JP2017181686A - 電子楽器、及び電子楽器用アンプ制御回路 - Google Patents

電子楽器、及び電子楽器用アンプ制御回路 Download PDF

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芳徳 中西
Yoshinori Nakanishi
芳徳 中西
川口 剛
Takeshi Kawaguchi
剛 川口
宏之 浅原
Hiroyuki Asahara
宏之 浅原
範匡 北川
Norimasa Kitagawa
範匡 北川
健太朗 服部
Kentaro Hattori
健太朗 服部
大 青谷
Masaru Aotani
大 青谷
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Abstract

【課題】楽音信号を増幅して外部スピーカーへ出力するサラウンドアンプを搭載した電子鍵盤楽器において、消費電力を低減する。【解決手段】電子ピアノ10には、演奏モード、及びリバーブモジュール18により生成される残響音信号の特性を示すリバーブ特性を設定する演奏モードセレクタ24、外部スピーカー群28に楽音信号を出力するサラウンドアンプ群26、サラウンドアンプ群26の制御を行うアンプセレクタ36が搭載される。アンプセレクタ36は、演奏モードセレクタ24により設定された演奏モードあるいはリバーブ特性に基づいて、サラウンドアンプ群26の中から楽音信号が入力されない未使用サラウンドアンプを特定し、特定した未使用サラウンドアンプを低消費電力モードに設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、電子楽器および電子楽器用アンプ制御回路に関する。
従来、例えば電子ピアノなどの電子楽器が知られている。電子楽器には内蔵スピーカーが設けられる場合があり、この場合は当該内蔵スピーカーから楽音が出力される。また、電子楽器には、アンプ(増幅回路)により増幅されていないラインレベルの楽音信号が出力されるラインアウト端子が設けられる場合がある。ラインアウト端子によれば、ラインレベルの楽音信号を外部アンプで増幅した上で外部スピーカーから楽音を出力することができる。
電子楽器も電子機器の1つであることから、消費電力を低減することが求められている。従来、電子楽器の消費電力を低減させるための技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、電子鍵盤楽器に接続された外部スーパーウーファの消費電力を低減することで、電子鍵盤楽器を含む演奏環境全体としての消費電力を低減させる技術が開示されている。具体的には、音量が小さい場合には外部スーパーウーファの聴感上の効果が乏しいことに鑑み、マスターボリュームが所定値以下である場合に外部スーパーウーファの機能を停止させることで、外部スーパーウーファの消費電力を低減している。
また、特許文献2には、Lch用とRch用の2つの内蔵スピーカーと、それぞれに対して増幅した楽音信号を供給する2つの内蔵アンプを備えた電子鍵盤楽器において、当該電子鍵盤楽器を駆動する電池の残電力量が所定値以下となった場合に、2つの内蔵アンプの一方の機能を停止することで、電子鍵盤楽器の消費電力を低減させている。
特開2007−81812号公報 特許第3587485号
コンパクトな構成によって、電子楽器から出力される楽音の空間的な拡がり感(例えばホール感)を得るために、外部スピーカーを直接(外部アンプを介さずに)接続可能な電子楽器が望まれている。外部スピーカーを直接電子楽器に接続するためには、増幅された楽音信号を外部スピーカーへ出力するサラウンドアンプを電子楽器に搭載する必要がある。
しかしながら、アンプは消費電力が大きいのが一般的であり、電子楽器にサラウンドアンプを搭載させると、その分電子楽器の消費電力が増加してしまう。特に、楽音の拡がり感をより大きく得るために、多数の外部スピーカーを接続可能とすると、多数のサラウンドアンプが電子楽器に搭載されることになり、電子楽器の消費電力が非常に大きくなってしまう。
本発明の目的は、楽音信号を増幅して外部スピーカーへ出力するサラウンドアンプを搭載した電子楽器において、消費電力を低減することにある。
本発明に係る電子楽器は、入力された楽音信号を増幅して内蔵スピーカーへ出力するメインアンプと、入力された楽音信号を増幅して、スピーカー出力端子に接続された外部スピーカーへ出力するサラウンドアンプと、楽音信号が前記サラウンドアンプに入力されずに前記メインアンプに入力される通常モードを設定可能な演奏モード設定部と、前記演奏モード設定部により前記通常モードが設定された場合に、前記サラウンドアンプを低消費電力モードに設定するアンプ制御部と、を備えることを特徴とする。
望ましくは、前記サラウンドアンプは、複数の外部スピーカーに対応して複数設けられ、前記演奏モード設定部は、前記複数のサラウンドアンプのうち楽音信号が入力されるサラウンドアンプがそれぞれ異なる複数のサラウンドモードを設定可能であり、前記アンプ制御部は、前記演奏モード設定部により設定されたサラウンドモードに基づいて、前記複数のサラウンドアンプの中から楽音信号が入力されない未使用サラウンドアンプを特定し、特定された未使用サラウンドアンプを低消費電力モードに設定する、ことを特徴とする。
望ましくは、設定された残響特性に基づいて、入力された原音信号に対する残響音信号を生成するリバーブモジュールをさらに備え、前記演奏モード設定部は、前記残響特性に応じて、前記複数のサラウンドアンプのうち前記残響音信号が入力されるサラウンドアンプが切り替えられるリバーブサラウンドモードを設定可能であり、前記アンプ制御部は、前記演奏モード設定部により前記リバーブサラウンドモードが設定された場合に、前記残響特性に基づいて、前記複数のサラウンドアンプの中から前記残響音信号が入力されない未使用サラウンドアンプを特定し、特定された未使用サラウンドアンプを低消費電力モードに設定する、ことを特徴とする。
望ましくは、前記複数のサラウンドアンプに前記外部スピーカーが接続されているか否かを判定する外部スピーカー接続判定部をさらに備え、前記アンプ制御部は、前記複数のサラウンドアンプのうち前記未使用サラウンドアンプ以外の使用サラウンドアンプに外部スピーカーが接続されていない場合に、当該使用サラウンドアンプを低消費電力モードに設定する、ことを特徴とする。
また、本発明は、電子楽器に搭載される電子楽器用アンプ制御回路であって、入力された楽音信号を増幅して内蔵スピーカーへ出力するメインアンプと、入力された楽音信号を増幅して、スピーカー出力端子に接続された外部スピーカーへ出力するサラウンドアンプと、前記電子楽器の演奏モードとして、楽音信号が前記サラウンドアンプに入力されずに前記メインアンプに入力される通常モードを設定可能な演奏モード設定部と、前記演奏モード設定部により前記通常モードが設定された場合に、前記サラウンドアンプを低消費電力モードに設定するアンプ制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、上記記載の電子楽器用アンプ制御回路を備える、電子楽器である。
本発明によれば、楽音信号を増幅して外部スピーカーへ出力するサラウンドアンプを搭載した電子楽器において、消費電力を低減することができる。
本実施形態に係る電子鍵盤楽器、及び電子鍵盤楽器に接続された外部スピーカーの構成概略図である。 本実施形態に係る電子鍵盤楽器における第1処理フローを示すフローチャートである。 本実施形態に係る電子鍵盤楽器における第2処理フローを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、電子楽器として電子鍵盤楽器が用いられた例について説明する。
図1には、本実施形態に係る電子鍵盤楽器としての電子ピアノ10、及び電子ピアノ10に接続される外部スピーカーの構成概略図が示されている。なお、本明細書においては、電子鍵盤楽器が電子ピアノ10である例について説明するが、電子鍵盤楽器としては、電子オルガンあるいは電子キーボードなどであってもよい。なお、図1には図示されていないが、電子ピアノ10には、電子ピアノ10の各部を動作させるためのプログラムが記憶された記憶部を有している。
CPU11は、例えばマイクロコントローラなどから構成され、記憶部に記憶されたプログラムに従って電子ピアノ10の各部を制御するものである。
音源メモリ12は、例えばROM(Read Only Memory)などから構成され、電子ピアノ10から出力される楽音信号群が記憶されている。本実施形態では、音源メモリ12には、楽音信号群として、アコースティックピアノの音をサンプリングして得られたサンプリング音データ群が記憶される。当該サンプリング音データ群には、音程毎及び複数のベロシティ(打鍵の強さ)毎にサンプリングされたサンプリング音データが含まれている。
鍵盤13は、電子ピアノ10の演奏のための操作部であり、複数個(例えば合計88個)の黒鍵及び白鍵から構成される。各鍵には、打鍵されたこと及び当該打鍵の強さを検知する鍵盤センサが設けられている。鍵盤センサは、打鍵された鍵及び打鍵の強さを示す信号を鍵盤制御回路14に送る。
鍵盤制御回路14は、鍵盤13に設けられた鍵盤センサからの情報を押鍵/離鍵信号に変換し、CPU11へ伝えるものである。
音源回路15は、鍵盤制御回路14からの信号を受けたCPU11からの制御に基づいて、打鍵された鍵及び当該打鍵の強さに対応する楽音信号を音源メモリ12から読み出して後述のDSP16に出力する。なお、音源回路15において、音源メモリ12から読み出した楽音信号に対してエンベロープデータを付加するなどの処理が行われてもよい。
DSP(Digital Signal Processor)16は、音源回路15から出力された楽音信号に対して各種の加工処理を行うものである。例えば、音源回路15からの楽音信号(原音信号)に残響音信号を付加するリバーブ処理や、原音信号に山びこのような反響音信号を加えるディレイ処理、原音信号にゆらぎを与えるトレモロ処理などを行うことができる。図1には、DSP16が行う処理の一つであるリバーブ処理を行うリバーブモジュール18が示されている。
リバーブモジュール18は、例えばDSP16上で動作するソフトウェアモジュールであってもよく、あるいは電子回路(リバーブ回路)であってもよい。リバーブモジュール18は、演奏者により設定された残響特性としてのリバーブ特性に基づいて、原音信号に対する残響音信号を生成するものである。リバーブ特性には、リバーブの種類及びリバーブパラメータが含まれる。
本実施形態におけるリバーブモジュール18で生成される残響音信号は、広い空間でアコースティックピアノを弾いたときに得られる残響音をシミュレートして生成されるものである。リバーブの種類を変更することで、様々な空間における残響音をシミュレートした残響音信号を得ることができる。リバーブの種類としては、例えば、室内での演奏時における残響音をシミュレートしたルームタイプ、大ホールでの演奏時における残響音をシミュレートしたコンサートホールタイプ、大聖堂での演奏時における残響音をシミュレートしたカテドラルタイプなどがある。
また、リバーブパラメータとしては、原音に対する残響音の大きさを決定するデプスパラメータ、及び残響音の長さを決定するタイムパラメータなどがある。
リバーブ特性は、後述の演奏モードセレクタ24により設定される。具体的には、演奏者が不図示の操作パネルを用いてリバーブ特性設定のための指示を入力し、それを受けたCPU11が後述の演奏モードセレクタ24に対して制御信号を送信し、当該制御信号を受けた演奏モードセレクタ24がリバーブモジュール18のリバーブ特性を設定する。
リバーブモジュール18で処理される前の原音信号と、リバーブモジュール18で処理された残響音信号とが、加算器20で合成される。ここで、上記のデプスパラメータが大きい程、合成音信号における残響音信号の割合が大きくなる。DSP16において処理され出力された楽音信号(合成音信号)はメインアンプMAに入力される。
メインアンプMAは増幅回路であり、入力された楽音信号を増幅するものである。メインアンプMAにより増幅された楽音信号は内蔵スピーカー22へ出力される。楽音信号を受けた内蔵スピーカー22は楽音を出力する。なお、図1には、メインアンプMAと内蔵スピーカー22のセットが1セットのみ示されているが、当該セットは複数設けられてよい。例えば、内蔵スピーカー22として、楽音を上方向に放射する2つのトップスピーカー、及び高周波数帯域の楽音を好適に出力する複数のトゥイータスピーカーなどを含んでいてよい。本実施形態では、メインアンプMAはアナログアンプであり、メインアンプMAの前段にはDAC(Digital Analog Converter)(不図示)が設けられている。また、メインアンプMAはデジタルアンプであってもよい。
演奏モード設定部としての演奏モードセレクタ24は、操作パネルから入力された演奏者の指示を読み取ったCPU11からの制御信号に従って、電子ピアノ10の演奏モードを設定する。演奏モードとしては、例えば、通常モード、複数のサラウンドモード、及びリバーブサラウンドモードを含む。
通常モードは、DSP16からの楽音信号を後述のサラウンドアンプ群26に入力させず、メインアンプMAに入力して内蔵スピーカー22から楽音を出力させるモードである。
複数のサラウンドモードは、楽音信号をメインアンプMAと共にサラウンドアンプ群26にも入力して、内蔵スピーカー22、及び後述の外部スピーカー群28から楽音を出力させるモードである。各サラウンドモードは、それぞれ異なる楽音の空間的な拡がり感が得られるようになっており、各サラウンドモードにおいて楽音が出力される外部スピーカーが異なるようになっている。なお、サラウンドモードには、内蔵スピーカー22及び外部スピーカー群28の全てから楽音が出力されるオールチャンネルサラウンドモードが含まれていてもよい。
リバーブサラウンドモードは、原音信号とリバーブモジュール18からの残響音信号の合成音信号が内蔵スピーカー22から出力され、リバーブモジュール18からの残響音信号のみがサラウンドアンプ群26に入力されて外部スピーカー群28から出力されるモードである。
サラウンドアンプ群26は、入力された楽音信号を増幅して、電子ピアノ10に接続される外部スピーカー群28へ出力するものである。電子ピアノ10がサラウンドアンプ群26を有していることで、外部スピーカー群28を電子ピアノ10に直接(外部アンプを介さずに)接続することを可能にしている。本実施形態では、電子ピアノ10は4つのサラウンドアンプSAa〜dを有しているが、サラウンドアンプの数はその他の数であってもよい。1つのサラウンドアンプに対して1つの外部スピーカーが接続可能であるから、サラウンドアンプの数が多い程、より多くの外部スピーカーを接続することができる。一方、サラウンドアンプは消費電力が比較的大きく、サラウンドアンプの数が多い程、電子ピアノ10の消費電力が大きくなってしまう。本実施形態では、各サラウンドアンプSAa〜dはアナログアンプであり、各サラウンドアンプSAa〜dの前段にはDAC(不図示)が設けられている。また、各サラウンドアンプSAa〜dはデジタルアンプであってもよい。
各サラウンドアンプSAa〜dの出力は、スピーカー出力端子30a〜dへ出力される。スピーカー出力端子30a〜dに各外部スピーカー28a〜dのケーブル端子32a〜dが接続されることで、各サラウンドアンプSAa〜dに各外部スピーカー28a〜dが接続される。
サラウンドDSP34は、演奏モードセレクタ24が設定した演奏モードに応じて、DSP16から出力される楽音信号をサラウンドアンプ群26に出力する処理を行う。例えば、演奏モードが通常モードである場合、サラウンドDSP34は、DSP16からの楽音信号をサラウンドアンプ群26に出力させない。尤も、この場合はDSP16からサラウンドDSP34への楽音信号の出力を停止してもよい。この場合、全てのサラウンドアンプSAa〜dが未使用となる。
また、演奏モードがサラウンドモードの場合、サラウンドDSP34は、各サラウンドモードに対応する一部のサラウンドアンプのみにDSP16からの楽音信号を出力する。例えば、第1サラウンドモードである場合は、サラウンドアンプSAa及びSAbのみに楽音信号を出力する。この場合、サラウンドアンプSAc及びSAdは未使用となる。また、第2サラウンドモードである場合は、サラウンドアンプSAc及びSAdのみに楽音信号を出力する。この場合、サラウンドアンプSAa及びSAbは未使用となる。なお、オールチャンネルサラウンドモードの場合は、サラウンドDSP34は、全てのサラウンドアンプSAa〜dに楽音信号を出力する。
また、演奏モードがリバーブサラウンドモードの場合、サラウンドDSP34は、リバーブ特性に応じてDSP16からの楽音信号を出力するサラウンドアンプを切り替える。本実施形態では、リバーブの種類がルームタイプの場合は、残響音は比較的少なくてよいため、サラウンドDSP34は、DSP16(リバーブモジュール18)からの残響音信号を一部のサラウンドアンプ(本実施形態ではサラウンドアンプSAa及びSAb)のみに出力する。この場合、サラウンドアンプSAc及びSAdは未使用となる。
また、本実施形態では、リバーブの種類としてカテドラルタイプが選択された場合、サラウンドアンプSAa及びSAbに加え、上方に広い空間を感じさせるために、上方に向けて配置された外部スピーカー28c及び28dに対応するサラウンドアンプSAc及びSAdにも残響音信号が出力される。カテドラルタイプが選択された場合であっても、デプスパラメータが所定値よりも小さい値に(つまり残響効果を小さくするように)設定された場合には、上方空間を感じさせる必要がなくなることから、サラウンドアンプSAc及びSAdへの残響音信号の出力を停止するようにしてもよい。この場合、カテドラルタイプであってもサラウンドアンプSAc及びSAdは未使用となる。
上述のように、演奏モードに応じて、あるいはリバーブ特性(リバーブの種類あるいはリバーブパラメータ)に応じて、サラウンドアンプ群26のうち使用されるサラウンドアンプがそれぞれ異なる。換言すれば、演奏モードやリバーブ特性によって、サラウンドアンプ群26の中に未使用のサラウンドアンプが存在するということである。
アンプ制御部としてのアンプセレクタ36は、サラウンドアンプ群26の制御を行うものである。詳しくは、演奏モードセレクタ24が設定した演奏モード、あるいはリバーブ特性に応じて、サラウンドアンプ群26の全部又は一部を低消費電力モードに設定する。具体的には、設定された演奏モードあるいはリバーブ特性に基づいて、サラウンドアンプ群26の中から未使用のサラウンドアンプを特定し、特定された未使用のサラウンドアンプを低消費電力モードに設定する。未使用のサラウンドアンプの特定にあたっては、未使用のサラウンドアンプを示す情報をサラウンドDSP34からもらうようにしてもよい。
例えば、演奏モードセレクタ24により演奏モードが通常モードに設定された場合、アンプセレクタ36は未使用サラウンドアンプとしてサラウンドアンプ群26に含まれる全てのサラウンドアンプSAa〜dを特定する。そして、サラウンドアンプSAa〜dを低消費電力モードに設定する。
演奏モードセレクタ24により演奏モードが第1サラウンドモードに設定された場合、アンプセレクタ36は、未使用サラウンドアンプとしてサラウンドアンプSAc及びSAdを特定し、サラウンドアンプSAc及びSAdを低消費電力モードに設定する。また、演奏モードが第2サラウンドモードに設定された場合、アンプセレクタ36は、未使用サラウンドアンプとしてサラウンドアンプSAa及びSAbを特定し、サラウンドアンプSAa及びSAbを低消費電力モードに設定する。
演奏モードセレクタ24により演奏モードがリバーブサラウンドモードに設定された場合、アンプセレクタ36は、設定されたリバーブ特性に基づいて未使用サラウンドアンプを特定する。例えば、リバーブの種類としてルームタイプが設定された場合は、未使用サラウンドアンプとしてサラウンドアンプSAc及びSAdを特定し、サラウンドアンプSAc及びSAdを低消費電力モードに設定する。また、リバーブの種類がカテドラルタイプであった場合は、デプスパラメータが所定値未満である場合に、未使用サラウンドアンプとしてサラウンドアンプSAc及びSAdを特定し、サラウンドアンプSAc及びSAdを低消費電力モードに設定する。
なお、全てのサラウンドアンプSAa〜dが使用される場合(例えば演奏モードがオールチャンネルサラウンドモードである場合、あるいは、リバーブサラウンドモードであって、リバーブの種類がカテドラルタイプ、且つ、デプスパラメータが所定値以上である場合など)は、アンプセレクタ36は、サラウンドアンプSAa〜dを低消費電力モードとする処理を行わない。
未使用サラウンドアンプを低消費電力モードに設定する具体的方法としては、例えば、スイッチあるいはリレーによって未使用サラウンドアンプに供給される電源を遮断する方法であってよい。また、サラウンドアンプ自体の動作モードとして低消費電力モードを有していればそれを利用してもよい。さらに、サラウンドアンプがデジタルアンプである場合、未使用サラウンドアンプに対してミュート制御を行うことで未使用サラウンドアンプの消費電力を低減できる。デジタルアンプにおいては、入力信号が無い場合であっても、パルス波が絶えず出力されている。したがって、デジタルアンプに対してミュート制御を行い当該パルス波の出力を止めることで消費電力が低減できる。ミュート制御によれば、電源を遮断する方法に比して、低消費電力モードから通常モードへの復帰までに要する時間を低減できるというメリットもある。
望ましくは、外部スピーカー接続判定部としてのスピーカー接続検出部38が設けられる。スピーカー接続検出部38は、各スピーカー出力端子30a〜dに外部スピーカー28a〜dのケーブル端子32a〜dが接続されているか否かを検出する。つまり、スピーカー接続検出部38は、各サラウンドアンプSAa〜dに外部スピーカー28a〜dが接続されているか否かを判定する。
アンプセレクタ36は、演奏モードセレクタ24が設定した演奏モード及びリバーブ特性に加え、スピーカー接続検出部38の検出結果に応じてサラウンドアンプを低消費電力モードに設定してもよい。演奏モード及びリバーブ特性により特定された未使用サラウンドアンプ以外のサラウンドアンプ(使用サラウンドアンプ)に外部スピーカーが接続されていない場合、当該使用サラウンドアンプからの楽音信号は外部スピーカーから出力されることがない。つまり、当該使用サラウンドアンプから楽音信号を出力する必要がない。したがって、アンプセレクタ36は、使用サラウンドアンプであっても、外部スピーカーが接続されていないサラウンドアンプを低消費電力モードに設定するようにしてもよい。
本実施形態に係る電子ピアノ10の構成概略は以上の通りである。なお、図1に示す各構成要素のうち、演奏モードセレクタ24、アンプセレクタ36、及びスピーカー接続検出部38の各機能は、例えばプロセッサなどのハードウェアを利用して実現することができる。また、プロセッサなどのハードウェアと、当該プロセッサを動作させるソフトウェアの協働により実現されてもよい。
以下、図2に示すフローチャートに従って、電子ピアノ10における第1処理フローの流れを説明する。
ステップS10において、演奏モードセレクタ24は、演奏者からの指示を読み取ったCPU11からの制御信号に従って演奏モードを設定する。演奏モードがリバーブサラウンドモードである場合は、さらに、演奏モードセレクタ24は、演奏者からの指示を読み取ったCPU11からの制御信号に従ってリバーブ特性を設定する。
ステップS12において、アンプセレクタ36は、ステップS10で設定された演奏モードがリバーブサラウンドモードであるか否かを判定する。
演奏モードがリバーブサラウンドモード以外である場合、ステップS14に進む。ステップS14において、アンプセレクタ36は、設定された演奏モードに基づいて、未使用サラウンドアンプを特定する。
リバーブサラウンドモードが設定された場合、ステップS16に進む。ステップS16において、アンプセレクタ36は、ステップS10で設定されたリバーブ特性に基づいて未使用サラウンドアンプを特定する。
ステップS18において、アンプセレクタ36は、ステップS14又はステップS16において特定された未使用サラウンドアンプを低消費電力モードに設定する。
以下、図3に示すフローチャートに従って、電子ピアノ10における第2処理フローの流れを説明する。第2処理フローは、演奏モードあるいはリバーブ特性に加え、スピーカー接続検出部38の検出結果に基づいて低消費電力モードに設定するサラウンドアンプを特定する処理フローである。
図3のフローチャートにおいて、ステップS30より前のステップにおける処理内容は第1処理フローの処理内容と同様であるため、図2と同様のステップ番号を付しその説明を省略する。
ステップS30において、アンプセレクタ36は、スピーカー接続検出部38の検出結果に基づいて、ステップS14又はステップS16で特定された未使用サラウンドアンプ以外のサラウンドアンプである使用サラウンドアンプのうち、外部スピーカーが接続されていないサラウンドアンプがあるか否かを判定する。
使用サラウンドアンプのうち外部スピーカーが接続されていないサラウンドアンプがある場合、ステップS32に進む。ステップS32において、アンプセレクタ36は、ステップS14又はステップS16で特定された未使用サラウンドアンプ、及び、外部スピーカーが接続されていない使用サラウンドアンプを低消費電力モードに設定する。
使用サラウンドアンプのうち外部スピーカーが接続されていないサラウンドアンプがない場合、ステップS34に進む。ステップS34において、アンプセレクタ36は、ステップS14又はステップS16において特定された未使用サラウンドアンプを低消費電力モードに設定する。
以上説明した本実施形態によれば、外部スピーカー群28を直接接続するためにサラウンドアンプ群26が搭載された電子ピアノ10の消費電力を低減することができる。例えば、電子ピアノ10においては、外部スピーカー群28を直接接続できるという特徴を有しながら、外部スピーカー群28を使用しない通常モードで動作する場合は、サラウンドアンプ群26を有さない従来の電子ピアノと同等の消費電力が実現される。
また、本実施形態によれば、演奏モード、リバーブ特性、あるいは外部スピーカーの接続状態など、変動し得る電子ピアノ10の状態に応じて、出力される楽音に影響を与えない限りにおいて適応的に電子ピアノ10の消費電力を低減することができる。
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
10 電子ピアノ、11 CPU、12 音源メモリ、13 鍵盤、14 鍵盤制御回路、15 音源回路、16 DSP、18 リバーブモジュール、20 加算器、22 内蔵スピーカー、24 演奏モードセレクタ、26 サラウンドアンプ群、28 外部スピーカー群、28a〜d 外部スピーカー、30a〜d スピーカー出力端子、32a〜d ケーブル端子、34 サラウンドDSP、36 アンプセレクタ、38 スピーカー接続検出部、MA メインアンプ、SAa〜d サラウンドアンプ。

Claims (6)

  1. 入力された楽音信号を増幅して内蔵スピーカーへ出力するメインアンプと、
    入力された楽音信号を増幅して、スピーカー出力端子に接続された外部スピーカーへ出力するサラウンドアンプと、
    楽音信号が前記サラウンドアンプに入力されずに前記メインアンプに入力される通常モードを設定可能な演奏モード設定部と、
    前記演奏モード設定部により前記通常モードが設定された場合に、前記サラウンドアンプを低消費電力モードに設定するアンプ制御部と、
    を備えることを特徴とする電子楽器。
  2. 前記サラウンドアンプは、複数の外部スピーカーに対応して複数設けられ、
    前記演奏モード設定部は、前記複数のサラウンドアンプのうち楽音信号が入力されるサラウンドアンプがそれぞれ異なる複数のサラウンドモードを設定可能であり、
    前記アンプ制御部は、前記演奏モード設定部により設定されたサラウンドモードに基づいて、前記複数のサラウンドアンプの中から楽音信号が入力されない未使用サラウンドアンプを特定し、特定された未使用サラウンドアンプを低消費電力モードに設定する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の電子楽器。
  3. 設定された残響特性に基づいて、入力された原音信号に対する残響音信号を生成するリバーブモジュールをさらに備え、
    前記演奏モード設定部は、前記残響特性に応じて、前記複数のサラウンドアンプのうち前記残響音信号が入力されるサラウンドアンプが切り替えられるリバーブサラウンドモードを設定可能であり、
    前記アンプ制御部は、前記演奏モード設定部により前記リバーブサラウンドモードが設定された場合に、前記残響特性に基づいて、前記複数のサラウンドアンプの中から前記残響音信号が入力されない未使用サラウンドアンプを特定し、特定された未使用サラウンドアンプを低消費電力モードに設定する、
    ことを特徴とする、請求項2に記載の電子楽器。
  4. 前記複数のサラウンドアンプに前記外部スピーカーが接続されているか否かを判定する外部スピーカー接続判定部をさらに備え、
    前記アンプ制御部は、前記複数のサラウンドアンプのうち前記未使用サラウンドアンプ以外の使用サラウンドアンプに外部スピーカーが接続されていない場合に、当該使用サラウンドアンプを低消費電力モードに設定する、
    ことを特徴とする、請求項2又は3に記載の電子楽器。
  5. 電子楽器に搭載される電子楽器用アンプ制御回路であって、
    入力された楽音信号を増幅して内蔵スピーカーへ出力するメインアンプと、
    入力された楽音信号を増幅して、スピーカー出力端子に接続された外部スピーカーへ出力するサラウンドアンプと、
    前記電子楽器の演奏モードとして、楽音信号が前記サラウンドアンプに入力されずに前記メインアンプに入力される通常モードを設定可能な演奏モード設定部と、
    前記演奏モード設定部により前記通常モードが設定された場合に、前記サラウンドアンプを低消費電力モードに設定するアンプ制御部と、
    を備えることを特徴とする電子楽器用アンプ制御回路。
  6. 請求項5に記載の前記電子楽器用アンプ制御回路を備える、電子楽器。
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