JP2017180148A - カム軸の支持構造 - Google Patents

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悟 大本
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悟 大本
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Abstract

【課題】カム軸の軸受け面の加工精度に優れる上に製造性にも優れるカム軸の支持構造を提供する。
【解決手段】カム軸の支持構造1は、シリンダヘッド10Cに設けられたシリンダ側軸受け部10とカムキャップ20とでカム軸のジャーナルを挟み、カム軸を回転可能に支持する。シリンダ側軸受け部10における軸受け面11Aに潤滑油を貯留する油溜り溝12Aを備える。シリンダ側軸受け部10におけるカム軸の軸方向に直交に配置される外壁面13と、カムキャップ20におけるカム軸の軸方向に直交に配置される外壁面23とが面一である。製造過程で、未加工のシリンダ側軸受け部の外壁面と未加工のカムキャップの外壁面とを面一に配置できるため、軸受け面11A,21を形成する工具を安定して配置でき、精度よく製造できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の構成部品である動弁系のカム軸を支持する構造に関する。
自動車に備えられる内燃機関の構成部品として、吸気バルブや排気バルブ(以下、バルブ類と呼ぶことがある)の開閉を行う複数のカムを備えるカム軸がある。カム軸は、カムを有していない部分であるジャーナルをシリンダヘッドに設けられた軸受け部とカムキャップとに挟まれて回転可能に支持される。シリンダヘッドの軸受け部とカムキャップとは、通常、ボルトによって締結され、この締結状態においてカム軸のジャーナルの外周面に対応した一つの円筒孔を形成する。円筒孔を形成するシリンダヘッドの軸受け面が上記ジャーナルの下方半周を支持し、シリンダヘッドの上方から取り付けられるカムキャップの軸受け面が上記ジャーナルの上方半周を支持する。
内燃機関の運転時、カム軸は高速で回転して、上記バルブ類の開閉を高速で数多繰り返す。カムキャップには、このときのバルブ類の反力(面圧)を抑え込むことが要求される。一方、シリンダヘッドの軸受け部は上記反力を実質的に受けない。このことから、カムキャップの幅をシリンダヘッドの軸受け部の幅よりも広くすることがある。この結果、カムキャップの軸受け面の幅を広くできて、上記反力を抑えられる。一方、シリンダヘッドの軸受け面の幅を最小限の幅とすれば、カム軸との摩擦による機械的損失を低減できる(例えば、特許文献1の図5、シリンダヘッド13の下部カムジャーナル13aにおける上端面の幅(最小幅)と、カムキャップ70の上部カムジャーナル71の幅とを比較参照)。
特開2011−064086号公報
シリンダヘッドの軸受け部及びカムキャップに対して、カム軸を支持する軸受け面の加工精度に優れる上に製造性にも優れることが望まれている。
シリンダヘッドの軸受け部及びカムキャップにおけるカム軸を支持する半円弧状の軸受け面は、以下のように形成する。軸受け面形成前のシリンダヘッドの軸受け部(以下、未加工の軸受け部と呼ぶ)に、軸受け面形成前のカムキャップ(以下、未加工のキャップと呼ぶ)を配置し、これらの合わせ目にドリルの先端を配置して、未加工の軸受け部と未加工のキャップとの両者を同時に切削して、円筒孔を形成する。
図5を参照してより具体的に説明する。図5は、製造過程のシリンダヘッド100Cにおける未加工の軸受け部100nに、未加工のキャップ200を配置した状態で、カム軸の軸方向(図5では左右方向、製造過程ではドリル60の軸方向に等しい)に直交する方向からみた状態を模式的に示す平面図である。
なお、シリンダヘッドの軸受け部の幅は、未加工の軸受け部100nの幅W100nを実質的に維持する。幅W100nはカム軸の軸方向に直交に配置される一対の外壁面130,130間の距離であり、孔開け加工後の外壁面は、孔開け加工部分の切除を除いて加工前の状態を実質的に維持するからである。同様に、カムキャップの幅は、未加工のキャップ200の幅W200を維持する。また、図5に示す形態では、シリンダヘッドの軸受け部の幅及びカムキャップの幅は、孔開け加工によって軸受け面(同)が形成された状態において、各軸受け面の幅に実質的に等しい。
未加工の軸受け部100nの幅W100nと未加工のキャップ200の幅W200とが異なる場合、図5に示すように、未加工の軸受け部100nの外壁面130に対して、未加工のキャップ200の外壁面230がカム軸の軸方向に突出するように、未加工の軸受け部100nに対して未加工のキャップ200をずれて配置する。そのため、未加工の軸受け部100nにおける接触面150と未加工のキャップ200の接触面250とによってつくられる合わせ目は、幅の差ΔW=W200−W100nに応じた段差を含む。加工開始にあたり、この段差を含む合わせ目にドリル60の先端を配置する必要があるが、ドリル60の先端は、上記段差により、未加工のキャップ200の下端縁に当接し、未加工の軸受け部100nに接触しない。そのため、ドリル60の配置状態が不安定になり易く、ドリル60は、図5に白抜き矢印で示すように未加工の軸受け部100n側に傾くように位置ずれし易い。
上述のようにドリル60の配置状態が不安定であるため、加工速度を速めると、カム軸を支持する軸受け面の加工精度の低下を招く。加工精度の低下は、カム軸とシリンダヘッド及びカムキャップとにおける摺動部分の焼き付きなど摩擦による機械的損傷、機械的損失を招き得る。加工精度の低下を招かないように加工速度を遅くすれば加工時間が長くなり、製造性の低下を招く。
そこで、本発明の目的の一つは、カム軸の軸受け面の加工精度に優れる上に製造性にも優れるカム軸の支持構造を提供することにある。
本発明の一態様に係るカム軸の支持構造は、
シリンダヘッドに設けられたシリンダ側軸受け部とカムキャップとでカム軸のジャーナルを挟み、前記カム軸を回転可能に支持するカム軸の支持構造であって、
前記シリンダ側軸受け部における軸受け面に潤滑油を貯留する油溜り溝を備え、
前記シリンダ側軸受け部における前記カム軸の軸方向に直交に配置される外壁面と、前記カムキャップにおける前記カム軸の軸方向に直交に配置される外壁面とが面一である。
上記のカム軸の支持構造は、シリンダ側軸受け部の外壁面とカムキャップの外壁面とが面一であるため、製造過程において、両外壁面が面一となるように配置できる。そのため、カム軸の軸受け面を形成するドリルなどの孔開け工具を安定して配置でき、加工速度を速めても、精度よく軸受け面を形成できる。従って、上記のカム軸の支持構造は、カム軸の軸受け面の加工精度に優れる上に製造性にも優れる。
実施形態1のカム軸の支持構造を構成するシリンダ側軸受け部とカムキャップとを模式的に示す分解斜視図である。 実施形態1のカム軸の支持構造を図1の(II)−(II)切断線で切断した断面図である。 実施形態1のカム軸の支持構造において、シリンダ側軸受け部及びカムキャップに軸受け面を形成する状態を説明する説明図である。 (A)は、実施形態1のカム軸の支持構造において、シリンダ側軸受け部の軸受け面を示す平面図、(B)は軸受け面の別例を示す平面図である。 カムキャップの幅がシリンダヘッドの軸受け部の幅よりも広い場合に、カム軸の軸受け面を形成する状態を説明する説明図である。
以下、図面を参照して、本発明のカム軸の支持構造を具体的に説明する。図面において、同一符号は同一名称物を示す。
[実施形態1]
以下、主に図1,図2を参照して、実施形態1のカム軸の支持構造1を説明する。図2は、図1に示すカム軸の支持構造1をカム軸5の軸方向(軸受け面11Aに沿った仮想の円筒の軸線Laに沿った方向に等しい)に直交する平面で切断した断面図である。
(全体構成)
実施形態1のカム軸の支持構造1は、自動車に搭載される内燃機関の構成部品の一つである動弁系のカム軸5(図2)を支持することに利用される。内燃機関は、代表的には、潤滑油を貯留するオイルパン、シリンダボアを備えるシリンダブロック、燃焼室を備えるシリンダヘッド10C、シリンダヘッドカバーが順に組み付けられた積層体である(詳細は図示せず)。更に、内燃機関は、上記シリンダボアに収納されるピストンなどの主運動系と、シリンダヘッド10Cに収納されて燃焼室を開閉する吸気バルブ及び排気バルブ、これらバルブ類の開閉を行うカムを備えるカム軸5などの動弁系とを備える(同)。上記潤滑油は、シリンダブロックやシリンダヘッド10Cに設けられた流路を利用して、ピストンとシリンダボア、カム軸5とその軸受け部材(後述のシリンダ側軸受け部10及びカムキャップ20)などの摺動部分に供給される。
(カム軸の支持)
内燃機関の運転時、ピストンの往復動を利用してカム軸5を回転させ、カム軸5の回転に伴って、上記バルブ類を開閉する。カム軸の支持構造1は、シリンダヘッド10Cに設けられた少なくとも一つのシリンダ側軸受け部10と少なくとも一つのカムキャップ20とでカム軸5に備えるジャーナル50をそれぞれ挟み、カム軸5を回転可能に支持する。特に、実施形態1のカム軸の支持構造1は、シリンダ側軸受け部10とカムキャップ20とがカム軸5を挟むように組み付けられた状態において、シリンダ側軸受け部10におけるカム軸5の軸方向に直交に配置される外壁面13と、カムキャップ20におけるカム軸5の軸方向に直交に配置される外壁面23とが面一であることを特徴の一つとする(図2)。また、実施形態1のカム軸の支持構造1は、シリンダ側軸受け部10における軸受け面11Aに潤滑油を貯留する油溜り溝12Aが設けられていることを特徴の一つとする(図1,図2)。以下、より詳細に説明する。
(シリンダ側軸受け部)
シリンダ側軸受け部10は、代表的には、シリンダヘッド10Cの上方側(シリンダヘッドカバー側)であって、カム軸5と上記バルブ類などとが干渉しないように、バルブ類の配置領域よりも上方に突出した帯状の台部である。シリンダ側軸受け部10は、カム軸5のジャーナル50の外周面を構成する円筒面に対応した曲率を有し、この外周面を支持する軸受け面11Aと、カム軸5の軸方向に直交に配置されて軸受け面11Aを挟む一対の外壁面13,13と、軸受け面11A及び外壁面13,13に連なり、カムキャップ20に接する接触面15とを備える。
(カムキャップ)
カムキャップ20は、カム軸5のジャーナル50の外周面を構成する円筒面に対応した曲率を有し、この外周面を支持する軸受け面21と、カム軸5の軸方向(軸受け面21に沿った仮想の円筒の軸方向に等しい)に直交に配置される一対の外壁面23,23と、軸受け面21及び外壁面23,23に連なり、シリンダ側軸受け部10の接触面15に接する接触面25とを備える。この例のカムキャップ20は、軸受け面21を一つのみ備える門型のものを示す。
(組み付け状態)
シリンダ側軸受け部10とカムキャップ20とは、対向配置される軸受け面11A,21でカム軸5を挟み、接触面15,25を接触させて組み付けられて使用される。この組み付け状態では、両軸受け面11A,21によって円筒孔を形成し、この円筒孔にカム軸5のジャーナル50が挿通配置された状態になる。シリンダ側軸受け部10及びカムキャップ20の組み付け状態を固定するために、ボルトなどの締結部材が利用される。そのため、シリンダ側軸受け部10及びカムキャップ20には、締結部材が挿通又はねじ止めされる締結孔10h,20hが設けられる。
上述の組み付け状態では、両接触面15,25によってつくられる合わせ目がカム軸5の軸方向(図2では軸線Laに沿った左右方向)に平行に配置される。また、上述の組み付け状態では、シリンダ側軸受け部10の両外壁面13,13とカムキャップ20の外壁面23,23とはそれぞれ面一に配置され、外壁面13,23間に段差が実質的に無く、一様な平面を形成する。シリンダ側軸受け部10の幅W10、即ち外壁面13,13間における軸線Laに沿った距離は、カムキャップ20の幅W20、即ち外壁面23,23間における軸線Laに沿った距離に実質的に等しい。シリンダ側軸受け部10における実際の軸受け面11R,11Lの幅W11R,W11Lは油溜り溝12Aの溝幅W12によって異なり、最大値は、シリンダ側軸受け部10の幅W10未満である(図4(A))。カムキャップ20の軸受け面21の幅は、カムキャップ20の幅W20に実質的に等しい(図2)。
(潤滑)
この例では、以下の油通路を利用して、カム軸5のジャーナル50の外周面と、シリンダ側軸受け部10の軸受け面11A及びカムキャップ20の軸受け面21との間にオイルパンからの潤滑油を供給し、摩擦の低減を図る。カム軸5を筒状とし、カム軸5の軸方向に連続する内部空間と、この内部空間を形成する内周面からジャーナル50の外周面に連通し、この外周面に開口する空間とをそれぞれ油通路とする(特許文献1の図1も参照)。
更に、シリンダ側軸受け部10の軸受け面11Aには、油溜り溝12Aを有する。油溜り溝12Aには、上述の油通路を利用して、潤滑油がカム軸5の回転に伴って導入される。油溜り溝12Aは、この潤滑油を貯留する。
油溜り溝12Aの形状、大きさ(例、形成長さ、溝深さ、溝幅)、形成位置などは適宜選択できる。この例の油溜り溝12Aは、以下の通りである。
図4(A)に示すシリンダ側軸受け部10の軸受け面11Aに設けられた油溜り溝12Aの輪郭形状は、シリンダ側軸受け部10の幅方向(図4では軸線Laに沿った左右方向)の二等分線Lwを軸として対称形状であり、シリンダ側軸受け部10の幅方向の中心寄りに位置する。また、上記輪郭形状は、軸線Laを軸としても対称形状である長方形状の溝である。油溜り溝12Aは、その長手方向が軸受け面11Aに配置されるカム軸5の軸方向に直交するように設けられている。
油溜り溝12Aの断面形状は溝底面が湾曲したU字状である(図2)。油溜り溝12Aは、軸受け面11Aに開口すると共に、両端縁が接触面15,15に達して(図4(A))、各接触面15,15にも開口する。そのため、油溜り溝12Aにおける軸受け面11Aの周方向(図4では上下方向、カム軸5の周方向に等しい)に沿った形成長さは、軸受け面11Aの周方向長さに実質的に等しい。
油溜り溝12Aの溝深さ及び溝幅W12(図4(A))は、軸受け面11Aの周方向にみて一様である。
上述のように油溜り溝12Aの形状、大きさ、形成位置などを適宜変更することで、軸受け面11Aの形状、大きさなども変更できる。図4(A)では、油溜り溝12Aを挟んで両側にそれぞれ軸受け面11L,11Rを備え、各軸受け面11L,11Rの幅W11L,W11Rが溝幅W12よりも小さく、合計幅W11L+W11Rが溝幅W12よりも大きい場合を例示する。この場合、各軸受け面11L,11Rにおけるカム軸5との摺動面積を小さくできながら、油溜り溝12Aに潤滑油を十分に保持できる。
(製造方法)
実施形態1のカム軸の支持構造1を構成するシリンダ側軸受け部10及びカムキャップ20は、例えば、軸受け面11A,21を形成前の各未加工素材として、これらを組み付けると、これらの外壁面が面一となるものを用いることで製造できる。具体的には、図3に示すように、製造過程にあるシリンダヘッド100Cにおいて軸受け面11Aが形成されていない未加工の軸受け部100の幅W100が、軸受け面21が形成されていない未加工のキャップ200の幅W200に等しいものを用意する。そして、未加工の軸受け部100の外壁面130と未加工のキャップ200の外壁面230とが実質的に面一となるように配置する。この配置状態では、接触面150,250によってつくられる合わせ目に段差が実質的に無く、両外壁面130,230を実質的に一つの平面として取り扱える。上記合わせ目にドリルなどの孔開け工具60の先端を配置すると、未加工の軸受け部100の上端縁及び未加工のキャップ200の下端縁の双方に接触させられ、孔開け工具60を安定して配置できる。孔開け工具60によって、未加工の軸受け部100と未加工のキャップ200との両者を同時に切削することで、円筒孔を形成できる。この円筒孔を構成する半周面がシリンダ側軸受け部10に設けられ、残り半周面がカムキャップ20の軸受け面21となる。シリンダ側軸受け部10の半周面に油溜り溝12Aを形成することで、油溜り溝12Aが設けられた軸受け面11Aを備えるシリンダ側軸受け部10を製造できる。
なお、孔開け加工の前に、締結孔10h,20hを予め形成しておき、ボルトなどの締結部材によって未加工の軸受け部100と未加工のキャップ200とを固定することができる。また、孔開け加工の前に、未加工の軸受け部100に油溜り溝12Aに応じた溝加工を施すことができる。
シリンダ側軸受け部10の外壁面13、接触面15は、未加工の軸受け部100の外壁面130、接触面150において、孔開け加工部分を切除した残部によって形成される。カムキャップ20の外壁面23、接触面25は、未加工のキャップ200の外壁面230、接触面250において、孔開け加工部分を切除した残部によって形成される。そのため、シリンダ側軸受け部10とカムキャップ20とにおける外壁面13,23の面一の状態は、未加工の軸受け部100と未加工のキャップ200とにおける外壁面130,230の面一の状態が実質的に維持される。シリンダヘッド10Cの軸受け面11R,11L及びカムキャップ20の軸受け面21には、その周方向に連続する切削痕がある。
(効果)
実施形態1のカム軸の支持構造1は、シリンダ側軸受け部10の外壁面13とカムキャップ20の外壁面23とが面一であるため、以下の理由により、シリンダ側軸受け部10の軸受け面11A及びカムキャップ20の軸受け面21の加工精度に優れる上に、製造性にも優れる。
上述のように製造過程で、カム軸5の軸受け面11A,21の形成にあたり、未加工の素材として、組み付けたときに外壁面130,230が面一となるものを利用できて、孔開け工具60を安定して配置できる。そのため、加工速度を速めても高精度に加工できるからである。この例では、油溜り溝12Aを、輪郭形状が長方形状であり、各端縁が接触面15,15に至り、かつ溝幅W12及び溝深さが軸受け面11Aの周方向にみて一様なものとする。このような単純な形状であれば、油溜り溝12Aを形成し易く、加工時間を更に短縮し易い。この点からも、カム軸の支持構造1は、製造性に優れる。
また、実施形態1のカム軸の支持構造1は、シリンダ側軸受け部10の外壁面13とカムキャップ20の外壁面23とが面一であるものの、シリンダ側軸受け部10が油溜り溝12Aを備えるため、シリンダ側軸受け部10におけるカム軸5との摺動面積を低減できる。かつ、油溜り溝12Aに潤滑油を貯留でき、この潤滑油をカム軸5の回転によって、カム軸5のジャーナル50の外周面と軸受け面11A,21との間に十分に存在させられる。従って、カム軸5とシリンダ側軸受け部10及びカムキャップ20との摺動部分の焼き付きなどを防止でき、信頼性を向上できる。特に、内燃機関の始動時などにおいて、カム軸5からの潤滑油が十分に供給されていない場合であっても、油溜り溝12Aに残存する潤滑油を利用でき、油切れによる上述の焼き付きなどを防止できる。
[変形例]
実施形態1のカム軸の支持構造1に対して、以下の少なくとも一つの変更が可能である。
(1)油溜り溝の幅が部分的に異なる。
図4(B)に示すシリンダ側軸受け部10に設けられた油溜り溝12Bは、上述した油溜り溝12Aと同様に、その各端縁が接触面15,15に至り、輪郭形状が軸線La及び二等分線Lwを軸として対称な多角形状(六角形状)であり、その長手方向がカム軸の軸方向に直交する。但し、油溜り溝12Bの幅は、軸受け面11Bの周方向にみて一様ではなく、異なる。ここでは、接触面15近傍の溝幅W12nが最小値、接触面15から最も離れる位置近傍(図4(B)では軸線Laが付された位置近傍)の溝幅W12wが最大値をとり、接触面15側から離れるにつれて溝幅が連続的に広い場合を例示する。油溜り溝12Bを挟んで両側に位置する軸受け面11L,11Rは、接触面15近傍の幅W11wが最大値、接触面15から最も離れる位置近傍(同)の幅W11nが最小値をとる。
ここで、シリンダ側軸受け部10の軸受け面11Bにおいて、代表的には、接触面15から最も離れる位置及びその近傍が最下位置となるようにシリンダブロックが配置される。そのため、油溜り溝12Bは、溝全体からみて最下位置及びその近傍の容積が相対的に大きく、潤滑油の自重によって潤滑油を溜め易いといえる。かつ、軸受け面11L,11Rは、上述のバルブ類の反力を受け易い接触面15及びその近傍の幅W11wが広いものの、接触面15から離れた領域では幅W11nが狭く、カム軸との摺動面積を低減できる。これらのことから、この形態は、カム軸5とシリンダ側軸受け部10及びカムキャップ20と摺動部分における機械的損傷や機械的損失をより低減し易く、信頼性をより向上できると期待される。
その他、シリンダ側軸受け部10において、接触面15から離れるにつれて溝幅が段階的に異なる形態、軸受け面の周方向にみて溝幅が連続的又は段階的に異なる形態などが挙げられる。
(2)油溜り溝の深さが部分的に異なる。
例えば、油溜り溝12A,12Bにおいて、上述した溝全体からみて最下位置及びその近傍に配置される箇所の溝深さが他の箇所よりも局所的に深い形態が挙げられる。この形態は、上述のように潤滑油の自重によって潤滑油をより溜め易い上に、溝の容積の増大によって貯留量をより大きくできる。これらのことから、この形態は、カム軸5とシリンダ側軸受け部10及びカムキャップ20と摺動部分における機械的損傷や機械的損失をより低減し易く、信頼性をより向上できると期待される。
その他、シリンダ側軸受け部10において、接触面15から離れるにつれて溝深さが連続的又は段階的に異なる形態、軸受け面の周方向にみて溝深さが連続的又は段階的に異なる形態などが挙げられる。
(3)油溜り溝は、二等分線Lwを軸として非対称な形状、及び軸線Laを軸として非対称な形状の少なくとも一方を満たす。
例えば、油溜り溝が軸線Laに対して非直交に交差するように設けられた形態、具体例として図4(A)における上側の接触面15から下側の接触面15に至る斜めの溝などが挙げられる。
(4)シリンダ側軸受け部における軸受け面の中間領域に油溜り溝を備える。
この油溜り溝は、その両端縁が接触面15に開口するように設けられておらず、両端縁が上記軸受け面の中間領域に存在する。このような油溜り溝を複数備えることもできる。
(5)複数のカムキャップを連結材で連結したユニットにする(特許文献1の符号70参照)。この形態は、製造過程で未加工の軸受け部に未加工のキャップを安定して配置し易い。(6)カムキャップ20の軸受け面21に油溝を備える。
本発明のカム軸の支持構造は、自動車に代表される車両などに備えられる内燃機関の構成部品である動弁系のカム軸を回転可能に支持することに利用できる。
1 カム軸の支持構造
10C シリンダヘッド
10 シリンダ側軸受け部 10h 締結孔
11A,11B,11R,11L 軸受け面 12A,12B 油溜り溝
13 外壁面 15 接触面
20 カムキャップ 20h 締結孔
21 軸受け面 23 外壁面 25 接触面
5 カム軸 50 ジャーナル
60 孔開け工具(ドリル)
100C 製造過程のシリンダヘッド
100,100n 未加工の軸受け部 130 外壁面 150 接触面
200 未加工のキャップ 230 外壁面 250 接触面

Claims (1)

  1. シリンダヘッドに設けられたシリンダ側軸受け部とカムキャップとでカム軸のジャーナルを挟み、前記カム軸を回転可能に支持するカム軸の支持構造であって、
    前記シリンダ側軸受け部における軸受け面に潤滑油を貯留する油溜り溝を備え、
    前記シリンダ側軸受け部における前記カム軸の軸方向に直交に配置される外壁面と、前記カムキャップにおける前記カム軸の軸方向に直交に配置される外壁面とが面一であるカム軸の支持構造。
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