpの基端位置のZ座標から算出される。
この金型解析モデルでは、上述のピンHpのたわみ角θとモーメントMの関係は、仮想ジョイントJの回転角θとモーメントMの関係として置き換えられる。
次に、ピンHpをねじれを受ける丸棒と仮定して、取得されたホルダ情報データDT5、ピン情報データDT6等に基づいて、各ピンHpのねじり剛性GJを算出する(ステップS32)。
ここで、各ピンHpに関する横弾性係数(せん断弾性係数)をG、断面二次極モーメントをJとすると、各ピンHpのねじり剛性は、横弾性係数と断面二次極モーメントの積GJとして表される。また、各ピンHpの全長をLとすると、ピンHpの先端のねじれ角φとピンHpの先端に作用するモーメントMとの関係は、このねじれ角φが微小である仮定すると、次の近似式(3)で表すことができる。なお、ピンHpの直径をDとすると、断面二次極モーメントJは、次式(4)によって算出される。また、ヤング率をE、ポアソン比をνとすると、横弾性係数Gは、次式(5)によって算出される。
この金型解析モデルでは、上述のピンHpの先端のねじれ角φとモーメントMの関係は、仮想ジョイントJの鉛直軸心周りの回転角φとモーメントMの関係として置き換えられる。
以上のステップを実行すると、当該サブルーチンを終了して上述のメインルーチンに戻る。
以上により、各仮想ジョイントJのジョイント剛性として、曲げ剛性EI及びねじり剛性GJを算出することができる。なお、上述のように算出された曲げ剛性EI及びねじり剛性GJは、必要に応じてスケーリングによって調整を行ってもよい。
(4)絞りプレス成形解析システムの効果
本発明者は、本実施形態の絞りプレス成形解析システムによる解析結果に関して、流入量、たわみ量及び解析時間の観点で効果測定を行った。以下で、図28から図32を参照しながら、この効果測定について説明する。
(4−1)流入量
図28(a)は、プレス成形前のブランク材Bの解析モデルであり、図28(b)は、ブランク材Bを所定のしわ押さえ力でプレス成形した後の解析モデルを示している。なお、ブランク材Bの周縁部にあるP1からP8は、十分なサンプル数が得られる個数の略等間隔に配置された流入量の測定点を示している。
図28に示すように、本実施形態のブランク材Bは、P1からP8のいずれにおいても、+Y方向及び−Y方向から中央に向かって流入している。
図29は、ブランク材Bを変形可能なシェル要素でモデル化した本発明の解析モデルと、ソリッド要素でモデル化したソリッドモデルと、変形しないシェル要素でモデル化した剛体シェルモデルとを用いて成形解析を行った場合のブランク材Bの各点P1〜P8における流入量を比較したグラフである。また、図30は、図29の流入量の比較結果をグラフ化したものであり、比較例1のソリッドモデルを基準に、本発明の解析モデルと比較例2の剛体シェルモデルとを比較した平均二乗誤差(RMSE)を示すグラフである。
図29に示すように、本発明とソリッドモデルと剛体シェルモデルはいずれも各点P1〜P8における流入量の傾向が似ているが、特に、ブランク材BのX方向の両端にあるP1、P4、P5及びP8において、剛体シェルモデルの流入量が他のモデルよりも大きかった。
また、図30に示すように、ソリッドモデルを基準にした剛体シェルモデルでの流入量の平均二乗誤差は0.94mmであり、ソリッドモデルを基準にした本発明の解析モデルでの流入量の平均二乗誤差は0.24mmであった。したがって、本発明の解析モデルは、剛体シェルモデルに比べて、ソリッドモデルと流入量の点で良く一致している、すなわち実際に成形したときの流入量により近い解析結果が得られることがわかった。
(4−2)たわみ量
本発明の解析モデルとソリッドモデルとでそれぞれ成形解析した際のブランクホルダのたわみ量の比較を行った。図31(a)と図31(b)は、本発明の解析モデルとソリッドモデルによるブランクホルダのたわみ量の等高線をそれぞれ示すブランクホルダの平面図である。なお、中央付近の8個の○は、ピンによる支持位置を示している。ブランクホルダのたわみ量の等高線は、各図の中央から外側に向かってたわみ量が小さくなるように分布している。
図31(a)、(b)に示すように、本発明とソリッドモデルは共に、各たわみ量の等高線が各図の左上から右下にかけて延びる平行四辺形状に分布しており、本発明の解析モデルは、ソリッドモデルの場合のたわみの傾向を良く再現している。
(4−3)解析時間
図32は、各解析モデルでの解析時間を比較したグラフである。図32に示すように、各解析時間は、本発明が16.8分、ソリッドモデルが21.9分、剛体シェルモデルが11.4分であった。すなわち、ソリッドモデルの解析時間は、剛体シェルモデルの解析時間の約2倍の長さであり、本発明の解析モデルは、これらソリッドモデルと剛体シェルモデルのおおよそ中間の長さであった。
以上から、本実施形態の絞りプレス成形解析システムによれば、ソリッドモデルによる解析時間よりも解析時間を大幅に短縮しながら、ソリッドモデルによる解析結果と同等に高い精度を有する、すなわち従来よりも実際の成形結果により近い解析結果を得られることが分かった。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る絞りプレス成形解析システムについて、図33、図34を参照しながら説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の構成要素については、その説明を省略する。図33は、第2実施形態の金型解析モデルを示す斜視図であり、図34は、第2実施形態のホルダ解析モデルの生成方法を示すフローチャートである。
図33に示すように、第2実施形態のブランクホルダHの解析モデルは、下層面がモデル化されていない簡易的な解析モデルであって、上層面が変形可能なシェル要素でモデル化された上層面シェルモデルと、上層面上にリブRがビーム要素でモデル化されたリブビームモデルとから構成されている点でのみ、第1実施形態の場合と異なる。
図34に示すように、第2実施形態のホルダ解析モデル生成方法は、まず、リブ情報データDT7のリブ配置線情報データテーブルに基づいて、リブ配置線情報投影部によって補強リブRの配置線情報(各リブの板厚中心を通る配置線を構成する複数の節点のXY座標)を上面層Lupの位置に鉛直方向に投影する(ステップS41)。ここで、上面層Lupの位置は、所定の板厚を有する実際の上面層の上面におけるZ方向の位置である。
次に、上面層Lupの位置に投影された配置線、リブビーム要素生成部によって補強リブRをビーム要素によってモデル化したリブビームモデルを生成する(ステップS42)。図33に示すように、本実施形態において、ブランクホルダHの開口の内壁面も補強リブRとしてビーム要素によってモデル化され、リブビームモデルに含まれている。
次に、取得されたホルダ情報データDT5の物性データ、金型シェル要素データDT3等に基づいて、上面層シェル要素断面特性定義部によってブランクホルダHの上面層Lup(しわ押さえ面)の各シェル要素に断面特性を定義する(ステップS43)。
次に、取得されたホルダ情報データDT5の物性データ、生成されたリブビームモデル等に基づいて、リブビーム要素断面特性定義部によってリブビームモデルの各ビーム要素に断面特性(ヤング率、ポアソン比等)を定義する(ステップS44)。
次に、取得されたホルダ情報データDT5の物性データ、生成されたリブビームモデル等に基づいて、リブ上面層接合部によってリブシェルモデルのシェル要素上端を上面層とリブ上部の辺との接触定義により接着する(ステップS45)。
以下のステップS46からS51は、前述の第1実施形態のステップS17からS22と同様の処理が実行されるので説明を省略する。
以上により、本発明の第2実施形態に係る絞りプレス成形解析システムによれば、ブランクホルダの補強リブによる影響を考慮しながら、第1実施形態よりも簡易的なホルダ解析モデルを作成することができる。
(5)絞りプレス成形解析システムの特徴
第1及び第2実施形態の絞りプレス成形解析システム10によれば、ブランクホルダを変形可能なシェル要素によってモデル化したシェルモデルと、ブランクホルダの材料特性に関するホルダ情報が取得されると共に、ピンの位置、形状及び材料特性に関するピン情報が取得され、更に、各ピンが曲げ変形せず、その基端部が仮想ジョイントを介して支持され、各ピンが鉛直方向に対して所定の曲げ剛性を持って傾動可能であり、かつ、その軸心周りを所定のねじり剛性を持って回動可能であるものとして扱われる仮想ジョイントを設定してホルダ解析モデルが生成される。そのため、ダイフェース設計時点で設計されるダイフェース面の形状と、ブランクホルダの構造の大まかな情報(厚さ、材質、クッションピンの配置、リブ)からホルダ解析モデルを生成して、このホルダ解析モデルを用いて成形途中のブランクホルダのたわみ量の変化をシミュレーションによって再現することができる。また、ホルダ解析モデルは変形可能なシェルモデルから生成されているので、剛体シェルモデルを用いる従来の解析と同等の比較的短い解析時間で、ソリッド要素を用いる従来の解析と同等の比較的高い解析精度を実現することができる。したがって、本発明によれば、通常の設計ルーチンの中で、工数の増加を抑制しながら、精度の高い解析を行うことができる。
また、第1及び第2実施形態の絞りプレス成形解析システム10によれば、ブランクホルダのシェルモデルに対して各ピンを鉛直方向に投影した位置にある複数のシェル要素の頂点となる節点群に、ピンの傾動や回動によるモーメントや、ピンを介してブランクホルダに加えられるクッション力を加えることができるので、実際の絞りプレス成形及びソリッド要素による従来の解析と同様に、ピンの太さ、位置等も考慮した解析を行うことができる。
また、第1実施形態の絞りプレス成形解析システム10によれば、上面層が補強リブを介して下面層に支持された構造を有するブランクホルダのホルダ解析モデルを生成することができるので、実際の金型の構造により近い金型解析モデルを用いて、更に高い精度の解析を行うことができる。
また、第1及び第2実施形態の絞りプレス成形解析システム10によれば、絞りビードを形状ビードとしてモデル化した場合に比べて、解析時間の増加を抑制することができる。
なお、本発明は例示された実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述の実施形態では、補強リブを備えたブランクホルダについて説明したが、これに限定されず、補強リブを有さないブランクホルダであってもよい。
また、上述の実施形態では、絞りビードをラインビードでモデル化した場合について説明したが、これに限定されず、絞りビードを形状ビードでモデル化してもよい。
また、上述の実施形態では、ピンは、伸縮しないものとしてモデル化した場合について説明したが、これに限定されず、伸縮可能なピストン状の仮想ジョイントを更に設けることによって、ピンをその軸心方向に所定のばね剛性を持って伸縮可能なものとしてモデル化してもよい。これによれば、実際の絞りプレス成形で発生するピンの伸縮も考慮した解析を行うことができる。
また、上述の実施形態では、金型基本モデルデータ取得部120は、金型形状データ取得部110によって取得された金型形状データに基づいて金型シェル要素データDT3等を生成して取得する場合について説明したが、これに限定されず、金型基本モデルデータ取得部120は、他の解析システム等によって既に生成されたパンチ、ダイ又はホルダシェル要素データ等を含む金型シェル要素データDT3を単に取得してもよい。
また、上述の実施形態では、金型解析モデル生成部100と成形解析部400が共に処理装置11に設けられているが、成形解析部400のみを他の処理装置に設けて、処理装置11に設けられた金型解析モデル生成部100で生成された金型解析モデルを成形解析部400が設けられた他の処理装置にデータ転送するようにしてもよい。
更に、上述の実施形態では、変形しないピンの基端部を支持する仮想ジョイントを設けた場合について説明したが、本発明の変形例として、仮想ジョイントを設けずに、ピンを変形可能なビーム要素でモデル化することも考えられる。以下に、この変形例に係る絞りプレス成形解析システムについて、図35、図36を参照しながら説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の構成要素については、その説明を省略する。
[変形例]
図35は、変形例の金型解析モデルのうちのピン以下の構成を示す斜視図であり、図36は、変形例のホルダ解析モデルの生成方法を示すフローチャートである。
図35に示すように、変形例のピンHp’の解析モデルは、たわみ変形及び伸縮が可能なビーム要素でモデル化されたピンビームモデルであって、仮想ジョイントが設けられていない点でのみ、第1実施形態の場合と異なる。
なお、各ピンHp’は、その先端の節点が上面層(しわ押さえ面)上の節点群Q(図示しない)と剛体拘束されている。
図36に示すように、変形例のホルダ解析モデル生成方法は、ステップS61からS66は、前述の第1実施形態のステップS11からS16と同様の処理が実行されるので説明を省略する。
次に、取得されたホルダ情報データDT5、ピン情報データDT6等に基づいて、各ピンHp’について、たわみ変形及び伸縮が可能なビーム要素を生成する(ステップS67)。
次に、取得されたホルダ情報データDT5の物性データ、生成されたピンHp’のビーム要素等に基づいて、ピンHp’の各ビーム要素に断面特性を定義する(ステップS68)。
次に、各ピンHp’のビーム要素下端に節点群Sを作成する(ステップS69)。具体的には、全てのピンHp’の下端の節点を含む節点群Sを作成して剛体拘束する。
最後に、クッション力割当部によってブランクホルダHに加えられるクッション力Fを各ピンHp’のビーム要素下端の節点群Sに分力fとして割り当てを行う(ステップS70)。
なお、上述のように節点群を作成して、この節点群に荷重を与える代わりに、ピンHp’の下端に剛体のダミーパートを作成して、このダミーパートと各ピンHp’の下端と節点共有させ、このダミーパートに荷重を与えてもよい。
そして、当該サブルーチンを終了して上述のメインルーチンに戻る。
以上により、この変形例に係る絞りプレス成形解析システムによれば、第1実施形態のように仮想ジョイントを設けることなく、実際のピンと同様にたわみ変形及び伸縮が可能なピンとしてモデル化した金型解析モデルを作成することができる。
なお、上述の変形例では、第1実施形態と同様に、ホルダ解析モデルがシェル要素でモデル化された上面層と下面層と補強リブからなるものについて説明したが、これに限定されず、ブランクホルダがシェル要素でモデル化された上面層のみからなるもの、シェル要素でモデル化された上面層とビーム要素でモデル化された補強リブからなるもの等に適用してもよい。
以上のように、本発明によれば、通常の設計ルーチンの中で、工数の増加を抑制しながら、精度の高い解析を行うことが可能な金型解析モデルを生成することができるので、自動車の車体構成用等のパネル部品の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
10: 絞りプレス成形解析システム
100: 金型解析モデル生成部
120: 金型基本モデルデータ取得部(ホルダシェル要素データ取得部)
130: ホルダ情報取得部
140: リブ情報取得部
150: ピン情報取得部
200: ホルダ解析モデル生成部
210: リブ配置線情報投影部
220: リブシェル要素生成部
230: 下面層シェル要素生成部
240: 上下面層シェル要素断面特性定義部
250: リブシェル要素断面特性定義部
260: リブ上下面層接合部
270: ジョイント剛性算出部
280: ジョイント中心節点設定部
290: ジョイント剛性定義部
300: ピン支持節点群設定部
310: 中心節点節点群間対応付け部
320: クッション力割当部
400: 成形解析部

Claims (7)

  1. ダイと、パンチと、複数のクッションピンによって支持されたブランクホルダと、を備えるプレス成形金型を用いた絞りプレス成形を有限要素法によって解析するための前記金型の解析モデルを生成する絞りプレス成形金型解析モデル生成システムであって、
    前記ブランクホルダを変形可能なシェル要素によってモデル化したシェルモデルのシェル要素データを取得するホルダシェル要素データ取得部と、
    前記ブランクホルダの材料特性に関するホルダ情報を取得するホルダ情報取得部と、
    前記クッションピンの位置、形状及び材料特性に関するピン情報を取得するピン情報取得部と、
    取得された前記ホルダシェル要素データ、前記ホルダ情報及び前記ピン情報に基づいて、各クッションピンが曲げ変形せず、その基端部が仮想ジョイントを介して支持され、各クッションピンが鉛直方向に対して所定の曲げ剛性を持って傾動可能であり、かつ、その軸心周りを所定のねじり剛性を持って回動可能であるものとして扱われる前記仮想ジョイントを設定して前記ブランクホルダの解析モデルを生成するホルダ解析モデル生成部と、を有する
    ことを特徴とする絞りプレス成形金型解析モデル生成システム。
  2. 前記ホルダ解析モデル生成部は、
    取得された前記ホルダ情報及び前記ピン情報に基づいて、各クッションピンの前記曲げ剛性及び前記ねじり剛性を算出するジョイント剛性算出部と、
    各クッションピンの基端位置を、該クッションピンの傾動中心となる前記仮想ジョイントの中心節点として設定するジョイント中心節点設定部と、
    該ジョイント中心節点設定部によって設定された各中心節点に、前記ジョイント剛性算出部によって算出された前記曲げ剛性及び前記ねじり剛性を定義するジョイント剛性定義部と、
    前記ブランクホルダの前記シェルモデルに対して各クッションピンを鉛直方向に投影した位置にある複数のシェル要素の頂点となる節点群を、各クッションピンによって支持された前記ブランクホルダの節点群として設定するピン支持節点群設定部と、
    前記ジョイント中心節点設定部によって設定された前記仮想ジョイントの中心節点と、該中心節点を傾動中心とする前記クッションピンを鉛直方向に投影した位置にある、前記ピン支持節点群設定部によって設定された各節点群と、を互いに対応付ける中心節点節点群間対応付け部と、
    前記ブランクホルダのクッション力を各仮想ジョイントに分配してその中心節点に割り当てるクッション力割当部と、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の絞りプレス成形金型解析モデル生成システム。
  3. 前記ブランクホルダは、上面層が補強リブを介して下面層に支持された構造を有し、該下面層が複数の前記クッションピンによって支持されており、
    前記補強リブの材料特性を取得するリブ情報取得部を有しており、
    前記ホルダシェル要素データ取得部は、前記ブランクホルダの前記上面層を変形可能なシェル要素によってモデル化した上面層シェル要素を取得し、
    前記ホルダ解析モデル生成部は、
    前記補強リブの配置線情報を前記上面層及び前記下面層の位置に投影するリブ配置線情報投影部と、
    前記補強リブを変形可能なシェル要素によってモデル化したリブシェルモデルを生成するリブシェル要素生成部と、
    前記下面層のシェル要素を生成する下面層シェル要素生成部と、
    前記上面層及び前記下面層の各シェル要素に断面特性を定義する上下面層シェル要素断面特性定義部と、
    前記補強リブの各シェル要素に断面特性を定義するリブシェル要素断面特性定義部と、 前記補強リブのシェル要素上下端と前記上面層及び前記下面層とをそれぞれ接合する前記リブ上下面層接合部と、を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の絞りプレス成形金型解析モデル生成システム。
  4. 前記ホルダ解析モデル生成部は、前記クッションピンをその軸心方向に所定のばね剛性を持って伸縮可能であるものとして扱われるように設定する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の絞りプレス成形金型解析モデル生成システム。
  5. 前記ブランクホルダは、そのしわ押さえ面に絞りビードが形成されており、
    前記金型解析モデル生成部は、前記絞りビードによる抵抗力を数値モデル化した等価ビードを用いる
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の絞りプレス成形金型解析モデル生成システム。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載された絞りプレス成形金型解析モデル生成システムによって生成された前記金型解析モデルと、設定された解析条件とに基づいて、有限要素法によって絞りプレス成形の解析を行う成形解析部を有する
    ことを特徴とする絞りプレス成形解析システム。
  7. ダイと、パンチと、複数のクッションピンによって支持されたブランクホルダと、を備えるプレス成形金型を用いた絞りプレス成形を有限要素法によって解析するための前記金型の解析モデルを生成する絞りプレス成形金型解析モデル生成プログラムであって、
    コンピュータを
    前記ブランクホルダを変形可能なシェル要素によってモデル化したシェルモデルのシェル要素データを取得するホルダシェル要素データ取得部と、
    前記ブランクホルダの材料特性に関するホルダ情報を取得するホルダ情報取得部と、
    前記クッションピンの位置、形状及び材料特性に関するピン情報を取得するピン情報取得部と、
    取得された前記ホルダシェル要素データ、前記ホルダ情報及び前記ピン情報に基づいて、各クッションピンが曲げ変形せず、その基端部が仮想ジョイントを介して支持され、各クッションピンが鉛直方向に対して所定の曲げ剛性を持って傾動可能であり、かつ、その軸心周りを所定のねじり剛性を持って回動可能であるものとして扱われる前記仮想ジョイントを設定して前記ブランクホルダの解析モデルを生成するホルダ解析モデル生成部と、として機能させる
    ことを特徴とする絞りプレス成形金型解析モデル生成プログラム。
JP2016065554A 2016-03-29 2016-03-29 絞りプレス成形金型解析モデル生成システム及びプログラム、並びに、絞りプレス成形解析システム Active JP6619278B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016065554A JP6619278B2 (ja) 2016-03-29 2016-03-29 絞りプレス成形金型解析モデル生成システム及びプログラム、並びに、絞りプレス成形解析システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016065554A JP6619278B2 (ja) 2016-03-29 2016-03-29 絞りプレス成形金型解析モデル生成システム及びプログラム、並びに、絞りプレス成形解析システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017182265A true JP2017182265A (ja) 2017-10-05
JP6619278B2 JP6619278B2 (ja) 2019-12-11

Family

ID=60006994

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016065554A Active JP6619278B2 (ja) 2016-03-29 2016-03-29 絞りプレス成形金型解析モデル生成システム及びプログラム、並びに、絞りプレス成形解析システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6619278B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108875188A (zh) * 2018-06-08 2018-11-23 江铃汽车股份有限公司 汽车车身接头的优化方法与装置
CN109726435A (zh) * 2018-12-04 2019-05-07 中国航空工业集团公司西安飞机设计研究所 一种接头钉群载荷计算的方法
JP2021071738A (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 Jfeスチール株式会社 プレス成形シミュレーション方法
JP7020599B1 (ja) * 2020-09-02 2022-02-16 Jfeスチール株式会社 プレス部品の製造方法、金型の設計方法、金型形状設計装置、及び金型

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002219523A (ja) * 2001-01-29 2002-08-06 Toyota Motor Corp プレス成形解析方法
WO2016017775A1 (ja) * 2014-07-30 2016-02-04 新日鐵住金株式会社 モデル設定方法、成形シミュレーション方法、成形用工具の製造方法、プログラム、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体および有限要素モデル

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002219523A (ja) * 2001-01-29 2002-08-06 Toyota Motor Corp プレス成形解析方法
WO2016017775A1 (ja) * 2014-07-30 2016-02-04 新日鐵住金株式会社 モデル設定方法、成形シミュレーション方法、成形用工具の製造方法、プログラム、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体および有限要素モデル

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
石渡亮伸ほか: "金型変形考慮によるハイテン部品スプリングバック予測の高精度化", 材料とプロセス, vol. 第28巻 第1号, JPN6019040398, 1 March 2015 (2015-03-01), JP, pages 43 - 46, ISSN: 0004138069 *

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108875188A (zh) * 2018-06-08 2018-11-23 江铃汽车股份有限公司 汽车车身接头的优化方法与装置
CN108875188B (zh) * 2018-06-08 2022-08-02 江铃汽车股份有限公司 汽车车身接头的优化方法与装置
CN109726435A (zh) * 2018-12-04 2019-05-07 中国航空工业集团公司西安飞机设计研究所 一种接头钉群载荷计算的方法
CN109726435B (zh) * 2018-12-04 2022-11-22 中国航空工业集团公司西安飞机设计研究所 一种接头钉群载荷计算的方法
JP2021071738A (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 Jfeスチール株式会社 プレス成形シミュレーション方法
JP7111085B2 (ja) 2019-10-29 2022-08-02 Jfeスチール株式会社 プレス成形シミュレーション方法
JP7020599B1 (ja) * 2020-09-02 2022-02-16 Jfeスチール株式会社 プレス部品の製造方法、金型の設計方法、金型形状設計装置、及び金型
WO2022049905A1 (ja) * 2020-09-02 2022-03-10 Jfeスチール株式会社 プレス部品の製造方法、金型の設計方法、金型形状設計装置、及び金型

Also Published As

Publication number Publication date
JP6619278B2 (ja) 2019-12-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6619278B2 (ja) 絞りプレス成形金型解析モデル生成システム及びプログラム、並びに、絞りプレス成形解析システム
EP3151138A1 (en) Model configuration method, forming simulation method, manufacturing method for forming tool, program, computer readable recording medium with program stored therein, and finite element model
JP4633625B2 (ja) メタルシート成形段階のジオメトリモデルの決定
US5379227A (en) Method for aiding sheet metal forming tooling design
KR102473091B1 (ko) 차체 부품의 감도 해석 방법 및 장치, 차체 부품의 재료 특성 결정 방법
US5390127A (en) Method and apparatus for predicting post-buckling deformation of sheet metal
US20110218778A1 (en) Method for Determining the Deformability of a Body
US11281186B2 (en) Deformation-based additive manufacturing optimization
JP5941320B2 (ja) 金型形状シミュレーションシステム、プログラム及び方法
Mole et al. A 3D forming tool optimisation method considering springback and thinning compensation
JP4371985B2 (ja) 応力解析方法、プログラムおよび記録媒体
Sena et al. On the use of EAS solid‐shell formulations in the numerical simulation of incremental forming processes
JP7446579B2 (ja) 曲面のフィッティング処理方法、フィッティング処理装置およびフィッティング処理プログラム、並びに、該フィッティング処理プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体
JP3978377B2 (ja) 成形シミュレーション解析方法
JP6397149B1 (ja) 金型たわみモデル作成システム、および金型たわみモデル作成プログラム
CN109388840A (zh) 用于具有预定义负载路径和对应网格调整方案的金属成型过程的数值模拟的专用编程计算机
JP2003020236A (ja) ガラス板の自重曲げ分割成形型の設計方法
JP5389841B2 (ja) スプリングバック解析方法、スプリングバック解析装置、プログラム、及び記憶媒体
JP5462201B2 (ja) 成形解析方法、成形解析装置、プログラム、及び記憶媒体
CN112380727A (zh) 工业软件框架中机理模型库及其调用方法
JP2002530197A (ja) 異方性金属板成形のモデル化法
JP2006516932A (ja) プレスをモデル化するためのソフトウェア
JPH07200640A (ja) 板成形解析用要素の分割方法及び装置
Barros et al. Trimming of 3D solid finite element meshes: sheet metal forming tests and applications
JP2002045920A (ja) プレス成形シミュレーション用計算安定化方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191010

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191029

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6619278

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250