JP2017180844A - 加湿機構及び空気清浄機 - Google Patents

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研一 浜田
Kenichi Hamada
研一 浜田
蛭田 康之
Yasuyuki Hiruta
康之 蛭田
阿部 利浩
Toshihiro Abe
利浩 阿部
山田 浩嗣
Hiroshi Yamada
浩嗣 山田
洋一 塩家
Yoichi Shioya
洋一 塩家
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Abstract

【課題】貯水容器の水が十分な濃度の除菌成分の濃度を維持でき、しかも、除菌剤から除菌成分が必要以上に溶け出さない加湿機構及び空気清浄機を提供する。
【解決手段】貯水容器20と別に設けた除菌剤32を収納した除菌ユニット30と、加湿を行う加湿フィルタ3とを別々の水路で給水手段21を介して貯水容器20と接続し、除菌成分を貯水容器20の水に付加する場合は、給水手段21から送られる貯水容器20の水を除菌ユニット30に供給し、除菌ユニット30に供給された除菌成分を含んだ水を再び貯水容器20に戻すと共に、加湿運転モードを行なわない場合は、除菌ユニット30への給水を停止する。除菌ユニットに貯水容器の水が流され、除菌成分を含んだ状態で貯水容器に回収されるので、貯水容器の除菌成分の濃度を高く維持できる。また、加湿運転モードを行なわない場合は除菌ユニットへの給水を停止するので、長期に亘り除菌剤の除菌効果を維持することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は室内を加湿する加湿機構及び空気清浄機に係り、特に気化式の加湿機構及び空気清浄機に関するものである。
従来の気化式の加湿機構において、加湿機構の貯水容器や水路(以下、単に貯水容器と表記する)の水に細菌やカビ菌が繁殖した場合、気化式であるため加湿の際に細菌やカビ菌は室内に放出されないが、加湿機構の貯水容器の水内で繁殖した細菌やカビ菌により多くの臭い成分を発生し、この臭い成分が水分と一緒に室内に放出されて室内に漂うことがある。
このような臭い成分が室内に漂うことを防止するため、例えば、特開2005−147473号公報(特許文献1)においては、加湿機構の貯水容器内の水の中に除菌剤を設置して、水内の細菌やカビ菌を除菌するようにしている。この除菌剤は、水内の細菌やカビ菌の除菌に効果のある、抗菌性金属である銀等の除菌成分を担持した多孔質体を使用し、銀等の除菌成分が水中に溶けだすことによって水中の除菌成分の濃度を高くして、加湿機構の貯水容器内の水を除菌している。
特開2005−147473号公報
しかしながら、特許文献1にあるような従来の加湿機構では、除菌剤(多孔質体)から除菌成分が水中に溶け出す量を充分制御できないため、貯水容器に水が残ったまま加湿機構を長期間に亘って使用しない状態が続くと、必要以上に除菌剤から除菌成分が溶け出して、早期に除菌剤の効果が消失してしまうという課題があった。
一方、貯水容器に水が残ったままであっても長期に亘って除菌効果を継続させるために、除菌成分が水に溶け出す量を抑えた除菌剤を使用した場合、新しい追加の水を貯水容器に供給して加湿を行うと、除菌成分が水に溶け出す量を抑えた除菌剤であるため、供給される追加の水の量によっては、貯水容器や水路内の水が十分な除菌成分を含む濃度にならずに加湿を行うこととなる。したがって、この場合も除菌成分の濃度を充分な濃度に保持することが困難であるという課題があった。
本発明の目的は、貯水容器の水が十分な濃度の除菌成分の濃度を維持でき、しかも、除菌剤から除菌成分が必要以上に溶け出さない新規な加湿機構及び空気清浄機を提供することにある。
本発明の特徴は、貯水容器と別に設けた除菌剤を収納した除菌ユニットと、加湿を行う加湿フィルタとを別々の水路で給水手段を介して貯水容器と接続し、除菌成分を貯水容器の水に付加する場合は、給水手段から送られる貯水容器の水を除菌ユニットに供給し、除菌ユニットに供給された除菌成分を含んだ水を再び貯水容器に戻すと共に、加湿運転モードを行なわない場合は、除菌ユニットへの給水を停止する、ところにある。
本発明によれば、除菌成分を貯水容器の水に付加する場合は、除菌ユニットに貯水容器の水が流され、除菌成分を含んだ状態で貯水容器に回収されるので、貯水容器の除菌成分の濃度を充分に高く維持することができる。また、加湿運転モードを行なわない場合は除菌ユニットへの給水を停止するので、長期に亘り除菌剤の除菌効果を維持することができる。
本発明の実施形態に係る空気清浄機の外観斜視図である。 本発明の実施形態に係る空気清浄機の分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る空気清浄機の内部構造をその背面から見た場合の構成を模式的に示し、更に加湿運転モードの動作を説明する構成図である。 本発明の実施形態に係る空気清浄機の内部構造をその左側面から見た場合の構成を説明する構成図である。 本発明の実施形態に係る空気清浄機の内部構造をその背面から見た場合の構成を模式的に示し、更に除菌成分溶出運転の動作を説明する構成図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
図1は、本発明の実施形態に係る空気清浄機の外観斜視図であり、図2は、空気清浄機の分解斜視図である。尚、図1には、ハウジング4内に配置される加湿フィルタと、給水機構とを破線(隠れ線)で描いている。
本実施形態に係る空気清浄機1は、後に詳しく説明するように、加湿フィルタ3の鉛直方向上部に水を供給する給水機構2を備えている。なお、以下の説明における前後左右上下の方向は、図1に示す空気清浄機1の前後左右上下の方向を基準とし、鉛直方向の上側は、図1に示す上方向の矢印に一致している。
まず、空気清浄機1の全体構成について説明した後に、給水機構2と加湿フィルタ3とについて説明する。
<空気清浄機の全体構成>
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る空気清浄機1は、フロントパネル4aと、一対のサイドパネル4b、4b(図1には、左側のサイドパネル4bのみ図示)と、アッパケース4cと、リアパネル4dと、を備えてハウジング4が形成されている。このハウジング4は、貯水容器(水タンク)20が引き出し可能に収容されるタンクベース6と、これに取り付けられるリアケース4e(図2参照)とを介して組み立てられている。
尚、左側のサイドパネル4bには、加湿フィルタ3をハウジング4から取り出す際の開閉蓋4fが設けられている。また、図1及び図2の中で、参照番号7は、開閉角度の調節可能な後述するフラップである。ちなみに、このフラップ7は、後縁側を軸にして前縁側が持ち上がるように回動して開く構成となっている。
図2に示すように、空気清浄機1のハウジング4内には、リアパネル4d側からフロントパネル4a側に向かって、浄化フィルタユニット8と、加湿フィルタ3と、送風機構10と、がこの順番で配置されている。
尚、後に詳しく説明するが、浄化フィルタユニット8は、プレフィルタ8aと、集塵フィルタ8bと、脱臭フィルタ8cとで主に構成され、送風機構10は、遠心ファン11と、スクロール12と、モータ13とで主に構成されている。
ちなみに、このハウジング4内には、後述する送風機構10の遠心ファン11が回転することによって、リアパネル4dの両側縁部の開口4g、4gからハウジング4の外部の空気が流入する。そして、この空気流は、浄化フィルタユニット8と、加湿フィルタ3と、をこの順番で流通する。その後、空気は、遠心ファン11が収納されるスクロール12の上部開口からフィルタ14及びフラップ7を介して空気清浄機1のハウジング4外に送り出される。
浄化フィルタユニット8は、リアパネル4d側からフロントパネル4a側に向かって、プレフィルタ8aと、集塵フィルタ8bと、脱臭フィルタ8cと、がこの順番で配置されて構成されている。
プレフィルタ8aは、綿ごみ等の比較的大きなゴミを捕集するものである。集塵フィルタ8bは、塵、埃、花粉等の比較的小さな微粒子を捕集するものである。脱臭フィルタ8cは、臭いの元となる化学物質を吸着するものである。
加湿フィルタ3は、これを流通する空気の湿度を高めるものである。この加湿フィルタ3については、後に詳しく説明する。
送風機構10は、スクロール12内に配置される遠心ファン11と、この遠心ファン11を回転させるモータ13とを備えて構成されている。
この送風機構10は、上述したように、遠心ファン11が回転することにより、リアパネル4dの開口4g、4gから導入した空気を浄化フィルタユニット8及び加湿フィルタ3に流通させた後、フラップ7を介してハウジング4外に送り出すように動作する。
送風機構10とリアケース4eの間には隔壁部材16が配置されており、この隔壁部材16の一部に加湿された空気が通過する通気孔が形成されている。この通気孔は加湿フィルタ3に空気を導入しやすくするためするに、加湿フィルタ3と向き合う位置に設けられている。
また、この実施形態では示していないが、加湿フィルタ3を通過する空気に、より多くの水分を含ませせるために、加湿フィルタ3を通過する前の空気を加熱する電気ヒータを設けることも可能であり、この電気ヒータはセラミックヒータ等を用いることができる。
<給水機構>
次に、空気清浄機1の給水機構2について説明する。
給水機構2は、図2に示すように、タンクベース6に収納される貯水容器20と、貯水容器20に貯留される水を汲み上げる給水ポンプ21と、加湿フィルタ3に配置される後述の給水管22(図3及び図4参照)と、給水ポンプ21と給水管22とを連結する連通管23と、貯水容器20内に留置され、給水ポンプ21と連結する後述の汲み上げ管24(図3及び図4参照)と、を備えている。
タンクベース6は、図2に示すように、略直方体の箱体で形成され、その側部開口から貯水容器20の出し入れができるようになっている。このタンクベース6の上面には、加湿フィルタ3が載置される受け皿6aが設けられ、この受け皿6aには、タンクベース6内と連通する連通孔6bが形成されている。
貯水容器20は、図2に示すように、略直方体の箱体で形成され、その内部には加湿フィルタ3に供給される水が貯留されるようになっている。参照番号20aは、貯水容器20の上面に形成された連通孔であり、この連通孔20aは、貯水容器20の内外を連通させている。
図3は、本発明の実施形態に係る空気清浄機1の内部構造を背面から見た際の給水機構2及び加湿フィルタ3の構成を模式的に示すものである。図4は、本発明の実施形態に係る空気清浄機1の内部構造を左側面から見た際の給水機構2及び加湿フィルタ3の構成を模式的に示すものである。
この図3及び図4は加湿運転モードを行なっている状態であり、貯水容器20の水は給水ポンプ21によって加湿フィルタ3に給水されている。そして、送風機構10の作動によって空気がハウジング4内に吸い込まれ、図4に示すように、吸い込まれた空気は加湿フィルタ3を流通する。この流通過程で加湿フィルタ3に供給されている水分が蒸発して流通している空気に取り込まれ、遠心ファン11によってハウジング4の外部に吹き出される。これによって、室内の空気が加湿されるようになる。
尚、図2にある通り、図3及び図4中の参照番号4はハウジングであり、参照番号6はタンクベースである。また、図4中の参照番号8は浄化フィルタユニットであり、参照番号2は給水機構であり、参照番号11は遠心ファンであり、参照番号12はスクロールであり、参照番号13はモータであり、参照番号4gはケーシング4のリアパネル4dの開口である。
これらは図2に示している通りに配置されているが、図3及び図4中、ハウジング4、開口4g、タンクベース6、遠心ファン11、スクロール12、及びモータ13は、それぞれ仮想線(二点鎖線)で描いている。
図3に示すように、給水ポンプ21の吸引部(図示省略)にはアダプタ管21aが設けられている。このアダプタ管21aは、貯水容器20に留置される汲み上げ管24と着脱自在に連結されている。
汲み上げ管24は、貯水容器20に水没する位置に複数の吸込孔24aが形成されている。また、汲み上げ管24は、貯水容器20の上方に延出する途中でアダプタ管21aに向けてL字状に屈曲しており、その先端部とアダプタ管21aとは嵌合して流体的に結合されている。
ちなみに、図2に示すように、タンクベース6から貯水容器20を引き出した際には、汲み上げ管24(図3参照)とアダプタ管21a(図3参照)との嵌合が解除される。また、タンクベース6内に貯水容器20を収納した際には、汲み上げ管24とアダプタ管21aとは再び嵌合する。
図3に示すように、給水ポンプ21の吐出部(図示省略)には連通管23が接続されている。この連通管23は、給水ポンプ21側から加湿フィルタ3の右縁沿いに鉛直方向上側に向けて延出すると共に、加湿フィルタ3の上縁部側に向けて屈曲して給水管22と連結される連結部23aを備えている。この連結部23aは、後述する給水管22の一端側と着脱自在に嵌合している。
ちなみに、図1に示す開閉蓋4fを開いて加湿フィルタ3をハウジング4内から取り出す際には、給水管22(図3参照)と連結部23a(図3参照)との嵌合が解除される。また、ハウジング4内の元の位置に加湿フィルタ3を配置した際には、給水管22と連結部23aとは再び嵌合する。
図3に示すように、給水管22は、加湿フィルタ3の鉛直方向上縁部に沿って延在するように配置されている。また、給水管22は、連結部23aと嵌合する一端側から他端側に向けて(本実施形態では空気清浄機1の右側から左側に向けて)下り勾配に傾斜している。なお、本実施形態では、給水管22の一端側に形成される図示しない開口が、給水部に相当する。このような給水管22には、その延在方向に沿うように複数の給水穴22aを有している。
また、図3に示すように、給水ポンプ21から汲み上げた水を加湿フィルタ3側と除菌ユニット30側の両方に供給するか、或いは後述する除菌ユニット30側だけに選択的に供給するため、垂直方向(上下方向)で加湿フィルタ3側の高さと、除菌ユニット30側の高さを変えている。つまり、加湿フィルタ3の給水管22に至る連通管23の高さXに対して、除菌ユニット30の連通管33に至る連通管23の高さWの方が低くなっている。
このように、除菌ユニット30に接続された連通管33に至る連通管23の高さが低いので、給水ポンプ21の吐出圧が低い場合は連通管23、33を介して除菌ユニット30に貯水容器20の水が供給される。一方、給水ポンプ21の吐出圧が高い場合は連通管23、33を介して除菌ユニット30に貯水容器20の水が供給されると共に、連通管23、給水管22を介して加湿フィルタ3に貯水容器20の水が供給される。
したがって、図3においては加湿運転モードを行うために、給水ポンプ21の回転数を高くして吐出圧を大きくし、除菌ユニット30と加湿フィルタ3の両方に貯水容器20からの水を供給している。加湿フィルタ3に供給された水は、加湿フィルタを流通する空気によって蒸発してハウジング4の外部に供給され、室内を加湿する。一方、除菌ユニット30に供給された水は、除菌剤32を通過する途中で除菌成分を取り込み、再び貯水容器20に戻される。
<加湿フィルタ>
次に、空気清浄機1の加湿フィルタ3について説明する。本実施形態での加湿フィルタ3は板状体であり、繊維状、或いは不織布状の水分保持体を複数枚重ね合せて圧縮したものを使用することができる。また、水分保持体として連続発泡させた柔らかい合成樹脂(スポンジ等)を使用することもできる。連続発泡させているので空気は充分通過可能である。
図4に示すように、加湿フィルタ3は、浄化フィルタユニット8と送風機構10との間で、鉛直方向に立設されているが、ここで、隔壁部材16はその表示を省略している。そして、給水管22は、加湿フィルタ3の鉛直方向上縁部の空気上流側に配置されている。尚、図4中の白抜き矢印は、空気の流れを表している。
本実施形態での加湿フィルタ3は可撓性を有しており、加湿フィルタ3は図3及び図4に示すように、その周囲が枠体3aで支持されている。
加湿フィルタ3は、図4に示すように、鉛直方向下縁部側から給水管22の鉛直方向下部に向かって延びる途中で給水管22の空気下流側の側面部に至るように延びている。言い換えれば、加湿フィルタ3は、鉛直方向下縁部側から給水管22に向かって延びて、給水管22に当接する直前で給水管22の空気下流側に向けて屈曲している。また、加湿フィルタ3を支持する枠体3aの下部には、図3及び図4に示すように、水受けトレイ3bが設けられている。
ちなみに、図1に示す開閉蓋4fを開いて加湿フィルタ3をハウジング4内から取り出す際には、加湿フィルタ3(図3及び図4参照)と枠体3a(図3及び図4参照)と水受けトレイ3b(図3及び図4参照)とが一体となってハウジング4内から取り出される。
図3及び図4に示すように、水受けトレイ3bには、ドレイン孔3cが形成され、このドレイン孔3cは、図1に示すタンクベース6の受け皿6a側に開口している。
尚、ドレイン孔3cには、開閉弁Vが設けられており、ハウジング4内の所定位置に加湿フィルタ3が配置されている際には、開閉弁Vが上方に向けて付勢されることでドレイン孔3cは開かれている。そして、加湿フィルタ3をハウジング4内から取り出す際には、開閉弁Vがドレイン孔3cを閉じる構成となっている。
したがって、加湿フィルタ3をハウジング4内から取り出す際には、ドレイン孔3cが閉じられて、加湿フィルタ3から滴り落ちる水は、水受けトレイ3bに受け止められる。これにより、加湿フィルタ3から滴り落ちる水で、室内の床面等が濡れることが防止される。
尚、加湿フィルタ3がハウジング4内にある場合は、加湿フィルタ3から水受けトレイ3bに滴り落ちた水は、ドレイン孔3cから、図2に示す受け皿6aの連通孔6b、及び貯水容器20の連通孔20aを介して貯水容器20内に戻される。つまり、貯水容器20の水は、給水ポンプ21によって還流する構成となっている。
<除菌ユニット>
次に、空気清浄機1の除菌ユニット30について説明する。図5は、本発明の実施形態に係る空気清浄機の内部構造をその背面から見た場合の構成を模式的に示し、除菌成分溶出運転の動作を行なっている状態を示している。尚、この除菌成分溶出運転は加湿運転モードの中の1つのモードである。
除菌ユニット30は、図5に示すように給水ポンプ21から汲み上げた水を除菌ユニット30側だけに供給するため連通管33によって連通管23と接続されている。この連通管33と連通管23の接続点の高さWは、給水管22と連通管23の接続点のたかさXより低く構成されている。
したがって、除菌ユニット30だけに水を供給する場合は、給水ポンプ21の回転数を少なくして吐出圧を低くすれば、除菌ユニット30だけに水を供給することができる。本実施形態になる除菌ユニット30は貯水容器20とは別に設けられており、除菌ユニット30内には、除菌剤を担持したセラミックのような多孔質体で構成される除菌剤32が配置されている。
このため、除菌ユニット30内に給水ポンプ21から汲み上げた水が入ると、除菌剤32から除菌成分が水中に溶けだし、除菌成分を含んだ水は連通管34を通って水受けトレイ3bのドレイン孔3cから、図2に示す受け皿6aの連通孔6b、及び貯水容器20の連通孔20aを介して貯水容器20内に戻される。つまり、貯水容器20の水は、給水ポンプ21によって除菌ユニット30を通って還流する構成となっている。
図3及び図5から明らかなように、新しい追加の水を貯水容器20に供給した場合は、給水ポンプ21の吐出圧を低くして、吸水ポンプ21からの水が除菌ユニット30側だけに流れるようにすれば良いものである。一方、加湿運転モードを行う場合は、給水ポンプ21の吐出圧を高くして、吸水ポンプ21からの水が除菌ユニット30側と加湿フィルタ3側の両方に流れるようにすれば良いものである。
このようにすれば、追加の水によって貯水容器20内の除菌成分の濃度が低下しても、追加の水が供給された時に除菌ユニット30に給水ポンプ21から水が供給され、除菌剤32から溶け出した除菌成分を含む水が再び貯水容器20に戻されるので、追加の水による貯水容器20内の除菌成分の濃度の低下を補償することが可能となる。この新しい追加の水を貯水容器20に供給した場合に、給水ポンプ21を低速で回転させるためには、手動で水の追加があったことを制御装置に入力する、或いは貯水容器21の出し入れを検出して制御装置に入力する、或いは貯水容器21内の水の重量を検出して制御装置に入力することで、給水ポンプ21の回転数を制御することができる。尚、新しい追加の水を供給したことを検出するためには、これら以外の方法であっても良いものである。
もちろん、加湿運転モードが実行されている場合も、除菌ユニット30に給水ポンプ21から水が供給され、除菌剤32から溶け出した除菌成分を含む水が再び貯水容器20に戻されるので、貯水容器20内の除菌成分の濃度の低下を補償することが可能となる。
また、空気清浄機1を加湿運転モードに設定しない場合(空気清浄機自体を停止する場合も含む)は、そもそも除菌ユニット30や加湿フィルタ3に給水ポンプ21から水が供給されていなく、除菌ユニット30の除菌剤32から除菌成分が溶け出すことがないので、除菌剤32の効果を長期に亘って維持することが可能となるものである。
ここで、除菌剤32としては、活性イオン顆粒剤などが挙げられ、水に溶出した活性イオンにより、水道水の塩素と同等の効果を生み出すことで、除菌効果を実現することができる。ここで、活性イオンの除菌効果は、例えばAgイオンであるならば、約0.1mg/L以上の活性イオン濃度であれば細菌やカビ菌を除菌できることが確認されている。
次に、本実施形態に係る空気清浄機1の加湿機構の動作を説明しながら加湿機構の除菌の作用、効果について説明する。
先ず、加湿機構を動作させるため、最初に貯水容器20に新しい水を入れて、空気清浄機1に取り付ける。この場合においては、貯水容器20の水は除菌成分を含んでいないため、図5に示すように除菌成分の濃度が除菌効果のある濃度になるまで、低速で回転する給水ポンプ21から汲み上げた吐出圧が低い水を除菌ユニット30側だけに供給する。その後、除菌ユニット30内の除菌剤32から除菌成分が供給された水に溶けだし、除菌成分を含んだ水は連通管34を経由して水受けトレイ3bに流れ、水受けトレイ3bから、貯水容器20内に戻されて還流することによって、素早く貯水容器20の水を除菌効果のある濃度まで高めることができる。
ここで、本実施形態では、貯水容器20の容積を2.5L、給水ポンプ21が0.8L/分の水を汲み上げることができように設定し、Agイオンの顆粒剤が1回の水が通過した場合に約0.1mg/L以上の活性イオン濃度になると設定すると、約3分間に亘り図5に示す状態で給水ポンプ21を動作させることで、貯水容器20の水を除菌効果のある所定の濃度にすることができる。
このように、循環させる時間は、貯水容器に供給する追加の水の量、水が除菌剤を通過する量、通過時に除菌成分が溶け出す量によって決まるので、製品の仕様によってこれらを適切に決めれば良いものである。
また、加湿運転モードを行う場合は、給水ポンプ21の回転数を高くして給水ポンプ21から汲み上げた吐出圧が高い水を、除菌ユニット30側と加湿フィルタ3側に供給するようにすることで、正規の加湿動作を行うことができるようになる。
また、加湿運転モードに設定されていない場合は、除菌ユニット30に水が供給されないため、除菌剤32から除菌成分が溶け出すのを防止することができる。これによって、長期に亘り除菌剤の除菌効果を維持することができる。
尚、上述実施例では除菌剤30として活性イオン顆粒剤(Agイオン)を使用したが、除菌機能を有するものであればこれに限定するものではない。
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
1…空気清浄機、2…給水機構、3…加湿フィルタ、3a…枠体、3b…水受けトレイ、3c…ドレイン孔、4…ハウジング、4a…フロントパネル、4b…サイドパネル、4c…アッパケース、4d…リアパネル、4e…リアケース、4f…開閉蓋、6…タンクベース、6a…受け皿、6b…連通孔、7…フラップ、8…浄化フィルタユニット、8a…プレフィルタ、8b…集塵フィルタ、8c…脱臭フィルタ、10…送風機構、11…遠心ファン、12…スクロール、13…モータ、14…フィルタ、20…貯水容器、20a…連通孔、21…給水ポンプ、21a…アダプタ管、22…給水管、22a…給水穴、23、33、34…連通管、23a…連結部、24…汲み上げ管、30…除菌ユニット、31…切り換え弁、31a…弁、31b…ヒンジ、32…除菌剤。

Claims (5)

  1. 加湿用の水を貯留する貯水容器と、前記貯水容器の水が供給され加湿用の空気が流通する加湿フィルタと、前記加湿フィルタに前記貯水容器の水を供給する給水手段と、前記加湿フィルタに空気を流通させる送風手段とを備える加湿機構において、
    除菌剤を備えた除菌ユニットを前記貯水容器とは別に設けて前記給水手段と接続し、除菌成分を前記貯水容器の水に付加する場合は、前記給水手段から送られる前記貯水容器の水を前記除菌ユニットに供給し、前記除菌ユニットは除菌成分を含んだ水を前記貯水容器に戻す通路を備えていると共に、加湿運転モードを行なわない場合は、前記給水手段による前記除菌ユニットへの給水を停止することを特徴とする加湿機構。
  2. 請求項1に記載の加湿機構において、
    前記加湿フィルタに接続された第1の連通管と前記給水手段から延びる連通管との接続点の垂直方向の高さは、前記除菌ユニットに接続された第2の連通管と前記給水手段から延びる前記連通管の接続点の高さより高く設定されており、
    前記除菌ユニットだけに給水する場合は前記給水手段の吐出圧を低くし、前記除菌ユニットと前記加湿フィルタの両方に給水する場合は前記給水手段の吐出圧を高くすることを特徴とする加湿機構。
  3. 請求項2に記載の加湿機構において、
    加湿運転モードを行なわない場合は、前記給水手段は停止されて前記加湿フィルタと前記除菌ユニットに水を供給しないことを特徴とする加湿機構。
  4. 少なくとも空気から塵埃等を濾過する濾過フィルタと、加湿用の水を貯留する貯水容器と、前記貯水容器の水が供給され前記濾過フィルタを通過した加湿用の空気が流通する加湿フィルタと、前記加湿フィルタに前記貯水容器の水を供給する給水手段と、前記加湿フィルタに空気を流通させる送風手段と、前記濾過フィルタ、前記前記貯水容器、前記加湿フィルタ、前記給水手段、前記送風手段を収納したハウジングとからなる空気清浄機において、
    除菌剤を備えた除菌ユニットを前記貯水容器とは別に前記ハウジング内に設けて前記給水手段と接続し、除菌成分を前記貯水容器の水に付加する場合は、前記給水手段から送られる前記貯水容器の水を前記除菌ユニットに供給し、前記除菌ユニットは除菌成分を含んだ水を前記貯水容器に戻す通路を備えていると共に、加湿運転モードを行なわない場合は、前記給水手段による前記除菌ユニットへの給水を停止することを特徴とする空気清浄機。
  5. 請求項4に記載の空気清浄機において、
    前記加湿フィルタに接続された第1の連通管と前記給水手段から延びる連通管との接続点の垂直方向の高さは、前記除菌ユニットに接続された第2の連通管と前記給水手段から延びる前記連通管の接続点の高さより高く設定されており、
    前記除菌ユニットだけに給水する場合は前記給水手段の吐出圧を低くし、前記除菌ユニットと前記加湿フィルタの両方に給水する場合は前記給水手段の吐出圧を高くすることを特徴とする空気清浄機。
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