JP2017181391A - コスト算出データのデータ構造 - Google Patents

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徳之 内田
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Abstract

【課題】スムーズで適切な車線移動を行う経路を探索することを可能にしたコスト算出データのデータ構造を提供する。【解決手段】地図情報の道路網を構成するリンク毎に、当該リンクの短手方向及び長手方向に対して車線数とリンク長に応じた数の仮想グリッド51をグリッド状に配置し、配置した仮想グリッド51毎にコスト値を設定する。そして、仮想グリッド51に対して設定されたコスト値を用いて、車両が走行予定経路の候補を走行する際に推奨される走行軌道を特定し、特定された走行軌道から最終的な走行予定経路を決定するように構成する。【選択図】図14

Description

本発明は、経路探索におけるコスト値の算出に用いられるコスト算出データのデータ構造に関する。
近年、車両の走行案内を行い、運転者が所望の目的地に容易に到着できるようにしたナビゲーション装置が車両に搭載されていることが多い。ここで、ナビゲーション装置とは、GPS受信機などにより自車の現在位置を検出し、その現在位置に対応する地図データをDVD−ROMやHDDなどの記録媒体またはネットワークを通じて取得して液晶モニタに表示することが可能な装置である。更に、かかるナビゲーション装置には、所望する目的地を入力すると、自車位置から目的地までの推奨経路を探索する経路探索機能を備えており、探索された推奨経路を案内経路として設定し、ディスプレイ画面に案内経路を表示するとともに、交差点に接近した場合等には音声による案内をすることによって、ユーザを所望の目的地まで確実に案内するようになっている。また、近年は携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ等においても上記ナビゲーション装置と同様の機能を有するものがある。
更に近年では、上記経路探索において車両が走行する道路の特定に加えて、道路内で車両が走行する車線(レーン)の特定についても行うことが提案されている。例えば特開2011−38794号公報には、複数の車線を含む道路について車線毎にリンクを設定するとともに、各リンクに対して車線変更用コスト等の各種コストを設定することによって、車両が走行するのが推奨されるリンク、即ち走行すべき車線を探索する技術について提案されている。
特開2011−38794号公報(第11−13頁、図4)
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、リンク単位でコストを設定しているので、例えばリンク内の特定車線の一部区間のみに走行を避けるべき区間があった場合であっても、その区間のみを避ける為のコストの設定ができない。その結果、本来必要でない車線移動を行う経路や遠回りの経路が探索される問題があった。また、車線数の増減や合流や分岐を繰り返す複雑な形状の道路区間を走行する場合、合流や右左折を繰り返し行う必要がある場合等において、そのような複雑な道路形状や車両挙動に応じたスムーズな車線移動を行う経路を探索することができない問題があった。
例えば、図28に示すように左からの合流車線101から本線102へと進入し、その後に左側の退出路103から退出する経路において、本線102の最も左側の車線に走行が困難な区間104が存在する場合には、本線102へと進入した後に左側の車線から中央の車線に移動し、更に退出路103の手前までに再び左側の車線に移動する経路を探索する必要がある。しかしながら、上記特許文献1では、そのような車線移動を考慮した経路を探索することはできなかった。
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、特定車線の一部区間のみに走行を避けるべき区間がある場合、複雑な形状の道路区間を走行する場合、合流や右左折を繰り返し行う必要がある場合等においても、スムーズで適切な車線移動を行う経路を探索することを可能にしたコスト算出データのデータ構造を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本発明に係るコスト算出データのデータ構造は、経路探索を行う際に経路探索の指標となるコスト値を算出するのに用いられるコスト算出データのデータ構造であって、地図情報の道路網を構成するリンク毎に、当該リンクの短手方向及び長手方向に対して車線数とリンク長に応じて分割した複数の仮想グリッドをグリッド状に配置し、前記仮想グリッド毎にコスト値を設定する。
尚、「経路探索」とは、走行が推奨される道路(リンク)の探索を行うこと以外に、道路内において走行が推奨される経路(即ち車線移動等を含めた走行軌道)の探索を行うことについても含む。
また、「グリッド状」とは格子状や方眼状と言い換えることができる。即ち、「仮想グリッドをグリッド状に配置」とは、車両が走行する道路領域または車両が走行する車線領域に仮想グリッドを格子状に配置または方眼状に配置することを示す。
前記構成を有する本発明に係るコスト算出データのデータ構造によれば、リンクに対して仮想グリッドをグリッド状に配置して、各仮想グリッドに対してコスト値を設定するので、特定車線の一部区間のみに走行を避けるべき区間がある場合、複雑な形状の道路区間を走行する場合、合流や右左折を繰り返し行う必要がある場合等においても、スムーズで適切な車線移動を行う経路を探索することが可能となる。
本実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示したブロック図である。 本実施形態に係る経路探索処理プログラムのフローチャートである。 仮想グリッド配置処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。 通常の道路区間に対する仮想グリッドの配置方法について説明した図である。 車線が増減する区間に対する仮想グリッドの配置方法について説明した図である。 走行予定経路候補に対して配置される仮想グリッドを示した図である。 グリッドコスト設定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。 基準コスト設定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。 レーン番号の付与方法について説明した図である。 仮想グリッドに対して設定される基準コスト値を示した図である。 退出移動コスト加算処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。 基準コスト値に対して加算される加算コスト値を示した図である。 加算コスト値の加算後のグリッドコストを示した図である。 グリッドコストを実際に退出分岐点付近の道路形状と対応させて配置した仮想グリッドを用いて示した図である。 交差移動コスト加算処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。 基準コスト値に対して加算される加算コスト値を示した図である。 加算コスト値の加算後のグリッドコストを示した図である。 グリッドコストを実際に交差分岐点付近の道路形状と対応させて配置した仮想グリッドを用いて示した図である。 走行制限コスト加算処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。 基準コスト値に対して加算される加算コスト値を示した図である。 加算コスト値の加算後のグリッドコストを示した図である。 グリッドコストを実際に走行困難区間付近の道路形状と対応させて配置した仮想グリッドを用いて示した図である。 走行軌道特定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。 出発地グリッドの設定方法を説明した図である。 出発地グリッドの設定方法を説明した図である。 走行軌道の探索方法について説明した図である。 走行軌道の探索方法について説明した図である。 従来技術の問題点について説明した図である。
以下、本発明に係るコスト算出データのデータ構造を、ナビゲーション装置が有するコスト算出データのデータ構造に具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
図1に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置1は、ナビゲーション装置1が搭載された車両の現在位置を検出する現在位置検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU13と、ユーザからの操作を受け付ける操作部14と、ユーザに対して車両周辺の地図やナビゲーション装置1で設定されている案内経路(車両の走行予定経路)に関する情報等を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ17と、プローブセンタやVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール18と、から構成されている。また、ナビゲーション装置1はCAN等の車載ネットワークを介して、ナビゲーション装置1の搭載された車両に対して設置された車外カメラ19や各種センサが接続されている。更に、ナビゲーション装置1の搭載された車両に対する各種制御を行う車両制御ECU20とも双方向通信可能に接続されている。また、自動運転開始ボタン等の車両に搭載された各種操作ボタン21についても接続されている。
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部11は、GPS22、車速センサ23、ステアリングセンサ24、ジャイロセンサ25等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ23は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU13に出力する。そして、ナビゲーションECU13は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記4種類のセンサをナビゲーション装置1が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置1が備える構成としても良い。
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB31、グリッド情報DB32、走行計画情報33、所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部12をハードディスクの代わりにフラッシュメモリやメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクにより構成しても良い。また、地図情報DB31、グリッド情報DB32、走行計画情報33は外部のサーバに格納させ、ナビゲーション装置1が通信により取得する構成としても良い。
ここで、地図情報DB31は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ34、ノード点に関するノードデータ35、経路の探索や変更に係る処理に用いられる探索データ36、施設に関する施設データ、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
また、リンクデータ34としては、道路を構成する各リンクに関してリンクの属する道路の幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、合流区間、道路構造、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路、退出路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速自動車国道、都市高速道路、自動車専用道路、一般有料道路、有料橋等の有料道路を表すデータがそれぞれ記録される。特に本実施形態では、道路の車線区分に加えて、車線毎の道路の繋がり(具体的には、分岐においてどの車線がどの道路に接続されているか)を特定する情報についても記憶されている。
また、ノードデータ35としては、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等も含む)や各道路に曲率半径等に応じて所定の距離毎に設定されたノード点の座標(位置)、ノードが交差点に対応するノードであるか等を表すノード属性、ノードに接続するリンクのリンク番号のリストである接続リンク番号リスト、ノードにリンクを介して隣接するノードのノード番号のリストである隣接ノード番号リスト、各ノード点の高さ(高度)等に関するデータ等が記録される。
また、探索データ36としては、出発地(例えば車両の現在位置)から設定された目的地までの経路を探索する経路探索処理に使用される各種データについて記録されている。具体的には、交差点に対する経路として適正の程度を数値化したコスト(以下、交差点コストという)や道路を構成するリンクに対する経路として適正の程度を数値化したコスト(以下、リンクコストという)等の探索コストを算出する為に使用する情報が記憶されている。更に、本実施形態では後述のようにリンクの短手方向及び長手方向に対して配置される仮想グリッドに対して通過対象としての適正の程度を数値化したコスト(以下、グリッドコストという)を算出する為に使用する情報についても記憶される。
また、グリッド情報DB32は、リンクの短手方向及び長手方向に対して配置される後述の仮想グッドの配置態様と、配置された仮想グリッドに対して設定されるコスト値(グリッドコスト)とがそれぞれ記憶された記憶手段である。そして、グリッド情報DB32に記憶された各情報は、上記探索データ36とともに経路探索を行う際に経路探索の指標となるコスト値を算出するのに用いられるコスト算出データの一部に含まれる。尚、仮想グリッドの詳細については後述する。
また、データ記録部12には、後述の経路探索処理によって最終的に決定された車両の走行予定経路を特定する走行計画情報33についても記憶されている。尚、走行計画情報33は、車両が今後に走行する予定の道路(リンク)を特定する情報に加えて、道路内を車両が今後にどのような軌道で走行するかを特定する情報についても含む。ここで、本実施形態では車両の走行形態として、ユーザの運転操作に基づいて走行する手動運転走行に加えて、ユーザの運転操作によらず車両が予め設定された経路に沿って自動的に走行を行う自動運転支援による支援走行が可能である。即ち、走行計画情報33は、自動運転支援の実行中に車両が走行する経路と、特に複数の車線からなる道路を走行する場合においてはどのように車線間を移動して走行するかについて計画した情報である。
ここで、自動運転支援による支援走行では、例えば、車両の現在位置、車両が走行する車線、周辺の他車両の位置を随時検出し、車両制御ECU20によって予め設定された経路に沿って走行するようにステアリング、駆動源、ブレーキ等の車両制御が自動で行われる。特に上記走行計画情報33が作成されている場合については、走行計画情報33において特定される軌道に沿って走行するように制御が行われる。尚、本実施形態の自動運転支援による支援走行では、車線変更や右左折についても自動運転制御により行う構成とするが、車線変更や右左折の一部については自動運転制御では行わない構成としても良い。その場合には、走行計画情報33に従って、車線移動を促す案内や右左折を促す案内が行われる。
また、自動運転支援は全ての道路区間に対して行っても良いし、特定の道路区間(例えば境界にゲート(有人無人、有料無料は問わない)が設けられた高速道路)を車両が走行する間のみ行う構成としても良い。以下の説明では車両の自動運転支援が行われる自動運転区間は、一般道や高速道路を含む全ての道路区間とし、車両が道路上を走行する間において基本的に上記自動運転支援が行われるとして説明する。但し、車両が自動運転区間を走行する場合には必ず自動運転支援が行われるのではなく、ユーザにより自動運転支援を行うことが選択され(例えば自動運転開始ボタンをONする)、且つ自動運転支援による走行を行わせることが可能と判定された状況でのみ行われる。尚、自動運転支援の詳細については公知であるので説明は省略する。
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の経路探索処理プログラム(図2参照)等が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。
操作部14は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部14は液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。また、マイクと音声認識装置によって構成することもできる。
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、案内経路(走行予定経路)、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。尚、液晶ディスプレイ15の代わりに、HUDやHMDを用いても良い。
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU13からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。
また、DVDドライブ17は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報DB31の更新等が行われる。尚、DVDドライブ17に替えてメモリーカードを読み書きする為のカードスロットを設けても良い。
また、通信モジュール18は、交通情報センタ、例えば、VICSセンタやプローブセンタ等から送信された交通情報、プローブ情報、区画線に関する情報、天候情報等を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。また、車車間で通信を行う車車間通信装置や路側機との間で通信を行う路車間通信装置も含む。
また、車外カメラ19は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたカメラにより構成され、車両のフロントバンパの上方に取り付けられるとともに光軸方向を水平より所定角度下方に向けて設置される。そして、車外カメラ19は、車両が自動運転区間を走行する場合において、車両の進行方向前方を撮像する。また、車両制御ECU20は撮像された撮像画像に対して画像処理を行うことによって、車両が走行する道路に描かれた区画線や周辺の他車両等を検出し、検出結果に基づいて車両の自動運転支援を行う。尚、車外カメラ19は車両前方以外に後方や側方に配置するように構成しても良い。また、他車両を検出する手段としてはカメラの代わりにミリ波レーダ等のセンサや車車間通信や路車間通信を用いても良い。また、他の周辺環境を検出する手段として、照度センサや降雨センサを設置しても良い。
また、車両制御ECU20は、ナビゲーション装置1が搭載された車両の制御を行う電子制御ユニットである。また、車両制御ECU20にはステアリング、ブレーキ、アクセル等の車両の各駆動部と接続されており、本実施形態では特に車両において自動運転支援が開始された後に、各駆動部を制御することにより車両の自動運転支援を実施する。
ここで、ナビゲーションECU13は、走行開始後にCANを介して車両制御ECU20に対して自動運転支援に関する指示信号を送信する。そして、車両制御ECU20は受信した指示信号に応じて走行開始後の自動運転支援を実施する。尚、指示信号の内容は、車両が走行する軌道や走行車速等を指示する情報である。
続いて、上記構成を有する本実施形態に係るナビゲーション装置1においてCPU41が実行する経路探索処理プログラムについて図2に基づき説明する。図2は本実施形態に係る経路探索処理プログラムのフローチャートである。ここで、経路探索処理プログラムは、車両のACC電源(accessory power supply)がONされた後に実行され、車両が走行する走行予定経路を車両が道路内を走行する走行軌道とともに特定するプログラムである。また、以下の図2、図3、図7、図8、図11、図15、図19及び図23にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
先ず、経路探索処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU41は、車両が今後走行する経路(以下、走行予定経路という)の候補(以下、走行予定経路候補という)を複数経路分(例えば3経路)取得する。具体的には以下の処理により走行予定経路候補を取得する。
最初にCPU41は、ナビゲーション装置1で設定された出発地から目的地までの推奨経路を探索する経路探索処理を実行する。尚、出発地は車両の現在位置としても良いし、ユーザにより指定された任意の地点としても良い。また、目的地は例えばユーザ選択した任意の地点や施設とする。そして、CPU41は、リンクデータ34、ノードデータ35、探索データ36等に基づいて、リンク(道路)に対する経路として適正の程度を数値化したリンクコストや、交差点(ノード)に対する経路として適正の程度を数値化した交差点コストや、走行に必要な費用の程度を数値化した料金コスト等を算出し、算出された各探索コストを用いて推奨経路の探索を行う。例えば公知のダイクストラ法を用い、コスト値の合計が少ない順に所定数(例えば3本)の経路を走行予定経路候補として特定する。尚、ダイクストラ法を用いた経路探索処理は既に公知であるので詳細は省略する。
また、上記ダイクストラ法による経路探索について探索条件(例えば推奨、距離優先、一般道優先、有料道優先等)を変えて複数回行い、それぞれの探索条件でコスト値の合計が最小となる複数の経路を走行予定経路候補として取得しても良い。また、経路探索処理はナビゲーション装置1で行わずに外部のサーバで行う構成としても良い。その場合には、外部のサーバに対して経路探索要求を送信し、要求に応じて外部のサーバから送信された経路を走行予定経路候補として取得する。
以下のS2〜S5の処理は、前記S1で取得された走行予定経路候補毎に行い、全ての走行予定経路候補を対象としてS2〜S5の処理を行った後にS6へと移行する。
先ず、S2においてCPU41は、処理対象の走行予定経路候補に含まれるリンクに関する情報を取得する。具体的には、リンクの属する道路の道路形状、道路状況(例えば工事等による車線規制区間、区画線消失区間等)、車線区分、車線数が増減する場合には増減する箇所、分岐がある場合には分岐の種類や車線毎の分岐における道路の繋がり(具体的には、分岐においてどの車線がどの道路に接続されているか)を特定する情報等を取得する。尚、リンクに関する情報については、地図情報DB31から情報を読み出すことにより取得しても良いし、外部のサーバ(例えばVICSセンタやプローブサーバ)から通信により取得しても良い。
次に、S3においてCPU41は、後述の仮想グリッド配置処理(図3)を実行する。尚、仮想グリッド配置処理は、後述のように処理対象の走行予定経路候補に含まれるリンク毎に、当該リンクの短手方向及び長手方向に対して車線数とリンク長に応じて分割した複数の仮想グリッドをグリッド状に配置する処理である。
続いて、S4においてCPU41は、後述のグリッドコスト設定処理(図7)を実行する。尚、グリッドコスト設定処理は、後述のように前記S3で配置された仮想グリッド毎にコスト値(以下、グリッドコストという)を設定する処理である。尚、グリッドコストは、仮想グッドに対して通過対象としての適正の程度を数値化したものであり、処理対象の走行予定経路候補の経路形状、仮想グリッドが配置されたリンクの車線区分、道路形状、道路状況等に基づいて設定される。
その後、S5においてCPU41は、後述の走行軌道特定処理(図23)を実行する。尚、走行軌道特定処理は、後述のように前記S3で配置された仮想グリッドと前記S4で設定されたグリッドコストに基づいて、車両が処理対象の走行予定経路候補を走行する際において推奨される走行軌道を特定する。尚、走行軌道は、特に車両が複数の車線からなる道路を走行する場合において、どのように車線間を移動して走行するかを特定した軌道となる。
その後、前記S1で取得された全ての走行予定経路候補毎に対して走行軌道が特定された後に実行されるS6では、前記S5で走行予定経路候補毎に特定された各走行軌道に含まれる仮想グリッド(即ち走行軌道が通過する仮想グリッド)に設定されたグリッドコストの合計値を算出する。
次に、S7においてCPU41は、走行予定経路候補毎に前記S6で算出されたグリッドコストの合計値を比較し、最もグリッドコストの合計値が少ない走行予定経路候補を最終的な走行予定経路として特定する。その結果、特定された走行予定経路は、最も推奨される車線移動を行うとともに目的地へと向かう経路となる。その後、特定された走行予定経路及び走行軌道は走行計画情報33としてデータ記録部12に記憶され、ナビゲーションECU13は車両制御ECU20とともに特定された走行予定経路及び走行軌道に沿って車両が走行するように自動運転支援を行う。
次に、前記S3において実行される仮想グリッド配置処理のサブ処理について図3に基づき説明する。図3は仮想グリッド配置処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
以下のS11〜S19の処理は、処理対象の走行予定経路候補に含まれる全てのリンクを対象として、出発地に近いリンクから順に行う。但し、走行予定経路候補が分岐点で退出路に進入する経路である場合や右左折して交差道路に進入する経路である場合においては、該分岐点に接続する走行予定経路候補に含まれないリンクについても仮想グリッドの配置対象とするのが望ましい。そして、仮想グリッドの配置対象となる全てのリンクを対象としてS11〜S19の処理を行った後にS4へと移行する。
先ず、S11においてCPU41は、処理対象のリンクの先頭(出発地側の端部)に“開始点”を設定する。尚、“開始点”の位置は後述のようにリンクの先頭からリンクに沿って終端側へと段階的に移動して設定される(S18)。また、現在設定されている開始点の位置は、例えばリンクの先頭からの距離や座標によって特定され、フラッシュメモリ44等に記憶される。
次に、S12においてCPU41は、処理対象のリンクの先頭位置の車線数を地図情報DB31から取得する。そして、パラメータである車線数Nに取得したリンクの先頭位置の車線数を設定する。尚、車線数Nはフラッシュメモリ44等に格納される。
次に、S12においてCPU41は、処理対象のリンクの内、現在の開始点からリンクの終端(目的地側の端部)側へグリッド距離D以内の区間に、車線の増加があるか否か判定する。尚、車線数が増加する地点や増加数を特定する情報については地図情報DB31から取得する。また、グリッド距離Dはリンクに対して設定対象となる仮想グリッドの長手方向の長さに相当し、例えば50mとする。尚、グリッド距離Dは固定としても良いし、変位する距離としても良い。例えば、分岐点の周辺等の車両の車線変更が行われる可能性の高い区間については、その他の区間よりもグリッド距離Dを短く設定(例えば25m)しても良い。
そして、現在の開始点からグリッド距離D以内に車線の増加があると判定された場合(S13:YES)には、S14へと移行する。それに対して、現在の開始点からグリッド距離D以内に車線の増加が無いと判定された場合(S13:NO)には、S15へと移行する。
S14においてCPU41は、フラッシュメモリ44から現在の車線数Nを読み出し、車線数Nに増加後の車線数を新たに設定する。
続いて、S15においてCPU41は、処理対象のリンクの内、現在の開始点からリンクの終端(目的地側の端部)側へグリッド距離D前方までの区間を対象として、車線数Nに応じた仮想グリッド51を配置する。具体的には、図4に示すようにリンクの短手方向に、車線数Nと同数の仮想グリッド51をリンクに含まれる車線に従って配置する。より具体的には左側車線と右側車線に挟まれた車両が走行する領域(道路領域、車線領域)に対して、該領域を覆うように車線中央52と仮想グリッド51の中心を一致させて配置する。但し、図5に示すように車線数が変化する区間において、増加又は減少する車線に対して配置する仮想グリッド51については、増加後又は減少前の車線中央52を延長した線と仮想グリッド51の中心を一致させて配置する。尚、以下の説明に用いる図では、図の視認性を向上させる為に配置する仮想グリッド51の間に一定の隙間を設けているが、実際には仮想グリッド51の間には基本的に隙間は存在しない。また、前記S15で配置された仮想グリッド51を特定する情報がグリッド情報DB32に記憶される。
次に、S16においてCPU41は、処理対象のリンクの内、現在の開始点からリンクの終端(目的地側の端部)側へグリッド距離D以内の区間に、車線の減少があるか否か判定する。尚、車線数が減少する地点や減少数を特定する情報については地図情報DB31から取得する。
そして、現在の開始点からグリッド距離D以内の区間に車線の減少があると判定された場合(S16:YES)には、S17へと移行する。それに対して、現在の開始点からグリッド距離D以内の区間に車線の増加が無いと判定された場合(S16:NO)には、S18へと移行する。
S17においてCPU41は、フラッシュメモリ44から現在の車線数Nを読み出し、車線数Nに減少後の車線数を新たに設定する。
続いて、S18においてCPU41は、現在の開始点からリンクの終端側へグリッド距離D前方の位置を新たな開始点に設定する。
その後、S19においてCPU41は、現在の開始点が処理対象のリンクの終端(目的地側の端部)に到達したか否か判定する。
そして、現在の開始点が処理対象のリンクの終端に到達したと判定された場合(S19:YES)には、処理対象のリンクを目的地側に隣接する次のリンクに切り替えた後に、S11へと戻る。それに対して、現在の開始点が処理対象のリンクの終端に到達していないと判定された場合(S19:NO)には、S13へと戻る。
そして、上記S11〜S19の処理を仮想グリッドの配置対象となる全てのリンクを対象として実行した結果、走行予定経路候補の出発地から目的地までの全リンクを対象として、図6に示すようにリンクの短手方向及び長手方向に対して車線数とリンク長に応じて分割した複数の仮想グリッド51がグリッド状に配置されることとなる。具体的には、リンクの長手方向にはグリッド距離Dの長さを有する仮想グリッド51が、リンクをグリッド距離Dで分割した各区間に対応して配置される。一方、リンクの短手方向には、分割した各区間における車線数と同数の仮想グリッド51が配置される。例えば、車線数が2の区間ではリンクの短手方向に2列の仮想グリッド51が配置され、車線数が3の区間ではリンクの短手方向に3列の仮想グリッド51が配置される。また、車線数が変化する区間では、変化前と変化後のいずれか多い方の車線数の仮想グリッド51が配置されることとなる。
次に、前記S4において実行されるグリッドコスト設定処理のサブ処理について図7に基づき説明する。図7はグリッドコスト設定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
先ず、S21においてCPU41は、後述の基準コスト設定処理(図8)を実行する。尚、基準コスト設定処理は、処理対象の走行予定経路候補に設定された各仮想グリッドに対して基準となるコスト値を設定する処理である。
その後、S22においてCPU41は、処理対象の走行予定経路候補が退出分岐点から退出路へと進入する経路であるか否かを判定する。尚、退出分岐点は一の道路が2以上の道路に分流する分岐点(進行方向に沿って道路が分かれる分岐点)である。例えば高速道路のIC(インターチェンジ)、JCT(ジャンクション)等において本線から退出する分岐点や、サービスエリアやパーキングエリアへと進入する為の分岐点が該当する。尚、分岐点が退出分岐点に該当するか否かを識別する情報は地図情報DB31に記憶されている。
そして、処理対象の走行予定経路候補が退出分岐点から退出路へと進入する経路であると判定された場合(S22:YES)には、S23へと移行する。それに対して、処理対象の走行予定経路候補が退出分岐点から退出路へと進入する経路でないと判定された場合(S22:NO)には、S24へと移行する。
S23においてCPU41は、後述の退出移動コスト加算処理(図11)を実行する。尚、退出移動コスト加算処理は、前記S21で仮想グリッドに設定された基準となるコスト値に対して、走行予定経路候補の経路形状及び道路形状に基づいて算出されるコスト値を加算する処理であり、具体的には退出路への進入をスムーズに行う走行軌道を導く為のコスト値を加算する。
次に、S22においてCPU41は、処理対象の走行予定経路候補が交差分岐点から交差道路へと進入する経路であるか否かを判定する。尚、交差分岐点は2本以上の道路が交差する分岐点(3叉路、4叉路、5叉路等)である。例えば通常の十字型の交差点に加えてT字型の交差点についても該当する。尚、分岐点が交差分岐点に該当するか否かを識別する情報は地図情報DB31に記憶されている。
そして、処理対象の走行予定経路候補が交差分岐点から交差道路へと進入する経路であると判定された場合(S24:YES)には、S25へと移行する。それに対して、処理対象の走行予定経路候補が交差分岐点から交差道路へと進入する経路でないと判定された場合(S24:NO)には、S26へと移行する。
S25においてCPU41は、後述の交差移動コスト加算処理(図15)を実行する。尚、交差移動コスト加算処理は、前記S21で仮想グリッドに設定された基準となるコスト値に対して、走行予定経路候補の経路形状及び道路形状に基づいて算出されるコスト値を加算する処理であり、具体的には交差道路への進入をスムーズに行う走行軌道を導く為のコスト値を加算する。
続いて、S26においてCPU41は、処理対象の走行予定経路候補に含まれる車線に、自動運転支援による走行を避けるべき区間である走行困難区間があるか否かを判定する。尚、走行困難区間としては、例えば以下の区間がある。
(A)工事や事故などが原因による車線規制によって通行できない区間。
(B)駐車車両などの障害物が存在する区間。
(C)車線を区画する区画線が消えている又はカメラで認識できないほど薄くなっている区間。
尚、走行困難区間を特定する情報は、外部のサーバ(例えばプローブサーバ)から通信により取得しても良いし、地図情報DB31から取得しても良い。
そして、処理対象の走行予定経路候補に含まれる車線に走行困難区間があると判定された場合(S26:YES)には、S27へと移行する。それに対して、処理対象の走行予定経路候補に含まれる車線に走行困難区間がないと判定された場合(S26:NO)には、S28へと移行する。
S27においてCPU41は、後述の走行制限コスト加算処理(図19)を実行する。尚、走行制限コスト加算処理は、前記S21で仮想グリッドに設定された基準となるコスト値に対して、道路状況に基づいて算出されるコスト値を加算する処理であり、具体的には走行困難区間を避ける車線移動をスムーズに行う走行軌道を導く為のコスト値を加算する。
その後、S28においてCPU41は、処理対象の走行予定経路候補の全経路に対して上記S22〜S27の処理が行われたか否かを判定する。そして、処理対象の走行予定経路候補の全経路に対して上記S22〜S27の処理が行われたと判定された場合(S28:YES)には、S5へと移行する。一方、処理対象の走行予定経路候補の全経路に対して上記S22〜S27の処理が行われていないと判定された場合(S28:NO)には、S22へと戻る。
尚、上記S21〜S28の処理を処理対象の走行予定経路候補の全経路に対して実施した結果、走行予定経路候補の出発地から目的地までの経路に設定された仮想グリッドを含む前記S3で設定された全仮想グリッドを対象として、グリッドコストが設定されることとなる。また、前記SS21〜S28で設定されたグリッドコストを特定する情報は仮想グリッド51の配置情報とともにグリッド情報DB32に記憶される。そして、CPU41は、設定されたグリッドコストを用いて、車両が処理対象の走行予定経路候補を走行する際において推奨される走行軌道を特定する(S5)。
次に、前記S21において実行される基準コスト設定処理のサブ処理について図8に基づき説明する。図8は基準コスト設定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
以下のS31の処理は、処理対象の走行予定経路候補に含まれる全ての車線且つ車線毎に設定された全ての仮想グリッドを対象として実行される。そして、走行予定経路候補に含まれる全ての車線且つ車線毎に設定された全ての仮想グリッドを対象としてS31の処理を行った後にS22へと移行する。
S31においてCPU41は、処理対象の仮想グリッドが配置された車線のレーン番号に所定のコスト係数を乗じた値を、グリッドコストの基準となるコスト値(以下、基準コスト値という)として設定する。ここで、レーン番号は図9に示すように進行方向に対して最も左側の車線を「1」とし、レーン番号「1」の車線に対して進行方向右側に隣接する車線のレーン番号を「2」とし、以下同様に「3、4、5、・・・・」の順でレーン番号を設定する。但し、上記設定は左側通行の国の場合であり、右側通行の国ではレーン番号は左右逆転する。
また、レーン番号に乗じるコスト係数は、固定値であっても良いし、道路種別等によって変更しても良い。例えば、高速道路は一般道よりもコスト係数を大きく設定しても良い。以下の説明ではコスト係数を“1”とする。
例えば、図10は片側3車線の走行予定経路候補に配置される仮想グリッド51に対して設定される基準コスト値について、進行方向に沿ったコスト値の変位を示した図である。図10に示すように基準コスト値は車線毎に異なるコスト値が設定される。基本的に左側通行の国では左側の車線を優先して走行するように、進行方向に対して左側にある車線程、基準コスト値が低く設定される。また、同一の車線に配置される仮想グリッドに対しては同一の基準コスト値が設定される。
次に、前記S23において実行される退出移動コスト加算処理のサブ処理について図11に基づき説明する。図11は退出移動コスト加算処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
先ず、S41においてCPU41は、基準コスト値に対して走行予定経路候補の経路形状及び道路形状に基づいて加算する対象となる加算コスト値を算出する。ここで、前記S41で算出される加算コスト値は、退出分岐点で退出路への進入をスムーズに行う走行軌道を導かせる為に、前記S21で仮想グリッドに設定された基準コスト値に対して加算されるコスト値である。具体的には、退出路から遠い車線から退出路側の車線へと退出分岐点に到達するまでに段階的に車線移動させて誘導する為の加算コスト値が算出される。
例えば、図12は片側3車線のリンクであって、走行予定経路候補が退出分岐点から進行方向右側にある退出路へと進入する経路である場合に算出される加算コスト値の一例を示した図である。図12に示すように加算コスト値は、退出路から最も遠いレーン番号1の車線(以下、左車線という)について進行方向に沿って最も早くコスト値を徐々に上昇させる。次に、レーン番号2の車線(以下、中央車線という)について進行方向に沿ってコスト値を徐々に上昇させる。最後に、退出路に最も近いレーン番号3の車線(以下、右車線という)について進行方向に沿ってコスト値を徐々に上昇させる。そして、退出分岐点の通過直後に左車線の加算コスト値が最大となり、その後に中央車線の加算コスト値が最大となり、最後に右車線の加算コスト値が最大となる。最大値となった後はコスト加算値は0とする。
尚、コスト値の上昇率は退出路に近い車線ほど高くする。また、車線毎のコスト加算値の最小値、最大値、上昇率については適宜設定が可能である。例えば、図12に示す例では、コスト加算値の初期値は退出路から最も遠い左車線については「0」とし、中央車線については「−2」とし、退出路に最も近い右車線については「−4」とする。一方、コスト加算値の最大値は、いずれも「6」とする。
また、図12に示す加算コスト値は、退出分岐点を直進する経路(走行予定経路候補は退出分岐点で退出路へと移動する)に対して加算される加算コスト値の例である。前述したように走行予定経路候補が退出分岐点で退出路に進入する経路である場合には、該退出分岐点に接続する走行予定経路候補に含まれないリンクについても仮想グリッドやグリッドコストの設定対象となる。
以下のS42の処理は、処理対象の走行予定経路候補に含まれる全ての車線且つ車線毎(但し、走行予定経路候補が退出路に進入する退出分岐点に接続されるリンクについては、上述したように走行予定経路候補に含まれないリンクも含む)に配置された全ての仮想グリッドを対象として実行される。そして、走行予定経路候補に含まれる全ての車線且つ車線毎に設定された全ての仮想グリッドを対象としてS42の処理を行った後にS24へと移行する。
S42においてCPU41は、処理対象の仮想グリッドについて前記S21で設定された基準コスト値に対して、前記S41で算出された加算コスト値を加算する。そして、加算されたコスト値が、仮想グリッドに設定されるグリッドコストとなる。但し、後述の交差移動コスト加算処理(図15)や走行制限コスト加算処置(図19)において更にコスト値が加算される場合もある。また、加算コスト値の加算後のグリッドコストにはそれぞれ下限値と上限値を設定する。例えば、下限値は0とし、上限値は10とする。
ここで、図13は、図10に示す基準コスト値が設定された経路上の各仮想グリッドに対して、図12に示す加算コスト値が加算された後のグリッドコストを示す。また、図14は、図13に示すグリッドコストを実際に退出分岐点付近の道路形状と対応させて配置した仮想グリッドを用いて示した図である。
図13及び図14に示すように、仮想グリッドに設定されるグリッドコストは、退出路から最も遠い左車線について進行方向に沿って最も早くコスト値が徐々に上昇する。一方で、中央車線や退出路に最も近い右車線については一旦グリッドコストが低下する。その後に、中央車線について進行方向に沿ってコスト値が徐々に上昇し、最後に、退出路に最も近い右車線について進行方向に沿ってコスト値が徐々に上昇する。そして、退出分岐点の通過直後に左車線のグリッドコストが最大となり、その後に中央車線のグリッドコストが最大となり、最後に右車線のグリッドコストが最大となる。上記のようなグリッドコストを仮想グリッドに対して設定した結果、後述の走行軌道特定処理(S5)では、図14に示すように退出分岐点に接近する前の本線55の走行時点ではグリッドコストが最も低い左車線を走行し、その後に、退出分岐点に接近すると左車線よりも中央車線の方がグリッドコストが低くなるので中央車線へと車線移動し、更に退出分岐点に接近すると中央車線よりも右車線の方がグリッドコストが低くなるので右車線へと車線移動し(即ち段階的に車線移動を行って右車線に移動し)、その後に退出路56へと移動する走行軌道57が特定されることとなる。
次に、前記S25において実行される交差移動コスト加算処理のサブ処理について図15に基づき説明する。図15は交差移動コスト加算処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
先ず、S51においてCPU41は、基準コスト値に対して走行予定経路候補の経路形状及び道路形状に基づいて加算する対象となる加算コスト値を算出する。ここで、前記S51で算出される加算コスト値は、交差分岐点で交差道路への進入をスムーズに行う走行軌道を導かせる為に、前記S21で仮想グリッドに設定された基準コスト値に対して加算されるコスト値である。具体的には、進入する交差道路から遠い車線(右折する場合には最も左側の車線、左折する場合には最も右側の車線)から進入する交差道路側の車線(右折する場合には最も右側の車線、左折する場合には最も左側の車線)へと交差道路に到達するまでに段階的に車線移動させて誘導する為の加算コスト値が算出される。
例えば、図16は片側3車線のリンクであって、走行予定経路候補が交差分岐点で右折して交差道路へと進入する経路である場合に算出される加算コスト値の一例を示した図である。図16に示すように加算コスト値は、進入する交差道路から最も遠いレーン番号1の左車線について進行方向に沿って最も早くコスト値を徐々に上昇させる。次に、レーン番号2の中央車線について進行方向に沿ってコスト値を徐々に上昇させる。最後に、進入する交差道路に最も近いレーン番号3の右車線について進行方向に沿ってコスト値を徐々に上昇させる。そして、交差分岐点の通過直後に左車線の加算コスト値が最大となり、その後に中央車線の加算コスト値が最大となり、最後に右車線の加算コスト値が最大となる。最大値となった後はコスト加算値は0とする。
尚、コスト値の上昇率は進入する交差道路に近い車線ほど高くする。また、車線毎のコスト加算値の最小値、最大値、上昇率については適宜設定が可能である。例えば、図16に示す例では、コスト加算値の初期値は進入する交差道路から最も遠い左車線については「0」とし、中央車線については「−2」とし、進入する交差道路に最も近い右車線については「−4」とする。一方、コスト加算値の最大値は、いずれも「6」とする。
尚、走行予定経路候補が交差分岐点で左折して交差道路へと進入する経路である場合に算出される加算コスト値は、図16に示す例において左車線と右車線の加算コスト値を入れ替えた値となる。
また、図16に示す加算コスト値は、交差分岐点を直進する経路(走行予定経路候補は交差分岐点で交差道路へと移動する)に対して加算される加算コスト値の例である。前述したように走行予定経路候補が交差分岐点で交差道路に進入する経路である場合には、該交差分岐点に接続する走行予定経路候補に含まれないリンクについても仮想グリッドやグリッドコストの設定対象となる。即ち、交差分岐点で交差するリンク毎に仮想グリッドが配置される。
以下のS52の処理は、処理対象の走行予定経路候補に含まれる全ての車線且つ車線毎(但し、走行予定経路候補が交差道路に進入する交差分岐点に接続されるリンクについては、上述したように走行予定経路候補に含まれないリンクも含む)に配置された全ての仮想グリッドを対象として実行される。そして、走行予定経路候補に含まれる全ての車線且つ車線毎に設定された全ての仮想グリッドを対象としてS52の処理を行った後にS26へと移行する。
S52においてCPU41は、処理対象の仮想グリッドについて前記S21で設定された基準コスト値に対して、前記S51で算出された加算コスト値を加算する。そして、加算されたコスト値が、仮想グリッドに設定されるグリッドコストとなる。但し、前述の退出移動コスト加算処理(図11)や走行制限コスト加算処置(図19)において更にコスト値が加算される場合もある。また、加算コスト値の加算後のグリッドコストにはそれぞれ下限値と上限値を設定する。例えば、下限値は0とし、上限値は10とする。
ここで、図17は、図10に示す基準コスト値が設定された経路上の各仮想グリッドに対して、図16に示す加算コスト値が加算された後のグリッドコストを示す。また、図18は、図17に示すグリッドコストを実際に交差分岐点付近の道路形状と対応させて配置した仮想グリッドを用いて示した図である。
図17及び図18に示すように、仮想グリッドに設定されるグリッドコストは、進入する交差道路から最も遠い左車線について進行方向に沿って最も早くコスト値が徐々に上昇する。一方で、中央車線や進入する交差道路に最も近い右車線については一旦グリッドコストが低下する。その後に、中央車線について進行方向に沿ってコスト値が徐々に上昇し、最後に、進入する交差道路に最も近い右車線について進行方向に沿ってコスト値が徐々に上昇する。そして、交差分岐点の通過直後に左車線のグリッドコストが最大となり、その後に中央車線のグリッドコストが最大となり、最後に右車線のグリッドコストが最大となる。上記のようなグリッドコストを仮想グリッドに対して設定した結果、後述の走行軌道特定処理(S5)では、図18に示すように交差分岐点に接近する前の走行道路58の走行時点ではグリッドコストが最も低い左側の車線を走行し、その後に、交差分岐点に接近すると左車線よりも中央車線の方がグリッドコストが低くなるので中央車線へと車線移動し、更に交差分岐点に接近すると中央車線よりも右車線の方がグリッドコストが低くなるので右車線へと車線移動し(即ち段階的に車線移動を行って右車線に移動し)、その後に右折をして交差道路59の最も左側の車線へと移動する走行軌道57が特定されることとなる。
次に、前記S27において実行される走行制限コスト加算処理のサブ処理について図19に基づき説明する。図19は走行制限コスト加算処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
先ず、S61においてCPU41は、基準コスト値に対して道路状況に基づいて加算する対象となる加算コスト値を算出する。ここで、前記S61で算出される加算コスト値は、経路上にある走行困難区間を避ける車線移動をスムーズに行う走行軌道を導かせる為に、前記S21で仮想グリッドに設定された基準コスト値に対して加算されるコスト値である。具体的には、走行困難区間がある車線から走行困難区間が無い車線へと車線移動させる為の加算コスト値が算出される。
例えば、図20は片側3車線のリンクであって、レーン番号1の左車線に走行困難区間がある場合に算出される加算コスト値の一例を示した図である。図20に示すように加算コスト値は、走行困難区間がある左車線について進行方向に沿ってコスト値を徐々に上昇させる。そして、走行困難区間の到達地点で加算コスト値が最大となり、その後に走行困難区間を通過した後はコスト加算値を0とする。一方、走行困難区間のないレーン番号2の中央車線やレーン番号3の右車線については加算コスト値を0とする。
尚、コスト加算値の最小値、最大値、上昇率については適宜設定が可能である。走行困難区間の種類によって変化させても良い。例えば、走行困難区間が車線規制などによって走行することができない区間である場合については、最大値を無限大にしても良い。例えば、図20に示す例では、コスト加算値の初期値は「0」とし、最大値は「6」とする。
以下のS62の処理は、処理対象の走行予定経路候補に含まれる全ての車線且つ車線毎に配置された全ての仮想グリッドを対象として実行される。そして、走行予定経路候補に含まれる全ての車線且つ車線毎に設定された全ての仮想グリッドを対象としてS62の処理を行った後にS28へと移行する。
S62においてCPU41は、処理対象の仮想グリッドについて前記S21で設定された基準コスト値に対して、前記S61で算出された加算コスト値を加算する。そして、加算されたコスト値が、仮想グリッドに設定されるグリッドコストとなる。但し、前述の退出移動コスト加算処理(図11)や交差移動コスト加算処置(図15)において更にコスト値が加算される場合もある。また、加算コスト値の加算後のグリッドコストにはそれぞれ下限値と上限値を設定する。例えば、下限値は0とし、上限値は10とする。但し、前述したように走行困難区間が車線規制などによって走行することができない区間である場合については、上限値を撤廃しても良い。
ここで、図21は、図10に示す基準コスト値が設定された経路上の各仮想グリッドに対して、図20に示す加算コスト値が加算された後のグリッドコストを示す。また、図22は、図21に示すグリッドコストを実際に走行困難区間付近の道路形状と対応させて配置した仮想グリッドを用いて示した図である。
図21及び図22に示すように、仮想グリッドに設定されるグリッドコストは、走行困難区間の存在する車線について進行方向に沿ってコスト値が徐々に上昇する。一方で、中央車線や右車線についてはコスト値が一定である。そして、走行困難区間に到達する地点で左車線のグリッドコストが最大となり、走行困難区間を通過するとコスト値は上昇前の基準コスト値に戻る。上記のようなグリッドコストを仮想グリッドに対して設定した結果、後述の走行軌道特定処理(S5)では、図22に示すように走行困難区間61に接近する前の走行時点ではグリッドコストが最も低い左側の車線を走行し、その後に、走行困難区間61に接近すると左車線よりも中央車線の方がグリッドコストが低くなるので中央車線へと車線移動し、走行困難区間を通過すると中央車線よりも左車線の方が再びグリッドコストが低くなるので左車線へと車線移動する走行軌道57が特定されることとなる。
次に、前記S5において実行される走行軌道特定処理のサブ処理について図23に基づき説明する。図23は走行軌道特定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
先ず、S71においてCPU41は、出発地に対応する仮想グリッド(以下、出発地グリッドという)を特定する。ここで、前記S3の仮想グリッド配置処理において仮想グリッド51は、走行予定経路候補に含まれるリンク毎に、当該リンクの短手方向及び長手方向に対して車線数とリンク長に応じてグリッド状に配置される。即ち、片側1車線の道路に対しては図24に示すようにリンクの短手方向に1列の仮想グリッド51が配置され、片側3車線の道路に対しては図25に示すようにリンクの短手方向に3列の仮想グリッド51が配置される。
従って、図24に示すように出発地周辺の道路が片側1車線の道路であって、出発地が道路上にある場合には出発地と重複する位置にある仮想グリッド51を出発地グリッド65とする。尚、出発地が道路上にない場合には、出発地から最も近い位置にある仮想グリッド51を出発地グリッド65とする。一方、図25に示すように出発地周辺の道路が片側複数車線の道路であって、出発地が道路上にある場合には出発地と重複する位置にある複数の仮想グリッド51の内、最も左側の車線に配置された仮想グリッド51を出発地グリッド65とする。尚、出発地が道路上にない場合には、出発地から最も近い位置にある仮想グリッド51を出発地グリッド65とする。例えば、道路に対して出発地が左側にある場合には最も左側の車線に配置された仮想グリッド51が出発地グリッド65となり、道路に対して出発地が右側にある場合には最も右側の車線に配置された仮想グリッド51が出発地グリッド65となる。但し、出発地が車両の現在位置であって、且つ車両の現在位置する車線が特定できる場合には、車両が現在位置する車線に配置された仮想グリッド51を出発地グリッド65とするのが望ましい。また、最も左側の車線でなく中央の車線や最も右側に配置された仮想グリッド51を出発地グリッド65としても良い。
次に、S72においてCPU41は、出発地グリッドと同様にして目的地に対応する仮想グリッド(以下、目的地グリッドという)についても特定する。尚、目的地周辺の道路が片側複数車線の道路である場合における目的地グリッドの特定方法についても、出発地グリッドと同様である。即ち、目的地と重複する複数の仮想グリッド51の内、基本的に最も左側の車線に配置された仮想グリッド51を目的地グリッドとする。或いは、目的地に最も近い位置にある仮想グリッド51を目的地グリッドとする。
続いて、S73においてCPU41は、前記S71で設定された出発地グリッドを開始点とし、前記S72で設定された目的地グリッドを終了点として開始点から終了点までの取り得る軌道毎に、軌道が通過する仮想グリッド51のグリッドコストの合算値を算出する。そして、合算値が最小となる軌道を走行軌道として選択する。尚、開始点から終了点までの軌道とは、出発地グリッドから目的地グリッドまで仮想グリッド間を移動するとした場合に、通過した仮想グリッド51を繋ぐ軌道(経路)である。
ここで、上記仮想グリッド間の移動は、図26に示すように進行方向前方にある仮想グリッド51に移動する第1軌道、左前方にある仮想グリッド51に移動する第2軌道、右前方にある仮想グリッド51に移動する第3軌道のいずれかとする。但し、右左折対象となる交差分岐点の周辺については、左横にある仮想グリッド51へ移動する第4軌道及び右横にある仮想グリッド51へ移動する第5軌道についても移動を許可する。そして、上記移動法則に従って仮想グリッド間を繰り返し移動して出発地グリッドから目的地グリッドまで到達可能な各軌道について、軌道が通過する(含む)仮想グリッド51のグリッドコストの合算値を比較し、最小となる軌道を特定する。尚、コスト計算については例えばダイクストラ法を用いる。
例えば、図27に示すように仮想グリッドa〜lが配置されている場合であって、出発地グリッドが仮想グリッドa、目的地グリッドが仮想グリッドlである場合には、出発地グリッドから目的地グリッドまで到達可能な軌道として『仮想グリッドa→仮想グリッドd→仮想グリッドh→仮想グリッドl』の軌道Aと、『仮想グリッドa→仮想グリッドe→仮想グリッドh→仮想グリッドl』の軌道Bと、『仮想グリッドa→仮想グリッドe→仮想グリッドi→仮想グリッドl』の軌道Cとがある。従って、軌道Aが通過する『仮想グリッドa、仮想グリッドd、仮想グリッドh、仮想グリッドl』に設定されたグリッドコストの合計値と、軌道Bが通過する『仮想グリッドa、仮想グリッドe、仮想グリッドh、仮想グリッドl』に設定されたグリッドコストの合計値と、軌道Cが通過する『仮想グリッドa、仮想グリッドe、仮想グリッドi、仮想グリッドl』に設定されたグリッドコストの合計値が比較され、軌道A〜Cの内、最も合計値の小さい軌道が走行軌道として特定される。即ち、前記S73の処理で特定される走行軌道は、走行予定経路候補に沿って車両が移動する際に推奨されるグリッド間の移動態様を示す。
尚、探索された走行軌道が走行予定経路候補に沿った軌道とならなかった場合(例えば図18に示すグリッドコストが設定された状態で走行軌道の探索を行った結果、走行予定経路候補は交差分岐点を右折する経路であるにもかかわらず、走行軌道は交差分岐点を直進する軌道となってしまった場合)には、走行予定経路候補を新たに取得し、新たな走行予定経路候補に対して走行軌道を再度探索するように構成する。
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るナビゲーション装置1が有するコスト算出データのデータ構造は、地図情報の道路網を構成するリンク毎に、当該リンクの短手方向及び長手方向に対して車線数とリンク長に応じた数の仮想グリッド51をグリッド状に配置し(S3)、配置した仮想グリッド51毎にコスト値を設定する(S4)。そして、仮想グリッド51に対して設定されたコスト値を用いて、車両が走行予定経路の候補を走行する際に推奨される走行軌道を特定(S5)し、特定された走行軌道から最終的な走行予定経路を決定する(S7)ので、特定車線の一部区間のみに走行を避けるべき区間がある場合、複雑な形状の道路区間を走行する場合、合流や右左折を繰り返し行う必要がある場合等においても、スムーズで適切な車線移動を行う経路を探索することが可能となる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では、自動運転支援の実施中においても車線変更や右左折についても自動運転制御により行う構成としているが、車線変更や右左折については手動で行わせる構成としても良い。その場合には、ナビゲーション装置1において走行軌道に沿って走行するように車線移動を促す案内や右左折を促す案内が行われる。
また、本実施形態では、自動運転支援により走行する為の走行予定経路や走行軌道について仮想グリッド51を用いて探索する構成としているが、手動運転により走行する為の走行予定経路や走行軌道について仮想グリッド51を用いて探索する構成としても良い。
また、本実施形態では、自動運転支援による走行を避けるべき区間である走行困難区間として上記(A)〜(C)の区間を挙げているが、(A)〜(C)以外を走行困難区間としても良い。例えば、所定曲率以上のカーブや急勾配等を走行困難区間としても良い。
また、本実施形態では、走行予定経路候補を複数取得し、複数の走行予定経路候補毎に走行軌道を特定する構成としているが、走行予定経路候補は1経路のみであっても良い。その場合には、一の走行予定経路候補が必然的に走行予定経路として選択されることとなる。また、走行予定経路候補は車両の現在位置から道なりに走行する経路としても良い。その場合には、車両が道なりに沿って走行する場合の最適な走行軌道を特定することが可能となる。
また、本実施形態では、走行予定経路の探索時において走行予定経路の全経路に対する走行軌道を特定することとしているが、車両の走行中において車両の現在位置から進行方向前方の所定距離以内の区間の走行予定経路を対象として走行軌道を特定する処理としても良い。その場合には、S1で走行予定経路の候補ではなく車両の現在位置から進行方向前方の所定距離以内の区間の走行予定経路を取得し、S1〜S5の処理を所定時間間隔で繰り返し実行するように構成する。
また、本実施形態では、走行予定経路の探索時において走行予定経路候補に含まれるリンクに対して仮想グリッドを配置する構成としているが、予め全国の各リンクに対して仮想グリッドを配置しておき、配置した仮想グリッドに関する情報を地図情報DB31に格納しておく構成としても良い。
また、本実施形態では、経路探索処理プログラム(図2)をナビゲーション装置1が実行する構成としているが、車両制御ECU20が実行する構成としても良い。その場合には、車両制御ECU20は車両の現在位置や地図情報や交通情報等をナビゲーション装置1から取得する構成とする。
また、本発明はナビゲーション装置以外に、経路探索機能を有する装置に対して適用することが可能である。例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等(以下、携帯端末等という)に適用することも可能である。また、サーバと携帯端末等から構成されるシステムに対しても適用することが可能となる。その場合には、上述した経路探索処理プログラム(図2)の各ステップは、サーバと携帯端末等のいずれが実施する構成としても良い。
また、本発明に係るコスト算出データのデータ構造を具体化した実施例について上記に説明したが、コスト算出データのデータ構造は以下の構成を有することも可能であり、その場合には以下の効果を奏する。
例えば、第1の構成は以下のとおりである。
経路探索を行う際に経路探索の指標となるコスト値を算出するのに用いられるコスト算出データのデータ構造であって、地図情報の道路網を構成するリンク毎に、当該リンクの短手方向及び長手方向に対して車線数とリンク長に応じて分割した複数の仮想グリッド(51)をグリッド状に配置し、前記仮想グリッド毎にコスト値を設定した。
上記構成を有するコスト算出データのデータ構造によれば、リンクに対して仮想グリッドをグリッド状に配置して、各仮想グリッドに対してコスト値を設定するので、特定車線の一部区間のみに走行を避けるべき区間がある場合、複雑な形状の道路区間を走行する場合、合流や右左折を繰り返し行う必要がある場合等においても、スムーズで適切な車線移動を行う経路を探索することが可能となる。
また、第2の構成は以下のとおりである。
前記仮想グリッド(51)は、前記リンクに含まれる車線に従って配置される。
上記構成を有するコスト算出データのデータ構造によれば、仮想グリッドによってリンクに含まれる車線間のコストの比較を行うことができ、車線間の移動について考慮した経路を探索することが可能となる。
また、第3の構成は以下のとおりである。
前記リンクを所定距離間隔で分割するとともに、前記リンクの長手方向には前記所定距離の長さを有する前記仮想グリッド(51)が前記リンクを分割した各区間に対応して配置される。
上記構成を有するコスト算出データのデータ構造によれば、リンクを分割してより細かい単位でコストを設定することが可能となるので、リンクの一部区間のみに走行を避けるべき区間がある場合、複雑な形状の道路区間を走行する場合、合流や右左折を繰り返し行う必要がある場合等において、よりスムーズで適切な車線移動を行う経路を探索することが可能となる。
また、第4の構成は以下のとおりである。
前記リンクの短手方向には、分割した各区間における車線数と同数の前記仮想グリッド(51)が配置される。
上記構成を有するコスト算出データのデータ構造によれば、リンクを分割して且つ車線毎にコストを設定することが可能となるので、より細かい区間単位で車線間のコストの比較を行うことが可能となる。
また、第5の構成は以下のとおりである。
前記リンクにおいて車線数が変化する地点を含む区間では、前記リンクの短手方向には、変化前と変化後のいずれか多い方の車線数と同数の前記仮想グリッド(51)が配置される。
上記構成を有するコスト算出データのデータ構造によれば、車両が走行可能なエリア全体に対して漏れることなく仮想グリッドを設定することができるので、車両が走行可能なエリア全体を用いてより適切な車線移動を行う経路を探索することが可能となる。
また、第6の構成は以下のとおりである。
前記仮想グリッド(51)に設定されるコスト値は、前記仮想グリッドに対応する車線毎に設定された基準コスト値に対して、道路形状又は道路状況に基づいて算出される加算コスト値を合算したコスト値である。
上記構成を有するコスト算出データのデータ構造によれば、道路形状又は道路状況を考慮してコスト値を設定することにより、より適切な車線移動を行う経路を探索することが可能となる。
また、第7の構成は以下のとおりである。
リンクが交差する交差地点では、交差するリンク毎に前記仮想グリッド(51)が配置されている。
上記構成を有するコスト算出データのデータ構造によれば、交差点で右左折する経路を探索する場合において、交差点の進入前と進入後のそれぞれにおいて走行するのに最も適切な車線を選択した経路を探索することが可能となる。
1 ナビゲーション装置
13 ナビゲーションECU
14 操作部
15 液晶ディスプレイ
32 グリッド情報DB
33 走行計画情報
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51 仮想グリッド
57 走行軌道

Claims (7)

  1. 経路探索を行う際に経路探索の指標となるコスト値を算出するのに用いられるコスト算出データのデータ構造であって、
    地図情報の道路網を構成するリンク毎に、当該リンクの短手方向及び長手方向に対して車線数とリンク長に応じて分割した複数の仮想グリッドをグリッド状に配置し、
    前記仮想グリッド毎にコスト値を設定したコスト算出データのデータ構造。
  2. 前記仮想グリッドは、前記リンクに含まれる車線に従って配置される請求項1に記載のコスト算出データのデータ構造。
  3. 前記リンクを所定距離間隔で分割するとともに、前記リンクの長手方向には前記所定距離の長さを有する前記仮想グリッドが前記リンクを分割した各区間に対応して配置される請求項1又は請求項2に記載のコスト算出データのデータ構造。
  4. 前記リンクの短手方向には、分割した各区間における車線数と同数の前記仮想グリッドが配置される請求項3に記載のコスト算出データのデータ構造。
  5. 前記リンクにおいて車線数が変化する地点を含む区間では、前記リンクの短手方向には、変化前と変化後のいずれか多い方の車線数と同数の前記仮想グリッドが配置される請求項4に記載のコスト算出データのデータ構造。
  6. 前記仮想グリッドに設定されるコスト値は、
    前記仮想グリッドに対応する車線毎に設定された基準コスト値に対して、道路形状又は道路状況に基づいて算出される加算コスト値を合算したコスト値である請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のコスト算出データのデータ構造。
  7. リンクが交差する交差地点では、交差するリンク毎に前記仮想グリッドが配置されている請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のコスト算出データのデータ構造。
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