JP2017180260A - タービン動翼 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却空気が混入するタービン動翼のチップ側の翼断面における全圧損失を低減させ、冷却空気混入による性能劣化を抑えること。【解決手段】タービン動翼は、回転軸の内周側に位置する内周側エンドウォール部と、内周側エンドウォール部に取り付けられ、内周側エンドウォール部から半径方向に延びる翼型部とを備え、翼型部が取り付けられた内周側エンドウォール部が所定の間隙をもって複数個配置され、翼型部は、翼弦方向に凹形状の曲面形状を成す圧力面10b及び翼弦方向に凸形状の曲面形状を成す負圧面10aと、翼前縁及び翼後縁とから成ると共に、翼の厚みが前記翼前縁側より中央側に向かうに従い徐々に大きくなり、かつ、その途中より前記翼後縁側に向かうに従い徐々に小さくなるように形成されたタービン動翼であって、翼型部の外周側に、圧力面10bから負圧面10aに抜ける貫通孔21が形成されている。【選択図】図10

Description

本発明はタービン動翼に係り、特に、翼型部が取り付けられている内周側エンドウォール部が所定の間隙をもって複数個配置されているものに好適なタービン動翼に関する。
近年、低コスト化などを図る観点からタービンの翼枚数が削減されることがあるが、翼枚数を削減すると翼一枚当りの負荷が上昇する傾向にある。翼に掛かる負荷が大きい翼では、タービン中心軸側(内周側)、タービンケーシング側(外周側)によらず、エンドウォール近傍において主流ガスの流れに対して垂直な断面での流れ、つまり、二次流れが大きくなる。二次流れが大きくなるとエンドウォール近傍の流量が減少し、その分、翼の外周側と内周側の径位置の平均位置、つまり、平均径付近での流量が増加し翼負荷が増大する。その結果、全圧損失の増大を招くことが知られている。
特に、タービンでは、タービン動翼が取り付けられたローター部分を冷却するために冷却空気を圧縮機から誘導する場合があるが、この冷却空気は、最終的に燃焼ガスの通路に誘導されるため燃焼ガスの流れを乱してしまう。このとき、翼列の上流側から混入する冷却空気は、翼列内部での二次流れを更に強くし、全圧損失の更なる増大を招くことが知られている。
また、タービン動翼に掛かる負荷が大きいタービン動翼における全圧損失の増大を防ぐため、外周側端面のスキーラーと呼ばれる凹領域の形状や配置を工夫し、間隙を通過する流れによる全圧損失増加を抑制する方法、或いはウイングレットと呼ばれる先端形状を、タービン動翼の外周側端面に設定することで、全圧損失を削減する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、タービン動翼の回転軸に着目すると、回転方向、つまり、回転対称となるようにエンドウォールに凸領域を設定するタービン動翼が特許文献2に記載されている。
特開2003−106104号公報 特開平11−148303号公報
しかしながら、上述した特許文献1及び2では、タービン動翼の性能が、混入する冷却空気流量に大きく影響を受けることが懸念されており、また、適用範囲が翼高さに大きく影響を受ける。
また、翼部の外周側、即ち、タービン動翼をガスタービンに組み込んだ時に、翼部に対してタービンローターから遠い側(チップ側)での流れ場の冷却空気の乱れは、高温ガスの場合には翼部に大きな影響を与える。つまり、流れ場の冷却空気の乱れは、流体側から翼部への熱流速を増加させ熱負荷を増大させるため、タービン翼の破損の原因になる可能性がある。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、冷却空気が混入するタービン動翼のチップ側の翼断面における全圧損失を低減させ、冷却空気混入による性能劣化を抑えることができるタービン動翼を提供することにある。
本発明のタービン動翼は、上記目的を達成するために、回転軸に取り付けられ、該回転軸の内周側に位置する内周側エンドウォール部と、該内周側エンドウォール部に取り付けられ、該内周側エンドウォール部から半径方向に延びる翼型部とを備え、前記翼型部が取り付けられた前記内周側エンドウォール部が所定の間隙をもって複数個配置され、前記翼型部は、翼弦方向に凹形状の曲面形状を成す圧力面及び翼弦方向に凸形状の曲面形状を成す負圧面と、翼前縁及び翼後縁とから成ると共に、翼の厚みが前記翼前縁側より中央側に向かうに従い徐々に大きくなり、かつ、その途中より前記翼後縁側に向かうに従い徐々に小さくなるように形成されたタービン動翼であって、前記翼型部の外周側に、前記圧力面から前記負圧面に抜ける貫通孔が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、冷却空気が混入するタービン動翼のチップ側の翼断面における全圧損失を低減させ、冷却空気混入による性能劣化を抑えることができる。
本発明のタービン動翼が適用されるガスタービンの概略構成を一部断面して示す図である。 本発明のガスタービンのタービン動翼とタービン静翼の配置構成の詳細を示す図である。 図2の1つのタービン動翼を拡大して示す図である。 図3の翼型部のZ−Z´線に沿った断面図である。 本発明のタービン動翼の外周側翼端部近傍の翼型部表面断面における翼面マッハ数を示す図である。 本発明のタービン動翼の外周側翼端部近傍の翼型部表面断面における翼負荷が小さくなった場合の翼面マッハ数分布を示す図である。 タービン周方向に隣接して配置された2枚の動翼によって構成されるタービン動翼例を示す図である。 本発明の実施例1に係るタービン動翼を負圧面側から見た概略図である。 本発明の実施例1に係るタービン動翼を圧力面側から見た概略図である。 図8及び図9中の面32で翼部を切断し、この切断面をタービン径方向の外側から見た断面図である。 図10のP−Q線に沿う断面図である。 タービン径方向の各位置における翼部の断面に係るタービン動翼の全圧損失分布を示す図である。
以下、図示した実施例に基づいて本発明のタービン動翼を説明する。なお、各図において、同一構成部品には同符号を使用する。
図1に、本発明のタービン動翼が適用されるガスタービンの概略構成を示す。
該図に示す如く、ガスタービンは、タービンローター1とステーター2から成り、タービンローター1は主として回転軸3と、この回転軸3に設置され、回転軸3と共に回転するタービン動翼4及び圧縮機5の動翼(図示せず)とを備え、ステーター2は、ケーシング7と、このケーシング7に支持され、タービン動翼4と対向するように配置されているタービン静翼8とを備えて概略構成されている。
そして、圧縮機5からの圧縮空気と燃料が燃焼器6に与えられ、燃焼器6内で燃料が燃焼して高温ガスを発生し、発生した高温ガスがタービン静翼8を介してタービン動翼4に吹き付けられ、タービン動翼4を介してタービンローター1が駆動されるものである。
なお、高温ガス中に晒されているタービン動翼4やタービン静翼8は、必要に応じて冷却されている。その冷却用の冷却媒体には、圧縮機5の圧縮空気の一部が用いられている。
図2に、ガスタービンのタービン動翼4とタービン静翼8の配置構成の詳細を示し、図3に、1つのタービン動翼4を拡大して示す。
該図に示す如く、タービン動翼4は、タービンローター1に取り付けられ(図1参照)、タービン動翼4の回転軸3に対して内周側、即ち、タービンローター1側に位置する内周側エンドウォール部10と、この内周側エンドウォール部10の内面から半径位置が大きくなる方向(図3の紙面下から上方向)に延びる翼型部12とから構成されている。更に、翼型部12の半径が最も大きくなる閉局面12cとガス流路面を形成する外周側エンドウォール部16の外面との間には、流体が流れる間隙17が形成されている。
また、翼型部12の内部には中空部9a、9bを有し(後述する)、この中空部9a、9bに冷却媒体を流してタービン動翼4を内部から冷却するように形成された翼型部12を構成している場合もある。図3では、符号9が冷却媒体の入口であり、矢印の方向に冷却媒体は流れ翼型部12を冷却する仕組みになっている。
タービン動翼4がタービンローター1に設置されていることは上述したが、タービン動翼4を冷却する冷却空気供給源としては、圧縮機5が用いられることが多く、冷却空気は、タービンローター1に設けられた冷却空気導入孔14を用いてタービン動翼4に導入される。冷却後の冷却空気は、タービン動翼4の内周壁に設けられた排出口15より排出され、やがてはガスパス路20に排出される。
また、タービンローター1を冷却した空気は、内周側のタービン静翼8A、8Bとタービン動翼4との隙間から矢印18、19のように冷却空気がガス流路に混入するようになっているが、タービン動翼4は回転しているため、特に上流側から混入する矢印18で示す冷却空気は、翼型部12の内周側前縁から発達する渦を強くすることが知られており、この渦の効果で翼間でのエネルギーが散逸してしまう。
なお、図3中、線矢印は冷却空気の流れを示し、枠取り矢印は高温ガス、即ち、主流ガス11の流れを示している。
図4に、上述した翼型部12の図3におけるZ−Z´線に沿った断面形状を示す。
該図に示す如く、翼型部12は、翼弦方向に凹形状の曲面径所を成す圧力面(翼型部12の翼腹側部)10bと、翼弦方向に凸形状の曲面径所を成す負圧面(翼型部12の翼背側部)10aと、翼前縁12aと、翼後縁12bとを有し、翼厚みが翼前縁12a側より中央側に向かうに従い徐々に大きくなり、かつ、その途中より翼後縁12b側に向かうに従い徐々に翼厚み小さくなるように形成されている。また、翼型部12の内部には空気冷却室である上述した中空部9a、9bを有し、この中空部9a、9bに冷却媒体を流して翼を内部から冷却するように構成されている。
また、翼型部12の前部の中空部9a、9bには、熱変換を良好にするためにフィン(図示せず)が設けられている。そして、冷却後のタービン静翼8A、8B(図3参照)と同様、冷却空気は内周壁に設けられた排出口15より排出され、やがてはガスパス路20に排出される。
なお、このような冷却構造は、対流冷却や他の冷却手段であっても構わない。重要なのは、冷却空気が混入するタービン動翼4の外周側翼端部の形状である。
図5は、このように構成されるタービン動翼4の外周側翼端部近傍の翼型部表面断面における翼面マッハ数を示した図である。該図は、外周側エンドウォール部16近傍における負圧面10aの翼前縁12aから翼後縁12bまでの翼面マッハ数をMsで示し、内周側エンドウォール部10における圧力面10bの翼前縁12aから翼後縁12bまでの翼面マッハ数をMpで示している。
図5に示すように、負圧面10aの翼面マッハ数は、翼前縁12aと翼後縁12bの中間部で最大翼面マッハ数M_maxを示し、中間部から翼後縁12bにかけて大きく減少している。これは、主流ガス11が複数のタービン動翼4によって構成された翼列の入口から出口にかけて流れるとき、主流ガス11のガス膨張が行われるためである。M_minは、圧力面10bにおける最小翼面マッハ数を表す。最大翼面マッハ数M_maxと最小翼面マッハ数M_minの差が大きいほど、翼型部12に作用する最大圧力と最小圧力の差が大きいということになり、翼型部12に掛かる負荷が大きくなる。
このような翼型部12に掛かる負荷が大きいタービン動翼4では、内周側或いはケーシング7側によらず、エンドウォール近傍で主流ガス11の流れに対して垂直な断面での流れ、つまり、二次流れが大きくなる。これは、エンドウォール付近では、主流ガス11の粘性の影響により流速が低下することで、主流ガス11に作用する遠心力が小さくなり、圧力勾配の方が過大になるため、主流ガス11が圧力の小さい方の負圧面10a側に引き寄せられるためである。
二次流れが大きくなることでエンドウォール近傍の主流ガス11の流量が減少し、その分、平均径付近での主流ガス11の流量が増加し翼負荷が増大する。翼負荷が増大することはマッハ数が大きくなることを意味し、壁面での摩擦損失、超音速領域では衝撃波による衝撃波損失が大きくなる。その結果、全圧損失の増大を招く。
図6に、翼負荷が小さくなった場合の翼面マッハ数分布を示す。該図に示す如く、翼負荷が小さくなった場合の最大翼面マッハ数M´_maxと最小翼面マッハ数M´_minの差が、最大翼面マッハ数_Mmaxと最小翼面マッハ数M_minの差より小さくなっていることが分かる。
このような全圧損失の増大を防ぐため、タービン動翼4では、タービン翼端とケーシング7の間の間隙で発生する流れの混合損失を抑制する方法、或いは翼型部12の翼前縁12aから発生する二次流れによる損失を抑制する方法が提案されている。
タービン動翼4のタービン翼端とケーシング7の間の間隙で発生する流れの混合損失を抑制する方法では、タービン翼端にスキーラーと呼ばれる凹部分を設定して間隙を通過する流れを抑制し、混合損失を低減することが主流であり、新しい技術としては、ウイングレットと呼ばれる流れ方向に翼を並列に設定し、翼負荷を2枚の翼で分担する方法により翼端部近傍の翼負荷を低減させ、間隙を通過する流れを抑制して混合損失を低減することが提案されている。
以下、翼前縁12aの近傍で発生する二次流れ渦の増大を抑制すると共に、2枚の翼の一方側の負圧面と他方側の圧力面で挟まれた領域における二次流れをも抑制する効果を持つタービン動翼4の実施例1について、図7、図8及び図9を用いて説明する。
図7は、タービン周方向に隣接して配置された2枚の動翼によって構成されるタービン動翼例を示すもので、翼前縁12aの近傍で発生する二次流れ渦の増大を抑制すると共に、2枚の翼の一方側の負圧面10a´と他方側の圧力面10bで挟まれた領域における二次流れをも抑制するタービン動翼例である。
図8は、本発明の実施例1に係るタービン動翼4を負圧面10a側から見た図であり、図9は、タービン動翼4を圧力面10b側から見た図である。
図8及び図9において、矢印13は、ガスの流れの向きを表し、翼前縁12a側が上流側、翼後縁12bが下流側である。Rは半径位置を表す座標軸である。翼型部12の内周側には、内周側エンドウォール部10が位置する。この翼型部12端部の外周側の面には、翼型部12の負圧面10a側で圧力面10b側から抜けた貫通孔21を有する。
即ち、本実施例では、タービン動翼4の翼型部12の外周側に、圧力面10b側から負圧面10a側に抜ける貫通孔21が形成され、しかも、この貫通孔21は、後で詳述するが、貫通孔21に対し下流側から上流側に向って半径位置が低く形成されているものである。
なお、本実施例での翼型部12の外周側とは、このタービン動翼4をガスタービンに組み込んだときに、翼型部12に対してタービンローター1から遠い側(チップ側)を意味し、内周側とは、タービンローター1側(ハブ側)を意味する。また、外とは外周側、内とは内周側を意味する。
更に詳述すると、本実施例のタービン動翼4は、上述した貫通孔21が翼後縁12b近傍に位置している。具体的には、翼型部12端部の外周側の面に位置する翼型部12の翼前縁12aをタービンの回転軸方向の座標を基準として0%、翼後縁12bを100%としたとき、貫通孔21の位置が65%以上100%以下の範囲内に位置するように形成される。これは、エンドウォール付近での翼負荷増大が渦発生の要因となることに着目し、これに対処したためである。タービン動翼4の翼前縁12a近傍領域において、翼表面で巻き上げられる二次流れ渦が発生する。この二次流れ渦に引き込まれるように主流ガスも渦を形成する。
図8及び図9に示すように、本実施例のタービン動翼4は、翼型部12端部の外周側の面において、圧力面10b側に負圧面10a側に抜ける貫通孔21、即ち、貫通孔入口33から貫通孔出口34に抜ける貫通孔21を有している。
具体的には、内周側エンドウォール部10と翼型部12の翼前縁12aとの接点を0%、内周側エンドウォール部10と翼型部12の翼後縁12bとの接点を100%としたときに、圧力面10b側の貫通孔21の開口部が10%から50%の間に存在し、負圧面10a側の貫通孔21の開口部が65%から100%の間に存在するように形成されている。
この領域は、翼間の圧力面10b側から負圧面10a側に向かう圧力勾配が最も大きく流速が急激に減少し、渦が発生しやすい領域である。本実施例の貫通孔21を利用することで圧力面10b側から負圧面10a側に向かう流れが発生し、上流側の翼型部12、下流側の翼型部12、その間の間隙の構成により、エンドウォール側の翼負荷を減らすことができる。これにより、エンドウォール近傍の二次流れ損失を抑制することができる。
つまり、圧力面10b側から負圧面10a側に抜ける貫通孔21の位置が15%より小さい場合、貫通孔21の貫通孔入口33及び貫通孔出口34の差圧が小さいため、エンドゥオール近傍の流体を負圧面10a側に流すことができず、翼負荷低減効果が得られない。また、圧力面10b側から負圧面10a側に抜ける貫通孔21の位置が50%より大きい場合、貫通孔21の貫通孔入口33及び貫通孔出口34の差圧が大きくなるため、貫通孔21を通過する流体の流速が大きくなり、負圧面10a側で主流との混合損失が大きくなる。これにより、負圧面10a側で損失が大きくなり翼列全体での性能低下に繋がる。
次に、貫通孔21の翼高さ方向について説明する。
貫通孔21の翼高さ位置は、翼型部12の外周側端面に、2つの翼型部12の間の間隙から構成される翼型部12の断面を有し、かつ、内周側エンドウォール部10を翼高さ0%、外周側の翼型部12の先端の翼高さを100%と定義すると、2つの翼型部12の間の間隙が、外周側の翼型部12の先端の翼高さ95%から翼高さ100%の間に存在する(含まれる)。
即ち、2つの翼型部12の間の間隙が外周側の翼型部12の先端の翼高さ95%以下になると貫通孔21の穴が大きくなることで、圧力面10b側から負圧面10a側に向かう流量が大きくなり、本来、タービン動翼4で主流空気から回収すべき仕事量が減少してしまう。2つの翼型部12の間の間隙が外周側の翼型部12の先端の翼高さ95%より大きい場合、上流側にあるタービン静翼8との位置関係、冷却空気混入による壁面境界層増大の影響により、圧力面10b側から負圧面10a側に抜ける貫通孔21の貫通孔入口33と貫通孔出口34の面積が小さくなるため、貫通孔21を通過する流量が小さくなり、翼型部12の負荷低減効果が小さくなる。そのため、外向き凸形状の頂点が95%以上100%以下としている。
また、本実施例では、内周側エンドウォール部10と翼型部12の翼前縁12aとの接点を0%、内周側エンドウォール部10と翼型部12の翼後縁12bとの接点を100%としたときに、0%以下の範囲内で、かつ、内周側エンドウォール部10側から流体が混入している。
次に、本実施例のタービン動翼4の翼端部の断面について、図10及び図11を用いて説明する。図10は、図8及び図9の符号32に沿ったタービン動翼4の断面を、内周側エンドウォール部10の外周側から見た図を示し、図11は、図10のP−Q線に沿った断面をそれぞれ示す。
該図において、33が圧力面10b側に位置する貫通孔入口であり、34が負圧面10a側にある貫通孔出口である。35はエンドウォール近傍の流れが、貫通孔入口33から貫通孔出口34に向かう流れを示している。36は内周側エンドウォール部10側の上流部であり、37は内周側エンドウォール部10側の下流部である。
上述した如く、本実施例では、図10に示す如く、タービン動翼4の翼型部12の外周側に、圧力面10b側から負圧面10a側に抜ける貫通孔21が形成され、しかも、この貫通孔21は、図11に示す如く、貫通孔21に対し下流側(P側)から上流側(Q側)に向って半径位置が低く形成されている。
これにより、貫通孔21の貫通孔入口33から貫通孔出口34に向かう流れ35により、内周側エンドウォール部10側の上流側部36の負圧面10aと圧力面10bの差圧が減少し、上流側の翼部の負荷が減少する。また、貫通孔21の貫通孔入口33から貫通孔出口34に向かう流れ35により、貫通孔出口34での流速が、貫通孔21がない場合比べて減少するため、内周側エンドウォール部10側の下流部37の圧力面10bと負圧面10aの差圧も減少する。この原理により、翼部の内周側エンドウォール部10側の翼負荷が減少する。
図12は、タービン径方向の各位置における翼型部12の断面に係るタービン動翼の全圧損失を示す図である。図中のチップ側は、タービン径方向の外側(即ち、外周側エンドウォール部16側)を示し、ハブ側は、タービン径方向の内側(即ち、内周側エンドウォール部10側)を示す。
図8、図9、図10に示した本実施例の貫通孔21を備えた本実施例に係る全圧損失は点線で描かれており、従来例に係る全圧損失は実線で描かれている。
該図から分かるように、ハブ側に近い領域では、本実施例と従来例に係る全圧損失は略一致しているが、チップ側に近い領域では、本実施例に係る全圧損失の方が従来例に係る全圧損失より低減していることが分かる。即ち、本実施例では、外周側エンドウォール部16に近い翼断面における全圧損失が低減され、タービン径方向の上下方向に渡ってより均一な全圧損失が達成されている。これは、翼型部12の全域に渡ってより均等な膨張仕事が達成されていることを意味する。従って、本実施例によれば、タービン効率を向上でき、ガスタービンの燃費を削減できる。
以上のように、本実施例のタービン動翼4は、ケーシング17側のタービン動翼4の端面側の負圧面10a付近に貫通孔出口34、圧力面10b付近にガスの流れを誘導する貫通孔入口33をそれぞれ形成している。タービン動翼4を、このような形状とすることにより、矢印13で示した主流方向において、流れの急激な減速と増速を抑えて速度変化をなだらかに推移させることができ、好適なタービン動翼4が提供できる。
このように構成されたガスタービンでは、タービン動翼4に向かって流入した主流流体は、翼前縁12aから流入し、翼型部12に沿って流れ、翼後縁12bから流出する。本実施例のタービン動翼4の端部形状にすることで、タービン動翼4の端部側での二次流れが抑制され、翼型部12の負圧面10aに沿って流れる主流流体の内周側のエンドウォール付近の流れの減速が抑制され、タービン動翼4の翼型部12の負圧面10aにおけるマッハ数の減少も小さくなる。
その結果、タービン動翼4の翼型部12の負圧面10aの翼断面における全圧損失を低減させることができる。そして、タービン動翼4にかかる負荷が高い場合においても、また、混入する冷却流量が変化する場合においても、二次流れが発生する機構は同じであるため、タービン動翼4の翼端部における全圧損失の増大を抑制させることができる。
このように、本実施例によれば、翼の負荷が増大し、二次流れが大きくなるタービン動翼4において、タービン動翼4の翼先端間隙を通過する隙間流れの流速を抑制することで、主流と二次流れの混合損失を低減できる。また、先端間隙がゼロになった場合においても、タービン動翼4の端側の翼負荷低減効果により流れ方向の速度勾配が減少し、二次流れ渦発達が抑制され、二次流れ損失が減少する。
従って、本実施例により、タービン動翼4の先端で発生する主流と二次流れの混合損失、外周側ケーシングで発生する二次流れ損失の両方を抑制する効果をもつタービン動翼4を提供できる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…タービンローター、2…ステーター、3…回転軸、4…タービン動翼、5…圧縮機、6…燃焼器、7…ケーシング、8、8A、8B…タービン静翼、9…入口、9a、9b…中空部、9c…圧力面、9f…空気冷却室、10…内周側エンドウォール部、10a、10a´…負圧面、10b…圧力面、11…主流ガス、12…翼型部、12a…翼前縁、12b…翼後縁、12c…閉局面、13…矢印、14…冷却空気導入孔、15…排出口、16…外周側エンドウォール部、17…間隙、18、19…冷却空気の流れを示す矢印、20…ガスパス路、21…貫通孔、32…タービン動翼の断面線、33…貫通孔入口、34…貫通孔出口、35…貫通孔入口から出口に向かう流れ、36…翼部エンドウォール側の上流部、37…翼部エンドウォール側の下流部。

Claims (5)

  1. 回転軸に取り付けられ、該回転軸の内周側に位置する内周側エンドウォール部と、該内周側エンドウォール部に取り付けられ、該内周側エンドウォール部から半径方向に延びる翼型部とを備え、前記翼型部が取り付けられた前記内周側エンドウォール部が所定の間隙をもって複数個配置され、前記翼型部は、翼弦方向に凹形状の曲面形状を成す圧力面及び翼弦方向に凸形状の曲面形状を成す負圧面と、翼前縁及び翼後縁とから成ると共に、翼の厚みが前記翼前縁側より中央側に向かうに従い徐々に大きくなり、かつ、その途中より前記翼後縁側に向かうに従い徐々に小さくなるように形成されたタービン動翼であって、
    前記翼型部の外周側に、前記圧力面から前記負圧面に抜ける貫通孔が形成されていることを特徴とするタービン動翼。
  2. 請求項1に記載のタービン動翼において、
    前記貫通孔は、該貫通孔に対し下流側から上流側に向って半径位置が低く形成されていることを特徴とするタービン動翼。
  3. 請求項1又は2に記載のタービン動翼において、
    前記翼型部の外周側端面に、2つの前記翼型部の間の間隙から構成される翼型部断面を有し、かつ、前記内周側エンドウォール部を翼高さ0%、外周側の前記翼型部先端の翼高さを100%と定義すると、2つの前記翼型部の間の間隙が、外周側の前記翼型部先端の翼高さ95%から翼高さ100%の間に含まれることを特徴とするタービン動翼。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のタービン動翼において、
    前記内周側エンドウォール部と前記翼型部の前記翼前縁との接点を0%、前記内周側エンドウォール部と前記翼型部の前記翼後縁との接点を100%としたときに、前記圧力面側の前記貫通孔の開口部が10%から50%の間に存在し、前記負圧面側の前記貫通孔の開口部が65%から100%の間に存在することを特徴とするタービン動翼。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のタービン動翼において、
    前記内周側エンドウォール部と前記翼型部の前記翼前縁との接点を0%、前記内周側エンドウォール部と前記翼型部の前記翼後縁との接点を100%としたときに、0%以下の範囲内で、かつ、前記内周側エンドウォール部側から流体が混入することを特徴とするタービン動翼。
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