JP2017181212A - 蓄電デバイスの発生ガス分析方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
Description
蓄電デバイスから発生するガスを捕集して分析する蓄電デバイスの発生ガス分析方法であって、
前記蓄電デバイスを容器内部に収容し、前記容器内部が不活性ガスで満たされる試験容器と、前記試験容器よりも低い内圧に保持される複数のサンプル容器と、前記試験容器と複数の前記サンプル容器とを連通させる複数の連通流路と、複数の前記連通流路の前記試験容器と前記サンプル容器との間にそれぞれ設けられた流路開閉弁と、を備えるガス捕集器を用い、前記流路開閉弁を閉じて前記蓄電デバイスの安全性評価試験を開始した後、複数の前記連通流路に設けられた前記流路開閉弁を、前記連通流路毎に順次異なるタイミングで開閉動作させ、開閉動作させた前記流路開閉弁に連通する前記サンプル容器に、当該流路開閉弁が開閉動作したタイミングで前記試験容器の内部ガスを吸引して捕集する工程と、
複数の前記サンプル容器にそれぞれ異なるタイミングで捕集された前記内部ガスを、前記サンプル容器毎に分析する工程と、
を有する蓄電デバイスの発生ガス分析方法。
また、本発明の蓄電デバイスの発生ガス分析方法は、次に示す方法であってもよい。
蓄電デバイスから発生するガスを捕集して分析する蓄電デバイスの発生ガス分析方法であって、
前記蓄電デバイスを容器内部に収容する試験容器と、前記蓄電デバイスの筐体内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、前記蓄電デバイスの筐体内の内部ガスを排出するガス排出流路と、を備えるガス捕集器を用い、前記蓄電デバイスの安全性評価試験の開始後、前記不活性ガス供給部から不活性ガスを特定のタイミングで前記蓄電デバイスの筐体内に供給する工程と、
前記不活性ガスの供給タイミングで、前記蓄電デバイスの筐体内から排出される前記内部ガスを、前記特定のタイミング毎に分析する工程と、
を有する蓄電デバイスの発生ガス分析方法。
更に本発明は、次に示す蓄電デバイスの発生ガス分析装置を提供する。
蓄電デバイスから発生するガスを捕集して分析する蓄電デバイスの発生ガス分析装置であって、
前記蓄電デバイスを容器内部に収容し、前記容器内部が不活性ガスで満たされる試験容器と、
前記試験容器よりも低い内圧に保持される複数のサンプル容器と、
前記試験容器と複数の前記サンプル容器とを連通させる複数の連通流路と、
複数の前記連通流路の前記試験容器と前記サンプル容器との間にそれぞれ設けられた流路開閉弁と、
複数の前記連通流路の前記流路開閉弁を、前記連通流路毎に順次異なるタイミングで開閉動作させ、開閉動作された前記流路開閉弁に連通する前記サンプル容器に、当該流路開閉弁が開閉動作されたタイミングで前記試験容器の内部ガスを吸引して捕集させるガス捕集駆動部と、
複数の前記サンプル容器にそれぞれ異なるタイミングで捕集された前記内部ガスを、前記サンプル容器毎に分析する分析器と、
を具備する蓄電デバイスの発生ガス分析装置。
また、本件発明の蓄電デバイスの発生ガス分析装置は、次に示す装置であってもよい。
蓄電デバイスから発生するガスを捕集して分析する蓄電デバイスの発生ガス分析装置であって、
前記蓄電デバイスを容器内部に収容する試験容器と、
前記蓄電デバイスの筐体内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、
前記蓄電デバイスの筐体内の内部ガスが排出されるガス排出流路と、
前記不活性ガス供給部から不活性ガスを特定のタイミングで前記蓄電デバイスの筐体内に供給させ、前記内部ガスを前記ガス排出流路に排出させるガス排出駆動部と、
前記ガス排出流路に前記特定のタイミングで排出された前記内部ガスを、前記特定のタイミング毎に分析する分析器と、
を備える蓄電デバイスの発生ガス分析装置。
<第1構成例>
図1は蓄電デバイスの発生ガス分析装置100の模式的な構成図である。この蓄電デバイスの発生ガス分析装置(以下、分析装置と略称する)100は、蓄電デバイス11の安全性評価試験中に蓄電デバイス11から発生するガスを捕集し、この捕集されたガスを分析する。ここで用いる蓄電デバイス11は、リチウムイオン電池を例示するが、他の種類の電池であってもよい。
まず、被試験対象となる蓄電デバイス11を試験容器19にセットする。この蓄電デバイス11の表面に温度センサ35を取り付け、電流電圧検出部43のプローブを蓄電デバイス11の電極端子41A,41Bに取り付ける。そして、蓄電デバイス11が収容された試験容器19の容器内部を、図示しない不活性ガス供給部からヘリウムガスや窒素ガス等の不活性ガスで充満させる。
次に、蓄電デバイスの発生ガス分析装置の第2構成例を説明する。
図2は第2構成例の分析装置200の模式的な構成図である。以降の説明では、前述の第1構成例の分析装置100と同一の部品や部材に対しては、同一の符号を付与することで、その説明を省略又は簡単化する。
まず、被試験対象となる蓄電デバイス11を試験容器19にセットし、温度センサ35を蓄電デバイス11の表面に配置して、電流電圧検出部43のプローブを電極端子41A,41Bに接続する。
図1に示す分析装置100を用い、蓄電デバイス11である3Ahのリチウムイオン電池に関する安全性評価試験として、釘刺し試験を行った。試験中、リチウムイオン電池の表面温度と試験容器19の雰囲気温度を温度センサ35,37で検出し、データロガー45に記録した。また、電流電圧検出部43により、電池電圧もデータロガー45に記録した。そして、リチウムイオン電池から発生したガスを、試験中4つの時間帯(釘刺し前、釘刺し3秒後、釘刺し6秒後、釘刺し6分後における、各時間帯の上流側流路開閉弁27の開放時間3秒間)で、複数のサンプル容器29を用いて経時的に断続して捕集して、捕集したガスのガス発生量と発生ガス成分を分析した。
図2に示す分析装置200を用い、安全性評価試験中に発生したガスをガスバッグに捕集すると共に、ガスの一部を分析器に直接送気して分析した。蓄電デバイス11として5Ahの角形リチウムイオン電池を用い、過充電試験を実施した。試験中、リチウムイオン電池の表面温度と試験容器19の雰囲気温度を温度センサ35,37により検出し、データロガー45に記録した。また、電流電圧検出部43により、電池電圧、通電電流を検出してデータロガー45に記録した。試験中にリチウムイオン電池から発生したガスは、不活性ガス供給部53からHeガスをリチウムイオン電池の筐体内に送気して、筐体内から発生ガスを押し出すことによってガスバッグに捕集した。また、押し出された発生ガスの一部を分析器15である質量分析装置に送気し、試験中、連続的に分析した。
図6は、比較例としての分析装置の模式的な構成を示す参考図である。
比較例の分析装置300は、釘部33aを有する釘刺し部33が昇降フレーム61に取り付けられたフレーム63と、蓄電デバイス11が容器内部に収容された試験容器19と、試験容器19に配管65を通じて連通されたバッファータンク67と、バッファータンク67に配管69を通じて連通されたガスバッグ71とを備える。試験容器19には、配管73を通じて不活性ガスが供給可能となっている。
上記構成の分析装置300を用い、5Ahのリチウムイオン電池に関する釘刺し試験を実施した。試験中、リチウムイオン電池の表面温度と試験容器19の雰囲気温度を熱電対で計測し、データロガーに記録した。また電池電圧もデータロガーに記録した。試験中に発生したガスは、全てガスバッグ71に捕集し、捕集ガスの分析(ガス発生量と発生ガス成分)を行った。
(1) 蓄電デバイスから発生するガスを捕集して分析する蓄電デバイスの発生ガス分析方法であって、
前記蓄電デバイスを容器内部に収容し、前記容器内部が不活性ガスで満たされる試験容器と、前記試験容器よりも低い内圧に保持される複数のサンプル容器と、前記試験容器と複数の前記サンプル容器とを連通させる複数の連通流路と、複数の前記連通流路の前記試験容器と前記サンプル容器との間にそれぞれ設けられた流路開閉弁と、を備えるガス捕集器を用い、前記流路開閉弁を閉じて前記蓄電デバイスの安全性評価試験を開始した後、複数の前記連通流路に設けられた前記流路開閉弁を、前記連通流路毎に順次異なるタイミングで開閉動作させ、開閉動作させた前記流路開閉弁に連通する前記サンプル容器に、当該流路開閉弁が開閉動作したタイミングで前記試験容器の内部ガスを吸引して捕集する工程と、
複数の前記サンプル容器にそれぞれ異なるタイミングで捕集された前記内部ガスを、前記サンプル容器毎に分析する工程と、
を有する蓄電デバイスの発生ガス分析方法。
この蓄電デバイスの発生ガス分析方法によれば、試験容器の内部ガスを、経時的に異なるタイミングで吸引してサンプル容器内に捕集し、これらのサンプル容器に捕集されたガスを、分析器によりサンプル容器毎に分析する。これにより、発生ガスの経時変化の分析が可能となる。
この蓄電デバイスの発生ガス分析方法によれば、各種の分析方法が選択的に実施されることで、発生ガスの所望の分析が可能となる。
前記蓄電デバイスを容器内部に収容する試験容器と、前記蓄電デバイスの筐体内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、前記蓄電デバイスの筐体内の内部ガスを排出するガス排出流路と、を備えるガス捕集器を用い、前記蓄電デバイスの安全性評価試験の開始後、前記不活性ガス供給部から不活性ガスを特定のタイミングで前記蓄電デバイスの筐体内に供給する工程と、
前記不活性ガスの供給タイミングで、前記蓄電デバイスの筐体内から排出される前記内部ガスを、前記特定のタイミング毎に分析する工程と、
を有する蓄電デバイスの発生ガス分析方法。
この蓄電デバイスの発生ガス分析方法によれば、蓄電デバイスの筐体内の内部ガスを、経時的に異なるタイミングで押し出して分析器により分析する。これにより、発生ガスの経時変化の分析が可能となる。
この蓄電デバイスの発生ガス分析方法によれば、各種の分析方法が選択的に実施されることで、発生ガスの所望の分析が可能となる。
この蓄電デバイスの発生ガス分析方法によれば、各種の安全性評価試験において発生するガスの経時変化の分析が可能となる。
この蓄電デバイスの発生ガス分析方法によれば、発生ガスのガス量の経時変化、ガス成分の経時変化が求められる。
前記蓄電デバイスを容器内部に収容し、前記容器内部が不活性ガスで満たされる試験容器と、
前記試験容器よりも低い内圧に保持される複数のサンプル容器と、
前記試験容器と複数の前記サンプル容器とを連通させる複数の連通流路と、
複数の前記連通流路の前記試験容器と前記サンプル容器との間にそれぞれ設けられた流路開閉弁と、
複数の前記連通流路の前記流路開閉弁を、前記連通流路毎に順次異なるタイミングで開閉動作させ、開閉動作された前記流路開閉弁に連通する前記サンプル容器に、当該流路開閉弁が開閉動作されたタイミングで前記試験容器の内部ガスを吸引して捕集させるガス捕集駆動部と、
複数の前記サンプル容器にそれぞれ異なるタイミングで捕集された前記内部ガスを、前記サンプル容器毎に分析する分析器と、
を具備する蓄電デバイスの発生ガス分析装置。
前記蓄電デバイスを容器内部に収容する試験容器と、
前記蓄電デバイスの筐体内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、
前記蓄電デバイスの筐体内の内部ガスが排出されるガス排出流路と、
前記不活性ガス供給部から不活性ガスを特定のタイミングで前記蓄電デバイスの筐体内に供給させ、前記内部ガスを前記ガス排出流路に排出させるガス排出駆動部と、
前記ガス排出流路に前記特定のタイミングで排出された前記内部ガスを、前記特定のタイミング毎に分析する分析器と、
を備える蓄電デバイスの発生ガス分析装置。
13 ガス捕集器
15 分析器
17 容器内部
19 試験容器
21 ガス捕集ライン
23 連通流路
27 上流側流路開閉弁(流路開閉弁)
29 サンプル容器
31 下流側流路開閉弁
33 釘差し部
33a 釘部
35,37 温度センサ
41A,41B 電極端子
43 電流電圧検出部
45 データロガー
51 連通流路(ガス排出流路)
53 不活性ガス供給部(ガス排出駆動部)
55 ガスバッグ
57 分岐流路
100,200 分析装置(蓄電デバイスの発生ガス分析装置)
Claims (8)
- 蓄電デバイスから発生するガスを捕集して分析する蓄電デバイスの発生ガス分析方法であって、
前記蓄電デバイスを容器内部に収容し、前記容器内部が不活性ガスで満たされる試験容器と、前記試験容器よりも低い内圧に保持される複数のサンプル容器と、前記試験容器と複数の前記サンプル容器とを連通させる複数の連通流路と、複数の前記連通流路の前記試験容器と前記サンプル容器との間にそれぞれ設けられた流路開閉弁と、を備えるガス捕集器を用い、前記流路開閉弁を閉じて前記蓄電デバイスの安全性評価試験を開始した後、複数の前記連通流路に設けられた前記流路開閉弁を、前記連通流路毎に順次異なるタイミングで開閉動作させ、開閉動作させた前記流路開閉弁に連通する前記サンプル容器に、当該流路開閉弁が開閉動作したタイミングで前記試験容器の内部ガスを吸引して捕集する工程と、
複数の前記サンプル容器にそれぞれ異なるタイミングで捕集された前記内部ガスを、前記サンプル容器毎に分析する工程と、
を有する蓄電デバイスの発生ガス分析方法。 - 前記内部ガスを分析する工程は、GC−MS法、GC法、IC法、ICP−AES法、ICP−MS法、吸光光度法、IR法の少なくとも一つに基づいて分析する工程である請求項1に記載の蓄電デバイスの発生ガス分析方法。
- 蓄電デバイスから発生するガスを捕集して分析する蓄電デバイスの発生ガス分析方法であって、
前記蓄電デバイスを容器内部に収容する試験容器と、前記蓄電デバイスの筐体内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、前記蓄電デバイスの筐体内の内部ガスを排出するガス排出流路と、を備えるガス捕集器を用い、前記蓄電デバイスの安全性評価試験の開始後、前記不活性ガス供給部から不活性ガスを特定のタイミングで前記蓄電デバイスの筐体内に供給する工程と、
前記不活性ガスの供給タイミングで、前記蓄電デバイスの筐体内から排出される前記内部ガスを、前記特定のタイミング毎に分析する工程と、
を有する蓄電デバイスの発生ガス分析方法。 - 前記内部ガスを分析する工程は、GC−MS法又はIR法に基づいて分析する工程である請求項3に記載の蓄電デバイスの発生ガス分析方法。
- 前記安全性評価試験は、釘刺し試験、過充電試験、加熱試験、外部短絡試験、過放電試験、圧壊試験、充放電試験、保存試験の少なくとも一つの試験である請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の蓄電デバイスの発生ガス分析方法。
- 前記内部ガスを分析する工程は、発生ガス量、ガス成分の少なくとも一方を求める工程である請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の蓄電デバイスの発生ガス分析方法。
- 蓄電デバイスから発生するガスを捕集して分析する蓄電デバイスの発生ガス分析装置であって、
前記蓄電デバイスを容器内部に収容し、前記容器内部が不活性ガスで満たされる試験容器と、
前記試験容器よりも低い内圧に保持される複数のサンプル容器と、
前記試験容器と複数の前記サンプル容器とを連通させる複数の連通流路と、
複数の前記連通流路の前記試験容器と前記サンプル容器との間にそれぞれ設けられた流路開閉弁と、
複数の前記連通流路の前記流路開閉弁を、前記連通流路毎に順次異なるタイミングで開閉動作させ、開閉動作された前記流路開閉弁に連通する前記サンプル容器に、当該流路開閉弁が開閉動作されたタイミングで前記試験容器の内部ガスを吸引して捕集させるガス捕集駆動部と、
複数の前記サンプル容器にそれぞれ異なるタイミングで捕集された前記内部ガスを、前記サンプル容器毎に分析する分析器と、
を具備する蓄電デバイスの発生ガス分析装置。 - 蓄電デバイスから発生するガスを捕集して分析する蓄電デバイスの発生ガス分析装置であって、
前記蓄電デバイスを容器内部に収容する試験容器と、
前記蓄電デバイスの筐体内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、
前記蓄電デバイスの筐体内の内部ガスが排出されるガス排出流路と、
前記不活性ガス供給部から不活性ガスを特定のタイミングで前記蓄電デバイスの筐体内に供給させ、前記内部ガスを前記ガス排出流路に排出させるガス排出駆動部と、
前記ガス排出流路に前記特定のタイミングで排出された前記内部ガスを、前記特定のタイミング毎に分析する分析器と、
を備える蓄電デバイスの発生ガス分析装置。
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