JP2017180611A - 封止弁制御システム - Google Patents

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Mamoru Yoshioka
衛 吉岡
成人 伊東
Shigeto Ito
成人 伊東
福井 誠
Makoto Fukui
誠 福井
貴樹 稲垣
Takaki Inagaki
貴樹 稲垣
佳純 三島
Yoshizumi Mishima
佳純 三島
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Abstract

【課題】シール部材(シール面)を損傷させることなく、凍結部分を解凍することができる封止弁制御システムを提供すること。【解決手段】燃料電池システム101において、入口封止弁174及び出口統合弁181は、弁座13に、弁体14と弁座13との間を封止するゴムシート21(リップ部21a)が設けられているものであり、コントローラ201は、開弁要求がありスタック温度が5℃より低い場合に、弁体14とゴムシート21とが互いに接触している接点14P,21Pが離れずにゴムシート21が弾性変形する範囲内で、入口封止弁174・出口統合弁181の開閉を微少開度で所定回数だけ繰り返す解凍制御を行い、解凍制御を実施した後、弁の実開度が解凍判定開度Dより小さい場合には、前回の解凍制御時の開度よりも開度を増加させて再度、解凍制御を行う。【選択図】図24

Description

本発明は、流路を開閉する封止弁の開閉動作を制御する封止弁制御システムに関するものである。
従来技術として、特許文献1に開示されるような封止弁制御システムが存在する。この封止弁制御システムは、燃料電池スタック(燃料電池)と、燃料電池スタックの出入口に接続されて酸化剤ガスが流れるガス通路と、ガス通路を開閉するための封止弁とを備えた燃料電池システムに適用されている。そして、このシステムでは、封止弁が凍結した場合、封止弁を繰り返し開閉させることにより、弁体や弁座に付着した氷を剥離、粉砕して凍結部分を解凍させる凍結解除制御が実施されるようになっている。
ここで、封止弁として、閉弁時においてシール性を確保できる偏心弁(弁体のシール面が回転軸から偏心して配置される流量制御弁)を、本出願人が特願2015−253259号にて提案している。この封止弁(偏心弁)は、弁座にシール部を設け、シール部に弁体を密着させて(押し付けて)ガス通路を封止するようになっている。
特開2005−285686号公報
しかしながら、上記した封止弁(偏心弁)のようにシール部を備えている場合、封止弁が凍結したときに、特許文献1に記載の凍結解除制御を実施すると、弁体や弁座から剥離、粉砕された氷結粒がシール面に浸入してしまい、シール部材(シール面)が損傷するおそれがある。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、封止弁が凍結した場合に、シール部材(シール面)を損傷させることなく、凍結部分を解凍することができる封止弁制御システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一形態は、ガスが流れるガス流路と、前記ガス流路を開閉する封止弁と、前記封止弁の開閉動作を制御する制御部とを備える封止弁制御システムにおいて、前記封止弁は、弁座又は弁体のいずれか一方に、前記弁体と前記弁座との間を封止するシール部材が設けられているものであり、前記制御部は、開弁要求があり外気温が所定温度より低い場合に、前記弁体又は前記弁座と前記シール部材とが互いに接触している接点が離れずに前記シール部材が弾性変形する範囲内で、前記封止弁の開閉を微少開度で所定回数だけ繰り返す解凍制御を行い、前記解凍制御を実施した後、前記封止弁の実開度が解凍判定開度より小さい場合には、前回の解凍制御時の開度よりも開度を増加させて再度、前記解凍制御を行うことを特徴とする。
この封止弁制御システムでは、制御部により、外気温が所定温度より低い場合に、弁体又は弁座とシール部材とが互いに接触している接点が離れずにシール部材が弾性変形する範囲内で、封止弁を微少開度で開弁と閉弁を所定回数繰り返す解凍制御が行われる。つまり、凍結のおそれがある場合に、シール部材の弾性変形域内で、封止弁が微少開度で開閉される。このような解凍制御により、弁体や弁座に付着した氷に亀裂が入り微粉砕され、微粉砕された氷結が切り離されて凍結が解消される。このとき、シール部材は弁体又は弁座に接触した状態のままであるため、微粉砕された氷結粒がシール面に浸入することを防ぐことができる。そのため、氷結粒によってシール部材(シール面)を損傷することがない。
その後、シール部材と弁体又は弁座が離間するときには、繰り返し行われる弁開閉動作によって、微粉砕された氷結粒が互いに潰し合いながら摺動していたため、氷結粒の角が丸まっている。そのため、氷結粒がシール面に浸入してもシール部材(シール面)を損傷させることがない。
一方、解凍制御が実施された後、封止弁の実開度が解凍判定開度より小さい場合、つまり凍結が解消されていない場合には、微少開度よりも開度を増加させて解凍制御が再度行われる。つまり、凍結が解除されるまで、段階的に開度が大きくされて凍結制御が実施される。このように、解凍制御を行う際の開度を徐々に大きくしていくので、凍結部分を確実に解凍することができる。
上記した封止弁制御システムにおいて、前記制御部は、外気温が低くなるにしたがって、前記所定回数を多く設定することが望ましい。
このようにすることにより、凍結の可能性が高いほど解凍制御の繰り返し開閉の回数が多くなり、封止弁が凍結していた場合に確実に解凍することができる。
上記した封止弁制御システムにおいて、前記制御部は、外気温が低くなるにしたがって、前記微少開度又は前回の開度から増加させる開度量の少なくとも一方を小さく設定することが望ましい。
ここで、シート部材は、温度が低くなるにしたがって硬くなるため、弾性変形域が小さくなる。そのため、解凍制御を実施した際に、開閉動作にシート部材の変形が追従できなくなり、シート部材が損傷するおそれがある。
そこで、この封止弁制御システムでは、外気温が低くなるにしたがって、初回の解凍制御を行う微少開度又は2回目以降の解凍制御を行う際に増加させる開度の少なくとも一方を小さく設定している。これにより、解凍制御を実施した際の開閉動作にシート部材の変形を追従させることができるので、シート部材の損傷を防止することができる。
そして、上記した封止弁制御システムにおいて、前記制御部は、前記封止弁の実開度が、前記解凍判定開度より小さい凍結粉砕判定開度を越えるまで、前記封止弁に入力する駆動制御量を瞬間的に入力する瞬時入力を繰り返す凍結粉砕制御を行い、前記凍結粉砕制御では、前記瞬時入力における前記駆動制御量を所定の上限値まで段階的に増加させていくことが望ましい。
このようにすることにより、凍結部分が粉砕されて急激に開弁(つまり、オーバーシュート)して、弁体又は弁座とシート部材との接触面が急激に引き剥がされることを防止することができる。従って、シール部材(シール面)を損傷させることなく、凍結部分を解凍することができる。なお、駆動制御量としては、例えば、封止弁に印加する駆動電流あるいは駆動電圧などが挙げられる。
また、駆動制御量を所定の上限値まで増加させて凍結粉砕制御を行っても、封止弁の実開度が凍結粉砕判定開度を越えない場合には、封止弁が閉固着して故障していると判定するようにしてもよい。
上記した封止弁制御システムは、燃料電池システムに適用することが好ましい。すなわち、上記した封止弁制御システムにおいて、前記ガス流路は、燃料電池の出入口に接続され酸化剤ガスを流通させる酸化剤ガス流路であり、前記封止弁は、前記燃料電池の入口側に配置された入口側封止弁と、前記燃料電池の出口側に配置された出口側封止弁とを含み、前記制御部は、外気温として前記燃料電池内の温度を検出し、前記入口側封止弁より前記出口側封止弁の繰り返し開閉の前記所定回数を多く設定するようにすればよい。
このように燃料電池システムに適用する場合、制御部により、入口側封止弁より出口側封止弁の繰り返し開閉を行う回数が多く設定されるため、凍結の可能性が高い出口側封止弁における解凍制御の繰り返し開閉の回数が多くなり、出口側封止弁を確実に解凍することができる。
本発明に係る封止弁制御システムによれば、封止弁が凍結した場合に、シール部材(シール面)を損傷させることなく、凍結部分を解凍することができる。
実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。 出口統合弁の正面図である。 出口統合弁の上面図である。 弁体が弁座に接触した閉弁状態(全閉状態)における弁部を一部破断して示した斜視図である。 弁体が弁座から最も離れた全開状態における弁部を一部破断して示した斜視図である。 流量制御弁が閉弁状態であるときの弁座、弁体及び回転軸を示す側面図である。 図6のA−A断面図である。 図2のB−B断面図である。 図2のC−C断面図である。 弁ハウジングからエンドフレームを取り外した状態を示す正面図である。 モータの非駆動時において、メインギヤとリターンスプリングと中間ギヤの周辺の拡大図(一部断面図)である。 モータの非駆動時において、メインギヤに作用する力を示した模式図であり、回転軸の中心軸方向のメインギヤ側から見た図である。 図12のD−D断面図に相当する図であって、弁座と弁体と回転軸と軸受とメインギヤを表した模式図である。 モータの駆動時において、メインギヤに作用する力を示した模式図であり、回転軸の中心軸方向のメインギヤ側から見た図である。 図14のE−E断面図に相当する図であって、弁座と弁体と回転軸と軸受とメインギヤを表した模式図である。 図15に対応する図であって、図15のときよりもモータ駆動力を大きくしたときを表した図である。 モータの駆動時において、弁開度がαのときのメインギヤとリターンスプリングと中間ギヤの周辺の拡大図(一部断面図)である。 図16に対応する図であって、図16のときよりもモータ駆動力を大きくしたときを表した図である。 モータの駆動時において、弁開度がβのときのメインギヤとリターンスプリングと中間ギヤの周辺の拡大図(一部断面図)である。 弁開度と開口面積の関係図である。 弁体とゴムシールとの接点を示す図である。 入口封止弁に対する凍結粉砕制御のフローチャートを示す図である。 出口統合弁に対する凍結粉砕制御のフローチャートを示す図である。 入口封止弁及び出口統合弁に対する凍結解凍制御のフローチャートを示す図である。 初期微少開度とスタック温度との関係を示す図である。 制御電流とスタック温度との関係を示す図である。 開閉繰り返し数とスタック温度との関係を示す図である。 増加開度とスタック温度との関係を示す図である。 解凍制御中における弁体とゴムシートとの関係を示す図である。 解凍完了時における弁体とゴムシートとの関係を示す図である。 解凍完了後に弁体とゴムシートとが離間した状態を示す図である。 凍結粉砕制御及び凍結解凍制御のタイムチャートを示す図である。
本実施形態では、本発明の封止弁制御システムを燃料電池システムに適用した場合について説明する。そこで、本実施形態である燃料電池システムについて、図1を参照しながら詳細に説明する。本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池車に搭載され、その駆動用モータ(図示略)に電力を供給するシステムである。
本実施形態の燃料電池システム101は、図1に示すように、燃料電池スタック(燃料電池)111と、水素系112と、エア系113を有する。
燃料電池スタック111は、燃料ガスの供給と酸化剤ガスの供給を受けて発電を行う。本実施形態では、燃料ガスは水素ガスであり、酸化剤ガスはエアである。すなわち、燃料電池スタック111は、水素系112からの水素ガスの供給と、エア系113からのエアの供給を受けて発電を行う。そして、燃料電池スタック111で発電された電力は、インバータ(図示略)を介して駆動用モータ(図示略)に供給される。なお、燃料電池スタック111には、燃料電池スタック111内の圧力(スタック圧)を検出するスタック圧センサ111Pが備わっている。
水素系112は、燃料電池スタック111のアノード側に設けられている。この水素系112は、水素供給通路121、水素排出通路122、充填通路123を備えている。水素供給通路121は、水素タンク131から燃料電池スタック111へ水素ガスを供給するための通路である。水素排出通路122は、燃料電池スタック111から排出される水素ガス(以下、適宜、「水素オフガス」という。)を排出するための通路である。充填通路123は、充填口151から水素タンク131に水素ガスを充填するための通路である。
水素系112は、水素供給通路121において、水素タンク131側から順に、主止弁132、高圧レギュレータ133、中圧リリーフ弁134、圧力センサ135、インジェクタ部(燃料ガス供給部)136、低圧リリーフ弁137、圧力センサ138を備えている。主止弁132は、水素タンク131から水素供給通路121への水素ガスの供給と遮断を切り換える弁である。高圧レギュレータ133は、水素ガスを減圧するための圧力調整弁である。中圧リリーフ弁134は、水素供給通路121における高圧レギュレータ133とインジェクタ部136の間の圧力が所定圧力以上になると開弁して圧力を所定圧力未満に調整する弁である。圧力センサ135は、水素供給通路121における高圧レギュレータ133とインジェクタ部136の間の圧力を検出するセンサである。インジェクタ部136は、水素ガスの流量を調節する機構である。低圧リリーフ弁137は、水素供給通路121におけるインジェクタ部136と燃料電池スタック111の間の圧力が所定圧力以上になると開弁して圧力を所定圧力未満に調整する弁である。圧力センサ138は、水素供給通路121におけるインジェクタ部136と燃料電池スタック111の間の圧力を検出するセンサである。
また、水素系112は、水素排出通路122において、燃料電池スタック111側から順に、気液分離器141、排気排水弁142が配置されている。気液分離器141は、水素オフガス内の水分を分離する機器である。排気排水弁142は、気液分離器141からエア系113の希釈器182への水素オフガスや水分の排出と遮断を切り換える弁である。
エア系113は、燃料電池スタック111のカソード側に設けられている。このエア系113は、エア供給通路161、エア排出通路162、バイパス通路163を備えている。エア供給通路161は、燃料電池システム101の外部から燃料電池スタック111へ、エアを供給するための通路である。エア排出通路162は、燃料電池スタック111から排出されるエア(以下、適宜、「エアオフガス」という。)を排出するための通路である。バイパス通路163は、エア供給通路161から燃料電池スタック111を介さずにエア排出通路162へ、エアを流すための通路である。
エア系113は、エア供給通路161において、エアクリーナ171側から順に、コンプレッサ172、インタークーラ173、入口封止弁(上流側弁)174を備えている。エアクリーナ171は、燃料電池システム101の外部から取り込んだエアを清浄化する機器である。コンプレッサ172は、エアを燃料電池スタック111に供給する機器である。インタークーラ173は、エアを冷却する機器である。入口封止弁174は、燃料電池スタック111へのエアの供給と遮断を切り換える弁である。この入口封止弁174として、弁体のシール面が回転軸から偏心して配置される偏心弁が適用されている。入口封止弁174の詳細については、後述する。
また、エア系113は、エア排出通路162において、燃料電池スタック111側から順に、出口統合弁(下流側弁)181、希釈器182が配置されている。
出口統合弁181は、燃料電池スタック111からのエアオフガスの排出と遮断を切り換える弁(封止機能を有する弁)であるとともに、燃料電池スタック111の背圧を調整して燃料電池スタック111からのエアオフガスの排出量を制御する弁(調圧(流量制御)機能を有する弁)である。この出口統合弁181として、弁体のシール面が回転軸から偏心して配置される偏心弁が適用されている。出口統合弁181の詳細については、後述する。
希釈器182は、エアオフガス及びバイパス通路163を流れるエアにより、水素排出通路122から排出される水素オフガスを希釈する機器である。
また、エア系113は、バイパス通路163において、バイパス弁191を備えている。バイパス弁191は、バイパス通路163におけるエアの流量を制御する弁である。
また、燃料電池システム101は、システムの制御を司るコントローラ(制御部)201を備えている。コントローラ201は、燃料電池システム101に備わる各機器を制御するとともに各種判定を行う。なお、燃料電池システム101は、その他、燃料電池スタック111の冷却を行う冷却系(不図示)も有する。なお、本実施形態では、コントローラ201は、例えばECUである。
以上のような構成の燃料電池システム101において、水素供給通路121から燃料電池スタック111に供給された水素ガスは、燃料電池スタック111にて発電に使用された後、燃料電池スタック111から水素オフガスとして水素排出通路122と希釈器182を介して、燃料電池システム101の外部に排出される。また、エア供給通路161から燃料電池スタック111に供給されたエアは、燃料電池スタック111にて発電に使用された後、燃料電池スタック111からエアオフガスとしてエア排出通路162と希釈器182を介して、燃料電池システム101の外部に排出される。
ここで、入口封止弁174及び出口統合弁181について、図2〜図21を参照しながら説明する。入口封止弁174と出口統合弁181は同じ構成である。図2及び図3に示すように、入口封止弁174及び出口統合弁181は、弁部2と駆動機構部3を備える。弁部2は、内部にエア(空気)が流れる流路11を有する管部12(図8参照)を備え、流路11の中には弁座13、弁体14及び回転軸15が配置されている。回転軸15に対しては、駆動機構部3から駆動力(回転力)が伝えられる。駆動機構部3は、モータ32と減速機構33(図8や図9参照)を備えている。
図4及び図5に示すように、流路11には段部10が形成され、その段部10に弁座13が組み込まれている。弁座13は、円環状をなし、中央に弁孔16を有する。弁孔16の縁部には、環状のシート面17が形成されている。弁体14は、円板状の部分を備え、その外周には、シート面17に対応する環状のシール面18が形成されている。弁体14は、回転軸15に一体的に設けられ、回転軸15と一体的に回転する。
本実施形態では、弁座13に、ゴムシート(シール部)21が設けられている。そして、ゴムシート21に、前記のシート面17が形成されている。なお、このゴムシート21の詳細については、後述する。
本実施形態において、入口封止弁174では、図4及び図5において、弁座13に対して弁体14や回転軸15とは反対側に形成される流路11が燃料電池スタック111側(エアの流れの下流側)に配置され、弁座13に対して弁体14や回転軸15側に形成される流路11がコンプレッサ172側(エアの流れの上流側)に配置されている。すなわち、入口封止弁174では、エアは、流路11内において、弁体14(回転軸15)側から弁座13側に向かって流れる。
一方、出口統合弁181では、弁座13に対して弁体14や回転軸15とは反対側に形成される流路11が燃料電池スタック111側(エアの流れの上流側)に配置され、弁座13に対して弁体14や回転軸15側に形成される流路11が希釈器182側(エアの流れの下流側)に配置されている。すなわち、本実施形態では、エアは、流路11内において、弁座13側から弁体14(回転軸15)側に向かって流れる。
図6及び図7に示すように、回転軸15の中心軸Lsは、弁体14の径方向(詳しくは、弁体14の円板状の部分の径方向)と平行に伸び、弁孔16の中心軸P1から弁孔16の径方向へ偏心して配置されると共に、弁体14のシール面18が回転軸15の中心軸Lsから弁体14の中心軸Lvが伸びる方向へ偏心して配置されている。
また、弁体14について回転軸15の中心軸Lsを中心に回転させることにより、弁体14のシール面18が、シート面17に面接触する閉弁位置(図4参照)とシート面17から最も離れる全開位置(図5参照)との間で移動可能となっている。
図8及び図9に示すように、金属製又は合成樹脂製の弁ハウジング35は、流路11及び管部12を備えている。また、金属製又は合成樹脂製のエンドフレーム36は、弁ハウジング35の開口端を閉鎖している。弁体14及び回転軸15は、弁ハウジング35内に設けられている。回転軸15は、その先端部にピン15aを備えている。このように、ピン15aは、回転軸15の中心軸Ls方向の一方(弁体14側)の端部に設けられている。ピン15aの径は、回転軸15におけるピン15a以外の部分の径よりも小さい。なお、回転軸15の中心軸Ls方向の他方(メインギヤ41側)の端部には、基端部15bが設けられている。
回転軸15は、ピン15aがある先端側を自由端とし、その先端部が管部12の流路11に挿入されて配置されている。また、回転軸15は、互いに離れて配置された2つの軸受である第1軸受37と第2軸受38を介して弁ハウジング35に対し回転可能に片持ち支持されている。第1軸受37と第2軸受38は、ともにボールベアリングにより構成されている。第1軸受37と第2軸受38は、回転軸15の中心軸Ls方向について弁体14とメインギヤ41との間の位置に配置され、回転軸15を回転可能に支持している。本実施形態では、第1軸受37が、第2軸受38に対してメインギヤ41側の位置に配置されている。弁体14は、回転軸15の先端部に形成されたピン15aに対して溶接により固定され、流路11内に配置されている。
エンドフレーム36は、弁ハウジング35に対し複数のクリップ39(図2及び図3参照)により固定されている。図8及び図9に示すように、回転軸15の基端部15bには、扇形ギヤを備えるメインギヤ41が固定されている。弁ハウジング35とメインギヤ41との間には、リターンスプリング力Fs1(図12参照)を発生させるリターンスプリング40が設けられている。リターンスプリング力Fs1は、回転軸15を閉弁方向に回転させる力であって、弁体14を閉方向(後述する弁開度θが「0」になる方向)へ付勢する力である。
リターンスプリング40は、線材がコイル状に巻かれて形成された弾性体である。リターンスプリング40は、その線材の両端部において、図11に示すように、奥側フック40aと、手前側フック40bを備えている。奥側フック40aと手前側フック40bは、リターンスプリング40の周方向について約180°離れた位置に配置されている。奥側フック40aは、弁ハウジング35側(図11の紙面奥側)に配置され、弁ハウジング35のスプリングフック部35c(図19参照)に接触している。一方、手前側フック40bは、メインギヤ41側(図11の紙面手前側)に配置され、メインギヤ41のスプリングフック部41cに接触している。
また、図8〜図11に示すように、メインギヤ41は、全閉ストッパ部41aと、歯車部41bと、スプリングフック部41cと、スプリングガイド部41dなどを備えている。そして、メインギヤ41の周方向(図11の反時計方向)について、順に、全閉ストッパ部41a、歯車部41b、スプリングフック部41cが形成されている。メインギヤ41は、回転軸15と一体的に設けられ、モータ32で発生する駆動力を受給する。全閉ストッパ部41aは、弁開度θが「0」であるときに、弁ハウジング35の全閉ストッパ部35bに接触する部分である。
弁開度θは、回転軸15が中心軸Lsを中心に回転したときの回転軸15の回転角度であり、メインギヤ41の回転角度や弁体14の開度に相当するものである。そして、弁開度θが「0」であるときとは、言い換えると、回転軸15の回転角度が回転軸15の回転範囲内における最小角度であるときである。図8〜図11は、弁開度θが「0」であるときを示している。
図11に示すように、歯車部41bは、中間ギヤ42の小径ギヤ42bと噛み合っている。スプリングフック部41cは、リターンスプリング40の手前側フック40bに接触しており、手前側フック40bからリターンスプリング力Fs1が加えられている(図12参照)。
図9に示すように、スプリングガイド部41dは、コイル状のリターンスプリング40の内部に配置され、リターンスプリング40を支持している。また、スプリングガイド部41dは、回転軸15における基端部15b側の部分にて、回転軸15と一体的に設けられている。
図9に示すように、メインギヤ41は、凹部41eを備え、その凹部41eに略円板形状をなす磁石46が収容されている。そのため、メインギヤ41が弁体14及び回転軸15と一体に回転することにより、磁石46は回転し、磁石46の磁界が変化する。そして、その磁石46の磁界の変化を回転角度センサ(不図示)により検知することにより、メインギヤ41の回転角度を弁体14の開度として検出するようになっている。
図8に示すように、モータ32は、弁ハウジング35に形成された収容凹部35aに収容されて固定されている。モータ32は、回転軸15を開弁、および、閉弁方向に回転させる駆動力を発生させる。モータ32は、弁体14を開閉駆動するために減速機構33を介して回転軸15に駆動力が伝達されるようにして連結されている。すなわち、モータ32の出力軸32a(図10参照)には、モータギヤ43が固定されている。このモータギヤ43は、中間ギヤ42を介してメインギヤ41に駆動力が伝達されるようにして連結されている。
中間ギヤ42は、大径ギヤ42aと小径ギヤ42bを有する二段ギヤであり、ピンシャフト44を介して弁ハウジング35に回転可能に支持されている。大径ギヤ42aの直径は、小径ギヤ42bの直径よりも大きい。大径ギヤ42aには、モータギヤ43が駆動連結され、小径ギヤ42bには、メインギヤ41が駆動連結されている。本実施形態では、減速機構33を構成するメインギヤ41と中間ギヤ42とモータギヤ43は、樹脂により形成されている。また、中間ギヤ42は、モータ32の駆動力を回転軸15に伝達する。
詳しくは後述するが、このような構成の入口封止弁174及び出口統合弁181は、図4に示すような閉弁状態(弁体14のシール面18の全周と弁座13のシート面17の全周とが接触している状態)から、モータ32に通電させると、メインギヤ41にギヤ歯を押す力(モータ駆動力Fm1(図14参照))が加わり、てこの原理により弁体14を弁座13に向かう方向へ移動させる(図15参照)。その後、モータ32に印加する駆動電流が徐々に大きくなると、出力軸32aとモータギヤ43が正方向(弁体14を開弁させる方向)へ回転して、その回転が中間ギヤ42により減速されてメインギヤ41に伝達される。そして、リターンスプリング40により発生する力であって閉弁方向へ付勢するリターンスプリング力Fs1に抗して、弁体14が開弁して流路11が開かれる(図16及び図18参照)。その後、弁体14が開弁する途中でモータ32に印加する駆動電圧が一定に維持されると、そのときの弁体14の開度にてモータ駆動力Fm1とリターンスプリング力Fs1とが均衡して、弁体14は所定開度に保持される。
そこで、本実施形態における入口封止弁174及び出口統合弁181の作用について詳細に説明する。まず、モータ32へ通電がなされていないモータ32の非駆動時(モータ32が停止しているとき)には、弁開度θが「0」の状態、すなわち、出口統合弁181が閉弁状態である。そして、このとき、図11に示すように、メインギヤ41の全閉ストッパ部41aは、弁ハウジング35の全閉ストッパ部35bに接触している。
このとき、回転軸15の周方向についての力関係を考えると、図12に示すように、メインギヤ41のスプリングフック部41cには、リターンスプリング40の手前側フック40bからリターンスプリング力Fs1が加わっている。なお、図12に示すように、回転軸15の中心軸Lsを原点とし、x軸を水平方向とし、y軸を鉛直方向とする直交座標系において、+x方向かつ+y方向を第1象限、−x方向かつ+y方向を第2象限、−x方向かつ−y方向を第3象限、+x方向かつ−y方向を第4象限とする。このとき、奥側フック40aおよび全閉ストッパ部41aは第1象限に位置するように配置され、手前側フック40bおよびスプリングフック部41cは第3象限に位置するように配置されている。
ここで、てこの原理において、全閉ストッパ部41aに支点が設定され、スプリングフック部41cに力点が設定され、全閉ストッパ部41aとスプリングフック部41cとの間の中央部に作用点が設定されるとする。すると、スプリングフック部41cに加わるリターンスプリング力Fs1により、全閉ストッパ部41aとスプリングフック部41cとの間の中央部に力Fs2が作用する。なお、(力Fs2)=2×(リターンスプリング力Fs1)である。なお、図12において、全閉ストッパ部41aとスプリングフック部41cとの間の距離は「2R」としている。
このとき、回転軸15の中心軸Ls方向に沿った断面における力関係を考えると、図13に示すように、力Fs2の+y方向成分は、分力Fs3となる。なお、+y方向とは、第1軸受37や第2軸受38の中心軸Lj方向(x方向)に対して垂直な方向であって、弁体14に対して弁座13方向(図12や図13の図面上方向)である。また、(分力Fs3)=(力Fs2)×(sinθ1)である。なお、図12に示すように、角度θ1は、x方向に対して、全閉ストッパ部41aとスプリングフック部41cの配列方向がなす角度である。
そして、この分力Fs3により、スプリングガイド部41dの位置では、力Fs4(反弁座方向付勢力)が+y方向に作用している。なお、(力Fs4)=(分力Fs3)×Lb/Laである。このように、力Fs4は、リターンスプリング力Fs1に起因して発生する力であって、かつ、第1軸受37と第2軸受38の中心軸Ljに対して垂直な方向に作用する力である。なお、距離Laは、x方向について第1軸受37が配置される位置から力Fs4が作用する位置までの距離である。また、距離Lbは、x方向について第1軸受37が配置される位置から分力Fs3が作用する位置までの距離である。
このようにスプリングガイド部41dの位置で力Fs4が+y方向に作用することにより、スプリングガイド部41dと一体の回転軸15は、第1軸受37を支点に、図13における時計回りに回転して傾く。これにより、てこの原理により、回転軸15の基端部15bに設けられるメインギヤ41は+y方向に移動する一方で、回転軸15のピン15aに設けられる弁体14は−y方向に移動する。そのため、弁体14は、弁座13から離れる方向(反弁座方向)に移動する。このようにして、モータ32の非駆動時であって、出口統合弁181が閉弁状態であるときに、弁体14は、力Fs4により、弁座13から
離れる方向に移動する。なお、このとき、回転軸15は、第2軸受38により制止される。
本実施形態では、このとき、図13に示すように、弁体14は、弁座13に設けられたゴムシート21(シール部材)に接触している。詳しくは、図21に示すように、弁体14は、ゴムシート21に備わるリップ部21aに接触している。つまり、弁体14の接点14Pとゴムシート21の接点21Pとが離れずに(ずれることなく)接触している。なお、このとき、弁体14は、リップ部21aの全周に亘って接触している。リップ部21aは、弁体14に押されて撓むことができるように形成されている。このようにして、弁座13と弁体14との間はゴムシート21で封止(シール)されており、入口封止弁174及び出口統合弁181は簡単な構成でシール性が確保されている。ここで、燃料電池システム101が搭載された車両の停止時において、燃料電池スタック111へエアを吸入させないようにするため、入口封止弁174及び出口統合弁181には封止機能が要求される。そして、本実施形態では、このように要求される入口封止弁174及び出口統合弁181の封止機能を得るため、弁座13と弁体14との間をゴムシート21で封止する。
また、このとき、弁開度θと開口面積Sの関係を示す図20において、点P1aの位置に存在する。ここで、「入口封止弁174・出口統合弁181が閉弁状態であるとき」とは、弁開度θ(弁体14の開度)が「0」のときであり、言い換えると、回転軸15の回転角度が全閉のときの角度(回転軸15の回転範囲内における最小角度)であるときである。
その後、モータ32へ通電がなされるモータ32の駆動時には、中間ギヤ42の小径ギヤ42b(図11参照)からメインギヤ41の歯車部41b(図11参照)に対して当該メインギヤ41を回転させようとするモータ駆動力Fm1が作用する。このとき、回転軸15の周方向についての力関係を考えると、図14に示すように、モータ駆動力Fm1は、−y方向に作用する。なお、−y方向とは、第1軸受37や第2軸受38の中心軸Lj方向(x方向)に対して垂直な方向であって、弁座13に対して弁体14が配置される方向(図12や図13の図面下方向)である。
そして、モータ駆動力Fm1により、回転軸15の中心軸Lsの位置では、力Fm2が−y方向に作用している。さらに、回転軸15の中心軸Ls方向に沿った断面における力関係を考えると、図15に示すように、スプリングガイド部41dの位置では、力Fm3(弁座方向付勢力)が−y方向に作用している。なお、(力Fm3)=(力Fm2)×Lb/Laである。このように、モータ32の駆動時に、力Fm3が発生する。この力Fm3は、モータ駆動力Fm1に起因して発生する力であって、かつ、第1軸受37と第2軸受38の中心軸Ljに対して垂直な方向に作用する力である。そして、力Fm3は、第1軸受37を支点として回転軸15を回転させて傾けて、弁体14を弁座13に向かう方向に付勢する。
そして、図15に示すように、力Fm3が前記の力Fs4よりも大きくなると、メインギヤ41のスプリングガイド部41dと一体の回転軸15は、第1軸受37を支点に図15における反時計回りに回転して傾く。これにより、てこの原理により、メインギヤ41は−y方向に移動する一方で、弁体14は+y方向に移動する。このようにして、弁体14は、力Fm3により、弁座13に向かう方向(弁座方向)に移動する。
本実施形態では、このとき、ゴムシート21のリップ部21aは、弁体14に押されて変形しているが、リップ部21aの変形は弾性領域内で行われ、塑性変形はしない。なお、このとき、弁開度θと開口面積Sの関係を示す図20において、点P1bの位置に存在する。
その後、モータ32に印加させる駆動電流が大きくなってモータ駆動力Fm1が大きくなると、回転軸15は、第1軸受37を支点に図16における反時計回りにさらに回転して傾く。これにより、メインギヤ41は−y方向にさらに移動する一方で、弁体14は+y方向にさらに移動する。このとき、回転軸15は中心軸Lsを中心に回転し、弁開度θ(回転軸15の回転角度)が微少開度「α」になり(図17参照)、開口面積Sが増加する。そして、このとき、図17に示すように、メインギヤ41の全閉ストッパ部41aは、弁ハウジング35の全閉ストッパ部35bから離れる。なお、図16に示すように、回転軸15は、第2軸受38により制止される。また、このとき、弁開度θと開口面積Sの関係を示す図20において、点P1cの位置に存在する。
その後、モータ駆動力Fm1がさらに大きくなると、回転軸15は中心軸Lsを中心にさらに回転し、図18に示すように、弁体14が弁座13からさらに離れて、開口面積Sがさらに増加する。このとき、弁開度θが「β」になる(図19参照)。また、このとき、弁開度θと開口面積Sの関係を示す図20において、点P1dの位置に存在する。以上のようにして、モータ駆動力Fm1による出口統合弁181の開弁動作が行われる。
ここで、燃料電池スタック111では水が生成されるため、寒冷地において、入口封止弁174・出口統合弁181が凍結するおそれがある。そして、入口封止弁174又は出口統合弁181が凍結により閉固着してしまうと、燃料電池システム101を起動する際に、入口封止弁174又は出口統合弁181を開弁することができず、燃料電池システム101を起動できないおそれがある。そのため、燃料電池システム101において、システム起動時に、入口封止弁174又は出口統合弁181を強制的に開弁する凍結解除制御を実施する必要がある。しかしながら、入口封止弁174・出口統合弁181に対して従来の凍結解除制御を実施すると、弁体14や弁座13から剥離、粉砕された氷結粒がゴムシート21のシール面18に浸入してしまい、ゴムシート21(リップ部21a)が損傷するおそれがある。
そこで、燃料電池システム101では、入口封止弁174・出口統合弁181が凍結するおそれがある場合において、以下に述べる制御(凍結粉砕制御及び凍結解凍制御)を実施している。すなわち、コントローラ201が、図22〜図24に示す制御フローチャートに基づく制御を実行する。図22に示すフローチャートが入口封止弁174に対して実施される凍結粉砕制御であり、図23に示すフローチャートが出口統合弁181に対して実施される凍結粉砕制御であり、図24に示すフローチャートが入口封止弁174及び出口統合弁181に対して実施される凍結解凍制御である。
まず、入口封止弁174に対する凍結粉砕制御について、図22、図25及び図26を参照しながら説明する。コントローラ201は、燃料電池システム101の起動開始要求の有無を判断する(ステップS1)。そして、システムの起動開始要求が有る場合(ステップS1:YES)には、スタック温度STTを取り込む(ステップS2)。一方、システムの起動開始要求がない場合(ステップS1:NO)には、カウンタm,pをそれぞれ「1」(初期値)に設定する(ステップS25)。
次に、スタック温度STTが所定温度(凍結の可能性がある温度であり、例えば、本実施形態では5℃)未満であるか否かを判断する(ステップS3)。そして、スタック温度STTが5℃未満である場合(ステップS3:YES)には、入口封止弁174が凍結している可能性があるため、以下の凍結粉砕制御を実施する。なお、スタック温度STTが5℃未満でない場合(ステップS3:NO)には、ステップS25の処理を行う。
凍結粉砕制御では、まず、XACVINSフラグが「0」であるか否かを判断する(ステップS4)。なお、XACVINSフラグは、入口封止弁174の凍結粉砕判定フラグであり、「0」の場合には凍結粉砕が未完了であることを示し、「1」の場合には凍結粉砕が完了していることを示す。
そして、XACVINSフラグが「0」である場合(ステップS4:YES)には、入口封止弁174の初期微少開度(凍結解除開度)と初期制御電流値を決定する(ステップS5)。一方、XACVINSフラグが「1」である場合(ステップS4:NO)には、ステップS25の処理を行う。
初期微少開度と初期制御電流値の決定は、スタック温度STTに応じて、図25と図26に示す関係に基づいて行われる。具体的には、入口封止弁174の初期微少開度が、図25に破線で示す関係のマップデータからスタック温度STTに対応する開度「IN_A」が決定される。初期微少開度「IN_A」は、スタック温度STTが低くなるにしたがって小さく設定されている。
ここで、ゴムシート21(リップ部21a)は、温度が低くなるにしたがって硬くなるため、弾性変形域が小さくなる。そのため、凍結粉砕制御を実施した際に、弁体14の開閉動作にゴムシート21(リップ部21a)の変形が追従できなくなり、ゴムシート21が損傷するおそれがある。そこで、本実施形態では、凍結粉砕制御における初期微少開度「IN_A」を、スタック温度STTが低くなるにしたがって小さく設定し、弁体14の開閉動作にゴムシート21(リップ部21a)の変形が追従できるようにして、ゴムシート21の損傷を防止している。
また、入口封止弁174に対する初期制御電流値(制御量)が、図26に破線で示す関係のマップデータからスタック温度STTに対応する電流値「in_e」が決定される。初期制御電流値「in_e」は、スタック温度STTが低くなるにしたがって大きく設定されている。スタック温度STTが低い程、入口封止弁174の凍結を粉砕するための駆動電流が多めに必要となるからである。なお、図25と図26に示す関係は、マップデータとして予めコントローラ201に記憶されている。
次に、入口封止弁174に対して閉弁保持通電を実施する(ステップS6)。具体的には、入口封止弁174のモータ32に保持電流「in_e0」が印加されて閉弁状態にされる。そして、このときの初期閉弁実開度tinsを取り込む(ステップS7)。続いて、入口封止弁174に対して瞬時通電を実施する。つまり、入口封止弁174のモータ32に制御電流値「in_e(m)」をF[ms]だけ印加し(ステップS8、S9)、実開度tinを取り込んで(ステップS10)、閉弁保持通電を実施する(ステップS11)。
そして、凍結粉砕が完了したか否かを判定する。具体的には、ステップS10で取り込んだ実開度tinとステップS7で取り込んだ初期閉弁実開度tinsとを比較して、そのときの開度変化量が0.1degよりも小さいか否かで凍結粉砕の判定を行う(ステップS12)。そして、開度変化量が0.1deg以上の場合(ステップS12:NO)には、入口封止弁174の凍結粉砕が完了していると判定して、XACVINSフラグを「1」にする(ステップS13)。一方、開度変化量が0.1deg未満の場合(ステップS12:YES)には、入口封止弁174の凍結粉砕が未完了であると判定して、ステップS15以降の処理を行い、凍結粉砕制御を継続する。
具体的には、mをカウントアップ(+1)して(ステップS15)、制御電流値「in_e(m)」を「in_e(m−1)+ke[mA]」に変更する(ステップS16)。すなわち、前回の制御電流値に順次ke[mA]を加算していくのである。そして、前回の制御電流値にke[mA]を加算した制御電流値「in_e(m)」が最大電流ガード値G[mA]を越えているか否かを判断する(ステップS17)。
このとき、制御電流値「in_e(m)」が最大電流ガード値G[mA]を越えていない場合(ステップS17:NO)には、ステップS8の処理に戻ってそれ以降の処理を、入口封止弁174の凍結粉砕が完了するまで繰り返し行う。これにより、入口封止弁174の凍結粉砕を確実に完了することができる。
一方、制御電流値「in_e(m)」を最大電流ガード値G[mA]まで上げても凍結粉砕が完了せずに、制御電流値「in_e(m)」が最大電流ガード値G[mA]を越えた場合(ステップS17:YES)には、制御電流値「in_e(m)」をガード値G[mA]とし(ステップS18)、電流ガード値設定カウンタpをカウントアップする(ステップS19)。そして、電流ガード値設定カウンタpがp>2であるか否かを判断する(ステップS20)。このとき、電流ガード値設定カウンタpがp>2でない場合(ステップS20:NO)には、ステップS8の処理に戻って、制御電流値「in_e(m)」を最大電流ガード値G[mA]に設定してそれ以降の処理を行う。一方、電流ガード値設定カウンタpがp>2である場合(ステップS20:YES)、つまり、最大電流ガード値G[mA]での凍結粉砕制御を1回実施したが、凍結粉砕が未完了と判断された場合には、入口封止弁174に凍結以外の閉固着故障(ロック故障)が発生していると判定して(ステップS21)、起動停止処理モードを実行する。
このように入口封止弁174が凍結しているおそれがある場合に、上記の凍結粉砕制御を実施するので、入口封止弁174が凍結していたときには、凍結部分が粉砕されて急激に開弁(つまり、オーバーシュート)して、弁体14とゴムシート21との接触面が急激に引き剥がされて、ゴムシート21が損傷することを防止することができる。
続いて、出口統合弁181に対する凍結粉砕制御について、図23、図25及び図26を参照しながら説明する。コントローラ201は、燃料電池システム101の起動開始要求の有無を判断する(ステップS51)。そして、システムの起動開始要求が有る場合(ステップS51:YES)には、スタック温度STTを取り込む(ステップS52)。一方、システムの起動開始要求がない場合(ステップS51:NO)には、カウンタm,pをそれぞれ「1」(初期値)に設定する(ステップS75)。
次に、スタック温度STTが所定温度(本実施形態では5℃)未満であるか否かを判断する(ステップS53)。そして、スタック温度STTが5℃未満である場合(ステップS53:YES)には、出口統合弁181が凍結している可能性があるため、以下の凍結粉砕制御を実施する。なお、スタック温度STTが5℃未満でない場合(ステップS53:NO)には、ステップS75の処理を行う。
凍結粉砕制御では、まず、XACVOUTSフラグが「0」であるか否かを判断する(ステップS54)。なお、XACVOUTSフラグは、出口統合弁181の凍結粉砕判定フラグであり、「0」の場合には凍結粉砕が未完了であることを示し、「1」の場合には凍結粉砕が完了していることを示す。
そして、XACVOUTSフラグが「0」である場合(ステップS54:YES)には、出口統合弁181の初期微少開度(凍結解除開度)と初期制御電流値を決定する(ステップS55)。一方、XACVOUTSフラグが「1」である場合(ステップS54:NO)には、ステップS75の処理を行う。
初期微少開度と初期制御電流値の決定は、スタック温度STTに応じて、図25と図26に示す関係に基づいて行われる。具体的には、出口統合弁181の初期微少開度が、図25に実線で示す関係のマップデータからスタック温度STTに対応する開度「OUT_B」が決定される。初期微少開度「OUT_B」は、スタック温度STTが低くなるにしたがって小さく設定されている。これにより、弁体14の開閉動作にゴムシート21(リップ部21a)の変形が追従できるようにして、ゴムシート21の損傷を防止している。
また、出口統合弁181に対する初期制御電流値(制御量)が、図26に実線で示す関係のマップデータからスタック温度STTに対応する電流値「out_e」が決定される。初期制御電流値「out_e」は、スタック温度STTが低くなるにしたがって大きく設定されている。スタック温度STTが低い程、出口統合弁181の凍結を粉砕するための駆動電流が多めに必要となるからである。なお、図25と図26に示す関係は、マップデータとして予めコントローラ201に記憶されている。
次に、出口統合弁181に対して閉弁保持通電を実施する(ステップS56)。具体的には、出口統合弁181のモータ32に保持電流「out_e0」が印加されて閉弁状態にされる。そして、このときの初期閉弁実開度toutsを取り込む(ステップS57)。続いて、出口統合弁181に対して瞬時通電を実施する。つまり、出口統合弁181のモータ32に制御電流値「out_e(m)」をF[ms]だけ印加し(ステップS58,S59)、実開度toutを取り込んで(ステップS60)、閉弁保持通電を実施する(ステップS61)。
そして、凍結粉砕が完了したか否かを判定する。具体的には、ステップS60で取り込んだ実開度toutとステップS57で取り込んだ初期閉弁実開度toutsとを比較して、そのときの開度変化量が0.1degよりも小さいか否かで凍結粉砕の判定を行う(ステップS62)。そして、開度変化量が0.1deg以上の場合(ステップS62:NO)には、出口統合弁181の凍結粉砕が完了していると判定して、XACVOUTSフラグを「1」にする(ステップS63)。一方、開度変化量が0.1deg未満の場合(ステップS62:YES)には、出口統合弁181の凍結粉砕が未完了であると判定して、ステップS65以降の処理を行い、凍結粉砕制御を継続する。
具体的には、mをカウントアップ(+1)して(ステップS65)、制御電流値「out_e(m)」を「out_e(m−1)+ke[mA]」に変更する(ステップS66)。すなわち、前回の制御電流値に順次ke[mA]を加算していくのである。そして、前回の制御電流値にke[mA]を加算した制御電流値「out_e(m)」が最大電流ガード値G[mA]を越えているか否かを判断する(ステップS67)。
このとき、制御電流値「out_e(m)」が最大電流ガード値G[mA]を越えていない場合(ステップS67:NO)には、ステップS58の処理に戻ってそれ以降の処理を、出口統合弁181の凍結粉砕が完了するまで繰り返し行う。これにより、出口統合弁181の凍結粉砕を確実に完了することができる。
一方、制御電流値「out_e(m)」を最大電流ガード値G[mA]まで上げても凍結粉砕が完了せずに、制御電流値「out_e(m)」が最大電流ガード値G[mA]を越えた場合(ステップS67:YES)には、制御電流値「out_e(m)」をガード値G[mA]とし(ステップS68)、電流ガード値設定カウンタpをカウントアップする(ステップS69)。そして、電流ガード値設定カウンタpがp>2であるか否かを判断する(ステップS70)。このとき、電流ガード値設定カウンタpがp>2でない場合(ステップS70:NO)には、ステップS58の処理に戻って、制御電流値「out_e(m)」を最大電流ガード値G[mA]に設定してそれ以降の処理を行う。一方、電流ガード値設定カウンタpがp>2である場合(ステップS70:YES)、つまり、最大電流ガード値G[mA]での凍結粉砕制御を1回実施したが、凍結粉砕が未完了と判断された場合には、出口統合弁181に凍結以外の閉固着故障(ロック故障)が発生していると判定して(ステップS71)起動停止処理モードを実行する。
このように出口統合弁181が凍結しているおそれがある場合に、上記の凍結粉砕制御を実施するので、出口統合弁181が凍結していたときには、凍結部分が粉砕されて急激に開弁(つまり、オーバーシュート)して、弁体14とゴムシート21との接触面が急激に引き剥がされて、ゴムシート21が損傷することを防止することができる。
次に、上記の凍結粉砕制御が実施された後、以下の凍結解凍制御が実施される。そこで、凍結解凍制御について、図24、図25、図27〜図31を参照しながら説明する。まず、コントローラ201は、燃料電池システム101の起動開始要求の有無を判断する(ステップS101)。そして、システムの起動開始要求が有る場合(ステップS101:YES)には、スタック温度STTを取り込む(ステップS102)。一方、システムの起動開始要求がない場合(ステップS101:NO)には、この処理を一旦終了する。
そして、スタック温度STTが所定温度(凍結の可能性がある温度であり、例えば、本実施形態では5℃)未満であるか否かを判断する(ステップS103)。スタック温度STTが5℃未満である場合(ステップS103:YES)には、入口封止弁174・出口統合弁181が凍結している可能性があるため、以下の凍結解凍制御を実施する。なお、スタック温度STTが5℃未満でない場合(ステップS103:NO)には、この処理を一旦終了する。
凍結解凍制御では、まず、XACVOフラグが「0」であるか否かを判断する(ステップS54)。なお、XACVOフラグは、入口封止弁174及び出口統合弁181の凍結解凍判定フラグであり、「0」の場合には入口封止弁174及び出口統合弁181の少なくとも一方において凍結解凍が未完了であることを示し、「1」の場合には入口封止弁174及び出口統合弁181の両方において凍結解凍が完了していることを示す。
そして、XACVOフラグが「0」である場合(ステップS104:YES)には、入口封止弁174及び出口統合弁181のそれぞれについて、凍結解凍制御を行う際における初期微少開度、開閉回数及び増加開度を決定する(ステップS105)。一方、XACVOフラグが「1」である場合(ステップS104:NO)には、この処理を一旦終了する。
初期微少開度、開閉回数及び増加開度の決定は、スタック温度STTに応じて、図25、図27及び図28に示す関係に基づいて行われる。具体的には、入口封止弁174と出口統合弁181の各初期微少開度が、図25に破線と実線で示す関係のマップデータからスタック温度STTに対応する開度「IN_A」と「OUT_B」が決定される。初期微少開度「IN_A」「OUT_B」は、スタック温度STTが低くなるにしたがって小さく設定されている。これにより、弁体14の開閉動作にゴムシート21(リップ部21a)の変形が追従できるようにして、ゴムシート21の損傷を防止している。
また、入口封止弁174と出口統合弁181の各開閉回数が、図27に破線と実線で示す関係のマップデータからスタック温度STTに対応する回数「a」と「b」が決定される。開閉回数「a」「b」は、スタック温度STTが低くなるにしたがって多く設定されている。これにより、凍結の可能性が高くなるスタック温度STTが低いほど、解凍制御における繰り返し開閉の回数が多くなるため、確実に凍結部分を解凍することができる。
さらに、入口封止弁174と出口統合弁181における各増加開度が、図28に破線と実線で示す関係のマップデータからスタック温度STTに対応する増加開度「α」と「β」が決定される。増加開度「ΔA」「ΔB」は、スタック温度STTが低くなるにしたがって小さく設定されている。これにより、弁体14の開閉動作にゴムシート21(リップ部21a)の変形が追従できるようにして、ゴムシート21の損傷を防止している。
そして、入口封止弁174の初期微少開度「IN_A」より出口統合弁181の初期微少開度「OUT_B」を小さく設定するとともに、入口封止弁174の増加開度「ΔA」より出口統合弁181の増加開度「ΔB」を小さく設定している。これにより、凍結の可能性が高い出口統合弁181における弁体14の開閉動作にゴムシート21(リップ部21a)の変形が確実に追従できるようにして、ゴムシート21の損傷を防止している。
また、入口封止弁174の開閉回数「a」より出口統合弁181の開閉回数「b」を多く設定している。これにより、凍結の可能性が高い出口統合弁181における解凍制御の繰り返し開閉の回数が多くなり、出口統合弁181が凍結した際、確実に解凍することができる。
その後、コントローラ201は、入口封止弁174及び出口統合弁181に対してそれぞれ凍結解凍制御を実施する。入口封止弁174に対して、XACVINフラグが「0」であるか否かを判断する(ステップS110)。なお、XACVINフラグは、入口封止弁174の解凍判定フラグであり、「0」の場合には凍結解凍が未完了であることを示し、「1」の場合には凍結解凍が完了していることを示す。
そして、XACVINフラグが「0」である場合(ステップS110:YES)には、入口封止弁174を開度「Inopen(n)=IN_A+ΔA×(n−1)」で開閉し(ステップS112)、そのときの開閉回数「C」を取り込む(ステップS113)。なお、nは開度設定カウンタであり、初期値が「1」である。その後、開閉回数「C」がステップS105で決定した開閉回数「a」に達するまでステップS111〜S113の処理を繰り返し行う(ステップS113)。
このとき、図29に示すように、弁体14の接点14Pとゴムシート21の接点21Pとが離れずに(ずれることなく)、ゴムシート21が弾性変形する範囲内で、入口封止弁174を開度「Inopen(n)」で所定回数「a」だけ開閉させる。このような解凍制御により、弁体14や弁座13に付着した氷に亀裂が入り微粉砕され、微粉砕された氷結が切り離されて凍結が解消される。このとき、ゴムシート21は弁体14に接触した状態のままであるため、微粉砕された氷結粒がシール面18に浸入することを防ぐことができる。そのため、氷結粒によってゴムシート21(シール面18)を損傷することがない。
なお、XACVINフラグが「1」である場合(ステップS110:NO)には、この処理を一旦終了する。
開閉回数「C」がステップS105で決定した開閉回数「a」に達すると(ステップS113:YES)、開度設定カウンタnをカウントアップ(+1)して(ステップS114)、開閉回数「C」をリセットする(ステップS115)。そして、凍結解除制御実施時における入口封止弁174の実開度Inopenが、解凍判定開度Dを越えたか否かを判断する(ステップS116)。このとき、入口封止弁174の実開度Inopenが、解凍判定開度Dを越えた場合(ステップS116:YES)には、入口封止弁174は解凍されたと判定してXACVINフラグを「1」にする(ステップS117)。
このとき、図30に示すように、弁体14の接点14Pとゴムシート21の接点21Pとが離れて(ずれて)、ゴムシート21の弾性変形する範囲内で、入口封止弁174が開度「Inopen(n)」で所定回数「a」だけ開閉させられている。そのため、微粉砕された氷結粒が互いに潰し合いながら摺動していたため、氷結粒の角が丸まっている。従って、その後、図31に示すように、弁体14の接点14Pとゴムシート21の接点21Pとが完全に離れた際、氷結粒がシール面18に浸入してもゴムシート21(シール面18)を損傷させることがない。
一方、入口封止弁174の実開度Inopenが、解凍判定開度Dを越えていない場合(ステップS116:NO)には、この処理を一旦終了する。そして、再度、上記の処理が実施される。つまり、入口封止弁174の開度をΔAだけ増加させて解凍制御が再度行われる。このように入口封止弁174の凍結が解凍されるまで、段階的に開度が大きくされて凍結制御が実施される。このようにして、入口封止弁174の解凍制御を行う際の開度を徐々に大きくしていくので、凍結部分を確実に解凍することができる。なお、解凍判定開度Dは、弁体14の接点14Pとゴムシート21の接点21Pが離れたことを確認することができる開度であり、数degに設定されている。
また、上記処理と並行して、コントローラ201は、出口統合弁181に対して、XACVOUTフラグが「0」であるか否かを判断する(ステップS120)。なお、XACVOUTフラグは、出口統合弁181の解凍判定フラグであり、「0」の場合には凍結解凍が未完了であることを示し、「1」の場合には凍結解凍が完了していることを示す。
そして、XACVOUTフラグが「0」である場合(ステップS120:YES)には、出口統合弁181を開度「Outopen(n)=OUT_B+ΔB×(n−1)」で開閉し(ステップS121)、そのときの開閉回数「C」を取り込む(ステップS123)。その後、開閉回数「C」がステップS105で決定した開閉回数「b」に達するまでステップS121〜S123の処理を繰り返し行う(ステップS123)。
このとき、図29に示すように、弁体14の接点14Pとゴムシート21の接点21Pとが離れずに(ずれることなく)、ゴムシート21が弾性変形する範囲内で、入口封止弁174を開度「Outopen(n)」で所定回数「b」だけ開閉させる。このような解凍制御により、弁体14や弁座13に付着した氷に亀裂が入り微粉砕され、微粉砕された氷結が切り離されて凍結が解消される。このとき、ゴムシート21は弁体14に接触した状態のままであるため、微粉砕された氷結粒がシール面18に浸入することを防ぐことができる。そのため、氷結粒によってゴムシート21(シール面18)を損傷することがない。
なお、XACVOUTフラグが「1」である場合(ステップS120:NO)には、この処理を一旦終了する。
開閉回数「C」がステップS105で決定した開閉回数「b」に達すると(ステップS123:YES)、開度設定カウンタnをカウントアップ(+1)して(ステップS124)、開閉回数「C」をリセットする(ステップS125)。そして、凍結解除制御実施時における出口統合弁181の実開度Outopenが、解凍判定開度Dを越えたか否かを判断する(ステップS126)。このとき、出口統合弁181の実開度Outopenが、解凍判定開度Dを越えた場合(ステップS126:YES)には、出口統合弁181は解凍されたと判定してXACVOUTフラグを「1」にする(ステップS127)。
このとき、図30に示すように、弁体14の接点14Pとゴムシート21の接点21Pとが離れて(ずれて)、ゴムシート21の弾性変形する範囲内で、入口封止弁174が開度「Outopen(n)」で所定回数「b」だけ開閉させられている。そのため、微粉砕された氷結粒が互いに潰し合いながら摺動していたため、氷結粒の角が丸まっている。従って、その後、図31に示すように、弁体14の接点14Pとゴムシート21の接点21Pとが完全に離れた際、氷結粒がシール面18に浸入してもゴムシート21(シール面18)を損傷させることがない。
一方、出口統合弁181の実開度Outopenが、解凍判定開度Dを越えていない場合(ステップS126:NO)には、この処理を一旦終了する。そして、再度、上記の処理が実施される。つまり、出口統合弁181の開度をΔBだけ増加させて解凍制御が再度行われる。このように出口統合弁181の凍結が解凍されるまで、段階的に開度が大きくされて凍結制御が実施される。このようにして、出口統合弁181の解凍制御を行う際の開度を徐々に大きくしていくので、凍結部分を確実に解凍することができる。
そして、出口統合弁181の実開度Outopenが、解凍判定開度Dを越えた後、XACVINフラグが「1」になっているか否かを判定する(ステップS128)。XACVINフラグが「1」になっている場合(ステップS128:YES)には、XACVOフラグを「1」にする(ステップS129)。これで、入口封止弁174及び出口統合弁181の両方について凍結解凍が終了したことになる。一方、XACVINフラグが「0」の場合(ステップS128:NO)には、この処理を一旦終了する。
上記の制御フローチャートに基づく制御が実行されることにより、例えば、図32に示すような制御タイムチャートで表される制御が実行される。なお、図32には、凍結の可能性が高い出口統合弁181についてのみ示している。図32に示すように、時刻T1にて起動開始要求がなされると、スタック温度STTが5℃未満であるので、凍結粉砕制御が実施される。すなわち、出口統合弁181に対して、時刻T1で保持電流「out_e0」が印加された後、時刻T2で駆動電流「out_e」が時刻T3まで印加される。つまり、時刻T2から時刻T3までが瞬時通電時間F[ms]となる。その後、出口統合弁181に対して印加する駆動電流として、ke[mA]が順次加算された駆動電流値での瞬時通電が繰り返される。そして、時刻T4で凍結粉砕判定開度である「0.1deg」を越えたため、時刻T5で凍結粉砕制御が終了する。このとき、XACVOUTSフラグが「1」になる。
そして、時刻T5から出口統合弁181に対して凍結解凍制御が実施される。すなわち、時刻T6から時刻T7まで1回目の凍結解凍制御が行われる。このときには、出口統合弁181の実開度Outopenが解凍判定開度Dを越えない。そのため、時刻T8から時刻T9まで、1回目の凍結解凍制御が実施された開度に増加開度ΔBが加算された開度にて、2回目の凍結解凍制御が行われる。このときにも、出口統合弁181の実開度Outopenが解凍判定開度Dを越えない。そのため、時刻T10から時刻T11まで、2回目の凍結解凍制御が実施された開度に増加開度ΔBが加算された開度にて、3回目の凍結解凍制御が行われる。そして、この3回目の凍結解凍制御において、出口統合弁181の実開度Outopenが解凍判定開度Dを越えたため、時刻T12で出口統合弁181に対する凍結解凍制御が終了する。このようにして、凍結が解除された出口統合弁181に対し、時刻T12以降は通常の開閉制御が実施される。
以上、詳細に説明したように本実施形態に係る燃料電池システム101によれば、コントローラ201は、スタック温度STTが5℃より低い場合に、弁体14とゴムシート21とが互いに接触している接点14P,21Pが離れずにゴムシート21が弾性変形する範囲内で、入口封止弁174、出口統合弁181に対して、それぞれ微少開度IN_A,IN_Bで開弁と閉弁を所定回数a,bだけ繰り返す解凍制御を実施する。これにより、弁体14や弁座13に付着した氷に亀裂が入り微粉砕され、微粉砕された氷結が切り離されて凍結が解消される。このとき、ゴムシート21は弁体14に接触した状態のままであるため、微粉砕された氷結粒がシール面18に浸入することを防ぐことができる。そのため、氷結粒によってゴムシート21(シール面18)を損傷することがない。
その後、ゴムシート21と弁体14が離間するときには、繰り返し行われる弁開閉動作によって、微粉砕された氷結粒が互いに潰し合いながら摺動していたため、氷結粒の角が丸まっている。そのため、氷結粒がシール面18に浸入してもゴムシート21(シール面18)を損傷させることがない。
一方、コントローラ201は、解凍制御を実施した後、入口封止弁174、出口統合弁181の実開度Inopen,Outopenが解凍判定開度Dより小さい場合には、それぞれ微少開度から開度をΔA,ΔBだけ増加させて解凍制御を再度実施する。つまり、凍結が解除されるまで、段階的に開度が大きくされて凍結制御が実施される。このように、解凍制御を行う際の開度を徐々に大きくしていくので、凍結部分を確実に解凍することができる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記した実施形態では、ゴムシート21は弁座13に設けられているが、ゴムシート21は弁体14に設けられていてもよい。
また、上記した実施形態では、封止弁として偏心弁を例示しているが、封止弁としてポペット弁を使用するシステムにも本発明を適用することができる。
さらに、上記した実施形態では、本発明を燃料電池システムに適用した場合について例示したが、本発明はガス流路を封止する封止弁を備えるシステム(例えば、EGRシステムなど)にも適用することができる。
13 弁座
14 弁体
14P 接点
18 シール面
21 ゴムシート
21a リップ部
21P 接点
101 燃料電池システム
111 燃料電池スタック(燃料電池)
111P スタック圧センサ
113 エア系
161 エア供給通路
162 エア排出通路
174 入口封止弁
181 出口統合弁
201 コントローラ

Claims (5)

  1. ガスが流れるガス流路と、前記ガス流路を開閉する封止弁と、前記封止弁の開閉動作を制御する制御部とを備える封止弁制御システムにおいて、
    前記封止弁は、
    弁座又は弁体のいずれか一方に、前記弁体と前記弁座との間を封止するシール部材が設けられているものであり、
    前記制御部は、
    開弁要求があり外気温が所定温度より低い場合に、前記弁体又は前記弁座と前記シール部材とが互いに接触している接点が離れずに前記シール部材が弾性変形する範囲内で、前記封止弁の開閉を微少開度で所定回数だけ繰り返す解凍制御を行い、
    前記解凍制御を実施した後、前記封止弁の実開度が解凍判定開度より小さい場合には、前回の解凍制御時の開度よりも開度を増加させて再度、前記解凍制御を行う
    ことを特徴とする封止弁制御システム。
  2. 請求項1に記載する封止弁制御システムにおいて、
    前記制御部は、外気温が低くなるにしたがって、前記所定回数を多く設定する
    ことを特徴とする封止弁制御システム。
  3. 請求項1に記載する封止弁制御システムにおいて、
    前記制御部は、外気温が低くなるにしたがって、前記微少開度又は前回の開度から増加させる開度量の少なくとも一方を小さく設定する
    ことを特徴とする封止弁制御システム。
  4. 請求項1から請求項3に記載するいずれか1つの封止弁制御システムにおいて、
    前記制御部は、
    前記封止弁の実開度が、前記解凍判定開度より小さい凍結粉砕判定開度を越えるまで、前記封止弁に入力する駆動制御量を瞬間的に入力する瞬時入力を繰り返す凍結粉砕制御を行い、
    前記凍結粉砕制御では、前記瞬時入力における前記駆動制御量を所定の上限値まで段階的に増加させていく
    ことを特徴とする封止弁制御システム。
  5. 請求項1から請求項4に記載するいずれか1つの封止弁制御システムにおいて、
    前記ガス流路は、燃料電池の出入口に接続され酸化剤ガスを流通させる酸化剤ガス流路であり、
    前記封止弁は、
    前記燃料電池の入口側に配置された入口側封止弁と、
    前記燃料電池の出口側に配置された出口側封止弁とを含み、
    前記制御部は、
    外気温として前記燃料電池内の温度を検出し、
    前記入口側封止弁より前記出口側封止弁の繰り返し開閉の前記所定回数を多く設定する
    ことを特徴とする封止弁制御システム。
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