JP2017180708A - 電磁弁および車両用ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

電磁弁および車両用ブレーキ液圧制御装置 Download PDF

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宏和 ▲高▼橋
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大哲 床井
Hiroaki Tokoi
大哲 床井
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Abstract

【課題】弁座部材の形状の自由度を高めることができる電磁弁を提供する。
【解決手段】第一切替弁15(電磁弁)であって、固定コア110内に固定された第一弁座部材140および第二弁座部材150と、第一弁座部材140と第二弁座部材150との間に配置された弁体部材170と、弁体部材170と第二弁座部材150との間に介設されたばね部材180と、を備えている。弁体部材170は、本体部171に突設された第一弁部172および第二弁部173を備えている。ばね部材180の付勢力によって、第一弁部172が第一弁座部材140の弁座面142に着座している。可動コア120によって弁体部材170が押し出されることで、第一弁部172が第一弁座部材140から離間して、第二弁部173が第二弁座部材150の弁座面152に着座する。第一弁部172と第二弁部173とのシール径が異なるように構成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、電磁弁および車両用ブレーキ液圧制御装置に関する。
車両用ブレーキ液圧制御装置に用いられる電磁弁としては、固定コア内に固定された第一弁座部材および第二弁座部材と、第一弁座部材と第二弁座部材との間に配置された球状の弁体部材と、を備えているものがある(例えば、特許文献1参照)。
前記した従来の電磁弁では、第一弁座部材の端部に被せたリテーナに弁体部材が保持されており、リテーナと第二弁座部材との間にばね部材(コイルばね)が介設されている。そして、ばね部材の付勢力によって、リテーナが第一弁座部材に押し付けられるとともに、弁体部材が第一弁座部材の弁座面に着座している。
前記した従来の電磁弁では、電磁力で可動コアを移動させ、可動コアによってリテーナを押し出すことで、弁体部材が第一弁座部材の弁座面から離間するとともに、弁体部材が第二弁座部材の弁座面に着座するように構成されている。
国際公開第2015/046308号
前記した従来の電磁弁では、第一弁座部材および第二弁座部材の弁座面や流路を一つの弁体部材の球面に合わせて形成することになるため、二つの弁座部材の形状が制限されるという問題がある。
本発明は、前記した問題を解決し、弁座部材の形状の自由度を高めることができる電磁弁およびその電磁弁を用いた車両用ブレーキ液圧制御装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、電磁弁であって、流路が形成された固定コアと、前記固定コアに対して移動可能に設けられた可動コアと、電磁力で前記可動コアを移動させるコイルと、を備えている。また、前記電磁弁は、前記固定コア内に固定された第一弁座部材および第二弁座部材と、前記第一弁座部材と前記第二弁座部材との間に配置された弁体部材と、前記弁体部材と前記第二弁座部材との間に介設されたばね部材と、を備えている。前記弁体部材は、本体部と、前記本体部の一端面に突設された第一弁部と、前記本体部の他端面に突設された第二弁部と、を備えている。前記ばね部材の付勢力によって、前記第一弁部が前記第一弁座部材の弁座面に着座している。前記可動コアによって前記弁体部材が押し出されることで、前記第一弁部が前記第一弁座部材から離間して、前記第二弁部が前記第二弁座部材の弁座面に着座するように構成されている。そして、前記第一弁部のシール径と前記第二弁部のシール径とが異なるように構成されている。
なお、弁部のシール径とは、弁部が弁座部材の弁座面に着座したときに、弁部が弁座面に接触している領域の外径である。
本発明の電磁弁では、一つの弁体部材に二つの弁部が形成されているので、二つの弁部の形状を独立して形成することができる。これにより、弁座部材の形状の自由度を高めることができる。そして、第二弁部のシール外径よりも第一弁部のシール外径を大きくした場合には、第一弁座部材の弁座面の開き角度を大きくすることができ、ひいては、第一弁座部材に対して第一弁部を安定して着座させることができる。また、第一弁部のシール径を大きく設定することで、第一弁座部材の流路の軸断面を大きくすることが可能となるため、第一弁座部材を通過する流体の流量を増やすことができる。
前記した電磁弁において、前記本体部の外周面に、前記固定コア内に形成されたガイド面に摺動可能な摺動面を形成することが好ましい。このようにすると、弁体部材を安定して移動させることができる。
前記した電磁弁において、前記弁体部材および前記ばね部材をガイド部材によって前記第二弁座部材に保持させ、弁体部材、ばね部材、ガイド部材および第二弁体部材を一体的に構成することが好ましい。
この構成では、前記した電磁弁を製造するときに、弁体部材、ばね部材、ガイド部材および第二弁座部材を一つのユニットとして、固定コア内に組み付けることができる。したがって、前記した電磁弁では、部品の組み付け性を向上させることができ、ひいては、電磁弁の生産性を向上させることができる。
前記した電磁弁において、前記ガイド部材に、前記本体部の前記摺動面が摺動可能なガイド面を形成することが好ましい。このようにすると、弁体部材を安定して移動させることができる。
前記した電磁弁において、前記弁体部材には、前記ばね部材の端部が外嵌されるばね受け部と、前記ガイド部材に係合する係合部と、を形成し、弁体部材に対してばね部材およびガイド部材を組み付け易くすることが好ましい。
前記した電磁弁において、前記可動コアに連動して移動する可動ロッドを備えている場合には、前記第一弁部には平坦面を形成し、前記平坦面に前記可動ロッドの端面を当接させることが好ましい。
この構成では、可動ロッドを第一弁部に対して安定して当接させることができる。また、可動ロッドと第一弁部とを面接触させることで、可動ロッドが摩耗し難くなるため、可動ロッドの材料の自由度を高めることができる。
本発明は、マスタシリンダとホイールシリンダとの間に配置される車両用ブレーキ液圧制御装置であって、電動アクチュエータの駆動によってブレーキ液圧を発生させるスレーブシリンダと、前記電磁弁と、を備えている。前記電磁弁は、前記弁体部材が前記第一弁座部材の弁座面に着座して、前記マスタシリンダと前記ホイールシリンダとが連通した状態と、前記弁体部材が前記第二弁座部材の弁座面に着座して、前記スレーブシリンダと前記ホイールシリンダとが連通した状態と、を切り替えるように構成されている。
本発明の車両用ブレーキ液圧制御装置によれば、前記した本発明の電磁弁を用いているため、電磁弁を安定して開閉させるとともに、電磁弁を通過するブレーキ液の流量を十分に確保することができるため、車両のブレーキを良好に制御することができる。
前記した車両用ブレーキ液圧制御装置において、前記第二弁部のシール径よりも前記第一弁部のシール径が大きくなるように構成した場合には、第一弁座部材の流路の軸断面を大きくすることができる。つまり、スレーブシリンダとホイールシリンダとを連通する第一弁座部材の流路の軸断面を大きくすることができ、第一弁座部材を通過するブレーキ液の流量を増加させることができる。
また、第一弁部のシール径を大きくすることで、第一弁座部材を通過するブレーキ液の流量を増やしつつ、第一弁座部材に対する第一弁部のシール性能を高めることができる。
また、第一弁部のシール径を大きくすることで、第一弁座部材の弁座面の開き角度を大きくすることができる。これにより、第一弁座部材の弁座面に対して第一弁部を安定して着座させ、スレーブシリンダとホイールシリンダとを遮断することができる。
本発明の電磁弁では、二つの弁部の形状を独立して形成することができ、弁座部材の形状の自由度を高めることができるため、電磁弁の仕様に対応して弁座部材を構成し易くなる。
また、本発明の車両用ブレーキ液圧制御装置では、車両のブレーキを良好に制御することができる。
本発明の実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の非起動時を示した模式図である。 本発明の実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置の起動時を示した模式図である。 本発明の実施形態に係る第一切替弁の非通電時を示した断面図である。 本発明の実施形態に係る第一切替弁の通電時を示した断面図である。 本発明の実施形態に係る弁体ユニットを示した図で、(a)は断面図、(b)は斜視図である。 本発明の実施形態に係る第一弁座部材、弁体部材および第二弁座部材を示した図で、(a)は分解図、(b)は第一弁部および第二弁部のシール径を示した図である。 本発明の実施形態に係る第一切替弁の製造方法において、固定コア内に弁体ユニットを組み付ける工程を示した斜視図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態の車両用ブレーキ液圧制御装置Aは、図1に示すように、原動機(エンジンや電動モータなど)の起動時に作動するバイ・ワイヤ(By Wire)式のブレーキシステムと、非常時や原動機の停止時などに作動する油圧式のブレーキシステムと、の双方を備えるものである。
車両用ブレーキ液圧制御装置Aは、ブレーキペダルP(ブレーキ操作子)の踏力によってブレーキ液圧を発生させる液圧発生装置A1と、モータ70を利用してブレーキ液圧を発生させるモータシリンダ装置A2と、車両挙動の安定化を支援する液圧制御装置A3と、を備えている。
液圧発生装置A1、モータシリンダ装置A2および液圧制御装置A3は、別ユニットとして構成されており、外部配管を介して連通している。
車両用ブレーキ液圧制御装置Aは、エンジン(内燃機関)とモータを併用するハイブリッド自動車やモータのみを動力源とする電気自動車・燃料電池自動車などの他に、エンジンのみを動力源とする自動車にも搭載することができる。
液圧発生装置A1は、基体10と、タンデム式のマスタシリンダ20と、ストロークシミュレータ30と、リザーバ40と、を備えている。また、液圧発生装置A1は、切替弁15,16(特許請求の範囲における「電磁弁」)と、常閉型電磁弁17と、圧力センサ18,19と、を備えている。
基体10は、車両に搭載される金属部品であり、前記した各部品は基体10に組み付けられている。
基体10の内部には、メイン液圧路10a,10bと、連絡液圧路10c,10dと、分岐液圧路10eと、が形成されている。
基体10の外面には、制御装置50が取り付けられている。また、基体10の上面には、リザーバ40が取り付けられている。
マスタシリンダ20は、ブレーキペダルPの踏力をブレーキ液圧に変換するものである。
マスタシリンダ20は、第一シリンダ穴20aの底面側に配置された第一ピストン21と、第一シリンダ穴20aの開口側に配置された第二ピストン22と、を備えている。また、マスタシリンダ20は、第一シリンダ穴20aの底面と第一ピストン21との間の第一圧力室20bに収容された第一弾性部材24と、両ピストン21,22の間の第二圧力室20cに収容された第二弾性部材25と、を備えている。本実施形態の両弾性部材24,25はコイルばねである。
第二ピストン22は、プッシュロッドP1を介してブレーキペダルPに連結されている。両ピストン21,22は、ブレーキペダルPの踏力を受けて第一シリンダ穴20a内を摺動し、両圧力室20b,20c内のブレーキ液を加圧する。
ストロークシミュレータ30は、ブレーキペダルPに対して擬似的な操作反力を発生させるものである。ストロークシミュレータ30は、第二シリンダ穴30a内を摺動するピストン31と、ピストン31を第二シリンダ穴30aの底面側に付勢する二つの弾性部材32,33と、を備えている。第二シリンダ穴30aの底面とピストン31との間には圧力室30bが形成されている。
ストロークシミュレータ30の圧力室30bは、後記する分岐液圧路10eおよび第二メイン液圧路10bを介して、マスタシリンダ20の第二圧力室20cに通じている。そして、第二圧力室20cで発生したブレーキ液圧によって、ピストン31が弾性部材32,33の付勢力に抗して移動することで、ブレーキペダルPに擬似的な操作反力が付与される。
二つのメイン液圧路10a,10bは、マスタシリンダ20を起点とする液圧路である。両メイン液圧路10a,10bのそれぞれの終点である出力ポート10f,10gには、液圧制御装置A3に至る配管Ha,Hbが接続されている。
第一メイン液圧路10aは、マスタシリンダ20の第一圧力室20bから一方の出力ポート10fに通じている。第二メイン液圧路10bは、マスタシリンダ20の第二圧力室20cから他方の出力ポート10gに通じている。
二つの連絡液圧路10c,10dは、入力ポート10h,10iからメイン液圧路10a,10bに至る液圧路である。二つの入力ポート10h,10iには、モータシリンダ装置A2に至る配管Hc,Hdが接続されている。
第一連絡液圧路10cは、一方の入力ポート10hから第一メイン液圧路10aに通じている。第二連絡液圧路10dは、他方の入力ポート10iから第二メイン液圧路10bに通じている。
分岐液圧路10eは、第二メイン液圧路10bから分岐して、ストロークシミュレータ30の圧力室30bに至る液圧路である。
第一メイン液圧路10aにおいて、第一連絡液圧路10cとの連結部位には、三方向弁である第一切替弁15が設けられている。
第一切替弁15は、電磁弁であり、非通電時(初期状態)においては、第一メイン液圧路10aの上流側(マスタシリンダ20側)と下流側(出力ポート10f側)とを連通しつつ、第一連絡液圧路10cと第一メイン液圧路10aとを遮断する。
また、第一切替弁15は、通電時においては、第一メイン液圧路10aの上流側と下流側とを遮断しつつ、第一連絡液圧路10cと第一メイン液圧路10aの下流側とを連通する(図2参照)。
第二メイン液圧路10bにおいて、第二連絡液圧路10dとの連結部位には、三方向弁である第二切替弁16が設けられている。
第二切替弁16は、電磁弁であり、非通電時(初期状態)においては、第二メイン液圧路10bの上流側(マスタシリンダ20側)と下流側(出力ポート10g側)とを連通しつつ、第二連絡液圧路10dと第二メイン液圧路10bとを遮断する。
また、第二切替弁16は、通電時においては、第二メイン液圧路10bの上流側と下流側とを遮断しつつ、第二連絡液圧路10dと第二メイン液圧路10bの下流側とを連通する(図2参照)。
分岐液圧路10eには、常閉型電磁弁17が設けられている。
常閉型電磁弁17は、非通電時(初期状態)においては、分岐液圧路10eの第二メイン液圧路10b側とストロークシミュレータ30側とを遮断する。
また、常閉型電磁弁17は、通電時においては、分岐液圧路10eの第二メイン液圧路10b側とストロークシミュレータ30側とを連通する(図2参照)。
圧力センサ18,19は、ブレーキ液圧の大きさを検知するものであり、両圧力センサ18,19で取得された情報は、制御装置50に出力される。
第一圧力センサ18は、第一メイン液圧路10aに通じるセンサ取付穴(図示せず)に取り付けられている。第一圧力センサ18は、第一切替弁15よりも上流側に配置されており、マスタシリンダ20で発生したブレーキ液圧の大きさを検知する。
第二圧力センサ19は、第二メイン液圧路10bに通じるセンサ取付穴(図示せず)に取り付けられている。第二圧力センサ19は、第二切替弁16よりも下流側に配置されている。第二圧力センサ19は、第二切替弁16が閉じられた状態(第二メイン液圧路10bの上流側と下流側とが遮断された状態)において、モータシリンダ装置A2で発生したブレーキ液圧の大きさを検知する。
制御装置50は、樹脂製のハウジング51を有しており、ハウジング51内には制御基板(図示せず)が収容されている。
制御装置50は、両圧力センサ18,19やストロークセンサ(図示せず)などの各種センサから得られた情報や予め記憶させておいたプログラム等に基づいて、モータ70の駆動、両切替弁15,16の切り替えおよび常閉型電磁弁17の開閉を制御する。
モータシリンダ装置A2は、タンデム式のスレーブシリンダ60と、モータ70と、駆動伝達部80と、リザーバ90と、を備えている。
スレーブシリンダ60は、マスタシリンダ20で発生したブレーキ液圧に対応したブレーキ液圧を発生させるものである。
スレーブシリンダ60は、円筒状の金属部品である基体61と、基体61のシリンダ穴61aの底面側に配置された第一ピストン62と、シリンダ穴61aの開口側に配置された第二ピストン63と、を備えている。また、スレーブシリンダ60は、シリンダ穴61aの底面と第一ピストン62との間の第一圧力室61bに収容された第一弾性部材64と、両ピストン62,63の間の第二圧力室61cに収容された第二弾性部材65と、を備えている。基体61の上面には、リザーバ90が取り付けられている。
駆動伝達部80は、モータ70の出力軸71の回転駆動力を直線方向の軸力に変換するものであり、基体61の端部に取り付けられている。
駆動伝達部80は、ロッド81と、ロッド81に外嵌されている筒状のナット部材82と、ロッド81とナット部材82との間に設けられたボールねじ機構83と、モータ70の回転駆動力をナット部材82に伝達するギヤ機構84と、を備えている。前記した各部品はハウジング85内に収容されている。ロッド81の先端部はスレーブシリンダ60のシリンダ穴61a内に挿入されており、ロッド81の先端部は第二ピストン63に当接している。
モータ70は、制御装置50によって駆動制御される電動サーボモータである。モータ70は、ハウジング85の外周面に突設されたモータ固定部85aに固定されている。モータ70からは出力軸71が突出しており、出力軸71はモータ固定部85aの開口部に挿入されている。
出力軸71の回転駆動力がギヤ機構84を介してナット部材82に入力されると、ボールねじ機構83によって、ロッド81に直線方向の軸力が付与され、ロッド81が軸方向に進退移動する。
そして、ロッド81がシリンダ穴61aの底面側に移動したときには、第二ピストン63がロッド81からの入力を受けてシリンダ穴61a内を摺動し、両圧力室61b,61c内のブレーキ液を加圧する。
スレーブシリンダ60の両圧力室61b,61cは、配管Hc,Hdを介して液圧発生装置A1の入力ポート10h,10iに連通している。そして、スレーブシリンダ60で発生したブレーキ液圧は、配管Hc,Hdを介して液圧発生装置A1に入力される。
液圧制御装置A3は、車輪ブレーキの各ホイールシリンダWに付与するブレーキ液圧を適宜制御することで、アンチロックブレーキ制御や挙動安定化制御などの各種液圧制御を実行し得る構成を備えており、配管を介して各ホイールシリンダWに接続されている。
なお、図示は省略するが、液圧制御装置A3は、電磁弁やポンプなどが設けられた液圧ユニット、ポンプを駆動するためのモータ、電磁弁やモータ等を制御するための制御装置などを備えている。
液圧制御装置A3は、配管Ha,Hbを介して液圧発生装置A1の出力ポート10f,10gに連通しており、マスタシリンダ20で発生したブレーキ液圧は、配管Ha,Hbを介して液圧制御装置A3に入力される。
次に車両用ブレーキ液圧制御装置Aの動作について概略説明する。
車両用ブレーキ液圧制御装置Aでは、車両のシステムが起動されると、図2に示すように、第一切替弁15は、第一メイン液圧路10aの上流側と下流側とを遮断しつつ、第一連絡液圧路10cと第一メイン液圧路10aの下流側とを連通する。
また、第二切替弁16は、第二メイン液圧路10bの上流側と下流側とを遮断しつつ、第二連絡液圧路10dと第二メイン液圧路10bの下流側とを連通する。
また、常閉型電磁弁17が開弁し、分岐液圧路10eの第二メイン液圧路10b側とストロークシミュレータ30側とが連通する。
この状態では、ブレーキペダルPの操作によってマスタシリンダ20で発生したブレーキ液圧は、ホイールシリンダWに伝達されずに、ストロークシミュレータ30に伝達される。そして、ストロークシミュレータ30の圧力室30bのブレーキ液圧が大きくなり、ピストン31が弾性部材32,33の付勢力に抗して移動することで、ブレーキペダルPのストロークが許容される。このとき、弾性部材32,33によって付勢されたピストン31によって擬似的な操作反力がブレーキペダルPに付与される。
また、ストロークセンサ(図示せず)によって、ブレーキペダルPの踏み込みが検出されると、モータシリンダ装置A2のモータ70が駆動し、ロッド81がシリンダ穴61aの底面側に移動する。これにより、スレーブシリンダ60の第二ピストン63がシリンダ穴61aの底面側に移動し、圧力室61b,61c内のブレーキ液が加圧される。
このようにして、モータシリンダ装置A2で発生したブレーキ液圧は、液圧発生装置A1および液圧制御装置A3を介して各ホイールシリンダWに伝達され、各ホイールシリンダWが作動することにより、各車輪に制動力が付与される。
モータシリンダ装置A2が作動しない状態(例えば、電力が得られない場合など)においては、図1に示すように、第一切替弁15は、第一メイン液圧路10aの上流側と下流側とを連通しつつ、第一連絡液圧路10cと第一メイン液圧路10aとを遮断する。
また、第二切替弁16は、第二メイン液圧路10bの上流側と下流側とを連通しつつ、第二連絡液圧路10dと第二メイン液圧路10bとを遮断する。また、常閉型電磁弁17は閉弁する。
この状態では、マスタシリンダ20で発生したブレーキ液圧が各ホイールシリンダWに伝達される。
次に、本実施形態の切替弁15,16の構成について詳細に説明する。
本実施形態では、図1に示すように、第一切替弁15および第二切替弁16は同じ構造であるため、以下の説明では、第一切替弁15について説明し、第二切替弁16については説明を省略する。
以下の説明において、上下左右方向は、第一切替弁15の構造を説明する上で便宜上設定したものであり、第一切替弁15の構造および取り付け状態を限定するものではない。
第一切替弁15は、電磁弁であり、2ポジション3ポートの三方向弁である。第一切替弁15は、第一メイン液圧路10aにおいて、第一連絡液圧路10cとの連結部位に設けられている。
第一切替弁15は、図3に示すように、基体10の一面に形成された取付穴11に挿入されている。取付穴11の底面には、第一メイン液圧路10aの上流側(マスタシリンダ20側)が開口している。また、取付穴11の内周面には、第一メイン液圧路10aの下流側(液圧制御装置A3側)が開口している。また、取付穴11の内周面において、第一メイン液圧路10aの下流側の開口部よりも上方(取付穴11の開口側)には、第一連絡液圧路10cが開口している。
第一切替弁15は、固定コア110と、固定コア110の上方に設けられた可動コア120と、可動コア120および固定コア110に外嵌されたコイル130と、を備えている。
固定コア110の内部には、第一弁座部材140、第二弁座部材150、ガイド部材160、弁体部材170およびばね部材180が収容されている。また、可動コア120および固定コア110にはカバー部材190が被せられている。
固定コア110は、鉄や鉄合金などの磁性材料からなる円筒状の部材である。固定コア110には、基体10の取付穴11内に挿入される挿入部111と、取付穴11から突出する突出部112と、が形成されている。挿入部111および突出部112の中心部には、円形断面の中心穴113が軸方向に貫通している。
中心穴113には、突出部112の上端面から挿入部111の上部に亘って形成された小径穴部113aと、挿入部111の上部から下端面に亘って形成された大径穴部113bと、が形成されている。
挿入部111の上部の側壁には、複数の第一連通穴114が径方向に貫通している。この第一連通穴114を通じて、小径穴部113aと第一連絡液圧路10cとが連通している。
挿入部111の外周面には、各第一連通穴114の開口部を覆うように配置された筒状の第一フィルタ114aが外嵌されている。
挿入部111の下部の側壁には、複数の第二連通穴115が径方向に貫通している。この第二連通穴115を通じて、大径穴部113bと、第一メイン液圧路10aの下流側(液圧制御装置A3側)と、が連通している。
挿入部111の外周面には、各第二連通穴115の開口部を覆うように配置された筒状の第二フィルタ115aが外嵌されている。
挿入部111の外周面において、第一連通穴114の開口部の上側の位置には、環状の第一シール部材116aが外嵌されている。
また、挿入部111の外周面において、第一連通穴114の開口部と第二連通穴115の開口部との間の位置には、環状の第二シール部材116bが外嵌されている。
また、挿入部111の外周面において、第二連通穴115の開口部の下側の位置には、環状の第三シール部材116cが外嵌されている。
各シール部材116a,116b,116cは、挿入部111の外周面と取付穴11の内周面との間を液密にシールしている。
挿入部111の外周面において、取付穴11の開口部に対応する位置には、環状の係止部材117が外嵌されている。係止部材117は、取付穴11の開口部にクリップ等によって固定されることで、取付穴11に対する固定コア110の抜け止めを構成している。
なお、取付穴11の開口縁部を固定コア110側に塑性変形させることで、取付穴11に対する固定コア110の抜け止めを構成してもよい。
第一弁座部材140は、金属製の円筒状の部材である。第一弁座部材140は、小径穴部113aの下端部(大径穴部113b側の端部)に圧入されている。
第一弁座部材140の上端面の外周縁部は、小径穴部113a内の段差部に当接している。第一弁座部材140は、中心穴113内において、第一連通穴114の開口部と第二連通穴115の開口部との間に配置されている。
第一弁座部材140の中心部には、図6(a)に示すように、円形断面の流路141が軸方向に貫通している。
第一弁座部材140の下端面140aにおいて、流路141の開口縁部には、漏斗状(テーパ状)の弁座面142が形成されている。第一弁座部材140の弁座面142は、後記する弁体部材170の第一弁部172が着座する部位である(図3参照)。
なお、本実施形態では、第一弁座部材140の下端面140aの略全体に流路141の開口部および弁座面142が形成されている。
第二弁座部材150は、金属製の円筒状の部材である。第二弁座部材150は、図3に示すように、大径穴部113bの下部に圧入されている。第二弁座部材150は、中心穴113内において、第二連通穴115の下側に配置されている。
また、第二弁座部材150の下方には、中心穴113の基端開口部113cに圧入された第三フィルタ113dが設けられている。
第二弁座部材150の中心部には、図6(a)に示すように、流路151が軸方向に貫通している。第二弁座部材150の下端面150bの中心部には凹部150cが形成されている。流路151は、凹部150cの底部に開口している。
本実施形態では、第二弁座部材150の流路151の内径は、第一弁座部材140の流路141の内径よりも大幅に小さく形成されている。
第二弁座部材150の上端面150aにおいて、流路151の開口縁部には、漏斗状(テーパ状)の弁座面152が形成されている。第二弁座部材150の弁座面152は、後記する弁体部材170の第二弁部173が着座する部位である(図4参照)。
また、弁座部材150の上端面150aにおいて、弁座面152の周囲には、円筒状の取付部153が突設されている。取付部153の底面の中央部には流路151が開口している。
ガイド部材160は、図5(b)に示すように、金属製の円筒部161からなる。円筒部161の下端部には開口部162が形成され、円筒部161の上端部には先端壁部163が形成されている。
円筒部161の下端部は、図5(a)に示すように、第二弁座部材150の取付部153に外嵌されている。
ガイド部材160は、第二弁座部材150の上端面150aに固定されている。ガイド部材160は、第二弁座部材150からの弁体部材170の離間を規制するものである。
円筒部161の側壁には、複数の第三連通穴164が径方向に貫通している。図3に示すように、円筒部161を第二弁座部材150に取り付けた状態では、第三連通穴164は取付部153の上側に配置される。
図5(a)に示すように、円筒部161の先端壁部163の中央部には、円形の挿通穴165が軸方向に貫通している(図5(b)参照)。挿通穴165は、後記する弁体部材170の第一弁部172が挿通される部位である。
円筒部161の内周面161aは、後記する弁体部材170の本体部171が摺動するガイド面161bである。
図3に示すように、ガイド部材160の円筒部161の外周面と、固定コア110の中心穴113の内周面との間の空間には、円筒状の流路119が形成されている。この流路119によって、ガイド部材160の第三連通穴164と、固定コア110の第二連通穴115とが連通している。
弁体部材170は、金属製の部材であり、図5(a)に示すように、ガイド部材160内に収容される本体部171と、本体部171の上端面に突設された第一弁部172と、本体部171の下端面に突設された第二弁部173と、を備えている。
弁体部材170の本体部171、第一弁部172および第二弁部173は、円形断面に形成されている(図5(b)参照)。本体部171、第一弁部172および第二弁部173は、同一軸線上に形成されている。
第一弁部172の外径は、本体部171の外径よりも小さく形成され、第二弁部173の外径は、第一弁部172の外径よりも小さく形成されている。
本体部171は、図5(a)に示すように、ガイド部材160内に収容される部位である。本体部171は、ガイド部材160に対して上下方向に摺動可能である。本体部171の外周面は、ガイド部材160内のガイド面161bを摺動する摺動面171cである。
第一弁部172は、図6(a)に示すように、本体部171の上端面171aの中央部に突設されている。
第一弁部172の先端面172aは、弁体部材170の軸線を法線とする平坦面(平面)である。また、第一弁部172の先端面172aの外周縁部には、球帯状の当接面172bが形成されている。この当接面172bは、第一弁座部材140の弁座面142に着座する部位である。
第一弁部172は、図5(a)に示すように、ガイド部材160の挿通穴165に挿通されており、ガイド部材160の先端壁部163よりも上方に突出している(図5(b)参照)。
本体部171の上端面171aの外周縁部は、弁体部材170が上方に向けて移動したときに、ガイド部材160の先端壁部163の内面に当接する係合部171dである。
第二弁部173は、図6(a)に示すように、本体部171の下端面171bの中央部に突設されている。
第二弁部173は、基部(上端部)から先端部(下端部)に向かうに従って縮径されている。第二弁部173の最大外径は、第一弁部172の最大外径よりも小さく形成されている。
第二弁部173の基部は、図5(a)に示すように、後記するばね部材180の上端部が外嵌されるばね受け部173cである。
第二弁部173の先端面173aの外周縁部には、球帯状の当接面173bが形成されている。当接面173bは、球面の一部によって形成されており、本実施形態では、半球面の頂部を平坦に形成することで、環状の当接面173bが形成されている。この当接面173bは、弁体部材170を下方に向けて移動させたときに、第二弁座部材150の弁座面152に着座する部位である(図4参照)。
本実施形態の弁体部材170では、図6(b)に示すように、第二弁部173のシール径L2よりも第一弁部172のシール径L1が大きくなるように構成されている。弁部172,173のシール径L1,L2は、弁部172,173の当接面172b,173bが弁座部材140,150の弁座面142,152に着座したときに、当接面172b,173bが弁座面142,152に接触している領域の外径である。
本実施形態の弁体部材170では、第一弁座部材140の弁座面142に対して当接する当接面172bの面積が、第二弁座部材150の弁座面152に対して当接する当接面173bの面積よりも大きい。
すなわち、第一弁部172が第一弁座部材140の弁座面142に当接したときに、第一弁部172が弁座面142から反力を受ける受圧面積が、第二弁部173が第二弁座部材150の弁座面152に当接したときに、第二弁部173が弁座面152から反力を受ける受圧面積よりも大きい。
ばね部材180は、図5(a)に示すように、コイルばねである。ばね部材180は、ガイド部材160内において、第二弁座部材150と弁体部材170との間に介設されている。
ばね部材180の上端部は、第二弁部173のばね受け部173cに外嵌されている。また、ばね部材180の上端部は、本体部171の下端面171bに当接する。
ばね部材180の下端部は、第二弁座部材150の取付部153内に挿入されており、取付部153の底面に当接する。
ばね部材180は、図3に示すように、第二弁座部材150と弁体部材170との間に圧縮状態で介設されており、ばね部材180の付勢力によって、弁体部材170を第二弁座部材150から離れる方向に押し上げている。これにより、弁体部材170の第一弁部172が第一弁座部材140の弁座面142に押し付けられ、第一弁座部材140の流路141が閉塞されている。
本実施形態では、図5(a)に示すように、弁体部材170の一部およびばね部材180は、ガイド部材160内に収容されている。つまり、弁体部材170およびばね部材180は、ガイド部材160によって第二弁座部材150に保持されている。
このように、本実施形態では、弁体部材170、ばね部材180、ガイド部材160および第二弁座部材150が一体的に構成されている。
これにより、第一切替弁15(図3参照)の製造時には、弁体部材170、ばね部材180、ガイド部材160および第二弁座部材150を一つの弁体ユニットUとして取り扱うことができる。
可動コア120は、図3に示すように、円形断面の磁性材料であり、固定コア110の突出部112の上側に配置されている。
固定コア110の小径穴部113aには、円形断面の可動ロッド121が挿入されている。可動ロッド121は、樹脂製の部材である。可動ロッド121は、小径穴部113aに対して上下方向に摺動可能である。
可動ロッド121の外周面には、軸方向に延びている複数の溝(図示せず)が形成されている。例えば、四つの溝を可動ロッド121の周方向に等間隔に配置してもよい。
可動ロッド121の上端部は、固定コア110の中心穴113から上方に突出して、可動コア120の下端面に当接している。
可動ロッド121の下部122は縮径されており、下部122の外周面と中心穴113の内周面との間に空間が形成されている。この空間は第一連通穴114に連通している。
可動ロッド121の下端部は、第一弁座部材140の流路141内に挿入されている。また、可動ロッド121の下端面は、第一弁部172の先端面172aに当接している。
可動ロッド121の下部122の外周面には、連通溝123が形成されている。連通溝123は、可動ロッド121の軸方向に延びている。連通溝123の内面と第一弁座部材140の内周面との間に空間が形成されている。
図4に示すように、第一弁座部材140の弁座面142から第一弁部172が離れている状態では、連通溝123を通じて、第一弁座部材140の上側の空間と下側の空間とが連通している。
カバー部材190は上端部が閉塞された筒状の部材であり、可動コア120および固定コア110の突出部112の上端部に被せられており、突出部112の外周面に溶接されている。
コイル130は、可動コア120を移動させるための電磁コイルであり、固定コア110の突出部112の周囲に配置されている。
コイル130は、制御装置50(図1参照)から通電されることで、固定コア110の突出部112の周囲に磁場を発生させる。
本実施形態の第一切替弁15は、非通電時(初期状態)においては、図3に示すように、弁体部材170、可動ロッド121および可動コア120がばね部材180の付勢力によって上方に押し上げられている。
この状態では、第二弁部173が第二弁座部材150の弁座面152から離間し、第二弁座部材150の流路151が開放されている。また、第一弁部172が第一弁座部材140の弁座面142に着座し、第一弁座部材140の流路141が閉塞されている。
これにより、非通電時の第一切替弁15では、第一メイン液圧路10aの上流側(マスタシリンダ20側)と下流側(液圧制御装置A3側)とを連通しつつ、第一連絡液圧路10cと第一メイン液圧路10aとを遮断する(図1参照)。
本実施形態の第一切替弁15は、通電時においては、コイル130に通電され、コイル130が励磁される。これにより、固定コア110が励磁され、図4に示すように、可動コア120が固定コア110に引き寄せられる。そして、可動コア120、可動ロッド121および弁体部材170がばね部材180の付勢力に抗して下方に移動する。
この状態では、第二弁部173が第二弁座部材150の弁座面152に着座し、第二弁座部材150の流路151が閉塞される。また、第一弁部172が第一弁座部材140の弁座面142から離間し、第一弁座部材140の流路141が開放される。
これにより、通電時の第一切替弁15では、第一メイン液圧路10aの上流側と下流側とを遮断しつつ、第一連絡液圧路10cと第一メイン液圧路10aの下流側とを連通する(図2参照)。
次に、本実施形態の第一切替弁15の製造方法において、固定コア110内に弁体部材170および第二弁座部材150を組み付ける工程について説明する。
本実施形態の製造方法では、図7に示すように、固定コア110を用意し、基端開口部113cが上向きに開口するように固定コア110を配置する。そして、中心穴113内に第一弁座部材140を圧入し、第一弁座部材140を固定コア110内の所定位置に固定する。
一方、弁体部材170およびばね部材180をガイド部材160によって第二弁座部材150に保持させて、予め弁体ユニットUを形成しておく。
固定コア110内に第一弁座部材140を固定した後に、弁体ユニットUを中心穴113内に挿入し、第二弁座部材150を中心穴113内に圧入する。
このとき、弁体部材170をガイド部材160側から中心穴113内に挿入するため、第二弁座部材150に対して弁体部材170およびばね部材180が下側に配置される。この状態では、弁体部材170の係合部171dがガイド部材160の先端壁部163に係合するため、弁体部材170およびばね部材180がガイド部材160内に保持された状態を保つことができる。
そして、図3に示すように、第二弁座部材150を中心穴113内の所定位置に固定することで、弁体部材170を中心穴113内の所定位置に配置することができ、弁体部材170の第一弁部172が第一弁座部材140の弁座面142に着座した状態となる。
以上のような第一切替弁15では、図5(a)に示すように、弁体部材170、ばね部材180、ガイド部材160および第二弁座部材150が一体的に構成されている。これにより、第一切替弁15を製造するときには、図7に示すように、弁体部材170、ばね部材180、ガイド部材160および第二弁座部材150を一つの弁体ユニットUとして、固定コア110内に組み付けることができる。
したがって、本実施形態の第一切替弁15(図3参照)では、部品の組み付け性を向上させることができ、ひいては、第一切替弁15の生産性を向上させることができる。
弁体部材170には、ばね部材180の端部が外嵌されるばね受け部173cと、ガイド部材160に摺動可能な摺動面171cと、ガイド部材160に係合する係合部171dと、が形成されているため、弁体ユニットUの各部品を組み付け易くなっている。
第一切替弁15では、図3に示すように、第一弁座部材140にリテーナおよびばね部材を外嵌させる必要がないため、第一弁座部材140の径方向の大きさを十分に確保することができる。
また、第一切替弁15では、二つの弁部172,173のそれぞれの形状を独立して形成することができるため、弁座部材140,150の形状が弁体部材170の形状によって制限されない。
したがって、第一切替弁15では、第一弁座部材140の弁座面142や流路141の形状の自由度を高めることができる。
そして、本実施形態のように、第二弁部173のシール径L2よりも第一弁部172のシール外径L1が大きくすることで(図6(b)参照)、第一弁座部材140の流路141の軸断面積を、第二弁座部材150の流路151の軸断面積よりも大きくすることができ、第一弁座部材140を通過するブレーキ液の流量を増加させることができる。
また、第一弁部172のシール径L1を大きくすることで(図6(b)参照)、第一弁部172が弁座面142に当接する面積を、第二弁部173が弁座面152に当接する面積よりも大きくすることができ、第一弁座部材140を通過するブレーキ液の流量を増やしつつ、第一弁座部材140に対する第一弁部172のシール性能を高めることができる。
また、本実施形態のように、第一弁部172のシール径L1を大きくすることで(図6(b)参照)、第一弁座部材140の弁座面142の開き角度を大きくすることができ、ひいては、第一弁座部材140の弁座面142に対して第一弁部172を安定して着座させることができる。
なお、図6(a)に示すように、第二弁部173の当接面173bを球面の一部に形成することで、第二弁部173を第二弁座部材150の弁座面152に対して安定して着座させることができる。
第一切替弁15では、図5(a)に示すように、ガイド部材160の内周面161a(ガイド面161b)を弁体部材170が摺動するため、弁体部材170を安定して移動させることができる。
第一切替弁15では、図3に示すように、可動コア120に連動して移動する可動ロッド121の下端面が、第一弁部172の平坦な先端面172aに当接しているため、可動ロッド121を第一弁部172に対して安定して当接させることができる。また、可動ロッド121と第一弁部172とが面接触することで、可動ロッド121が摩耗し難くなるため、可動ロッド121の材料の自由度が高めることができ、ひいては、可動ロッド121の製造コストを低減することができる。
第一切替弁15では、中心穴113の内周面と、ガイド部材160の外周面との間に流路119が形成されている。したがって、図4に示すように、第一連通穴114から第二連通穴115にブレーキ液が流通するときに、ガイド部材160の外側の流路119をブレーキ液が流通するため、大流量のブレーキ液がばね部材180に当たるのを防ぐことができる。
これにより、ばね部材180の設計の自由度を高めることができる。したがって、弁体部材170を支持するために、ばね部材180に必要な剛性以上に、ばね部材180の剛性を大きくする必要がなくなるため、ばね部材180を小型化することができる。
また、ばね部材180の付勢力を抑えることができるため、ばね部材180の付勢力に抗して可動コア120を移動させるために必要なコイル130の電力を低減することができる。
本実施形態の車両用ブレーキ液圧制御装置Aによれば、図1に示すように、前記した切替弁15,16を用いているため、車両用ブレーキ液圧制御装置Aの生産性を向上させることができる。
本実施形態の車両用ブレーキ液圧制御装置Aによれば、切替弁15,16を安定して開閉させることができるとともに、切替弁15,16を通過するブレーキ液の流量を十分に確保することができるため、車両のブレーキを良好に制御することができる。
本実施形態の第一切替弁15の製造方法によれば、図7に示すように、弁体部材170、ばね部材180、ガイド部材160および第二弁座部材150を一つの弁体ユニットUとして、固定コア110内に組み付けているため、第一切替弁15の生産性を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
本実施形態では、図5(b)に示すように、ガイド部材160が円筒状に形成されているが、ガイド部材160の形状は限定されるものではない。
例えば、第二弁座部材150に取り付けられる基端部と、弁体部材170に係合する先端部と、基端部と先端部とを連結する連結部材と、によってガイド部材を構成し、基端部と先端部との間に弁体部材170およびばね部材180を収容してもよい。
本実施形態の第一切替弁15では、図3に示すように、第一連絡液圧路10c側に第一弁座部材140および第一弁部172が配置され、第一メイン液圧路10aの上流側に第二弁座部材150および第二弁部173が配置されている。しかしながら、第一連絡液圧路10c側に第二弁座部材150および第二弁部173を配置し、第一メイン液圧路10aの上流側に第一弁座部材140および第一弁部172を配置してもよい。
本実施形態の第一切替弁15では、図6(b)に示すように、第二弁部173のシール径L2よりも第一弁部172のシール径L1が大きく設定されているが、第一弁部172のシール径L1よりも第二弁部173のシール径L2を大きく設定することもできる。このように、本発明の電磁弁では、第一弁部172のシール径L1と第二弁部173のシール径L2とが異なるように構成されている。
本実施形態の第一切替弁15では、図3に示すように、可動コア120と可動ロッド121とが別体に構成されているが、可動コア120と可動ロッド121とを一体に形成してもよい。
本実施形態では、図1に示すように、本発明の電磁弁を車両用ブレーキ液圧制御装置Aの切替弁15,16に適用した場合について説明しているが、本発明の電磁弁は、各種の液圧制御装置に適用することができる。
10 基体
10a 第一メイン液圧路
10b 第二メイン液圧路
10c 第一連絡液圧路
10d 第二連絡液圧路
10e 分岐液圧路
11 取付穴
15 第一切替弁
16 第二切替弁
17 常閉型電磁弁
20 マスタシリンダ
30 ストロークシミュレータ
50 制御装置
60 スレーブシリンダ
70 モータ
80 駆動伝達部
110 固定コア
111 挿入部
112 突出部
113 中心穴
113a 小径穴部
113b 大径穴部
113c 基端開口部
114 第一連通穴
115 第二連通穴
117 係止部材
119 流路
120 可動コア
121 可動ロッド
123 連通溝
130 コイル
140 第一弁座部材
141 流路
142 弁座面
150 第二弁座部材
151 流路
152 弁座面
153 取付部
160 ガイド部材
161 円筒部
161b ガイド面
163 先端壁部
164 第三連通穴
165 挿通穴
170 弁体部材
171 本体部
171c 摺動面
171d 係合部
172 第一弁部
172b 当接面
173 第二弁部
173b 当接面
173c ばね受け部
180 ばね部材
190 カバー部材
A 車両用ブレーキ液圧制御装置
A1 液圧発生装置
A2 モータシリンダ装置
A3 液圧制御装置
P ブレーキペダル
U 弁体ユニット
W ホイールシリンダ

Claims (8)

  1. 流路が形成された固定コアと、
    前記固定コアに対して移動可能に設けられた可動コアと、
    電磁力で前記可動コアを移動させるコイルと、
    前記固定コア内に固定された第一弁座部材および第二弁座部材と、
    前記第一弁座部材と前記第二弁座部材との間に配置された弁体部材と、
    前記弁体部材と前記第二弁座部材との間に介設されたばね部材と、を備え、
    前記弁体部材は、
    本体部と、
    前記本体部の一端面に突設された第一弁部と、
    前記本体部の他端面に突設された第二弁部と、を備え、
    前記ばね部材の付勢力によって、前記第一弁部が前記第一弁座部材の弁座面に着座しており、
    前記可動コアによって前記弁体部材が押し出されることで、前記第一弁部が前記第一弁座部材から離間して、前記第二弁部が前記第二弁座部材の弁座面に着座するように構成されており、
    前記第一弁部のシール径と前記第二弁部のシール径とが異なることを特徴とする電磁弁。
  2. 前記本体部の外周面には、前記固定コア内に形成されたガイド面に摺動可能な摺動面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
  3. 前記弁体部材および前記ばね部材は、ガイド部材によって前記第二弁座部材に保持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁弁。
  4. 前記ガイド部材には、前記本体部の前記摺動面が摺動可能なガイド面が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電磁弁。
  5. 前記弁体部材は、
    前記ばね部材の端部が外嵌されるばね受け部と、
    前記ガイド部材に係合する係合部と、を備えていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電磁弁。
  6. 前記可動コアに連動して移動する可動ロッドを備え、
    前記第一弁部に平坦面が形成されており、
    前記平坦面に前記可動ロッドの端面が当接することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電磁弁。
  7. マスタシリンダとホイールシリンダとの間に配置される車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
    電動アクチュエータの駆動によってブレーキ液圧を発生させるスレーブシリンダと、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電磁弁と、を備え、
    前記電磁弁は、
    前記弁体部材が前記第一弁座部材の弁座面に着座して、前記マスタシリンダと前記ホイールシリンダとが連通した状態と、
    前記弁体部材が前記第二弁座部材の弁座面に着座して、前記スレーブシリンダと前記ホイールシリンダとが連通した状態と、を切り替えることを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。
  8. 前記第二弁部のシール径よりも前記第一弁部のシール径が大きいことを特徴とする請求項7に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
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